JP2012128799A - 運転シーンの遷移予測装置及び車両用推奨運転操作提示装置 - Google Patents

運転シーンの遷移予測装置及び車両用推奨運転操作提示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】将来の行動予測のための演算量を低減するとともに、その予測に際して交通参加者の増減に柔軟に対応することを可能とした、行動予測結果に基づき自車両の運転者に対して推奨運転操作を提示する車両用推奨運転操作提示装置を提供する。
【解決手段】シンボル化実施部40が、運転シーンを構成する各情報をシンボル化して、自車両が置かれている運転シーン全体を記述する。このため、例えば交通参加者が増減しても、単にシンボル化される情報が増減するだけであり、交通参加者の増減に柔軟に対応できる。また、シンボル遷移予測部60は、自車両を含む各交通参加者の状態の変化に基づいて推定された、自車両の行動が交通参加者の行動に与えるInfluenceを用いて、シンボル化された運転シーンがどのように遷移するかを予測する。従って、運転シーンの遷移の予測において、大幅に演算量を低減しつつ、予測精度の向上も図ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自車両の置かれた運転シーンが、将来、どのように遷移していくかを予測する運転シーンの遷移予測装置、及び、その予測に基づき、自車両の運転者に対して、推奨すべき運転操作を提示する車両用推奨運転操作提示装置に関する。
周囲車両の未来の挙動を予測し、自車両の未来の動作計画を生成し、それに基づいた推奨操作量を生成する装置が、特許文献1に開示されている。
この特許文献1の装置では、周囲車両の位置と走行車線と自車両の車速を検出し、それらの情報から自車両と周囲車両の車線ごとの位置と速度を算出する。そして、周囲車両群挙動予測手段において、検出した車両と同じ数だけの車両モデルにより、自車両が取る行動が車両群に与える影響を予測する。車両モデルは、車両の進行方向に対する動作モデルと、車線変更のモデルとから構成される。例えば、車両の進行方向に対する動作モデルは、各々の車両の直前を走行する先行車を基準として、各車両(後続車両)は先行車両と車頭時間を一定に保つように動作するモデルとして構築される。
そして、自車両の挙動が他の車両にどのような影響を与えるかを予測すべく、自車両に対しては入力を陽に含む形でモデルを割り当て、各車両モデルを用いて任意の加速度指令値の時系列パターンを入力した際の車群全体の挙動(位置)を計算する。
特開2003−228800号公報
上述したように、特許文献1の装置では、自車両と同じ進行方向に走行している周囲車両のみを対象として、車両群の挙動を予測しようとする。しかも、その予測は、先行車両に対して後続車両が、車頭時間を一定に保つように動作する非常に単純なモデルに基づいている。
しかしながら、実際の運転シーンにおいては、同一進行方向の車両のみならず、対向車線を走行する対向車両や歩行者などの交通参加者も存在し、相互に影響を及ぼしあっている。さらに、自車両は、道路に設置された信号機の状態によっても、その行動が影響される。そこで、信号機も含め、各交通参加者について、それぞれが複雑に行動を行うような、より一般的な運転シーンに特許文献1の装置を適用しようとすると、いわゆるフレーム問題に直面してしまう。これは、特許文献1の装置では、各交通参加者にそれぞれ車両モデルのような行動モデルを仮定して、それぞれの行動モデルから各交通参加者全体の挙動を予測しようとすることに起因する。
また、特許文献1の装置では、交通参加者ごとに行動モデルが割り当てられ、その行動モデルは、先行車両のような他の交通参加者の情報も利用して構築される。従って、新たな交通参加者が出現したり、既存の交通参加者が離脱した場合、交通参加者の行動モデルを再設定し、予測をやり直す必要が生じる。実際の運転シーンにおいては、交通参加者の増減は頻繁に発生する。従って、特許文献1の装置では、以前に算出した予測結果は無用なものとなって、予測をやり直して新たな予測結果を算出する事態が頻繁に生じてしまうことになる。そのため、その間、予測結果の利用が出来なくなり、運転者に対して有効な情報の提供も出来なくなってしまう。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、将来の行動予測のための演算量を低減するとともに、その予測に際して交通参加者の増減に柔軟に対応することを可能とした運転シーンの遷移予測装置を提供することを第1の目的とする。また、運転シーンの遷移予測装置による予測結果に基づき自車両の運転者に対して推奨運転操作を提示する車両用推奨運転操作提示装置を提供することを第2の目的とする。
上述した第1の目的を達成するために、請求項1に記載の運転シーンの遷移予測装置は、
自車両が走行する走行環境に関する情報を取得する走行環境情報取得手段と、
自車両の周辺において、交通に参加している交通参加者を検出する交通参加者検出手段と、
自車両が置かれた運転シーンを、その運転シーンを構成する走行環境に関する情報、自車両の情報及び交通参加者の情報をシンボル化しつつ記述するシンボル化手段と、
自車両を含む各交通参加者の状態の変化に基づいて、自車両の行動が交通参加者の行動に与える影響を相互作用として推定する相互作用推定手段と、
自車両が採りうる行動の候補に対して、相互作用推定手段によって推定された相互作用に基づき、シンボル化手段により各情報がシンボル化して記述された運転シーンが遷移する様子を予測する予測手段と、を備えることを特徴とする。
上述したように、請求項1に記載の発明では、まず、シンボル化手段が、自車両が置かれている運転シーン全体をシンボル化して記述する。このように、運転シーンを構成する情報をシンボル化することにより、運転シーンの認識及び予測についてのロバスト性を得ることができる。すなわち、例えば交通参加者が増減しても、単にシンボルの表現が変化するだけであり、従来技術のように、行動モデルの再設定など、予測をやり直す必要は生じず、交通参加者の増減に柔軟に対応することができる。
