JP2012103689A - 光学フィルム、偏光板、及び画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明支持体の一方の側に液晶性化合物を含有する光学異方性層が積層され、もう一方の側にハードコート層が積層されてなる光学フィルム。光学異方性層表面には、光学異方性層のバインダーと共有結合を形成しない含フッ素化合物を含有し、ハードコート層が形成された側の光学フィルム表面には、含フッ素またはシリコーン系の化合物が共有結合により固定されてなり、更に、ハードコート層が形成された側の表面物性が特定条件を満たす。
【選択図】図1
Description
例えば、液晶ディスプレイにおいて各種の液晶セルのモードに応じて視野角の拡大などを目的として、位相差フィルムが設計されている。また、液晶表示装置以外にも、1/4波長の位相差を有するλ/4板などは、輝度向上膜、光ディスク用ピックアップやPS変換素子に使用されている。
これら位相差膜の位相差の発現方法には、ポリマーフィルムを延伸する方法、液晶性化合物を含有する塗布液を基材上に塗布し、所定の方向に配向させることで光学異方性を発現させる方法などが知られている。中でも液晶化合物を用いた位相差の制御方法は、配向膜、液晶化合物、液晶化合物の配向制御剤、配向制御のための工程条件などで様々に位相差を制御することが可能であり、応用範囲も広く、大量に高速で生産することができる(特許文献1、2)。
また、位相差板の用途として、有機EL、タッチパネル、3D表示装置等に適用し、装置の内部でなく最前面に使用される構成も提案されている。しかしながらが、従来の位相差板では、傷つきやすく強度が不十分である、外光が当たったときの反射率が高い、耐光性が弱い、汚れが付きやすく取れ難い、等の問題があり、最前面に使用するには更なる改良が求められていた。
このロール状態での保管後のムラ発生に対して、以下の手段が有効であることを見出し、本発明を成すに至った。
[1]
透明支持体の一方の側に液晶性化合物を含有する光学異方性層が積層され、もう一方の側にハードコート層が積層されてなる光学フィルムにおいて、
光学異方性層表面には、光学異方性層のバインダーと共有結合を形成しない含フッ素化合物を含有し、ハードコート層が形成された側の光学フィルム表面には、含フッ素又はシリコーン系の化合物が共有結合により固定されてなり、
更に、ハードコート層が形成された側の表面物性が以下の条件を満たすことを特徴とする光学フィルム。
(1) Ra 0.05〜0.25μm
(2) Rz 0.4〜3.0μm
(3) Sm 40〜200μm
(4) 表面ヘイズ 0.1〜15
(5) 内部ヘイズ 0〜28
(6) 全ヘイズ 0.1〜30
ここで、Ra、Rz及びSmは、それぞれ表面の算術平均粗さ、十点平均粗さ及び凹凸の平均間隔を表す。
[2]
光学異方性層の表面自由エネルギー(Elc)が21〜30mN/mであり、
ハードコート層側表面の表面自由エネルギー(Ehc)が14〜24mN/mである[1]の光学フィルム。
[3]
Ehc−Elc≦0であることを特徴とする[2]に記載の光学フィルム。
[4]
ハードコート層側表面に、ハードコート層とは別の機能層が形成されていることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載の光学フィルム。
[5]
ハードコート層が形成された側の表面物性が更に以下の条件を満たすことを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載の光学フィルム。
(4) 表面ヘイズ 0.1〜10
(5) 内部ヘイズ 0〜10
(6) 全ヘイズ 0.1〜15
[6]
ハードコート層が形成された側の表面物性が更に以下の条件を満たすことを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載の光学フィルム。
(4) 表面ヘイズ 0.1〜8
(5) 内部ヘイズ 0〜5
(6) 全ヘイズ 0.1〜10
[7]
ハードコート層中に、バインダーと透光性粒子を含有し、透光性粒子のサイズが1〜12μmであり、バインダーと透光性粒子の屈折率差の絶対値が0.05未満であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか1項に記載の光学フィルム。
[8]
ハードコート層中に、バインダーと透光性粒子を含有し、透光性粒子のサイズが3〜12μmであり、バインダーと透光性粒子の屈折率差の絶対値が0.001〜0.020であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか1項に記載の光学フィルム。
[9]光学フィルムがロール状に巻き取られていることを特徴とする[1]〜[8]のいずれか1項に記載の光学フィルム。
[10]
光学フィルムの550nmにおける面内レターデーションReが80〜200nmであり、下記式で表される550nmにおけるNz値が0.1〜0.9である[1]〜[9]のいずれか1項に記載の光学フィルム。
ここで、Nz値=0.5+Rth/Re(Rth:厚み方向のレターデーション)である。
[11]
[1]〜[10]のいずれか1項に記載の光学フィルムを保護膜として使用した偏光板。
[12]
[1]〜[10]のいずれか1項に記載の光学フィルム、又は[11]に記載の偏光板を少なくとも1つ含む画像表示装置。
本発明の光学フィルムの光学特性は、特に規定されるものではないが、550nmにおける面内レターデーションReが5〜300nmが好ましく、更に好ましくは10〜250nmであり、最も好ましくは80〜200nmである。また、以下に定義されるNz値が0〜2.0であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜1.6であり、最も好ましくは0.1〜0.9である(ここでNz値=0.5+Rth/Reで表され、Rthは厚み方向のレターデーションである。これら光学特性の測定方法は後述する)。特にλ/4板を想定した時には、Reが80〜200nmでNz値が0.1〜0.9が好ましく、更に好ましくはReが100〜150nmでNz値が0.1〜0.9である。
本発明の光学フィルムは、
透明支持体の一方の側に液晶性化合物を含有する光学異方性層が積層され、もう一方の側にハードコート層が積層されてなる光学フィルムにおいて、
光学異方性層表面には、光学異方性層のバインダーと共有結合を形成しない含フッ素化合物を含有し、ハードコート層が形成された側の光学フィルム表面には、含フッ素又はシリコーン系の化合物が共有結合により固定されてなり、
更に、ハードコート層が形成された側の表面特性が以下の条件を満たすことを特徴とする光学フィルムである。
(1)Ra 0.05〜0.25μm
(2)Rz 0.4〜3.0μm
(3)Sm 40〜200μm
(4)表面ヘイズ 0.1〜15
(5)内部ヘイズ 0〜28
(6)全ヘイズ 0.1〜30
本発明において、ハードコート層側の表面特性は、Raは0.05〜0.25μmであり、好ましくは0.08〜0.20μmであり、更に好ましくは0.08〜0.15μmである。Rzは0.4〜3.0μmであり、好ましくは0.5〜3.0μmであり、より好ましくは0.8〜2.5μmであり、更に好ましくは0.8〜1.5μmである。Smは40〜200μmであり、好ましくは40〜150μm、最も好ましくは50〜110μmである。また、表面ヘイズは、0.1〜15であり、好ましくは0.1〜10であり、最も好ましくは0.1〜8である。内部ヘイズは、0〜28であり、好ましくは0〜10、最も好ましくは0〜5である。全ヘイズは、0.1〜30であり、好ましくは0.1〜15であり、最も好ましくは0.1〜10である。
ここで、上記Ra(粗さ曲線の算術平均粗さ)、Rz(粗さ曲線の十点平均粗さ),Sm(粗さ曲線の凹凸の間隔)はJIS B 0601:1998に準拠して測定することができる。また、本発明のフィルムのヘイズはJIS−K7105に規定されたヘイズ値のことであり、JIS−K7361−1で規定された測定法に基づき測定できる。表面ヘイズと内部ヘイズについては、以下の測定により、算出することができる。
1.JIS−K7136に準じて得られたフィルムのヘイズ値(H)を測定する。この値を全ヘイズとする。
2.得られたフィルムのハードコート層側の表面及び裏面にシリコーンオイルを数滴添加し、厚さ1mmのガラス板(ミクロスライドガラス品番S 9111、MATSUNAMI製)を2枚用いて裏表より挟んで、完全に2枚のガラス板と得られたフィルムを光学的に密着し、表面ヘイズを除去した状態でヘイズを測定し、別途測定したガラス板2枚の間にシリコーンオイルのみを挟みこんで測定したヘイズを引いた値をフィルムの内部ヘイズ(Hi)として算出した。
3.上記1で測定した全ヘイズ(H)から上記2で算出した内部ヘイズ(Hi)を引いた値をフィルムの表面ヘイズ(Hs)として算出した。
ハードコート層側の表面エネルギー(Ehc)は14〜24mN/mが好ましく、更に好ましくは14〜22mN/mであり、最も好ましくは14〜20mN/mである。また、液晶性化合物を含有する光学異方性層の表面自由エネルギー(Elc)は、21〜30mN/mが好ましく、更に好ましくは22〜30である。また、Ehc−Elc≦0であることが好ましい。この範囲にすることで、光学フィルムをロール状態で保存したときに、互いの表面の化合物が転写することなくロール状態でのムラの発生を効果的に抑制することができる。
[ハードコート層]
本発明において、ハードコート層とは、該層を形成することで透明支持体の鉛筆硬度が上昇する層をいう。実用的には、ハードコート層積層後の鉛筆硬度(JIS K5400)はH以上が好ましく、更に好ましくは2H以上であり、最も好ましくは3H以上である。ハードコート層の厚みは、0.4〜35μmが好ましく、更に好ましくは1〜30μmであり、最も好ましくは1.5〜20μmである。
本発明の光学フィルムにおいて、ハードコート層が形成された側の表面には、含フッ素又はシリコーン系の化合物が共有結合により固定されてなり、更に、ハードコート層が形成された側の表面特性が以下の条件を満たすことを特徴とする。
(1) Ra 0.05〜0.25μm
(2) Rz 0.4〜3.0μm
(3) Sm 40〜200μm
(4) 表面ヘイズ 0.1〜15
(5) 内部ヘイズ 0〜28
