JP2011128572A - ホログラム像投影方法およびホログラム像投影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】標本内の深さ方向に異なる位置に配置されている刺激位置にも同時に刺激光を集光させる。
【解決手段】対物レンズを介してレーザ光を集光すべき複数の集光点の標本内における3次元的な位置情報を設定するステップS1と、設定された各集光点の標本内における位置情報、標本の屈折率および対物レンズの全系の特性データを用いて、各集光点から対物レンズの入射瞳位置までの逆光線追跡を行って、各集光点からのレーザ光の入射瞳位置における波面を算出するステップS2と、算出された複数の波面を合成して合成波面を算出するステップS3と、算出された合成波面に基づいて波面変調素子に付与する位相パターンを設定するステップS4と、設定された位相パターンを波面変調素子に付与してレーザ光を入射させ、位相パターンによって波面が変調されたレーザ光を、対物レンズを介して標本に集光するステップS5とを含むホログラム像投影方法を提供する。
【選択図】図2
【解決手段】対物レンズを介してレーザ光を集光すべき複数の集光点の標本内における3次元的な位置情報を設定するステップS1と、設定された各集光点の標本内における位置情報、標本の屈折率および対物レンズの全系の特性データを用いて、各集光点から対物レンズの入射瞳位置までの逆光線追跡を行って、各集光点からのレーザ光の入射瞳位置における波面を算出するステップS2と、算出された複数の波面を合成して合成波面を算出するステップS3と、算出された合成波面に基づいて波面変調素子に付与する位相パターンを設定するステップS4と、設定された位相パターンを波面変調素子に付与してレーザ光を入射させ、位相パターンによって波面が変調されたレーザ光を、対物レンズを介して標本に集光するステップS5とを含むホログラム像投影方法を提供する。
【選択図】図2
Description
本発明は、ホログラム像投影方法およびホログラム像投影装置に関するものである。
従来、標本上の複数箇所に同時に光を照射するために、ホログラムを利用することが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
この方法においては、蛍光顕微鏡等によって標本の蛍光画像を取得し、取得した蛍光画像内において光刺激等をすべき複数の注目部位を特定することにより刺激光の照射パターンを生成し、当該照射パターンをフーリエ変換することによりホログラムの位相パターンを作成することとしている。そして、作成した位相パターンを波面変調素子に付与し、この波面変調素子に対して光源から導いてきた略平行光からなるレーザ光を入射させることにより、レーザ光を変調し、変調されたレーザ光を対物レンズによって集光している。このようにして、ホログラム像を標本に投影し、複数箇所同時に刺激光を集光させるようになっている。
この方法においては、蛍光顕微鏡等によって標本の蛍光画像を取得し、取得した蛍光画像内において光刺激等をすべき複数の注目部位を特定することにより刺激光の照射パターンを生成し、当該照射パターンをフーリエ変換することによりホログラムの位相パターンを作成することとしている。そして、作成した位相パターンを波面変調素子に付与し、この波面変調素子に対して光源から導いてきた略平行光からなるレーザ光を入射させることにより、レーザ光を変調し、変調されたレーザ光を対物レンズによって集光している。このようにして、ホログラム像を標本に投影し、複数箇所同時に刺激光を集光させるようになっている。
Volodymyr Nikolenko et al, "SLM microscopy: scanless two-photon imaging and photostimulation with spatial light modulators", Frontiers in Neural Circuits, Vol 2, Article 5, 19 December 2008,p1-15
しかしながら、従来の方法においては、対物レンズの焦点面に存在する複数の注目部位に対しては同時に光を集光させることができるものの、焦点面から光軸方向にずれた位置に配置されている注目部位には集光させることができないという不都合がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、標本内の深さ方向に異なる位置に配置されている注目部位に同時に光を集光させることができるホログラム像投影方法およびホログラム像投影装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、対物レンズを介してレーザ光を集光すべき複数の集光点の標本内における3次元的な位置情報を設定する位置設定ステップと、設定された各集光点の前記標本内における前記位置情報、前記標本の屈折率および前記対物レンズの全系の特性データを用いて、設定された位置に仮定された各前記集光点から前記対物レンズの入射瞳位置までの逆光線追跡を行って、各前記集光点からの前記レーザ光の前記入射瞳位置における波面を算出する波面算出ステップと、各前記集光点に対応して算出された複数の波面を合成して合成波面を算出する波面合成ステップと、算出された前記合成波面に基づいて波面変調素子に付与する位相パターンを設定する位相パターン設定ステップと、設定された前記位相パターンを前記波面変調素子に付与して前記レーザ光を入射させ、前記位相パターンによって波面が変調された前記レーザ光を、前記対物レンズを介して標本に集光する集光ステップとを含むホログラム像投影方法を提供する。
本発明は、対物レンズを介してレーザ光を集光すべき複数の集光点の標本内における3次元的な位置情報を設定する位置設定ステップと、設定された各集光点の前記標本内における前記位置情報、前記標本の屈折率および前記対物レンズの全系の特性データを用いて、設定された位置に仮定された各前記集光点から前記対物レンズの入射瞳位置までの逆光線追跡を行って、各前記集光点からの前記レーザ光の前記入射瞳位置における波面を算出する波面算出ステップと、各前記集光点に対応して算出された複数の波面を合成して合成波面を算出する波面合成ステップと、算出された前記合成波面に基づいて波面変調素子に付与する位相パターンを設定する位相パターン設定ステップと、設定された前記位相パターンを前記波面変調素子に付与して前記レーザ光を入射させ、前記位相パターンによって波面が変調された前記レーザ光を、前記対物レンズを介して標本に集光する集光ステップとを含むホログラム像投影方法を提供する。
