以下、本発明を適用してなる吸収式冷暖房給湯システムの実施形態について図1を参照して説明する。本実施形態の吸収式冷暖房給湯システムは、ガス焚き吸収式ヒートポンプ冷暖房給湯システムと太陽熱を利用するソーラーシステムとを結合させた冷暖房給湯システムであり、吸収式ヒートポンプ回路、貯湯タンク、集熱器及び該集熱器で集熱された熱を蓄熱する蓄熱タンクを基本構成とし、これらの機器からなるシステムの機能を発揮させるため、冷媒循環回路、温水循環回路、冷暖房回路、第1集熱冷媒循環回路、第2集熱冷媒循環回路、給湯経路、風呂追焚き回路、風呂熱回収回路等が設けられて構成される。さらに、本システムには、これらの各回路等の動作を制御する運転制御手段が設けられている。
吸収式ヒートポンプ回路1は、再生器3、凝縮器5、蒸発器7、吸収器9、循環ポンプ11、第1溶液熱交換器13、第2溶液熱交換器15、凝縮器用熱交換器17、蒸発器用熱交換器19、吸収器用熱交換器21を備えており、これらは同一の容器内に収容されている。再生器3、凝縮器5、蒸発器7、吸収器9及び循環ポンプ11は、これらを冷媒系接続配管及び溶液系接続配管で接続することにより、冷媒及び冷媒の蒸気を吸収する吸収剤を含む吸収液を循環させる回路が形成されている。再生器3の下方には化石燃料を燃焼させて吸収液の希溶液を加熱濃縮する加熱源23が設けられている。加熱源23は図示しない燃焼室内に配置されている。吸収式ヒートポンプ回路1に使用する冷媒には水が用いられ、吸収剤には臭化リチウム(LiBr)及びヨウ化リチウム(LiI)などの混合材が用いられるが、吸収式ヒートポンプ回路1が正常に動作するものであれば、この例に限定されるものではない。
再生器3は、吸収液の希溶液を加熱源23で加熱することにより、冷媒蒸気と濃溶液を生成するようになっている。濃溶液は、接続配管25を経由して第1溶液熱交換器13に導かれ、循環ポンプ11により吸収器9から送液された希溶液と熱交換して冷却されてから吸収器9内に導かれるようになっている。一方、再生器3で生成された冷媒蒸気は、凝縮器5に導かれる。
凝縮器5には凝縮器用熱交換器17が挿通されており、凝縮器5に導入された冷媒蒸気は、凝縮器用熱交換器内17を流れる水と熱交換することにより凝縮されて液冷媒となる。この液冷媒は、接続配管27を経由して凝縮器5から蒸発器7に導かれる。
蒸発器7には蒸発器用熱交換器19が挿通されており、凝縮器5から導入された液冷媒は、蒸発器用熱交換器19を流れる水と熱交換して蒸発し冷媒蒸気となる。この冷媒蒸気は、隣接する吸収器9に導かれる。なお、蒸発器7と吸収器9は1つの容器内に連通する隙間を有する仕切り壁で仕切られて形成されている。
吸収器9には吸収器用熱交換器21が挿通されており、再生器3から送られてきた濃溶液に蒸発器7から導かれた冷媒蒸気が吸収されることで、濃溶液の濃度は薄められて希溶液となる。この希溶液は、吸収器用熱交換器21を流れる水と熱交換して冷却されてから、循環ポンプ11により抜き出され、接続配管29を介して、第1溶液熱交換器13、第2溶液熱交換器15を順次経由して再生器3へと戻される。
貯湯タンク31は、縦長の中空円柱状の容器であり、図示しない給水源と接続される底部と、給湯端末33と接続配管を介して接続される頂部を有している。貯湯タンク31内には、底部側に太陽熱集熱用の集熱用熱交換器35、冷房運転用の冷房運転用熱交換器37、風呂熱回収用の風呂熱回収用熱交換器39がそれぞれ挿入して配置され、頂部側には、暖房運転用の暖房運転用熱交換器41、追焚き保温用の追焚き用熱交換器43がそれぞれ挿入して配置されている。これらの5つの熱交換器は、いずれも熱伝導性の高い材質、例えば銅製の中空管を貯湯タンク31内で蛇行させて形成されている。ここで、暖房運転用熱交換器41と追焚き用熱交換器43は、貯湯タンク31内の設定水温に応じた高さ位置に配置され、少なくとも他の3つの熱交換器よりも上方に配置されている。このようにして構成される貯湯タンク31内には、常に水が満水状態で貯留されるようになっている。
次に、第1集熱冷媒循環回路について説明する。集熱器45は、例えば貯湯タンク31の水を加熱する熱を太陽光から集熱する集熱板(図示せず)が内包されて構成される。集熱器45の太陽光を受光する側の外表面はガラスパネルで覆われており、集熱板は熱伝導性の高いアルミニウム合金等で形成されている。集熱器45のガラスパネルと集熱板との間には中空状に蛇行する配管が設けられており、この配管の一端には第1集熱冷媒入口配管47が接続され、他端には第1集熱冷媒出口配管49が接続されている。なお、集熱器45の構成は、太陽熱を集熱して熱せられた集熱板が液冷媒を加熱するように構成されるものであれば、上記に限られるものではない。
蓄熱タンク51は、中空円柱状の容器から構成される。蓄熱タンク51は、その内部に蓄熱剤となる液冷媒が貯留される空間が形成されており、頂部には第1集熱冷媒入口配管47及び第2集熱冷媒出口配管53が接続され、底部には第2集熱冷媒出口配管49及び第2集熱冷媒入口配管55が接続されている。第2集熱冷媒出口配管49には、循環ポンプ57が配設されている。
ここで、蓄熱タンク51は、その容積あたりの蓄熱量をできるだけ大きくするため、内部には常温範囲で固体と液体に相変化する潜熱蓄熱剤(例えば、パラフィン又は糖アルコール)を収納する構成を採用することができる。この場合、潜熱蓄熱材は固体状態となり流動させることがでないため、蓄熱タンク51内に固定された状態で収容され、液冷媒を蓄熱タンク51内に導入させて潜熱蓄熱材と熱交換させるように構成される。
