JP2012051802A - 特異な殻を持つ中空粒子およびその製造方法 - Google Patents

特異な殻を持つ中空粒子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数のマクロ孔を有する中空粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】水溶性珪酸塩とマクロ孔形成用水溶性化合物を含む第1水相粒子を油相中に分散してなるW/Oエマルジョンに沈殿剤水溶液を作用させることを特徴とする、シリカまたはアルカリ土類金属珪酸塩の殻の部分に孔径60nm〜30μmの複数のマクロ孔を有する中空粒子の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、特異な構造を有する中空粒子およびその製造方法に関する。
材料内部に大きな中空部分を持つ球状粒子材料は、材料内部に空気を含め様々な化合物・材料等を内包できるため、応用の可能性の高い材料である。無機材料からなるマイクロカプセル材料として、例えば、シリカでできたマイクロカプセルの合成は、特許文献1や特許文献2で報告されている。また、炭酸塩のマイクロカプセルの製法も知られている(特許文献3,4等)。これらはW/O/Wエマルジョンを用いる界面反応法で合成される無機マイクロカプセルであるが、合成の際に自動的に中空構造を作るため、化合物内包化マイクロカプセルの合成においても特に優位性を持っている。これらのマイクロカプセルを溶液から合成する際に、水相に溶解しない種々の化合物をW/O/Wエマルジョンの内水相にあらかじめ添加しておけば、マイクロカプセル内にこれら粉体を直接封入することも可能である。マイクロカプセル内に化合物を内包させる方法としては、出来上がったマイクロカプセルの殻中に存在する細孔を通じて、化合物を充填する方法があるが、上述の方法では殻中の細孔よりも大きな粒子を封入することもできる。この方法で充填される粉体状物質としては、無機粉体(特許文献5)、着色料(特許文献6)、油滴(特許文献7)、固定化酒酵母(特許文献8)、固定化微生物(特許文献9)、脱臭剤(特許文献10、特許文献11)などがある。一方、W/O/Wエマルジョンの内水相に可溶な生体マクロ分子を添加しても、この生体マクロ分子がマイクロカプセル内に内包させることができることも報告された(特許文献12)。
無機マイクロカプセルの合成は、W/Oエマルジョンをもう一つの水相(外水相)に加えてW/O/Wエマルジョンを形成させ、この内水相と外水相とが混合することによって迅速に無機沈殿を生成させることがキーポイントである。化合物の内包化は、この内水相と外水相との反応によりマイクロカプセルが形成される際に、内水相に加えられた化合物が内部に取り残されて充填されるということである。しかしながら、水に容易に溶解し、水中での拡散速度の速い化合物は、カプセル殻の無機沈殿ができる前に外水相に拡散してしまい、ほとんど内包されないものと考えられる。
シリカ粒子は、本質的にミクロ孔(直径2nm以下)、メソ孔(直径2〜60nm)を作る性質があるため、これらミクロ孔、およびメソ孔を持つものが多い。しかしながら、マクロ孔(直径60nm以上)、特に100nm以上のマクロ孔を持つシリカ粒子の合成は必ずしも、容易ではない。さらに、粒子形状が球状であり、かつ内部に大きな空洞を有する中空粒子(マイクロカプセル)で、カプセルの殻の部分にそのようなマクロ孔を持つシリカ粒子の例はほとんど無い。
中空シリカ粒子の合成例として最も代表的なものは、水中でエマルジョンや微粒子を形成する油滴や有機ポリマー微粒子上にシリカを析出させコア(核)・シェル(殻)構造の材料を作り、内部の油滴、ポリマー等を焼成や溶媒抽出で取り除き、中空にする方法である。コア部分を取り除く処理の際に殻の一部が破裂して、1つの大きな穴(マクロ孔)を持つ中空体ができるという報告がある(例えば、特許文献13、14、15。G. Zhang et al., J. Colloid Interface Sci. vol.263, p.467-472 (2003); G. Fornasieri et al., Adv. Mater. vol.16, p.1094-1097 (2004))。また、重合性モノマーを水系懸濁重合後、ポリアルコキシシロキサンオリゴマーを縮合させて重合体粒子の表面の一部を露出するようにシリカで被覆した粒子を焼成すると、球状粒子に一つの大きなマクロ孔サイズの穴を合成できるという報告がある(特許文献16)。一方、中空ではないシリカ球状粒子中に、多数のマクロ孔が形成されている材料も報告されている(例えば、F. Iskandar et al., Nano Lett., vol.1, p.231-234 (2001); A. Kulak et al., Chem. Commun. P.576-577 (2004))。しかしながら、球状の中空シリカ粒子で、その殻の部分に無数の類似なマクロ孔が形成されている材料は知られていない。
