JP2011237793A - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い光沢性が確保されながら、画像ズレの発生が抑制される画像形成方法の提供。
【解決手段】転写工程と定着工程とを有する画像形成方法において、定着工程は加熱部材および加圧部材の少なくとも一方が複数のローラに張架された無端状のベルトよりなり、加熱部材と加圧部材とが互いに圧接されることにより定着ニップが形成される定着装置を用いて行われ、トナー像を形成するトナーは結着樹脂を含有するトナー粒子よりなり、トナー粒子断面の原子間力顕微鏡による弾性像において、結着樹脂がドメインを構成する高弾性樹脂およびマトリクスを構成する低弾性樹脂よりなるドメイン・マトリクス構造を有し、個々のドメインの長径Lと短径Wとの比の平均値が1.5〜5.0の範囲内にあって、Lが60〜500nmの範囲内にあるドメインが80個数%以上存在し、かつ、Wが45〜100nmの範囲内にあるドメインが80個数%以上存在することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、トナーを用いた画像形成方法に関する。
従来、電子写真方式による複写機やプリンター、ファクシミリなどの画像形成装置において、未定着トナー像を加熱定着する定着装置としては、種々の方式のものが提案されている。係る定着装置としては、例えば、加熱部材または加圧部材に定着ベルトを圧接させるベルトニップ方式のものがある。
ベルトニップ方式による定着装置としては、例えば、特許文献1に開示されているように、回転可能に支持された加熱部材と、外周面が加熱部材に押圧される無端状のベルトと、この無端状のベルトの内周面に当接され、加熱部材の外周面に沿って無端状のベルトを介して加熱部材を加圧する圧力付与部材とよりなる構成のものがある。
このようなベルトニップ方式による定着装置においては、十分なニップ通過時間、すなわち未定着トナー像と加熱部材との接触時間が十分に確保されるため、高い光沢性を有する画像を形成することができる。
しかしながら、このようなベルトニップ方式による定着装置は、無端状のベルトの内周面に、上面がゴムなどの弾性層により形成された圧力付与部材が当接されて配置されているので、無端状のベルトと圧力付与部材との摺動抵抗が大きくなり、回転動作が不安定となることによって、画像ズレが発生するという問題がある。特に、トナー付着量が多いベタ画像を形成する場合においては、画像ズレが生じると、ミクロなしわが寄り、目視では光沢ムラとして認識されることとなる。
そこで、このような問題を解決するため、ガラス繊維製のシートにフッ素樹脂(PFA)をコーティングしたシート状部材(以下、「摺動シート」という。)で圧力付与部材の上面を被覆することにより、無端状のベルトの内周面の摩耗を抑制する方法や、表面に凹凸が施された摺動シートで圧力付与部材の表面を被覆することにより、接触面積を小さくして摩擦を軽減する方法(特許文献2参照)が開示されているが、このような方法によっては、定着装置の構成が複雑となり、ベルトや摺動シートの劣化に伴って交換サイクルが短縮するという問題がある。
特開2004−109878号公報 特開2002−148970号公報
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、ベルトニップ方式による定着装置を用いる場合において、形成される画像に高い光沢性が確保されながら、画像ズレの発生が抑制される画像形成方法を提供することにある。
本発明の画像形成方法は、像担持体上に形成されたトナー像を転写材に転写する転写工程と、
前記転写材上に転写されたトナー像を定着する定着工程とを有する画像形成方法において、
前記定着工程は、加熱部材および加圧部材の少なくとも一方が複数のローラに張架された無端状のベルトよりなり、当該加熱部材と加圧部材とが互いに圧接されることにより定着ニップが形成される定着装置を用いて行われ、
前記トナー像を形成するトナーは、結着樹脂を含有するトナー粒子よりなり、
前記トナー粒子の断面についての原子間力顕微鏡(AFM)による弾性像(以下、「AFM弾性像」という。)において、
前記結着樹脂が、ドメインを構成する高弾性樹脂およびマトリクスを構成する低弾性樹脂よりなるドメイン・マトリクス構造を有し、
個々のドメインの長径Lと短径Wとの比(L/W)の算術平均値が1.5〜5.0の範囲内にあって、
当該長径Lが60〜500nmの範囲内にあるドメインが80個数%以上存在し、かつ、当該短径Wが45〜100nmの範囲内にあるドメインが80個数%以上存在することを特徴とする。
本発明の画像形成方法においては、前記加熱部材が回転ローラよりなるものであり、
前記加圧部材が、複数のローラに張架された無端状のベルトよりなるものであって、当該無端状のベルトの内周面に、当該無端状のベルトを介して前記加熱部材に加圧する圧力付与部材を有するものであることが好ましい。
本発明の画像形成方法においては、前記定着ニップのニップ長が20〜50mmであり、
前記加熱部材の表面温度T1 が130〜170℃であり、
前記加圧部材の表面温度T2 が90〜110℃であり、
前記加熱部材の表面温度T1 と前記加圧部材の表面温度T2 との差(T1 −T2 )が40〜70℃であることが好ましい。
本発明の画像形成方法においては、前記無端状のベルトが、ポリイミドよりなる耐熱弾性樹脂により形成された基体と、この基体の外表面を被覆するシリコーンゴムよりなる弾性層と、この弾性層を被覆するフッ素樹脂よりなる離型層とにより構成されることが好ましい。
本発明の画像形成方法においては、前記定着装置が、ファンと当該ファンから送風される空気を所定の方向に導くダクトとにより構成される冷却手段を具えるものであることが好ましい。
本発明の画像形成方法においては、前記トナーが、軟化点が90〜110℃のものであることが好ましい。
本発明の画像形成方法においては、前記トナーが、軟化点が95〜105℃のものであることが好ましい。
本発明の画像形成方法においては、前記AFMによる弾性像において、個々のドメインの面積Sの算術平均値が0.005〜0.05μm2 の範囲内にあることが好ましい。
本発明の画像形成方法においては、前記ドメインを構成する高弾性樹脂が、100℃における貯蔵弾性率が4.0×105 〜1.0×108 dyn/cm2 のものであることが好ましい。
本発明の画像形成方法においては、前記マトリクスを構成する低弾性樹脂が、100℃における貯蔵弾性率が1.0×102 〜1.0×104 dyn/cm2 のものであることが好ましい。
本発明者らは、ベルトニップ方式による定着装置を用いる場合において、高い光沢性の確保および画像ズレの防止を可能とするため、それぞれの効果について機能分離することを検討し、高光沢性の観点から低軟化点・低弾性の樹脂と、画像ズレ防止の観点から高弾性の樹脂とが複合化されてなるトナーの作製に至ったが、従来の技術を用いたトナー粒子構造の制御では十分な効果が得られなかった。そこで、ドメイン・マトリクス構造の樹脂の配向方法によりトナーを作製し、球状の形状を有するドメインの大きさを可視光の波長以下の大きさとすることにより、高い光沢性の確保は可能となったが、画像ズレ防止については満足できるものではなかった。
そこで、本発明者らは、その形状がいわば略棒状ともいえる本発明において規定する形状(以下、「特定形状」という。)を有するドメインが導入された結着樹脂によるトナーを用いることにより、本発明の課題を解決するに至った。
本発明の画像形成方法によれば、ベルトニップ方式による定着装置を用いる場合において、特定のトナーを用いることにより、形成される画像に高い光沢性が確保されながら、画像ズレの発生が抑制される。
ベルトニップ方式による定着装置を用いる場合において、形成される画像に高い光沢性が確保されながら、画像ズレの発生が抑制される理由は、以下のように推察される。
一般的に、異なる熱物性を有する複数の樹脂が混在する系では、樹脂間の相互作用により、系全体ではそれらが平均化された熱物性を示す。しかしながら、本発明に係る結着樹脂において、マトリクスを構成する低弾性樹脂(以下、「マトリクス樹脂」ともいう。)と、ドメインを構成する高弾性樹脂(以下、「ドメイン樹脂」ともいう。)との熱物性が大きく異なることから、定着温度の低温側においては、マトリクス樹脂とドメイン樹脂との相互作用がなく、また、低軟化点を有するマトリクス樹脂のみが溶融してドメイン樹脂は溶融に関与しないために、当該ドメイン樹脂がトナーの溶融変形の妨げにならないと考えられる。
また、画像ズレの発生原因のひとつに、定着工程において、定着ニップ部内の溶融トナーの弾性が低下し、定着部材と転写材との間に摺動ズレが発生することにより、画像表面にミクロな破断が発生し、しわが残留することが挙げられる。本発明の画像形成方法においては、ドメインが特定形状を有する結着樹脂によるトナーを用いることにより、定着工程において、トナー像を形成するトナーの転写材に対するグリップ力が増大するため、画像ズレの発生が抑制されると考えられる。
さらに、形成される画像に高い光沢性が確保される理由は、ドメインが可視光の波長以下の特定範囲の大きさであることにより、形成される画像の表面が可視光の乱反射の発生しない粗さに抑制されるからと考えられる。
本発明の画像形成方法に係るトナーにおけるトナー粒子の断面の一例を示すAFMによるAFM弾性像である。 本発明の画像形成方法に係るトナーにおけるドメインの短径Wを説明するための模式図である。 本発明の画像形成方法に用いられる定着装置の構成の一例を示す説明用断面図である。 本発明の画像形成方法に用いられる定着装置の構成の他の例を示す説明用断面図である。 本発明の画像形成方法に用いられる定着装置の構成のさらに他の例を示す説明用断面図である。 本発明の画像形成方法に用いられる定着装置の構成のさらに他の例を示す説明用断面図である。 本発明の画像形成方法に用いられる定着装置の構成のさらに他の例を示す説明用断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
〔画像形成方法〕
本発明の画像形成方法は、少なくとも、像担持体上に形成されたトナー像を転写材に転写する転写工程と、転写材上に転写されたトナー像を定着する定着工程とを有し、具体的には、例えば下記(1)〜(5)の工程を有する。
(1)像担持体の表面を帯電する帯電工程。
(2)露光することにより像担持体上に静電潜像を形成する露光工程。
(3)像担持体上に形成された静電潜像をトナーが含有される現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程。
(4)像担持体上に形成されたトナー像を転写材に転写する転写工程。
(5)転写材上に転写されたトナー像を定着する定着工程。
上記定着工程(5)においては、加熱部材および加圧部材の少なくとも一方が複数のローラに張架された無端状のベルトよりなり、加熱部材と加圧部材とが互いに圧接されることにより定着ニップが形成されるベルトニップ方式による定着装置を用いて行われる。
