JP2012005277A - 潮流計算機能を備えた無効電力補償装置、およびそのシステムと方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電圧指令基準値14と配電系統の計測情報に基づいて、配電系統に注入する無効電力を制御することにより配電系統の電圧安定化を図る無効電力補償装置31であって、さらに、配電系統の配電線路モデルによる潮流計算機能を有した電圧指令補正回路21を備え、前記電圧指令補正回路21に前記無効電力補償装置31の設置点と異なる地点の配電系統の計測情報を入力し、前記配電系統の計測情報に基づいて潮流計算を行い、配電系統全体の電圧が一定範囲内となるように前記電圧指令基準値14に前記電圧指令補正回路21の電圧指令補正量の出力で補正を行う。
【選択図】図1
Description
上位系統から下位系統へと電力の流れが一方向であるとき、配電系統の電圧はこれを前提に電圧調整機器を設置して、需要家電圧が一定範囲内に保持するよう制御されていた。
分散型電源が増加すると、電力が上位系統から下位系統に流れるだけではなく、下位系統に接続された分散電源から上位系統への逆潮流を生じることがあり、負荷変動だけではなく、風力発電や太陽光発電等の気候天候により変動する分散型電源出力によっても、電圧変動を考慮する必要がある。
このように緩やかな負荷変動に対しては配電変電所のLRTやSVRなどの電圧調整器を適用し、急激な負荷変動に対しては無効電力補償装置を適用することで配電線路の電圧安定化制御が図られている。
なお、特許文献1〜3において、無効電力補償装置および無効電力補償方法及びシステムの技術が開示されている。
また、特許文献4において、配電系統の状態推定装置、状態推定方法及びそのプログラムの技術が開示されている。
また、それらに対応するために設置される無効電力補償装置においても、特許文献1〜4に開示された無効電力補償装置やシステムや方法では、無効電力補償装置が電圧指令基準値通りに制御して設置点の電圧は保持できていたとしても、同一配電線路における異なる地点では需要家電圧が一定範囲を逸脱する可能性がある。
すなわち、電圧指令基準値と配電系統の測情報に基づいて、配電系統に注入する無効電力を制御することにより配電系統の電圧安定化を図る無効電力補償装置であって、さらに、配電系統の配電線路モデルによる潮流計算機能を有した電圧指令補正回路を備え、前記電圧指令補正回路に前記無効電力補償装置の設置点と異なる地点の配電系統の計測情報を入力し、前記配電系統の計測情報に基づいて潮流計算を行い、配電系統全体の電圧が一定範囲内となるように前記電圧指令基準値に前記電圧指令補正回路の電圧指令補正量の出力で補正を行う。
(第1の実施形態)
図1は、配電系統(電力系統)と本発明の潮流計算機能を備えた無効電力補償装置の実施形態との関連を示す構成図である。なお、以下において、潮流計算機能を備えた無効電力補償システムの説明も兼ねる。
図1における配電系統は、配電変電所1から配電線路2を介して、各負荷5に電力が供給されている。また、配電系統の末端であるC1点には無効電力補償装置31の出力が接続され、中間地点にはSVRである電圧調整器(SVR電圧調整器とも表記する)3が接続されている。また、この末端までの間には分岐負荷となる箇所に開閉器4が設けられている。
配電系統の電圧安定化のための手段としては、配電変電所1のLRT(不図示)による送り出し電圧の調整、SVR電圧調整器3(電圧調整器3)のタップ制御による調整、無効電力補償装置31による電圧制御がある。
この無効電力補償装置31による無効電力補償は電圧指令補正回路21からの出力である電圧指令補正量に基づいて行なわれる。
また、無効電力補償装置31を無効電力補償手段として、電圧指令補正回路21を電圧指令補正手段として捉えることもできる。このとき、無効電力補償手段と電圧指令補正手段を併せたものが、本発明のひとつの実施形態である「潮流計算機能を備えた無効電力補償システム」である。
次に、この無効電力補償装置31と電圧指令補正回路21について、順に説明する。
