JP2012135523A - 超音波診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ドプラモードの超音波検査の効率向上を実現すること。
【解決手段】観測領域設定部20は、超音波送信ビームの送信方向の直交方向に関する観測領域の範囲を、ユーザからの指示に従って設定する。超音波プローブ10は、設定された範囲を有する観測領域に超音波送信ビームを送信し、観測領域からの超音波に応じたエコー信号を発生する。受信部34は、発生されたエコー信号に基づいて、設定された範囲に応じた複数の超音波受信ビームにそれぞれ対応する複数のデータセットを生成する。ドプラ処理部46は、生成された複数のデータセットに基づいて、観測領域内の血流に由来する単一のドプラ波形に関するドプラ画像のデータを生成する。
【選択図】 図1
【解決手段】観測領域設定部20は、超音波送信ビームの送信方向の直交方向に関する観測領域の範囲を、ユーザからの指示に従って設定する。超音波プローブ10は、設定された範囲を有する観測領域に超音波送信ビームを送信し、観測領域からの超音波に応じたエコー信号を発生する。受信部34は、発生されたエコー信号に基づいて、設定された範囲に応じた複数の超音波受信ビームにそれぞれ対応する複数のデータセットを生成する。ドプラ処理部46は、生成された複数のデータセットに基づいて、観測領域内の血流に由来する単一のドプラ波形に関するドプラ画像のデータを生成する。
【選択図】 図1
Description
本発明の実施形態は、超音波診断装置に関する。
超音波検査において血流速度を観察するためにドプラモードが利用されている。ドプラモードには、パルス波によるPWD(pulsed wave doppler)と連続波によるCWD(continuous wave doppler)とがある。PWDの場合、送信ビームの方向及び焦点位置(観測領域の位置及び深さ方向に関する範囲)は、サンプリングゲートにより設定される。CWDの場合、送信ビームの焦点位置は、サンプリングマーカにより設定される。CWDの場合、送信ビームが占める空間領域が観測領域である。
被検体の体動により、観測対象の位置と観測領域の位置とがずれてしまう場合がある。その度に超音波プローブの位置を調整したり、サンプリングゲートやサンプリングマーカを調整したりしている。PWDの場合、予め深さ方向の範囲を広く設定することで、超音波ビームの深さ方向に関する位置ずれの影響を低減できる。しかしながら、観測対象が観測領域に対して深さ方向の直交方向にずれた場合、血流速度を検出できなくなり、観測を続行できなくなる。
目的は、ドプラモードの超音波検査の効率向上を実現する超音波診断装置を提供すること。
本実施形態に係る超音波診断装置は、超音波送信ビームの送信方向の直交方向に関する観測領域の範囲を、ユーザからの指示に従って設定する設定部と、前記設定された範囲を有する観測領域に超音波送信ビームを送信し、前記観測領域からの超音波に応じたエコー信号を発生する超音波プローブと、前記発生されたエコー信号に基づいて、前記設定された範囲に応じた複数の超音波受信ビームにそれぞれ対応する複数のデータセットを生成する並列同時受信部と、前記生成された複数のデータセットに基づいて前記観測領域内の血流に由来する単一のドプラ波形に関するドプラ画像のデータを生成するドプラ処理部と、を具備する。
以下、図面を参照しながら本実施形態に係わる超音波診断装置を説明する。
本実施形態に係る超音波診断装置は、パルス波によるPWDと連続波によるCWDとの何れにも適用可能である。しかしながら、以下の説明を具体的に行うため本実施形態に係る超音波診断装置は、PWDを実行するものとする。
図1は、本実施形態に係る超音波診断装置の構成を示す図である。図1に示すように、超音波診断装置1は、超音波プローブ10、観測領域設定部20、送受信部30、信号処理部40、画像処理部50、表示部60、操作部70、記憶部80、システム制御部900を備える。
超音波プローブ10は、1次元又は2次元状に配列された複数の振動子を有する。振動子は、送受信部30からの送信駆動パルスを受け、超音波を被検体に向けてビーム状に送信する。超音波は、パルス繰り返し周波数(pulse repetition frequency:以下PRFと呼ぶことにする)に対応する時間間隔で繰り返し発生される。PRFは、典型的には、4kHzから12kHzまでの間に設定される。送信された超音波は、被検体の体内組織の音響インピーダンスの不連続点(エコー源)で次々と反射される。超音波が血流等の移動体により反射されると、超音波は、ドプラ偏移を受ける。反射された超音波は、振動子に受信される。受信された超音波は、振動子によりエコー信号(電気信号)に変換される。エコー信号は、送受信部30に供給される。
