JP2012105407A - 蓄電システム - Google Patents

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Koji Otsuji
浩司 大辻
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芳充 丹羽
Mitsuhiko Matsui
光彦 松井
Kyo Miyoshi
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Abstract

【課題】 電力系統の負荷状態に応じて効果的に充放電することのできる蓄電システムを提供することにある。
【解決手段】 蓄電装置3が電車線93に接続された蓄電システム1であって、電車線93の架線電圧Vsを計測し、ダイヤ情報等に基づいて充放電制御特性が生成される制御モード1又は常に一定の充放電効果が得られる充放電制御特性が生成される制御モード2により、架線電圧Vsに基づいて、蓄電装置3の充放電を制御し、蓄電装置3の充放電の効果を判定し、蓄電装置3の充放電が効果的でないと判定した場合、制御モードMDを切り替える蓄電システム1。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電力系統に充放電する蓄電システムに関する。
一般に、電気鉄道の直流電力供給システム(直流き電システム)に蓄電装置を設置することが知られている。蓄電装置は、列車が回生する回生電力を吸収したり、架線電圧が低下した際に放電したりすることで、架線電圧を補償する。
また、列車のき電回路上の負荷分布は、時間帯によって大きく異なる。このため、ラッシュ時と閑散時では、蓄電装置への要求が異なる。従って、時間帯によって、蓄電装置の充放電制御方法が異なる。
そこで、蓄電装置の充放電制御方法を時間帯別に切り替えることが知られている。
特開2008−74180号公報
しかしながら、蓄電装置の充放電制御方法を時間帯別に切り替えて制御する場合、列車ダイヤが運転整理の影響で大きく変更されると、期待した充放電制御による効果を得られなくなる可能性がある。これは、予測した負荷状態と実際の負荷状態が適合しなくなるからである。
例えば、列車密度の薄い閑散時に回生失効を抑制するように蓄電装置を制御しているときに、運転整理が行われ、列車密度が高い状態になったと仮定する。このような状況下で有効な蓄電装置の制御方法は、回生失効を抑制する充放電制御ではなく、パンタ点電圧降下を補償する制御である。このような場合に、回生失効を抑制する充放電制御を行っても、充放電制御による期待した効果は得られない。
そこで、本発明の実施形態の目的は、電力系統の負荷状態に応じて効果的に充放電することのできる蓄電システムを提供することにある。
本発明の実施形態の観点に従った蓄電システムは、電力系統に接続された蓄電手段と、前記電力系統の電圧を計測する電圧計測手段と、時間に基づいて、前記蓄電手段の充放電を制御するための第1の充放電制御特性を生成する第1の充放電制御特性生成手段と、充電及び放電のいずれも対応するように前記蓄電手段の充放電を制御するための第2の充放電制御特性を生成する第2の充放電制御特性生成手段と、前記第1の充放電制御特性生成手段により生成された前記第1の充放電制御特性又は前記第2の充放電制御特性生成手段により生成された前記第2の充放電制御特性を用いて、前記電圧計測手段により計測された電圧に基づいて、前記蓄電手段の充放電を制御する充放電制御手段と、前記蓄電手段の充放電が効果的か否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記蓄電手段の充放電が効果的でないと判定された場合、前記充放電制御手段に用いる充放電制御特性を切り替える充放電制御特性切替手段とを備えている。
本発明の第1の実施形態に係る蓄電システムの適用された直流電力供給システムの構成を示す構成図。 第1の実施形態に係る蓄電システムの制御部の構成を示す構成図。 第1の実施形態に係る自立判定部による判定を説明するためのグラフ図。 第1の実施形態に係る充放電制御特性生成部の構成を示す構成図。 第1の実施形態に係る充放電制御部による制御に用いられる充放電制御特性を示す特性図。 第1の実施形態に係る屈折点パラメータ生成部による制御モード1の屈折点パラメータを演算するための構成を示す構成図。 第1の実施形態に係る充放電制御部による制御に用いられる制御モード2の充放電制御特性の一例を示す特性図。 第1の実施形態に係るSOC制御部の構成を示す構成図。 第1の実施形態に係るSOC目標値生成部による制御モード1の時間帯別に生成されるSOC目標値を時系列に示すグラフ図。 