本発明によれば、標本内の異なる位置に3次元的に配置されている各集光点の3次元的な位置情報が位置設定ステップにより設定され、波面算出ステップにおいて、各集光点から対物レンズの入射瞳位置までの逆光線追跡が行われる。波面算出ステップにおいて算出された複数の波面は、波面合成ステップにおいて合成されることにより、3次元的に異なる位置に同時にレーザ光を集光させるために対物レンズの入射瞳位置に入射させることが必要な波面としての合成波面が演算によって得られる。そして、波面変調素子に入射されるレーザ光の波面が、得られた合成波面と同一の波面に変調されるように、合成波面に基づいて波面変調素子に位相パターンが付与される。これにより、異なる深さ位置に3次元的に配置される集光点に同時にレーザ光が集光するようなホログラム像を標本内に投影することができる。
上記発明においては、前記波面合成ステップが、前記複数の波面の線形和を算出することにより前記合成波面を算出するステップであってもよい。
また、上記発明においては、前記波面合成ステップが、前記複数の波面をそれぞれ領域分割したものを前記集光点の数の逆数の割合で配列することにより前記合成波面を算出するステップであってもよい。
また、上記発明においては、前記波面合成ステップが、前記複数の波面をそれぞれ領域分割したものを前記集光点の数の逆数の割合で配列することにより前記合成波面を算出するステップであってもよい。
また、本発明は、対物レンズを介してレーザ光を集光すべき複数の集光点の標本内における3次元的な位置情報を設定する位置設定ステップと、設定された各集光点の前記標本内における前記位置情報を用いて、各前記集光点を標本内の所定の基準面上に投影した仮想像を生成する仮想像生成ステップと、生成された前記仮想像を、前記標本の屈折率、前記対物レンズの全系の特性データを用いてフーリエ変換して、前記レーザ光の前記対物レンズの入射瞳位置における波面を算出する波面算出ステップと、算出された前記波面に基づいて波面変調素子に付与する位相パターンを設定する位相パターン設定ステップと、設定された前記位相パターンを前記波面変調素子に付与して前記レーザ光を入射させ、前記位相パターンによって波面が変調された前記レーザ光を、前記対物レンズを介して標本に集光する集光ステップとを含むホログラム像投影方法を提供する。
本発明によれば、標本内の異なる位置に3次元的に配置されている各集光点の3次元的な位置情報が位置設定ステップにより設定され、仮想像生成ステップにおいて、対物レンズを介してレーザ光を集光すべき複数の集光点を所定の基準面上に投影した仮想像が生成される。また、波面算出ステップにおいて、仮想像がフーリエ変換されることにより、対物レンズの入射瞳位置における波面が算出される。そして、位相パターン設定ステップにおいて波面変調素子に付与する位相パターンが設定され、集光ステップにおいて、設定された位相パターンを波面変調素子に付与して、波面変調素子にレーザ光を入射させることにより、位相パターンによって波面が変調されたレーザ光が対物レンズを介して標本に集光される。これにより、標本内に3次元的に配置された複数の集光点に同時にレーザ光が集光するホログラム像を標本内に投影することができる。
上記発明においては、前記位置設定ステップが、前記複数の集光点の前記標本内における平面的な位置情報を設定する平面位置設定ステップと、各集光点の前記基準面に対する深さ情報を設定する深さ情報設定ステップとを含み、前記仮想像生成ステップが、各前記集光点の前記標本内における平面的な位置情報を用いて、各前記集光点が標本内の所定の基準面上に集光して複数のスポットを形成していると仮定したときの第1の仮想像を生成する第1仮想像生成ステップと、設定された各前記集光点の深さ情報に基づいて前記第1の仮想像内の対応するスポットを補正して第2の仮想像を生成する第2仮想像生成ステップとを含んでいてもよい。
このようにすることで、全てのスポットが所定の基準面に集光する第1の仮想像におけるスポットの内、基準面に集光しない集光点に対応するスポットについて、設定された深さ情報に基づいてスポットを補正して生成された第2の仮想像から位相パターンを生成するので、当該位相パターンが付与された波面変調素子に平行光からなるレーザ光を照射するだけで、波面変調素子によって変調されたレーザ光が、標本において基準面とは異なる深さ位置にも集光させることができる。これにより、深さ方向に異なる複数の集光点に同時にレーザ光を集光させることができる。
また、上記発明においては、前記第2仮想像生成ステップが、前記第1の仮想像内の前記スポットを、各集光点に集光するレーザ光を前記基準面まで光線追跡して得られる前記レーザ光のスポットに置き換えることにより、前記第1の仮想像内の対応するスポットを補正するステップであってもよい。
このようにすることで、第1の仮想像内のスポットが、各集光点に集光するレーザ光を基準面まで順光線追跡または逆光線追跡して得られたスポットによって置き換えられることにより、標本内において深さ方向に異なる位置に集光するようなスポットを形成する第2の仮想像を演算によって簡易に生成することができる。
このようにすることで、第1の仮想像内のスポットが、各集光点に集光するレーザ光を基準面まで順光線追跡または逆光線追跡して得られたスポットによって置き換えられることにより、標本内において深さ方向に異なる位置に集光するようなスポットを形成する第2の仮想像を演算によって簡易に生成することができる。
また、上記発明においては、前記第2仮想像生成ステップが、対物レンズの焦点位置を前記基準面から光軸方向に所定距離だけずらすように対物レンズを配置した状態で、前記基準面上に集光するように、対物レンズの焦点面における収差を表すベクトル情報を変化させたときのベクトル情報の変化量を前記所定距離で除算して比例係数を算出するステップと、各スポットについて前記比例係数と前記深さ情報とを乗算して得られたベクトル情報を用いて前記スポットを補正するステップとを含んでいてもよい。
このようにすることで、算出されている比例係数に実際の集光点と基準面との距離を示す深さ情報を乗算することで、基準面にレーザ光を集光させるための対物レンズの位置において、基準面とは異なる深さ位置にレーザ光を集光させるために必要な対物レンズの焦点面における収差を表すベクトル情報を得ることができ、これに基づいてスポットを補正した第2の仮想像を生成することで、対物レンズを固定したまま、深さ方向の異なる複数の集光点に同時にレーザ光を集光させることができる。
