JP2012109247A - 固体電解質形燃料電池用接合部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】固体電解質形燃料電池セル3は、セル内セパレータ35を備えており、セル内セパレータ35は、ロウ材からなる接合層37により固体電解質体9に接合されている。固体電解質形燃料電池スタック1の枠部17では、蓋体29、接合層45、金属フレーム41、接合層47、セラミックフレーム39、接合層49、セル内セパレータ35、接合層51、金属フレーム43、接合層53、セル間セパレータ15等の順で積層され、各部材はロウ材からなる接合層45〜53により接合一体化されている。ロウ材としては、Agロウ材中に、Ni、Co、Cr、Ti、Ce、Sr、Mn、La、Sm、及びYの各元素の酸化物のうち、少なくとも1種を含むAgロウ材を用いる。
【選択図】図3
Description
この種の燃料電池においては、燃料電池の運転温度を低温化し、金属フレームを用いて機械的強度を保持する技術が開発されており、この金属フレームとして、耐熱合金を用いて信頼性を高めようとする動きがある。
更に、ロウ材として、Ag−CuO、Ag−V2O5、Pt−Nb2O5などを用い、セルとAl酸化被膜を形成する耐熱合金とを、大気雰囲気にて接合する技術が開示されている(特許文献3参照)。
(2)請求項2の発明では、前記接合部のAgロウ材中に存在する前記酸化物の体積比が、全Agロウ材中の20%以下であることを特徴とする。
本発明では、金属部材の表面にCr酸化物被膜が形成される場合でも、効果的に金属部材の腐食を防止できる。また、金属部材の表面にAl酸化物被膜が形成される場合でも、高い接合強度を確保できる。
[実施形態]
a)まず、固体電解質形燃料電池スタックについて説明する。
図1に示す様に、固体電解質形燃料電池スタック1は、固体電解質形燃料電池の基本構成である単セル(即ち固体電解質形燃料電池セル)3を複数層積層したものである。
・セラミックス体である固体電解質体9は、ZrO2系酸化物、BaCeO3系酸化物、及びLaGaO3系酸化物のうち、少なくとも一つからなることが好ましい。また、これらのうち、ZrO2系酸化物を用いた固体電解質が、機械的強度、化学的安定性、高い酸素イオン伝導性をあわせ持つという点において、特に好ましい。
各元素の酸化物としては、NiO、Co3O4、Cr2O3、TiO2、CeO2、Sr2O3、MnO2、La2O3、Sm2O3、Y2O3などが挙げられる。
前記燃料極7の形成に用いる材料としては、Ni及びYSZ(イットリア安定化ジルコニア)等が挙げられるが、それらに限定されず、固体電解質形燃料電池の使用条件等により適宜選択することができる。
この空気極13の形成に用いる材料としては、例えば、各種の金属、金属の酸化物、金属の複酸化物等を用いることができる。金属としては、Pt、Au、Ag、Pd、Ir、Ru及びRh等の金属又は2種以上の金属を含有する合金が挙げられる。更に、金属の酸化物としては、La、Sr、Ce、Co、Mn及びFe等の酸化物が挙げられる。また、複酸化物としては、少なくともLa、Pr、Sm、Sr、Ba、Co、Fe及びMn等を含有する複酸化物が挙げられる。
まず、例えばSUS430からなる板材を打ち抜いて、セル間セパレータ15、セル内セパレータ35、金属フレーム41、43を製造した。
更に、固体電解質形燃料電池セル3のセル本体5を製造した。具体的には、燃料極7のグリーンシートの一方の表面(表面側)に、表面全体を覆うように、固体電解質体9の材料を印刷し、更に、この固体電解質体9の印刷層の上に、反応防止層11の材料を印刷し、一旦焼成する。その後、反応防止層11の表面に空気極13の材料を印刷し、焼成してセル本体5を製造した。
従って、高い強度を得るためには、還元雰囲気中での接続は有効であるが、空気極の性能が劣化するといった金属部材の腐蝕が生じるため、固体電解質形燃料電池の接合方法としては、不適切であったが、本実施形態では、大気雰囲気中で、特定の酸化物を含んだA
gロウ材を用いることで、空気極13の性能が劣化するといった金属部材の腐蝕も生じず、高い接合強度を得ることができる。
a)ここでは、まず、接合強度試験に用いるテストピースの製造方法について説明する。
実験例1では、図4に示す様にして、強度接合用のテストピースを製造した。
具体的には、燃料電池セルに模擬したNiO−YSZからなる燃料極61とYSZからなる固体電解質体63とを積層し、縦22mm×横22mm×厚み1.5mmの積層体65を形成した。尚、この積層体65は、定法により、各構成部材のシートを圧着し、得られた積層体を脱脂、焼成するという手順により製造した。
(実施例2)
実施例2では、Agロウ材として、Ag+Co3O4のAgロウ材を用いた。尚、それ以外の条件は、前記実施例1と同様にして、実施例2のテストピースを作成した。
実施例3では、Agロウ材として、Ag+Cr2O3のAgロウ材を用いた。尚、それ以外の条件は、前記実施例1と同様にして、実施例3のテストピースを作成した。