(6) 全ヘイズ 0.1〜30
本発明のハードコート層形成用組成物には不飽和二重結合を有する化合物を含有することができる。不飽和二重結合を有する化合物はバインダーとして機能することができ、重合性不飽和基を2つ以上有する多官能モノマーであることが好ましい。該重合性不飽和基を2つ以上有する多官能モノマーは、硬化剤として機能することができ、塗膜の強度や耐擦傷性を向上させることが可能となる。重合性不飽和基は3つ以上であることがより好ましい。これらモノマーは、1又は2官能のモノマーと3官能以上のモノマーを併用して用いることもできる。
本発明のハードコート層には、ハードコート層表面に微細な凹凸を形成させるため、以下の透光性粒子を用いることが好ましい。
また、本発明においては、透光性粒子と、ハードコート層のバインダーとの屈折率の差(「透光性粒子の屈折率」−「該透光性粒子を除くハードコート層の屈折率」)は、絶対値として、好ましくは0.05未満であり、より好ましくは0.001〜0.030、更に好ましくは0.001〜0.020である。ハードコート層中の透光性粒子とバインダーとの屈折率の差を0.05未満にすると、透光性粒子による光の屈折角度が小さくなり、散乱光が広角まで広がらず、光学異方性層の透過光の偏光を解消するなどの悪化作用が無く好ましい。
好ましい第1の態様としては、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを主成分としたバインダー(硬化後の屈折率が1.50〜1.53)とアクリル含率50〜100質量パーセントである架橋ポリ(メタ)アクリレート/スチレン重合体からなる透光性粒子を組み合わせて用いることが好ましい。低屈折率であるアクリル成分と高屈折率であるスチレン成分の組成比を調節することで、透光性粒子とバインダーとの屈折率差を0.05未満にすることが容易である。アクリル成分とスチレン成分の比率は質量比で50/50〜100/0が好ましく、更に好ましくは60/40〜100/0であり、最も好ましくは65/35〜90/10である。架橋ポリ(メタ)アクリレート/スチレン重合体からなる透光性粒子の屈折率としては、1.49〜1.55が好ましく、更に好ましくは1.50〜1.54であり、最も好ましくは1.51〜1.53である。
好ましい第2の態様としては、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを主成分としたバインダーに対して、1〜100nmの平均粒子サイズの無機微粒子を併用することで、モノマーと無機微粒子からなるバインダーの屈折率を調節し、既存の透光性粒子との屈折率差を調節するものである。無機粒子としては、珪素、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンのうちより選ばれる少なくとも一つの金属の酸化物、具体例としては、SiO2、ZrO2、TiO2、Al2O3、In2O3、ZnO、SnO2、Sb2O3、ITO等が挙げられる。好ましくは、SiO2、ZrO2、Al2O3などが挙げられる。これら無機粒子は、モノマーの総量に対して1〜90質量%の範囲で混合して用いることができ、好ましくは5〜65質量%である。
ここで、該透光性粒子を除くハードコート層の屈折率は、アッベ屈折計で直接測定するか、分光反射スペクトルや分光エリプソメトリーを測定するなどして定量評価できる。前記透光性粒子の屈折率は、屈折率の異なる2種類の溶媒の混合比を変化させて屈折率を変化させた溶媒中に透光性粒子を等量分散して濁度を測定し、濁度が極小になった時の溶媒の屈折率をアッベ屈折計で測定することで測定される。
また、透光性粒子の粒子サイズ(球相当直径D)とハードコート層の膜厚dとの関係は、D/dの値として、20〜120%が好ましく、30〜80%が特に好ましい。この範囲にすることで、必要な表面凹凸形状を達成することができる。
本発明に係る透光性粒子の製造法は、懸濁重合法、乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、分散重合法、シード重合法等を挙げることができ、いずれの方法で製造されてもよい。これらの製造法は、例えば「高分子合成の実験法」(大津隆行、木下雅悦共著、化学同人社)130頁及び146頁から147頁の記載、「合成高分子」1巻、p.246〜290、同3巻、p.1〜108等に記載の方法、及び特許第2543503号明細書、同第3508304号明細書、同第2746275号明細書、同第3521560号明細書、同第3580320号明細書、特開平10−1561号公報、特開平7−2908号公報、特開平5−297506号公報、特開2002−145919号公報等に記載の方法を参考にすることができる。
分級には風力分級法、遠心分級法、沈降分級法、濾過分級法、静電分級法等の方法を用いることが好ましい。
次に、本発明のハードコート層形成用組成物に含有される光重合開始剤について説明する。
光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。光重合開始剤の具体例、及び好ましい態様、市販品などは、特開2009−098658号公報の段落[0133]〜[0151]に記載されており、本発明においても同様に好適に用いることができる。
本発明のハードコート層形成用組成物は、溶剤を含有することができる。溶剤としては、モノマーの溶解性、透光性粒子の分散性、塗工時の乾燥性等を考慮し、各種溶剤を用いることができる。係る有機溶剤としては、例えばジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール、炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジエチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン、2−メトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1,2−ジアセトキシアセトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられ、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の光学フィルムのハードコート層側の最表層には、フッ素又はシリコーン系化合物が共有結合により固定されている。分子内に重合性不飽和基を有するこれら化合物を、重合性不飽和基を有する化合物とともに硬化することで固定できる。
本発明の光学フィルムのハードコート層側表面は、ハードコート層が最表面になる構成も取り得るが、別の機能層を設けることもできる。ハードコート層が最表面層の場合には、該層にこれら化合物を添加する必要がある。以下にフッ素又はシリコーン系化合物について説明する。
本発明における重合性不飽和基を有する含フッ素化合物(以下、「含フッ素硬化剤」ともいう)について説明する。
本発明の含フッ素硬化剤は下記一般式(F)で表される構造を含むフッ素系化合物であることが好ましい。
一般式(F): (Rf)−[(W)−(RA)n]m
(式中、Rfは(パー)フルオロアルキル基又は(パー)フルオロポリエーテル基、Wは連結基、RAは重合性不飽和基を表す。nは1〜3の整数を表す。mは1〜3の整数を表す。)
(1)有機溶剤への溶解性、不飽和二重結合を有する化合物等との相溶性が高まるため、含フッ素硬化剤が凝集体を形成することなく、均一に表面に局在化できるようになると考えられる。また、凝集体による欠陥の発生を防ぐことができる。
(2)含フッ素硬化剤が表面に局在化しても、含フッ素硬化剤同士、或いは不飽和二重結合を有する化合物と光重合反応により共有結合を形成できるため、ロール形態で光学フィルムを保管した場合でも、接触する光学異方性層側にこれら化合物が転写することがない。
(3)ロール形態で光学フィルムを保管した場合でも、ハードコート層側表面の表面自由エネルギーが低く、接触する光学異方性層側のバインダーと共有結合を形成していない含フッ素化合物がハードコート層側の表面へ転写するのが妨げられる。
重合性不飽和基の具体例としては以下のものが好ましい。
ここで、(パー)フルオロアルキル基は、フルオロアルキル基及びパーフルオロアルキル基のうち少なくとも1種を表し、(パー)フルオロポリエーテル基は、フルオロポリエーテル基及びパーフルオロポリエーテル基のうち少なくとも1種を表す。防汚性の観点では、Rf中のフッ素含有率は高いほうが好ましい。
(パー)フルオロアルキル基は、直鎖(例えば−CF2CF3、−CH2(CF2)4H、−CH2(CF2)8CF3、−CH2CH2(CF2)4H等)であっても、分岐構造(例えばCH(CF3)2、CH2CF(CF3)2、CH(CH3)CF2CF3、CH(CH3)(CF2)5CF2H等)であっても、脂環式構造(好ましくは5員環又は6員環、例えばパーフルオロシクロへキシル基、パーフルオロシクロペンチル基又はこれらで置換されたアルキル基等)であっても良い。
p及びqの総計は1〜83が好ましく、1〜43が更に好ましく、5〜23が最も好ましい。
本発明の含フッ素硬化剤は、光学フィルムの裏面からの転写防止能に優れるという観点から−(CF2O)p−(CF2CF2O)q−で表されるパーフルオロポリエーテル基を有することが特に好ましい。
上記p及びqはそれぞれ独立に0〜20の整数を表す。ただしp+qは1以上の整数である。
Wとして、好ましくは、エチレン基、より好ましくは、カルボニルイミノ基と結合したエチレン基である。
Rf2(CF2CF2)pR’2CH2CH2R2OCOCR1=CH2
F(CF2)q−CH2−CHX−CH2Y
(式中、qは1〜20の整数、X及びYはそれぞれ独立に(メタ)アクリロイルオキシ基又は水酸基のいずれかであり、少なくとも一方は(メタ)アクリロイルオキシ基である。)
F(CF2)rO(CF2CF2O)sCF2CH2OCOCR3=CH2
(式中R3は水素原子又はメチル基であり、sは1〜20の整数であり、rは1〜4の整数を表す。)
F(CF2)rO(CF2CF2O)sCF2CH2OH
(一般式(FG−3)中、sは1〜20の整数の整数であり、rは1〜4の整数を表す。)
