JP2012005111A - シールドケーブル用ノイズフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】様々な種類のシールドケーブルに対応し、かつ、シールドケーブル上の任意の位置において電磁ノイズに対して等価的にSG系統とFG系統を接続するシールドケーブル用ノイズフィルタを提供する。
【解決手段】ノイズフィルタ1の外部筒機構10でシールドケーブルを挟み込むと、内側導体12の導体突起20がシールドケーブルの絶縁被覆材を突き破り、その内側の外導体に食い込む。シールドケーブルの外導体(SG系統)に重畳した電磁ノイズは、導体突起20、内側導体12、容量性部材を配置した隙間部13、外側導体11、台座30を介して外部の導体(FG系統)へ逃す。
【選択図】図1

Description

この発明は、シールドケーブルに重畳した電磁ノイズの伝搬を抑制するシールドケーブル用ノイズフィルタに関するものである。
電磁ノイズの多い環境における通信システム等では、シールドケーブルを利用することにより、電磁的に外部から隔離したり、ケーブルからの電磁妨害放射を抑制したりしている。シールドケーブルは、内部の導体線、外部のシールド用外導体(外導体シース)及び保持用の樹脂から構成されており、内部の導体線に通信システムの信号系統を接続し、外導体シースをグラウンドに接続することで、内部の信号系統をグラウンドで包み込んだシールド構造となる。
しかし、大電力を取り扱う強電系の機器においては、大電流の帰路となるグラウンドと、弱電系の導体線のグラウンドとを切り離して構成することが多く、それぞれのグラウンドが分離した系統になっている。以下、強電系の帰路のグラウンドとなる金属筐体等をフレームグラウンド(FG)、シールドケーブルの外導体に接続する信号系のグラウンドをシグナルグラウンド(SG)と称す。強電系の機器では、これらFG系統とSG系統が切り離されているため、SGに電磁ノイズが重畳された場合は、シールドケーブルの外導体を伝わり、様々な機器に影響を及ぼす可能性がある。
そこで、SG系統の電磁ノイズのみを抑制する構成が、例えば特許文献1〜4に開示されている。
特許文献1に係るノイズフィルタは、分割形の磁性体コアが収納される固定用ホルダケースに導電性の材料を使用し、固定用ホルダケースにシールド特性をもたせるように構成する。このノイズフィルタをシールド導体を削除したシールドケーブルに取り付けることにより、シールドケーブル内に磁性体フィルタを形成して、ノイズの伝搬を抑制している。
また、特許文献2に係るノイズフィルタは、筒体に細い導体をスパイラル状に巻き付けて形成したインダクタ(L)と、この筒体の内側又は外側の対向位置に別の導体を設けて導体同士の間にできるキャパシタ(C)とを組み合わせて、LCフィルタの機能を持たせている。
また、特許文献3に係るノイズフィルタは、ケーブルに、磁性材及び樹脂を混合して形成した筒状磁性体と通常の導電体とを年輪状に重ねて配置することにより、磁性体フィルタを形成している。
さらに、特許文献4に係るノイズフィルタ付きコンタクトピンでは、貫通コンデンサの内側電極をコンタクトピンの外導体に接続させ、この貫通コンデンサの外側電極を回路基板の共通電極に接続させて、外導体を伝搬するノイズを抑制している。
特開平06−310340号公報 特開平02−233705号公報 特開平03−211906号公報 特開平07−073935号公報
しかしながら、上述した特許文献1,3では、ノイズフィルタの構成要素として磁性体を使用しており、フィルタ対象とするノイズの周波数によってはフィルタ効果を十分に得ることができないという課題があった。
また、上述の特許文献2では、LCフィルタ機能を持たせた筒体にケーブルを挿入して用いることを目的としていないため、シールドケーブルにフィルタを装荷する際に、シールドケーブルを切断して芯線を露出させた後、芯線とフィルタとを接続しなければならず、任意の位置に装荷しづらいという課題があった。
さらに、上述した特許文献4では、コンタクトピンを配置する特定の位置においてSG系統とFG系統を接続する構成であり、シールドケーブル上の任意の位置ではSG系統とFG系統を接続することができないという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、様々な種類のシールドケーブルに対応し、かつ、シールドケーブル上の任意の位置において電磁ノイズに対して等価的にSG系統とFG系統を接続するシールドケーブル用ノイズフィルタを提供することを目的とする。
この発明に係るシールドケーブル用ノイズフィルタは、シールドケーブルを、分割された一組の外部筒機構で挟み込むものであって、一組の外部筒機構は、シールドケーブルを挟み込む一組の内側導体と、内側導体の外側に形成され、外部の導体と電気的に接続する一組の外側導体と、外側導体の内面と内側導体の外面の隙間に配置され、外側導体と内側導体を電気的に接続する容量性部材と、内側導体の内面に突設され、シールドケーブルの外導体に食い込み電気的に接続する導体突起とを備えるものである。
また、この発明に係るシールドケーブル用ノイズフィルタは、一組の外部筒機構が、シールドケーブルの絶縁被覆材が剥がされて外導体の露出した部分を挟み込む一組の内側導体と、内側導体の外側に形成され、外部の導体と電気的に接続する一組の外側導体と、外側導体の内面と内側導体の外面の隙間に配置され、外側導体と内側導体を電気的に接続する容量性部材と、内側導体の内面に形成され、シールドケーブルの外導体が露出した部分に当接して押さえ込む保持導体とを備えるものである。
この発明によれば、外側導体と内側導体を容量性部材で接続し、この外側導体を外部の導体(FG)に接続させると共に、内側導体の内面に突設した導体突起をシールドケーブルの外導体(SG)に食い込ませて接続するようにしたので、様々な種類のシールドケーブルに装荷することができ、かつ、シールドケーブルの任意の位置において電磁ノイズに対して等価的にSG系統とFG系統を接続できるシールドケーブル用ノイズフィルタを提供することができる。その結果、シールドケーブルの外導体に重畳した電磁ノイズの伝搬を抑制することができる。
また、この発明によれば、シールドケーブルの外導体露出部分を、内側導体の内面に形成した保持導体で押さえ込むようにしたので、シールドケーブルとノイズフィルタとの電気的および機械的な接触が外れることを確実に防止できるようになり、ノイズフィルタとしての性能をより一層高めることができる。
