JP2012104280A - 電池用焼結体、全固体リチウム電池および電池用焼結体の製造方法 - Google Patents

電池用焼結体、全固体リチウム電池および電池用焼結体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、異相が生じた場合であっても、良好な充放電特性が得られる電池用焼結体を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明においては、一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦2)で表される固体電解質材料と、Li、Ti、Oを含有する活物質材料とを含有し、X線回折法により分析したときに、上記固体電解質材料および上記活物質材料の界面に、上記固体電解質材料および上記活物質材料以外の成分が検出されることを特徴とする電池用焼結体を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば全固体リチウム二次電池等に用いられる電池用焼結体に関する。
近年におけるパソコン、ビデオカメラおよび携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業界等においても、電気自動車用あるいはハイブリッド自動車用の高出力かつ高容量の電池の開発が進められている。現在、種々の電池の中でも、エネルギー密度が高いという観点から、リチウムイオン二次電池が注目を浴びている。
現在市販されているリチウムイオン二次電池は、可燃性の有機溶媒を含む電解液が使用されているため、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の取り付けや短絡防止のための構造・材料面での改善が必要となる。これに対し、電解液を固体電解質層に変えて、電池を全固体化した全固体リチウム二次電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられている。
全固体リチウム二次電池は、通常、正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、正極活物質層および負極活物質層の間に形成された固体電解質層とを有する。全固体リチウム二次電池に用いられる電池用焼結体として、例えば特許文献1においては、活物質層と、前記活物質層に焼結接合された固体電解質層を含む全固体リチウム二次電池用積層体であって、前記積層体は、X線回折法により分析したときに、前記活物質層の構成成分および前記固体電解質層の構成成分以外の成分が検出されない全固体リチウム二次電池用積層体が開示されている。
また、特許文献2においては、複数の価数変化が可能で、それぞれの価数変化に対応した異なるレドックス電位を有する活物質材料を含む単一層からなる単層活物質層を有する全固体二次電池が開示されている。さらに、固体電解質として、Li1+yAlGe2−y(PO(0≦y≦1)を用いることが開示されている。
特開2007−5279号公報 特開2009−123389号公報
電池用焼結体を作製する場合、その焼結に伴って、固体電解質材料と活物質材料との界面に異相が生じるため、イオンの移動が妨げられる。このため、電池用焼結体の充放電特性が大きく低下するという問題点がある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、異相が生じた場合であっても、良好な充放電特性が得られる電池用焼結体を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦2)で表される固体電解質材料と、Li、Ti、Oを含有する活物質材料とを含有し、X線回折法により分析したときに、上記固体電解質材料および上記活物質材料の界面に、上記固体電解質材料および上記活物質材料以外の成分が検出されることを特徴とする電池用焼結体を提供する。
本発明によれば、一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦2)で表される固体電解質材料と、Li、Ti、Oを含有する活物質材料とを組み合せて用いることにより、両者の界面に異相が生じた場合であっても、良好な充放電特性が得られる電池用焼結体とすることができる。
上記発明においては、上記活物質材料が、LiTi12であることが好ましい。
上記発明においては、上記電池用焼結体が、上記固体電解質材料および上記活物質材料を含有する活物質層と、Li金属層とを有する評価用電池を作製した場合に、上記活物質材料の理論放電容量に対して30%以上の放電容量を有する評価用電池が得られる温度で焼成されてなるものであることが好ましい。良好な充放電特性が得られる程度に異相が形成されるからである。
