JP2012126583A - 水酸化リチウムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バイポーラ膜を用いての電気透析を利用して、連続的に且つ低いセル電圧で水酸化リチウムを製造する方法を提供する。
【解決手段】炭酸リチウムに有機酸を反応させて有機酸リチウムを生成させ、該有機酸リチウムを、バイポーラ膜BPを用いた電気透析に供して水酸化リチウムを製造することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、バイポーラ膜を用いた電気透析法を利用して炭酸リチウムから水酸化リチウムを製造する方法に関するものである。
バイポーラ膜は、カチオン交換膜とアニオン交換膜が貼り合わされた複合膜であり、水をプロトンと水酸イオンに解離することができる機能を有する。
バイポーラ膜のこの特殊機能を利用して、カチオン交換膜及び/またはアニオン交換膜とともに電気透析装置に組み込み、電気透析を行うことにより、各種の塩から酸とアルカリとが生成することから、種々の酸及び/またはアルカリの製造に利用されている。
ところで、近年におけるリチウム電池等の普及により、リチウム源として水酸化リチウムの需要が高まっており、特に高純度の水酸化リチウムが求められている。
水酸リチウムの製造法としては、炭酸リチウムと水酸化カルシウムを反応させる方法が古くから知られている。この反応は、下記式で表される。
LiCO+Ca(OH) → 2LiOH+CaCO
しかしながら、上記の方法では、バッチ式で実施され、連続的に実施することができず、生産性が極めて低い。また、目的とする水酸化リチウムの生産量に相当する量の水酸化カルシウムが必要となり、さらには同量の炭酸カルシウムが副生するなど、生産効率も悪く、Caイオン等が不純物で混入し、高純度の水酸化リチウムを得ることも困難である。
そこで、最近では、炭酸リチウムから得られた塩化リチウム或いは硫酸リチウムを原料とし、バイポーラ膜を用いた電気透析法を利用して、これらのリチウム塩から水酸化リチウムを製造する方法が提案されている(特許文献1,2)。
かかる方法では、連続的に水酸化リチウムを製造することができ、しかも、得られる水酸化リチウムの純度も高いという利点がある。
特開2009−269810号公報 特開2009−270189号公報
しかしながら、上記の方法では、バイポーラ膜、アニオン膜及びカチオン膜を使用し、陽極及び陰極の間に、これら3種の膜を配置して酸室、塩室及びアルカリ室の3室を形成し、塩室にリチウム塩の水溶液を供給しての通電により、リチウム塩の電気透析が行われるため、セル電圧を高くすることが必要であり、生産効率の点で、さらなる改善が求められている。
従って、本発明の目的は、バイポーラ膜を用いての電気透析を利用して、連続的に且つ低いセル電圧で水酸化リチウムを製造する方法を提供することにある。
本発明によれば、炭酸リチウムに有機酸を反応させて有機酸リチウムを生成させ、該有機酸リチウムを、バイポーラ膜を用いた電気透析に供して水酸化リチウムを製造することを特徴とする水酸化リチウムの製造方法が提供される。
本発明の製造方法においては、
(1)2枚のバイポーラ膜の間にカチオン交換膜が位置するように配置することにより、該カチオン交換膜を介して隣接するように形成された塩室とアルカリ室とを、陽極と陰極との間に少なくとも一対有する電気透析装置を使用し、前記有機酸リチウムの水溶液を該塩室に供給しての通電により前記有機酸リチウムの電気透析を行い、該塩室中のLiイオンをアルカリ室に移行させて水酸化リチウムを生成させること、
(2)前記電気透析により前記塩室に生成した有機酸の少なくとも一部を、前記炭酸リチウムと有機酸との反応に再利用すること、
が好適である。
本発明の製造方法では、炭酸リチウムを有機酸リチウムに転換してバイポーラ膜を利用した電気透析に供するため、電気透析に際して炭酸ガスは発生せず、従って、炭酸ガスによる通電阻害を生じることなく、安定して連続的に電気透析を実行することができる。
また、炭酸リチウムの水に対する溶解度は極めて小さいが、電気透析に供する有機酸リチウムとして水に対する溶解度の高いものを使用することにより、高濃度の水溶液を用いて電気透析を行うことができ、低いセル電圧で電気透析を実施することができる。
