JP2011163473A - 管継手用ロックリング - Google Patents

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Koji Ikeda
浩二 池田
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Abstract

【課題】挿入荷重が低減され、管継手内に設けられた嵌込部に容易に嵌め込むことができる管継手用ロックリングを提供する。
【解決手段】管継手用ロックリング100は、管継手内に配設され、管継手に挿入される管体の抜け出しを防止するための部材であって、周方向の1箇所において長さ方向の全長さに亘って設けられたスリット21を有し、円筒状であるロックリング本体2と、ロックリング本体2の管体挿入側端部3に、内方向、且つ管体送出側端部方向に向けて突出して設けられた複数の挿入側管体保持爪31と、ロックリング本体2の管体送出側端部4に、内方向、且つ管体送出方向に向けて突出して設けられた複数の送出側管体保持爪41と、ロックリング本体2の管体送出側端部4に、ロックリング本体2の軸線方向に向けて突出して設けられた複数の送出側係止用爪42と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は管継手用ロックリングに関する。更に詳しくは、本発明は、ロックリング本体がスリットを有し、管体挿通時に拡径可能であるため管体挿入のための荷重が低減され、且つ管体保持爪がロックリング本体の管体挿入側と管体送出側とに設けられていることによっても、挿入荷重を低減させることができ、また、ロックリング本体を縮径させることができるため、継手部材の内面側に設けられた凹部からなるロックリング嵌込部などに容易に嵌め込むことができる管継手用ロックリングに関する。
従来、管体が挿入される継手本体、継手本体の内部に設けられた環状の受面、ロックリング及び筒状の押圧体等を備えるワンタッチ継手が知られている(例えば、特許文献1参照。)。ロックリングは、環状の受面に係合されるとともに、押圧体の雄ねじ部を継手本体内に形成された雌ねじ部に螺合してなる継手内に、押圧体により位置決めされ、固定されている。そして、このロックリングにより、継手本体内に設けられた当接面に当接するまで挿入された樹脂製のパイプが継手から抜け出すのが防止される。
ロックリング34は、受け面に係合されるベースリング35と、このベースリング35から内方へ略同一の長さで突出している複数の規制片36とを備える(図6参照)。また、ロックリング34が備える、環状のベースリング35と、このベースリング35の周方向に所定間隔をおいて突出している複数の規制片36とはプレス成形により形成される。更に、各々の規制片の先端部には所定長さの爪が内方へ突出して形成され、規制片の両側には規制片の幅方向へ突出する突部が設けられている。
また、パイプを継手内に挿入したとき、ロックリングが備える規制片の爪が、所要量、パイプに食い込み、継手からのパイプの抜けが防止されるとともに、規制片の両側の突部により爪が必要以上に食い込むのが阻止され、規制片がパイプ壁を貫通してしまうのが防止されるようになっている。
特開2000−46282号公報
しかし、特許文献1に記載されたロックリングは、ベースリングの周方向に突出している多くの規制片を有するため、継手内に挿入されたパイプに引き抜き方向の外力が作用した場合、パイプの全周のうちの多くの部分に規制片が食い込み、裂き傷が生じることがある。また、外力がより大きいときは、水及び温水等が漏れ出すこともあり、裂き傷が拡がってパイプが破断することもある。
