JP2011196601A - 加湿用気化フィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】コンパクトなサイズにもかかわらず、高い加湿性能を有する加湿用気化フィルターを提供する。
【解決手段】抗菌剤および防黴剤を含有する吸水性濾材からなる片面段ボールの積層集合体であって、該片面段ボールのグルーパターンが蛇行状に屈曲している加湿用気化フィルター。通風路が蛇行状に屈曲していることにより、該吸水性濾材と通過空気との接触効率が高くなり、高い加湿量を得ることができる。従って、コンパクト設計の加湿用気化フィルターであっても、相応の加湿量が得られるため、加湿専用器はもちろんのこと、加湿機能の付与のために割けるスペースが限られる加湿機能搭載型の各種空気調和製品(空気清浄機等)への活用が可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、加湿用気化フィルターに関する。
空気が乾燥する冬季には、室内の相対湿度を上げるために、加湿器が使用されている。加湿器の加湿方式としては、(1)超音波で水を霧状にして放出する超音波方式、(2)水を加熱蒸発させるスチーム方式、(3)吸水性を有する部材(加湿用気化フィルター:通常、抗菌および防黴処理が施される)に水を含ませて、それに通風することで水を自然蒸発させる気化方式が、主として活用されている。
超音波方式やスチーム方式の加湿器は、水や水蒸気を空気中に直接放出するため、比較的小型の装置で高い加湿量を得ることができる。しかしながら、一方で、超音波方式の加湿器については、水中のカルシウムやマグネシウムなどの不純物、雑菌等も同時に空気中に放出されるため、衛生面で課題があり、スチーム方式の加湿器についても、消費電力が大きい、高温の水や蒸気による火傷の恐れといった課題がある。
気化方式の加湿器は、超音波方式およびスチーム方式の加湿器が抱える上記の課題を解消できるものであるが、マイルドな加湿方式のため、所望の加湿量を得るためには、加湿用気化フィルターを大型化する必要がある。
冬季の室内の加湿が、インフルエンザや風邪等の予防に一定の効果があると広く認知されるようになった昨今では、加湿専用器のみならず、加湿機能を有する各種空気調和製品、取り分け、加湿機能付き空気清浄機のニーズが急速に高まっている。
例えば、空気清浄機の本来の主要機能は、脱臭および集じんであり、該機能を発現するためのフィルターやデバイスが筐体内の一定のスペースを占有せざるを得ず、加湿機能の付与のために割けるスペースには限りがある。このような制約は、空気清浄機以外の空気調和製品についても同様である。
気化方式による加湿にはメリットがあるが、加湿用気化フィルターに相応のスペースを要するため、装置が大型化してしまう課題があり、コンパクトなサイズで所望の加湿量を得ることができる高性能の加湿用気化フィルターの開発が待たれている。
係る課題を解決するために、平板状の濾材と波形状の濾材とを順次積層し、単位容積当たりの濾材面積を増やすことによって、加湿量を高めた加湿用気化フィルターが開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1の加湿用気化フィルターについても、通風時の空気抵抗を考慮した場合、充填可能な積層枚数には限りがあり、加湿量のアップには限界がある。
そこで、平板状の濾材と波形状の濾材とを、波形状の濾材の山部頂点で熱融着により線接着して一体化してなる構造体を、該構造体の線接着方向の角度が空気流入方向に対して5〜25°の範囲にあるように積層した加湿用気化フィルターが開示されている(例えば、特許文献2参照)。このような形状とすることにより、加湿量アップの効果が期待できるが、小さな角度の場合、その効果は小さい。一方、大きな角度の場合には、通風時の空気抵抗が上昇し、それに起因した風量の低下によって、その効果が低減されるため、期待したほどの加湿量のアップは見込めない。
特開平8−159526号公報 特開2005−37076号公報
本発明が解決しようとする課題は、コンパクトなサイズにもかかわらず、高い加湿性能を有する加湿用気化フィルターを提供することにある。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下記の加湿用気化フィルターを発明するに至った。