さらに、有機酸リチウムの電気透析に生成する有機酸は弱酸であるため、電極間に塩室とアルカリ室とが形成された2室タイプの電気透析装置を用いての電気透析により水酸化リチウムを製造することができ、装置の構造から言っても、低いセル電圧で電気透析を実施することができ、極めて生産効率が高い。
これに対して、塩化リチウムや硫酸リチウムのような強酸塩を電気透析に供する場合、生成する酸が強酸であるため、電極間に、酸室、塩室及びアルカリ室が形成された3室タイプの電気透析装置を使用する必要がある。即ち、上記強酸塩を電気透析して生成する酸イオンは、カチオン膜を通ってアルカリ室に拡散し易く、該酸イオンのアルカリ室への移行を確実に防止するためには、塩室のバイポーラ膜側に、カチオン交換膜で仕切られた酸室を形成しなければならないからである。そして、前記3室タイプの電気透析装置を使用する場合には、どうしても2室タイプに比して高いセル電圧により電気透析が行われるようになってしまう。
しかるに、本発明において、電気透析は、2室タイプの電気透析装置を用いて行われるため、使用されるセル電圧は低く、従って、工業的に極めて有利となる。
本発明においては、さらに、電気透析により生成した有機酸は、これを回収して炭酸リチウムと有機酸との反応に再利用することができ、省資源の観点からも効果的である。
本発明の水酸化リチウムの製造プロセスを示す図。
本発明にしたがって水酸化リチウムを製造するプロセスを示す図1を参照して、このプロセスでは、反応槽1、塩液タンク3、電気透析装置5及びアルカリ液タンク7が設けられている。
このようなプロセスにおいて、リチウム源として炭酸リチウム(LiCO)を使用し、炭酸リチウムと有機酸(図1ではRCOOHで示されている)とを、それぞれ水溶液の形で反応槽1に供給し、反応槽1での混合攪拌により、有機酸のリチウム塩(RCOOLi)を生成させる。反応により副生する炭酸ガス(CO)は、プロセス系外に排出される。
尚、Li源として炭酸リチウムを使用しているのは、リチウム化合物の中で炭酸リチウムが特に安定であり、備蓄可能であることに加え、目的とする水酸化リチウム自体も、大気中の炭酸ガスと反応して容易に炭酸リチウムに転換してしまうことなどもあり、炭酸リチウムをLi源として用いて水酸化リチウムを製造することは工業的に極めて有利となるからである。
炭酸リチウムと反応させる有機酸としては、水溶性であり、そのLi塩も水溶性で電気透析可能である限り、特に制限されず、例えば、ギ酸、酢酸、シュウ酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、モノクロロ酢酸、チオグリコロール酸、モノクロロ酢酸、マロン酸、プロピオン酸、L−乳酸、D−乳酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、酪酸、フェノール酸、クエン酸、アスコルビン酸、ピクリン酸、ピコリン酸、安息香酸、サリチル酸などを挙げることができる。
尚、反応槽1での有機酸と炭酸リチウムとの反応は、一般に室温下で行われ、特に加熱を要しない。
上記のようにして得られる有機酸リチウム(RCOOLi)の水溶液は、配管10により塩液タンク3に供給され、塩液タンク3に収容された有機酸リチウム(RCOOLi)の水溶液を、循環配管11により、電気透析装置5に循環供給して電気透析が行われる。
この電気透析装置5には、陽極(+)と陰極(−)との間に、バイポーラ膜BPとカチオン交換膜Cとが、2枚のバイポーラ膜BPの間にカチオン交換膜Cが位置するように配置されている。
即ち、図1から理解されるように、陽極(+)が収容されている領域は、バイポーラ膜BPによって陰極(−)側と仕切られ、陽極室21が形成されている。一方、陰極(−)が収容されている領域は、やはりバイポーラ膜BPによって陽極(+)側と仕切られており、陰極室23が形成されており、陽極室21及び陰極室23には、それぞれ、所定の極液タンク(図示せず)から極液が循環供給されるようになっている。
尚、バイポーラ膜BPは、陰イオン交換膜側が陽極(+)側に面するようにして配置される。
上記のように交互に配置されたバイポーラ膜BPとカチオン交換膜Cとによって、陽極(+)側に塩室25、陰極(−)側にアルカリ室27が、互いに隣接するように形成されている。この場合、2枚のバイポーラ膜の間にカチオン交換膜が位置するように配置することにより、該カチオン交換膜を介して塩室とアルカリ室とを形成する態様は、図1に示すように、1対の組み合わせによる態様に限らず、3枚以上のバイポーラ膜のそれぞれの間にカチオン交換膜が位置するように設けて複数対の塩室とアルカリ室を形成する態様も可能である。