更に、従来、2枚のロックリングを使用し、パイプ挿入時に各々の凸状片(規制片)に加わる荷重を分散させ、パイプの裂き傷を抑え、破断を防止する方法も採られているが、この場合、近接するより多くの凸状片によって、パイプ挿入時の荷重がより大きくなり、挿入が容易ではない。また、従来のロックリングは環状のベースリングを有しているため、外径が大きくなり、継手本体の内外径も大きくなってコスト高になるとともに、施工し難いという問題もある。更に、従来のロックリングでは、固定するための押さえ部材が必須であり、ネジ部を有する継手本体とする必要もあり、管継手の構造が複雑になり、ロックリングの装着作業も煩雑である。
本発明は、前記の従来の状況に鑑みてなされたものであり、ロックリング本体がスリットを有し、管体挿通時に拡径可能であるため管体挿入のための荷重が低減され、且つ管体保持爪がロックリング本体の管体挿入側と管体送出側とに設けられていることによっても、挿入荷重を低減させることができ、また、ロックリング本体を縮径させることができるため、継手部材の内面側に設けられた凹部からなるロックリング嵌込部などに容易に嵌め込むことができる管継手用ロックリング(以下、「ロックリング」ということもある。)を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.管継手内に配設され、該管継手に挿入される管体の抜け出しを防止するための管継手用ロックリングであって、
周方向の1箇所において長さ方向の全長さに亘って設けられたスリットを有し、円筒状であるロックリング本体と、前記ロックリング本体の管体挿入側端部に、内方向、且つ管体送出側端部方向に向けて突出して設けられた複数の挿入側管体保持爪と、前記ロックリング本体の管体送出側端部に、内方向、且つ管体送出方向に向けて突出して設けられた複数の送出側管体保持爪と、前記ロックリング本体の管体送出側端部に、該ロックリング本体の軸線方向に向けて突出して設けられた複数の送出側係止用爪と、を備えることを特徴とする管継手用ロックリング。
2.前記送出側管体保持爪と前記送出側係止用爪とは、前記ロックリング本体の前記管体送出側端部の周方向に交互に設けられている前記1.に記載の管継手用ロックリング。
3.前記送出側管体保持爪が前記挿入側管体保持爪より長い前記1.又は2.に記載の管継手用ロックリング。
4.前記挿入側管体保持爪と前記送出側管体保持爪の各々の形成位置が、周方向においてずれている前記1.乃至3.のうちのいずれか1項に記載の管継手用ロックリング。
5.前記管体挿入側端部に、前記ロックリング本体の軸線方向に向けて突出して設けられた複数の挿入側係止用爪を有し、前記挿入側管体保持爪と該挿入側係止用爪とは、前記ロックリング本体の前記管体挿入側端部の周方向に交互に設けられている前記1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載の管継手用ロックリング。
本発明の管継手用ロックリングによれば、スリットを有するロックリング本体が、管体挿通時に拡径可能であるため挿入荷重が低減される。また、管体保持爪がロックリング本体の管体挿入側と管体送出側とに設けられ、特に各々の保持爪が周方向に間隔をおいて設けられておれば、管体挿通時の挿入荷重をより低減させることができる。更に、樹脂成形体からなる継手部材の内面側に設けられたロックリング嵌込部などに嵌め込むとき、ロックリング本体を縮径させることができるため、容易に嵌め込むことができ、従来のような押さえ部材等の他の部材を必要としない。また、送出側係止用爪が設けられているため、ロックリングを、例えば、前記ロックリング嵌込部の送出側端面に直接又は他部材を介して確実に係止させ、固定することができる。更に、従来のロックリングのような鍔部を有していないため、ロックリングの外径を小さくすることができるとともに、管継手の内外径も小さくすることができ、コスト面及び施工のし易さという観点でも有利である。また、鍔部を有する従来のロックリングでは、引き抜き方向に大きな荷重が加わると、鍔部が荷重を受けることになり、鍔部が折れ曲がったり、裂けてしまうことがあったが、円筒状のロックリング本体は十分な強度を有し、裂けたりすることがない。更に、平板状のプレス品を円筒状にすることで製造することができるため、円環状であり、且つ中央部が打ち抜かれて製造される従来のロックリングに比べて、端材の発生が少ない。
