JP2011196879A - 標的生体分子の検出方法及びキット - Google Patents

標的生体分子の検出方法及びキット Download PDF

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Abstract

【課題】 化学合成可能なアプタマーを用いて、生体分子を感度良く、簡便に検出することを課題とする。
【解決手段】
反応セル1内に設けられた第1電極2にアプタマーとして機能する第1の核酸鎖21が固定化され、第2の電極3に比較対象とする第2の核酸鎖22が固定化された装置に、標的生体分子41を含むサンプル溶液を供給し、さらに核酸鎖21の相補鎖である第6の核酸鎖26を供給の後、第1、第2の電極2、3からの信号量の差分を求めることにより標的生体分子41の検出を行う方法である。
【選択図】 図4

Description

生体分子を検出する方法及びキットに関する。
近年、腫瘍マーカーに代表されるような、疾病に関連する生体分子を容易にモニターする方法が求められている。一般的にタンパク質を始めとする生体分子は、抗原抗体反応を利用したセンシングを行うことが知られている。実際の医療現場においても、抗原抗体反応を原理とするイムノクロマトグラフィキットが用いられている。抗原抗体反応を利用する場合、抗原を検出するには抗体を、抗体を検出するには抗原を、生物学的にセンサーとして準備する必要がある。しかしながら、いずれもマウスやうさぎ等の生体に免疫して生物学的に生成する必要があり、大量生産や品質バラツキが発生する恐れがある。
近年、抗原抗体反応と同じように、タンパク質を始めとする生体分子を認識し、特異的に結合する核酸分子であるアプタマーが知られてきている。アプタマーは、核酸分子であるため、化学合成が可能であり、品質管理された物質を、工業的に大量生産することが出来る。従って、アプタマーを用いて、必要な生体分子を容易に検出することができれば有用であると考えられる。
特許文献1には、アプタマーを用いた生体分子の検出方法が開示されている。ところが、いずれの場合も、蛍光標識・誘電体・インターカレーターにより、事前にアプタマーが標識されていることが必要であり、これらの物質により、標的生体分子との相互作用に影響を受けてしまい、検出が困難であったり、検出感度が低下してしまう危険性があった。
特開2008−278837号
本発明は、化学合成可能なアプタマーを用いて、生体分子を感度良く、簡便に検出する装置及び方法を提供することを課題とする。
本発明の第1の標的生体分子の検出方法は、反応セルと、前記反応セル内に設けられた第1及び第2の電極と、前記第1の電極に一端が固定化され、標的生体分子に対してアプタマーとして機能し、前記標的生体分子と結合可能な第1の核酸鎖と、前記第2の電極に一端が固定化され、前記標的生体分子に対してアプタマーとして機能しない第2の核酸鎖と、を具備する装置を準備する工程と、前記反応セルに、前記第1、第2の核酸鎖及びそれらの相補鎖と二本鎖を形成しない第3の核酸鎖と、前記第2の核酸鎖と二本鎖を形成している領域及び前記第3の核酸鎖と二本鎖を形成している領域を有する第4の核酸鎖、を供給する工程と、前記標的生体分子を含む可能性のあるサンプル溶液を供給し、前記標的生体分子と前記第1の核酸鎖が結合する条件下におく工程と、前記反応セルに、前記第1乃至第4の核酸鎖とは二本鎖を形成しない第5の核酸鎖と、前記第1核酸鎖と二本鎖を形成可能な一本鎖領域及び前記第5の核酸鎖と二本鎖を形成している領域を有する第6の核酸鎖と、を供給し、前記標的生体分子と結合しなかった前記第1の核酸鎖と前記第6の核酸鎖の前記一本鎖領域とが二本鎖を形成する条件下におく工程と、前記第1の電極から、前記第1の核酸鎖及び前記第5の核酸鎖と、前記第6の核酸鎖間で形成される二本鎖に由来する第1の電気化学信号、及び、前記第2の電極から前記第2の核酸鎖及び前記第3の核酸鎖と、前記第4の核酸鎖間で形成される二本鎖に由来する第2の電気化学的信号を検出する工程と、 前記第1の電気化学的信号と、前記第2の電気化学的信号との差分から、前記標的生体分子の量を算出する工程とを行うことを特徴とする。前記反応セルに、前記第3の核酸鎖と、前記第4の核酸鎖、を供給する前記工程と、前記標的生体分子を含む可能性のあるサンプル溶液を供給し、前記標的生体分子と前記第1の核酸鎖が結合する条件下におく前記工程とは同時に行われても良い。
