JP2012129333A - 電極箔およびこれを用いた電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】電解コンデンサの大容量化を実現することを目的とする。
【解決手段】この目的を達成するため本発明は、基材14と、基材14の上面に形成され、内部に空隙を有する第一粗膜層15と、基材14の下面に形成され、内部に空隙を有する第二粗膜層16と、を備え、これらの第一、第二粗膜層15、16は、基材14上に複数の金属微粒子17が積み重なり、基材14から所定方向に湾曲して伸びるように形成された柱状体18が複数並んで構成され、第一粗膜層15の柱状体18と第二粗膜層16の柱状体18とは、基材14の水平面に対して面対称に湾曲しているものとした。これにより本発明は、粗膜層の表面積を更に拡大し、電解コンデンサ5の大容量化を実現できるとともに電極箔7のクラック発生を抑制できる。
【選択図】図2

Description

本発明は電極箔およびこれを用いた電解コンデンサに関するものである。
コンデンサとしては、電源回路の平滑用などに使用されるアルミ電解コンデンサや、パーソナルコンピュータのCPU周りに使用される低ESRの固体電解コンデンサなどが挙げられる。これらのコンデンサには、小型大容量化が強く望まれている。
例えば従来の巻回型のアルミ電解コンデンサは、セパレータを介して巻回された正負一対の電極箔と、これらの電極箔と接続され、外部にそれぞれの電極を引き出す外部端子とを有するコンデンサ素子と、このコンデンサ素子に含浸させた陰極材料と、この陰極材料とともに前記コンデンサ素子を収容するケースと、前記外部端子の一部が外部に露出するように、ケースを封止した封止部材と、を備えている。
ここで電極箔を粗面化して表面積を大きくすることで高容量の電解コンデンサを実現できる。粗面化の方法としては、エッチングが一般的であるが、近年は蒸着による方法が検討されている。
蒸着により粗面化された電極箔は、例えば図7に示すように、アルミニウム箔からなる基材1と、この基材1上に形成された粗膜層2からなる。粗膜層2は、複数のアルミニウム微粒子3が積み重なり、基材1から伸びるように形成された柱状体4が複数並んで構成される。
なお、このように粗面化を促進すると電極箔の強度が弱くなりやすく、例えば電極箔を巻回する際、その応力負荷によって電極箔にクラックが入り、漏れ電流の原因となることがある。したがって、巻回後に修復化成を施し、クラックの入った電極箔表面に酸化被膜を形成している。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2008−288296号公報
従来の電極箔では、電解コンデンサの大容量化に限界があった。
すなわち、電解コンデンサの大容量化を図るには、微粒子3の重畳数を増やすか、或いは小さな微粒子3を積み重ね、粗膜層2の総表面積を大きくすればよい。しかし微粒子3を重畳するほど粗膜層2が厚膜化し、コンデンサの小型化が図れなくなる。また柱状体4は、高さが増すと垂直方向からの応力負荷に対して強度が低下してしまうことがある。一方微粒子3の粒径を小さくすれば粗膜層2の総表面積を大きくすることができるが、粗膜層2の機械的強度が低下し、また微粒子3間の接続部分が絶縁化され易くなり、結局電解コンデンサの高容量化に寄与しなくなる。
以上のように電極箔をこれ以上大容量化することは、難しい課題である。
そこで本発明は、電極箔をさらに大容量化することを目的とする。
この目的を達成するため本発明は、基材と、基材の上面に形成され、内部に空隙を有する第一粗膜層と、基材の下面に形成され、内部に空隙を有する第二粗膜層と、を備え、これらの第一、第二粗膜層は、基材上に複数の金属微粒子が積み重なり、基材から所定方向に湾曲して伸びるように形成された柱状体が複数並んで構成され、第一粗膜層の柱状体と第二粗膜層の柱状体とは、基材の水平面に対して面対称に湾曲しているものとした。
これにより本発明は、電解コンデンサをさらに大容量化することができる。
その理由は、金属微粒子を湾曲するように積み重ねることによって、第一、第二粗膜層の厚みが薄くても金属微粒子の重畳数を増やせるからである。これにより本発明は、第一、第二粗膜層の総表面積を拡大し、結果として電解コンデンサをさらに大容量化できる。
