JP2012017227A - 廃コンクリート微粉末及びその回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 廃コンクリート材の炭酸化状態を考慮して、リサイクル材料のうち、廃コンクリート微粉末を、適正な用途に利用できるように分離して回収する。
【解決手段】 廃コンクリート塊を粗破砕し、粗破砕されたコンクリート片を、ふるい目10mmでふるい分けるふるい分けし、ふるい分け分離工程でのふるい残留分を、破砕・磨砕・分級し、再生粗骨材と再生細骨材と未炭酸化廃コンクリート微粉末とを回収する。一方、ふるい分け分離でのふるい通過分を破砕・磨砕・分級し、再生細骨材と炭酸化廃コンクリート微粉末とを回収する。未炭酸化廃コンクリート微粉末は脱炭酸化セメント原料に、炭酸化セメント原料は、セメント混合材あるいは地盤改良材に用いることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 廃コンクリート塊を粗破砕し、粗破砕されたコンクリート片を、ふるい目10mmでふるい分けるふるい分けし、ふるい分け分離工程でのふるい残留分を、破砕・磨砕・分級し、再生粗骨材と再生細骨材と未炭酸化廃コンクリート微粉末とを回収する。一方、ふるい分け分離でのふるい通過分を破砕・磨砕・分級し、再生細骨材と炭酸化廃コンクリート微粉末とを回収する。未炭酸化廃コンクリート微粉末は脱炭酸化セメント原料に、炭酸化セメント原料は、セメント混合材あるいは地盤改良材に用いることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は廃コンクリート微粉末及びその回収方法に係り、回収された廃コンクリート材の炭酸化状態を考慮して、適正な用途にリサイクル材料を利用出来るように分離して回収した廃コンクリート微粉末とその回収方法に関する。
従来、鉄筋コンクリート建築物等の解体工事に伴って発生するコンクリート廃材は、鉄筋を取り除いたコンクリート塊を、所定の破砕分級によって所定の道路舗装用骨材としてリサイクルされ、その大半が、RC40等の再生粒調砕石として路盤材や工事用の地盤埋戻し材等の仮設材料として使用されている。しかし、これらの材料の需要は、近年増加しているリサイクル材の生産、供給量に対してそれほど多くはない。このため、将来的には、廃コンクリート材を高度処理することにより、再度コンクリート用の硬化材料あるいは良質の再生骨材としてリサイクルして利用することが望まれている。
しかしながら、良質の再生骨材を得るためには、コンクリート塊の破砕及び磨砕処理を行うため、コンクリート廃材重量の30〜50%程度の廃コンクリート微粉末(たとえば粒径0.6mm以下、比表面積500cm2/g以上)が副次発生する。この微粉末は、そのままでは格別の用途がないため、その処分が大きな問題となり、コンクリートのリサイクルを阻害する要因となっており、この微粉末を廃棄処分することなく有効活用することが要請されている。
ところで、廃コンクリート微粉末は、再水和特性を有し、強度発現に寄与する成分を含むこともあり、セメント原料やセメントに混合する混合材として利用することが、資源循環の観点からは望ましいと考えられる。また、従来の石灰石を原料としたセメント製造プロセスにおける二酸化炭素排出の削減を考慮したとき、廃コンクリート微粉末を有効利用する際、発明者は、既往の研究および自らの研究において、以下の知見を得ている。
(1)廃コンクリート微粉末が炭酸化していなければ、焼成時に脱炭酸しないため、石灰石 をカルシウム源として利用する場合に比べ、大幅に二酸化炭素を削減できる
(非特許文献1参照)
(2)廃コンクリート微粉末が炭酸化していれば、セメント水和物の炭酸化による分解によ って生じたシリカゲルと炭酸カルシウムの影響で、水和性混合材として利用できる
(特願2009−104664参照)。
(3)原料となる廃コンクリートのうち、粒子の表面積の大きい微粒分では破砕直後から炭 酸化が進行し、粗粒分では炭酸化の進行が遅い(非特許文献2参照)
(1)廃コンクリート微粉末が炭酸化していなければ、焼成時に脱炭酸しないため、石灰石 をカルシウム源として利用する場合に比べ、大幅に二酸化炭素を削減できる
(非特許文献1参照)
(2)廃コンクリート微粉末が炭酸化していれば、セメント水和物の炭酸化による分解によ って生じたシリカゲルと炭酸カルシウムの影響で、水和性混合材として利用できる
(特願2009−104664参照)。