実施例4では、Agロウ材として、Ag+TiO2のAgロウ材を用いた。尚、それ以外の条件は、前記実施例1と同様にして、実施例4のテストピースを作成した。
実施例5では、Agロウ材として、Ag+CeO2のAgロウ材を用いた。尚、それ以外の条件は、前記実施例1と同様にして、実施例5のテストピースを作成した。
実施例6では、Agロウ材として、Ag+Sr2O3のAgロウ材を用いた。尚、それ以外の条件は、前記実施例1と同様にして、実施例6のテストピースを作成した。
実施例7では、Agロウ材として、Ag+MnO2のAgロウ材を用いた。尚、それ以外の条件は、前記実施例1と同様にして、実施例7のテストピースを作成した。
実施例8では、Agロウ材として、Ag+La2O3のAgロウ材を用いた。尚、それ以外の条件は、前記実施例1と同様にして、実施例8のテストピースを作成した。
実施例9では、Agロウ材として、Ag+Sm2O3のAgロウ材を用いた。尚、それ以外の条件は、前記実施例1と同様にして、実施例9のテストピースを作成した。
実施例10では、Agロウ材として、Ag+Y2O3のAgロウ材を用いた。尚、それ以外の条件は、前記実施例1と同様にして、実施例10のテストピースを作成した。
比較例1では、Agロウ材として、Ag+CuOのAgロウ材を用いた。尚、それ以外の条件は、前記実施例1と同様にして、比較例1のテストピースを作成した。
比較例2では、Agロウ材として、AgのみAgロウ材を用いた。尚、それ以外の条件は、前記実施例1と同様にして、比較例2のテストピースを作成した。
上述した様にして製造した各テストピースを、図6の様に逆さまに配置して、セル中央に直径10mmの円柱の金属棒89を配置して荷重を加えた。
尚、接合強度は、「剥離したときの荷重÷接合面の面積」と定義した。
それに対して、比較例1、2では、Agロウ内に、本発明の酸化物を含まないので、接合面の剥離荷重が小さく、接合強度が低いので好ましくない。
各テストピースに対して、走査型電子顕微鏡(SEM)、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)を用いて、組織観察を行った。
それに対して、比較例1では、腐食が観察されたので、好ましくない。
尚、本発明は前記実施例等になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
3…固体電解質形燃料電池セル
5…セル本体
7、97…燃料極
9、95…固体電解質体
11、93…反応防止層
13、91…空気極
15…セル間セパレータ
27、37、45、47、49、51、43…接合層(ロウ材)
29…蓋体
31…底部
35…セル内セパレータ
39…セラミックフレーム
41、43…金属フレーム
更に、ロウ材として、Ag−CuO、Ag−V2O5、Pt−Nb2O5などを用い、セルとAl酸化被膜を形成した耐熱合金とを、大気雰囲気にて接合する技術が開示されている(特許文献3参照)。
しかも、本発明では、表面にCr酸化物被膜が形成される場合でも、効果的に金属部材の腐食を防止できる。また、表面にAl酸化物被膜が形成される場合でも、高い接合強度を確保できる。
(2)請求項2の発明では、前記Agロウ材中に存在する前記酸化物の体積比が、全Agロウ材中の20%以下であることを特徴とする。
なお、前記各接合層27、37、45、47、49、51、53が、本発明の固体電解質形燃料電池用接合部材に相当する。
従って、本実施形態では、特定の酸化物を含んだAgロウ材を用いることで、大気雰囲気でロウ付けを行った場合でも、金属部材の腐蝕も生じず、高い接合強度を得ることができる。
それに対して、比較例2では、Agロウ内に、本発明の酸化物を含まないので、接合面の剥離荷重が小さく、接合強度が低いので好ましくない。
Claims (4)
- 金属部材とセラミックス体とを、又は前記金属部材同士を、主としてAgロウ材からなる接合部にて大気雰囲気中で接合した固体電解質形燃料電池において、
前記接合部のAgロウ材中に、Ni、Co、Cr、Ti、Ce、Sr、Mn、La、Sm、及びYの各元素の酸化物のうち、少なくとも1種を含むことを特徴とする固体電解質形燃料電池。 - 前記接合部のAgロウ材中に存在する前記酸化物の体積比が、全Agロウ材中の20%以下であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質形燃料電池。
- 前記金属部材の前記接合部側の表面に生成した酸化被膜が、Cr酸化物被膜又はAl酸化物被膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体電解質形燃料電池。
- 前記請求項1〜3のいずれかに記載の固体電解質形燃料電池の製造方法であって、
前記Agロウ材を用いて、大気雰囲気中でロウ付けを行うことを特徴とする固体電解質形燃料電池の製造方法。
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