JP2012123247A - マルチコアファイバ - Google Patents

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Abstract

【課題】 非直線的に設置される場合においても、特定のコア同士のクロストークが悪化することを抑制できるマルチコアファイバを提供することを目的とする。
【解決手段】 マルチコアファイバ1は、複数のコア12と、それぞれのコア12の外周面を囲むクラッド30と、を備え、コア12の少なくとも1つが、クラッド30の中心軸の周りを回転するように螺旋状に配置されていることを特徴とする。このようにコア12を配置することで、湾曲した状況で設置される場合においても、特定のコア同士のクロストークが高くなることを抑制することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、マルチコアファイバに関し、特に、非直線的に設置される場合においても、特定のコア同士のクロストークが悪化することを抑制できるマルチコアファイバに関する。
現在、一般に普及している光ファイバ通信システムに用いられる光ファイバは、1本のコアの外周がクラッドにより囲まれた構造をしており、このコア内を光信号が伝搬することで情報が伝送される。そして、近年、光ファイバ通信システムの普及に伴い、伝送される情報量が飛躍的に増大している。このような伝送される情報量の増大に伴い、光ファイバ通信システムにおいては、数十本から数百本といった多数の光ファイバが用いられることで、大容量の長距離光通信が行われている。
こうした光ファイバ通信システムにおける光ファイバの数を低減させるため、複数のコアの外周が1つのクラッドにより囲まれたマルチコアファイバを用いて、それぞれのコアを伝搬する光により、複数の信号を伝送させることが知られている。
下記非特許文献1には、このようなマルチコアファイバの一例が記載されている。このマルチコアファイバにおいては、1つのクラッド内に複数のコアが配置されている。しかし、非特許文献1においても指摘されているように、マルチコアファイバにおいては、それぞれのコアを伝播する光信号同士が互いに干渉して、それぞれのコアを伝播する光信号にノイズが重畳する場合がある。そこで、非特許文献1においては、コア同士のクロストークを低減させるための1つの手法として、それぞれのコアのクラッドに対する比屈折率差を互いに変えることが示されている。
Masanori KOSHIBA "Heterogeneous multi−core fibers: proposal and design principle" IEICE Electronics Express, Vol.6, No.2, 98−103
上記非特許文献1に記載のように、それぞれのコアのクラッドに対する比屈折率差を互いに変えることにより、互いに隣り合うコアにおける光信号の伝搬定数(導波条件)が異なり、確かにクロストークは軽減される。しかし、光ファイバは、直線状に設置される場合だけではなく、非直線的に設置される場合がある。例えば、一定の径の孤を描くように設置される場合、互いに隣り合うコアの一方が、弧の内側となり、他方が弧の外側になることで、互いに隣り合うコアのそれぞれの光の伝搬定数が一致してしまうことがある。そして、光ファイバの設置の状況によっては、互いに隣り合うコアのそれぞれの光の伝搬定数が一致する状況が長く続く場合がある。このように互いに隣り合うコアのそれぞれの光の伝搬定数が互いに一致している状態が長い距離続くと、それぞれのコア同士のクロストークが生じ易くなるという問題がある。つまり、互いに隣り合うコアのクラッドに対する比屈折率差を変える等することにより、互いに隣り合うコアにおける光の伝搬定数を異ならす場合においても、光ファイバが非直線的に設置される場合においては、特定のコア同士のクロストークが生じ易くなる虞がある。
そこで、本発明は、非直線的に設置される場合においても、特定のコア同士のクロストークが悪化することを抑制できるマルチコアファイバを提供することを目的とする。
本発明のマルチコアファイバは、複数のコアと、それぞれの前記コアの外周面を囲むクラッドと、を備え、前記コアの少なくとも1つが、前記クラッドの中心軸の周りを回転するように螺旋状に配置されていることを特徴とするものである。
このようなマルチコアファイバにおいては、螺旋状に配置されたコアのファイバの長手方向に垂直な断面における位置は、ファイバの長手方向に沿って変化する。従って、このようなマルチコアファイバが設置されて、螺旋状に配置された特定のコアと他のコアとの光の伝搬定数が一致する区間が生じたとしても、ファイバの長手方向に沿って、この特定のコアと他のコアとの位置関係が変化するため、通常、これらのコア同士の光の伝搬定数は、長い区間において一致しない。従って、湾曲した状況で設置される場合においても、この特定のコアと他のコアとのクロストークが悪化することを抑制することができる。なお、上記の他のコアは、螺旋状に配置されたコアであっても、直線上に配置されたコアであっても良い。
さらに上記マルチコアファイバにおいて、螺旋状の前記コアは、前記クラッドの前記中心軸の周りを回転するピッチが変化する区間を有していることが好ましい。
このようにコアが螺旋状に回転するピッチが変化する区間を有することにより、例えば、本ファイバを撚って光ケーブルにされて、周期的に一定の径の孤を描くようにマルチコアファイバが設置される場合においても、回転のピッチが変化する区間を有することで、特定のコアと他のコアとの光の伝搬定数が長い区間において一致しないようにすることができる。