上記発明においては、上記電池用焼結体が、550℃〜650℃の範囲内の温度で焼成されてなるものであることが好ましい。良好な充放電特性が得られる程度に異相が形成されるからである。
上記発明においては、上記電池用焼結体が、上記固体電解質材料および上記活物質材料を含有する活物質層であることが好ましい。
上記発明においては、上記電池用焼結体が、上記固体電解質材料を含有する固体電解質層と、上記固体電解質層上に形成され、上記活物質材料を含有する活物質層とを有することが好ましい。
また、本発明においては、上述した電池用焼結体を有することを特徴とする全固体リチウム電池を提供する。
本発明によれば、上述した電池用焼結体を用いることにより、充放電特性が良好な全固体リチウム電池とすることができる。
また、本発明においては、一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦2)で表される固体電解質材料と、Li、Ti、Oを含有する活物質材料とを含有する中間体を準備する中間体準備工程と、X線回折法により分析したときに、上記固体電解質材料および上記活物質材料の界面に、上記固体電解質材料および上記活物質材料以外の成分が検出される温度で、上記中間体を焼成する焼成工程と、を有することを特徴とする電池用焼結体の製造方法を提供する。
本発明によれば、一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦2)で表される固体電解質材料と、Li、Ti、Oを含有する活物質材料とを組み合せて用いることにより、両者の界面に異相が生じた場合であっても、良好な充放電特性を発現できる電池用焼結体を得ることができる。
上記発明においては、上記活物質材料が、LiTi12であることが好ましい。
上記発明においては、上記焼成工程における焼成温度が、上記固体電解質材料および上記活物質材料を含有する活物質層と、Li金属層とを有する評価用電池を作製した場合に、上記活物質材料の理論放電容量に対して30%以上の放電容量を有する評価用電池が得られる温度であることが好ましい。良好な充放電特性が得られる程度に異相が形成されるからである。
上記発明においては、上記焼成工程における焼成温度が、550℃〜650℃の範囲内であることが好ましい。良好な充放電特性が得られる程度に異相が形成されるからである。
本発明においては、異相が生じた場合であっても、良好な充放電特性が得られる電池用焼結体を提供できるという効果を奏する。
本発明の電池用焼結体の一例を示す概略断面図である。 本発明の電池用焼結体の他の例を示す概略断面図である。 本発明の全固体リチウム電池の一例を示す概略断面図である。 本発明の電池用焼結体の製造方法の一例を示す概略断面図である。 本発明の電池用焼結体の製造方法の他の例を示す概略断面図である。 実施例1〜3および比較例1、2で得られたサンプルに対する、XRDの結果である。 比較例2で得られたサンプルに対する、TG/DTAの結果である。 実施例3で得られたサンプルを用いた評価用電池に対する、充放電特性評価の結果である。
以下、本発明の電池用焼結体、全固体リチウム電池、および電池用焼結体の製造方法について、詳細に説明する。
A.電池用焼結体
本発明の電池用焼結体は、一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦2)で表される固体電解質材料と、Li、Ti、Oを含有する活物質材料とを含有し、X線回折法により分析したときに、上記固体電解質材料および上記活物質材料の界面に、上記固体電解質材料および上記活物質材料以外の成分が検出されることを特徴とするものである。
図1は、本発明の電池用焼結体の一例を示す概略断面図である。図1における電池用焼結体10は、固体電解質材料1であるLi1.5Al0.5Ge1.5(POを含有する固体電解質層11と、活物質材料2であるLiTi12を含有する活物質層12とを有する積層体である。固体電解質材料1(固体電解質層11)と、活物質材料2(活物質層12)との界面には、固体電解質材料1および活物質材料2以外の成分が検出される。すなわち、両者の界面には異相3が形成されている。
図2は、本発明の電池用焼結体の他の例を示す概略断面図である。図2における電池用焼結体10は、固体電解質材料1であるLi1.5Al0.5Ge1.5(POと、活物質材料2であるLiTi12とを含有する活物質層12である。固体電解質材料1および活物質材料2の界面には、固体電解質材料1および活物質材料2以外の成分が検出される。すなわち、両者の界面には異相3が形成されている。
