本発明に係る通信機器の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る通信機器間で形成されるネットワークを説明する概念図である。
本実施形態においては、携帯電話機1の移動通信網を利用してノート型パーソナルコンピュータ(以下、単に「PC」という。)2がデータ通信を行う例を適用して説明する。なお、本実施形態においては携帯電話機1とPC2とをそれぞれ通信機器に適用して説明するが、PC2の通信網を利用して携帯電話機1がデータ通信を行ってもよいし、携帯電話機1、PC2以外の他の通信機器を適用することもできる。例えば、PDA(PersonalDigitalAssistant)、携帯型ゲーム機、携帯型音楽再生機、携帯型動画再生機などの通信機能を備えた種々の通信機器を適用することができる。
携帯電話機1は、W−CDMA方式を一例とする通信方式を用いて、移動通信網に収容される基地局3との間で音声やデータの送受信を行う。基地局3は、所定の公衆回線網4を介して所定のサーバ5と接続される。携帯電話機1は、例えば無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(ブルートゥース(登録商標))などの通信手段を利用してPC2を含む他の端末と通信を行う機能を備えた通信機器である。
PC2は、例えば無線LAN、Bluetoothなどの通信手段を利用して携帯電話機1を含む他の端末と通信を行う機能を備えた通信機器である。
携帯電話機1およびPC2は、携帯電話機1が基地局3と行う無線通信とは異なる通信方式を利用した無線LAN、Bluetoothなどを用いてローカルネットワークを形成し、相互にデータの送受信を行う。
図2は、本発明に係るホスト側としての通信機器の一例である携帯電話機1のハードシステム構成図である。
本実施形態における携帯電話機1においては、主に他の通信機器との無線通信を実現するための構成を説明し、携帯電話機が一般的に備えるハードシステム構成の詳細な説明を省略する。
携帯電話機1は、移動通信モジュール11、無線LAN(WLAN)通信モジュール12、Bluetooth(BT)通信モジュール13、CPU15、メモリ16、入力部17、表示部18、マイクロフォン19、スピーカ20および無線信号検知回路23を有する。携帯電話機1の各部はバス22により接続されている。
移動通信モジュール11は、基地局3(図1参照)との音声やデータの送受信を実現する。移動通信モジュール11は、アンテナを備え、移動通信網に収容される基地局3から所定の通信処理システムで送信される無線信号を空間から受信する。また、移動通信モジュール11は、基地局3に対して所定の通信処理システムで無線通信できるようにアンテナを介して空間に所定の無線信号を放射する。移動通信モジュール11は、受信された信号に対して所定の処理を行った後CPU15にデータを出力したり、スピーカ20より音声を出力したりする。また、移動通信モジュール11は、所定の処理を行った後CPU15より出力されたデータやマイクロフォン19より集音された音声を送信する。
無線LAN(WLAN)通信モジュール12は、内蔵されたアンテナ(図示せず)を介してIEEE802.11a/b/gなどの所定の規格に準拠した無線LAN通信を行う。
Bluetooth(BT)通信モジュール13は、アンテナを介して携帯電話機1の近傍(数m〜十数m)に存在する他の通信機器などと無線通信を行う。
CPU(Central Processing Unit)15は、種々の制御信号を生成し、各部に供給することにより携帯電話機1を統括的に制御する。CPU15は、メモリ16としてのROM(Read Only Memory)に記憶されているプログラムまたはROMからRAM(Random Access Memory)にロードされた、オペレーティングシステム(OS)を含む各種のアプリケーションプログラムや制御プログラムに従って各種処理を実行する。
メモリ16は、ROM、RAM、フラッシュメモリ素子やHDD(Hard Disc Drive)などの記憶装置である。また、メモリ16は電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるフラッシュメモリ素子やHDD(Hard Disc Drive)である。
入力部17は、例えば操作キータイプやタッチパネルタイプなどの入力手段を介して入力を受け付け、この入力信号をCPU15に出力する。表示部18は、CPU15の指示に基づいて文字や画像などからなるデータを出力する。この表示部18は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイ、無機ELディスプレイにより構成される。
無線信号検知回路23は、PC2(他の通信機器)より送出された振幅変調波形を有する無線信号を検知するための回路である。無線信号検知回路23は、PC2より送信された無線信号に係る時間軸における電力値の大小のパターンおよび周期によって信号の種類を判定する。以下、無線信号検知回路23が受信した無線信号に係る時間軸における電力値の大小のパターンおよび周期を「特定パターン」という。無線信号検知回路23は、待ち受ける無線信号に係る特定パターンを検知した場合には所定の割り込み信号をCPU15に出力する。
無線信号検知回路23は、無線通信部としてのWLAN通信モジュール12およびBT通信モジュール13がPC2より送出された無線信号を監視する際の動作電力より低い動作電力によって、この無線信号を監視するようになっている。なお、無線信号検知回路23の各回路は、後述する各回路の説明毎に示す文献に記載された省電力化を実現することが可能な従来技術を適用して構成される。しかし、無線信号検知回路23は、後述する文献に記載された構成に限らず、少なくともWLAN通信モジュール12およびBT通信モジュール13がPC2より送出された無線信号を監視する際の動作電力より低い動作電力でこの無線信号を監視することが可能であればいかなる構成であってもよい。
図3は、図2の無線信号検知回路23の回路構成図である。
無線信号検知回路23は、RF信号受信回路31、ダウンコンバータ(整流回路)32、ベースバンド(BB)信号増幅回路33、信号識別回路34、制御信号出力回路35およびメモリ36を備える。
RF(Radio Frequency)信号受信回路31は、PC2などの他の通信機器より送出された検知感度に達する無線信号(電波)を受信すると、RF信号を出力する。
ダウンコンバータ(整流回路)32は、RF信号受信回路31より出力されたRF信号を整流および検波して復調信号を取得する。なお、省電力化のため、ダウンコンバータ(整流回路)32は局部発振器を有しない構成となっている。ダウンコンバータ(整流回路)32の構成については、例えば特許第4377946号公報(復調装置)に記載された技術を適用することができる。
なお、特許第4377946号公報に記載された復調装置は、クロック式バイアス印加系整流回路である。具体的には、復調装置は、直流電圧を出力するバイアス回路と、ゲート端子とソース端子との間に直流電圧のみが印加される第1のMOSトランジスタと、ゲート端子とソース端子との間に直流電圧のみが印加されるとともにドレイン端子が第1のMOSトランジスタのソース端子に接続された第2のMOSトランジスタと、一端が第1のMOSトランジスタのソース端子に接続され他端が交流信号が入力される結合キャパシタとを具備する整流回路であって、バイアス電圧を所定のタイミングで供給する整流回路と、この整流回路によって整流された入力信号を所定のタイミングとは異なるタイミングで閾値と比較して2値信号を出力するクロックドコンパレータとを備えたものである。