これらは市場で入手でき、その具体例としては例えば、1H,1H−ペルフルオロ−3,6−ジオキサヘプタン−1−オール(商品名「C5GOL」、エクスフロアー社製)、1H,1H−ペルフルオロ−3,6,9−トリオキサデカン−1−オール(商品名「C7GOL」、エクスフロアー社製)、1H,1H−ペルフルオロ−3,6−ジオキサデカン−1−オール(商品名「C8GOL」、エクスフロアー社製)、1H,1H−ペルフルオロ−3,6,9−トリオキサトリデカン−1−オール(商品名「C10GOL」、エクスフロアー社製)、1H,1H−ペルフルオロ−3,6,9,12−テトラオキサヘキサデカン−1−オール(商品名「C12GOL」、エクスフロアー社製)等が挙げられる。
本発明においては、1H,1H−ペルフルオロ−3,6,9,12−テトラオキサトリデカン−1−オールを用いることが好ましい。
(b−2):F9C4OC2F4OC2F4OCF2CH2OCOC(CH3)=CH2
Rf3−[(O)c(O=C)b(CX4X5)a−CX3=CX1X2]
(式中、X1及びX2は各々独立に、H又はFを表し、X3はH、F、CH3又はCF3を表し、X4及びX5は各々独立に、H、F、又はCF3を表し、a、b、及びcは各々独立に0又は1を表し、Rf3は炭素数18〜200のエーテル結合を含む含フッ素アルキル基を表し、Rf3基中に、一般式(FG−3)’:
−(CX6 2CF2CF2O)−
(式中、X6はF又はH)で示される繰り返し単位を6個以上有する。)
(c−1) Rf3−[(O)(O=C)b−CX3=CX1X2]
(c−2) Rf3−[(O)(O=C)−CX3=CX1X2]
(c−3) Rf3−[(O)c(O=C)−CF=CH2]
などを挙げることができ、上記含フッ素ポリエーテル化合物の重合性不飽和基としては、以下の構造を含むものを好ましく用いることができる。(c−1)〜(c−3)における各記号の定義は一般式(F−3)’と同義である。
また更に詳しくは、含フッ素ポリエーテル鎖の繰り返し単位が6個以上のものを含んでいる混合物でもよいが、混合物の形で使用する場合、前記繰り返し単位が6個未満の含フッ素不飽和化合物と6個以上の含フッ素不飽和化合物との分布においてポリエーテル鎖の繰り返し単位が6個以上の含フッ素不飽和化合物の存在比率が最も高い混合物とするのが好ましい。
一般式(FG−3)’の含フッ素ポリエーテル鎖の繰り返し単位は6個以上であることが好ましく、10個以上がより好ましく、18個以上が更に好ましく、20個以上が特に好ましい。それによって、撥水性だけでなく、防汚性、特に油成分を含む汚れに対する除去性を改善できる。また、気体透過性もより一層効果的に付与できる。また、含フッ素ポリエーテル鎖はRf3基の末端にあっても、鎖中の途中に存在していても良い。
一般式(c−4):
R4−(CX6 2CF2CF2O)t−(R5)e−
(式中、X6は式(FG−3)’と同じ、R4は水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基、含フッ素アルキル基、エーテル結合を含むアルキル基及びエーテル結合を含む含フッ素アルキル基から選ばれる少なくとも1種、R5は二価以上の有機基、tは6〜66の整数、eは0又は1を表す。)の構造であることが好ましい。
つまり、二価以上の有機基R5を介して、反応性の炭素−炭素二重結合と結合し、更に末端にR4を有する含フッ素有機基である。
R5は一般式(FG−3)’の含フッ素ポリエーテル鎖を反応性の炭素−炭素二重結合に結合させることができる有機基であれば、如何なるものでもよい。例えば、アルキレン基、含フッ素アルキレン基、エーテル結合を含むアルキレン基及びエーテル結合を含む含フッ素アルキレン基から選ばれる。中でも含フッ素アルキレン基、エーテル結合を含む含フッ素アルキレン基であることが、透明性、低屈折率性の面で好ましい。
(一般式(F−4)中、Rf1は(パー)フルオロアルキル基又は(パー)フルオロポリエーテル基、Wは連結基、RAは不飽和二重結合を有する官能基を表す。nは1〜3、mは1〜3の整数を表し、nとmは同時に1であることはない。)
撥水撥油性に優れると共に撥水撥油性の持続(防汚耐久性)に優れるという観点からnが2〜3、mが1〜3であることが好ましく、nが2〜3、mが2〜3であることがより好ましく、nが3、mが2〜3であることが最も好ましい。
一般式(F−4)で表される化合物の好ましい具体例や合成方法は国際公開第2005/113690号に記載されている。
(d−2):HFPO−CONH−C−(CH2OCOCH=CH2)2H
(d−3):HFPO−CONH−C3H6NHCH3とトリメチロールプロパントリアクリレートの1:1マイケル付加重合物
(d−4):(CH2=CHCOOCH2)2H−C−CONH−HFPO−CONH−C−(CH2OCOCH=CH2)2H
(d−5):(CH2=CHCOOCH2)3−C−CONH−HFPO−CONH−C−(CH2OCOCH=CH2)3
CH2=CX1−COO−CHY−CH2−OCO−CX2=CH2
(式中X1及びX2は、各々独立に、水素原子又はメチル基を示し、Yは、フッ素原子を3以上有する炭素数2〜20のフルオロアルキル基又はフッ素原子を4個以上有する炭素数4〜20のフルオロシクロアルキル基を示す。)
含フッ素硬化剤は、更にハードコート層側最表層皮膜中での結合形成あるいは相溶性に寄与する置換基を有していることが好ましい。該置換基は同一であっても異なっていても良く、複数個あることが好ましい。好ましい置換基の例としてはアクリロイル基、メタアクリロイル基、ビニル基、アリル基、シンナモイル基、エポキシ基、オキセタニル基、水酸基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基、アミノ基などが挙げられる。
含フッ素硬化剤はフッ素原子を含まない化合物とのポリマーであってもオリゴマーであってもよい。
RaRf bRA cSiO(4−a−b−c)/2
(式中、Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はフェニル基であり、Rfはフッ素原子を含有する有機基であり、RAは重合性不飽和基を含有する有機基であり、0<a、0<b、0<c、a+b+c<4である。)
RfSiRk〔OSiRm(ORA)3−m〕3−k
(式中、R、Rf、RAは上記と同様であり、m=0,1又は2、特にm=2であり、k=0又は1である。)
(RfRSiO)(RARSiO)n
(式中、R、Rf、RAは上記と同様であり、n≧2、特に3≦n≦5である。)
重合性不飽和基を有する含フッ素硬化剤の重量平均分子量(Mw)は、分子排斥クロマトグラフィー、例えばゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)などを用いて測定できる。本発明で用いる含フッ素硬化剤のMwは400以上5000未満が好ましく、1000以上5000未満がより好ましく、1000以上3500未満が更に好ましい。Mwが400以上であると、含フッ素硬化剤の表面移行性が高くなるため好ましい。また、Mwが5000未満であると、塗布から硬化する工程の間に、含フッ素硬化剤の表面移行性が妨げられず、ハードコート層表面に均一に配向しやすいため、裏面からの転写防止性及び膜硬度が向上するため好ましい。
ただし、含フッ素化合物がシロキサン構造を含有する場合、Mwは15000未満であり、好ましくは1000以上5000未満であり、より好ましくは1000以上3500未満である。
ハードコート層内における含フッ素硬化剤の膜厚方向の分布状態は、Xをハードコート層の表面近傍におけるフッ素量、Yをハードコート層全体でのフッ素量としたとき、51%<X/Y<100%を満たすことが好ましい。X/Yが51%より大きい場合、含フッ素硬化剤が膜内部まで分布しておらず、耐擦傷性の点で好ましい。なお、表面近傍とは、ハードコート層の表面から1μm未満の深さの領域を指し、飛行時間二次イオン質量分析(TOF−SIMS)で測定したF−フラグメントの比率で測定することができる。
重合性不飽和基を有する含フッ素硬化剤の添加量は、ハードコート層形成用組成物中の全固形分に対して1〜20質量%であることが好ましく、1〜15質量%がより好ましく、1〜10質量%が更に好ましい。添加量が1質量%以上であると、撥水撥油性を有する含フッ素硬化剤の割合が適度になり、十分な裏面からの転写防止性が得られる。また、添加量が20質量%以下であると、バインダー成分と混合できない含フッ素硬化剤が表面に析出することがなく、膜が白化したり表面に白粉を生じることがないため好ましい。
本発明に係るシリコーン系化合物は、重合性不飽和基を有する重量平均分子量が3000以上のポリシロキサン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(以下、「ポリシロキサン硬化剤」ともいう)である。ポリシロキサン硬化剤の好ましい例としてはジメチルシリルオキシ単位を繰り返し単位として複数個含む化合物鎖の末端及び/又は側鎖に置換基を有するものが挙げられる。ジメチルシリルオキシを繰り返し単位として含む化合物鎖中にはジメチルシリルオキシ以外の構造単位を含んでもよい。置換基は同一であっても異なっていても良く、複数個あることが好ましい。好ましい置換基の例としては(メタ)アクリロイル基、(メタアクリロイルオキシ)基、ビニル基、アリール基、シンナモイル基、エポキシ基、オキセタニル基、水酸基、フルオロアルキル基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基、アミノ基などを含む基が挙げられ、特に(メタ)アクリロイルオキシ基が含フッ素硬化剤のブリードアウトを抑止する観点で好ましい。また置換基数としては、官能基等量として1500〜20000g・mol−1が硬化剤の偏在性向上とブリードアウト抑止の観点で好ましい。
ポリシロキサン構造を有する添加剤としては、反応性基含有ポリシロキサン{例えば“KF−100T”,“X−22−169AS”,“KF−102”,“X−22−3701IE”,“X−22−164C”,“X−22−5002”,“X−22−173B”,“X−22−174D”,“X−22−167B”,“X−22−161AS”(商品名)、以上、信越化学工業(株)製;“AK−5”,“AK−30”,“AK−32”(商品名)、以上東亜合成(株)製;、「サイラプレーンFM0725」,「サイラプレーンFM0721」(商品名)、以上チッソ(株)製;、“DMS−U22”、“RMS−033”、“UMS−182”(商品名)、以上Gelest製等}を添加するのも好ましい。
