JP2012017354A - 結晶性プロピレン重合体及びその製造方法 - Google Patents

結晶性プロピレン重合体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】剛性、耐熱性が高く、更に成形性が改良され、フィッシュアイがなく、溶融時の弾性的性質が著しく改善された結晶性プロピレン重合体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】下記の特性(a)〜(d)を満足することを特徴とする結晶性プロピレン重合体およびその製造方法など。
(a)190℃における溶融張力(MT)が11〜15gである。
(b)動的粘弾性測定による貯蔵弾性率の周波数ω依存性曲線G’(ω)と損失弾性率の周波数ω依存性曲線G’’(ω)との交点Gcの貯蔵弾性率の値(単位:Pa)の逆数の10倍をPIとしたとき、PIが4.0以上である。
(c)JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定されたメルトフローレート(MFR2)が0.2〜0.8g/10分である。
(d)示差走査熱量計で測定する最高融解ピーク温度(Tm)が155〜162℃である。
【選択図】なし

Description

本発明は、フィッシュアイがなく、更に耐熱性、成形性のバランスがとれた結晶性プロピレン重合体及びその製造法に関し、さらに詳しくは、機械的強度に非常に優れ、ドローダウンが少なく、延展性や深絞り性に優れ、真空成形法または圧空成形法等の熱成形法による成形品の製造に好適な結晶性プロピレン重合体及びその製造法に関する。
結晶性ポリプロピレンは、比較的安価で、機械的強度が優れ、使用できる温度が高いなど優れた特性を有することから、今日では多岐の分野にわたり使用されている。また、更に用途によっては、より高い機械的強度が要求されるため、従来から触媒、重合添加剤などの改良が行われ、立体規則性の高い、剛性の高いポリプロピレンの製造が試みられている。
しかしながら、立体規則性が高くなる改良触媒においては、分子量分布が狭くなる傾向があり、溶融時の弾性的性質が低下して、成形時の生産性が低くなるという問題、特に真空成形や圧空成形等の熱成形では、ドローダウンの問題が生じることがあった。
このような問題を解決するため、立体規則性が高くなる改良触媒においても、ポリプロピレンの分子量分布が狭くならない触媒の開発が行われているが、弾性的性質の低下を補うだけの十分な効果が得られなかったり、機械的強度の低下を伴ったり、コスト的に高くなる問題などがあった。
また、従来から立体規則性の高いポリプロピレンの高分子量成分と低分子量成分とをオフラインで、あるいは重合ブレンドで混合することが提案されている。しかしながら、この際、注意が必要なのは、高分子量成分が均一に分散し難く、成形品に肌荒れ、フィッシュアイが発生することである。
別々に重合した高分子量成分と低分子量成分を、重合工程外(オフライン)で混合すると、両成分の混ざり度合いが悪く、フィッシュアイが発生しやすい。そのため、プロピレンの重合工程において両成分を交互に生成させ、いわゆる重合ブレンド手法により改善する様々な方法が提案されている。
例えば、高分子量成分を製造した後、低分子量成分を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
しかしながら、この方法では、一般にフィッシュアイが発生し易い傾向にある。その理由としては、高分子量成分を製造した時点で、部分的に触媒が失活することがあり、ある一部分において、低分子量成分が存在せず、高分子量成分だけになることがある。この場合、その一部分においてオフライン混合と同様に不均一な混合状態が発生することになる。即ち、重合途中の触媒失活のため、重合ブレンド効果が低減する結果を招く。
また、フィッシュアイの発生を抑制するために、高分子量成分と低分子量成分の分子量差を小さくすると、当然のことながら充分な溶融弾性が得られず、成形性を改善することができない。
したがって、従来の触媒においては、本発明者らの知見によれば、多段重合プロセスにおいて、フィッシュアイの発生がなく、十分な溶融弾性を得ることはできなかった。特に、1段以上のバルク重合工程、1段以上の気相重合工程からなる多段重合プロセスにおいて、上記問題は顕著であった。
特開昭57−185304号公報 特開平02−232207号公報 特開平08−157522号公報
本発明の目的は、上記した従来技術の問題点に鑑み、フィッシュアイが無いだけでなく、溶融時の弾性的性質の低下が著しく改良された結晶性プロピレン重合体及びその製造法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、所定の特性を満足する結晶性プロピレン重合体が、耐熱性、成形性のバランスに優れ、且つフィッシュアイが低減できることを見出し、また、立体規則性が高い特定の触媒を用いて、多段重合により製造すると、前記触媒は、水素応答性にも特徴があるため、格段の水素濃度格差をつけた多段重合により、容易に高分子量成分、低分子量成分の分子量格差をつけることができ、そして、それらの重合ブレンドを行うことにより、弾性的性質を付与することが可能となることにより前記結晶性プロピレン重合体を容易に得ることができることを見出し、これらの知見により、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記の特性(a)〜(d)を満足することを特徴とする結晶性プロピレン重合体が提供される。
(a)190℃における溶融張力(MT)が11〜15gである(MTは、メルトテンションテスターを用いて、キャピラリー:直径2.1mm、シリンダー径:9.6mm、シリンダー押出速度:10mm/分、巻き取り速度:4.0m/分、温度190℃の条件で測定したときの溶融張力を表す。)。
(b)動的粘弾性測定による貯蔵弾性率の周波数ω依存性曲線G’(ω)と損失弾性率の周波数ω依存性曲線G’’(ω)との交点Gcの貯蔵弾性率の値(単位:Pa)の逆数の10倍をPIとしたとき、PIが4.0以上である。
(c)JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定されたメルトフローレート(MFR2)が0.2〜0.8g/10分である。
(d)示差走査熱量計で測定する最高融解ピーク温度(Tm)が155〜162℃である。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、エチレン含量が0.1〜1.0wt%のプロピレン・エチレンランダム共重合体であることを特徴とする結晶性プロピレン重合体が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、1段以上のバルク重合工程と1段以上の気相重合工程からなる、2段以上の多段重合により製造し、後段のメルトフローレートが少なくとも前段のメルトフローレートより低いことを特徴とする第1又は2の発明に係る結晶性プロピレン重合体の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第4の発明によれば、第3の発明において、1段目の反応槽で製造されるポリマーのメルトフローレート(MFR1)と結晶性プロピレン重合体のメルトフローレート(MFR2)とのMFR比が次の式で表されることを特徴とする結晶性プロピレン重合体の製造方法が提供される。
MFR1/MFR2>4.0
また、本発明の第5の発明によれば、第3又は4の発明において、チタン、マグネシウム及びハロゲンを必須成分として含有する固体触媒成分(A)と、有機アルミニウム成分(B)とを含むプロピレン重合用触媒を用いることを特徴とする結晶性プロピレン重合体の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第6の発明によれば、第5の発明において、前記固体触媒成分(A)は、下記成分(i)、(ii)、(iii)及び(iv)を接触させて得られることを特徴とする結晶性プロピレン重合体の製造方法が提供される。
(i)チタン、マグネシウム及びハロゲンを必須成分として含有する固体成分
(ii)Si−OR結合を2つ以上含有する有機ケイ素化合物(但し、Rは炭素数1〜8の炭化水素残基である。)
(iii)ビニルシラン化合物
(iv)周期律I〜III族金属の有機金属化合物
本発明の結晶性プロピレン重合体は、特定の曲げ弾性率、動的粘弾性、MFR、融点を有し、真空成形法や圧空成形法等の熱成形時に、シート予熱時のドローダウンが少なく熱成形に適し、更にフィッシュアイがなく、成形性が良好である。
また、本発明の結晶性プロピレン重合体の製造方法は、前記結晶性プロピレン重合体を容易に、また、高い重合活性の下に製造できる。
ポリプロピレンの粘弾性を、正弦的ひずみの周波数ωを横軸に取り、測定した貯蔵弾性率及び損失弾性率を縦軸にプロットした周波数依存性曲線G’(ω)と周波数依存性曲線G’’(ω)の関係を示す図である。 耐ドローダウン性評価におけるポリプロピレン系熱成形用シートの垂れ量と加熱時間との関係を示す一般的な図である。
本発明の結晶性プロピレン重合体は、以下に詳述する、特性(a)〜(d)を満足することを特徴とし、また、立体規則性が高い特定の触媒を用いて、多段重合により製造される。
以下、本発明について、項目毎に詳細に説明する。
1.結晶性プロピレン重合体
本発明は、下記の特性(a)〜(d)を満足する結晶性プロピレン重合体である。
(a)190℃における溶融張力(MT)が11〜15gである。