ここで図2を参照しながら本実施形態に係る座標系について説明する。図2に示すように、超音波プローブ上の振動子の配列面(超音波の送受信面)は、Y軸とZ軸とにより規定される。より詳細には、一列に配列された複数の振動子から構成される振動子列は、Y軸に平行に配置される。Y軸に沿う方向は、アジマス(azimuth)方向と呼ばれている。複数の振動子列は、Z軸に沿って配列される。Z軸に沿う方向は、エレベーション(elevation)方向と呼ばれている。X軸は、Y軸とZ軸との両方に直交する。X軸は、レンジ(range)方向と呼ばれている。X軸は、振動子の配列面の中点CPを通り、配列面に直交する。
次に図2を参照しながらBモード時の走査面SPを基準とする方向について説明する。図2において走査面SPは、YX面に設定されているとする。各超音波ビームの送信方向は、深さ方向(depth)方向と呼ばれている。走査面SP内における深さ方向の直交方向は、ラテラル(lateral)方向と呼ばれている。スキャン方式がセクタスキャンの場合、超音波ビームは扇状に走査される。従ってセクタスキャンの場合、ラテラル方向は、アジマス方向に平行しない。深さ方向とラテラル方向との直交方向は、煽り方向と呼ばれている。3次元スキャンの場合、走査面SPや超音波プローブ10が煽り方向に振られる。なお、スキャン方式がリニアスキャンの場合、超音波ビームはアジマス方向に沿って直線状に走査される。従ってリニアスキャンの場合、ラテラル方向は、アジマス方向に平行する。
また、上述の説明において走査面は、YX面により設定されるとした。しかしながら、本実施形態に係る走査面はYX面のみに限定されない。本実施形態に係る走査面は、XYZ座標系内のあらゆる平面に設定可能である。XYZ座標系における走査面位置の変更に伴い、ラテラル方向の向きは、XYZ座標系において変更される。
観測領域設定部20は、ドプラモードの観測領域の位置と範囲とを、ユーザからの操作部70を介した指示に従って設定する。観測領域は、ドプラサンプリングゲート(doppler sampling gate)とも呼ばれている。具体的には、観測領域設定部20は、観測領域の位置、深さ方向に関する観測領域の範囲、及び深さ方向の直交方向に関する観測領域の範囲を、ユーザからの操作部を介した指示に従って設定する。深さ方向に関する観測領域の範囲を深さ範囲と呼ぶことにする。深さ範囲は、レンジゲートと呼ばれている。深さ方向の直交方向は、ラテラル方向、煽り方向だけでなく、アジマス方向、エレベーション方向、及びレンジ方向の組合せにより規定されるあらゆる方向を意味する。以下では、説明の簡単のため、直交方向に関する観測領域の範囲の設定方向(上述の深さ方向の直交方向)は、ラテラル方向であるものとする。ラテラル方向に関する観測領域の範囲をラテラル範囲と呼ぶことにする。また、ラテラル範囲は、レンジゲートに倣って、ラテラルゲートと呼ぶことも可能である。このように観測領域設定部20は、深さ方向に関するゲート幅だけでなく、ラテラル方向に関するゲート幅をも設定することができる。また、観測領域設定部20は、ラテラル範囲の設定に伴い、並列同時受信ビームの本数や角度等のスキャン条件を設定することができる。
送受信部30は、システム制御部90による制御に従って、超音波プローブ10を介して被検体に超音波スキャンを実行する。送受信部30は、Bモードスキャン、カラードプラモードスキャン、及びドプラモードスキャンを実行する。なお本実施形態において中心となるのは、ドプラモードスキャンである。送受信部30は、具体的には、送信部32と受信部34とを有する。
送信部32は、超音波プローブ10を介して被検体に送信ビームを送信する。
具体的には、送信部32は、図示しない制御信号発生器、遅延回路、及び駆動回路を有する。制御信号発生器は、既定のPRFに従って、送信波形制御信号(レートパルス)をチャンネル毎に繰り返し発生する。遅延回路は、発生された各送信波形制御信号に対して、所定の送信方向及び送信フォーカスに関する送信ビームを生成するのに必要な遅延時間を与える。この遅延時間は、送信フォーカス位置と送信方向とに応じて振動子毎に決定される。駆動回路は、各遅延された送信波形制御信号に基づくタイミングで送信駆動パルスを発生し、発生された送信駆動パルスを各振動子に供給する。送信駆動パルスの供給を受けた各振動子は、超音波を発生する。これにより超音波プローブ10は、観測領域内に送信フォーカスを有する送信ビームを送信する。
