JP2011252425A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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健士 鈴木
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慎一 副島
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Abstract

【課題】エアフローメータの劣化状態が機関回転数の制御状態に与える影響を低減する。
【解決手段】目標トルクを無次元量で除算して空気量制御用トルクとし、空気量制御用トルクから目標空気量を算出する。また、エアフローメータの出力値を用いて推定空気量を算出し、推定空気量に基づいて推定MBTトルクと推定現在トルクとをそれぞれ算出する。そして、推定MBTトルクと目標トルクとの差を補償するための点火遅角量を算出し、点火遅角量に従って点火時期を制御する。アイドル運転時に機関回転数が目標回転数よりも低下した場合には、目標トルクを増大させていくとともに空気量制御用トルクが一定に維持されるように無次元量を1に近づけていく。推定MBTトルクと推定現在トルクとの差が基準トルク差まで縮まったら無次元量のそれ以上の増大を制限する。ただし、エアフローメータが劣化している場合には、劣化していない場合と比較して基準トルク差を大きくとる。
【選択図】図3

Description

本発明は、エアフローメータを有する火花点火式の内燃機関に用いられ、空気量と点火時期によるトルクの制御によってアイドル運転時の機関回転数を制御する内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関のアイドル運転時には、機関回転数が目標回転数になるようにトルクを制御することが行われている。火花点火式の内燃機関の場合、トルクを制御するための手段としては、空気量と点火時期とを用いることができる。点火時期によるトルク制御は、空気量によるそれと比較して応答性に優れている。このため、機関回転数の急激な変化を速やかに抑制したい場合には、点火時期によるトルク制御が有効である。
点火時期によるトルク制御を行う場合、初期点火時期はMBTよりも遅角させておく必要がある。点火時期の遅角によるトルクダウンだけでなく、点火時期の進角によるトルクアップも可能にするためである。ただし、例えば特開2009−068430号公報に記載されているように、MBTの近傍には、点火時期の変化に対するトルクの感度が低い不感帯域が存在する。この不感帯域では、トルクに対する点火時期の誤差が大きい。このため、機関回転数が目標回転数になるようにトルクを精度良く制御したいのであれば、点火時期が不感帯域に入らないようにしながら、空気量と点火時期とを適切に協調制御することが必要とされる。
特開2009−068430号公報 特開2008−038823号公報
ところで、内燃機関にはエアフローメータが取り付けられている。エアフローメータの出力信号は、点火時期によるトルク制御において用いられる。点火時期によるトルク制御では、現在の空気量を推定することが必要となる。空気量はスロットル開度から推定することが可能であるが、エアフローメータの出力信号をパラメータとして用いることで、空気量の計算精度を高めることができる。
しかし、エアフローメータの出力特性は必ずしも一定ではない。経年変化によってエアフローメータの劣化が進んだ場合には、その出力特性に変化が生じることになる。その場合、エアフローメータの出力信号を用いた空気量の推定精度は低下し、推定空気量と実際の空気量との間の誤差が拡大する。そして、推定空気量と実際空気量との間の誤差は、推定空気量を用いて行われる内燃機関の制御状態にも影響する。点火時期の制御に関して言えば、点火時期が不感帯域に入ってしまったり、或いは不感帯域に入るのを防ぐためのガードに点火時期が張り付いてしまったりする可能性がある。そのような場合には、所望のトルクを内燃機関に発生させることができず、アイドル運転時の機関回転数を維持できなくなる可能性がある。
本発明は上述のような課題に鑑みなされたもので、空気量と点火時期によるトルクの制御によってアイドル運転時の機関回転数を制御する制御装置に関し、エアフローメータの劣化状態が機関回転数の制御状態に与える影響を低減することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の内燃機関の制御装置は、
エアフローメータを有する内燃機関に用いられ、空気量と点火時期によるトルクの制御によってアイドル運転時の機関回転数を制御する制御装置において、