そして、トナー像を形成するトナーは、結着樹脂を含有するトナー粒子よりなり、トナー粒子の断面についての原子間力顕微鏡(AFM)によるAFM弾性像において、結着樹脂が、ドメインを構成する高弾性樹脂およびマトリクスを構成する低弾性樹脂よりなるドメイン・マトリクス構造を有し、個々のドメインの長径Lと短径Wとの比(L/W)の算術平均値が1.5〜5.0の範囲内にあって、当該長径Lが60〜500nmの範囲内にあるドメインが80個数%以上存在し、かつ、当該短径Wが45〜100nmの範囲内にあるドメインが80個数%以上存在するものである。
〔トナー〕
本発明の画像形成方法に用いられるトナーは、ドメイン・マトリクス構造の結着樹脂を含有するトナー粒子よりなるものである。
本発明に係るトナーは、トナー粒子中に結着樹脂の他に、必要に応じて着色剤、離型剤や荷電制御剤などの内添剤が含有されていてもよい。
本発明に係るトナーのガラス転移点は、25〜55℃であることが好ましく、より好ましくは30〜45℃である。
トナーのガラス転移点については、示差走査カロリメーター「Diamond DSC」(パーキンエルマー社製)を用いて測定することができる。具体的には、トナー(トナー粒子)4.5〜5.0mgを小数点以下2桁まで精秤し、アルミニウム製パンに封入して、DSC−7サンプルホルダーにセットする。リファレンスは、空のアルミニウム製パンを使用し、測定温度0〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分にて、Heat−Cool−Heatの温度制御を行い、その2nd.Heatにおけるデータを基に解析を行う。ガラス転移点は、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1の吸熱ピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線との交点の値とする。
本発明に係るトナーの軟化点は、90〜110℃であることが好ましく、より好ましくは95〜105℃である。
トナーの軟化点が過度に低い場合においては、画像ズレの発生が十分に抑制されなくなるおそれがあり、一方、トナーの軟化点が過度に高い場合においては、形成される画像が高い光沢性を有するものとならないおそれがある。
トナーの軟化点については、具体的には、温度20±1℃、湿度50±5%RHの環境下において、トナー(トナー粒子)1.1gをシャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、成型器「SSP−10A」(島津製作所製)によって3820kg/cm2 の力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作成し、次いで、この成型サンプルを、温度24±5℃、湿度50±20%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒間、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット温度Toffsetをトナーの軟化点として、測定することができる。
本発明に係るトナーを構成するトナー粒子は、その体積基準のメディアン径が3〜12μmのものとされ、より好ましくは4〜9μmのものとされる。
トナー粒子の体積基準のメディアン径が上記範囲であることにより、高画質の画像を形成することができる。
トナー粒子の体積基準のメディアン径は、「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステムを接続した測定装置を用いて測定・算出することができる。
本発明に係るトナーを構成するトナー粒子は、転写効率の向上の観点から、平均円形度が0.930〜1.000であることが好ましく、より好ましくは0.950〜0.995である。
トナー粒子の平均円形度については、「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて測定することができる。具体的には、トナー(トナー粒子)を界面活性剤入り水溶液にてなじませ、超音波分散処理を1分間行って分散させた後、「FPIA−2100」(Sysmex社製)により、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3,000〜10,000個の適正濃度で撮影を行い、個々のトナー粒子について下記式(T)に従って円形度を算出し、各トナー粒子の円形度を加算し、全トナー粒子数で除することにより算出される。
式(T):円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子役影像の周囲長)
〔結着樹脂〕
本発明に係るトナーを構成するトナー粒子に含有される結着樹脂は、原子間力顕微鏡(AFM)によるAFM弾性像において、ドメインを構成する高弾性樹脂およびマトリクスを構成する低弾性樹脂よりなるドメイン・マトリクス構造を有するものである。
本発明において、ドメイン・マトリクス構造とは、低弾性樹脂よりなる連続したマトリクス相中に、マトリクスを構成する樹脂よりも高い弾性を有する高弾性樹脂よりなる領域、すなわちドメインが形成されている構造のものをいう。
本発明に係るドメイン・マトリクス構造の結着樹脂は、具体的には図1に示すように、ドメイン樹脂よりなる特定形状を有するドメイン(明部)が、マトリクス樹脂よりなるマトリクス(暗部)中に分散された状態とされる。
ドメイン・マトリクス構造の結着樹脂については、トナー粒子の断面について原子間力顕微鏡(AFM)「SPM(SPI3800N)」(セイコーインスツルメンツ社製)を用いて確認することができる。
具体的には、温度20℃、湿度50%RHの環境下において調湿したトナー粒子を紫外線硬化性樹脂に包埋して24時間硬化した後、ウルトラミクロトーム「MT−7」(RMC社製)で切削し、観察表面を切り出してサンプルを作製する。このサンプルについて原子間力顕微鏡(AFM)「SPM(SPI3800N)」、カンチレバー「SN−AF01」(以上、セイコーインスツルメンツ社製)を室温にて用いて、2μm四方の領域をマイクロ粘弾性モードで走査させて観察する。なお、ペレット成形後に加熱保持することにより、トナー粒子を融着させて粒子間の空隙を埋めることができ、これにより、凹凸起因による測定誤差を抑制することができる。
図1に示すAFM弾性像においては、ドメイン・マトリクス構造の結着樹脂の分散状態を確認するため、トナー粒子は着色剤および離型剤などの内添剤が含有されていないものを用いた。なお、本発明に係るトナー粒子中において、着色剤および離型剤などの内添剤の影響を受けない領域においては、図1に示すAFM弾性像と同様のAFM弾性像を観察することができる。
(ドメイン)
ドメイン・マトリクス構造の結着樹脂を構成するドメイン樹脂としては、特に限定されないが、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。ドメインの形状を制御することが容易であることから、(メタ)アクリル酸エステル共重合体が好ましく、特に、メタクリル酸メチル、ブチルアクリレートおよびイタコン酸の共重合体が好ましい。
ドメイン樹脂の100℃における貯蔵弾性率は、高い光沢性の確保および画像ズレの防止の観点から、4.0×105 〜1.0×108 dyn/cm2 であることが好ましい。
ドメイン樹脂の100℃における貯蔵弾性率については、以下に示す測定装置、条件および手順により測定、算出することができる。
・測定装置:「MR−500ソリキッドメータ」(レオロジ社製)
・測定条件:
周波数;1Hz
測定モード;温度分散
測定治具;φ0.997cmのパラレルプレート
・測定手順:
(1)温度20±1℃、湿度50±5%RH環境下において、ドメイン樹脂(樹脂粒子)0.6gをシャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、成型器「SSP−10A」(島津製作所製)にて3820kg/cm2 の力で30秒間加圧し、直径1cm、高さ5〜6mmの円柱型のトナーペレットを作製する。
(2)トナーペレットを測定装置に装着したパラレルプレートに装填する。
(3)測定部温度をドメイン樹脂の軟化点−50℃にした後、パラレルプレートギャップを3mmに調整する。
(4)測定部温度を測定開始温度35℃まで冷却した後、周波数1Hzの正弦波振動を加えながら、測定部を毎分2℃の昇温速度で200℃まで昇温し、所定の温度(100℃)の貯蔵弾性率を測定する。歪み角は、トルクの値(R.Tolq)が1%以下にならないように0.02〜5degの範囲内で変化させる。
なお、ドメイン樹脂の貯蔵弾性率については、当該ドメイン樹脂の樹脂組成や分子量などを調整することにより、制御することができる。そして、ドメイン樹脂の分子量については、後述するトナーの製造方法において、ドメイン樹脂よりなる樹脂粒子Bの分散液Bの調製工程(工程(b))で用いられる連鎖移動剤の量を調整することにより、制御することができる。
上述した方法により得られる2μm四方のAFM弾性像において、個々のドメインの長径Lと短径Wとの比(L/W)の算術平均値は1.5〜5.0の範囲内とされ、より好ましくは1.7〜4.2の範囲内とされる。
本発明において、ドメインの長径Lとは、上述した方法により得られる2μm四方のAFM弾性像において、個々のドメインについて輪郭線を描き(図1参照)、この輪郭線を二本の平行線で挟んだとき、二本の平行線の距離が最大となる値をいい、ドメインの短径Wとは、長径Lの垂直二等分線とドメインの輪郭線が交わる二点の距離をいう(図2(a)参照)。ただし、短径Wに相当する線分が複数存在する場合においては、最も小さい二点間の距離をいう。具体的には、図2(b)に示すように、長径Lの垂直二等分線とドメインの輪郭線が4点で交わり、W1 とW2 とが存在する場合、W1 およびW2 のいずれか小さい値とする。
なお、図1に示すAFM弾性像は、ドメインの輪郭を描く際に、同一範囲の高さ像を参考にして高さ信号に由来するノイズを削除した状態のものを示す。
また、上述した方法により得られる2μm四方のAFM弾性像において、長径Lが60〜500nmの範囲内にあるドメインが80個数%以上存在し、かつ、短径Wが45〜100nmの範囲内にあるドメインが80個数%以上存在するものとされる。
2μm四方のAFM弾性像において、長径Lおよび短径Wが上記範囲を満たすドメインが各々80個数%以上存在することにより、形成される画像に高い光沢性が確保されるy。
長径Lおよび短径Wが上記範囲を満たすドメインが各々80個数%未満である場合においては、形成される画像に高い光沢性が十分に確保されず、また、十分な画像ズレに対する耐性が得られない。具体的には、ドメインの長径Lが500nmを超える、または、短径Wが100nmを超える場合においては、形成される画像に高い光沢性が十分に確保されず、また、十分な画像ズレに対する耐性が得られない。一方、ドメインの長径Lが60nm未満、または、短径Wが45nm未満である場合においては、十分な画像ズレに対する耐性が得られない。