このような構成により、第1集熱冷媒循環回路は、集熱器45、第1集熱冷媒入口配管47、蓄熱タンク51、循環ポンプ57が配設された第1集熱冷媒出口配管49、集熱器45を順次接続して閉回路が構成される。循環ポンプ57の稼働により、集熱器45で加熱された液冷媒は、第1集熱冷媒入口配管47を経由して蓄熱タンク51に流入し、蓄熱タンク51内に貯留されている温水と熱交換してこれを加熱する。そして、蓄熱タンク51から流出した液冷媒は、第1集熱冷媒出口配管49を経由して再び集熱器45に戻されて加熱される。このように、第1集熱冷媒循環回路は、集熱器45により太陽光を集熱して加熱された液冷媒を蓄熱タンク51内に導入することにより、太陽熱を蓄熱するためのものである。
次に、第2集熱冷媒循環回路について説明する。第2集熱冷媒出口配管53は第2溶液熱交換器15に接続されており、この第2溶液熱交換器15には接続配管59の一端が接続されている。接続配管59の他端は、流路切替弁61に接続されており、この流路切替弁61には、第2集熱冷媒入口配管55の他端が接続されている。すなわち、第2集熱冷媒入口配管55は、一端が流路切替弁61に接続され、他端が蓄熱タンク51の底部に接続されている。
ここで、第2集熱冷媒入口配管55は、その途中の流路が、加熱源23で燃料を燃焼させたときに発生する燃焼排ガスの排ガス流路63内を経由して延在するとともに、その排ガス流路63内には、第2集熱冷媒入口配管55を流れる液冷媒と燃焼排ガスとを熱交換する排ガス熱交換器65が略U字状に折り曲げられ或いは蛇行して形成されている。また、第2集熱冷媒入口配管55の排ガス熱交換器65と蓄熱タンク51との間には、循環ポンプ67が配設されている。
このような構成により、第2集熱冷媒循環回路は、蓄熱タンク51、第2集熱冷媒出口配管53、第2溶液熱交換器15、接続配管59、流路切替弁61、排ガス熱交換器65と循環ポンプ67を配設した第2集熱冷媒入口配管55、蓄熱タンク51を順次接続して閉回路が構成される。循環ポンプ67の稼働により、蓄熱タンク51で加熱された液冷媒は、第2集熱冷媒出口配管53を経由して第2溶液熱交換器15で希溶液と熱交換することにより希溶液を加熱した後、接続配管59を経由して排ガス熱交換器65に導かれる。そして、排ガス熱交換器65で燃焼排ガスと熱交換されて加熱された液冷媒は、第2集熱冷媒入口配管55を通じて蓄熱タンク51に戻される。このように、第2集熱冷媒循環回路は、蓄熱タンク51内に蓄熱された太陽熱を吸収式ヒートポンプ回路1の希溶液の加熱に利用するためのものである。
次に、冷媒循環回路について説明する。蒸発器用熱交換器19の入口部には、接続配管68の一端が接続されており、この接続配管68には循環ポンプ69が配設されるとともに他端が集熱用熱交換器35の出口部に接続されている。蒸発器用熱交換器19の出口部には、接続配管71の一端が接続されており、この接続配管71には、流路切替弁73が配設されるとともに、他端が集熱用熱交換器35の入口部に接続されている。
このような構成により、冷媒循環回路は、蒸発器用熱交換器19、流路切替弁73を配設した接続配管71、集熱用熱交換器35、循環ポンプ69を配設した接続配管68、蒸発器用熱交換器19を順次接続して閉回路が構成される。循環ポンプ69を稼働させることにより、蒸発器用熱交換器19と集熱用熱交換器35との間を循環する液冷媒は、蒸発器用熱交換器19を介して蒸発器7内で発生した冷熱を回収した後、接続配管71を経由して集熱用熱交換器35に導かれ、貯湯タンク31内の底部側の水と熱交換して冷熱を放出し、接続配管68を経由して再び蒸発器用熱交換器19に戻される。このように冷媒循環回路は、蒸発器7から回収した冷熱を貯湯タンク31内の水に放熱することにより、貯湯タンク31内の底部側に冷房運転用の低温の水を貯えておくためのものである。
次に、温水循環回路について説明する。貯湯タンク31の略中段部の位置には、貯湯タンクの内部と連通する接続配管75の一端が挿入されており、接続配管75の他端は吸収器用熱交換器21の入口部に接続されている。接続配管75には循環ポンプ77が配設されており、この循環ポンプ77と吸収器用熱交換器21との間の流路が二股に分岐して接続配管79の一端が接続されている。接続配管79の他端は、凝縮器用熱交換器17の入口部に接続されている。吸収器用熱交換器21の出口部には、接続配管81の一端が接続されている。凝縮器用熱交換器17の出口部には、接続配管83の一端が接続されており、この接続配管83には、接続配管81の他端が接続されている。接続配管83の他端は、貯湯タンク31の頂部に接続されてタンクの内部と連通するようになっている。
このような構成により、温水循環回路は、貯湯タンク31の略中段部、循環ポンプ77を配設した接続配管75及び接続配管79、凝縮器用熱交換器17及び吸収器用熱交換器21、接続配管81及び接続配管83、貯湯タンク31の頂部を順次接続して閉回路が構成される。循環ポンプ77を稼働させることにより、貯湯タンク31内から抜き出された水は、凝縮器用熱交換器17を介して凝縮器5内で発生した温熱を回収するとともに吸収器用熱交換器21を介して吸収器9内で発生した温熱を回収する。これにより、凝縮器用熱交換器17及び吸収器用熱交換器21を通過して加熱された水は、貯湯タンク31の頂部側に戻される。すなわち、温水循環回路は、貯湯タンク31の中段付近から抜き出した水を加熱して貯湯タンク31の頂部に戻すことにより、貯湯タンク31内の頂部側に暖房用や給湯用に使用する高温の水を貯えておくためのものである。