特開昭63-270306 特開昭61-227913 特許1184016号 特許1049606号 特開昭53-22530 特開昭61-47410 特開昭61-57236 特開昭62-44185 特開昭62-158485 特開昭62-212315 特開昭62-212316 特願2005-200390 特開平08-091821 特開平07-257919 特開平11-029318 特開2004-307332
本発明は、シリカおよび水不溶性珪酸塩の中空粒子の殻にマクロ孔を複数形成させる技術、およびそのような中空粒子に関する技術を提供するものである。
上記のような観点から、中空粒子合成過程において、W/Oエマルジョンの水相である内水相に孔形成用水溶性化合物を加え、W/O/Wエマルジョンでのシリカ、および水不溶性珪酸塩の生成過程で、マクロ孔形成用水溶性化合物を内水相から外水相へと拡散させ、形成されるシリカ、および水不溶性珪酸塩の中に、拡散した孔形成用水溶性化合物による孔を作らせることで、マクロ孔を有する殻を持つシリカ、および水不溶性珪酸塩の中空粒子を製造することに成功し、本発明に至った。
本発明は、以下の中空粒子及びその製造方法を提供するものである。
1. 複数のマクロ孔を有するケイ素系の殻から構成される中空粒子。
2. 前記殻がシリカまたはアルカリ土類金属珪酸塩から構成される、項1に記載の中空粒子。
3. マクロ孔の大きさが、60nm〜30μmである項1に記載の中空粒子。
4. 水溶性珪酸塩とマクロ孔形成用水溶性化合物を含む第1水相粒子を油相中に分散してなるW/Oエマルジョンに沈殿剤水溶液を作用させることを特徴とする、複数のマクロ孔を有するケイ素系の殻から構成される中空粒子。
5. 前記沈殿剤が塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、アルカリ金属の炭酸水素塩、炭酸塩、セスキ炭酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、ケイ素系の殻がシリカである、項4に記載の方法
6. 前記沈殿剤がアルカリ土類金属のハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、ギ酸塩および酢酸塩からなる群から選択される少なくとも1種であり、ケイ素系の殻がアルカリ土類金属塩である、項4に記載の方法。
本特許の中空粒子は、カプセル殻の細孔に複数のマクロ孔を有するため、巨大生体分子や細胞、ウィルス等を内包でき、長期間保存することができ、また、超音波、衝撃波などの物理的手段、あるいは高pH、フッ素処理などの化学的手段により内部の材料を選択的に放出することができる。
マクロ孔をカプセル殻に有するシリカ及び水不溶性珪酸塩中空粒子合成の概念図 マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセル(左)と通常のシリカ・マイクロカプセル(右)の光学顕微鏡像(1000倍) マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの電子顕微鏡像 マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの電子顕微鏡像 マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの電子顕微鏡像 マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの電子顕微鏡像 マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの電子顕微鏡像 マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの電子顕微鏡像 マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの電子顕微鏡像 マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの電子顕微鏡像 マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの電子顕微鏡像 マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの電子顕微鏡像 マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの電子顕微鏡像 マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの電子顕微鏡像 マクロ孔殻珪酸カルシウム・マイクロカプセルの電子顕微鏡像
本発明の概念図を図1に示す。
マクロ孔を殻に有するシリカ、および水不溶性珪酸塩中空粒子は、既存のシリカ・中空粒子合成を改良することで得ることができる。殻を構成する水不溶性珪酸塩の種類としては、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸ストロンチウム、珪酸バリウムなどのアルカリ土類金属珪酸塩を挙げることができる。すなわち、シリカおよび水不溶性珪酸塩のいずれかのケイ素系の殻を有する中空粒子の原料となる珪酸ナトリウム(好ましくは水ガラス)の水溶液である水相に、水溶性化合物を溶解させる(図2の水相1)。水相1に溶解させた添加物が適切な場合、生成するシリカおよび水不溶性珪酸塩のいずれかから構成される殻に複数のマクロ孔を形成させることができる。このような目的に適したマクロ孔形成用水溶性化合物としては、特に限定されないが、水溶性有機ポリマーまたはその塩、アルカリ性条件下でアルカリ塩を形成可能な有機ポリマー、あるいは中性の無機塩等をあげることができる。中性の無機塩としては、特に限定されないが、例えば塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム等が挙げられる。
用いる珪酸ナトリウムなどの水溶性珪酸塩は特に限定されないが、市販のJIS規格の1号から3号の水ガラス、4号水ガラス、メタ珪酸ナトリウム等を用いれば良い。また、水相1中における水溶性珪酸塩の濃度も特に限定されないが、0.5〜6Mが良く、特に2〜5Mが良い。水相2に用いる沈殿剤の種類や濃度は、シリカ、および水不溶性珪酸塩の沈殿が生成できるものであれば特に限定されない。沈殿剤の種類としては、殻がシリカから構成される場合は、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、アルカリ金属の炭酸水素塩、炭酸塩、セスキ炭酸塩などが挙げられ、好ましくは塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等をあげることができる。殻が水不溶性珪酸塩から構成される場合は、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウムのハロゲン化物、硫酸塩、硝酸、ギ酸塩、酢酸塩などを沈殿剤として用いればよい。沈殿剤の絶対量としては、そのモル数が水溶性珪酸塩中のケイ素のモル数より多いことが求められ、通常はケイ素のモル数の2〜5倍用いることが好ましい。濃度としては、1〜5Mが良く、特に1.5〜3Mが好ましい。
マクロ孔形成用水溶性化合物である有機ポリマーの塩としては、水に溶かした場合に酸性にならないものであれば特に限定されないが、ポリアクリル酸のアルカリ金属塩、ポリメタクリル酸のアルカリ金属塩、ポリスチレンスルフォン酸のアルカリ金属塩等をあげることができる。この中には、アルカリ性条件下でアルカリ塩になり、かつ溶液全体は酸性にはならない高分子化合物も含まれ、例えば、グリコーゲン、ポリビニルアルコール等をあげることができる。これら有機ポリマーあるいは有機ポリマー塩の濃度としては、添加物を加えることで水ガラスなどの水溶性珪酸塩水溶液よりシリカ沈殿が生成しない限り特に限定されないが、良好なマクロ孔を中空粒子の殻に形成させるには、一定量以上のポリマー塩の濃度が望ましい。用いるポリマー塩にもよるが、50g/L〜180g/Lが良く、80g/L〜120g/Lが特に好ましい。用いる有機ポリマーの平均分子量は特に限定されないが、3000〜5,000,000が好ましい。適切な平均分子量はポリマーに依存するが、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩の場合は、5,000〜15,000程度が特に好ましい。ポリスチレンスルフォン酸塩の場合は、500,000〜3,000,000が好ましい。塩となる金属としては、ポリマー塩の水溶性を維持できるものならば特に限定されないが、アルカリ金属、アンモニウム塩をあげることができる。