そして、請求項1に記載の発明では、予測手段は、自車両が採りうる行動の候補に対して、シンボル化して記述された運転シーンがどのように遷移するかを予測する。その際、予測手段は、自車両を含む各交通参加者の状態の変化に基づいて、自車両の行動が交通参加者の行動に与える影響を相互作用として推定し、この推定した相互作用に基づき、シンボル化された運転シーンがどのように遷移するかを予測する。従って、運転シーンの遷移の予測において、各交通参加者ごとに、他の交通参加者との相互関係を考慮した行動モデルを用いる従来技術に比較して、大幅に演算量を低減することができる。また、請求項1に記載の発明では、各交通参加者の実際の状態変化に基づいて相互作用を推定しているため、運転シーンの遷移の予測精度も向上することができる。
シンボル化手段によるシンボル化の一例としては、請求項2に記載したように、シンボル化手段が、自車両の周囲に仮想のグリッドを定め、交通参加者検出手段によって検出された交通参加者を該当する位置のグリッドに当て嵌めることにより、各交通参加者の位置を表現しつつ、走行環境、自車両、及び交通参加者に関して、予め定められたシンボル化すべき情報を要素とするシンボルベクトルを用いて、運転シーンをシンボル化することができる。このようにシンボルベクトルを用いることで、走行環境、自車両及び交通参加者に関する所望の情報を、容易にシンボル化することが可能となる。
請求項3に記載したように、予測手段は、自車両が採りうる行動の候補として複数種類の行動を決定し、決定した各行動を起こしたときの運転シーンの遷移結果をそれぞれ予測し、さらに、予測した運転シーンの遷移結果において、自車両が採りうる行動の候補としての複数種類の行動を起こしたときの運転シーンの遷移結果を予測する処理を繰り返すことにより、時系列的に順番に行われる複数の行動からなる行動系列の各々に対して、運転シーンが遷移する様子を予測することが好ましい。将来における自車両の行動が異なれば、それに応じて、自車両を取り巻く将来の運転シーンも大きく異なるものとなる。そのため、自車両が採りうる行動の候補として複数種類の行動に対する運転シーンの遷移結果を予測し、さらにそれらの運転シーンの遷移結果において、それぞれ複数種類の行動を採ったときの運転シーンの遷移結果を予測する処理を繰り返すことにより、長期間に渡って、精度の高い予測を行うことが可能になる。
請求項4に記載したように、予測手段は、走行環境情報取得手段によって取得された走行環境に関する情報に基づいて、自車両が採りうる行動の候補を決定することが好ましい。自車両の採りうる行動の候補数を増やすほど、将来の運転シーンの予測精度の向上を見込むことができるが、一方で、候補数の増加に応じて予測のための処理時間も長くなる問題も生じる。ここで、走行環境に関する情報を用いることで、自車両が採りうる行動として可能性の高い行動を絞り込むことができる。従って、自車両の採りうる行動の候補数をそれほど増やさずとも、精度の良い将来の運転シーンの予測を行うことができる。
請求項5に記載したように、自車両の運転者に関する情報を取得する運転者情報取得手段を備え、予測手段は、運転者情報取得手段によって取得された運転者に関する情報に基づいて、自車両が採りうる行動の候補を決定しても良い。運転者は、それぞれ運転操作に多かれ少なかれ癖と呼べるような特徴を有しているものであり、そのような運転者の特徴などの運転者に関する情報を考慮することによっても、自車両が採りうる行動として可能性が高い行動を絞り込むことができるためである。
請求項6に記載したように、運転者情報取得手段は、自車両の運転者が希望する運転行為に関する情報を取得する手段を含み、予測手段は、自車両の運転者が希望する運転行為をなすために自車両が採りうる行動を、自車両が採りうる行動の候補として決定することが好ましい。自車両の運転者が、例えば、車線変更をする、右折するなどの運転行為を希望する場合には、その運転行為をなすという観点で、自車両の採りうる行動を絞り込むことができるためである。
請求項7に記載した車両用推奨運転操作提示装置は、上述した請求項1乃至6のいずれかに記載の運転シーンの遷移予測装置と、その運転シーンの遷移予測装置の予測手段による予測結果に基づいて、推奨すべき運転操作を決定し、自車両の運転者に提示する推奨運転操作提示手段と、を備えることを特徴とする。これにより、精度の高い運転シーンの遷移の予測結果に基づき、自車両の運転者に対して好ましい運転操作を提示することができる。
請求項8に記載したように、推奨運転操作提示手段は、予め典型的な運転シーンを複数設定するとともに、各運転シーンに対して評価値を定めておき、予測された運転シーンの遷移結果と典型的な運転シーンとの類似度から、その予測された運転シーンの遷移結果の評価値を算出し、その評価値に基づいて、推奨すべき運転操作を決定することが好ましい。例えば、典型的な運転シーンとして、渋滞が発生する運転シーン、事故が発生する運転シーン、車両の流れがスムーズである運転シーン、車線変更に適した運転シーン、右折に適した運転シーンなどを用いることができ、ポジティブな運転シーンには正の評価値を与え、ネガティブな運転シーンには負の評価値を与えておく。このようにすれば、予測された運転シーンの遷移結果に関して、典型的な運転シーンとの類似度により、評価値を算出することが可能になる。
請求項9に記載したように、予測手段が、自車両が採りうる行動の候補として複数種類の行動を決定し、決定した各行動を起こしたときの運転シーンの遷移結果をそれぞれ予測し、さらに、予測した運転シーンの遷移結果において、自車両が採りうる行動の候補としての複数種類の行動を起こしたときの運転シーンの遷移結果を予測する処理を繰り返すことにより、時系列的に順番に行われる複数の行動からなる行動系列の各々に対して、運転シーンが遷移する様子を予測した場合に、推奨運転操作提示手段は、行動系列の各々により、最終的に遷移することが予測される運転シーンの評価値を算出するとともに、各々の行動系列に含まれる同時期の行動に関して、その行動を経て最終的に遷移した各運転シーンの評価値の平均値を算出し、その平均値が最大となる行動に従い、推奨すべき運転操作を決定することが好ましい。
