JP2012107876A - 燃料集合体 - Google Patents

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直己 福士
Hirokuni Ishigaki
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Abstract

【課題】地震発生時における制御棒の炉心への挿入性をさらに向上させることができる燃料集合体を提供する。
【解決手段】燃料集合体4では、下部タイプレート34及び上部タイプレート35によって支持される複数の燃料棒38を有する。複数の燃料スペーサ40で束ねられた複数の燃料棒38の周囲を取り囲むチャンネルボックス37は、上端部がチャンネルファスナ36によって上部タイプレート35に取り付けられ、チャンネルボックス37の下端部が下部タイプレート34を取り囲んでいる。チャンネルボックス37の下端よりも下方で下部タイプレート34の2つの側面に、ローラ11が回転可能にそれぞれ取り付けられる。これらのローラ11は、下部タイプレート34において、チャンネルファスナ36が取り付けられた燃料集合体4の1つのコーナ部でこのコーナ部に位置する2つの側面にそれぞれ取り付けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料集合体に係り、特に、沸騰水型原子炉に適用するのに好適な燃料集合体に関する。
沸騰水型原子炉は、内部に炉心を設けた原子炉圧力容器を有している。原子炉圧力容器内に設けられた炉心シュラウドが、複数の燃料集合体が装荷されている炉心を取り囲んでいる。炉心シュラウド内に配置された上部格子板及び炉心支持板が、炉心シュラウドに設置され、複数の燃料支持金具が炉心支持板に設置される。各燃料集合体は、下端部が燃料支持金具によって支持され、上端部が上部格子板に支持される。炉心の最外周に配置された一部の燃料集合体を除いて、4体の燃料集合体が1つの燃料支持金具によって支持される。その一部の燃料集合体は、1体ずつ、1つの燃料支持金具によって支持される。
複数の制御棒駆動機構ハウジングが、原子炉圧力容器の底部を貫通して原子炉圧力容器に設けられている。円筒である制御棒案内管が制御棒駆動機構ハウジング毎に設けられる。各制御棒案内管は炉心支持板の下方に配置され、制御棒案内管の下端が制御棒駆動機構ハウジングの上端に接続されている。燃料支持金具の下端部が制御棒案内管の上端部内に挿入されている。制御棒駆動機構が制御棒駆動機構ハウジング内に設置されており、横断面が十字形をした制御棒が制御棒案内管内に配置される。制御棒は、制御棒を制御棒案内管の軸方向に移動させる制御棒駆動機構に連結されている。
沸騰水型原子炉に用いられる燃料集合体は、正方格子状に配置された複数の燃料棒を有し、これらの燃料棒の下端部及び上端部を下部タイプレート及び上部タイプレートで支持し、上部タイプレートに取り付けられたチャンネルボックス内に全ての燃料棒を収納している。炉心内に配置されて隣り合う燃料集合体のチャンネルボックス間には、水ギャップが形成される。制御棒は、制御棒駆動機構による操作によって、燃料支持金具に形成された、横断面が十字形の貫通孔を通って燃料集合体の相互間、すなわち、水ギャップ内に挿入される。制御棒が炉心内に挿入されたとき、4体の燃料集合体が1体の制御棒に隣接する。
沸騰水型原子炉の原子炉出力100%の定格運転時には、それぞれの制御棒駆動機構の操作によって大部分の制御棒が炉心から引き抜かれて炉心支持板より下方でそれぞれの制御棒案内管内に収納されている。一部の制御棒が、原子炉出力を制御するために、炉心内、すなわち、燃料集合体間に挿入されている。
沸騰水型原子炉に設けられた再循環ポンプ(またはインターナルポンプ)の駆動によって、冷却水を、原子炉圧力容器内で炉心支持板の下方に形成された下部プレナムから炉心に供給する。炉心に供給される大部分の冷却水は、制御棒案内管の上端部に形成された開口、及び燃料支持金具内で制御棒用の貫通孔の周囲に形成された冷却水通路を通って燃料集合体内に供給される。この冷却水は燃料棒内の核燃料物質の核分裂で発生する熱によって加熱され、一部の冷却水が蒸気になる。この蒸気は、原子炉圧力容器に接続された主蒸気管を通ってタービンに供給される。炉心に供給される残りの冷却水は、制御棒案内管に形成された他の開口から制御棒案内管内に流入し、燃料支持金具に形成された制御棒用の貫通孔を通って燃料集合体間の水ギャップ内に到達する。この冷却水は、水ギャップ内を上昇する。