また、本発明の第2の標的核酸の検出方法は、反応セルと、前記反応セル内に設けられた第1及び第2の電極と、前記第1の電極に一端が固定化され、標的生体分子に対してアプタマーとして機能し、前記標的生体分子と結合可能な第1の核酸鎖と、前記第2の電極に一端が固定化され、前記標的生体分子に対してアプタマーとして機能しない第2の核酸鎖と、前記第1、第2の核酸鎖及びそれらの相補鎖と二本鎖を形成しない第3の核酸鎖と、前記第2の核酸鎖と二本鎖を形成している領域及び前記第3の核酸鎖と二本鎖を形成している領域を有する第4の核酸鎖、を具備する装置を準備する工程と、前記標的生体分子を含む可能性のあるサンプル溶液を供給し、前記標的生体分子と前記第1の核酸鎖が結合する条件下におく工程と、前記反応セルに、前記第1乃至第4の核酸鎖とは二本鎖を形成しない第5の核酸鎖と、前記第1核酸鎖と二本鎖を形成可能な一本鎖領域及び前記第5の核酸鎖と二本鎖を形成している領域を有する第6の核酸鎖と、を供給し、前記標的生体分子と結合しなかった前記第1の核酸鎖と前記第6の核酸鎖の前記一本鎖領域とが二本鎖を形成する条件下におく工程と、前記第1の電極から、前記第1の核酸鎖及び前記第5の核酸鎖と、前記第6の核酸鎖間で形成される二本鎖に由来する第1の電気化学信号、及び、前記第2の電極から前記第2の核酸鎖及び前記第3の核酸鎖と、前記第4の核酸鎖間で形成される二本鎖に由来する第2の電気化学的信号を検出する工程と、前記第1の電気化学的信号と、前記第2の電気化学的信号との差分から、前記標的生体分子の量を算出する工程とを行うことを特徴とする。前記第2の核酸鎖と前記第3の核酸鎖とが連結していてもよい。
上記の第1及び第2の標的核酸の検出方法において、前記第1及び第2の電気化学的信号を検出する工程は、前記反応セルに二本鎖特異的に結合する挿入剤溶液を供給し、前記反応性セル内の二本鎖に挿入剤を結合させる工程と、前記挿入剤が酸化もしくは還元反応することにより発生する電気化学信号を前記第1の電極及び第2の電極で各々検出する工程を行うことが望ましい。
また、本発明の第1の標的生体分子検出用キットは、反応セルと、前記反応セル内に設けられた第1及び第2の電極と、前記第1の電極に固定化され、標的生体分子に対してアプタマーとして機能し、前記標的生体分子と結合可能な第1の核酸鎖と、前記第2の電極に一端が固定化され、前記標的生体分子に対してアプタマーとして機能しない第2の核酸鎖と、を具備する装置と、前記第1、第2の核酸鎖及びそれらの相補鎖と二本鎖を形成しない第3の核酸鎖と、前記第2の核酸鎖と二本鎖を形成可能な一本鎖領域及び前記第3の核酸鎖と二本鎖を形成している領域とを有する第4の核酸鎖と、前記第1乃至第4の核酸鎖とは二本鎖を形成しない第5の核酸鎖と、前記第1核酸鎖と二本鎖を形成可能な一本鎖領域及び前記第5の核酸鎖と二本鎖を形成している領域を有する第6の核酸鎖と、を具備することを特徴とする。
本発明の第2の標的生体分子検出用キットは、反応セルと、前記反応セル内に設けられた第1及び第2の電極と、前記第1の電極に一端が固定化され、標的生体分子に対してアプタマーとして機能し、前記標的生体分子と結合可能な第1の核酸鎖と、前記第2の電極に一端が固定化され、前記標的生体分子に対してアプタマーとして機能しない第2の核酸鎖と、前記第1、第2の核酸鎖及びそれらの相補鎖と二本鎖を形成しない第3の核酸鎖と、前記第2の核酸鎖と二本鎖を形成している領域及び前記第3の核酸鎖と二本鎖を形成している領域を有する第4の核酸鎖と、を具備する装置と、前記第1乃至第4の核酸鎖とは二本鎖を形成しない第5の核酸鎖と、前記第1核酸鎖と二本鎖を形成可能な一本鎖領域及び前記第5の核酸鎖と二本鎖を形成している領域を有する第6の核酸鎖と、を具備することを特徴とする。前記第2の核酸鎖と前記第3の核酸鎖とが連結していても良い。
上記第1及び第2のキットにおいて、さらに二本鎖特異的に結合する挿入剤溶液を具備するものであることが望ましい。
本発明によれば、アプタマーを用いて、生体分子を感度よく、簡便に検出することが可能となる。
本実施形態の方法を示す模式図。 本実施形態の方法を示す模式図。 本実施形態の方法を示す模式図。 本実施形態の方法を示す模式図。 本実施形態の方法を示す模式図。 本実施形態の方法を示す模式図。 本実施形態の方法を示す模式図。 本実施形態の方法を示す模式図。 本実施形態の方法を示す模式図。 本実施形態の方法を示す模式図。 本実施形態の方法を示す模式図。 本実施形態の方法による検出電極からの信号値と標的生体分子の結合割合の関係図。 実施例の方法による検出結果を示す特性図。
本発明は、生体分子に特異的に結合するアプタマーをプローブとして、サンプル中の標的生体分子を電気化学的に検出する方法にかかわる。
本明細書において、アプタマーとは、特定の生体分子と特異的な結合する機能を持った核酸分子である。前記核酸分子としては、DNAまたはRNA、PNAなどが挙げられる。
標的とする生体分子としては、タンパク質、細胞、細胞組織、微生物、ウィルス、細菌、毒素などがある。
以下、図面を参照しながら本発明の方法の好適な実施形態について説明する。
<第1工程>