なお、本明細書における「ピッチ」とは、ファイバの長手方向の単位長さ当たりの螺旋状のコアの回転回数を意味する。従って、例えば、螺旋状のコアが、ファイバの1mあたりにクラッドの中心軸の周りを1回転する場合、このコアのピッチは1回/mとなる。
さらに上記マルチコアファイバにおいて、螺旋状の前記コアは、前記ピッチが常に変化していることが好ましい。
このようにコアが螺旋状に回転するピッチが常に変化することにより、上述のように周期的な弧を描いたとしても、特定のコアと他のコアとの光の伝搬定数が一致する距離をより短くすることができる。
また、上記マルチコアファイバにおいて、螺旋状の前記コアは、前記クラッドの前記中心軸の周りを右回転と左回転とを繰り返していることが好ましい。
このようにコアが右回転と左回転を繰り返すように螺旋状に配置されることにより、ファイバを長手方向に渡って右回転、左回転を交互にさせて製造することができるので、コアが片方向の回転のみを持った構造の光ファイバと比較すると、製造性が高まり、安価な螺旋状のコアを持つマルチコアファイバを提供できる。
なお、本明細書において、コアが、クラッドの中心軸の周りを右回転と左回転とを繰り返して螺旋状に回転している場合における、「回転回数」とは、右回転の回転回数、及び、左回転の回転回数を共に正として加算する場合の回転回数を意味する。従って、例えば、螺旋状のコアが、ファイバの0.5mの区間においてクラッドの中心軸の周りを右側に0.5回転して、続く0.5mの区間において、今度は左側に0.5回転する場合、1m当たりの回転回数は、0.5+0.5=1回であり、この場合のコアのピッチは1回/mとなる。
また、上記マルチコアファイバにおいて、螺旋状の前記コアが、右回転する区間の長さの平均と、左回転する区間の長さの平均とが、互いに等しいことが好ましい。
さらに上記マルチコアファイバにおいて、螺旋状の前記コアが、右回転するそれぞれの区間の長さ、及び、左回転するそれぞれの区間の長さが、一定ではないこととしても良い。
また、上記マルチコアファイバにおいて、前記コアの2つ以上が、前記クラッドの中心軸の周りを回転するように螺旋状に配置されており、螺旋状の前記コアは、それぞれ前記クラッドの前記中心軸の周りを平均1回/m以上のピッチで回転していることが、螺旋状に配置されているそれぞれのコアにおけるクロストークのばらつきをより抑制できる観点から好ましく、さらに平均4回/m以上のピッチで回転していることが、このクロストークのばらつきをさらに抑制できる観点からより好ましい。
また、上記マルチコアファイバにおいて、螺旋状の前記コアと、螺旋状の前記コアと隣り合うコアとが、互いに異なる屈折率であることが好ましく、また、螺旋状の前記コアと、螺旋状の前記コアと隣り合うコアとが、互いに異なる直径であることとしても好ましい。
このようなマルチコアファイバによれば、螺旋状のコアと、この螺旋状のコアと隣り合うコアとの光の伝搬定数が、基本的に互いに異なるためクロストークを低減することができる。
また、上記マルチコアファイバにおいて、前記コアの2つ以上が、前記クラッドの外周方向に沿って均等な間隔で配置されると共に、前記クラッドの前記中心軸の周りを、互いに同じ方向に回転するように螺旋状に配置されていることとしても良い。
また、上記マルチコアファイバにおいて、前記コアの1つが、前記クラッドの前記中心軸に沿って配置されていることとしても良い。
また、上記マルチコアファイバにおいて、それぞれの前記コアは、使用波長に対してシングモードで光を伝播することが好ましい。
このようなマルチコアファイバによれば、シングルモードで光を伝播することにより、各コアの伝送速度を上げられるとともに、更にクロストークを抑制することができる。
以上のように、本発明によれば、非直線的に設置される場合においても、特定のコア同士のクロストークが悪化することを抑制できるマルチコアファイバが提供される。
本発明の実施形態に係るマルチコアファイバの様子を示す図である。 図1のマルチコアファイバのコアの様子を示す図である。 マルチコアファイバが曲がっている場合におけるマルチコアファイバの様子を示す図である。 マルチコアファイバの変形例を示す図である。 マルチコアファイバの変形例を示す図である。
以下、本発明に係るマルチコアファイバの好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、理解の容易のため、ぞれぞれの図に記載のスケールと、以下の説明に記載のスケールとが異なる場合がある。
図1は、本発明の実施形態に係るマルチコアファイバの様子を示す図であり、具体的には、図1の(A)は、マルチコアファイバの長手方向に垂直な断面における構造を示す図であり、図1の(B)は、図1の(A)のB−B線における屈折率分布を示す図である。なお、図1の(B)は、マルチコアファイバが直線状である場合の屈折率分布を示している。
図1の(A)に示すように、本実施形態のマルチコアファイバ1は、複数のコア11、12と、複数のコア11、12全体を包囲すると共にそれぞれのコア11、12の間を埋めて、それぞれのコア11、12の外周面を囲むクラッド30と、クラッド30の外周面を被覆する内側保護層31と、内側保護層31の外周面を被覆する外側保護層32と、を備える。
本実施形態においては、コアの数が7つとされ、中心に1つのコア11が配置されると共に、他の6つのコア12がクラッド30外周に沿って互いに均等な間隔に配置されている。こうして、中心のコア11と外周側のそれぞれのコア12とが三角格子状に配置されている。従って、それぞれのコア11、12同士の中心間距離は、互いに等しくされている。このように配置された複数のコア11、12は、クラッド30の中心軸に対して対称とされている。つまり、マルチコアファイバ1をクラッド30の中心軸の周りに所定の角度回転させた場合に、外周側のそれぞれのコア12の回転後における位置は、回転前における外周側の他のコア12の位置となる。また、中心に配置されたコア11は、マルチコアファイバ1を中心軸の周りに回転させても動かない。このようにそれぞれのコア11、12がクラッド30の中心軸に対して対称となる位置に配置されることにより、それぞれのコア11、12の配置による光学的性質を均質にすることができる。