沸騰水型原子炉の運転中に地震が発生した場合には、原子炉がスクラム(緊急停止)される。このスクラムは、制御棒駆動機構の操作により全ての制御棒を炉心に全挿入することによって行われる。各制御棒の上端部及び下端部には、それぞれローラが設けられている。制御棒の上端部に設けられたローラはチャンネルボックスと接触することによって制御棒とチャンネルボックスとの間の摩擦抵抗力を低減し、制御棒の下端部に設けられたローラは制御棒案内管の内面と接触することによって制御棒と制御棒案内管との間の摩擦抵抗力を低減し、制御棒の炉心への挿入性を高めている。
地震による加振によって燃料集合体の軸方向の中央部が水平方向に大きく揺れるとき、炉心に挿入される制御棒の、上端部及び下端部のローラ以外の部分が、チャンネルボックス、燃料支持金具及び制御棒案内管と接触する可能性がある。これらと制御棒との接触を低減することにより、原子炉のスクラム時に制御棒をさらに速く炉心に挿入することができる。
制御棒の、上端部及び下端部のローラ以外の部分がチャンネルボックス、燃料支持金具及び制御棒案内管と接触する可能性を低減でき、制御棒の挿入性及び引き抜き性を円滑に行うことができる技術が、特開平10−319163公報及び実開昭55−30810公報に記載されている。
特開平10−319163公報に記載された燃料支持金具は、制御棒用の貫通孔の内面に4つの板バネ部材を内側に向って突出させて設けている。この板バネ部材は、その貫通孔を通して移動する制御棒と接触し、この制御棒の傾斜を抑制する。板バネ部材の替りに、ローラを有するローラ部材を貫通孔の内面に設けることも、特開平10−319163公報で提案されている。
特開平10−319163公報は、さらに、制御棒案内管の内面に周方向に90°間隔で4枚の制御棒支持板を取り付けている。各制御棒支持板は、制御棒案内管の軸方向に伸びており、制御棒案内管の中心軸に向って突出している。これらの制御棒支持板と制御棒の接触によって、制御棒の自立性を確保し、いずれの挿入位置においても制御棒の傾斜を防止している。
実開昭55−30810公報では、複数のガイドローラを、燃料支持金具に形成された制御棒用の貫通孔の内面に設けている。これらのガイドローラは、地震発生時などの緊急を要する制御棒の挿入時において、制御棒との接触による摩擦抵抗力を低減し、制御棒の挿入性を高めている。
特開平10−319163公報 実開昭55−30810公報
特開平10−319163公報及び実開昭55−30810公報に記載されたように、板バネ部材またはローラを、燃料支持金具の制御棒用の貫通孔の内面に設けることは、地震時における制御棒の炉心への挿入性を向上させる。このため、原子炉のスクラムをより短時間に行うことができる。
しかしながら、燃料支持金具に形成された、制御棒が挿入される貫通孔は、前述したように、燃料集合体間に形成された水ギャップに冷却水を導く通路になっている。その貫通孔内に板バネ部材またはローラを設けることは、貫通孔の流路断面積を低減させることになる。原子炉の運転中で制御棒が挿入されている貫通孔では、制御棒と貫通孔の内面との間に形成される通路の断面積が狭くなっており、板バネ部材またはローラの設置はその通路の断面積をさらに減少させることになる。このため、水ギャップに供給される冷却水流量が減少する。また、本技術は、燃料支持金具と制御棒の接触による挿入抗力を低減する効果はあるが、地震による荷重によって、燃料集合体が大きく撓む場合に生じる燃料集合体の下端と制御棒の接触による挿入抗力の低減を図ることができない。
特開平10−319163公報に記載された、制御棒案内管内面に設けられた制御棒支持板は、制御棒案内管内の制御棒の自立性を確保するためのものである。制御棒支持板の設置によって、地震が発生した時で制御棒移動時における制御棒とチャンネルボックス及び燃料支持金具との接触の低減を図ることができない。
発明者らは、地震発生時における制御棒の炉心への挿入性を検討したところ、特開平10−319163公報及び実開昭55−30810公報に記載されたように、燃料支持金具の制御棒用の貫通孔の内面にガイド部材(板バネ部材及びローラ等)を設置した場合には、このガイド部材がない場合に比べて地震発生時における制御棒の炉心への挿入性を向上させることができるが、制御棒のその挿入時に、制御棒のタイロッドの側面が燃料集合体の下端部付近の側面に接触することにより、制御棒の挿入性の更なる向上が阻害されるという課題を新たに見出した。
本発明の目的は、地震発生時における制御棒の炉心への挿入性をさらに向上させることができる燃料集合体を提供することにある。