次に、冷暖房回路について説明する。貯湯タンク31内の底部側に配置される冷房運転用熱交換器37の入口部には接続配管85の一端が接続されており、この接続配管85の他端は室内機87の出口部に接続されている。一方、冷房運転用熱交換器37の出口部には接続配管89の一端が接続されており、この接続配管89は、流路切替弁91、循環ポンプ93が配設されるとともに、その他端が室内機87の入口部に接続されている。また、貯湯タンク31内の頂部側に配置される暖房運転用熱交換器41は、その入口側が接続配管85と接続されるとともに出口側が接続配管89の流路切替弁91と接続されている。なお、本実施形態では、冷暖房負荷として室内機87を備えているが、冷暖房負荷は室内機87に限られるものではなく、例えば、室内機87に代えて、或いは室内機87とともに床暖房装置等を備えるようにしてもよい。この場合、床暖房装置には、暖房運転用熱交換器41との間で液冷媒を循環させる。
このような構成により、冷暖房回路は、冷房運転用熱交換器37又は暖房運転用熱交換器41の出口部と、流路切替弁91と循環ポンプ93が配設される接続配管89、室内機87、接続配管85、冷房運転用熱交換器37又は暖房運転用熱交換器41の入口部を順次接続して閉回路が構成される。循環ポンプ93を稼働させることにより、冷房運転用熱交換器37又は暖房運転用熱交換器41と室内機87との間を液冷媒が循環する。この液冷媒は、冷房運転用熱交換器37又は暖房運転用熱交換器41を介して貯湯タンク31内の所定温度の水と熱交換されて冷却又は加熱された後、接続配管89を経由して室内機87に導かれ、空気と熱交換することにより室内空気を加熱又は冷却する。そして、室内機87を通過した液冷媒は、接続配管85を経由して再び冷房運転用熱交換器37又は暖房運転用熱交換器41に戻される。ここで、流路切替弁91の切替動作は、運転制御手段により制御され、流路切替弁91において冷媒流路が切り替えられることにより、液冷媒は、冷房運転用熱交換器37又は暖房運転用熱交換器41のいずれかを流れるようになる。このように、冷暖房回路は、貯湯タンク31内の所定温度の水と熱交換した液冷媒を室内機87に循環供給することにより、冷暖房運転を行うためのものである。
次に、給湯経路について説明する。貯湯タンク31の底部には、図示しない給水源から水道水等が供給される給水配管95から分岐した接続配管97が接続されている。貯湯タンク31の頂部には、接続配管99が接続されており、この接続配管99は混合弁101を介して給水配管95と接続されている。混合弁101には、給湯配管103の一端が接続されており、この給湯配管103の他端は給湯端末33と接続されている。ここで、給湯端末33とは、蛇口やシャワー等の給湯口を含むものである。また、接続配管95から分岐した接続配管105と、接続配管99から分岐した接続配管107は、それぞれ混合弁109と接続されており、この混合弁109に一端が接続された接続配管111は、風呂出口接続配管113を介して、浴槽115内と連通している。
このような構成により、給湯経路は、給水配管95、接続配管97、貯湯タンク31、接続配管99、混合弁101、給湯配管103、給湯端末33を順次接続してなる、蛇口やシャワー使用時の第1の給湯経路と、給水配管95、接続配管97、貯湯タンク31、接続配管99、接続配管107、混合弁109、接続配管111、風呂出口接続配管113、浴槽115を順次接続してなる浴槽湯張り用の第2の給湯経路の2つの経路が形成される。ここで、第1の給湯経路による給湯端末33への給湯は、運転制御手段の制御の下に、混合弁101の動作が制御されることにより、貯湯タンク31内の温水が所定の水温に調整されて給湯端末33に所定量給湯される。また、第2の給湯経路による浴槽115内への給湯は、運転制御手段の制御の下に、混合弁101、109の動作が制御されることにより、貯湯タンク31内の温水が所定の湯温に調整されて浴槽115内に所定量給湯される。このように、第1の給湯経路と第2の給湯経路は、貯湯タンク31内の温水を所定温度に調整し、給湯端末33から給湯又は浴槽115内へ給湯するためのものである。
次に、風呂追焚き回路と風呂熱回収回路について説明する。浴槽115には、循環ポンプ117と流路切替弁119が配設された風呂出口接続配管113の一端が接続されるとともに、風呂入口接続配管121の一端が接続されている。そして、風呂出口接続配管113の他端は、貯湯タンク31内の風呂熱回収用熱交換器39の入口部に接続されており、風呂入口接続配管121の他端は、風呂熱回収用熱交換器39の出口部に接続されている。一方、流路切替弁119には接続配管123の一端が接続されており、この接続配管123の他端は、貯湯タンク31内の追焚き用熱交換器43の入口部に接続されている。また、追焚き用熱交換器43の出口部には、風呂入口接続配管121から分岐された接続配管125の他端が接続されている。
このような構成により、風呂追焚き回路は、浴槽115、風呂出口接続配管113、流路切替弁119、接続配管123、追焚き用熱交換器43、接続配管125、風呂入口接続配管121、浴槽115を順次接続して閉回路が構成される。また、風呂熱回収回路は、浴槽115、風呂出口接続配管113、風呂熱回収用熱交換器39、風呂入口接続配管121、浴槽115を順次接続して閉回路が構成される。ここで、風呂追焚き回路と風呂熱回収回路の動作の切り替えは、運転制御手段の制御の下に、流路切替弁119の動作が制御させることで切り替えられるようになっている。