マクロ孔形成用水溶性化合物である中性の無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、塩化リチウム等のアルカリ金属塩のハロゲン化塩をあげることができる。その塩の水相1への添加量は特に限定されないが、良好にシリカ、および水不溶性珪酸塩のマイクロカプセルの殻にマクロ孔を形成させるには、50g/L〜180g/Lが良く、80g/L〜120g/Lが特に好ましい。
この際、シリカ、および水不溶性珪酸塩中空粒子中に形成されるマクロ孔は、水相1の添加剤の種類や濃度のみならず、油相の構成成分にも依存する。用いる有機溶媒としては、水とほとんど混ざらなく、アルカリとほとんど反応をしないものなら特に限定されないが、炭化水素類が好ましく、特にヘキサン、オクタン、デカン等のパラフィン系炭化水素が特によい。また、油相に加える界面活性剤としては、W/Oエマルジョンを安定化させる効果を持つものならば特に限定されないが、ソルビタン系の脂肪酸エステルが好ましく、特にTweenやSpan類が好ましい。これらを単独で用いることも可能であるが、この両者の混合系としても良い。エマルジョン形成時のホモジェナイザーの回転数も特に限定されないが、回転数が5000以上が好ましい。またホモジェナイザーによるエマルジョン形成のための時間も特に限定されないが、1〜3分程度で良い。さらに、水相2に加えた後の撹拌時間も特に限定されないが、10分〜5時間程度が良く、30分〜3時間程度が特に好ましい。
マクロ孔の孔径としては、100nm〜30μm程度、好ましくは300nm〜20μm程度、より好ましくは500nm〜10μm程度である。
中空粒子の大きさは、例えば0.2〜100μm程度、好ましくは0.5〜50μm程度、より好ましくは1〜20μm程度である。中空粒子の粒径は、W/Oエマルジョンの粒径(エマルジョンの製造条件)により制御可能である。
中空粒子当たりのマクロ孔の数は、2以上、好ましくは3〜100程度、より好ましくは5〜50程度、さらに好ましくは5〜30程度である。
得られたマクロ孔を有する殻のシリカ、および水不溶性珪酸塩マイクロカプセルの形態や細孔構造は、光学顕微鏡、電子顕微鏡、あるいは窒素の吸着等温線により確認することができる。得られるマクロ孔の大きさは、用いるポリマーの種類や濃度、界面活性剤や沈殿剤の種類により異なり、出来上がったシリカ、および水不溶性珪酸塩中空粒子内に数百nmから数ミクロンないし数十ミクロンの大きさの化合物を充填することが可能である。また、殻のマクロ孔よりも大きな化合物ならば、水相1に溶解するあるいは不溶に関係なく、直接内包化し、中空粒子マイクロカプセル内に閉じこめることも可能である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1:マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの合成−1
水ガラス3号(29.88g、ケイ素含有量144mmol)とポリメタクリル酸ナトリウム水溶液(13.3g、ポリマー4g;アルドリッチ社製:Mw〜6500;30%水溶液)を溶かし、全体積を36mlとした水溶液(図1の水相1)に、Tween80(1.01g:モル数は混合物につき不明)とSpan80(0.50g:モル数は混合物につき不明)をn−ヘキサンに溶かし全体積を72mlとした溶液(図1の油相)と混合し、ホモジェナイザーを用いて回転数約8300回転で乳化させる。この乳化処理を1分行ったのち、炭酸水素アンモニウム(39.8g、504mmol)を水に溶解させ全体積を250mlとした溶液(図2の水相2)に加えた。2時間撹拌(回転数:約250回転)の後、ろ別により生成した沈殿を得た。
得られたマクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの光学顕微鏡像と電子顕微鏡像を図2、3に示す。水相1に添加物を加えず、水ガラスのみを溶解させた通常のシリカ・マイクロカプセルの光学顕微鏡像(図2右)では、カプセル内部は光が通り明るく見えるが、このマクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルでは(図2左)、一粒子が黒い点のように見えるのが特徴である。また電子顕微鏡像図より、この粒子は中空球状体があることが確認された。さらに、中空マイクロカプセルの殻の部分に、電子顕微鏡により観測されるほどの大きさの細孔が形成されていることもわかった。細孔の大きさは、電子顕微鏡像より3〜500nm程度であることもわかった。
実施例2:マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの合成−2
水ガラス3号(29.88g、ケイ素含有量144mmol)とポリメタクリル酸ナトリウム水溶液(13.3g、ポリマー4g;アルドリッチ社製:Mw〜6500;30%水溶液)を溶かし、全体積を36mlとした水溶液(図1の水相1)に、Tween80(1.01g:モル数は混合物につき不明)とSpan80(0.50g:モル数は混合物につき不明)をn−ヘキサンに溶かし全体積を72mlとした溶液(図1の油相)と混合し、ホモジェナイザーを用いて回転数約8300回転で乳化させる。この乳化処理を1分行ったのち、塩化アンモニウム(27.0g、504mmol)を水に溶解させ全体積を250mlとした溶液(図2の水相2)に加えた。2時間撹拌(回転数:約250回転)の後、ろ別により生成した沈殿を得た。
得られたマクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの電子顕微鏡像を図4に示す。この電子顕微鏡像図より、実施例1と同様に中空球状体であることも確認された。中空マイクロカプセルの殻部分の細孔の大きさは、電子顕微鏡像より1〜3μm程度であることもわかった。
実施例3:マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの合成−3
水ガラス3号(29.88g、ケイ素含有量144mmol)とポリ−p−スチレンスルフォン酸ナトリウム水溶液(4g、ポリマー1g;アルドリッチ社製:Mw〜1,000,000;25%水溶液)を溶かし、全体積を36mlとした水溶液(図1の水相1)に、Tween80(1.01g:モル数は混合物につき不明)とSpan80(0.50g:モル数は混合物につき不明)をn−ヘキサンに溶かし全体積を72mlとした溶液(図1の油相)と混合し、ホモジェナイザーを用いて回転数約8300回転で乳化させる。この乳化処理を1分行ったのち、炭酸水素アンモニウム(39.8g、504mmol)を水に溶解させ全体積を250mlとした溶液(図2の水相2)に加えた。2時間撹拌(回転数:約250回転)の後、ろ別により生成した沈殿を得た。
得られたマクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの電子顕微鏡像を図5に示す。この電子顕微鏡像図より、実施例1と同様に中空球状体であることも確認された。また、中空マイクロカプセルの殻の内部に中空部分が確認された。この殻中の中空部の大きさは、電子顕微鏡像より数百nm〜1μm程度であることもわかった。
実施例4:マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの合成−4
水ガラス3号(29.88g、ケイ素含有量144mmol)とポリ−p−スチレンスルフォン酸ナトリウム水溶液(4g、ポリマー1g;アルドリッチ社製:Mw〜1,000,000;25%水溶液)を溶かし、全体積を36mlとした水溶液(図1の水相1)に、Tween80(1.01g:モル数は混合物につき不明)とSpan80(0.50g:モル数は混合物につき不明)をn−ヘキサンに溶かし全体積を72mlとした溶液(図1の油相)と混合し、ホモジェナイザーを用いて回転数約8300回転で乳化させる。この乳化処理を1分行ったのち、塩化アンモニウム(27.0g、504mmol)を水に溶解させ全体積を250mlとした溶液(図2の水相2)に加えた。2時間撹拌(回転数:約250回転)の後、ろ別により生成した沈殿を得た。
得られたマクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの電子顕微鏡像を図6に示す。電子顕微鏡像図より、実施例1と同様に中空球状体であることも確認された。また、中空マイクロカプセルの殻の内部や殻全体には、数百nm〜数μm程度のマクロ孔が形成されていることもわかった。