受信部34は、被検体により反射された超音波に応じたエコー信号を超音波プローブ10を介して受信する。そして受信部34は、並列同時受信の技術を利用し、1つの送信ビームに由来する複数の受信ビームに対応する複数のデータセット(ビームデータセット)を生成する。
具体的には、受信部34は、図示しないプリアンプ、A/D変換器、及びビームフォーマを有する。プリアンプは、超音波プローブ10からのエコー信号を増幅する。A/D変換器は、増幅されたエコー信号をアナログからデジタルに変換する。デジタルのエコー信号をエコーデータと呼ぶことにする。
ビームフォーマは、エコーデータをデジタルメモリに記憶する。デジタルメモリは、例えば、振動子毎に設けられている。エコーデータは、受信した振動子に対応するデジタルメモリ上の、そのエコーデータの受信時刻に応じたアドレスに記憶される。一方、ビームフォーマは、走査面上の各受信フォーカス位置について、受信ビームを生成するのに必要な受信遅延時間を振動子毎に予め計算し、受信フォーカス位置とアドレス(又は受信時刻)とを振動子毎に関連付けたテーブルを記憶している。ビームフォーマは、所定の受信フォーカス位置にテーブル上で関連付けられたアドレスからエコー信号を読み出して加算する。受信フォーカス位置を送信ビーム上に沿って変更しながらこの加算処理を繰り返すことにより、1つの受信ビームに対応するエコーデータのセットを生成する。受信ビームに対応するエコーデータのセットをビームデータセットと呼ぶことにする。ビームフォーマは、並列同時受信の技術を利用し、1つの送信ビームに対応するエコーデータに基づいて、複数の受信ビームにそれぞれ対応する複数のビームデータセットを生成する。換言すれば、1つの送信ビームについて複数の受信ビームが形成される。複数のビームデータセットは、信号処理部50に供給される。
信号処理部40は、受信部34からの複数のビームデータセットに基づいてスキャンモードに応じた信号処理を行う。具体的には、信号処理部40は、Bモード処理部42、カラードプラ処理部44、及びドプラ処理部46を有する。
Bモード処理部42は、複数のビームデータセットをBモード処理し、ビームデータセットの強度を輝度で表現するBモード画像のデータを生成する。生成されたBモード画像のデータは、画像処理部50に供給される。
カラードプラ処理部44は、複数のビームデータセットをカラードプラ処理し、血流情報をカラーで表現するカラードプラ画像のデータを生成する。カラードプラ処理は、自己相関法を利用した周波数分析である。生成されたカラードプラ画像のデータは、画像処理部50に供給される。
ドプラ処理部46は、複数のビームデータセットをドプラ処理し、観測領域設定部20により設定された観測領域に関するドプラ画像のデータを生成する。ドプラ画像は、観測領域内の血流に由来するドプラ波形を表す。ドプラ波形は、複数の並列同時受信ビームの各々について生成されず、複数の並列同時受信ビームについて1つ生成される。生成されたドプラ画像のデータは、画像処理部50に供給される。
画像処理部50は、Bモード画像のデータやカラードプラ画像のデータ、ドプラ画像のデータに座標変換を施し、表示部60に表示可能なBモード画像のデータやカラードプラ画像のデータ、ドプラ画像のデータを生成する。また、画像処理部50は、Bモード画像、カラードプラ画像、及びドプラ画像の少なくとも1つの画像を合成したりする。
表示部60は、画像処理部50からのBモード画像やカラードプラ画像、ドプラ画像を表示する。また、表示部60は、観測領域の位置や範囲の設定画面を表示する。
操作部70は、ユーザからの入力デバイスを介して入力された各種指令や情報入力をシステム制御部90に入力する。具体的には、操作部70は、超音波走査の開始指示や終了指示を入力する。また、操作部70は、観測領域の位置や深さ範囲、ラテラル範囲を入力する。入力デバイスとしては、キーボード、マウス、各種ボタン、タッチパネル等が適宜利用可能である。
記憶部80は、深さ方向とその直交方向との観測領域範囲の設定機能を備えたドプラモードスキャンを行なうための制御プログラム等を記憶している。
システム制御部90は、超音波診断装置1の中枢として機能する。具体的には、システム制御部90は、深さ方向とその直交方向との観測領域範囲の設定機能を備えたドプラモードスキャンを実行するために、記憶部80から制御プログラムを読み出して自身が有するメモリに展開し、展開された制御プログラムに従って各部を制御する。
