JP2012017246A - シリコン単結晶引上用石英ガラスルツボの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】天然石英ガラス原料粉からの熱の拡散を抑制し、この天然石英ガラス原料粉を溶け易くすることで消費電力量を削減したシリコン単結晶引上用石英ガラスルツボの製造方法を提供する。
【解決手段】ルツボ成形用型11内に天然石英ガラス原料粉末を装填し、さらにその内表面に合成シリカ原料粉末を装填し、ルツボ形状の2層の石英充填層20を形成し、石英充填層20に対して、カーボン電極19に通電して内側から加熱し、天然石英ガラス原料粉末及び合成シリカ原料粉末を溶融し、その後、冷却し、内面側に透明石英ガラス層が形成され、外表側には不透明石英ガラス層が形成されるシリコン単結晶引上用石英ガラスルツボの製造方法において、天然石英ガラス原料粉末として、粒径が10〜500μmかつBET法により測定した比表面積が20m/g以上である天然石英ガラス原料粉末が用いられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、シリコン単結晶引上用石英ガラスルツボの製造方法に関し、該ルツボの製造にかかる消費電力量を削減できるシリコン単結晶引上用石英ガラスルツボの製造方法に関する。
半導体ディバイスの基板として用いられるシリコン単結晶は、主にチョクラルスキー(CZ法)により製造されている。この方法は、ルツボ内に多結晶シリコン原料を装填し、ルツボを周囲から加熱することによって多結晶シリコン原料を溶融させて、吊り下げられた種結晶をシリコン融液に浸して除々に引き上げることによって、シリコン単結晶インゴットを成長させるものである。
従来、前記したCZ法を実施するルツボとしては、図1に示すように内面側に透明石英ガラス層2を有し、この透明石英ガラス層2の外周に不透明石英ガラス層3を有する2層の石英ガラスルツボ1が多く用いられている。
この石英ガラスルツボ1の透明石英ガラス層2は、シリコン融液への浸食を極力低減し、さらに融液面の安定性を確保するなどのために、ルツボの内周側に配置された、気泡を実質的に皆無にした石英ガラス層である。また、前記不透明石英ガラス層3は、シリコン融液への均熱伝達を行うために、ルツボの外周側に配置された、多数の閉気孔を均一に分散させた石英ガラス層である。
この石英ガラスルツボの製造方法について、図2に基づいて説明する。図2に示す石英ガラスルツボ製造装置10のルツボ成形用型11は、例えば複数の貫通孔を穿設した金型、もしくは高純化処理した多孔質カーボン型などのガス透過性部材で構成されている内側部材12と、その外周に通気部13を設けて、前記内側部材12を保持する保持体14とから構成されている。
また、保持体14の下部には、図示しない回転手段と連結されている回転軸15が固着され、ルツボ成形用型11とともに回転可能に支持されている。また前記通気部13は、保持体14の下部に設けられた開口部16を介して、回転軸15の中央に設けられた排気口17と連結されている。この通気路13は、減圧機構18と連結されている。更に、内側部材12に対向する上部には、一対のアーク放電用のカーボン電極19が設けられている。
そして、上記製造装置10を用いて、石英ガラスルツボ1の製造を行うには、まず図示しない回転駆動源を稼働して回転軸15を矢印の方向に、ルツボ成形用型11を高速で回転させつつ、ルツボ成形用型11内の上部から石英ガラス原料粉末を供給する。
回転されたルツボ成形用型11内に石英ガラス原料粉末を装填する際には、初めに例えば粗粒の天然石英ガラス原料粉末を装填し、さらにその内表面に例えば微粒の合成シリカ原料粉末を装填する。
ルツボ成形用型11内に供給された天然石英ガラス原料粉末は、遠心力によってルツボ成形用型11の内側部材12に押圧され、一つの層が形成される。