第1の実施形態に係るSOC目標値生成部による制御モード1の細分化された時間帯別に生成されるSOC目標値を時系列に示すグラフ図。 第1の実施形態に係る蓄電装置保護リミッタの構成を示す構成図。 第1の実施形態に係る過放電防止リミッタの特性を示す特性図。 第1の実施形態に係る温度上昇抑制リミッタの特性を示す特性図。 第1の実施形態に係る過電圧防止リミッタの特性を示す特性図。 第1の実施形態に係る蓄電システムの列車の運用時間帯における制御モード1の充放電制御を時系列に示すグラフ図。 本発明の第2の実施形態に係る蓄電システムの制御部の構成を示す構成図。 第2の実施形態に係る充放電制御特性生成部の構成を示す構成図。 第2の実施形態に係る屈折点パラメータ生成部に設定される時系列データを示すデータ図。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る蓄電システム1の適用された電気鉄道の直流電力供給システム(直流き電システム)10の構成を示す構成図である。なお、以降の図における同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、異なる部分について主に述べる。以降の実施形態も同様にして重複する説明を省略する。
直流電力供給システム10は、複数の変圧器91と、複数の整流器92と、電車線(架線)93と、蓄電システム1と、TCR(遠方監視制御装置の送受信器)11と、伝送路12とを備えている。列車90は、直流電力供給システム10から供給される直流電力により走行する。
変圧器91及び整流器92は、き電区間毎に設けられている。変圧器91及び整流器92は、変電所から供給される交流電力を電車線93に供給するために適した直流電圧に変換する。
電車線93は、整流器92から受電した直流電力を列車90に供給する。
TCR11は、伝送路12を介して、遠方監視制御装置(電力管理システム又は運行管理システム等)と接続されている。TCR11は、遠方監視制御装置が蓄電システム1と情報の送受信をするための送受信器である。
蓄電システム1は、遠方監視制御装置から受信する各種情報、及び直流電力供給システム10における各箇所の電流又は電圧などの電気量に基づいて、充放電する。これにより、蓄電システム1は、列車90が回生する回生電力を吸収したり、電車線93の電圧低下時に電車線93の電圧を補償するために放電したりする。
蓄電システム1は、制御部2と、蓄電装置3と、電圧検出器4と、電流検出器5とを備えている。
蓄電装置3は、電車線93と電気的に接続されている。蓄電装置3は、直流チョッパなどの変換器を備えている。変換器は、制御部2により制御される。変換器が駆動することにより、蓄電装置3は、電力を充電又は放電する。蓄電装置3は、蓄電状態を示すSOC(State of Charge)情報Sob、蓄電装置3を構成する各セル(電池)の温度Tb、及び蓄電装置3の端子間電圧Vdcなどを含む蓄電装置3に関する情報(蓄電装置情報)Dbを制御部2に送信する。
電圧検出器4は、電車線93の架線電圧Vsを計測するために検出する。電圧検出器4は、検出した架線電圧Vsを制御部2に出力する。
電流検出器5は、蓄電装置3の出力電流(放電電流又は充電電流)Ioutを計測するために検出する。電流検出器5は、検出した出力電流Ioutを制御部2に出力する。
制御部2は、蓄電装置3から受信した蓄電装置情報Db、電圧検出器4により検出された架線電圧Vs、電流検出器5により検出された出力電流Iout、及びTCR11から受信する各種情報に基づいて、蓄電装置3の出力電流Ioutを制御するための電流指令値I*を演算する。制御部2がTCR11から受信する各種情報は、例えば、運行管理システムから送信される列車ダイヤに関する情報である。制御部2は、演算した電流指令値I*を蓄電装置3に送信することにより、蓄電装置3の充放電を制御する。
図2は、本実施形態に係る蓄電システム1の制御部2の構成を示す構成図である。
制御部2は、自立判定部21と、充放電制御特性生成部22と、SOC制御部23と、充放電制御部24と、蓄電装置保護リミッタ25とを備えている。
自立判定部21には、蓄電装置3から受信するSOC情報Sob、電圧検出器4により検出された架線電圧Vs、及び電流検出器5により検出された出力電流Ioutが入力される。自立判定部21は、SOC情報Sob、架線電圧Vs、及び出力電流Ioutに基づいて、充放電制御が効果的に実施されているか否かを判定する。自立判定部21は、充放電制御が効果的に実施されていないと判定した場合、充放電制御特性生成部22に制御モードMDを切り替えるための切替指令を出力する。
図3を参照して、自立判定部21による判定方法について説明する。
図3は、本実施形態に係る自立判定部21による判定を説明するためのグラフ図である。
