JP2012121820A - 硫酸化糖鎖を有するタンパク質 - Google Patents
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Abstract
【課題】
小細胞肺癌に対する特異性が高く、肺腺癌等の非小細胞肺癌と小細胞肺癌との識別能に優れた、新たな小細胞肺癌マーカー及びその検出手段を提供し、これにより、肺癌治療方針の的確性を高める。
【課題手段】
硫酸化糖鎖により修飾された、IGFBPL1タンパク質、GOLM1タンパク質、またはAPLP1タンパク質を小細胞肺癌マーカーとし、被験者の血清等の試料から、これら小細胞肺癌マーカーの分離、検出あるいはさらに定量を行う。
【選択図】 なし
小細胞肺癌に対する特異性が高く、肺腺癌等の非小細胞肺癌と小細胞肺癌との識別能に優れた、新たな小細胞肺癌マーカー及びその検出手段を提供し、これにより、肺癌治療方針の的確性を高める。
【課題手段】
硫酸化糖鎖により修飾された、IGFBPL1タンパク質、GOLM1タンパク質、またはAPLP1タンパク質を小細胞肺癌マーカーとし、被験者の血清等の試料から、これら小細胞肺癌マーカーの分離、検出あるいはさらに定量を行う。
【選択図】 なし
Description
本発明は、硫酸化糖鎖を有するタンパク質、及び該タンパク質からなる肺癌マーカー及びその分離、検出、定量に関する。
癌細胞は、正常細胞と共通する多くの物質と共に、正常細胞はほとんど産生しない物質を産生することが知られている。この物質を測定することにより、一部の癌細胞や癌患者の存在、特性を診断することが可能となっている。癌細胞が異常に多量に産生する物質には、癌遺伝子産物及び、増殖因子などがあり、細胞の癌化・増殖・進展に寄与している。また、癌胎児性抗原やホルモン、酵素などの産生も細胞の癌化の特性と考えられている。従って、癌細胞に特徴的なこれらの物質、いわゆる腫瘍マーカーのいずれかを充分な感度で測定できれば、その癌の診断が可能となる。これまで腫瘍マーカーとして実際に利用されてきたものには、癌胎児性抗原(CEA)、α−フェトプロテイン(AFP)、CA125などの胎児性癌抗原、神経特異的エノラーゼ(NSE)、酸性フォスファターゼ、クレアチンキナーゼ(CK)などの酵素類、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、抗利尿ホルモン(ADH)、カルシトニン(CT)などのホルモン関連物質などの測定系がある。しかしながら、これらの測定系を用いた癌患者血清の陽性率は高くなく、癌でありながら既存の腫瘍マーカーは陰性である場合も多く、健常人・良性疾患患者血清でも偽陽性になってしまうなど特異性に大きな問題があり、悪性疾病を立証することはできなかった。
肺癌に関しては、神経内分泌細胞に由来する小細胞肺癌と、他の上皮腫瘍である非小細胞肺癌に区別されており、治療法としては、基本的に、前者については初期の段階を除き、化学療法、放射線療法が検討され、後者については、末期を除き手術療法が検討され、治療方針の検討に際し、小細胞肺癌と非小細胞肺癌の識別は極めて重要である。
小細胞肺癌では、セロトニン、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)、カルシトニン、GRP(ガストリン放出ペプチド)などの各種ペプチドホルモン類の産生が知られ、また、APUD系の細胞または、腫瘍に特徴的なL−ドパ・デカルボキシラーゼ(L−dopa decarboxylase)活性の高いこと、神経細胞に特徴的な神経特異的エノラーゼ(neuron specificenolase)、クレアチンキナーゼBB活性が高いことが報告されている。
小細胞肺癌では、セロトニン、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)、カルシトニン、GRP(ガストリン放出ペプチド)などの各種ペプチドホルモン類の産生が知られ、また、APUD系の細胞または、腫瘍に特徴的なL−ドパ・デカルボキシラーゼ(L−dopa decarboxylase)活性の高いこと、神経細胞に特徴的な神経特異的エノラーゼ(neuron specificenolase)、クレアチンキナーゼBB活性が高いことが報告されている。
小細胞肺癌のマーカーとして現在使用されているものには神経特異的エノラーゼ(NSE)、カルシトニン(CT)などがあるが、小細胞肺癌患者の陽性率は充分なものではない。GRPは、1978年McDonaldらがブタ胃組織より単離したガストリン分泌促進作用を有する27個のアミノ酸よりなる脳腸ペプチドである。小細胞肺癌細胞内で生物活性を持つGRP(1−27)と活性のないC末端側フラグメントであるproGRP(31−125、31−118、31−115)とに切断され、細胞外に等モルで放出される。活性を有するGRPは血中で速やかに分解されるが、非活性部分は比較的安定であり、この3種の分子種に共通した構造であるproGRP(31−98)を遺伝子組み換え技術で作成し、これを抗原として特異的に結合する抗体を用いる測定法が確立された(非特許文献1参照)。現在では、proGRPが小細胞肺癌の最も信頼されるマーカーとして利用されている。しかし、proGRPの測定は、採血後、血清の室温放置等の不適切な取扱により急速に消失するため、速やかに血清分離し、−20℃で凍結保存しなければならない。保存条件が悪ければ、本来高値でも低値と測定されてしまうという問題がある。これらのことから、新たな小細胞肺癌のマーカーが求められている。
Miyake,Y.et.al.Cancer Res.1994,54,2136-2140
上記課題は、小細胞肺癌に対する特異性が高く、肺腺癌等の非小細胞肺癌と小細胞肺癌との識別能に優れた、新たな小細胞肺癌マーカー及びその検出手段を提供し、これにより、肺癌治療方針の的確性を高め、有効な治療を行う点にある。
本発明は、上記課題を解決すべく鋭意研究の結果、小細胞肺癌細胞と非小細胞肺癌細胞における遺伝子の発現量を比較し、両者の間に、硫酸基転移酵素遺伝子の発現量に差違を有する知見を得るとともに、さらに研究を続け、ついに、小細胞肺癌細胞が産生する3種のタンパク質が硫酸化糖鎖を有し、この硫酸化糖鎖修飾タンパク質が、小細胞肺癌に特異的であり、小細胞肺癌マーカーになり得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)硫酸化糖鎖により修飾された、IGFBPL1タンパク質、GOLM1タンパク質、またはAPLP1タンパク質。
(2)硫酸化糖鎖がIGFBPL1タンパク質のアミノ酸配列における166番目のアミノ酸、GOLM1タンパク質のアミノ酸配列における109番目のアミノ酸、あるいはAPLP1タンパク質のアミノ酸配列における461番目のアミノ酸に結合していることを特徴とする、上記(1)に記載のタンパク質。
(3)硫酸化糖鎖が以下のI〜IVのいずれかの構造式で表される非還元末端構造を有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載のタンパク質。