(b)動的粘弾性測定による貯蔵弾性率の周波数ω依存性曲線G’(ω)と損失弾性率の周波数ω依存性曲線G’’(ω)との交点Gcの貯蔵弾性率の値(単位:Pa)の逆数の10倍をPIとしたとき、PIが4.0以上である。
(c)JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定されたメルトフローレート(MFR2)が0.2〜0.8g/10分である。
(d)示差走査熱量計で測定する最高融解ピーク温度(Tm)が155〜162℃である。
本発明の結晶性プロピレン重合体は、190℃における溶融張力(MT)が11〜15gであり、12〜15gが好ましく、13〜15gがより好ましい。MTが11g以下だと、ドローダウンし易くなり、シート成形時に不都合である。また、MTが15gより大きいと、光沢が低くなり、光沢を必要とする分野への適用に不都合である。
ここで、MTは、メルトテンションテスターを用いて、キャピラリー:直径2.1mm、シリンダー径:9.6mm、シリンダー押出速度:10mm/分、巻き取り速度:4.0m/分、温度190℃の条件で測定したときの溶融張力を表す。
本発明の結晶性プロピレン重合体は、JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に基づいて測定されたメルトフローレートが0.2〜0.8g/10分の範囲のものであり、0.3〜0.7g/10分が好ましく、0.3〜0.6g/10分がさらに好ましい。
メルトフローレートが0.2g/10分未満では、流れ性の低下が成形加工性の低下をもたらし、一方、0.8g/10分を超えると、溶融張力の低下が成形加工性の低下をもたらし、不都合である。
また、本発明の結晶性プロピレン重合体は、示差走査熱量計で測定する最高融解ピーク温度(Tm)が155〜162℃の範囲のものであり、157〜161℃が好ましく、160〜161℃がさらに好ましい。
最高融解ピーク温度(Tm)が155℃未満では、特徴である耐熱性が悪化、剛性の低下も伴い不都合である。一方、162℃を超えると、シート予熱時間が長くなり不都合である。
さらに、本発明の結晶性プロピレン重合体は、動的粘弾性測定による貯蔵弾性率の周波数ω依存性曲線G’(ω)と損失弾性率の周波数ω依存性曲線G’’(ω)との交点Gcの貯蔵弾性率の値(単位:Pa)の逆数の10倍をPIとしたとき、PIが4.0以上であり、4.2以上が好ましく、4.4以上がさらに好ましい。PIが4.0未満では、成形加工性の低下をもたらし、不都合である。PIは、好ましくは6.0未満であり、より好ましくは5.0以下である。
本発明において、動的粘弾性測定とは、高分子溶融体の動的粘弾性を測定することをいい、通常の動的粘弾性を測定する装置で測定することができる。動的粘弾性を測定する装置としては、例えば、レオメトリックス社製や岩本製作所製のメカニカルスペクトルメーターと呼ばれるものが挙げられるが、これらのものに限定されない。
動的粘弾性の測定は、溶融状態で行われ、一般にはギャップ負荷法と呼ばれるひずみと応力を測定する。ギャップとしては、円筒型、円錐と円板型、平行円板型などがあり、特に限定されるものではないが、一般的に高分子溶融体は、粘弾性体として取り扱われるので、平行円板で測定ができる。高分子溶融体の粘度が低分子のそれと同じ程度に低いものは、測定試料が流失しないような、円筒型、円錐と円板型などを用いて測定することができる。
一般に、高分子材料を製品に仕上げる工程、すなわち成形加工に関しては、この高分子溶融体の成形加工温度での粘弾性挙動が重要である。例えば、高速で引っ張ると細く長く伸びることや、細管から押し出すとこの液体が流線方向に縮むバラス効果が観察されることがあるが、これは射出成形において、シルバーやフローマーク等の不良として現れる。このような現象は、レオロジー的性質、特に弾性、長い緩和時間、さらに著しい非ニュートン性に由来すると考えられる。
この粘弾性現象論においては、二枚の平行板の間に高粘度の高分子溶融体の液体を詰めてずらす場合(ずりひずみ)を考える。時間:t=0で、一定ひずみ:γ=γを与えたのち、この一定ひずみ量を保つ応力G(t)は、時間とともに指数関数的に減少する。この時間は、この高粘度液体に固有の応力が緩和する速さを示し、緩和時間と呼ばれその物質固有の値を示す。緩和する応力σ(t)のはじめに与えた一定ひずみγに対する比は時間とともに変化する。弾性率G(t)=σ(t)/γは、緩和弾性率と云われる。一定ひずみを角周波数ωで正弦的に振動するひずみにすると、応力と正弦的ひずみの比として定義される弾性率G*(ω)は複素数となり、複素弾性率といわれる。その実数部を動的弾性率もしくは貯蔵弾性率G’、虚数部を損失弾性率G’’といい、これにより高分子溶融体の非ニュートン性を評価することができる。すなわち、粘弾性体に正弦的ひずみを与えると応力は同じ振動数であるが、位相がかわることを意味する。tanδ=G’/G’’=1/ωτで示される、δだけ応力の位相がひずみに対して進んでいる。
あるポリプロピレンの粘弾性を、正弦的ひずみの周波数ωを横軸に取り、測定した貯蔵弾性率及び損失弾性率を縦軸にプロットした周波数依存性曲線G’(ω)と周波数依存性曲線G’’(ω)を図1に示す。
周波数範囲が0.01rad/sec〜150rad/secにおいて測定した動的弾性率の周波数依存性曲線G’(ω)と損失弾性率の周波数依存性曲線G’’(ω)の交点をGcとしたとき、Gcにおける貯蔵弾性率の値(単位:Pa)の逆数を10倍した値を粘弾性に関しての指数PIと定めた(参考文献:エドワード・P・ムーア・Jr.編著、保田ら訳、ポリプロピレンハンドブック、1998年刊、工業調査会)。
なお、本発明において、貯蔵弾性率及び損失弾性率の周波数依存性曲線は、直線を含むものとする。
測定条件によっては、G’(ω)とG’’(ω)の各曲線が交点を持たない場合があるが、測定条件を適当に選択することにより該交点を持つことができる。一般に、測定温度150〜250℃でGcを求めることができる。本発明において、Gcは、230℃で測定することができる。さらに、粘性が低い場合は、円錐型もしくは円筒型を用いて測定することにより、複素弾性率の周波数依存性を求められる。ここで、ニュートン性とは、図1の様なプロットをした場合直線になることを示す(参考文献:日本レオロジー学会編、講座・レオロジー(1992年刊);根本ら、レオロジー学会誌、119巻、181頁(1991年))。
本発明の結晶性プロピレン重合体を規定する指数PIは、より広範囲で複雑な分子量分布の形態を有するポリプロピレンを簡便に表現することができるので、有用な指数である。例えば、結晶性プロピレン重合体が、一般的なゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCともいう。)では測定しにくい分子量5000程度以下の低分子量体や、カラムの排除限界体積からの限界のためGPC測定にはなじまない分子量数百万以上の超高分子量体を、含むような場合、この指数PIを分子量分布の代わりに用いることは有用である。また、例えば、GPC等の分子量分布曲線における「双山になる」、「バイモーダルである」、「ショルダーがある」、「裾を引く」、「キャメル型の分布」等に代表される不明瞭な表現を避けることができるので有用である。
また、本発明の結晶性プロピレン重合体は、エチレン含量が0.1〜1.0wt%のプロピレン・エチレンランダム共重合体であり、エチレン含量は、0.2〜0.8wt%が好ましく、0.3〜0.6wt%がさらに好ましい。エチレン含量が0.1wt%未満では、融点が高く、成形性が悪化し不都合である。一方、エチレン含量が1.0wt%を超えると、耐熱性の悪化、剛性の低下を伴い不都合である。
本発明の結晶性プロピレン重合体は、2種以上の結晶性プロピレン重合体成分から構成される。
また、本発明の結晶性プロピレン重合体は、1番目の反応槽で製造されるポリマーのメルトフローレート(MFR1)と多段重合によって得られる結晶性プロピレン重合体のメルトフローレート(MFR2)とのMFR比が次の式で表されることを特徴とする。
MFR1/MFR2>4.0
本発明におけるMFR1/MFR2は、4.0超であることが好ましく、4.2以上がより好ましく、4.5以上がさらに好ましい。MFR1/MFR2が4.0以下では、成形加工性の低下を招きやすい。
このように、低分子量成分を製造した後、高分子量成分を製造すると、同様に低分子量成分を製造した時点で部分的に触媒が失活し、ある一部分において、高分子量成分が存在せず、低分子量成分だけになることがあるが、この場合は、低分子量成分は、低粘度のため、オフライン混合においても混合状態が良く、フィッシュアイは、発生せず、問題とならない。そこで、低分子量成分を製造した後、高分子量成分を製造する方法が良いと考えられる。
2.結晶性プロピレン重合体の製造方法
本発明の結晶性プロピレン重合体は、2段以上の多段重合により得ることができる。
本発明の結晶性プロピレン重合体を製造するために用いられる触媒としては、(A)マグネシウム、チタン、及びハロゲンを必須成分とする固体触媒成分と、(B)有機アルミニウム化合物とを含むチーグラー・ナッタ触媒が好ましい。
さらに、上記固体触媒成分(A)は、下記の成分(i)、(ii)、(iii)及び(iv)を接触させて得られることを特徴とする。
(i)チタン、マグネシウム及びハロゲンを必須成分として含有する固体成分
(ii)Si−OR結合を2つ以上含有する有機ケイ素化合物(ただし、Rは炭素数1〜8の炭化水素残基である。)
(iii)ビニルシラン化合物
(iv)周期律I〜III族金属の有機金属化合物