まず、電気化学的に標的生体分子を検出するための装置を準備する。図1は本実施形態に関わる装置の模式図である。装置は、サンプル溶液をアプタマーと反応させるための反応セル1を備えている。同一の反応セル1内には標的生体分子の検出用の第1の電極2、及び比較用の第2の電極3が設けられている。第1の電極2には、標的生体分子に対してアプタマーとして機能する第1の核酸鎖21の一端が固定化されている。第1の核酸鎖21の配列は標的生体分子の種類に応じて適宜選択される。第2の電極3には、前記標的生体分子に対してアプタマーとして機能しない第2の核酸鎖22の一端が固定化されている。例えば第1の電極2及び第2の電極3は、金で作られ、第1の核酸鎖21及び第2の核酸鎖22の一端は、チオール基で修飾されていることにより核酸鎖の固定化が可能である。
複数の標的生体分子を検出対象とする場合は、反応セル1内に第1の電極2を複数設け、各電極上に、各々標的生体分子に応じたアプタマーを固定化しておけばよい。その場合、異なるアプタマーが固定化された第1の電極1つ毎に、それぞれ1つの第2電極を設けても良いし、異なるアプタマーが固定化された複数の第1の電極毎に、1つの第2の電極を共有しても良い。
なお、第1の電極2と、第2の電極3との間では、物質の移動が可能な状態である。
<第2工程>
次に、以下に示す第3の核酸鎖23と、第4の核酸鎖24と、を反応セル1内に供給する。図2は第3核酸鎖及び第4核酸鎖を示す模式図である。
第3の核酸鎖23は、第1及び第2の核酸鎖21、22及びそれらの相補鎖の各々と非相補的な配列を有し、それらと二本鎖は形成しない配列である。第4の核酸鎖24は、第2の核酸鎖22の少なくとも一部と相補的で、第2の核酸鎖22と二本鎖を形成可能な配列を有する領域31と、第3の核酸鎖23に相補的で第3の核酸鎖23と二本鎖を形成して結合している領域32を有する。つまり第3の核酸鎖23と第4の核酸鎖24が結合して二本鎖を形成している第1の核酸鎖対11(部分二本鎖)を反応セル1内に供給する。
図3は第3核酸鎖及び第4核酸鎖を装置に供給したときの様子を示す模式図である。これにより図3に示すように第2の電極3上には第4の核酸鎖24と、第3の核酸鎖23との二本鎖、第4の核酸鎖24と第2の核酸鎖22との二本鎖が存在することとなる。
すなわち、第2の核酸鎖22には、第4の核酸鎖24が結合し二本鎖を形成する。またこの第4の核酸鎖24の、第2の核酸鎖22と二本鎖を形成していない領域には第3の核酸鎖23が結合して二本鎖を形成する。つまり第4の核酸鎖24は、第2の核酸鎖22と二本鎖を形成して結合している領域31と、第3の核酸鎖23と二本鎖を形成して結合している領域32を有する。
なお、第1工程の装置を準備する段階で、第2の電極3上の第2の核酸鎖を固定化する際に、第2の核酸鎖22及び第3の核酸鎖23と、それと相補的な配列を有する第4の核酸鎖24が二本鎖となって第2の電極3上に固定化された装置を準備してもよい。この場合は、さらなる第3の核酸鎖23と、第4の核酸鎖24を供給する第2工程は不要である。
第2の核酸鎖22及び第3の核酸鎖23と、それと相補的な第4の核酸鎖24の二本鎖となって第2の電極3上に固定化された装置を得るには、あらかじめ第2の核酸鎖22を固定化後、この核酸鎖に相補的な配列を有する第4の核酸鎖を供給してハイブリダイゼーションさせ、更に第3の核酸鎖23を供給してハイブリダイゼーションさせることにより得ることができる。 より好ましくは、図2に示すように、第3の核酸鎖23と第4の核酸鎖24を領域31で、二本鎖を形成している第1の核酸鎖対11をあらかじめ準備しておき、第2の電極3上に固定化されている第2の核酸鎖22とハイブリダイゼーションさせることにより得ることができる。
<第3工程>
次に、反応セル1に、標的生体分子41を含む可能性のあるサンプル溶液を注入し、前記標的生体分子と前記第1の核酸鎖が結合する条件下におく。
図4は第2の電極上の第2の核酸鎖22に二本鎖が形成され、第1の核酸21に、標的生体分子41が結合した状態を示す模式図である。サンプル溶液中に標的生体分子41が含まれていた場合、第1の核酸鎖21はアプタマーとして機能し、図4に示すように、標的生体分子41は、第1の核酸鎖21に結合する。
サンプル溶液中に標的生体分子41が含まれていない場合は、当然のことながら、第1の核酸鎖21に結合する標的生体分子41はない。
標的生体分子41が第1の核酸鎖21に結合する条件とは、例えば、25℃で30分〜1時間程度である。温度を25℃から37℃に上げることにより、時間をより短縮することが可能である。但し、標的生体分子がタンパク質である場合には、37℃を超えると、タンパク質が変性してしまう可能性があるため、好ましくない。
また、第2工程を省略して、第3工程において、サンプル溶液中に、第1の核酸鎖対11を含有させておいても良い。このようにすることにより、サンプル溶液を反応セル1中に供給したかどうかをモニターすることができる。また、この第3工程は以下に示す第4工程と同時に行われても良い。
<第4工程>
次に反応セル1に部分的に二本鎖を形成した第2の核酸鎖対12を供給する。図5は第2の核酸鎖対12の模式図である。図6は、第1の核酸鎖21に標的生体分子41が結合した場合に、反応セル1に第2の核酸鎖対12を添加した状態を示す模式図である。図7は、第1の核酸鎖21に標的生体分子41が結合しなかった場合に、反応セル1に第2の核酸鎖対12を添加した状態を示す模式図である。
