JP2012004251A - 太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】i層にて太陽光により励起された電子の流れを、p層又はn層に移行する際の障壁を小さくして、電流をミニバンドから取り出しやすくした太陽電池を提供する。
【解決手段】n層12と、このn層12の上に形成されたi層13と、このi層13の上に形成されたp層14に対し、太陽光が入射する。i層13は真性半導体層であり、n層12及びp層13は夫々n型及びp型の半導体層であるが、いずれも、量子ドット層である。従って、i層13で励起された電子は、n層12も含めて、量子ドット層のミニバンドを伝導して、電極に流れる。
【選択図】図2

Description

本発明は、量子ドットを利用した半導体層をもつ太陽電池に関する。
量子ドットは、約10nm以下の領域に電子を閉じ込めることにより、電子の量子力学的な波としての性質を使用するものである。近時、この量子ドットの性質を利用した太陽電池の開発が試みられている。量子ドットは、その大きさを変えることにより、サイズに応じて吸収する光の波長が変化し(量子サイズ効果)、小さい量子ドットは短波長の光(青色光)を吸収し、大きな量子ドットは長波長の光(赤色光)を吸収する。量子ドットを並べるとその相互作用により新しい光吸収帯が形成されて光を吸収する波長の幅を広げることができる。これにより、理論的には、極めて高い変換効率の太陽電池を得ることができる。このような量子ドットの効果を十分発揮させるためには、均一な大きさの量子ドットを3次元的に規則正しく、高密度で並べる必要がある。
太陽電池用のセルとして、所謂第1世代においては、結晶シリコンが使用されていたが、第2世代においては、アモルファスシリコン及び微結晶シリコンの薄膜シリコンセルが使用されている。この第2世代の薄膜シリコンセルにおいては、その変換効率の向上が種々研究開発されてきたが、近時、上記従前の材料の変換効率の理論限界(最高で28%程度)を大きく超える理論変換効率(60%超)が得られる可能性がある太陽電池セルとして、量子ドット太陽電池が注目されている(非特許文献1)。この量子ドットは、非特許文献1では、数nm〜数10nmのナノ結晶構造を、基板結晶上にエピタキシャル成長させる方法で作成されている。
図5は、非特許文献1に記載された量子ドット太陽電池の構造を示し、図6は、そのエネルギバンド図を示す。図5に示すように、半導体基板100の裏面に裏面電極101が形成されており、半導体基板100上にn(n型半導体)層102が形成されている。そして、このn層102の上に、i(真性半導体)層103が形成されており、更に、このi層103の上に、p(p型半導体)層104が形成されている。このp層104の上に格子状のグリッド電極106が形成されており、このグリッド電極106の開口部に透明な反射防止膜105が形成されている。太陽光は、このグリッド電極106の開口部の反射防止膜105を透過してp層104、i層103及びn層102に入射する。
i層103は、量子ドット層107と中間層108とを交互に積層したものであり、この量子ドット層107の間に挿入される中間層108の厚さが厚いと、エネルギバンド構造は、図6(a)に示すようになる。太陽光の吸収により励起された電子は、光励起又は熱励起により量子ドットの井戸から抜け出し、電流として取り出される。このとき、電子の非発光再結合及び発光再結合が生じ、エネルギの損失が生じる。
一方、中間層の厚さを数nm程度まで薄くすると、図6(b)に示すように、量子ドット間にミニバンドが形成され、太陽光の吸収により励起した電子及び正孔は少ないエネルギ損失で移動することができ、このi層で生成する電流は多い。
Science & Technology Trends January 2008 feature article 02(http://www.nistep.go.jp/achiev/ftx/jpn/stfc/stt082j/0801_03_featurearticles/0801fa02/200801_fa02.html