この発明の実施の形態1に係るノイズフィルタの構成を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係るノイズフィルタの外部筒機構の外観構成を示す外観斜視図である。 この発明の実施の形態1に係るノイズフィルタを図2のA−A線に沿って切断した断面図である。 この発明の実施の形態1に係るノイズフィルタの下部を図2のB−B線に沿って切断した断面図である。 この発明の実施の形態1に係るノイズフィルタを図2のB−B線に沿って切断した断面図であり、ノイズフィルタをシールドケーブルに装荷した状態を示す。 この発明の実施の形態2に係るノイズフィルタの構成を示す斜視図である。 この発明の実施の形態3に係るノイズフィルタの構成を示す斜視図である。 この発明の実施の形態4に係るノイズフィルタの構成の一例を示す図である。 この発明の実施の形態4に係るノイズフィルタの構成の他の一例を示す図である。 この発明の実施の形態4に係るノイズフィルタの構成の別の一例を示す図である。 この発明の実施の形態4に係るノイズフィルタの構成のさらに別の一例を示す図である。 この発明の実施の形態5に係るノイズフィルタの構成の一例を示す図である。 この発明の実施の形態6に係るノイズフィルタを図2のB−B線に沿って切断した断面図である。 この発明の実施の形態6に係るノイズフィルタの外側導体の外形を示す図である。 この発明の実施の形態6に係るノイズフィルタの内側導体の外形を示す図である。 この発明の実施の形態6に係るノイズフィルタを図2のB−B線に沿って切断した断面図であり、別の一例を示す。 この発明の実施の形態7に係るノイズフィルタを図2のA−A線に沿って切断した断面図である。 この発明の実施の形態8に係るノイズフィルタの構成を示す図である。 この発明の実施の形態8に係るノイズフィルタの等価回路を示す図である。 この発明の実施の形態9に係るノイズフィルタの構成を示す図である。 この発明の実施の形態9に係るノイズフィルタの等価回路を示す図である。 この発明の実施の形態9に係るノイズフィルタにおける各フィルタの伝搬遮断特性の比較を表す図である。 この発明の実施の形態10に係るノイズフィルタの構成を示す図である。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るノイズフィルタ1の構成を示す斜視図である。ノイズフィルタ1は、図1に示すように、外部筒機構10、導体突起20、台座30から構成されている。この外部筒機構10は台座30に固定されており、台座30は図示しない電子機器の筐体(外部の導体)に固定される。
外部筒機構10は、図1に示すように、円筒形状の外側導体11と、その内側に形成した円筒形状の内側導体12とを組み合わせてなる。外側導体11の内径は内側導体12の外径よりも大きく、外側導体11の外周面と内側導体12の内周面の間には隙間部13が形成されている。また、外側導体11と内側導体12は軸方向に二分割され、開閉可能に形成されている。
外側導体11は、上部外側導体11aと下部外側導体11bがそれぞれ半円筒形状に形成され、また、それぞれの外周の一部が開閉可能に接続された開閉機構(不図示)を備える。さらに、外側導体11は台座30と電気的に接続している。
内側導体12は、上部内側導体12aと下部内側導体12bがそれぞれ半円筒形状に形成され、また、内部には空間が形成されている。この空間に後述するシールドケーブルを挿入して格納でき、導体突起20を介してシールドケーブルの外導体と電気的に接続するよう機能する。
なお、説明のために上部と下部を呼び分けるが、このノイズフィルタ1は、どのような方向でも使用可能なことは言うまでもない。
隙間部13には、後述するコンデンサ(容量性部材、不図示)が配置されており、このコンデンサが外側導体11と内側導体12を電気的に接続している。上部隙間部13aは、上部外側導体11aと上部内側導体12aの間に形成されており、下部隙間部13bは下部外側導体11bと下部内側導体12bの間に形成されている。
導体突起20は、刃状の板で構成され、内側導体12の内部空間に複数設けられている。この導体突起20は、上部内側導体12aの内周面に設けた半円弧状の上部導体突起20aと、下部内側導体12bの内周面に設けた半円弧状の下部導体突起20bとが互い違いに対向するよう配置されている。また、各導体突起20は内側導体12と導通しており、外部筒機構10の軸方向に組み付けられたシールドケーブルの絶縁被覆材51を突き抜けて内側の外導体に食い込み、この外導体と外部筒機構10の内側導体12とを電気的に接続させるように機能する。
台座30は、導体で構成されており、受け部31及びネジ穴32を有している。受け部31は外部筒機構10の外周面に固着して保持するための保持部材であり、ネジ穴32はネジにより電子機器の筐体に台座30を取り付けるための穴である。
なお、台座30は外部筒機構10を保持し、かつ、電子機器筐体と電気的に接続する構成であれば図示例以外の形状であっても良く、例えば導電性の接着剤又はテープを用いることもできる。
次に、外部筒機構10の外観の構成を説明する。
図2は、外部筒機構10の外観構成を示す外観斜視図であり、閉じた状態を示す。外部筒機構10は、図2に示すように、上部外側導体11aと下部外側導体11bが合わさる接合部14の部分で閉状態を維持する上下の固定ストッパ15を備え、上下の固定ストッパ15にはネジ穴16が設けられている。このネジ穴16に、図示しないネジ(留め具)を螺入することで上部外側導体11aと下部外側導体11bとを接合して閉じる。なお、ネジで留める以外の構成であっても良く、例えば上下の固定ストッパ15に、互いに係合する凹凸形状を形成する構成にしても良い。
なお、図2では台座30の図示を省略する。また、図1では固定ストッパ15及びネジ穴16の図示を省略している。
次に、隙間部13の詳細な構成を説明する。
図3は、図2に示すノイズフィルタ1をA−A線に沿って切断した断面図である。図3に示すように、外側導体11と内側導体12の間の隙間部13には、コンデンサ41が複数配置されている。このコンデンサ41は両端に電極41a,41bを有し、電極41aが外側導体11の内周面に半田で固定されて電気的に接続されており、電極41bが内側導体12の外周面に半田で固定されて電気的に接続されている。コンデンサ41は、適宜設定された任意の大きさ及び任意の静電容量のコンデンサであり、例えばチップコンデンサで構成しても良い。
さらに、各コンデンサ41の間の隙間13には樹脂が充填されており、各コンデンサ41を固定支持している。なお、樹脂以外の充填材料を用いて各コンデンサ41を固定支持してもよいし、半田付けで十分に固定されていれば中空にしてもよい。
次に、導体突起20の詳細な構成を説明する。
図4は、図2に示すノイズフィルタ1をB−B線に沿って切断した断面図であり、外部筒機構10の下部側を拡大して示す。なお、コンデンサ41は図示を省略する。導体突起20のうちの図4に示す下部導体突起20bは、間隔をあけて下部内側導体12bに突設されており、先端が刃状になった鋭い板状である。なお、導体突起20は、内側導体12に電気的に接続された突起状の導体であればよく、例えば、内側導体12の一部を突出させるようにして形成しても良いし、内側導体12とは別体で形成して内側導体12の内周面へ取り付けても良い。
この導体突起20は、後述するシールドケーブルに外部筒機構10を装荷した際に、シールドケーブルの絶縁被覆材を突き破って内側の外導体に食い込み、この外導体と電気的に導通する。これにより、導体突起20を介してシールドケーブルの外導体と外部筒機構10の内側導体12が電気的に接続する。このため、上部導体突起20aと下部導体突起20bがシールドケーブルの外導体に食い込んだ際にこの外導体を切断してしまうことがないように、上部導体突起20aと下部導体突起20bの配置位置を決める必要がある。本実施の形態1の図示例では、上部導体突起20aと下部導体突起20bを互い違いに配置して、シールドケーブルの外導体を切断しない構成にする。ただし、切断のおそれがなければ、上部導体突起20aと下部導体突起20bをどのように配置してもよく、例えば互いに同じ位置に配置してもよいし、規則性無く配置してもよい。