また、送出側管体保持爪と送出側係止用爪とが、ロックリング本体の管体送出側端部の周方向に交互に設けられている場合は、保持爪が、挿入される管体の全周に押圧されることがなく、保持爪により管体が傷付けられたとしても、周方向に間隔をおいて傷付くため、管体が破断し、漏水するようなことはない。更に、ロックリング本体の全周に亘って間隔をおいて係止用爪が設けられているため、ロックリングを、例えば、前記ロックリング嵌込部の送出側端面に直接又は他部材を介してより確実に係止させ、固定することができる。
更に、送出側管体保持爪が挿入側管体保持爪より長い場合は、管体の挿入時、より小さい荷重で容易に挿入させることができ、且つ管体の抜け出しをより確実に防止することができる。
また、挿入側管体保持爪と送出側管体保持爪の各々の形成位置が、ロックリング本体の周方向においてずれている場合は、挿入側の保持爪と送出側の保持爪とで、管体の周方向のより多くの部分を保持することができ、管体がより安定して保持され、抜け出しがより確実に防止される。
更に、管体挿入側端部に、ロックリング本体の軸線方向に向けて突出して設けられた複数の挿入側係止用爪を有し、挿入側管体保持爪と挿入側係止用爪とが、ロックリング本体の管体挿入側端部の周方向に交互に設けられている場合は、保持爪が、挿入される管体の全周に押圧されることはなく、管体が傷付いたときも、全周ではないため、管体が破断し、漏水するようなことはない。また、挿入側係止用爪が前記ロックリング嵌込部の挿入側端面に係止されるため、ロックリングをより確実に係止させ、固定することができる。
保持爪となる凸状片が折り曲げられておらず、且つ円筒状に丸められる前の平板状の予備成形体の平面図である。 図1の予備成形体の長さ方向の一方側及び他方側の各々の凸状片が内方、且つ他方側へ折り返えされ、又は折り曲げられて、保持爪が形成されるとともに、幅方向に円筒状に丸められてなる本発明のロックリングの斜視図である。 (a)は図2のロックリングを管体挿入側端部方向からみた平面図であり、(b)は側面図である。 本発明のロックリングが、樹脂製の継手部材の内面側に設けられたロックリング嵌込部に嵌め込まれてなる管継手の一部断面図である。 図4の管継手に管体が挿入された様子を表す一部断面図である。 (a)はベースリングと規制片とを備える従来のロックリングの平面図であり、(b)は側面図である。
以下、本発明を図を参照しながら詳しく説明する。
本発明の管継手用ロックリングは、管継手内に配設され、管継手に挿入される管体の抜け出しを防止するために用いられる。
ロックリング100は、周方向の1箇所において長さ方向の全長さに亘って設けられたスリット21を有し、円筒状であるロックリング本体2と、ロックリング本体2の管体挿入側端部3に、内方向、且つ管体送出側端部4方向に向けて突出して設けられた複数の挿入側管体保持爪31と、ロックリング本体2の管体送出側端部4に、内方向、且つ管体送出方向に向けて突出して設けられた複数の送出側管体保持爪41と、管体送出側端部4に、ロックリング本体2の軸線方向に向けて突出して設けられた複数の送出側係止用爪42と、を備える(図2、3参照)。
[1]管継手
前記「管継手200」(図4、5参照)は、例えば、水又は温水等の移送、供給に用いられる管体5が挿入され、固定される一方の継手部材(例えば、図4、5の樹脂製継手部材6参照)を、他方の継手部材(例えば、図4、5の金属製継手部材7参照)に接続し、固定することにより構成される。この一方の継手部材と他方の継手部材とは、樹脂製継手部材6が有する外周面に凹凸部が設けられた樹脂側嵌合部61を、金属製継手部材7が有する内周面に凹凸部が設けられた金属側嵌合部71に嵌め込み、その後、樹脂側嵌合部61の内部に、樹脂側嵌合部61の内径より少し大径の継手部材固定用スリーブを嵌め込んで拡径させ、樹脂側嵌合部61と金属側嵌合部71とを密接させることにより、一体に固定し、接続することができる。