塩室25には、循環配管11が接続されており、塩液タンク3からの有機酸リチウム水溶液が循環して供給されるようになっている。
尚、有機酸リチウム水溶液を電気透析装置へ供給する前工程として、有機酸リチウム水溶液中に不溶解物が混在する場合、不溶解物は電気透析装置内で目詰まりを生じさせる恐れがあるため、フィルターなどを用いて除去することができる。また、有機酸リチウム水溶液中に多価金属カチオンが存在する場合、電気透析装置内で水酸化物を生じ運転の不具合を生じたり、水酸化リチウムの純度に悪影響を及ぼす可能性のあることから、キレート樹脂、ナノフィルタレーションなどの分離手法を用いて多価金属カチオンを除去することが好ましい。
アルカリ室27には、アルカリ液タンク7に通じている循環配管13が接続されており、水酸化リチウム水溶液がアルカリ室27に循環供給されるようになっている。
なお、水酸化リチウム水溶液は、二酸化炭素を吸収し易い性質があり、純度の高い水酸化リチウムを得る上で、アルカリ液タンク7は、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスで気相部を置換して使用することが好ましい。
即ち、上記のような構造を有する電気透析装置5を使用し、陽極室21及び陰極室23に極液を循環しながら、陽極(+)と陰極(−)との間に電圧を印加しての通電下で、前述した有機酸リチウムの水溶液を、塩液タンク3から循環配管11を介して塩室25に循環供給し、且つアルカリ液タンク7から水酸化リチウム水溶液を、循環配管13を介してアルカリ室27に循環供給することにより、電気透析による有機酸の製造が行われることとなる。
かかる電気透析において、電極間の通電は、一般に、膜と接する溶液の電解質濃度が1mol/lのとき、電流密度1〜20A/dm、好ましくは5〜15A/dm程度である。電解質濃度が高い場合、電流密度をより低く設定することが好ましい。
即ち、塩室25に供給された有機酸リチウムの水溶液は、有機酸リチウムの一部がカチオン(Li)とアニオン(RCOO)とに解離しており、このアニオン(RCOO)がバイポーラ膜BPから供給されたプロトン(H)と結合して有機酸(RCOOH)が再生する。一方、カチオン(Li)は、カチオン交換膜Cを透過して隣接するアルカリ室27に移行し、このアルカリ室27でバイポーラ膜BPから供給された水酸化物イオン(OH)と結合して水酸化リチウム(LiOH)を生成する。
従って、このようにして有機酸リチウムの水溶液及び水酸化リチウム水溶液を塩室25及びアルカリ室27にそれぞれ循環していくと、塩室25では、有機酸(RCOOH)の濃度が次第に上昇し、アルカリ室27では、水酸化リチウム(LiOH)の濃度が次第に上昇していくことになる。
このようにして、アルカリ室27でのLiOH濃度が所定の濃度に達した段階で、循環配管13の排液側からの回収により、目的とする水酸化リチウムの高濃度水溶液を得ることができる。
また、塩室25或いは塩液タンク3での有機酸濃度が所定の濃度に達した段階で、循環配管11の排液側から有機酸塩水溶液を回収して、反応槽1に供給することにより、電気透析により再生した有機酸(RCOOH)を、再び炭酸リチウムとの反応に再利用することができる。
尚、水酸化リチウムの高濃度水溶液の回収に伴い、適宜、アルカリ液タンク7に水(イオン交換水)を補充し、常時、一定の液量を確保しておくことが安定して電気透析装置を連続運転するために好適である。
上記のような電気透析によって有機酸リチウムから水酸化リチウムを製造する場合において、陽極(+)及び陰極(−)として使用される電極は、水電解や食塩電解など、電気化学工業の分野で使用される公知の電極であってよい。
例えば、陽極(+)としては、一般に、ニッケル、鉄、鉛、白金、黒鉛等で形成されているものが使用され、陰極(−)としては、一般に、ニッケル、鉄、ステンレススチールなどで形成されているものが使用される。
また、陽極室21や陰極室23に循環供給される極液としては、陽極(+)や陰極(−)を形成している電極材料に応じて適宜の電解液が使用される。その組み合わせの一例を挙げると、以下の通りである。
陽極液;