風呂追焚き回路においては、循環ポンプ117を稼働させることにより、浴槽115内に溜まった浴槽水が抜き出され、追焚き用熱交換器43との間を循環する。この浴槽水は、追焚き用熱交換器43を介して貯湯タンク31内の頂部側の温水と熱交換されて加熱されてから浴槽115内に戻される。このように、風呂追焚き回路は、浴槽115内の浴槽水を加熱する追焚き運転を行うためのものである。
また、風呂熱回収回路においては、循環ポンプ117を稼働させることにより、浴槽115内に溜まった使用済の浴槽水が抜き出され、風呂熱回収用熱交換器39との間を循環する。この浴槽水は、風呂熱回収用熱交換器39を介して貯湯タンク内の水と熱交換することにより、貯湯タンク内の底部側の水を加熱する。このように、風呂熱回収回路は、浴槽115内の浴槽水の熱を貯湯タンク31内に回収して有効利用するためのものである。
次に、その他の構成について説明する。図1に示すように、接続配管71に配設される流路切替弁73にはバイパス管路127の一端が接続されており、このバイパス管路127の他端は第2集熱冷媒出口配管53と接続されている。また、接続配管71の流路切替弁73と蒸発器用熱交換器19の出口部との間の流路は二股に分岐されており、この分岐部にはバイパス管路129の一端が接続され、このバイパス管路129の他端は、流路切替弁61に接続されている。そして、これらのバイパス管路が接続される流路切替弁61、73は、運転制御手段の制御の下にその動作が制御されるようになっている。
具体的には、流路切替弁61の動作が制御されてバイパス管路129が開放されることにより、冷媒循環回路の接続配管71を流れる液冷媒は、バイパス管路129を経由して流路切替弁61が配設される第2集熱冷媒入口配管55へ流れ込むようになっている。一方、流路切替弁73の動作が制御されてバイパス管路127が開放されることにより、第2集熱冷媒循環回路の第2集熱冷媒出口配管53を流れる液冷媒は、バイパス管路127を経由して流路切替弁73が配設される接続配管71へ流れ込むようになっている。本実施形態では、2つのバイパス管路129、127が同時に開放又は閉鎖されるように、流路切替弁61、73の動作が制御されるようになっている。
次に、接続配管83に接続される空冷放熱管131について説明する。図1に示すように、接続配管83の流路の途中、つまり接続配管81が接続される接続部と貯湯タンク31の頂部との間の流路には、接続配管83を流れる水を空冷するための空冷放熱管131がバイパスして接続されており、流路切替弁133を介して接続配管83を流れる水が空冷放熱管131内に流入するようになっている。空冷放熱管131は、熱伝導性の高い材質、例えば銅製の中空管を例えばU字状に折り曲げて形成され、中空管には複数枚のプレート状のフィンが取り付けられており、その近傍に冷却用ファン135が設置されている。空冷放熱管131への水の流入は、運転制御手段の制御の下に流路切替弁133の動作が制御され、例えば、貯湯タンク31内に設置された温度センサにより検知された所定高さ位置の水温が設定温度を超えたとき、接続配管83を流れる水が空冷放熱管131に流れ込むようになっている。
なお、本実施形態では、空冷放熱管131は、温水循環回路において、凝縮器用熱交換器17、吸収器用熱交換器21をそれぞれ経由して合流した後の水が流入する位置に配置されているが、この構成に限られるものではなく、例えば、各熱交換器に対応させて2つの空冷放熱管131を配置し、或いは、いずれか一方の熱交換器を通過した水の流路にだけ配置してもよい。
次に、吸収式ヒートポンプ回路1に設けられるバイパス管路137について説明する。図1に示すように、バイパス管路137は、開閉弁139を介して凝縮器5と吸収器9の間を渡して配置されている。開閉弁139は、運転制御手段の制御の下に開閉動作が制御され、例えば、所定の運転モードに切り替えられたとき、開閉弁139が開となり、凝縮器5内の冷媒蒸気が吸収器9内に導入されるようになっている。
次に、本実施形態の吸収式冷暖房給湯システムの動作を制御する運転制御手段について説明する。運転制御手段は、その制御回路が図示しない制御盤に組み込まれており、例えばシステム内の貯湯タンク31、蓄熱タンク51などの各機器に設置されているセンサの検出値、ユーザーが操作するリモコン141などの検出値により、各回路の運転・停止、流路切替弁61,73,91,119,133、開閉弁139、混合弁101、109などの動作を制御することにより、冷房運転、暖房運転、給湯運転等の各運転の動作を制御するものである。なお、センサとしては、各部の温度状態を検出する温度センサ、圧力を検出する圧力センサ、水量を検知する水量センサ等がある。
次に、このようにして構成される本実施形態の吸収式冷暖房給湯システムの冷房運転の動作について図1を参照して説明する。以下の制御では、冷房運転の開始時点で、貯湯タンク31には給水源から水が給水されて満水状態となっているものとし、蓄熱タンク51には液冷媒が満水状態となっているものとする。