自立判定部21は、き電線入力エネルギの計画値PLと実績値REを比較する。実績値REは、SOC情報Sob、架線電圧Vs、及び出力電流Ioutに基づいて、演算される。計画値PLは、予め自立判定部21に記憶されている。計画値PLは、例えば、過去に効果的に充放電制御が実施されていたときの実績値である。
図3では、時間の経過と共に、計画値PLと実績値REが乖離している。自立判定部21は、乖離する幅及び継続時間を予め定義されている目的別(例えば、電車線93への放電を目的とする場合又は電車線93からの充電を目的とする場合)の評価関数に代入することで、充放電制御が効果的に実施されているか否かを判定する。評価関数による評価は、基本的には、乖離する幅が広い程、又は乖離状態の継続時間(例えば、乖離する幅が所定値以上の継続時間)が長い程、充放電制御が効果的に実施されていないと判定する。
図4は、本実施形態に係る充放電制御特性生成部22の構成を示す構成図である。
充放電制御特性生成部22は、制御モード切替部221と、屈折点パラメータ生成部222とを備えている。
制御モード切替部221は、制御モードを決定する。制御モード切替部221は、自立判定部21から入力される切替指令又はTCR11から入力される遠方監視制御装置の切替指令に基づいて、制御モードMDを切り替える。制御モード切替部221の接点Aが選択された場合、設定部STAに設定されている制御モード1が選択される。制御モード切替部221の接点Bが選択された場合、設定部STBに設定されている制御モード2が選択される。制御モード切替部221は、選択した制御モードMDを屈折点パラメータ生成部222及びSOC制御部23に出力する。
制御モード切替部221は、通常時は、制御モード1が選択されている。制御モード切替部221は、自立判定部21から制御モードMDを切り替えるための切替指令を受信すると、制御モード1から制御モード2に切り替える。この他に、制御モード切替部221は、手動又は運転管理システムからの切替指令により、制御モード1から制御モード2に切り替わる。また、制御モード切替部221は、ダイヤの遅延時分から自動的に切り替えを判定することにより切り替えてもよい。制御モード2から制御モード1への復帰は、手動又は運転管理システムからのリセット信号などにより行われる。例えば、指令員がダイヤの復帰を確認して、リセット指令を与える。または、ダイヤの遅延時分から自動的に復帰を判定することにより、リセット指令が与えられる。
制御モード1は、電力管理システムの情報伝送網(伝送路12を含むネットワークなど)を活用した制御である。変電所間をつなぐ情報伝送網を利用して、各変電所の回線別電流又はき電線電圧などの状態情報を蓄電システム1に伝送させる。蓄電システム1は、情報伝送網から伝送された情報に基づいて、自律制御により充放電を実施する。
制御モード2は、単一の充放電制御特性により充放電制御する制御モードである。制御モード2で用いる電圧−電流特性は、閑散時及びラッシュ時などのどのような負荷状態でも常に一定の充放電効果が得られる制御を行う充放電制御特性である。制御モード切替部221は、制御モード1による蓄電装置3の充放電制御が効果的でない場合、制御モード2に切り換わる。
図5は、本実施形態に係る充放電制御部24による制御に用いられる充放電制御特性を示す特性図である。横軸は、電車線93の架線電圧Vsを示している。架線電圧Vsの零点は、例えば定格電圧である。縦軸は、蓄電装置3から出力させる出力電流Iout(又は、電流指令値I0*)を示している。
屈折点パラメータ生成部222には、電圧検出器4により検出された架線電圧Vs及びTCR11から受信するダイヤ情報又は各変電所の回線別電流若しくはき電線電圧等の各種情報が入力される。屈折点パラメータ生成部222は、充放電制御特性を決定するための制御モードMDに対応した屈折点パラメータPRを演算する。屈折点パラメータPRには、図5に示す充放電制御特性のパラメータVa,Vb,Vc,Vd,Ve,Vf,Iolim,Iclimの設定値が含まれている。屈折点パラメータ生成部222は、演算した屈折点パラメータPRを充放電制御部24に出力する。
図6は、本実施形態に係る屈折点パラメータ生成部222による制御モード1の屈折点パラメータPRを演算するための構成を示す構成図である。
屈折点パラメータ生成部222は、基礎パラメータ生成部225と、最適化アルゴリズム実行部226とを備えている。