次に、シールドケーブルにノイズフィルタ1を装荷する方法を説明する。
図5は、図2に示すノイズフィルタ1をB−B線に沿って切断した断面図であり、ノイズフィルタ1をシールドケーブル50に装荷した状態を示す。なお、コンデンサ41は図示を省略する。このシールドケーブル50は、絶縁被覆材51と、その内側に設けられて電子機器のSG系統を接続する外導体52と、さらにその内側に設けられて電子機器の信号系統を接続する導体線53とを備える。
先ず、ノイズフィルタ1の外部筒機構10を上下に開き、外部筒機構10下部の内部空間に収まるようにシールドケーブル50を上方から押し込んで固定する。このとき、下部内側導体12bの内周面に設けられた下部導体突起20bが絶縁被覆材51を突き破り、外導体52に食い込むように、十分な力で押し込むようにする。
続いて、外部筒機構10上部を閉じ、図2に示す固定ストッパ15のネジ穴16にネジを螺入して外部筒機構10の上下部を接合固定する。このとき、上部内側導体12aの内周面に設けられた上部導体突起20aが絶縁被覆材51を突き破り、外導体52に食い込む。従って、上部内側導体12a及び下部内側導体12bと外導体52とが接触して電気的に接続される。
シールドケーブル50に装荷されたノイズフィルタ1は、シールドケーブル50の外導体52に重畳した電磁ノイズを導体突起20、内側導体12、コンデンサ41、外側導体11、台座30を介して電子機器筐体(FG)へグラウンドするよう機能する。即ち、等価的にSG系統とFG系統が接続される。
以上より、実施の形態1によれば、ノイズフィルタ1は、シールドケーブル50を、上部及び下部に分割された一組の外部筒機構10で挟み込む構成であって、この一組の外部筒機構10は、シールドケーブル50を挟み込む一組の内側導体12と、内側導体12の外側に形成され、電子機器筐体と電気的に接続する一組の外側導体11と、外側導体11の内面と内側導体12の外面の隙間13に配置され、外側導体11と内側導体12を電気的に接続するコンデンサ41と、内側導体12の内面に突設され、シールドケーブル50の外導体52に食い込み電気的に接続する導体突起20とを備えるように構成した。これにより、シールドケーブル50の任意の位置において、電磁ノイズに対して等価的にSG系統とFG系統を接続することができる。その結果、シールドケーブル50の外導体52に重畳した電磁ノイズの伝搬を抑制することができるという効果が得られる。
なお、上記実施の形態1に係るノイズフィルタ1の外部筒機構10は、シールドケーブル50の線径に応じて様々な太さで作成すればよい。このとき、シールドケーブル50の絶縁被覆材51及び外導体52の種類及び太さに応じて、導体突起20の長さを調整することで、様々な種類の外部筒機構10と導体突起20とを組み合わせることができる。このように構成することで、ノイズフィルタ1を様々な種類のシールドケーブル50に装荷対応させることができるようになり、ノイズフィルタ1の拡張性を高めることができる。
実施の形態2.
上記実施の形態1においては、外側導体11と内側導体12の間の隙間部13に、外側導体11と内側導体12とを電気的に接続するコンデンサ41を複数配置して、シールドケーブル50の外導体52に重畳した電磁ノイズの伝搬を抑制する構成について説明したが、本実施の形態2では、他の構成により外導体52に重畳した電磁ノイズの伝搬を抑制する構成について説明する。
図6は、この発明の実施の形態2に係るノイズフィルタ1の構成を示す斜視図である。なお、図6において、上記実施の形態1の図1〜図5と同一又は相当の部分については同一の符号を付し説明を省略する。図6に示すノイズフィルタ1は、隙間部13、即ち上部隙間部13aと下部隙間部13bに、誘電体(容量性部材)60が充填されており、この誘電体60は上述した図3のコンデンサ41と等価な機能を有し、外側導体11と内側導体12とを電気的に接続している。このように、本実施の形態2では、コンデンサ41と充填材料とを用いる代わりに誘電体60を用いることによって、コンデンサ41を実装する作業を省略するようにしている。
外部筒機構10において、外側導体11が、導体で構成された台座30と接触し、内側導体12が導体突起20を介してシールドケーブル50の外導体52と接触し、内側導体12と外側導体11とが誘電体60により電気的に接続している。従って、外部筒機構10はシールドケーブル50の外導体52に重畳した電磁ノイズを、導体突起20、内側導体12、誘電体60、外側導体11、台座30を介して電子機器筐体へグラウンドするよう機能する。
なお、シールドケーブル50にノイズフィルタ1を装荷する方法は上記実施の形態1の装荷方法と同様のため説明を省略する。
以上より、実施の形態2によれば、外側導体11の内面と内側導体12の外面の隙間13に充填され、外側導体11と内側導体12を電気的に接続する誘電体60を有する構成にしたので、ノイズフィルタ1の作成工程を簡素化することができる。また、この構成であっても、上記実施の形態1に係るノイズフィルタ1と同様の効果が得られる。
実施の形態3.
図7は、この発明の実施の形態3に係るノイズフィルタ1の構成を示す斜視図である。なお、図7において、上記実施の形態1,2の図1〜図6と同一又は相当の部分については同一の符号を付し説明を省略する。図7に示すノイズフィルタ1は、刃状の板で構成された導体突起20の代わりに針状の突起で構成した導体突起21を備える。
導体突起21は、上部内側導体12aの内周面に設けた針状の上部導体突起21aと、下部内側導体12bの内周面に設けた針状の下部導体突起21bとが対向するよう配置されている。また、各導体突起21は内側導体12と導通しており、外部筒機構10の軸方向に組み付けられたシールドケーブルの絶縁被覆材を突き抜けて内側の外導体に食い込み、この外導体と外部筒機構10の内側導体12とを電気的に接続させるように機能する。
なお、上記実施の形態1,2では刃状の導体突起20がシールドケーブルの外導体を切断しないように、上部と下部で互い違いに配置したが、本実施の形態3に係る導体突起21は針状のため、上部と下部で同じ位置に配置しても切断のおそれは少ない。そのため、図示例では上部導体突起21aと下部導体突起21bを互いに同じ位置に配置する構成とした。ただし、切断のおそれがなければ、上部導体突起21aと下部導体突起21bをどのように配置してもよく、例えば、互い違いの位置に配置してもよいし、規則性無く配置してもよい。
以上より、実施の形態3によれば、内側導体12の内面に突設され、シールドケーブル50の外導体52に食い込み電気的に接続する導体突起21を、先端側が先細る針状の突起で構成した場合にも、上記実施の形態1に係るノイズフィルタ1と同様の効果が得られる。
なお、上記実施の形態1,2と同様に、上記実施の形態3に係るノイズフィルタ1の導体突起21の長さを、シールドケーブル50の絶縁被覆材51及び外導体52の種類及び太さに応じて調整することで、様々な種類の外部筒機構10と導体突起21とを組み合わせることができ、ノイズフィルタ1の拡張性を高めることができる。
また、上記実施の形態3の説明では、導体突起21を上記実施の形態2に係るノイズフィルタ1へ適用する場合を説明したが、上記実施の形態1に係るノイズフィルタ1へ適用しても良い。さらに、導体突起20と導体突起21の両方を設ける構成にしても良い。
実施の形態4.
