JP2011194632A - 偽造防止印刷方法及び偽造防止印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷画像の一部領域と、その周辺領域に光沢差が視認されてなる偽造防止印刷方法を提供する。
【解決手段】情報パターンを形成した第1印刷画像の面と、該情報パターンを転写させるインキが未乾燥の第2印刷画像の面を重ね合わせた状態で該第2印刷画像を乾燥させることにより、該第2印刷画像の中の該第1印刷画像と重ね合った領域とその周辺領域に光沢差を発現させることを特徴とする偽造防止印刷方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、真偽判別が可能な印刷物を作成する方法に関するものである。さらには、偽造防止効果を高めると共に、偽造物に対する真偽の判別が容易な印刷物に関するものである。
各種証券、チケットなどの貴重品は、その価値を維持、保証するために、さまざまな偽造防止技術が施されている。例えば、真偽を識別する方法として視覚によって判別する方法や、機械的に判別する方法などが提案されている。その中でも、視覚による方法は特殊な装置を必要とせず、光沢差や色相差など直ちに真偽が判別できる利点がある。
例えば、色相の同じ光沢インキと無光沢インキを用い、それぞれを重ねてオフセット印刷を行うことにより、その印刷物の光沢インキ皮膜表面と無光沢インキ皮膜表面の反射光の差から潜像を確認できる印刷物が提案されている(特許文献1参照)。
例えば、基材に作成された粗さの異なった二つ以上の下地にインキを重ね刷りすることで、背景領域と情報パターンとに光沢差や色彩の変化が確認できる印刷物が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1の印刷物は、光沢インキには濡れのよい微細な有機顔料、無光沢インキには濡れが悪く粒子径の大きい無機顔料を配合するなど、潜像を作成するために高コストな専用インキを作成、使用する必要があった。
特許文献2の印刷物は、専用のインキを作成、使用する必要はないものの、樹脂や着色インキ、金属光沢インキなどトラッピングの劣るインキを重ね刷りすることとなるため、先刷りの樹脂や着色インキを十分に乾燥させてから金属光沢インキを後刷りする必要がある。従って、油性インキを使用する場合には、先刷りインキの乾燥時間が必要となり作業性が劣る欠点があった。また、乾燥時間対策としてUVインキを使用する方法もあるが、油性インキと比べ高コストであるうえ、UVインキ乾燥装置などの専用設備を印刷機に設置する必要があった。
特許第3122755号公報 特開2006−192701号公報
本発明の目的は上記の問題を解決することにあり、UVインキ乾燥装置などの専用設備が不要で低コストな油性インキを使用した印刷画像において、情報パターンを形成する領域とその周辺領域のインキ乾燥性を調整し、双方領域の乾燥後インキ表面の状態を異ならせることで光沢差を視認できるようにする、偽造防止印刷方法を提供するものである。
本発明者は上記に鑑み鋭意検討した結果、本発明の偽造防止印刷方法を発明するに至った。
すなわち、情報パターンを形成した第1印刷画像の面と、該情報パターンを転写させるインキが未乾燥の第2印刷画像の面を重ね合わせた状態で該第2印刷画像を乾燥させることにより、該第2印刷画像の中の該第1印刷画像と重ね合った領域とその周辺領域に光沢差を発現させることを特徴とする偽造防止印刷方法である。
本発明において、上記偽造防止印刷方法で印刷したことを特徴とする偽造防止印刷物である。
情報パターンを形成する領域とその周辺領域のインキ乾燥性を調整し、双方領域の乾燥後インキ表面の状態を異ならせた偽造防止印刷方法により、UVインキ乾燥装置などの専用設備が不要で、従来技術よりも低コストな偽造防止印刷物が作成可能となった。
本発明の光沢差が現れた第2印刷画像を示す断面図。 本発明の光沢差が現れた第2印刷画像を示す平面図で、印刷用紙のくわえ側を基準に第1印刷画像の面と第2印刷画像の面を展開した態様を示す図。 印刷用紙の走行性を示す説明図。 印刷用紙へインキが転移する態様を示す説明図。 スプリットパターンが生じたインキ表面の態様を示す説明図。 スプリットパターンが消失したインキ表面の態様を示す説明図。 印刷用紙のくわえ側を基準に第1印刷画像の面と第2印刷画像の面を展開した態様を示す平面図。 第1印刷画像の面と第2印刷画像の面を重ね合わせた状態で第2印刷画像のインキが乾燥している態様を示す断面図。
以下、光沢差が視認できる真偽判別が可能な印刷物を作成する方法について、オフセット印刷やインキ乾燥の流れと共に、図面を用いて詳細に説明する。
