JP2012017663A - ガスエンジンの始動制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】組成変動の大きい燃料ガスを使用しても安定したエンジンの起動を確保する。
【解決手段】セルモータと、燃焼用空気中に燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置と、エンジン回転数を検出する回転数センサーと、前記燃料ガス供給装置による燃料ガス供給量を制御する制御手段を有するガスエンジンの始動制御方法である。セルモータによる初期クランキング期間(T1)中、前記燃料ガス供給装置による燃料ガス供給量を所定の変更範囲(W1)内で順次増加させ、あるいは順次減少させ、初爆が生じた時の初爆回転数値(Ns)を前記回転数センサーにより検知し、制御手段に入力する動作を実行する。初期クランキング期間(T1)でエンジンが起動しなかった場合に、前記初爆回転数値(Ns)に対応する燃料供給量、たとえば燃料制御弁開度(Qs1)により、再度クランキングを実行する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ガスエンジンの始動制御方法に関し、特に、バイオマスガス化燃料を使用するエンジンに適した始動制御方法に関する。
ガスエンジンにおける燃料ガス供給方式は、ミキサー方式(特許文献1)とインジェクター方式(特許文献2)とが有る。
ミキサー方式は、例えばベンチュリー式のミキサーと、該ミキサーへの燃料ガス供給量を制御する燃料制御弁とを備えており、エンジン始動時、前記燃料制御弁の開度及びスロットル弁の開度を一定に保ち、セルモータ等によりクランキングを実行している。
インジェクター方式は、吸気通路に燃料ガスを噴射するインジェクターを備えており、エンジン始動時、前記インジェクターの噴射期間及びスロットル弁の開度を一定に保ち、セルモータ等によりクランキングを実行している。
特開2009-264176号公報 特開2006-105065号公報
近年、おが屑などをガス化炉により熱分解して得られるガス燃料、ごみ処理施設から排出されるガス燃料、生物の排泄物等から得られるバイオマスガス燃料、あるいは埋立地等からの自噴ガス燃料を利用して、ガスエンジンを駆動し、このガスエンジンにより発電機を駆動する発電システムが開発されている。
このような発電システムに備えられる前記ガスエンジンでは、ガス化炉等の運転状態や、おが屑等の原材料の種類により、燃料ガスの組成が時々刻々と変化するため、始動時における起動可能な燃料ガス供給量が大きく変動する。したがって、従来方法のように、常に、一定の燃料制御弁開度や燃料噴射期間で始動する方法では、始動できない場合がある。図3は、理論空燃比(理論空気量)と、始動時における起動可能な燃料ガス供給量、具体的には燃料制御弁開度又は燃料噴射期間との関係を示しており、燃料ガスの組成が変化すると、理論空燃比が変化し、理論空燃比が小さくなるに従い燃料制御弁開度又は燃料噴射期間が増大するという相関関係がある。図3における幅Dは、起動可能範囲の燃料制御弁開度の幅あるいは燃料噴射期間の幅を示している。
図9は、ガスエンジンにおける従来始動方法のタイムフローであり、縦軸の上段はクランキング時のエンジン回転数の変化を示し、下段は燃料制御弁開度又は燃料噴射期間の変化を示している。上段において、セルモータによるクランキング時の回転数N1(たとえば400乃至450min−1)は一定に設定されており、下段において、燃料制御弁開度(又は燃料噴射期間)Q0も一定に設定されており、クランキング期間T0も一定(数秒〜10秒程度)に設定されている。前述のように、燃料ガスの組成変化により、始動時の起動可能範囲Dが高くなっている場合、従来のように燃料制御弁開度又は燃料噴射期間が一定Q0に設定されていると、燃料ガス供給量が起動可能範囲D内に達しないことがあり、このような状態では、クランキングを繰り返してもエンジンは起動しない。
上記課題を解決するため、本発明は、セルモータと、燃焼用空気中に燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置と、エンジン回転数を検出する回転数センサーと、前記燃料ガス供給装置による燃料ガス供給量を制御する制御手段を有するガスエンジンの始動制御方法において、前記セルモータによる初期クランキング期間中、前記燃料ガス供給量を所定の変更範囲内で次第に増加させ、あるいは次第に減少させ、初爆が生じた時の初爆回転数値を前記回転数センサーにより検知し、前記制御手段に入力し、前記初期クランキング期間にエンジンが起動しなかった場合に、前記初爆回転数値に対応する燃料ガス供給量により、再度クランキングを実行する。
上記始動制御方法において、好ましくは次の構成を採用することができる。