添加する第2の核酸鎖対12は、図5に示すような、第5の核酸鎖25と、前記第1核酸鎖21と二本鎖を形成可能な一本鎖領域33及び第5の核酸鎖25と二本鎖を形成している領域34を有する第6の核酸鎖26と、を備える。なお、前記第5の核酸鎖は第1乃至第2の核酸鎖21、22、前記第4の核酸鎖の領域31、前記第6の核酸鎖26の領域33とは二本鎖を形成しない配列である。
この第2の核酸鎖対12を供給後、前記第6の核酸鎖26の一本鎖領域33と、前記第1の核酸鎖21とがハイブリダイゼーションし、第2の核酸鎖対12における前記第6の核酸鎖26の一本鎖領域33と第1の核酸鎖21とが、二本鎖を形成する条件下におく。
サンプル溶液中に標的生体分子41が充分量含まれており、第3工程で、第1の核酸鎖21と標的生体分子41との結合が生じている場合は、図6に示すように、第2の核酸鎖対12における第6の核酸鎖26の一本鎖領域33は前記第1の核酸鎖21と二本鎖は形成しない。なお、ここでいう充分量とは、少なくとも、標的生体分子41の数が、第1の電極2上に固定化されている第1の核酸鎖21の数よりも多い必要がある。
サンプル溶液中に標的生体分子41が含まれていない場合は、図7に示すように第1の電極2上の第1の核酸鎖21は、第2の核酸鎖対12の第6の核酸鎖26の一本鎖領域33と二本鎖を形成する。
また、サンプル溶液中に標的生体分子41が含まれていても、微量の場合には、一部の第1の核酸鎖21には、標的生体分子41が結合するために、当該第1の核酸鎖21と、第2の核酸鎖対12の第6の核酸鎖26の一本鎖領域33とは二本鎖を形成せず、標的生体分子41が結合していない第1の核酸鎖21と、第2の核酸鎖対12における第6の核酸鎖26の一本鎖領域33とは二本鎖を形成する。
核酸のハイブリダイゼーション条件とは、例えば、25℃での30分保持である。
なお、この第4工程は前記第3工程と同時、つまり第2の核酸鎖対12の供給とサンプル溶液の反応セル1への供給は同時に行われても良い。
<第5工程>
次に、第1および第2の電極上に存在する二本鎖に由来する電気化学的信号を検出する。検出を行う方法としては、二本鎖に特異的に結合する挿入剤分子51を二本鎖に結合させ、挿入剤分子の酸化または還元反応を電気化学的に検出する方法が、検出効率が高く望ましいが、この方法でなくとも、二本鎖が検出できる方法であればよい。
図8は第1の核酸21に標的生体分子41が結合している場合に、挿入剤分子51を添加し、二本鎖形成領域に挿入剤分子51が結合した状態を示す模式図である。図10は、第1の核酸21に標的生体分子41が結合していない場合に、挿入剤分子51を添加し、二本鎖形成領域に挿入剤分子51が結合した状態を示す模式図である。
以下に具体的に手順を示す。
まず、二本鎖核酸に特異的に結合する挿入剤分子51を含む溶液を反応セル1に添加する。
サンプル溶液中に標的生体分子41が充分量存在している場合、図8のように第1の電極2上には二本鎖は形成されていないので、挿入剤分子51は結合しない。一方、第2の電極3上では第2の核酸鎖22、第3の核酸鎖23、第4の核酸鎖24が二本鎖を形成しているためここに二本鎖に挿入剤分子51が結合する。
サンプル溶液中に標的生体分子41が存在していない場合、図10のように第1の電極2上にも、第1の核酸鎖21、第5の核酸鎖25、第6の核酸鎖26とが二本鎖を形成する。したがってこの二本鎖に挿入剤分子51が結合する。第2の電極3上でも第2の核酸鎖22、第3の核酸鎖23、第4の核酸鎖24が二本鎖を形成している。この二本鎖にも挿入剤分子51が結合する。
サンプル溶液中に標的生体分子41が微量に存在する場合には、図8のように第1の電極2上に二本鎖が形成されていない場合と、図10のように第1の電極2上に二本鎖が形成されている場合とが混在することになる。二本鎖が形成されている場合には、挿入剤分子51が結合し、二本鎖が形成されていない場合には、挿入剤分子51は結合しない。
挿入剤としては、ヘキスト33258が望ましいが、ヘキスト33258に限定されるものではない。アクリジンオレンジ、キナクリン、ドウノマイシン、メタロインターカレーター、ビスアクリジン等のビスインターカレーター、トリスインターカレーター、ポリインターカレーターなどの二本鎖認識体を用いても良い。更に、これらの物質にフェロセン、ビオロゲン等の、電気化学的な応答を示す物質で修飾しても同様な検出を行うことが出来る。
次に、第1の電極2及び第2の電極3を、各々作用極とし、別途設けられた対極及び参照極を用い、必要に応じて反応セル内に設けられた参照極の電位をフィードバックしながら、反応セル内の作用極と対極との間に電位を掃引して、作用極から検出される電流を測定する。 これらの二本鎖に由来する電気化学的信号の測定は、特開2004−61426号や特開2004−125777号に開示されている塩基配列自動解析装置を用いることにより、簡便に自動にて検査することが可能である。
