JP2012127467A - 高圧ガス容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂製容器本体3と、上記樹脂製容器本体3の外周に被覆された繊維層4と、上記繊維層4の外周に被覆された外表面平滑な耐熱性樹脂層5と、上記耐熱性樹脂層5の外周に被覆された繊維強化樹脂層6とからなり、上記容器本体3の外周に被覆されている繊維層4は、垂直方向および面方向にガス透過可能である高圧ガス容器1を提供する。
【選択図】 図7
Description
樹脂製本体からなる高圧ガス容器には、補強のために外周に繊維強化樹脂層が設けられる(特許文献1〜3)。
更に水素等の低分子ガスは樹脂製本体外壁を透過するので、上記繊維強化樹脂層の内側に透過したガスを外部に導く流路あるいは微細空隙によって構成される通気層を設ける(特許文献4,5)。
樹脂製容器本体の外周にフィラメントワインディング法によって繊維強化樹脂層を設けた場合、上記樹脂製容器本体外周と、上記繊維強化樹脂層との間に空隙を生じさせて通気層を確保するためには、例えばフープ巻きしたフープ層の上にヘリカル巻きしたヘリカル層を形成し、フープ層を構成する繊維の上をヘリカル層を構成する繊維が乗り越える状態として微細空隙を形成する。
上記方法によって通気路を形成する場合には、繊維に含浸させる樹脂量を調節したり、巻き締め力を調節することが必要であり、このような調節は極めて微妙なものであって、所定の通気性を有する通気路を安定に形成することは困難である。
上記繊維層4を構成する繊維の繊度は0.5dtex〜60dtexの範囲に設定され、該繊維層の目付量は40g/m2〜500g/m2の範囲に設定されていることが望ましく、更に上記繊維層4には、引張り弾性率が1800MPa以上の繊維が少なくとも70質量%含まれていることが望ましい。更に上記耐熱性樹脂層5は、軟化点が170℃以上のエンジニアリングプラスチックと他の熱可塑性樹脂とのポリマーアロイであることが望ましい。
本発明の高圧ガス容器1は、樹脂製容器本体3と耐熱性樹脂層5との間に介在する垂直方向および面方向にガス透過可能である繊維層4によって通気路4Eが形成されている。該繊維層4によって形成される通気路4Eは、該繊維層4を構成する繊維の繊維径、密度、樹脂を塗布および/または含浸する場合には樹脂の塗布および/または含浸量によって通気性を調節することが容易である。通常上記繊維の繊度は0.5dtex〜60dtexの範囲に設定され、該繊維層4の目付量は40g/m2〜500g/m2の範囲に設定され、この範囲で構成される該通気路4Eの通気性は、透過ガスを好適に外部に導くことが出来るものとなる。
上記耐熱性樹脂層5は表面平滑であって、外周に形成される繊維強化樹脂層6の均一性を確保し、かつ該繊維強化樹脂層6との良好な密着性を図るものである。
更に上記耐熱性樹脂層5は、上記繊維強化樹脂層6が形成される時の圧力および加熱から該繊維層4を保護する。
本発明の高圧ガス容器は、繊維層によって形成される通気路の通気性の設定を容易に行なうことが出来、また上記通気路の通気性を良好に保護することが出来る。
上記樹脂製容器本体3は、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂、熱硬化性シリコン樹脂等の熱硬化性樹脂からなる。
上記繊維層4の材料としては、通常は例えばポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテート繊維等の合成繊維、とうもろこしやサトウキビ等の植物から抽出された澱粉からなる生分解繊維、パルプ、木綿、ヤシ繊維、麻繊維、竹繊維、ケナフ繊維等の天然繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、石綿繊維等の無機繊維、あるいはこれらの繊維を使用した繊維製品のスクラップを解繊して得られた再生繊維の1種または2種以上の繊維が使用される。
上記低融点熱可塑性繊維としては、例えば融点180℃以下のポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のポリオレフィン系繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリウレタン繊維、ポリエステル繊維、ポリエステル共重合体繊維、ポリアミド繊維、ポリアミド共重合体繊維等がある。これらの低融点熱可塑性繊維は、単独あるいは2種以上組み合わせて使用される。該低融点熱可塑性繊維の繊度は、0.1〜60dtexの範囲であることが好ましい。本発明に使用する望ましい低融点熱可塑性繊維としては、例えば上記通常繊維を芯部分とし、該低融点熱可塑性繊維の材料樹脂である融点100〜180℃の低融点熱可塑性樹脂を鞘とする芯鞘型繊維がある。該芯鞘型繊維を使用すると、得られる繊維シートの剛性や耐熱性が低下しない。
