JP2011123257A - 識別媒体およびその識別方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】観察用の偏光フィルタを識別媒体に対して回転させると、角度によって異なる色彩の像が観察できる識別媒体を提供する。
【解決手段】格子状に異なる方向の配向領域を有する配向層上に複屈折効果を示す光学異方性層105を設ける。光学異方性層105は、2つの光学異方性を有する領域がドット模様に形成されており、このドット模様による描画により第1の像と第2の像が構成される。第1の像を第1の配向方向および第1の複屈折効果が与えられたドットにより構成し、第2の像を第2の配向方向および第2の複屈折効果が与えられたドットにより構成する。偏光フィルタを介した観察において、配向方向と複屈折効果の違いにより、異なる色彩の像を切り替えて観察できる視覚効果が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、識別媒体およびその識別方法に関する。
特許文献1には、配向層と液晶層の積層体で、配向層は光配向可能であり、配向方向が局部的に変化する構成が記載されている。特許文献2には、位相差の異なる領域を設けることで、偏光フィルタを介した観察において異なる色彩のカラーの潜像が観察される識別媒体が記載されている。
特許第4054071号公報 特開2009−175208号公報
特許文献2に記載されているような、反射層と位相差層とを積層した識別媒体では、偏光フィルタを識別媒体に押し付けると、位相差の違いにより潜像が観察される。この構造では、位相差を場所により異ならせることで、偏光フィルタを回転させた際に回転角度で複数の色彩を観察することができる。しかしながら、複数の色彩は、ある角度で同時に出現し、偏光フィルタを回転してゆくと、第1の角度で第1の色彩の像が観察され、次に第2の角度で第2の色彩の像が観察されるような見え方が得られない。
このような背景において、本発明は、異なる色彩の像を切り替えて観察できる識別媒体を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、光反射層と、前記光反射層と重なる位置に設けられ、複屈折性を示す光学異方性層とを備え、前記光学異方性層は、第1の配向方向を有し、且つ、第1の複屈折性を有する複数の第1の領域と、第2の配向方向を有し、且つ、第2の複屈折性を有する複数の第2の領域とを有し、前記複数の第1の領域により第1の像が構成され、前記複数の第2の領域により第2の像が構成され、前記第1の像と前記第2の像とは重なった位置に設けられていることを特徴とする識別媒体である。
請求項1に記載の発明によれば、重なった位置にある像の色彩が切り替わる表示を示す識別媒体が得られる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記光反射層は、特定の偏光状態の光を反射することを特徴とする。請求項2に記載の発明によれば、光反射層から反射される光が、特定の偏光状態(特定方向の直線偏光、右円偏光、左円偏光のいずれか)の光であるので、観察用の偏光フィルタを当該識別媒体から離した状態で観察を行っても、光学機能が失われない。なお、観察用の偏光フィルタは、当該識別媒体に接触させて観察を行うこともできる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記光学異方性層を配向させる配向層を備え、前記配向層は、前記第1の配向方向を有した領域と前記第2の配向方向を有した領域とが交互にストライプ状に設けられた構造、または前記第1の配向方向を有した領域と前記第2の配向方向を有した領域とが格子状に設けられた構造を有していることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明において、前記光反射層は、金属反射層と直線偏光フィルタ層とを積層した構造またはコレステリック液晶層により構成されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の識別媒体を特定の偏光状態を選択的に透過する偏光フィルタを介して観察する方法であって、当該識別媒体に対して前記偏光フィルタを相対的に回転させての観察において、第1の回転角度において、第1の色彩を有する前記第1の像を選択的に観察し、第2の回転角度において、第2の色彩を有する前記第2の像を選択的に観察することを特徴とする識別媒体の識別方法である。