管継手200では、樹脂製継手部材6の内面側に設けられたロックリング嵌込部62に、ロックリング100を嵌め込み、挿入された管体5の抜け出しを防止することができる。このロックリング嵌込部62は、樹脂製継手部材6の内側面に凹設されていてもよいが、管体5の抜け出し方向には大きな荷重が加わることがあるため、樹脂製継手部材6の内面側に、ロックリング嵌込部62を有する金属製の他部材Mが嵌め込まれた形態とすることが好ましい(図4、5参照)。これにより、ロックリング100が有する係止用爪、特に挿入側係止用爪32(図2、3参照)、又は係止用爪として機能する挿入側管体保持爪31の基端部が、ロックリング嵌込部62の挿入側端面621に当接することにより、ロックリング100が抜け出てしまうのが防止され、且つロックリング嵌込部62の挿入側端面621が損傷するのを防止することもできる(図4、5参照)。
また、管継手200では、通常、ロックリング嵌込部62の送出側端面622に接するO−リング9、及びO−リング9に接するスペーサ8が配設される(図4、5参照)。O−リング9には、挿入される管体5の外面が接触し(図5参照)、水等がO−リング9より挿入側へと漏出するのが防止される。このO−リング9の材質は特に限定されないが、各種のゴム、特に撥水性、耐水性等に優れ、圧縮永久歪が小さい等の優れた物性を有するシリコーンゴムなどが多用される。また、スペーサ8のO−リング9が接する側とは反対面には、ロックリング100が備える送出側係止用爪42の先端面が当接し、ロックリング100が固定される。スペーサ8の材質も特に限定されず、ステンレス鋼等の金属でもよく、管体5の挿入方向には大きな荷重が加わらないため、樹脂製継手部材6と同様に架橋ポリエチレン等の樹脂であってもよい。
尚、樹脂製継手部材6の内側面にスペーサ8を係止するための段部を形成し、スペーサ8の一面を段部に当接させるようにすれば、ロックリング嵌込部62を有する金属製の他部材Mによって、スペーサ8を他面から押圧し、固定する構成とすることもできる(図4、5参照)。
[2]管体
管体5としては、水及び温水等の移送、供給に用いられる通常の管体を用いることができ、管体5の材質、内外径等も特に限定されない。管体5は、内部を水又は温水等が流れるため、優れた耐水性を有することが好ましく、温水に用いられることも多いため、併せて耐熱性も有していることが好ましい。更に、冬期等の低温下にも脆性破壊することのない優れた低温脆性等を有し、管継手200に容易に挿入することができる等の観点で、通常、架橋ポリエチレン及びポリブテン等を用いてなる管体5が使用される。
[3]管継手用ロックリング
前記「ロックリング100」は、ステンレス鋼をプレス成形により所定形状に成形した平板状の予備成形体1を用いて作製することができる。予備成形体1は、帯状部11と、帯状部11の長さ方向の一方の端部から長さ方向に突出している挿入側管体保持爪31となる凸状片121及び挿入側係止用爪32となる凸状片131と、帯状部11の長さ方向の他方の端部から長さ方向に突出している送出側管体保持爪41となる凸状片122及び送出側係止用爪42となる凸状片132とを備える(図1参照)。また、帯状部11の幅方向の寸法は、円筒状に丸め、幅方向の両端部を当接させたときに、挿入される管体の外径に基づく所定径の円筒形が形成されるように設定される。
ロックリング100は、挿入側管体保持爪31となる凸状片121を、予備成形体1の一面側に折り返し、送出側管体保持爪41となる凸状片122を、予備成形体1の一面側方向に少し折り曲げ、その後、予備成形体1を、幅方向の両端部が当接するように、且つ形成される各々の保持爪が内面側を向くように丸めることにより作製することができる。この場合、予備成形体1の幅方向の両端部は、必ずしも正確に当接されている必要はなく、両端部が重なっていてもよく、端部間が離間していてもよいが、可能な限り正確に当接させることが好ましい。