目標トルクを1以下の値の無次元量で除算し、その算出値を空気量制御用トルクとして設定する空気量制御用トルク設定手段と、
MBTのもとで前記空気量制御用トルクを実現するための目標空気量を算出する目標空気量算出手段と、
前記目標空気量に従って空気量を制御する空気量制御手段と、
前記エアフローメータの出力値を用いて現在の空気量(以下、推定空気量)を算出する推定空気量算出手段と、
点火時期をMBTに設定した場合に内燃機関が発生するトルク(以下、推定MBTトルク)を前記推定空気量に基づいて算出する推定MBTトルク算出手段と、
前記推定MBTトルクと前記目標トルクとの差を補償するための点火遅角量を算出する点火遅角量算出手段と、
前記点火遅角量に従って点火時期を制御する点火時期制御手段と、
現在の点火時期のもとで内燃機関が発生するトルク(以下、推定現在トルク)を前記推定空気量に基づいて算出する推定現在トルク算出手段と、
前記目標トルクを設定する手段であって、アイドル運転時に機関回転数が目標回転数よりも低下した場合には、機関回転数を回復させるように前記目標トルクを増大させる目標トルク設定手段と、
前記無次元量を設定する手段であって、アイドル運転時に機関回転数の低下に伴って前記目標トルクが増大される場合には、前記目標トルクの増大に合わせて前記無次元量を1に近づける無次元量設定手段と、
前記無次元量が1に近づくに伴って前記推定MBTトルクと前記推定現在トルクとの差が基準トルク差まで縮まった場合に、前記無次元量のそれ以上の増大を制限する制限手段と、
前記エアフローメータの劣化状態を判定する劣化判定手段と、
前記基準トルク差を設定する手段であって、前記エアフローメータが劣化している場合には、劣化していない場合と比較して前記基準トルク差を大きくとる基準トルク差設定手段と、
を備えることを特徴としている。
本発明の内燃機関の制御装置によれば、アイドル運転時に機関回転数が低下した場合には、機関回転数を回復させるように目標トルクを増大させていくことが行われるとともに、空気量制御用トルクが一定に維持されるように目標トルクの増大に合わせて無次元量を1に近づけていくことが行われる。その間、推定MBTトルクは一定に維持されるため、推定MBTトルクと目標トルクとの差を補償するための点火遅角量は目標トルクの増大に応じて減らされていく。つまり、点火時期の進角によるトルクアップが図られる。
そして、推定MBTトルクと推定現在トルクとの差が基準トルク差まで縮まった時点で無次元量のそれ以上の増大は制限される。これにより、目標トルクの増大に伴って空気量制御用トルクは増大されることになる。一方、推定MBTトルクは目標トルクの増大に合わせて増大されることになることから、点火遅角量は一定に維持されるようになる。つまり、推定MBTトルクと推定現在トルクとの差が基準トルク差まで縮まった後は、空気量によるトルクアップが図られる。
以上のような空気量と点火時期との協調制御によって、アイドル運転時の機関回転数に低下が生じたとしても、目標回転数まで速やかに戻すことができる。また、途中で点火時期によるトルクアップから空気量によるトルクアップへと切り替えられるので、点火時期が不感帯域まで進角されてしまうのを防止することができる。
しかし、エアフローメータが劣化している場合、エアフローメータは実際の空気の質量流量よりも大きい値を出力する。このため、エアフローメータが劣化していない場合に比較して実際の空気量は少なくなっている一方、空気量の不足による機関回転数の低下を抑えるように点火時期の遅角量は減らされている。このため、点火時期によるトルク制御から空気量によるトルク制御への切り替えをエアフローメータが劣化していないときと同様に行ったのでは、点火時期が不感帯域まで進角されてしまうおそれがある。
この点に関して、本発明によれば、エアフローメータが劣化している場合には、劣化していない場合に比較して、点火時期によるトルク制御から空気量によるトルク制御への切り替えの判定基準となる基準トルク差が大きくとられる。これにより、エアフローメータの劣化状態によらず、点火時期が不感帯域まで進角される前に空気量によるトルク制御に切り替えることが可能となる。したがって、本発明によれば、エアフローメータの劣化状態が機関回転数の制御状態に与える影響を低減することができる。
本発明の実施の形態の内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態によるアイドル運転時のエンジン回転数制御の内容とその制御結果とを説明するための図である。 本発明の実施の形態によるアイドル運転時のエンジン回転数制御の内容とその制御結果とを説明するための図である。
本発明の実施の形態について図1乃至図3の各図を参照して説明する。