また本発明は、柱状体が湾曲して伸びる方向をコンデンサ素子の巻回方向と同じ方向にすることができ、巻回時における電極箔のクラック発生を抑制できる。
本発明の実施例1における電解コンデンサの一部切欠き斜視図 本発明の実施例1における電極箔の断面図 本発明の実施例1における電極箔を巻回した時の模式断面図 本発明の実施例1における蒸着装置の模式図 本発明の実施例2における電極箔の断面図 本発明の実施例2における電極箔を500倍にしたSEM写真 従来の電極箔の断面図
(実施例1)
以下、本実施例における電極箔と、この電極箔を用いた電解コンデンサについて説明する。
図1は本実施例の巻回型電解コンデンサ5である。この電解コンデンサ5は、セパレータ6を介して巻回された正負一対の電極箔7、8を有するコンデンサ素子9と、このコンデンサ素子9に含浸させた陰極材料としての電解液と、を備えている。正負の電極箔7、8は、それぞれの電極を引き出す外部端子10、11と接続される。またコンデンサ素子9と電解液はケース12に収容され、このケース12は外部端子10、11の一部が露出するように封止部材13で封止される。
また図2に示すように、本実施例の正極側の電極箔7は、基材14と、基材14の上面に形成され、内部に空隙を有する第一粗膜層15と、基材14の下面に形成され、内部に空隙を有する第二粗膜層16と、を備えている。基材14および第一粗膜層15、第二粗膜層16の表面には、誘電膜(図示せず)が形成されている。
第一粗膜層15、第二粗膜層16は、基材14上に複数の金属微粒子17が積み重なり、基材14から所定方向に湾曲して伸びるように形成された柱状体18が複数並んで構成されている。金属微粒子17は図2に示すように複数に枝分かれしながら連なってもよく、全体として柱状体18が湾曲していればよい。第一粗膜層15、第二粗膜層16は、全体が一体となった多孔質層ではなく、基材14から複数の房状の柱状体18が生えている状態である。第一粗膜層15の柱状体18は、それぞれ平行に湾曲している。また第二粗膜層16の柱状体18も、それぞれ平行に湾曲している。
また第一粗膜層15の柱状体18と、第二粗膜層16の柱状体18とは、基材の水平面(X−X断面)に対して面対称に湾曲している。
金属微粒子17の平均粒子径は、0.01μm以上0.20μm以下である。この平均粒子径は、例えば第一粗膜層15、第二粗膜層16の水平断面、あるいは垂直断面を移したSEM写真によって測定できる。
また第一粗膜層15、第二粗膜層16は多数の空孔を備え、この空孔径の最頻値は、金属微粒子17の平均粒子径とほぼ同様で、0.01μm以上0.20μm以下である。空孔径は、水銀圧入法によって計測することができ、これによって得た空孔径の分布のピーク値を空孔径の最頻値とした。この空孔によって、第一粗膜層15、第二粗膜層16の空隙率は50〜80%程度となる。
また本実施例では、基材14の厚みが20〜30μm、第一粗膜層15、第二粗膜層16の厚みが20〜80μmである。粗膜層の厚みは、20μmよりも薄いと表面積を拡大しにくく、80μmよりも厚いと現状の蒸着技術では機械的強度が低下する。
基材14は、本実施例ではアルミニウム箔を用いたが、アルミニウム以外にも、アルミニウム合金やチタン、ニオブ、タンタルなど、種々の弁金属を初めとする金属材料やその合金材料など、種々の導電性材料を用いることができる。
金属微粒子17は、本実施例では基材14と同様にアルミニウムを用いたが、その他の弁金属材料や合金材料等を用いることができる。
金属微粒子17と基材14とは異なる材料であってもよいが、本実施例のように、同じ材料で形成するほうが好ましい。蒸着工程における金属微粒子17の潜熱で基材14が適度に軟化するため、基材14の形状を維持しつつ、基材14と金属微粒子17との密着性を高めることができるからである。また本実施例では、金属微粒子17及び基材14のいずれもアルミニウムからなり、比較的融点が低いため、生産性を高めることができる。
なお、金属微粒子17の一部は酸化物あるいは窒化物で構成されていてもよい。すなわち、粗膜層が全体として導電性を有していればよいため、一部の金属微粒子17が酸化物や窒化物からなるものであってもよい。