本実施の形態4では、上述した実施の形態1〜3における外部筒機構10の内部導体12とシールドケーブル50の外導体52との電気的および機械的な接触を強化するための構成について図8〜図11を用いて説明する。なお、図8〜図11ではシールドケーブル50は図示していないが、図5に示したシールドケーブル50と同様の構成である。
図8は、実施の形態4のノイズフィルタ1の構成を示している。ノイズフィルタ1は、図8に示すように、外部筒機構10、台座30で構成されている。なお、図8における台座30については、実施の形態1〜3の構成と同様であるため説明を省略する。また、外部筒機構10における内側導体12以外の構成については、実施の形態2と同様の構成であるため、図6と同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8で示したノイズフィルタ1をシールドケーブル50に装着する際は、その箇所について、シールドケーブル50の絶縁被覆材51を剥がして、外導体52を露出させてから、ノイズフィルタ1をかぶせるようにする。これまでの実施の形態1〜3では、ノイズフィルタ1の内側導体12には、刃状の板および針状の突起といった導体突起20,21が形成されていたが、本実施の形態では導体突起として鋸刃状の食い込み導体(保持導体)22を配置する。この鋸刃状の食い込み導体22は、シールドケーブル50の露出した外導体52に当接して押さえ込む導体として機能する。また、鋸刃状の食い込み導体22は、内側導体12の内壁面のうち、特に絶縁被覆材51が剥がされて外導体52が露出した部分と接触する位置に配置されており、内側導体12の内壁面と外導体52の表面の電気的および機械的な接触をより強めるよう機能する。
外部筒機構10の内部導体12の内壁面にシールドケーブル50が装着されると、鋸刃状の食い込み導体22が露出した外導体52に食い込んで押さえ込む。ノイズフィルタ1は、鋸刃状の食い込み導体22が外導体52に食い込むことにより、シールドケーブル50の引き回しおよび外部からの振動によって、ノイズフィルタ1とシールドケーブル50の電気的および機械的な接触が外れることを確実に防止している。
図9は、実施の形態4のノイズフィルタ1の別の構成を示しており、ノイズフィルタ1の外部筒機構10における内側導体12以外の構成については、図8と同様である。
内側導体12は、図8における鋸刃状の食い込み導体22に代えて、凹凸部(保持導体)23を配置したものである。凹凸部23は、内側導体12の内壁面のうち、特に絶縁被覆材51が剥がされて外導体52が露出した部分と接触する位置に、内側導体12の円周方向に沿う形状の凹部と凸部が内側導体12の軸方向に並んで形成されており、内側導体12の内壁面と外導体52の表面の電気的および機械的な接触をより強めるよう機能する。
外部筒機構10の内部導体12の内壁面にシールドケーブル50が装着されると、凹凸部23が露出した外導体52に食い込んで押さえ込む。ノイズフィルタ1は、凹凸部23が外導体52に食い込むことにより、シールドケーブル50の引き回しおよび外部からの振動によって、ノイズフィルタ1とシールドケーブル50の電気的および機械的な接触が外れることを確実に防止している。
図10は、実施の形態4のノイズフィルタ1の別の構成を示しており、ノイズフィルタ1の外部筒機構10における内部導体12以外の構成については、図8と同様である。
内部導体12は、これまで上述した内側導体12の鋸刃状の食い込み導体22または上述した内側導体12の凹凸部23に代えて、板バネ(保持導体)24を配置して構成したものである。板バネ24は、内側導体12の内壁面のうち、特に絶縁被覆材51が剥がされて外導体52が露出した部分と接触する位置に、内壁面の円周方向に沿って配置されており、内側導体12の内壁面と外導体52の表面の電気的および機械的な接触をより強めるよう機能する。
外部筒機構10の内部導体12の内壁面にシールドケーブル50が装着されると、板バネ24がその弾性力により露出した外導体52を押さえ込む。ノイズフィルタ1は、板バネ24が外導体52を押さえ込むことにより、シールドケーブル50の引き回しおよび外部からの振動によって、ノイズフィルタ1とシールドケーブル50の電気的および機械的な接触が外れることを確実に防止している。
図11は、実施の形態4のノイズフィルタ1の別の構成を示しており、ノイズフィルタ1の外部筒機構10における内部導体12以外の構成については、図8と同様である。
内部導体12は、これまで上述した内側導体12の鋸刃状の食い込み導体22、上述の内側導体12の凹凸部23または上述の内側導体12の板バネ24に代えて、テーパ状構造(保持導体)25を配置して構成したものである。テーパ状構造25は、内側導体12の内壁面のうち特に絶縁被覆材51が剥がされて外導体52が露出した部分と接触する位置に、軸方向に沿って円筒形状の内部の径が狭くなるよう形成されており、内側導体12の内壁面と外導体52の表面の電気的および機械的な接触をより強めるよう機能する。
外部筒機構10にシールドケーブル50が嵌め込まれると、内部導体12の内壁面に配置されたテーパ状構造25が外導体52を引き絞るよう変形させて押さえ込むこととなる。その上でさらに外部筒機構10を閉じると、テーパ状構造25がさらに外導体52を引き絞って固定する。ノイズフィルタ1は、テーパ状構造25が外導体52を引き絞って押さえ込むことにより、シールドケーブル50の引き回しおよび外部からの振動によって、ノイズフィルタ1とシールドケーブル50の電気的および機械的な接触が外れることを確実に防止している。
以上のように、実施の形態4のノイズフィルタ1は、外部筒機構10の内側導体12の内面に形成され、シールドケーブル50の絶縁被覆材51が剥がされて外導体52が露出した部分に当接して押さえ込む保持導体(食い込み導体22、凹凸部23、板バネ24またはテーパ状構造25)を備えるよう構成したので、上記実施の形態1〜3と同様の効果に加え、ノイズフィルタ1とシールドケーブル50の電気的および機械的な接触が外れることを確実に防止し、ノイズフィルタとしての性能をより一層高めることができるという効果が得られる。
なお、実施の形態4において、隙間部13には誘電体60を充填する構成について説明したが、実施の形態1と同様にコンデンサ41を用いる構成であっても良い。
実施の形態5.