(3)原料となる廃コンクリートのうち、粒子の表面積の大きい微粒分では破砕直後から炭 酸化が進行し、粗粒分では炭酸化の進行が遅い(非特許文献2参照)
飯田一彦他,「セメントを含めたコンクリートのリサイクル」,コンクリート工学論文集,(社)日本コンクリート工学協会刊,第11巻第3号,2000年9月
黒田泰弘他,「解体コンクリートによる二酸化炭素の固定」,コンクリート工学論文集,(社)日本コンクリート工学協会刊,第20巻第1号,pp15−22,2009年1月
上述のような状況にあって、現状の廃コンクリート材のリサイクル工程では、再生骨材を製造する際に、副産物として発生する廃コンクリート微粉末を、炭酸化の程度によって分離回収する方法についての検討はまったく行われていない。たとえば発明者による非特許文献2に開示した研究は、CO2の固定化技術に着目したものであるため、リサイクル工程における廃コンクリート微粉末が、炭酸化が進行したものであるか、非炭酸化状態であるかの相違による再生材料としての適性については言及していない。
実際、廃コンクリート再生工程において回収される微粉末には、炭酸化しているものとしていないものが混在しているのが現状である。廃コンクリート材の再生工程において、炭酸化の進行の有無によって、再生材料を的確に分別し、それぞれの状態での廃コンクリート微粉末を分離回収することができれば、異なる硬化性状を示す微粉末を、それぞれ適正な用途で使用することができる。
上述した(1)〜(3)の知見を踏まえると、炭酸化状態の廃コンクリート微粉末は、強度発現に寄与しないが、炭酸化の進行した廃コンクリート微粉末は、強度発現に寄与し、加熱処理することによりその強度発現は増加することが認められる。
よって、分離回収した再生材料のうち、たとえばカルシウム源として炭酸化していないCa(OH)2やC−S−H等をセメント原料とすれば、従来のセメント製造工程に比べ、二酸化炭素排出を大幅に抑制できる。そこで、本発明の目的は、従来の技術が有する問題点を解消し、廃コンクリート材の状態に応じて、得られる廃コンクリート微粉末を適正に再利用できるようにした廃コンクリート微粉末及びその回収方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の廃コンクリート微粉末の回収方法は、廃コンクリート塊を粗破砕する工程と、粗破砕されたコンクリート片をふるい分け分離する工程と、該ふるい分け分離工程によるふるい残留分を破砕・磨砕・分級し、再生粗骨材と再生細骨材と廃コンクリート微粉末とに分離回収する工程とからなる再生粗骨材、再生細骨材の製造工程において、前記ふるい残留分から廃コンクリート微粉末を分離して回収することを特徴とする。
また、他の性状を示す廃コンクリート微粉末の回収方法として、廃コンクリート塊を粗破砕する工程と、粗破砕されたコンクリート片をふるい分け分離する工程と、該ふるい分け分離工程によるふるい通過分を破砕・磨砕・分級し、再生細骨材と廃コンクリート微粉末とに分離回収する工程とからなる再生細骨材の製造工程において、前記ふるい通過分から廃コンクリート微粉末を分離して回収することを特徴とする。
これらの回収方法において、前記ふるい分け分離工程のふるい目は10mmとすることが好ましい。
前記廃コンクリート微粉末の回収方法において、前記ふるい通過分を、加熱処理し、その後、破砕・磨砕・分級して前記廃コンクリート微粉末を回収することが好ましい。
前記廃コンクリート微粉末は、ふるい残留分を破砕・磨砕・分級し、再生粗骨材と再生細骨材とともに得られ、未炭酸化状態であることを特徴とする。
前記廃コンクリート微粉末は、ふるい通過分を破砕・磨砕・分級し、再生細骨材とともに得られ、炭酸化状態にあることを特徴とする。
前記未炭酸化状態の廃コンクリート微粉末は、脱炭酸セメント原料とすることが好ましい。
前記炭酸化状態の廃コンクリート微粉末は、セメント混合材あるいは地盤改良材とすることが好ましい。
本発明によれば、未炭酸化状態の廃コンクリート微粉末は、脱炭酸セメント原料として、炭酸化が進行した状態の廃コンクリート微粉末は、セメントに混合するセメント混合材として用いることができ、それぞれ回収された廃コンクリート材の炭酸化状態を考慮して、適正な用途に利用出来るという効果を奏する。
以下、本発明の廃コンクリート微粉末の回収方法を実施するための形態として、以下の実施例について添付図面を参照して説明する。
[廃コンクリート微粉末の分離回収の基本的考え方]