また、本発明は、位相パターンによりレーザ光の波面を変調する波面変調素子と、該波面変調素子により変調された前記レーザ光を標本に集光する対物レンズと、前記対物レンズを介して前記レーザ光を集光すべき複数の集光点の標本内における3次元的な位置情報を設定する位置情報設定部と、該位置情報設定部により設定された各集光点の前記標本内における前記位置情報、前記標本の屈折率、前記対物レンズの全系の特性データを用いて、設定された位置に仮定された各前記集光点から前記対物レンズの入射瞳位置までの逆光線追跡を行って、各前記集光点からの前記レーザ光の前記入射瞳位置における波面を算出する波面算出部と、該波面算出部により各前記集光点に対応して算出された複数の波面を合成して合成波面を算出する波面合成部と、算出された前記合成波面に基づいて前記波面変調素子に付与する前記位相パターンを設定する位相パターン設定部とを備えるホログラム像投影装置を提供する。
本発明によれば、位置情設定部により各集光点の3次元的な位置情報が設定されると、波面算出部により、設定された位置情報、標本の屈折率および対物レンズの全系の特性データを用いて、集光点から対物レンズの入射瞳位置までの逆光線追跡が行われる。これにより、各集光点からのレーザ光の対物レンズの入射瞳位置における波面が算出される。そして、各集光点について得られた複数の波面は波面合成部において合成されて、合成波面が得られる。このようにして得られた合成波面に基づいて、位相パターン設定部によって位相パターンが設定される。これにより、設定された位相パターンを付与した波面変調素子にレーザ光を入射させるだけで、対物レンズによって集光されるレーザ光を3次元的に異なる位置に配置された複数の集光点に同時に集光させるホログラム像を標本内に投影することができる。
また、本発明は、位相パターンによりレーザ光の波面を変調する波面変調素子と、該波面変調素子により変調された前記レーザ光を標本に集光する対物レンズと、前記対物レンズを介して前記レーザ光を集光すべき複数の集光点の標本内における3次元的な位置情報を設定する位置情報設定部と、該位置情報設定部により設定された各集光点の前記標本内における前記位置情報を用いて、各前記集光点を標本内の所定の基準面上に投影した仮想像を生成する仮想像生成部と、該仮想像生成部により生成された前記仮想像を、前記標本の屈折率および前記対物レンズの全系の特性データを用いてフーリエ変換して、前記レーザ光の前記対物レンズの入射瞳位置における波面を算出する波面算出部と、算出された前記波面に基づいて前記波面変調素子に付与する前記位相パターンを設定する位相パターン設定部とを備えるホログラム像投影装置を提供する。
本発明によれば、位置情報設定部により各集光点の3次元的な位置情報が設定されると、仮想像生成部により、設定された位置情報を用いて各集光点を標本内の所定の基準面上に投影した仮想像が生成され、波面算出部により、標本の屈折率および対物レンズの全系の特性データを用いて仮想像がフーリエ変換され、対物レンズの入射瞳位置における波面が算出される。そして、位相パターン設定部により、算出された波面に基づいて波面調節素子に付与する位相パターンが設定される。これにより、設定された位相パターンを付与した波面変調素子にレーザ光を入射させるだけで、対物レンズによって集光されるレーザ光を3次元的に異なる位置に配置された複数の集光点に同時に集光させるホログラム像を標本内に投影することができる。
本発明によれば、標本内の深さ方向に異なる位置に配置されている注目部位にも同時に光を集光させることができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係るホログラム像投影装置およびホログラム像投影方法について、図1および図2を参照して以下に説明する。
本実施形態に係るホログラム像投影装置1は、顕微鏡システムであって、図1に示されるように、レーザ光を発生する光源装置2と、該光源装置2から入射されたレーザ光を標本Aに照射する顕微鏡装置3と、光源装置2から顕微鏡装置3に入射させるレーザ光の波面を調節する調節装置4とを備えている。
本実施形態に係るホログラム像投影装置1は、顕微鏡システムであって、図1に示されるように、レーザ光を発生する光源装置2と、該光源装置2から入射されたレーザ光を標本Aに照射する顕微鏡装置3と、光源装置2から顕微鏡装置3に入射させるレーザ光の波面を調節する調節装置4とを備えている。
光源装置2は、レーザ光を発生するレーザ光源5と、該レーザ光源5から発せられたレーザ光をコリメート光に変換するコリメータレンズ6と、コリメート光からなるレーザ光の波面を変調する波面変調部7と、リレーレンズ8,10と、レーザ光を走査するスキャナ9とを備えている。
波面変調部7は、レーザ光を反射するプリズム11と、該プリズム11により反射されたレーザ光を反射し、その際に、位相パターンによりレーザ光の波面を変調してプリズム11に戻す反射型の波面変調素子12とを備えている。
波面変調部7は、レーザ光を反射するプリズム11と、該プリズム11により反射されたレーザ光を反射し、その際に、位相パターンによりレーザ光の波面を変調してプリズム11に戻す反射型の波面変調素子12とを備えている。
プリズム11により反射されたレーザ光は波面変調素子12によって同じプリズム11に戻るように光路が折り返され、レーザ光源5からのレーザ光と同軸の光路に戻されるようになっている。
波面変調素子12は、後述する調節装置4によって、その表面形状を任意に変化させることができるセグメントタイプのMEMSミラーによって構成されている。この場合、MEMSミラーの各セグメントの凹凸により形成される表面形状が、レーザ光の波面を変調するための位相パターンとなる。波面変調素子12と対物レンズ13の入射瞳位置とは、光学的に共役な位置関係に配置されている。
波面変調素子12は、後述する調節装置4によって、その表面形状を任意に変化させることができるセグメントタイプのMEMSミラーによって構成されている。この場合、MEMSミラーの各セグメントの凹凸により形成される表面形状が、レーザ光の波面を変調するための位相パターンとなる。波面変調素子12と対物レンズ13の入射瞳位置とは、光学的に共役な位置関係に配置されている。
スキャナ9は、相互に交差する方向に配置された軸線回りに揺動可能な2枚のガルバノミラー9a,9bを近接して配置した、いわゆる近接ガルバノミラーであり、入射されるレーザ光を2次元的に走査することができるようになっている。