ユーザがリモコン141を操作して冷房運転の開始が要求されると、運転制御手段は、吸収式ヒートポンプ回路1、循環ポンプ57,67,69,77,93の稼働を開始させる。このとき、流路切替弁61,73は、バイパス管路129,127の流路に液冷媒が流れ込まないように流路が制御されており、流路切替弁91は、暖房運転用熱交換器41の流路に液冷媒が流れ込まないように流路が制御されている。また、流路切替弁133は、空冷放熱管131の流路に液冷媒が流れ込まないように流路が制御されている。なお、開閉弁139については、特に説明がない限り、閉止状態であるものとする。
このような制御により、吸収式ヒートポンプ回路1内においては、加熱源23による吸収液の加熱が開始され、冷媒及び吸収液の循環が開始される。また、第1集熱冷媒循環回路においては、集熱器45を介して加熱された液冷媒が矢印の方向に循環することにより、蓄熱タンク51内に貯留される液冷媒の温度を上昇させる。また、第2集熱冷媒循環回路においては、蓄熱タンク51、排ガス熱交換器65を経由して加熱された液冷媒が第2溶液熱交換器15で希溶液と熱交換することにより、希溶液を加熱する。
また、冷媒循環回路においては、吸収式ヒートポンプ回路1で発生した冷熱を蒸発器用熱交換器19を介して受け取った液冷媒が矢印の方向に循環し、集熱用熱交換器35を介して貯湯タンク31内に冷熱が放熱されることにより、貯湯タンク31内の底部側の水を冷却する。これにより、貯湯タンク31の底部側の水温が例えば14℃から9℃に冷却される。
また、温水循環回路においては、貯湯タンク31の中段付近から抜き出された水が矢印の方向に流れ、吸収式ヒートポンプ回路1で発生した温熱を凝縮器用熱交換器17及び吸収器用熱交換器21を介して受け取り、加熱された状態で貯湯タンク31の頂部に戻されることにより、貯湯タンク31内の頂部側の水が加熱される。これにより、貯湯タンク31の水温は、例えば、底部側が9℃、中段付近が41℃、頂部側が45℃となる温度成層が形成される。その結果、冷暖房回路においては、冷房運転用熱交換器37を介して貯湯タンク31内の底部側の水から冷熱を受け取った液冷媒が矢印の方向に流れ、室内機87に循環供給されて室内空気と熱交換することにより、室内を冷房する。
ところで、このような冷房運転が長時間継続されると、温水循環回路を経由して貯湯タンク31内に加熱された温水が供給され続けることに伴い、貯湯タンク31内の水温が次第に上昇する。その結果、温水循環回路では、凝縮器5及び吸収器9で発生した熱を十分に奪うことができなくなり、吸収式ヒートポンプ回路1の動作に影響を与えるおそれがある。そのため、運転制御手段では、例えば、貯湯タンク内31に設けられた温度センサの検出結果により、設定位置(高さ)の水温が設定温度以上に上昇、つまり、設定温度以上の温水が設定量貯留されたことを検知すると、温水循環回路を流れる温水の流路を空冷放熱管131へバイパスさせるように、流路切替弁133の動作を制御する。これにより、接続配管83を流れる温水は、空冷放熱管131を流れることにより、冷却用ファン135から送風される空気と熱交換して空冷されてから貯湯タンク31内に返送されるようになるため、貯湯タンク31内の水が必要以上に加熱されることを防ぐことができ、吸収式ヒートポンプ回路1で発生する熱を回収し続けることが可能となる。
ここで、例えば、夏場など外気温度が高いときには、空冷放熱管131内を流れる水と空気との温度差が小さくなり、十分な放熱効果が得られないおそれがある。このため、運転制御手段は、例えば、外気温度が設定温度よりも高いときには、吸収式ヒートポンプ回路1において、再生器3の希溶液の加熱温度を上昇させるように加熱源の燃焼量を調整し、凝縮器5及び吸収器9で発生する熱量を増加させるように制御する。これにより、温水循環回路を流れる温水はより高温に加熱された状態で空冷放熱管131に流れ込むため、空冷効率を向上させることができ、温水を所定温度まで冷却させることが可能となる。
図2は、冷房運転時における吸収式ヒートポンプ回路1の動作を説明するサイクル図である。図の縦軸は蒸気圧(mmHg)、横軸は温度を示し、各数値は冷房運転時の蒸気圧、温度及び濃度(%)を表している。また、かっこ内の数値は、温水循環回路を流れる水を空冷放熱管131により空冷するときのヒートポンプ回路1の運転状態の数値を示している。図に示すように、冷房運転時においては、吸収器9から再生器3へ送られる希溶液(吸収液)の加熱に、太陽熱を利用することにより、サイクル運転の効率向上を実現している。なお、各数値は冷房運転時の状態を示す一例に過ぎないため、これらの数値に限定されるものではない。
このように、冷房運転時においては、第1集熱冷媒循環回路及び第2集熱冷媒循環回路の動作により、太陽光から集熱された熱と、再生器3の希溶液を加熱源で加熱したときに排出される燃焼排ガスより回収された熱を、吸収式ヒートポンプ回路1において再生器3に向けて流れる希溶液の加熱に利用しているため、加熱源で使用する燃料の消費量を低減して二酸化炭素の排出量を少なくし、かつ、吸収式ヒートポンプ回路1の運転効率を向上させることができる。また、冷媒循環回路と温水循環回路の動作により、吸収式ヒートポンプ回路1の蒸発器7から回収した冷熱を利用して貯湯タンク31の底部側の水を冷却、言い換えれば、貯湯タンク31内の水を蒸発器7の熱源として利用し、かつ、凝縮器5及び吸収器9から回収した温熱を利用して貯湯タンク31内の頂部側の水を加熱、言い換えれば、貯湯タンク31内の水を凝縮器5及び吸収器9の冷熱源として利用している。このため、冷暖房回路の動作により貯湯タンク31の底部側の冷水を利用して冷房運転を行うことができ、しかも頂部側の温水を給湯用として利用することができる。