無効電力補償装置の構成について図1を参照して説明する。また、無効電力補償手段の説明も兼ねる。
図1において、一点鎖線31で囲んだ無効電力補償装置31は、変換装置9、電圧検出回路10、PWM(Pulse Width Modulation)制御回路11、電流制御回路12、電圧制御回路13、電圧指令基準値14、演算器15、演算器16を備えて構成される。
電圧検出回路10は配電系統のC2点の電圧を計器用変成器6で変換された電圧を検出する。また検出した電圧値を電圧指令補正回路21に伝える。
電圧指令基準値14は、配電系統のC2点における目標電圧を基準値として指令し、出力する。
演算器15は演算器16の出力値から電圧検出回路10の検出した電圧値を引き算する演算をする。
電圧制御回路13は、演算器15の演算した出力値に基づき、電流制御回路12へ信号を出力する。
電流制御回路12は、電圧制御回路13の出力信号と、変換装置9から配電系統のC1点に流れる電流を計器用変流器7によって検出された電流値とに基づき、PWM制御回路11へ信号を出力する。
PWM制御回路11は、電流制御回路12の電流値に係る出力値に基づき、変換装置9を制御するパルス幅制御信号(PWM信号)を形成し、変換装置9に出力する。
なお、配電系統のC1点とC2点とは、実質的に同一地点であり、C点とも表記する。
次に、電圧指令補正回路21の構成について説明する。また、電圧指令補正手段の説明も兼ねる。
電圧指令補正回路21は、その出力である電圧指令補正量が前記した無効電力補償装置31の制御に関わるように、無効電力補償装置31へ接続されている。
電圧指令補正回路21は、プログラムデータ22、潮流計算・電圧推定計算データベース23、潮流計算回路24、演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)25、演算メモリとしてのRAM(Random Access Memory)26、異地点の計測情報を取り込むための通信手段27、整定操作や表示を行う整定表示回路28を備えて構成される。
また、潮流計算・電圧推定計算データベース23には、線路インピーダンス定数(線路定数Z)、負荷量、発電量、系統構成などの情報が入力されて備えられている。
また、潮流計算回路24には、潮流計算、電圧推定計算、最適基準電圧計算の機能が備えられている。
なお、これらを「配電線路モデルによる潮流計算」もしくは「配電線路モデルによる潮流計算機能」と表記する。また、「配電線路モデル」を「配電線モデル」と称することもある。したがって、「配電線モデルによる潮流計算」と表記することもある。
また、配電線路2における符号2は、線路インピーダンス2を表すこともある。
また、以上の計測情報を取り込み過程や計算過程において、通信手段27、整定表示回路28、RAM26、CPU25が活用される。
次に、配電系統の計測情報の選定について説明する。図1では、無効電力補償装置の設置端であるC点(C1点、C2点)の他に、配電変電所近傍のA点と配電線路の中間にあたるB点に電圧、電流を計測するセンサ8を接続し、また分岐系統のある開閉器4の開閉器状態や、SVR電圧調整器3のタップ値などを計測情報として、電圧指令補正回路21に通信手段27を介して入力する構成としている。
ここで、配電系統全体の電圧の推定にあたっては、電圧、電流を計測するセンサ8は少なくとも2箇所以上として、また出来るだけ配電変電所近傍、末端近傍となる箇所を選定して、センサ8を設置することにより、配電系統全体の電圧が推定できるようになる。
なお、これらの計測情報の選定は、対象となる配電系統毎に異なるため、入力する計測情報を配電系統データと合わせて、整定表示回路28などにて設定できるようにしておくことで、異なる配電系統においても適用が可能である。
なお、潮流計算の精度を向上させるためには、計測情報をより多くしたほうが良いが、計測のためのセンサ8の設置や、通信に係るコストが大きくなる問題があり、少ない計測点数で、かつ配電系統全体の潮流が把握できるような計測点を選定することが望ましい。