<成分(i)>
成分(i)は、チタン、マグネシウム及びハロゲンを含有する原料固体成分である。これらチタン(Ti)−マグネシウム(Mg)−ハロゲンの三元素(三成分)は、いずれも必須成分として含有するものである。ここで、「必須成分として含有する」ということは、挙示の三成分のほかに合目的的な他元素を含んでもよいこと、これらの元素はそれぞれが合目的的な任意の化合物として存在してもよいこと、ならびにこれら元素は相互に結合したものとして存在してもよいこと、を示すものである。
チタン、マグネシウムおよびハロゲンを含む原料固体成分そのものは公知のものである。例えば、特開昭53−45688号、同54−3894号、同54−31092号、同54−39483号、同54−94591号、同54−118484号、同54−131589号、同55−75411号、同55−90510号、同55−90511号、同55−90511号、同55−127405号、同55−147507号、同55−155003号、同56−18609号、同56−70005号、同56−72001号、同56−86905号、同56−90807号、同56−155206号、同57−92007号、同57−121003号、同58−5309号、同58−5310号、同58−5311号、同58−8706号、同58−27732号、同58−32604号、同58−32605号、同58−67703号、同58−117206号、同58−127708号、同58−183708号、同58−183709号、同59−149905号、同59−149906号、同60−130607号、同61−55104号、同61−204204号、同62−508号、同62−15209号、同62−20507号、同62−184005号、同62−236805号、同63−199207号、同63−264607号、同63−264608号、特開平1−79203号、同1−139601号、同1−215806号、同7−258328号、同7−269125号、同11−21309号、の各公報等に記載のものが使用される。
また、これらのものを、タングステンやモリブテン化合物で処理したものなども挙げられる。
本発明において使用されるマグネシウム源となるマグネシウム化合物としては、マグネシウムハライド、ジアルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライド、マグネシウムオキシハライド、ジアルキルマグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムのカルボン酸塩等が挙げられる。これらのうちで好ましいのは、マグネシウムハライド、ジアルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライドである。
また、チタン源となるチタン化合物は、一般式:Ti(OR4−q(ここで、Rは、炭化水素基、好ましくは炭素数1〜10程度のものであり、Xはハロゲンを示し、qは0≦q≦4である。)で表される化合物が挙げられる。
具体例としては、TiCl、TiBr、Ti(OC)Cl、Ti(OCCl、Ti(OCCl、Ti(O−i−C)Cl、Ti(O−n−C)Cl、Ti(O−n−CCl、Ti(OC)Br、Ti(OC)(O−n−CCl、Ti(O−n−CCl、Ti(OC)Cl、Ti(O−i−CCl、Ti(OC11)Cl、Ti(OC13)Cl、Ti(OC、Ti(O−n−C、Ti(O−n−C、Ti(O−i−C、Ti(O−n−C13、Ti(O−n−C17、Ti(OCHCH(C)C等が挙げられる。
また、TiX’(ここで、X’はハロゲンである。)に、後述する電子供与体を反応させた分子化合物をチタン源として用いることもできる。
そのような分子化合物の具体例としては、TiCl・CHCOC、TiCl・CHCO、TiCl・CHCOCl、TiCl・CCOCl、TiCl・CCO、TiCl・ClCOC、TiCl・CO等が挙げられる。
また、TiCl(TiClを水素で還元したもの、アルミニウム金属で還元したもの、あるいは有機金属化合物で還元したもの等を含む)、TiBr、Ti(OC)Cl、TiCl、ジシクロペンタジエニルチタニウムジクロライド、シクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド等のチタン化合物の使用も可能である。これらのチタン化合物の中でも、TiCl、Ti(OC、Ti(OC)Cl等が好ましい。
ハロゲンは、上述のマグネシウム及び(又は)チタンのハロゲン化合物から供給されるのが普通であるが、他のハロゲン源、例えば、AlCl等のアルミニウムのハロゲン化物、BCl等のホウ素のハロゲン化物、SiCl等のケイ素のハロゲン化物、PCl、PCl等のリンのハロゲン化物、WCl等のタングステンのハロゲン化物、MoCl等のモリブデンのハロゲン化物といった公知のハロゲン化剤から供給することもできる。
固体成分(i)中に含まれるハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素又はこれらの混合物であってもよく、特に塩素が好ましい。
固体成分(i)は、電子供与体(内部ドナー)を任意成分として含有する。電子供与体は、上述の通り、TiX’(ここで、X’はハロゲンである。)と反応させた分子化合物として用いることも、反応していない状態の化合物として用いることもできる。
また、原料固体成分(i)の製造に利用できる電子供与体(内部ドナー)としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸類のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類のような含酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアネートのような含窒素電子供与体、スルホン酸エステルのような含硫黄電子供与体などを例示することができる。
より具体的には、
(イ)メタノール、エタノール、プロパノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ドデカノール、オクタデシルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、イソプロピルベンジルアルコールなどの炭素数1〜18のアルコール類、
(ロ)フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、イソプロピルフェノール、ノニルフェノール、ナフトールなどのアルキル基を有してよい炭素数6〜25のフェノール類、
(ハ)アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノンなどの炭素数3〜15のケトン類、
(ニ)アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフトアルデヒドなどの炭素数2〜15のアルデヒド類、
(ホ)ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、酢酸セロソルブ、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エチル、ステアリン酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチル、シクロへキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジル、安息香酸セロソルブ、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、γ−ブチロラクトン、α−バレロラクトン、クマリン、フタリドなどの有機酸モノエステル、または、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、コハク酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、1,2−シクロヘキサンカルボン酸ジエチル、炭酸エチレン、ノルボルナンジエニル−1,2−ジメチルカルボキシラート、シクロプロパン−1,2−ジカルボン酸−n−ヘキシル、1,1−シクロブタンジカルボン酸ジエチルなどの有機酸多価エステルの炭素数2〜20の有機酸エステル類、
(ヘ)ケイ酸エチル、ケイ酸ブチルなどのケイ酸エステルのような無機酸エステル類、
(ト)アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリド、塩化フタロイル、イソ塩化フタロイルなどの炭素数2〜15の酸ハライド類、
(チ)メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテル、フラン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジフェニルエーテル、2,2−ジメチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−s−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−t−ブチル−2−メチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−t−ブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジフェニル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジメチル−1,3−ジエトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジエトキシプロパンなどの炭素数2〜20のエーテル類、