以下、本実施形態に係る超音波診断装置1の動作例について説明する。図3は、システム制御部90の制御のもとに行われる本実施形態に係るドプラモードスキャンの典型的な流れを示す図である。
[ステップS1]
超音波の送受が行われる前段階において、観測領域設定部20によりドプラモードの観測領域の設定処理が行われる。
超音波の送受が行われる前段階において、観測領域設定部20によりドプラモードの観測領域の設定処理が行われる。
図4は、表示部60により表示される観測領域の設定画面SIの一例を示す図である。図4に示すように、設定画面SIには、例えば、Bモード画像BIが配置されている。Bモード画像BIは、リアルタイムに生成される時系列の動画像であっても、1時点の静止画像であってもよい。上述のようにBモード画像BIは、XYZ座標系内のあらゆる位置及び向きに配置可能である。
図4に示すように、Bモード画像BIには、観測領域の位置と範囲とを示すマークMAが表示される。また、Bモード画像BI上には、基準線(sampling gate line)SLが表示される。基準線SLは、送信ビームの中心線を示す。基準線SLに沿って送信ビームが送信される。基準線SLは、ラテラル方向に関するマークMAの中間を通過する。マークMAに対応する実空間領域が観測領域に設定される。マークMAは、操作部70を介して移動可能である。マークMAの移動により観測領域の位置が観測領域設定部20により設定される。操作部70を介したマークMAの移動に連動して、基準線SLは、自動的に移動する。
マークMAの深さ範囲(レンジゲート)とラテラル範囲(ラテラルゲート)とは、操作部70を介して個別に調整可能である。マークMAの深さ範囲の調整により、観測領域の深さ範囲が観測領域設定部20により設定される。同様に、マークMAのラテラル範囲の調整により、観測領域のラテラル範囲が観測領域設定部20により設定される。送信ビームの幅は、観測領域を包含するように設定される。なお、典型的には、受信ビームの幅は、受信指向性の向上等のため、送信ビームの幅よりも狭く設定される。
観測領域の位置と範囲とは、例えば、観測対象の血管部分を含むように設定される。観測対象が逆流の場合がある。逆流部位は、空間的に極狭い範囲に存在し、その存在範囲は時間経過に伴って動く場合がある。このような観測領域が動く場合、観測領域は、観測対象が観測領域から外れないように、広範囲に設定されると良い。本実施形態は、観測領域の深さ範囲だけでなくラテラル範囲の設定機能を有することにより、観測領域の広範囲設定を実現している。
観測範囲が設定されると観測領域設定部20は、観測領域のラテラル幅に応じて、1つの送信ビームに由来する受信ビームの本数を決定する。ラテラル幅が広げられるにつれ段階的に受信ビーム本数が増加される。また、ラテラル幅が狭められるにつれ段階的に受信ビームの本数が減少される。観測領域設定部20は、配列ピッチ(隣り合う受信ビームの中心線間隔)が一定になるように、複数の受信ビームを配列する。また、観測領域設定部20は、受信ビームが観測領域を埋めるように、受信ビームの本数を決定する。なお、ラテラル幅が比較的狭い場合、1本のみ受信ビームが設定されてもよい。
例えば、ラテラル方向に関する受信ビームの本数がラテラル幅に応じて3本と決定された場合を考える。この場合、図4に示すように、各受信ビームの位置を示すために、各受信ビームの中心線がBモード画像BI上に表示される。具体的には、基準線SL上に1本の線、中心線SLの両脇に2本の線(図4の点線BL)が表示される。観測領域設定部20は、ユーザによる操作部70を介した線SLや線BLの位置の調整に応じて、受信ビームの位置を調整することも可能である。
観測領域設定部20は、ラテラル方向に直交する煽り方向に関して複数の受信ビームを設定してもよい。この場合、煽り方向に関する受信ビームの本数は、上述の方法と同様に、観測領域の煽り方向に関する幅に応じて決定されるとよい。煽り方向に関する観測領域の幅は、予め決定されていてもよい。また、Bモード画像の断面位置を変更することにより、観測領域の範囲を3次元的に設定することも可能である。例えば、図5の場合、1つの送信ビームTについて4本の受信ビームRが設定されている。並列同時受信される4本の受信ビームRは、対応する送信ビームTに含まれるように、例えば、ラテラル方向に2本、煽り方向に2本配置される。
このようにして観測領域設定部20により、観測領域の範囲や並列同時受信される受信ビームの本数が決定される。
なお観測領域設定部20は、観測領域のラテラル幅に応じて受信ビームの角度を設定してもよい。受信ビームの角度は、隣り合う受信ビームの中心線間の角度に規定される。典型的には、受信ビームの本数は、受信ビームの角度が一定になるように決定される。
