JP2012110162A - 回転電機のロータコア - Google Patents

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Abstract

【課題】コアプレート片に備えられた複数のかしめ部のうち、他層のコアプレートの継ぎ目に隣接するかしめ部に生じる応力を分散して緩和し、もって回転強度を高めることが可能な回転電機のロータコアを提供する。
【解決手段】回転電機のロータコアは、円環状のコアプレートが複数積層されて構成されていると共に、円弧状のコアプレート片3が連結されてコアプレートの一層が形成され、かつコアプレート片3が連結される継ぎ目D,Dの円周方向の位置が積層方向に重なるコアプレート同士で交互に異なるように構成されている。各コアプレート片3には、他層のコアプレート片3とかしめられる複数のかしめ部10〜10が備えられており、これらのかしめ部10〜10のうち、他層のコアプレートの継ぎ目Dに隣接するかしめ部10,10の近傍に、それらかしめ部に生じる応力を分散する孔部15を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数のコアプレートが積層されて構成された回転電機のロータコアに係り、詳しくは、それらコアプレートのそれぞれをコアプレート片を連結して構成すると共に各コアプレート片が他層のコアプレート片にかしめ部でかしめて構成した回転電機のロータコアに関する。
一般に、渦電流の発生を低減するために電磁鋼板を打ち抜いたコアプレートを積層して形成された回転電機のロータコアが知られている。従来、このような複数のコアプレート(鉄心用抜き板9)を積層したロータコア(回転子鉄心8)において、コアプレート9にポンチによって円形のかしめ部16を複数形成し、積層されたコアプレート同士をダボかしめによってかしめるものが案出されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、上記特許文献1のようにコアプレートを積層してロータコアを形成するには、複数のコアプレートが必要となるが、コアプレートの形状が円環形状であると、母材からコアプレートを打ち抜く際に円環の中心部を使用できず、歩留まりが低くなる。そのため、このコアプレートを複数の円弧状のコアプレート片を連結して形成すると共に、コアプレート片の継ぎ目の位置(円周方向の位相)がずれるようにコアプレートを積層して(いわゆるレンガ積み)、円周方向に複数形成された各コアプレート片のダボかしめ(かしめ部)同士をかしめて連結することで、ロータコアを形成することが考えられる。このようにコアプレート片をレンガ積みしてロータコアを形成すると共に、かしめ部によってコアプレート同士をかしめると、歩留まりが高く、かつ単体でその形状を保持可能なロータコアを形成することができる。
特開2010−142114号公報
しかしながら、コアプレート片をレンガ積みしてロータコアを形成したものでは、ロータコアが回転した際に各コアプレート片のそれぞれに遠心力が作用するが、その遠心力の作用する方向がそれぞれ放射方向であるため、隣り合うコアプレート片が離れる方向として作用し、それらを複数のかしめ部によって連結している他層のコアプレート片における、特に継ぎ目に隣接するかしめ部に対して、上記遠心力による応力が集中し易いという問題がある。このように特定のかしめ部に応力が集中してしまうことは、ロータコア全体の回転強度を高めることの妨げとなってしまう。
そこで本発明は、コアプレート片に備えられた複数のかしめ部のうち、他層のコアプレートの継ぎ目に隣接するかしめ部に生じる応力を分散して緩和し、もって回転強度を高めることが可能な回転電機のロータコアを提供することを目的とする。
本発明は(例えば図1乃至図7参照)、円環状のコアプレート(2)が複数積層されて構成されていると共に、前記コアプレート(2)を均等に分割した円弧状のコアプレート片(3)が連結されて前記コアプレート(2)の一層が形成され、かつ前記コアプレート片(3)が連結される継ぎ目(D,D)の円周方向の位置が積層方向に重なる前記コアプレート(2)同士で異なるように構成された回転電機のロータコア(1)において、