上記繊維層4は、一般に上記繊維あるいは混合繊維のウェブをニードルパンチングによって絡合する方法(ニードルパンチ法)、あるいは上記混合繊維として上記低融点熱可塑性繊維を30質量%以下の範囲で含有するものを使用し、上記混合繊維のウェブを上記低融点熱可塑性繊維の融点以上の温度に加熱し、上記低融点熱可塑性繊維を軟化させてウェブ中の繊維を結着する方法(サーマルボンド法)によって製造される。上記二つの方法によって製造された繊維層4を一般にニードルパンチ不織布、あるいはサーマルボンド不織布と云う。
上記繊維層4を製造する方法としては、上記以外に、合成樹脂および/または合成樹脂前駆体をバインダーとして使用して繊維を結着する方法(ケミカルボンド法)、繊維や糸のシートを縫糸で絡み合わせる方法(ステッチボンド法)、スチームジェットによって繊維を絡合する方法(スチームジェット法)、繊維を編織する方法等があり、また更に、ガラス繊維等の場合は、チョップドストランド法がある。
上記合成樹脂および/または合成樹脂前駆体は、二種以上混合使用されてもよい。
上記合成樹脂および/または合成樹脂前駆体は、取り扱いが容易な点から水溶液、水性エマルジョン、水性ディスパージョンの形態のものを使用することが好ましいが、懸濁液、粉末状、有機溶剤溶液の形態のものを使用してもよい。
上記繊維層4の目付量が40g/m2以下の場合には、外力により繊維の相対的な動きが過度になって繊維層内空間が維持出来なくなり、また目付量が500g/m2以上の場合には、ガス透過性が悪くなる。
更に繊維層4の厚みが2.0mmを超えると、繊維層内空間体積が大きくなり、ガス圧力等の外力によって変形し易くなる。
上記繊維層4の繊度が0.5dtex未満の場合には、構造が密になってガス透過性が悪くなり、繊度が60dtexを超える場合も、太い繊維の存在による干渉によってガス透過性が悪くなる。
本発明において、上記繊維層4の外周に適用される耐熱性樹脂層5は、外表面が平滑であり、望ましくは軟化点が170℃以上の樹脂である。
上記樹脂としては主として熱可塑性であるエンジニアリングプラスチックが使用される。上記エンジニアリングプラスチックとしては、例えばポリアミド(PA)、ポリエステル(PE)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアミノビスマレイミド、メチルペンテンコポリマー(TPX)、セルロースアセテート(CA)等の熱可塑タイプ、ポリアリルエーテル等の液晶タイプ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂等の圧縮成形タイプ、アモルファスポリマー、ポリアミノビスマレイミド、ビスマレイミド−トリアジン系熱硬化型芳香族ポリイミド等のエンジニアリングプラスチック、また上記エンジニアリングプラスチックと、他の熱可塑性合成樹脂とのポリマーアロイがある。他の熱可塑性プラスチックとしては上記熱可塑性合成樹脂が例示される。該ポリマーアロイとしては例えば、PPE−ハイインパクトポリスチレンポリマーアロイ、PPE−ポリアミド−ハイインパクトポリスチレンポリマーアロイ、PPE−ポリアミド−ポリスチレンポリマーアロイ、PPE−ポリアミドポリマーアロイ、PE−ハイインパクトポリスチレンポリマーアロイ、PE−ポリアミドポリマーアロイ、ポリアミド−変性ポリオレフィンポリマーアロイ、ポリアミド−アクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体(ABS)ポリマーアロイ、ポリアミド−PTFEポリマーアロイ、PBT−アクリルゴムポリマーアロイ、PBT−ABSポリマーアロイ、PBT−ポリエステルエーテルエラストマーポリマーアロイ、PBT−PETポリマーアロイ、PBT−PCポリマーアロイ、PBT−PTFEポリマーアロイ、PET−PTFEポリマーアロイ、PET−PARポリマーアロイ、PC−PTFEポリマーアロイ、PAR−PTFEポリマーアロイ、POM−熱可塑性ポリウレタンポリマーアロイ等であり、該ポリマーアロイ中で特に望ましいものとしては、PPE−ハイインパクトポリスチレンポリマーアロイ、PPE−ポリアミド−ハイインパクトポリスチレンポリマーアロイ、PPE−ポリアミド−ポリスチレンポリマーアロイ、PPE−ポリアミドポリマーアロイ等がある。
該相溶化剤はポリマーアロイの各成分に親和性を有する化合物からなるので、各成分を仲介してポリマーアロイ中の各成分の混和状態を均一にする。従って各成分の特性が有効に発現し、耐熱性、成形性共に極めて良好な材料となり、真空成形やプレス成形等によって箱型形状の成形物が容易に製造されるようになる。