BB信号増幅回路33は、ダウンコンバータ(整流回路)32から出力された復調信号を増幅し所定の信号を出力する。BB信号増幅回路33の構成については、例えば特開2009−89434号公報(トリガ信号発生装置)に記載された技術が適用可能である。
特開2009−89434号公報に記載されたトリガ信号発生装置は、カレントミラー回路および電流電圧変換回路を有する点を特徴とするものである。具体的には、トリガ発生装置は、復調信号の大きさに応じた振幅を持つ電流を生成する電流生成手段と、この電流生成手段が生成する電流の大きさに応じた振幅を有し、第一電源電位から第二電源電位に向かって流れる電流を出力する電流出力手段、およびこの電流出力手段が出力する電流を増幅するカレントミラー回路とを含む信号増幅手段と、カレントミラー回路の出力端に接続され、増幅された電流信号を電圧信号に変換してトリガ信号を生成するトリガ信号生成手段を備えたものである。
信号識別回路34は、BB信号増幅回路33において生成された信号を所定の比較基準電位と比較する。信号識別回路34は、この比較基準電位よりも高い信号が検出された場合にはハイレベル、比較基準電位よりも低い信号はローレベルと判断して、時間軸における電圧の大小のパターンおよび周期を取得する。
信号識別回路34は、得られた信号が待ち受ける無線信号に係る特定パターンと一致するか否かを識別し、識別結果を制御信号出力回路35に出力する。
メモリ36は、例えば不揮発性メモリであり、BB信号増幅回路33から出力された信号の時間軸における電圧の大小のパターンおよび周期、すなわち特定パターンを記憶する。メモリ36には、複数の特定パターンが記憶される。具体的には、メモリ36は、他の端末としてのPC2の無線LAN通信モジュール112(図5参照)がアクティブスキャンを行う際に送信した信号(プローブ要求信号)の特定パターンを予め記憶する。また、メモリ36は、PC2の無線LAN通信モジュール112(図5参照)が送信するビーコン信号の特定パターンを予め記憶する。さらに、メモリ36は、PC2のBluetooth通信モジュール113(図5参照)がインクワイアリスキャンを行う際に送信した信号(インクワイアリ信号)の特定パターンを予め記憶する。
一般的に、これらのプローブ要求信号、ビーコン信号、インクワイアリ信号は、それぞれ一定の特定パターンを有する。しかし、これらの信号の周期は各端末において変更可能なものである。このため、メモリ36は一定の特定パターン以外にも、接続を行う特定の機器から送信される各信号の特定パターンを予め記憶する。これにより、機器間における周期などのばらつきにより各信号が検知できなくなることを防止することができる。
制御信号出力回路35は、信号識別回路34より出力された識別結果に基づいて割込み処理の発生を通知する旨の割り込み信号を生成し、CPU15に出力する。
図4は、本発明に係る通信機器の一例である携帯電話機1のソフトシステム構成図である。
本実施形態における携帯電話機1においては、主に他の通信機器との無線通信を実現するための構成を主に説明し、携帯電話機が一般的に備えるソフトシステム構成についての詳細な説明を省略する。
通信プロトコルスタック61は、所定のWLAN通信手順を実行する。無線LAN(WLAN)ドライバ62は、通信プロトコルスタック61の実行する手順を実現するためにWLAN通信モジュール12を制御する。
Bluetooth(BT)通信プロトコルスタック64は、所定のBT通信手順を実行する。Bluetooth(BT)ドライバ65は、BT通信プロトコルスタック64の実行する手順を実現するためにBT通信モジュール13を制御する。
移動通信部66は、携帯電話機1の音声通話やデータ通信などの通信事業者ネットワークを利用した通信時に移動通信モジュール11を制御し無線通信を実現する。
通信プロトコルスタック61、BT通信プロトコルスタック64および移動通信部66は、それぞれ通信システムマネージャ68により管理される。通信アプリケーション69は、例えばユーザからの通信指示を直接受け付け通信システムマネージャ68に通知を行う。
無線信号検知回路マネージャ70は、無線信号検知回路23を統括的に制御したり、各アプリケーションと連絡したりする。無線信号検知回路ドライバ71は、無線信号検知回路マネージャ70の制御に基づいて無線信号検知回路23を動作させる。無線信号検知回路アプリケーション72は、例えばユーザからの指示や入力データを受け付け無線信号検知回路マネージャ70に通知する。
図5は、本発明に係る通信機器の一例であるPC2のハードシステム構成図である。
PC2は、無線LAN(WLAN)通信モジュール112、Bluetooth(BT)通信モジュール113、CPU115、メモリ116、入力部117、表示部118を有する。PC2の各部はバス122により接続されている。
無線LAN(WLAN)通信モジュール112は、内蔵されたアンテナ(図示せず)を介してIEEE802.11a/b/gなどの所定の規格に準拠した無線LAN通信を行う。
Bluetooth(BT)通信モジュール113は、内蔵されたアンテナ(図示せず)を介してPC2の近傍(数m〜十数m)に存在する他の通信機器などと無線通信を行う。
CPU(Central Processing Unit)115は、種々の制御信号を生成し、各部に供給することによりPC2を統括的に制御する。CPU115は、メモリ116としてのROM(Read Only Memory)に記憶されているプログラムまたはROMからRAM(Random Access Memory)にロードされた、オペレーティングシステム(OS)を含む各種のアプリケーションプログラムや制御プログラムに従って各種処理を実行する。
メモリ116は、ROM、RAM、フラッシュメモリ素子やHDD(Hard Disc Drive)などの記憶装置である。また、メモリ116は電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるフラッシュメモリ素子やHDD(Hard Disc Drive)である。
入力部117は、例えばキーボードやマウスなどの入力手段を介して入力を受け付け、この入力信号をCPU115に出力する。表示部118は、CPU115の指示に基づいて文字や画像などからなるデータを出力する。この表示部118は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイ、無機ELディスプレイにより構成される。
図6は、本発明に係る通信機器の一例であるPC2のソフトシステム構成図である。
本実施形態におけるPC2においては、主に他の通信機器との無線通信を実現するための構成を主に説明し、パーソナルコンピュータが一般的に備えるソフトシステム構成についての詳細な説明を省略する。
通信プロトコルスタック161は、所定のWLAN通信手順を実行する。無線LAN(WLAN)ドライバ162は、通信プロトコルスタック161の実行する手順を実現するためにWLAN通信モジュール112を制御する。
Bluetooth(BT)通信プロトコルスタック164は、所定のBT通信手順を実行する。Bluetooth(BT)ドライバ165は、BT通信プロトコルスタック164の実行する手順を実現するためにBT通信モジュール113を制御する。
通信プロトコルスタック161およびBT通信プロトコルスタック164は、それぞれ通信システムマネージャ168により管理される。通信アプリケーション169は、例えばユーザからの通信指示を直接受け付け通信システムマネージャ168に通知を行う。
なお、無線LAN通信時において、携帯電話機1およびPC2は「端末モード」、「アクセスポイント(AP)モード」、「アドホックモード」のいずれかのモードで動作する。