上記した目的を達成する本発明の特徴は、複数の燃料棒と、それぞれの燃料棒の下端部を支持する下部タイプレートと、それぞれの燃料棒の上端部を支持する上部タイプレートと、束ねられた複数の燃料棒を取り囲んで上端部がチャンネルファスナによって上部タイプレートに取り付けられ、下端部が下部タイプレートを取り囲むチャンネルボックスとを備え、制御棒ガイド部材が、チャンネルボックスの下端よりも下方で下部タイプレートの側面に設けられて、下部タイプレートの幅方向で、チャンネルファスナが取り付けられたコーナとこのコーナから下部タイプレートの幅の1/3の位置との間に配置されていることにある。
制御棒ガイド部材が、チャンネルボックスの下端よりも下方で下部タイプレートの側面に設けられて、下部タイプレートの幅方向で、チャンネルファスナが取り付けられたコーナとこのコーナから下部タイプレートの幅の1/3の位置との間に配置されているので、地震発生時における制御棒の炉心への緊急挿入においても、チャンネルボックスの下端部のそのコーナ付近の側面が、制御棒の剛性が高いタイロッドに接触することを避けることができる。したがって、地震発生時における制御棒の炉心への挿入性をさらに向上させることができる。
複数の燃料棒と、それぞれの燃料棒の下端部を支持する下部タイプレートと、それぞれの燃料棒の上端部を支持する上部タイプレートと、束ねられた複数の燃料棒を取り囲んで上端部がチャンネルファスナによって上部タイプレートに取り付けられ、下端部が下部タイプレートを取り囲むチャンネルボックスとを備え、制御棒ガイド部材が、チャンネルボックスの下端よりも下方で下部タイプレートの側面に設けられて、下部タイプレートの幅方向で、チャンネルファスナが取り付けられたコーナとこのコーナから下部タイプレートの幅の1/3の位置との間に配置されていることによって、上記の目的を達成することができる。
本発明によれば、地震発生時における制御棒の炉心への挿入性をさらに向上させることができる。
本発明の好適な一実施例である実施例1の燃料集合体の縦断面図である。 図1に示す燃料集合体の下部タイプレート付近の側面図である。 図1に示す燃料集合体が装荷された沸騰水型原子炉の縦断面図である。 図3に示す沸騰水型原子炉における燃料集合体の支持構造を示す縦断面図である。 図4のV−V断面図である。 図3に示す沸騰水型原子炉内に配置された燃料集合体及び制御棒の詳細な配置を示す斜視図である。 図3に示す沸騰水型原子炉に用いられる制御棒の斜視図である。 図3に示された沸騰水型原子炉での地震発生時における制御棒の炉心への挿入状態を示す説明図である。 本発明の他の実施例である実施例2の燃料集合体の下部タイプレート付近の側面図である。 本発明の他の実施例である実施例3の燃料集合体の下部タイプレート付近の側面図である。 本発明の他の実施例である実施例4の燃料集合体の下部タイプレート付近の側面図である。 本発明の他の実施例である実施例5の燃料集合体の下部タイプレート付近の側面図である。 本発明の他の実施例である実施例6の燃料集合体の下部タイプレート付近の側面図である。
発明者らは、特開平10−319163公報及び実開昭55−30810公報に記載されたように、燃料支持金具に形成された制御棒用の貫通孔の内面にガイド部材(板バネ部材及びローラ等)を設置した場合での地震発生時における制御棒の炉心への挿入性について検討した。この検討の結果について説明する。
実機規模の模擬の燃料集合体を4体配置してこれらの燃料集合体に地震発生時の加振力を加えた状態で、下方より、制御棒をそれらの燃料集合体の間に挿入する実験を行った。燃料集合体に加振力を加えて燃料集合体を水平方向に揺らして制御棒を下方よりそれらの燃料集合体間に挿入した場合には、制御棒のタイロッドの側面が燃料集合体のタイロッドに対向する側面に接触することを、発明者らが発見した。タイロッドの側面が接触した、燃料集合体のチャンネルボックスの下端部の側面には、接触したタイロッドにより接触跡が付いていた。
このため、発明者らは、地震発生時に炉心に挿入される制御棒のタイロッドが燃料集合体の下端部の側面に接触すること回避することができれば、地震発生時における制御棒の炉心への挿入性をさらに向上させることができると、確信した。そこで、発明者らは、制御棒のタイロッドの、燃料集合体の下端部の側面への接触を抑制する対策を、種々検討した。この結果、燃料集合体の下部タイプレートの側面、及びチャンネルボックスの側面の下端部のいずれかに制御棒をガイドする制御棒ガイド部材(例えば、回転体)を設け、このガイド部材を、下部タイプレートの幅方向において、チャンネルファスナが取り付けられたコーナから、下部タイプレートの幅の1/3の範囲内に配置することによって、地震発生時に炉心に挿入される制御棒のタイロッドと燃料集合体の下端部の側面の接触を抑制できることを、発明者らが見出した。地震発生時における制御棒の炉心への挿入性を、さらに向上させることができ、地震発生時において原子炉を寄り短時間に停止することができる。
