JP2012105463A - 異常判定システム - Google Patents

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政晃 松浦
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Abstract

【課題】通信機能付の計測装置を用いて低圧電力を供給する系統に対する異常の有無を判定する。
【解決手段】低圧電力の電圧を引込線3A〜3Gで計測する検出部73及び計量部71、及び、計測された電圧の値を示す電圧情報を送信する計量側通信部72を有し、配電系統内の複数の引込線3A〜3Gに対応して複数配置されるスマートメーター7A〜7Gと、複数のスマートメーター7A〜7Gから送信された電圧情報を受信する管理側通信部12、及び、複数の電圧情報に応じた複数の電圧値のうちの適正電圧範囲から外れた電圧値に応じて、引込線の異常や配電線の異常を判定する管理側制御部11を有する管理装置10とを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、異常判定システムに関する。
現在、変圧器の利用率計算や低圧線の電圧降下計算については、配電地図情報システム及び低圧負荷管理システムによって行っている。例えば、従量電灯については、1戸あたりの電流値を算出し、算出した電流値に基づいて変圧器の利用率や低圧線の電圧降下を求めている。また、動力については、機器の種類によって圧縮率を算定した上で電流値を算出し、変圧器の利用率等を求めている。これらの計算は理論値で行われているため現地の状況に即さないケースも生じ得る。
近年、通信機能付の電力量計(スマートメータ)を用いて電力需給を自動的に調整するスマートグリッドが脚光を浴びている。この電力量計から定期的に送られてくる電流実測値を用いることで、現地の状況に即した変圧器の利用率や低圧線の電圧降下を求めることができる。
このような通信機能付の電力量計は、既設の電力量計と順次置き換えられていくため、今後全国的に設置されることが予想される。そこで、この電力量計による計測結果を用いて様々な制御を行うことが検討されている。
例えば、特許文献1には、制御装置(スマートメーター)によって測定された電力量に基づいて電力需要を予測し、電力が不足する場合に制御装置によって需要家への電力供給を遮断する電力制御システムにおいて、需要家への電力供給を遮断する判断を行う前に、その需要家において散水を行わせるように構成したものが開示されている。
特開2010−206947号公報
前述の電力制御システムのように、通信機能付の電力量計による計測結果を用いて様々な制御を行えれば、各需要家に設置される電力量計を多用途に用いることができ、少ない設備投資で利便性を高めることができる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、通信機能付の計測装置を用いて低圧電力を供給する系統に対する異常の有無を判定することにある。
前記課題を解決するため、本発明は、低圧電力を配電する配電線、及び、前記低圧電力を需要家に供給する引込線を有する配電系統における、前記配電線及び前記引込線に生じた異常を判定する異常判定システムであって、前記低圧電力の電圧を前記引込線で計測する計測部、及び、前記計測部で計測された電圧の値を示す電圧情報を送信する送信部を有し、前記配電系統内の複数の引込線に対応して複数配置される計測通信装置と、複数の前記計測通信装置から送信された電圧情報を受信する受信部、及び、複数の前記電圧情報に応じた複数の電圧値のうちの適正電圧範囲から外れた電圧値に応じて、前記引込線の異常と前記配電線の異常の少なくとも一方を判定する異常判定部を有する異常判定装置とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、異常判定装置は、複数の計測通信装置から送信される電圧情報に基づき、引込線毎に電圧値が適正電圧範囲にあるか否かを判断できる。そして、適正電圧範囲から外れた電圧値の分布や経時変化の状況によって、生じている異常の内容を判定することができる。