前記コアプレート片(3)は、積層方向一方側の面に形成された凸部(11)と、他方側の面で前記凸部(11)と同じ位置に形成され、前記コアプレート片(3)が積層された際に前記他方側の面と接する他層のコアプレート片(3)の凸部(11)と嵌合する凹部(12)と、を有するかしめ部(10)を、前記コアプレートの円周方向(C)に複数備えていると共に、これらのかしめ部(10)のうち、前記他層のコアプレートの継ぎ目に隣接するかしめ部(10,10)の、前記円周方向(C)における前記他層のコアプレート(2)の継ぎ目(例えばD)側の近傍に低剛性部(15)を備えたことを特徴とする。
また、本発明は(例えば図7参照)、前記低剛性部は、前記コアプレート片(3)の積層方向に貫通した孔部(15)であり、
前記孔部(15)は、前記コアプレート片(3)における、前記かしめ部(例えば10)の前記円周方向の端部から該かしめ部の前記円周方向の長さ(Y’)以内で、かつ該かしめ部(例えば10)の前記コアプレート(2)の半径方向(R)の幅(X)以内の範囲(Z)に形成されたことを特徴とする。
さらに、本発明は(例えば図3参照)、前記かしめ部(10)の凸部(11)及び凹部(12)の嵌め合いを、前記コアプレート(2)の半径方向(R)では締り嵌めとすると共に、前記コアプレート(2)の円周方向(C)では、前記ロータコア(1)の回転時にこれら凸部(11)と凹部(12)とが当接するような隙間(d)を存する隙間嵌めとしたことを特徴とする。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、コアプレート片に円周方向に複数備えられたかしめ部のうち、他層のコアプレートの継ぎ目に隣接するかしめ部の、円周方向における他層のコアプレートの継ぎ目側の近傍に低剛性部を備えているので、ロータコアの回転時にあって、他層のコアプレートの継ぎ目に隣接するかしめ部に生じる応力を分散して緩和することができ、特定のかしめ部に応力が集中しないので、ロータコア全体の回転強度を高めることができる。
請求項2に係る本発明によると、孔部が、かしめ部の円周方向の端部から該かしめ部の円周方向の長さ以内で、かつ該かしめ部のコアプレートの半径方向の幅以内の範囲に形成されているので、当該かしめ部の円周方向に生じる応力を適宜に分散して緩和することを可能とすることができる。
請求項3に係る本発明によると、かしめ部の凸部及び凹部の嵌め合いを、コアプレートの半径方向では締り嵌めとすると共に、コアプレートの円周方向ではロータコアの回転時にこれら凸部と凹部とが当接するような隙間を存する隙間嵌めとしたので、遠心力に基づく応力を受けるかしめの円周方向部分に、かしめ部をかしめる際に生じる引っ張り残留応力が生じることを防止することができる。また、上記隙間を、ロータコアの回転時には、嵌合するかしめ部の凸部と凹部とが当接するような隙間としたことによって、遠心力に基づく応力をかしめ部の残留応力が生じていない部分で受けることができる。そして、低剛性部(孔部)は、かしめ部が遠心力によって受ける応力だけを分散して緩和することができ、総じてロータコア全体の回転強度を高めることができる。
本実施の形態に係るロータコアを示す模式図。 本実施の形態に係るコアプレート片を示す模式図。 本実施の形態に係るかしめ部の形状を説明する模式図であって、(a)かしめ部の平面図、(b)かしめ部のA−A断面図、(c)かしめ部のB―B断面図。 本実施の形態に係るコアプレート片のかしめ部に掛る残留応力を説明する模式図であって、(a)コアプレート片を積層する前の状態を示す図、(b)コアプレート片を積層した後の状態を示す図、(c)図4(b)の要部拡大図。 本実施の形態に係るコアプレート片のかしめ部に掛る遠心力に基づく応力を説明する模式図であって、(a)異なる層のコアプレート片に生じる遠心力を説明する模式図、(b)図5(a)の要部拡大図。 本発明に係る孔部を示す拡大図。 本発明に係る孔部を形成する有効な範囲を示す説明図。
以下、本発明の実施形態に係る回転電機のロータコアについて、図面に基づいて説明をする。なお、以下の説明中において、締り嵌めとは、嵌め合わす凸部の幅を凹部の幅よりも少し大きくした形式の嵌め合いのことを言い、隙間嵌めとは、凸部と凹部との間に所定の隙間を有した形式の嵌め合いのことを言う。
図1及び図2に示すように、IPMモータ(回転電機)用のロータコア1は、円環状のコアプレート2が複数積層されて形成されている。該コアプレート2は、電磁鋼板の母材から打ち抜かれた板状の部材であり、歩留まりの向上を図るために、該コアプレート2を均等に分割(本実施形態では5分割)した円弧状のコアプレート片3を連結して一層のコアプレート2が形成されている。なお、図1では詳しくは後述する孔部15を省略して示しているが、図2と同様に、各コアプレート片3に孔部15が形成されているものである。