そして、本実施形態においては、互いに隣り合うそれぞれのコア11、12の直径が、互いに僅かに異なるようにされている。このマルチコアファイバ1を構成するそれぞれの部材の大きさは、特に限定されるわけではないが、中心に配置されるコア11の直径は、例えば、6.9μmとされ、外周側に配置されるコア12の直径は、中心に配置されるコア11の直径に対して、例えば、約3%異なるようにされ、さらに、互いに隣り合う外周側に配置されたコア12同士は、例えば、直径が互いに約0.5%〜5%異なるようにされている。このように、互いに隣り合うコア11、12の直径が、物理的に僅かに異なっていても、コア11、12を伝播する光にしてみれば、それぞれのコア11、12の直径は、殆ど変わらず、略同等の光学特性となるが、このように互いに隣り合うコア11、12の直径が、物理的に僅かに異なることにより、互いに隣り合うコア11、12のクロストークを抑制することができる。この場合、互いに隣り合うコア11、12の直径の差は、直径の1%〜5%であることが、クロストークを抑制しつつ、それぞれのコアの光学的特性を同等にする観点から好ましい。
また、クラッド30の直径は、例えば、124μmとされ、内側保護層31の外径は、例えば、190μmとされ、外側保護層32の外径は、例えば、250μmとされる。また、それぞれのコア11、12の中心間距離は、特に限定されないが、例えば、37μmとされている。
また、図1の(B)に示すように、本実施形態においては、中心に配置されているコア11の屈折率がn、及び、外周側に配置されているそれぞれのコア12の屈折率nは、クラッド30の屈折率nよりも高くされており、さらに、外周側に配置されているそれぞれのコア12の屈折率nは、中心に配置されているコア11の屈折率がnよりも高くされている。なお、外周側に配置されているコア12の内、互いに隣り合うコア12の屈折率が、互いに異なることが、外周側のそれぞれのコア12同士のクロストークを抑制できる観点から好ましいが、本実施形態においては、理解の容易のため、上述のように外周側に配置されているコア12の屈折率が、それぞれ同等であるものとして説明する。なお、互いに隣り合うコア11、12の屈折率の差は、屈折率の1%〜5%であることが、クロストークを抑制しつつ、それぞれのコアの光学的特性を同等にする観点から好ましい。
なお、図1の(B)においては、内側保護層31及び外側保護層32の屈折率については省略している。
このようなマルチコアファイバにおいて、コア11、12の材料としては、例えば、屈折率を上げるゲルマニウム等のドーパントが添加されたシリカガラスを挙げることができ、クラッド30の材料としては、何らドーパントが添加されていないシリカガラスを挙げることができる。さらに、内側保護層31及び外側保護層32の材料としては、紫外線硬化樹脂を挙げることができる。
そして、本実施形態においては、それぞれのコア11、12は、光をシングルモードで伝播する。
なお、光ファイバのコアを伝播する光の伝搬定数は、コアの屈折率に基づくクラッドの屈折率に対する比屈折率差Δとコアの直径で規定される。ここで、i=1、2としたとき、nの屈折率を有するコア11、12のクラッド30に対する比屈折率差Δは、以下の式で定義される。
Figure 2012123247
コア11、12の比屈折率差Δ、Δ及びコアの直径は、特性として有するべきモードフィールド径MFDに応じて規定される。そして、例えば、上述のようにコア11、12の直径が、約7.2μmである場合、コア11、12を伝播する光の波長が1260nmである場合、コア11、12が、この光をシングルモードで伝播するには、それぞれのクラッド30に対する比屈折率差Δ、Δは約0.27%〜0.50%とされる。同様に、コア11、12を伝播する光の波長が1500nmである場合、コア11、12が、この光をシングルモードで伝播するには、それぞれのクラッド30に対する比屈折率差Δ、Δは約0.35%〜0.70%とされる。ただし、上述のように本実施形態においては、中心のコア11の屈折率がnと外周側のそれぞれのコア12の屈折率nとが互いに異なっているため、中心のコア11の比屈折率差Δと、外周側のそれぞれのコア12の比屈折率差Δとは、互いに異なっている。
図2は、図1のマルチコアファイバ1のコア11、12の様子を示す図である。なお、図2においては、理解の容易のため、クラッド30を破線で示し、内側保護層31、外側保護層32は省略し、マルチコアファイバ1の長手方向と径方向の縮尺を実際のマルチコアファイバと変えて記載している。
図2に示すように、中心のコア11は、クラッド30の軸中心に沿って配置されており、外周側のコア12は、クラッド30の中心軸の周りを、互いに同じ方向に回転するように螺旋状に配置されている。図2において、外周側のコア12は、矢印Aの方向に沿って、右回転するようにして、配置されている。つまり、マルチコアファイバ1においては、このようにコア12が螺旋状に形成された状態で固化しており、コア12の永久捻れが付与されている。
なお、図2においては、螺旋状である外周側のコア12は、クラッド30の中心軸の周りを同じピッチで回転している。つまり、マルチコアファイバ1の長手方向における何れの区間においても、マルチコアファイバ1の単位長さ当たりのコア12の回転回数が一定とされている。