上記実施の形態4においては、外部筒機構10の内部導体12とシールドケーブル50の外導体52との電気的および機械的な接触を強化するための構成について、特に絶縁被覆材51が剥がされて外導体52が露出した部分に装着するノイズフィルタ1について説明したが、本実施の形態5ではシールドケーブル50の絶縁被覆材51を剥がさずに装着するノイズフィルタ1の構成について、図12を用いて説明する。
図12は、実施の形態5のノイズフィルタ1の構成を示している。ノイズフィルタ1は、図8に示すように、外部筒機構10、台座30で構成されている。なお、図12における台座30については、実施の形態1〜4の構成と同様であるため説明を省略する。また、外部筒機構10における外側導体11の構成については、実施の形態1〜3と同様の構成であるため、図6と同一の符号を付し、その説明を省略する。また、図12ではシールドケーブル50は図示していないが、図5に示したシールドケーブル50と同様の構成である。
本実施の形態5における外部筒機構10は内側導体12が存在せず、外側導体11とその内側の誘電体60によって構成される。したがって、本実施の形態5では、上記実施の形態4で示したような、外部筒機構10の内側導体12とシールドケーブル50の外導体52との導体同士の接触を必要としない。本実施の形態における外部筒機構10の誘電体60は、その内壁面に誘電体凹凸部(凹凸構造)61を配置して構成されたものとなっている。誘電体凹凸部61は、誘電体60の内壁面のシールドケーブル50と接触する全面に配置されている。シールドケーブル50にこのノイズフィルタ1を装着すると、シールドケーブル50の絶縁被覆材51に対して、外部筒機構10の誘電体60に形成された誘電体凹凸部61が食い込むこととなり、ノイズフィルタ1とシールドケーブル50の機械的な接触をより強めるよう機能する。
シールドケーブル50の絶縁被覆材51は誘電体材料で構成されることが多いため、外部筒機構10の誘電体60に形成された誘電体凹凸部61と密にかみ合ったシールドケーブル50の絶縁被覆材51は、組み合わされた一つの等価誘電体材料として、電気的に作用する。この組み合わされた一つの等価誘電体材料を、外部筒機構10の外側導体11とシールドケーブル50の外導体52によって挟む構成となるため,この部分にコンデンサと等価な構造が形成できる。このコンデンサと等価な構造によって、上述してきたSG系統とFG系統の電気的な接続を実現する。
以上のように、実施の形態5のノイズフィルタ1は、外部筒機構10の内側導体12が省略されると共に、外側導体11と内側導体12の隙間部13に誘電体60が配置され、この誘電体60は、シールドケーブル50の絶縁被覆材51に接触する部分に誘電体凹凸部61が形成される構成にした。このため、上記実施の形態1〜3と同様の効果に加え、ノイズフィルタ1とシールドケーブル50の機械的な接触が強化できるだけでなく、シールドケーブル50の絶縁被覆材51も誘電体60と組み合わされた等価誘電体材料として取り扱うことができるため、シールドケーブル50の絶縁被覆材51を除去するなどの工程を経ずとも、ノイズフィルタとしての機能を実現できるという効果が得られる。
実施の形態6.
上記実施の形態2においては、ノイズフィルタ1の外部筒機構10の外側導体11と内側導体12の間の隙間部13に、外側導体11と内側導体12を電気的に接続する誘電体60(容量性部材)が充填された構成について説明した。本実施の形態6は、実施の形態2の構成のうち隙間部13の構造を変形することによって、シールドケーブル50の外導体52に重畳した電磁ノイズの伝搬の抑制効果を高める構成について説明する。
図13は、実施の形態6に係るノイズフィルタ1の外部筒機構10を、図2に示すB−B線の位置で切断した断面図を示している。なお、図13においてノイズフィルタ1の外形は図2と同じであり、また、外部筒機構10の外側導体11と内側導体12以外の構成は上述した実施の形態2〜4と同一の構成であるため、上述した実施の形態と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。また、図13ではシールドケーブル50は図示していないが、図5に示したシールドケーブル50と同様の構成である。
外側導体11と内側導体12は、外側導体11の内壁面と内側導体12の外壁面とが対向するように配置されており、その間の隙間部13には、容量性部材としての誘電体60が充填されている。誘電体60は上述した図3のコンデンサ41と等価な機能を有し、外側導体11と内側導体12とを電気的に接続している。
外側導体11には、上部外側導体11aに突起70aが成形されており、下部外側導体11bに突起70bが成形されている。内側導体12には、上部内側導体12aに突起71aが成形されており、下部内側導体12bに突起71bが成形されている。
外側導体11の突起70a,70bと内側導体12の突起71a,71bは、隙間部13にそれぞれ交互に向き合うように互い違いに延びて櫛歯状に形成されている。
図14は、実施の形態6のノイズフィルタ1における外側導体11の上部外側導体11aの外形を示しており、上部外側導体11aの内周には突起70aが等間隔で形成されている。上部外側導体11aと同様に、上述した下部外側導体11bの内周には突起70bが形成されており、上部外側導体11aと下部外側導体11bを組み合わせることで外側導体11を構成している。
図15は、実施の形態6のノイズフィルタ1における内側導体12の上部内側導体12aを示しており、上部内側導体12aの外周には突起71aが等間隔で形成されている。上部内側導体12aと同様に、上述した下部内側導体12bの外周には突起71bが形成されており、上部内側導体12aと下部内側導体12bを組み合わせることで内側導体12を構成している。
実施の形態6の外部筒機構10は、このような外部導体11と内側導体12を嵌め込んで組み合わせ、外部導体11と内側導体12の間を誘電体60で充填することで構成されている。外部導体11の突起70a,70bと内側導体12の突起71a,71bは、それぞれの大きさにしたがって互いに対向する表面積が増大するように構成することができる。
ここで、2つの導体板で誘電体を挟み込むことで構成されるコンデンサの静電容量Cを表す式は、一般的に下記式(1)の通りとなっている。
C=ε×(S/d) (1)
上式(1)において、εは誘電体60が持つ誘電率であり、dは2つの導体の間の距離、Sは2つの導体が対向する面積を表している。したがって、式(1)より、コンデンサの静電容量Cを大きくするためには、高い誘電率を持つ誘電体60を用いるか、2つの導体間の距離を短くするか、2つの導体が対向する面積を大きくするかの3通りの方法が考えられる。
実施の形態6における、外部筒機構10の外部導体11と内部導体12に突起70a,70b,71a,71bを形成する手法は、上記3通りの方法のうち,2つの導体が対向する面積を大きくする方法に相当する。
したがって、実施の形態2で用いた誘電体60と同じ材料を用いた場合でも、実施の形態6によるノイズフィルタ1の構成のほうが大きい静電容量を得ることが可能となるため、多様な電磁ノイズに対する伝搬抑制が可能となる。
なお、ノイズフィルタ1によるシールドケーブルの接続方法については、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。
以上のように、実施の形態6のノイズフィルタ1は、外側導体11の内面および内側導体12の外面それぞれが、互いに向き合う方向に交互に延びた櫛歯状の突起70a,70b,71a,71bを有するように構成し、さらに、外側導体11に形成された突起70と内側導体12に形成された突起71によって形成された隙間部13に、外側導体11と内側導体12を電気的に接続する誘電体60を充填することにより、上記実施の形態1,2と同様の効果が得られると共に、ノイズフィルタ1が有する静電容量の値を調節することができる。その結果、シールドケーブル50の外導体52に重畳した電磁ノイズの伝搬の抑制効果を高めることができるという効果が得られる。
このとき、外部筒機構10の外部導体11と内部導体12に突起70a,70b,71a,71bを形成する向きは、図13に示したような外部筒機構10の径方向でなくとも良く、例えば、図16に示すような形状で、外部筒機構10の軸方向に沿う向きに配置することでも同等の効果が得られる。その場合、外部筒機構10の外側導体11には、上部外側導体11aに突起70a´が成形され、下部外側導体11bに突起70b´が成形されている。内側導体12には、上部内側導体12aに突起71a´が成形され、下部内側導体12bに突起71b´が成形されている。そして、これら外側導体11の突起70a´,70b´と内側導体12の突起71a´,71b´は、隙間部13に、それぞれ外部筒機構10の軸方向と並行する方向に交互に延びた形状である。
実施の形態7.