[ステップS2]
送信部32は、上述のように、システム制御部90による制御に従って超音波プローブ10に繰り返し駆動信号を送信する。超音波プローブ10は、送信部32からの駆動信号の供給を受けて、観測領域設定部20により設定された観測領域に送信ビームを繰り返し送信する。送信ビームの焦点は、観測領域に位置するように設定される。観測領域内の血流により反射された超音波は超音波プローブ10に受信される。超音波プローブ10は、観測領域からの超音波の強度に応じたエコー信号を発生する。発生されたエコー信号は、受信部34に供給される。
送信部32は、上述のように、システム制御部90による制御に従って超音波プローブ10に繰り返し駆動信号を送信する。超音波プローブ10は、送信部32からの駆動信号の供給を受けて、観測領域設定部20により設定された観測領域に送信ビームを繰り返し送信する。送信ビームの焦点は、観測領域に位置するように設定される。観測領域内の血流により反射された超音波は超音波プローブ10に受信される。超音波プローブ10は、観測領域からの超音波の強度に応じたエコー信号を発生する。発生されたエコー信号は、受信部34に供給される。
[ステップS3]
受信部34は、システム制御部90による制御に従って、並列同時受信処理を実行する。並列同時受信処理において受信部34は、超音波プローブから供給されるエコー信号に基づいて、1つの送信ビームに由来する複数の受信ビームにそれぞれ対応する複数のビームデータセットを生成する。1つの送信ビームに由来する受信ビームの本数は、ステップS1において観測領域設定部20により設定されている。生成された複数のビームデータセットは、ドプラ処理部46に供給される。
受信部34は、システム制御部90による制御に従って、並列同時受信処理を実行する。並列同時受信処理において受信部34は、超音波プローブから供給されるエコー信号に基づいて、1つの送信ビームに由来する複数の受信ビームにそれぞれ対応する複数のビームデータセットを生成する。1つの送信ビームに由来する受信ビームの本数は、ステップS1において観測領域設定部20により設定されている。生成された複数のビームデータセットは、ドプラ処理部46に供給される。
[ステップS4]
ドプラ処理部46は、システム制御部90による制御に従って、ドプラ処理を実行する。本実施形態に係るドプラ処理部46としては、第1のタイプのドプラ処理部46aと第2のタイプのドプラ処理部46bとを設計可能ある。
ドプラ処理部46は、システム制御部90による制御に従って、ドプラ処理を実行する。本実施形態に係るドプラ処理部46としては、第1のタイプのドプラ処理部46aと第2のタイプのドプラ処理部46bとを設計可能ある。
図6は、第1のタイプのドプラ処理部46aの構成を示す図である。図6に示すようにドプラ処理部46aは、位相検波部461、ゲート処理部462、ゲート内加算部463、ウォールフィルタ部464、周波数分析部465、及びドプラ画像生成部466を有する。
位相検波部461は、受信部34からの複数のビームデータセットに位相検波を施し、ドプラ偏移周波数成分に関する複数のドプラデータセットをそれぞれ生成する。複数のドプラデータセットは、ゲート処理部462に供給される。
ゲート処理部462は、位相検波部461からの複数のドプラデータセットにゲート処理を施し、観測領域設定部20により設定された観測領域の深さ範囲(レンジゲート)内の複数のドプラデータセットをそれぞれ抽出する。具体的には、ゲート処理部462は、各ドプラデータセットに含まれる観測領域部分にゲートをかける。観測領域部分は、ドプラデータセットのうちの、観測領域設定部20により設定された深さ範囲に関する部分である。ゲートは、観測領域設定部20により設定された深さ幅に応じた時間幅を有する。このゲート処理により、各ドプラデータセットの中から、観測領域の深さ範囲に関するドプラデータセットが抽出される。抽出された複数のドプラデータセットは、ゲート内加算部463に供給される。