顕微鏡装置3は、ステージ14上に配置した標本Aに対し、レーザ光を集光させる一方、標本Aからの光を受光する対物レンズ13と、該対物レンズ13により受光された光を検出する光電子増倍管からなる光検出器15と、標本Aにおける蛍光像を撮影するCCD等のカメラ16と、光検出器15またはカメラ16への光路を切り替えるように光路に挿脱されるミラー17とを備えている。符号18〜20は集光レンズ、符号21はダイクロイックミラーである。対物レンズ13は、既知の全系に係る特性データを有し、ステージ14との間の光軸方向の距離を変更可能に設けられている。ここで、対物レンズ13の全系の特性データとしては、対物レンズ13の全系の焦点距離、開口数、入射瞳の径等がある。
波面変調素子12における表面形状を平坦な反射面形状に設定しておくことにより、平面波からなる波面を有するレーザ光を対物レンズ13の入射瞳位置に入射させることができる。これによって、該対物レンズ13の焦点面にレーザ光を集光させることができるようになっている。
ミラー17を光検出器15側(破線で示す光路から取り外された位置)に切り替えた状態で、レーザ光源5からレーザ光を出射させ、スキャナ9を駆動して、標本A内の焦点面に集光しているレーザ光を2次元的に走査させつつ、各集光位置において発生した蛍光を光検出器15によって検出することにより、対物レンズ13の焦点面に沿って広がる標本Aの2次元的な蛍光像を取得することができるようになっている。
ミラー17を光検出器15側(破線で示す光路から取り外された位置)に切り替えた状態で、レーザ光源5からレーザ光を出射させ、スキャナ9を駆動して、標本A内の焦点面に集光しているレーザ光を2次元的に走査させつつ、各集光位置において発生した蛍光を光検出器15によって検出することにより、対物レンズ13の焦点面に沿って広がる標本Aの2次元的な蛍光像を取得することができるようになっている。
そして、対物レンズ13とステージ14との距離を相対的に移動させて、対物レンズ13の焦点面の位置を変化させながら2次元的な蛍光像(スライス画像)を複数取得していくことにより、標本Aの3次元的な蛍光像を取得することができるようになっている。
調節装置4は、図1に示されるように、対物レンズ13の全系の特性データおよび標本Aの屈折率を記憶する記憶部22と、標本Aにおけるレーザ光の集光点の3次元位置情報を設定する入力部(位置情報設定部)23と、入力部23により設定された各集光点の位置情報、記憶部22に記憶されている対物レンズ13の全系の特性データおよび標本Aの屈折率に基づいて各集光点に対応する、対物レンズ13の入射瞳位置における波面を算出する波面算出部24と、全ての集光点について算出された波面を合成する波面合成部25と、該波面合成部25により合成された合成波面に基づいて波面変調素子12に付与する位相パターンを設定する位相パターン設定部26とを備えている。
入力部23は、観察者がレーザ光を集光させたい位置、すなわち集光点をモニタ(図示略)上において指定することにより、各集光点の3次元的な位置情報を設定するようになっている。ここで、各集光点の深さ方向の位置情報は、標本Aの所定の深さの面を基準面としたときの該基準面からの相対的な深さ情報として設定されるようになっている。この基準面は、好ましくは標本Aに対して対物レンズ13を所定の位置に固定したときの対物レンズ13の焦点面に設定されるが、これに限定されるものではない。
また、標本Aにおける集光点は、任意の位置に設定される場合と、光刺激に応答する位置に設定される場合とがある。集光点を光刺激に応答する位置に設定したい場合には、観察者が集光点を指定しやすいように、モニタ(図示略)が顕微鏡装置3により取得された2次元画像又は3次元画像を表示していることが好ましい。
また、標本Aにおける集光点は、任意の位置に設定される場合と、光刺激に応答する位置に設定される場合とがある。集光点を光刺激に応答する位置に設定したい場合には、観察者が集光点を指定しやすいように、モニタ(図示略)が顕微鏡装置3により取得された2次元画像又は3次元画像を表示していることが好ましい。
波面算出部24は、設定された各集光点について、入力部23から設定された位置情報と、記憶部22に記憶されている対物レンズ13の全系の特性データおよび標本Aの屈折率とを用いて、各集光点に対応する波面を算出する。
具体的には、集光点について設定された位置情報によって特定される位置に点光源を仮定し、該点光源から対物レンズ13の入射瞳位置まで、標本Aの屈折率および対物レンズ13の全系の特性データを用いて、レーザ光の逆光線追跡を行うことにより波面を算出するようになっている。基準面である焦点面上に配される集光点については、入射瞳位置における波面は、基準面内における集光点の位置に応じて対物レンズ13の光軸に対する角度を異ならせた平面波である。
波面合成部25は、全ての集光点について算出された波面を合成するようになっている。本実施形態では、波面合成部25は、全ての集光点について算出された波面の線形和を算出するようになっている。
具体的には、集光点について設定された位置情報によって特定される位置に点光源を仮定し、該点光源から対物レンズ13の入射瞳位置まで、標本Aの屈折率および対物レンズ13の全系の特性データを用いて、レーザ光の逆光線追跡を行うことにより波面を算出するようになっている。基準面である焦点面上に配される集光点については、入射瞳位置における波面は、基準面内における集光点の位置に応じて対物レンズ13の光軸に対する角度を異ならせた平面波である。
波面合成部25は、全ての集光点について算出された波面を合成するようになっている。本実施形態では、波面合成部25は、全ての集光点について算出された波面の線形和を算出するようになっている。
位相パターン設定部26は、対物レンズ13の入射瞳位置において得られた合成波面に基づいて、波面変調素子12に付与すべき位相パターンを設定し、波面変調素子12に出力するようになっている。ここで、波面変調素子12は、対物レンズ13の入射瞳と共役な関係にあるため、波面変調素子12に付与される位相パターンは、対物レンズ13の入射瞳位置における合成波面と同一か又は位相ラッピング処理したものとなっている。位相ラッピング処理は、波面変調素子12における位相変調の範囲が2nπ(nは整数)に設定されている場合に、対物レンズ13の入射瞳位置における合成波面のうち2nπを超える位相差を有する部分について、その位相差から2nπを差し引くことにより行われる。本実施形態におけるセグメントタイプのMEMSミラーでは、通常は位相変調の範囲が2nπの範囲に設定されているので、必要に応じて位相ラッピング処理が行われる。