具体的には、このコアプレート片3の円周方向の一端部には、円周方向に隣接するコアプレート片3と連結するための突起部5aが形成されていると共に、他端部には、上記コアプレート片3の突起部5aが嵌め込まれる嵌め込み部5bが形成されている。1つのコアプレート2には、これらコアプレート片同士の継ぎ目D,D、即ち突起部5aと嵌め込み部5bとの接合箇所がコアプレート片3の数と同数だけ形成されている。
上記コアプレート2は、どの層のコアプレート2も同じ形状のコアプレート片3を結合して円環状に形成されているが、積層方向に重なる(隣接する)コアプレート2に対してコアプレート片3の継ぎ目D,Dの円周方向Cの位置(円周方向の位相)を交互にずらすレンガ積みによって積層されている。即ち、コアプレート2の継ぎ目D,Dの位置が、積層方向に重なる前記コアプレート同士で交互に異なるように構成されている。例えば図1において、便宜的にロータコア1の底部から数えて積層されたコアプレート2を奇数層と、偶数層とに分けると、偶数層のコアプレート片3は、その端部位置(継ぎ目D)が奇数層のコアプレート片3の端部位置(継ぎ目D)に対して位置が所定角度ずれるように配設されている。
また、上記コアプレート片3には、ネオジウム磁石などの希土類永久磁石が嵌挿される磁石嵌挿穴6と、積層された複数のコアプレート2同士を締結するかしめ部10〜10がその円周方向に複数(8箇所)形成されている。このかしめ部10〜10は、磁石嵌挿穴6の両端部の内周側にそれぞれ設けられており、コアプレート2が仮組された後にこれらかしめ部10〜10をかしめることによって、ロータコア1は、各コアプレート2がばらばらにならずに、その形状を保持できるようになっている。なお、以下の説明において、これら8箇所のかしめ部10〜10を区別する必要がない場合は、単に「かしめ部10」という。
ついで、上記かしめ部10について詳しく説明をする。図3(b)及び(c)に示すように、かしめ部10は、プレス成型によってコアプレート片を一方側の面に突出させた凸部(ダボ)11と、この凸部11が形成されることにより、コアプレート片3の凸部11の裏面(他方側の面の同じ位置)に形成される凹部12と、から構成されており、この凹部12に他のコアプレート片3の凸部11が嵌合することによって、ダボかしめされるようになっている。
ところで、これら凸部11及び凹部12からなるかしめ部10には、かしめられる際に発生する残留応力と、ロータコア1が回転する際に掛る遠心力に基づく応力と、の2つの応力が作用する。
上記残留応力は、かしめ部10が締り嵌めされることによって生じる応力であり、図4に示す互いに積層されるA〜C層L,L,Lのコアプレート片3,3,3を例に取って説明すると、かしめ部10は、図3(a)に示す締り嵌めとなる部分10aにおいて、図3(b)に示すように凸部11の幅Wr2が締め代d分だけ凹部12の幅Wr1よりも大きくなるように形成されている。
図4(b)に示すように、コアプレート片3,3,3は、凸部11が締め代分dだけ幅狭な凹部12に圧入されて締り嵌めされることによって、その積層方向に連結されるが、図4(c)のコアプレート片3のように、凸部11が他の層(C層L)のコアプレート片3の凹部12に圧入されると、圧入された凸部11は、C層Lの凹部12の壁部12aから圧縮する方向(C層Lの凹部からB層Lの凸部11に向かう方向)の応力Tcを受ける。
一方、凹部12に他の層(A層L)の凸部が圧入されると、その凹部12には、A層Lの凸部11の壁部11aから拡大する方向(A層Lの凸部11からB層Lの凹部12向かう方向)に応力Ttが作用する。そして、これら凸部11及び凹部12を接続するB層Lの接続部Iでは、互いに反対方向に向かって働く上記応力Tc,Ttが掛り、これら凸部側及び凹部側からの応力Tc,Ttが釣り合って、上述した引っ張りの残留応力が発生する。
また、上記遠心力に基づく応力は、ロータコア1が回転することによってかしめ部10に発生する応力であり、ロータコア1が回転すると、図5(a)に示すように、重なり合うコアプレート片3,3のそれぞれには遠心力F,Fが作用する。
これら重なり合うコアプレート片3,3に作用する遠心力F,Fを、コアプレート片3,3の円周方向成分FEX,FOXと半径方向成分FEY,FOYとに分けて考えると、図5(b)に示すように、半径方向成分FEY,FOYは、どちらもコアプレート2の中心から外径側に向かう方向に作用するため、重なり合うコアプレート片3,3間で互いに反力を受けることができず、層の異なるコアプレート片3,3同士を連結するかしめ部10には、ほとんど力が作用しない。