抗菌剤および防黴剤を含有する吸水性濾材からなる片面段ボールの積層集合体であって、該片面段ボールのグルーパターンが蛇行状に屈曲していることを特徴とする加湿用気化フィルター。
水を含ませて、それに通風して水を自然蒸発させることで加湿を行う気化方式の加湿用気化フィルターにおいて、抗菌剤および防黴剤を含有する吸水性濾材からなるグルーパターンが蛇行状に屈曲した片面段ボールの積層集合体であることを特徴とする。通風路が蛇行状に屈曲していることにより、該吸水性濾材と通過空気との接触効率が高くなり、高い加湿量を得ることができる。従って、コンパクト設計の加湿用気化フィルターであっても、相応の加湿量が得られるため、加湿専用器はもちろんのこと、加湿機能の付与のために割けるスペースが限られる加湿機能搭載型の各種空気調和製品(空気清浄機等)への活用が可能である。
本発明の加湿用気化フィルターを構成するグルーパターンが蛇行状に屈曲した片面段ボールの一例を示す模式図である。 本発明の加湿用気化フィルターの使用形態の一例を示す模式図である。
以下に、本発明の加湿用気化フィルターに係わる構成要素を詳細に説明する。
本発明に係わる吸水性濾材は、基材に抗菌剤および防黴剤、必要に応じて親水剤を担持してなり、加湿用気化フィルターに要求される吸水性を有するものであって、加湿用気化フィルターを構成する片面段ボールの中しんおよびライナとして使用される。気化方式のフィルターの場合、それを構成する吸水性濾材に必要とされる吸水性の目安は、JIS−L−1907:2004「繊維製品の吸水性試験方法」7.1.2「バイレック法」に準じて、試験片の下端10mmを水中に浸漬し、10分間経過した後の水面からの水の吸い上げ高さが、80〜120mmである。なお、該吸い上げ高さは、加湿用気化フィルターを使用する際に、吸水方向となる方向での測定値である。
吸水性濾材の基材について特に制限はないが、上記の吸水性を得るためには、基材中に適当な空隙を有する多孔性のシート材料が好ましく、具体的には、ウレタンフォーム、織物、編物、不織布等が挙げられ、これらの中から適宜選択、あるいは複数組み合わせて使用することができる。中でも不織布は、繊維配合、目付、厚み等の諸条件を制御し易く、後加工による機能付与や複合化が容易な点から、特に好ましい基材である。
不織布を構成する繊維としては、吸水性や後述する片面段ボールへの加工性を阻害しないものであれば特に制限はなく、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリアミド系繊維、レーヨン系繊維等の汎用有機繊維、芳香族ポリアミド系繊維、全芳香族ポリエステル系繊維等のエンプラ繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維等の無機繊維、木材パルプ、麻パルプ、コットンリンターパルプ等の天然繊維等の材料を広く用いることができる。
不織布の製造方法としては、スパンボンド法、メルトブロー法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法、ステッチボンド法、湿式抄紙法等が挙げられ、これらの中から適宜選択して用いることができる。必要に応じて、複数の方法を組み合わせても何ら構わない。
また、吸水性濾材と空気との接触効率の向上を目的に、基材に開孔処理を施しても構わない。開孔処理の方法としては、熱針で溶融する方法、パンチングで機械的に開孔する方法、スパンレース法等が挙げられる。スパンレース法による開孔は、プレーンな基材をナックルの高いメッシュ上に積載し、高圧水流を噴射して繊維を偏在化させることで開孔する方法である。
本発明の加湿用気化フィルターは、常時湿潤した状態で使用されるため、経時使用により雑菌や黴の温床となる恐れがあるため、基材に抗菌剤および防黴剤を担持する必要がある。抗菌剤および防黴剤としては、ベンゾイミダゾール系、イソチアゾリン系、ピリチオン系、有機銅系、有機ヨード系等の抗菌防黴剤、ヒドロキシアパタイト等のリン酸カルシウム類等を主成分とする無機系抗菌剤、ゼオライト等の担体に銀等の抗菌性金属イオン等を担持した複合型抗菌剤等の材料の中から適宜選択して、あるいは複数組み合わせて使用することができる。