請求項5に記載の発明によれば、識別媒体に対して観察用の偏光フィルタを相対的に回転させることで特定の回転角度において特定の色彩の潜像が認識され、回転角度を変えると異なる色彩の潜像が認識される。このため高い識別性が得られる。
本発明によれば、異なる色彩の像を切り替えて観察できる識別媒体が提供される。
実施形態の識別媒体の断面構造を示す断面図である。 配向層の配向の状態を模式的に示す正面図である。 光学異方性層の複屈折状態の分布の様子を示す正面図である。 識別媒体の見え方の一例を示す正面図である。 識別媒体の見え方の一例を示す正面図である。 配向層の配向の状態を模式的に示す正面図である。 光学異方性層の複屈折状態の分布の様子を示す正面図である。 識別媒体の見え方の一例を示す正面図である。 識別媒体の見え方の一例を示す正面図である。 実施形態の識別媒体の断面構造を示す断面図である。
1.第1の実施形態
図1には、実施形態の識別媒体100が示されている。識別媒体100は、観察する側から、光学異方性層105、配向層104、直線偏光フィルタ層103、金属反射層102、粘着層101と積層された構成を備えている。
粘着層101は、識別媒体100を識別対象となる物品に貼り付けるための粘着材の層である。金属反射層102は、可視光領域の光を反射する金属の層である。なお、この例では、光反射層として金属蒸着層を利用した金属反射層102の例を示すが、観察光となる波長を反射する材質であれば、これに限定されない。直線偏光フィルタ層103は、特定の方向の直線偏光を選択的に透過する偏光フィルタの層である。配向層104は、樹脂材料により構成される層に配向処理を施した層である。
配向層104は、向きが45°異なる方向の2種類の配向処理領域が、格子状(市松模様状、チェック柄状)に配置された配向構造を有している。図2には、識別媒体100を観察する側から配向層104を見た配向状態の様子が概念的に示されている。配向層104には、格子状に交互に配向方向Aとされた第1の配向領域と、配向方向Bとされた第2の配向領域とを配置した構造を有している。ここで、配向方向Aと配向方向Bとは、配向処理の方向が45°ずれている。なお、配向方向のずれは、2つの領域を明確に切り替えるためには45°の角度が好ましいが、他の角度も可能である。
光学異方性層105は、複屈折性を有する配向した高分子材料により構成され、その配向の状態は、配向層104によって決められている。また、以下説明するパターンで複屈折性が設定されている。図3には、光学異方性層105を、識別媒体100を観察する側の方向から見た様子が概念的に示されている。図3に示すように光学異方性層105は、第1の複屈折異方性を有する第1の領域と、第2の複屈折異方性を有する第2の領域と、複屈折性を示さない単なる光透過となるその他の領域を有している。
この例では、直線偏光フィルタを用いた観察時において、直線偏光フィルタを識別媒体100に対して、ある回転角度位置とした場合に、第1の領域が優先的に特定のある色に見え、更に別の回転角度位置に変えた場合に、第2の領域が優先的に特定の他の色に見えるように、各領域の複屈折性が調整されている。
以下、識別媒体100の製造方法の一例を説明する。まず、金属の層により構成される反射層102の片面に直線偏光フィルタ層103を貼り付ける。直線偏光フィルタ層103は、特定の方向の直線偏光を選択的に透過する偏光フィルタの層である。直線偏光フィルタ層103を設けたら、その上に樹脂層を形成し、配向処理を施す。図には、配向処理が施されることで配向層104とされた樹脂層が記載されている。この配向処理は、図2に関連して説明したように、配向の方向が45°異なる向きの2つの領域が格子状に配置された配向状態となるようにする。この配向状態を得るには、格子状のマスクを用い、2段階に分けて樹脂層(符号104の層)に対する配向処理を施すことで行われる。配向処理は、特定の方向に布等の摩擦部材を用いて擦り、物理的に特定の方向に延在した細かい筋(凹凸)を形成することによって行う。なお、樹脂層に対する配向を光照射によって行い、配向層104を得ることも可能である。