このようにして、波面変調素子12が、入力された位相パターンに合わせた表面形状となるように調節される。これにより、波面変調素子12において反射されたレーザ光は、波面変調素子12の表面において対物レンズ13の入射瞳位置において得られた合成波面と同一の波面を有するように変調される。したがって、そのようなレーザ光が対物レンズ13によって集光されることにより、対物レンズ13を固定したままの状態で、設定された各集光点に同時に集光されるようになっている。
このように構成された本実施形態に係るホログラム像投影装置1を用いて標本A内の深さの異なる複数の位置に同時にレーザ光を集光させるようなホログラム像を投影するホログラム像投影方法について説明する。
まず、図2に示されるように、入力部23において、各集光点の位置情報が設定される(ステップS1)。
まず、図2に示されるように、入力部23において、各集光点の位置情報が設定される(ステップS1)。
ここで、集光点が標本Aにおいて光刺激に応答する位置に設定される場合には、調節装置4からの出力によって、波面変調素子12を平坦な反射面形状となる位相パターンに設定する。顕微鏡装置3においては、光路上からミラー17を退避させておく。そして、レーザ光源5からレーザ光を発生させ、スキャナ9によってレーザ光を2次元的に走査する。
レーザ光源5から発せられたレーザ光は波面を変化させることなく光路を伝播されて、スキャナ9によって2次元的に走査された後、ダイクロイックミラー21によって反射されて対物レンズ13に入射され標本A内の焦点面に集光される。レーザ光の集光位置においては蛍光が発生し、発生した蛍光は対物レンズ13によって受光され、ダイクロイックミラー21を透過して集光レンズ18,19により集光され、光検出器15によって検出される。
蛍光は対物レンズ13の焦点面近傍の極めて薄い領域のみにおいて発生するので、光検出器15より検出された蛍光の強度と、スキャナ9によるレーザ光の走査位置とを対応づけて記憶しておくことにより、焦点面に沿って広がる標本Aの蛍光像(スライス画像)を取得することができる。対物レンズ13と標本Aとを光軸方向に相対的に移動させつつ、複数枚のスライス画像を取得することにより、3次元的な蛍光画像を取得することができる。
観察者は、図示しないモニタに表示された3次元的な蛍光画像において、レーザ光を集光させたい集光点の位置を指定する。例えば、標本Aが神経細胞であって、レーザ光による刺激を与えて挙動の観察を行う場合において、刺激を与えたい集光点は3次元的に分布している。この場合、観察者は、全ての集光点を指定することにより、集光点の3次元的な位置情報を設定する。
標本Aに対して対物レンズ13を固定することにより、対物レンズ13の焦点面が標本Aに対して固定される。集光点の位置情報のうち、深さ情報については、標本Aの所定の深さの面を基準面としたときの該基準面からの深さ方向の相対的な距離を設定する。この基準面は、例えば、対物レンズ13の焦点面に設定される。
その一方で、集光点が標本Aにおける任意の位置に設定される場合には、このような3次元的な蛍光画像の取得は必要ない。
その一方で、集光点が標本Aにおける任意の位置に設定される場合には、このような3次元的な蛍光画像の取得は必要ない。
次に、波面算出部24においては、入力部23により設定された位置情報、記憶部22に記憶されている対物レンズ13の全系の特性データおよび標本Aの屈折率を用いて、逆光線追跡が行われ、各集光点に仮定された点光源から発生したレーザ光の対物レンズ13の入射瞳位置における波面が算出される(ステップS2)。
全ての集光点について対物レンズ13の入射瞳位置における波面が算出されると、波面合成部25によって波面の線形和が算出され、合成波面が生成される(ステップS3)。生成された合成波面は、位相パターン設定部26に入力されて、波面変調素子12に付与する位相パターンが対物レンズ13の入射瞳位置における合成波面と同一か又は位相ラッピング処理したパターンとなるように設定される(ステップS4)。そして、位相パターン設定部26により設定された位相パターンは、波面変調素子12に対して出力される。
これにより、標本Aに対して光刺激を行いながら観察するための準備が完了する。
これにより、標本Aに対して光刺激を行いながら観察するための準備が完了する。
この状態で、顕微鏡装置3においては、ミラー17を光路上に挿入し(図中、実線で示す位置に配置し)、対物レンズ13によって集光される蛍光が、集光レンズ20によって集光され、カメラ16によって撮影されるように設定しておく。そして、スキャナ9を原点位置に停止した状態で、レーザ光源5から発せられたレーザ光を波面変調部7に入射させると、波長変調素子12に表示されている位相パターンに従ってレーザ光の波面が変調される。変調されたレーザ光は、リレーレンズ8、スキャナ9およびリレーレンズ10を通過してダイクロイックミラー21により反射され、対物レンズ13の入射瞳に入射される(ステップS5)。
対物レンズ13の入射瞳位置は波面変調素子12と光学的に共役な位置に配置されているので、入射瞳位置に入射されるレーザ光は、波面変調素子12により変調された時点における波面と同じ波面を有している。
そして、このようなレーザ光が対物レンズ13によって集光されることにより、深さ方向に異なる位置に配置されている複数の集光点に同時に集光させるような3次元的なホログラム像を標本A内に投影することができる。
そして、このようなレーザ光が対物レンズ13によって集光されることにより、深さ方向に異なる位置に配置されている複数の集光点に同時に集光させるような3次元的なホログラム像を標本A内に投影することができる。
指定された複数の集光点に同時にレーザ光が照射されることにより、標本Aに刺激が与えられた状態で、標本Aから発せられる蛍光が対物レンズ13によって受光され、ダイクロイックミラー21を透過して、ミラー17により反射され、集光レンズ20によって集光されてカメラ16により撮影される。これにより、光刺激を与えたときの標本Aの蛍光画像を取得することができる。
このように、本実施形態に係るホログラム像投影装置1およびホログラム像投影方法によれば、標本Aの深さ方向に異なる位置に配置される複数の注目部位に、同時にレーザ光を集光させることができる。この結果、集光点が標本Aにおいて光刺激に応答する位置に設定されている場合には、光刺激直後に発生する標本Aの挙動を時間差なく正確に観察することができるという利点がある。