なお、ドメインの短径Wは、後述するトナーの製造方法(工程(b))において、ドメイン樹脂よりなる樹脂粒子Bの粒径を調整することにより制御することができる。
ここで、樹脂粒子Bの粒径は、樹脂粒子Bの製造時、好ましくは乳化重合時において添加する界面活性剤の量を調整することにより制御することができる。
また、ドメインの長径Lは、後述するトナーの製造方法(工程(d))において、マトリクス樹脂よりなる樹脂粒子Aの添加質量Mとドメイン樹脂よりなる樹脂粒子Bの添加質量Dとの比(M/D)を調整することにより制御することができる。具体的には、その比(M/D)を下記関係式(1)の範囲内で調整することが好ましい。
関係式(1):70/30≦M/D≦95/5
さらに、上述した方法により得られる2μm四方のAFM弾性像において、個々のドメインの面積Sの算術平均値は、0.005〜0.05μm2 の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.05μm2 の範囲内にあることである。
個々のドメインの面積Sの算術平均値が、上記範囲にあることにより、マトリクス中にドメインが適度な大きさで分散されることとなり、形成される画像に高い光沢性を確保しながら、画像ズレの発生が抑制される。
ドメインの面積Sの算術平均値が0.005μm2 未満である場合においては、十分な画像ズレに対する耐性が得られないおそれがある。一方、ドメインの面積Sの算術平均値が0.05μm2 を超える場合においては、高い光沢性を有する画像を高い再現性をもって形成することができないおそれがある。
ドメインの面積Sについては、下記数式(1)により算出される。
数式(1):面積S(μm2 )=(L×W)−{W2 −π(1/2W)2 }
ドメイン樹脂のガラス転移点は、ドメインの長径Lおよび短径Wを制御する観点から、60〜80℃とされ、より好ましくは63〜68℃とされる。
ドメイン樹脂のガラス転移点については、示差走査カロリメーター「Diamond DSC」(パーキンエルマー社製)を用いて測定することができる。具体的には、ドメイン樹脂(ドメイン樹脂による樹脂粒子)4.5〜5.0mgを小数点以下2桁まで精秤し、アルミニウム製パンに封入して、DSC−7サンプルホルダーにセットする。リファレンスは、空のアルミニウム製パンを使用し、測定温度0〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分にて、Heat−Cool−Heatの温度制御を行い、その2nd.Heatにおけるデータを基に解析を行う。ガラス転移点は、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1の吸熱ピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線との交点の値とする。
ドメイン樹脂の軟化点は、150〜200℃とされ、より好ましくは170〜190℃とされる。
ドメイン樹脂の軟化点が上記範囲であることにより、耐ホットオフセット性を確保することができる。
ドメイン樹脂の軟化点については、具体的には、温度20±1℃、湿度50±5%RHの環境下において、ドメイン樹脂(ドメイン樹脂による樹脂粒子)1.1gをシャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、成型器「SSP−10A」(島津製作所製)によって3820kg/cm2 の力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作成し、次いで、この成型サンプルを、温度24±5℃、湿度50±20%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒間、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット温度Toffsetをトナーの軟化点として、測定することができる。
ドメイン樹脂の標準ポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)は、十分な画像ズレ耐性を得る観点から、10,000〜350,000であることが好ましく、より好ましくは250,000〜300,000である。
標準ポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)については、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。具体的には、装置「HLC−8220」(東ソー社製)およびカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2mL/minで流し、測定試料としてドメイン樹脂(ドメイン樹脂による樹脂粒子)を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mLになるようにテトラヒドロフランに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、測定試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出される。検量線測定用のポリスチレンとしては10点用いる。
ドメイン樹脂の含有割合は、結着樹脂全体に対して2.5〜30質量%が好ましく、より好ましくは2.5〜15質量%である。
ドメイン樹脂の含有割合が、上記範囲内であることにより、形成される画像に高い光沢性が十分に確保されながら、画像ズレの発生が十分に抑制される。
(マトリクス)
ドメイン・マトリクス構造の結着樹脂を構成するマトリクス樹脂としては、特に限定されず、トナーとして必要とされる主な性能(例えば、光沢性や定着性など)により適宜のものを用いることができるが、例えば、ポリエステル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂などが挙げられる。
マトリクス樹脂の100℃における貯蔵弾性率は、1.0×102 〜1.0×104 dyn/cm2 であることが好ましい。
ドメイン樹脂の100℃における貯蔵弾性率が1.0×102 dyn/cm2 未満である場合においては、十分な画像ズレに対する耐性が得られないおそれがある。一方、ドメイン樹脂の100℃における貯蔵弾性率が1.0×104 dyn/cm2 を超える場合においては、高い光沢性を有する画像を高い再現性をもって形成することができないおそれがある。
マトリクス樹脂のガラス転移点は、低温定着性を確保する観点から、25〜50℃とされ、より好ましくは30〜40℃とされる。
マトリクス樹脂の軟化点は、高い光沢性を確保する観点から、80〜120℃とされ、より好ましくは90〜100℃とされる。
マトリクス樹脂の標準ポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)は、十分な画像ズレ耐性を得る観点から、10,000〜30,000であることが好ましく、より好ましくは15,000〜25,000である。
なお、マトリクス樹脂の貯蔵弾性率、ガラス転移点、軟化点および質量平均分子量(Mw)の測定方法については、上述したドメイン樹脂の貯蔵弾性率、ガラス転移点、軟化点および質量平均分子量(Mw)の測定方法において、測定試料を各々マトリクス樹脂(マトリクス樹脂による樹脂粒子)に変更することの他は同様にして測定されるものである。
本発明に係るトナーにおいて、結着樹脂は、ドメインを構成する高弾性樹脂およびマトリクスを構成する低弾性樹脂よりなるものであるが、これら高弾性樹脂および低弾性樹脂以外の公知の樹脂を1種以上含有するものとすることもできる。
〔着色剤〕
本発明に係るトナーを構成するトナー粒子に用いられる着色剤としては、一般に知られている染料および顔料を用いることができる。
黒色のトナーを得るための着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、染料、非磁性酸化鉄を含む無機顔料などの公知の種々のものを任意に使用することができる。
カラーのトナーを得るための着色剤としては、染料、有機顔料などの公知の種々のものを任意に使用することができる。
各色のトナーを得るための着色剤は、各色について、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
着色剤の含有割合は、トナー中に1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量%である。着色剤の含有割合がトナー中に1質量%未満である場合は、トナーが着色力の不足したものとなるおそれがあり、一方、着色剤の含有割合がトナー中の10質量%を超える場合は、着色剤の遊離やキャリアなどへの付着が発生し、帯電性に影響を与える場合がある。
〔離型剤〕
本発明に係るトナーを構成するトナー粒子に用いられる離型剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックスなどを挙げることができる。
トナー粒子中における離型剤の含有割合としては、結着樹脂100質量部に対して通常0.5〜25質量部とされ、好ましくは3〜15質量部とされる。
〔荷電制御剤〕
本発明に係るトナーを構成するトナー粒子に用いられる荷電制御剤としては、金属錯体、アンモニウム塩、アリックスアレーンなどの公知の種々の化合物を用いることができる。
トナー粒子中における荷電制御剤の含有割合としては、結着樹脂100質量部に対して通常0.1〜10質量部とされ、好ましくは0.5〜5質量部とされる。
〔外添剤〕
本発明に係るトナーを構成するトナー粒子は、そのままトナーとして用いることができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー粒子に、いわゆる流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加した状態で使用してもよい。
流動化剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化銅、酸化鉛、酸化アンチモン、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、チタン酸バリウム、フェライト、ベンガラ、フッ化マグネシウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ケイ素、窒化ジルコニウム、マグネタイト、ステアリン酸マグネシウムなどよりなる無機微粒子などが挙げられる。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、トナー粒子の表面への分散性向上、環境安定性向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