(上記式I〜IV中のAcはアセチル基を表す。)
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のタンパク質からなる小細胞肺癌マーカー。
(5)検体試料から請求項1〜4のいずれかに記載のタンパク質を分離、検出又は定量する手段を伴う方法であって、該手段が少なくとも等電点と分子量の相違に基づき分離、検出又は定量する手段であることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のタンパク質の分離、検出又は定量方法。
(6)分離、検出あるいは定量が等電点電気泳動とSDS-PAGE電気泳動を組み合わせた2次元電気泳動によることを特徴とする、上記(5)に記載の方法。
(7)上記(5)又は(6)に記載の方法において、さらに、分子間相互作用に基づくタンパク質識別手段を伴うことを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のタンパク質の分離、検出又は、定量方法。
(2)硫酸化糖鎖がIGFBPL1タンパク質のアミノ酸配列における166番目のアミノ酸、GOLM1タンパク質のアミノ酸配列における109番目のアミノ酸、あるいはAPLP1タンパク質のアミノ酸配列における461番目のアミノ酸に結合していることを特徴とする、上記(1)に記載のタンパク質。
(3)硫酸化糖鎖が以下のI〜IVのいずれかの構造式で表される非還元末端構造を有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載のタンパク質。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のタンパク質からなる小細胞肺癌マーカー。
(5)検体試料から請求項1〜4のいずれかに記載のタンパク質を分離、検出又は定量する手段を伴う方法であって、該手段が少なくとも等電点と分子量の相違に基づき分離、検出又は定量する手段であることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のタンパク質の分離、検出又は定量方法。
(6)分離、検出あるいは定量が等電点電気泳動とSDS-PAGE電気泳動を組み合わせた2次元電気泳動によることを特徴とする、上記(5)に記載の方法。
(7)上記(5)又は(6)に記載の方法において、さらに、分子間相互作用に基づくタンパク質識別手段を伴うことを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のタンパク質の分離、検出又は、定量方法。
本発明の硫酸化糖鎖修飾タンパク質は、小細胞肺癌の特異的マーカーであり、これを利用した判定方法はより確度の高い小細胞肺癌の判定(診断、検査)を可能とする。また、本発明の小細胞肺癌マーカーは、例えば血清中に分泌されるため、非浸襲的且つ簡便に小細胞肺癌を判定(診断、検査)することが可能である。さらに本発明の硫酸化糖鎖修飾タンパク質は安定であり、本発明の硫酸化糖鎖修飾タンパク質を標的とする様々な肺ガン検査薬あるいは検査方法を新たに提供することも可能となる。
本発明は、Insulin-like growth factor binding protein-like1(IGFBPL1)、Golgi membrane protein 1(GOLM1)、あるいはAmyloid beta(A4)precursor-like protein 1(APLP1)が硫酸化糖鎖により修飾されたタンパク質に関するものであり、これらはいずれも新規物質である。
IGFBPL1タンパク質は、N末端より166番目のアスパラギンに、GOLM1は、N末端より109番目のアスパラギンに、APLP1は、N末端より461番目のアスパラギンにそれぞれN結合型糖鎖を有しているが、本願の硫酸化糖鎖修飾タンパク質は、これらのN結合型糖鎖が硫酸化されていることが構造上の特徴である。
このように硫酸化されたN結合型糖鎖の非還元末端構造は、以下のI〜IVに示される。
このように硫酸化されたN結合型糖鎖の非還元末端構造は、以下のI〜IVに示される。
本発明のこれら硫酸化糖鎖修飾タンパク質は、肺腺癌等の非小細胞肺癌にはみられず、小細胞肺癌に特異的であり、小細胞肺癌マーカーとして有用である。
上記硫酸化糖鎖修飾タンパク質の分離、製造には、等電点の相違と分子量の相違に基づく分離、検出手段を組み合わせた手段が有効であり、また、さらに抗体あるいはレクチン等による分子間相互作用に基づくタンパク質識別手段を併用することが好ましい。例えば、まず、ヒト小細胞肺癌細胞株を培養し、培養上清をIGFBPL1、GOLM1、あるいはAPLP1に対する各抗体を用いて濃縮する。ついで、硫酸化糖鎖により修飾されたIGFBPL1、GOLM1、あるいはAPLP1と硫酸化修飾されていないこれらタンパク質とを分離するが、これには、硫酸基によりタンパク質の等電点が、硫酸基を有していない上記タンパク質に比べ酸性側に傾くことを利用した等電点電気泳動が有効であり、該等電点電気泳動とSDS−PAGE電気泳動とを組み合わせた2次元電気泳動を用いて製造することができる。
上記硫酸化糖鎖修飾タンパク質の分離、製造には、等電点の相違と分子量の相違に基づく分離、検出手段を組み合わせた手段が有効であり、また、さらに抗体あるいはレクチン等による分子間相互作用に基づくタンパク質識別手段を併用することが好ましい。例えば、まず、ヒト小細胞肺癌細胞株を培養し、培養上清をIGFBPL1、GOLM1、あるいはAPLP1に対する各抗体を用いて濃縮する。ついで、硫酸化糖鎖により修飾されたIGFBPL1、GOLM1、あるいはAPLP1と硫酸化修飾されていないこれらタンパク質とを分離するが、これには、硫酸基によりタンパク質の等電点が、硫酸基を有していない上記タンパク質に比べ酸性側に傾くことを利用した等電点電気泳動が有効であり、該等電点電気泳動とSDS−PAGE電気泳動とを組み合わせた2次元電気泳動を用いて製造することができる。
以下に各タンパク質の等電点を示す
濃縮に使用する抗体は、ポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体でもよく、市販のものも使用できる。また濃縮法自体周知の方法を用いることができ、例えば、上記タンパク質に対する抗体を担持した磁気ビーズをヒト小細胞肺癌細胞の培養上清と接触させ、該抗体と培養上清中のタンパク質とを反応させて、該ビーズを回収し、抗体と結合したタンパク質を溶離させればよい。
また、このほかIGFBPL1、GOLM1、あるいはAPLP1をコードする遺伝子をCHO細胞に導入し、それぞれに対する抗体で濃縮後、硫酸基転移酵素を用いてこれらのタンパク質に結合する糖鎖に硫酸基を付与することによっても得ることができる。
また、このほかIGFBPL1、GOLM1、あるいはAPLP1をコードする遺伝子をCHO細胞に導入し、それぞれに対する抗体で濃縮後、硫酸基転移酵素を用いてこれらのタンパク質に結合する糖鎖に硫酸基を付与することによっても得ることができる。