本発明によれば、一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦2)で表される固体電解質材料と、Li、Ti、Oを含有する活物質材料とを組み合せて用いることにより、両者の界面に異相が生じた場合であっても、良好な充放電特性が得られる電池用焼結体とすることができる。従来、異相が生じてしまうと、Liイオンの伝導が阻害され、充放電特性が大きく低下することが知られていた。しかしながら、後述する実施例に記載するように、上記の組み合わせでは、意外にも充放電特性がそれほど低下しないことが確認された。
また、本発明の電池用焼結体は、上記固体電解質材料および上記活物質材料が焼成されてなる焼結体である。一般的に、焼結とは、固体粉末の集合体を加熱すると、固まって緻密になる現象をいう。さらに、焼結体とは、熱処理により固体粉末の粒子が互いに付着して固まった物体をいう。焼結が十分に進行したか否かは、例えば、焼結体の表面にセロテープ(登録商標)を貼り付けて、はがした時に焼結体の成分が転写されるか否かにより判断することができる。はがしたセロテープ(登録商標)に焼結体の成分が転写されると、焼結が十分に進行していないと判断することができる。また、焼結が十分に進行したか否かは、焼成後の部材が、圧粉処理では到達できない密度(充填率、空隙率)を有しているか否かでも判断することができる。
さらに、本発明の電池用焼結体は、X線回折法により分析したときに、上記固体電解質材料および上記活物質材料の界面に、上記固体電解質材料および上記活物質材料以外の成分が検出されることを一つの特徴とする。すなわち、両者の界面に、異相が検出されることを一つの特徴とする。ここで、異相とは、固体電解質材料の分解物、活物質材料の分解物、固体電解質材料および活物質材料の反応生成物等に由来するものをいう。異相が生じているか否かは、例えば、リガク製RINT UltimaIIIを用いたX線回折測定法により判断することができる。
以下、本発明の電池用焼結体について、構成ごとに説明する。
1.固体電解質材料
本発明における固体電解質材料は、一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦2)で表されるものである。上記一般式において、xの範囲は、0以上であれば良く、中でも0より大きいことが好ましく、0.1以上がより好ましく、0.3以上がさらに好ましい。一方、xの範囲は、2以下であれば良く、中でも1.9以下が好ましく、1以下がより好ましく、0.7以下がさらに好ましい。特に、上記固体電解質材料は、Li1.5Al0.5Ge1.5(POであることが好ましい。
また、上記固体電解質材料は、通常、ナシコン型構造を形成可能な組成を有するものであり、非晶質(ガラス)であっても良く、結晶性を有するものであっても良く、結晶質であっても良い。ここで、「非晶質」とは、X線回折法により所定の結晶ピークが検出されない状態をいい、「結晶性を有する」とは、X線回折法により所定の結晶ピークが検出される状態をいい、「結晶質」とは、結晶化温度以上の温度で熱処理された状態をいう。電池用焼結体における固体電解質材料の状態は、例えば、リガク製RINT UltimaIIIを用いたX線回折測定法により判断することができる。
焼結前の固体電解質材料の形状は、例えば粉状であり、その平均粒径は、0.001μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、0.01μm〜10μmの範囲内であることがより好ましい。上記平均粒径が大きすぎると、緻密な電池用焼結体を得ることが困難になる可能性があり、上記平均粒径が小さすぎると、固体電解質材料の作製が困難になる可能性があるからである。なお、上記平均粒径は、粒度分布計により測定したD50で定義することができる。また、後述する各材料の平均粒径についても、同様に定義することができる。
2.活物質材料
本発明における活物質材料は、Li、Ti、Oを含有するものである。このような活物質材料としては、例えばLiTi12、LiTiO、LiTiO、LiTi等を挙げることができ、中でもLiTi12が好ましい。
また、上記活物質材料は、非晶質であっても良いが、通常は、結晶性を有するものであるか、結晶質である。なお、非晶質等の定義については、上述した内容と同様である。
焼結前の活物質材料の形状は、例えば粉状であり、その平均粒径は、0.001μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、0.01μm〜10μmの範囲内であることがより好ましい。上記平均粒径が大きすぎると、緻密な電池用焼結体を得ることが困難になる可能性があり、上記平均粒径が小さすぎると、活物質材料の作製が困難になる可能性があるからである。
3.電池用焼結体