本発明の実施の形態おいて制御対象とされる内燃機関(以下、エンジン)は、火花点火式の4サイクルレシプロエンジンである。制御装置は、エンジンに備えられるアクチュエータを操作することでエンジンの運転を制御する。制御装置が操作可能なアクチュエータには、点火装置、スロットル、燃料噴射装置、可変バルブタイミング機構、EGR装置等が含まれる。ただし、本実施の形態において制御装置が操作するのはスロットル及び点火装置であり、制御装置はこれら2つのアクチュエータを操作してエンジンが出力するトルクを制御する。
本実施の形態の制御装置は、エンジンの制御量としてトルク及び効率を使用する。ここでいうトルクはより厳密には図示トルクを意味する。本明細書における効率は1以下の値の無次元量であり、エンジンが出力しうる潜在トルクに対する実際に出力されるトルクの割合を意味する。効率が1よりも小さい場合には、実際に出力されるトルクはエンジンが出力しうる潜在トルクよりも小さく、その余裕分は主に熱となってエンジンから出力されることになる。
図1のブロック図は、本実施の形態の制御装置2の構成を示している。制御装置2は、それが有する機能別に、目標トルク設定部12、目標効率設定部14、空気量制御用トルク算出部16、目標空気量算出部18、スロットル開度算出部20、推定空気量算出部22、推定MBTトルク算出部24、点火時期制御用効率算出部26、点火時期算出部28、推定現在トルク算出部30、効率ガード制御部32、効率ガード34及びAFM劣化判定部36に分けることができる。ただし、これらの要素12−36は、制御装置2が有する種々の機能的な要素のうち、スロットル4と点火装置6の操作による空気量と点火時期の協調制御に関する要素のみを特別に図で表現したものである。したがって、図1は、制御装置2がこれらの要素のみで構成されていることを意味するものではない。なお、各要素は、それぞれが専用のハードウェアで構成されていてもよいし、ハードウェアは共有してソフトウェアによって仮想的に構成されるものでもよい。以下、各要素12−36の機能を中心に制御装置2の構成について説明する。
目標トルク設定部12は、エンジンの制御量であるトルクの目標をエンジンの運転条件や運転状態に応じて設定する。アイドル運転時においては、目標トルク設定部12は、エンジン回転数が目標回転数になるようにフィードバック制御によって目標トルクを調整する。エンジン回転数が目標回転数よりも低下した場合には、エンジン回転数を回復させるように目標トルクを増大させる。
目標効率設定部14は、同じくエンジンの制御量である効率の目標をエンジンの運転条件や運転状態に応じて設定する。アイドル運転時においては、目標効率設定部14は、目標トルクの許容最大トルクに対する比率を目標効率として算出する。したがって、アイドル運転時にエンジン回転数が低下した場合には、目標トルクが増大されるのに合わせて目標効率は1に近づけられていく。
目標トルクと目標効率は、空気量制御用トルク算出部16に入力される。空気量制御用トルク算出部16は、目標トルクを目標効率で除算することによって空気量制御用トルクを算出する。アイドル運転時には目標効率は1よりも小さい値とされるので、空気量制御用トルクは目標トルクよりも嵩上げされることになる。なお、目標効率に関しては、後述する効率ガード34を通ったものが空気量制御用トルク算出部16に入力される。
空気量制御用トルクは目標空気量算出部18に入力される。目標空気量算出部18は、空気量マップを用いて空気量制御用トルクを目標空気量に変換する。ここでいう空気量とは、筒内に吸入される空気量を意味する(それを無次元化した充填効率或いは負荷率を代わりに用いることもできる)。空気量マップは、点火時期がMBTであることを前提にして、トルクと空気量とがエンジン回転数及び空燃比を含む種々のエンジン状態量をキーにして関連付けられたマップである。空気量マップの検索には、エンジン状態量の実際値や目標値が用いられる。
目標空気量はスロットル開度算出部20に入力される。スロットル開度算出部20は、逆エアモデルを用いて目標空気量をスロットル開度に変換する。逆エアモデルは、スロットルモデルの逆モデル、吸気管モデルの逆モデル、及び吸気弁モデルの逆モデルから構成されている。エアモデルはスロットル4の動作に対する空気量の応答特性をモデル化した物理モデルであるので、その逆モデルを用いることで目標空気量の達成に必要なスロットル開度を逆算することができる。
制御装置2は、スロットル開度算出部20で算出されたスロットル開度に従ってスロットル4の操作を行う。