ゲート内加算部463は、ゲート処理部462からの複数のドプラデータセットに基づいて単一の受信ビームに対応するドプラデータセットを生成する。このようにゲート内加算部463は、単一ビームデータ生成部として機能する。ここで、単一の受信ビームを合成受信ビームと呼び、合成受信ビームに対応するドプラデータセットを合成ドプラデータセットと呼ぶことにする。合成ドプラデータセットは、複数のドプラデータセットの輝度値を深さ位置毎に加算処理することにより生成される。しかしながら、同一深さ位置における複数のドプラデータセットの輝度値の時相は、異なっていると考えられる。従って、ゲート内加算部463は、加算処理を行う前に、複数のドプラデータセットの輝度値の時相を深さ位置毎に一致させる。この時相一致処理は、例えば、波面合成技術を利用して行われる。時相一致処理の後、ゲート内加算部463は、時相が一致された複数のドプラデータセットの輝度値を深さ毎に加算し、合成ドプラデータセットを生成する。これによりレンジゲート内のドプラデータセットが合成される。合成ドプラデータセットは、ウォールフィルタ部464に供給される。
ウォールフィルタ部464は、合成ドプラデータセットにウォールフィルタを適用する。ウォールフィルタにより、合成ドプラデータセットから不要な低周波成分(クラッタ成分)等が除去される。ウォールフィルタが適用された合成ドプラデータセットは、周波数分析部465に供給される。
周波数分析部465は、合成ドプラデータセットにFFT(fast fourier transfer)等の周波数分析を施し、周波数分析結果に関するデータセットを生成する。周波数分析により血流のスペクトラムに関するデータセットが生成される。ここでスペクトラムに関するデータセットをスペクトラムデータセットと呼ぶことにする。また、合成ドプラデータセットに基づくスペクトラムデータセットを合成スペクトラムデータセットと呼ぶことにする。スペクトラムデータセットの輝度は、スペクトラムに含まれる各周波数成分の強度に対応する。生成された合成スペクトラムデータセットは、ドプラ画像生成部466に供給される。
ドプラ画像生成部466は、合成スペクトラムデータセットに基づいて、合成受信ビームに関するドプラ波形のデータを生成する。ドプラ波形は、例えば、時間経過に伴う周波数成分や速度成分の変化を示す。ドプラ波形のデータは、ドプラ画像のデータとして、画像処理部50に供給される。
次に図7を参照しながら第2のタイプのドプラ処理部46bの構成を説明する。なお以下の説明において、第1のタイプのドプラ処理部46aと略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、説明を簡略する。
図7は、第2のタイプのドプラ処理部46bの構成を示す図である。図7に示すように、ドプラ処理部46bは、位相検波部461、ゲート処理部462、ウォールフィルタ部467、周波数分析部468、ゲート内加算部469、及びドプラ画像生成部466を有する。
位相検波部461は、受信部34からの複数のビームデータセットに位相検波を施し、ドプラ偏移周波数成分に関する複数のドプラデータセットをそれぞれ生成する。複数のドプラデータセットは、ゲート処理部462に供給される。
ゲート処理部462は、複数のドプラデータセットにゲート処理を施し、観測領域の深さ範囲に関する複数のドプラデータセットを抽出する。抽出された複数のドプラデータセットは、ウォールフィルタ部467に供給される。
ウォールフィルタ部467は、ゲート処理部462からの複数のドプラデータセットにウォールフィルタを適用する。ウォールフィルタにより、各ドプラデータセットから不要な低周波成分(クラッタ成分)等が除去される。ウォールフィルタが適用された複数のドプラデータセットは、周波数分析部468に供給される。
周波数分析部468は、ウォールフィルタ部467からの複数のドプラデータセットに周波数分析をそれぞれ施し、複数のスペクトラムデータセットを生成する。スペクトラムデータセットの輝度は、スペクトラムに含まれる各周波数成分の強度に対応する。生成された複数のスペクトラムデータセットは、ゲート内加算部469に供給される。
ゲート内加算部469は、周波数分析部468からの複数のスペクトラムデータセットに基づいて合成受信ビームに対応する合成スペクトラムデータセットを生成する。具体的には、ゲート内加算部469は、複数のスペクトラムデータセットの輝度値を深さ毎に加算し、合成スペクトラムデータセットを生成する。スペクトラムデータセットには、時相情報が含まれない。従って、ゲート内加算部463のように、加算処理の前段階において、時相一致処理を実行する必要はない。合成スペクトラムデータセットは、ドプラ画像生成部466に供給される。
ドプラ画像生成部466は、合成スペクトラムデータセットに基づいて、合成受信ビームに関するドプラ波形が描出されたドプラ画像のデータを生成する。生成されたドプラ画像のデータは、画像処理部50に供給される。
上述のように、第1のタイプのドプラ処理部46aは、ゲート内加算処理した後に周波数分析を実行する。第2のタイプのドプラ処理部46bは、周波数分析を実行した後にゲート内加算処理を実行する。