上述のように、量子ドット層107によりi層103を構成することにより、ミニバンドが形成されるので、太陽光により電子及び正孔を励起するのに必要なエネルギは小さくてよく、少ない吸収エネルギで電子及び正孔を励起するので、効率よく電流が生成し、変換効率が高い。そして、励起した電子は、ミニバンドを伝導して、n層102に至る。
しかしながら、上述の如くして励起した電子は、n層102に移る際に、ミニバンドから伝導帯まで障壁を乗り越える必要がある。このため、従来の量子ドット太陽電池は、取り出せる電流に限界があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、i層にて太陽光により励起された電子又は正孔の流れを、n層又はp層に移行する際の障壁を小さくして、電流をミニバンドから取り出しやすくした太陽電池を提供することを目的とする。
本発明に係る太陽電池は、裏面電極と、この裏面電極上に形成されたn型半導体層と、このn型半導体層の上に形成された真性半導体層と、この真性半導体層の上に形成されたp型半導体層と、このp型半導体層の上に形成され太陽光を透過して前記真性半導体層に入射させる電極とを有し、前記真性半導体層並びに前記n型半導体層及びp型半導体層は、いずれも、量子ドット層であり、いずれも伝導帯及び荷電子帯よりも内側にミニバンドを有する層であることを特徴とする。
本発明に係る他の太陽電池は、裏面電極と、この裏面電極上に形成されたn型半導体層と、このn型半導体層の上に形成された真性半導体層と、この真性半導体層の上に形成されたp型半導体層と、このp型半導体層の上に形成され太陽光を透過して前記真性半導体層に入射させる電極とを有し、前記真性半導体層並びに前記n型半導体層及びp型半導体層は、いずれも、粒子径が5乃至1000nmのナノ粒子からなる量子ドット層であり、いずれも伝導帯及び荷電子帯よりも内側にミニバンドを有する層であることを特徴とする。
この太陽電池において、例えば、前記真性半導体層は、Si粒子とAg粒子とが規則的に配置されたものであり、前記P型半導体層は、P型不純物をドープしたSi粒子と、Ag粒子とが規則的に配置されたものであり、前記N型半導体層は、N型不純物をドープしたSi粒子と、Ag粒子とが規則的に配置されたものである。
本発明によれば、n型半導体層(n層)及びp型半導体層(p層)も量子ドット層で構成するので、電子がi層からn層へ移行する際の障壁が小さく、大きな電流を高速で取り出すことができる。
本発明の実施形態に係る太陽電池のセルの層構成を示す断面図である。 上記太陽電池の各層のバンド構造を示す図である。 量子ドット層の粒子構造を示す模式図である。 量子ドット層の製造方法を示す模式図である。 従来の量子ドット太陽電池の層構成を示す断面図である。 上記従来の太陽電池の各層のバンド構造を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の実施形態に係る太陽電池の薄膜構造を示す断面図、図2はそのエネルギバンドギャップ図である。図1に示すように、本実施形態の太陽電池は、裏面電極11の上には、n型半導体層(n層)12、真性半導体層(i層)13、p型半導体層(p層)14が積層されている。そして、p層14の上に格子状のグリッド電極16が形成されており、このグリッド電極16の開口部に反射防止膜15が形成されている。太陽光は、グリッド電極16の開口部の反射防止膜15を透過してp層14、i層13及びn層12に入射する。なお、反射防止膜15は太陽光が反射してしまうことを防止して効率よく太陽光を薄膜構造の中に取り込むための層である。また、n層12、i層13及びp層14の積層体にて励起した電子は、n層12から裏面電極11に流れる。一方、p層14からの正孔は、グリッド電極16に流れる。