炭酸化の進行状態は、対象となる廃コンクリート材料の粒径により異なる。そこで、工程の最初に粗粒分と細粒分を分離する。そのうちの粗粒分を破砕・磨砕、分級して再生細骨材と粗骨材を製造し、副次生産される微粉末を回収する。この微粉末は、炭酸化が進行していない状態の微粉末(以下、未炭酸化廃コンクリート微粉末と記す。)である。一方、細粒分を破砕・磨砕して再生細骨材を製造し、微粉末を回収すると、炭酸化が進行した微粉末(以下、炭酸化廃コンクリート微粉末と記す。)が得られる。
炭酸化の進行状態は、対象となる廃コンクリート材料の粒径により異なる。そこで、工程の最初に粗粒分と細粒分を分離する。そのうちの粗粒分を破砕・磨砕、分級して再生細骨材と粗骨材を製造し、副次生産される微粉末を回収する。この微粉末は、炭酸化が進行していない状態の微粉末(以下、未炭酸化廃コンクリート微粉末と記す。)である。一方、細粒分を破砕・磨砕して再生細骨材を製造し、微粉末を回収すると、炭酸化が進行した微粉末(以下、炭酸化廃コンクリート微粉末と記す。)が得られる。
未炭酸化廃コンクリート微粉末は、従来のセメント焼成の際の原料として用いる石灰石と異なり、すでに脱炭酸しているため、二酸化炭素排出を抑制することができるという新規な効果を期待できる。一方、炭酸化廃コンクリート微粉末は、ポゾラン反応性を有し、普通ポルトランドセメント等の従来セメントと混合することで強度発現に寄与し、ともに環境配慮型の再利用方法につながる。
[回収方法の具体的説明]
図1は、本発明の廃コンクリート微粉末の回収方法における、各手順を示したフローチャートである。通常、鉄筋コンクリート建物を解体して発生したコンクリート塊は、前処理により、付着していた鉄筋と分離する際に小割りされ、およそ400〜200mm大の当初寸法のコンクリート塊として中間処理工場等に搬入され、所定期間保管される場合が多い。そして中間処理工場で、一次破砕として、当初寸法から約150mm大となるように粗破砕される。一次破砕機としてはジョークラッシャ等が用いられる。このときのコンクリート塊は保管状況、保管期間によって表面に炭酸化の進行が見られることが予想されるが、コンクリート塊の全体の大きさに比べ、表面積が小さいため、本発明の分離回収においては炭酸化した表面部分の材料変化は無視できる。
図1は、本発明の廃コンクリート微粉末の回収方法における、各手順を示したフローチャートである。通常、鉄筋コンクリート建物を解体して発生したコンクリート塊は、前処理により、付着していた鉄筋と分離する際に小割りされ、およそ400〜200mm大の当初寸法のコンクリート塊として中間処理工場等に搬入され、所定期間保管される場合が多い。そして中間処理工場で、一次破砕として、当初寸法から約150mm大となるように粗破砕される。一次破砕機としてはジョークラッシャ等が用いられる。このときのコンクリート塊は保管状況、保管期間によって表面に炭酸化の進行が見られることが予想されるが、コンクリート塊の全体の大きさに比べ、表面積が小さいため、本発明の分離回収においては炭酸化した表面部分の材料変化は無視できる。
ここで、発明者の研究結果(非特許文献2参照)によれば粒径5mmふるい通過分を境として炭酸化の進行の度合いに差が認められていたが、コンクリート塊が水分を含んでいる場合のふるい作業性を考慮して、ふるい目5mmより粗いふるい目10mmによる1次ふるい分けを行う。
図1において、10mmふるい残留分(粒径>10mm)は、その後、2次破砕、磨砕、分級を行って、再生粗骨材、再生細骨材、廃コンクリート微粉末とに分離して回収する。このとき、2次破砕、磨砕工程ではインパクトクラッシャ、各種公知の磨砕機を用いて再生骨材を製造し、分級機を経て所定規格の再生骨材(再生粗骨材、再生細骨材)とする。
このとき副次発生する未炭酸化廃コンクリート微粉末(脱炭酸セメント原料)は、セメント水和物であるCa(OH)2、C−S−H等を含むため、これらを所定の割合で混合してセメントクリンカーを焼成することで、資源の循環型再利用を図ることができる。
セメントクリンカーを焼成する際に、本発明の手順により分離回収された未炭酸化廃コンクリート微粉末を、すでに脱炭酸したカルシウム源として利用できるため、石灰石を用いる従来のセメント製造の場合に比べ、二酸化炭素排出抑制に寄与するという効果も期待できる。