実施例5:マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの合成−5
水ガラス3号(29.88g、ケイ素含有量144mmol)とポリメタクリル酸ナトリウム水溶液(13.3g、ポリマー4g;アルドリッチ社製Mw〜9500;30%水溶液)を溶かし、全体積を36mlとした水溶液(図1の水相1)に、Tween80(1.01g:モル数は混合物につき不明)とSpan80(0.50g:モル数は混合物につき不明)をn−ヘキサンに溶かし全体積を72mlとした溶液(図1の油相)と混合し、ホモジェナイザーを用いて回転数約8300回転で乳化させる。この乳化処理を1分行ったのち、炭酸水素アンモニウム(39.8g、504mmol)を水に溶解させ全体積を250mlとした溶液(図2の水相2)に加えた。2時間撹拌(回転数:約250回転)の後、ろ別により生成した沈殿を得た。
得られたマクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの電子顕微鏡像を図7に示す。電子顕微鏡像図より、実施例1と同様に中空球状体であることも確認されたが、中空マイクロカプセルの殻に数百nm〜数μm程度のマクロ孔が形成されていることもわかった。
実施例6:マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの合成−6
水ガラス3号(29.88g、ケイ素含有量144mmol)とポリアクリル酸ナトリウム水溶液(8.89g、ポリマー4g;アルドリッチ社製Mw〜8000;45%水溶液)を溶かし、全体積を36mlとした水溶液(図1の水相1)に、Tween80(1.01g:モル数は混合物につき不明)とSpan80(0.50g:モル数は混合物につき不明)をn−ヘキサンに溶かし全体積を72mlとした溶液(図1の油相)と混合し、ホモジェナイザーを用いて回転数約8300回転で乳化させる。この乳化処理を1分行ったのち、炭酸水素アンモニウム(39.8g、504mmol)を水に溶解させ全体積を250mlとした溶液(図2の水相2)に加えた。2時間撹拌(回転数:約250回転)の後、ろ別により生成した沈殿を得た。
得られたマクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの電子顕微鏡像を図8に示す。電子顕微鏡像図より、実施例1と同様に中空球状体であることも確認されたが、中空マイクロカプセルの殻に数百nm程度のマクロ孔が形成されていることもわかった。
実施例7:マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの合成−7
水ガラス3号(29.88g、ケイ素含有量144mmol)とグリコーゲン4gを溶かし全体積を36mlとした水溶液(図1の水相1)に、Tween80(1.01g:モル数は混合物につき不明)とSpan80(0.50g:モル数は混合物につき不明)をn−ヘキサンに溶かし全体積を72mlとした溶液(図1の油相)と混合し、ホモジェナイザーを用いて回転数約8300回転で乳化させる。この乳化処理を1分行ったのち、炭酸水素アンモニウム(39.8g、504mmol)を水に溶解させ全体積を250mlとした溶液(図2の水相2)に加えた。2時間撹拌(回転数:約250回転)の後、ろ別により生成した沈殿を得た。
得られたマクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの電子顕微鏡像を図9に示す。電子顕微鏡像図より、実施例1と同様に中空球状体であることも確認され、中空マイクロカプセルの殻に数百nm〜数μm程度のマクロ孔が形成されていることもわかった。
実施例8:マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの合成−8
水ガラス3号(29.88g、ケイ素含有量144mmol)とグリコーゲン4gを溶かし全体積を36mlとした水溶液(図1の水相1)に、Tween80(1.01g:モル数は混合物につき不明)とSpan80(0.50g:モル数は混合物につき不明)をn−ヘキサンに溶かし全体積を72mlとした溶液(図1の油相)と混合し、ホモジェナイザーを用いて回転数約8300回転で乳化させる。この乳化処理を1分行ったのち、塩化アンモニウム(27.0g、504mmol)を水に溶解させ全体積を250mlとした溶液(図2の水相2)に加えた。2時間撹拌(回転数:約250回転)の後、ろ別により生成した沈殿を得た。
得られたマクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの電子顕微鏡像を図10に示す。電子顕微鏡像図より、実施例1と同様に中空球状体であることも確認され、中空マイクロカプセルの殻に数百nm程度のマクロ孔が形成されていることもわかった。
実施例9:マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの合成−9
水ガラス3号(29.88g、ケイ素含有量144mmol)と塩化ナトリウム6gを溶かし全体積を36mlとした水溶液(図1の水相1)に、Tween80(1.01g:モル数は混合物につき不明)とSpan80(0.50g:モル数は混合物につき不明)をn−ヘキサンに溶かし全体積を72mlとした溶液(図1の油相)と混合し、ホモジェナイザーを用いて回転数約8300回転で乳化させる。この乳化処理を1分行ったのち、塩化アンモニウム(27.0g、504mmol)を水に溶解させ全体積を250mlとした溶液(図2の水相2)に加えた。2時間撹拌(回転数:約250回転)の後、ろ別により生成した沈殿を得た。
得られたマクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの電子顕微鏡像を図11に示す。電子顕微鏡像図より、実施例1と同様に中空球状体であることも確認され、中空マイクロカプセルの殻は数百nm程度の微粒子により構成され、その微粒子間にマクロ孔が形成されていることもわかった。
実施例10:マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの合成−1
水ガラス3号(29.88g、ケイ素含有量144mmol)とポリメタクリル酸ナトリウム水溶液(13.3g、ポリマー4g;アルドリッチ社製:Mw〜6500;30%水溶液)を溶かし、全体積を36mlとした水溶液(図1の水相1)に、Span80(1.51g:モル数は混合物につき不明)をn−ヘキサンに溶かし全体積を72mlとした溶液(図1の油相)と混合し、ホモジェナイザーを用いて回転数約8300回転で乳化させる。この乳化処理を1分行ったのち、炭酸水素アンモニウム(39.8g、504mmol)を水に溶解させ全体積を250mlとした溶液(図2の水相2)に加えた。2時間撹拌(回転数:約250回転)の後、ろ別により生成した沈殿を得た。
得られたマクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの電子顕微鏡像を図12に示す。また電子顕微鏡像図より、この粒子は中空球状体があることが確認され、中空マイクロカプセルの殻は数百nm程度の微粒子により構成され、その微粒子間にマクロ孔が形成されていることもわかった。
実施例11:マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの合成−11
水ガラス3号(29.88g、ケイ素含有量144mmol)とポリメタクリル酸ナトリウム水溶液(13.3g、ポリマー4g;アルドリッチ社製:Mw〜6500;30%水溶液)を溶かし、全体積を36mlとした水溶液(図1の水相1)に、Tween80(0.50g:モル数は混合物につき不明)とSpan80(1.01g:モル数は混合物につき不明)をn−ヘキサンに溶かし全体積を72mlとした溶液(図1の油相)と混合し、ホモジェナイザーを用いて回転数約8300回転で乳化させる。この乳化処理を1分行ったのち、炭酸水素アンモニウム(39.8g、504mmol)を水に溶解させ全体積を250mlとした溶液(図2の水相2)に加えた。2時間撹拌(回転数:約250回転)の後、ろ別により生成した沈殿を得た。
得られたマクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの電子顕微鏡像を図13に示す。また電子顕微鏡像図より、この粒子は中空球状体があることが確認され、中空マイクロカプセルの殻は数百nm〜数μm程度のマクロ孔が形成されていることもわかった。
実施例12:マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの合成−12