制御装置2は、上記の処理と並行して、実際のスロットル開度に基づいた推定空気量の計算を推定空気量算出部22にて実施する。推定空気量は、制御装置2によるスロットル4の操作によって実現されることが推定される空気量である。推定空気量算出部22は、エアモデルを用いてスロットル開度を空気量に変換する。エアモデルは、スロットルモデル、吸気管モデル、及び吸気弁モデルから構成されている。エアモデルと逆エアモデルとでは、その基本となるモデル計算式は共通している。ただし、推定空気量算出部22が用いるエアモデルには、逆エアモデルには無い機能が備えられている。その機能とは、エアフローメータ(AFM)8の出力値によって、スロットルモデルの流量係数を修正する機能である。スロットルモデルにより算出されるスロットル通過空気量をエアフローメータ8の出力値から算出されるスロットル通過空気量に一致させるように、流量係数の修正が行われる。この機能のため、推定空気量算出部22には、エアフローメータ8の出力値が逐次入力されている。
推定空気量は、推定MBTトルクと推定現在トルクの計算に用いられる。本明細書における推定MBTトルクとは、推定空気量のもとで点火時期をMBTにセットした場合に得られるトルクの推定値である。推定現在トルクは、推定空気量のもと現在の点火時期で得られるトルクの推定値である。
推定MBTトルクの計算は、推定MBTトルク算出部24で行なわれる。推定MBTトルク算出部24は、トルクマップを用いて推定空気量を推定MBTトルクに変換する。トルクマップは、前述の空気量マップの逆マップであって、点火時期がMBTであることを前提にして、空気量とトルクと種々のエンジン状態量をキーにして関連付けられたマップである。
推定現在トルクの計算は、推定MBTトルク算出部24による推定MBTトルクの計算と並行して、推定現在トルク算出部30で行なわれる。推定現在トルク算出部30は、前述のトルクマップを用いて推定空気量を推定現在トルクに変換する。ただし、推定現在トルク算出部30によるトルクマップの検索では、点火時期として現在の点火時期が用いられる。
推定MBTトルクは目標トルクとともに点火時期制御用効率算出部26に入力される。点火時期制御用効率算出部26は、目標トルクの推定MBTトルクに対する比率を点火時期制御用効率として算出する。算出された点火時期制御用効率は、点火時期算出部28に入力される。
点火時期算出部28は、エンジン回転数、空気量、空燃比等のエンジン状態量に基づいてMBTを算出するとともに、入力された点火時期制御用効率からMBTに対する遅角量を算出する。そして、MBTに遅角量を足しあわせたものを最終的な点火時期として算出する。MBTの計算には、例えば、MBTと各種のエンジン状態量とを関連付けるMBTマップを用いることができる。遅角量の計算には、例えば、遅角量と点火時期制御用効率及び各種のエンジン状態量とを関連付ける遅角量マップを用いることができる。各マップの検索には、エンジン状態量の実際値や目標値が用いられる。
前記の遅角量マップによれば、点火時期制御用効率が1よりも小さいほど遅角量は大きくされ、点火時期制御用効率が1に近いほど遅角量は小さくされる。ただし、遅角量には下限値が設定されている。MBTの近傍は点火時期の変化に対するトルクの感度が低い不感帯域であり、トルクに対する点火時期の誤差が大きいためである。その不感帯域の境界が遅角量の下限値に対応している。MBTと遅角量の下限値とにより決まる点火時期が点火時期の進角限界であり、点火時期制御用効率がさらに1に近づいたとしても、点火時期はこの進角限界によってガードされることになる。
制御装置2は、点火時期算出部28で算出された点火時期に従って点火装置6の操作を行う。
また、制御装置2は、上記の処理と並行して、推定MBTトルクと推定現在トルクの差を計算する。そして、算出したトルク差を効率ガード制御部32に入力する。効率ガード制御部32は、推定MBTトルクと推定現在トルクとの差が基準トルク差より大きいかどうか判定し、その判定結果に応じて前述の効率ガード34を制御する。
効率ガード制御部32による効率ガード34の制御が行われるのは、エンジンのアイドル運転時である。アイドル運転時にエンジン回転数が低下した場合、エンジン回転数を回復させるように目標トルクが増大され、目標トルクの増大に合わせて目標効率は1に近づけられていく。その間、推定MBTトルクと推定現在トルクとの差は、目標効率が1に近づくに伴って次第に小さくなっていく。効率ガード制御部32は、推定MBTトルクと推定現在トルクとの差が基準トルク差より大きいかどうか判定する。そして、推定MBTトルクと推定現在トルクとの差が基準トルク差まで縮まった場合に、前述の効率ガード34によって目標効率のそれ以上の増大を制限する。