一方、上記硫酸化糖鎖修飾されたタンパク質は、小細胞肺癌患者の血清、生検組織、気管支肺胞洗浄液、胸水には硫酸化糖鎖により修飾されたIGFBPL1、GOLM1、あるいはAPLP1が含まれているのに対し、例えば肺腺がん患者あるいは健常者の血清、生検組織、気管支肺胞洗浄液、胸水中に含まれるIGFBPL1、GOLM1、あるいはAPLP1の糖鎖は硫酸化されていないか、あるいは硫酸化されていたとしても極めて少量である。したがって、被験者の血清中等に、硫酸化糖鎖修飾IGFBPL1、GOLM1、あるいはAPLP1が有意に検出される場合は、小細胞肺癌を強く疑うことができ、本発明の硫酸化糖鎖修飾タンパク質は小細胞肺癌マーカーとして利用できる。
このような血清等からの硫酸化糖鎖修飾タンパク質の分離、検出においては、上記製造法が応用でき、等電点の相違と分子量の相違に基づく分離、検出手段を組み合わせた手段が好ましく用いられ、さらに抗体あるいはレクチン等による分子間相互作用に基づくタンパク質識別手段を併用することが好ましい。このような分子間相互作用に基づくタンパク質識別手段は、例えば、血清等の検体試料中の硫酸化糖鎖修飾タンパク質を予め濃縮したり、あるいは硫酸化糖鎖修飾タンパク質を検出する際に有効である。
さらに具体的には、例えば、被験者の血清をIGFBPL1、GOLM1、あるいはAPLP1に対する抗体等を使用して濃縮した後、上記等電点電気泳動とSDS−PAGE電気泳動を組み合わせた2次元電気泳動を用いて分離後、該タンパク質に対する抗体を用いることで容易に検出することができる。
さらに具体的には、例えば、被験者の血清をIGFBPL1、GOLM1、あるいはAPLP1に対する抗体等を使用して濃縮した後、上記等電点電気泳動とSDS−PAGE電気泳動を組み合わせた2次元電気泳動を用いて分離後、該タンパク質に対する抗体を用いることで容易に検出することができる。
また、このほかIGFBPL1、GOLM1、あるいはAPLP1に対する抗体等を使用して濃縮した試料を蛍光標識後、キャピラリー電気泳動、マイクロチップ電気泳動を用いることによっても容易に分離・検出することができる。また、IGFBPL1、GOLM1、あるいはAPLP1に対する抗体を蛍光標識した抗体を試料と混合した後、キャピラリー電気泳動、マイクロチップ電気泳動を用いることによっても容易に分離・検出することができる。さらに、この2次元電気泳動スポットの蛍光染色色素による蛍光強度、キャピラリー電気泳動、マイクロチップ電気泳動における該タンパク質の蛍光強度を測定すれば、硫酸化糖鎖修飾タンパク質を定量でき、その被験者の重篤度もある程度知ることが可能である。上記製造法によって得られた硫酸化糖鎖修飾タンパク質は、このような検出、定量における標準物質として、例えば検量線の作成等に使用できる。
本発明の硫酸化糖鎖修飾タンパク質は、該タンパク質を標的とする試薬あるいは試薬キットさらには新たな検出定量法を開発するために有用であり、このような試薬、試薬キットあるいは検出定量法により得られたデータは小細胞肺癌の正確な診断に役立てることができる。
試薬としては、例えば、硫酸化された該タンパク質を特異的に検出できる抗体、該タンパク質の分離・検出に有用なレクチン、該タンパク質の標準品およびその蛍光標識体、等が挙げられ、また、試薬キットとしては、該タンパク質の標準品、該タンパク質特異抗体、2次抗体、発色基質からなる該タンパク質の定量用ELISAキット、蛍光標識された該タンパク質の特異抗体、該タンパク質の標準品からなるキャピラリー電気泳動またはマイクロチップ電気泳動による該タンパク質の定量分析用キット、蛍光標識された該タンパク質の標準品、蛍光標識試薬、該タンパク質の特異抗体からなるキャピラリー電気泳動またはマイクロチップ電気泳動による該タンパク質の定量分析用キット、等が挙げられる。
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
試薬としては、例えば、硫酸化された該タンパク質を特異的に検出できる抗体、該タンパク質の分離・検出に有用なレクチン、該タンパク質の標準品およびその蛍光標識体、等が挙げられ、また、試薬キットとしては、該タンパク質の標準品、該タンパク質特異抗体、2次抗体、発色基質からなる該タンパク質の定量用ELISAキット、蛍光標識された該タンパク質の特異抗体、該タンパク質の標準品からなるキャピラリー電気泳動またはマイクロチップ電気泳動による該タンパク質の定量分析用キット、蛍光標識された該タンパク質の標準品、蛍光標識試薬、該タンパク質の特異抗体からなるキャピラリー電気泳動またはマイクロチップ電気泳動による該タンパク質の定量分析用キット、等が挙げられる。
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1
〈小細胞肺癌と非小細胞肺癌の遺伝子発現プロファイル〉
・細胞株cDNA合成
10cmディッシュで培養した肺癌培養細胞株、すなわち小細胞肺癌3種(H2171, H524, H526)と非小細胞肺癌として肺腺癌3種(H358, H1975, LX-1)の細胞試料を、PBS(日水製薬社製ダルベッコPBS(-))で細胞を洗浄後に市販RNA抽出キット(キアゲン社製RNeasy plus miniキット)を用いて抽出物を培養細胞トータルRNAとした。培養細胞トータルRNA4μgを出発材料として、市販cDNA合成キット(キアゲン社製QuantitectRTキット)を用いて調製したcDNAを培養細胞cDNAとした。
〈小細胞肺癌と非小細胞肺癌の遺伝子発現プロファイル〉
・細胞株cDNA合成
10cmディッシュで培養した肺癌培養細胞株、すなわち小細胞肺癌3種(H2171, H524, H526)と非小細胞肺癌として肺腺癌3種(H358, H1975, LX-1)の細胞試料を、PBS(日水製薬社製ダルベッコPBS(-))で細胞を洗浄後に市販RNA抽出キット(キアゲン社製RNeasy plus miniキット)を用いて抽出物を培養細胞トータルRNAとした。培養細胞トータルRNA4μgを出発材料として、市販cDNA合成キット(キアゲン社製QuantitectRTキット)を用いて調製したcDNAを培養細胞cDNAとした。
・硫酸基転移酵素遺伝子発現レベルの定量PCR解析
定量PCR法を用いて培養細胞cDNAについて硫酸基転移酵素遺伝子の発現量を定量した。定量方法については、既報論文(Ito,Kuno,Sawaki,ほか.2009)に記載した定量PCRアレイを用いる方法に従った。培養細胞cDNAを鋳型として用いて、Eurogentec社製qPCRQuickGoldStar Mastermix PlusをPCR酵素として用いて、PCRプライマー及びプローブは定量PCRアレイに搭載されているCHST8遺伝子転写産物特異的検出セット試薬(Fプライマー;5’-tcagcctgcaggacccta-3’(配列番号7)、Rプライマー;5’-ggttccttcaagtcaccatcc-3’(配列番号8)、TaqManプローブ;ccagcag(配列番号9))及びCHST9遺伝子転写産物特異的検出セット試薬(Fプライマー;5’-caattggaaaagaattctgatgg-3’(配列番号10)、Rプライマー;5’-cagcattgtgggagatgttg-3(配列番号11)’、TaqManプローブ;ttcctctg(配列番号12)を用いた。培養細胞cDNA試料溶液にDEPC treated Water(和光純薬製)を加えて2mLとし、さらにPCR酵素(Eurogentec社製)2mLを加えたものをPCR反応液とした。