図9は第1の核酸鎖21に標的生体分子41が結合した場合に、電流検出を行った状態を示す模式図である。図11は第1の核酸鎖21に標的生体分子41が結合しなかった場合に、電流検出を行った状態を示す模式図である。
サンプル溶液中に標的生体分子41が充分量存在している場合、図9に示すように、検出用の第1の電極2上には二本鎖は存在しないため、第1の電極2からは、挿入剤分子51からの電気化学信号61は観測されない。比較用の第2の電極3上には二本鎖が存在するため、第2の電極3からは挿入剤分子51からの電気化学信号61が観測される。ここで、電気化学信号61の向きは、挿入剤分子として、ヘキスト33258を用いたときの電子の流れの向きを示している。
サンプル溶液中に標的生体分子41が存在していない場合、図11に示すように、検出用の第1の電極2上に二本鎖が存在するので、第1の電極2からは、挿入剤分子51からの電気化学信号62が観測される。また比較用の第2の電極3上にも二本鎖が存在するため、第2の電極3から挿入剤分子51からの電気化学信号62が観測される。
サンプル溶液中に標的生体分子41が微量に存在する場合には、検出用の第1の電極2上の第1の核酸鎖21の一部は、図11に示すように第2の核酸鎖対12と二本鎖を形成しており、また一部は図9に示すように二本鎖を形成していない状態になる。従って、二本鎖が形成されている核酸鎖からは電気化学信号が観測され、二本鎖が形成されていない核酸鎖からは電気化学信号が観測されないことになる。従って、この場合には、第1の電極2としては、すべての第1の核酸鎖21が二本鎖を形成している場合の電気化学信号の値と、第1の核酸鎖21が全く二本鎖を形成していない場合の電気化学信号の値の間の値を観測することになる。
このように、サンプル溶液中の、標的生体分子41の存否また、存在量によって、第1の電極2から得られる電気化学信号の大きさが異なる。一方、比較用の第2の電極3から得られる電気化学信号の大きさは標的生体分子41の存否にかかわらず一定である。したがって、比較用の第2の電極3から得られる電気化学信号の大きさから、検出用の第1の電極から得られる電気化学信号の差分を算出することによって、第1の核酸21に結合した標的生体分子41の存否、更には存在量を決定することが出来る。標的生体分子の存在量が多ければ差分の値は大きく、存在量が少なければ差分の値は小さくなる。差分の大きさの判定にはあらかじめ実験等により求めた閾値との比較によって行うことが実用的である。
また、添加されるサンプル溶液中に、充分量の標的生体分子41が存在し、第1の電極2上の全ての第1の核酸鎖21に標的生体分子41が結合している場合には、理想的には電気化学信号が検出されず、第2の電極3のみから電気化学信号61が検出される。実際には標的生体分子41の数によって、標的生体分子41が結合している第1の核酸鎖21の数が変化する。第1の電極2からの電気化学信号62は、標的生体分子41が結合していない第1の核酸鎖21の量に応じた量だけ、観測されることになるため、上記の方法にてサンプル中の標的生体分子の存在量も測定することが可能である。つまり、第2の電極3から得られた電気化学信号の値と、第1の電極2から得られた電気化学信号の値の差分の値から、検出用の第1の電極2に結合した標的生体分子41の量を算出することが可能になる。差分の大きさの判定にはあらかじめ実験等により求めた検量線との比較によって行うことが実用的である。
図12は本実施形態の方法による検出電極からの信号値と標的生体分子の結合割合の関係図である。
実際の測定では、すべての第1の核酸21に標的生体分子が結合し、第1の電極2上に二本鎖が存在しない場合でも、電気化学信号は零にはならず、二本鎖以外に非特異的に吸着する挿入剤分子51の酸化・還元反応による電気化学信号が検出される。その場合には、このようなバックグランド信号を差し引いて、信号の大小を評価する必要がある。(図12)
本発明の方法では、標的生体分子41が全く存在しない状況で、挿入剤分子51を反応セル1内に供給し、電圧掃引の結果、検出用の第1の電極2から得られる電気化学信号の値と、比較用の第2の電極3から得られる電気化学信号の値がほぼ等しくなるように第1の核酸鎖対11を形成する第4及び第5の核酸鎖、また第2の核酸鎖対12を形成する第5及び第6核酸鎖、の配列及び長さを選択することが望ましい。また、原理的には、第1の核酸鎖対11は第4の核酸鎖24の領域31のみ、第2の核酸鎖対12は、第6の核酸鎖26の領域33のみでも、第1の核酸鎖21や第2の核酸鎖22が二本鎖を形成したか否かの検出は可能ではあるが、二本鎖由来の電気化学信号を明瞭に検出するため、上記のように、第1の核酸鎖対11に、予め第3の核酸鎖23と第4の核酸鎖24の領域32における二本鎖領域を、第2の核酸鎖対12に、予め第5の核酸鎖25と第6の核酸鎖26の領域34における二本鎖領域を、準備しておくことが非常に有用である。
