JP2012116418A - トロリ線の吊架装置 - Google Patents

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美伸 川又
Kazuhisa Osawa
和寿 大澤
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盛実 山川
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登 中村
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Abstract

【課題】 頻繁な保守点検、部材交換の必要がなく、簡易構造で製造が容易なダンパ機能を備えたトロリ線の吊架装置を提供する。
【解決手段】 吊架装置1は、吊架線Mに連結されるハンガ3とトロリ線Tを把持するイヤー4との間にダンパ2を有する。ダンパ2のシリンダ5内に、可動部材6が挿入される。可動部材6からロッド7が延出し、シリンダ5の一端から出入り自在に突出する。シリンダ5と可動部材6との間にばね8が介設される。可動部材6に、ばね部材10を介して摩擦部材9が支持される。摩擦部材9は、常時シリンダ5の内面に圧接され、シリンダ5と可動部材6との相対変位、すなわちトロリ線Tの上下振動を摩擦抵抗により制動する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電車線の吊架方式架線構造において、吊架線又は補助吊架線の下に、電車のパンタグラフが摺動するトロリ線を吊り持つ吊架装置に関し、特にパンタグラフ通過時のトロリ線の振動を吸収するダンパの機能を有するものに係る。
電車線の吊架方式架線構造では、吊架線から垂下するハンガイヤーと称される吊架装置により、電車のパンタグラフが摺動するトロリ線が吊支される。吊架装置は、延線方向の所定の間隔、例えば約5mおきに設けられ、これにより、トロリ線をレールにほぼ平行になるように吊っている。このような架線構造においては、パンタグラフ通過時のトロリ線の振動がトロリ線とパンタグラフとの間の離線発生の原因となる。トロリ線の振動を抑制することは、トロリ線とパンタグラフ間の離線を低減し、電車の集電性能の向上に寄与し、またトロリ線の波状摩耗の発生防止にも効果があることが知られている。特に高速運転の場合、トロリ線の振動を抑制することは重要である。
従来、トロリ線の振動に対してばね圧と摩擦抵抗とによるダンパ機能を持つ防振型のトロリ線吊架装置が知られている(特許文献1)。この架線構造では、補助吊架線に吊られるシリンダ内に、ピストンとばねとが挿入される。ピストンは、シリンダの軸線方向にばね圧を受ける。シリンダとの摩擦抵抗による振動吸収機能を持つピストンリングが、ピストンに付設される。ピストンロッドにトロリ線が結合され、補助吊架線の下方にトロリ線が吊られる。
また、同じく防振型のトロリ線吊架装置として特許文献2に記載のものがある。この吊架装置では、吊架線に吊られるケーシングの下端部からピストンロッドが出入り自在に延出する。このピストンロッドの下端にトロリ線が吊り持たれる。ケーシング内には、筒状ハウジングが固定される。筒状ハウジングは、磁性体からなり、軸線方向のスロットを有し、半径方向に収縮可能である。このハウジング内にピストンが挿入され、ピストンとケーシングとの間には、圧縮ばねが介設される。ピストンは、シリンダの軸線方向にばね圧を受ける。ピストンには、永久磁石による磁気吸着部が設けられる。ピストンの磁気吸着部がハウジングの内周に磁気吸着し、ハウジングが収縮する。ばねにより、吊架線とトロリ線との間の上下振動に伴う圧力を吸収し、ピストンとハウジングとの摩擦抵抗により、振動を制動する。
特開平06-171402号公報 特開2003-080976号公報
上記従来のトロリ線吊架装置のうち、前者においては、ピストンリングが摩耗すると十分な摩擦制動力が得られなくなるので、比較的頻繁な保守点検及びピストンリング等の部材の交換を必要とする。また、シリンダとピストンとの間の所定の摩擦抵抗を得るために、構成部材間の高度な機械的精度が要求される結果、製作が容易でなく、また高価になるという問題点がある。
後者においては、磁性材の摩耗を考慮した保守点検及び交換の必要があり、またスロットを備えたハウジングや永久磁石等の追加部材が構造を複雑化するし、ハウジングとピストンとの所定の摩擦抵抗を得るために適切な磁力を備えた永久磁石を調達することが難しい結果、製作が容易でなく、高価になる難点がある。
従って、本発明は、頻繁な保守点検、部材交換の必要がなく、構造が比較的簡単で高度の機械的、物性的精度を必要としないために製造が容易で、安価に得られるダンパ機能を備えたトロリ線の吊架装置を提供することを目的としている。
