JP2011190855A - 変速伝動ユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軸受16を介し出力軸9に同軸突き合わせ嵌合させた入力軸8の回転は、サンギヤ11からプラネタリピニオン13のギヤ部13aに達し、この時ピニオン13は、ギヤ部13bが固定リングギヤ12の内周に沿って転動することで、キャリア14から出力軸9への伝動を行う。本発明では、(b),(c)に示すようにピニオン13のギヤ部13aをギヤ部13bよりも出力軸9に近い側に位置させ、(a)に示す従来構造とは逆配置にする。よって、軸受16およびギヤ部13a間のオフセットが、(b)では従来のL3からL5へと短縮され、(c)では0になり、出力軸9の傾倒で入出力軸8,9間に軸受16周りの交角が発生した時の、サンギヤ11に対するギヤ部13aの径方向相対変位量を小さくし得て、両者間の噛合部におけるギヤの片当たりを緩和し得る。
【選択図】図5
Description
このインホイールモータユニットは、同軸に突き合わせて対向配置した入力軸および出力軸を有する遊星歯車組式の減速機を具え、かかる減速機の軸線方向一方側において上記入力軸に電動モータを結合し、軸線方向他方側において上記出力軸に車輪を結合したものである。
入力軸および出力軸の同軸突き合わせ端部を相互に相対回転可能に貫入させ合って入出力軸間軸受嵌合部を設定すると共に、この入出力軸間軸受嵌合部から軸線方向に離間した入力軸および出力軸の箇所をそれぞれ、インホイールモータユニットのケースに軸受して当該入出力軸の支承を行う。
かかる車輪横力による出力軸の倒れは、上記の入出力軸間軸受嵌合部を経て入力軸に及び、入力軸をそのユニットケース側軸受部の周りで対応する方向へ傾倒させ、上記の入出力軸間軸受嵌合部において入力軸および出力軸間に軸交角を生じさせる。
この遊星歯車組式減速機は特許文献1に明記されている通り、入力軸上におけるサンギヤと噛合する入力軸噛合ギヤ部が形成された段付きピニオンを含み、該段付きピニオンを、他方のギヤ部が固定のリングギヤに噛合して該リングギヤの内周に沿い転動する遊星歯車とし、更に、段付きピニオンを回転自在に支持したキャリアに出力軸を結着させたものである。
従って、入力軸(サンギヤ)と噛合する段付きピニオンの入力軸噛合ギヤ部は、入力軸および出力軸の同軸突き合わせ端部における入出力軸間軸受嵌合部から軸線方向へ入力軸寄りにオフセットするのを避けられない。
上記提案技術のように入力軸および出力軸の同軸突き合わせ端部における入出力軸間軸受嵌合部を、入力軸上におけるサンギヤと段付きピニオンにおける入力軸噛合ギヤ部との噛み合い部が位置する軸線方向位置へ接近させようとしても、構造上の限界があって上記のオフセットを希望するほどには小さくすることができず、抜本的には上記問題の解決を実現し得ないのが実情である。
先ず、本発明の前提となる変速伝動ユニットを説明するに、これは、
入力軸および出力軸の同軸突き合わせ端部を相互に相対回転可能に貫入させ合って入出力軸間軸受嵌合部を設定すると共に、この入出力軸間軸受嵌合部から軸線方向に離間した入力軸および出力軸の箇所をそれぞれユニットケースに軸受し、
これら入力軸および出力軸間を、入力軸に噛合する入力軸噛合ギヤ部が形成された段付きピニオンを含む変速機構により駆動結合したものである。
上記段付きピニオンの入力軸噛合ギヤ部を、段付きピニオンの他方のギヤ部よりも出力軸寄りに位置させて構成した点に特徴づけられる。
従来のように段付きピニオンの入力軸噛合ギヤ部を、段付きピニオンの他方のギヤ部よりも入力軸寄りに位置させる場合よりも、