定量PCR法を用いて培養細胞cDNAについて硫酸基転移酵素遺伝子の発現量を定量した。定量方法については、既報論文(Ito,Kuno,Sawaki,ほか.2009)に記載した定量PCRアレイを用いる方法に従った。培養細胞cDNAを鋳型として用いて、Eurogentec社製qPCRQuickGoldStar Mastermix PlusをPCR酵素として用いて、PCRプライマー及びプローブは定量PCRアレイに搭載されているCHST8遺伝子転写産物特異的検出セット試薬(Fプライマー;5’-tcagcctgcaggacccta-3’(配列番号7)、Rプライマー;5’-ggttccttcaagtcaccatcc-3’(配列番号8)、TaqManプローブ;ccagcag(配列番号9))及びCHST9遺伝子転写産物特異的検出セット試薬(Fプライマー;5’-caattggaaaagaattctgatgg-3’(配列番号10)、Rプライマー;5’-cagcattgtgggagatgttg-3(配列番号11)’、TaqManプローブ;ttcctctg(配列番号12)を用いた。培養細胞cDNA試料溶液にDEPC treated Water(和光純薬製)を加えて2mLとし、さらにPCR酵素(Eurogentec社製)2mLを加えたものをPCR反応液とした。
遺伝子転写産物特異的検出セット試薬が配置してある定量PCRアレイ用測定プレートの各ウェルにPCR反応液7.5μLずつを分注したのちに混和し、シール材で密封した後に遠心機を用いて1500rpmで反応ウェル中の反応液をスピンダウンしてから、PCR反応測定装置(Roche社製LighCycler480)にセットして定量PCRアレイ反応サイクルプログラムによって測定した。定量PCRアレイ反応サイクルプログラムは、50℃/2分、95℃/3分の後に95℃/15秒、60℃/1分20秒を1サイクルとして55回繰り返す。検出は測定装置付属のソフトウェアで各試料液中の標的遺伝子転写産物に由来する蛍光強度の変化を測定した後に、2次微分極大法によって数値化を施した。測定結果の数値は別途測定した標準試料の数値をもって作成した検量線に当てはめることで、測定試料中の標的遺伝子転写産物のコピー数として算出した。
・小細胞肺癌における硫酸基転移酵素遺伝子の発現レベル
肺癌細胞株6種について測定した硫酸基転移酵素遺伝子CHST8およびCHST9の発現レベルをトータルRNA7.5ナノグラム中に含まれる転写産物のコピー数として、表1に示したように、これらの硫酸基転移酵素遺伝子の発現レベルは小細胞肺癌由来細胞において顕著に亢進していることから、小細胞肺癌において硫酸化糖が特徴的に発現していることが強く示唆された。
肺癌細胞株6種について測定した硫酸基転移酵素遺伝子CHST8およびCHST9の発現レベルをトータルRNA7.5ナノグラム中に含まれる転写産物のコピー数として、表1に示したように、これらの硫酸基転移酵素遺伝子の発現レベルは小細胞肺癌由来細胞において顕著に亢進していることから、小細胞肺癌において硫酸化糖が特徴的に発現していることが強く示唆された。
〈小細胞肺癌培養細胞からの硫酸化糖タンパク質の濃縮および検出〉
・分泌タンパク質の回収
ウシ胎児血清を10%の割合で添加したRPMI1640培地を用いて、ヒト小細胞肺癌培養細胞株であるH2171を培養しコンフルエントになった後、細胞を回収した(1×108個)。回収した細胞は、添加した血清成分が残らないように無血清培地(RPMI1640)で3回洗浄した後、100mLの無血清培地で24時間培養した。培養細胞株H2171の無血清培養上清20mLを、100mLのポリエチレン製コニカルチューブに分注し、4℃に冷却後、4℃にあらかじめ冷却したアセトン60mLを加え、攪拌したのち、4℃にて2時間放置した。生じた凝集体を遠心機にて分離し、集めた。同様の操作を合計100mLの無血清培養上清にて行い、集めた沈殿物をH2171が分泌するタンパク質として使用した。
・分泌タンパク質の回収
ウシ胎児血清を10%の割合で添加したRPMI1640培地を用いて、ヒト小細胞肺癌培養細胞株であるH2171を培養しコンフルエントになった後、細胞を回収した(1×108個)。回収した細胞は、添加した血清成分が残らないように無血清培地(RPMI1640)で3回洗浄した後、100mLの無血清培地で24時間培養した。培養細胞株H2171の無血清培養上清20mLを、100mLのポリエチレン製コニカルチューブに分注し、4℃に冷却後、4℃にあらかじめ冷却したアセトン60mLを加え、攪拌したのち、4℃にて2時間放置した。生じた凝集体を遠心機にて分離し、集めた。同様の操作を合計100mLの無血清培養上清にて行い、集めた沈殿物をH2171が分泌するタンパク質として使用した。
・還元アルキル化
得られたタンパク質を、6M塩酸グアニジンを含むトリス塩酸緩衝液(pH8.5)2.5mLに溶解し、ジチオスレイトール(DTT)10mgを添加し、室温にて5時間放置した。その後、ヨードアセトアミド60mgを添加し、暗所にてさらに45分放置した。放置後の溶液を透析キット(容量250μL、GEヘルスケア社)に移し、1Lのリン酸緩衝液(pH7.2)中で3日間、12時間おきに緩衝液を交換し、透析を行った。
得られたタンパク質を、6M塩酸グアニジンを含むトリス塩酸緩衝液(pH8.5)2.5mLに溶解し、ジチオスレイトール(DTT)10mgを添加し、室温にて5時間放置した。その後、ヨードアセトアミド60mgを添加し、暗所にてさらに45分放置した。放置後の溶液を透析キット(容量250μL、GEヘルスケア社)に移し、1Lのリン酸緩衝液(pH7.2)中で3日間、12時間おきに緩衝液を交換し、透析を行った。
・トリプシン消化
透析後のタンパク質溶液にウシ膵臓由来トリプシンを含む重炭酸アンモニウム緩衝液(1mg/mL)を50μL添加し、37℃にて一昼夜放置した。
透析後のタンパク質溶液にウシ膵臓由来トリプシンを含む重炭酸アンモニウム緩衝液(1mg/mL)を50μL添加し、37℃にて一昼夜放置した。
・糖ペプチドの濃縮
トリプシン消化した反応液を98℃で5分間加熱し、トリプシンを失活させた後、室温に冷却し、試料溶液をn−ブタノール:エタノール:水(4:1:1)の混合液で平衡化したセファロースCL−4B(1mL、GEヘルスケア社)に供し、上記混合液(20mL)にて洗浄後、50%エタノール(10mL)にて糖ペプチドを溶出し回収した。得られた糖ペプチド溶液を減圧濃縮後、乾燥した。