なお、本実施形態においては、波面合成部25における波面の合成は、波面の線形和を算出することによって行われていたが、これに代えて、各集光点について算出された複数の波面を領域分割したものを集光点の総数の逆数の割合で配列することにより行うこととしてもよい。
具体的には、集光点の総数がn個の場合、各集光点について算出した波面の線形和を算出せずに、波長変調素子12上の領域を分割し、分割された各領域に対して複数の集光点のいずれかを対応付ける。このとき、各集光点の対応領域が集光点の総数nの逆数の割合で周期的に分布するように、対応付けを行うことが好ましい。また、各集光点の対応領域の分布は、モザイク状であってもよいし、同心円状であってもよい。このような対応付けをした上で、予め算出された各集光点からの波面のうち、波長変調素子12上での対応領域と重なる部分の波面要素を抽出し、抽出された波面要素を全領域にわたって配列して波面を合成する。このようにして得られた合成波面に基づいて、波長変調素子12に付与する位相パターンが設定される。
本発明の第2の実施形態に係るホログラム像投影装置およびホログラム像投影方法について、図3〜図7を参照して以下に説明する。
なお、本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係るホログラム像投影装置およびホログラム像投影方法と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
なお、本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係るホログラム像投影装置およびホログラム像投影方法と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
第1の実施形態においては、設定された各集光点から対物レンズ13の入射瞳位置まで逆光線追跡を行うことにより波面を生成することとしたが、本実施形態においては、これに代えて、各集光点から所定の基準面まで順光線追跡を行ってスポット像を求め、これを変換することにより波面を生成することとしている。
本実施形態に係るホログラム像投影装置100は、図3に示されるように、調節装置4の構成が、第1の実施形態とは異なる。すなわち、調節装置4は、対物レンズ13の全系の特性データおよび標本Aの屈折率を記憶する記憶部22と、標本Aにおけるレーザ光の集光点の3次元位置情報を設定する入力部(位置情報設定部)23と、入力部23により設定された各集光点の位置情報、記憶部22に記憶されている対物レンズ13の全系の特性データおよび標本Aの屈折率に基づいて、各集光点を所定の基準面に投影した仮想像を生成する仮想像生成部27と、生成された仮想像をフーリエ変換して対物レンズ13の入射瞳位置における波面を算出する波面算出部28と、該波面算出部28により算出された波面に基づいて波面変調素子12に付与する位相パターンを設定する位相パターン設定部26とを備えている。
ここで、波面算出部28は、記憶部22に記憶されている対物レンズ13の全系の特性データおよび標本Aの屈折率を用いて、仮想像生成部27により生成された仮想像をフーリエ変換している。
ここで、波面算出部28は、記憶部22に記憶されている対物レンズ13の全系の特性データおよび標本Aの屈折率を用いて、仮想像生成部27により生成された仮想像をフーリエ変換している。
このように構成された本実施形態に係るホログラム像投影装置100を用いて標本A内の深さの異なる複数の位置に同時にレーザ光を集光させるようなホログラム像を投影するホログラム像投影方法について説明する。
まず、図4に示されるように、入力部23において、各集光点の基準面内における平面的な位置情報が設定される(ステップS11)。
次いで、仮想像生成部27において、入力部23により設定された各集光点の基準面内における平面的な位置情報に基づいて、基準面に対して深さ方向に異なる位置に配置されている全ての集光点が、基準面上に集光してスポットを形成していると仮定したときの第1の仮想像が生成される(ステップS12)。第1の仮想像の生成は、任意の基準面において取得された1枚のスライス画像のみを用いて各集光点を指定することにより行う。この基準面は、好ましくは対物レンズ13の焦点面に設定されるが、これに限定されるものではない。このように、第1の仮想像の生成においては、集光点の実際の深さ情報が用いられていないため、第1の仮想像は、現実のスポット像を反映しているのではなく、全ての集光点が基準面にあると仮定したときのスポット像となっている。
次いで、仮想像生成部27において、入力部23により設定された各集光点の基準面内における平面的な位置情報に基づいて、基準面に対して深さ方向に異なる位置に配置されている全ての集光点が、基準面上に集光してスポットを形成していると仮定したときの第1の仮想像が生成される(ステップS12)。第1の仮想像の生成は、任意の基準面において取得された1枚のスライス画像のみを用いて各集光点を指定することにより行う。この基準面は、好ましくは対物レンズ13の焦点面に設定されるが、これに限定されるものではない。このように、第1の仮想像の生成においては、集光点の実際の深さ情報が用いられていないため、第1の仮想像は、現実のスポット像を反映しているのではなく、全ての集光点が基準面にあると仮定したときのスポット像となっている。
次に、各集光点における基準面からの深さ情報を入力部23から入力する(ステップS13)。
そして、仮想像生成部27において、基準面と異なる位置に集光している集光点に対応するスポットについて、入力部23により設定された深さ情報を追加する補正を行うことにより、基準面における第2の仮想像が生成される(ステップS14)。この後に、生成された第2の仮想像をフーリエ変換して、第2の仮想像におけるスポットを投影可能な、対物レンズ13の入射瞳位置における波面が算出される(ステップS15)。そして、算出された波面は、位相パターン設定部26に入力されて、波面変調素子12に付与する位相パターンが対物レンズ13の入射瞳位置における波面と同一か又は位相ラッピング処理したパターンとなるように設定される(ステップS16)。そして、位相パターン設定部26により設定された位相パターンは、波面変調素子12に対して出力される。この状態でレーザ光源5からレーザ光を発生させて波面変調部7に入射させると、波長変調素子12の位相パターンに従ってレーザ光の波面が変調される。変調されたレーザ光は、リレーレンズ8、スキャナ9、リレーレンズ10およびダイクロイックミラー21を介して、対物レンズ13により標本に集光して照射される(ステップS17)。