以上の電極箔7は、巻回すると図3に示すような構成となる。図3において、説明を簡易にするため、柱状体18は基材14の上下面に一つずつ示したが、本来はそれぞれ多数並んでいる。ここで上下の柱状体18はいずれも基材14から右方向に突出し、弧を描きながら左側へ(矢印A、B方向へ)と伸びるように湾曲する。そしてこれらの柱状体18が形成された基材14の表面の地点において、電極箔7の巻回方向(矢印C)も、右から左側へと向いている。したがって、本実施例では第一粗膜層15、第二粗膜層16の柱状体18が湾曲して伸びる方向(矢印A、B)と、電極箔7の巻回方向(矢印C)とが同じ方向となっている。
図4は本実施例で用いた第一粗膜層15、第二粗膜層16を形成するための蒸着装置19の模式図である。本実施例では、抵抗加熱式の蒸着装置19を用いた。
この蒸着装置19は、真空ポンプと連結された真空槽内に基材14を供給する巻き出しローラー20と、この巻き出しローラー20から移送された基材14を巻き取る巻き取りローラー21と、巻き出しローラー20と巻き取りローラー21との間で、基材14と対向する位置に設けられた蒸着用ボート22と、この蒸着用ボート22に蒸着材料を供給する供給部23とを備えている。
蒸着条件は、初期の真空度が0.01〜0.001Paであり、その後蒸着層内にアルゴンガスと酸素ガスとをAr:O2=1:2〜6の割合で流入し、基材14周辺の圧力を10〜30Paの状態にする。また基材14の温度を150〜300℃の範囲に保つ。
基材14は巻き出しローラー20から巻き取りローラー21へと、水平に、所定方向(矢印P方向)に移送される。そして蒸着用ボート22はその両端が図示しない電源に繋がれ、抵抗加熱によって発熱する。発熱した蒸着用ボート22からは、金属微粒子17が蒸発し、移送中の基材14の表面に積み重なっていく。
この時、本実施例では、基材14をゆっくりと矢印P方向(水平方向)に移送させながら蒸着するため、蒸着用ボート22から基材14へと斜め方向Q1、垂直方向Q2、斜め方向Q3に蒸発した金属微粒子17が、粒子の原形を維持しながら、順に積層していく。したがって、柱状体18は湾曲構造となるのである。
本実施例では、上記のように第一粗膜層15、第二粗膜層16を蒸着により形成した後、化成電圧5V、保持時間20分、7%アジピン酸アンモニウム水溶液、70℃、0.05A/cm2で陽極化成を行い、基材14および第一粗膜層15、第二粗膜層16の表面に酸化アルミニウムからなる誘電膜を形成した。
なお、誘電膜は陽極化成以外にも、蒸着やスパッタなどを用いて形成してもよい。そして誘電膜の組成は、ジルコニウム、シリコン、タンタル、ニオブなどの金属の酸化物や、窒化物などの化合物で形成することもできる。
このように電極箔7を形成後、インピーダンスアナライザーを用い、8%ホウ酸アンモニウム水溶液、30℃、測定面積10cm2、測定周波数120Hzの条件下で静電容量を測定した。誘電膜の膜厚は、0.01μm程度である。
本実施例では、電極箔7の単位体積あたりの静電容量は35〜50μF/cm2/μmとなった。また第一粗膜層15、第二粗膜層16の単位体積あたりの表面積は、5.0×104cm2/cm3〜12.0×104cm2/cm3であった。なお、この静電容量および表面積の値は、電極箔7を上記条件で化成して誘電膜を形成した後の値である。
一方で、図7に示す従来の電極箔の場合は、単位体積あたりの静電容量は25〜30μF/cm2/μm程度であった。この粗膜層2の単位体積あたりの表面積は、4.0×104cm2/cm3程度であった。
以下、本実施例の効果を説明する。
本実施例では、電極箔7の表面積を大きくし、電解コンデンサ5を大容量化することができる。
その理由は、金属微粒子17を湾曲するように積み重ねることによって、第一粗膜層15、第二粗膜層16の厚みが薄くても金属微粒子17の重畳数を増やせるからである。これにより本発明は、第一粗膜層15、第二粗膜層16の総表面積を拡大し、結果として電極箔7をさらに大容量化できる。
また本実施例では、第一粗膜層15と第二粗膜層16の柱状体18がいずれもコンデンサ素子9の巻回方向に沿うように湾曲して伸びている。したがって電極箔7を巻回する際に柱状体18は応力付加がかかりにくくなり、電極箔7のクラック発生を抑制できる。
なお、本実施例の柱状体18は、電極箔7内においてほぼ均一な曲率に形成したが、電極箔7内で段階的に曲率を変えてもよい。例えば、電極箔7を巻き回す際の中心部分(巻芯部分直径0.5mm〜3mm程度)に形成された柱状体18の曲率を大きくし、最外層に向けて除除に曲率を小さくしてもよい。これは、巻き回した電極箔7の曲率が、巻芯から最外層に向けて小さくなるのに合わせるためである。これにより柱状体18はさらに電極箔7の巻回構造に沿い易くなり、電極箔7のクラック発生を効率よく抑制できる。