前記のようにして作製されるロックリング100は、周方向の1箇所において長さ方向の全長さに亘って設けられた前記「スリット21」を有し、円筒状である前記「ロックリング本体2」を備える。そして、ロックリング本体2は、径方向に縮径及び拡径が可能であるため、例えば、ロックリング100を、樹脂製継手部材6の内面側に設けられたロックリング嵌込部62(図4参照、樹脂製継手部材6の内側面に直接凹設されるのではなく、前記のように、金属製の他部材に設けられることが好ましい。)に嵌め込むときに、縮径させて容易に嵌め込むことができる。また、管体5を挿入するときには、ロックリング本体2が拡径することにより、挿入時の荷重を低減させることができ、管体5をより容易に挿入させることができる。
更に、ロックリング本体2の管体挿入側端部3には、前記のように、凸状片121を、予備成形体1の一面側に折り返すことにより、前記「挿入側管体保持爪31」が設けられている。この挿入側管体保持爪31は、ロックリング本体2の内方向、且つ管体送出側端部4方向に向けて斜めに突出して設けられており、これによって挿入された管体5の抜け出しが防止される。挿入側管体保持爪31のロックリング本体2に対する角度は10〜80°、特に30〜70°であることが好ましい。この角度が過小であると、管体5の抜け出しが十分に防止されないことがあり、過大であると、管体5の挿入時の荷重が大きくなるとともに、抜け出し方向の荷重が加わったときに、挿入側管体保持爪31が管体5に過度に食い込むことがあり、管体5が損傷することがある。
挿入側管体保持爪31は、管体挿入側端部3の周方向に間隔をおいて複数設けられており、周方向において片寄らず、より均等に配置されていることが好ましい。これにより、管体5を、その全周に亘ってより確実に保持することができる。また、寸法の異なる各種の管継手があるため、挿入側管体保持爪31の本数は特に限定されない。更に、挿入側管体保持爪31は、管体挿入側端部3の周方向に等間隔に設けられていることがより好ましく、等間隔であれば、管体5を、その全周に亘って安定して保持することができる。また、管体挿入側端部3の全周に対する挿入側管体保持爪31の幅方向の寸法の合計の割合は、30〜70%、特に40〜60%であることが好ましい。この割合が30〜70%であれば、管体5を、その全周に亘ってより確実に保持することができ、且つ挿入側管体保持爪31による管体5の損傷をより十分に抑えることができる。
複数の挿入側管体保持爪31の各々の長さは、同じでもよく、異なっていてもよいが、相違させるのは好ましくなく、通常、同じである。挿入側管体保持爪31は、前記のように、予備成形体1が有する凸状片121を、予備成形体1の一面側に折り返すことにより形成されるが、挿入側管体保持爪31の長さは、折り返し部の頂部から挿入側管体保持爪31の先端面までの最短寸法であるとする。また、長さが同じとは、プレス成形及び折り返し加工の精度の範囲内で成形、加工可能な寸法として同じであるという意味である。
ロックリング本体2の管体挿入側端部3には、ロックリング本体2の軸線方向に向けて突出している複数の挿入側係止用爪32が設けられていてもよい。更に、挿入側管体保持爪31と挿入側係止用爪32とは、ロックリング本体2の管体挿入側端部3の周方向において、どのような位置関係にあってもよいが、挿入側管体保持爪31と挿入側係止用爪32とが交互に設けられていることが好ましい。これらが交互に設けられておれば、挿入側管体保持爪31と挿入側係止用爪32とが、ともに管体挿入側端部3の全周に亘って、間隔をおいて設けられることになり、管体5を、その全周に亘ってより確実に保持することができるとともに、ロックリング100の管体挿入側を、例えば、前記樹脂製継手部材6の内面側に設けられたロックリング嵌込部62の挿入側端面621(図4、5参照)に、より安定して係止させ、固定することができる。