以上の検討結果を反映した、本発明の実施例を以下に説明する。
本発明の好適な一実施例である実施例1の、沸騰水型原子炉に用いられる燃料集合体を、図1及び図2を用いて説明する。
本実施例の燃料集合体4は、下部タイプレート34、上部タイプレート35、チャンネルボックス37、複数の燃料棒38及び複数(例えば、2本)の水ロッド39を備えている。各燃料棒38の下端部が下部タイプレート34に支持され、各燃料棒38の上端部が上部タイプレート35によって保持される。各燃料棒38は内部に核燃料物質を充填している。これらの燃料棒38は、軸方向に配置された複数の燃料スペーサ40によって、相互間に冷却水が流れる冷却水通路を形成するように束ねられている。燃料集合体4の横断面における中央に複数の水ロッド39が配置される。これらの水ロッド39も、下端部が下部タイプレートによって支持され、上端部が上部タイプレート35によって保持される。
チャンネルボックス37が、各燃料スペーサ40で束ねられた複数の燃料棒38の周囲を取り囲んでいる。チャンネルボックス37は、上端部がチャンネルファスナ36によって上部タイプレート35に取り付けられ、下部タイプレート34に向って伸びている。チャンネルボックス37の下端部は下部タイプレート34を取り囲んでいる。チャンネルファスナ36は、燃料集合体4の1つのコーナ部に配置されて、上部タイプレート35に取り付けられている。チャンネルボックス37の下端よりも下方で下部タイプレート34の2つの側面に、回転体であるローラ(制御棒ガイド部材)11が回転軸(図示せず)によって回転可能にそれぞれ取り付けられている。これらのローラ11は、下部タイプレート34において、チャンネルファスナ36が取り付けられた燃料集合体4の1つのコーナ部でこのコーナ部に位置する2つの側面にそれぞれ取り付けられている。
本実施例の燃料集合体4を用いている沸騰水型原子炉1の概略構造を、図3、図4、図5及び図6を用いて説明する。沸騰水型原子炉1は、図3に示すように、原子炉圧力容器2、炉心3、炉心シュラウド5、制御棒案内管10及び制御棒駆動機構ハウジング14を備えている。炉心3、炉心シュラウド5及び制御棒案内管10は原子炉圧力容器2内に配置され、制御棒駆動機構ハウジング14が原子炉圧力容器2の底部を貫通して原子炉圧力容器2に設けられる。炉心シュラウド5は、複数の燃料集合体4が装荷された炉心3を取り囲んでいる。炉心支持板6が、炉心シュラウド5内に配置され、炉心シュラウド5に設置される。上部格子板7が、炉心支持板6の上方で炉心シュラウド5内に配置され、炉心シュラウド5に設置される。
複数の気水分離器8が炉心3の上方で原子炉圧力容器2内に配置される。蒸気乾燥器9が気水分離器8の上方で原子炉圧力容器2内に配置される。環状領域であるダウンカマ31が、原子炉圧力容器2と炉心シュラウド5の間に形成される。複数のインターナルポンプ26が原子炉圧力容器2の底部に設けられ、各インターナルポンプ26のインペラー27がダウンカマ31内に配置される。
複数の燃料支持金具13が、図4及び図6に示すように、正方格子状に配置されて炉心支持板6に設置される。各燃料支持金具13は、制御棒16が挿入される貫通孔42(図4及び図8参照)が形成され、貫通孔42を取り囲んで4つの冷却水通路41を形成している。この冷却水通路41は、燃料支持金具13の上端に開口する出口開口部28、及び燃料支持金具13の側面に開口する入口開口部33を有する(図6参照)。
炉心3に装荷された各燃料集合体4は、下端部を燃料支持金具13によって支持され、上端部を上部格子板6によって支持される。燃料集合体4の下部タイプレート34が、燃料支持金具13に形成された出口開口部28内に挿入されている(図4及び図6参照)。炉心3に装荷された大部分の燃料集合体4は、4体ずつ、1つの燃料支持金具13によって支持される。残りの燃料集合体4は、炉心3の最外周に配置されており、1体ずつ、1つの燃料支持金具13によって支持される。1つの燃料支持金具13に支持される4体の燃料集合体4のそれぞれの上端部は、上部格子板7に形成される1つの升目内に挿入されており、各燃料集合体4に設けられたチャンネルファスナ36が互いに接触している。これらのチャンネルファスナ36によって、4体の燃料集合体4の各上端部は、上部格子板7に押し付けられる。炉心3に配置された燃料集合体4の相互間に、具体的には、燃料集合体4に設けられたチャンネルボックス37の相互間に、冷却水が存在する水ギャップ25が形成される(図5参照)。この水ギャップ25内に、制御棒16が挿入される。