「端末モード」は、APモードやアドホックモードで動作する端末(AP親機、アドホック親機)から送信されるビーコン信号をアクティブまたはパッシブスキャンするモードである。「APモード」は、アクセスポイント(以下、単に「AP」という。)として動作し、ビーコン信号を他の端末(AP子機)に対して送信する動作モードである。APモードは、実際にAPとしてデータ通信の中継基地局として機能する場合のみならず、APとして振る舞う場合(例えば、ビーコン信号の送信を行うが実際にはデータ通信の中継基地局として動作しない場合)を含むものとする。「アドホックモード」は、端末間(アドホック親機・子機間)で通信を行うアドホックネットワーク形成時の動作モードである。
なお、「AP親機」は、APモードで動作し、ビーコン信号を送信する端末をいう。「AP子機」は、端末モードで動作しAPから送信されるビーコン信号をスキャンする端末をいう。「アドホック親機」は、アドホックモードで動作し他の端末にビーコン信号を送信する側の端末をいう。「アドホック子機」は、アドホックモードで動作し他の端末から送信されるビーコン信号をスキャンする側の端末をいう。
また、Bluetooth通信時における携帯電話機1およびPC2の動作モードを「BTモード」という。
携帯電話機1とPC2とは、WLAN通信モジュール12、112を利用した通信に必要な機器認証設定が予め行われているものとする。例えば、携帯電話機1およびPC2がWPS(Wi−Fi Protected Setup)に対応している場合には、このWPSを利用して機器認証設定を行う。WPSは、例えばPINコード(PIN:Personal Identification Number)を入力することにより、ESSID(Extended Service Set Identifier)(SSID)、WPA(Wi−Fi Protected Access)などの設定を行う方法である。このWPSを利用することで、ユーザはセキュアなWLANネットワークを簡単に構築することができる。なお、このPINコードは、他の端末に接続処理を行う際の認証処理時にその都度入力するようにしてもよい。
また、携帯電話機1とPC2とは、予めBT通信モジュール13、113を利用した通信に必要な接続相手を特定するための機器認証設定(ペアリング)が行われているものとする。例えば、互いに機器を検索した後にPINコードの入力を行うことで設定される。
次に、PC2が携帯電話機1の移動通信網を利用したデータ通信(ネットワーク通信)を行う際の携帯電話機1およびPC2における処理について説明する。
本実施形態における携帯電話機1は、常時PC2から送信される無線信号を低消費電力で待ち受けることができる無線信号検知回路23を利用することで、WLAN通信モジュール12およびBT通信モジュール13を常時起動状態としたり、ユーザ操作により各通信モジュール12、13を起動させたりする操作を不要としたりできるようになっている。すなわち、携帯電話機1は、WLAN通信モジュール12およびBT通信モジュール13に代えて無線信号検知回路23においてPC2から送信される所定の信号を監視するようになっている。
PC2は、携帯電話機1の無線信号検知回路23が検知可能な第一〜第四のいずれかの無線信号を送信することにより、携帯電話機1に対して接続を要求するようになっている。第一の無線信号は、PC2がAP子機としての端末モードで動作してアクティブスキャンを行う際に送信されるプローブ要求信号である。第二の無線信号は、PC2がAP親機としてのAPモードで動作する際に送信されるビーコン信号である。第三の無線信号は、PC2がアドホック親機としてのアドホックモードで動作する際に送信されるビーコン信号である。第四の無線信号は、PC2がBT通信におけるインクワイアリ(問い合わせ)時に送信されるインクワイアリ信号である。
携帯電話機1は、無線信号検知回路23においてこれらの第一〜第四のいずれかの無線信号を受信した場合、優先順位に従って第一〜第三の通信方式を利用した接続処理を実行し、PC2との接続を確立するようになっている。なお、無線信号検知回路23が検知した無線信号の種類を識別可能なように構成される場合には、無線信号の種類に応じて用いる通信方式を選択してもよい(詳細は後述する)。
第一の通信方式は、携帯電話機1のWLAN通信モジュール12がPC2のWLAN通信モジュール112に対するAPまたは必要に応じてAPに対する端末として動作してPC2との接続を確立する方式である。第二の通信方式は、携帯電話機1のWLAN通信モジュール12がアドホック子機としてのアドホックモードで動作してPC2との接続を確立する方式である。第三の通信方式は、携帯電話機1のBT通信モジュール13またはWLAN通信モジュール12がPC2のBT通信モジュール113またはWLAN通信モジュール112との接続を確立する方式である。いずれの方式においても、接続確立後必要に応じて携帯電話機1がAPモード、PC2が端末モードとなるように動作モードの切り替えを行う。より速く確実な通信を確立するためである。
携帯電話機1は、予め設定された優先順位に基づいて第一〜第三の通信方式を順次利用することによりPC2との接続を試みる。この優先順位は、携帯電話機1およびPC2の事前の認証設定時に設定されたり、必要に応じて所定のアプリケーションを介してユーザにより設定されたりする。
本実施形態においては、第一の通信方式、第二の通信方式、第三の通信方式の順に優先順位が設定された例を適用して説明する。すなわち、第一の通信方式を用いた接続の確立に失敗した場合には第二の通信方式を用い、第二の通信方式に失敗した場合には第三の通信方式を用いる例を適用して説明する。なお、第一〜第三の通信方式は、いずれか一の通信方式のみを利用してもよいし、以下に説明するとおり所定の順番で利用するようにしてもよい。
また、以下に説明する各通信方式を用いた接続処理の説明においては、PC2が各通信方式で接続可能な無線信号を無線信号検知回路23に対して送信する例を説明する。しかし、実際にはPC2が行う一回のデータ通信要求においては一種類の無線信号が所定時間継続的に送信され、携帯電話機1がその一種類の無線信号に対して第一〜第三の通信方式を利用した接続処理を順次行う。いずれかの通信方式を利用した接続処理が成功した場合には、データ通信終了後再び無線信号検知回路23はPC2から送信される無線信号を待ち受ける。無線信号検知回路23により所定の無線信号が検知された場合には、再び優先順位が最も高い通信方式を利用した接続処理が行われる。
まず、第一の通信方式を用いた携帯電話機1とPC2との接続処理を説明する。
図7は、携帯電話機1およびPC2の各WLAN通信モジュール12、112が取り得る動作モードの組合せを説明する図である。以下の説明において、必要に応じて参照する。
図8は、本実施形態における携帯電話機1において実行される第一の通信方式を利用した接続処理を説明するフローチャートである。
なお、以下の携帯電話機1において実行される処理の説明においては、主に無線信号検知回路23、CPU15、OS、WLAN通信モジュール12を主語にして説明するが、各処理はそれぞれ所要のソフトウェアプログラムに基づいて実行される。
図9および図10は、携帯電話機1とPC2との間で行われる第一の通信方式を用いた接続処理を示すシーケンス図である。
なお、以下に説明するシーケンス図は、本実施形態における主要な処理を特に示し、それ以外の処理については記載を省略する場合がある。
ステップS1において、携帯電話機1の無線信号検知回路23は、無線信号の特定パターンを検知したか否かの判定を行う。無線信号検知回路23は、特定パターンを検知していないと判定した場合、検知するまで待機する。