図3に示すように、例えば、i層13は、粒子径が5乃至1000nmの多数のシリコン(Si)粒子と、粒子径が5乃至1000nmのAg(銀)粒子とからなるベース構造を有し、これらのSi粒子とAg粒子とが規則的に配置されている。また、p層14は、同様に、粒子径が5乃至1000nmの多数のシリコン(Si)粒子と、粒子径が5乃至1000nmのAg(銀)粒子とが規則的に配置されているが、p層14においては、Si粒子にB(ボロン)等のp型不純物がドープされている。更に、n層12は、同様に、粒子径が5乃至1000nmの多数のシリコン(Si)粒子と、粒子径が5乃至1000nmのAg(銀)粒子とが規則的に配置されているが、n層12においては、Si粒子にAs(砒素)等のn型不純物がドープされている。なお、これらのドープ元素は、上記各元素に限らず、公知のp型ドープ元素及びn型ドープ元素を使用することができる。また、各ドープ元素の量を調整することにより、p層14及びn層12のフェルミ準位をコントロールすることができる。
ベース構造のAg粒子は、その間隔が一定になるように規則的に配列されている。次に、このベース構造の量子ドット層の形成方法の一例について、説明する。図3に示す粒子構造は、ナノ粒子のSi粒子が面心立方格子の格子点の位置に存在し、面心立方格子の一面において、その3軸が直交する位置にある4個のSi粒子が面心の位置にあるAg粒子に接触している。
Ag粒子は、導電体粒子であり、ナノ粒子である。しかし、例えば、インジウム(In)、タンタル(Ta)、タングステン(W)等のレア・メタルのナノ粒子、金(Au)等の貴金属のナノ粒子も使用することもできる。インジウム、タンタル、タングステンは不定形であるが、市販のものの平均粒子径は、夫々25μm、0.8μm、0.6μmである。金及び銀は球状であるが、その市販のものの平均粒子径は0.5μm、0.2μmである。また、金(Au)のナノ粒子を溶液で供給する市販のAu粒子源としては、粒径が3.5〜5.5nm、3〜5nm及び2〜4nmのものがある。また、銀(Ag)のナノ粒子を溶液で供給する市販のAg粒子源としては、粒径が3〜7nm及び5〜15nmのものがある。
この図3に示す粒子構造のベース構造は、以下のようにして形成することができる。図4に示すように、Ag粒子とSi粒子(真性半導体、p型半導体又はn型半導体のSi粒子)とを、均一に分散させた溶液6を、容器5内に貯留する。この溶液6の溶媒としては水を使用することができる。基板7は支持部材8に吊り下げられており、この支持部材8は昇降装置9により上下動可能になっている。そして、昇降装置9により支持部材8を介して基板7を下降させ、基板7を溶液6内に浸漬する。これにより、この基板7の表面に溶液6の層が付着する。そして、昇降装置9により、基板7を引き上げると、基板7の表面に付着した溶液6の層は、乾燥する過程で、表面張力により縮み、溶液内の粒子のうち、大径の粒子が最密充填の位置に位置して固化する。これにより、最密充填の結晶構造が面心立方格子の場合には、図3に示すように、大径のSi粒子が面心立方格子の格子点に位置し、面心位置にAg粒子が位置して、これらのSi粒子とAg粒子とが配置される。このような面心立方格子の結晶構造(粒子の配置構造)が3次元的に形成される。なお、基板7の引き上げ速度は、例えば、数百nm/s〜数十μm/sである。基板7の材質としては、ガラス、鉄板及びアルミニウムホイル等を使用することができ、更に、薄膜樹脂シート等も使用できる。
このようにして、図3に示すように、面心立方格子の格子点の位置に大径のSi粒子が面心位置の小径のAg粒子に接触して存在し、これらのSi粒子とAg粒子とからなるナノ粒子の配置構造が得られる。このとき、Si粒子及びAg粒子の粒径が一定(均一)であると、約10nm以下の領域にAg粒子を配置し、電子をこの約10nmに閉じ込めることができる。なお、ナノ粒子の配置は、上記実施形態のように、面心立方格子の位置に限らず、種々の配置態様が考えられ、例えば、ナノ粒子を体心立方格子の位置に配置することもできる。
このようにして、極めて容易に且つ高生産性で、量子ドットの半導体層を形成することができる。量子ドットは約10nm以下の領域に電子を閉じ込めることにより、半導体のバンドギャップを形成する技術である。これにより、図2に示すように、伝導帯及び荷電子帯よりも内側にミニバンドが形成され、光により励起された電子及び正孔がこのミニバンドを介して移動することができるようになる。