本発明の電池用焼結体の構造の一例としては、上記図1に示したように、固体電解質層11および活物質層12を有する積層体を挙げることができる。この固体電解質層11および活物質層12は、通常、互いに焼結により一体化されている。積層体の固体電解質層における上記固体電解質材料の含有量は、所定の効果が得られる程度の量であれば特に限定されるものではないが、異相の発生を抑制するという観点からは、より多いことが好ましく、具体的には、1体積%以上であることが好ましく、10体積%以上であることがより好ましい。なお、固体電解質層は、上記固体電解質材料のみからなる層であっても良い。上記固体電解質層の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、0.1μm〜1mmの範囲内であることが好ましく、1μm〜100μmの範囲内であることがより好ましい。上記固体電解質層の充填率は、用いられる固体電解質材料の種類によって異なるものであるが、例えば、70体積%以上であることが好ましく、80体積%〜100体積%の範囲内であることがより好ましい。
一方、積層体の活物質層における上記活物質材料の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば40体積%〜100体積%の範囲内であることが好ましく、70体積%〜100体積%の範囲内であることがより好ましい。なお、活物質層は、上記活物質材料のみからなる層であっても良い。上記活物質層の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、0.1μm〜1mmの範囲内であることが好ましく、1μm〜100μmの範囲内であることがより好ましい。上記活物質層の充填率は、用いられる活物質材料の種類によって異なるものであるが、例えば、50体積%以上であることが好ましい。また、上記活物質層は、上述した固体電解質材料をさらに含有していても良い。また、電池用焼結体が積層体である場合、その積層体は、固体電解質層の一方の表面に、活物質層を有するものであってもよく、固体電解質層の両面に、それぞれ活物質層(正極活物質層および負極活物質層)を有するものであっても良い。後者の場合、電池用焼結体を、そのまま電池の発電要素とすることができる。
本発明の電池用焼結体の構造の他の例としては、上記図2に示したように、活物質層12であるものを挙げることができる。この場合、通常は、活物質層が、上述した固体電解質材料および活物質材料の両方を含有する。活物質層における上記活物質材料および上記固体電解質材料の割合は、活物質材料を100体積部とした場合、固体電解質材料が1体積部〜1000体積部の範囲内であることが好ましく、1体積部〜100体積部の範囲内であることがより好ましい。固体電解質材料の割合が少なすぎると、活物質層のイオン伝導性が低くなる可能性があり、固体電解質材料の割合が多すぎると、活物質層の容量が低くなる可能性があるからである。なお、活物質層における活物質材料の含有量、活物質層の厚さおよび充填率等については、上述した内容と同様である。
本発明の電池用焼結体は、上記固体電解質材料および上記活物質材料を含有する活物質層と、Li金属層とを有する評価用電池を作製した場合に、上記活物質材料の理論放電容量に対して30%以上の放電容量を有する評価用電池が得られる温度で焼成されてなるものであることが好ましい。良好な充放電特性が得られる程度に異相が形成されるからである。
ここで、評価用電池は、以下のように作製する。まず、上記固体電解質材料および上記活物質材料を含有するペレット状の中間体を作製する。上記固体電解質材料および上記活物質材料の割合は、目的に合わせて適宜調整することができるが、典型的には両材料が同体積となるように混合しペレットを作製する。次に、得られたペレットを、所定の温度で2時間焼成し、評価用焼結体を得る。この評価用焼結体を乳鉢で粉砕し、評価用焼結体:カーボンブラック:PTFE=70:25:5の重量比で混合したものを電極として用い、対極としてLi金属層を用い、電解質として、EC:DEC=1:2の体積比で混合した溶媒にLiPFを1mol/Lで溶解させたものを用いて評価用電池を作製する。この評価用電池に対して、電流0.2mA、電圧範囲1.0V〜3.0Vの条件で充放電を行う。ここで、1回目の放電容量は不可逆反応の影響が大きいことから、2回目の放電容量を、評価用電池の放電容量とする。一方、活物質材料の理論放電容量は、1モルあたりのLi反応数をその物質の分子量で割ることにより算出する。その上で、焼成温度を種々変更し、評価用電池の放電容量が、活物質材料の理論放電容量に対して30%以上となる温度範囲を決定する。本発明の電池用焼結体は、このように決定された温度範囲で焼成されてなるものであることが好ましい。