抗菌剤および防黴剤の基材への担持方法としては、例えば、抗菌剤および防黴剤に熱可塑性樹脂の水性エマルジョンを混合し、各種ブレードコーター、エアナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、ショートドウェルコーター、ダイコーター、コンマコーター、リバースロールコーター、キスコーター、ディップコーター、カーテンコーター、エクストルージョンコーター、マイクログラビアコーター、サイズプレス等の各種塗工装置を用いて基材に塗布担持する方法が挙げられる。
ここで云う熱可塑性樹脂の水性エマルジョンとは、水中で分散された熱可塑性高分子のことであって、高分子成分としては、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
なお、吸水性濾材の吸水性を向上させる目的で、必要に応じてシリカゲル、コロイダルシリカ、気相法シリカ、湿式シリカ等の親水剤を併用しても構わない。
本発明の加湿用気化フィルターは、このようにして得られた吸水性濾材を中しんおよびライナとして用いて、JIS−Z−1516:2003「外装用段ボール」に準じて片面段ボールを作製し、該片面段ボールを積層した集合体を形成することにより作製される。本発明における重要なポイントは、図1に示した通り、中しん11およびライナ12からなる片面段ボール14の積層集合体であって、片面段ボール14は蛇行状に屈曲したグルーパターン(中心線)1および蛇行状に屈曲した段頂(中心線)2を有していて、形成される通風路13が蛇行状に屈曲していることにある。
グルーパターンが直線状である通常の片面段ボールの積層集合体においては、形成される通風路が直線状となり、その優れた整流効果のために、吸水性濾材と空気との接触効率が悪く、吸水性濾材の使用面積に相応した加湿量を有するフィルターが得られないという課題があった。係る課題を解決するために、フィルターの通風方向の厚みを大きくして空気との接触時間を長くする、片面段ボールの段高を小さくして吸水性濾材の表面積を増加させる(空気との接触点を増やす)等の手段により、空気との接触効率を高めることが可能であるが、これらの手段を講じた場合、フィルターの通気抵抗の上昇に起因した風量の低下が避けられず、期待したほどの加湿量のアップは見込めない。
フィルターの通気抵抗の上昇を抑えつつ、吸水性濾材と空気との接触効率を高めたフィルターを得る方法として、グルーパターンが直線状である通常の片面段ボールを通風方向に対して一定の角度を持つように積層した集合体とすることが提案されている。しかしながら、該角度が小さい場合、加湿量アップの効果は小さく、一方、該角度が大きい場合、空気の滞留が強くなってフィルターの通気抵抗が上昇するため、上記同様、加湿量のアップは期待できない。
本発明の加湿用気化フィルターは、蛇行状に屈曲した連続孔からなる通風路を有し、該通風路には直線状の部分が存在しないため、空気との接触効率を効率良く高めることができる。また、空気の大きな滞留も発生せず、フィルターの通気抵抗の上昇も小さいため、上記の一連の課題を解決することが可能であり、コンパクトで高い加湿量を有するフィルターを提供することができる。
本発明の加湿用気化フィルターにおいて、フィルターの通風方向の厚み(D、図1の符号3)とグルーパターンの中心線の長さ(L)との関係(L/D)に特に制限はなく、所望の特性(加湿量、通気抵抗)に応じて適宜選択すれば良い。しかしながら、L/Dの増加に伴って、吸水性濾材と空気との接触効率は高くなるが、通気抵抗も上昇するため、L/Dは1.1以下を目安に設定するのが好ましい。
なお、図2に本発明の加湿用気化フィルター4の使用形態の一例を示した。フィルターが浸水部5で水を吸水し、吸水方向6に沿って水が上昇する。通風方向9に沿って、蛇行状に屈曲した通風路を乾燥した空気7が流れることにより、効率良く加湿された空気8を得ることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1
[基材の作製]