効率ガード制御部32が判定に使用する基準トルク差は、遅角量の下限値に対応して設定されている。後に具体例を挙げて説明するが、効率ガード34によって目標効率の増大が制限されると、その暫く後に点火時期は一定に維持されるようになる。そのときのMBTに対する遅角量が前述の下限値を下回らないように、基準トルク差の設定が行われている。ただし、そのような適切な基準トルク差の値は一定ではなく、条件によって適切な基準トルク差の値は異なったものになる。
エアフローメータ8の劣化状態は、基準トルク差の値を左右する条件の一つである。このため、効率ガード制御部32は、エアフローメータ8が劣化していないときの基準トルク差の値を初期値として、AFM劣化判定部36により判定されるエアフローメータ8の劣化状態に応じて基準トルク差の値を変化させる。詳しくは、エアフローメータ8の劣化が進むほど、効率ガード制御部32は、基準トルク差の値をより大きい値に変更する。
なお、エアフローメータ8が劣化している場合、エアフローメータ8は実際の空気の質量流量よりも大きい値を出力する。このため、エアフローメータ8が劣化した場合には、空気量を用いたエンジン制御、例えば、空燃比フィードバック制御にその影響が及ぶことなる。AFM劣化判定部36は、エアフローメータ8の劣化状態を公知の方法によって判定する。例えば、空燃比フィードバック制御による補正値や学習値からエアフローメータ8の劣化状態を判定することができる。
図2及び図3は、制御装置2によるアイドル運転時のエンジン回転数制御の内容とその結果とを示す図である。以下、本実施の形態において得られるエンジン回転数制御上の効果について図2及び図3を用いて説明する。
図2及び図3の最上段のチャートには、アイドル運転時のエンジン回転数(実回転数)の時間変化が目標回転数と併せて示されている。2段目のチャートには、目標トルク、空気量制御用トルク、推定MBTトルク、推定現在トルク、実際のMBTトルク及び実際の現在トルクの各時間変化が示されている。3段目のチャートには、目標効率と点火時期制御用効率の各時間変化が示されている。そして、最下段のチャートには、点火時期の時間変化が点火時期の進角限界と併せて示されている。
図2は、エアフローメータ8が劣化していない状態で行われるエンジン回転数制御の内容とその結果とを示している。ここでは、時刻t1にてエンジン回転数が低下し始めた場合について示している。この場合、エンジン回転数の低下をトルク増によって抑制し、さらにはエンジン回転数を目標回転数まで回復させるべく、目標トルクが増大されていく。また、目標トルクの増大に合わせて目標効率は1に近づけられていく。
目標効率は、目標トルクを目標効率で除算して得られる空気量制御用トルクが一定に維持されるように増大される。空気量制御用トルクが一定に維持されることで、空気量を一定に維持するようにスロットルの操作が行われる。また、この間、空気量(推定空気量)によって決まる推定MBTトルクも一定に維持されることになるため、推定MBTトルクと目標トルクとの比である点火時期制御用効率は目標トルクの増大に応じて増大されていく。これにより、点火時期はMBTに向けて進角されていく。
そして、推定MBTトルクと推定現在トルクとの差が基準トルク差まで縮まった時点(図2の時刻t2)で、効率ガード34によって目標効率のそれ以上の増大は制限される。これにより、時刻t2以降は、目標トルクの増大に伴って空気量制御用トルクが増大していくことになる。一方、推定MBTトルクは、スロットル4の操作に対する空気量の応答遅れの分だけ空気量制御用トルクに遅れて増大し始める。推定MBTトルクが目標トルクの増大に伴って増大してくことで、推定MBTトルクと目標トルクとの比である点火時期制御用効率は一定となり、点火時期はほぼ一定に維持されるようになる。このとき、点火時期は進角限界の近くまで進角されることになるが、前述のような基準トルク差の設定により、点火時期が進角限界に張り付いてしまうことはない。
以上のように、制御装置2は、アイドル運転時のエンジン回転数に低下が生じた場合、まずは点火時期の進角によってトルクアップを図り、その後、基準トルク差の値により決まる適切なタイミングにて空気量によるトルク制御へと切り替える。このような空気量と点火時期との協調制御によれば、アイドル運転時のエンジン回転数に低下が生じたとしても、エンジン回転数を目標回転数まで速やかに戻すことができる。
一方、図3は、エアフローメータ8が劣化した状態で行われるエンジン回転数制御の内容とその結果とを示している。エアフローメータ8が劣化している場合、エアフローメータ8の出力値を用いて算出される推定空気量よりも実際の空気量は少ない。このため、実際のMBTトルクや現在トルクは、推定MBTトルクや推定現在トルクよりも小さくなっている。その一方で、図2と図3との比較から分かるように、エアフローメータ8が劣化している場合には、空気量の不足によるエンジン回転数の低下を抑えるように、目標効率がより大きい値とされて点火時期はより進角側に制御されている。このため、点火時期の進角限界までの余裕分は、エアフローメータ8が劣化していない場合よりも小さくなっている。