クリーニング助剤としては、例えば、ポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子などが挙げられる。
外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
これらの外添剤の添加量は、その合計の添加量がトナー中に好ましくは0.1〜20質量%とされる。
〔現像剤〕
本発明に係るトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる分散型キャリアなど用いてもよい。
キャリアの体積基準のメディアン径としては15〜100μmであることが好ましく、更に好ましくは20〜80μmとされる。キャリアの体積基準のメディアン径としては、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
好ましいキャリアとしては、磁性粒子の表面が樹脂により被覆されている樹脂被覆キャリア、樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアを挙げることができる。樹脂被覆キャリアを構成する樹脂としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂、フッ素含有重合体系樹脂などが挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
(トナーの製造方法)
本発明に係るトナーを製造する方法としては、マトリクス樹脂よりなるマトリクス中にドメイン樹脂よりなる特定形状を有するドメインが分散された状態の結着樹脂を含有するトナー粒子が得られる方法であれば、特に限定されないが、マトリクス樹脂に対してドメイン樹脂を容易に導入することができることから、乳化重合凝集法、ミニエマルション重合凝集法などが好ましい。
本発明のトナーの製造方法として、乳化重合凝集法を用いた場合の具体的な工程(a)〜(h)を以下に示す。
(a)マトリクスを構成する低弾性樹脂よりなる樹脂粒子Aの分散液Aを調製する工程。
(b)ドメインを構成する高弾性樹脂よりなる、ガラス転移点が60〜80℃、軟化点が150〜200℃の樹脂粒子Bの分散液Bを調製する工程。
(c)着色剤の微粒子(以下、「着色剤微粒子」ともいう。)の分散液Xを調製する工程。
(d)水系媒体中において、分散液A、分散液Bおよび分散液Xを混合し、樹脂粒子A、樹脂粒子Bおよび着色剤微粒子を凝集・融着させて凝集粒子を形成する工程。
(e)シェル層用樹脂の粒子(以下、「シェル層用樹脂粒子」ともいう。)を添加し、シェル層を形成する工程。
(f)樹脂粒子Aの軟化点近傍であって、樹脂粒子Bの軟化点未満の温度条件下において、撹拌を継続し、ドメイン・マトリクス構造を制御して凝集粒子を熟成する工程。
(g)凝集粒子の分散系(水系媒体)から凝集粒子を濾別し、当該凝集粒子から界面活性剤などを除去する工程。
(h)洗浄処理された凝集粒子を乾燥し、トナー粒子を得る工程。
から構成される。
なお、工程(e)のシェル層を形成する工程は必要に応じて行うことができる。
本発明において、「水系媒体」とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランを例示することができ、得られる樹脂を溶解しないアルコール系有機溶媒が好ましい。
<工程(a)>
樹脂粒子Aは、ラジカル重合性単量体を原料とした乳化重合法、シード重合法、ミニエマルション重合法により製造することができる。また、有機溶剤を用いた樹脂溶液を水系媒体中で転相乳化する転相乳化法により製造することもできる。
樹脂粒子Aは、組成の異なる樹脂よりなる2層以上の構成とすることもでき、この場合、常法に従った乳化重合処理(第1段重合)により調製した樹脂粒子の分散液に、重合開始剤と重合性単量体とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する方法により作製することができる。
樹脂粒子Aの粒径は、体積基準のメディアン径で45〜350nmの範囲内にあることが好ましく、より好ましくは45〜210nmの範囲内にあることである。
樹脂粒子Aの体積基準のメディアン径としては、メスシリンダーに試料を数滴滴下し、純水を加えて超音波洗浄機「US−1」(as one社製)を用いて分散させ測定用試料を作製し、この測定用試料を「マイクロトラックUPA−150」(日機装社製)を用いて測定することができる。
樹脂粒子Aのガラス転移点は、25〜50℃とされ、より好ましくは30〜40℃とされる。また、樹脂粒子Aの軟化点は、80〜120℃とされ、より好ましくは90〜100℃とされる。
(重合開始剤)
工程(a)において使用される重合開始剤としては、水溶性の重合開始剤であれば適宜のものを使用することができる。重合開始剤の具体例としては、例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなど)、アゾ系化合物(4,4’−アゾビス4−シアノ吉草酸およびその塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩など)、パーオキシド化合物などが挙げられる。
(連鎖移動剤)
工程(a)においては、樹脂粒子Aの分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えば2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタンおよびスチレンダイマーなどを挙げることができる。
(界面活性剤)
工程(a)においては、樹脂粒子Aを安定的に分散させるために、界面活性剤を加えることができる。界面活性剤としては、特に限定されずに公知の種々のものを用いることができるが、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩;ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウムなどの硫酸エステル塩;オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムなどの脂肪酸塩などのイオン性界面活性剤を好適なものとして例示することができる。
また、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールとのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレノキサイドとのエステル、ソルビタンエステルなどのノニオン性界面活性剤も使用することができる。
以上の界面活性剤は、所望に応じて、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
<工程(b)>
樹脂粒子Bは、ラジカル重合性単量体を原料とした乳化重合法、シード重合法、ミニエマルション重合法により製造することができる。また、有機溶剤を用いた樹脂溶液を水系媒体中で転相乳化する転相乳化法により製造することもできる。
樹脂粒子Bの粒径は、体積基準のメディアン径で30〜140nmの範囲内にあることが好ましく、より好ましくは45〜100nmの範囲内にあることである。
樹脂粒子Bの体積基準のメディアン径については、上述した樹脂粒子Aの体積基準のメディアン径の測定方法において、測定試料を樹脂粒子Bに変更することの他は同様にして測定することができる。
樹脂粒子Bのガラス転移点は、60〜80℃とされ、より好ましくは63〜68℃とされる。また、樹脂粒子Bの軟化点は、150〜200℃とされ、より好ましくは170〜190℃とされる。
工程(b)において使用される重合開始剤、連鎖移動剤および界面活性剤としては、工程(a)において使用することができるものと同様のものを挙げることができる。
<工程(c)>
着色剤微粒子の粒径は、体積基準のメディアン径で10〜300nmの範囲内にあることが好ましい。
着色剤微粒子の体積基準のメディアン径については、上述した樹脂粒子Aの体積基準のメディアン径の測定方法において、測定試料を着色剤微粒子に変更することの他は同様にして測定することができる。
<工程(d)>
工程(d)において、凝集温度は樹脂粒子Aのガラス転移点以上とすることが好ましい。これにより、樹脂粒子Aが凝集されながら融着して、樹脂粒子Bおよび着色剤微粒子を融合し、凝集粒子を得ることができる。
工程(d)において、樹脂粒子Aと樹脂粒子Bとの添加比率を調整することにより、ドメインの長径Lを制御することができる。具体的には、樹脂粒子Aの添加質量Mと樹脂粒子Bの添加質量Dとの比(M/D)を下記関係式(1)の範囲内で調整することが好ましい。
関係式(1):70/30≦M/D≦95/5
工程(d)においては、凝集剤を添加すると共に昇温することにより、凝集が開始される。
(凝集剤)
工程(d)において使用する凝集剤としては、例えばアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を挙げることができる。凝集剤を構成するアルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウムなどが挙げられ、凝集剤を構成するアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられる。これらのうち、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが好ましい。前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の対イオン(塩を構成する陰イオン)としては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオンなどが挙げられる。
<工程(e)>
本発明のトナーにおいては、樹脂粒子Aと樹脂粒子Bとが凝集・融着されてドメイン・マトリクス構造の結着樹脂が形成されるが、このドメイン・マトリクス構造を有するものをコア部として、その外殻にドメイン樹脂およびマトリクス樹脂とは組成の異なる樹脂(以下、「シェル層用樹脂」という。)をシェル層状に形成させることが好ましい。
<工程(f)>
工程(f)においては、樹脂粒子Aの軟化点近傍であって、樹脂粒子Bの軟化点未満の温度条件下において、凝集粒子の熟成が行われる。この温度条件下において、凝集粒子を熟成する工程が行われることにより、ドメインの長径Lを制御することができる。樹脂粒子Aの軟化点近傍の温度としては、樹脂粒子Aの軟化点±10℃の範囲内の温度であることが好ましい。