しかし、マルチコアファイバ1においては、螺旋状のコア12は、クラッド30の中心軸の周りを回転するピッチが変化する区間を有していても良い。つまり、例えば、ある所定の区間において、螺旋状のコア12の回転のピッチが、1回/mであり、他の区間で0.5回/mであるようにしていても良く、更に他の区間で、他のピッチで回転するようにしても良い。更に、螺旋状のコア12は、ピッチが常に変化していても良い。
また、特に図示しないが、螺旋状のコア12は、クラッド30の中心軸の周りを右回転と左回転とを繰り返していても良い。つまり、螺旋状のコア12は、所定の区間において、右回転するように配置され、その所定の区間と隣り合う区間において、左回転するように配置されても良い。さらにこの場合においては、コア12が右回転する区間と左回転する区間との間において、コア12がクラッド30の軸中心に回転せず、コア11と平行に配置されても良い。また更に、螺旋状のコア12が、右回転するそれぞれの区間の長さ、及び、左回転するそれぞれの区間の長さが、一定ではないこととしても良い。
そして、コア12は、クラッド30の中心軸の周りを平均1回/m以上のピッチで回転していることが好ましく、平均4回/m以上のピッチで回転していることがより好ましい。なお、上記のように、コア12が、右方向、左方向のそれぞれに回転している場合において、このピッチは、右方向の回転数、及び、左方向の回転数を共に正として加算して、ピッチを計算する。例えば、螺旋状のコア12が、マルチコアファイバ1の0.5mの区間においてクラッド30の中心軸の周りを右側に0.5回転して、続く0.5mの区間において、今度は左側に0.5回転する場合、1m当たりの回転回数は、0.5+0.5=1回であり、この場合のコア12の回転のピッチは1回/mとなる。
次に、本実施形態のマルチコアファイバ1の作用について説明する。
光ファイバを曲げた場合の屈折率の変化は、例えば、等価屈折率法により求めることができる。すなわち、光ファイバが曲がっている場合の屈折率は、直線状の光ファイバの屈折率分布に(1+r/Rcosθ)を掛けることにより、等価的に求めることができる。ここで、(r、θ)は、光ファイバの長手方向に垂直な平面における極座標であり、θ=0が光ファイバを曲げている方向であり、rは光ファイバの中心からの距離である。また、Rは、光ファイバの曲率半径を示す。
ここで、図1の(A)におけるB−B線に沿った方向にマルチコアファイバ1を曲げることを考える。つまり、B−B線がθ=0の線である。図3は、このようにマルチコアファイバ1が曲がっている場合におけるマルチコアファイバ1の様子を示す図である。具体的には、図3の(A)は、マルチコアファイバ1の長手方向に垂直な断面における構造を示す図であり、図1の(B)は、図1の(A)のB−B線における等価屈折率の分布を示す図である。なお、図3の(B)においては、理解の容易のため、図1の(B)に示すマルチコアファイバ1が直線状の場合の屈折率分布を破線で示す。図3に示すように、B−B線に沿ってマルチコアファイバ1を曲げたとき、マルチコアファイバ1の中心が原点となり、B−B線上における曲げの外側の方向がθ=0となり、B−B線上における曲げの内側がθ=180度となる。この場合、上式より、外側のコアやクラッドの等価屈折率が高くなり、内側のコアやクラッドの等価屈折率が低くなる。
従って、上述のように外周側のコア12が中心のコア11よりも屈折率が高い場合、マルチコアファイバ1の曲げの曲率半径を特定の大きさにすると、中心のコア11の実効屈折率と、外周側のコア12の内、マルチコアファイバ1の曲げ内側に位置するコアの実効屈折率と、1つのコア12の実効屈折率とが一致する場合がある。また、特に図を用いて説明しないが、上述の説明と異なり、中心のコア11が外周側のコア12よりも屈折率が高くされている場合においては、中心のコア11の実効屈折率と、外周側のコア12の内、マルチコアファイバ1の曲げ外側に位置するコアの実効屈折率と、1つのコア12の実効屈折率とが一致する場合がある。
なお、上述の説明においては、理解の容易のために、実効屈折率を実際のガラスの屈折率と同じように説明したが、実際には、導波される光の断面中の広がりを含めて決定されるパラメータである。なお、実効屈折率は、伝搬定数と1対1の関係にある。
しかし、本実施形態のマルチコアファイバ1においては、螺旋状に配置されたコア12のマルチコアファイバ1の長手方向に垂直な断面における位置は、マルチコアファイバ1の長手方向に沿って変化する。従って、このようにマルチコアファイバが特定の曲率半径で曲げられて設置されることで、図3に示すように、中心のコア11の屈折率と、外周側のコア12の内、曲げ方向の内側に位置する1つのコア12の実効屈折率とが一致する区間が生じたとしても、マルチコアファイバ1の長手方向に沿って、この中心のコア11と実効屈折率が一致した外周側の特定のコア12と、中心のコア11との位置関係が変化するため、この特定のコア12と中心のコア11との実効屈折率は、長い区間において一致しない。従って、この特定のコア12と中心のコア11とのクロストークが悪化することを抑制することができる。このように本実施形態のマルチコアファイバ1によれば、湾曲した状況で設置される場合においても、特定のコア同士のクロストークが悪化することを抑制することができるため、コア全体として、クロストークのばらつきを抑制することができる。
なお、上記説明においては、外周側の特定のコア12の実効屈折率と、中心のコア11の実効屈折率とが一致する場合について説明したが、例えば、外周側のコア12同士において、実効屈折率が一致する場合においても、同様にしてそれぞれのコア12の実効屈折率は、長い区間において一致しない。従って、それぞれのコア12同士のクロストークが悪化することを抑制することができる。