トリプシン消化した反応液を98℃で5分間加熱し、トリプシンを失活させた後、室温に冷却し、試料溶液をn−ブタノール:エタノール:水(4:1:1)の混合液で平衡化したセファロースCL−4B(1mL、GEヘルスケア社)に供し、上記混合液(20mL)にて洗浄後、50%エタノール(10mL)にて糖ペプチドを溶出し回収した。得られた糖ペプチド溶液を減圧濃縮後、乾燥した。
・シアリダーゼ処理
乾燥させた糖ペプチドに、スタフィロコッカス由来シアリダーゼ(ナカライテスク社製)を含むリン酸緩衝液(1U/mL)を100μL添加し溶解させ、37℃にて60分放置した。
乾燥させた糖ペプチドに、スタフィロコッカス由来シアリダーゼ(ナカライテスク社製)を含むリン酸緩衝液(1U/mL)を100μL添加し溶解させ、37℃にて60分放置した。
・カルボキシペプチダーゼB処理
シアリダーゼ処理した反応液を98℃で5分間加熱し、シアリダーゼを失活させた後、室温に冷却し、カルボキシペプチダーゼB(シグマ社製)を含むトリス塩酸緩衝液(50μg/mL)を200μL添加し、37℃にて60分放置した。カルボキシペプチダーゼB処理した反応液を98℃で5分間加熱し、カルボキシペプチダーゼBを失活させた後、室温に冷却し、固相抽出デバイスSepPak C18 カートリッジ(50mg、Waters社)に供し、糖ペプチドを回収し、カルボキシル基の修飾反応に用いた。
シアリダーゼ処理した反応液を98℃で5分間加熱し、シアリダーゼを失活させた後、室温に冷却し、カルボキシペプチダーゼB(シグマ社製)を含むトリス塩酸緩衝液(50μg/mL)を200μL添加し、37℃にて60分放置した。カルボキシペプチダーゼB処理した反応液を98℃で5分間加熱し、カルボキシペプチダーゼBを失活させた後、室温に冷却し、固相抽出デバイスSepPak C18 カートリッジ(50mg、Waters社)に供し、糖ペプチドを回収し、カルボキシル基の修飾反応に用いた。
・カルボキシル基の修飾
得られた糖ペプチド混合物を2.5Mアセトヒドラジド溶液(100μL)に溶解し、3M塩酸により溶液をpH2.5に調製後、2M 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(以下、「EDAC」と記す)を8μL加え、室温で3時間反応させた。
得られた糖ペプチド混合物を2.5Mアセトヒドラジド溶液(100μL)に溶解し、3M塩酸により溶液をpH2.5に調製後、2M 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(以下、「EDAC」と記す)を8μL加え、室温で3時間反応させた。
・試薬の除去
上記の反応終了後、試料溶液をSepPak C18 カートリッジ(50mg、Waters社)に供し、修飾されたペプチドを回収した。得られたペプチド混合物をn−ブタノール、エタノール、水の混合溶媒(4:1:1)にて膨潤させた500μLのSepharose CL-4Bゲル(GEヘルスケア社)に供し、上の混合溶媒10mLにて洗浄後、50%エタノール(5mL)、水(5mL)、6M塩酸グアニジン溶液(5mL)の順で溶出を行い、すべての溶出画分を合わせて回収した。得られた溶出画分を、凍結乾燥し、再度、SepPak C18 カートリッジを用いて塩酸グアニジンを除去しペプチドを回収した。
上記の反応終了後、試料溶液をSepPak C18 カートリッジ(50mg、Waters社)に供し、修飾されたペプチドを回収した。得られたペプチド混合物をn−ブタノール、エタノール、水の混合溶媒(4:1:1)にて膨潤させた500μLのSepharose CL-4Bゲル(GEヘルスケア社)に供し、上の混合溶媒10mLにて洗浄後、50%エタノール(5mL)、水(5mL)、6M塩酸グアニジン溶液(5mL)の順で溶出を行い、すべての溶出画分を合わせて回収した。得られた溶出画分を、凍結乾燥し、再度、SepPak C18 カートリッジを用いて塩酸グアニジンを除去しペプチドを回収した。
・イオン交換クロマトグラフィーによる硫酸化糖ペプチドの濃縮
陰イオン交換カラム(TSKgel QAE-2SW、直径4.6mm、長さ250mm、東ソー社)を30%アセトニトリル入りの20mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)で平衡化したのち、前工程にて回収したペプチド混合物を供した。流速は0.7mL/分とし、最初の10分間は平衡化に用いた緩衝液を流し、次の10分間で直線的に塩化ナトリウムの濃度を0.75Mまで上昇させた。2〜10分までに得られた溶出液を画分1、10〜29分までに得られた溶出液を画分2とし、画分2を硫酸化糖ペプチド含有フラクションとして回収した。
陰イオン交換カラム(TSKgel QAE-2SW、直径4.6mm、長さ250mm、東ソー社)を30%アセトニトリル入りの20mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)で平衡化したのち、前工程にて回収したペプチド混合物を供した。流速は0.7mL/分とし、最初の10分間は平衡化に用いた緩衝液を流し、次の10分間で直線的に塩化ナトリウムの濃度を0.75Mまで上昇させた。2〜10分までに得られた溶出液を画分1、10〜29分までに得られた溶出液を画分2とし、画分2を硫酸化糖ペプチド含有フラクションとして回収した。
・逆相HPLCによる分離
硫酸化糖ペプチドを分離するため、上記画分2を逆相HPLCに供した。HPLCカラム(TSKgel ODS−80Ts QA、直径4.6mm、長さ150mm、東ソー社製)を用い、移動相A(0.1%TFA)を0.7mL/分の流速で流し始め、混合する移動相B(0.1%TFA in 80%アセトニトリル)の濃度を次の45分間で直線的に45%まで上昇させた。10分から45分までの溶出液を1.0分間隔で35のフラクションに分画した。
硫酸化糖ペプチドを分離するため、上記画分2を逆相HPLCに供した。HPLCカラム(TSKgel ODS−80Ts QA、直径4.6mm、長さ150mm、東ソー社製)を用い、移動相A(0.1%TFA)を0.7mL/分の流速で流し始め、混合する移動相B(0.1%TFA in 80%アセトニトリル)の濃度を次の45分間で直線的に45%まで上昇させた。10分から45分までの溶出液を1.0分間隔で35のフラクションに分画した。
・硫酸化糖ペプチドの検出
得られた35フラクションをマトリクス支援レーザーイオン化飛行時間型質量分析計(Reflex IV、ブルカー・ダルトニクス社)にて、測定した。マトリクスは2,5−DHBを用いた。第17フラクションと第22フラクションから負イオンモードで強いシグナルを生じる硫酸化糖ペプチドと思われる物質を検出した。それらのシグナルを表3に示す。
得られた35フラクションをマトリクス支援レーザーイオン化飛行時間型質量分析計(Reflex IV、ブルカー・ダルトニクス社)にて、測定した。マトリクスは2,5−DHBを用いた。第17フラクションと第22フラクションから負イオンモードで強いシグナルを生じる硫酸化糖ペプチドと思われる物質を検出した。それらのシグナルを表3に示す。