また、図示省略されているが、金属反射層102には、微細な凹凸構造により構成されるエンボス模様が設けられており、このエンボス模様により、ホログラム表示が行われる構成とされている。なお、このホログラム表示はなくてもよい。
配向層104を得たら、その露出面に光学異方性層105を形成する。光学異方性層105は、複屈折性を有する配向した高分子材料により構成され、光を当てると高分子の重合反応が生じ、配向状態が決まる材質のものを用いる。この光学異方性層中の高分子は未反応の反応性基を有する。露光により未反応の反応性基が反応して高分子鎖の架橋が起こり、露光条件の異なる露光によって高分子鎖の架橋の程度が異なり、その結果としてレターデーション値が変化して複屈折パターンが形成される。
光学異方性層105は、20℃においてレターデーションが5nm以上であればよく、10nm以上10000nm以下であることが好ましく、20nm以上2000nm以下であることが最も好ましい。
この例では、光学異方性層105の製法として、少なくとも1つの反応性基を有する液晶性化合物を含む溶液を塗布乾燥して液晶相を形成した後、電離放射線を照射して重合固定化して作製する方法を採用する。この方法については、特開2009−175208号公報に記載されている。光学異方性層102の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがさらに好ましい。
以下、光学異方性層105の形成工程の一例を説明する。まず、液晶性化合物を含有する組成物(例えば塗布液)を、配向処理を施した配向層104上に塗布する。この例では、液晶性化合物として、棒状液晶、水平配向剤、カチオン系光重合開始剤、重合制御剤、メチルエチルケトンを配合したものを用いる。そして、所望の液晶相を示す配向状態とした後、該配向状態を電離放射線の照射により固定する。
この例では、光重合反応により、配向させた液晶性化合物の配向状態が固定される。光照射の照射エネルギーは、25〜800mJ/cm2が選択される。照射波長としては250〜450nmにピークを有する紫外線が用いられる。
この際、図3に示すパターンに光描画を行い、図3の第1の領域において生じる透過光の位相差(複屈折効果)と、第2の領域において生じる透過光の位相差(複屈折効果)とが異なる状態となるようにする。この調整は、照射する光の光量(露光量)を変えることで行う。なお、光照射を行わないことで、複屈折が生じない領域が形成される。
その後、200℃の温度で熱処理を加えることで、光の照射光量に応じた配向状態の固定化の状態が決まり、それにより部分的に複屈折の状態が異なる光学異方性層105が得られる。なお、光を当てないと、熱処理時に配向状態が乱れ、その領域の複屈折性は消失する(単なる光透過層となる)。上記の熱処理は、50℃〜400℃の範囲から選択された温度で行うことができる。
こうして、図3に示す格子状のパターンに異なる複屈性を示す領域が設けられた光学異方性層105が得られる。
(光学機能)
図1に示す識別媒体100は、光学異方性層105の側から観察される。まず、観察用の直線偏光フィルタを用いずに、識別媒体100を直接見て観察する場合を説明する。この場合、識別媒体100に自然光が入射する。この入射した自然光のうち、特定方向の直線偏光が偏光フィルタ層103を透過し、その透過光は、金属反射層102で図1の上の方向に反射される。この反射光は、偏光フィルタ層103を図1の上の方向に向かって透過し、更に配向層104を透過する。そして、光学異方性層105を図1の下から上に向かって透過する。
この透過光は、図3の第1の複屈折性を示す第1の領域と第2の複屈折性を示す第2の領域を透過する際に、複屈折効果を受け、楕円偏光となる。また、複屈折しない領域は、偏光状態に影響を受けずにそのまま透過する。
この透過光を光学異方性層105の側から偏光フィルタを介さずに直接観察すると、人間の目は、偏光の状態を識別できないので、図3のパターンに関係なく、一様な反射光(金属反射層からの金属光沢の反射光)が観察される。この際、金属反射層102に設けられた図示省略したホログラム像が観察される。
次に、特定の方向の直線偏光を選択的に透過する直線偏光フィルタを介して識別媒体100を観察する場合を説明する。この場合、直線偏光フィルタを識別媒体100の法線方向を軸に回転させると、ある角度位置(第1の角度位置)で図3の第1の領域がある特定の色彩(例えば緑)に見える。この様子が、図4に示されている。図4には、緑色の「A」という文字が視認された状態が示されている。