以下、図面を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。上記課題を解決するための、この発明の吊架装置は、一端側がトロリ線T又はこのトロリ線Tの上方の吊架線Mのいずれか一方に連結され、他端側に開口を有するシリンダ5を具備する。このシリンダの内部に、可動部材6が軸線方向に相対移動自在に挿入される。この可動部材6から延出するロッド7は、シリンダ5の他端側の開口を貫通してシリンダ5の外方へ伸び、外方端が吊架線M又はトロリ線Tの他方に連結される。ばね8がシリンダ5内に設けられる。ばね8の一端は、シリンダ5の一端側に係止され、他端は可動部材6に係止される。可動部材5には、ばね部材10を介して摩擦部材9が支持される。摩擦部材9は、ばね部材10により、シリンダ5の内面に圧接される。摩擦部材9bとシリンダ5との摩擦抵抗により、可動部材6とシリンダ5との相対移動を抑制し、ばね8により、トロリ線Tの振動を吸収する。
ばね部材10は、可動部材6に軸線直交方向に保持される圧縮ばねで構成することができる。
また、ばね部材10は、一端が可動部材6に固定され、シリンダの軸線方向へ延び、他端側が摩擦部材をシリンダの半径方向外側へ予圧する板ばねで構成することができる。
本発明に係るトロリ線の吊架装置によれば、トロリ線Tの上下方向の振動がばねにより緩衝され、シリンダの内壁と摩擦部材との適切な摩擦接触により制動される。これにより、パンタグラフに対するトロリ線の離線率の低減を図り、またトロリ線の波状摩耗の発生を防止することができる。パンタグラフの振動が抑制されることにより、以下のような効果がある。金具の疲労・緩みが低減し、保安度及び集電性が向上する。パンタグラフの舟体に受ける衝撃力が小さくなるため、舟体を軽量化できる。以上の相乗効果で、車両の高速化に対応できる。摩擦部材がばね部材を介してシリンダの内壁に押し当てられるので、摩擦部材が磨耗しても、ほぼ一定のばね力により摩擦抵抗が自動的に調整されて、適切な振動抑制作用を維持することができ、これにより部材の摩耗を考慮した頻繁な保守点検、部材交換が必要ない。構造が比較的簡単で、高度の機械的、物性的精度を必要としないために、製造が容易であり、比較的安価に得られる。
本発明に係るトロリ線の吊架装置の縦断面図である。 図1のトロリ線の吊架装置の側面図である。 図1のトロリ線の吊架装置における可動部材の拡大縦断面図である。 図1におけるIV−IV線断面図である。 図1におけるV−V線断面図である。 他の実施形態に係るトロリ線の吊架装置の縦断面図である。 図6におけるVII−VII線断面図である。 図6の吊架装置における可動部材の縦断面図である。
本発明に係るトロリ線の吊架装置の実施の一形態を図面について説明する。
図1,図2において、トロリ線Tの上方に吊架線Mが架設される。図示しない電車のパンタグラフが、トロリ線Tの下面を摺動する。トロリ線Tの吊架装置1は、吊架線Mとトロリ線Tとの間に設けられ、吊架線Mの下方にトロリ線Tを吊支する。吊架装置1は、ダンパ2と、ダンパ2を吊架線Mに連結するハンガ3と、ダンパ2をトロリ線Tに結合するイヤー4とを具備する。
ダンパ2は、シリンダ5と、シリンダ5に挿入される可動部材6と、この可動部材6とシリンダ5の下端との間に挿入されるばね8と、可動部材6に支持される摩擦部材9と、可動部材6から延出するロッド7とを具備する。
シリンダ5はステンレス鋼製の管材から成り、一端側に引手5b付きのふた5aを有し、他端側に開口5dを備えたふた5cを有する。
図3ないし図5に示すように、可動部材6は、円柱状で、シリンダ5内に縦方向の軸線を一致させて軸線方向へ相対移動自在に挿入される。可動部材6には、上下に一対ずつ、合計4つの摩擦部材9が支持される。
すなわち、可動部材6には、上下に離れて2つの直径方向の保持孔6aが貫通している。上下の保持孔6aは互いに直交方向に形成される。保持孔6aには、圧縮コイルばねのようなばね部材10が挿入されると共に、このばね部材10を両端側から圧縮する状態で、一対の摩擦部材9が挿入される。摩擦部材9は、ポリエチレンのような合成樹脂製で、ばね部材10により、可動部材6の半径方向外側へ予圧され、その外側面が常時シリンダ5の内面に圧接される。
可動部材6から、それと同心的に延出するロッド7は、シリンダ5のふた5cの開口5dを貫通して外方へ延び、イヤー4に結合される。イヤー4は、一対のイヤー片4a,4bでトロリ線Tを挟み、ボルト4dにて締め付けることによってトロリ線Tを把持する。一方のイヤー片4bに設けられた接続筒4cが、ピン4eでロッド7の下端部に結合される。
ばね8は、シリンダ5内に配置され、それの一端がシリンダ5の、ばね受け座を兼ねたふた5cに係止され、他端が可動部材6に係止される。ばね8は、常時はトロリ線Tの吊り下げにより圧縮され、可動部材6を図1において上向きに押し上げている。したがって、ばね8は、ロッド7をシリンダ5内へ引き込む方向に常時付勢しており、トロリ線Tの最大押し上げ位置においてその最大伸張状態となるように設定される。