ポリシロキサン硬化剤の重量平均分子量は、3000以上であり、好ましくは5000以上100000以下であり、より好ましくは、5000以上50000以下である。ポリシロキサン硬化剤の重量平均分子量が3000未満であると、ポリシロキサンの表面偏在性が低減することにより、転写防止能の悪化並びに硬度の低下を招く観点から好ましくない。
ポリシロキサン硬化剤の重量平均分子量は、分子排斥クロマトグラフィー、例えばゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)などを用いて測定できる。
ポリシロキサン硬化剤の添加量は、ハードコート層形成用組成物中の全固形分に対して1質量%以上25質量%未満であることが好ましく、1質量%以上20質量%未満がより好ましく、1質量%以上15質量%未満が更に好ましく、1質量%以上10質量%未満が最も好ましい。添加量が1質量%以上であると、撥水撥油性を有するポリシロキサン硬化剤の割合が適度になり、十分な防汚性が得られる。また、添加量が25質量%未満であると、バインダー成分と混合できないポリシロキサン硬化剤が表面に析出することがなく、膜が白化したり表面に白粉を生じることがないため好ましい。
前記含フッ素又はシリコーン系化合物が固定されたハードコート層側最表面の表面自由エネルギーは、裏面からの転写防止性の観点から、表面張力が24.0mN/m以下であることが好ましく、22.0mN/m以下であることがより好ましく、14.0mN/m以上20.0mN/m以下であることが更に好ましい。
表面自由エネルギー(γsv:単位、mN/m)はD.K.Owens:J.Appl.Polym.Sci.,13,1741(1969)から求めることができ、特開2010−152311号公報[0297]段落に記載の方法で測定することができる。
本発明の光学フィルムは、透明支持体上にハードコート層を有し、更に目的に応じて、必要な機能層を単独又は複数層設けてもよい。例えば、反射防止層(低屈折率層、中屈折率層、高屈折率層など屈折率を調整した層)、防眩層、帯電防止層、紫外線吸収層、防汚層などを設けることができる。ハードコート層が、防眩性、帯電防止性、紫外線吸収性を有していてもよい。
光学異方性層/透明支持体/ハードコート層
光学異方性層/透明支持体/ハードコート層/オーバーコート層
光学異方性層/透明支持体/ハードコート層/低屈折率層
光学異方性層/透明支持体/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層
光学異方性層/透明支持体/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
光学異方性層/透明支持体/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層/防汚層
これら各機能層に用いることのできる材料及び詳細な層構成については、特開2010−152311号公報の段落番号0018〜0167、段落番号0170〜0183、段落番号0187〜0243に記載されているものを使用できる。
本発明では、低屈折率化、耐擦傷性改良の観点から、低屈折率層に無機微粒子を用いる。該無機微粒子は、平均粒子サイズが5〜120nmであれば特に制限はないが、低屈折率化の観点からは、無機の低屈折率粒子が好ましい。
低屈折率化を図るには、多孔質又は中空構造の微粒子を使用することが好ましい。特に中空構造のシリカ粒子を用いることが好ましい。これら粒子の空隙率は、好ましくは10〜80%、更に好ましくは20〜60%、最も好ましくは30〜60%である。中空微粒子の空隙率を上述の範囲にすることが、低屈折率化と粒子の耐久性維持の観点で好ましい。
ましくは30〜120m2/g、最も好ましくは40〜90m2/gである。表面積は窒素を用いBET法で求めることができる。
また、本発明においては無機微粒子は常法によりシランカップリング剤等により表面処理して用いることができる。
特に、低屈折率層形成用バインダーへの分散性を改良するために、無機微粒子の表面はオルガノシラン化合物の加水分解物及び/又はその部分縮合物により処理がされているのが好ましく、処理の際に、酸触媒及び金属キレート化合物のいずれか、あるいは両者が使用されることが更に好ましい。
無機微粒子の表面の処理方法については、特開2008−242314号公報の段落番号[0046]〜[0076]に記載されており、該文献に記載されたオルガノシラン化合物、シロキサン化合物、表面処理の溶媒、表面処理の触媒、金属キレート化合物などは本発明においても好適に用いることができる。
一般式(1): Rf2{−(L)m−Y}n
(一般式(1)中、Rf2は少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含むn価の基を表し、nは3以上の整数を表す。Lは単結合又は二価の連結基を表し、mは0又は1を表す。Yは重合性不飽和基を表す。)
Rf2は酸素原子及び水素原子の少なくともいずれかを含んでも良い。また、Rf2
は鎖状(直鎖又は分岐)又は環状である。
一般式(1)で表される化合物の具体例は、特開2010−152311号公報[0121]〜[0163]段落に記載されている。
本発明の光学フィルムに係るハードコート層は以下の方法で形成することができる。
まずハードコート層形成用組成物が調製される。次に、該組成物をディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ダイコート法等により透明支持体上に塗布し、加熱・乾燥する。マイクログラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ダイコート法(米国特許2681294号明細書、特開2006−122889号公報参照)がより好ましく、ダイコート法が特に好ましい。
本発明の光学フィルムは、透明支持体の片面に液晶性化合物を含有する光学異方性層が塗布され、別の面にハードコート層が塗布されている光学フィルムであり、両層を塗設する順番は特に限定されるものではない。
また、ハードコート層の塗布組成物を基材フィルム上に塗布した後、乾燥ゾーン内で基材フィルムの塗布面とは反対の面に接触する搬送ロールと基材フィルムとの温度差が0℃〜20℃以内とすると、搬送ロール上での伝熱ムラによる乾燥ムラが防止でき、好ましい。
[透明支持体の材質]
本発明の透明支持体を形成する材料としては、光学性能透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れるポリマーが好ましい。本発明でいう透明とは、可視光の透過率が60%以上であることを示し、好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。例えば、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、又は前記ポリマーを混合したポリマーも例としてあげられる。また本発明の高分子フィルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の紫外線硬化型、熱硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
次に上述のセルロースを原料に製造される本発明のセルロースアシレートについて記載する。本発明のセルロースアシレートはセルロースの水酸基がアシル化されたもので、その置換基はアシル基の炭素原子数が2のアセチル基から炭素原子数が22のものまでいずれも用いることができる。本発明のセルロースアシレートにおいて、セルロースの水酸基への置換度については特に限定されないが、セルロースの水酸基に置換する酢酸及び/又は炭素原子数3〜22の脂肪酸の結合度を測定し、計算によって置換度を得ることができる。測定方法としては、ASTMのD−817−91に準じて実施することが出来る。
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度で180〜700であり、セルロースアセテートにおいては、180〜550がより好ましく、180〜400が更に好ましく、180〜350が特に好ましい。
本発明のセルロースアシレートには、種々の添加剤(例えば、光学的異方性調整剤、波長分散調整剤、微粒子、可塑剤、紫外線防止剤、劣化防止剤、剥離剤、など)を加えることができ、これらについて以下に説明する。またその添加する時期はドープ作製工程(セルロースアシレート溶液の作製工程)における何れでも良いが、ドープ作製工程の最後に添加剤を添加し調製する工程を行ってもよい。セルロースアシレートフィルムの光学的異方性を低下させる化合物の具体例としては、たとえば特開2006−199855号公報の[0035]から[0058]記載の化合物が挙げられるが、本発明はこれら化合物に限定されない。
(UV吸収剤)
本発明の光学フィルムは、ディスプレイの視認側に用いられることが多いため、透明支持体にはUV吸収剤(紫外線吸収剤)を含有することが望ましい。セルロースアシレートフィルムのUV吸収剤の具体例としては、たとえば特開2006−199855号公報の[0059]から[0135]記載の化合物が挙げられる。
本発明のセルロースアシレートフィルムには、マット剤として微粒子を加えることが好ましい。本発明に使用される微粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子はケイ素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。二酸化珪素の微粒子は、1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上であるものが好ましい。1次粒子の平均径が5〜16nmと小さいものがフィルムのヘイズを下げることができより好ましい。見かけ比重は90〜200g/リットル以上が好ましく、100〜200g/リットル以上が更に好ましい。見かけ比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
光学的に異方性を低下する化合物、UV吸収剤の他に、本発明のセルロースアシレートフィルムには、前述のように、用途に応じた種々の添加剤(例えば、可塑剤、劣化防止剤、剥離剤、赤外吸収剤、など)を加えることができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。これらの素材の詳細は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて16頁〜22頁に詳細に記載されている。