(リ)酢酸アミド、安息香酸アミド、トルイル酸アミドなどの酸アミド類、
(ヌ)メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミン、ピペリジン、トリベンジルアミン、アニリン、ピリジン、ピコリン、テトラメチルエチレンジアミンなどのアミン類、
(ル)アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリルなどのニトリル類、
(ヲ)2−(エトキシメチル)−安息香酸エチル、2−(t−ブトキシメチル)−安息香酸エチル、3−エトキシ−2−フェニルプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシ−2−s−ブチルプロピオン酸エチル、3−エトキシ−2−t−ブチルプロピオン酸エチルなどのアルコキシエステル化合物類、
(ワ)2−ベンゾイル安息香酸エチル、2−(4’−メチルベンゾイル)安息香酸エチル、2−ベンゾイル−4,5−ジメチル安息香酸エチルなどのケトエステル化合物類、
(カ)ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸イソプロピル、p−トルエンスルホン酸−n−ブチル、p−トルエンスルホン酸−s−ブチルなどのスルホン酸エステル類、
等を挙げることができる。
これらの電子供与体は、二種類以上用いることもできる。これらの中で好ましいのは、有機酸エステル化合物、酸ハライド化合物及びエーテル化合物であり、特に好ましいのは、フタル酸ジエステル化合物及びフタル酸ジハライド化合物からなる群から選択されるものである。
固体成分(i)は、必要により他成分を用いて、例えば、以下のような製造方法により製造される。
(イ)ハロゲン化マグネシウムと電子供与体、チタン含有化合物を接触させる方法。
(ロ)アルミナ又はマグネシアをハロゲン化リン化合物で処理し、それにハロゲン化マグネシウム、電子供与体、チタンハロゲン含有化合物を接触させる方法。
(ハ)ハロゲン化マグネシウムとチタンテトラアルコキシド及び特定のポリマーケイ素化合物を接触させて得られる固体成分に、チタンハロゲン化合物及び/又はケイ素のハロゲン化合物、電子供与体を接触させた反応生成物を不活性有機溶媒で洗浄させる方法。
なお、ここで用いられるポリマーケイ素化合物としては、下式で示されるものが適当である。
−[Si(H)(R)−O−]
ここで、Rは、炭素数1〜10程度の炭化水素基であり、xは、このポリマーケイ素化合物の粘度が1〜100センチストークス程度となるような重合度を示す。具体的には、メチルハイドロジェンポリシロキサン、エチルハイドロジェンポリシロキサン、フェニルハイドロジェンポリシロキサン、シクロヘキシルハイドロジェンポリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン等が好ましい。
(ニ)マグネシウム化合物をチタンテトラアルコキシドおよび/または電子供与体で溶解させて、ハロゲン化剤またはチタンハロゲン化合物で析出させた固体成分に、チタン化合物、および電子供与体を接触させるかまたは、各々別に接触させる方法。
(ホ)グリニャール試薬等の有機マグネシウム化合物をハロゲン化剤、還元剤等と作用させた後、これに必要に応じて電子供与体を接触させ、次いでチタン化合物、および電子供与体を接触させるかまたは、各々別に接触させる方法。
(ヘ)アルコキシマグネシウム化合物にハロゲン化剤および/またはチタン化合物を電子供与体の存在下もしくは不存在下に接触させるかまたは、各々別に接触させる方法。
これらの製造方法の中でも、(イ)、(ハ)、(ニ)および(ヘ)が好ましい。
固体成分(i)は、固体触媒成分(A)として用いることができる。また、固体成分(i)と後述の(ii)、(iii)及び(iv)とを接触させたものを、固体触媒成分(A)として用いることもできる。
<成分(ii)>
本発明に係る固体触媒成分(A)を製造するために使用される成分(ii)は、Si−OR結合を2つ以上含有する有機ケイ素化合物(ただし、Rは炭素数1〜8の炭化水素基)である。
本発明では、ケイ素原子に結合している−OR基以外の結合残基として、水素、ハロゲン、炭化水素基(例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基等)およびシロキシ基等から選ばれる結合残基を有するものを使用するが普通である。
本発明において好ましい有機ケイ素化合物は、少なくとも1つの炭化水素基を有するものであり、さらに好ましくは、ケイ素原子に隣接する炭素原子、すなわちα−位炭化水素原子が2級または3級の炭素原子で炭素数3〜20の分岐鎖状炭化水素基を有するものである。
成分(ii)の有機ケイ素化合物の具体例としては、(CHCSi(CH)(OCH、(CHCSi(CH(CH)(OCH、(CHCSi(CH)(OC、(CHCSi(C)(OCH、(CHCSi(n−C)(OCH、(CHCSi(n−C13)(OCH、(CCSi(CH)(OCH、(CH)(C)CHSi(CH)(OCH、((CHCHCHSi(OCH、(C)(CHCSi(CH)(OCH、(C)(CHCSi(CH)(OC、(CHCSi(OCH、(CHCSi(OC、(CH)(C)CHSi(OCH、(CHCH(CHCSi(CH)(OCH、((CHC)Si(OCH、(C)(CHCSi(OCH、(C)(CHCSi(OC、(CHCSi(OC(CH)(OCH、((CHCH)Si(OCH、((CHCH)Si(OC、(CSi(OCH、(CSi(OC、(C)(CH)Si(OCH、(C)((CHCHCH)Si(OCH、(C11)Si(CH)(OCH、(C11Si(OCH、(C11)((CHCHCH)Si(OCH、((CHCHCH)((C)(CH)CH)Si(OCH、((CHCHCH)((CHCH)Si(OC11、HC(CHC(CHSi(CH)(OCH、HC(CHC(CHSi(CH)(OC、HC(CHC(CHSi(OCH、(CHCSi(OCH(CH)(OCH、(CHCSi(OC(CH)(OCH等が挙げられる。
また、これらの中で好ましいものとしては、(CHCSi(CH)(OCH、(CHCSi(CH(CH)(OCH、(CHCSi(CH)(OC、(CHCSi(C)(OCH、(CHCSi(n−C)(OCH、(CHCSi(n−C13)(OCH、(CSi(OCH、(CSi(OC、(C11)Si(CH)(OCH、(C11Si(OCH等が挙げられる。
<成分(iii)>
成分(iii)は、ビニルシラン化合物である。ビニルシラン化合物としては、モノシラン(SiH)中の少なくとも一つの水素原子がビニル基(CH=CH−)に置き換えられた化合物を挙げることができる。そして、残りの水素原子のうちのいくつかが、ハロゲン(好ましくはCl)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜12のアルキル基)、アリール基(好ましくはフェニル基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜12のアルコキシ基)、その他で置き換えられた構造を示すものであってもよい。
より具体的には、CH=CH−SiH、CH=CH−SiH(CH)、CH=CH−SiH(CH、CH=CH−Si(CH、CH=CH−SiCl、CH=CH−SiCl(CH)、CH=CH−SiCl(CH、CH=CH−SiH(Cl)(CH)、CH=CH−Si(C、CH=CH−SiCl(C、CH=CH−SiCl(C)、CH=CH−Si(CH(C)、CH=CH−Si(CH)(C)、(CH=CH)−SiH、(CH=CH)−SiH(CH)、(CH=CH)−SiH(CH)、(CH=CH)−Si(CH、(CH=CH)−SiCl、(CH=CH)−SiCl(CH)、(CH=CH)−SiH(Cl)、(CH=CH)−Si(C、(CH=CH)−SiCl(C)、(CH=CH)−Si(CH)(C)、(CH=CH)−SiH、(CH=CH)−Si(CH)、(CH=CH)−SiCl、(CH=CH)−Si(C)、(CH=CH)−Si等を、例示することができる。
これらのうちでは、CH=CH−Si(CH、(CH=CH)−Si(CHが好ましい。
<成分(iv)>
成分(iv)は、周期表1〜3族の有機金属化合物である。有機金属化合物であることから、この化合物は少なくとも一つの有機基・金属結合を持つ。その場合の有機基としては、炭素数1〜10程度、好ましくは1〜6程度、の炭化水素基が代表的である。
また、この化合物の金属としては、リチウム、マグネシウム、アルミニウムおよび亜鉛が挙げられ、特に、アルミニウムが代表的である。
原子価の少なくとも一つを有機基で充足されている有機金属化合物の金属の残りの原子価(もしそれがあれば)は、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基(炭化水素基は、炭素数1〜10程度、好ましくは1〜6程度)、あるいは炭素原子を介した当該金属(具体的には、メチルアルモキサンの−O−Al(CH)−)、その他で充足される。