この工程(f)においては、樹脂粒子Aと樹脂粒子Bとが一度凝集・融着した後に、比較的粘度の低下した樹脂粒子A由来のマトリクス樹脂中において、溶融しきらない樹脂粒子Bの配向が緩やかに進行すると考えられる。特に、樹脂粒子Bのガラス転移点以上であって、軟化点未満の温度条件下において、凝集粒子を熟成することにより、ドメインが特定形状を形成すると考えられる。
なお、樹脂粒子Bは、この工程(f)において、樹脂粒子B1個〜複数個(具体的には、2〜4個)が一軸上に融着し、特定形状を有するドメインが形成されるものと考えられる。
このような熟成工程としては、具体的には下記に示す温度範囲において加熱撹拌を継続することにより行われる。
熟成温度は、60〜97℃であることが好ましく、より好ましくは70〜90℃である。また、ドメインの特定形状を制御する観点から、熟成時間は1〜6時間であることが好ましい。
<工程(g)および工程(h)>
これらの工程は、一般的に行われる公知の工程に従って行うことができる。
本発明に係るトナー粒子に内添剤が含有される場合においては、例えば工程(d)の前に内添剤のみよりなる内添剤微粒子の分散液を調製し、工程(d)において各々の分散液と共に当該内添剤微粒子の分散液を混合し、樹脂粒子A、樹脂粒子Bおよび着色剤微粒子と共に内添剤微粒子を凝集させることにより、トナー粒子中に導入することができる。
また例えば、工程(a)において樹脂粒子Aをマトリクス樹脂と離型剤などの内添剤とを分子レベルで混在させたものとしてこれを用いることによりトナー粒子中に導入することもできる。マトリクス樹脂と内添剤とが分子レベルで混在された樹脂粒子Aは、当該マトリクス樹脂を形成すべき重合性単量体に予め内添剤を溶解させておき、内添剤を含有した重合性単量体を重合させることにより、作製することができる。
〔定着装置〕
本発明の画像形成方法は、定着工程において、加熱部材および加圧部材の少なくとも一方が複数のローラに張架された無端状のベルトよりなり、当該加熱部材と加圧部材とが互いに圧接されることにより定着ニップが形成されるベルトニップ方式による定着装置を用いて行われる。
以下、本発明の画像形成方法に好適に用いられる定着装置について、その実施の形態を具体的に説明する。
図3は、本発明の画像形成方法に用いられる定着装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
この定着装置10は、ベルトニップ方式によるものであり、回転ローラよりなる加熱部材(以下、「加熱ローラ」という。)11と、3つのローラに張架された無端状のベルト(以下、「エンドレスベルト」という。)12Aおよび圧力付与部材12Bよりなる加圧部材12とを有するものであり、加熱ローラ11と、加圧部材12における圧力付与部材12Bとの圧接部により、定着ニップ部Nが形成される構成とされる。
定着ニップ部Nのニップ長は20〜50mmであることが好ましい。
定着ニップ部Nのニップ長が上記範囲内であることにより、形成される画像に高い光沢性を確保しながら画像ズレが抑制される。
この定着装置10においては、定着ニップ部Nのニップ長は、具体的には35mmである。
加熱ローラ11は、ハロゲンヒータよりなる加熱源13を内蔵したものであって、この加熱源13が内部に配置された金属製の円筒状芯金11aと、円筒状芯金11aの外周面上に形成された耐熱弾性体層11bとにより構成されてなるものである。
加熱ローラ11を構成する円筒状芯金11aは、例えば鉄、アルミニウム、合金などの熱伝導率の高い金属により構成される。
加熱ローラ11を構成する耐熱弾性体層11bは、例えば耐熱性の高いHTVシリコーンゴムからなる弾性層と、当該弾性層を被覆しPFA(パーフルオロアルキルビニルエーテル)またはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素樹脂よりなる離型層とにより構成される。
加熱ローラ11の表面温度T1 は、定着線速度が340mm/secの場合に、130〜170℃であることが好ましい。加熱ローラ11の表面には、加熱部材温度検知手段101aが対向されて配置されており、この加熱部材温度検知手段101aの温度計測値に基づいて、画像形成装置における制御部(図示せず)により加熱源13を制御することにより、加熱ローラ11の表面温度T1 が設定される。
加熱ローラ11の表面温度T1 が過小である場合においては、形成される画像に高い光沢性が確保されないおそれがあり、一方、加熱ローラ11の表面温度T1 が過大である場合においては、画像ズレの発生が十分に抑制されないおそれがある。
加圧部材12は、ベルト張架ローラ12a,12bおよび加圧ローラ12cの3つのローラに張架されたエンドレスベルト12Aと、このエンドレスベルト12Aの内周面に、当該エンドレスベルト12Aを介して加熱ローラ11に加圧する圧力付与部材12Bとにより構成される。
加圧部材12を構成するエンドレスベルト12Aは、転写材Pの搬送方向において定着ニップ部Nの上流側に設けられたベルト張架ローラ12aと、エンドレスベルト12Aを支持するベルト張架ローラ12bと、定着ニップ部Nの下流側に設けられた加圧ローラ12cとの各ローラの外周に懸架され、回転可能に支持された無端状のものであり、ベルト張架ローラ12a,12bおよび加圧ローラ12cの回転に伴って回転駆動される。
エンドレスベルト12Aは、例えばポリイミドなどの耐熱弾性樹脂により形成された基体と、この基体の外表面を被覆する例えばシリコーンゴムなどよりなる弾性層と、この弾性層を被覆するPFAまたはPTFEなどのフッ素樹脂からなる離型層とにより構成される。
加圧部材12を構成する圧力付与部材12Bは、加圧ローラ12cと押圧部材12eとにより構成される。この圧力付与部材12Bは、エンドレスベルト12Aの内周面に当接されて配置されており、当該圧力付与部材12Bがエンドレスベルト12Aの内周面側から当該エンドレスベルト12Aを介して加熱ローラ11に加圧することにより、加熱ローラ11とエンドレスベルト12Aとの間に定着ニップ部Nが形成される。
圧力付与部材12Bを構成する加圧ローラ12cは、転写材Pの搬送方向において定着ニップ部Nの下流側領域に設けられている。この加圧ローラ12cは、押圧部材12eを構成する第1〜第3パッド121,122,123よりも高い硬度を有し、例えば、アルミニウムや鉄、合金などの金属から形成された円筒状芯金により構成される。
加圧ローラ12cは、エンドレスベルト12Aの内周面側から当該エンドレスベルト12Aを介して加熱ローラ11を加圧すると共に、エンドレスベルト12Aを支持する機能を有する。
圧力付与部材12Bを構成する押圧部材12eは、第1パッド121、第2パッド122、第3パッド123および保持部材124を支持すると共に加圧力を加える圧縮バネ(図示せず)と、これらを収納するホルダ(図示せず)と、第1パッド121および第3パッド123の上面を被覆しエンドレスベルト12Aの内周面と摺接する摺接シート(図示せず)とにより構成される。
押圧部材12eを構成する第1パッド121および第2パッド122は、転写材Pの搬送方向に対して垂直方向に積層した部材層を形成しており、転写材Pの搬送方向において定着ニップ部Nの上流側領域に設けられている。定着ニップ部Nに最も近い層(上層)である第1パッド121は、定着ニップ部Nに最も遠い層(下層)である第2パッド122よりも低い硬度を有する。
また、押圧部材12eを構成する部材層全体の硬度は、第1パッド121の硬度よりも高く、第2パッド122の硬度以下である。例えば、第1パッド121については耐熱性を有するスポンジ、第2パッド122については耐熱性を有するウレタンなどを用いてそれぞれ形成することにより、部材層全体の硬度を、第1パッド121の硬度よりも高く、第2パッド122の硬度以下とすることができる。
押圧部材12eを構成する第3パッド123は、転写材Pの搬送方向に沿って定着ニップ部Nの中央領域、すなわち、第1パッド121および第2パッド122よりなる部材層と加圧ローラ12cとの間に設けられている。第3パッド123は、第1パッド121および第2パッド122よりなる部材層全体よりも低い硬度を有する。
第3パッド123は、例えば、耐熱性を有するシリコーンゴムなどの弾性材により構成される。
押圧部材12eを構成する保持部材124は、第1〜第3パッド121,122,123を保持するステンレスなどの金属板および当該金属板を支持する樹脂板などにより構成されており、圧縮バネの弾性力を受けても破損しない程度の強度を保つことができる剛性の材料により構成される。
圧縮バネの弾性力は、保持部材124、第1〜第3パッド121,122,123を介して、一定の加圧力としてエンドレスベルト12Aに付与される。
ここで、転写材Pの搬送方向における定着ニップ部N内の加圧力の分布について説明する。
上述したように、圧力付与部材12Bは、転写材Pの搬送方向に沿って定着ニップ部Nの上流側領域に設けられた第1パッド121および第2パッド122からなる部材層と、中央領域に設けられた第3パッド123と、下流側領域に設けられた加圧ローラ12cとにより構成されており、それぞれ異なる硬度を有するものである。第1パッド121および第2パッド122から構成される部材層全体の硬度H1、第3パッド123の硬度H2、加圧ローラ12cの硬度H3は、下記関係式1により表わされる。
(関係式1):H3>H1>H2
転写材Pの搬送方向おける定着ニップ部Nの上流側領域は、第1パッド121および第2パッド122により構成される部材層からの加圧力P1を受ける。また、転写材Pの搬送方向おける定着ニップ部Nの下流側領域は、加圧ローラ12cからの加圧力P3を受ける。転写材Pの搬送方向おける定着ニップ部Nの中央領域は、第3パッド123からの加圧力P2を受ける。そのため、転写材Pの搬送方向おける定着ニップ部N内の加圧力の分布は、下記関係式2により表わされる。
(関係式2):P3>P1>P2
加圧部材12、具体的にはエンドレスベルト12Aの表面温度T2 は、定着線速度が340mm/secの場合に、90〜110℃であることが好ましい。エンドレスベルト12Aの表面には、加圧部材温度検知手段101bが対向されて配置されており、この加圧部材温度検知手段101bにより、エンドレスベルト12Aの表面温度T2 が検知される。
また、加熱ローラ11の表面温度T1 と加圧部材12の表面温度T2 との差(T1 −T2 )が40〜70℃であることが好ましい。差(T1 −T2 )が上記範囲内である場合においては、より高い光沢性を有する画像を形成することができる。差(T1 −T2 )が過小である場合においては、高い光沢性を有する画像を形成することができる場合もあるが、画像ズレに対する耐性が低下するため、総合的には画像光沢の均一性が不安定となるおそれがある。
以上のような定着装置10においては、加熱ローラ11が図示しない駆動モータに連結されて矢印方向に回転されると、この回転に従動してエンドレスベルト12Aが加熱ローラ11との圧接部である定着ニップ部Nにおいて同方向に移動し、トナー像が転写された転写材Pが定着ニップ部Nを通過する際に、転写材P上のトナー像が定着ニップ部Nに作用される圧力付与部材12Bからの圧力と、加熱ローラ11から供給される熱とにより定着される。