本発明の透明支持体は、幅広で薄膜であっても、ロール状態でハンドリングした際にブラックバンドの発生やフィルムの変形を抑制するために、透明支持体のフィルム端部にナーリング部を有することが好ましい。本発明のナーリング部とは、透明長尺支持体の幅方向の端部に凹凸を付与して端部を嵩高くしたものであり、両端部に設けることが好ましい。ナーリング部として凹凸を付与する方法としては、フィルムに加熱されたエンボスロールを押し当てることにより形成することが出来る。エンボスロールには細かな凹凸が形成されており、これを押し当てることでフィルムに凹凸を形成し、端部を嵩高くすることが出来る。本発明に係るナーリング部の高さは、フィルム表面からエンボス凸部までの高さを言う。ナーリングは、透明支持体の表裏の両面に設けることもでき、片面に3以上設けることもできる。ナーリング部の高さは、光学異方性層及びハードコート層を含む光学機能層全体の膜厚よりも1μm以上高くすることが好ましく、1本のナーリング部の幅は、5mm〜30mmの範囲であることが好ましい。フィルムの表裏の両面にナーリング部を設ける場合は、ナーリング部の高さの和が少なくとも1μm以上高くなればよい。1μm以上にすることで、ブラックバンドの発生やフィルムの変形を抑制効果が現れる。ナーリング部の高さは好ましくは光学機能層全体の膜厚よりも2μm〜10μmの範囲で高くすることである。この範囲にすることで、ブラックバンドの発生やフィルムの変形が防止でき、巻きずれやナーリング部のふくらみによる支持体変形などの弊害も発生しない。
ナーリング部の付与については、特開平2005−99245号公報、特開平2005−219272号公報に記載されている方法を使用することができる。
本発明においては、各種用途に合わせ材料及び製造条件を選択することができるが、重合性液晶性化合物を用いたλ/4膜が一つの好ましい態様である。
まず、光学特性の測定方法について説明する。本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は、各々、波長λにおける面内のレターデーション、及び厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH、又はWR(王子計測機器(株)製)において、波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、又は測定値をプログラム等で変換して測定することができる。測定されるフィルムが、1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)が算出される。なお、この測定方法は、後述する光学異方性層中のディスコティック液晶分子の配向膜側の平均チルト角、その反対側の平均チルト角の測定においても一部利用される。
Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH、又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50°まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH、又はWRが算出する。なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値、及び入力された膜厚値を基に、以下の式(A)、及び式(III)よりRthを算出することもできる。
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d・・・式(III)
本発明の光学フィルムにおける光学異方性層の形成に用いられる液晶性化合物の種類については特に制限されない。例えば、低分子液晶性化合物を液晶状態においてネマチック配向に形成後、光架橋や熱架橋によって固定化して得られる光学異方性層や、高分子液晶性化合物を液晶状態においてネマチック配向に形成後、冷却することによって当該配向を固定化して得られる光学異方性層を用いることもできる。なお本発明では、光学異方性層に液晶性化合物が用いられる場合であっても、光学異方性層は、該液晶性化合物が重合等によって固定されて形成された層であり、層となった後はもはや液晶性を示す必要はない。重合性液晶性化合物は、多官能性重合性液晶でもよいし、単官能性重合性液晶性化合物でもよい。また、液晶性化合物は、ディスコティック液晶性化合物でもよいし、棒状液晶性化合物でもよい。
液晶性化合物の分子をハイブリッド配向させて視野角依存性が非対称である光学補償フィルムを作製する場合、液晶性化合物のダイレクターの平均傾斜角は5〜85°であることが好ましく、10〜80°であることがより好ましく、15〜75°であることが更に好ましい。
本発明では、前記光学フィルムが有する光学異方性層の形成に、ディスコティック液晶性化合物を用いるのが好ましい。ディスコティック液晶性化合物は、様々な文献(C.Destrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page 111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,page 1794(1985);J.Zhang et al.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page 2655(1994))に記載されている。ディスコティック液晶性化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載がある。
本発明では、棒状液晶性化合物を用いてもよい。棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性化合物だけではなく、高分子液晶性化合物も用いることができる。棒状液晶性化合物を重合によって配向を固定することがより好ましい。液晶性化合物には活性光線や電子線、熱などによって重合や架橋反応を起こしうる部分構造を有するものが好適に用いられる。その部分構造の個数は好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性棒状液晶性化合物としては、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、及び特開2001−328973号公報などに記載の化合物を用いることができる。
前記光学異方性層を形成する際に、液晶性化合物の分子を均一に垂直配向させるためには、配向膜界面側及び空気界面側において液晶性化合物を垂直に配向制御可能な配向制御剤を用いるのが好ましい。この目的のために、配向膜に、排除体積効果、静電気的効果又は表面エネルギー効果によって液晶性化合物を垂直に配向させる作用を及ぼす化合物を、液晶性化合物とともに含有する組成物を用いて光学異方性層を形成するのが好ましい。また、空気界面側の配向制御に関しては液晶性化合物の配向時に空気界面に偏在し、その排除体積効果、静電気的効果、又は表面エネルギー効果によって液晶性化合物を垂直に配向させる作用を及ぼす化合物を、液晶性化合物とともに含有する組成物を用いて光学異方性層を形成するのが好ましい。このような配向膜界面側で液晶性化合物の分子を垂直に配向させるのを促進する化合物(配向膜界面側垂直配向剤)としては、ピリジニウム誘導体が好適に用いられる。空気界面側で液晶性化合物の分子を垂直に配向させるのを促進する化合物(空気界面側垂直配向剤)としては、該化合物が空気界面側に偏在するのを促進する、フルオロ脂肪族基と、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上の親水性基とを含む化合物が好適に用いられる。また、これらの化合物を配合することによって、例えば、液晶性組成物を塗布液として調製した場合に、該塗布液の塗布性が改善され、ムラ、ハジキの発生が抑制される。以下に垂直配向剤に関して詳細に説明する。
本発明に使用可能な配向膜界面側垂直配向剤としては、ピリジニウム誘導体(ピリジニウム塩)が好適に用いられ、化合物の具体例としては、特開2006−113500号公報明細書中[0058]〜[0061]に記載の化合物が挙げられる。
本発明における空気界面側垂直配向剤としては、下記フッ素系ポリマー(式(II)を部分構造として含む)又は一般式(III)で表される含フッ素化合物が好適に用いられる。
(連結基群)
単結合、−O−、−CO−、−NR4−(R4は水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す)、−S−、−SO2−、−P(=O)(OR5)−(R5はアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す)、アルキレン基及びアリーレン基;
Qはカルボキシル基(−COOH)若しくはその塩、スルホ基(−SO3H)若しくはその塩、又はホスホノキシ{−OP(=O)(OH)2}若しくはその塩を表す。
(III) (R0)m−L0−(W)n
式中、R0はアルキル基、末端にCF3基を有するアルキル基、又は末端にCF2H基を有するアルキル基を表し、mは1以上の整数を表す。複数個のR0は同一でも異なっていてもよいが、少なくとも一つは末端にCF3基又はCF2H基を有するアルキル基を表す。L0は(m+n)価の連結基を表し、Wはカルボキシル基(−COOH)若しくはその塩、スルホ基(−SO3H)若しくはその塩、又はホスホノキシ{−OP(=O)(OH)2}若しくはその塩を表し、nは1以上の整数を表す。
なお、本発明に係る前記含フッ素化合物は、光学異方性層に含まれるバインダー(液晶性化合物やアクリレートモノマー等)と共有結合し得る官能基(重合性基)を有さない。
配向(好ましくは垂直配向)させた液晶性化合物は、配向状態を維持して固定する。固定化は、液晶性化合物に導入した重合性基(P)の重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