そして、仮想像生成部27において、基準面と異なる位置に集光している集光点に対応するスポットについて、入力部23により設定された深さ情報を追加する補正を行うことにより、基準面における第2の仮想像が生成される(ステップS14)。この後に、生成された第2の仮想像をフーリエ変換して、第2の仮想像におけるスポットを投影可能な、対物レンズ13の入射瞳位置における波面が算出される(ステップS15)。そして、算出された波面は、位相パターン設定部26に入力されて、波面変調素子12に付与する位相パターンが対物レンズ13の入射瞳位置における波面と同一か又は位相ラッピング処理したパターンとなるように設定される(ステップS16)。そして、位相パターン設定部26により設定された位相パターンは、波面変調素子12に対して出力される。この状態でレーザ光源5からレーザ光を発生させて波面変調部7に入射させると、波長変調素子12の位相パターンに従ってレーザ光の波面が変調される。変調されたレーザ光は、リレーレンズ8、スキャナ9、リレーレンズ10およびダイクロイックミラー21を介して、対物レンズ13により標本に集光して照射される(ステップS17)。
第2の仮想像を生成する方法は、図5に示されるように、基準面Q上に存在しない集光点Pに点光源を仮定して、当該点光源から基準面Qまで(a)順光線追跡または(b)逆光線追跡することにより、基準面Q上における新たなスポットR1,R2を構成する波面を算出する。得られる波面においては、図6に示されるように、(a)順光線追跡の場合のスポットR1と(b)逆光線追跡の場合のスポットR2とでは、波面に含まれる深さ情報が反転している。基準面Q上に存在しているスポットRについては補正を施さない。
また、第2の仮想像を生成する他の方法としては、まず、図7(a)に示されるように、標本Aに対して対物レンズ13を固定して基準面Q上にレーザ光を集光させて蛍光画像を取得する。次いで、図7(b)に示されるように、対物レンズ13を光軸方向にΔdだけ移動させる。これにより、集光点Pが基準面Qからずれるので、蛍光像の光量は変化する。この状態で、図7(c)に示されるように、対物レンズ13の焦点面Qにおける収差を表すベクトル情報であるZernike多項式の第4項の係数Z4を連続的に変化させたときの蛍光像の光量を観察し、最初の光量と同一の光量が得られるような係数Z4の値を決定する。そして、このときの係数Z4の変化量をΔZとして、比例係数K=ΔZ/Δdを算出する。これにより、算出された比例係数Kと、基準面Qから集光点Pまでの深さ情報とに基づいて、Zernike係数Z4及び対物レンズ13の入射瞳位置(図6中に黒塗りの三角形で示す位置)における波面Wを算出する。
なお、Zernike多項式である波面の形状を与える円筒関数w(r,θ)は、次式で示される。すなわち、
w(r,θ)=Z1
+Z2・ρcosθ
+Z3・ρsinθ
+Z4・(2ρ2−1)
+Z5・ρ2cos2θ
+Z6・ρ2sin2θ
+Z7・(3ρ2−2)ρcosθ
+Z8・(3ρ2−2)ρsinθ
・・・
である。ここで、ρは、対物レンズ13における入射瞳の瞳中心からの半径で規格化したときの瞳中心からの距離であり、θは、波面変調素子12の面上又は対物レンズ13の入射瞳面上における極座標による所定の基準線に対する角度を示す。Znは、Zernike係数である。
w(r,θ)=Z1
+Z2・ρcosθ
+Z3・ρsinθ
+Z4・(2ρ2−1)
+Z5・ρ2cos2θ
+Z6・ρ2sin2θ
+Z7・(3ρ2−2)ρcosθ
+Z8・(3ρ2−2)ρsinθ
・・・
である。ここで、ρは、対物レンズ13における入射瞳の瞳中心からの半径で規格化したときの瞳中心からの距離であり、θは、波面変調素子12の面上又は対物レンズ13の入射瞳面上における極座標による所定の基準線に対する角度を示す。Znは、Zernike係数である。
また、対物レンズ13の入射瞳位置における波面Wは、Zernike多項式のデフォーカス項である第4項を用いて、
W=Z4×(2ρ2−1)
と表すことができる。また、Zernike係数Z4は、
Z4=K×d
と表すことができる。
ここで、dは、入力部23において設定された、基準面Qから集光点Pまでの深さ情報である。
W=Z4×(2ρ2−1)
と表すことができる。また、Zernike係数Z4は、
Z4=K×d
と表すことができる。
ここで、dは、入力部23において設定された、基準面Qから集光点Pまでの深さ情報である。
このようにして波面Wが求められた後に、この波面のレーザ光を対物レンズ13の入射瞳位置に入射させた場合の基準面Qにおける波面を求め、第1の仮想像における対応するスポットをこの波面に置き換えることにより補正する。基準面Qに対して深さ方向にずれている全ての集光点Pについて同じ作業を繰り返すことにより、第2の仮想像が生成される。
なお、本実施形態においては、全ての集光点が基準面上に集光していると仮定したときの第1の仮想像を生成した上で、深さ情報に基づいて補正した第2の仮想像を生成することとしていたが、これに代えて、集光点の3次元位置情報に基づいて各集光点を所定の基準面に投影した仮想像を1回で生成することとしてもよい。この場合、入力部23においては、各集光点の3次元的な位置情報が設定される。また、仮想像生成部27は、その3次元的な位置情報、記憶部22に記憶されている対物レンズ13の全系の特性データおよび標本Aの屈折率に基づいて、各集光点を所定の基準面に投影した仮想像を生成する。
また、上記第1および第2の実施形態においては、波面変調素子12として、その表面形状を変化させるセグメントタイプのMEMSミラーを例示したが、これに代えて、他の任意の波面変調素子12、例えば、液晶素子、デフォーマブルミラー等でもよい。液晶素子の場合は、液晶分子の配向による屈折率の分布が位相パターンとなり、デフォーマブルミラーの場合は、その表面形状が位相パターンとなる。
A 標本
Δd 所定距離
P 集光点
Q 基準面
R,R1,R2 スポット
ΔZ ベクトル情報の変化量
S1,S11 位置情報を設定するステップ
S2 レーザ光の入射瞳位置における波面を算出するステップ
S3 合成波面を算出するステップ
S4,S16 位相パターンを設定するステップ
S5 レーザ光を標本に集光するステップ
S12 第1の仮想像を生成するステップ
S14 第2の仮想像を生成するステップ