以上、本発明の画像形成方法に好適に用いられる定着装置について、その実施の形態を説明したが、本発明の画像形成方法に用いられる定着装置は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。その他の実施の形態について、以下具体的に説明する。
図4は、本発明の画像形成方法に用いられる定着装置の構成の他の例を示す説明用断面図である。
この定着装置20は、加圧部材12の表面に加圧部材温度検知手段101bが対向されて配置されており、この加圧部材温度検知手段101bの温度計測値に基づいて、加圧部材12の表面温度を制御する冷却手段21が設けられていることの他は図3に示す定着装置10と同様の構成を有するものである。
冷却手段21は、複数のファン21aと、このファン21aから送られた空気を所定の方向に導くダクト21bとから構成される。この冷却手段21が設けられていることにより、加圧部材12の過度の温度上昇を防止することができる。
なお、この定着装置20においては、定着ニップ部Nのニップ長は20mmとされる。
図5は、本発明の画像形成方法に用いられる定着装置の構成のさらに他の例を示す説明用断面図である。
この定着装置30は、加熱ローラ11と、ベルト張架ローラ12a,12b,12gに張架されたエンドレスベルト12Aおよび圧力付与部材12Bを構成する押圧部材12eよりなる加圧部材12とを有するものであり、加熱ローラ11と、圧力付与部材12Bを構成する押圧部材12eとの圧接部により、定着ニップ部Nが形成される構成とされる。
圧力付与部材12Bを構成する押圧部材12eの上面には、エンボス加工により凹凸が施された摺接シート12fが被覆されている。押圧部材12eに摺接シート12fが被覆されていることにより、エンドレスベルト12Aと押圧部材12eとの接触面積が小さくなり、摺動抵抗を小さくすることができる。
この定着装置30におけるその他の構成は、図3に示す定着装置10と基本的に同様である。
なお、この定着装置30においては、定着ニップ部Nのニップ長は40mmとされる。
図6は、本発明の画像形成方法に用いられる定着装置の構成のさらに他の例を示す説明用断面図である。
この定着装置40は、加熱源45a,45bを内蔵する加熱ローラ41a,41bに張架されたエンドレスベルト41A、および、当該エンドレスベルト41Aの内周面に当接されて配置された圧力付与部材41Bよりなる加熱部材41と、ベルト張架ローラ42aおよび加圧ローラ42bに張架されたエンドレスベルト42A、および、当該エンドレスベルト42Aの内周面に当接されて配置された圧力付与部材42Bよりなる加圧部材42とを有するものである。
圧力付与部材41Bは、加熱ローラ41bと押圧部材41cとにより構成され、エンドレスベルト41Aの内周面側から、当該エンドレスベルト41Aを介して加圧部材42を加圧する機能を有する。
圧力付与部材42Bは、加圧ローラ42bと押圧部材42cとにより構成され、エンドレスベルト42Aの内周面側から、当該エンドレスベルト42Aを介して加熱部材41を加圧する機能を有する。これらの圧力付与部材41Bおよび圧力付与部材42Bが互いに加圧力を加えることにより、定着ニップ部Nが形成される。
なお、この定着装置40においては、定着ニップ部Nのニップ長は55mmとされる。
図7は、本発明の画像形成方法に用いられる定着装置の構成のさらに他の例を示す説明用断面図である。
この定着装置50は、加熱ローラ11の外表面に、当該加熱ローラ11の外表面を所定のタイミングで外部から加熱する外部加熱ローラ53が設けられている。54はベルト張架ローラ12aに内蔵されたエンドレスベルト12Aを加熱するための加熱源を示す。
エンドレスベルト12Aの内周面には、当該エンドレスベルト12Aを介して加熱ローラ11に加圧する圧力付与部材12Bが当接されて配置されている。この圧力付与部材12Bは、加圧ローラ12cおよび押圧部材55から構成される。
押圧部材55は、ステンレスなどの金属よりなるベースプレート55aの表面に、ポリフェニレンサルファイド(PPS)などの合成樹脂よりなるシム55bを介して、ステンレスなどの金属よりなる支持プレート55c上に積層された弾性体層55dを配置して構成される。また、押圧部材55の表面は、シート状部材としてパッドシート55eにより全周が被覆されている。なお、55gは、支持プレート55cをベースプレート55aに固定するための取り付けネジである。
また、エンドレスベルト12Aの内周面には、例えば粘度300csのアミン変性シリコーンオイルが、フェルトなどからなる潤滑剤塗布部材55fにより塗布されるよう構成されており、これにより、エンドレスベルト12Aとパッドシート55eとの間の摩擦が低減される。
押圧部材55は、ベースプレート55a側に配置された図示しない圧縮コイルスプリングにより、加熱ローラ11に向けて例えば50kgfの押圧力で当接されて配置されている。ここで、押圧部材55が弾性体層55dを有することにより、パッドシート55eのエンドレスベルト12Aと接触する接触面が、加熱ローラ11の外周面と整合可能となる。すなわち、一定以上の荷重により押圧部材55を加熱ローラ11に向けて押圧すると、弾性体層55dが変形し、パッドシート55eの接触面が加熱ローラ11の外周面に沿って圧接されるように変形される。従って、押圧部材55が図示しない圧縮コイルスプリングにより加熱ローラ12に押圧されると、エンドレスベルト12Aは加熱ローラ11に隙間なく圧接される。
この定着装置50におけるその他の構成は、図3に示す定着装置10と基本的に同様である。
なお、この定着装置50においては、定着ニップ部Nのニップ長は19mmとされる。
本発明によれば、ベルトニップ方式による定着装置を用いる場合において、特定のトナーを用いることにより、形成される画像に高い光沢性が確保されながら、画像ズレの発生が抑制される。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
樹脂粒子の分散液および着色剤微粒子の分散液における分散粒子の体積基準のメディアン径は、以下の方法・条件により測定されたものである。
−測定方法−
まず、50mlのメスシリンダーに測定用分散粒子を数滴滴下し、これに純水25mlを添加した後、超音波洗浄機「US−1」(as one社製)を用いて、3分間分散処理することにより測定用試料を作製した。次に、測定用試料3mlを「マイクロトラックUPA−150」(日機装社製)のセル内に投入し、Sample・Loadingの値が0.1〜100の範囲内にあることを確認した後、下記測定条件および溶媒条件に従って測定を行った。
−測定条件−
・Transparency(透明度):Yes
・Refractive Index(屈折率):1.59
・Particle Density(粒子密度):1.05g/cm3
・Spherical Particles(球形粒子):Yes
−溶媒条件−
・Refractive Index(屈折率):1.33
・Viscosity(粘度):
High(temp) 0.797×10-3Pa・s
Low(temp) 1.002×10-3Pa・s
トナー粒子の体積基準のメディアン径は、「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステムを接続した測定装置を用いて測定・算出されるものである。
具体的には、トナー0.02gを界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を調製し、このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒径が体積基準のメディアン径とされる。
〔トナーの製造例1〕
<工程(a−1):樹脂粒子〔A1〕の分散液〔A1〕の調製>
(1)第1段重合
5Lの反応容器に撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応装置を用い、反応装置には予め界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの回転速度で撹拌しながら、液温を80℃に昇温した。界面活性剤溶液にはアニオン系界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム(SDS)2質量部とイオン交換水2900質量部を用いた。界面活性剤溶液に重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)9質量部を添加した後、スチレン550質量部、n−ブチルアクリレート280質量部、メタクリル酸45質量部、n−オクチルメルカプタン14.5質量部からなる単量体溶液を3時間かけて滴下し、滴下終了後、78℃において1時間保持し、樹脂粒子の分散液〔a1〕を調製した。
(2)第2段重合
アニオン系界面活性剤(ポリオキシ(2)ドデシルエーテル硫酸エステルナトリウム塩)12質量部をイオン交換水1100質量部に溶解させ、界面活性剤溶液を調製した。また、撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン245質量部、n−ブチルアクリレート95質量部、メタクリル酸25質量部、n−オクチルメルカプタン4質量部からなる単量体組成物に、離型剤としてベヘン酸ベヘニル195質量部を添加し、85℃に加温して単量体溶液〔2〕を調製した。
90℃に加温した界面活性剤溶液に樹脂粒子の分散液〔a1〕260質量部と単量体溶液〔2〕を添加し、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により混合・分散させ、分散液を調製した。
重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)11質量部をイオン交換水240質量部に溶解させた重合開始剤溶液を前記分散液に添加し、これを85℃において2時間加熱・撹拌し、樹脂粒子の分散液〔a2〕を調製した。
(3)第3段重合
スチレン450質量部、n−ブチルアクリレート125質量部、n−オクチルメルカプタン8質量部からなる単量体溶液〔3〕を調製し、樹脂粒子の分散液〔a2〕に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、85℃の温度条件下において、単量体溶液〔3〕を滴下した。滴下終了後、3時間加熱・撹拌し、その後28℃まで冷却し、多層構造の樹脂粒子〔A1〕の分散液〔A1〕を調製した。樹脂粒子〔A1〕の体積基準のメディアン径は160nm、ガラス転移点は40℃、軟化点は91℃、100℃における貯蔵弾性率は9.5×103 dyn/cm2 、質量平均分子量(Mw)は20,000であった。なお、ガラス転移点、軟化点、貯蔵弾性率および質量平均分子量(Mw)は、上述した方法により測定されたものである。以下において同じである。