ニッケルまたは鉄−水酸化ナトリウム水溶液
鉛−硫酸水溶液
白金−硫酸または硫酸ナトリウム水溶液
黒鉛−食塩水溶液
陰極液;
ニッケル、鉄またはステンレススチール−水酸化ナトリウム、硫酸ナトリウムまた
は食塩水溶液
さらに、カチオン交換膜Cは、公知のものであってよく、例えば、カチオン交換基として、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基等を有するものや、これらのイオン交換基の複数種類が混在したものを使用できる。また、カチオン交換膜Cは、重合型、縮合型、均一型、不均一型の何れでもよく、適宜、補強心材を有していてもよいし、炭化水素系、フッ素系等、公知の材質材料のもの、材料・製造方法に由来するカチオン交換膜の種類、型式などの別なく如何なるものであってもよい。さらには、2N−食塩水溶液を5A/dmの電流密度で電気透析し、電流効率が70%以上の実質的にカチオン交換膜として機能するものであれば、一般に両性イオン交換膜と称されるものも使用することができる。
バイポーラ膜BPは、カチオン交換膜とアニオン交換膜とが張り合わされた構造を有している複合イオン交換膜であり、先にも述べたように、通常、アニオン交換膜側を陽極(+)側に、また、カチオン交換膜側を陰極(−)側に向けて配置される。
このようなバイポーラ膜BPとしては、特に制限されず公知の膜を使用することができ、その製造方法としては、次のようなものが知られている。
カチオン交換膜とアニオン交換膜とをポリエチレンイミン−エピクロルヒドリンの混合物で張り合わせ硬化接着する方法(特公昭32−3962号公報参照)。
カチオン交換膜とアニオン交換膜とをイオン交換性接着剤で接着させる方法(特公昭34−3961号公報)。
カチオン交換膜とアニオン交換膜とを微粉のイオン交換樹脂、アニオンまたはカチオン交換樹脂と熱可塑性物質とのペースト状混合物を塗布し圧着させる方法(特公昭35−14531号公報参照)。
カチオン交換膜の表面にビニルピリジンとエポキシ化合物とからなる糊状物質を塗布し、これに放射線照射することによって製造する方法(特公昭38−16633号公報参照)。
アニオン交換膜の表面にスルホン酸型高分子電解質とアリルアミン類を付着させた後、電離性放射線を照射架橋させる方法(特公昭51−4113号公報参照)。
イオン交換膜の表面に反対電荷を有するイオン交換樹脂の分散系と母体重合体との混合物を沈着させる方法(特開昭53−37190号公報参照)。
ポリエチレンフィルムにスチレン、ジビニルベンゼンを含浸重合したシート状物をステンレス製の枠にはさみつけ、一方の側をスルホン化させた後、シートを取り外して残りの部分にクロルメチル化、次いでアミノ化処理する方法(米国特許3562139号参照)。
アニオン交換膜とカチオン交換膜との界面を無機化合物で処理し、両膜を接合する方法(特開昭59−47235号公報参照)など。
上述したように電気透析を行うことにより、高純度の水酸化リチウムの高濃度水溶液を得ることができるが、本発明の最も大きな利点は、低いセル電圧(陽極と陰極との間に印加する電圧)で電気透析が行われる点にある。
即ち、Li源として用いる炭酸リチウムは、水に対する溶解度が極めて低いが(0.1mol/l程度)が、有機酸リチウムの水の対する溶解度は極めて高い。例えば、本発明において、乳酸リチウムの水に対する溶解度は4mol/l程度であり、炭酸リチウムに比してかなり高い。(溶解度は何れも25℃での値である。)従って、高濃度でLiを含む液を用いて電気透析を実施することができ、低いセル電圧とした場合においても、効率よく高濃度の水酸化リチウム水溶液を得ることができる。
また、弱酸である有機酸のLi塩を電気透析に供しているため、図1に示しているような2室タイプの電気透析装置を用いることができ、このことは、セル電圧を低くして高い電流密度を確保し、効果的な電気透析が可能であることを意味する。
例えば、特許文献1,2などで提案されているように、塩化リチウム(LiCl)や硫酸リチウム(LiSO)を電気透析に供して水酸化リチウムを製造する場合、原理的には、本発明と同様、2室タイプの電気透析装置を用いての電気透析が可能である。しかしながら、この場合には、強酸の塩が電気透析に供されるため、塩室中には高濃度のアニオン(Cl或いはSO 2−)が存在することとなり、この結果、一部のアニオンの隣接するアルカリ室中への移動を確実に防止することができず、得られる水酸化リチウムの純度が低いものとなってしまう。