これは、以下の理由による。まず、光学異方性層での偏光状態の変化は、光学異方性層における面内の直交する方向における屈折率の違いに起因するものであり、波長依存性がある。そのため、光学異方性層を通過することで生じた偏光状態の違いは、その中のある偏光を選択的に見た場合におけるその偏光の波長分布(波長のスペクトル)に影響を与える。この場合、識別媒体100に対する観察用の直線偏光フィルタの回転角度位置がある特定の角度において図3の第1の領域が緑色に見えるように設定されている。
一方、図3の第2の領域は、第1の領域と配向の方向(つまり位相差が与えられる軸)が45°ずれているので、第1の領域が選択的に緑色に見える条件では、特定の色に見える条件からずれており、特定の色に見え難く、視認し難い。
そして、緑色の図4の像が見えている角度位置から観察用の直線偏光フィルタを更に回転させてゆくと、図4の像が見えなくなり、ある角度位置(第2の角度位置)において、第2の領域がある特定の色彩に見える。図5には、この第2の領域により構成される像が示されている。図6には、赤色の「B」という文字が視認された状態が示されている。
このように見えるのは、第2の角度位置において、図3の第2の領域からの光が特定に色彩(例えば赤)に見えるように、第2の領域における位相差(屈折率異方性)が設定さているからである。なお、この第2の角度位置では、第1の領域からの光が特定の色彩に見える条件から外れるので、第1の領域は見えない(あるいは見え難い)。
こうして、識別媒体100を観察用の直線偏光フィルタを介して観察する際に、この直線偏光フィルタを識別媒体100に対して回転させると、第1の角度位置で緑の文字Aが選択的に見え、第2の角度位置で赤の文字Bが選択的に見える。つまり、観察用の光学フィルタを回転させることで、異なる色彩の潜像AとBを切り替えて見ることができる。
なお、上記の光学機能は、直線偏光フィルタを識別媒体100に接触させた場合であっても、識別媒体100から離した場合であっても同様に得られる。これは、光学異方性層105を図1の下から上に向かって透過する光の偏光の状態が、偏光フィルタ層103の機能により、特定の偏光状態(この場合は、直線偏光の状態)とされており、この偏光の状態が観察用の光学フィルタと識別媒体100との間の距離に関係しないからである。
仮に、偏光フィルタ層103が存在しない場合、観察用の直線偏光フィルタを識別媒体100に接触させた状態での観察では、上述した場合と同様の光学機能が得られる。しかしながら、観察用の直線偏光フィルタを識別媒体100から離すと、識別媒体100に入射する自然光の割合が増大し、光学異方性層105を図の下から上へと透過する光に含まれる自然光の割合が増大する。自然光が光学異方性層105を透過しても、位相差の影響が現れないので、観察用の直線偏光フィルタを識別媒体100から離す程、上述した潜像が観察できる機能は低下する。具体的には、潜像の鮮明さが失われてゆき、ある段階から潜像を観察できる機能が喪失する。
(優位性)
以上述べたように、識別媒体100は、格子状に異なる方向の配向領域を有する配向層上に複屈折効果を示す光学異方性層105を設けている。そして、光学異方性層105は、2つの光学異方性を有する領域がドット模様に形成されており、このドット模様による描画により第1の像と第2の像が構成されている。ここで、第1の像は、第1の配向方向および第1の複屈折効果が与えられたドットにより構成され、第2の像は、第2の配向方向および第2の複屈折効果が与えられたドットにより構成されている。そして、偏光フィルタを介した観察において、配向方向と複屈折効果の違いにより、異なる色彩の像を切り替えて観察できる視覚効果が得られる。
すなわち、識別媒体100は、観察用の直線偏光フィルタを回転させることで、図4、5に示すように、異なる角度位置において異なる色彩の2つの潜像を表示させることができる。この2つの潜像は、重なる位置にあり、偏光フィルタを回転させることで、切り替えて表示させることができる。また、識別媒体100を直視した場合は、これら潜像は観察できない。このように、観察用の偏光フィルタを識別媒体に対して回転させると、角度によって異なる色彩の像が観察できる識別媒体が得られる。