また、挿入側管体保持爪31と挿入側係止用爪32とは、管体挿入側端部3の周方向において交互に、且つ等間隔に設けられていることが特に好ましい。このような形態のロックリング100であれば、管体5を、その全周に亘って特に確実に保持することができ、且つ樹脂製継手部材6の内面側に設けられたロックリング嵌込部62の挿入側端面621に、特に安定して係止させ、固定することができる。
ロックリング本体2の管体送出側端部4には、前記のように、凸状片122を、予備成形体1の一面側方向に少し折り曲げることにより、前記「送出側管体保持爪41」が設けられている。この送出側管体保持爪41は、ロックリング本体2の内方向、且つ管体送出方向に向けて斜めに突出して設けられており、これによって挿入された管体5の抜け出しが防止される。送出側管体保持爪41のロックリング本体2となす角度は100〜170°、特に110〜150°であることが好ましい。この角度が過小であると、管体5の抜け出しが十分に防止されないことがあり、過大であると、管体5の挿入時の荷重が大きくなり、且つ抜け出し方向の荷重が加わったときに、送出側管体保持爪41が管体5に過度に食い込むことがあり、管体5が損傷することがある。
送出側管体保持爪41は、管体送出側端部4の周方向に間隔をおいて複数設けられており、周方向において片寄らず、より均等に配置されていることが好ましい。これにより、管体5を、その全周に亘ってより確実に保持することができる。また、寸法の異なる各種の管継手があるため、送出側管体保持爪41の本数は特に限定されない。更に、送出側管体保持爪41は、管体送出側端部4の周方向に等間隔に設けられていることがより好ましく、等間隔であれば、管体5を、その全周に亘って安定して保持することができる。また、管体送出側端部4の全周に対する送出側管体保持爪41の幅方向の寸法の合計の割合は、30〜70%、特に40〜60%であることが好ましい。この割合が30〜70%であれば、管体5を、その全周に亘ってより確実に保持することができ、且つ送出側管体保持爪41による管体5の損傷をより十分に抑えることができる。
複数の送出側管体保持爪41のそれぞれの長さは、同じでもよく、異なっていてもよいが、相違させることは好ましくなく、通常、同じである。送出側管体保持爪41は、前記のように、予備成形体1が有する凸状片122を、予備成形体1の一面側方向に少し折り曲げることにより形成されるが、送出側管体保持爪41の長さは、折り曲げ部の頂部から送出側管体保持爪41の先端面までの最短寸法であるとする。更に、長さが同じであることの意味は挿入側管体保持爪31の場合と同様である。
また、挿入側管体保持爪31と送出側管体保持爪41の各々の長さは、同じでもよいが、送出側管体保持爪41が挿入側管体保持爪31より長いことが好ましい。ロックリング本体2に対し、挿入側管体保持爪31は鋭角に、送出側管体保持爪41は鈍角に折り曲げられており、挿入側管体保持爪31は撓み難く、送出側管体保持爪41は撓み易くなっている。そのため、管体5に引き抜き方向の荷重が加わったときに、挿入側管体保持爪31は起き上がり難く、送出側管体保持爪41は起き上がり易い。従って、送出側管体保持爪41を挿入側管体保持爪31より長くしたほうが管体5の保持力が高まる。これにより、管体5をより小さい荷重で容易に挿入させることができ、且つ管体5の抜け出しをより確実に防止することができる。
更に、ロックリング本体2の管体挿入側端部3の周方向に設けられる挿入側管体保持爪31と、管体送出側端部4の周方向に設けられる送出側管体保持爪41とは、各々の形成位置が周方向において重なっていてもよく、ずれていてもよいが、ずれていることが好ましい。即ち、挿入側管体保持爪31を管体送出側端部4に投影してみたときに、挿入側管体保持爪31と送出側管体保持爪41との形成位置が同じであってもよいが、周方向にずれていることが好ましい。これにより、挿入側の保持爪と送出側の保持爪とで、管体の周方向のより多くの部分を保持することができ、管体がより安定して保持され、抜け出しがより確実に防止される。更に、ずれの程度は特に限定されないが、ずれは大きいことが好ましく、いずれかの側の端部からロックリング100をみたときに、挿入側管体保持爪31と送出側管体保持爪41とが全く重ならず、交互にみえるように位置していることがより好ましい。