上記相溶化剤(a)〜(h)の詳細は特開平9−12497号公報に示されており、更に各相溶化剤(a)〜(h)は米国特許第4,315,086号明細書((a)、(b)および(c)に関する文献)、米国特許第4,873,286号明細書((d)に関する文献)、米国特許4,659,760号明細書((e)に関する文献)、米国特許第4,642,358号明細書および米国特許第4,600,741号明細書((f)に関する文献)、米国特許第4,895,945号明細書、米国特許第5,096,979号明細書、米国特許第5,089,566号明細書および5,041,504号明細書((g)に関する文献)、米国特許第4,755,566号明細書((h)に関する文献)で開示される。
上記相溶化剤は、ポリマーアロイに対して通常、0.1〜60質量%添加される。
上記耐熱性樹脂層5の厚みが0.1mm未満の場合には、繊維層4の表面凹凸形状を充分に被覆することが出来ず、耐熱性樹脂層5の表面に上記繊維層4の表面凹凸形状が影響し、該耐熱性樹脂層5の表面平滑性が悪くなる。一方上記耐熱性樹脂層5の厚みが1.0mmを超える場合には、容器重量が大きくなる。
また上記耐熱性樹脂層5の比重が0.7未満の場合には、該耐熱性樹脂層5の強度が充分でなくなり、該耐熱性樹脂層5の比重が2.0を超える場合には、容器質量が大きくなる。
上記耐熱性樹脂層5の外周には、繊維強化樹脂層6が被覆される。
上記繊維強化樹脂層6に使用される繊維(補強繊維)としては、炭素繊維、ガラス繊維、炭化ケイ素繊維、ホウ素繊維、ステンレススチール繊維等の無機繊維、アラミド繊維、PBO繊維、ポリエステル繊維等の有機繊維、パルプ、木綿、ヤシ繊維、麻繊維、竹繊維、ケナフ繊維等の天然繊維等が例示される。
上記補強繊維は、通常ウェブ、不織布、編織物等として提供され、帯状、紐状、あるいは布状の形態にされる。
本発明の高圧ガス容器を製造するには、まず図3に示すように耐熱性樹脂層5A,5Bと繊維層4A,4Bとを接着積層して胴部積層材4A,5A,4B,5Bを製造する。上記耐熱性樹脂層5A,5Bと上記繊維層4A,4Bとは前述したように例えばホットメルト接着剤によって接着して胴部積層体7とする。上記胴部積層体7は図4に示すように上下一対(7A,7B)準備される。
更に両端鏡板部にあっては、図4に示すように左右一対の鏡板形状の耐熱性樹脂層5C,5Dと繊維層4C,4Dとの積層体である鏡板部積層体7C,7Dを準備する。なお特に容器内圧力が集中する鏡板部積層体7C,7Dにあっては、該鏡板部積層体7C,7Dの繊維層4C,4Dとして、特に引張り弾性率が10000MPa以上の高剛性繊維を用いるか、またはポリエステル繊維等の層に更に上記高剛性繊維の層を積層したものを用いてもよい。このような高剛性繊維としては、ガラス繊維、PAN系炭素繊維、パラ型アラミド繊維、PBO繊維、超高分子ポリエチレン繊維、アセタール繊維等が例示される。
上記鏡板部積層体7C,7Dにあっては、通常真空および/または圧空成形、あるいはプレス成形等によって鏡板部形状に成形しておく。
上記胴部積層体7A,7B、鏡板部積層体7C,7Dは相互に接着剤によって接着されたり、例えば高周波等によって相互に融着されたり、更には粘着テープによって相互に止着されてもよい。
上記繊維強化樹脂層6の形成過程において、フィラメントワインディング法が適用される場合には、巻き圧によって内側の繊維層4が圧縮されることが上記耐熱性樹脂層5によって防止され、また上記耐熱性樹脂層5の外表面は平滑であるから、上記繊維強化樹脂層6は厚みが均一になり、かつ耐熱性樹脂層5と良好な密着性を示す。
更に該熱硬化性樹脂を加熱硬化させる場合に、該耐熱性樹脂層5によって、積層体7の変形やそれに伴う繊維強化樹脂層6の変形、更には熱による溶融が好適に防止され、均一な形状の高圧ガス容器1が出来る。
2 ボス
3 樹脂製容器本体
4,4A,4B,4C,4D 繊維層
4E 通気路
5,5A,5B,5C,5D 耐熱性樹脂層
6 繊維強化樹脂層
6A 補強繊維材料
7,7A,7B 胴部積層体
7C,7D 鏡板部積層体
7E,7F,7G,7H 積層体
Claims (4)
- 樹脂製容器本体と、
上記樹脂製容器本体の外周に被覆された繊維層と、
上記繊維層の外周に被覆された外表面平滑な耐熱性樹脂層と、
上記耐熱性樹脂層の外周に被覆された繊維強化樹脂層と、
からなり、
上記容器本体の外周に被覆されている繊維層は、垂直方向および面方向にガス透過可能である
ことを特徴とする高圧ガス容器。 - 上記繊維層を構成する繊維の繊度は0.5dtex〜60dtexの範囲に設定され、該繊維層の目付量は40g/m2〜500g/m2の範囲に設定されている請求項1に記載の高圧ガス容器。
- 上記繊維層には、引張り弾性率が1800MPa以上の繊維が少なくとも70質量%含まれている請求項1または請求項2に記載の高圧ガス容器。
- 上記耐熱性樹脂層は、軟化点が170℃以上のエンジニアリングプラスチックと他の熱可塑性樹脂とのポリマーアロイである請求項1〜3のいずれか1項に記載の高圧ガス容器。
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