上記の液晶性化合物と共に、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー等を併用して、塗工膜の均一性、膜の強度、液晶性化合物の配向性等を向上させることができる。これらの素材は液晶性化合物と相溶性を有し、配向を阻害しないことが好ましい。
液晶性化合物のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度は、70〜300℃が好ましく、70〜170℃が更に好ましい。
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライド及びケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
塗布液の塗布は、公知の方法(例、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
本発明では、配向膜の表面に前記組成物を塗布して、液晶性化合物の分子を配向させるのが好ましい。配向膜は液晶性化合物の配向方向を規定する機能を有するため、本発明の好ましい態様を実現する上で利用するのが好ましい。しかし、液晶性化合物を配向後にその配向状態を固定してしまえば、配向膜はその役割を果たしているために、本発明の構成要素としては必ずしも必須のものではない。即ち、配向状態が固定された配向膜上の光学異方性層のみを別の透明支持体上に転写して本発明の光学フィルム用光学基材を作製することも可能である。
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で設けることができる。更に、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
配向膜は、ポリマーのラビング処理により形成することが好ましい。
架橋性官能基を有する側鎖を配向膜ポリマーの主鎖に結合させるか、あるいは、液晶性分子を配向させる機能を有する側鎖に架橋性官能基を導入すると、配向膜のポリマーと光学異方性層に含まれる多官能モノマーとを共重合させることができる。その結果、多官能モノマーと多官能モノマーとの間だけではなく、配向膜ポリマーと配向膜ポリマーとの間、そして多官能モノマーと配向膜ポリマーとの間も共有結合で強固に結合される。従って、架橋性官能基を配向膜ポリマーに導入することで、光学補償シートの強度を著しく改善することができる。
配向膜ポリマーの架橋性官能基は、多官能モノマーと同様に、重合性基を含むことが好ましい。具体的には、例えば特開2000−155216号公報明細書中段落番号[0080]〜[0100]記載のもの等が挙げられる。
本発明の偏光板は、偏光膜と該偏光膜の両面を保護する2枚の保護フィルムを有する偏光板であって、該保護フィルムの少なくとも一方が本発明の光学フィルムであることが好ましい。
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜及び染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造することができる。
また、偏光板を構成するもう一方の保護フィルムの偏光膜と反対側の面には粘着剤層を有していても良い。
本発明の光学フィルム及び偏光板は、有機EL、タッチパネル、3D表示装置、3D表示装置観察用メガネなどの用途で画像表示装置の表面に用いることができる。
[光学基材の製造1]
<透明支持体(セルロースアセテートフィルムT1)の作製>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。(セルロースアセテート溶液組成)
酢化度60.7〜61.1%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 336質量部
メタノール(第2溶媒) 29質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 11質量部
上記のセルロースアセテートフィルムT1の作製おいて、ドープAの流量を調節してフィルムの膜厚を変える以外は同様にして、セルロースアセテートフィルムT2を作製した。セルロースアセテートフィルムT2の全層の厚さは80μmであり、Reは8nm、Rthは78nmであった。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、固形分濃度22質量%のセルロースアセテート溶液(ドープC)を調製した。
(セルロースアセテート溶液組成)
酢化度60.7〜61.1%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
紫外線吸収剤(チヌビン328 チバ・ジャパン製) 0.9質量部
紫外線吸収剤(チヌビン326 チバ・ジャパン製) 0.2質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 336質量部
メタノール(第2溶媒) 29質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 11質量部
(アルカリ鹸化処理)
セルロースアシレートフィルムT1を、温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度を40℃に昇温した後に、フィルムのバンド面に下記に示す組成のアルカリ溶液を、バーコーターを用いて塗布量14ml/m2で塗布し、110℃に加熱した(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に、10秒間搬送した。続いて、同じくバーコーターを用いて、純水を3ml/m2塗布した。次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に、70℃の乾燥ゾーンに10秒間搬送して乾燥し、アルカリ鹸化処理したセルロースアシレートフィルムを作製した。
───────────────────────────────────
アルカリ溶液組成(質量部)
───────────────────────────────────
水酸化カリウム 4.7質量部
水 15.8質量部
イソプロパノール 63.7質量部
界面活性剤
SF−1:C14H29O(CH2CH2O)20H 1.0質量部
プロピレングリコール 14.8質量部
───────────────────────────────────
上記のように鹸化処理した長尺状のセルロースアセテートフィルムに、下記の組成の配向膜塗布液を#14のワイヤーバーで連続的に塗布した。60℃の温風で60秒、更に100℃の温風で120秒乾燥した。
配向膜塗布液の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド 0.5質量部
光重合開始剤(イルガキュアー2959、チバ・ジャパン製) 0.3質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
上記作製した配向膜に連続的にラビング処理を施した。このとき、長尺状のフィルムの長手方向と搬送方向は平行であり、フィルム長手方向に対して、ラビングローラーの回転軸は反時計回りに45°の方向とした。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
下記のディスコティック液晶化合物 100質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 3質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1質量部
下記のピリジニウム塩 1質量部
下記のフッ素系ポリマー(FP2) 0.4質量部
メチルエチルケトン 252質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
なお、前記フッ素系ポリマー(FP2)は前記ディスコティック液晶(光学異方性層のバインダー)とは共有結合を形成しない。
光学基材の製造1において、セルロースアセテートフィルムをT2に変更し、セルロースアセテートフィルムT2のバンド面側の表面を鹸化処理し、更に製造例1と同様に配向膜を設けた。作製した配向膜に連続的にラビング処理を施した。このとき、長尺状のフィルムの長手方向と搬送方向は平行であり、フィルム長手方向に対して、ラビングローラーの回転軸は反時計回りに45°の方向とした。
作製した光学基材F2は、550nmにおけるReが125nm、Nz値は0.9であった。遅相軸の方向はラビングローラーの回転軸と直交していた。すなわち、支持体の長手方向に対して、遅相軸は時計回りに45°の方向であった。ディスコティック液晶性分子の円盤面のフィルム面に対する平均傾斜角は90°であり、ディスコティック液晶がフィルム面に対して垂直に配向していることを確認した。光学異方性側表面の算術平均粗さRa(JIS B 0601:1998)は0.01〜0.04μmの範囲にあり、平滑性の高いものであった。
なお、下記組成中のフッ素系ポリマー(FP1及びFP3)は下記組成中のディスコティック液晶やアクリレートモノマー(光学異方性層のバインダー)とは共有結合を形成しない。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
下記のディスコティック液晶化合物 91質量部
下記アクリレートモノマー 5質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 3質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1質量部
下記のピリジニウム塩 0.5質量部
下記のフッ素系ポリマー(FP1) 0.2質量部
下記のフッ素系ポリマー(FP3) 0.1質量部
メチルエチルケトン 189質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)
光学基材の製造1において、セルロースアセテートフィルムをT3に変更した以外は光学基材F1の製造方法と同様にして光学基材F3を作製した。作製した光学基材F3は、550nmにおけるReが143nm、Nz値は0.4であった。光学異方性側表面の算術平均粗さRa(JIS B 0601:1998)は0.01〜0.04μmの範囲にあり、平滑性の高いものであった。
上記セルロースアセテートフィルムT3の作製と同様にして、セルロースアセテート溶液(ドープC)を調製し、内層用ドープとした。