このようなマルチコアファイバ1の製造は次の様に行う。
まず、コア11及びコア12となる部分を含むコア用ガラス部材をクラッド30もしくはクラッド30の一部となるクラッド用ガラス部材中に配置して、コラプスすることにより、断面における配置が、図1の(A)に示す、コア11、12及びクラッド30と略同様の配置であるファイバ用母材を作製する。
そして、作製した母材を加熱溶融し紡糸することでマルチコアファイバとし、このマルチコアファイバを内側保護層31、外側保護層32で被覆する。このとき、紡糸された直後のマルチコアファイバを軸中心に回転させる。このようにマルチコアファイバを軸中心に回転させることで、ファイバ用母材から紡糸されて固化する前のマルチコアファイバの半製体にこの軸中心の回転力が伝わり、図2に示すように、外周側のコア12が、クラッド30の中心軸の周りを回転するように螺旋状に形成される。別言すれば、外周側のコア12に永久捻じれが付与される。
このようにコアが螺旋状に配置されたマルチコアファイバを製造することにより、例えばファイバのテープ化やケーブル化、敷設作業、および実環境下において継続的・永久的にクロストークが悪化することを抑制することができる。さらに、機械的信頼性の観点でも、このように予めマルチコアファイバのコアを螺旋状に配置することが望ましい。
紡糸された直後のマルチコアファイバを軸中心に回転させるには、例えば、紡糸されたマルチコアファイバが、最初に接触するターンプーリーをマルチコアファイバの軸中心に回転移動させれば良い。このターンプーリーを一方向に回転させることにより、コア12がクラッド30の中心軸の周りを一方の方向に回転する形状となる。また、ターンプーリーを一方向の回転させずに、揺動回転させることにより、コア12がクラッド30の中心軸の周りを右回転と左回転とを交互に回転する形状となる。
以上、本発明について、実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態おいて、コアの数を7つとしたが、コアは複数であればその数に特に制限はない。また、少なくとも1つのコアが、クラッドの中心軸の周りを回転するように螺旋状に配置されるものであればよく、例えば、図1において、外周側のコア12が1本でも良く、7本以上であっても良い。さらに、コア全体の数が複数である限りにおいて、クラッド30の中心軸に沿ったコア11は必須の要件ではない。例えば、クラッド30に正三角形を描くように3つのコアが螺旋状に配置されても良い。また、本発明のマルチコアファイバは、複数のコアが、クラッド30の中心軸に対して対称とされている必要はなく、例えば、複数のコアが5行×4列で、格子状に配列されるものであっても良い。
このように本発明のマルチコアファイバは、複数のコアを備えて、このコアの内、少なくとも1本が、クラッドの中心軸の周りを回転するように螺旋状に配置されている限りにおいて、使用用途に応じて、適宜変形が可能である。図4は、このようなマルチコアファイバの変形例を示す図である。
図4の(a)は、中心に1つのコア11が配され、このコアを取り囲むように4つのコア12が配されて、コア11とコア12との中心間距離が、それぞれ等しくされたマルチコアファイバを示す図である。図4の(b)は、図1の(A)に示す上記実施形態のマルチコアファイバ1における外周側のコア12の更に外周側に6つのコア13が設けられており、それぞれのコア11〜13が三角格子状に並べられて、全体として、星形に配置されている例を示す図である。また、図4の(c)は、図1の(A)に示す上記実施形態のマルチコアファイバ1における外周側のコア12の更に外周側に12本のコア13が互いに均等な間隔で設けられて、19本のコアが三角格子状に配されることで、最密充填されている例を示す図である。
また、図5の(a)は、図1の(A)に示す上記実施形態のマルチコアファイバ1におけるそれぞれのコア11、12が、複数の空孔14によって囲まれている例を示す図である。この場合、それぞれの空孔14の働きにより、コア11、12に光がより強く閉じ込められて、互いに隣り合うコア同士のクロストークをより抑制することができる。また、図5の(b)は、図1の(A)に示す上記実施形態のマルチコアファイバ1におけるそれぞれのコア11、12が、クラッド30と同様の屈折率を有する第1クラッド15で囲まれ、この第1クラッド15がクラッド30よりも屈折率が低い第2クラッド16で囲まれている例を示す図である。つまり、コア11(12)と第1クラッド15と第2クラッド16によるコア要素が、いわゆるトレンチ型とされることにより、コア11、12に光がより強く閉じ込められて、互いに隣り合うコア同士のクロストークをより抑制することができる。
また、上記実施形態において、螺旋状のコア11の直径と、このコア11と隣り合うコア12の直径が互いに異なるものとした。しかし、本発明は、これに限らず、全てのコアの直径が等しくされても良い。
また、上記実施形態において、コア11の屈折率とコア12の屈折率とが互いに異なるものとした。しかし、本発明はこれに限らず、全てのコアの屈折率が互いに等しいものであっても良い。。なお、上記実施形態において、コア12の屈折率nがコア11の屈折率がnよりも高くされているが、コア11の屈折率がnがコア12の屈折率nよりも高くても良い。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは無い。
(実施例1)