一方、遠心力F,Fの円周方向成分FOX,FEXは、重なり合うコアプレート片3,3間でその作用方向が異なるため、これらコアプレート片3,3を連結するかしめ部10で互いに反力を受けることができる。即ち、コアプレート片3の端部に形成されたかしめ部10に着目すると、重なり合うコアプレートが円周方向に沿って反対側に移動しようとすることによって、かしめ部10には、コアプレート2の円周方向に遠心力に基づく応力が発生する。なお、遠心力F,Fの半径方向成分FEY,FOYは、その力をコアプレート2全体のかしめ部で分散して受けるが、特に他層のコアプレート片3の継ぎ目D,Dの近くのかしめ部に大きな力が作用する。
上述した図3(a)に示すように、かしめ部10は、これら遠心力に基づく応力と、引っ張りの残留応力とが同じ場所に生じないように構成されており、上記残留応力が生じる締り嵌めとなる部分10aと、遠心力による応力が生じる部分10bと、が別々に分かれて構成されている。
具体的には、かしめ部10は、凸部11及び凹部12のコアプレート2の円周方向(コアプレート片3の接線方向)Cの壁部11a,12aを直線状に形成した直線部10aと、これら凸部11及び凹部12のコアプレート2の半径方向Rの壁部11b,12bを所定の曲率の円弧状に形成した円弧部10bと、を有し、上記直線部10a間を円弧部10bによって結んだ長円形状をしており、この直線部10aによってかしめ部10の締り嵌めとなる部分を形成している。
即ち、かしめ部10は、図3(c)に示すように、直線形状の壁部11a,11a間の幅である凸部11のコアプレート2の半径方向Rの幅Wr2を、直線状の壁部12a,12a間の幅である凹部12のコアプレート2の半径方向Rの幅Wr1よりも大きくし(Wr2>Wr1)、これら凸部11及び凹部12の半径方向Rの嵌め合いを締り嵌めとしている。
また、かしめ部10には、その円周方向に遠心力F,Fに基づく応力が作用するため(図5参照)、上記円弧部10bは、円弧形状の壁部11b,12b間に所定の隙間dを有する隙間嵌めとなっている。即ち、この円弧部10bによりかしめ部10の隙間嵌めとなる部分を形成しており、円弧状の壁部11b,11b間の幅に相当する凸部11のコアプレート2の円周方向Cの幅Wc2が、円弧状の壁部12b,12b間の幅に相当する凹部12のコアプレート2の円周方向の幅Wc1よりも小さくなっている(Wc1>Wc2)。
なお、上記円弧部10bでは、かしめ部10がかしめられた時点では、凸部11の円弧状の壁部11bと、凹部12の円弧状の壁部12bとの間に隙間dが存在しているため、これら壁部11b,12b間で遠心力F,Fの円周方向成分FOX,FEXの反力を受けることができないが、この隙間dは、ロータコア1が回転して重なり合うコアプレート片3,3が円周方向に離れるように移動しようとすると、これらコアプレート片間の微小なズレや、コアプレート片3,3の弾性変形により無くなって、凸部11の円弧状の壁部11bと凹部12の円弧状の壁部12bとが当接できるように形成されている。言い換えると、ロータコア1の回転時にはこれら凸部11と凹部12とが当接するような隙間dとなっている。
ついで、本発明の要部となる孔部15について図2、図6及び図7に沿って説明する。図2に示すように、コアプレート片3には、上述したように、円周方向Cに順に複数(8箇所)のかしめ部10〜10が形成されており、そのかしめ部10〜10のうち、図2及び図6に示すように、隣接する他層のコアプレートの継ぎ目Dに隣接するかしめ部10,10の、円周方向Cにおける他層のコアプレート2の継ぎ目D側の近傍に、孔部(低剛性部)15が備えられている。
孔部15は、コアプレート片3の厚み方向(コアプレート2の積層方向)を貫通する形で、かつ半径方向Rに対して細長い形状からなる、いわゆるスリット状に形成されている。この孔部15は、この部分において、コアプレート片3の他の部位よりも剛性を低くする目的で形成されており、言い換えると、かしめ部10,10の円弧部10bに(図3(a)参照)、上述したように遠心力に基づき円周方向Cの応力が生じた際に、該応力を分散して緩和するために剛性が低くなるように構成されている。