下記に示す各層形成用塗布液を調製した。
(ハードコート層用塗布液HC−1の調製)
以下に示す成分を混合し、最終溶媒組成がMIBK(メチルイソブチルケトン)と MEK(メチルエチルケトン)の50:50質量%混合比となるように調整して、最終的に固形分50質量%の混合液を調製した。
PET−30(100%) 60.0g
ビスコート360(100%) 40.0g
イルガキュア127(100%) 3.0g
8μm架橋アクリル粒子(30%分散液) 11.0g
8μm架橋アクリル・スチレン粒子(30%分散液) 7.0g
CABポリマー(20%溶液) 10.0g
SP−13(2%溶液) 1.0g
・8μm架橋アクリル粒子 屈折率1.49(30質量%MIBK分散液)
・8μm架橋アクリル・スチレン粒子 屈折率1.55(30質量%MIBK分散液)
・PET−30:ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物[日本化薬(株)製]
・ビスコート360:エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート[大阪有機化学(株)製]
・CABポリマー:セルロースアセテートブチレート(20質量%溶液)[イーストマン・ケミカル(株)製531・1のMIBK溶液]
・イルガキュア127:重合開始剤[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製]
・レベリング剤(SP-13):下記フッ素ポリマーの2質量%MEK溶液
リン含有酸化錫(PTO)分散液(触媒化成工業(株)製 ELCOM JX−1001PTV及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA)を混合し、硬化後の屈折率が1.62になるよう調整した中屈折率層用塗布液を調製した。
ZrO2微粒子含有ハードコート剤(デソライトZ7404[屈折率1.72、固形分濃度:60質量%、酸化ジルコニウム微粒子含量:70質量%(対固形分)、酸化ジルコニウム微粒子の平均粒子径:約20nm、溶剤組成:メチルイソブチルケトン/メチルエチルケトン=9/1、JSR(株)製])15.7質量部に、メチルエチルケトン61.9質量部、メチルイソブチルケトン3.4質量部、シクロヘキサノン1.1質量部を添加して攪拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して高屈折率層用塗布液を調製した。
各成分を下記のように混合し、MEK/MMPG−ACの90/10混合物(質量比)に溶解して固形分5質量%の低屈折率層塗布液を調製した。
下記のパーフルオロオレフィン共重合体(P−1) 15質量部
DPHA 7質量部
RMS−033 5質量部
下記の含フッ素モノマー(M−1) 20質量部
中空シリカ粒子固形分として 50質量部
イルガキュア127 3質量部
下記のパーフルオロオレフィン共重合体(P−1) 15質量部
DPHA 7質量部
オプツールDAC 5質量部
下記の含フッ素モノマー(M−1) 20質量部
中空シリカ粒子固形分として 50質量部
イルガキュア127 3質量部
下記のパーフルオロオレフィン共重合体(P−1) 15質量部
DPHA 7質量部
一般式(F−4)の具体例(d−4) 5質量部
下記の含フッ素モノマー(M−1) 20質量部
中空シリカ粒子固形分として 50質量部
イルガキュア127 3質量部
DPHA 32質量部
RMS−033 5質量部
中空シリカ粒子固形分として 60質量部
イルガキュア127 3質量部
DPHA 67質量部
RMS−033 5質量部
MEK−ST固形分として 25質量部
イルガキュア127 3質量部
下記のパーフルオロオレフィン共重合体(P−1) 15質量部
DPHA 7質量部
下記の含フッ素モノマー(M−1) 20質量部
中空シリカ粒子固形分として 50質量部
イルガキュア127 3質量部
・RMS−033:シリコーン系多官能アクリレート(Gelest製、Mwt=28000)
・オプツールDAC:硬化性フッ素系化合物(ダイキン化学工業(株)製)
・d−4:硬化性含フッ素化合物一般式(F−4)の例示化合物(d−4)
・イルガキュア127:光重合開始剤、チバ・ジャパン(株)製
・中空シリカ:中空シリカ粒子分散液(平均粒子サイズ45nm、屈折率1.25、表面をアクリロイル基を有するシランカップリング剤で表面処理、MEK分散液濃度20%)
・MEK−ST:平均粒径12nmのシリカのMEK分散液(30%)[日産化学(株)製]
・MEK:メチルエチルケトン
・MMPG−Ac:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
各成分を下記のように混合し、MEKに溶解して固形分25質量%のオーバーコート層塗布液を調製した。
DPHA 92質量部
オプツールDAC 5質量部
イルガキュア127 3質量部
(光学フィルム試料101の作製)
上記で作製した光学基材F1をロール形態から巻き出して光学異方性層が塗設されていない側の支持体表面に、ハードコート層用塗布液HC−1を使用し、特開2006−122889号公報実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥の後、更に窒素パージ下酸素濃度約0.1%で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ巻き取った。ハードコート層の膜厚は14μmになるよう塗布量を調整した。
上記で作製した光学基材F1をロール形態から巻き出して光学異方性層が塗設されていない側の支持体表面に、ハードコート層用塗布液HC−1を使用し、特開2006−122889号公報実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥の後、更に窒素パージ下酸素濃度約0.1%で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量100mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ巻き取った。ハードコート層の膜厚は14μmになるよう塗布量を調整した。
このハードコート層の上に、低屈折率層用塗布液Ln−1を塗布した。低屈折率層の乾燥条件は60℃、60秒とし、紫外線硬化条件は酸素濃度が0.1体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600mW/cm2、照射量300mJ/cm2の照射量とした。低屈折率層の屈折率は1.34、膜厚は95nmであった。
以上のように、ハードコート層、低屈折率層がこの順で積層された光学フィルム108を作製した。
上記で作製した光学基材F1をロール形態から巻き出して光学異方性層が塗設されていない側の支持体表面に、ハードコート層用塗布液HC−4を使用し、特開2006−122889号公報実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥の後、更に窒素パージ下酸素濃度約0.1%で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量100mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ巻き取った。ハードコート層の膜厚は14μmになるよう塗布量を調整した。このハードコート層の上に、上記オーバーコート層用塗布液OC−1を塗布した。60℃で150秒乾燥の後、更に窒素パージ下酸素濃度約0.1%で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ巻き取った。オーバーコート層の膜厚は1μmになるよう塗布量を調整した。オーバーコート層の屈折率は1.51であった。
上記で作製した光学基材F1をロール形態から巻き出して光学異方性層が塗設されていない側の支持体表面に、ハードコート層用塗布液HC−2を使用し、特開2006−122889号公報実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥の後、更に窒素パージ下酸素濃度約0.1%で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量100mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ巻き取った。ハードコート層の膜厚は11μmになるよう塗布量を調整した。
このハードコート層の上に、上記中屈折率層用塗布液Mn−1を塗布した。乾燥条件は90℃、30秒とし、紫外線硬化条件は酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら180W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度300mW/cm2、照射量240mJ/cm2の照射量とした。中屈折率層の屈折率は1.62、膜厚は60nmであった。
続いて、形成した中屈折率層の上に、上記高屈折率層用塗布液Hn−1を塗布した。乾燥条件は90℃、30秒とし、紫外線硬化条件は酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度300mW/cm2、照射量240mJ/cm2の照射量とした。高屈折率層の屈折率は1.72、膜厚は110nmであった。
続いて、形成した高屈折率層の上に、上記低屈折率層用塗布液Ln−1を塗布した。低屈折率層の乾燥条件は60℃、60秒とし、紫外線硬化条件は酸素濃度が0.1体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600mW/cm2、照射量300mJ/cm2の照射量とした。低屈折率層の屈折率は1.34、膜厚は95nmであった。
以上のように、ハードコート層、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層がこの順で積層された光学フィルム117を作製した。