具体的には、第1の核酸鎖の長さは10塩基以上30塩基以下、さらに望ましくは13塩基以上20塩基以下、第2の核酸鎖の長さは10塩基以上30塩基以下、さらに望ましくは13塩基以上20塩基以下、であることが望ましい。
また、第4の核酸鎖や、第6の核酸鎖は、長い方が望ましく、第3の核酸鎖は、第4の核酸鎖の内、第2の核酸鎖の相補的な領域以外と相補的に、なっていることが望ましく、第5の核酸鎖は、第6の核酸鎖の内、第1の核酸鎖の相補的な領域以外と相補的になっていることが望ましい。ここで、それぞれの二本鎖領域は、挿入剤分子が結合する領域であるため、長いほど、結合領域が多く、結果として、電気化学信号が大きくなるため、電気化学信号の大小の差を大きく取ることができ、望ましい。
更には、ここでは、一本鎖である第4の核酸鎖と一本鎖である第3の核酸鎖により、第1の核酸鎖対を形成させ、また、一本鎖である第6の核酸鎖と一本鎖である第5の核酸鎖により、第2の核酸鎖対を形成させ、それぞれを、第2の核酸鎖や第1の核酸鎖とハイブリダイゼーションさせる構成を記述してきたが、これに限定される訳ではない。即ち、第1の核酸鎖対は、第2の核酸鎖と相補的な一本鎖領域と、二本鎖領域が存在していればよいのであるから、第2の核酸鎖と相補的な領域が一本鎖になっている構造を持つLAMP(Loop−Mediated Isothermal Amplification: 栄研化学)増幅された核酸でも良い。第2の核酸鎖対も同様に、第1の核酸鎖と相補的な領域が一本鎖になっている構造を持つLAMP増幅された核酸でも良い。
本実施形態の方法では、標的生体分子を反応させる際に、予め標的生体分子や第2の核酸鎖対に蛍光色素等の標識をする必要がない。従って、これらの標識物質が反応を阻害することによる検出不能、検出感度低下等の問題が発生する心配がない。また、第1及び第2の核酸鎖以外に第3乃至第6の核酸鎖を用い、電極上に形成される二本鎖の絶対量を多くし、各電極から得られる信号量をいわば増幅して測定しているため、精度のよい測定が可能である。
本発明の方法を実施するに当たり、本発明にかかる装置と供給する核酸鎖、試薬類をキット化しておくことが実用上望ましい。キットの形態としては以下のキットA、Bが例示される。
[キットA] 装置A、核酸鎖セットA、その他試薬
装置A:反応セルと、前記反応セル内に設けられた第1及び第2の電極と、前記第1の電極に固定化され、標的生体分子に対してアプタマーとして機能し、前記標的生体分子と結合可能な第1の核酸鎖と、前記第2の電極に一端が固定化され、前記標的生体分子に対してアプタマーとして機能しない第2の核酸鎖と、を具備する。
核酸鎖セットA: 第1の核酸鎖対として、前記第1、第2の核酸鎖及びそれらの相補鎖と二本鎖を形成しない第3の核酸鎖と、前記第2の核酸鎖と二本鎖を形成可能な一本鎖領域及び前記第3の核酸鎖と二本鎖を形成している領域とを有する第4の核酸鎖、
第2の核酸鎖対として、前記第1乃至第4の核酸鎖とは二本鎖を形成しない第5の核酸鎖と、前記第1核酸鎖と二本鎖を形成可能な一本鎖領域及び前記第5の核酸鎖と二本鎖を形成している領域を有する第6の核酸鎖、とを具備する核酸鎖セット。
試薬類:挿入剤溶液(挿入剤を用いた測定を行う場合)、バッファー類など。
[キットB] 装置B、核酸鎖セットB、その他試薬
装置B:反応セルと、前記反応セル内に設けられた第1及び第2の電極と、前記第1の電極に一端が固定化され、標的生体分子に対してアプタマーとして機能し、前記標的生体分子と結合可能な第1の核酸鎖と、前記第2の電極に一端が固定化され、前記標的生体分子に対してアプタマーとして機能しない第2の核酸鎖と、第1の核酸鎖対として、前記第1、第2の核酸鎖及びそれらの相補鎖と二本鎖を形成しない第3の核酸鎖と、前記第2の核酸鎖と二本鎖を形成している領域及び前記第3の核酸鎖と二本鎖を形成している領域を有する第4の核酸鎖と、を具備する装置(第2の核酸鎖と第3の核酸が連結された連結核酸鎖であってもよい。)
核酸鎖セットB:第2の核酸鎖対として、前記第1乃至第4の核酸鎖とは二本鎖を形成しない第5の核酸鎖と、前記第1核酸鎖と二本鎖を形成可能な一本鎖領域及び前記第5の核酸鎖と二本鎖を形成している領域を有する第6の核酸鎖と、を具備する核酸鎖セット。
試薬類:挿入剤溶液(挿入剤を用いた測定を行う場合)、バッファー類など。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての方法、キットは、本発明の範囲に包含される。
以下に、上述の検出装置を用いて、標的生体分子としてトロンビンを検出した具体例を説明する。