段付きピニオンの入力軸噛合ギヤ部を、構造上の制約無しに一層大きく、入力軸および出力軸の同軸突き合わせ端部における入出力軸間軸受嵌合部に接近させ得て、前記のオフセットを極小さくすることができ、
段付きピニオンの入力軸噛合ギヤ部と入出力軸間軸受嵌合部とを同じ軸線方向位置に位置させて、前記のオフセットを0にすることさえ可能である。
<第1実施例の構成>
図1,2は、インホイールモータユニットとして構成した本発明の第1実施例になる変速伝動ユニットを示し、図1は、その縦断側面図、図2は、その要部拡大詳細断面図である。
これらの図において、1は、インホイールモータユニットのケース本体、2は、該ケース本体1のリヤカバーで、これらケース本体1およびリヤカバー2により、インホイールモータユニットのユニットケース3を構成する。
電動モータ4は、ケース本体1の内周に嵌合して固設した円環状のステータ6と、かかる円環状ステータ6の内周にラジアルギャップを持たせて同心に配したロータ7(出力回転要素)とで構成する。
出力軸9は、減速機5から反対方向(前方)に延在させて、ケース本体1の前端(図の右側)開口より突出させ、この突出箇所において出力軸9に後述のごとく車輪15を結合する。
この入出力軸間軸受嵌合部を成すベアリング16から軸線方向に離間した入力軸8および出力軸9の箇所をそれぞれ、ボールベアリングを可とするベアリング17および複列アンギュラベアリングを可とするベアリング18でユニットケース3に軸受する。
この段付きプラネタリピニオン13は、大径ギヤ部(入力軸噛合ギヤ部)13aが出力軸9に近い側に位置し、小径ギヤ部(他方のギヤ部)13bが出力軸9から遠い側に位置するよう向きに配置する。
キャリア14は、減速機5の出力回転メンバとし、入力軸8に近い出力軸9の内端に設けてこれに一体化するよう結着する。
このため、キャリア14および段付きプラネタリピニオン13は、出力軸9から入力軸8側へ張り出して出力軸9に結着されることとなる。
ホイールハブ21に同心に、ブレーキディスク22を一体結合して設け、これらホイールハブ21およびブレーキディスク22を貫通して軸線方向に突出するよう複数個のホイールボルト23を植設する。
車輪15の取り付けに際しては、そのホイールディスクに穿ったボルト孔にホイールボルト23が貫通するよう当該ホイールディスクをブレーキディスク22の側面に密接させ、この状態でホイールボルト23にホイールナット24を緊締螺合することにより、出力軸9に対する車輪15の取り付けを行う。
電動モータ4のステータ6に通電すると、これからの電磁力で電動モータ4のロータ7が回転駆動され、この回転駆動力は入力軸8を介して減速機5のサンギヤ11に伝達される。
これによりサンギヤ11は、大径ギヤ部13aを介して段付きプラネタリピニオン13を回転させるが、このとき固定のリングギヤ12が反力受けとして機能するため、段付きプラネタリピニオン13は、小径ギヤ部13bがリングギヤ12に沿って転動するような遊星運動を行う。
かかる段付きプラネタリピニオン13の遊星運動はキャリア14を介して出力軸9に伝達され、出力軸9を入力軸8と同方向に回転させる。
出力軸9への回転は、これに結合したホイールハブ21およびホイールボルト23を介して車輪15に伝達され、車両を走行させることができる。
なお車両の制動に際しては、ブレーキディスク22を軸線方向両側からブレーキパッド25で挟圧することにより車輪15を摩擦制動させて所期の目的を達成し得る。
ところで図1,2に示す第1実施例においては、入力軸8および出力軸9間を駆動結合する減速機5の主要部たる段付きプラネタリピニオン13を、入力軸8上のサンギヤ11と噛合する大径ギヤ部(入力軸噛合ギヤ部)13aを、段付きプラネタリピニオン13の他方の小径ギヤ部13bよりも出力軸9に近い側に位置させたため、以下のような効果を奏し得る。