図3は、オフセット輪転印刷機における印刷用紙の走行性を示す説明図である。オフセット印刷は、版胴5に供給されたインキ8がブランケット胴6に転移され、ブランケット胴6と圧胴7の間を通過する印刷用紙1にブランケット胴のインキが転移することで印刷画像が印刷される。
ブランケット胴から印刷用紙にインキが転移する際には、図4の印刷用紙へインキが転移する態様を示す説明図のように、ブランケット胴6に残留するインキ側と印刷用紙1に転移するインキ側にインキ8が裂開するため、インキが糸を引く状態であるインキスプリット9が発生する。
このインキスプリットは、図5のスプリットパターンが生じたインキ表面の態様を示す説明図のように、印刷直後の未乾燥のインキ表面に裂開の跡である微細な凹凸、スプリットパターン10を生じさせる。スプリットパターンは、図6のスプリットパターンが消失したインキ表面の態様を示す説明図の平滑化したインキ表面13のように、印刷用紙へインキが転移した直後からインキが固化、乾燥するまでに消失していくが、消失のレベルはインキの乾燥性に影響される。
酸化重合タイプの油性インキでより詳細に説明すると、印刷用紙へ転移したインキは図5のインキの浸透11のようにインキ中のビヒクルなどが印刷用紙1に浸透すると共に、ビヒクル分子が空気中の酸素を吸収し酸化重合反応を起こしつつインキの重合ガス12が発生されて、次第にビヒクルの流動性が失われていくことでインキが乾燥、固化するのだが、乾燥、固化が遅いインキの場合はインキの流動性を保持する時間が長くできることから、乾燥の早いインキと比較してスプリットパターンがレベリングし、消失し易くなる。
また、インキが乾燥、固化した後のスプリットパターンの消失レベルは、インキの光沢値に影響する。例えば、乾燥後のインキ表面にスプリットパターンが多く残っている場合は、インキ表面で乱反射光が多くなることから光沢値は低くなる。一方、乾燥後のインキ表面がレベリングしスプリットパターンが消失している場合は、インキ表面で乱反射光が少なくなることから光沢値は高くなる。すなわち、情報パターンの領域とその周辺領域にスプリットパターンの消失レベルの差異をもたらすように印刷すれば、光沢差が視認できる真偽判別が可能な印刷物が得られる。従って、本発明の偽造防止印刷方法においては、第1印刷画像と第2印刷画像が重ね合わさるように第2印刷画像の位置を調整することは勿論、スプリットパターンの消失レベルの差異をもたらすよう、乾性油(植物油)成分が多く酸化重合反応を起こし易いインキを用いたり、印刷速度を速めるなどして第1印刷画像と第2印刷画像が重ね合わさる時間を短くするなどの調整が必要である。
具体的に本発明の印刷方法を説明する。図7の印刷用紙のくわえ側を基準に第1印刷画像の面と第2印刷画像の面を展開した態様を示す平面図のように、情報パターンを形成した第1印刷画像2の面に、その情報パターンを転写させるインキが未乾燥の第2印刷画像3の面を印刷用紙のくわえ側Aを基準にして重ね合わせる。
その重ね合わされた形態を示すのが、図8の第1印刷画像の面と第2印刷画像の面を重ね合わせた状態で第2印刷画像のインキが乾燥している態様を示す断面図である。インキが未乾燥の第2印刷画像3は、本来は前述のインキ乾燥の流れのようにインキが乾燥、固化するのだが、第2印刷画像3の中の第1印刷画像2と重なり合った領域は、第1印刷画像2の被覆作用によりビヒクル分子の酸素の吸収や重合ガスの発生が妨げられ、インキの乾燥が遅れた領域14のように周辺領域と比較してインキ乾燥が遅れるため、スプリットパターンをより消失させることができる。
この状態で第2印刷画像3のインキを固化、乾燥させることにより、図1及び図2に示す本発明の光沢差が現れた第2印刷画像4のような、光沢差が視認できる真偽判別が可能な印刷物が得られる。なお、本発明の中で説明される情報パターンを形成した第1印刷画像とは、予めインキが固化、乾燥した印刷画像のことを指すが、固化、乾燥前のインキや印刷用紙に貼り付けたフィルムなど、被覆作用が認められるものであれば他の材料を用いてもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
以下の条件で、偽造防止印刷物を得る条件を定めた。
(印刷機)
DAIYA 3H−4(三菱重工株式会社製)
(印刷速度)
8000s/h
(印刷用紙)
スーパーマットアートA 127.9g/m(三菱製紙株式会社製)
(印刷用インキ)
ナチュラリス100 Nタイプ 墨、藍、紅、黄(DIC株式会社製)
(印刷濃度)
墨1.50、藍1.35、紅1.35、黄1.00
(印刷画像)
第1印刷画像は、大きさが5mm、線の太さが0.25mm、0.5mm、1mmの文字で、予めインキが固化、乾燥した印刷画像である。第2印刷画像は、長辺15mm、短辺7mmの長方形(図2)で、インキが未乾燥の印刷画像である。