なお、上記表中のHex、HexNAc、Fuc、SO3は、それぞれ順にヘキソース、ヘキソサミン、フコース、硫酸基を表し、これらに付された数字は、ペプチド一分子当たりに結合している上記各基の分子数を表す。
〈硫酸化糖タンパク質の同定〉
・硫酸化糖ペプチドからの糖鎖の除去および糖鎖付加部位アミノ酸側鎖の化学修飾
硫酸化糖ペプチドを含むフラクション(第17フラクションと第22フラクション)をそれぞれ減圧乾固し、100mMトリス塩酸緩衝液(pH8.6)6μLに溶解した。次いでペプチドNグリカナーゼF(0.5mU、タカラバイオ社)を添加し、37℃にて一昼夜静置した。その後、あらかじめ作成した3M塩酸と2.4M Girard‘s T(シグマ社)溶液(13.5μL)を混合してpH2.5に調整した混合液16.5μLを添加し、さらに4M EDACを3μL加え、室温で3時間反応させた。
・硫酸化糖ペプチドからの糖鎖の除去および糖鎖付加部位アミノ酸側鎖の化学修飾
硫酸化糖ペプチドを含むフラクション(第17フラクションと第22フラクション)をそれぞれ減圧乾固し、100mMトリス塩酸緩衝液(pH8.6)6μLに溶解した。次いでペプチドNグリカナーゼF(0.5mU、タカラバイオ社)を添加し、37℃にて一昼夜静置した。その後、あらかじめ作成した3M塩酸と2.4M Girard‘s T(シグマ社)溶液(13.5μL)を混合してpH2.5に調整した混合液16.5μLを添加し、さらに4M EDACを3μL加え、室温で3時間反応させた。
・試薬の除去
0.1%TFAにて平衡化したピペットチップ型固相抽出デバイスZipTip C18(ミリポア社)を用いて、上記のカルボン酸修飾反応液の吸液排液を10回繰り返した。その後、0.1%TFAにてZipTipを5回洗浄し、最後に0.1%TFAを含む80%アセトニトリル溶液でZipTipから修飾されたペプチドを回収した。
0.1%TFAにて平衡化したピペットチップ型固相抽出デバイスZipTip C18(ミリポア社)を用いて、上記のカルボン酸修飾反応液の吸液排液を10回繰り返した。その後、0.1%TFAにてZipTipを5回洗浄し、最後に0.1%TFAを含む80%アセトニトリル溶液でZipTipから修飾されたペプチドを回収した。
・化学修飾ペプチドのLC/MSショットガン分析
試料ペプチドを0.1%ギ酸で希釈し、LC/MSショットガン分析した。このとき試料を高度に濃縮し、高感度に検出するため、ダイレクトナノフローポンプを基礎とするナノLCシステム(流速100nl/min)を利用した。インジェクトしたペプチドは脱塩を目的としたトラップカラム(逆相C18シリカゲル系の担体)上に一旦捕集し、0.1%ギ酸水溶液で洗浄後、同じ樹脂を詰めたスプレーチップ型フリットレス微小カラム(内径0.15mm×50mm L)を用い、有機溶媒(0-35%アセトニトリル)の濃度グラジェント法で分離した。溶出液はエレクトロスプレーインターフェースを介してイオン化して、直接質量分析機に導入した。質量分析はデータ依存モードで最大2つのイオンを選択しながら、衝突誘起解離(CID)によるタンデム質量分析を行った。
試料ペプチドを0.1%ギ酸で希釈し、LC/MSショットガン分析した。このとき試料を高度に濃縮し、高感度に検出するため、ダイレクトナノフローポンプを基礎とするナノLCシステム(流速100nl/min)を利用した。インジェクトしたペプチドは脱塩を目的としたトラップカラム(逆相C18シリカゲル系の担体)上に一旦捕集し、0.1%ギ酸水溶液で洗浄後、同じ樹脂を詰めたスプレーチップ型フリットレス微小カラム(内径0.15mm×50mm L)を用い、有機溶媒(0-35%アセトニトリル)の濃度グラジェント法で分離した。溶出液はエレクトロスプレーインターフェースを介してイオン化して、直接質量分析機に導入した。質量分析はデータ依存モードで最大2つのイオンを選択しながら、衝突誘起解離(CID)によるタンデム質量分析を行った。
・MS/MS−イオンサーチ法によるペプチドの検索
第17フラクションより2つ、第22フラクションより1つ得られたMS/MSスペクトル(図1)はMS装置に付属する解析ソフトウェアで、個々にスムージング、中心化処理を行ってピークリスト化し、このデータを元にタンパク質アミノ酸配列データベースを用いたMS/MSイオンサーチ法で、ペプチドを同定した。検索エンジンにはマトリックスサイエンス社のMascotを用いた。以下の検索条件のパラメータを用いた。使用した断片化法:セミトリプシン、ミスクリーベージ許容数:1、固定した修飾:システインのカルバミドメチル化、アセトヒドラジド化(ペプチドC末端カルボキシル基、及びアスパラギン酸、グルタミン酸の側鎖カルボキシル基)、変動的な修飾:Girard‘s T(修飾によって増加する質量計算値よりプロトン1つ分の質量を減じた値を設定、アスパラギン側鎖)、MSスペクトルの許容誤差:500ppm、MS/MSスペクトルの許容誤差:0.5Da。
第17フラクションより2つ、第22フラクションより1つ得られたMS/MSスペクトル(図1)はMS装置に付属する解析ソフトウェアで、個々にスムージング、中心化処理を行ってピークリスト化し、このデータを元にタンパク質アミノ酸配列データベースを用いたMS/MSイオンサーチ法で、ペプチドを同定した。検索エンジンにはマトリックスサイエンス社のMascotを用いた。以下の検索条件のパラメータを用いた。使用した断片化法:セミトリプシン、ミスクリーベージ許容数:1、固定した修飾:システインのカルバミドメチル化、アセトヒドラジド化(ペプチドC末端カルボキシル基、及びアスパラギン酸、グルタミン酸の側鎖カルボキシル基)、変動的な修飾:Girard‘s T(修飾によって増加する質量計算値よりプロトン1つ分の質量を減じた値を設定、アスパラギン側鎖)、MSスペクトルの許容誤差:500ppm、MS/MSスペクトルの許容誤差:0.5Da。
・糖ペプチドの同定
上述の条件で検索し、得られた結果より、下記の同定確認処理を行った。
(1)同定の確からしさのスコア(偶然の一致の確率:Expect値)が0.05以下であること。
(2)同定に寄与したフラグメントイオンの数が4つ以上であること。
(3)誤差(ppm)が系統的誤差より大きくずれていないこと(質量誤差が0.5Da以下であること)。
(4)同定されたペプチドにコンセンサス配列(Asn-Xaa-[Ser/Thr]、XaaはProでない)があり、その数以下のAsn修飾(Girard‘s T)があること。
これらの条件を満たす糖ペプチドを3つ同定した。(図1)
上述の条件で検索し、得られた結果より、下記の同定確認処理を行った。
(1)同定の確からしさのスコア(偶然の一致の確率:Expect値)が0.05以下であること。
(2)同定に寄与したフラグメントイオンの数が4つ以上であること。
(3)誤差(ppm)が系統的誤差より大きくずれていないこと(質量誤差が0.5Da以下であること)。