この光学機能は、観察用の直線偏光フィルタを識別媒体100に接触させた場合であっても、接触させずに識別媒体100から離した場合であっても、同様に得ることができる。このため、観察用の偏光フィルタの使い方による識別機能の低下や識別機能が得られない不都合が発生しない。
2.第2の実施形態
光学異方性層に対する配向状態の与え方の他のバリエーションについて説明する。図6には、図2とは異なる配向層104の配向の状態が示されている。図6に示す例では、45°異なる方向の配向処理領域が、交互にストライプ上に配列するようにしている。ここで、配向方向Aと配向方向Bとは、配向の方向が45°ずれている。このような配向処理もマスクを用いた配向処理により行われる。
図7には、図6の構成を採用した場合における光学異方性層105に与えられる異なる複屈折効果を示す領域のパターンの一例が示されている。以下、図6、7に示す構成を採用した場合における識別媒体100の光学機能について説明する。
この場合、識別媒体100を直接見ると、図7のパターンが視認されず、全体が一様な金属光沢に見える。そして、観察用の直線偏光フィルタを介して、識別媒体100を観察する際に、当該直線フィルタの識別媒体100に対して回転させると、第1の角度位置において、図8に示す像が観察され、第2の角度位置において、図9に示す像が観察される。
すなわち、観察用の直線偏光フィルタを特定の第1の角度位置とすると、図8に示す像(第1の像)が、第1の色彩(例えば緑)で見える。そして、観察用の直線偏光フィルタを特定の第1の角度位置から回転させてゆくと、図9に示す像(第2の像)が、第2の色彩(例えば赤)で見える。こうして、第1の実施形態の場合と同様に、光学フィルタを回転させることで、異なる色彩の潜像を個別に観察することができる識別機能が得られる。
3.第3の実施形態
特定の偏光状態にある光を反射する反射手段としてコレステリック液晶を用いることもできる。以下、この一例を説明する。図10には、実施形態の識別媒体200が示されている。識別媒体200における識別媒体100と同じ符号の部分は、図1に関連して説明したものと同じである。
識別媒体200は、特定の偏光状態にある光を反射する反射手段としてコレステリック液晶層203を備えている。以下、識別媒体200の製造方法の一例を説明する。まず、観察光を透過し、透過する光の偏光の状態を乱さない材質(この場合は、TAC(トリアセチルセルロール)フィルムを利用する)を基材層201として用意し、その一面に粘着層101を形成する。
次に、別に用意したフィルムにラビング処理を施し、このフィルム上にコレステリック液晶層を成長させる。そして、このコレステリック液晶層を上記基材層201上に移し、コレステリック液晶層203を得る。コレステリック液晶層203は、例えば、緑の中心波長を有し、右旋回方向の円偏光を選択的に反射する特性のものを採用する。また、コレステリック液晶層203には、エンボス模様の型押しによる図示省略したホログラム像を形成する。
一方、基材層201と同様な材質の基材層204を用意し、その一方の面に配向層104を形成し、その上に光学異方性層105を形成する。配向層104と光学異方性層105は、図1に示すものと同じである。次にコレステリック液晶層203と基材層204とを光透過性の樹脂の接着剤により接着し、図10に示す識別媒体200を得る。なお、この例では、粘着層101には、黒や濃い色の色素や顔料が添加されており、粘着層101は、光吸収層としても機能する。
識別媒体200に光学異方性層105の側から光が入射すると、コレステリック液晶層203から特定中心波長(この場合は、緑に相当する中心波長)で、且つ、特定の旋回方向の円偏光(この場合は、右旋回方向の円偏光)が選択的に反射され、他の光成分は、粘着層101に吸収される。
コレステリック液晶層203から図の上方向に反射された緑の右円偏光は、基材層204、配向層104を透過し、更に光学異方性層105を透過する。この際、緑の右旋回円偏光は、光学異方性105の第1の領域(図3参照)、第2の領域のそれぞれにおいて、異なる複屈折効果を受け、異なる位相差が与えられる。これにより、光学異方性層105を透過したコレステリック液晶層203からの反射光は、第1の領域、第2の領域では、当該領域における位相差に対応した楕円偏光となる。なお、複屈折効果を示さない領域では、複屈折効果は生ぜず、緑の右旋回偏光がそのまま透過する。