一方、無線信号検知回路23により特定パターンを検知したと判定された場合(図9のステップS25)、ステップS2において、第一の通信方式に基づいてWLAN通信モジュール12はAPモードで起動(Wake Up)する(図8のステップS30)。具体的には、無線信号検知回路23は特定パターンを検知すると(ステップS25)、WLAN通信モジュール12の起動を要求する割り込み信号を生成しCPU15に対して出力する(ステップS26)。CPU15は、スリープ状態である場合には起動し(ステップS27)、OSを介してWLAN通信モジュール12に対する起動要求信号を出力する(ステップS28、S29)。また、WLAN通信モジュール12は、起動に伴い起動通知をOSに対して行う(ステップS31)。このときの携帯電話機1およびPC2の取りうる動作モードは、図7のモード1〜4である。
ステップS3において、WLAN通信モジュール12は、APとしてビーコン信号を送信し種々の情報を周囲の端末に報知する(ステップS33、S34)。ビーコン信号の送信は、OSから出力されるサーチ要求(ステップS32)に基づいて行われる。
ステップS4において、WLAN通信モジュール12は、ビーコン信号に基づく他の端末のサーチ結果(応答)を照合する(ステップS35)。ステップS5において、WLAN通信モジュール12は、サーチされた端末は予め登録された端末であるPC2であるか否かの判定を行う(ステップS36)。WLAN通信モジュール12は、登録されたPC2ではないと判定した場合、ステップS18に進みWLAN通信モジュール12は電源をオフにされる(ステップS37)。また、図示はしないが所定時間以内にサーチ結果が得られない場合には、例えばステップS10に進み動作モードを端末モードへ切り替える。
一方、WLAN通信モジュール12はサーチされた端末は予め登録されたPC2であると判定した場合、ステップS6において、PC2との通信を開始し(ステップS38)、PC2と通信を行うための所定の接続処理を行う。携帯電話機1とPC2との無線LAN接続処理の手順は、公知の方法(認証、アソシエーション)が用いられるためここでは詳細な説明を省略する。なお、WLAN通信モジュール12がPC2と接続処理を行い得るのは、図7のモード2である。
ステップS7において、WLAN通信モジュール12は所定時間内にPC2との接続に成功したか否かの判定を行う(図10のステップS43)。携帯電話機1は、接続に成功したと判定した場合、ステップS8において、APとして移動通信網を利用したデータ授受(データ通信)をPC2に行わせる(ステップS44)。ステップS9において、WLAN通信モジュール12は、データ授受が終了したかまたはデータ授受が最後に行われてから予め設定された時間が経過(タイムアウト)したか否かの判定を行う。なお、データ授受の終了は、ユーザ入力や無線信号検知回路23におけるビーコン信号などの検知の有無により判断することができる。WLAN通信モジュール12は、データ授受が終了していない、またはタイムアウトしていないと判定した場合、ステップS8に戻りデータ授受を継続する。WLAN通信モジュール12は、データ授受が終了またはタイムアウトしたと判定した場合、ステップS18において、WLAN通信モジュール12は電源をオフにされる。WLAN通信モジュール12の電源がオフにされた後は、無線信号検知回路23は無線信号の待ち受け状態に復帰する。
WLAN通信モジュール12は、接続判定ステップS7において所定時間内にPC2との接続に失敗したと判定した場合、OSに対しタイムアウト通知を行う(ステップS45)。これに伴い、WLAN通信モジュール12は、OSより端末モードへ切り替える要求を受け付ける(ステップS46)。ステップS10において、動作モードを端末モードへ切り替える(ステップS47)。携帯電話機1は、APモードではPC2との接続処理に失敗したため、自己の動作モードを端末モードに変更して接続を試みる。
ステップS11において、WLAN通信モジュール12はアクティブスキャンまたはパッシブスキャンを行い利用可能なAPをスキャンする(ステップS48)。ステップS12において、WLAN通信モジュール12は、スキャンにより得られたビーコン信号に含まれるSSIDは、予め携帯電話機1において登録されたSSIDと一致するか否かの判定を行う(ステップS49)。WLAN通信モジュール12は、得られたSSIDは登録されたSSIDとは異なると判定した場合、ステップS18に進みWLAN通信モジュール12の電源をオフにする(ステップS50)。スキャンしたAPがPC2ではない場合が該当する。また、図示はしないが所定時間以内にスキャン結果が得られない場合には、ステップS18に進みWLAN通信モジュール12の電源がオフされる。
一方、WLAN通信モジュール12は得られたSSIDは登録されたSSIDと一致すると判定した場合、ステップS13において、APとしてのPC2に対する端末として接続処理を行い(ステップS51)、接続通知をPC2のWLAN通信モジュール112に送信する(ステップS52)。このときの携帯電話機1のWLAN通信モジュール12とPC2のWLAN通信モジュール112の動作モードは、図7のモード5である。
ステップS14において、WLAN通信モジュール12は、PC2に移動通信網を利用したデータ通信を行わせるため、APモードへ切り替える必要があるか否かの判定を行う(ステップS53)。APモードへ切り替える必要があるか否かの判定は、所定時間を計測するタイマのタイムアウト、または所定回数の通信確認の有無に基づいて行われる。WLAN通信モジュール12は、APモードへ切り替える必要がないと判定した場合、データ授受ステップS8に進み端末モードとして動作してPC2との通信を行う。
一方、WLAN通信モジュール12は、APモードへ切り替える必要があると判定した場合、WLAN通信モジュール12は接続確立通知をOSに対して行う(ステップS55)。OSは、WLAN通信モジュール12に対して動作モードをAPモードに切り替える要求を行う(ステップS56)。ステップS15において、WLAN通信モジュール12は、PC2のWLAN通信モジュール112に対して動作モードを端末モードへ切り替える要求を行う(ステップS57)。これに伴い、PC2のWLAN通信モジュール112は動作モードを端末モードに切り替え、携帯電話機1のWLAN通信モジュール12に対して端末モード切替通知を行う(ステップS62)。
ステップS16において、WLAN通信モジュール12は動作モードをAPモードに切り替える(ステップS63)。ステップS17において、WLAN通信モジュール12は所定時間内にPC2との接続に成功したか否かの判定を行う(ステップS64)。携帯電話機1は、接続に成功したと判定した場合、ステップS8に進みAPとして移動通信網を利用したデータ授受をPC2に行わせる(ステップS65)。このときの携帯電話機1とPC2との動作モードは、図7のモード2である。
一方、WLAN通信モジュール12は、所定時間内に接続に成功しないと判定した場合、ステップS18において、電源がオフにされる(ステップS66)。
次に、携帯電話機1が第一の通信方式利用時において接続可能な無線信号を送信する動作モードである端末モードとAPモードでPC2が動作した場合の処理を説明する。
まず、携帯電話機1が第一の通信方式利用時において接続可能な無線信号を送信する動作モードである端末モードでPC2が動作した場合の処理を説明する。
図11は、本実施形態におけるPC2において実行される端末モード動作時の第一の通信方式による接続処理を説明するフローチャートである。
以下のPC2において実行される処理の説明においては、主にOS、WLAN通信モジュール112を主語にして説明するが、各処理はそれぞれ所要のソフトウェアプログラムに基づいて実行される。