ロックリング本体2の管体送出側端部4には、ロックリング本体2の軸線方向に向けて突出している複数の送出側係止用爪42が設けられている。送出側管体保持爪41と送出側係止用爪42とは、ロックリング本体2の管体送出側端部4の周方向において、どのような位置関係にあってもよいが、送出側管体保持爪41と送出側係止用爪42とが交互に設けられていることが好ましい。これらが交互に設けられておれば、送出側管体保持爪41と送出側係止用爪42とが、ともに管体送出側端部4の全周に亘って、間隔をおいて設けられることになり、管体5を、その全周に亘ってより確実に保持することができるとともに、ロックリング100の管体送出側を、例えば、樹脂製継手部材6の内面側に設けられたロックリング嵌込部62の送出側端面622(図4、5参照)に、直接又はO−リング9やスペーサ8等を介してより安定して係止させ、固定することができる。
送出側管体保持爪41と送出側係止用爪42とは、管体送出側端部4の周方向において交互に、且つ等間隔に設けられていることが特に好ましい。このような形態のロックリング100であれば、管体5を、その全周に亘って特に確実に保持することができ、且つ樹脂製継手部材6の内面側に設けられたロックリング嵌込部62の送出側端面622に、直接又はO−リング9やスペーサ8等を介して特に安定して係止させ、固定することができる。
また、挿入側及び送出側の係止用爪のうち送出側係止用爪42は必須であり、複数の送出側係止用爪42の各々の長さは、通常、同じである。これにより、それぞれの送出側係止用爪42の先端部が同一面に位置するようになり、ロックリング100の管体送出側を、例えば、樹脂製継手部材6の内面側に設けられたロックリング嵌込部62の送出側端面622(図4、5参照)に、直接又はO−リング9やスペーサ8等を介してより安定して係止させ、固定することができる。
一方、ロックリング本体2の管体挿入側端部3には、前記のように、凸状片121が折り返されて挿入側管体保持爪31が形成されており、この折り返し部の基端部が係止用爪として機能するため、挿入側係止用爪32は、必ずしも必要ではない。しかし、折り返し部の基端部の外面は丸みを帯びており、滑ってしまって確実な係止ができないことも懸念される。そのため、送出側係止用爪42と併せて挿入側係止用爪32を設けることが好ましい。これによって、ロックリング100の管体挿入側を、例えば、樹脂製継手部材6の内面側に設けられたロックリング嵌込部62の挿入側端面621(図4、5参照)に、より安定して係止させ、固定することができる。
尚、送出側係止用爪42と挿入側係止用爪32の各々の長さは、同じでもよく、異なっていてもよいが、送出側係止用爪42は、管体5を挿入するとき、管体5に押圧された送出側管体保持爪41がスペーサ8及び/又はO−リング9に接触しない長さが必要であるため、通常、送出側係止用爪42が挿入側係止用爪32より長く形成される。
ロックリング100の各部の寸法は特に限定されず、挿入される管体5の外径等によって設定することができる。また、それぞれの保持爪の幅は、全長さに亘って同じであってもよく、基端部から先端面側へと幅狭になっていてもよい。更に、各々の係止用爪の幅も、全長さに亘って同じであってもよく、異なっていてもよいが、特に幅を変化させる必要はない。
また、隣り合う保持爪及び係止用爪は、各々、密接して設けられていてもよいが、それぞれの爪間に弧状部があって離間していることが好ましい。密接している、即ち、保持爪間、係止用爪間、及び保持爪と係止用爪との間、にスリットが設けられたような形態で密接して設けられている場合は、ウォーターハンマー等によりロックリング100に衝撃が加わったときに、スリット部からロックリング本体2に向けて裂け目が生じることがあるため好ましくない。