また、本実施形態では、冷房運転開始の指令と同時に各回路の動作を開始させる例を説明したが、これに限られるものではなく、例えば、第1集熱冷媒循環回路は、冷房運転開始の指令と関係なく適宜動作させ、日中の太陽光を集熱して蓄熱タンク51内の液冷媒を予め加熱しておくように制御することにより、冷房運転開始と同時に蓄熱タンク51内の液冷媒の熱を直ちに利用することができるとともに夜間の運転時にも日中蓄熱した熱を利用することができる。また、吸収式ヒートポンプ回路1、冷媒循環回路及び温水循環回路においても、冷房運転の動作と関係なく適宜動作させ、貯湯タンク31内に所定温度の温度成層を形成しておくことにより、冷房運転開始と同時に冷房機能を直ちに発揮させることができ、また、必要なときにいつでも給湯を行うことが可能となるため、利用者の快適性を向上させることができる。
本実施形態においては、日中の余りがちな太陽熱を冷房運転に随時使用するとともに、太陽光から集熱された熱を蓄熱タンク51内に蓄えておき、日没後は蓄熱された熱を吸収式ヒートポンプ回路1における希溶液の加熱に利用する補助熱源とすることができるため、システム全体としての高い成績係数(COP)を実現することができる。
次に、本実施の形態の吸収式冷暖房給湯システムの暖房運転の動作について図3を参照して説明する。図3は図1と同様の装置構成を有するが、運転制御手段により各回路を動作させる制御の内容が冷房運転の場合と相違する。以下の制御では、暖房運転を開始する時点で、蓄熱タンク51及び貯湯タンク31に所定温度まで加熱された液冷媒が予め貯留されているものとする。
ユーザがリモコン141を操作して暖房運転の開始が要求されると、運転制御手段は、循環ポンプ57,69,93の稼働を開始させる(必要であれば、循環ポンプ67を稼働させる)。このとき、運転制御手段の制御の下、流路切替弁61,73は、バイパス管路129,127の流路に液冷媒が流れ込むように流路が制御されており、流路切替弁91は、冷房運転用熱交換器37の流路に液冷媒が流れ込まないように流路が制御されている。また、流路切替弁133は、空冷放熱管131内に液冷媒が流れ込まないように流路が制御されている。なお、暖房運転開始当初は、吸収式ヒートポンプ回路1及び温水循環回路の動作は停止している。
このような制御により、第1集熱冷媒循環回路においては、冷房運転時と同様に運転が開始される。一方、第2集熱冷媒循環回路と冷媒循環回路においては、バイパス管路127、129が開放されることにより、新たな液冷媒の回路(以下、集熱暖房用回路という。)が形成される。すなわち、循環ポンプ69の稼働により、蒸発器用熱交換器19を通過した液冷媒は、バイパス管路129を流れて流路切替弁61を通過した後、排ガス熱交換器65、循環ポンプ67、蓄熱タンク51を経由して加熱された液冷媒は、矢印の方向に流れてバイパス管路127に流入する。そして、流路切替弁73を経由して接続配管71を流れた液冷媒は、集熱用熱交換器35を介して貯湯タンク31内の水と熱交換することにより、底部側の水を加熱した後、接続配管68を流れて蒸発器用熱交換器19に流入する。このとき、吸収式ヒートポンプ回路1は動作を停止しているため、蒸発器用熱交換器19を通過する前後で液冷媒の温度変化は殆ど生じない。
このようにして集熱暖房用回路の運転を行うことにより、貯湯タンク31内では、底部側の水が加熱されることにより、貯湯タンク31内の水温が上昇し、暖房及び給湯に必要な温水が蓄えられる。そして、冷暖房回路においては、暖房運転用熱交換器41を介して貯湯タンク31内の頂部側の温水から熱を受け取り加熱された液冷媒が矢印の方向に流れ、室内機87に循環供給されて室内空気と熱交換することにより、室内を暖房する。
一方、例えば、暖房負荷の増加や給湯で所定量以上の温水が使用されることにより、貯湯タンク31内の温水の残量が不足することを温度センサの検出結果により検知したときには、運転制御手段は、吸収式ヒートポンプ回路1及び温水循環回路の動作を開始させる。これにより、冷房運転と同様、温水循環回路により貯湯タンク31内から抜き出された温水は、凝縮器用熱交換器17及び吸収器用熱交換器21を介して温熱を回収して加熱された後、貯湯タンク31内に供給される。この場合、例えば、貯湯タンク31の中段付近の水温が55℃とすれば頂部側の水温が60℃まで加熱される。なお、蒸発器用熱交換器19では、蒸発器7で発生した冷熱が、集熱暖房用回路を流れる液冷媒により回収されるが、この液冷媒は、排ガス熱交換器65、蓄熱タンク51を経由して加熱されてから集熱用熱交換器35に流入するため、貯湯タンク31の底部を加熱するのに何ら影響はない。
図4は、暖房運転時(給湯時を含む)における吸収式ヒートポンプ回路1の動作を説明するサイクル図であり、図2で説明したように、各数値は蒸気圧、温度及び濃度を表している。暖房運転時では、冷房運転時と比較して蒸気圧、温度及び濃度がいずれも高くなるように調整されている。また、図に示すように、暖房運転時においては、蒸発器7の熱源として太陽熱を利用することにより、サイクル運転の効率向上を実現している。なお、各数値は暖房運転時の状態を示す一例に過ぎないため、これらの数値に限定されるものではない。