中心に1つのコアが配され、このコアを取り囲むように6つのコアが配されて、それぞれのコア同士の中心間距離がそれぞれ等しいマルチコアファイバを作製した。このマルチコアファイバの長手方向に垂直な断面における構造は、図1の(A)に示すマルチコアファイバと同様の構造である。
このマルチコアファイバにおいては、それぞれのコアの直径RCOを6.5μmとし、それぞれのコアの中心間距離Lを36μmとし、クラッドの外径RCLを132μmとした。また、それぞれのコアのクラッドに対する比屈折率差Δを、それぞれ略0.6%とし、わずか(約1%)に中心コアと周辺コアの比屈折率差Δに違いを持たせた。さらに、マルチコアファイバを紡糸するときに、左右方向に捻回することで、外周側のコアが、全長における平均で長さ1m当たり左右方向それぞれに約0.25回転ずつ、クラッドの中心軸の周りを回転するようにして、平均約0.5回/mの回転ピッチとした。
(実施例2)
外周側のコアが、全長における平均で長さ1m当たり左右方向それぞれに約0.5回転ずつ、クラッドの中心軸の周りを回転するようにして、平均約1.0回/mの回転ピッチとしたこと以外は、実施例1のマルチコアファイバと同様のマルチコアファイバを作製した。
(実施例3)
外周側のコアが、全長における平均で長さ1m当たり左右方向それぞれに約1.0回転ずつ、クラッドの中心軸の周りを回転するようにして、平均約2.0回/mの回転ピッチとしたこと以外は、実施例1のマルチコアファイバと同様のマルチコアファイバを作製した。
(実施例4)
外周側のコアが、全長における平均で長さ1m当たり左右方向それぞれに約2.0回転ずつ、クラッドの中心軸の周りを回転するようにして、平均約4.0回/mの回転ピッチとしたこと以外は、実施例1のマルチコアファイバと同様のマルチコアファイバを作製した。
(実施例5)
外周側のコアが、全長における平均で長さ1m当たり左右方向それぞれに約4.0回転ずつ、クラッドの中心軸の周りを回転するようにして、平均約8.0回/mの回転ピッチとしたこと以外は、実施例1のマルチコアファイバと同様のマルチコアファイバを作製した。
(比較例1)
マルチコアファイバを紡糸するときに、捻回をせず、外周側のコアが、クラッドの中心軸の周りを回転せず、クラッドの中心軸に沿うようにしたこと以外は、実施例1のマルチコアファイバと同様のマルチコアファイバを作製した。
(実施例6)
それぞれのコアの直径RCOを7.2μmとし、それぞれのコアの中心間距離Lを35μmとし、クラッドの外径RCLを125μmとし、それぞれのコアのクラッドに対する比屈折率差Δをそれぞれ0.4%としたこと以外は、実施例1のマルチコアファイバと同様のマルチコアファイバを作製した。
(実施例7)
外周側のコアが、全長における平均で長さ1m当たり左右方向それぞれに約0.5回転ずつ、クラッドの中心軸の周りを回転するようにして、平均約1.0回/mの回転ピッチとしたこと以外は、実施例6のマルチコアファイバと同様のマルチコアファイバを作製した。
(実施例8)
外周側のコアが、全長における平均で長さ1m当たり左右方向それぞれに約1.0回転ずつ、クラッドの中心軸の周りを回転するようにして、平均約2.0回/mの回転ピッチとしたこと以外は、実施例6のマルチコアファイバと同様のマルチコアファイバを作製した。
(実施例9)
外周側のコアが、全長における平均で長さ1m当たり左右方向それぞれに約2.0回転ずつ、クラッドの中心軸の周りを回転するようにして、平均約4.0回/mの回転ピッチとしたこと以外は、実施例6のマルチコアファイバと同様のマルチコアファイバを作製した。
(実施例10)
外周側のコアが、全長における平均で長さ1m当たり左右方向それぞれに約4.0回転ずつ、クラッドの中心軸の周りを回転するようにして、平均約8.0回/mの回転ピッチとしたこと以外は、実施例6のマルチコアファイバと同様のマルチコアファイバを作製した。
(比較例2)
マルチコアファイバを紡糸するときに、捻回をせず、外周側のコアが、クラッドの中心軸の周りを回転せず、クラッドの中心軸に沿うようにしたこと以外は、実施例6のマルチコアファイバと同様のマルチコアファイバを作製した。
次に、作製したそれぞれのマルチコアファイバを曲率半径200mmで曲げて、中心のコアに波長1550nmの光信号を入力した。そして、長さが1kmにおける外周側の6つのコアにおけるクロストークを測定した。上記実施例1〜10、及び、比較例1、2におけるマルチコアファイバの条件と、これらのマルチコアファイバの測定によるクロストーク量の平均値、最大値、最小値と、標準偏差を表1に示す。
Figure 2012123247
それぞれの光ファイバにおいて、クロストークの大きさは、外周側の6つの光ファイバで、ばらついていた。そして、表1に示すように、実施例1〜5のマルチコアファイバにおいては、最大のクロストークの大きさは、比較例1のマルチコアファイバの最大のクロストークの大きさよりも小さい結果となった。同様に、実施例6〜10のマルチコアファイバにおいては、最大のクロストークの大きさは、比較例2のマルチコアファイバの最大のクロストークの大きさよりも小さい結果となった。
従って、本発明によるマルチコアファイバによれば、湾曲した状況で設置される場合においても、特定のコア同士のクロストークが高くなることを抑制できることが分かった。
さらに、実施例1〜5のそれぞれのマルチコアファイバにおける外周側の6つのコアのクロストークの標準偏差は、比較例1における外周側の6つのコアのクロストークの標準偏差よりも小さい結果となった。同様に実施例6〜10のそれぞれのマルチコアファイバにおける外周側の6つのコアのクロストークの標準偏差は、比較例2における外周側の6つのコアのクロストークの標準偏差よりも小さい結果となった。