上記実施の形態6においては、ノイズフィルタ1が有する静電容量の値を調節する構成について説明したが、この構成に限定されるものではない。そこで、本実施の形態7では、シールドケーブル50の外導体52に重畳した電磁ノイズの伝搬の抑制効果を高めるための、他の構成について説明する。
図17は、実施の形態7のノイズフィルタ1の外部筒機構10を、図2に示すA−A線の位置で切断した断面図を示している。なお、図17においてノイズフィルタ1の外形は図2と同じであり、また、外部筒機構10の外側導体11と内側導体12以外の構成は上述した実施の形態2〜4と同一の構成であるため、上述した実施の形態と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。また、図17ではシールドケーブル50は図示していないが、図5に示したシールドケーブル50と同様の構成である。
外側導体11と内側導体12は、外側導体11の内壁面と内側導体12の外壁面とが対向するように配置されており、その間の隙間部13には、容量性部材としての誘電体60が充填されている。誘電体60は上述した図3のコンデンサ41と等価な機能を有し、外側導体11と内側導体12とを電気的に接続している。
図17に示すように、外側導体11の一端部を引き伸ばしてロール部72が成形されており、内側導体12の一端部を引き伸ばしてロール部73が成形されている。外側導体11のロール部72と内側導体12のロール部73は、それぞれ対向するようにロール状に折り曲げられた形状で成形されている。さらに、外側導体11のロール部72と内側導体12のロール部73との間の隙間部13には、誘電体(容量性部材)60が充填されている。
このように、外側導体11のロール部72と内側導体12のロール部73がロール状に対向するよう配置されることで、外側導体11と内側導体12の対向する面積が広くなり、実施の形態2で用いた誘電体60と同じ材料を用いた場合でも、実施の形態6と同じように外部筒機構10が持つ静電容量を大きくするよう構成されている。
以上のように、実施の形態7のノイズフィルタ1は、外側導体11および内側導体12の各一端部を引き伸ばしてロール部72,73にし、この引き伸ばしたロール部72,73同士が互いに向かい合うように配置し、さらに、外側導体11のロール部72と内側導体12のロール部73との間に誘電体60を配置した構成にすることにより、外側導体11と内側導体12の対向する面積を広くすることができ、外部筒機構10が持つ静電容量を大きくすることが可能となる。その結果、ノイズフィルタ1は多様な電磁ノイズに対する伝搬抑制を可能とし、シールドケーブル50の外導体52に重畳した電磁ノイズの伝搬の抑制効果を高めることができるという効果が得られる。
実施の形態8.
上記実施の形態5〜7では、外部筒機構10の外側導体11と内側導体12の形状を変えることで外部筒機構10が持つ静電容量を大きくして、電磁ノイズの伝搬抑制効果を高める構成について説明したが、これらの構成に限定されるものではない。そこで、本実施の形態8では、シールドケーブル50の外導体52に重畳した電磁ノイズの伝搬の抑制効果を高める構成の、他の例について説明する。
図18は、実施の形態8に係るノイズフィルタ1の構成を示す図である。なお、図18のノイズフィルタ1において、外部筒機構10の隙間部13以外の構成は上述した実施の形態(特に実施の形態1,2)と同様であるため、隙間部13以外の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。また、図18ではシールドケーブル50は図示していないが、図5に示したシールドケーブル50と同様の構成である。
外部筒機構10の隙間部13には、上述した容量性部材としてのコンデンサ41または誘電体60に代えて、磁性体80(誘導性部材)が充填されている。
外部筒機構10は、外側導体11と内側導体12との間の隙間部13に磁性体80を配置させるよう構成することで、上述したシールドケーブル50の外導体52に対して、等価的に直列接続されたインダクタを構成している。
シールドケーブル50の外導体52に重畳した電磁ノイズの伝搬経路は、外部筒機構10の内側導体12の周囲に付加された磁性体80に起因する等価的な直列接続インダクタによってインピーダンスが高い状態となるため、大きな電磁ノイズはノイズフィルタ1を通過することができずに、結果的にノイズの伝搬は抑制される。直列接続のインダクタによるインピーダンスは下記式(2)で示されるとおりとなっており、周波数が高くなるにつれ、インダクタが持つ自己インダクタンスの値に応じてインピーダンスが高くなることが明らかに分かる。
Z=ω×L (2)
上式(2)において、Zはインダクタのインピーダンスであり、ωはインダクタを通る信号の角周波数であり、Lはインダクタが持つ自己インダクタンスの値である。
加えて、一般的に磁性体80は、高い誘電率を有していることが知られており(フェライト(Fe)で約12.0〜16.0)、隙間部13に誘導性部材である磁性体80を充填することにより、容量性部材である誘電体60を充填した場合の効果も同時に得ることができる。したがって、ノイズフィルタ1は、図19に示すような等価回路が形成され、コンデンサによるノイズ抑制効果とインダクタによるノイズ抑制効果の両方を得ることが可能になる。
以上のように、実施の形態8のノイズフィルタ1における外部筒機構10は、外部筒機構10の外側導体11と内側導体12の隙間部13に、容量性部材に代えて、誘導性部材である磁性体80を充填するよう構成したことにより、コンデンサとしてのノイズ抑制効果とインダクタとしてのノイズ抑制効果の両方を得ることができる。その結果、シールドケーブル50の外導体52に流れる電磁ノイズの伝搬を抑制することができるという効果が得られる。
なお、充填する磁性体80としては、フェライトやパーマロイ(焼結磁性体)を用いるのが一般的であるが、これらは焼結して組成されることが多いため非常に硬い特徴を持っている。したがって、磁性体80には、焼結した材料だけでなく、磁性体の粉末を混入した樹脂を用いても良い。柔軟な特徴を持った磁性体の粉末を混入した樹脂を用いることで、外部筒機構10の形状の自由度が増すだけでなく、外部筒機構10の形成工程を簡略化することが可能になる。
実施の形態9.