上記異常判定システムにおいて、前記異常判定部に、前記適正電圧範囲から外れた電圧値が、前記適正電圧範囲の下限値よりも低く、かつ、接地よりも高い電圧値となるように定められた判断基準値以上である場合に、前記配電線において接触不良が生じていると判定させる場合には、配電線や引込線の接続部における接触不良の有無を判定することができる。
上記異常判定システムにおいて、前記異常判定部に、前記適正電圧範囲から外れた電圧値が0Vを示す場合に、前記配電線または前記引込線の途中で断線が生じていると判定させる場合には、配電線や引込線における断線の有無を判定することができる。
上記異常判定システムにおいて、前記計測部に、前記低圧電力の電圧を繰り返し計測させ、前記送信部に、繰り返し計測された電圧の値を示す電圧情報を繰り返し送信させ、前記異常判定部に、或る計測通信装置から送信された電圧情報で示される複数の電圧値が、前記適正電圧範囲から外れたり前記適正電圧範囲内に入ったりを繰り返す場合、前記或る計測通信装置に対応する引込線に、接触不良が生じていると判定させる場合には、個別の引込線に対する接触不良の有無を判定することができる。
上記異常判定システムにおいて、前記引込線は、正側の第1相、接地された中性相、及び、負側の第2相を有する単相3線式であり、前記計測部に、前記第1相と前記中性相との間の第1電圧値と、前記中性相と前記第2相との間の第2電圧値とを個別に測定させ、前記異常判定部に、前記第1電圧値と前記第2電圧値の一方が前記適正電圧範囲の上限値よりも高く、かつ、前記第1電圧値と前記第2電圧値の他方が前記適正電圧範囲の下限値よりも低い場合に、対応する引込線の中性相に断線または接触不良が生じていると判定させる場合には、中性相に対する断線や接触不良の有無を判定することができる。
上記異常判定システムにおいて、前記引込線のそれぞれに接続され、遮断制御信号の受信によって前記需要家への電力供給を遮断する複数の遮断器と、前記異常判定部が異常と判定した場合に、前記複数の遮断器のうちの対応する遮断器に、前記遮断制御信号を送信する制御信号送信部とを備えた場合には、異常が生じた配電線や引込線を使用する需要家を遠隔地から迅速に保護できる。
本発明によれば、通信機能付の計測装置を用いて低圧電力を供給する系統について、異常の有無を判定することができる。
配電系統を模式的に説明する図である。 異常判定システムの構成を説明するブロック図である。 管理装置の動作を説明するフローチャートである。 スマートメーターで測定された電圧値をケース毎に説明する図である。 ケース1を模式的に説明する図である。 ケース2を模式的に説明する図である。 ケース3を模式的に説明する図である。 ケース4を模式的に説明する図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。ここで、図1は、配電系統を模式的に説明する図である。また、図2は、異常判定システムの構成を説明するブロック図である。
まず、配電系統の概略について説明する。図1に示す配電系統では、柱上変圧器1A,1Bによって高圧電力を低圧電力に変換し、低圧配電線2や引込線3A〜3Gを介して複数の需要家4A〜4Gや営業所5へ供給している。
例示した配電系統では、A幹1号柱6A〜A幹4号柱6D、及び、B幹1号柱6Eからなる5本の電柱を示している。そして、A幹1号柱6Aには第1変圧器1Aが設置され、三相3線の高圧配電線を通じて供給される高圧電力(例えば6.6kV)を低圧電力(例えば200V)に変換している。同様に、B幹1号柱6Eには第2変圧器1Bが設置され、高圧電力を低圧電力に変換している。