基礎パラメータ生成部225は、制御モード切替部221により制御モード1が選択されると、TCR11から入力されるダイヤ情報等の各種情報に基づいて、屈折点パラメータPRを演算するための基礎となる基礎パラメータを生成する。TCR11から入力される各種情報としては、ダイヤ情報の他に、同一き電回路上に存在する変電所のき電する方面別もしくは回線別の電流又は架線電圧などがある。なお、これらの各種情報の一部又は全部は、TCR11から受信せずに、蓄電システム1の内部の記憶装置に記憶されていてもよい。基礎パラメータ生成部225は、生成した基礎パラメータを最適化アルゴリズム実行部226に出力する。
最適化アルゴリズム実行部226には、架線電圧Vsが入力される。最適化アルゴリズム実行部226は、架線電圧Vs又は列車の回生電力に基づいて評価関数を決定する。最適化アルゴリズム実行部226は、評価関数により評価される値が向上するように、基礎パラメータを初期値として最適化する。最適化アルゴリズム実行部226による最適化アルゴリズムの実行は、一定周期で行われる。最適化アルゴリズム実行部226は、最適化されたパラメータを屈折点パラメータPRとして、充放電制御部24に随時出力する。
制御モード1の場合、屈折点パラメータ生成部222は、屈折点パラメータPRを随時更新する。更新するタイミングは、リアルタイムの制御でもよいし、10秒周期又は30分周期などの長周期の制御周期を使用してもよい。
図7を参照して、屈折点パラメータ生成部222による制御モード2の屈折点パラメータPRの決定方法について説明する。
図7は、本実施形態に係る充放電制御部24による制御に用いられる制御モード2の充放電制御特性の一例を示す特性図である。
屈折点パラメータPRは、制御モード2では、一定値に維持される。例えば図7に示す充放電制御特性の場合、屈折点パラメータPRは、パラメータVaは900[V]、パラメータVbは1400[V]、パラメータVcは1500[V]、パラメータVdは1620[V]、パラメータVeは1650[V]、パラメータVfは1850[V]、パラメータIolimは400[A]、パラメータIclimは350[A]、となる。
図8は、本実施形態に係るSOC制御部23の構成を示す構成図である。
SOC制御部23は、SOC目標値生成部231と、減算器232と、比例積分制御部233と、浮動充放電リミッタ234とを備えている。
SOC目標値生成部231には、充放電制御特性生成部22により選択された制御モードMDが入力される。SOC目標値生成部231は、制御モードMDに対応するSOC目標値S*が生成される。SOC目標値生成部231は、生成したSOC目標値S*を減算器232に出力する。
図9及び図10を参照して、制御モード1が選択されている場合のSOC目標値生成部231によるSOC目標値S*の生成について説明する。
図9は、時間帯別の制御モード毎に生成されるSOC目標値S*を時系列に示すグラフ図である。図10は、ある時間帯の制御モード(制御モードIV)中のダイヤ1周期において、細分化された時間帯別に生成されるSOC目標値S*を時系列に示すグラフ図である。
早朝のように回生失効し易いと予想される時間帯の制御モードの場合は、SOC目標値S*を低く設定する。ラッシュ時のように電圧降下補償が必要と予想される時間帯の制御モードの場合は、SOC目標値S*を高く設定する。また、回生失効及び電圧降下補償のいずれも予想される時間帯の制御モードの場合は、SOC目標値S*が充放電のいずれにも対応できるような中間の値(例えば、50%)に設定する。
制御モード2が選択されている場合は、SOC目標値S*は、SOCが偏らない一定値(例えば、50%)を常に維持する。
減算器232には、SOC目標値生成部231により生成されたSOC目標値S*及び蓄電装置3から受信したSOC情報Sobが入力される。減算器232は、SOC目標値S*からSOC情報Sobを減算する。減算器232は、減算した値を比例積分制御部233に出力する。
比例積分制御部233は、減算器232により演算されたSOC目標値S*とSOC情報Sobとの差分を零にするように比例積分制御するための演算処理をする。具体的には、比例積分制御部233は、SOC目標値S*とSOC情報Sobとの差分に基づいて、蓄電装置3の出力電流Ioutを制御するための浮動充放電制御特性の電流指令値Ifの基になる電流指令値を演算する。これにより、比例積分制御部233は、フィードバックしたSOC情報Sobに基づいて、蓄電装置3のSOCがSOC目標値S*になるように、蓄電装置3の出力電流Ioutを制御する。比例積分制御部233は、演算した電流指令値を浮動充放電リミッタ234に出力する。なお、比例積分制御部233では、リセットワインドアップ対策がされているものとする。
浮動充放電リミッタ234は、比例積分制御部233により演算された電流指令値を、蓄電装置3の変換器から出力可能な範囲の出力電流Ioutにするための制限をする。浮動充放電リミッタ234は、制限した電流指令値を浮動充放電制御特性の電流指令値Ifとする。浮動充放電リミッタ234は、演算した浮動充放電制御特性の電流指令値Ifを充放電制御部24に出力する。