図5(a)では便宜上、第1実施例におけると同様に機能する部分を同一符号により示し、この図を用いて特許文献1所載の変速伝動ユニットを以下に概略説明する。
入力軸8および出力軸9は更に、ベアリング16から軸線方向に離間した箇所においてそれぞれ、ベアリング17,18によりユニットケース3に軸受する。
そして段付きプラネタリピニオン13は、入力軸8上のサンギヤ11に噛合する大径ギヤ部13aが、固定のリングギヤ12に噛合する小径ギヤ部13bよりも出力軸9から遠い側(入力軸8に近い側)に位置するよう配置する。
図5(a)に示す従来の変速伝動ユニットにあっては、車輪接地面から車輪への横力(車幅方向荷重)などにより出力軸9がユニットケース側軸受部18を支点として図6(a)に示すごとくに倒れ、ベアリング16を介して入力軸8をユニットケース側軸受部17の周りで対応する方向へ同じ図に示すごとく傾倒させることで、ベアリング16の箇所において入力軸8および出力軸9間に軸交角θ1を生じさせた場合、
キャリア14を介し出力軸9に結合されている段付きプラネタリピニオン13の大径ギヤ部13aと、これが噛合する入力軸8上のサンギヤ11との間における径方向相対変位量X1が、大径ギヤ部13aおよびベアリング16間のオフセットL3(図5参照)に応じた相当に大きなものとなる。
入出力軸間軸受嵌合部を成すベアリング16を、入力軸8上におけるサンギヤ11と段付きプラネタリピニオン13の大径ギヤ部13aとが噛み合う軸線方向位置へ接近させて上記のオフセットL3を小さくすることも考えられる。
上記のようにベアリング16を、入力軸8上におけるサンギヤ11と段付きプラネタリピニオン13の大径ギヤ部13aとが噛み合う軸線方向位置へ接近させようとしても、構造上の限界があって上記のオフセットを希望するほどには小さくすることができず、抜本的には上記問題の解決を実現し得ないのが実情である。
段付きプラネタリピニオン13の大径ギヤ部13aを、図5(a)との比較から明らかなごとく、構造上の制約無しに(例えばベアリング16の位置は不変のままでも)一層大きく、入力軸8および出力軸9の同軸突き合わせ端部を成すベアリング16に接近させることができ、ベアリング16に対する大径ギヤ部13aの軸線方向オフセットを図5にL6{=L3−(L5−L2)}で示すように小さくし得る。
キャリア14を介し出力軸9に結合されている段付きプラネタリピニオン13の大径ギヤ部13aと、これが噛合する入力軸8上のサンギヤ11との間における径方向相対変位量X2が、大径ギヤ部13aおよびベアリング16間のオフセットL6(図5参照)に応じた極小さなものとなる。
よって、これらの懸念を心配する必要がなくなり、その分だけ設計の自由度が増すという付加的な効果も得られる。
図3,4は、第1実施例と同じくインホイールモータユニットとして構成した本発明の第2実施例になる変速伝動ユニットを示し、図3は、その縦断側面図、図4は、その要部拡大詳細断面図である。
これらの図において、図1,2におけると同様に機能する部分は同一符号を付して示し、ここでは、図1,2に示した第1実施例と異なる部分のみを説明することとし、同様な構成部分の重複説明を避けた。
そして、出力軸9の内端面には軸承突起9aを同心に配して設け、この軸承突起9aは、少なくとも入力軸8の上記軸受孔8a内に貫入する長さとする。
なおベアリング16は、上記の嵌着に際し、サンギヤ11と大径ギヤ部13aとが噛合すると略同じ軸線方向位置において当該嵌着を行わせる。
上記した図3,4に示す第2実施例においても、電動モータ4(ロータ7)の回転駆動力が入力軸8、減速機5のサンギヤ11および段付きプラネタリピニオン13、出力軸9を順次介して車輪15に伝達され、車両を走行させることができる。