単に、最終的に遷移することが予測される運転シーンの評価値に依存して、最も好ましい運転シーンを選択することも可能ではある。しかし、その最も好ましい運転シーンに達する途中で、運転者が推奨運転操作とは異なる操作をしたりした場合に、評価値が相対的にかなり低い運転シーンに遷移する可能性がある場合には、その最も好ましい運転シーンに達するための運転操作が必ずしも推奨運転操作に適しているとは言えない。この点、請求項9の発明によれば、推奨運転操作を決定する基礎となる行動を選択する際に、各行動を採ったときに遷移する可能性がある運転シーンの評価値の平均値を用いている。このため、少なくとも、通常であれば避けるべき運転シーンにつながる可能性がある運転操作を推奨することを回避することができる。
実施形態による車両用推奨運転操作提示装置の全体の構成を示すブロック図である。 シンボル化実施部にて実行される、各種の情報をシンボル化する処理について説明するための説明図である。 交通参加者(グリッド)間の相互作用(Influence)を視覚的に示す図である。 Influenceの予測を行うため、Influenceが作用するグリッドの遷移の予測について説明するための説明図である。 各グリッド間のInfluenceを求めるための処理を示すフローチャートである。 (a)〜(c)は、交通参加者間のInfluenceに応じて、将来の運転シーンが変化する様子の一例を示す図である。 シンボル遷移予測部において実行される、運転シーンの遷移を予測する処理のフローチャートである。 時系列的に順番に行われる複数の行動からなる行動系列により、複数の運転シーンが予測されることを示す説明図である。 推奨操作生成・提示部が実行する処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態においては、運転シーンの遷移予測装置を含む車両用推奨運転操作提示装置について説明する。
図1は、本実施形態による車両用推奨運転操作提示装置の全体の構成を示すブロック図である。なお、実際のところ、車両用推奨運転操作提示装置は、各種の情報を取得するための各種のセンサや通信機と、取得した情報に基づき、運転シーンの遷移を予測し、その予測結果に基づいて推奨すべき運転操作を生成・提示するための処理を実行する電子制御装置とにより構成されるが、図1では、機能ブロックとして、車両用推奨運転操作提示装置の構成を示している。
図1において、環境情報取得部10は、季節、時刻、天候などのグローバルな環境情報に加えて、道路の平面的な形状や勾配、レーンマークの位置、交差点までの距離や交差点形状などの周囲のインフラ情報を取得するものである。この環境情報取得部10は、自車両に搭載されたナビゲーション装置、ミリ波やレーザを用いたレーダ装置、自車両の周囲を撮影するカメラ、路車間通信機などを用いて上述した情報を取得する。
交通参加者情報取得部20は、自車両の周囲に存在する他車両や歩行者などの位置や速度を交通参加者情報として検出するものである。他車両に関しては、ウインカの操作状態、クラクションの操作状態、ブレーキペダルの操作状態などの運転情報も取得する。この他車両には、同一進行方向に走行する先行車両や後続車両のみならず、対向車線を走行する対向車両も含まれる。さらに、交通参加者情報取得部20は、信号機が交通参加者の行動に大きな影響を与えることに鑑み、信号機も交通参加者の1人として、信号機の位置やその状態を検出する。交通参加者情報取得部20は、このような各種の情報を、自車両の周囲を撮影するカメラや、路車間通信機、車車間通信機などを用いて取得する。
なお、図1において、環境情報取得部10と交通参加者情報取得部20とは、別個の構成として示されているが、これは、取得する情報の種類に応じて便宜的に区分けしただけであり、上述したように、それぞれが、情報を取得するために用いる機器は相互にオーバーラップする。
自車両情報取得部30は、自車両の位置、速度、加速度、操舵角度、ウインカの操作状態、クラクション操作状態、ブレーキ操作状態、灯火状態などの自車両の運動状態や操作状態に関する情報に加え、運転者の運転姿勢、視線の向き、血圧・心電位・皮膚電位などの生理情報などの運転者情報も取得する。自車両の運動状態や操作状態に関する情報は、各種のセンサ(速度センサ、加速度センサ、操舵角センサなど)から取得したり、各種の車載機器(ナビゲーション装置、方向指示器、灯火装置など)から取得する。また、運転者情報は、ドライバモニタカメラや、ステアリングホイールに設置される生理情報取得装置などを用いて取得される。
なお、環境情報取得部10(あるいは交通参加者情報取得部20、自車両情報取得部30でも良い)は、取得した(いくつかの)情報に基づいて、新たな情報を生成するようにしても良い。例えば、自車両の位置と、その周囲の交通参加者や建造物などから、自車両の運転者の死角の位置や、視野全体において死角となる領域の比率などの情報を生成しても良い。また、周囲の交通参加者や建造物の色や形から、運転者が視線を向け易くなる度合(誘目性)を情報として算出したり、霧や雨の天候、周囲の照度などから視認性を算出しても良い。また、運転者の生理情報などから、運転者の眠気度合(注意力低下度合)を算出するようにしても良い。
これらの観測情報は、センサリッチに取得すれば、自車両の行動に対する周囲の交通参加者の行動予測の精度向上につながるが、必ずしもすべての情報が必要というわけではない。予測の精度や目的に応じて、上述した情報のうち、いくつかの情報を省略しても良いし、逆に、さらに他の情報を加えても良い。
シンボル化実施部40は、環境情報取得部10、交通参加者情報取得部20、及び自車両情報取得部30によって取得された各種の情報をそれぞれシンボル化することにより、自車両が置かれた運転シーン全体をまとめて簡潔に記述する。