なお、図9および10のシーケンス図は、PC2のWLAN通信モジュール112が端末モードで動作する場合とAPモードで動作する場合の処理が合わせて示されている。
ステップS71において、PC2のOSはデータ授受(データ通信)要求を受け付ける(図9のステップS21)。ステップS72において、WLAN通信モジュール112はOSの制御に基づいて起動する(ステップS22)。このとき、WLAN通信モジュール112は、端末モードで起動する。
ステップS73において、WLAN通信モジュール112は、アクティブスキャンを行い利用可能なAPをスキャンする(ステップS23)。WLAN通信モジュール112は、プローブ要求信号を送信し他の端末から送信されるプローブ応答信号を待ち受ける。なお、通信要求を受け付けたWLAN通信モジュール112は、パッシブスキャンを行うこともできる。この場合には、携帯電話機1以外の他のAPから送信されるビーコン信号を待ち受け、接続可能なAPであった場合には所定の接続処理の後データ通信を行うことができる。なお、ステップS73においてWLAN通信モジュール112により実行されるアクティブスキャンは、携帯電話機1を検出するためのスキャンであってもよいし、携帯電話機1以外のAPを検出するためのスキャンであってもよい。
ステップS74において、WLAN通信モジュール112は、所定時間内にAPがスキャンされ、スキャンされたAPとの接続に成功したか否かの判定を行う(ステップS40)。ここでスキャンおよび接続されるAPは、APとしての携帯電話機1である場合や、携帯電話機1とは異なる他のAPである場合がある。PC2は、携帯電話機1を含む複数のAPが検出された場合、携帯電話機1と優先的に接続するようにしてもよいし、携帯電話機1以外のAPと優先的に接続するようにしてもよい。また、ユーザに接続先を選択させてもよい。なお、PC2とAP(携帯電話機1)との接続処理(SSID確認、認証、アソシエーション)は、公知の方法が用いられるため詳細な説明を省略する。WLAN通信モジュール112は、APとの接続に成功したと判定した場合、ステップS75において、接続されたAPを介したデータの授受を行う(ステップS41)。
ステップS76において、WLAN通信モジュール112は、データ授受が終了したかまたはデータ授受が最後に行われてから予め設定された時間が経過(タイムアウト)したか否かの判定を行う。WLAN通信モジュール112は、データ授受が終了していない、またはタイムアウトしていないと判定した場合、ステップS75に戻りデータ授受を継続する。WLAN通信モジュール112は、データ授受が終了またはタイムアウトしたと判定した場合、処理は終了する。
一方、接続判定ステップS74においてWLAN通信モジュール112は所定時間内にAPとの接続が行われなかったと判定した場合、携帯電話機1を含むAPとの接続の確立に失敗したため処理を終了する。
次に、携帯電話機1が第一の通信方式利用時において接続可能な無線信号を送信する動作モードであるAPモードでPC2が動作した場合の処理を説明する。
図12は、本実施形態におけるPC2において実行されるAPモード動作時の第一の通信方式による接続処理を説明するフローチャートである。
ステップS81において、PC2のOSはデータ授受要求を受け付ける(図9のステップS21)。ステップS82において、WLAN通信モジュール112はOSの制御に基づいて起動する(ステップS22)。このとき、WLAN通信モジュール112は、APモードで起動する。
ステップS83において、WLAN通信モジュール112は、周囲の端末に種々の情報を報知するためのビーコン信号を送信する(ステップS23)。このとき、携帯電話機1のWLAN通信モジュール12は端末モードで動作するように制御される(図7のモード5)。このため、ステップS84において、PC2のWLAN通信モジュール112は、APとして、携帯電話機1から接続が確立された旨の通知を受け取る(図10のステップS52)。
ステップS85において、WLAN通信モジュール112は、携帯電話機1より端末モードに切り替える要求を受け付けたか否かの判定を行う。WLAN通信モジュール112は、端末モードの切替要求を受け付けていないと判定した場合、ステップS86において、ビーコン信号の送信を開始してから所定時間が経過したか否かの判定を行う。WLAN通信モジュール112は、所定時間が経過していないと判定した場合、切替要求判定ステップS85に戻る。一方、WLAN通信モジュール112は所定時間が経過したと判定した場合、携帯電話機1との接続の確立に失敗したため、処理を終了する。
WLAN通信モジュール112は、切替要求判定ステップS85において携帯電話機1より端末モードへの切替要求を受け付けたと判定した場合(図10のステップS57)、ステップS87において、動作モードをAPモードから端末モードへ切り替える(ステップS58、S59、S60)。また、端末モード切替通知を携帯電話機1のWLAN通信モジュール12に対して行う(ステップS62)。
ステップS88において、WLAN通信モジュール112は、アクティブスキャンまたはパッシブスキャンを行い利用可能なAPをスキャンする(ステップS61)。ステップS89において、WLAN通信モジュール112は、所定時間内にスキャンしたAP、すなわち携帯電話機1との接続に成功したか否かの判定を行う。このとき、携帯電話機1のWLAN通信モジュール12はAPモードで動作するようになっている(図7のモード2)。このため、PC2のWLAN通信モジュール112は、携帯電話機1をAPとした接続が可能な状態となっている。WLAN通信モジュール112は、APとの接続に失敗したと判定した場合、第一の通信方式を用いた接続の確立に失敗したため、処理を終了する。
一方、WLAN通信モジュール112は、APとの接続に成功したと判定した場合、ステップS90において、接続されたAPを介したデータの授受を行う。ステップS91において、WLAN通信モジュール112は、データ授受が終了したかまたはデータ授受が最後に行われてから予め設定された時間が経過(タイムアウト)したか否かの判定を行う。WLAN通信モジュール112は、データ授受が終了していない、またはタイムアウトしていないと判定した場合、ステップS90に戻りデータ授受を継続する。WLAN通信モジュール112は、データ授受が終了またはタイムアウトしたと判定した場合、処理は終了する。
なお、図12の接続処理においては、携帯電話機1のWLAN通信モジュール12から送信される端末モードへ切り替える要求を受け付けた場合に、PC2のWLAN通信モジュール112の動作モードをAPモードから端末モードへ切り替えた。しかし、所定時間経過後に自動的にAPモードから端末モードへ切り替えるように制御してもよい。その場合には、携帯電話機1のWLAN通信モジュール12が端末モード切替要求を送信する処理も省略される。
次に、第二の通信方式を用いた携帯電話機1とPC2との接続処理を説明する。
図13は、本実施形態における携帯電話機1において実行される第二の通信方式を利用した接続処理を説明するフローチャートである。
図14は、携帯電話機1とPC2との間で行われる第二の通信方式を用いた処理を示すシーケンス図である。
ステップS101において、携帯電話機1の無線信号検知回路23は、無線信号の特定パターンを検知したか否かの判定を行う。無線信号検知回路23は、これらの特定パターンを検知していないと判定した場合、検知するまで待機する。