第1変圧器1Aで変換された低圧電力は、単相3線の低圧配電線2を介して供給される。この配電系統では、A幹1号柱6AからA幹2号柱6B、A幹2号柱6BからA幹3号柱6C、A幹3号柱6CからA幹4号柱6Dに亘って低圧配電線2が架設されている。
また、各電柱6A〜6Dと各需要家4A〜4Gの間には引込線3A〜3Gが設けられており、各需要家4A〜4Gへ低圧電力が供給されている。
この配電系統では、A幹1号柱6Aと第1需要家4Aとの間に第1引込線3Aが、A幹2号柱6Bと第2需要家4Bとの間に第2引込線3Bが、A幹2号柱6Bと第3需要家4Cとの間に第3引込線3Cが、それぞれ設けられている。同様に、A幹3号柱6Cと第4需要家4Dとの間に第4引込線3Dが、A幹3号柱6Cと第5需要家4Eとの間に第5引込線3Eが、A幹4号柱6Dと第6需要家4Fとの間に第6引込線3Fが、A幹4号柱6Dと第7需要家4Gとの間に第7引込線3Gが、それぞれ設けられている。さらに、B幹1号柱6Eと電力会社の営業所5との間に第8引込線3Hが設けられている。
低圧配電線2と各引込線3A〜3Gとの間には端子ボックス(図示せず)が設けられている。この端子ボックスは、各電柱の腕金に取り付けられるものであり、引込分岐端子箱とも呼ばれる。そして、低圧配電線2から分岐された引下用分岐電線と引込線3A〜3Gとを接続する。この配電系統では、A幹1号柱6Aに設けられた端子ボックスによって第1引込線3Aが接続され、A幹2号柱6Bに設けられた端子ボックスによって第2引込線3B及び第3引込線3Cが接続されている。また、A幹3号柱6Cに設けられた端子ボックスによって第4引込線3D及び第5引込線3Eが接続され、A幹4号柱6Dに設けられた端子ボックスによって第6引込線3F及び第7引込線3Gが接続されている。
各引込線3A〜3Gの途中にはスマートメーター7A〜7Gと遮断器8A〜8Gとが設けられている。スマートメーター7A〜7Gは、通信機能付きの電力量計であり、計測通信装置に相当する。図2に示すように、スマートメーター7A〜7Gは、計量部71と計量側通信部72とを有している。
計量部71は、検出部73で検出された電力に基づいて電力量を取得する部分である。検出部73は、電圧コイルと電流コイルとを有しており、引込線3A〜3Gを流れる電流や引込線3A〜3Gを通じて供給される低圧電力の電圧を検出する。なお、説明の便宜上、本明細書では、引込線取付点と屋内配線の間の建物側配線(引込口配線)も引込線3A〜3Gとして扱うこととする。そして、計量部71及び検出部73の組は、低圧電力の電圧を対応する引込線3A〜3Gで計測する計測部に相当する。
計量側通信部72は、外部の通信機器と通信を行うための部分であり、計測部(計量部71,検出部73)で計測された電圧の値を示す電圧情報を送信する送信部に相当する。本実施形態では、A幹1号柱6Aに設けられたコンセントレータ9(データ集約装置)との間で個別に通信を行う。計量側通信部72とコンセントレータ9との通信形式は適宜定められ、有線であっても無線であってもよい。そして、有線の場合には、専用線を用いてもよいし、電力線を用いてもよい。従って、計量側通信部72の仕様は、コンセントレータ9の仕様に応じて定められる。
計量側通信部72からのデータの送信間隔も任意に定めることができる。例えば、一定間隔毎にデータを送信するようにしてもよいし、リアルタイムでデータを送信するようにしてもよい。本実施形態では、15分間隔でデータを送信することとする。
コンセントレータ9は、複数のスマートメーター7A〜7Gから送信されたデータを受信し、通信ネットワークを通じて送信する。本実施形態において、このデータは、営業所5に設置された管理装置10(異常判定装置)で受信される。また、コンセントレータ9は、管理装置10から送信された遮断制御信号を対応する遮断器8A〜8Gへ送信する。