(4)同定されたペプチドにコンセンサス配列(Asn-Xaa-[Ser/Thr]、XaaはProでない)があり、その数以下のAsn修飾(Girard‘s T)があること。
これらの条件を満たす糖ペプチドを3つ同定した。(図1)
・糖鎖付加部位の同定
Girard‘s T修飾したペプチドから得られる質量分析シグナル(表3)と表1に示した硫酸化糖ペプチドのシグナルから、どの硫酸化糖タンパク質のどの部位のアミノ酸側鎖に、どのような硫酸化糖鎖が結合していたかを決定した。表4中GTで示される位置が硫酸化糖鎖結合位置である。肺癌細胞株より同定した硫酸化糖タンパク質IGFBPL1、GOLM1、APLP1のアミノ酸配列も併せて示す。これらタンパク質における硫酸化糖鎖が結合していた糖鎖付加部位のアミノ酸は強調文字及び下線で示される。
Girard‘s T修飾したペプチドから得られる質量分析シグナル(表3)と表1に示した硫酸化糖ペプチドのシグナルから、どの硫酸化糖タンパク質のどの部位のアミノ酸側鎖に、どのような硫酸化糖鎖が結合していたかを決定した。表4中GTで示される位置が硫酸化糖鎖結合位置である。肺癌細胞株より同定した硫酸化糖タンパク質IGFBPL1、GOLM1、APLP1のアミノ酸配列も併せて示す。これらタンパク質における硫酸化糖鎖が結合していた糖鎖付加部位のアミノ酸は強調文字及び下線で示される。
〈硫酸化糖鎖の解析〉
・硫酸化糖鎖の回収
硫酸化糖タンパク質IGFBPL1に結合していた糖鎖の一つを、多段階タンデム質量分析により構造解析するため、糖鎖を遊離し回収した。逆相HPLCによって分離した第17フラクションをペプチドNグリカナーゼFにて処理した反応液を、n−ブタノール、エタノール、水の混合溶媒(4:1:1)にて膨潤させた100μLのSepharose CL-4Bゲル(GEヘルスケア社)に供し、この混合溶媒2mLで洗浄後、50%エタノール(1mL)にて糖鎖を溶出した。
・硫酸化糖鎖の回収
硫酸化糖タンパク質IGFBPL1に結合していた糖鎖の一つを、多段階タンデム質量分析により構造解析するため、糖鎖を遊離し回収した。逆相HPLCによって分離した第17フラクションをペプチドNグリカナーゼFにて処理した反応液を、n−ブタノール、エタノール、水の混合溶媒(4:1:1)にて膨潤させた100μLのSepharose CL-4Bゲル(GEヘルスケア社)に供し、この混合溶媒2mLで洗浄後、50%エタノール(1mL)にて糖鎖を溶出した。
・硫酸化糖鎖の標識
溶出させた糖鎖は住友ベークライト社のBlotGlycoキット中の糖鎖標識試薬であるN-((aminooxy)acetyl)tryptophanylarginine methyl ester(aoWR)を用いて標識した。減圧乾固した糖鎖を酢酸とアセトニトリルの混合溶媒(1:50)に溶解し、20mM aoWRを10μL加え、80℃で1時間加熱した。乾燥した試料に50μLの純水を加え標識した糖鎖を得た。
溶出させた糖鎖は住友ベークライト社のBlotGlycoキット中の糖鎖標識試薬であるN-((aminooxy)acetyl)tryptophanylarginine methyl ester(aoWR)を用いて標識した。減圧乾固した糖鎖を酢酸とアセトニトリルの混合溶媒(1:50)に溶解し、20mM aoWRを10μL加え、80℃で1時間加熱した。乾燥した試料に50μLの純水を加え標識した糖鎖を得た。
・試薬の除去
標識した糖鎖の溶液(50μL)に、アセトニトリル(950μL)を加え、混合した。住友ベークライト社のBlotGlycoキット中の「クリーンアップカラム」に混合溶液を通し、アセトニトリル600μLで洗浄した後、カラムに吸着した標識糖鎖を純水50μLで溶出した。
標識した糖鎖の溶液(50μL)に、アセトニトリル(950μL)を加え、混合した。住友ベークライト社のBlotGlycoキット中の「クリーンアップカラム」に混合溶液を通し、アセトニトリル600μLで洗浄した後、カラムに吸着した標識糖鎖を純水50μLで溶出した。
・多段階タンデム質量分析
標識した糖鎖を1mg/mL濃度の2,5-Dihydroxybenzoic acid溶液に溶解させた。この糖鎖溶液をブルカー・ダルトニクス社のアンカーチッププレートに滴下し乾燥させ、同社のReflex IVにより質量分析を行った。フラクション17と22の両方で得られたマススペクトルのなかで最もシグナル強度が高いフラクション17のm/z 2377のシグナルを島津製作所のMALDI−イオントラップ飛行時間型質量分析計AXIMA Resonanceを用いて多段階タンデム質量分析に供した。m/z 2377のMS2で得られたプロダクトイオンのなかで、m/z 1945をMS3に供した。コアフコース構造を有することを示すシグナルm/z 1581、硫酸化LacdiNAc構造を示すシグナルm/z 485が検出された。さらにこのm/z 485をMS4に供し、末端のNアセチルガラクトサミンの4位が硫酸化されていることを示すm/z 181、199を検出した(図2)。
標識した糖鎖を1mg/mL濃度の2,5-Dihydroxybenzoic acid溶液に溶解させた。この糖鎖溶液をブルカー・ダルトニクス社のアンカーチッププレートに滴下し乾燥させ、同社のReflex IVにより質量分析を行った。フラクション17と22の両方で得られたマススペクトルのなかで最もシグナル強度が高いフラクション17のm/z 2377のシグナルを島津製作所のMALDI−イオントラップ飛行時間型質量分析計AXIMA Resonanceを用いて多段階タンデム質量分析に供した。m/z 2377のMS2で得られたプロダクトイオンのなかで、m/z 1945をMS3に供した。コアフコース構造を有することを示すシグナルm/z 1581、硫酸化LacdiNAc構造を示すシグナルm/z 485が検出された。さらにこのm/z 485をMS4に供し、末端のNアセチルガラクトサミンの4位が硫酸化されていることを示すm/z 181、199を検出した(図2)。
実施例2
〈2次元電気泳動を用いた硫酸化糖タンパク質の分離、検出〉
・電気泳動に用いる試料の調製
無血清培地で24時間培養した肺癌細胞株(小細胞肺癌H2171、非小細胞肺癌H1355)の培養上清をAmicon Ultra-154 centrifugal filter units(10kDaカットオフ、ミリポア社)で10倍濃縮した試料に、TCA(トリクロロ酢酸)を最終濃度が10%になるように加え、タンパク質を沈殿させた。アセトンで3回以上洗浄し残留TCAを除去し乾燥した。得られたタンパク質にゲル膨潤液(8M尿素、2% Triton X-100、20mM DTT、0.5%両性担体、ブロモフェノールブルー色素)を加えて溶解した。
〈2次元電気泳動を用いた硫酸化糖タンパク質の分離、検出〉
・電気泳動に用いる試料の調製