また、本発明の電池用焼結体は、510℃〜650℃の範囲内の温度で焼成されてなるものであることが好ましく、550℃〜650℃の範囲内の温度で焼成されてなるものであることがより好ましい。良好な充放電特性が得られる程度に異相が形成されるからである。
また、電池用焼結体は、ペレット状であっても良く、シート状であっても良い。電池用焼結体の形状は、既存の各種焼結体と同様の形状を用いることができる。例えば、円柱状、平板状、および円筒状等を挙げることができる。
B.全固体リチウム電池
次に、本発明の全固体リチウム電池について説明する。本発明の全固体リチウム電池は、上述した電池用焼結体を有することを特徴とするものである。
図3は、本発明の全固体リチウム電池の一例を示す概略断面図である。図3における全固体リチウム電池100は、正極活物質層101と、負極活物質層102と、正極活物質層101および負極活物質層102の間に形成された固体電解質層103と、正極活物質層101の集電を行う正極集電体104と、負極活物質層102の集電を行う負極集電体105と、これらの部材を収納する電池ケース106とを有する。本発明の全固体リチウム電池は、上述した電池用焼結体を有することを大きな特徴とする。例えば、図1に示したように、電池用焼結体10が固体電解質層11および活物質層12の積層体である場合、この活物質層12は、図3における正極活物質層101であっても良く、負極活物質層102であっても良い。同様に、図2に示したように、電池用焼結体が活物質層12である場合、この活物質層12は、図3における正極活物質層101であっても良く、負極活物質層102であっても良い。
本発明によれば、上述した電池用焼結体を用いることにより、充放電特性が良好な全固体リチウム電池とすることができる。
以下、本発明の全固体リチウム電池について、構成ごとに説明する。
1.正極活物質層
本発明における正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含有する層であり、必要に応じて、導電化材、固体電解質材料および結着材の少なくとも一つを含有していても良い。上述した電池用焼結体の活物質材料(Li、Ti、Oを含有する活物質材料)を負極活物質として用いる場合には、正極活物質として、例えばLiCoO、LiMnO、LiNiMn、LiVO、LiCrO、LiFePO、LiCoPO、LiNiO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等を用いることができる。
本発明における正極活物質層は、さらに導電化材を含有していても良い。導電化材の添加により、正極活物質層の導電性を向上させることができる。導電化材としては、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンファイバー等を挙げることができる。また、正極活物質層は、さらに固体電解質材料を含有していても良い。固体電解質材料の添加により、正極活物質層のLiイオン伝導性を向上させることができる。固体電解質材料としては、例えば酸化物固体電解質材料および硫化物固体電解質材料等を挙げることができる。また、正極活物質層は、さらに結着材を含有していても良い。結着材としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素含有結着材等を挙げることができる。正極活物質層の厚さは、例えば0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
2.負極活物質層
本発明における負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層であり、必要に応じて、導電化材、固体電解質材料および結着材の少なくとも一つを含有していても良い。上述した電池用焼結体の活物質材料(Li、Ti、Oを含有する活物質材料)を正極活物質として用いる場合には、負極活物質として、例えば金属活物質およびカーボン活物質を用いることができる。金属活物質としては、例えばIn、Al、SiおよびSn等を挙げることができる。一方、カーボン活物質としては、例えばメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン等を挙げることができる。
なお、負極活物質層に用いられる、導電化材、固体電解質材料および結着材については、上述した正極活物質層における場合と同様である。また、負極活物質層の厚さは、例えば0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
3.固体電解質層
本発明における固体電解質層は、固体電解質材料を含有するものであり、必要に応じて結着材を含有していても良い。上述した電池用焼結体が活物質層である場合(上述した図2の場合)には、固体電解質層には、Liイオン伝導性を有する任意の固体電解質材料を用いることができる。固体電解質材料としては、例えば酸化物固体電解質材料および硫化物固体電解質材料等を挙げることができる。