上述のように、ゲート内加算処理により受信ビームの数は、複数本から1本に削減される。従って計算量の削減のため、ゲート内加算処理は、できるだけ早い段階で実行された方が良い。すなわち、ドプラ処理部46aは、ドプラ処理部46bに比して、ゲート内加算処理以降の計算量を削減できる。
一方、上述のように、周波数分析前にゲート内加算処理をする場合、計算コストの高い時相一致処理を実行する必要がある。ドプラ処理部46bは、周波数分析以後にゲート内加算処理を実行するので、時相一致処理を実行することなくゲート内加算処理を実行できる。従って、ドプラ処理部46bは、時相一致処理に伴う計算コストを削減することができる。
このように本実施形態に関るドプラ処理部46は、複数の受信ビーム(ドプラデータセットあるいはスペクトラムデータセット)をゲート内加算処理により合成する。ゲート内加算処理を伴うドプラ画像(合成受信ビームに基づくドプラ画像)は、ゲート内加算処理を伴わないドプラ画像(1つの受信ビームに基づくドプラ画像)に比して、無相関のノイズ成分を含まない。すなわち、ドプラ処理部46は、ドプラ感度(S/N比)を向上することができる。
[ステップS5]
表示部60は、ドプラ画像を表示する。図8は、ドプラ画像の表示例を示す図である。図8に示すように、表示画面には、観測領域の設定のためのBモード画像BIとドプラ画像DIとが並べて配置されている。ドプラ画像DI上のドプラ波形は、1つの観測領域について1つ生成される。
表示部60は、ドプラ画像を表示する。図8は、ドプラ画像の表示例を示す図である。図8に示すように、表示画面には、観測領域の設定のためのBモード画像BIとドプラ画像DIとが並べて配置されている。ドプラ画像DI上のドプラ波形は、1つの観測領域について1つ生成される。
以上でシステム制御部90の制御のもとに行われるドプラモードスキャンが終了する。
上記構成により本実施形態に関る超音波診断装置1は、ドプラモードにおいて、送信ビームの送信方向の直交方向に複数の並列同時受信ビームを配列させることができ、従来に比して直交方向に広範囲に観測領域を設定できる。超音波検査中に観測対象が深さ方向以外の方向に動いた場合であっても、超音波診断装置1は、観測対象の血流の速度を検出することができる。従って超音波診断装置1は、観測対象と観測領域との位置ずれによる血流検出精度の低下を防止できる。これに伴い、観測領域位置(サンプリングゲート位置)の再設定に関するユーザの負担を低減することができる。
かくして本実施形態に関る超音波診断装置は、ドプラモードの超音波検査の効率向上を実現することができる。
なお、CWDの場合、送信ビームが占める空間領域が観測領域に設定されるため、観測領域の深さ範囲の設定が不要である。観測領域設定部20は、PWDと同様にして、操作部70を介したユーザによる指示に従って、深さ方向の直交方向に関する観測領域の範囲を設定する。また、観測領域設定部20は、この直交方向に関する観測領域の範囲に応じて受信ビームの本数や角度を設定する。CWDの場合、典型的には、第2のタイプのドプラ処理部46bが利用される。この際、観測領域の深さ範囲の設定が不要なので、ドプラ処理部46bのゲート処理部462は不要である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…超音波診断装置、10…超音波プローブ、20…観測領域設定部、30…送受信部、32…送信部、34…受信部、40…信号処理部、42…Bモード処理部、44…カラードプラ処理部、46…ドプラ処理部、50…画像処理部、60…表示部、70…操作部、80…記憶部、90…システム制御部
Claims (10)
- 超音波送信ビームの送信方向の直交方向に関する観測領域の範囲を、ユーザからの指示に従って設定する設定部と、
前記設定された範囲を有する観測領域に超音波送信ビームを送信し、前記観測領域からの超音波に応じたエコー信号を発生する超音波プローブと、
前記発生されたエコー信号に基づいて、前記設定された範囲に応じた複数の超音波受信ビームにそれぞれ対応する複数のデータセットを生成する並列同時受信部と、
前記生成された複数のデータセットに基づいて前記観測領域内の血流に由来する単一のドプラ波形に関するドプラ画像のデータを生成するドプラ処理部と、
を具備する超音波診断装置。 - 前記ドプラ処理部は、
前記複数のデータセットに基づいて、前記複数の受信ビームの合成ビームに対応する単一のデータセットを生成する単一ビーム生成部と、
前記生成された単一のデータセットの周波数分析結果に関する単一のスペクトラムデータセットを生成する周波数分析部と、