最も簡単なシンボル化の一例は、量子化である。すなわち、図2に示すように、シンボル化実施部40は、自車両の周囲に仮想のグリッドを定め、交通参加者情報取得部20によって取得された信号機や他車両などの交通参加者を、該当する位置のグリッドに当て嵌めることにより、各交通参加者の位置を表現する。この際、交通参加者の種類(同一進行方向車両、対向車両、歩行者、信号機、…)は、対応するグリッドにラベル付けすることによって識別できるようにする。
さらに、環境情報、自車両情報、交通参加者情報に関して、予め定められたシンボル化すべき情報を要素とするシンボルベクトルを用いて、それぞれの情報をシンボル化する。例えば、天候に関しては、晴、雨、曇りのいずれに該当するかを1と0で表したり、時刻に関しては複数の時間帯(早朝、日中、夜間)にクラス分けして、該当する時間帯を1にしたりする。また、例えば、交通参加者情報において、各種の運転操作(ウインカ、クラクション、ブレーキ)がなされているか否かを1又は0で表現することができる。
このように各種の情報をシンボルベクトルを用いて表すことで、環境情報、自車両情報及び交通参加者情報を、容易にシンボル化することができる。また、ベクトルの次元を増減することにより、シンボル化する情報の増減にも容易に対応可能となる。なお、各交通参加者の情報を混同しないように、交通参加者情報は、対応するグリッド位置やラベルに関連付けて保存しておく。
こうしたシンボル化により、詳細なデータは削ぎ落とされるが、運転シーン全体をまとめて、簡潔に表現することが可能となるので、運転シーンの認識や予測においてロバスト性を得ることができる。例えば、図2に示すように、交通参加者が増加したり、あるいは減少したりしても、単にシンボルの表現が変化するだけである。このため、従来技術のように予測をやり直す必要は生じず、交通参加者の増減に柔軟に対応することが可能となる。
また、シンボル化は、上述した量子化による例以外にも、実施することが可能である。例えば、固有空間法やクラスタリング手法を適用してシンボル化を行っても良い。固有空間法は、良く知られているように、情報全体を集合とした場合に、その集合の共分散行列の固有ベクトルを部分空間の基底として用いて、情報を表す手法である。また、クラスタリング手法は、複数のデータを、クラス分けして分類する手法である。このような手法を適用することにより、より効率的に、各情報をシンボル化することができる。
例えば、自車両の周囲に定めるグリッドに対してクラスタリング手法を適用する場合、道路外となる範囲のグリッドを粗く設定し、道路内となる範囲のグリッドを細かく設定するようにする。これにより、重要度の高い情報は解像度を高くし、重要度の低い情報は低い解像度で表現することが可能になる。このようなクラスタリング手法の適用は、情報をクラス分けする必要がある場合、情報の種類を問わず適用可能である。
シンボル化実施部40によりシンボル化して記述された運転シーン情報は、相互作用推定部50及びシンボル遷移予測部60に与えられる。相互作用推定部50は、車両間の距離の変化や速度の変化などの車両挙動の変化、クラクションやウインカに対する周囲車両の反応、さらには車車間通信や路車間通信によりやり取りされる情報(他の交通参加者の挙動に関する情報を含む場合がある)に基づいて、交通参加者間の相互作用(以下、これをInfluenceと呼ぶ)を推定する。
以下に、Influenceを推定する手法の一例について説明する。
図3に示すように、検出エリアのm番目のグリッドからの各グリッドへのInfluenceを並べたベクトルをim(vec)=(im1,…,imNg)Tと定義する。但しNgはグリッド数である。更にグリッドの各点でのInfluenceのベクトル(im(vec);m=1,…,Ng)をまとめて、I=(i1(vec),…,iNg(vec))と書き、これをInfluence行列と呼ぶことにする。
また、検出エリアのm番目のグリッドで観測されたグリッドの状態変化(例えば、グリッドが車両で占有されていたとすると、車両の加速、減速、追従等のモード変化、ウインカの表示、非表示、クラクションの有無など)をrm(vec)=(rm1,…,rmNr)Tと表現する。但し、Nrは、観測すべきグリッドの状態変化として、予め設定されている「状態」の次元数である。Influenceと同様にグリッドの各点での状態変化(rm(vec); m =1,…,Ng)をまとめて、R=(r1(vec),…, rNg(vec))と書き、これを観測行列と呼ぶことにする。
観測行列Rによって示される各グリッドの状態変化を考慮して、時刻tにおけるInfluence行列Iの事後確率を求めることにより、各グリッド間におけるInfluenceを推定することができる。観測行列RのInfluenceの時間遷移についての条件付独立性、Influenceの時間遷移のマルコフ性を仮定すると、Influenceの事後確率は、下記の数式1のように再帰的な形式で書くことができる。なお、数式1を含め、以下に記載する数式において、太字はベクトルであることを示している。
Figure 2012128799
このとき、各グリッドにおけるInfluenceの事後確率は、数式1を分解すると、下記の数式2から得ることができる。
Figure 2012128799
m番目のグリッドにおけるInfluenceであるim(vec),tの尤度p(Rt|im(vec),t)は、観測行列Rがグリッドと観測行列Rの各次元についてそれぞれ独立であると仮定すると、以下の数式3に示すように分解することができる。
Figure 2012128799
このときp(rkl,t,rml,t|imk,t)は、Influenceで条件付けられたベルヌーイ過程を仮定して、以下の数式4のように表すことができる。
Figure 2012128799
ここで、パラメータμiは、以下の数式5に示すように、Influenceの有無で条件付けられるパラメータである。このパラメータμiは、実験的に適切な数値を定めても良いし、ベイズ推定等を利用して推定により求めても良い。
Figure 2012128799