(a)前記初期クランキング期間中、初爆が生じなかった場合に、前記燃料ガス供給量の所定の前記変更範囲から、燃料増側あるいは燃料減側に移した新しい変更範囲で、再度クランキングを実行する。
(b)前記燃料ガス供給装置は、吸気通路内に配置されて空気と燃料ガスとを混合するミキサーと、該ミキサーへの燃料ガス供給量を調整する燃料制御弁とを有しており、前記初期クランキング期間中、前記燃料制御弁の開度を変更することにより、前記所定の変更範囲内での燃料増加又は燃料減少を実行する。
(c)前記燃料ガス供給装置は、前記ミキサー及び燃料制御弁の代わりに、吸気通路内に燃料を噴射するインジェクターを有しており、前記初期クランキング期間中、前記インジェクターによる燃料噴射期間を変更することにより、前記所定の変更範囲内で燃料増加又は燃料減少する。
(1)組成が時々刻々と変化する組成変動の大きい燃料ガスを使用する場合でも、常に安定したエンジンの起動を確保することができる。
(2)構成(a)のように、初期クランキング期間中、初爆しなかった場合に、前記燃料ガス供給量の所定の変更範囲を、燃料増側あるいは燃料減側に移した状態で、再度クランキングを実行すると、組成変動の範囲がさらに大きい燃料ガスを使用する場合でも、安定したエンジンの起動を確保することができる。
(3)構成(b)又は構成(c)のように、燃料制御弁開度又は燃料噴射期間を変更することにより、燃料ガス供給量を変更するようにしていると、クランキング期間中、簡単に燃料供給量の増加あるいは減少を実行することができる。
本発明を実施するガスエンジンを備えたガス化発電システムの概略を示すブロック図である。 図1のガスエンジンであって、燃料ガス供給装置としてミキサー及び燃料制御弁を有するガスエンジンを示す構成図である。 図2のガスエンジンにおける理論空燃比と起動可能な燃料ガス供給量(燃料制御弁開度等)との関係を示すグラフである。 本発明の第1の制御方法による始動時のエンジン回転数及び燃料制御弁開度等のタイムチャートである。 本発明の第1の制御方法による制御の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2の制御方法による始動時のエンジン回転数及び燃料制御弁開度のタイムチャートである。 本発明の第2の制御方法による制御の流れを示すフローチャートである。 燃料ガス供給装置として、インジェクターを有するガスエンジンを示す構成図である。 従来例による始動時のエンジン回転数及び燃料制御弁開度のタイムチャートである。
[バイオマスガス化発電システムの構成]
図1は、本発明の始動制御方法を実施するガスエンジンを備えたバイオマスガス化発電システム1を示しており、このバイオマスガス化発電システム1は、おが屑等の木質のバイオマス原料を投入するための投入ホッパ2と、投入されたバイオマス原料を加熱して熱分解ガスを発生させるガス化炉3と、発生した熱分解ガスを一時滞留させてタール等を分解除去する滞留槽4と、タール等除去後の熱分解ガスの冷却を行う冷却装置5と、冷却後の熱分解ガスの除塵を行うバグフィルタ6と、除塵後の熱分解ガスを、燃焼ガスとして発電装置11のガスエンジン12に供給する送風機7と、を備えている。発電装置11は、前記ガスエンジン12と、該ガスエンジン12の出力軸に連結された発電機13を備えている。前記送風機7には、発電装置11を停止しているときに前記熱分解ガスを排出するフレアスタック8も接続されている。前記ガス化炉3には、前記原料の他に、空気、シール用の築炉及び点火用のLPG等が供給される。
このバイオマスガス化発電システム1からは、発電機13で発電される電気や、エンジン12の排気ガスの廃熱を利用した温水等が得られるようになっている。なお、発電装置11としては、デュアルフューエルエンジン発電方式を採用している。
[ガスエンジン12の第1の形態]
図2は、図1の発電装置11に配置されたガスエンジン12の第1の形態を示しており、ガスエンジン12は、周知のように、シリンダ21、ピストン22、クランク軸23、吸気弁24、吸気通路25、排気弁26、排気通路27、点火プラグ28及び始動用のセルモータ29等を備えている。燃料ガス供給装置30はミキサー方式であり、吸気通路25内に配置されたベンチュリー式ミキサー31と、前記送風機7からの燃料ガスを前記ベンチュリー式ミキサー31に供給する燃料制御弁32を備えており、ベンチュリー式ミキサー31の吸気下流側には、空気と燃料ガスとの混合ガスの流量を制御するスロットル弁33が配置されている。さらに、クランク軸23には、クランク軸の回転数、すなわちエンジン回転数を検出する回転数センサー35が配置されている。