ポリエステル繊維(繊維径:0.6dtex、繊維長:5mm)40質量%、ポリエステル系バインダー繊維(繊維径:2.2dtex、繊維長:5mm)40質量%、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP、未叩解品)20質量%を水中にて分散混合し、円網抄紙機を用いて目付100g/mの基材を作製した。
[吸水性濾材の作製]
サイズプレス塗工機を用いて、上記基材に、抗菌防黴剤として、ジンクピリチオンを3g/m含浸担持し、次いで、乾燥して吸水性濾材を作製した。JIS−L−1907:2004「繊維製品の吸水性試験方法」7.1.2「バイレック法」に準じて、該吸水性濾材の流れ方向(加湿用気化フィルターとして使用する際の吸水方向となる)について、下端10mmを水中に浸漬し、10分間経過した後の水面からの水の吸い上げ高さを測定したところ、該吸い上げ高さは130mmであり、十分な吸水性を有していた。
[片面段ボールの作製]
上記の吸水性濾材を中しんおよびライナに用いて、JIS−Z−1516:2003「外装用段ボール」に準じて、段ピッチ=5mm、段高=3mm、L/D=約1.02のグルーパターンが蛇行状に屈曲した片面段ボールを作製した。なお、中しんの段頂とライナとの接着には、アクリル系のバインダー樹脂を用いた。
[加湿用気化フィルターの作製]
上記の片面段ボールを、流れ方向=115mm、幅方向=70mmに裁断し、この裁断片を80枚積層した。次いで、該積層集合体の周囲を上記の吸水性濾材で1周巻いてホットメルト接着剤で固定し、実施例1の加湿用気化フィルターを作製した。なお、80枚の裁断片は積層したのみで、相互間の接着はしなかった。
実施例2
L/D=約1.05とした点を除いて、実施例1と同様の方法により、実施例2の加湿用気化フィルターを作製した。
実施例3
L/D=約1.08とした点を除いて、実施例1と同様の方法により、実施例3の加湿用気化フィルターを作製した。
比較例1
グルーパターンが直線状(L/D=1)である点を除いて、実施例1と同様の方法により、比較例1の加湿用気化フィルターを作製した。
比較例2
グルーパターンを直線状とした点、グルーパターンの角度が通風方向に対して12°となるように片面段ボールを裁断した点(L/D=約1.02)を除いて、実施例1と同様の方法により、比較例2の加湿用気化フィルターを作製した。
以上、実施例および比較例で得られた加湿用気化フィルターは、以下の方法で試験を行い、その性能を評価した。
[圧力損失]
JIS−B−9908:2001「換気用エアフィルタユニット・換気用電気集じん器の性能試験方法」形式1に準じて、2.5m/分の風量条件下で、実施例および比較例の加湿用気化フィルターの圧力損失(Pa)を測定し、通気抵抗の指標とした。
[加湿性能]
市販の加湿器(三菱電機社製、気化式加湿器、品番:SV−KK606)に、実施例および比較例の加湿用気化フィルターを装着し、恒温恒湿条件(20℃、相対湿度30%)の試験室内で、モード「連続(強)」で運転した。運転開始1時間後に加湿器水槽内の水の減少量を測定し、該減少量(cc/時間)を加湿性能の指標とした。
以上の試験項目の評価結果を表1に示す。実施例の加湿用気化フィルターについては、通気抵抗を大きく上昇させることなく、効率良く加湿性能を高めることができた。
Figure 2011196601
本発明の加湿用気化フィルターは、コンパクトなサイズであっても高い加湿量が得られるため、加湿専用器はもちろんのこと、加湿機能の付与のために割けるスペースが限られる加湿機能搭載型の各種空気調和製品(空気清浄機等)への活用が可能である。
1 蛇行状に屈曲したグルーパターン(中心線)
2 蛇行状に屈曲した段頂(中心線)
3 通風方向の厚み
4 加湿用気化フィルター
5 浸水部
6 吸水方向
7 乾燥した空気
8 加湿された空気
9 通風方向
11 中しん
12 ライナ
13 通風路
14 片面段ボール

Claims (1)

  1. 抗菌剤および防黴剤を含有する吸水性濾材からなる片面段ボールの積層集合体であって、該片面段ボールのグルーパターンが蛇行状に屈曲していることを特徴とする加湿用気化フィルター。
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