また、数式2における各グリッドの事前確率p(im(vec),t|R1:t-1)は次のようにして求めることができる。時刻t−1から時刻tへの時間変化に伴って各交通参加者の相対的位置関係が変化することに起因して、Influenceのダイナミクスには空間的な要素が存在する。これを考慮するために、まず、グリッドの各点が時間変化に伴ってどのように遷移するかについて考える。
グリッドの遷移を考えるため、グリッド位置は、図4に示すような極座標系で表現されているとする。今、極座標系でのグリッド位置をg(p)=(ρ,θ)Tと書き、グリッドのインデックスをg(i)と書く。
時刻t−1→tでグリッド位置がm→nに変化する確率は、ガウス過程を仮定して、以下の数式6のように表すことができる。なお、Σは、分散共分散行列である。
Figure 2012128799
ここで、ハットg(p) m,tは時刻tにおける予測グリッド位置であり、観測された各グリッドの相対速度vm,t-1(極座標系)を用いて、以下の数式7によって算出することができる。
Figure 2012128799
このグリッドの遷移モデルを利用すると、時刻t−1におけるグリッドm’→n’のInfluenceが、時刻tにおいてグリッドm→nのInfluenceに遷移する確率は、以下の数式8により算出することができる。
Figure 2012128799
この数式8を利用して、各グリッド間におけるInfluenceの事前確率は、以下の数式9から求めることができる。
Figure 2012128799
以上により、各グリッド間におけるInfluenceの事後確率を時系列的に推定することができる。なお、この手法はグリッド間のInfluence(の事後確率)を推定するため、参加者の数に影響されないという特徴がある。また、上述した例では、Influenceがグリッドを遷移することを予測する際に移動ポテンシャル(相対速度vm,t-1)を利用する手法について説明したが、単純なマルコフ性を仮定して、実際に観測された実車データから、Influenceのグリッド間の遷移確率を学習しても良い。
図5は、上述した手法によって各グリッド間のInfluenceを求めるための処理を示すフローチャートである。まずステップS100において、各グリッドのInfluenceの事前確率を求めることにより、Influenceの予測を行う。
そして、ステップS110において、各交通参加者の状態を観測し、続くステップS120において、観測した交通参加者の状態に基づき、各グリッドでの状態変化を検出する。これにより、上述した観測行列Rを算出することができる。
最後にステップS130において、Influenceの事前確率と観測行列Rとに基づいて、各グリッド間の推定されたInfluenceの事後確率を算出する。
なお、上述した例では、一方のグリッドから他方のグリッドへのInfluenceの有無と、他方のグリッドから一方のグリッドへのInfluenceの有無は等しいとの仮定の下に、各グリッド間の状態変化を用いて、観測行列Rを算出した。しかしながら、同じグリッド間同士で必ずしも、作用方向が異なれば、Influenceの有無も等しいとは限らない。そのため、グリッド間の状態変化として、いずれかのグリッドの状態が変化したことに起因して、他のグリッドの状態が変化したとの因果関係を分析して、その因果関係に応じて観測行列Rをそれぞれ算出するようにしても良い。因果関係の分析には、単純には時間情報を利用して、先に起こった状態変化を要因とし、後で起こった状態変化を結果としても良い。これにより、同じグリッド間同士でも、作用方向に応じて、それぞれ独立してInfluenceの事後確率を推定することができるようになる。
次に、シンボル遷移予測部60において実行される、運転シーンの遷移を予測する処理について説明する。
例えば、図6(a)に示すような状況を想定する。図6(a)では、自車両の前後に先行車両Aと後続車両Bとが存在している。そして、自車両の運転者が先行車両Aとの車間距離を開けるために減速したとする。このとき、自車両と後続車両Bとの間でうまくインタラクションが取れているか(つまり、自車両と後続車両Bとの間にInfluenceがあるかどうか)で、数秒後の運転シーンは大きく変化する。Influenceがあれば(Influenceの事後確率が十分に大きければ)、自車両の減速に伴って後続車両Bも緩やかに減速する可能性が高いため、運転シーンは、図6(b)のように遷移する可能性が高くなる。一方、Influenceがなければ(Influenceの事後確率が十分大きくなければ)、自車両の減速が後続車両Bに与える影響が限定的なため、運転シーンは図6(c)のように遷移する可能性が高くなる。
以上の様に、Influenceを考慮するか否かで予測されうる運転シーンは大きく異なる。このInfluenceを考慮した遷移の予測は、例えば以下のようにして実現可能である。
前述したように、Influenceの事前確率を算出する際に、Influenceのグリッドの遷移を考えた(数式6〜数式9)が、その内の数式7を一部修正することで、簡単にInfluenceを考慮したグリッドの遷移予測を行うことができる。以下にその手法について説明する。
前述した数式7に示す、Influenceのグリッドの遷移モデルでは、各グリッドがもつ移動ポテンシャルを相対速度の形でモデル化し、それに従って次時刻のInfluenceが作用するグリッド位置を予測した。この遷移モデルを、以下の数式10で置き換える。
Figure 2012128799
そして、ハットvm,t-1を、Influenceを考慮するために、以下の数式11のように定める。
Figure 2012128799
これにより、Influenceの有無によって、移動ポテンシャル(ハットvm,t-1)を、切り替えることができる。すなわち、Influenceが有る場合には、相対速度vm,t-1が変化し、Influenceが無い場合には、相対速度vm,t-1が変化しない。従って、Influenceの有無に応じて、各グリッドがどのように遷移するか予測することが可能になる。