この天然石英ガラス原料粉末に続いて合成シリカ原料粉末がルツボ成形用型11内に供給され、合成シリカ原料粉末は、遠心力によって天然石英ガラス原料粉末の層に押圧され、一つの層が形成され、全体としてルツボ形状の2層の石英充填層20が形成される。
その後、大気雰囲気で、減圧機構18の作動による減圧とほぼ同時にカーボン電極19に通電して石英充填層20の内側から加熱し、石英充填層20を内側から順次溶融する。
その後、冷却することにより、内面側には極小の気泡だけの実質的に無気泡化状態の透明石英ガラス層2が形成され、外表側には多数の気泡が存在する不透明石英ガラス層3が形成された、2重層構造の石英ガラスルツボ1が製造される。
特開2000−169164号公報
ところで、前記したように石英ガラスルツボを製造する際、前記カーボン電極に通電し、天然石英ガラス原料粉末及び合成シリカ原料粉末を溶融することによって、ルツボを製造している。今日、このカーボン電極に通電に用いられる消費電力量について、省エネの観点から削減が求められている。
本発明者らは、石英ガラスルツボ製造時における電力量を削減する方法を鋭意研究し、その結果、ルツボの外層を形成する天然石英ガラス原料粉末からの熱拡散を抑制し、この天然石英ガラス原料粉末を溶け易くすることで消費電力量を削減できることを知見し、本発明を想到したものである。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、天然石英ガラス原料粉末からの熱の拡散を抑制し、この天然石英ガラス原料粉末を溶け易くすることで電力量を削減したシリコン単結晶引上用石英ガラスルツボの製造方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明に係るシリコン単結晶引上用石英ガラスルツボの製造方法は、ルツボ成形用型内に天然石英ガラス原料粉末を装填し、さらにその内表面に合成シリカ原料粉末を装填し、ルツボ形状の2層の石英充填層を形成し、前記石英充填層に対して、カーボン電極に通電して内側から加熱し、前記天然石英ガラス原料粉末及び合成シリカ原料粉末を溶融し、その後、冷却し、内面側に透明石英ガラス層が形成され、外表側には不透明石英ガラス層が形成されるシリコン単結晶引上用石英ガラスルツボの製造方法において、前記天然石英ガラス原料粉末として、粒径が10〜500μmであって、BET法により測定した比表面積が20m/g以上である天然石英ガラス原料粉末が用いられることを特徴としている。
このように、天然石英ガラス原料粉末として、粒径が10〜500μmであって、BET法により測定した比表面積が20m/g以上である天然石英ガラス原料粉末が用いられるため、溶融時の熱の拡散を抑制でき、成形体の保温性を高めることができ、電力量を削減できる。
特に、ルツボの外表側の不透明石英ガラス層を形成する天然石英ガラス原料粉末を、上記透過率としているため、内側から加熱した際、熱の拡散を抑制でき、電力量を削減できる。
尚、上記BET法による測定は、JIS R1626に基づいて測定される。
ここで、粒径が10〜500μmかつBET法により測定した比表面積が20m/g以上としたのは、20m/g未満だと熱線が透過し、保温性が低下し、熱が拡散するため、電力量を削減することができないためである。
尚、粒径が10〜500μmとしたのは、成形、溶融の条件を従来と同等にするためである。
また、前記天然石英ガラス原料粉末が、フッ酸により表面処理された天然石英ガラス原料粉末であることが望ましい。
このように、フッ酸により表面をエッチングすることにより、天然石英ガラス原料粉末の比表面積を増加させることができ、比表面積20m/g以上に容易になすことができる。
本発明によれば、天然石英ガラス原料粉末からの熱の拡散を抑制し、この天然石英ガラス原料粉末を溶け易くすることで電力量を削減したシリコン単結晶引上用石英ガラスルツボの製造方法を得ることができる。