図1に示すように、遮断器8A〜8Gは、スマートメーター7A〜7Gよりも下流側(建物側)に設けられており、需要家4A〜4Gへの低圧電力の供給を制御する。例えば、平常時において遮断器8A〜8Gは閉成されており、需要家4A〜4Gへの低圧電力の供給がなされている。一方、低圧配電線2や引込線3A〜3Gに何らかの異常が生じた場合には、コンセントレータ9を介して管理装置10からの遮断制御信号が送信されるので、遮断器8A〜8Gは開放される。遮断器8A〜8Gの開放によって対応する需要家4A〜4Gへの低圧電力の供給が遮断される。
図2に示すように、遮断器8A〜8Gは、遮断部81と、遮断側制御部82と、遮断側通信部83とを有する。遮断部81は、遮断側制御部82からの制御信号に応じて動作し、低圧電力の供給や遮断を制御する。遮断側制御部82は、遮断部81の動作を制御する部分であり、管理装置10からの遮断制御信号に基づき、閉成状態の遮断部81を開放状態に移行させる。遮断側通信部83は、計量側通信部72と同様に外部の通信機器と通信を行うための部分であり、本実施形態ではコンセントレータ9との間で個別に通信を行う。そして、遮断側通信部83は、コンセントレータ9から送信された遮断制御信号を受信すると、この遮断制御信号を遮断側制御部82へ送信する。
図1及び図2に示すように、これらのスマートメーター7A〜7Gと遮断器8A〜8Gの組は、需要家4A〜4G毎に設けられ、電力量の計測や低圧電力の供給や遮断が行われる。具体的には、第1需要家4Aに対応して第1スマートメーター7Aと第1遮断器8Aの組が設けられ、第2需要家4Bに対応して第2スマートメーター7Bと第2遮断器8Bの組が設けられる。以下同様に、第7需要家4Gに対応して第7スマートメーター7Gと第7遮断器8Gの組が設けられる。
図2に示すように、管理装置10は、管理側制御部11と、管理側通信部12とを有している。管理側制御部11は、管理装置10における制御を担当する部分であり、動作プログラムやデータを格納するメモリと、このメモリに記憶された動作プログラムやデータに従って制御を行うCPUとを有している(何れも図示せず)。
なお、このメモリには、バンク内に設けられた全てのスマートメーター7A〜7Gについて、対応する電柱番号、対応する引込線3A〜3Gの番号、組をなす遮断器8A〜8Gの番号等を示す設備データベースも記憶されている。また、メモリには、後述する適正電圧範囲を示す適正電圧情報や異常判定処理で用いられる判断基準値を示す判断基準情報も記憶されている。
管理側通信部12は、外部の通信機器と通信を行うための部分であり、本実施形態ではコンセントレータ9との間で通信を行う。従って、管理装置10は、コンセントレータ9で集約された各スマートメーター7A〜7Gからの送信データを受信でき、各遮断器8A〜8Gに対して遮断制御信号を送信できる。
本実施形態において、管理装置10は、異常判定装置に相当する。そして、管理側通信部12は、複数のスマートメーター7A〜7G(計測通信装置)から送信された電圧情報を受信する受信部に相当する。また、管理側制御部11は、複数の電圧情報に応じた複数の電圧値のうちの適正電圧範囲から外れた電圧値に応じて、各引込線3A〜3Gの異常や低圧配電線2の異常を判定する異常判定部に相当する。
次に、この異常判定システムの動作について説明する。図3は、管理装置10の動作を説明するフローチャートである。
このシステムでは、まず管理側通信部12によって各スマートメーター7A〜7Gからの電圧情報が受信される(S1)。この電圧情報は、各スマートメーター7A〜7Gが有する計量部71で取得されたものである。
前述したように、計量部71は、検出部73が有する電圧コイルを通じて低圧電力の電圧を取得し、電流コイルを通じて引込線3A〜3Gを流れる電流を取得する。そして、取得した電圧と電流に基づいて電力量を求める。このように、計量部71は、電力量を求めるに際して電圧を取得するため、取得した電圧の値が電圧情報として送信される。