一方、無線信号検知回路23により特定パターンを検知したと判定された場合、ステップS102において、WLAN通信モジュール12は第二の通信方式に基づいて起動(Wake Up)する(図14のステップS130)。このとき、WLAN通信モジュール12の通信モードはアドホック子機としてのアドホックモードで動作する。具体的には、無線信号検知回路23は特定パターンを検知すると(ステップS125)、WLAN通信モジュール12の起動を要求する割り込み信号を生成しCPU15に対して出力する(ステップS126)。CPU15は、スリープ状態である場合には起動し(ステップS127)、OSを介してWLAN通信モジュール12に対する起動要求信号を出力する(ステップS128、S129)。また、WLAN通信モジュール12は、起動に伴い起動通知をOSに対して行う(ステップS131)。このときの携帯電話機1およびPC2の取りうる動作モードは、図7のモード9〜12である。
ステップS103において、WLAN通信モジュール12は、アドホックモードで動作する他の端末をアクティブスキャンまたはパッシブスキャンする(ステップS133)。スキャンは、OSから出力されるスキャン要求(ステップS132)に基づいて行われる。
ステップS104において、WLAN通信モジュール12は、スキャンにより得られた結果を照合する。また、ステップS105において、WLAN通信モジュール12は、スキャン結果が得られた端末が登録された端末、本実施形態においてはPC2であったか否かの判定を行う。WLAN通信モジュール12は、スキャン結果がPC2ではないと判定した場合(ステップS135のNo(1))、ステップS112に進みWLAN通信モジュール12は電源がオフされる(ステップS136)。
一方、WLAN通信モジュール12はサーチされた端末は予め登録されたPC2であると判定した場合、ステップS106において、PC2と接続処理を行い(ステップS137)、接続通知をPC2のWLAN通信モジュール112に送信する(ステップS138)。このときの携帯電話機1およびPC2の動作モードは、図7のモード11である。
ステップS107において、携帯電話機1は、動作モードをAPモードに切り替える(ステップS140)。APモードに切り替えることにより、アドホックモードに比べてより速く確実な通信を確立するためである。また、ステップS108において、WLAN通信モジュール12は、PC2に対するビーコン信号を送信する(ステップS141)。
ステップS109において、WLAN通信モジュール12は所定時間内にPC2との接続に成功したか否かの判定を行う。携帯電話機1は、接続に成功したと判定した場合、すなわちPC2のWLAN通信モジュール112から接続通知を受け付けた場合(ステップS144)、ステップS110において、APとして移動通信網を利用したデータ授受をPC2に行わせる。このときの携帯電話機1およびPC2の動作モードは、図7のモード2である。
ステップS111において、WLAN通信モジュール12は、データ授受が終了したかまたはデータ授受が最後に行われてから予め設定された時間が経過(タイムアウト)したか否かの判定を行う。WLAN通信モジュール12は、データ授受が終了していない、またはタイムアウトしていないと判定した場合、ステップS110に戻りデータ授受を継続する。WLAN通信モジュール12は、データ授受が終了またはタイムアウトしたと判定した場合、ステップS112において、WLAN通信モジュール12の電源がオフされる。
なお、ステップS105において、スキャン結果がPC2とは異なる端末であった場合、接続失敗としてWLAN通信モジュール12の電源をオフにした。ここで、接続失敗した場合とは、携帯電話機1のWLAN通信モジュール12が本来接続を所望するPC2以外の端末から送信されたビーコン信号を受信してしまった場合が考えられる。携帯電話機1はこのPC2以外の端末との接続を意図しないにも係わらず、ビーコン信号の送信が継続される限り無線信号検知回路23においてこのビーコン信号を検知し、その都度WLAN通信モジュール12を起動させることになる。
そこで、不要なWLAN通信モジュール12の起動を防止するため、ステップS105においてスキャン結果がPC2ではないと判定された場合、WLAN通信モジュール12はCPU15を介して同期捕促モード遷移要求を無線信号検知回路23に対して行うことができる(図14のステップS145、S146)。この要求を受け付けた無線信号検知回路23は、この接続を望まない端末より送信されるビーコン信号の周期を捕捉し、このビーコン信号が再度検知された場合にはその検知を無視してCPU15に通知を行わないようにする。結果として、WLAN通信モジュール12の不要な起動を防止することができ、消費電力の低減を実現することができる。
次に、携帯電話機1が第二の通信方式利用時において接続可能な無線信号を送信する動作モードであるアドホックモードでPC2が動作した場合の処理を説明する。
図15は、本実施形態におけるPC2において実行されるアドホックモード動作時の第二の通信方式による接続処理を説明するフローチャートである。
ステップS151において、WLAN通信モジュール112はOSよりデータ授受(データ通信)要求を受け付ける(図14のステップS121)。
ステップS152において、WLAN通信モジュール112はOSの制御に基づいて起動(Wake Up)する(ステップS122)。このとき、WLAN通信モジュール112は、第二の通信方式に基づいてアドホックモードで起動する。ステップS153において、WLAN通信モジュール112は、アドホック親機としてビーコン信号を送信し、周囲の端末に種々の情報を報知する(ステップS123)。
ステップS154において、WLAN通信モジュール112は、所定時間内に他の端末としての携帯電話機1とのアドホックモードによる接続に成功したか否かの判定を行う。なお、第二の通信方式においては、携帯電話機1はアドホックモードで動作する(図7のモード11)。WLAN通信モジュール112は、送信したビーコン信号に対して携帯電話機1のWLAN通信モジュール12から送信される接続通知(図14のステップS138)の有無によって判断する。なお、PC2と携帯電話機1との接続処理(認証、アソシエーション)は、公知の方法が用いられるため詳細な説明を省略する。
WLAN通信モジュール112は、所定時間内に携帯電話機1との接続に失敗したと判定した場合、処理を終了する。
一方、WLAN通信モジュール112は、携帯電話機1との接続に成功したと判定した場合、ステップS155において、動作モードを端末モードに切り替える(図14のステップS139)。このWLAN通信モジュール112の動作モードの切り替えは、第一の通信方式を利用した場合と同様、携帯電話機1のWLAN通信モジュール12から送信される動作モード切替要求(図10のステップS57)に基づいて行われてもよいし、例えばビーコン信号送信から所定時間経過後に切り替えるようにしてもよい。
ステップS156において、WLAN通信モジュール112は、アクティブスキャンまたはパッシブスキャンを行い利用可能なAPをスキャンする(ステップS142)。ステップS157において、WLAN通信モジュール112は、所定時間内にスキャンしたAP、すなわち携帯電話機1との接続に成功したか否かの判定を行う。このとき、携帯電話機1のWLAN通信モジュール12はAPモードで動作するようになっている(図7のモード2)。このため、PC2のWLAN通信モジュール112は、携帯電話機1をAPとした接続が可能な状態となっている。WLAN通信モジュール112は、APとの接続に失敗したと判定した場合、処理を終了する。
一方、WLAN通信モジュール112は、ステップS157においてAPとの接続に成功したと判定した場合、ステップS158において、接続されたAPとしての携帯電話機1を介してデータの授受を行う。ステップS159において、WLAN通信モジュール112は、データ授受が終了したかまたはデータ授受が最後に行われてから予め設定された時間が経過(タイムアウト)したか否かの判定を行う。WLAN通信モジュール112は、データ授受が終了していない、またはタイムアウトしていないと判定した場合、ステップS158に戻りデータ授受を継続する。WLAN通信モジュール112は、データ授受が終了またはタイムアウトしたと判定した場合、処理は終了する。