第2実施例の変速伝動ユニットは、その構成を骨子図により示すと、図5(c)に示すごときものであり、この図に示す変速伝動ユニットも第1実施例との比較の都合上、同図(b)と同仕様のものとした。
図6(b)において入力軸8を二点鎖線8'で示すように移動させた図6(c)に示すごときものとなる。
なお図6(c)は、比較の都合上、出力軸9が図6(a),(b)と同じ角度だけ傾斜し、入力軸8との間に軸交角θ2が発生した場合の現象を示す。
キャリア14を介し出力軸9に結合されている段付きプラネタリピニオン13の大径ギヤ部13aと、これが噛合する入力軸8上のサンギヤ11との間における径方向相対変位量を、第1実施例では図6(b)にX2で示すごときものであったのに対し、大径ギヤ部13aおよびベアリング16間のオフセット0により殆ど生じなくさせることができる。
よって、これらの懸念を心配する必要が全くなくなり、設計の自由度が第1実施例の場合よりも更に増す。
なお上記した各実施例においてはいずれも、変速伝動ユニットを電気自動車のインホイールモータユニットとして構成したが、
本発明の変速伝動ユニットは、インホイールモータユニット用に限られるものではなく、産業上のあらゆる伝動ユニットに適用可能であるのは言うまでもない。
変速伝動ユニット内の変速機構としては、これに限られず、段付きプラネタリピニオン13を具えたあらゆる型式の変速機構(増速機構を含む)を用いることができ、この場合も、本発明の前記着想を適用することで、同様な作用効果を奏し得ること勿論である。
2 リヤカバー
3 ユニットケース
4 電動モータ
5 遊星歯車組式減速機(変速機構)
6 ステータ
7 ロータ
8 入力軸
8a 軸受孔
9 出力軸
9a 軸承突起
11 サンギヤ
12 リングギヤ
13 段付きプラネタリピニオン(段付きピニオン)
13a 大径ギヤ部(入力軸噛合ギヤ部)
13b 小径ギヤ部(他方のギヤ部)
14 キャリア
15 車輪
16 ローラベアリング(入出力軸間軸受嵌合部)
17 ボールベアリング
18 複列アンギュラベアリング
19 端蓋
21 ホイールハブ
22 ブレーキディスク
23 ホイールボルト
24 ホイールナット
Claims (3)
- 入力軸および出力軸の同軸突き合わせ端部を相互に相対回転可能に貫入させ合って入出力軸間軸受嵌合部を設定すると共に、この入出力軸間軸受嵌合部から軸線方向に離間した入力軸および出力軸の箇所をそれぞれユニットケースに軸受し、
これら入力軸および出力軸間を、入力軸に噛合する入力軸噛合ギヤ部が形成された段付きピニオンを含む変速機構により駆動結合した変速伝動ユニットにおいて、
前記段付きピニオンの入力軸噛合ギヤ部を、段付きピニオンの他方のギヤ部よりも出力軸寄りに位置させて構成したことを特徴とする変速伝動ユニット。 - 請求項1に記載の変速伝動ユニットにおいて、
前記入出力軸間軸受嵌合部が、前記段付きピニオンの入力軸噛合ギヤ部と入力軸との噛合部の内周に位置するよう、前記入力軸および出力軸の同軸突き合わせ端部を相互に相対回転可能に貫入させ合ったものであることを特徴とする変速伝動ユニット。 - 請求項1または2に記載の変速伝動ユニットにおいて、
前記入力軸に電動モータの出力回転要素を結合し、
前記出力軸に車輪を結合し、
前記段付きピニオンを、前記他方のギヤ部が固定のリングギヤに噛合して該リングギヤの内周に沿い転動する遊星歯車とし、
前記段付きピニオンを回転自在に支持したキャリアに前記出力軸を結着することにより、
インホイールモータユニットとして構成したことを特徴とする変速伝動ユニット。
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