なお、本実施形態の引込線3A〜3Gは単相3線式であるため、電圧情報は、1つの引込線3A〜3Hについて、赤相(第1相)−接地(中性相)と黒相(第2相)−接地(中性相)の2種類の情報が送信される。便宜上、赤相−接地間の電圧情報を赤相電圧情報といい、黒相−接地間の電圧情報を黒相電圧情報という。そして、赤相電圧情報で示される電圧値を赤相電圧値(第1電圧値)といい、黒相電圧情報で示される電圧値を黒相電圧値(第2電圧値)という。また、計量側通信部72は、電圧情報が何れの各スマートメーター7A〜7Gで取得されたものかを示すメータ識別情報(装置識別情報)が付された電圧情報を送信する。
電圧情報を受信したならば、管理側制御部11は、受信した電圧情報をメモリに記憶させる(S2)。そして、バンク内に設けられた全てのスマートメーター7A〜7Gから電圧情報を受信したか否かを判断する(S3)。前述したように、メモリには設備データベースが記憶されているため、管理側制御部11は、どのスマートメーター7A〜7Gから送信された電圧情報であるかを認識できる。
電圧情報が未受信のスマートメーター7A〜7Gが残っていた場合(S3でN)、ステップS1に移行する。そして、管理側通信部12は、未受信のスマートメーター7A〜7Gから電圧情報が送信されてくるのを待つ。一方、全てのスマートメーター7A〜7Gから電圧情報を受信したならば(S3でY)、ステップS4に移行する。
ステップS4において、管理側制御部11は、メモリに記憶された各電圧情報と適正電圧情報とを参照し、各電圧情報が示す電圧値について、適正電圧範囲外の電圧値があるか否かを判断する。本実施形態では、101Vを中心値とする±6Vの範囲を適正電圧範囲としているので、適正電圧範囲は107Vから95Vまでとなる。
ここで、適正電圧範囲外の電圧値がなかった場合(S4でN)、ステップS1に戻る。この場合、管理側通信部12は、次のサイクル(15分サイクル)で送信されてくる電圧情報を受信すべく待機する。一方、適正電圧範囲を超える電圧値があった場合(S4でY)、ステップS5に移行する。
ステップS5において、管理側制御部11は異常判定処理を行う。この異常判定処理では、適正電圧範囲から外れた電圧値に応じて、引込線3A〜3Gの異常や低圧配電線2の異常を判定する。なお、異常判定処理の内容については、後で詳しく説明する。
ステップS5の異常判定処理において異常なしと判定された場合(S6でN)、ステップS1に戻り、管理側通信部12が待機状態となる。一方、異常有りと判定された場合(S6でY)、ステップS7に移行する。
ステップS7では、報知信号の送信処理が行われる。この送信処理では、管理側制御部11で生成された報知信号を、管理側通信部12が送信する。この報知信号は、引込線3A〜3Gや低圧配電線2に異常が生じていることを報知するためのものであり、異常の内容と異常が生じた場所(引込線3A〜3G番号や低圧配電線2の区間)を示すものとなっている。この報知信号は、保守作業の担当者に無線で送信される。そして、担当者は、無線端末で報知信号を受信し、異常を解消すべく発生場所へ移動する。
報知信号を送信したならば、管理側制御部11は、異常発生場所に対応する需要家4A〜4Gについて、低圧電力の供給を遮断すべきか否かを判断する(S8)。そして、遮断する必要がないと判断された場合(S8でN)、ステップS1に戻り、管理側通信部12が待機状態となる。一方、遮断する必要があると判定された場合(S8でY)、ステップS9に移行する。
ステップS9では、遮断制御信号の送信処理が行われる。この送信処理では、管理側制御部11で生成された遮断制御信号を、管理側通信部12が送信する。前述したように、遮断制御信号は遮断器8A〜8Gを遮断させるためのものであり、遮断対象となる遮断器8A〜8Gを示す識別情報が付加されている。このため、遮断対象となる遮断器8A〜8Gがこの遮断制御信号を受信すると、対応する需要家4A〜4Gへの低圧電力の供給が遮断される。これにより、異常が生じた配電線や引込線3A〜3Gを使用する需要家4A〜4Gを遠隔地から迅速に保護できる。遮断制御信号が送信されたならば、ステップS1に戻り、管理側通信部12が待機状態となる。