ただし、数式11では、相対速度vm,t-1を完全に切り替えてしまうため、Influenceの有無に応じて、各グリッドの遷移予測が大きく変化する。これに対して、Influenceの事後確率の大きさに応じて、各グリッド予測位置がより細かく遷移するようにすることも可能である。そのためには、以下の数式12を用いて、移動ポテンシャル(相対速度ハットvm,t-1)を算出すれば良い。
Figure 2012128799
数式12では、Influenceの事後確率を2種類の速度に対する重み付けとして用いている。従って、数式12を用いることにより、Influenceの事後確率の大きさに応じて連続的に変化する相対速度vm,t-1を算出することができる。
以上は、Influenceを考慮した運転シーンの予測に関する説明であるが、将来の運転シーンは、自車両が採る行動に依存して大きく変化する。このため、この先、自車両の採りうる行動の候補として、複数種類の行動を決定し、決定した各行動を起こしたときの運転シーンの遷移結果をそれぞれ予測する。さらに、予測した運転シーンの遷移結果において、自車両が採りうる行動の候補としての複数種類の行動を起こしたときの運転シーンの遷移結果を予測する処理を繰り返す。これにより、時系列的に順番に行われる複数の行動からなる行動系列の各々に対して、運転シーンが遷移する様子を予測することができる。すなわち、比較的長期間に渡って、運転シーンの移り変わりを高精度に予測することが可能になる。
図7に、シンボル遷移予測部60において実行される、運転シーンの遷移を予測する処理のフローチャートを示す。
ステップS200では、予測処理の繰り返し数を示す予測ステップ数が予め定めた所定回数Tよりも小さいか判定する。予測ステップ数が所定回数Tよりも小さい場合には、ステップS210以降の処理に進み、予測処理を継続して実行する。一方、予測ステップ数が所定回数Tに達した場合には、図7のフローチャートに示す処理を終了する。
ステップS210では、自車両の行動の候補を複数決定する。この自車両の行動の候補は、各時刻で取りうる行動からランダムに生成しても良いが、環境情報取得部10、交通参加者情報取得部20、自車両情報取得部30によって取得された情報に基づき、実行される可能性の高い行動を選択することが好ましい。
自車両の採りうる行動の候補数を増やすほど、将来の運転シーンの予測精度の向上を見込むことができるが、一方で、候補数の増加に応じて予測のための処理時間も長くなる問題も生じる。それに対して、走行環境に関する情報、交通参加者に関する情報、自車両に関する情報を考慮することで、自車両が採りうる行動として可能性の高い行動を絞り込むことができる。従って、自車両の採りうる行動の候補数をそれほど増やさずとも、精度の良い将来の運転シーンの予測を行うことができる。
例えば、天候などの影響により周囲の視界が低下しつつある場合には、運転者は、先行車両との車間距離を広げるように行動する可能性が高くなる。また、自車両のナビゲーション装置において、目的地までのルートが設定されている場合には、自車両の運転者は、そのルートに沿って走行するための行動(車線変更、右左折等)を採る可能性が高い。この場合、自車両の運転者は、例えば、車線変更をする、右左折するなどの運転行為をなすという観点で、自車両の採りうる行動を絞り込むことができる。
さらに、自車両の運転者は、それぞれ運転操作に多かれ少なかれ癖と呼べるような特徴を有しているものであり、そのような運転者の特徴などを行動モデルとして蓄積しておくことにより、自車両が採りうる行動として可能性が高い行動を絞り込むことができる。
このようにして定めた、時系列的に順番に行われる複数の行動からなる行動系列に関して、時刻tからτステップ後に生成されている行動系列を、ベクトルとして下記の数式13のように表現する。
Figure 2012128799
このようにして生成される各行動系列に従い、運転シーンの予測が行われる。すなわち、ステップS220において、グリッドの遷移予測(数式10〜12)が行われ、ステップS230において、Influenceの予測(数式6〜数式9)を実行する。なお、自車の移動ポテンシャルは、各時刻での行動候補に応じて適切に設定する。また、Influenceの予測においては、観測行列Rによる事後確率へのアップデートは実施されない。
以上のステップS210〜S230の処理を、予測ステップ数が所定回数Tに達するまで繰り返し実行することにより、図8に示すように、Ns個の予測された運転シーンが生成される。図8に示す例では、現時刻において、自車両が採りえる行動候補をA,B,Cの3種類としている。その後、それぞれの行動A,B,Cに基づいてグリッドの予測、及びInfluenceの予測を行うことにより、予測ステップが1ステップ進む。そして、予測された各運転シーン(運転シーンの遷移結果)において、さらに行動候補を選択し、それぞれの行動候補により運転シーンの遷移を予測する。このような予測を実施していくと、τステップ後には各ステップで取った行動が各次元に並んだ行動系列のベクトルと運転シーンを複数個(Ns個)得ることができる。
これらの行動系列のベクトルと運転シーンは、推奨操作生成・提示部70に与えられる。推奨操作生成・提示部70では、生成された運転シーンを分類し、評価することで、好ましい運転シーンに遷移する行動(系列)、ネガティブなシーンに遷移する行動(系列)を評価する。
図9のフローチャートに、推奨操作生成・提示部70が実行する処理を示す。ステップS300では、シンボル遷移予測部60から与えられた各予測運転シーンのスコア(評価値)を算出する。
推奨操作生成・提示部70は、運転シーンのスコアを算出するために、予め典型的な運転シーンを複数設定するとともに、各運転シーンに対して評価値を定めておく。典型的な運転シーンとして、例えば、渋滞が発生する運転シーン、事故が発生する運転シーン、車両の流れがスムーズである運転シーン、車線変更に適した運転シーン、右折に適した運転シーンなどを用いることができる。そして、好ましい(ポジティブな)運転シーンには正の評価値を与え、避けるべき(ネガティブな)運転シーンには負の評価値を与えておく。
