JP2012072019A - 耐食性部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】硫酸と亜硫酸とが共存する環境下において、長期にわたって高い耐食性を示すことができるニッケル基合金からなる耐食性部材を提供することである。
【解決手段】硫酸と亜硫酸とを含む環境下に曝される耐食性部材であって、チタンからなり且つ前記環境における亜硫酸濃度が300ppm以上であるか、またはチタン−パラジウム合金からなるものである。これらの耐食性部材は、二酸化硫黄と三酸化硫黄とを含むガスを、内壁に形成した水の濡れ壁に接触させて冷却する装置の前記内壁に好適である。
【選択図】なし
【解決手段】硫酸と亜硫酸とを含む環境下に曝される耐食性部材であって、チタンからなり且つ前記環境における亜硫酸濃度が300ppm以上であるか、またはチタン−パラジウム合金からなるものである。これらの耐食性部材は、二酸化硫黄と三酸化硫黄とを含むガスを、内壁に形成した水の濡れ壁に接触させて冷却する装置の前記内壁に好適である。
【選択図】なし
Description
本発明は、耐食性を有する部材に関する。
化学プラント等では、耐食性が要求される部材にニッケル基合金を用いることが多い(例えば、特許文献1参照)。
しかし、ニッケル基合金の耐食性は、使用する環境によっては十分でないことがある。例えば硫酸プラント等では、二酸化硫黄と三酸化硫黄とを含むガスを、800℃程度から80℃程度にまで冷却する装置を使用することがある。この装置による冷却は、通常、内壁に沿って水を流下させて濡れ壁を形成し、この濡れ壁に前記ガスを接触させることにより行われるので、該装置内は、硫酸と亜硫酸とが共存する環境下になる。
したがって、この装置の内壁にニッケル基合金を使用すると、該ニッケル基合金は硫酸と亜硫酸とが共存する環境下に曝されることになる。
しかし、該環境下では、ニッケル基合金は十分な耐食性を示すことができず、腐食してしまうことがある。それゆえ、硫酸と亜硫酸とが共存する環境下で耐食性を示すことができる耐食性部材が要望されていた。
しかし、該環境下では、ニッケル基合金は十分な耐食性を示すことができず、腐食してしまうことがある。それゆえ、硫酸と亜硫酸とが共存する環境下で耐食性を示すことができる耐食性部材が要望されていた。
本発明の課題は、硫酸と亜硫酸とが共存する環境下において、長期にわたって高い耐食性を示すことができる耐食性部材を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)硫酸と亜硫酸とを含む環境下に曝される耐食性部材であって、チタンからなるとともに、前記環境における亜硫酸濃度が300ppm以上であることを特徴とする耐食性部材。
(2)硫酸と亜硫酸とを含む環境下に曝される耐食性部材であって、チタン−パラジウム合金からなることを特徴とする耐食性部材。
(1)硫酸と亜硫酸とを含む環境下に曝される耐食性部材であって、チタンからなるとともに、前記環境における亜硫酸濃度が300ppm以上であることを特徴とする耐食性部材。
(2)硫酸と亜硫酸とを含む環境下に曝される耐食性部材であって、チタン−パラジウム合金からなることを特徴とする耐食性部材。
本発明の冷却装置は、二酸化硫黄と三酸化硫黄とを含むガスを、内壁に形成した水の濡れ壁に接触させて冷却するものであって、前記内壁が前記(1)または(2)記載の耐食性部材からなることを特徴とする冷却装置。
本発明によれば、硫酸と亜硫酸とが共存する環境下において、長期にわたって高い耐食性を示すことができるという効果がある。例えば、二酸化硫黄と三酸化硫黄とを含むガスを、内壁に形成した水の濡れ壁に接触させて冷却する装置等では、前述の通り、硫酸と亜硫酸とが共存する環境下になる。したがって、該装置の内壁に本発明の耐食性部材を適用すれば、該内壁の腐食を抑制することができ、前記ガスの冷却を長期にわたって安定して行うことができる。
以下、本発明の耐食性部材にかかる一実施形態について説明する。本実施形態にかかる耐食性部材は、硫酸と亜硫酸とを含む環境下に曝されるものである。該環境は、硫酸および亜硫酸以外に、例えば二酸化炭素、酸素、窒素、窒素酸化物(NOX)等を含んでいてもよい。
この環境下に曝される本実施形態の耐食性部材は、チタンからなる。該チタンは、純チタンである。
一方、前記環境が含む硫酸および亜硫酸のうち、亜硫酸は酸化剤として作用するので、腐食性に及ぼす影響が大きい。そのため、前記チタンの耐食性は、亜硫酸の影響を受けやすい傾向にある。
一方、前記環境が含む硫酸および亜硫酸のうち、亜硫酸は酸化剤として作用するので、腐食性に及ぼす影響が大きい。そのため、前記チタンの耐食性は、亜硫酸の影響を受けやすい傾向にある。