ガラス基板上に、溝が形成されたシリコーン樹脂構造体を、この溝が基板上に配置されるよう積載し、反応セル1とした。検出用第1の電極2及び比較用第2の電極3はいずれも反応セル1内に収まるように配置されている。ガラス基板上に成膜された金で構成されており、直径200μmの円形の電極とした。ガラス基板上には、12個の電極を形成した。
電極番号1〜4は、ネガティブコントロール用電極に、電極番号5〜8は、比較用の第2の電極3に、電極番号9〜12は、検出用の第1の電極2として割り当てた。
第1の電極2には、第1の核酸鎖21として、トロンビンアプタマープローブ(配列番号1)を固定化した。これは、トロンビンのフィブリノーゲン結合部位に結合することが知られているアプタマー配列である。
第2の電極3には、トロンビンアプタマープローブ(配列番号1)とは異なる配列である第2の核酸鎖22として、ポジティブコントロールプローブ(配列番号2)を固定化した。
更に、ネガティブコントロール用電極には、トロンビンアプタマープローブ(配列番号1)ともポジティブコントロールプローブ(配列番号2)とも異なる配列を持つネガティブコントロールプローブ(配列番号3)を固定化した。
ここでは、いずれの核酸鎖も3’末端に、チオール基を修飾することにより、金電極上に固定化した。表1に使用した核酸プローブ配列を示す。
Figure 2011196879
このようなチップを反応セル内に設置し、トロンビンを2.7μMの濃度で含有する溶液をチップ上に供給し、25℃で60分間放置した。なお、トロンビンは、10mM Tris HCl、150mM NaCl、5mM KCl、0.05%Tweenによるバッファに溶解させている。
その後、第6の核酸鎖として検出電極用ターゲット核酸1(配列番号4)、第5の核酸鎖及び第3の核酸鎖として共通なターゲット核酸2(配列番号5)及び第4の核酸鎖としてポジティブコントロールターゲット核酸3(配列番号6)を混合した溶液をチップ上に供給した。これらの核酸は、2×SSC、10mM Tris HCl、5mM KCl、0.05%Tweenによるバッファに溶解させ、ターゲット核酸の終濃度は、それぞれ、ターゲット核酸1が0.4μM、ターゲット核酸2が1.6μM、ターゲット核酸3が0.4μMとなるように調製している。
Figure 2011196879
その後、特開2004−61426号や特開2004−125777号に開示されている塩基配列自動解析装置を用いて、25℃で30分間放置した後に、挿入剤ヘキスト33258をチップ上に供給後、電気化学測定を行った。
図13には、上記の方法による測定結果を示す。電極番号1〜4は、バックグラウンド電流としてネガティブコントロールプローブから固定化されている電極からの電流を検出している。電極番号5〜8は、比較用としてポジティブコントロールプローブが固定化されている電極からの電流を示す。電極番号9〜12は、検出用として、アプタマープローブが固定化されている電極からの電流を示す。(a)は、標的生体分子であるトロンビンが含まれていない場合を、(b)には、トロンビンが含まれている場合の実験結果を示している。これを見て分かるように、トロンビンが含まれていると、電流値が低下することが示されており、本手法による検出の効果が実証された。
1: 反応セル
2: 第1の電極(検出用)
3: 第2の電極(比較用)
11: 第1の核酸鎖対
12: 第2の核酸鎖対
21: 第1の核酸鎖
22: 第2の核酸鎖
23: 第3の核酸鎖
24: 第4の核酸鎖
25: 第5の核酸鎖対
26: 第6の核酸鎖
41: 標的生体分子
51: 挿入剤分子
61,62: 電気化学信号

Claims (9)

  1. 反応セルと、前記反応セル内に設けられた第1及び第2の電極と、前記第1の電極に一端が固定化され、標的生体分子に対してアプタマーとして機能し、前記標的生体分子と結合可能な第1の核酸鎖と、前記第2の電極に一端が固定化され、前記標的生体分子に対してアプタマーとして機能しない第2の核酸鎖と、を具備する装置を準備する工程と、
    前記反応セルに、前記第1、第2の核酸鎖及びそれらの相補鎖と二本鎖を形成しない第3の核酸鎖と、前記第2の核酸鎖と二本鎖を形成している領域及び前記第3の核酸鎖と二本鎖を形成している領域を有する第4の核酸鎖、を供給する工程と、
    前記標的生体分子を含む可能性のあるサンプル溶液を供給し、前記標的生体分子と前記第1の核酸鎖が結合する条件下におく工程と、
    前記反応セルに、前記第1乃至第4の核酸鎖とは二本鎖を形成しない第5の核酸鎖と、前記第1核酸鎖と二本鎖を形成可能な一本鎖領域及び前記第5の核酸鎖と二本鎖を形成している領域を有する第6の核酸鎖と、を供給し、前記標的生体分子と結合しなかった前記第1の核酸鎖と前記第6の核酸鎖の前記一本鎖領域とが二本鎖を形成する条件下におく工程と、
    前記第1の電極から、前記第1の核酸鎖及び前記第5の核酸鎖と、前記第6の核酸鎖間で形成される二本鎖に由来する第1の電気化学信号、及び、前記第2の電極から前記第2の核酸鎖及び前記第3の核酸鎖と、前記第4の核酸鎖間で形成される二本鎖に由来する第2の電気化学的信号を検出する工程と、