充放電制御部24には、充放電制御特性生成部22により生成された屈折点パラメータPR及びSOC制御部23により演算された浮動充放電制御特性の電流指令値Ifが入力される。充放電制御部24は、屈折点パラメータPR及び浮動充放電制御特性の電流指令値Ifに基づいて、制御に用いるための充放電制御特性を決定する。また、充放電制御部24には、架線電圧Vsが入力される。充放電制御部24は、架線電圧Vs及び決定した充放電制御特性に基づいて、蓄電装置3の出力電流Ioutを制御するための電流指令値I0*を演算する。充放電制御部24は、演算した電流指令値I0*を蓄電装置保護リミッタ25に出力する。
図5を参照して、充放電制御部24による制御を説明する。
架線電圧Vsが電圧Vaより大きく電圧Vb以下の場合、充放電制御部24は、放電方向に出力可能な最大の放電電流リミットIolimを電流指令値I0*とする。
架線電圧Vsが浮動充放電制御の範囲内(電圧Vcより大きく電圧Vd以下の区間と略同程度の区間)にある場合、充放電制御部24は、浮動充放電制御特性の電流指令値Ifを電流指令値I0*とする。
架線電圧Vsが電圧Vbより大きく電圧Ve以下で、浮動充放電制御の範囲外にある場合、充放電制御部24は、架線電圧Vsに対応する放電電流Io又は充電電流Icを電流指令値I0*とする。
架線電圧Vsが電圧Veより大きく電圧Vf以下の場合、充放電制御部24は、充電方向で最大となる充電電流リミットIclimを電流指令値I0*とする。
図11は、本実施形態に係る蓄電装置保護リミッタ25の構成を示す構成図である。
蓄電装置保護リミッタ25は、過放電防止リミッタ251と、温度上昇抑制リミッタ252と、過電圧防止リミッタ253とを備えている。なお、ここでは、電流指令値I0*を、過放電防止リミッタ251、温度上昇抑制リミッタ252、過電圧防止リミッタ253の順に制限するように構成したが、どのような順番に制限するように構成してもよい。
図12は、本実施形態に係る過放電防止リミッタ251の特性を示す特性図である。横軸は、蓄電装置3のSOCを示している。縦軸は、蓄電装置3の出力電流Ioutを示している。
過放電防止リミッタ251は、蓄電装置3の寿命に大きく影響する過放電を防止するための電流リミッタである。過放電防止リミッタ251には、蓄電装置3からSOC情報Sobが入力される。過放電防止リミッタ251は、図12に示す特性により、SOC情報Sobに基づいて、充放電制御部24から出力された電流指令値I0*を制限する。
過放電防止リミッタ251は、SOCがa%以下のときは、放電電流リミットIolimを零にする。従って、SOCがa%以下のときは、電流指令値I0*は、放電方向に対しては零に制限される。過放電防止リミッタ251は、SOCがa%を超えるに従って、徐々に放電電流リミットIolimを最大となるまで増加させる。従って、SOCがa%を超えるに従って、電流指令値I0*は、放電方向に電流が徐々に増えるように制限される。
図13は、本実施形態に係る温度上昇抑制リミッタ252の特性を示す特性図である。横軸は、セル(電池)の温度Tb(例えば、全てのセルの中で最も高い温度)を示している。縦軸は、蓄電装置3の出力電流Ioutを示している。
温度上昇抑制リミッタ252は、セルの温度Tbが規定値(例えば50度)を超過することを防止するための電流リミッタである。これは、セルの温度Tbが、蓄電装置3の寿命に大きく影響を与えるためである。温度上昇抑制リミッタ252には、蓄電装置3からセルの温度Tbが入力される。温度上昇抑制リミッタ252は、セルの温度Tbに基づいて、充放電制御部24から出力された電流指令値I0*を制限する。
温度上昇抑制リミッタ252は、セルの温度Tbが50度以上になると、放電電流リミットIolim及び充電電流リミットIclimの両方を零にする。従って、セルの温度Tbが50度以上になると、電流指令値I0*は、放電方向及び充電方向の両方とも零に制限される。温度上昇抑制リミッタ252は、セルの温度Tbが50度よりも下がるに従って、徐々に放電電流リミットIolim又は充電電流リミットIclimをそれぞれ最大となるまで増加させる。従って、セルの温度Tbが50度よりも下がるに従って、電流指令値I0*は、放電方向又は充電方向のいずれの方向も出力電流Ioutが徐々に増えるように制限される。
図14は、本実施形態に係る過電圧防止リミッタ253の特性を示す特性図である。