従って、このような強酸のLi塩を電気透析に供して水酸化リチウムを製造する場合には、BP膜とA膜(アニオン膜)とによる酸室、A膜とC膜とによる塩室及びC膜とBP膜とによるアルカリ室とが電極間に形成された3室タイプの電気透析装置を使用しなければならない。このタイプの装置を用いて電気透析を実行する場合には、塩室に強酸のLi塩が循環供給されるが、塩室中のアニオン(Cl或いはSO 2−)は、A膜を介して陽極側に隣接している酸室に速やかに移行するため、Liイオンが移行して水酸化リチウムが生成するアルカリ室へのアニオンの移動を効果的に防止することができるからである。しかるに、電極間に3室が形成された装置を用いての電気透析では、当然、2室タイプの装置に比して電極間抵抗が大きいため、高電流密度で電気透析を行うためには、高いセル電圧が必要となってしまうわけである。
このように、本発明においては、有機酸のLi塩を電気透析に供するため、2室タイプの電気透析装置を用いることが可能となり、このような観点からも低いセル電圧での電気透析が可能となり、効率よく、水酸化リチウムを連続的に製造することが可能となる。
また、本発明では、再生した有機酸(RCOOH)は、炭酸リチウムとの反応に再利用できるため、資源の有効利用、省資源の観点からも有利である。さらには、出発原料として炭酸リチウムを使用しているものの、電気透析装置内で炭酸ガスは発生しないため、炭酸ガスの発生が電気透析を阻害することもない。
<実施例1>
乳酸水溶液に炭酸リチウム(和光純薬工業株式会社製)を添加して、0.83mol/lの乳酸リチウムを調製した。
バイポーラ膜電気透析装置は、1対の陰陽極間に、バイポーラ膜(株式会社アストム社製、商品名:ネオセプタBP−1E)とカチオン交換膜(株式会社アストム製、商品名:ネオセプタCMB)とが順番にそれぞれ4枚、3枚、(バイポーラ膜、カチオン交換膜の有効膜面積はいずれも0.55dm/枚)配置され、アルカリ室、酸室が形成されたフィルタープレス型バイポーラ膜電気透析装置アシライザーEX−3B型(株式会社製)を用いた。
また、電気透析装置の酸室タンクに前述した0.83mol/l乳酸リチウム水溶液500mlをいれ、電気透析セルの酸室に循環させた。一方、アルカリ室タンクには、0.1mol/lの水酸化リチウム水溶液300mlをいれ、電気透析セルのアルカリ室に循環させた。電極液は0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いた。運転条件は定電流運転、電流密度10A/dm、運転中の液温度は約30℃に設定した。
尚、1セル当たりの電圧は、バイポーラ膜、カチオン膜、酸室、塩室を1セルとし、1セルの両側に白金線を挿入し、マルチメーターで電圧を測定した。また、アルカリ室の水溶液は、一定時間毎にサンプリングを行い、生成した水酸化リチウム水溶液のリチウム濃度をICP発光分析により求めた。
その結果を表1に示した。
Figure 2012126583
1:反応槽
3:塩液タンク
5:電気透析装置
7:アルカリ液タンク
11、13:循環配管
21:陽極室
23:陰極室
25:塩室
27:アルカリ室
BP:バイポーラ膜
C:カチオン交換膜

Claims (3)

  1. 炭酸リチウムに有機酸を反応させて有機酸リチウムを生成させ、該有機酸リチウムを、バイポーラ膜を用いた電気透析に供して水酸化リチウムを製造することを特徴とする水酸化リチウムの製造方法。
  2. 2枚のバイポーラ膜の間にカチオン交換膜が位置するように配置することにより、該カチオン交換膜を介して隣接するように形成された塩室とアルカリ室とを、陽極と陰極との間に少なくとも一対有する電気透析装置を使用し、前記有機酸リチウムの水溶液を該塩室に供給しての通電により前記有機酸リチウムの電気透析を行い、該塩室中のLiイオンをアルカリ室に移行させて水酸化リチウムを生成させる請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記電気透析により前記塩室に生成した有機酸の少なくとも一部を、前記炭酸リチウムと有機酸との反応に再利用する請求項2に記載の製造方法。
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