<工程(a−2):シェル層用樹脂粒子〔C〕の分散液〔C〕の調製>
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器にアニオン系界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム(SDS)2質量部をイオン交換水2900質量部に溶解させた界面活性剤水溶液を調製した。この界面活性剤水溶液を窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、温度を80℃に昇温させた。
界面活性剤水溶液中に重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)9質量部を添加した後、スチレン516質量部、n−ブチルアクリレート204質量部、メタクリル酸100質量部、n−オクチルメルカプタン22質量部からなる単量体溶液を3時間かけて滴下した。
この単量体溶液の滴下後、液温を78℃にして1時間保持した。冷却後、界面活性剤「エマールE−27C」(花王社製)0.7質量部をイオン交換水4質量部に溶解させた界面活性剤溶液を添加し、シェル層用樹脂粒子〔C〕の分散液〔C〕を調製した。シェル層用樹脂粒子〔C〕の体積基準のメディアン径は90nm、ガラス転移点は50℃、軟化点は111℃、質量平均分子量(Mw)は11,000であった。
<工程(b):樹脂粒子〔B1〕の分散液〔B1〕の調製>
5Lの反応容器に撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応装置を用い、反応装置には予め界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの回転速度で撹拌しながら、液温を80℃に昇温した。界面活性剤溶液にはアニオン系界面活性剤(SDS)2.1質量部とイオン交換水約1550質量部を用いた。
界面活性剤溶液に重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)15質量部を添加した後、n−ブチルアクリレート195質量部、イタコン酸60質量部、メタクリル酸メチル945質量部からなる単量体溶液を3時間かけて滴下し、滴下終了後、78℃において1時間保持し、樹脂粒子〔B1〕の分散液〔B1〕を調製した。樹脂粒子〔B1〕の体積基準のメディアン径は90nm、ガラス転移点は65℃、軟化点は188℃、100℃における貯蔵弾性率は5.0×107 dyn/cm2 、質量平均分子量(Mw)は300,000であった。
<工程(c):着色剤微粒子分散液〔X〕の調製>
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に溶解させた溶液を撹拌しながら、着色剤とし「C.I.ピグメントブルー15(銅フタロシアニン化合物)」29質量部を徐々に添加した。その後、機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理を行うことにより着色剤微粒子が分散されてなる着色剤微粒子分散液〔X〕を調製した。着色剤微粒子の体積基準のメディアン径は110nmであった。
<工程(d):樹脂粒子〔A1〕および樹脂粒子〔B1〕の凝集・融着>
反応容器に撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付け、反応容器内に樹脂粒子〔A1〕の分散液〔A1〕390質量部(固形分換算)、樹脂粒子〔B1〕の分散液〔B1〕46質量部(固形分換算)、イオン交換水1700質量部、着色剤微粒子分散液〔X〕150質量部を投入し撹拌した。この溶液に25質量%の水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pHを10〜10.3に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物水溶液(50質量%)120質量部を、撹拌下、20分間かけて添加した。添加後に昇温を開始し、約60分間かけて75〜80℃まで昇温した。「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)を用いて、反応器内で成長する粒子の粒径を測定し、6.5mmに到達した時点で塩化ナトリウム水溶液(25質量%)100質量部を添加して粒径の成長を停止させた。その後、液温78℃において2時間にわたり加熱・撹拌することによりコア部〔1〕となるべき凝集粒子〔1〕の分散液〔1〕を得た。
<工程(e):シェル層の形成>
液温83℃において、凝集粒子〔1〕の分散液〔1〕にシェル層用樹脂粒子〔C〕の分散液〔C〕26質量部(固形分換算)を20分間かけて添加し、2時間にわたり撹拌を継続して、コア部〔1〕にシェル層用樹脂粒子〔C〕を凝集・融着させてシェル層を形成した。
<工程(f):熟成>
シェル層を形成した後、25質量%塩化ナトリウム水溶液200質量部を添加してシェル層用樹脂粒子〔C〕の凝集・融着を停止し、その後、液温88℃において2時間にわたり加熱・撹拌を継続して凝集粒子〔1〕を熟成した。
<工程(g)および工程(h):洗浄、乾燥>
凝集粒子〔1〕が熟成された粒子分散液を4℃/分で冷却した後、20℃のイオン交換水で十分に洗浄し、室温下で乾燥処理を行って、トナー粒子〔1〕よりなるトナー〔1〕を作製した。
〔トナーの製造例2〕
トナーの製造例1において、工程(d)において用いた樹脂粒子〔B1〕の分散液〔B1〕46質量部(固形分換算)の代わりに下記に示す樹脂粒子〔B2〕の分散液〔B2〕138質量部(固形分換算)を用い、樹脂粒子〔A1〕の分散液〔A1〕390質量部(固形分換算)を298質量部(固形分換算)に、イオン交換水1700質量部を1695質量部に変更したことの他は同様にして、トナー粒子〔2〕よりなるトナー〔2〕を作製した。
<工程(b):樹脂粒子〔B2〕の分散液〔B2〕の調製>
5Lの反応容器に撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応装置を用い、反応装置には予め界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの回転速度で撹拌しながら、液温を80℃に昇温した。界面活性剤溶液にはアニオン系界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム(SDS)1.5質量部とイオン交換水約1550質量部を用いた。
界面活性剤溶液に重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)15質量部を添加した後、n−ブチルアクリレート195質量部、イタコン酸60質量部、メタクリル酸メチル945質量部からなる単量体溶液を3時間かけて滴下し、滴下終了後、78℃において1時間保持し、樹脂粒子〔B2〕の分散液〔B2〕を調製した。樹脂粒子〔B2〕の体積基準のメディアン径、ガラス転移点、軟化点、100℃における貯蔵弾性率および質量平均分子量(Mw)を表1に示す。
〔トナーの製造例3〕
トナーの製造例1において、工程(d)において用いた樹脂粒子〔B1〕の分散液〔B1〕46質量部(固形分換算)の代わりに下記に示す樹脂粒子〔B3〕の分散液〔B3〕23質量部(固形分換算)を用い、樹脂粒子〔A1〕の分散液〔A1〕390質量部(固形分換算)を413質量部(固形分換算)に、イオン交換水1700質量部を1695質量部に変更したことの他は同様にして、トナー粒子〔3〕よりなるトナー〔3〕を作製した。
<工程(b):樹脂粒子〔B3〕の分散液〔B3〕の調製>
5Lの反応容器に撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応装置を用い、反応装置には予め界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの回転速度で撹拌しながら、液温を80℃に昇温した。界面活性剤溶液にはアニオン系界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム(SDS)3.6質量部とイオン交換水約1550質量部を用いた。
界面活性剤溶液に重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)15質量部を添加した後、n−ブチルアクリレート195質量部、イタコン酸60質量部、メタクリル酸メチル945質量部からなる単量体溶液を3時間かけて滴下し、滴下終了後、78℃において1時間保持し、樹脂粒子〔B3〕の分散液〔B3〕を調製した。樹脂粒子〔B3〕の体積基準のメディアン径、ガラス転移点、軟化点、100℃における貯蔵弾性率および質量平均分子量(Mw)を表1に示す。
〔トナーの製造例4〕
トナーの製造例1において、工程(f)における熟成時間を5.5時間に変更したことの他は同様にして、トナー粒子〔4〕よりなるトナー〔4〕を作製した。
〔トナーの製造例5〕
トナーの製造例1において、工程(f)における熟成時間を1時間に変更したことの他は同様にして、トナー粒子〔5〕よりなるトナー〔5〕を作製した。
〔トナーの製造例6〕
トナーの製造例1において、工程(d)において用いた樹脂粒子〔B1〕の分散液〔B1〕の代わりに下記に示す樹脂粒子〔B4〕の分散液〔B4〕を用いたことの他は同様にして、トナー粒子〔6〕よりなるトナー〔6〕を作製した。
<工程(b):樹脂粒子〔B4〕の分散液〔B4〕の調製>
5Lの反応容器に撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応装置を用い、反応装置には予め界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの回転速度で撹拌しながら、液温を80℃に昇温した。界面活性剤溶液にはアニオン系界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム(SDS)3.6質量部とイオン交換水約1550質量部を用いた。
界面活性剤溶液に重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)15質量部を添加した後、n−ブチルアクリレート168質量部、イタコン酸60質量部、メタクリル酸メチル972質量部からなる単量体溶液を3時間かけて滴下し、滴下終了後、78℃において1時間保持し、樹脂粒子〔B4〕の分散液〔B4〕を調製した。樹脂粒子〔B4〕の体積基準のメディアン径、ガラス転移点、軟化点、100℃における貯蔵弾性率および質量平均分子量(Mw)を表1に示す。
〔トナーの製造例7〕
トナーの製造例1において、工程(a)において樹脂粒子〔A1〕の分散液〔A1〕の代わりに、(2)第2段重合におけるn−オクチルメルカプタンの添加質量を3.87質量部に変更して得られた分散液〔A2〕を用いたことの他は同様にして、トナー粒子〔7〕よりなるトナー〔7〕を作製した。