なお、固体電解質層に用いられる結着材については、上述した正極活物質層における場合と同様である。また、固体電解質層の厚さは、例えば0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
4.その他の構成
本発明の全固体リチウム電池は、上述した正極活物質層、負極活物質層および固体電解質層を少なくとも有するものである。さらに通常は、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。正極集電体の材料としては、例えばSUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボン等を挙げることができ、中でもSUSが好ましい。一方、負極集電体の材料としては、例えばSUS、銅、ニッケルおよびカーボン等を挙げることができ、中でもSUSが好ましい。また、正極集電体および負極集電体の厚さや形状等については、全固体リチウム電池の用途等に応じて適宜選択することが好ましい。また、本発明に用いられる電池ケースには、一般的な全固体リチウム電池の電池ケースを用いることができる。電池ケースとしては、例えばSUS製電池ケース等を挙げることができる。
5.全固体リチウム電池
本発明においては、電池用焼結体の活物質材料を、負極活物質として用いることが好ましい。高温耐久性の高い全固体リチウム電池とすることができるからである。さらに、本発明の全固体リチウム電池は、正極活物質層、負極活物質層および固体電解質層の少なくとも1層が焼結体であれば良く、上記のうち2層が焼結体であっても良く、上記の全てが焼結体であっても良い。
また、本発明の全固体リチウム電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、中でも二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。本発明の全固体リチウム電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型等を挙げることができる。また、本発明の全固体リチウム電池の製造方法は、上述した全固体リチウム電池を得ることができる方法であれば特に限定されるものではない。
C.電池用焼結体の製造方法
次に、本発明の電池用焼結体の製造方法について説明する。本発明の電池用焼結体の製造方法は、一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦2)で表される固体電解質材料と、Li、Ti、Oを含有する活物質材料とを含有する中間体を準備する中間体準備工程と、X線回折法により分析したときに、上記固体電解質材料および上記活物質材料の界面に、上記固体電解質材料および上記活物質材料以外の成分が検出される温度で、上記中間体を焼成する焼成工程と、を有することを特徴とするものである。
図4は、本発明の電池用焼結体の製造方法の一例を示す概略断面図である。図4においては、まず、固体電解質材料であるLi1.5Al0.5Ge1.5(POを含有する固体電解質層11Xと、活物質材料であるLiTi12を含有する活物質層12Xとを有する積層体(中間体10X)を準備する(図4(a))。その後、所定の温度で、中間体10Xを焼成することにより、積層体である電池用焼結体10を得る(図4(b))。
図5は、本発明の電池用焼結体の製造方法の他の例を示す概略断面図である。図5においては、まず、固体電解質材料であるLi1.5Al0.5Ge1.5(POと、活物質材料であるLiTi12とを含有する活物質層12X(中間体10X)を準備する(図5(a))。その後、所定の温度で、中間体10Xを焼成することにより、活物質層12である電池用焼結体10を得る(図5(b))。
本発明によれば、一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦2)で表される固体電解質材料と、Li、Ti、Oを含有する活物質材料とを組み合せて用いることにより、両者の界面に異相が生じた場合であっても、良好な充放電特性を発現できる電池用焼結体を得ることができる。
以下、本発明の電池用焼結体の製造方法について、工程ごとに説明する。
1.中間体準備工程
本発明における中間体準備工程は、一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦2)で表される固体電解質材料と、Li、Ti、Oを含有する活物質材料とを含有する中間体を準備する工程である。