従って、本発明によるマルチコアファイバによれば、湾曲した状況で設置される場合においても、それぞれのコアのクロストーク量のばらつきが抑制できることが分かった。
そして、表1から分かるように、ピッチが平均1回/m以上になるとそれぞれのコアのクロストークのばらつきが極端に小さくなり、平均4回/m以上になると、更に小さくなることが分かった。
(実施例11)
中心に1つのコアが配され、このコアを取り囲むように4つのコアが配されて、それぞれのコア同士の中心間距離がそれぞれ等しいマルチコアファイバを作製した。このマルチコアファイバの長手方向に垂直な断面における構造は、図4の(a)に示すマルチコアファイバと同様の構造である。
このマルチコアファイバにおいては、それぞれのコアの直径を6.9μmとし、中心のコアと周辺のコアの中心間距離を37μmとし、クラッドの外径を124μmとした。また、それぞれのコアのクラッドに対する比屈折率差を、それぞれ0.42%とした。さらに、マルチコアファイバを紡糸するときに、スパン紡糸することで、外周側のコアが、全長における平均で長さ1m当たり左右方向それぞれに約1.4回転ずつ、クラッドの中心軸の周りを回転するようにして、平均2.8回/mの回転ピッチとした。
次に、作製したマルチコアファイバを140mmの曲率半径で巻いて、中心のコアに波長1550nmの光信号を入力した。そして、長さが1kmにおける外周側の4つのコアにおけるクロストークを測定した。このマルチコアファイバの測定によるクロストーク量の平均値は、−38.4dBであり、最大値は、−36.4dBであり、最小値は、−39.9dBであり、標準偏差は、1.46dBであった。このように外周側の4つのコアにおけるクロストークは、小さなばらつきであった。
(実施例12)
中心に1つのコアが配され、このコアを取り囲むように6つのコアが配されて、それぞれのコア同士の中心間距離がそれぞれ等しいマルチコアファイバを作製した。このマルチコアファイバの長手方向に垂直な断面における構造は、図1の(A)に示すマルチコアファイバと同様の構造である。
このマルチコアファイバにおいては、それぞれのコアの直径を8.1μmとし、それぞれのコアの中心間距離を35μmとし、クラッドの外径を125μmとした。また、それぞれのコアのクラッドに対する比屈折率差を、それぞれ0.36%とした。さらに、マルチコアファイバを紡糸するときに、スパン紡糸することで、外周側のコアが、全長における平均で長さ1m当たり左右方向それぞれに約2.65回転ずつ、クラッドの中心軸の周りを回転するようにして、平均5.3回/mの回転ピッチとした。
次に、作製したそれぞれのマルチコアファイバを280mmの曲率半径で巻いて、中心のコアに波長1550nmの光信号を入力した。そして、長さが1kmにおける外周側の6つのコアにおけるクロストークを測定した。このマルチコアファイバの測定によるクロストーク量の平均値は、−25.4dBであり、最大値は、−23.3dBであり、最小値は、−25.6dBであり、標準偏差は、0.82dBであった。このように外周側の6つのコアにおけるクロストークは、小さなばらつきであった。
(実施例13)
中心に1つのコアが配され、このコアを取り囲むように6つのコアが配されて、この中心と隣り合う6つのコアの外周側に更に6つのコアが配され、それぞれのコア同士の中心間距離がそれぞれ等しいマルチコアファイバを作製した。このマルチコアファイバの長手方向に垂直な断面における構造は、図4の(b)に示すマルチコアファイバと同様の構造である。
このマルチコアファイバにおいては、それぞれのコアの直径を6.1μmとし、それぞれのコアの中心間距離を35μmとし、クラッドの外径を159μmとした。また、それぞれのコアのクラッドに対する比屈折率差を、それぞれ約0.70%とし、中心のコアの屈折率差と周辺のコアの比屈折率差で、約2%の差を持たせた。さらに、マルチコアファイバを紡糸するときに、スパン紡糸することで、中心のコア以外のコアが、全長における平均で長さ1m当たり左右方向それぞれに約1.6回転ずつ、クラッドの中心軸の周りを回転するようにして、平均3.2回/mの回転ピッチとした。
次に、作製したそれぞれのマルチコアファイバを500mmの曲率半径で巻いて、中心のコアに波長1550nmの光信号を入力した。そして、長さが1kmにおいて、中心のコアと隣り合う6つのコアにおけるクロストークを測定した。このマルチコアファイバの測定によるクロストーク量の平均値は、−44.6dBであり、最大値は、−42.2dBであり、最小値は、−48.8dBであり、標準偏差は、2.44dBであった。このように中心のコアと隣り合う6つのコアにおけるクロストークは、小さなばらつきであった。
(実施例14)
中心に1つのコアが配され、このコアを取り囲むように6つのコアが配されて、この中心と隣り合う6つのコアの外周側に更に12本のコアが配され、それぞれのコア同士の中心間距離がそれぞれ等しいマルチコアファイバを作製した。このマルチコアファイバの長手方向に垂直な断面における構造は、図4の(c)に示すマルチコアファイバと同様の構造である。
このマルチコアファイバにおいては、それぞれのコアの直径を7.6μmとし、それぞれのコアの中心間距離を39μmとし、クラッドの外径を188μmとした。また、それぞれのコアのクラッドに対する比屈折率差を、それぞれ0.39%とし、中心のコアの屈折率差と周辺のコアの比屈折率差に約3%の差を持たせた。さらに、マルチコアファイバを紡糸するときに、スパン紡糸することで、中心のコア以外のコアが、全長における平均で長さ1m当たり左右方向それぞれに約0.7回転ずつ、クラッドの中心軸の周りを回転するようにして、平均1.4回/mの回転ピッチとした。