過電圧防止リミッタ253は、蓄電装置3の端子間電圧Vdcが規定定格電圧Vmaxを超過しないように定電圧特性を有する電流リミッタである。過電圧防止リミッタ253は、充電時に蓄電装置3の端子間電圧が上昇することにより、規定定格電圧Vmaxを超過することを防止する。過電圧防止リミッタ253には、蓄電装置3の端子間電圧Vdcが入力される。過電圧防止リミッタ253は、端子間電圧Vdcが規定定格電圧Vmaxよりも低い場合は、充電電流リミットIclimを最大にする。過電圧防止リミッタ253は、端子間電圧Vdcが規定定格電圧Vmax以上の場合は、充電電流リミットIclimを零にする。これにより、電流指令値I0*は、充電方向の出力電流Ioutが零に制限される。従って、端子間電圧Vdcが規定定格電圧Vmax以上の場合は、蓄電装置3は、充電されない。
図15は、本実施形態に係る蓄電システム1の列車の運用時間帯における制御モード1の充放電制御を時系列に示すグラフ図である。なお、図15に示す充放電制御は、一般的な通勤路線を例としたものである。
一般的な通勤路線では、早朝は列車本数が少ないため、回生失効しやすい状況にある。このため、回生失効を防止するような充放電制御特性により充放電制御を行う。
次に、朝のラッシュ時間帯に入ると、パンタ点電圧降下や、ピーク電力の問題が発生する。従って、これらの問題を解消するような充放電制御特性により充放電制御を行う。
朝のラッシュ時間帯を過ぎて日中になると、列車密度が低下する。このため、列車負荷の大きさも小さくなる。従って、回生失効を防止するような充放電制御特性により充放電制御を行う。
夕方になると、ラッシュ時間帯が再び発生する。しかし、朝のラッシュ時間帯ほど列車密度は高くない。このため、夕方のラッシュ時間帯では、電圧降下補償及び回生失効を防止するような充放電制御特性により充放電制御を行う。
終電に近づくにつれ、運行する列車本数は低下する。このため、夕方のラッシュ時間帯以降は、回生失効を防止するような充放電制御特性により充放電制御を行う。
本実施形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
制御モード1では、ダイヤ情報又は隣接する変電所の回線別電流やき電線電圧などの各種情報を遠方監視制御装置等から受信することで、蓄電システム1は、周辺の負荷状態を推定することができる。このように推定された負荷状態に基づいて、充放電制御目的に適した充放電制御特性を生成する。また、電車線93の架線電圧Vs等を評価関数とした最適化アルゴリズムを実行して、充放電制御特性を生成する。これより、列車の運行状況により適した充放電制御特性を生成することができる。
また、制御モード2では、閑散時又はラッシュ時などのどのような負荷状態でも常に一定の充放電効果を得られる充放電制御特性を用いて充放電制御する。一方、自立判定部21により制御モード1による充放電効果が効果的でないと判定されると、制御モード1から制御モード2に切り換わる。これにより、制御モード1で充分に充放電効果が得られない状況になっても、制御モード2に切り換わることで、蓄電システム1の充放電制御の著しい品質低下を避けることができる。
従って、蓄電システム1は、時間帯又は負荷状態に応じて充放電制御特性が変化する制御モード1と汎用性のある制御モード2の2種類の制御モードを設けることで、列車の運行状況に応じて効果的に電車線に充放電することができる。
(第2の実施形態)
図16は、本発明の第2の実施形態に係る蓄電システム1の制御部2Aの構成を示す構成図である。
制御部2Aは、図2に示す第1の実施形態に係る制御部2において、充放電制御特性生成部22を充放電制御特性生成部22Aに代えた構成である。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
図17は、本実施形態に係る充放電制御特性生成部22Aの構成を示す構成図である。
充放電制御特性生成部22Aは、図4に示す第1の実施形態に係る充放電制御特性生成部22において、屈折点パラメータ生成部222を屈折点パラメータ生成部222Aに代え、設定部STAに制御モード1Aを設定した構成である。
制御モード切替部221により制御モード1Aが選択された場合の屈折点パラメータ生成部222Aにおける屈折点パラメータPRAの生成について説明する。
図18は、本実施形態に係る屈折点パラメータ生成部222Aに設定される時系列データDTを示すデータ図である。図18は、直流1500[V]のき電システムの例を示している。
図18に示すように、時系列に図5に示す充放電制御特性の各パラメータVa,Vb,Vc,Vd,Ve,Vf,Iolim,Iclimの設定値が予め設定されている。ここで、電圧Vaは、列車の定電圧保護セット値、電圧Vfは、回生絞り込み終了電圧とそれぞれ同値に設定されている。
屈折点パラメータ生成部222Aは、時系列データDTに従って、現在の時刻(時間帯)に対応する各パラメータVa,Vb,Vc,Vd,Ve,Vf,Iolim,Iclimの設定値を屈折点パラメータPRAとして生成する。屈折点パラメータ生成部222Aは、時系列データDTに従って決定された屈折点パラメータPRAを充放電制御部24に出力する。