リコン単結晶引上用石英ガラスルツボの構成を示す概念図である。 リコン単結晶引上用石英ガラスルツボの製造装置を示す概略構成図である。
本発明にかかるシリコン単結晶引上用石英ガラスルツボの製造方法は、粒径が10〜500μmかつBET法により測定した比表面積が20m/g以上である天然石英ガラス原料粉末を用いる点に特徴があり、石英ガラスルツボの製造方法は従来の一般的な方法が用いられる。
即ち、図2に示すように、上記製造装置10を用いて、図示しない回転駆動源を稼働して回転軸15を矢印の方向に、ルツボ成形用型11を高速で回転させつつ、ルツボ成形用型11内の上部から、初めに特徴ある天然石英ガラス原料粉末を装填し、さらにその内表面に合成シリカ原料粉末を装填する。
この天然石英ガラス原料粉末として、前記したように粒径が10〜500μmかつBET法により測定した比表面積が20m/g以上である天然石英ガラス原料粉末が用いられる。供給された天然石英ガラス原料粉末は、遠心力によってルツボ成形用型11の内側部材12に押圧され、一つの層が形成される。
そして、この天然石英ガラス原料粉末に続いて合成シリカ原料粉末がルツボ成形用型11内に供給され、合成シリカ原料粉末は、遠心力によって天然石英ガラス原料粉末の層に押圧され一つの層が形成され、全体としてルツボ形状の2層の石英充填層20が形成される。
その後、大気雰囲気で、減圧機構18の作動による減圧とほぼ同時にカーボン電極19に通電して石英充填層20の内側から加熱し、石英充填層20を内側から順次溶融する。
その後、冷却することにより、内面側には極小の気泡だけの実質的に無気泡化状態の透明石英ガラス層2が形成され、外表側には多数の気泡が存在する不透明石英ガラス層3が形成された、2重層構造の石英ガラスルツボ1が製造される。
このように、比表面積が大きい天然石英ガラス原料粉末を用いることにより、成形体の保温性が向上する。即ち、カーボン電極19による加熱の熱が成形型から外部に拡散するのを抑制することができ、結果としてカーボン電極19の通電に用いられる電力量を削減できる。
特に、天然石英ガラス原料粉末の溶融温度は、内層を形成する合成シリカ原料粉末の溶融温度よりも高いため、上記比表面積とすることにより、内側からカーボン電極によって加熱した際、熱の外方への拡散をより抑制し、容易に溶融させることができ、消費電力量を削減することができる。
また、ルツボの外表側に配置される不透明石英ガラス層を形成する天然石英ガラス原料粉末を上記比表面積とすることにより、熱の外方への拡散をより抑制でき、電力量を削減できる。
次に、BET法により測定した比表面積が20m/g以上である天然石英ガラス原料粉末の製造方法について説明する。
天然石英ガラス原料粉末は、通常、BET法により測定した比表面積が20m/g未満である。そのため、比表面積を増大させるために、天然石英ガラス原料粉末に対して、フッ酸によりその表面をエッチングする。
このフッ酸によるエッチング処理は、以下のように行われる。
まず、純水を用いて、天然石英ガラス原料粉末に含まれる水で除去可能な塵埃や不純物を除去する。次に、天然石英ガラス原料粉末に含まれる有機物を除去するため、オゾン水や界面活性剤を用いて洗浄する。前記洗浄後の天然石英ガラス原料粉末を濃度50wt%以上、温度40℃のフッ酸に2時間以上浸漬した。最後に純水を用いてリンス洗浄した。
上記天然石英ガラス原料粉末のフッ酸によるエッチング処理によって、天然石英ガラス粒子の表面に微細な凹凸が形成される。この微細な凹凸によって光は乱反射し、透過率が低下する。しかも、この天然石英ガラス原料粉末はルツボの外側(ルツボ型側)に配置されるため、内側に配置された合成シリカ原料粉末を通過した熱を内方に反射し、熱の外方への拡散が抑制される。
(実施例1)
洗浄後の天然石英ガラス原料粉末を、濃度50wt%のフッ酸中に、2時間浸漬した。その後、天然石英ガラス原料粉末を洗浄し、比表面積測定装置を用いて窒素ガス吸着によるBET法で比表面積を測定した。