前記環境における亜硫酸濃度は、300ppm以上であり、好ましくは400ppm以上である。これにより、該環境下におけるチタンの腐食を抑制することができる。この理由としては、以下の理由が推察される。
すなわち、亜硫酸は上述の通り酸化剤として作用し、亜硫酸濃度300ppm未満では活性腐食域で腐食が発生するが、300ppm以上になると、その酸化剤の作用によってチタンが不働態化して腐食が抑制される。したがって、亜硫酸濃度を上述した300ppm以上の値に制御すると、前記環境下においてチタンが受ける腐食を抑制することができ、その結果、該チタンからなる本実施形態の耐食性部材は、硫酸と亜硫酸とが共存する環境下に曝されても、長期にわたって高い耐食性を示すようになる。これに対し、亜硫酸濃度が300ppm未満であると、チタンは不働態化せず、それゆえ前記環境下において腐食すると推察される。
亜硫酸濃度の上限値としては、特に限定されないが、10,000ppm程度が適当である。また、硫酸濃度についても特に限定されないが、1〜10重量%程度が適当である。
本実施形態にかかる耐食性部材は、前述の通り、硫酸と亜硫酸とが共存する環境下において、長期にわたって高い耐食性を示すことができるので、該環境下になり易い硫酸プラントにおける冷却装置等に好適に用いることができる。すなわち、二酸化硫黄と三酸化硫黄とを含むガスを、内壁に形成した水の濡れ壁に接触させて冷却する装置の前記内壁に、本実施形態にかかる耐食性部材を用いるのが好ましい。
具体的に説明すると、硫酸プラント等では、前記冷却装置を用いて廃硫酸の燃焼ガス等の冷却を行うことがある。該燃焼ガスは、通常、二酸化硫黄および三酸化硫黄以外に、二酸化炭素、酸素、窒素、窒素酸化物(NOX)等を含んでおり、その温度は800℃程度である。
この燃焼ガスを、冷却装置の内壁に形成した水の濡れ壁に接触させて、80℃程度にまで冷却する。このとき、燃焼ガス中の二酸化硫黄および三酸化硫黄の各々が水と反応して、硫酸と亜硫酸とが発生する。その結果、前記冷却装置内は、硫酸と亜硫酸とが共存する環境下になる。それゆえ、該環境下での耐食性に優れる本実施形態にかかる耐食性部材で前記冷却装置の内壁を構成するのが好ましい。これにより、該内壁の腐食を長期にわたって抑制することができ、燃焼ガスの冷却を安定して行うことができる。
なお、本実施形態にかかる耐食性部材の用途は、例示した硫酸プラントにおける冷却装置の内壁に限定されるものではなく、硫酸と亜硫酸とを含む環境下に曝された状態で耐食性が要求される分野において、好適に用いることができる。
次に、本発明の耐食性部材にかかる他の実施形態について説明する。本実施形態にかかる耐食性部材は、チタン−パラジウム合金からなる。この耐食性部材によれば、前述した亜硫酸による影響を実質的に受けることなく、硫酸と亜硫酸とが共存する環境下において、長期にわたって高い耐食性を示すことができる。
チタン−パラジウム合金からなる耐食性部材が、前述した亜硫酸による影響を受け難い理由としては、次の理由が推察される。すなわち、チタンとパラジウムとを合金化することにより、該部材のカソード反応を促進させることができ、それによって該部材を不働態化させることができる。その結果、該部材は優れた耐食性を示すようになり、それゆえチタン−パラジウム合金からなる耐食性部材は、硫酸と亜硫酸とが共存する環境下に曝されても、亜硫酸濃度にかかわらず、長期にわたって高い耐食性を示す。
チタン−パラジウム合金において、パラジウム含有量としては、0.1〜1重量%であるのが好ましく、0.1〜0.5重量%であるのがより好ましく、0.1〜0.3重量%であるのがさらに好ましい。その他の構成は、前記した一実施形態にかかる耐食性部材と同様である。
次に、本発明の耐食性部材にかかるさらに他の実施形態について説明する。本実施形態にかかる耐食性部材は、ジルコニウムまたはタンタルからなる。この耐食性部材によれば、チタン−パラジウム合金と同様に、前述した亜硫酸による影響を実質的に受けることなく、硫酸と亜硫酸とが共存する環境下において、長期にわたって高い耐食性を示すことができる。
ジルコニウムまたはタンタルからなる耐食性部材が、前述した亜硫酸による影響を受け難い理由としては、次の理由が推察される。すなわち、ジルコニウムおよびタンタルは、不働態化することにより優れた耐食性を示すようになると考えられ、これに起因してジルコニウムまたはタンタルからなる耐食性部材は、硫酸と亜硫酸とが共存する環境下に曝されても、長期にわたって高い耐食性を示すと推察される。その他の構成は、前記した一実施形態にかかる耐食性部材と同様である。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