屈折点パラメータ生成部222Aには、時刻(列車ダイヤ等)により推定される負荷状態の充放電制御目的に適した充放電制御特性になるように屈折点パラメータPRAが設定されている。よって、列車90が列車ダイヤ通りに運行されていれば、蓄電システム1の充放電制御が効果的に行われる。例えば、屈折点パラメータPRAは、図15に示す充放電制御となるように設定される。
本実施形態によれば、第1の実施形態における制御モード1の代わりに、運転管理システム等からの情報を必要としない制御モード1Aを設定することにより、蓄電システム1内で完結した制御をすることができる。これにより、遠方監視制御装置と接続しなくても、第1の実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
なお、各実施形態では、電気鉄道の電力系統に適用する蓄電システム1について説明したが、三相交流の電力系統に適用する構成としてもよい。例えば、蓄電システム1の負荷状態を推定して充放電を行う制御モードと、常に充電と放電のいずれも対応できるように充放電を行う制御モードとを備え、蓄電システム1の充放電による効果を判定して、これらの2つの制御モードを切り替えることで、三相交流の電力系統においても、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、時間帯に応じて制御目的(充電又は放電など)を変更して充放電を行う制御モードと、常に充電と放電のいずれも対応できるように充放電を行う制御モードとを備えた構成とすることで、第2の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、各実施形態では、自立判定部21により判定に用いる指標(計画値PL及び実績値RE)として、図3に示すように、き電線入力エネルギを用いたがこれに限らない。例えば、自立判定部21が判定に用いる指標は、蓄電装置3が電車線93から充電するエネルギでもよいし、蓄電装置3の充放電電力でもよい。また、充放電実績に限らず、SOC実績で同様に評価してもよい。蓄電システム1では、図5及び図7に示すように、電圧−電流平面上で蓄電装置3の出力電流Ioutを制御するため、蓄電装置3の変換器に常時最適な電流指令値I*を与える必要はない。従って、自立判定部21は、SOC実績で評価することで、充放電計画に沿った運転ができているかを有効に判定することができる。
さらに、各実施形態では、2つの制御モードで蓄電装置3を充放電制御する構成としたが、3以上の制御モードを設けてもよい。また、自立判定部21は、判定結果に応じて、3以上の制御モードを選択して切り替えるようにしてもよい。
また、各実施形態において、自立判定部21による充放電制御の効果を判定する方法は、説明したものに限らず、他の方法で判定してもよい。
さらに、各実施形態において、蓄電システム1,1Aの入出電流の急激な変化を防止するために、電流の変化量を緩やかにするための電流変化量緩和部を設けてもよい。
また、各実施形態において、制御モード切替部221は、制御モードを切り替えた後、所定時間経過しなければ、制御モードが再度切り替わらないようにしてもよい。
さらに、第1の実施形態において、制御モード1の屈折点パラメータPRを演算するために用いる各種情報は、説明したものに限らない。例えば、各種情報は、変電所の整流器の運転台数、変電所で計測される出力電流若しくはき電電圧、同一のき電線(電力系統)に接続されている他の蓄電システムのSOC、又は、他の蓄電システム1が計測するき電線への入出力電流若しくはき電線電圧などでもよい。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…蓄電システム、2…制御部、3…蓄電装置、4…電圧検出器、5…電流検出器、10…直流電力供給システム、11…TCR、12…伝送路、90…列車、91…変圧器、92…整流器、93…電車線。

Claims (11)

  1. 電力系統に接続された蓄電手段と、
    前記電力系統の電圧を計測する電圧計測手段と、
    時間に基づいて、前記蓄電手段の充放電を制御するための第1の充放電制御特性を生成する第1の充放電制御特性生成手段と、
    充電及び放電のいずれも対応するように前記蓄電手段の充放電を制御するための第2の充放電制御特性を生成する第2の充放電制御特性生成手段と、
    前記第1の充放電制御特性生成手段により生成された前記第1の充放電制御特性又は前記第2の充放電制御特性生成手段により生成された前記第2の充放電制御特性を用いて、前記電圧計測手段により計測された電圧に基づいて、前記蓄電手段の充放電を制御する充放電制御手段と、