この測定の結果、BET法による比表面積が30m/gであった。
そして、図2に示した上記製造装置10を用いて、ルツボ成形用型11を高速で回転させつつ、ルツボ成形用型11内の上部から、初めに粗粒の天然石英ガラス原料粉末を装填し、さらにその内表面に微粒の合成シリカ原料粉末を装填し、ルツボ形状の2層の石英充填層20を形成した。その後、大気雰囲気で、減圧機構18の作動による減圧とほぼ同時にカーボン電極19に通電して石英充填層20の内側から加熱、溶融した。その後冷却し、内面側に透明石英ガラス層2、外表側に不透明石英ガラス層3が形成された、2重層構造の石英ガラスルツボ1を製造した。
この石英ガラスルツボを30個製造し、その時の平均消費電力量は352kwhであった。
(実施例2)
天然石英ガラス原料粉末を、濃度60wt%のフッ酸中に、3時間浸漬した。その後、天然石英ガラス原料粉末を洗浄し、比表面積測定装置を用いて比表面積を測定した。
この測定の結果、BET法による比表面積が50m/gであった。実施例1と同様な条件下で、2重層構造の石英ガラスルツボ1を製造した。
上記石英ガラスルツボを30個製造し、その時の平均消費電力量は343kwhであった。
(比較例1)
天然石英ガラス原料粉末の表面エッチング処理を施すことなく、比表面積測定装置を用いて比表面積を測定した。この測定の結果、比表面積は2m/gであった。
実施例1と同様な条件下で、2重層構造の石英ガラスルツボ1を製造した。
上記石英ガラスルツボを30個製造し、その時の平均消費電力量は365kwhであった。
(比較例2)
天然石英ガラス原料粉末を、濃度50wt%のフッ酸中に、1時間浸漬した。その後、天然石英ガラス原料粉末を洗浄し、透過率測定装置を用いて光の透過率を測定した。
この測定の結果、比表面積が10m/gであった。実施例1と同様な条件下で、2重層構造の石英ガラスルツボ1を製造した。
上記石英ガラスルツボを30個製造し、その時の平均消費電力量は360kwhであった。
上記実施例1,2及び比較例1,2の結果からわかるように、使用電力量(消費電力量)を削減することができ、省エネ効果が確認された。
1 石英ガラスルツボ
2 透明石英ガラス層
3 不透明石英ガラス層
10 石英ガラスルツボ製造装置
11 ルツボ成形用型
12 内側部材
13 通気部
14 保持体
15 回転軸
16 開口部
17 排気口
18 減圧機構
19 カーボン電極
20 石英充填層
(比較例2)
天然石英ガラス原料粉末を、濃度50wt%のフッ酸中に、1時間浸漬した。その後、天然石英ガラス原料粉末を洗浄し、比表面積測定装置を用いて比表面積を測定した。
この測定の結果、比表面積が10m/gであった。実施例1と同様な条件下で、2重層構造の石英ガラスルツボ1を製造した。
上記石英ガラスルツボを30個製造し、その時の平均消費電力量は360kwhであった。

Claims (2)

  1. ルツボ成形用型内に天然石英ガラス原料粉末を装填し、さらにその内表面に合成シリカ原料粉末を装填し、ルツボ形状の2層の石英充填層を形成し、前記石英充填層に対して、カーボン電極に通電して内側から加熱し、前記天然石英ガラス原料粉末及び合成シリカ原料粉末を溶融し、その後、冷却し、内面側に透明石英ガラス層が形成され、外表側には不透明石英ガラス層が形成されるシリコン単結晶引上用石英ガラスルツボの製造方法において、
    前記天然石英ガラス原料粉末として、粒径が10〜500μmかつBET法により測定した比表面積が20m/g以上である天然石英ガラス原料粉末が用いられることを特徴とするシリコン単結晶引上用石英ガラスルツボの製造方法。
  2. 前記天然石英ガラス原料粉末が、フッ酸により表面処理された天然石英ガラス原料粉末であることを特徴とする請求項1記載のシリコン単結晶引上用石英ガラスルツボの製造方法。
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