円筒である複数の制御棒案内管10が、炉心支持板6より下方に配置される(図3及び図6参照)。制御棒案内管10の下端が、制御棒駆動機構ハウジング14の上端に接続されている。燃料支持金具13の下端部が制御棒案内管10の上端部内に挿入されている。制御棒案内管10の上端部には、燃料支持金具13の各入口開口部33に面する位置にそれぞれ開口部が形成される(図4参照)。4体の燃料集合体4に1体の割合で設けられた制御棒16が、制御棒案内管10内に配置される(図4及び図8参照)。制御棒16は、制御棒案内管10内に配置されて制御棒駆動機構ハウジング14に取り付けられた制御棒駆動機構15に連結される(図8参照)。
横断面が十字形である制御棒16は、図7に示すように、タイロッド18から四方に伸びる4枚のブレード17を有し、タイロッド18の上端部にハンドル19を設け、タイロッド18の下端部に下部支持板20を設けている。ブレード17は、横断面がU字状をしたシース21、及びシース21内に配置された中性子吸収部材22を有する。シース21の両側端部はタイロッド18に溶接されている。シース21の上端がハンドル19に接合され、シース21の下端が下部支持板20に接合されている。上部ローラ23がハンドル19に取り付けられ、下部ローラ24が下部支持板20に取り付けられる。
炉心3は、原則的には、1つの燃料支持金具13によって支持された4体の燃料集合体4が、1本の制御棒16の周囲に配置されて構成されるセルを1つの単位にし(図5参照)、このセルを複数配置して構成されている。
沸騰水型原子炉1が定格出力で運転されているとき、インターナルポンプ26が駆動され、インペラー27が回転される。ダウンカマ31内の冷却水が、インペラー27によって昇圧され、下部プレナム32内に導かれる。この冷却水は、さらに、制御棒案内管10に形成された開口部、燃料支持金具13の入口開口部33を通って燃料支持金具13内に形成された冷却水通路41内に流入し、燃料支持金具13の出口開口部28から燃料集合体4内に供給される。燃料集合体4内に到達した冷却水は、チャンネルボックス37内で燃料棒28相互間に形成される冷却水通路を上昇する間に、燃料棒28内の核燃料物質の核分裂で発生する熱によって加熱され、一部が蒸気になる。
蒸気及び冷却水を含む気液二相流が炉心3から各気水分離器8内に供給される。各気水分離器8は、気液二相流から蒸気を分離する。分離された蒸気は、さらに、蒸気乾燥器9で水分を除去され、主蒸気配管29を通してタービン(図示せず)に供給される。タービンは、蒸気によって駆動され、発電を行う発電機(図示せず)を回転させる。タービンから排気された蒸気は、復水器(図示せず)で凝縮されて水になる。この水は、給水として給水配管30を通って原子炉圧力容器2内に供給される。気水分離器8で分離された冷却水は、ダウンカマ31内に排出され、給水と混合されてダウンカマ31内を下降してインペラー27の位置まで到達する。
下部プレナム32内に到達した冷却水の一部は、制御棒案内管10内に導かれ、各燃料支持金具13に形成された貫通孔42を通って水ギャップ25内に達する。この冷却水は水ギャップ25内を上昇する。
沸騰水型原子炉1が定格出力で運転されているとき、原子炉出力を制御するために、一部の制御棒16が炉心3内に挿入されている。残りの全ての制御棒16は、炉心3から全引き抜きされた状態にあり、炉心支持板6より下方で各制御棒案内管10内に存在する。例えば、沸騰水型原子炉1が定格出力で運転されているときに地震が発生したとする。このとき、あるレベル以上の地震加速度が感知されて、スクラム信号が発信されると、全ての制御棒駆動機構15が駆動されて全制御棒16が完全に炉心3内に挿入される。このようにして、地震発生時に沸騰水原子炉1がスクラムされる。