ロックリング100は、前記のように、ステンレス鋼からなる予備成形体1を用いて作製することができるが、予備成形体1は、プレス成形により所定形状に成形されるため、凸状片121、122等の角部は鋭角になり、成形時にバリも発生する。そのため、凸状片121、122を用いてなる挿入側管体保持爪31、送出側管体保持爪41等の角部も鋭角になり、バリも残るため、管体5が傷付けられ易くなる。そこで、バレル加工法、ショットピーニング法、サンドブラスト法等により、凸状片121、122等の角部に丸みを付け、且つバリを除去しておくことが好ましい。
尚、本発明では、前記の実施態様の記載に限られず、目的、用途等によって、本発明の範囲内で種々変更した実施態様とすることができる。例えば、予備成形体1の長さ方向の中間部をU字状に打ち抜き、この部分をロックリング本体2の内方に向かって突出するように少し折り曲げることにより、管体挿入側と管体送出側の保持爪に加えて、中間部にも保持爪を有するロックリング100とすることもできる。
本発明は、水又は温水等の移送に用いられる管体を、特に人手によりワンタッチで水又は温水等の供給源又は供給先に接続する管継手の技術分野において利用することができる。例えば、水道配管、床暖房、ロードヒーティング等の温水配管などに用いられる樹脂製等の管体の端部が、管継手から抜け出してしまうのを防止する技術分野において有用である。
1;予備成形体、11;帯状部、121;挿入側管体保持爪となる凸状片、122;保持爪となる凸状片、131;挿入側係止用爪となる凸状片、132;送出側係止用爪となる凸状片、100;ロックリング、2;ロックリング本体、21;スリット、3;管体挿入側端部、31;挿入側管体保持爪、32;挿入側係止用爪、4;管体送出側端部、41;送出側管体保持爪、42;送出側係止用爪、5;管体、200;管継手、6;樹脂製継手部材、61;樹脂側嵌合部、62;ロックリング嵌込部、M;ロックリング嵌込部を有する金属製の他部材、621;挿入側端面、622;送出側端面、7;金属製継手部材、71;金属側嵌合部、8;スペーサ、9;O−リング。

Claims (5)

  1. 管継手内に配設され、該管継手に挿入される管体の抜け出しを防止するための管継手用ロックリングであって、
    周方向の1箇所において長さ方向の全長さに亘って設けられたスリットを有し、円筒状であるロックリング本体と、
    前記ロックリング本体の管体挿入側端部に、内方向、且つ管体送出側端部方向に向けて突出して設けられた複数の挿入側管体保持爪と、
    前記ロックリング本体の管体送出側端部に、内方向、且つ管体送出方向に向けて突出して設けられた複数の送出側管体保持爪と、
    前記ロックリング本体の管体送出側端部に、該ロックリング本体の軸線方向に向けて突出して設けられた複数の送出側係止用爪と、を備えることを特徴とする管継手用ロックリング。
  2. 前記送出側管体保持爪と前記送出側係止用爪とは、前記ロックリング本体の前記管体送出側端部の周方向に交互に設けられている請求項1に記載の管継手用ロックリング。
  3. 前記送出側管体保持爪が前記挿入側管体保持爪より長い請求項1又は2に記載の管継手用ロックリング。
  4. 前記挿入側管体保持爪と前記送出側管体保持爪の各々の形成位置が、前記ロックリング本体の周方向においてずれている請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の管継手用ロックリング。
  5. 前記管体挿入側端部に、前記ロックリング本体の軸線方向に向けて突出して設けられた複数の挿入側係止用爪を有し、前記挿入側管体保持爪と該挿入側係止用爪とは、前記ロックリング本体の前記管体挿入側端部の周方向に交互に設けられている請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の管継手用ロックリング。
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