そして、推奨操作生成・提示部70では、各予測運転シーンと典型的な運転シーンとの類似度から、その予測運転シーンのスコアを算出する。例えば、予測運転シーンをグリッドとInfluenceの情報をまとめてSt+τ|t= {It+τ|t,Gt+τ|t }と記述すると、予測運転シーンのスコアは、数式14によって算出できる。
Figure 2012128799
ここで、Sm*; m=1,...,Ncは予め設定した典型的な運転シーンであり、D(S1||S2)は運転シーン間の類似度を測る関数、αmは典型的な運転シーンの評価値である。なお、運転シーンの類似度は、例えばInfluenceとグリッドそれぞれのベクトル間距離を適当に重み付けして加算するなどして求めることができる。
続くステップS310では、ステップS300において算出した運転シーンのスコアを用いて、それぞれの行動系列における各ステップの行動のスコアを算出する。この各ステップの行動のスコアは、下記の数式15に示すように、各々の行動系列に含まれる行動に関して、その行動を経て最終的に遷移した各運転シーンのスコアの平均値から算出する。
Figure 2012128799
そして、ステップS320では、各々の行動系列に含まれる同時期の行動に関して、最もスコアが高い行動を、その時期における最適な行動として決定する。さらに、ステップS330では、ステップS320において決定された最適な行動に従い、運転者に対して推奨すべき運転操作を画像や音声を用いて提示する。
単に、最終的に遷移することが予測される運転シーンのスコアのみから、最も好ましい運転シーンを選択し、その運転シーンに遷移するための行動を最適な行動として決定することも可能ではある。しかし、その最も好ましい運転シーンに達する途中で、運転者が推奨運転操作とは異なる操作をしたりした場合に、例えばスコアが負となるような運転シーンに遷移する可能性がある場合には、その最も好ましい運転シーンに達するための運転操作が必ずしも推奨運転操作に適しているとは言えない。この点、推奨操作生成・提示部70では、上述したように、推奨運転操作を決定する基礎となる行動を選択する際に、各行動を採ったときに遷移する可能性がある運転シーンのスコアの平均値を用いている。従って、少なくとも、通常であれば避けるべき運転シーンにつながる可能性がある運転操作を推奨することを回避することができる。
以下に、本実施形態の車両用推奨運転操作提示装置によるいくつかの動作例について説明する。
第1の動作例は、「車線変更」に関するものである。この場合、環境情報取得部10は、環境情報として、少なくとも「レーンマーク」「交差点までの距離」「信号状態」を取得する。交通参加者情報取得部20は、少なくとも周囲の車両の「位置」「速度」「ウインカ状態」を取得する。また、自車両情報取得部30は、少なくとも「位置」「速度」「操舵角」「ウインカ状態」を取得する。
シンボル化実施部40は自車両周囲のグリッド空間上に、各情報取得部10〜30にて取得された各情報をマッピングする。マッピングされた情報は、ベクトルとしてシンボル化され、相互作用推定部50及びシンボル遷移予測部60にそれぞれ送られる。
相互作用推定部50では、グリッド空間にマッピングされた各交通参加者との相互作用の有無を推定する。推定された相互作用は、運転シーンシンボルと対応させたInfluence行列Iの形でシンボル遷移予測部60に送られる。
シンボル遷移予測部60では、運転シーンシンボルとInfluence行列Iを利用して運転シーンがどの様に遷移するかを予測する。すなわち、自車の車線変更の有無を仮定して、運転シーンシンボルがどの様なシーンに遷移する確率が高いか算出する。この際、例えば、渋滞や事故に陥るシーンの発生確率を利用して、車線変更の効果を計ることができる。また、車線変更に適した状態になる発生確率を利用することにより、より直接的に、車線変更を行うに適した運転シーンをもたらす行動を推測することができる。この効果を表示・音等を利用してドライバに表示し、車線変更の実行如何を促す。
また、相互作用推定部50で推定される、自車両の「ウインカ」等の行動に対して合流先車線の車両が反応行動を示すか否かを表示・音等により運転者に通知することで、高速道路等の合流シーンでのスムーズな合流を促すことも可能となる。
第2の動作例は、「渋滞発生の抑制」に関するものである。この場合、環境情報取得部10は、環境情報として、少なくとも「道路形状」「道路勾配」を取得する。交通参加者情報取得部20は、少なくとも周囲の車両の「位置」「速度」を取得する。また、自車両情報取得部30は、少なくとも「位置」「速度」を取得する。
そして、シンボル遷移予測部60が、運転シーンがどの様に遷移するかを予測する際に、自車両の加減速行動や車線変更の有無を仮定して、運転シーンシンボルがどの様なシーンに遷移する確率が高いか算出する。これにより、渋滞に陥るシーンの発生確率を利用して、自車両の行動の効果を計ることができる。この効果を表示・音等を利用して運転者に実行如何を促す。
第3の動作例は、「右直事故回避」に関するものである。つまり、自車両が交差点を右折する場合に、対向車線を直進する他車両との接触や、自車両が交差点を直進する場合に、対向車線から右折しようとしている他車両との接触を回避するために好ましい推奨運転動作を提示するものである。
この場合、環境情報取得部10は、環境情報として、少なくとも「交差点形状」「死角比率」を取得する。交通参加者情報取得部20は、少なくとも周囲の車両の「位置」「速度」「ウインカ状態」及び「信号機の状態」を取得する。また、自車両情報取得部30は、少なくとも「位置」「速度」「ウインカ状態」を取得する。
そして、シンボル遷移予測部60が、運転シーンがどの様に遷移するかを予測する際。自車の加減速行動や停車(待ち行動)の有無を仮定して、運転シーンシンボルがどの様なシーンに遷移する確率が高いか算出する。これにより、事故に陥るシーンの発生確率を利用して、自車両の行動の効果を計ることができる。この効果を表示・音等を利用してドライバに実行如何を促す。