図3では、時刻t3にてエンジン回転数が低下し始めた場合について示している。この場合も、エンジン回転数の低下をトルク増によって抑制し、さらにはエンジン回転数を目標回転数まで回復させるべく、目標トルクが増大されていく。また、目標トルクの増大に合わせて目標効率は1に近づけられていく。そして、推定MBTトルクと推定現在トルクとの差が基準トルク差まで縮まった時点(図3の時刻t4)で、効率ガード34によって目標効率のそれ以上の増大は制限される。ただし、この場合の基準トルク差は、エアフローメータ8が劣化していない状態のそれと比較して大きな値に設定されている。基準トルク差を大きくとることで、エアフローメータ8が劣化していない場合と比較して、より早いタイミングで効率ガード34による目標効率の制限が行われることになる。
効率ガード34による目標効率の制限がより早いタイミングで行われることで、点火時期によるトルク制御から空気量によるトルク制御への切り替えのタイミングも早められる。これにより、点火時期が進角限界に達する前に空気量によるトルク制御に切り替えることが可能となるので、点火時期が進角限界に張り付いてしまうことはない。つまり、点火時期によるトルク制御が有効な状態で空気量によるトルク制御へと切り替えることができる。したがって、エアフローメータ8が劣化している場合であっても、空気量と点火時期との適切な協調制御により、エンジン回転数を目標回転数まで速やかに戻すことができる。
以上のように、本実施の形態の制御装置2によれば、エアフローメータ8の劣化状態がアイドル運転時のエンジン回転数の制御状態に与える影響を低減することができる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
2 制御装置
4 スロットル
6 点火装置
8 エアフローメータ
12 目標トルク設定部
14 目標効率設定部
16 空気量制御用トルク算出部
18 目標空気量算出部
20 スロットル開度算出部
22 推定空気量算出部
24 推定MBTトルク算出部
26 点火時期制御用効率算出部
28 点火時期算出部
30 推定現在トルク算出部
32 効率ガード制御部
34 効率ガード
36 AFM劣化判定部

Claims (1)

  1. エアフローメータを有する内燃機関に用いられ、空気量と点火時期によるトルクの制御によってアイドル運転時の機関回転数を制御する制御装置において、
    目標トルクを1以下の値の無次元量で除算し、その算出値を空気量制御用トルクとして設定する空気量制御用トルク設定手段と、
    MBTのもとで前記空気量制御用トルクを実現するための目標空気量を算出する目標空気量算出手段と、
    前記目標空気量に従って空気量を制御する空気量制御手段と、
    前記エアフローメータの出力値を用いて現在の空気量(以下、推定空気量)を算出する推定空気量算出手段と、
    点火時期をMBTに設定した場合に内燃機関が発生するトルク(以下、推定MBTトルク)を前記推定空気量に基づいて算出する推定MBTトルク算出手段と、
    前記推定MBTトルクと前記目標トルクとの差を補償するための点火遅角量を算出する点火遅角量算出手段と、
    前記点火遅角量に従って点火時期を制御する点火時期制御手段と、
    現在の点火時期のもとで内燃機関が発生するトルク(以下、推定現在トルク)を前記推定空気量に基づいて算出する推定現在トルク算出手段と、
    前記目標トルクを設定する手段であって、アイドル運転時に機関回転数が目標回転数よりも低下した場合には、機関回転数を回復させるように前記目標トルクを増大させる目標トルク設定手段と、
    前記無次元量を設定する手段であって、アイドル運転時に機関回転数の低下に伴って前記目標トルクが増大される場合には、前記目標トルクの増大に合わせて前記無次元量を1に近づける無次元量設定手段と、
    前記無次元量が1に近づくに伴って前記推定MBTトルクと前記推定現在トルクとの差が基準トルク差まで縮まった場合に、前記無次元量のそれ以上の増大を制限する制限手段と、
    前記エアフローメータの劣化状態を判定する劣化判定手段と、
    前記基準トルク差を設定する手段であって、前記エアフローメータが劣化している場合には、劣化していない場合と比較して前記基準トルク差を大きくとる基準トルク差設定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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