(光沢値測定用印刷画像)
第1印刷画像は、一辺が20mmの正方形で、予めインキが固化、乾燥した印刷画像である。第2印刷画像は、長辺45mm、短辺25mmの長方形(図示なし)で、インキが未乾燥の印刷画像である。
偽造防止印刷物を得るための印刷画像の構成を、以下の通りとした。
(実施例1)
第1印刷画像の網点面積率が墨75%、藍75%、紅75%、黄75%、第2印刷画像の網点面積率が墨100%、藍75%、紅75%、黄75%の4色印刷。また、上記インキと印刷速度によれば、第2印刷画像のインキは未乾燥のうちに第1印刷画像と重ね合わされる。
(実施例2)
第1印刷画像の網点面積率が墨50%、藍50%、紅50%、黄50%、第2印刷画像の網点面積率が墨100%、藍75%、紅75%、黄75%の4色印刷である以外は、実施例1と同様である。
(実施例3)
第1印刷画像の網点面積率が紅100%、黄100%の2色印刷、第2印刷画像の網点面積率が墨100%、藍75%、紅75%、黄75%の4色印刷である以外は、実施例1と同様である。
(実施例4)
第1印刷画像の網点面積率が紅75%、黄75%の2色印刷、第2印刷画像の網点面積率が墨100%、藍75%、紅75%、黄75%の4色印刷である以外は、実施例1と同様である。
(実施例5)
第1印刷画像の網点面積率が紅50%、黄50%の2色印刷、第2印刷画像の網点面積率が墨100%、藍75%、紅75%、黄75%の4色印刷である以外は、実施例1と同様である。
(実施例6)
第1印刷画像の網点面積率が黄100%の単色印刷、第2印刷画像の網点面積率が墨100%、藍75%、紅75%、黄75%の4色印刷である以外は、実施例1と同様である。
(実施例7)
第1印刷画像の網点面積率が黄75%の単色印刷、第2印刷画像の網点面積率が墨100%、藍75%、紅75%、黄75%の4色印刷である以外は、実施例1と同様である。
(比較例)
第2印刷画像の網点面積率が墨100%、藍75%、紅75%、黄75%の、片面4色印刷。
(光沢差の視認性評価と光沢値測定結果)
実施例1〜7で得られた偽造防止印刷物について、目視評価により第2印刷画像の視認性を以下の4段階で評価した。◎は全ての太さ(0.25mm、0.5mm、1mm)の文字が視認可能、○は太さが0.5mm、1mmの文字が視認可能、△は太さが1mmの文字のみ視認可能、×は全ての太さの文字が視認不可能である。
各実施例、各比較例で得られた光沢差の視認性評価結果と、光沢値測定結果を表1に示す。なお、光沢値は株式会社村上色彩技術研究所製精密光沢計(GM−26pro/Auto)を使用し、第2印刷画像(光沢値測定用印刷画像)を入射光60°、反射光60°で測定したものである。
Figure 2011194632
表1より、各実施例は視認性が実用レベルであるが、特に実施例1、3は視認性評価が◎で良好であることがわかった。なお、実施例2、4、6、7は太さが0.25mmの文字のみ不鮮明であり視認性評価が○、実施例5は太さが0.25mm、0.5mmの文字が不鮮明であり視認性評価が△であった。
また、実施例1〜7の光沢値は、第2印刷画像の中の第1印刷画像と重ね合った領域以外の周辺領域や、4色片面印刷である比較例と比較して、3.7〜6.4%高くなった。一方、第1印刷画像のインキは固化、乾燥しているので、第1印刷画像については第2印刷画像と重ね合った領域とその周辺領域に光沢差は視認されなかった。
1 印刷用紙
2 第1印刷画像
3 第2印刷画像
4 光沢差が現れた第2印刷画像
5 版胴
6 ブランケット胴
7 圧胴
8 インキ
9 インキスプリット
10 スプリットパターン
11 インキの浸透
12 インキの重合ガス
13 平滑化したインキ表面
14 インキの乾燥が遅れた領域
A 印刷用紙のくわえ側

Claims (2)

  1. 情報パターンを形成した第1印刷画像の面と、該情報パターンを転写させるインキが未乾燥の第2印刷画像の面を重ね合わせた状態で該第2印刷画像を乾燥させることにより、該第2印刷画像の中の該第1印刷画像と重ね合った領域とその周辺領域に光沢差を発現させることを特徴とする偽造防止印刷方法。
  2. 請求項1記載の偽造防止印刷方法で印刷したことを特徴とする、偽造防止印刷物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021011066A (ja) * 2019-07-05 2021-02-04 凸版印刷株式会社 情報記録体、熱転写媒体、および情報記録体の製造方法

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