1,100 ホログラム像投影装置
12 波面変調素子
13 対物レンズ
23 入力部(位置情報設定部)
24 波面算出部
25 波面合成部
26 位相パターン設定部
Δd 所定距離
P 集光点
Q 基準面
R,R1,R2 スポット
ΔZ ベクトル情報の変化量
S1,S11 位置情報を設定するステップ
S2 レーザ光の入射瞳位置における波面を算出するステップ
S3 合成波面を算出するステップ
S4,S16 位相パターンを設定するステップ
S5 レーザ光を標本に集光するステップ
S12 第1の仮想像を生成するステップ
S14 第2の仮想像を生成するステップ
1,100 ホログラム像投影装置
12 波面変調素子
13 対物レンズ
23 入力部(位置情報設定部)
24 波面算出部
25 波面合成部
26 位相パターン設定部
Claims (9)
- 対物レンズを介してレーザ光を集光すべき複数の集光点の標本内における3次元的な位置情報を設定する位置設定ステップと、
設定された各集光点の前記標本内における前記位置情報、前記標本の屈折率および前記対物レンズの全系の特性データを用いて、設定された位置に仮定された各前記集光点から前記対物レンズの入射瞳位置までの逆光線追跡を行って、各前記集光点からの前記レーザ光の前記入射瞳位置における波面を算出する波面算出ステップと、
各前記集光点に対応して算出された複数の波面を合成して合成波面を算出する波面合成ステップと、
算出された前記合成波面に基づいて波面変調素子に付与する位相パターンを設定する位相パターン設定ステップと、
設定された前記位相パターンを前記波面変調素子に付与して前記レーザ光を入射させ、前記位相パターンによって波面が変調された前記レーザ光を、前記対物レンズを介して標本に集光する集光ステップとを含むホログラム像投影方法。 - 前記波面合成ステップが、前記複数の波面の線形和を算出することにより前記合成波面を算出するステップである請求項1に記載のホログラム像投影方法。
- 前記波面合成ステップが、前記複数の波面をそれぞれ領域分割したものを前記集光点の数の逆数の割合で配列することにより前記合成波面を算出するステップである請求項1に記載のホログラム像投影方法。
- 対物レンズを介してレーザ光を集光すべき複数の集光点の標本内における3次元的な位置情報を設定する位置設定ステップと、
設定された各集光点の前記標本内における前記位置情報を用いて、各前記集光点を標本内の所定の基準面上に投影した仮想像を生成する仮想像生成ステップと、
生成された前記仮想像を、前記標本の屈折率および前記対物レンズの全系の特性データを用いてフーリエ変換して、前記レーザ光の前記対物レンズの入射瞳位置における波面を算出する波面算出ステップと、
算出された前記波面に基づいて波面変調素子に付与する位相パターンを設定する位相パターン設定ステップと、
設定された前記位相パターンを前記波面変調素子に付与して前記レーザ光を入射させ、前記位相パターンによって波面が変調された前記レーザ光を、前記対物レンズを介して標本に集光する集光ステップとを含むホログラム像投影方法。 - 前記位置設定ステップが、前記複数の集光点の前記標本内における平面的な位置情報を設定する平面位置設定ステップと、各集光点の前記基準面に対する深さ情報を設定する深さ情報設定ステップとを含み、
前記仮想像生成ステップが、各前記集光点の前記標本内における平面的な位置情報を用いて、各前記集光点が標本内の所定の基準面上に集光して複数のスポットを形成していると仮定したときの第1の仮想像を生成する第1仮想像生成ステップと、設定された各前記集光点の深さ情報に基づいて前記第1の仮想像内の対応するスポットを補正して第2の仮想像を生成する第2仮想像生成ステップとを含む請求項4に記載のホログラム像投影方法。 - 前記第2仮想像生成ステップが、前記第1の仮想像内の前記スポットを、各集光点に集光するレーザ光を前記基準面まで光線追跡して得られる前記レーザ光のスポットに置き換えることにより、前記第1の仮想像内の対応するスポットを補正するステップである請求項5に記載のホログラム像投影方法。
- 前記第2仮想像生成ステップが、対物レンズの焦点位置を前記基準面から光軸方向に所定距離だけずらすように対物レンズを配置した状態で、前記基準面上に集光するように、対物レンズの焦点面における収差を表すベクトル情報を変化させたときのベクトル情報の変化量を前記所定距離で除算して比例係数を算出するステップと、各スポットについて前記比例係数と前記深さ情報とを乗算して得られたベクトル情報を用いて前記スポットを補正するステップとを含む請求項5に記載のホログラム像投影方法。
- 位相パターンによりレーザ光の波面を変調する波面変調素子と、
該波面変調素子により変調された前記レーザ光を標本に集光する対物レンズと、
前記対物レンズを介して前記レーザ光を集光すべき複数の集光点の標本内における3次元的な位置情報を設定する位置情報設定部と、
該位置情報設定部により設定された各集光点の前記標本内における前記位置情報、前記標本の屈折率および前記対物レンズの全系の特性データを用いて、設定された位置に仮定された各前記集光点から前記対物レンズの入射瞳位置までの逆光線追跡を行って、各前記集光点からの前記レーザ光の前記入射瞳位置における波面を算出する波面算出部と、
該波面算出部により各前記集光点に対応して算出された複数の波面を合成して合成波面を算出する波面合成部と、
算出された前記合成波面に基づいて前記波面変調素子に付与する前記位相パターンを設定する位相パターン設定部とを備えるホログラム像投影装置。 - 位相パターンによりレーザ光の波面を変調する波面変調素子と、
該波面変調素子により変調された前記レーザ光を標本に集光する対物レンズと、
前記対物レンズを介して前記レーザ光を集光すべき複数の集光点の標本内における3次元的な位置情報を設定する位置情報設定部と、
該位置情報設定部により設定された各集光点の前記標本内における前記位置情報を用いて、各前記集光点を標本内の所定の基準面上に投影した仮想像を生成する仮想像生成部と、
該仮想像生成部により生成された前記仮想像を、前記標本の屈折率および前記対物レンズの全系の特性データを用いてフーリエ変換して、前記レーザ光の前記対物レンズの入射瞳位置における波面を算出する波面算出部と、
算出された前記波面に基づいて前記波面変調素子に付与する前記位相パターンを設定する位相パターン設定部とを備えるホログラム像投影装置。
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