地震の規模が大きい場合には、図8に示すように各燃料集合体4の軸方向の中央部が水平方向において大きく揺れることになる。この揺れによって、各燃料集合体は弓形状に変形する。各燃料集合体4にこのような大きな横揺れが生じた場合でも、燃料集合体4の下部タイプレート34の側面でチャンネルファスナ36が取り付けられたコーナ部にローラ11が設けられているので、制御棒16を、制御棒駆動機構15によって炉心3内、具体的には、燃料集合体4の相互間に、より短時間で緊急挿入することができる。これは、ローラ11が、タイロッド18の側面、及びタイロッド18付近のブレード17の側面と接触して炉心3に向って移動する制御棒16をガイドすると共に、制御棒16の水平方向における動きを拘束し、さらに接触による摩擦抵抗力を低減するからである。
すなわち、制御棒16の上端部が変形する燃料集合体4のチャンネルボックス4Aの外面に接触して水平方向に押された場合でも、タイロッド18の側面、及びタイロッド18付近のブレード17の側面がローラ11に接触して制御棒16の水平方向での動きを拘束するので、挿入される制御棒16が、燃料支持金具13に形成された制御棒用の貫通孔42の内面に接触すること、及びタイロッド18の側面、及びタイロッド18付近のブレード17の側面が燃料集合体4のチャンネルボックス37の側面の下端部に接触することをそれぞれ防止することができ、制御棒16が水平方向に揺れている燃料集合体4の軸方向の中央部で燃料集合体4の側面と接触した場合に生じる摩擦抵抗力を低減することができる。地震発生時において炉心3に挿入される制御棒16は回転するローラ11によってガイドされるが、これによって発生する摩擦抵抗力は非常に小さい。したがって、図8に示すように、地震発生時において燃料集合体4が水平方向に大きく揺れて燃料集合体4が弓形に変形した場合でも、制御棒16の燃料集合体4間への挿入性、すなわち、制御棒16の炉心3への挿入性が向上し、制御棒16を炉心3により短時間で挿入させることができる。このため、沸騰水型原子炉1のスクラムに要する時間を短縮することができる。
本実施例は、特開平10−319163公報及び実開昭55−30810公報に記載されたように、制御棒をガイドする板バネ部材またはローラを燃料支持金具13の制御棒用の貫通孔42の内面に設置していなく、制御棒16をガイドするローラ11を燃料集合体4の下端部に存在する下部タイプレート37の側面に設置している。このため、制御棒16が貫通孔42内に挿入されている場合であっても、制御棒16と貫通孔42の内面との間に形成される通路の流路断面積は、特開平10−319163公報及び実開昭55−30810公報に記載された燃料支持金具におけるその流路断面積よりも増大する。本実施例における貫通孔35の圧力損失は、特開平10−319163公報及び実開昭55−30810公報に記載された燃料支持金具の制御棒用の貫通孔の圧力損失よりも小さくなる。本実施例では、水ギャップ25に供給される冷却水の流量が、特開平10−319163公報及び実開昭55−30810公報において水ギャップに供給される冷却水の流量よりも増加する。
1つのセルを構成する4体の燃料集合体4の4つのコーナのうち、チャンネルファスナ36が取り付けられたコーナ47が、制御棒16のタイロッド18に面している(図5参照)。特開平10−319163公報及び実開昭55−30810公報では、燃料集合体において、チャンネルボックスの、コーナ47から直角に伸びる2つの側面のコーナ47付近が、地震発生時に炉心に緊急挿入される制御棒16のタイロッド18の側面、及びタイロッド18付近のブレード17の側面に接触するため、制御棒16の炉心への挿入性の更なる向上を阻害している。本実施例は、図2及び図5に示すように、コーナ47付近で下部タイプレート34の側面にローラ11を設けているので、前述したように、燃料集合体4のチャンネルボックス37の、コーナ47から伸びる側面でコーナ47付近が、地震発生時に炉心に緊急挿入される制御棒16のタイロッド18の側面、及びタイロッド18付近のブレード17の側面と接触することを、ローラ11によって、避けることができる。地震による燃料集合体4の水平断面での揺れ方向を特定することができないため、コーナ47から直角に伸びる、下部タイプレート34の2つの側面において、下部タイプレート34の幅方向で、コーナ47と、このコーナ47から下部タイプレート34の幅の1/3の位置との範囲内に、ローラ11を設けることが望ましい。このようなローラ11の配置により、地震発生時における制御棒16の炉心3への緊急挿入においても、チャンネルボックス37のコーナ47付近の側面が、制御棒16の剛性が高いタイロッド18に接触することを避けることができる。したがって、地震発生時における制御棒16の炉心3への挿入性をさらに向上させることができる。