次に、作製したそれぞれのマルチコアファイバを500mmの曲率半径で巻いて、中心のコアに波長1550nmの光信号を入力した。そして、長さが1kmにおいて、中心のコアと隣り合う6つのコアにおけるクロストークを測定した。このマルチコアファイバの測定によるクロストーク量の平均値は、−51.7dBであり、最大値は、−49.5dBであり、最小値は、−54.3dBであり、標準偏差は、2.12dBであった。このように中心のコアと隣り合う6つのコアにおけるクロストークは、小さなばらつきであった。
(実施例15)
中心に1つのコアが配され、このコアを取り囲むように外周側に6つのコアが配されて、さらにそれぞれのコアを取り囲むようにそれぞれのコアと隣接して6つの空孔が形成され、それぞれのコア同士の中心間距離がそれぞれ等しいマルチコアファイバを作製した。このマルチコアファイバの長手方向に垂直な断面における構造は、図5の(a)に示すマルチコアファイバと同様の構造である。
このマルチコアファイバにおいては、それぞれのコアの直径を6.1μmとし、それぞれのコアの中心間距離を32μmとし、クラッドの外径を125μmとし、更にそれぞれの空孔の直径を6.2μmとして、コアとそれぞれの空孔との中心間距離を11μmした。また、それぞれのコアのクラッドに対する比屈折率差を、それぞれ0.72%とした。さらに、マルチコアファイバを紡糸するときに、スパン紡糸することで、外周側のコアが、全長における平均で長さ1m当たり左右方向それぞれに約2.0回転ずつ、クラッドの中心軸の周りを回転するようにして、平均4.0回/mの回転ピッチとした。
次に、作製したそれぞれのマルチコアファイバを500mmの曲率半径で巻いて、中心のコアに波長1550nmの光信号を入力した。そして、長さが1kmにおける外周側の6つのコアにおけるクロストークを測定した。このマルチコアファイバの測定によるクロストーク量の平均値は、−45.9dBであり、最大値は、−44.6dBであり、最小値は、−48.2dBであり、標準偏差は、1.30dBであった。このように外周側の6つのコアにおけるクロストークは、小さなばらつきであった。
以上説明したように、本発明によれば、非直線的に設置される場合においても、特定のコア同士のクロストークが悪化することを抑制できるマルチコアファイバが提供される。
1・・・マルチコアファイバ
11、12・・・コア
14・・・空孔
15・・・第1クラッド
16・・・第2クラッド
30・・・クラッド
31・・・内側保護層
32・・・外側保護層

Claims (13)

  1. 複数のコアと、
    それぞれの前記コアの外周面を囲むクラッドと、
    を備え、
    前記コアの少なくとも1つが、前記クラッドの中心軸の周りを回転するように螺旋状に配置されている
    ことを特徴とするマルチコアファイバ。
  2. 螺旋状の前記コアは、前記クラッドの前記中心軸の周りを回転するピッチが変化する区間を有していることを特徴とする請求項1に記載のマルチコアファイバ。
  3. 螺旋状の前記コアは、前記ピッチが常に変化していることを特徴とする請求項2に記載のマルチコアファイバ。
  4. 螺旋状の前記コアは、前記クラッドの前記中心軸の周りを右回転と左回転とを繰り返していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のマルチコアファイバ。
  5. 螺旋状の前記コアが、右回転する区間の長さの平均と、左回転する区間の長さの平均とが、互いに等しいことを特徴とする請求項4に記載のマルチコアファイバ。
  6. 螺旋状の前記コアが、右回転するそれぞれの区間の長さ、及び、左回転するそれぞれの区間の長さが、一定ではないことを特徴とする請求項4または5に記載のマルチコアファイバ。
  7. 前記コアの2つ以上が、前記クラッドの中心軸の周りを回転するように螺旋状に配置されており、螺旋状の前記コアは、それぞれ前記クラッドの前記中心軸の周りを平均1回/m以上のピッチで回転していることを特徴とする請求項1から6に記載のマルチコアファイバ。
  8. 螺旋状の前記コアは、それぞれ前記クラッドの前記中心軸の周りを平均4回/m以上のピッチで回転していることを特徴とする請求項7に記載のマルチコアファイバ。
  9. 螺旋状の前記コアと、螺旋状の前記コアと隣り合うコアとが、互いに異なる屈折率であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のマルチコアファイバ。
  10. 螺旋状の前記コアと、螺旋状の前記コアと隣り合うコアとが、互いに異なる直径であること特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のマルチコアファイバ。
  11. 前記コアの2つ以上が、前記クラッドの外周方向に沿って均等な間隔で配置されると共に、前記クラッドの前記中心軸の周りを、互いに同じ方向に回転するように螺旋状に配置されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のマルチコアファイバ。
  12. 前記コアの1つが、前記クラッドの前記中心軸に沿って配置されていることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のマルチコアファイバ。
  13. それぞれの前記コアは、使用波長に対してシングルモードで光を伝播することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のマルチコアファイバ。
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