水ガラス3号(29.88g、ケイ素含有量144mmol)とポリメタクリル酸ナトリウム水溶液(13.3g、ポリマー4g;アルドリッチ社製:Mw〜6500;30%水溶液)を溶かし、全体積を36mlとした水溶液(図1の水相1)に、Tween80(0.50g:モル数は混合物につき不明)とSpan80(1.01g:モル数は混合物につき不明)をn−ヘキサンに溶かし全体積を72mlとした溶液(図1の油相)と混合し、ホモジェナイザーを用いて回転数約8300回転で乳化させる。この乳化処理を1分行ったのち、塩化アンモニウム(27.0g、504mmol)を水に溶解させ全体積を250mlとした溶液(図2の水相2)に加えた。2時間撹拌(回転数:約250回転)の後、ろ別により生成した沈殿を得た。
得られたマクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの電子顕微鏡像を図14に示す。また電子顕微鏡像図より、この粒子は中空球状体があることが確認され、中空マイクロカプセルの殻は1〜2μm程度の微粒子で構成され、その微粒子間に数μm程度のマクロ孔が形成されていることもわかった。
実施例13:マクロ孔殻シリカ・マイクロカプセルの合成−13
水ガラス3号(29.88g、ケイ素含有量144mmol)とポリメタクリル酸ナトリウム水溶液(13.3g、ポリマー4g;アルドリッチ社製:Mw〜6500;30%水溶液)を溶かし、全体積を36mlとした水溶液(図1の水相1)に、Tween80(1.01g:モル数は混合物につき不明)とSpan80(0.50g:モル数は混合物につき不明)をn−ヘキサンに溶かし全体積を72mlとした溶液(図1の油相)と混合し、ホモジェナイザーを用いて回転数約8300回転で乳化させる。この乳化処理を1分行ったのち、塩化カルシウム二水和物(59.3g、403 mmol)を水に溶解させ全体積を250mlとした溶液(図2の水相2)に加えた。2時間撹拌(回転数:約250回転)の後、ろ別により生成した沈殿を得た。
得られたマクロ孔殻珪酸カルシウム・マイクロカプセルの電子顕微鏡像を図15に示す。この電子顕微鏡像図より、実施例1と同様に中空球状体であることも確認された。中空マイクロカプセルの殻部分の細孔の大きさは、電子顕微鏡像より3〜6μm程度であることもわかった。
本特許で新しく調製され、見いだされた材料の応用は、種々想定されるが、例えば以下のような応用が考えられる。
中空シリカ粒子は、液晶表示スペーサー、セラミック原料、クロマトグラフィー用充填剤、光学材料、精密研磨剤など、半導体産業、医療品産業、先端材料産業、環境産業などの分野への利用が期待される。さらに高い空隙率等より、軽量の炉材、サヤ材あるいは断熱材に適するとも期待できる。さらに、多孔性中空シリカ粒子は、油脂や有機溶剤等の吸着・分離剤として多く使用されているが、その吸着能力を高めるには、空孔率の高い多孔質シリカ粒子が必要となる。特に、殻の部分の細孔がマクロ孔となると粘性の高い高分子状油脂等の吸着性能が向上するものと期待される。
さらに、大きなサイズのタンパク質、細胞、核酸等を中空粒子内に充填することにより、ドラッグデリバリーシステム、ジーンデリバリーシステムへの応用も有望である。巨大な生体物質の封入による不安定生体材料の長期保存への利用や、酵素タンパク質を内包させたバイオリアクターへの応用も想定される。

Claims (3)

  1. 水溶性珪酸塩とマクロ孔形成用水溶性化合物を含む第1水相粒子を油相中に分散してなるW/Oエマルジョンに沈殿剤水溶液を作用させることを特徴とする、シリカまたはアルカリ土類金属珪酸塩の殻の部分に孔径60nm〜30μmの複数のマクロ孔を有する中空粒子の製造方法。
  2. 前記沈殿剤が塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、アルカリ金属の炭酸水素塩、炭酸塩、セスキ炭酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記殻がシリカである、請求項1に記載の中空粒子の製造方法。
  3. 前記沈殿剤がアルカリ土類金属のハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、ギ酸塩および酢酸塩からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記殻がアルカリ土類金属塩である、請求項1に記載の方法。
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