ローラ11が、下部タイプレート34の幅方向において、コーナ47とコーナ47から下部タイプレート34の幅の1/3の位置との範囲の外に設置された場合には、チャンネルボックス37のコーナ47付近の側面が、地震発生時に炉心3に挿入される制御棒16の剛性が高いタイロッド18に接触しやすくなり、挿入される制御棒16とローラ11の接触力に起因する摩擦抵抗力の低減効果が小さくなり、制御棒16の炉心3への挿入時間の短縮効果も小さくなる。
本発明の他の実施例である実施例2の燃料集合体を、図9を用いて説明する。本実施例の燃料集合体4Aは、実施例1の燃料集合体4においてローラ11を制御棒ガイド部材であるトランスファー部材43に替えた構成を有する。燃料集合体4Aの他の構成は実施例1の燃料集合体4と同じである。
トランスファー部材43は、チャンネルファスナ36が取り付けられたコーナ47から直角に伸びる、下部タイプレート34の2つの側面にそれぞれ取り付けられる。これらのトランスファー部材43は、チャンネルボックス37の下端よりも下方に配置される。トランスファー部材43はボール45及びボール保持部材44を有する。ボール保持部材44が下部タイプレート34の上記した各側面に取り付けられ、ボール45がボール保持部材44によって回転可能に保持されている。沸騰水型原子炉1の炉心3には、複数の燃料集合体4Aが装荷されている。
本実施例では、地震発生時に炉心3に緊急挿入される制御棒16は、剛性が高いタイロッド18がボール45と接触してガイドされ、燃料集合体4A間に挿入される。
トランスファー部材43も、実施例1のローラ11と同様に、下部タイプレート34の幅方向において、コーナ47と、このコーナ47から下部タイプレート34の幅の1/3の位置との範囲内で下部タイプレート34の側面に取り付けることが望ましい。
本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。さらに、本実施例は、ボール45を回転可能にボール保持部材44に取り付けているので、ボール43の脱落を防止することができる。実施例1では、ローラ11の回転軸などの支持部材が腐食によって破損してローラ11が脱落する可能性があるが、本実施例では、このような回転体の制御棒からの脱落を防止することができる。
本発明の他の実施例である実施例3の燃料集合体を、図10を用いて説明する。本実施例の燃料集合体4Bは、実施例1の燃料集合体4においてローラ11を、表面処理を施して低摩擦化した摺動部材(制御棒ガイド部材)46に替えた構成を有する。燃料集合体4Bの他の構成は燃料集合体4と同じである。摺動部材46も、下部タイプレート34の側面において、実施例1におけるローラ11と同じ位置に設けられる。摺動部材46は、実施例1で用いられるローラ11及び実施例2で用いられるボール45のように回転しない。
本実施例は実施例2で生じる効果を得ることができる。本実施例では、摺動部材46が回転しないので、制御棒16からの摺動部材46の脱落の恐れが全くなくなる。
本発明の他の実施例である実施例4の燃料集合体を、図11を用いて説明する。前述の実施例1〜3は、制御棒16のガイド部材を下部タイプレートに設けているのに対し、本実施例の燃料集合体4Cは、ガイド部材であるローラ11を、チャンネルボックス37Aの下端部でその側面に設けている。燃料集合体4Cの他の構成は燃料集合体4と同じである。
ローラ11は、チャンネルファスナ36が取り付けられたコーナ47から直角に伸びる、チャンネルボックス37Aの2つの側面に回転可能にそれぞれ設けられる。各ローラ11は、下部タイプレート34の上端面よりも下方で、コーナ47付近に配置される。
沸騰水型原子炉1の炉心3に、複数の燃料集合体4Cが装荷される。炉心3内の各セルは、1本の制御棒16、及びこの制御棒16に隣接して配置されてこの制御棒を取り囲む4体の燃料集合体4Cを含んでいる。沸騰水型原子炉1の運転中に地震が発生したとき、膳制御棒16が炉心3内に緊急挿入される。このとき、緊急挿入される制御棒16が、ローラ11に接触して燃料集合体4C間への挿入をガイドされる。このため、炉心3に巣乳される制御棒16のタイロッド18付近が燃料集合体4Cのチャンネルボックス37の側面の下端部に接触することを回避することができる。地震時における制御棒16の燃料集合体4C間への挿入性がさらに向上し、制御棒16の炉心3への挿入時間をさらに短縮することができる。
本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。