実施例および比較例で用いた材料は、次の通りである。
チタン:純チタンを用いた。
チタン−パラジウム合金:パラジウム含有量が0.2重量%であり、残部がチタンであるチタン−パラジウム合金を用いた。
ニッケル基合金:ニッケル−クロム−モリブデン合金であるヘインズ社製の「ハステロイC−276」を用いた。
チタン:純チタンを用いた。
チタン−パラジウム合金:パラジウム含有量が0.2重量%であり、残部がチタンであるチタン−パラジウム合金を用いた。
ニッケル基合金:ニッケル−クロム−モリブデン合金であるヘインズ社製の「ハステロイC−276」を用いた。
[実施例1〜4および比較例1,2]
上述したチタン、チタン−パラジウム合金およびニッケル基合金について、腐食度を評価した。また、ジルコニウムおよびタンタルについても、腐食度を評価した。
上述したチタン、チタン−パラジウム合金およびニッケル基合金について、腐食度を評価した。また、ジルコニウムおよびタンタルについても、腐食度を評価した。
具体的には、まず、チタン、チタン−パラジウム合金、ニッケル基合金、ジルコニウムおよびタンタルを、それぞれ縦25mm×横20mm×厚さ2mmの形状に成形して平板状の試験片を得た。次いで、この試験片を、#600番手のサンドペーパーで研磨した後、アセトンを用いて脱脂し、水洗して乾燥させた。乾燥後の試験片について、腐食試験前の試験片重量と正確な試験片寸法(試験片の表面積)を測定した。その後、該試験片をそれぞれガラス製のオートクレーブ内に静置し、以下の条件で腐食試験を実施した。
<腐食試験>
硫酸濃度:5重量%
亜硫酸濃度:100〜10,000ppm
雰囲気温度:100℃
試験時間:20時間
硫酸濃度:5重量%
亜硫酸濃度:100〜10,000ppm
雰囲気温度:100℃
試験時間:20時間
腐食試験後の試験片を水洗して腐食生成物等の付着物を除去し、乾燥させた後、腐食試験後の試験片重量を測定し、この値を下記式(I)に当てはめて腐食度(mm/年)を算出した。その結果を、表1に示す。
表1から明らかなように、亜硫酸濃度が300ppm以上である実施例1は、亜硫酸濃度が300ppm未満である比較例1よりも腐食度の値が小さいのがわかる。また、この実施例1と、チタン−パラジウム合金からなる実施例2、ジルコニウムからなる実施例3、およびタンタルからなる実施例4は、ニッケル基合金からなる比較例2よりも腐食度の値が小さいのがわかる。この結果より、実施例1〜4は、硫酸と亜硫酸とが共存する環境下において、優れた耐食性を示しているのがわかる。特に実施例2〜4は、亜硫酸濃度にかかわらず、腐食度の値が小さい結果を示した。
Claims (3)
- 硫酸と亜硫酸とを含む環境下に曝される耐食性部材であって、チタンからなるとともに、前記環境における亜硫酸濃度が300ppm以上であることを特徴とする耐食性部材。
- 硫酸と亜硫酸とを含む環境下に曝される耐食性部材であって、チタン−パラジウム合金からなることを特徴とする耐食性部材。
- 二酸化硫黄と三酸化硫黄とを含むガスを、内壁に形成した水の濡れ壁に接触させて冷却する装置であって、
前記内壁が請求項1または2記載の耐食性部材からなることを特徴とする冷却装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2010218369A JP2012072019A (ja) | 2010-09-29 | 2010-09-29 | 耐食性部材 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2010218369A JP2012072019A (ja) | 2010-09-29 | 2010-09-29 | 耐食性部材 |
Publications (1)
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| JP2012072019A true JP2012072019A (ja) | 2012-04-12 |
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP2010218369A Pending JP2012072019A (ja) | 2010-09-29 | 2010-09-29 | 耐食性部材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2012072019A (ja) |
-
2010
- 2010-09-29 JP JP2010218369A patent/JP2012072019A/ja active Pending
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