図1では、このコストの観点からも考慮して、配電変電所1に近いA点、系統の末端である無効電力補償装置31の設置点であるC点、系統の中間にあるB点を計測点とすることで、少ないコストで系統全体に渡る潮流計算が可能な構成を選択している。
次に、電圧指令基準値の補正方法の一例について説明する。
図2のフローチャートは、電圧指令基準値の補正量を計算する方法の一例である。
まず、ステップS31で、各地点の計測値収集を行う。
次に、ステップS32で、あらかじめ入力しておいた配電系統データと、前記計測情報を使用して潮流計算を行う。
次に、ステップS33で、対象の配電系統の各ノードにおける電圧状態の推定計算を行う。
電圧上限での逸脱点がある(Yes)場合にはステップS35Yに進む。
電圧上限での逸脱点がない(No)場合にはステップS35Nに進む。
電圧下限での逸脱点がない(No)場合にはステップS36に進む。
電圧下限での逸脱点がある(Yes)場合にはステップS37に進む。
電圧下限での逸脱点がある(Yes)場合にはステップS38に進む。
電圧下限での逸脱点がない(No)場合にはステップS39に進む。
このように、電圧指令補正機能を有効とするための電圧上限値と電圧下限値とを適切に設定しておくことで、系統の状態変化に応じて必要なときに補正機能が加わるようにしている。
また、通常では電圧指令の補正は、急峻な応答を必要としないことが多いことから、基準電圧指令値に補正量を緩やかに加える際には、電圧指令補正回路の補正量出力部に一次遅れ回路などを設置することが有効である。
以上のフローチャートで行った判定方法を理解しやすくするために、次に幾つかの配電系統の電圧特性例を示す。
図3は、配電系統における第1の電圧特性であり、一般的な配電系統の電圧特性例を示したものでもある。縦軸に電圧値を、横軸に配電変電所からの距離を示している。
図3の配電系統における電圧特性においては、A点からB、C点における電圧値が適正電圧の範囲内にあることがわかる。
なお、A点とB点の間にある変化点はSVR電圧調整器3の変圧比により2次側以降の電圧が上昇方向にあることを示している。
次に、図4に配電系統における第2の電圧特性を示す。図4は、図3と同様に配電系統の電圧特性を示したものであり、縦軸や横軸は図3と同じである。
図4におけるC点の電圧は、図3と同一であるものの、A点およびB点での電圧は、図3(図4における二点鎖線部)と比べて上昇しており、特にSVR電圧調整器付近(電圧逸脱点401)では適正電圧を逸脱していることがわかる。
このような電圧変動は、近年増加している風力発電や太陽光発電などの分散型電源による逆潮流によるものから局所的に系統電圧が上昇する現象であり、今後の分散型電源の大量導入により懸念されている課題である。
次に、図5に配電系統における第3の電圧特性を示す。図4に対し、図5は無効電力補償装置31(図1)に前述した電圧指令補正回路21(図1)を設け、電圧指令基準値14(図1)を最適に補正した結果を示したものである。
A点、B点の計測情報とSVR電圧調整器3(図1)のタップ値などから、配電系統全体の潮流計算をした結果、SVR電圧調整器付近(電圧逸脱点401(図4))で電圧が上限値を逸脱したことを認識し、無効電力補償装置31(図1)の電圧指令基準値14(図1)に電圧下降方向の補正を加えて制御した結果を示している。
このように、本発明の無効電力補償装置では、無効電力補償装置の設置点と異なる地点の計測情報を用いることにより、系統全体の電圧を考慮して、最適な電圧制御ができる効果がある。
図1に示した実施形態と、図2に示した電圧指令補正量計算によれば、最適な電圧指令基準値を求めることができるが、一方で、電圧指令基準値14が頻繁に変動した場合の系統への影響も考慮しなければならない。例えば、配電系統のそれぞれ異なる地点(A点、B点、C点、開閉器4、電圧調整器3)からの計測情報は、それぞれ通信手段27を介して、入力されることから、必ずしも同時刻の計測情報であるとは限らない。これらの計測情報を使用して、電圧指令基準値14を頻繁に補正させた場合に、無効電力補償装置31の出力変動と干渉して、系統へ悪影響を与えてしまうことも考えられる。