なお、表2において、光学異方性層Bと透明支持体T1との組み合わせは上記で作製した光学基材F1を用いたことを意味する。同様に、光学異方性層Cと透明支持体T2との組み合わせは上記で作製した光学基材F2を、光学異方性層Bと透明支持体T3との組み合わせは上記で作製した光学基材F3を、光学異方性層Bと透明支持体T4との組み合わせは上記で作製した光学基材F4をそれぞれ用いたことを意味する。
また、ハードコート層や光学干渉層形成後のフィルムのRe及びNz値は、該層形成前の光学基材のRe及びNz値から変化はなかった。
(光学フィルムの特性の測定)
(1)光学フィルムの表面形状
光学フィルムの光学異方性層が形成されていないハードコート層側の表面の以下の特性をJIS B 0601:1998に準拠して測定した。
Ra:粗さ曲線の算術平均粗さ
Rz:粗さ曲線の十点平均粗さ
Sm:粗さ曲線の凹凸の間隔
以下の測定により、得られたフィルムのヘイズ(H)、内部ヘイズ(Hi)、表面ヘイズ(Hs)を測定した。
1.JIS−K7136に準じて得られたフィルムのヘイズ値(H)を測定する。この値を全ヘイズとする。
2.得られたフィルムのハードコート層側の表面及び裏面にシリコーンオイルを数滴添加し、厚さ1mmのガラス板(ミクロスライドガラス品番S 9111、MATSUNAMI製)を2枚用いて裏表より挟んで、完全に2枚のガラス板と得られたフィルムを光学的に密着し、表面ヘイズを除去した状態でヘイズを測定し、別途測定したガラス板2枚の間にシリコーンオイルのみを挟みこんで測定したヘイズを引いた値をフィルムの内部ヘイズ(Hi)として算出した。
3.上記1で測定した全ヘイズ(H)から上記2で算出した内部ヘイズ(Hi)を引いた値をフィルムの表面ヘイズ(Hs)として算出した。
光学フィルムの裏面、すなわちハードコート層が塗設されていない側の表面をサンドペーパーで粗面化した後に黒色インクで処理し、裏面反射をなくした状態で、表面側を、分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、380〜780nmの波長領域において、分光反射率を測定した。結果には450〜650nmの積分球反射率の算術平均値を用いた。
JIS K5400に記載の鉛筆硬度評価を行い、ハードコート層を塗布した面を下記の基準で評価した。
◎:4H以上
○:3H
×:2H未満
光学フィルムのハードコート層側最表面及び光学異方性層側最表面の表面自由エネルギーは、水とヨウ化メチレンの接触角を測定し、前述の方法で算出した。
上記で作製した光学フィルムのロール状態での経時安定性を評価するために、各光学フィルムを幅300mmで50m長のロールに巻き取った。ロール状態で40℃相対湿度55%のもと1週間保管したのちの光学フィルムロールを用いて、評価を行った。経時後のロールフィルムを目視で観察し、以下の基準でランク付けした。
AA:外観上の変化は特に認められない。
A :ロール状態で経時後に外観が変化し巻き姿に反射光ムラが発生したが、ロールをほどきシート状態で観察すると経時での反射光ムラの発生は確認できない。
B :ロール状態で経時後に外観が変化し巻き姿に反射光ムラが発生し、ロールをほどきシート状態で観察しても経時での反射光ムラの発生が認められた。光学フィルム表面を不織布でふき取ると一拭きで除去できる。
C :ロール状態で経時後に外観が変化し巻き姿に反射光ムラが発生し、ロールをほどきシート状態で観察しても経時での反射光ムラの発生が認められた。光学フィルム表面を不織布でふき取るのは容易でない。
上記作製した光学フィルムは、画像表示装置での評価をおこなうため、以下の偏光板加工を行い画像表示装置での評価を行った。
上記で作製した光学フィルムの光学異方性層の表面をMEKで洗浄した。洗浄後のフィルム表面をアルカリ鹸化処理した。1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に55℃で2分間浸漬し、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、更に100℃の温風で乾燥した。
続いて、厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光膜を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、前記のアルカリ鹸化処理した各フィルムと、同様のアルカリ鹸化処理したVA用位相差フィルム(富士フイルム社製 550nmにおけるRe/Rth = 50/125)を用意し、これらの鹸化した面が偏光膜側となるようにして偏光膜を間に挟んで貼り合わせ、光学フィルムとVA用位相差フィルムが偏光膜の保護フィルムとなっている偏光板101〜132を作製した。このとき光学フィルムの遅相軸と偏光子の透過軸のなす角度が45度になるようにした。
TV:SAMSUNG社製UN46C7000(3D−TV)の視認側の偏光板をはがし、上記作製した偏光板のVA用位相差フィルムとLCセルを粘着剤を介して貼合し、立体表示装置を作製した。LCシャッターメガネ:SAMSUNG社製 SSG−2100AB(LCシャッターメガネ)の目と反対側(パネル側)の偏光板をはがし、そこに上記作製した光学フィルム試料118の光学異方性層側を粘着剤を介して貼合し、LCシャッターメガネを作製した。ここでメガネに貼合した光学フィルムの遅相軸は、TVに貼合した偏光板に含まれる光学フィルムの遅相軸と直交するようにした。
蛍光灯のある部屋で、パネル面の照度がおよそ200luxとなる環境下で、上記作製したLCシャッターメガネをかけ、3D映像を鑑賞した。
画像の評価は、3D画像の立体感及びクロストークを以下の基準で官能評価した。
[3D画像の立体感]
光学フィルム129(ハードコート層を形成していないフィルム)を貼合したTVを評価3点とし、全TV中最も立体感に劣るものを評価1とし、最も立体感に優れるものを評価5点として官能評価し1〜5の5段階で得点付けした。評価者5人の平均値をとり立体感の指標とした。[クロストーク]
顔を傾けて見たときや斜め方向から見たときのクロストーク(二重像)を観察し、クロストークが気になるものを×、ほとんど気にならないものを○として評価した。
上記偏光板の作製において、VA用位相差フィルムを用いる代わりに光学基材F1(セルロースアセテートフィルム表面をアルカリ鹸化処理)を用いて、光学フィルム117と光学基材F1とが偏光膜の保護フィルムとなっている偏光板を作製した。この偏光板を有機ELディスプレイの表面に光学フィルム117の低屈折率層が外側になるように粘着剤で貼り付けた。反射防止性に優れ、傷つきや色ムラがなく、良好な表示性能が得られた。さらに、偏光サングラスを介して見たとき、顔を傾斜させたり、ディスプレイ回転させたりした時の輝度低下が抑えられた。
Claims (12)
- 透明支持体の一方の側に液晶性化合物を含有する光学異方性層が積層され、もう一方の側にハードコート層が積層されてなる光学フィルムにおいて、
光学異方性層表面には、光学異方性層のバインダーと共有結合を形成しない含フッ素化合物を含有し、
ハードコート層が形成された側の光学フィルム表面には、含フッ素又はシリコーン系の化合物が共有結合により固定されてなり、
更に、ハードコート層が形成された側の表面物性が以下の条件を満たすことを特徴とする光学フィルム。
(1) Ra 0.05〜0.25μm
(2) Rz 0.4〜3.0μm
(3) Sm 40〜200μm
(4) 表面ヘイズ 0.1〜15
(5) 内部ヘイズ 0〜28
(6) 全ヘイズ 0.1〜30
ここで、Ra、Rz及びSmは、それぞれ表面の算術平均粗さ、十点平均粗さ及び凹凸の平均間隔を表す。 - 光学異方性層の表面自由エネルギー(Elc)が21〜30mN/mであり、
ハードコート層側表面の表面自由エネルギー(Ehc)が14〜24mN/mであることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。 - Ehc−Elc≦0であることを特徴とする請求項2に記載の光学フィルム。
- ハードコート層側表面に、ハードコート層とは別の機能層が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
- ハードコート層が形成された側の表面物性が更に以下の条件を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルム。
(4) 表面ヘイズ 0.1〜10
(5) 内部ヘイズ 0〜10
(6) 全ヘイズ 0.1〜15 - ハードコート層が形成された側の表面物性が更に以下の条件を満たすことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルム。
(4) 表面ヘイズ 0.1〜8
(5) 内部ヘイズ 0〜5
(6) 全ヘイズ 0.1〜10 - ハードコート層中に、バインダーと透光性粒子を含有し、透光性粒子のサイズが1〜12μmであり、バインダーと透光性粒子の屈折率差の絶対値が0.05未満であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルム。
- ハードコート層中に、バインダーと透光性粒子を含有し、透光性粒子のサイズが3〜12μmであり、バインダーと透光性粒子の屈折率差の絶対値が0.001〜0.02であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルム。
- 光学フィルムがロール状に巻き取られていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学フィルム。
- 光学フィルムの550nmにおける面内レターデーションReが80〜200nmであり、下記式で表される550nmにおけるNz値が0.1〜0.9である請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学フィルム。
ここで、Nz値=0.5+Rth/Re(Rth:厚み方向のレターデーション)である。 - 請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学フィルムを保護膜として使用した偏光板。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学フィルム、又は請求項11に記載の偏光板を少なくとも1つ含む画像表示装置。
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