    前記第1の電気化学的信号と、前記第2の電気化学的信号との差分から、前記標的生体分子の量を算出する工程とを行うことを特徴とする標的生体分子の検出方法。
  2. 前記反応セルに、前記第3の核酸鎖と、前記第4の核酸鎖、を供給する前記工程と、
    前記標的生体分子を含む可能性のあるサンプル溶液を供給し、前記標的生体分子と前記第1の核酸鎖が結合する条件下におく前記工程とは同時に行われることを特徴とする請求項1記載の標的生体分子の検出方法。
  3. 反応セルと、前記反応セル内に設けられた第1及び第2の電極と、前記第1の電極に一端が固定化され、標的生体分子に対してアプタマーとして機能し、前記標的生体分子と結合可能な第1の核酸鎖と、前記第2の電極に一端が固定化され、前記標的生体分子に対してアプタマーとして機能しない第2の核酸鎖と、前記第1、第2の核酸鎖及びそれらの相補鎖と二本鎖を形成しない第3の核酸鎖と、前記第2の核酸鎖と二本鎖を形成している領域及び前記第3の核酸鎖と二本鎖を形成している領域を有する第4の核酸鎖、を具備する装置を準備する工程と、
    前記標的生体分子を含む可能性のあるサンプル溶液を供給し、前記標的生体分子と前記第1の核酸鎖が結合する条件下におく工程と、
    前記反応セルに、前記第1乃至第4の核酸鎖とは二本鎖を形成しない第5の核酸鎖と、前記第1核酸鎖と二本鎖を形成可能な一本鎖領域及び前記第5の核酸鎖と二本鎖を形成している領域を有する第6の核酸鎖と、を供給し、前記標的生体分子と結合しなかった前記第1の核酸鎖と前記第6の核酸鎖の前記一本鎖領域とが二本鎖を形成する条件下におく工程と、
    前記第1の電極から、前記第1の核酸鎖及び前記第5の核酸鎖と、前記第6の核酸鎖間で形成される二本鎖に由来する第1の電気化学信号、及び、前記第2の電極から前記第2の核酸鎖及び前記第3の核酸鎖と、前記第4の核酸鎖間で形成される二本鎖に由来する第2の電気化学的信号を検出する工程と、
    前記第1の電気化学的信号と、前記第2の電気化学的信号との差分から、前記標的生体分子の量を算出する工程とを行うことを特徴とする標的生体分子の検出方法。
  4. 前記第2の核酸鎖と前記第3の核酸鎖とが連結していることを特徴とする請求項3記載の標的生体分子の検出方法。
  5. 前記第1及び第2の電気化学的信号を検出する工程は、
    前記反応セルに二本鎖特異的に結合する挿入剤溶液を供給し、前記反応性セル内の二本鎖に挿入剤を結合させる工程と、
    前記挿入剤が酸化もしくは還元反応することにより発生する電気化学信号を前記第1の電極及び第2の電極で各々検出する工程を行うことを特徴とする請求項1乃至4記載の標的生体分子の検出方法。
  6. 反応セルと、
    前記反応セル内に設けられた第1及び第2の電極と、
    前記第1の電極に固定化され、標的生体分子に対してアプタマーとして機能し、前記標的生体分子と結合可能な第1の核酸鎖と、前記第2の電極に一端が固定化され、前記標的生体分子に対してアプタマーとして機能しない第2の核酸鎖と、を具備する装置と、
    前記第1、第2の核酸鎖及びそれらの相補鎖と二本鎖を形成しない第3の核酸鎖と、
    前記第2の核酸鎖と二本鎖を形成可能な一本鎖領域及び前記第3の核酸鎖と二本鎖を形成している領域とを有する第4の核酸鎖と、
    前記第1乃至第4の核酸鎖とは二本鎖を形成しない第5の核酸鎖と、
    前記第1核酸鎖と二本鎖を形成可能な一本鎖領域及び前記第5の核酸鎖と二本鎖を形成している領域を有する第6の核酸鎖と、
    を具備することを特徴とする標的生体分子検出用キット。
  7. 反応セルと、前記反応セル内に設けられた第1及び第2の電極と、前記第1の電極に一端が固定化され、標的生体分子に対してアプタマーとして機能し、前記標的生体分子と結合可能な第1の核酸鎖と、前記第2の電極に一端が固定化され、前記標的生体分子に対してアプタマーとして機能しない第2の核酸鎖と、前記第1、第2の核酸鎖及びそれらの相補鎖と二本鎖を形成しない第3の核酸鎖と、前記第2の核酸鎖と二本鎖を形成している領域及び前記第3の核酸鎖と二本鎖を形成している領域を有する第4の核酸鎖と、を具備する装置と、
    前記第1乃至第4の核酸鎖とは二本鎖を形成しない第5の核酸鎖と、
    前記第1核酸鎖と二本鎖を形成可能な一本鎖領域及び前記第5の核酸鎖と二本鎖を形成している領域を有する第6の核酸鎖と、
    を具備することを特徴とする標的生体分子検出用キット。
  8. 前記第2の核酸鎖と前記第3の核酸鎖とが連結していることを特徴とする請求項7記載の標的生体分子の検出方法。
  9. さらに二本鎖特異的に結合する挿入剤溶液を具備することを特徴とする請求項6乃至8記載の標的生体分子検出用キット。
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