(実施例2)
本実施例では、図5に示すように、第一粗膜層15、第二粗膜層16は、それぞれ二層の粗膜層15A、15B、または粗膜層16A、16Bが基材14の水平面に対して垂直方向に積層した積層体からなる点である。各粗膜層15A、15B、16A、16Bも、それぞれの柱状体18を、電極箔7または8の巻回方向、すなわちコンデンサ素子9の巻回方向と同じ方向に湾曲して伸びる構成とすることによって、電極箔7のクラック発生を抑制できる。
なお、図6は図5に示す電極箔7の第一粗膜層15側を写したSEM写真である。
上記のような第一粗膜層15、第二粗膜層16は、実施例1の図4に示す蒸着工程を1サイクルとした時、積層する粗膜層の層数に応じたサイクルで蒸着することにより形成できる。
さらに本実施例では、第一粗膜層15、第二粗膜層16を複数の粗膜層15A、15B、または16A、16Bからなる積層体とすることによって、一層で構成する場合よりも湾曲する回数が多くなり、積み重なる金属微粒子17の数を更に増大させ、第一粗膜層15、第二粗膜層16の表面積を拡大できる。粗膜層の層数は、二層以上の三層、四層でもよい。
また第一粗膜層15、第二粗膜層16の厚みが同じ条件下では、第一粗膜層15を一層で構成しようとすると、柱状体18を極端に屈曲させカーブを急角度にしなければ、金属微粒子17の重畳数を大幅に増やすことはできない。しかし複数層の第一粗膜層15、第二粗膜層16で構成する場合、緩やかに屈曲させた柱状体18を積み重ねればよいため、第一粗膜層15、第二粗膜層16全体の機械的強度を高めることができる。
本実施例においても、実施例1と同様に、それぞれの粗膜層15A、15B、16A、16Bにおいて、巻芯から最外層に向けて柱状体18の曲率を除除に小さくしてもよい。その他実施例1と同様の構成および効果については説明を省略する。
なお上記実施例1、2では、正極側の電極箔7について述べたが、負極側の電極箔8についても適用できる。また正負双方の電極箔7、8にも適用できる。また上記電極箔は、電極箔を九十九折にする積層型電解コンデンサにも用いることができる。すなわち電極箔を九十九折に屈曲させる方向と、柱状体18が湾曲して伸びる方向を同じ方向にすることにより、電極箔のクラック発生を抑制できる。
また上記実施例1、2では、陰極材料として電解液を用いたが、導電性高分子からなる固体電解質を用いてもよく、また電解液と固体電解質とを併用してもよい。
本発明は、小型大容量の電解コンデンサに有用である。
5 電解コンデンサ
6 セパレータ
7 電極箔
8 電極箔
9 コンデンサ素子
10 外部端子
11 外部端子
12 ケース
13 封止部材
14 基材
15 第一粗膜層
15A、15B 粗膜層
16 第二粗膜層
16A、16B 粗膜層
17 金属微粒子
18 柱状体
19 蒸着装置
20 巻き出しローラー
21 巻き取りローラー
22 蒸着用ボート
23 供給部

Claims (4)

  1. 基材と、基材の上面に形成され、内部に空隙を有する第一粗膜層と、基材の下面に形成され、内部に空隙を有する第二粗膜層と、を備え、
    これらの第一、第二粗膜層は、前記基材上に複数の金属微粒子が積み重なり、前記基材から所定方向に湾曲して伸びるように形成された柱状体が複数並んで構成され、
    前記第一粗膜層の前記柱状体と前記第二粗膜層の前記柱状体とは、前記基材の水平面に対して面対称に湾曲している、電極箔。
  2. 前記第一、第二粗膜層は、それぞれ前記基材の水平面に対して垂直方向に積み重なった複数の粗膜層からなる、請求項1に記載の電極箔。
  3. 前記粗膜層の単位体積あたりの表面積は、5.0×104cm2/cm3以上である、請求項1または2に記載の電極箔。
  4. セパレータを介して巻回され、また折り曲げられた正負一対の電極箔を有するコンデンサ素子と、このコンデンサ素子に含浸させた陰極材料と、を備え、
    前記正負の電極箔の少なくともいずれか一方は、請求項1に記載の電極箔であり、
    前記柱状体が形成された点における前記電極箔の巻回方向と前記柱状体が伸びる方向とは、同じ方向である、電解コンデンサ。
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