中間体に含まれる固体電解質材料の組成や形状等については、上記「A.電池用焼結体」に記載した内容と同様である。特に、中間体に含まれる固体電解質材料は、Li1.5Al0.5Ge1.5(POであることが好ましい。
中間体に含まれる活物質材料の組成や形状等については、上記「A.電池用焼結体」に記載した内容と同様である。特に、中間体に含まれる活物質材料は、LiTi12であることが好ましい。
中間体の構造は、目的とする電池用焼結体の構造に応じて異なるものである。例えば、図4(b)のように、積層体である電池用焼結体を得る場合には、積層体の中間体を準備する。中間体を構成する固体電解質層および活物質層は、それぞれペレット状であることが好ましい。また、固体電解質層を形成するための粉末材料と、活物質層を形成するための粉末材料とを同時にペレット化したものであっても良い。一方、図5(b)のように、活物質層である電池用焼結体を得る場合には、活物質層の中間体を準備する。中間体を構成する活物質層は、ペレット状であることが好ましい。
2.焼成工程
本発明における焼成工程は、X線回折法により分析したときに、上記固体電解質材料および上記活物質材料の界面に、上記固体電解質材料および上記活物質材料以外の成分が検出される温度で、上記中間体を焼成する工程である。
中間体の焼成をする焼成温度は、上記固体電解質材料および上記活物質材料以外の成分が検出される温度であれば特に限定されるものではないが、より低いことが好ましい。プロセスコストを低減することができるからである。また、上記焼成温度は、上記固体電解質材料および上記活物質材料を含有する活物質層と、Li金属層とを有する評価用電池を作製した場合に、上記活物質材料の理論放電容量に対して30%以上の放電容量を有する評価用電池が得られる温度であることであることが好ましい。良好な充放電特性が得られる程度に異相が形成されるからである。
焼成温度は、固体電解質材料および活物質材料の種類によって異なるものであるが、例えば510℃以上であることが好ましく、550℃以上であることがより好ましい。焼成温度が低すぎると焼結体を得ることができない可能性があるからである。一方、上記焼成温度は、例えば650℃以下であることが好ましい。焼成温度が高すぎると、充放電特性が大きく低下する可能性があるからである。
また、中間体を焼成する焼成時間は、所望の電池用焼結体を得ることができれば特に限定されるものではない。中間体を焼成する方法としては、例えば焼成炉を用いる方法を挙げることができる。焼成の際の雰囲気は、大気雰囲気、不活性雰囲気等を挙げることができ、不活性雰囲気が好ましい。不要な酸化反応を防止できるからである。不活性雰囲気としては、例えば、アルゴン雰囲気および窒素雰囲気等を挙げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
まず、LiTi12(石原産業社製、LTO)と、ガラス状のLi1.5Al0.5Ge1.5(PO(ホソカワミクロン社製、LAGP)とを、LTO:LAGP=50:50の体積比で混合した。次に、得られた混合物1gをプレスし、φ13mmのペレット(中間体)を作製した。次に、得られたペレットを、大気雰囲気、650℃、2時間の条件で焼成し、電池用焼結体を得た。
[実施例2、3]
焼成温度を、それぞれ、600℃および550℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、電池用焼結体を得た。
[比較例1]
焼成温度を、500℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較用サンプルを得た。
[比較例2]
実施例1で調製した中間体を、比較用サンプルとした。
[評価]
(X線回折測定)
実施例1〜3および比較例1、2で得られたサンプルを、乳鉢で粉砕し、X線回折(XRD)測定を行った。XRD測定には、リガク製RINT UltimaIIIを用い、CuKα線を用いた。その結果を図6に示す。図6(e)に示されるように、焼成を行っていないサンプルでは、LTOの結晶ピークのみが観察され、ガラス状のLAGPのピークは確認されなかった。これに対して、図6(a)〜(d)に示されるように、実施例1〜3および比較例1では、2θ=26°付近に大きな結晶ピークが確認されたが、これは、LTOおよびLAGPには帰属されない結晶ピークであり、LTOおよびLAGPの界面に、異相が生じていることが確認された。なお、2θ=26°付近のピークは、TiOの結晶ピークである可能性がある。また、比較例1は、500℃で焼成を行ったものであるが、LAGPの焼結は進行せず、焼結体ではなかった。
(示差熱・熱重量同時測定)
比較例2で得られたサンプルに対して、示差熱・熱重量同時測定(TG/DTA)を行った。その結果を図7に示す。図7に示されるように、450℃付近にピークが確認され、450℃以上での焼成で、異相が生じる可能性が示唆された。