このような有機金属化合物の具体例を挙げれば、(イ)メチルリチウム、n−ブチルリチウム、第三ブチルリチウム等の有機リチウム化合物、(ロ)ブチルエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ヘキシルエチルマグネシウム、ブチルマグネシウムクロリド、第三ブチルマグネシウムブロミド等の有機マグネシウム化合物、(ハ)ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛等の有機亜鉛化合物、(ニ)トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリ−n−デシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジイソブチルアルミニウムモノクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド、メチルアルミノキサン等の有機アルミニウム化合物が挙げられる。
これらのうちでは、特に有機アルミニウム化合物が好ましい。
<固体触媒成分(A)の製造>
固体触媒成分(A)は、固体成分(i)を固体触媒成分(A)として用いてもよいが、各成分(i)〜(iv)、および必要により用いられる任意成分を、段階的にあるいは一時的に、相互に接触させて、その中間および/または最後に有機溶媒で洗浄することによって製造することもできる。
具体的には、(イ):成分(i)と成分(iii)とを接触させた後に、成分(ii)及び成分(iv)を接触させ、最後に洗浄する方法、(ロ):成分(i)と成分(ii)を接触させた後に、成分(iii)、成分(iv)を接触させ、洗浄する方法、(ハ):成分(i)、(ii)、(iii)を同時に接触した後に、成分(iv)を接触させ、洗浄する方法などが採用される。
溶剤洗浄に用いる溶剤としては、不活性有機溶媒、例えば、脂肪族または芳香族炭化水素溶媒(例えば、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、シクロヘキサン等)、あるいはハロゲン化炭化水素溶媒(例えば、塩化−n−ブチル、1,2−ジクロロエチレン、四塩化炭素、クロルベンゼン等)を挙げることができる。
固体触媒成分(A)を構成する各成分の接触条件は、酸素の不存在下で実施する必要があるものの、本発明の効果が認められる限り任意のものであり得るが、一般的には、次の条件が好ましい。
接触温度は、−50〜200℃程度、好ましくは0〜100℃である。接触方法としては、回転ボールミル、振動ミル、ジェットミル、媒体撹拌粉砕機などによる機械的な方法、不活性希釈剤の存在下に撹拌により接触させる方法などがある。このとき使用する不活性希釈剤としては、脂肪族または芳香族の炭化水素およびハロゲン化炭化水素、ポリシロキサン等が挙げられる。
固体触媒成分(A)を構成する各成分使用量の量比は、本発明の効果が認められる限り任意のものであり得るが、一般的には、次の範囲内が好ましい。
成分(i)のチタン化合物の使用量は、使用するマグネシウム化合物の使用量に対して、モル比(Ti/Mg)で0.0001〜1000、好ましくは0.01〜10である。ハロゲン源としてそのための化合物を使用する場合は、その使用量は、チタン化合物および(または)マグネシウム化合物がハロゲンを含む、含まないにかかわらず、使用するマグネシウムの使用量に対して、モル比で0.01〜1000がよく、好ましくは0.1〜100である。電子供与体の使用量は、前記のマグネシウム化合物の使用量に対して、モル比(ハロゲン/Mg)で0.001〜10がよく、好ましくは0.01〜5である。
成分(i)と成分(ii)の量比は、成分(i)を構成するチタン成分に対する成分(ii)のケイ素のモル比(ケイ素/チタン)で0.01〜1000、好ましくは0.1〜100である。成分(iii)の成分(i)に対する量比は、成分(iii)中のケイ素原子の、成分(i)中のチタン原子に対するモル比(ケイ素/チタン)で0.01〜1000、好ましくは0.01〜300である。成分(iii)の成分(i)に対する量比は、有機金属化合物の金属のモル比(金属/チタン)で0.01〜1000、好ましくは0.1〜100である。成分(iv)の有機金属化合物の使用量は、成分(i)を構成するチタン成分に対する金属のモル比(金属原子/チタン)で0.1〜100、好ましくは1〜50である。
なお、固体触媒成分(A)の製造の中間および/または最後には、前記溶剤洗浄の他にも、該溶剤洗浄で用いられるのと同様の不活性有機溶媒での洗浄工程を付加することができる。
また、(B)有機アルミニウム化合物は、助触媒として用いられ、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライドなどのアルキルアルミニウムハライド、ジエチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムエトキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド、メチルアルモキサン、テトラブチルアルモキサンなどのアルモキサン、メチルボロン酸ジブチル、リチウムアルミニウムテトラエチルなどの複合有機アルミニウム化合物などが挙げられる。
また、これらを2種類以上混合して使用することも可能である。
また、上述の触媒には、立体規則性改良や粒子性状制御、可溶性成分の制御、分子量分布の制御等を目的とする各種重合添加剤を使用することができる。例えば、ジフェニルジメトキシシラン、tert−ブチルメチルジメトキシシランなどの有機ケイ素化合物、酢酸エチル、安息香酸ブチル、p−トルイル酸メチル、ジブチルフタレートなどのエステル類を挙げることができる。
成分(i)〜成分(iv)を接触して得られる固体触媒成分(A)と有機アルミニウム(B)とを含む触媒は、連鎖移動剤である水素の量で、メルトフローレートが大きく変化する(水素−MFR応答性が高い)ことに特徴がある。
重合形式としては、プロピレン自体を重合溶媒とするバルク重合工程と、原料のプロピレンを気相状態下で重合する気相重合工程とを組み合わせた多段重合により行われる。
バルク重合工程、気相重合工程の各工程は、それぞれ何段でも良い。例えば、バルク重合を2段で行い、続いて気相重合を1段で行う方法や、バルク重合を1段で行い、気相重合を1段で行う方法などが挙げられる。
しかしながら、バルク重合工程、気相重合工程の各工程は、それぞれ2段以上であることが、重合ブレンドで分子量分布を広げ易く、より弾性的性質を付与可能なため、好ましい。
また、多段重合の各段から得られる結晶性プロピレン重合体のメルトフローレートにおいて、後段のメルトフローレートが少なくとも前段のメルトフローレートより低いことが好ましい。メルトフローレートが前段より高くなる場合には、結晶性プロピレン重合体の溶融弾性が不十分であったり、フィッシュアイが多くなったりする恐れがある。
本発明の製造方法では、1番目の反応槽で製造されるポリマーのメルトフローレート(MFR1)と多段重合によって得られる結晶性プロピレン重合体のメルトフローレート(MFR2)とのMFR比が次の式で表されることを特徴とする。
MFR1/MFR2>4.0
前述したように、本発明におけるMFR1/MFR2は、4.0超であり、4.2以上が好ましく、4.5以上がさらに好ましい。MFR1/MFR2が4.0以下では、成形加工性の低下をもたらし不都合である。
このように、低分子量成分を製造した後、高分子量成分を製造すると、同様に低分子量成分を製造した時点で部分的に触媒が失活し、ある一部分において、高分子量成分が存在せず、低分子量成分だけになることがあるが、この場合は、低分子量成分は、低粘度のため、オフライン混合においても混合状態が良く、フィッシュアイは、発生せず、問題とならない。そこで、低分子量成分を製造した後、高分子量成分を製造する方法が良いと考えられる。
本発明の結晶性プロピレン重合体は、プロピレン重合用触媒の存在下、プロピレン自体を重合溶媒とするバルク重合工程と、原料のプロピレンを気相状態下で重合する気相重合工程とを組み合わせた多段重合により、プロピレンまたはプロピレンとエチレン等のα−オレフィンから選ばれるコモノマーとを重合または共重合することにより、製造することができる。その際、連鎖移動剤である水素は、主に前段のバルク重合に装入して高いメルトフローレートを製造し、後段の気相重合では、前段から持ち込んだ水素に、状況見合いで更に水素を添加することで、低いメルトフローレートを製造することが好ましい。ここで、プロピレン重合用触媒として上記触媒を用いることにより、容易にメルトフローレート格差をつけることが可能になり、溶融弾性の高い結晶性プロピレン重合体が得られる。
重合用の反応器としては、特に形状、構造を問わないが、バルク重合では、一般に用いられる攪拌機付き槽や、チューブ型反応器、気相重合では、流動床反応器、攪拌羽根を有する横型反応器などが挙げられる。
重合槽は、2槽以上の直列に連結したものが用いられる。固体触媒成分(A)は、1番目の重合槽にのみに供給され、有機アルミニウム(B)については、1番目の重合槽にそのほとんどが供給されるが、2番目以降にも追加、供給されても構わない。
1番目の重合槽では、一定の重合圧力、温度のもと、所定量のプロピレンを連続的に供給し、当該プロピレンと水素の比が一定になるように、触媒及び水素を制御される。生成したポリマーは、未反応原料と一緒に、順次、次段の重合槽に移送される。2番目の以降の重合槽には、触媒は供給せず、前段の重合槽から移送されるポリマー中に含まれている触媒で重合する。
また、2番目以降の重合槽においても、プロピレンについては、重合圧力が所定値に維持されるように供給を続ける。水素については、2番目の重合槽以降では供給しても、しなくても良い。供給しない場合は、前段の重合槽で未反応として残存した水素が、次段の反応器に移送され用いられる。より分子量分布を広く、弾性的性質を付与するためには、2番目の重合槽以降には、供給しない方が良い。