ハンガ3は、中間においてU字状に湾曲したステンレス鋼等の金属製帯板で構成される。ハンガ3は、両端部が、ボルト・ナット3aにてシリンダ5の引手5bに結合され、湾曲部において保護カバーCを介して吊架線Mに掛けられ、吊架線Mの直下においてハンガ3を貫通するピン3bにて止められる。ハンガの構造はこれに限定されない。
この実施形態に係る吊架装置1においては、図示しない電車のパンタグラフが通過すると、このパンタグラフはトロリ線Tを押し上げるから、トロリ線Tを吊っているロッド7が上昇する。ロッド7が上昇すると、ばね8が伸張し、可動部材6が押し上げられてシリンダ5内を上昇する。パンタグラフが通過してトロリ線Tの押し上げ力がなくなると、可動部材6の上昇が止まり、今度はトロリ線Tの荷重による下向きの力が作用するから可動部材6は、ばね8を圧縮してシリンダ5内を下降する。シリンダ5の内周には、摩擦部材9が、ばね部材10に押されて、所定の圧力で接触している。従って、可動部材6が上昇、下降する間、シリンダ5との間に所定の摩擦抵抗が生じ、これがトロリ線の制振力として作用し、振動を減衰する。摩擦部材9とシリンダ5との摺動の繰り返しにより摩擦部材9が摩耗しても、摩擦部材9が、ばね部材10により、常時ほぼ一定の力でシリンダ5に接触するので、長期にわたって一定の摩擦抵抗が得られる。シリンダ5と可動部材6との機械的精度が相対的に低くても、上記のような作用により長期にわたって一定の摩擦抵抗が得られる。
以上のように、ダンパ2が、トロリ線Tの上下方向の振動を吸収することにより、パンタグラフとトロリ線Tとの間の衝撃を緩和し、パンタグラフやトロリ線Tおよびトロリ線Tと吊架線Mとの間に用いられる各部品の損傷も軽減されることになる。
本発明の他の実施形態に係る吊架装置11を図6ないし図8に示す。なお、先の実施形態における構成部分と同等の構成部分は同一符号を付して説明を省略する。
この吊架装置11において、摩擦部材9を可動部材6に支持するばね部材20は、板ばねからなる。板ばね20は、可動部材6の周りに等間隔で4つ設けられる。各板ばね20は、上端部において、ボルトで可動部材6に固着され、下方へ延出し、下部がシリンダ5の半径方向外側へ向かうばね力を蓄圧される。板ばね20の自然形状は、図8に示すとおり、下端側がシリンダ5の半径方向外側へ開くように屈曲した形状である。したがって、板ばね20の下端部に固着される摩擦部材9は、常時所定の圧力でシリンダ5の内周に圧接される。
従って、先の実施形態と同様に、パンタグラフによるトロリ線Tの押上げに伴い、可動部材6が上昇、下降する間、摩擦部材9とシリンダ5との間に所定の摩擦抵抗が生じ、これがトロリ線Tの振動を制動する。
なお、上記各実施形態におけるダンパ2は上下逆方向に取付け、ロッド7を吊架線Mに連結すると共に、シリンダ5をトロリ線T側に連結しても、前記同様の効果を奏する。
1 吊架装置
2 ダンパ
3 ハンガ
4 イヤー
5 シリンダ
6 可動部材
7 ロッド
8 ばね
9 摩擦部材
10 ばね部材
20 ばね部材
T トロリ線
M 吊架線
C 保護カバー

Claims (3)

  1. 一端側がトロリ線又はこのトロリ線の上方の吊架線のいずれか一方に連結され、他端側に開口を有するシリンダと、
    このシリンダ内に軸線方向に相対移動自在に挿入され、一端側に前記シリンダの他端側の開口を貫通してシリンダの外方へ伸び、外方端が前記吊架線又はトロリ線の他方に連結されるロッドを備えた可動部材と、
    前記シリンダ内に配置され、一端がシリンダの一端側に係止され、他端が前記可動部材に係止され、シリンダと可動部材との伸長方向の相対変位に伴う圧力を吸収する圧縮ばねと、
    前記可動部材にばね部材を介して支持され、ばね力により前記シリンダの内面に圧接される摩擦部材とを具備し、
    前記摩擦部材と前記シリンダとの摩擦抵抗により、前記可動部材とシリンダとの相対移動を制動することを特徴とするトロリ線の吊架装置。
  2. 前記ばね部材は、一端側が可動部材に前記軸線直交方向に保持され、他端側が前記シリンダの半径方向外側へ前記摩擦部材を予圧する圧縮ばねであり、
    前記摩擦部材は、前記圧縮ばねの他端側に係止されることを特徴とする請求項1に記載のトロリ線の吊架装置。
  3. 前記ばね部材は、一端が可動部材に固定され、シリンダの軸線方向へ延び、他端側がシリンダの半径方向外側へ前記摩擦部材を予圧する板ばねであり、
    前記摩擦部材は、前記板ばねの他端側に係止されることを特徴とする請求項1に記載のトロリ線の吊架装置。
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