無血清培地で24時間培養した肺癌細胞株(小細胞肺癌H2171、非小細胞肺癌H1355)の培養上清をAmicon Ultra-154 centrifugal filter units(10kDaカットオフ、ミリポア社)で10倍濃縮した試料に、TCA(トリクロロ酢酸)を最終濃度が10%になるように加え、タンパク質を沈殿させた。アセトンで3回以上洗浄し残留TCAを除去し乾燥した。得られたタンパク質にゲル膨潤液(8M尿素、2% Triton X-100、20mM DTT、0.5%両性担体、ブロモフェノールブルー色素)を加えて溶解した。
・2次元電気泳動
調製したタンパク質溶液に、固定化pH勾配ゲルImmobiline DryStrip(7cm、pH6―11、GEヘルスケア社)を浸しIPGphor III(GEヘルスケア社)を用いて1次元目の電気泳動を行った。電気泳動後のゲルをDTT次にヨードアセトアミドを含む平衡緩衝溶液で平衡化させた後、Protean II(ATTO社)を利用して12.5%ポリアクリルアミドで2次元目の電気泳動を行った。
調製したタンパク質溶液に、固定化pH勾配ゲルImmobiline DryStrip(7cm、pH6―11、GEヘルスケア社)を浸しIPGphor III(GEヘルスケア社)を用いて1次元目の電気泳動を行った。電気泳動後のゲルをDTT次にヨードアセトアミドを含む平衡緩衝溶液で平衡化させた後、Protean II(ATTO社)を利用して12.5%ポリアクリルアミドで2次元目の電気泳動を行った。
・抗体を用いたタンパク質の検出
泳動後のゲルをPVDF膜(GEヘルスケア社)に転写させた。PBS-T(日水製薬社のダルベッコPBS(-)粉末,0.1% Tween)に溶解した5%スキムミルクを用いて、タンパク質が転写された膜を室温で1時間ブロッキング処理を施した。PBS-Tで10分間の洗浄を3回行った後、IGFBPL1に対する市販の一次抗体(Biotinylated Anti-human IGFNP-L1 Antibody,R&D SYSTEMS BAF3877)を1時間反応させた。PBS-Tで10分間の洗浄を3回行った後、2次抗体HRP-conjugated streptavidin(1:3000 dilution,GEヘルスケア社)を1時間反応させた。PBS-Tで10分間の洗浄を3回行った後、Western Lightning Chemiluminescence Reagent Plus(パーキンエルマー社)を用いてHRPの酵素反応を行い、得られたシグナルを化学発光用フィルム(Hyperfilm ECL、GEヘルスケア社)に現像し、小細胞肺癌と非小細胞肺癌の細胞株由来の培養上清に存在しているタンパク量(IGFBPL1)について比較解析を行った。その結果、図3に示すように、小細胞肺癌由来の硫酸化されたIGFBPL1は非小細胞肺癌由来と比較し、より酸性側(左側)にスポットが検出された。
泳動後のゲルをPVDF膜(GEヘルスケア社)に転写させた。PBS-T(日水製薬社のダルベッコPBS(-)粉末,0.1% Tween)に溶解した5%スキムミルクを用いて、タンパク質が転写された膜を室温で1時間ブロッキング処理を施した。PBS-Tで10分間の洗浄を3回行った後、IGFBPL1に対する市販の一次抗体(Biotinylated Anti-human IGFNP-L1 Antibody,R&D SYSTEMS BAF3877)を1時間反応させた。PBS-Tで10分間の洗浄を3回行った後、2次抗体HRP-conjugated streptavidin(1:3000 dilution,GEヘルスケア社)を1時間反応させた。PBS-Tで10分間の洗浄を3回行った後、Western Lightning Chemiluminescence Reagent Plus(パーキンエルマー社)を用いてHRPの酵素反応を行い、得られたシグナルを化学発光用フィルム(Hyperfilm ECL、GEヘルスケア社)に現像し、小細胞肺癌と非小細胞肺癌の細胞株由来の培養上清に存在しているタンパク量(IGFBPL1)について比較解析を行った。その結果、図3に示すように、小細胞肺癌由来の硫酸化されたIGFBPL1は非小細胞肺癌由来と比較し、より酸性側(左側)にスポットが検出された。
Claims (7)
- 硫酸化糖鎖により修飾された、IGFBPL1タンパク質、GOLM1タンパク質、またはAPLP1タンパク質。
- 硫酸化糖鎖がIGFBPL1タンパク質のアミノ酸配列における166番目のアミノ酸、GOLM1タンパク質のアミノ酸配列における109番目のアミノ酸、あるいはAPLP1タンパク質のアミノ酸配列における461番目のアミノ酸に結合していることを特徴とする、上記請求項1に記載のタンパク質。
- 硫酸化糖鎖が以下のI〜IVのいずれかの構造式で表される非還元末端構造を有することを特徴とする上記請求項1または2に記載のタンパク質。
(上記式I〜IV中のAcはアセチル基を表す。)
- 上記請求項1〜3のいずれかに記載のタンパク質からなる小細胞肺癌マーカー。
- 検体試料から請求項1〜4のいずれかに記載のタンパク質を分離、検出又は定量する手段を伴う方法であって、該手段が少なくとも等電点と分子量の相違に基づき分離、検出又は定量する手段であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のタンパク質の分離、検出又は定量方法。
- 分離、検出あるいは定量が等電点電気泳動とSDS-PAGE電気泳動を組み合わせた2次元電気泳動によることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
- 請求項5又は6に記載の方法において、さらに、分子間相互作用に基づくタンパク質識別手段を伴うことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のタンパク質の分離、検出又は、定量方法。
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|---|---|---|---|---|
| JP2008504525A (ja) * | 2004-06-22 | 2008-02-14 | ザ・レジェンツ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・カリフォルニア | 癌を検出するためのオリゴ糖プロファイリング法 |
| JP2008195666A (ja) * | 2007-02-14 | 2008-08-28 | Japan Science & Technology Agency | 2−6シアリル6−スルホ糖鎖に対する抗体 |
| JPWO2012036094A1 (ja) * | 2010-09-17 | 2014-02-03 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 肺癌鑑別マーカー |
-
2010
- 2010-12-06 JP JP2010271754A patent/JP2012121820A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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