本発明の重合方法において、重合圧力に関しては特に限定されないが、通常0.2〜5MPa、好ましくは0.3〜2MPa程度で実施される。各段の重合圧力は、同一でも異なっていても良い。
また、本発明の重合方法において、重合温度に関しては特に限定されないが、通常20〜100℃、好ましくは40〜80℃の範囲から選択される。各段の重合温度は、同一でも異なっていても良い。
さらに、本発明の重合方法において、重合時間も特に限定されないが、通常10分〜10時間で実施される。一般に、バルク重合、気相重合工程、各工程、バルク重合で30分〜2時間を、気相重合で2〜5時間を標準とする。また、多段の、各段のそれぞれの重合時間も特に限定されないが、例えば、1段目30分、2段目30分、3段目1時間のように設定される。
本発明の結晶性プロピレン重合体、及び結晶性プロピレン重合体を含むポリプロピレン樹脂組成物には、必要に応じて、従来のポリオレフィンに用いられている公知の造核剤、酸化防止剤や中和剤、帯電防止剤および耐候剤等の添加剤を添加してもよい。
また、造核剤の具体例としては、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス−(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−ブチリデン−ビス−(4,6−ジメチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−ブチリデン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−t−オクチルメチレン−ビス−(4,6−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−t−オクチルメチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム(4,4’−ジメチル−6,6’−ジ−t−ブチル−2,2’−ビフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス−(4−s−ブチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−エチルフェニル)フォスフェート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、酸化防止剤の具体例としては、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、ジ−ステアリル−ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−フォスフォナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−フォスフォナイト等のリン系酸化防止剤、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシルフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロキシベンジル)イソシアヌレート等のフェノール系酸化防止剤、ジ−ステアリル−ββ’−チオ−ジ−プロピオネート、ジ−ミリスチル−ββ’−チオ−ジ−プロピオネート、ジ−ラウリル−ββ’−チオ−ジ−プロピオネート等のチオ系酸化防止剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
中和剤の具体例としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの金属脂肪酸塩、ハイドロタルサイト(商品名:協和化学工業(株)の下記一般式(1)で表されるマグネシウムアルミニウム複合水酸化物塩)、ミズカラック(下記一般式(2)で表されるリチウムアルミニウム複合水酸化物塩)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Mg1−xAl(OH)(COx/2・mHO …(1)
[式(1)中、xは0<x≦0.5であり、mは3以下の数である。]
[AlLi(OH)X・mHO …(2)
[式(2)中、Xは無機または有機のアニオンであり、nはアニオン(X)の価数であり、mは3以下である。]
本発明の結晶性プロピレン重合体は、そのまま単独で使用することも、別のポリプロピレンや、エチレンゴムのような別のポリマーを添加して、使用することもできる。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例において行った分析、評価方法および使用添加剤は、以下の通りである。
I.分析および評価方法
1.メルトフローレート(MFR)
MFRは、JIS K6758(条件230℃、荷重2.16kgf)に準拠して測定した(単位:g/10分)。
2.曲げ弾性率
射出成形にて、試験片をJIS K6758に記載の方法に従って調製し、JIS K7203に準拠し、23℃において曲げ速度2mm/minで測定した。
3.融点(Tm)
融点(Tm)は、セイコー社製DSCを用いて測定した。サンプル5.0mgを採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/minの降温速度で結晶化させてその熱履歴を消去し、更に10℃/minの昇温速度で融解させた時の融解曲線のピーク温度を融点(Tm)とした。
4.エチレン含量
赤外分光器(日本分光製IR700)により、測定した。
5.動的粘弾性の測定
プロピレン系樹脂を気泡が入らないように230℃、5分間プレスで圧縮成形し、厚さ1.5mm、直径25mmの円盤状の測定用サンプルとした。
測定は、レオメトリックス(Rheometrics)社製のレオメーター(Rheometer)(RMS800)を使用して行なった。1.4mmの間隙をおいて配置された直径25mmの平行円板を使用して、MFRが2g/10分以下のサンプルは230℃で、MFRが2g/10分を超えるサンプルは210℃で、かつ、周波数範囲が0.01rad/sec〜150rad/secにて、貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G’’)を測定した。曲線G’(ω)とG’’(ω)とが交わる点Gcにおける貯蔵弾性率(単位:Pa)の逆数の10倍をPIとした。
6.熱成形性試験(耐ドローダウン性評価)
実施各例及び比較各例において得たポリプロピレンを熱成形用シートに成形したものの耐ドローダウン性評価を行った。
シートは300mm角の大きさに切り取り、開口部が250mm×250mmの大きさの枠に水平に固定し、これを上下から400℃のヒーターで加熱する。この状態において、シートは垂れ量(垂れ長さ)と加熱時間との間に、図2のような現象が起きる。
まず、加熱によってシートの中央部が垂れ下がる。次いで、垂れ下がったシートが持ち上がり、その後、再度垂れ下がりが起こる。今度は戻り現象は起こらない。
上述の最初の垂れ下がりが戻った時点から垂れ量が10mmと20mmに到達するときの時間を「保持時間」とした。「保持時間」は、長いほど真空成形や圧空成形性に優れたシートと言える。
II.使用添加剤
1.酸化防止剤
(i)ヒンダードフェノール系酸化防止剤;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガノックス1010」・・・テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシルフェニル)プロピオネート]メタン
(ii)リン系酸化防止剤;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製商品名「イルガホス168」・・・トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト
2.中和剤
ステアリン酸カルシウム;日東化成工業社製商品名「Ca−St」
3.造核剤
ADEKA社製商品名「アデカスタブNA−11SF」・・・リン酸−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウム塩系造核剤
[実施例1]
(i)固体触媒成分(a)の製造
窒素置換した内容積50リットルの撹拌機付槽に脱水及び脱酸素したn−ヘプタン20リットルを導入し、次いで、塩化マグネシウム10モルとテトラブトキシチタン20モルとを導入して95℃で2時間反応させた後、温度を40℃に下げ、メチルヒドロポリシロキサン(粘度20センチストークス)12リットルを導入して、更に3時間反応させた後、反応液を取り出し、生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
引き続いて、前記撹拌機付槽を用いて該槽に脱水及び脱酸素したn−ヘプタン5リットルを導入し、次いで、上記で合成した固体成分をマグネシウム原子換算で3モル導入した。次いで、n−ヘプタン2.5リットルに、四塩化珪素5モルを混合して30℃、30分間かけて導入して、温度を70℃に上げ、3時間反応させた後、反応液を取り出し、生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