また、上述した右直事故の多くは、相互作用(Influence)の欠如により生じることが多い。このため、相互作用推定部50での結果をそのまま運転者に通知することも有効である。
以上、説明したように、本実施形態の車両用推奨運転操作提示装置によれば、シンボル遷移予測部60が、自車両が採りうる行動の候補に対して、シンボル化して記述された運転シーンがどのように遷移するかを予測する。その際、シンボル遷移予測部60は、自車両を含む各交通参加者の状態の変化に基づいて推定された、自車両の行動が交通参加者の行動に与えるInfluenceを用いて、シンボル化された運転シーンがどのように遷移するかを予測する。従って、運転シーンの遷移の予測において、大幅に演算量を低減することができるとともに、各交通参加者の実際の状態変化に基づいてInfluenceを推定しているため、運転シーンの遷移の予測精度も向上することができる。
10 環境情報取得部
20 交通参加者情報取得部
30 自車両情報取得部
40 シンボル化実施部
50 相互作用推定部
60 シンボル遷移予測部
70 推奨操作生成・提示部

Claims (9)

  1. 自車両が走行する走行環境に関する情報を取得する走行環境情報取得手段と、
    前記自車両の周辺において、交通に参加している交通参加者を検出する交通参加者検出手段と、
    前記自車両が置かれた運転シーンを、その運転シーンを構成する前記走行環境に関する情報、前記自車両の情報及び前記交通参加者の情報をシンボル化しつつ記述するシンボル化手段と、
    前記自車両を含む各交通参加者の状態の変化に基づいて、前記自車両の行動が前記交通参加者の行動に与える影響を相互作用として推定する相互作用推定手段と、
    前記自車両が採りうる行動の候補に対して、前記相互作用推定手段によって推定された相互作用に基づき、前記シンボル化手段により各情報がシンボル化して記述された運転シーンが遷移する様子を予測する予測手段と、を備えることを特徴とする運転シーンの遷移予測装置。
  2. 前記シンボル化手段は、自車両の周囲に仮想のグリッドを定め、前記交通参加者検出手段によって検出された交通参加者を該当する位置のグリッドに当て嵌めることにより、各交通参加者の位置を表現しつつ、走行環境、自車両、及び交通参加者に関して、予め定められたシンボル化すべき情報を要素とするシンボルベクトルを用いて、前記運転シーンをシンボル化することを特徴とする請求項1に記載の運転シーンの遷移予測装置。
  3. 前記予測手段は、前記自車両が採りうる行動の候補として複数種類の行動を決定し、決定した各行動を起こしたときの運転シーンの遷移結果をそれぞれ予測し、さらに、予測した運転シーンの遷移結果において、前記自車両が採りうる行動の候補としての複数種類の行動を起こしたときの運転シーンの遷移結果を予測する処理を繰り返すことにより、時系列的に順番に行われる複数の行動からなる行動系列の各々に対して、前記運転シーンが遷移する様子を予測することを特徴とする請求項1又は2に記載の運転シーンの遷移予測装置。
  4. 前記予測手段は、前記走行環境情報取得手段によって取得された走行環境に関する情報に基づいて、前記自車両が採りうる行動の候補を決定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の運転シーンの遷移予測装置。
  5. 前記自車両の運転者に関する情報を取得する運転者情報取得手段を備え、
    前記予測手段は、前記運転者情報取得手段によって取得された運転者に関する情報に基づいて、前記自車両が採りうる行動の候補を決定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の運転シーンの遷移予測装置。
  6. 前記運転者情報取得手段は、前記自車両の運転者が希望する運転行為に関する情報を取得する手段を含み、
    前記予測手段は、前記自車両の運転者が希望する運転行為をなすために前記自車両が採りうる行動を、前記自車両が採りうる行動の候補として決定することを特徴とする請求項5に記載の運転シーンの遷移予測装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の運転シーンの遷移予測装置と、
    前記運転シーンの遷移予測装置の予測手段による予測結果に基づいて、推奨すべき運転操作を決定し、前記自車両の運転者に提示する推奨運転操作提示手段と、を備えることを特徴とする車両用推奨運転操作提示装置。
  8. 前記推奨運転操作提示手段は、予め典型的な運転シーンを複数設定するとともに、各運転シーンに対して評価値を定めておき、予測された運転シーンの遷移結果と典型的な運転シーンとの類似度から、その予測された運転シーンの遷移結果の評価値を算出し、その評価値に基づいて、推奨すべき運転操作を決定することを特徴とする請求項7に記載の車両用推奨運転操作装置。
  9. 前記予測手段が、前記自車両が採りうる行動の候補として複数種類の行動を決定し、決定した各行動を起こしたときの運転シーンの遷移結果をそれぞれ予測し、さらに、予測した運転シーンの遷移結果において、前記自車両が採りうる行動の候補としての複数種類の行動を起こしたときの運転シーンの遷移結果を予測する処理を繰り返すことにより、時系列的に順番に行われる複数の行動からなる行動系列の各々に対して、前記運転シーンが遷移する様子を予測した場合に、前記推奨運転操作提示手段は、前記行動系列の各々により、最終的に遷移することが予測される運転シーンの評価値を算出するとともに、各々の行動系列に含まれる同時期の行動に関して、その行動を経て最終的に遷移した各運転シーンの評価値の平均値を算出し、その平均値が最大となる行動に従い、推奨すべき運転操作を決定することを特徴とする請求項8に記載の車両用推奨運転操作装置。
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