このように暖房運転時においては、第1集熱冷媒循環回路と集熱暖房用回路を動作させることにより、吸収式ヒートポンプ回路1を動作させなくても、太陽光を集熱した熱を用いて貯湯タンク31内の水を所定温度まで加熱することができる。また、必要に応じて吸収式ヒートポンプ回路1を動作させることにより、太陽光から集熱した熱と、再生器3の希溶液を加熱源で加熱したときに排出される燃焼排ガスより回収された熱を、貯湯タンク31内の底部側の水の加熱と、吸収式ヒートポンプ回路1において蒸発器7の熱源として利用することができる。このため、吸収式ヒートポンプ回路1においては、再生器3の加熱源で使用する燃料の消費量を低減して二酸化炭素の排出量を少なくし、かつ、吸収式ヒートポンプ回路1の運転効率を向上させることができる。さらに、温水循環回路を動作させ、凝縮器5及び吸収器9から回収した温熱を利用して貯湯タンク31内の頂部側の水を加熱することにより、貯湯タンク31内には、暖房運転及び給湯使用が同時に行われても湯切れを起こさない程度の湯量を貯留しておくことが可能となる。
また、本実施形態では、暖房運転開始の指令と同時に第1集熱冷媒循環回路と集熱暖房用回路の動作を開始させる例を説明したが、これらの回路は、暖房運転開始の指令と関係なく適宜動作させ、日中の太陽光を利用して、蓄熱タンク51内に貯留される液冷媒と貯湯タンク31内に貯留される水を加熱して沸き上げておくように制御するものとする。これにより、吸収式ヒートポンプ回路1の動作時間をできるだけ短縮させながら、暖房運転や給湯運転を行うことができるため、システム全体としての運転効率を高めることができる。また、暖房運転開始と同時に暖房機能を直ちに発揮させることができるとともに、必要なときにいつでも給湯を行うことが可能となるため、利用者の快適性を向上させることができる。
本実施形態においては、日中の太陽熱を暖房運転に随時使用するとともに、集熱した太陽熱を蓄熱タンク51内に蓄えておき、日没後は蓄熱された太陽熱を吸収式ヒートポンプ回路1における蒸発器7の熱源として利用する補助熱源とすることができるため、システム全体としての高い成績係数(COP)を実現することができる。さらに、吸収式ヒートポンプ回路1を運転中は燃焼排ガスより回収された熱を貯湯タンク31内の水の加熱に利用できるため、加熱源におけるガス燃焼効率は、従来の燃焼方式の暖房給湯装置と同等程度の燃焼効率を実現することができる。
加えて、本実施形態においては、日中の太陽熱だけで貯湯タンク31内の水が所定の温度に達すれば、吸収式ヒートポンプ回路1を動作させずに、給湯を行うことができ、給湯温度が低下して設定温度以下になったときには、予め集熱された太陽熱で加熱された貯湯タンク31内の温水を熱源として吸収式ヒートポンプ回路1を運転し、沸き上げを行うことができる。ここで、吸収式ヒートポンプ回路1の熱源となる貯湯タンク31内の温水は低温(例えば30℃)でも十分に活用することができる。例えば、日照量が同じ場合に集熱温度が30℃と60℃の集熱効率を比較すると、30℃の集熱効率が0.7、60℃の集熱効率が0.45となり、30℃の方が1.6倍高効率となることから、その分、集熱器45の小面積化を実現することができる。
次に、本実施形態の吸収式冷暖房給湯システムの給湯運転の動作について図5を参照して説明する。図5は図1と同様の装置構成を有している。給湯運転では、冷房運転又は暖房運転とそれぞれ同時に行うことが可能になっており、以下の制御においては、給湯運転の開始時点で、冷房運転又は暖房運転で説明した動作により、貯湯タンク31内に所定温度まで加熱された温水が予め貯留されているものする。ここで、給湯運転としては、第1の給湯経路を介した端末給湯運転と、第2の給湯経路を介した湯張り運転に分けて説明する。また、図において、第1の給湯経路における水の流れを実線の矢印で示し、第2の給湯経路における水の流れを点線の矢印で示す。
端末給湯運転では、ユーザが給湯端末の蛇口等を開放することにより、第1の給湯経路を介して給湯端末33から温水が給湯される。すなわち、給水源から供給された水が接続配管97を介して貯湯タンク31の底部に供給されることにより、貯湯タンク31の頂部から接続配管99を通じて温水が流出する。この温水は、混合弁101において接続配管95を通じて流入した水と所定の混合比率で混合されて所定の水温に調整された後、給湯配管103を流れて給湯端末33から給湯される。ここで、混合弁101の混合比率は、ユーザの設定により運転制御手段が混合弁101の動作を制御することにより調整される。また、混合弁109は、接続配管99から温水が接続配管107を介して流れ込まないように弁が閉じた状態に調整されている。
湯張り運転では、ユーザが図示しないリモコンを操作して湯張り運転の開始が要求されると、第2の給湯経路を介して浴槽115内に温水が給湯される。すなわち、端末給湯運転と同様に、貯湯タンク31の頂部から接続配管99を通じて流出された温水は、接続配管107を流れて混合弁109に流入し、ここにおいて、接続配管95、接続配管105を通じて流入した水と所定の混合比率で混合されて所定の水温に調整された後、接続配管111、風呂出口接続配管113を介して浴槽115内に給湯される。ここで、混合弁109の混合比率は、ユーザの設定により運転制御手段が混合弁109の動作を制御することにより調整される。また、混合弁101は、接続配管99を流れた温水が接続配管103に流れ込まないように該流路が閉じた状態に調整されている。