    前記蓄電手段の充放電が効果的か否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記蓄電手段の充放電が効果的でないと判定された場合、前記充放電制御手段に用いる充放電制御特性を切り替える充放電制御特性切替手段と
    を備えたことを特徴とする蓄電システム。
  2. 前記電力系統は、電気鉄道用電力系統であること
    を特徴とする請求項1に記載の蓄電システム。
  3. 電力系統に接続された蓄電手段と、
    前記電力系統の電圧を計測する電圧計測手段と、
    前記電力系統の負荷状態を推定するための負荷情報を取得する負荷情報取得手段と、
    前記負荷情報取得手段により取得された前記負荷情報に基づいて、前記蓄電手段の充放電を制御するための第1の充放電制御特性を生成する第1の充放電制御特性生成手段と、
    充電及び放電のいずれも対応するように前記蓄電手段の充放電を制御するための第2の充放電制御特性を生成する第2の充放電制御特性生成手段と、
    前記第1の充放電制御特性生成手段により生成された前記第1の充放電制御特性又は前記第2の充放電制御特性生成手段により生成された前記第2の充放電制御特性を用いて、前記電圧計測手段により計測された電圧に基づいて、前記蓄電手段の充放電を制御する充放電制御手段と、
    前記蓄電手段の充放電が効果的か否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記蓄電手段の充放電が効果的でないと判定された場合、前記充放電制御手段に用いる充放電制御特性を切り替える充放電制御特性切替手段と
    を備えたことを特徴とする蓄電システム。
  4. 前記電力系統は、電気鉄道用電力系統であること
    を特徴とする請求項3に記載の蓄電システム。
  5. 前記負荷情報取得手段は、前記電力系統に関する電気量を前記負荷情報として取得すること
    を特徴とする請求項4に記載の蓄電システム。
  6. 前記負荷情報取得手段は、前記電力系統に接続された他の蓄電手段の充電状態を前記負荷情報として取得すること
    を特徴とする請求項4に記載の蓄電システム。
  7. 前記負荷情報取得手段は、列車ダイヤに関する情報を前記負荷情報として取得すること
    を特徴とする請求項4に記載の蓄電システム。
  8. 前記判定手段は、前記蓄電手段の電気量と過去の実績値との比較に基づいて、判定すること
    を特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の蓄電システム。
  9. 前記判定手段は、前記蓄電手段の充電状態と目標とする充電状態との比較に基づいて、判定すること
    を特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の蓄電システム。
  10. 電力系統に接続された蓄電装置を制御する制御方法であって、
    前記電力系統の電圧を計測し、
    時間に基づいて、前記蓄電装置の充放電を制御するための第1の充放電制御特性を生成し、
    充電及び放電のいずれも対応するように前記蓄電装置の充放電を制御するための第2の充放電制御特性を生成し、
    生成した前記第1の充放電制御特性又は生成した前記第2の充放電制御特性を用いて、計測した電圧に基づいて、前記蓄電装置の充放電を制御し、
    前記蓄電装置の充放電が効果的か否かを判定し、
    前記蓄電装置の充放電が効果的でないと判定した場合、前記蓄電装置の制御に用いる充放電制御特性を切り替えること
    を特徴とする蓄電装置の制御方法。
  11. 電力系統に接続された蓄電装置を制御する制御方法であって、
    前記電力系統の電圧を計測し、
    前記電力系統の負荷状態を推定するための負荷情報を取得し、
    取得した前記負荷情報に基づいて、前記蓄電手段の充放電を制御するための第1の充放電制御特性を生成し、
    充電及び放電のいずれも対応するように前記蓄電装置の充放電を制御するための第2の充放電制御特性を生成し、
    生成した前記第1の充放電制御特性又は生成した前記第2の充放電制御特性を用いて、計測した電圧に基づいて、前記蓄電装置の充放電を制御し、
    前記蓄電装置の充放電が効果的か否かを判定し、
    前記蓄電装置の充放電が効果的でないと判定した場合、前記蓄電装置の制御に用いる充放電制御特性を切り替えること
    を特徴とする蓄電装置の制御方法。
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