次に、上述のように構成された太陽電池の動作について説明する。p層14とn層12とのpn接合の間に、i層13を設けたので、太陽光は、pn接合の急峻なバンドエネルギ変化の伝導帯部分ではなく、緩やかなi層の伝導帯部分において、電子及び正孔を励起するため、効率的に電子及び正孔を励起することができ、太陽光の吸収効率が高い。そして、i層13で大量に生成した伝導帯の電子は、i層が量子ドット層であることから、そのミニバンドを経由して半導体基板10及び裏面電極11に向けて流れる。このため、電子及び正孔に対する太陽光の励起エネルギが低くても、電子及び正孔が十分に励起され、電流を取り出すことができる。
一方、従来は、n層12及びp層14が夫々n型半導体層及びp型半導体層であったため、励起された電子がi層13からn層12に移行しようとするときに、図6(b)に示すように、n層12の伝導帯を乗り越える必要があり、この部分で、電子の流れが阻害されていた。また、正孔もp層14の荷電子帯を乗り越える必要があり、この部分で、正孔の流れが阻害されていた。
これに対し、本実施形態においては、p層14及びn層12も、量子ドット層で構成しているため、励起された電子は、n層12のミニバンドを伝導して、裏面電極11に到達するため、従来の障壁が解消され、電流を高効率で高速に取り出すことができる。正孔も同様に、p層14のミニバンドを伝導して、グリッド電極16に到達し、従来の障壁が障害となることなく、高効率でグリッド電極16に伝導する。
このようにして、本発明においては、n層及びp層として量子ドット層を形成したので、太陽電池により効率的に励起された電子を、高効率で取り出すことができ、大電流を高速で取り出すことができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、p層14、i層13、n層12は、上記実施形態の図4に示すように、基板7を溶液6内に浸漬し、基板7の表面に溶液6の層を付着させ、溶液6の層が乾燥する過程で、表面張力により縮み、最密充填の結晶構造(面心立方格子)を形成することにより、量子ドット構造としたものではなく、例えば、エピタキシャル成長により、量子ドット構造を形成してもよい。量子ドットの構造自体は種々の方法で形成することができる。また、p層14、i層13、n層12の積層体は、適宜の半導体基板を支持体として形成してもよい。量子ドット層は、伝導帯及び荷電子帯よりも内側にミニバンドを有する層である。
本発明は、太陽光を高効率で電気エネルギに変換する太陽電池のセルとして、大電流を高効率で高速に取り出すことができ、極めて有用である。
6:溶液
7:基板
11、101:裏面電極
12:n層(量子ドット層)
13:i層(量子ドット層)
14:p層(量子ドット層)
15、105:反射防止膜
16、106:グリッド電極
102:n層
103:i層
104:p層

Claims (3)

  1. 裏面電極と、この裏面電極上に形成されたn型半導体層と、このn型半導体層の上に形成された真性半導体層と、この真性半導体層の上に形成されたp型半導体層と、このp型半導体層の上に形成され太陽光を透過して前記真性半導体層に入射させる電極とを有し、前記真性半導体層並びに前記n型半導体層及びp型半導体層は、いずれも、量子ドット層であり、いずれも伝導帯及び荷電子帯よりも内側にミニバンドを有する層であることを特徴とする太陽電池。
  2. 裏面電極と、この裏面電極上に形成されたn型半導体層と、このn型半導体層の上に形成された真性半導体層と、この真性半導体層の上に形成されたp型半導体層と、このp型半導体層の上に形成され太陽光を透過して前記真性半導体層に入射させる電極とを有し、前記真性半導体層並びに前記n型半導体層及びp型半導体層は、いずれも、粒子径が5乃至1000nmのナノ粒子からなる量子ドット層であり、いずれも伝導帯及び荷電子帯よりも内側にミニバンドを有する層であることを特徴とする太陽電池。
  3. 前記真性半導体層は、Si粒子とAg粒子とが規則的に配置されたものであり、前記P型半導体層は、P型不純物をドープしたSi粒子と、Ag粒子とが規則的に配置されたものであり、前記N型半導体層は、N型不純物をドープしたSi粒子と、Ag粒子とが規則的に配置されたものであることを特徴とする請求項2に記載の太陽電池。
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