なお、端末給湯運転と湯張り運転は、混合弁101、109の動作を制御することにより、端末給湯運転と湯張り運転を同時に行うことも可能になっている。
次に、本実施の形態の吸収式冷暖房給湯システムの風呂追焚き運転の動作について図6を参照して説明する。図6は図1と同様の装置構成を有しており、風呂追焚き運転では、冷房運転及び暖房運転とそれぞれ同時に行うことが可能になっている。以下の制御においては、風呂追焚き運転の開始時点で、貯湯タンク31内に所定温度まで加熱された温水が予め貯留されているものする。
風呂追焚き運転では、ユーザが図示しないリモコンを操作して風呂追焚き運転の開始が要求されると、運転制御手段は、循環ポンプ117の稼働を開始させる。これにより、風呂追焚き回路において浴槽水が循環を開始する。すなわち、浴槽水は、矢印の方向に流れ、追焚き用熱交換器43を介して貯湯タンク31内の頂部側の温水と熱交換されて加熱された後、浴槽115内に戻される。ここで、流路切替弁119は、浴槽115内から抜き出された浴槽水が風呂出口接続配管113を流れて風呂熱回収用熱交換器39に流れ込まないように流路が制御されている。このように浴槽水を風呂追焚き回路内で循環させることにより、浴槽115内に貯留される浴槽水の水温を設定温度まで上昇させることができる。
次に、本実施の形態の吸収式冷暖房給湯システムの風呂熱回収運転の動作について図7を参照して説明する。図7は図1と同様の装置構成を有している。風呂熱回収運転は、使用済みの浴槽水の熱を有効利用して貯湯タンク31内の底部の水温を上昇させることを目的とし、例えば、暖房運転の開始前や暖房運転中等に行われる。以下の制御においては、風呂熱回収運転の開始時点で、浴槽115内に所定温度に加熱された浴槽水が貯留されているものとする。
風呂熱回収運転は、例えば、ユーザが図示しないリモコンを操作して風呂熱回収運転の開始が要求された場合や、浴槽水及び貯湯タンク31内の水の水温を温度センサが検知した結果により運転制御手段が必要と判断した場合、運転制御手段は、循環ポンプ117を稼働させる。これにより、風呂熱回収回路において浴槽水が循環を開始する。すなわち、浴槽水は、矢印の方向に流れ、風呂熱回収用熱交換器39を介して貯湯タンク31内の底部側の水と熱交換して放熱された後、浴槽115内に戻される。このように浴槽水を風呂熱回収回路で循環させることにより、貯湯タンク31内の水に浴槽水の熱を回収させることができるため、使用済の浴槽水の熱を有効に利用することができ、システム全体の運転効率を向上させることができる。
次に、本実施の形態の吸収式冷暖房給湯システムの高温沸き上げ運転の動作について図8を参照して説明する。図8は図1と同様の装置構成を有している。この高温沸き上げ運転は、特別に高温給湯(例えば90℃)の要求があった場合に、吸収式ヒートポンプ回路1をボイラー運転するための運転である。このボイラー運転では、吸収式ヒートポンプ回路1において加熱源により再生器3の希溶液を加熱する加熱温度を例えば暖房運転時の加熱温度よりも高い所定温度に設定することにより、高温の冷媒蒸気を発生させ、この冷媒蒸気を凝縮器5及び吸収器9内に充満させるようにしている。
高温沸き上げ運転では、ユーザが図示しないリモコンを操作して高温沸き上げ運転の開始が要求された場合、運転制御手段は、再生器3の加熱温度を調整するとともに、循環ポンプ77を稼働させ、温水循環回路を動作させる。そして、開閉弁139が開くように開閉弁139の動作を制御することにより、バイパス管路137を通じて凝縮器5と吸収器9とを連通させる。これにより、凝縮器5内に充満する高温の冷媒蒸気はバイパス管路137を通じて矢印の方向に流れて吸収器9内に導入され、凝縮器5内と吸収器9内の温度が略均一になる。一方、温水循環回路においては、貯湯タンク31内から抜き出された温水(例えば55℃)は、矢印の方向に流れて凝縮器用熱交換器17及び吸収器用熱交換器21を介して高温の熱を回収し、高温(例えば90℃)に加熱された後、貯湯タンク31内に戻される。したがって、貯湯タンク31内の頂部側には、高温(例えば90℃)の湯が貯留されるため、高温給湯が可能になる。
本実施形態の吸収式冷暖房システムは、筺体内に収容されて構成される。この筺体内には、貯湯タンク31、蓄熱タンク51、運転制御手段を動作させる回路を含む制御盤、吸収式ヒートポンプ回路1を含むヒートポンプユニット、各循環ポンプや各制御弁等が含まれる機器ユニット等が収容されるようになっている。
図9は、これらの各ユニットを1つの筺体143内に収容させた状態の一例を示す図である。図に示すように、筺体143内には、縦長の蓄熱タンク51及び貯湯タンク31が上下方向に積み上げられ、その両側には機器ユニット145、制御盤147、ヒートポンプユニット149が配置されて収容される。これによれば、すべてのユニットが共通の筺体143内に収められているため、現場施工の省力化を図ることができる。
図10は、各ユニットを2つの筺体に分けて収容させた状態の一例を示す図である。図に示すように、筺体151内には、下方に蓄熱タンク51、制御盤147を配置し、その上にヒートポンプユニット149を配置した状態で収容される。また、筺体153内には、上下方向に渡って縦長の貯湯タンク31が配置され、その横に機器ユニット145、制御盤147が上下方向に配置された状態で収容される。これによれば、筺体を2つに分けることにより、各筺体の重量を軽量化するとともにコンパクト化を図ることができるため、レイアウトの設計自由度を向上させることができる。