上記実施の形態8においては、隙間部13に磁性体(誘導性部材)80を充填した構成について説明したが、これに限定されるものではない。そこで、本実施の形態9では、誘電体と磁性体を組み合わせることでシールドケーブル50の外導体52に重畳した電磁ノイズの伝搬の抑制効果を高める、他の構成について説明する。
図20は、実施の形態9に係るノイズフィルタ1の構成を示している。なお、図20のノイズフィルタ1における外部筒機構10の隙間部13以外の構成は、上述した実施の形態と同様であるため、隙間部13以外の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。また、図20ではシールドケーブル50は図示していないが、図5に示したシールドケーブル50と同様の構成である。
外部筒機構10の隙間部13は、内側導体12のうち、軸方向の両端部112aと中央部112bとを境にして、中央部112bに磁性体80を充填し、両端部112aに誘電体60を充填している。このように構成することで、ノイズフィルタ1は、両端部112aに等価的なコンデンサの構造が形成され、同時に中央部112bに等価的なインダクタの構造が形成される。これらの等価的なコンデンサとインダクタの回路素子が組み合わされることにより、ノイズフィルタ1は図21に示すような等価回路となり、π型のLCフィルタを形成することが可能となる。
図22は、π型フィルタとインダクタフィルタ、コンデンサフィルタの伝搬遮断特性の比較を示している。図22に示すように、対象とする電磁ノイズの周波数が図22中のFより高い帯域において、π型フィルタによる伝搬抑制効果は、インダクタフィルタ、コンデンサフィルタと比べて高くなっており、周波数成分が高周波側に偏っている電磁ノイズに対してπ型フィルタが有効であることが分かる。
以上のように、実施の形態9のノイズフィルタ1における外部筒機構10は、外部筒機構10の外側導体11と内側導体12との間の隙間部13のうち、両端部112aに容量性部材である誘電体60を配置し、それ以外の中央部112bに誘導性部材である磁性体80を配置するよう構成したことで、等価的なコンデンサとインダクタの回路素子が組み合わされπ型のLCフィルタを形成することができる。その結果、ノイズフィルタ1は、シールドケーブル50の外導体52に流れる偏った周波数成分を持つ電磁ノイズの伝搬を大きく抑制することができるという効果が得られる。
また、実施の形態9のノイズフィルタ1では、磁性体80が充填される箇所に相当する外側導体11は、欠けていたとしても得られる効果に差は無いため、実装上の都合によって、外側導体11の接地を図21の回路上の左側と右側で切り離して取り扱いたい場合においても、大きな構成を変更することなく適用させることが可能となる。
以上に示した実施の形態1〜9では、外部筒機構10を半円筒状に二分割したが、二分割以上であってもよい。また、外部筒機構10を円筒状にしたが、円筒以外の形状の筒状にしてもよい。
さらに,外部筒機構10の形状を変更にすることによって、本ノイズフィルタ1を設置する金属筐体などに対して、外部筒機構10を十分に接触させることができるのであれば、台座30は除いて用いてもかまわない。
実施の形態10.
実施の形態10では、これまで示した実施の形態によるノイズフィルタ1の構成を複数個組み合わせることによって、複数のシールドケーブル50への装着に対応させたノイズフィルタ1の構成について説明する。
図23は、実施の形態10に係るノイズフィルタ1の構成を示している。このノイズフィルタ1の外部筒機構10は、複数のシールドケーブル50を包含できるように、その幅を広げてある。そのため、外部筒機構10を構成する外側導体11、内側導体12、隙間部13も同じように幅を広げて形成される。内側導体12の内周面に設けられた導体突起20は、内側導体12の中に並べられた複数のシールドケーブル50の絶縁被覆材51を等しく突き破り、各々のシールドケーブル50の外導体52に食い込み、電気的な導通をとる。これにより、導体突起20を介して各々のシールドケーブルの外導体52と外部筒機構10の内側導体12が電気的に接続する。このときの導体突起20の配置については、実施の形態1に記したとおりにシールドケーブル50の外導体52を切断するような配置でなければ、その位置は問わないものとする。
また、この外部筒機構10の内側導体12の外側に外側導体11を配置し、外側導体11と内側導体12の隙間部13を、これまでの実施の形態で示してきたコンデンサ41、または誘電体60、または磁性体80、またはこれらを組み合わせた物体で充填する。
このように構成された外部筒機構10は、外部筒機構10と電気的な導通がとれた台座30を介して、電子機器筐体(FG)に接地される。
以上のように、複数のシールドケーブル50に装荷されたノイズフィルタ1は、複数のシールドケーブル50の外導体52に重畳した電磁ノイズを導体突起20、内側導体12、コンデンサ41、外側導体11、台座30を介して電子機器筐体(FG)へグラウンドするよう機能する。これにより、等価的にSG系統とFG系統が接続される。
以上より、実施の形態10によれば、ノイズフィルタ1は、複数のシールドケーブル50を、上部及び下部に分割された一組の外部筒機構10で挟み込む構成であって、この一組の外部筒機構10は、複数のシールドケーブル50を挟み込む一組の内側導体12と、内側導体12の外側に形成され、電子機器筐体と電気的に接続する一組の外側導体11と、外側導体11の内面と内側導体12の外面の隙間13に配置され、外側導体11と内側導体12を電気的に接続するコンデンサ41、または誘電体60、または磁性体80、またはこれらの組み合わせによる物体と、内側導体12の内面に突設され、複数のシールドケーブル50の外導体52に食い込み電気的に接続する導体突起20とを備えるように構成した。これにより、複数のシールドケーブル50の任意の位置において、電磁ノイズに対して等価的にSG系統とFG系統を接続することができる。その結果、複数のシールドケーブル50の外導体52に重畳した電磁ノイズの伝搬を抑制することができるという効果が得られる。
なお、上記実施の形態10に係るノイズフィルタ1の外部筒機構10の内側導体12に形成される導体突起20は、各々のシールドケーブル50の線径に応じて様々な長さで作成すればよい。このとき、各々のシールドケーブル50の絶縁被覆材51及び外導体52の種類及び太さに応じて、導体突起20の長さを調整することで、様々な種類の外部筒機構10と導体突起20とを組み合わせることができる。このように構成することで、ノイズフィルタ1を様々な種類の複数のシールドケーブル50に同時に装荷対応させることができるようになり、ノイズフィルタ1のケーブル束への対応を容易にすることができる。