図6は比較例としての、無効電力補償装置(無効電力補償システム)と配電系統との関連の構成を示す参考図である。
この無効電力補償装置(無効電力補償システム)は、図6に示すように、無効電力補償装置における変換装置9を配電線路2に接続して、接続点であるC点の配電線路電圧を電圧指令基準値14となるように無効電力補償している。この無効電力補償装置の演算器15は、計器用変成器6と電圧検出回路10により検出した接続点であるC点の電圧と、電圧指令基準値14とを比較し、その差分に対応した偏差値を電圧制御回路13に入力して、偏差値に基づいた無効電力補償量を演算している。この必要な無効電力補償量は、電流制御回路12、PWM回路11を介して無効電力補償装置(図1の一点鎖線31内の回路に相当)に与えられる構成としている。
以上において、配電系統の配電線路モデルによる潮流計算機能があり、本発明を主にその機能を有した電圧指令補正回路を備えた無効電力補償装置として、装置の観点から説明したが、本発明をその機能を有した電圧指令補正手段を備えた無効電力補償システムとしても有用である。
このように、本発明の無効電力補償装置では、無効電力補償装置の設置点と異なる地点の計測情報を用いることにより系統全体の電圧を考慮して、最適な電圧制御ができる効果がある。
2 配電線路、線路インピーダンス
3 SVR電圧調整器、電圧調整器
4 開閉器
5 負荷
6 計器用変成器
7 計器用変流器
8 センサ
9 変換装置
10 電圧検出回路
11 PWM制御回路
12 電流制御回路
13 電圧制御回路
14 電圧指令基準値
15、16 演算器
21 電圧指令補正回路、電圧指令補正手段
22 プログラムデータ
23 潮流計算・電圧推定計算データベース
24 潮流計算回路
25 CPU
26 RAM
27 通信手段
28 整定表示回路
31 無効電力補償装置、無効電力補償手段
401 電圧逸脱点
Claims (3)
- 電圧指令基準値と配電系統の計測情報に基づいて、配電系統に注入する無効電力を制御することにより配電系統の電圧安定化を図る無効電力補償装置であって、
さらに、
配電系統の配電線路モデルによる潮流計算機能を有した電圧指令補正回路を備え、
前記電圧指令補正回路に前記無効電力補償装置の設置点と異なる地点の配電系統の計測情報を入力し、前記配電系統の計測情報に基づいて潮流計算を行い、配電系統全体の電圧が一定範囲内となるように前記電圧指令基準値に前記電圧指令補正回路の電圧指令補正量の出力で補正を行うことを特徴とする潮流計算機能を備えた無効電力補償装置。 - 電圧指令基準値と配電系統の計測情報に基づいて、配電系統に注入する無効電力を制御することにより配電系統の電圧安定化を図る無効電力補償システムであって、
さらに、
配電系統の配電線路モデルによる潮流計算機能を有した電圧指令補正手段を備え、
前記電圧指令補正手段に前記無効電力補償手段の設置点と異なる地点の配電系統の計測情報を入力し、前記配電系統の計測情報に基づいて潮流計算を行い、配電系統全体の電圧が一定範囲内となるように前記電圧指令基準値に前記電圧指令補正手段の電圧指令補正量の出力で補正を行うことを特徴とする潮流計算機能を備えた無効電力補償システム。 - 電圧指令基準値と配電系統の計測情報に基づいて、配電系統に注入する無効電力を制御することにより配電系統の電圧安定化を図る無効電力補償方法であって、
さらに、
配電系統の配電線路モデルによる潮流計算機能を有した電圧指令補正手段を備え、
前記電圧指令補正手段に前記無効電力補償手段の設置点と異なる地点の配電系統の計測情報を入力し、前記配電系統の計測情報に基づいて潮流計算を行い、配電系統全体の電圧が一定範囲内となるように前記電圧指令基準値に前記電圧指令補正手段の電圧指令補正量の出力で補正を行うことを特徴とする潮流計算機能を備えた無効電力補償方法。
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