さらに、引き続いて、前記撹拌機付槽を用いて該槽に脱水及び脱酸素したn−ヘプタン2.5リットルを導入し、フタル酸クロライド0.3モルを混合して90℃、30分間で導入し、95℃で1時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いで、室温下四塩化チタン2リットルを追加し、100℃に昇温した後2時間反応した。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。さらに、四塩化珪素0.6リットル、n−ヘプタン8リットルを導入し90℃で1時間反応し、n−ヘプタンで十分洗浄し、固体成分を得た。この固体成分中にはチタンが1.30重量%含まれていた。
次に、窒素置換した前記撹拌機付槽にn−ヘプタン8リットル、上記で得た固体成分を400gと、t−ブチルメチルジメトキシシラン0.27モル、ビニルトリメチルシラン0.27モルを導入し、30℃で1時間接触させた。次いで15℃に冷却し、n−ヘプタンに希釈したトリエチルアルミニウム1.5モルを15℃条件下30分かけて導入、導入後30℃に昇温し2時間反応させ、反応液を取り出し、n−ヘプタンで洗浄して固体触媒成分(a)390gを得た。
得られた固体触媒成分(a)中には、チタンが1.22重量%含まれていた。
更に、n−ヘプタンを6リットル、n−ヘプタンに希釈したトリイソブチルアルミニウム1モルを15℃条件下30分かけて導入し、次いで、プロピレンを、20℃を超えないように制御しつつ約0.4kg/時間で1時間導入して予備重合した。
その結果、固体1g当たり0.9gのプロピレンが重合したポリプロピレン含有の固体触媒成分(a)が得られた。
(ii)結晶性プロピレン重合体1の製造
2つの攪拌式バルク重合槽と更に2つの気相流動床、合計4つを連結した重合槽を用い、結晶性プロピレン重合体1を得た。
触媒として、予備重合後の固体触媒成分(a)を第1反応器に目標の生産量になるように連続的に供給、また助触媒としてトリエチルアルミニウムを、これも第1反応器にのみ触媒中のマグネシウムに対し、5モル比になるように連続的に供給した。
また、各重合槽の運転条件を、第1反応器は、温度70℃、圧力2.9MPaG、水素濃度2.4モル%、エチレン濃度0.3モル%、平均滞留時間0.5時間のバルク重合、第2反応器は、67℃、圧力2.6MPaG、水素濃度1.5モル%、エチレン濃度0.2モル%、平均滞留時間0.4時間のバルク重合、第3反応器は、80℃、圧力1.7MPaG、平均滞留時間0.7時間、水素濃度2.3×10−2モル%、エチレン濃度0.1モル%の気相重合、第4反応器は、80℃、圧力1.1MPaG、水素濃度2.8×10−3モル%、エチレン濃度4.9×10−3モル%、平均滞留時間1.4時間の気相重合で行った。
この重合の結果、触媒活性が36,000gPP/gcatで、MFRが0.63g/10分、C含量が0.38wt%の結晶性プロピレン重合体1が得られた。
また、各段で得られたMFRは、第1反応器出3.80g/10分、第2反応器出3.10g/10分、第3反応器出1.40g/10分、第4反応器出0.63g/10分であった[MFR比(MFR1/MFR2)=6.0]。
得られた結晶性プロピレン重合体1について、測定した物性を表1に示す。
(iii)ポリプロピレン樹脂組成物1の製造
上記結晶性プロピレン重合体1を100重量部に対して、IRGANOX1010を0.05重量部、IRGAFOS168を0.05重量部およびステアリン酸カルシウムを0.05重量部配合し、押出機を用いて溶融混練しペレット化することで、ポリプロピレン樹脂組成物1を得た。
上記で得られたペレットを口径40mmΦの押出機から、樹脂温度240℃、幅400mmのシート状に溶融押出した。次いで、前記溶融シートをポリシング法の冷却ロール(ロール温度:上50℃、中80℃、下50℃)に導いて冷却固化し、厚みが0.5mm、幅350mmのポリプロピレンシートを作製した。
このようにして得られたシートの機械物性および熱成形性の評価について、結果を表1に示す。
[実施例2]
(i)結晶性プロピレン重合体2の製造
第1、第2、第3、第4反応器の水素濃度を、それぞれ2.2モル%、1.3モル%、2.0×10−2モル%、2.4×10−3モル%、エチレン濃度をそれぞれ0.3モル%、0.2モル%、0.1モル%、5.0×10−3モル%にした以外は、実施例1と同じ条件で行った。
この重合の結果、触媒活性が36,000gPP/gcatで、MFRが0.50g/10分、C含量が0.41wt%の結晶性プロピレン重合体2が得られた。
また、各段で得られたMFRは、第1反応器出2.80g/10分、第2反応器出2.45g/10分、第3反応器出1.15g/10分、第4反応器出0.50g/10分であった[MFR比(MFR1/MFR2)=5.6]。
得られた結晶性プロピレン重合体2について、測定した物性を表1に示す。
(ii)ポリプロピレン樹脂組成物2の製造
結晶性プロピレン重合体2を100重量部に対して、IRGANOX1010を0.05重量部、IRGAFOS168を0.05重量部およびステアリン酸カルシウムを0.05重量部配合し、押出機を用いて溶融混練しペレット化することで、ポリプロピレン樹脂組成物2を得た。
以下、実施例1と同様に、シート成形および評価を実施した。その結果を表1に示す。
[比較例1]
(i)固体触媒成分(b)の製造
n−ヘキサン6リットル、ジエチルアルミニウムモノクロリド(DEAC)5.0モル、ジイソアミルエーテル12.0モルを25℃で5分間で混合し、5分間同温度で反応させて反応液(I)(ジイソアミルエーテル/DEACのモル比2.4)を得た。
窒素置換された反応器に4塩化チタン40モルを入れ35℃に加熱し、これに上記反応液(I)の全量を180分間で滴下した後、同温度に30分間保ち、75℃に昇温して更に1時間反応させ、室温まで冷却し上澄液を除き、n−ヘキサン30リットルを加えてデカンテーションで除く操作を4回繰り返して、固体生成物(II)1.9kgを得た。
この(II)の全量をn−ヘキサン30リットル中に懸濁させた状態で20℃で、ジイソアミルエーテル1.6kgと4塩化チタン3.5kgを室温にて約5分間で加え、60℃で1時間反応させた。
反応終了後、室温(20℃)まで冷却し、上澄液をデカンテーションによって除いた後、30リットルのn−ヘキサンを加え15分間撹拌し、静置して上澄液を除く操作を5回繰り返した後、減圧下で乾燥させ、固体触媒成分(b)を得た。
(ii)予備活性化触媒(b’)の製造
内容積200リットルの傾斜羽根付きステンレス製反応器を窒素ガスで置換した後、n−ヘキサン20リットル、ジエチルアルミニウムモノクロリド420g、固体触媒成分(b)30gを室温で加えた後、プロピレン分圧5kg/cmGで5分間反応させ、未反応プロピレン、及びn−ヘキサンを減圧で除去し、予備活性化触媒(b’)の粉粒体を得た(固体生成物(b)1g当たりプロピレン30.0g反応)。
(iii)結晶性プロピレン重合体3の製造
1つの撹拌式バルク重合槽を用い、結晶性プロピレン重合体3を得た。
触媒として、予備活性化触媒(b’)を目標の生産量となるように連続的に供給、また、助触媒として、ジエチルアルミニウムモノクロリドを450wtppm、更に電子供与性化合物として、メチルメタクリレートを7.0wtppm連続的に供給した。
また、重合槽の運転条件を、温度70℃、圧力3.0MPaG、水素濃度0.6モル%、平均滞留時間2.8時間のバルク重合を行った。
この重合の結果、触媒活性が4,500gPP/gcatで、MFRが0.50g/10分の結晶性プロピレン重合体3が得られた。
得られた結晶性プロピレン重合体3について、測定した物性を表1に示す。
(iv)ポリプロピレン樹脂組成物3の製造
結晶性プロピレン重合体4を100重量部に対して、IRGANOX1010を0.1重量部、IRGAFOS168を0.1重量部およびステアリン酸カルシウムを0.1重量部配合し、押出機を用いて溶融混練しペレット化することで、ポリプロピレン樹脂組成物3を得た。
以下、実施例1と同様に、シート成形および評価を実施した。その結果を表1に示す。
[比較例2]
(i)結晶性プロピレン重合体4の製造
第1、第2、第3、第4反応器の水素濃度を、それぞれ1.1モル%、0.6モル%、8.0×10−2モル%、0.1モル%、エチレン濃度を、それぞれ0.3モル%、0.2モル%、0.1モル%、4.5×10−3モル%にした以外は、実施例1と同じ条件で行った。
この重合の結果、触媒活性が37,000gPP/gcatで、MFRが0.45g/10分、C含量が0.40wt%の結晶性プロピレン重合体4が得られた。
各段で得られたMFRは、第1反応器出0.49g/10分、第2反応器出0.53g/10分、第3反応器出0.53g/10分、第4反応器出0.45g/10分であった[MFR比(MFR1/MFR2)=1.1]。
(ii)ポリプロピレン樹脂組成物4の製造
結晶性プロピレン重合体4を100重量部に対して、IRGANOX1010を0.1重量部、IRGAFOS168を0.2重量部およびステアリン酸カルシウムを0.1重量部配合し、押出機を用いて溶融混練しペレット化することで、ポリプロピレン樹脂組成物4を得た。
[比較例3]
(i)固体触媒成分(c)の製造
無水塩化マグネシウム700gに、デカン3.7および2−エチルヘキシルアルコール3.5Lを130℃で2時間加熱反応を行い均一溶液とした後、この溶液中に無水フタル酸165gを添加し、130℃にて更に1時間攪拌混合を行い、無水フタル酸を該均一溶液に溶解させる。このようにして得られた均一溶液を室温まで冷却した後、−20℃に保たれた四塩化チタン中に1時間に亘って全量滴下装入する。装入終了後、この混合液の温度を4時間かけて110℃に昇温し、110℃に達したところでジイソブチルフタレート0.4Lを添加し、これより2時間同温度にて攪拌下保持する。2時間の反応終了後熱濾過にて固体部を採取し、110℃デカン及びヘキサンにて、洗液中に遊離チタン化合物が検出されなくなるまで十分に洗浄をする。