次に、異常判定処理の詳細について説明する。
図4に示す例は、ケース1からケース4までの4種類の異常を示したものである。以下、ケース毎に説明する。
まず、ケース1について説明する。ケース1における第1需要家4Aから第3需要家4Cの赤相電圧値及び黒相電圧値は、最高が103.6V(第1需要家4Aの黒相電圧値)、最低が102.1V(第3需要家4Cの黒相電圧値)であり、何れも適正電圧範囲内にある。そして、第4需要家4Dから第7需要家4Gにおける黒相電圧値は、最高が103.5V(第4需要家4D)、最低が102.1V(第7需要家4G)であり、何れも適正電圧範囲内にある。しかし、赤相電圧値は、最高が42.0V(第5需要家4E)、最低が37.0V(第7需要家4G)であり、何れも適正電圧範囲を大きく下回っている。
ここで、黒相電圧値に関して全ての需要家4A〜4Gで適正電圧範囲内にあることから、管理側制御部11は、低圧配電線2や各引込線3A〜3Gにおける黒相電線と接地電線について、異常は生じていないと判断する。一方、赤相電圧値に関し、第4需要家4Dよりも下流側(第1変圧器1Aよりも遠い側)で適正電圧範囲よりも低い電圧値を示し、かつ、これらの電圧値が0Vよりは高いことから、管理側制御部11は、図5に示すように、低圧配電線2における2号柱6Bよりも下流側であって3号柱6Cよりも上流側の部分で、赤相電線に接触不良が生じていると判断する。
すなわち、管理側制御部11(異常判定部)は、適正電圧範囲から外れた電圧値が、適正電圧範囲の下限値よりも低く、かつ、接地よりも高い電圧値となるように定められた判断基準値以上である場合に、低圧配電線2において接触不良が生じていると判定する。
次に、ケース2について説明する。ケース2における第1需要家4Aから第5需要家4Eの赤相電圧値及び黒相電圧値は、最高が103.6V(第1需要家4Aの黒相電圧値)、最低が101.5V(第4需要家4Dの赤相電圧値)であり、何れも適正電圧範囲内にある。しかし、第6需要家4F及び第7需要家4Gについては、赤相電圧値が適正電圧範囲よりも高く、黒相電圧値が適正電圧範囲よりも低くなっており、最高電圧値が175.0V(第7需要家4Gの赤相電圧値)、最低電圧値が28.0V(第7需要家4Gの黒相電圧値)である。また、需要家4A〜4G毎に赤相電圧値と黒相電圧値を加算すると、第6需要家4Fが210.0V、第7需要家4Gが203.0Vであって何れも200V前後になる。
ここで、赤相電圧値及び黒相電圧値に関して第1需要家4Aから第5需要家4Eまでの各需要家4A〜4Gで適正電圧範囲内にあることから、管理側制御部11は、低圧配電線2における1号柱6Aから3号柱6Cまでの部分について異常は生じていないと判断する。同様に、第1需要家4Aから第5需要家4Eに対応する第1引込線3Aから第5引込線3Eについても異常は生じていないと判断する。
また、第6需要家4F及び第7需要家4Gにおいて、赤相電圧値と黒相電圧値を加算した値が適正電圧範囲の2倍に収まっていることから、管理側制御部11は、低圧配電線2における3号柱6Cよりも下流側の部分、第6引込線3F、及び、第7引込線3Gにおいて、赤相電線及び黒相電線に異常は生じていないと判断する。さらに、第6需要家4F及び第7需要家4Gのそれぞれで、赤相電圧値が適正電圧範囲よりも高く、黒相電圧値が適正電圧範囲よりも低くなっていることから、第6引込線3Fと第7引込線3Gの接地線にも異常は生じていないと判断する。
従って、このケース2において、管理側制御部11は、図6に示すように、低圧配電線2における3号柱6Cよりも下流側の部分で、接地線に接触不良又は断線が生じていると判断する。