1 ノイズフィルタ、10 外部筒機構、11 外側導体、11a 上部外側導体、11b 下部外側導体、12 内側導体、12a 上部内側導体、12b 下部内側導体、
13 隙間部、13a 上部隙間部、13b 下部隙間部、14 接合部、15 固定ストッパ、16 ネジ穴、20,21 導体突起、20a,21a 上部導体突起、20b,21b 下部導体突起、22 食い込み導体、23 凹凸部、24 板バネ、25 テーパ状構造、30 台座、31 受け部、32 ネジ穴、41 コンデンサ、41a,41b 電極、50 シールドケーブル、51 絶縁被覆材、52 外導体、53 導体線、60 誘電体、61 誘電体凹凸部、70a,70b,71a,71b 突起、72,73 ロール部、112a 両端部、112b 中央部。

Claims (25)

  1. シールドケーブルを、分割された一組の外部筒機構で挟み込むシールドケーブル用ノイズフィルタであって、
    前記一組の外部筒機構は、
    前記シールドケーブルを挟み込む一組の内側導体と、
    前記内側導体の外側に形成され、外部の導体と電気的に接続する一組の外側導体と、
    前記外側導体の内面と前記内側導体の外面の隙間に配置され、前記外側導体と前記内側導体を電気的に接続する容量性部材と、
    前記内側導体の内面に突設され、前記シールドケーブルの外導体に食い込み電気的に接続する導体突起とを備えることを特徴とするシールドケーブル用ノイズフィルタ。
  2. シールドケーブルを、分割された一組の外部筒機構で挟み込むシールドケーブル用ノイズフィルタであって、
    前記一組の外部筒機構は、
    前記シールドケーブルの絶縁被覆材が剥がされて外導体の露出した部分を挟み込む一組の内側導体と、
    前記内側導体の外側に形成され、外部の導体と電気的に接続する一組の外側導体と、
    前記外側導体の内面と前記内側導体の外面の隙間に配置され、前記外側導体と前記内側導体を電気的に接続する容量性部材と、
    前記内側導体の内面に形成され、前記シールドケーブルの外導体が露出した部分に当接して押さえ込む保持導体とを備えることを特徴とするシールドケーブル用ノイズフィルタ。
  3. 内側導体の内面に形成され、シールドケーブルの絶縁被覆材が剥がされて外導体が露出した部分に当接して押さえ込む保持導体を備えることを特徴とする請求項1記載のシールドケーブル用ノイズフィルタ。
  4. 外部筒機構の両端部における外側導体の内面と内側導体の外面の隙間に容量性部材を配置し、中央部における前記隙間に誘導性部材を配置することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のシールドケーブル用ノイズフィルタ。
  5. 容量性部材は、コンデンサであることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のシールドケーブル用ノイズフィルタ。
  6. 容量性部材は、誘電体であることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のシールドケーブル用ノイズフィルタ。
  7. 容量性部材に代えて、誘導性部材を用いたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のシールドケーブル用ノイズフィルタ。
  8. 誘導性部材は、焼結磁性体であることを特徴とする請求項4または請求項7記載のシールドケーブル用ノイズフィルタ。
  9. 誘導性部材は、磁性体の粉末を混入した樹脂部材であることを特徴とする請求項4または請求項7記載のシールドケーブル用ノイズフィルタ。
  10. 導体突起は、先端側が刃状になった板であることを特徴とする請求項1記載のシールドケーブル用ノイズフィルタ。
  11. 導体突起は、先端側が先細る針状の突起であることを特徴とする請求項1記載のシールドケーブル用ノイズフィルタ。
  12. 保持導体は、鋸刃状の突起であることを特徴とする請求項2または請求項3記載のシールドケーブル用ノイズフィルタ。
  13. 保持導体は、凹凸形状であることを特徴とする請求項2または請求項3記載のシールドケーブル用ノイズフィルタ。
  14. 保持導体は、板バネであることを特徴とする請求項2または請求項3記載のシールドケーブル用ノイズフィルタ。
  15. 保持導体は、内側導体の内面を縮径したテーパ状構造であることを特徴とする請求項2または請求項3記載のシールドケーブル用ノイズフィルタ。
  16. 外側導体の内面および内側導体の外面それぞれは、互いに向き合う方向に交互に延びた櫛歯状の突起を有することを特徴とする請求項1から請求項15のうちのいずれか1項記載のシールドケーブル用ノイズフィルタ。
  17. 外側導体の内面および内側導体の外面それぞれは、外部筒機構の軸方向と平行する方向に交互に延びた突起を有することを特徴とする請求項1から請求項15のうちのいずれか1項記載のシールドケーブル用ノイズフィルタ。
  18. 外側導体および内側導体の各一端部を引き伸ばしてロール状にし、当該引き伸ばした面同士が互いに向かい合うように配置されたことを特徴とする請求項1から請求項15のうちのいずれか1項記載のシールドケーブル用ノイズフィルタ。
  19. 外部筒機構は、内側導体が省略されると共に、容量性部材として誘電体が配置され、
    前記誘電体は、シールドケーブルの絶縁被覆材に接触する部分に凹凸構造が形成されたことを特徴とする請求項1記載のシールドケーブル用ノイズフィルタ。
  20. 外部筒機構は、複数のシールドケーブルを挟み込む形状であって、内側導体の内面には、当該各シールドケーブルの外導体に食い込み電気的に接続する複数の導体突起を配置したことを特徴とする請求項1記載のシールドケーブル用ノイズフィルタ。
  21. 分割された一組の外部筒機構を閉じる留め具を備えることを特徴とする請求項1から請求項20のうちのいずれか1項記載のシールドケーブル用ノイズフィルタ。
  22. 留め具は、ネジであることを特徴とする請求項21記載のシールドケーブル用ノイズフィルタ。
  23. 留め具は、互いに係合する凹凸形状であることを特徴とする請求項21記載のシールドケーブル用ノイズフィルタ。
  24. 外側導体は、外部筒機構を保持し、かつ、外部の導体と電気的に接続する導電性の台座を備えることを特徴とする請求項1から請求項23のうちのいずれか1項記載のシールドケーブル用ノイズフィルタ。
  25. 台座は、導電性の接着剤又はテープであることを特徴とする請求項24記載のシールドケーブル用ノイズフィルタ。
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