(充放電特性)
実施例3(550℃での焼成)で得られたサンプルを用いて、評価用電池を作製した。実施例3で得られたサンプルを乳鉢で粉砕し、サンプル:カーボンブラック:PTFE=70:25:5の重量比で混合したものを電極として用い、対極としてLi金属層を用い、電解質として、EC:DEC=1:2の体積比で混合した溶媒にLiPFを1mol/Lで溶解させたものを用いて評価用電池を作製した。この評価用電池に対して、電流0.2mA、電圧範囲1.0V〜3.0Vの条件で充放電を行った。その結果を図8および表1に示す。
Figure 2012104280
図8および表1に示されるように、充放電可能であることが確認された。また、2回目の放電容量は、74mAh/gであった。LTOの理論放電容量は202mAh/gであることから、評価用電池は、LTOの理論放電容量に対して、36.6%の放電容量を有することが確認された。また、実施例1、2で得られたサンプルを用いて同様に評価用電池を作製したところ、同じく、LTOの理論放電容量に対して、30%以上の放電容量を有することが確認された。このように、実施例で得られた電池用焼結体は、異相を有しているものの、十分に充放電可能であり、全固体リチウム電池に有用であることが確認された。
1 … 固体電解質材料
2 … 活物質材料
3 … 異相
10 … 電池用焼結体
10X … 中間体
11 … 固体電解質層
12 … 活物質層
100 … 全固体リチウム電池

Claims (11)

  1. 一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦2)で表される固体電解質材料と、Li、Ti、Oを含有する活物質材料とを含有し、
    X線回折法により分析したときに、前記固体電解質材料および前記活物質材料の界面に、前記固体電解質材料および前記活物質材料以外の成分が検出されることを特徴とする電池用焼結体。
  2. 前記活物質材料が、LiTi12であることを特徴とする請求項1に記載の電池用焼結体。
  3. 前記固体電解質材料および前記活物質材料を含有する活物質層と、Li金属層とを有する評価用電池を作製した場合に、前記活物質材料の理論放電容量に対して30%以上の放電容量を有する評価用電池が得られる温度で焼成されてなるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電池用焼結体。
  4. 550℃〜650℃の範囲内の温度で焼成されてなるものであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の電池用焼結体。
  5. 前記固体電解質材料および前記活物質材料を含有する活物質層であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の電池用焼結体。
  6. 前記固体電解質材料を含有する固体電解質層と、前記固体電解質層上に形成され、前記活物質材料を含有する活物質層とを有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の電池用焼結体。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の電池用焼結体を有することを特徴とする全固体リチウム電池。
  8. 一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦2)で表される固体電解質材料と、Li、Ti、Oを含有する活物質材料とを含有する中間体を準備する中間体準備工程と、
    X線回折法により分析したときに、前記固体電解質材料および前記活物質材料の界面に、前記固体電解質材料および前記活物質材料以外の成分が検出される温度で、前記中間体を焼成する焼成工程と、
    を有することを特徴とする電池用焼結体の製造方法。
  9. 前記活物質材料が、LiTi12であることを特徴とする請求項8に記載の電池用焼結体の製造方法。
  10. 前記焼成工程における焼成温度が、前記固体電解質材料および前記活物質材料を含有する活物質層と、Li金属層とを有する評価用電池を作製した場合に、前記活物質材料の理論放電容量に対して30%以上の放電容量を有する評価用電池が得られる温度であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の電池用焼結体の製造方法。
  11. 前記焼成工程における焼成温度が、550℃〜650℃の範囲内であることを特徴とする請求項8から請求項10までのいずれかの請求項に記載の電池用焼結体の製造方法。
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