例えばかしめ部10に対して設ける孔部15の位置としては、該かしめ部10に生じる応力を分散するため、図7に示すように、かしめ部10の円周方向Cの幅が「Y」で、半径方向Rの幅が「X」であるとすると、かしめ部10の円周方向Cの端部から該かしめ部10の円周方向Cに対して該かしめ部10の幅Yと同じ長さY’以内で、かつ該かしめ部10の半径方向Rの幅X以内である、図中斜線で囲んだ範囲Zに形成することが好ましい。言い換えると、孔部15が、円周方向において例えば長さY’以上離れてしまうと、応力の分散効果として乏しくなり、また、半径方向Rの幅Xの範囲から外れてしまうと、同じく応力の分散効果として乏しくなることが解析結果(不図示)から確かめられている。
なお、孔部15の形状は、コアプレート片の積層方向から視て細長い長穴形状のものを一例として挙げたが、上記範囲Zに位置していればどのような形状であってもよく、例えば半月状、三日月形状、楕円形状、円形状などであってもよい。好ましくは、かしめ部10の中心にから円周方向の延長上に孔部15の中心が位置すると、応力分散効果が均一になると考えられる。
また、本実施の形態では、孔部15を、コアプレート片を厚み方向に貫通した孔であるものとして説明したが、応力の分散が目的であるので、剛性が低くてクッション性があればよく、例えば断面視凹状の薄肉形状や厚み方向に切込みを入れるだけでも低剛性部としての効果が得られるものと考えられる。
また、本孔部15は、母材から各コアプレート片3をプレス成型して打ち抜く際に同時に形成してもよく、また、各かしめ部10〜10のプレス成型後にドリル等により穿設しても良い。
ついで、本発明の実施形態に係るロータコア1の作用について説明をする。作業者は、ロータコア1を作成するにあたり、図1に示すように、保持器(不図示)にコアプレート片3を環状に並べてコアプレート2を形成すると共に、このコアプレート上に次のコアプレート片3を積層して行く。この時、保持器はコアプレートの層が変わる度に所定角度だけ回転させられるため、上記コアプレート2は、積層方向に隣接するコアプレート2とコアプレート片3の継ぎ目D,Dの位置が交互にずれるように積層される。また、このコアプレート2の層が変わる際にはプレスによってダボかしめされるため、積層されたコアプレート2が積層方向に連結される。そして、このコアプレート2が規定枚数積層されてロータコア1が形成される。
即ち、仮組されたコアプレート2がプレスされると、かしめ部10の直線部10aが締り嵌めによって嵌合し、コアプレート片3を積層方向に連結すると共に、これら積層された複数のコアプレート2によって1つのロータコア1が形成される。そして、作業者、このロータコア1の磁石嵌挿穴6にネオジム磁石を挿入してロータとすると共に、このロータを組み込んで回転電機を作成する。
ところで、回転電機に電力が供給されて上記ロータが回転すると、ロータコア1のコアプレート片3には、それぞれロータの回転速度に応じた遠心力が発生する。この遠心力が発生すると、図5に示すように、各コアプレート片3は、重なり合うコアプレート片3,3がコアプレート2の円周方向Cに離れる方向(例えば、コアプレート片3の場合、図中M方向)に移動しようとする。すると、これら重なり合うコアプレート片3,3を連結するかしめ部10では、隙間嵌めであった円弧部10bの壁部11b,12b間の隙間dがコアプレート片3,3の円周方向へのズレもしくは弾性変形によって無くなる。そして、かしめ部10に掛る遠心力の円周方向成分の力は、これら円弧状の壁部11b,12bが当接することによって受けられる。
この時、コアプレート片3に設けられたかしめ部10〜10は、その凸部11と他層のコアプレート片3のかしめ部10〜10の凹部12と間に形成される隙間dが縮まって、各かしめ部10〜10において上記円弧状の壁部11b,12bが当接する。これにより、各かしめ部10〜10における円弧部10bに遠心力に基づいて発生する応力を受けるが、円弧部10bを隙間嵌めとしたことによって、該円弧部10bには締り嵌めによる引っ張りの残留応力が発生しておらず、より大きな遠心力に耐えることができる。
そして、ロータの回転時には、コアプレート片3のかしめ部10〜10のうち、他層のコアプレートの継ぎ目Dに隣接するかしめ部10,10の継ぎ目D側の近傍に孔部15を備えているので、かしめ部10,10に生じる応力を分散して緩和することができ、特定のかしめ部に応力が集中しないので(かしめ部10,10だけが弱点となることが防止されるため)、ロータコア全体の回転強度を高めることができる。
また特に、孔部15が、かしめ部10,10の円周方向の端部から該かしめ部10,10の円周方向の長さY’以内で、かつ該かしめ部10,10の半径方向の幅X以内の範囲Zに形成されているので、当該かしめ部10,10の円周方向に生じる応力を適宜に分散して緩和することを可能とすることができる。