次に、第三の通信方式を利用した無線LAN接続処理について説明する。
図16は、本実施形態における携帯電話機1において実行される第三の通信方式を利用した接続処理を説明するフローチャートである。
図17および18は、携帯電話機1とPC2との間で行われる第三の通信方式を用いた処理を示すシーケンス図である。
この第三の通信方式を利用した無線LAN接続処理は、PC2がWLAN通信モジュール112を利用した無線通信でデータ通信を行う場合と、BT通信モジュール113を利用した無線通信でデータ通信を行う場合がある。図17のシーケンス図においては、BT通信モジュール13、113間での接続を利用したデータ授受を行う場合を示す。図18のシーケンス図においては、WLAN通信モジュール12、112間での接続を利用したデータ授受を行う場合を示す。
ステップS161において、携帯電話機1の無線信号検知回路23は、無線信号の特定パターンを検知したか否かの判定を行う。無線信号検知回路23は、特定パターンを検知していないと判定した場合、検知するまで待機する。
一方、無線信号検知回路23により特定パターンを検知したと判定された場合(図17のステップS185)、ステップS162において、携帯電話機1のOSは、PC2に移動通信網を利用したデータ通信を行わせるため、WLAN通信モジュール12をAPモードとして起動する必要があるか(APモードに切り替える必要があるか)否かの判定を行う(ステップS189)。具体的には、無線信号検知回路23は特定パターンを検知すると(ステップS185)、BT通信モジュール13の起動を要求する割り込み信号を生成しCPU15に対して出力する(ステップS186)。CPU15は、スリープ状態である場合には起動し(ステップS187)、OSに対してBT通信モジュール13に対する起動要求信号を出力する(ステップS188)。OSは、このCPU15から出力された起動要求信号を受けて、WLAN通信モジュール12をAPモードとして起動する必要があるか否かの判定を行う。OSは、予め携帯電話機1において行われた設定やユーザからの指示などに基づいてWLAN通信モジュール12をAPモードとして起動する必要があるか否かの判定を行う。OSは、APモードへ切り替える必要がないと判定した場合、ステップS163において、BT通信モジュール13を起動(Wake Up)させる(ステップS191)。
ステップS164において、BT通信モジュール13は、インクワイアリを行う他の端末と必要な接続処理(接続要求および接続応答)を行う(ステップS192)。なお、ここでPC2がBT通信モジュール113を用いたインクワイアリを行っていない場合には、接続は確立しないため、例えば所定時間経過後に処理を終了する。
ステップS165において、BT通信モジュール13は、接続処理を行う端末が登録された端末、本実施形態においてはPC2であったか否かの判定を行う(ステップS193)。BT通信モジュール13は、接続処理を行う端末がPC2ではないと判定した場合、ステップS168に進みBT通信モジュール13の電源がオフにされる(ステップS194)。
一方、BT通信モジュール13は接続を行う端末がPC2であると判定した場合、ステップS166において、PC2のBT通信モジュール113との間でデータ授受を行い、このBT通信モジュール13、113間で授受されたデータに基づいて移動通信網を介したデータ通信を行わせる。このときの携帯電話機1とPC2との動作モードは、図7のモード16である。
ステップS167において、BT通信モジュール13は、データ授受が終了したかまたはデータ授受が最後に行われてから予め設定された時間が経過(タイムアウト)したか否かの判定を行う。BT通信モジュール13は、データ授受が終了していない、またはタイムアウトしていないと判定した場合、ステップS166に戻りデータ授受を継続する。BT通信モジュール13はデータ授受が終了またはタイムアウトしたと判定した場合、ステップS168において、電源がオフされる。
一方、ステップS162において、動作モードをAPモードへ切り替える(WLAN通信モジュール12を起動する)必要があると判定された場合、ステップS169において、WLAN通信モジュール12は、APモードとして動作するように起動する(ステップS196)。また、ステップS170において、PC2のWLAN通信モジュール112に対して端末モードへ切り替える要求を行う(図18のステップS197)。
ステップS171において、WLAN通信モジュール12は所定時間内にPC2との接続に成功したか否かの判定を行う(ステップS203)。WLAN通信モジュール12は、接続に失敗したと判定した場合、ステップS172において、電源がオフされる。
一方、WLAN通信モジュール12は接続に成功したと判定した場合、ステップS173において、接続されたPC2のWLAN通信モジュール112とデータ授受を行い(ステップS204)、移動通信網を介したデータ通信を行わせる。このときの携帯電話機1とPC2との動作モードは、図7のモード2である。
ステップS174において、WLAN通信モジュール12は、データ授受が終了したかまたはデータ授受が最後に行われてから予め設定された時間が経過(タイムアウト)したか否かの判定を行う。WLAN通信モジュール12は、データ授受が終了していない、またはタイムアウトしていないと判定した場合、ステップS173に戻りデータ授受を継続する。WLAN通信モジュール12は、データ授受が終了またはタイムアウトしたと判定した場合、ステップS172において、電源がオフされる。
次に、携帯電話機1が第三の通信方式利用時において接続可能な無線信号を送信する動作モードであるBTモードでPC2が動作した場合の処理を説明する。
図19は、本実施形態におけるPC2において実行されるBTモード動作時の第三の通信方式による接続処理を説明するフローチャートである。
ステップS211において、BT通信モジュール113は、OSよりデータ授受(データ通信)要求を受け付ける(図17のステップS181)。
ステップS212において、BT通信モジュール113は起動(Wake Up)する(ステップS182)。このとき、WLAN通信モジュール112も同時またはBT通信モジュール113の起動後所定時間経過後に起動する。ステップS213において、BT通信モジュール113は、インクワイアリ信号を送信して接続対象にインクワイアリ(問い合わせ)を行う(ステップS183)。
ステップS214において、BT通信モジュール113は、携帯電話機1とのBT通信の接続に成功したか否かの判定を行う。BT通信モジュール113は、送信したインクワアリ信号に対して携帯電話機1のBT通信モジュール13から送信される接続応答(ステップS192)の有無によって判断する。なお、PC2および携帯電話機1のBT通信モジュール13、113間の接続処理は、公知の方法が用いられるため詳細な説明を省略する。
一方、BT通信モジュール113は、携帯電話機1との接続に成功したと判定した場合、ステップS215において、接続されたPC2のBT通信モジュール113とのデータ授受を行う。
ステップS216において、BT通信モジュール113は、データ授受が終了したかまたはデータ授受が最後に行われてから予め設定された時間が経過(タイムアウト)したか否かの判定を行う。BT通信モジュール113は、データ授受が終了していない、またはタイムアウトしていないと判定した場合、ステップS215に戻りデータ授受を継続する。BT通信モジュール113は、データ授受が終了またはタイムアウトしたと判定した場合、処理を終了する。