識別媒体200を直接見ると、上記の複屈折効果は観察されず、識別媒体200は全体が緑に見える。また、コレステリック液晶層203に形成されたホログラム像が見える。
識別媒体200を、右旋回円偏光を選択的に透過する右円偏光フィルタを介して観察すると、図3の第1の領域からの光が第1の色彩に見え、第2の領域からの光が第2の色彩に見える。また、それ以外の領域(背景)は、緑に見える。
識別媒体200を、左旋回円偏光を選択的に透過する左円偏光フィルタを介して観察すると、右旋回円偏光を用いた場合と逆旋回方向の円偏光の成分を見ることになるので、右円偏光フィルタを用いた場合と異なる色彩に第1の像と第2の像が見える。すなわち、像の色合いが切り替わる。このような現象が現れるのは、光学異方性層105において生じる位相差には、波長依存性があり、違う偏光成分を観察することで、異なる中心波長の光を観察することになるからである。
ここでは、コレステリック液晶層が緑の中心波長の右旋回円偏光を選択的に反射する場合の例を示したが、反射する中心波長の値(色)は限定されず、また反射光の旋回方向は左旋回方向であってもよい。
4.その他の実施形態
上述した例では、光学異方性層105を配向させる手法として、配向層104を用いる例を説明したが、配向層104を用いず、特定の偏光状態を有した光を照射することで、高分子の配向方向を制御する技術を利用して光学異方性層105の配向の状態を制御することもできる。この場合、照射する光の偏光の状態で、配向制御が行われ、照射光量が制御されることで、位相差の制御(複屈折性の制御)が行われる。
上述の説明では、識別媒体100を観察する偏光フィルタとして、直線偏光を選択的に透過する直線偏光フィルタを用いる場合を説明したが、円偏光フィルタを介して識別媒体100を観察することもできる。また、直線偏光フィルタを介して識別媒体200を観察することも可能である。
上記の例示では、2種類の領域の色を切り替えて見せる識別媒体の例を説明したが、3種類以上の領域を用い、例えば、第1の角度で第1の文字、第2の角度で第2の文字、第3の角度で第3の文字が、それぞれ異なる色彩で見える識別媒体とすることも可能である。
本発明は、真贋の識別を行うための技術に利用することができる。
100…識別媒体、101…粘着層、102…金属反射層、103…偏光フィルタ層、104…配向層、105…光学異方性層。

Claims (5)

  1. 光反射層と、
    前記光反射層と重なる位置に設けられ、複屈折性を示す光学異方性層と
    を備え、
    前記光学異方性層は、
    第1の配向方向を有し、且つ、第1の複屈折性を有する複数の第1の領域と、
    第2の配向方向を有し、且つ、第2の複屈折性を有する複数の第2の領域と
    を有し、
    前記複数の第1の領域により第1の像が構成され、
    前記複数の第2の領域により第2の像が構成され、
    前記第1の像と前記第2の像とは重なった位置に設けられていることを特徴とする識別媒体。
  2. 前記光反射層は、特定の偏光状態の光を反射することを特徴とする請求項1に記載の識別媒体。
  3. 前記光学異方性層を配向させる配向層を備え、
    前記配向層は、前記第1の配向方向を有した領域と前記第2の配向方向を有した領域とが交互にストライプ状に設けられた構造、または前記第1の配向方向を有した領域と前記第2の配向方向を有した領域とが格子状に設けられた構造を有していることを特徴とする請求項1または2記載の識別媒体。
  4. 前記光反射層は、金属反射層と直線偏光フィルタ層とを積層した構造またはコレステリック液晶層により構成されていることを特徴とする請求項2に記載の識別媒体。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の識別媒体を特定の偏光状態を選択的に透過する偏光フィルタを介して観察する方法であって、
    当該識別媒体に対して前記偏光フィルタを相対的に回転させての観察において、
    第1の回転角度において、第1の色彩を有する前記第1の像を選択的に観察し、
    第2の回転角度において、第2の色彩を有する前記第2の像を選択的に観察することを特徴とする識別媒体の識別方法。
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