さらにこの時、孔部15は、かしめ部10,10が遠心力によって受ける応力だけを分散して緩和することができ、上述のように締り嵌めによる引っ張りの残留応力が発生していないので、かしめ部10,10の遠心力に対する耐性が大きくなり、かしめ部10,10だけが弱点となることが防止されるため、総じてロータコア全体の回転強度を高めることができる。
なお、本実施の形態においては、かしめ部10(特にかしめ部10,10)を直線部10aと円弧部10bとにより、円周方向に長い形状としたが、単純に円形状のものであってもよい。この際は、凸部11の円周方向の円弧部分を削るか、凹部の円周方向の円弧部分を削るかして、隙間を設けることが望ましい。
また、本発明に係る低剛性部(孔部)を有するコアプレート片は、IPMモータに限らずどのような回転電機のロータコアに使用されても良いことは当然である。
さらに、本実施の形態においては、低剛性部(孔部15)をかしめ部10,10の2箇所の近傍だけに設けたものを説明したが、全てのかしめ部10〜10の近傍に設けても構わず、この際は、遠心力によって生じる応力の大きさに応じて、孔部15の大きさ、形状、かしめ部からの距離などを適宜に変更することが考えられる。
また、本実施の形態においては、奇数層のコアプレート2の継ぎ目Dと偶数層のコアプレート2の継ぎ目Dとの位置が、4箇所のかしめ部を挟んだ形で、交互に異なるように積層したものを一例に説明したが、これに限らず、例えば下の相の継ぎ目から順次所定角度ずつずれていくように(例えばかしめ部の1〜2箇所分ずつずらしていくなどのように)積層しても構わない。この場合は、下の相の継ぎ目に隣接するかしめ部の近傍と、上の相の継ぎ目に隣接するかしめ部の近傍とに、それぞれ低剛性部を設けることが好ましい。
1 ロータコア
2 コアプレート
3 コアプレート片
10 かしめ部
11 凸部
12 凹部
15 低剛性部、孔部
C 円周方向
,D 継ぎ目
R 半径方向
X かしめ部の半径方向の幅
Y’ かしめ部の円周方向の長さ
Z 範囲
隙間

Claims (3)

  1. 円環状のコアプレートが複数積層されて構成されていると共に、前記コアプレートを均等に分割した円弧状のコアプレート片が連結されて前記コアプレートの一層が形成され、かつ前記コアプレート片が連結される継ぎ目の円周方向の位置が積層方向に重なる前記コアプレート同士で異なるように構成された回転電機のロータコアにおいて、
    前記コアプレート片は、積層方向一方側の面に形成された凸部と、他方側の面で前記凸部と同じ位置に形成され、前記コアプレート片が積層された際に前記他方側の面と接する他層のコアプレート片の凸部と嵌合する凹部と、を有するかしめ部を、前記コアプレートの円周方向に複数備えていると共に、これらのかしめ部のうち、前記他層のコアプレートの継ぎ目に隣接するかしめ部の、前記円周方向における前記他層のコアプレートの継ぎ目側の近傍に低剛性部を備えた、
    ことを特徴とする回転電機のロータコア。
  2. 前記低剛性部は、前記コアプレート片の積層方向に貫通した孔部であり、
    前記孔部は、前記コアプレート片における、前記かしめ部の前記円周方向の端部から該かしめ部の前記円周方向の長さ以内で、かつ該かしめ部の前記コアプレートの半径方向の幅以内の範囲に形成された、
    ことを特徴とする請求項1記載の回転電機のロータコア。
  3. 前記かしめ部の凸部及び凹部の嵌め合いを、前記コアプレートの半径方向では締り嵌めとすると共に、前記コアプレートの円周方向では、前記ロータコアの回転時にこれら凸部と凹部とが当接するような隙間を存する隙間嵌めとした、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の回転電機のロータコア。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017229147A (ja) * 2016-06-22 2017-12-28 住友重機械工業株式会社 積層コア及び積層コアの製造方法
JP2019161812A (ja) * 2018-03-12 2019-09-19 日本発條株式会社 車両駆動用モータの積層鉄心の製造方法及び積層鉄心

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