次に、ケース3について説明する。ケース3における第1需要家4Aから第3需要家4Cの赤相電圧値及び黒相電圧値は、最高が103.6V(第1需要家4Aの黒相電圧値)、最低が102.1V(第3需要家4Cの黒相電圧値)であり、何れも適正電圧範囲内にある。そして、第4需要家4Dから第7需要家4Gにおける黒相電圧値は、最高が103.5V(第4需要家4D)、最低が102.1V(第7需要家4G)であり、何れも適正電圧範囲内にある。しかし、赤相電圧値はいずれも0Vである。ケース1と比較すると、ケース1での第4需要家4Dから第7需要家4Gの赤相電圧値は、適正電圧範囲より低いものの40V前後の値を示していたのに対し、ケース3では第4需要家4Dから第7需要家4Gの黒相電圧値が何れも0Vである点で相違している。
従って、このケース3において、管理側制御部11(異常判定部)は、図7に示すように、低圧配電線2における2号柱6Bよりも下流側であって3号柱6Cよりも上流側の部分で、赤相電線が断線していると判断する。すなわち、管理側制御部11は、適正電圧範囲から外れた電圧値が0Vを示していることから、低圧配電線2の途中で断線が生じていると判定する。
次に、ケース4について説明する。ケース4において、第2需要家4Bの黒相電圧値を除く各電圧値は、最高が103.6V(第1需要家4Aの黒相電圧値)、最低が101.5V(第3需要家4Cの黒相電圧値)であり、何れも適正電圧範囲内にある。しかし、第2需要家4Bの黒相電圧値は経時的に変化し、或るタイミングでは80.0Vを示し、別のタイミングでは102.2Vとなって安定しない。
このように、特定の需要家4Bにおける電圧値が経時的に変化して適正電圧範囲から外れたり入ったりを繰り返す場合、管理側制御部11は、電線そのものに異常はなく、第2引込線3Bの接続部分(例えば端子ボックス)において、接触不良が生じていると判断する。また、第2需要家4Bの赤相電圧値が適正電圧範囲内であるため、第2引込線3Bにおける赤相電線及び接地線に異常は生じていないと判断する。
従って、このケース4において、管理側制御部11は、図8に示すように、第2引込線3Bにおける黒相電線において、接続部分の接触不良が生じていると判断する。
以上説明したように、このシステムによれば、管理側制御部11(異常判定部)は、複数のスマートメーター7A〜7G(計測通信装置)から送信される電圧情報に基づき、引込線3A〜3G毎に電圧値が適正電圧範囲にあるか否かを判断できる。そして、適正電圧範囲から外れた電圧値の分布や経時変化の状況によって、低圧配電線2や各引込線3A〜3Gに生じている異常の内容を判定することができる。従って、各需要家4A〜4Gに設置されるスマートメーター7A〜7Gを多用途に用いることができ、少ない設備投資で利便性を高めることができる。
以上、本発明の好適な実施形態や応用例について説明したが、これらの実施形態等は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、その等価物が含まれる。
例えば、管理側制御部11(異常判定部)に関し、各ケースの判断基準を組み合わせることで、他のケースについて判定させてもよい。例えば、ケース4において、第2需要家4Bの黒相電圧値が0Vであった場合、管理側制御部11に、第2引込線3Bが有する黒相電線の途中で断線が生じていると判断させるようにしてもよい。また、第7需要家4Gの赤相電圧値が175.0V、黒相電圧値が28.0Vであり、第6需要家4Fの赤相電圧値及び黒相電圧値が適正電圧範囲であった場合、管理側制御部11に、第7引込線3Gが有する接地線の途中で断線又は接触不良が生じていると判断させるようにしてもよい。
また、スマートメーター7A〜7Gに関し、電圧コイルと電流コイルとを備え、低圧電力の電圧値や電流値を検出するものを例示したが、電圧値を出力できればこの形態に限定されるものではない。
また、スマートメーター7A〜7Gと管理装置10との通信に関し、コンセントレータ9を介さなくてもよい。例えば、スマートメーター7A〜7Gと管理装置10とを直接通信させてもよい。