一方、ステップS214において携帯電話機1のBT通信モジュール13との接続が未だなされていないと判定された場合、ステップS217において、WLAN通信モジュール112は、携帯電話機1より動作モードを端末モードに切り替える要求を受け付けたか否かの判定を行う。WLAN通信モジュール112は、端末モードの切替要求を受け付けていないと判定した場合、接続に失敗したため処理を終了する。
一方、WLAN通信モジュール112は、携帯電話機1より端末モード切替要求を受け付けたと判定した場合(図18のステップS197)、ステップS218において、動作モードをBTモードから端末モードへ切り替える(ステップS198、S199、S200)。また、携帯電話機1のWLAN通信モジュール12に対して端末モード切替通知を行う(ステップS202)。
ステップS219において、WLAN通信モジュール112は、アクティブスキャンまたはパッシブスキャンを行い利用可能なAPをスキャンする(ステップS201)。ステップS220において、WLAN通信モジュール112は、所定時間内にスキャンしたAP、すなわち携帯電話機1との接続に成功したか否かの判定を行う。このとき、携帯電話機1のWLAN通信モジュール12はAPモードで動作するようになっている(図7のモード2)。このため、PC2のWLAN通信モジュール112は、携帯電話機1をAPとした接続が可能な状態となっている。WLAN通信モジュール112は、APとの接続に失敗したと判定した場合、処理を終了する。
一方、WLAN通信モジュール112は、ステップS220においてAPとの接続に成功したと判定した場合、ステップS221において、接続されたAPとしての携帯電話機1を介したデータの授受を行う。ステップS222において、WLAN通信モジュール112は、データ授受が終了したかまたはデータ授受が最後に行われてから予め設定された時間が経過(タイムアウト)したか否かの判定を行う。WLAN通信モジュール112は、データ授受が終了していない、またはタイムアウトしていないと判定した場合、ステップS221に戻りデータ授受を継続する。WLAN通信モジュール112は、データ授受が終了またはタイムアウトしたと判定した場合、処理は終了する。
このPC2側の第三の通信方式を用いた無線LAN接続処理においては、BT通信モジュール113を用いてWLAN通信モジュール112を起動させる例を説明した。PC2はこのような動作を行うことにより、例えばWLAN通信モジュール112がアクティブスキャンを行う(プローブ要求信号を送信する)ことなく、BT通信モジュール113から送信されるインクワイアリ信号を用いることによっても携帯電話機1のWLAN通信モジュール12を起動させることができる点で有効である。
なお、第三の通信方式において携帯電話機1の無線信号検知回路23が検知する信号は、PC2のBT通信モジュール113から送信されるインクワイアリ信号に限らず、非同期リンクで使用されるACLパケットであるDM1パケット、DH1パケットを適用してもよい。DM1パケットおよびDH1パケットは、他のパケットに比べて送信と受信の繰返し周期が短いため、10〜80回の積算による検知に係る時間が短いためである。
以上説明した携帯電話機1は、無線信号検知回路23を備えることで他の端末としてのPC2から送信される通信を要求するための信号を好適に待ち受けることができる。このため、携帯電話機1は、PC2から送信される信号を待ち受けるためにWLAN通信モジュール12を不必要に起動し、またAPとしてビーコン信号を送信することがないため、待ち受け時の消費電流を好適に抑制することができる。また、WLAN通信モジュール12を起動させるためのユーザ操作も必要としないため、携帯電話機1の移動通信網を利用したネットワーク通信を利用するユーザの煩雑な操作を低減することができる点でも有効である。
また、携帯電話機1は、他の端末との無線LAN通信接続を確立するために第一〜第三の通信方式を有する。このため、例えばノイズの影響などで一の通信方式で起動ができない場合であっても、他の通信方式に切り替えて順次接続を試みることができ、PC2との接続成功率を向上させることができる。
さらに、PC2が携帯電話機1の移動通信網を利用する場合に最も効率よくデータ通信を行うことができる、携帯電話機1がAPモード(AP親機)、PC2が端末モード(AP子機)で動作する通信態様以外の態様で接続が確立された場合には、自動的にこのAP親機・子機関係で通信を行えるよう適宜動作モードの切り替えを行うようにした。このため、データ通信効率を維持できると共に、煩雑なユーザ操作を有しない点においても有効である。
PC2は、接続を要求する携帯電話機1が無線信号検知回路23を用いて接続の待ち受けを行う場合であっても、従来のWLAN通信モジュールのファームウェアおよびハードウェアに対する変更を特に要することなく無線LAN通信を確立することができる。
なお、本実施形態においては、無線信号検知回路23がいずれかの無線信号の特定パターンを検知した場合、各通信方式に従ってWLAN通信モジュール12またはBT通信モジュール13を起動させる信号をCPU15に対して出力する例を説明した。しかし、これに限らず、無線信号検知回路23はいずれかの無線信号の特定パターンを検知した旨のみをCPU15に対して出力し、CPU15が各通信方式に従ってOSに対してWLAN通信モジュール12またはBT通信モジュール13を起動させる信号を出力するようにしてもよい。
また、本実施形態における携帯電話機1は、無線信号検知回路23が受信する各信号のキャリア周波数で増幅する増幅器をRF信号受信回路31の前段に設けてもよい。携帯電話機1とPC2との通信距離を伸長することができる点で有効である。また、携帯電話機1は、この増幅器を間欠的に起動停止させることで、更なる消費電力の低減を実現することができる。
さらに、無線信号検知回路23がPC2から送信されるビーコン信号、プローブ要求信号、インクワイアリ信号の識別が可能なように構成することもできる。この場合、メモリ36は記憶領域が複数のエリアに分けられ、それぞれの記憶領域に各信号の特定パターンを記憶する。各記憶領域はそれぞれ信号識別回路34に接続され、信号識別回路34は記憶された各信号を参照することにより信号を識別できるようになっている。無線信号検知回路23が検知した信号の種類に応じて起動する通信モジュール12、13を決定することができ、より接続効率を高めることができる。
具体的には、無線信号検知回路23が端末モードで動作するPC2よりプローブ要求信号を受信した場合には、無線信号検知回路23はCPU15に対してWLAN通信モジュール12をAPモードで起動するように直接要求することができる。また、無線信号検知回路23がAPモードで動作するPC2よりビーコン信号を受信した場合には、無線信号検知回路23はCPU15に対してWLAN通信モジュール12を端末モードで起動するように直接要求することができる。さらに、無線信号検知回路23がアドホックモードで動作するPC2よりビーコン信号を受信した場合には、無線信号検知回路23はCPU15に対してWLAN通信モジュール12をアドホックモードで起動するように直接要求することができる。さらにまた、無線信号検知回路23がBTモードで動作するPC2よりインクワイアリ信号を受信した場合には、無線信号検知回路23はCPU15に対してBT通信モジュール13を起動するように直接要求することができる。
このように、無線信号検知回路23において信号の内容を識別させることで、上述した第一〜第三の通信方式を順次利用して通信可能な方式を探す必要がなくなる点で有効である。