前記回転数センサー35、燃料制御弁32及びスロットル弁33は、コントローラ(制御手段)40に電気的に接続されており、コントローラ40は、少なくとも、回転数センサー35からの回転数検出信号が入力されると共に、燃料制御弁32及びスロットル弁33に、それらの開度を制御するための開度指示信号を送るようになっている。
[燃料制御弁32及びスロットル弁33の第1の制御]
図4は第1の始動制御を示すタイムチャートであり、横軸は時間(sec)、縦軸の上段は、エンジン回転数の変化、縦軸の下段は燃料制御弁32の開度の変化を示している。ガスエンジン12の始動制御に関し、コントローラ40の記憶部には、図4のグラフの下段に示すように、初期クランキング期間T1において、燃料制御弁開度を、時間経過に比例して、所定の変更範囲W1内で、開度Q1から開度Q2まで次第に増加させるように制御するマップが記憶されており、かつ、制御プログラムとして、初期クランキング期間T1において、回転数センサー35が、セルモータ29によるクランキング回転数N1より大きい初爆時の回転数(初爆回転数値)Nsを検知した時に、その初爆回転数値Nsに対応する燃料制御弁開度Qs1を記憶するように、プログラムが書き込まれている。
前記燃料弁開度Q1からQ2までの変更範囲W1は、少なくとも、燃料ガスの平均的な組成に基づいた燃料制御弁開度の起動可能範囲D1を含むように設定されている。
図5は、前記図4の制御内容に基づく始動制御のフローチャートであり、この図5及び前記図4に基づいて始動時の具体的な作動及び制御を説明する。
ステップS1において、セルモータ29により初期クランキングを開始する。この初期クランキング期間T1において、スロットル弁33は一定の開度に保たれ、燃料制御弁開度は、次第に増大するように制御される。
ステップS2において、前記初期クランキング期間T1中にエンジンが起動したか否かを判別し、Yesの場合は、ステップ7の通常運転に移行する。ステップS2でNoの場合は、ステップS3に進む。
ステップS3において、初期クランキング期間T1中、セルモータ29によるクランキング回転数が初爆回転数値Nsを越えたか否かを判別し、Noの場合はステップS1に戻り、Yesの場合は、ステップS4に進む。
ステップS4において、初爆回転数値Nsにおける燃料制御弁開度Qs1を記憶し、ステップS5に進み、前記燃料制御弁開度Qs1にて再度クランキングを実施し、ステップS6に進む。
ステップS6において、再度のクランキング期間中にエンジンが起動したか否かを判別し、Yesの場合は、ステップ7の通常運転に移行する。Noの場合は、ステップS5に戻る。
前記ステップS3及びステップS6において、それぞれNoが所定回数繰り返される場合には、警報ランプ等による「起動不良」の警告が出される。
ステップS7において、最終的に通常運転に移行した場合には、図4の下段のように、燃料制御弁開度Qs1が維持され、図4の上段のように、エンジン回転数は、たとえばアイドル回転数Niに保たれる。
燃料ガスとして、バイオマスガス等を使用していることにより、図4の下段に示す起動可能範囲D1は、燃料ガス組成の変化により変動するが、第1の制御方法のように、初期クランキング期間T1において、燃料制御弁開度を次第に増加させることにより、爆発に必要な燃料制御弁開度(燃料供給量)Qs1を認識することができ、たとえ、初期クランキング期間T1で起動しなくとも、次のクランキング時において、爆発可能な増大した一定の燃料制御弁開度Qs1で燃料を供給することにより、確実に始動することができるのである。
[第2の始動制御方法]
図6及び図7は第2の制御方法を示しており、前記第1の制御方法に加え、図6に示すように、初期クランク期間T1において、セルモータ29によるエンジン回転数が初爆回転数値Nsに達しなかった場合に、次の第2のクランキング期間T2において、燃料ガスの変更範囲を、第1のクランキング期間T1の変更範囲W1から、一定量だけ燃料増側に移し、新たな変更範囲W2内でクランキングを行い、初爆回転数値Nsを検知させるものである。前記新たな変更範囲W2は、たとえば、初期の変更範囲W1における最大の燃料制御弁開度Q2から次第に増大し、新たな起動可能範囲D2よりも大きい開度Q3まで増加させることが好ましい。その他の構成は第1の制御方法と同様である。
図7は、図6の制御内容に基づく始動制御のフローチャートであり、この図7及び前記図6に基づいて始動時の具体的な作動及び制御を説明する。
図7の右半分に示すステップS1からステップS7までの制御の流れは、ステップS3の処理を除いては、基本的に前記第1の制御と同様なので、説明は省略する。
ステップS3において、初期クランキング期間T1中、セルモータ29によるクランキング回転数が前記初爆回転数値Nsを越えたか否かを判別し、Noの場合は、ステップS8に進む。
ステップS8において、前記燃料制御弁開度の第1の変更範囲W1から一定量だけ増大側に移した新たな第2の変更範囲W2内で、燃料制御弁開度を次第に増大させながら、第2のクランキングを実施し、ステップS9に進む。