一方、10mmふるい通過分も、ふるい残留分と同様に、2次破砕、磨砕、分級を行って再生細骨材と廃コンクリート微粉末とに分離、回収する。そのとき副次発生する廃コンクリート微粉末は、1次ふるい分けでふるいを通過した、比較的表面積の大きい微粒分を磨砕した微粉末であるため、微粒分の表面は当初から炭酸化が進行した状態にあり、このため、この微粉末は上述したように炭酸化廃コンクリート微粉末として分離回収される。なお、必要に応じて2次破砕、磨砕、分級工程の前に加熱処理することで、微粉末分の炭酸化を促進させることも好ましい。
なお、未炭酸化廃コンクリート微粉末、炭酸化廃コンクリート微粉末の状態は、TG−DTA(熱分析)の結果から判断することができる。未炭酸化廃コンクリート微粉末の場合、Ca(OH)2含有率は少なくとも3%以上、炭酸化廃コンクリート微粉末の場合、DTAにおいてCa(OH)2の吸熱ピークが認められないことが条件となる。
炭酸化廃コンクリート微粉末は、炭酸化が進行しているため、未炭酸化廃コンクリート微粉末と異なり、セメント原料自体として使用した場合、二酸化炭素を排出するが、従来成分のセメントクリンカーに、ポゾラン反応を有する混合材として添加することが可能である。このため、セメント配合時のセメント混合材や、セメント系固化材として地盤改良材として使用することが好ましい。
図2両図は、廃コンクリート微粉末の熱分析結果を示したグラフである。図2(a)は粒径0〜40mmの廃コンクリートを原料とした再生微粉末の熱分析結果、図2(b)は10〜40mmの廃コンクリートを原料とした再生微粉末の熱分析結果示している。図2(a)に示したように、0〜40mmの廃コンクリートを原料とした場合、中性化が進行した結果、Ca(OH)2はほとんど認められないが、10〜40mmを原料とした場合にはCa(OH)2が十分に残っていることがわかる。このことから粒径10mm以下の細粒分における中性化速度は10mm超の粗粒分の中性化速度に比べて著しく速いことが確認できた。この点をふまえ、本発明では10mmふるい分けを分離工程として採用した。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、各請求項に示した範囲内での種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲内で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。
Claims (9)
- 廃コンクリート塊を粗破砕する工程と、粗破砕されたコンクリート片をふるい分け分離する工程と、該ふるい分け分離工程によるふるい残留分を破砕・磨砕・分級し、再生粗骨材と再生細骨材と廃コンクリート微粉末とに分離回収する工程とからなる再生粗骨材、再生細骨材の製造工程において、前記ふるい残留分から廃コンクリート微粉末を分離して回収することを特徴とする廃コンクリート微粉末の回収方法。
- 廃コンクリート塊を粗破砕する工程と、粗破砕されたコンクリート片をふるい分け分離する工程と、該ふるい分け分離工程によるふるい通過分を破砕・磨砕・分級し、再生細骨材と廃コンクリート微粉末とに分離回収する工程とからなる再生細骨材の製造工程において、前記ふるい通過分から廃コンクリート微粉末を分離して回収することを特徴とする廃コンクリート微粉末の回収方法。
- 前記ふるい分け分離工程のふるい目は10mmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の廃コンクリート微粉末の回収方法。
- 請求項2または請求項3に記載された回収方法において、前記ふるい通過分を、加熱処理し、その後、破砕・磨砕・分級して前記廃コンクリート微粉末を回収することを特徴とする廃コンクリート微粉末の回収方法。
- 請求項1または請求項3に記載された回収方法により、前記ふるい残留分を破砕・磨砕・分級し、再生粗骨材と再生細骨材とともに得られ、未炭酸化状態にあることを特徴とする廃コンクリート微粉末。
- 請求項2または請求項3に記載された回収方法により、前記廃コンクリート塊を粗破砕して得られたコンクリート片をふるい分けし、前記ふるい通過分を破砕・磨砕・分級し、再生細骨材とともに得られ、炭酸化が進行した状態にあることを特徴とする廃コンクリート微粉末。
- 請求項5に記載の廃コンクリート微粉末からなる脱炭酸セメント原料。
- 請求項6に記載の廃コンクリート微粉末からなるセメント混合材。
- 請求項6に記載の廃コンクリート微粉末からなる地盤改良材。
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