〔トナーの製造例8〕
トナーの製造例1において、工程(f)における熟成時間を8時間に変更したことの他は同様にして、トナー粒子〔8〕よりなるトナー〔8〕を作製した。
〔トナーの製造例9〕
トナーの製造例1において、工程(f)における熟成時間を0.5時間に変更したことの他は同様にして、トナー粒子〔9〕よりなるトナー〔9〕を作製した。
〔トナーの製造例10〕
トナーの製造例1において、工程(d)において用いた樹脂粒子〔B1〕の分散液〔B1〕の代わりに下記に示す樹脂粒子〔B5〕の分散液〔B5〕を用い、また、工程(f)における熟成時間を3時間に変更したことの他は同様にして、トナー粒子〔10〕よりなるトナー〔10〕を作製した。
<工程(b):樹脂粒子〔B5〕の分散液〔B5〕の調製>
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器にアニオン系界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム(SDS)2.7質量部をイオン交換水2800質量部に溶解させた界面活性剤水溶液を調製した。この界面活性剤水溶液を窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、温度を80℃に昇温させた。
一方、スチレン30質量部、メチルメタクリレート30質量部、n−ブチルアクリレート33質量部、マレイン酸40質量部、n−オクチルメルカプタン14質量部を混合し、78℃に加温して単量体溶液を調製した。そして、循環経路を有する機械式分散機により単量体溶液および界面活性剤水溶液を混合・分散し、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)11質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、液温を78℃において2時間加熱・撹拌することにより、樹脂粒子〔B5〕の分散液〔B5〕を調製した。樹脂粒子〔B5〕の体積基準のメディアン径、ガラス転移点、軟化点、100℃における貯蔵弾性率および質量平均分子量(Mw)を表1に示す。
〔実施例1〜21および比較例1〜3〕
得られたトナー〔1〕〜〔10〕の各々と、シクロヘキシルメタクリレート樹脂を被覆した体積基準のメディアン径60μmのフェライトキャリアを、トナーの濃度が6質量%になるようにV型混合機を用いて混合することにより、現像剤〔1〕〜〔10〕を製造した。この現像剤〔1〕〜〔10〕を用いて、下記評価を行った。
また、トナー粒子〔1〕〜〔10〕について、原子間力顕微鏡(AFM)「SPM(SPI3800N)」(セイコーインスツルメンツ社製)を用いて、マイクロ粘弾性像モードにおいて観察したところ、結着樹脂がドメイン・マトリクス構造を有していることが確認された。また、この原子間力顕微鏡(AFM)用いて得られた2μm四方のAFM弾性像において、長径Lが60〜500nmの範囲内にあるドメインの割合、短径Wが45〜100nmの範囲内にあるドメインの割合、比(L/W)の算術平均値、面積Sの算術平均値の結果を表2に示す。なお、長径L、短径W、比(L/W)の算術平均値および面積Sの算術平均値は上述した方法により測定、算出されたものである。
〔評価〕
(1)画像ズレの評価
表3に示す定着装置およびトナーの組み合わせに従い、A4サイズの転写材としてA4コート紙「PODグロスコート(84.9g/m2 )」(王子製紙社製)を用い、この転写材上にトナー量1.2mg/cm2 に設定されたベタ画像を形成した。画像形成装置としては、市販の複合機「bishub PRO C6501」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を改造して、図3〜図7に示す定着装置を各々設けたものを用いた。形成された画像について目視にて下記評価基準に従って評価した。評価がC以上であれば合格とする。結果を表3に示す。
−評価基準−
A:画像ズレが発生することなく転写材が搬送され、光沢ムラなどの画像欠陥がない。
B:画像ズレが発生することなく転写材が搬送されるが、わずかに光沢ムラがある。
C:転写材が搬送されるもののわずかに画像ズレが発生し、または、光沢ムラが大きい。
D:画像ズレが発生し搬送不良となり、かつ、光沢ムラが大きい。
(2)光沢性の評価
表3に示す定着装置およびトナーの組み合わせに従い、「PODグロスコート(128g/m2 )」(王子製紙社製)上にトナー量1.2mg/cm2 に設定されたベタ画像を形成した。画像形成装置としては、市販の複合機「bishub PRO C6501」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を改造して、図3〜図7に示す定着装置を各々設けたものを用いた。形成された画像の光沢度を測定し、下記評価基準に従って評価した。光沢度が60%以上を合格とする。
なお、光沢度については、光沢度計「Gloss Meter」(村上色彩工学研究所製)を用い、屈折率1.567のガラス表面を基準として、入射角を75°として測定した。
−評価基準−
優良:光沢度が70%以上
良好:光沢度が60%以上70%未満
不良:光沢度が60%未満
表3においては、実施例1〜21および比較例1〜3に係る定着装置の線速度、ニップ長、ニップ通過時間、定着圧力、加熱部材および加圧部材の表面温度、並びに、その差を示す。
ニップ通過時間については、加熱部材と加圧部材との間に形成される定着ニップ部の転写材の進行方向の長さをd(mm)、線速度をv(mm/sec)とするとき、d/vで求めることができる。
また、加熱部材および加圧部材の表面温度は、上述した方法により測定されたものである。
10,20,30,40,50 定着装置
101a 加熱部材温度検知手段
101b 加圧部材温度検知手段
11 加熱ローラ
11a 円筒状芯金
11b 耐熱弾性体層
12 加圧部材
12A エンドレスベルト
12B 圧力付与部材
12a ベルト張架ローラ
12b ベルト張架ローラ
12c 加圧ローラ
12e 押圧部材
12f 摺接シート
12g ベルト張架ローラ
121 第1パッド
122 第2パッド
123 第3パッド
124 保持部材
13 加熱源
21 冷却手段
21a ファン
21b ダクト
41 加熱部材
41A エンドレスベルト
41B 圧力付与部材
41a 加熱ローラ
41b 加熱ローラ
41c 押圧部材
42 加圧部材
42A エンドレスベルト
42B 圧力付与部材
42a ベルト張架ローラ
42b 加圧ローラ
42c 押圧部材
45a 加熱源
45b 加熱源
53 外部加熱ローラ
54 加熱源
55 押圧部材
55a ベースプレート
55b シム
55c 支持プレート
55d 弾性体層
55e パッドシート
55f 潤滑剤塗布部材
55g 取り付けネジ
N 定着ニップ部
P 転写材

Claims (10)

  1. 像担持体上に形成されたトナー像を転写材に転写する転写工程と、
    前記転写材上に転写されたトナー像を定着する定着工程とを有する画像形成方法において、
    前記定着工程は、加熱部材および加圧部材の少なくとも一方が複数のローラに張架された無端状のベルトよりなり、当該加熱部材と加圧部材とが互いに圧接されることにより定着ニップが形成される定着装置を用いて行われ、
    前記トナー像を形成するトナーは、結着樹脂を含有するトナー粒子よりなり、
    前記トナー粒子の断面についての原子間力顕微鏡(AFM)による弾性像において、
    前記結着樹脂が、ドメインを構成する高弾性樹脂およびマトリクスを構成する低弾性樹脂よりなるドメイン・マトリクス構造を有し、
    個々のドメインの長径Lと短径Wとの比(L/W)の算術平均値が1.5〜5.0の範囲内にあって、
    当該長径Lが60〜500nmの範囲内にあるドメインが80個数%以上存在し、かつ、当該短径Wが45〜100nmの範囲内にあるドメインが80個数%以上存在することを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記加熱部材が回転ローラよりなるものであり、
    前記加圧部材が、複数のローラに張架された無端状のベルトよりなるものであって、当該無端状のベルトの内周面に、当該無端状のベルトを介して前記加熱部材に加圧する圧力付与部材を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記定着ニップのニップ長が20〜50mmであり、
    前記加熱部材の表面温度T1 が130〜170℃であり、
    前記加圧部材の表面温度T2 が90〜110℃であり、
    前記加熱部材の表面温度T1 と前記加圧部材の表面温度T2 との差(T1 −T2 )が40〜70℃であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 前記無端状のベルトが、ポリイミドよりなる耐熱弾性樹脂により形成された基体と、この基体の外表面を被覆するシリコーンゴムよりなる弾性層と、この弾性層を被覆するフッ素樹脂よりなる離型層とにより構成されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成方法。
  5. 前記定着装置が、ファンと当該ファンから送風される空気を所定の方向に導くダクトとにより構成される冷却手段を具えるものであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成方法。
  6. 前記トナーが、軟化点が90〜110℃のものであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像形成方法。
  7. 前記トナーが、軟化点が95〜105℃のものであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画像形成方法。
  8. 前記AFMによる弾性像において、個々のドメインの面積Sの算術平均値が0.005〜0.05μm2 の範囲内にあることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の画像形成方法。
  9. 前記ドメインを構成する高弾性樹脂が、100℃における貯蔵弾性率が4.0×105 〜1.0×108 dyn/cm2 のものであることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の画像形成方法。
  10. 前記マトリクスを構成する低弾性樹脂が、100℃における貯蔵弾性率が1.0×102 〜1.0×104 dyn/cm2 のものであることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の画像形成方法。
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