ステップS9において、第2のクランキング期間T2中、エンジン回転数が前記初爆回転数値Nsを越えたか否かを判別する。Noであれば、ステップS8に戻り、変更範囲W2から更に燃料制御弁開度を増側に移行した新たな変更範囲でクランキングを実施する。ステップS9でYesの場合は、ステップS10に進む。
ステップS10において、初爆回転数値Nsにおける燃料制御弁開度Qs2を記憶し、ステップS11に進み、前記燃料制御弁開度Qs2にて再度クランキングを実施し、ステップS12に進む。
ステップS12において、エンジンが起動したか否かを判別し、Yesの場合はステップ7の通常運転に移行する。Noの場合はステップS11に戻る。
前記ステップS9及びステップS12において、それぞれNoが所定回数繰り返される場合には、警報ランプ等による「起動不良」の警告が出される。
該第2の制御方法によると、燃料ガスの組成の変動がさらに大きい場合でも、確実にエンジンを始動することができる。
[ガスエンジンの別の例]
図8は、燃料ガス供給装置30として、インジェクター43を備えたガスエンジンを示しており、スロットル弁33はインジェクター43の吸気上流側に配置されている。その他の機械的構造は前記図2のミキサー方式の構造と同様であり、同じ部品には図2と同番号を付してある。
始動制御に関しては、前記図2のミキサー方式では、燃料制御弁の開度を制御することにより、燃料を増加、あるいは減少させて始動制御を実施したが、図8のガスエンジンでは、インジェクター43の噴射期間を調節することにより、始動制御を実施するものであり、基本的な制御内容は、図5及び図6で説明した内容と同様である。
すなわち、図4に示す第1の制御方法並びに図6に示す第2の制御方法において、初期クランキング期間T1並びに第2のクランキング期間T2中は、インジェクターの噴射期間を次第に大きくすることにより、燃料供給量を次第に増大させている。
[その他の制御方法]
前記第1及び第2の制御方法では、初期クランキング期間T1中に、燃料制御弁開度並びに噴射期間を、次第に増大させるように制御したが、次第に減少させるように制御することも可能である。
本願発明に係る始動制御方法が実施されるガスエンジンは、前記バイオマスガス化発電システムの発電装置だけでなく、各所産業施設のガスエンジンに利用することができる。
1 ガスエンジン
23 クランク軸
25 吸気通路
29 セルモータ
30 燃料ガス供給装置
31 ベンチュリー式ミキサー
32 燃料制御弁
33 スロットル弁
35 回転数センサー
40 コントローラ(制御手段)
42 インジェクター

Claims (4)

  1. セルモータと、燃焼用空気中に燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置と、エンジン回転数を検出する回転数センサーと、前記燃料ガス供給装置による燃料ガス供給量を制御する制御手段を有するガスエンジンの始動制御方法において、
    前記セルモータによる初期クランキング期間中、前記燃料ガス供給量を所定の変更範囲内で次第に増加させ、あるいは次第に減少させ、初爆が生じた時の初爆回転数値を前記回転数センサーにより検知し、前記制御手段に入力し、前記初期クランキング期間にエンジンが起動しなかった場合に、前記初爆回転数値に対応する燃料ガス供給量により、再度クランキングを実行する、ことを特徴とするガスエンジンの始動制御方法。
  2. 請求項1に記載のガスエンジンの始動制御方法において、
    前記初期クランキング期間中、初爆が生じなかった場合に、前記燃料ガス供給量の所定の前記変更範囲から、燃料増側あるいは燃料減側に移した新しい変更範囲で、再度クランキングを実行する、ガスエンジンの始動制御方法。
  3. 請求項1又は2に記載のガスエンジンの始動制御方法において、
    前記燃料ガス供給装置は、吸気通路内に配置されて空気と燃料ガスとを混合するミキサーと、該ミキサーへの燃料ガス供給量を調整する燃料制御弁とを有しており、
    前記初期クランキング期間中、前記燃料制御弁の開度を変更することにより、前記所定の変更範囲内での燃料増加又は燃料減少を実行する、ガスエンジンの始動制御方法。
  4. 請求項1又は2に記載のガスエンジンの始動制御方法において、
    前記燃料ガス供給装置は、吸気通路内に燃料ガスを噴射するインジェクターを有しており、
    前記初期クランキング期間中、前記インジェクターによる燃料噴射期間を変更することにより、前記所定の変更範囲内での燃料増加又は燃料減少を実行する、ガスエンジンの始動制御方法。
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