前記生成された単一のスペクトラムデータセットに基づいて前記ドプラ画像のデータを生成するドプラ画像生成部と、
を備える請求項1記載の超音波診断装置。 - 前記単一ビーム生成部は、前記複数のデータセットの時相を一致させ、前記時相が一致された複数のデータセットを加算し、前記単一のデータセットを生成する、請求項2記載の超音波診断装置。
- 前記ドプラ処理部は、
前記複数のデータセットの周波数分析結果に関する複数のスペクトラムデータセットを生成する周波数分析部と、
前記複数のスペクトラムデータセットに基づいて、前記複数の受信ビームの合成ビームに対応する単一のスペクトラムデータセットを生成する単一ビーム生成部と、
前記生成された単一のスペクトラムデータセットに基づいて前記ドプラ画像のデータを生成するドプラ画像生成部と、
をさらに備える請求項1記載の超音波診断装置。 - 前記複数の受信ビームの本数は、前記直交方向に関する前記範囲の長さに応じて設定される、請求項1記載の超音波診断装置。
- 前記複数の受信ビームの各々の角度は、前記直交方向に関する前記範囲の長さに応じて設定される、請求項1記載の超音波診断装置。
- 前記ドプラ画像を表示する表示部をさらに備える、請求項1記載の超音波診断装置。
- 前記直交方向に関する前記範囲を設定するために、前記範囲を示すマークを表示する表示部をさらに備える、請求項1記載の超音波診断装置。
- 前記設定部は、ユーザからの指示に従って調整された前記直交方向に関する前記マークの範囲に応じて前記直交方向に関する前記観測領域の前記範囲を設定する、請求項8記載の超音波診断装置。
- 観測領域を超音波ビームでドプラモードスキャンする超音波診断装置であって、
前記超音波ビームの送信方向に略直交する直交方向に関する前記観測領域の範囲を示すマークを表示する表示部と、
ユーザからの指示に従って調整された前記マークの前記直交方向に関する範囲に応じて前記直交方向に関する前記観測領域の範囲を設定する設定部と、
を具備する超音波診断装置。
Priority Applications (1)
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| JP2010291091A JP2012135523A (ja) | 2010-12-27 | 2010-12-27 | 超音波診断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2010291091A JP2012135523A (ja) | 2010-12-27 | 2010-12-27 | 超音波診断装置 |
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|---|---|
| JP2012135523A true JP2012135523A (ja) | 2012-07-19 |
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ID=46673486
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| JP (1) | JP2012135523A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016016068A (ja) * | 2014-07-07 | 2016-02-01 | 日立アロカメディカル株式会社 | 超音波診断装置 |
| WO2020118128A1 (en) * | 2018-12-06 | 2020-06-11 | General Electric Company | Method and system for simultaneously presenting doppler signals of a multi-gated doppler signal corresponding with different anatomical structures |
| CN112545561A (zh) * | 2019-09-26 | 2021-03-26 | 深圳迈瑞生物医疗电子股份有限公司 | 一种多普勒频谱成像方法及装置、存储介质 |
-
2010
- 2010-12-27 JP JP2010291091A patent/JP2012135523A/ja not_active Withdrawn
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