以上の製造方法にて、合成されたチタン触媒成分をドライヤーにて乾燥した。このようにして得られたチタン触媒成分の組成は、チタン2.3重量%、塩素58.0重量%、マグネシウム18.0重量%およびジイソブチルフタレート14.0重量%であった。
(ii)予備活性化触媒(c’)の製造
窒素置換された400mlのガラス製反応器に精製ヘキサン200mlを入れ、トリエチルアルミニウム20ミリモル、ジシクロペンチルジメトキシシラン4ミリモル及び前記チタン触媒成分をチタン原子換算で2ミリモル投入した後、5.9Nl/時間の速度でプロピレンを1時間供給し、Ti触媒成分1g当たり、2.8gのプロピレンを重合させた。
この予備重合終了後、濾過にて液相部を除去し、分離した固体部をデカンに再び分散させ、予備活性化触媒(c’)を得た。
(iii)結晶性プロピレン重合体5の製造
2つの攪拌式バルク重合槽と更に2つの気相流動床、合計4つを連結した重合槽を用い、結晶性プロピレン重合体5を得た。
触媒として、予備活性化触媒(c’)を、第1反応器に目標の生産量になるように連続的に供給、また、助触媒としてトリエチルアルミニウムを、これも第1反応器にのみ触媒中のマグネシウムに対し5モル比になるように連続的に供給した。更にシクロヘキシルメチルジメトキシシランを0.48kg/Hr連続的に供給した。
また、各重合槽の運転条件を、第1反応器は、温度70℃、圧力2.9MPaG、水素濃度0.5モル%、平均滞留時間0.5時間のバルク重合、第2反応器は、67℃、圧力2.6MPaG、水素濃度0.3モル%、平均滞留時間0.4時間のバルク重合、第3反応器は、80℃、圧力1.7MPaG、平均滞留時間0.7時間、水素濃度0.005モル%、の気相重合、第4反応器は、80℃、圧力1.4MPaG、水素濃度0.15モル%、エチレン濃度18.8モル%、平均滞留時間1.4時間の気相重合で行った。
この重合の結果、触媒活性が8,000gPP/gcatで、MFRが0.46g/10分、C含量が5.90wt%の結晶性プロピレン重合体5が得られた。また、各段で得られたMFRは、第1反応器出1.70g/10分、第2反応器出1.55g/10分、第3反応器出0.75g/10分、第4反応器出0.46g/10分であった[MFR比(MFR1/MFR2)=3.7]。
(iv)ポリプロピレン樹脂組成物5の製造
結晶性プロピレン重合体5を100重量部に対して、IRGANOX1010を0.1重量部、IRGAFOS168を0.1重量部およびステアリン酸カルシウムを0.1重量部配合し、押出機を用いて溶融混練しペレット化することで、ポリプロピレン樹脂組成物5を得た。
以下、実施例1と同様に、シート成形および評価を実施した。その結果を表1に示す。
[比較例4]
(i)結晶性プロピレン重合体6の製造
内容積230リットルの流動床式反応器を2個連結してなる連続反応装置を用いて、重合を行った。
先ず、第1反応器で、重合温度75℃、プロピレン分圧1.8MPa、分子量制御剤としての水素を、水素/プロピレンのモル比で1.1×10−3となるように連続的に供給するとともに、トリエチルアルミニウムを5.25g/hrで、予備重合後の固体触媒成分(a)をポリマー重合速度が20kg/hrになるように供給した。第1反応器で重合したパウダー(結晶性プロピレン重合体)は、反応器内のパウダー保有量を60kgとなるように連続的に抜き出し、第2反応器に連続的に移送した(前段重合工程)。
重合温度80℃で、圧力2.0MPaになるように、プロピレンを連続的に供給し、更に、分子量制御剤としての水素を、水素/プロピレンのモル比で1.0×10−2となるように連続的に供給すると共に、活性水素化合物としてエチルアルコールを、トリエチルアルミニウムに対して1.0倍モルになるように供給した。第2反応器で重合したパウダーは、反応器内のパウダー保有量を40kgとなるように連続的にベッセルに抜き出し、水分を含んだ窒素ガスを供給して反応を停止させ、ポリプロピレン系樹脂を得た(後段重合工程)。
この重合の結果、触媒活性が13,000gPP/gcatで、MFRが0.50g/10分の結晶性プロピレン重合体6が得られた。また、各段で得られたMFRは、第1反応器出0.10g/10分、第2反応器出0.50g/10分であった[MFR比(MFR1/MFR2)=0.2]。
(ii)ポリプロピレン樹脂組成物6の製造
結晶性プロピレン重合体6を100重量部に対して、IRGANOX1010を0.05重量部、IRGAFOS168を0.1重量部、ステアリン酸カルシウムを0.1重量部、NA11を0.2重量部配合し、押出機を用いて溶融混練しペレット化することで、ポリプロピレン樹脂組成物6を得た。
以下、実施例1と同様に、シート成形および評価を実施した。その結果を表1に示す。
Figure 2012017354
以上の各実施例及び比較例から、次の事項が判明した。
(1)実施例1、2は、耐ドローダウン性に優れ、更に耐熱性・成形性のバランスに優れた結晶性プロピレン重合体の例である。生産効率に優れ、フィッシュアイ(FE)を発生することなく製造が可能である。
(2)比較例1は、TiCl系触媒を用い単槽ホモ重合で製造した結果、溶融粘弾性が低く、耐ドローダウン性に乏しい結晶性プロピレン重合体ができた。実施例1、2との比較から、耐ドローダウン性が乏しく、例えば、シート用途などへの適用に劣る。
(3)比較例2は、各段のMFRを揃えて製造した結果、溶融粘弾性が低く、耐ドローダウン性に乏しい結晶性プロピレン重合体ができた。実施例1、2との比較から、溶融粘弾性が低く、耐ドローダウン性に乏しい。
(4)比較例3は、溶融粘弾性が低く、耐ドローダウン性に乏しい結晶性プロピレン重合体の例である。実施例1、2との比較から、溶融粘弾性が低く、耐ドローダウン性に乏しい。一方、エチレン含量が高いため、衝撃強度を要求する分野への適用に適する。
(5)比較例4は、溶融粘弾性、剛性がやや低い結晶性プロピレン重合体の例である。核剤の使用量が多いにもかかわらず、実施例1、2との比較から、曲げ弾性率が低い。また、前段で高分子量ポリプロピレン、後段で低分子量ポリプロピレンを製造する方法のため、生産効率が悪く、更にフィッシュアイ(FE)が発生し易い。
本発明の結晶性プロピレン重合体は、フィッシュアイがなく、剛性が高く、更に耐熱性、耐ドローダウン性に優れているため、真空成形法または圧空成形法等の熱成形法による成形品の製造に好適に、用いることができ、産業上、利用可能性が高いものである。

Claims (6)

  1. 下記の特性(a)〜(d)を満足することを特徴とする結晶性プロピレン重合体。
    (a)190℃における溶融張力(MT)が11〜15gである(MTは、メルトテンションテスターを用いて、キャピラリー:直径2.1mm、シリンダー径:9.6mm、シリンダー押出速度:10mm/分、巻き取り速度:4.0m/分、温度190℃の条件で測定したときの溶融張力を表す。)。
    (b)動的粘弾性測定による貯蔵弾性率の周波数ω依存性曲線G’(ω)と損失弾性率の周波数ω依存性曲線G’’(ω)との交点Gcの貯蔵弾性率の値(単位:Pa)の逆数の10倍をPIとしたとき、PIが4.0以上である。
    (c)JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定されたメルトフローレート(MFR2)が0.2〜0.8g/10分である。
    (d)示差走査熱量計で測定する最高融解ピーク温度(Tm)が155〜162℃である。
  2. エチレン含量が0.1〜1.0wt%のプロピレン・エチレンランダム共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の結晶性プロピレン重合体。
  3. 1段以上のバルク重合工程と1段以上の気相重合工程からなる、2段以上の多段重合により製造し、後段のメルトフローレートが少なくとも前段のメルトフローレートより低いことを特徴とする請求項1又は2に記載の結晶性プロピレン重合体の製造方法。
  4. 1段目の反応槽で製造されるポリマーのメルトフローレート(MFR1)と結晶性プロピレン重合体のメルトフローレート(MFR2)とのMFR比が次の式で表されることを特徴とする請求項3に記載の結晶性プロピレン重合体の製造方法。
    MFR1/MFR2>4.0
  5. チタン、マグネシウム及びハロゲンを必須成分として含有する固体触媒成分(A)と、有機アルミニウム成分(B)とを含むプロピレン重合用触媒を用いることを特徴とする請求項3又は4に記載の結晶性プロピレン重合体の製造方法。
  6. 前記固体触媒成分(A)は、下記成分(i)、(ii)、(iii)及び(iv)を接触させて得られることを特徴とする請求項5に記載の結晶性プロピレン重合体の製造方法。
    (i)チタン、マグネシウム及びハロゲンを必須成分として含有する固体成分
    (ii)Si−OR結合を2つ以上含有する有機ケイ素化合物(但し、Rは炭素数1〜8の炭化水素残基である。)
    (iii)ビニルシラン化合物
    (iv)周期律I〜III族金属の有機金属化合物
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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