また、スマートメーター7A〜7Gから管理装置10へのデータ送信に関し、前述の実施形態の様に一定時間毎にデータを送信するようにしてもよいし、適正電圧範囲から外れた場合についてのみデータを送信するようにしてもよい。さらに、適正電圧範囲から外れた場合のデータ送信間隔を、適正電圧範囲内の場合のデータ送信間隔よりも短くするようにしてもよい。例えば、適正電圧範囲内の場合のデータ送信間隔を30分とし、適正電圧範囲から外れた場合のデータ送信間隔を1分としてもよい。
1A,1B…柱上変圧器,2…低圧配電線,3A〜3H…引込線,4A〜4G…需要家,5…営業所,6A〜6E…電柱,7A〜7G…スマートメーター,71…計量部,72…計量側通信部,73…検出部,8A〜8G…遮断器,81…遮断部,82…遮断側制御部,83…遮断側通信部,9…コンセントレータ,10…管理装置,11…管理側制御部,12…管理側通信部

Claims (6)

  1. 低圧電力を配電する配電線、及び、前記低圧電力を需要家に供給する引込線を有する配電系統における、前記配電線及び前記引込線に生じた異常を判定する異常判定システムであって、
    前記低圧電力の電圧を前記引込線で計測する計測部、及び、前記計測部で計測された電圧の値を示す電圧情報を送信する送信部を有し、前記配電系統内の複数の引込線に対応して複数配置される計測通信装置と、
    複数の前記計測通信装置から送信された電圧情報を受信する受信部、及び、複数の前記電圧情報に応じた複数の電圧値のうちの適正電圧範囲から外れた電圧値に応じて、前記引込線の異常と前記配電線の異常の少なくとも一方を判定する異常判定部を有する異常判定装置と
    を備えていることを特徴とする異常判定システム。
  2. 前記異常判定部は、前記適正電圧範囲から外れた電圧値が、前記適正電圧範囲の下限値よりも低く、かつ、接地よりも高い電圧値となるように定められた判断基準値以上である場合に、前記配電線において接触不良が生じていると判定することを特徴とする請求項1に記載の異常判定システム。
  3. 前記異常判定部は、前記適正電圧範囲から外れた電圧値が0Vを示す場合に、前記配電線または前記引込線の途中で断線が生じていると判定することを特徴とする請求項1に記載の異常判定システム。
  4. 前記計測部は、前記低圧電力の電圧を繰り返し計測し、
    前記送信部は、繰り返し計測された電圧の値を示す電圧情報を繰り返し送信し、
    前記異常判定部は、或る計測通信装置から送信された電圧情報で示される複数の電圧値が、前記適正電圧範囲から外れたり前記適正電圧範囲内に入ったりを繰り返す場合、前記或る計測通信装置に対応する引込線に、接触不良が生じていると判定することを特徴とする請求項1に記載の異常判定システム。
  5. 前記引込線は、正側の第1相、接地された中性相、及び、負側の第2相を有する単相3線式であり、
    前記計測部は、前記第1相と前記中性相との間の第1電圧値と、前記中性相と前記第2相との間の第2電圧値とを個別に測定し、
    前記異常判定部は、前記第1電圧値と前記第2電圧値の一方が前記適正電圧範囲の上限値よりも高く、かつ、前記第1電圧値と前記第2電圧値の他方が前記適正電圧範囲の下限値よりも低い場合に、対応する引込線の中性相に断線または接触不良が生じていると判定することを特徴とする請求項1に記載の異常判定システム。
  6. 前記引込線のそれぞれに接続され、遮断制御信号の受信によって前記需要家への電力供給を遮断する複数の遮断器と、
    前記異常判定部が異常と判定した場合に、前記複数の遮断器のうちの対応する遮断器に、前記遮断制御信号を送信する制御信号送信部と
    を備えていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の異常判定システム。
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