ローラ11が、下部タイプレート34の上端面よりも上方でチャンネルボックス37の側面に設けられた場合には、地震時に炉心3に挿入される制御棒16の剛性が高いタイロッド18付近がチャンネルボックス37の下端部の側面に接触しやすくなる。このため、ローラ11は、下部タイプレート34の上端面よりも下方でチャンネルボックス37の側面に設ける必要がある。
本実施例においても、燃料集合体4におけるローラ11の配置と同様に、ローラ11を、下部タイプレート34の幅方向において、コーナ47とコーナ47から下部タイプレート34の幅の1/3の位置との範囲内に配置することが望ましい。
本発明の他の実施例である実施例5の燃料集合体を、図12を用いて説明する。本実施例の燃料集合体4Dは、燃料集合体4Cにおいてローラ11を実施例2の燃料集合体4Aで用いられるトランスファー部材43に替えた構成を有する。本実施例においても、トランスファー部材43が、チャンネルファスナ36が取り付けられたコーナ47から直角に伸びる、チャンネルボックス37Bの2つの側面にそれぞれ設けられる。燃料集合体4Dは、換言すれば、燃料集合体4Cのチャンネルボックス37Aをチャンネルボックス37Bに替えた構成を有する。燃料集合体4Dの他の構成は燃料集合体4Cと同じである。各トランスファー部材43は、下部タイプレート34の上端面よりも下方で、コーナ47付近に配置される。トランスファー部材43は、下部タイプレート34の幅方向において、実施例4のローラ11と同じ範囲内に配置される。
本実施例は、実施例2で生じる各効果を得ることができる。
本発明の他の実施例である実施例6の燃料集合体を、図13を用いて説明する。本実施例の燃料集合体4Eは、燃料集合体4Cにおいてローラ11を実施例3の燃料集合体4Bで用いられる摺動部材46に替えた構成を有する。摺動部材46は、チャンネルファスナ36が取り付けられたコーナ47から直角に伸びる、チャンネルボックス37Bの2つの側面にそれぞれ設けられ、下部タイプレート34の上端面より下方でコーナ47付近に設けられる。
本実施例は、実施例3で生じる各効果を得ることができる。
本発明は、沸騰水型原子炉の燃料集合体に適用することができる。
1…沸騰水型原子炉、2…原子炉圧力容器、3…炉心、4,4A,4B,4C,4D,4E…燃料集合体、5…炉心シュラウド、6…炉心支持板、7…上部格子板、10…制御棒案内管、11…ローラ、13…燃料支持金具、16…制御棒、17…ブレード、18…タイロッド、25…水ギャップ、26…インターナルポンプ、34,34A…下部タイプレート、35…上部タイプレート、36…チャンネルファスナ、37,37A,37B,37C…チャンネルボックス、42…貫通孔、43…トランスファー部材、44…ボール保持部材、45…ボール、46…摺動部材、47…コーナ。

Claims (5)

  1. 複数の燃料棒と、それぞれの前記燃料棒の下端部を支持する下部タイプレートと、それぞれの前記燃料棒の上端部を支持する上部タイプレートと、束ねられた前記複数の燃料棒を取り囲んで上端部がチャンネルファスナによって前記上部タイプレートに取り付けられ、下端部が前記下部タイプレートを取り囲むチャンネルボックスとを備え、
    制御棒ガイド部材が、前記チャンネルボックスの下端よりも下方で前記下部タイプレートの側面に設けられて、前記下部タイプレートの幅方向で、前記チャンネルファスナが取り付けられたコーナと前記コーナから前記下部タイプレートの幅の1/3の位置との間に配置されていることを特徴とする燃料集合体。
  2. 複数の燃料棒と、それぞれの前記燃料棒の下端部を支持する下部タイプレートと、それぞれの前記燃料棒の上端部を支持する上部タイプレートと、束ねられた前記複数の燃料棒を取り囲んで上端部がチャンネルファスナによって前記上部タイプレートに取り付けられ、下端部が前記下部タイプレートを取り囲むチャンネルボックスとを備え、
    制御棒ガイド部材が、前記下部タイプレートの上端よりも下方で前記チャンネルボックスの側面に設けられて、前記下部タイプレートの幅方向で、前記チャンネルファスナが取り付けられたコーナと前記コーナから前記下部タイプレートの幅の1/3の位置との間に配置されていることを特徴とする燃料集合体。
  3. 前記制御棒ガイド部材が、回転体である請求項1または2に記載の燃料集合体。
  4. 前記制御棒ガイド部材が、回転体を有するトランスファー部材である請求項1または2に記載の燃料集合体。
  5. 前記制御棒ガイド部材が、摺動部材とした請求項1または2に記載の燃料集合体。
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