JP2012136643A - 共重合ポリアミド - Google Patents

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Abstract

【課題】280℃以上の高融点、低吸水性に加え、成形性、耐熱老化性、及びガソリンバリア性の三つの特性の全てを高度に満足する共重合ポリアミドを提供する。
【解決手段】本発明は、(a)メチレン鎖数が4〜12の脂肪族ジアミンとテレフタル酸との等量モル塩から得られる構成単位50〜97モル%、及び(b)11−アミノウンデカン酸又はウンデカンラクタムから得られる構成単位50〜3モル%からなることを特徴とする共重合ポリアミドである。共重合ポリアミドの融点(Tm)は280〜320℃であり、昇温結晶化温度(Tc1)は90〜140℃であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、高融点、低吸水性に加え、成形性、耐熱老化性、及びガソリンバリア性の三つの特性の全てを高度に満足する新規なポリアミドに関する。
近年、電気・電子部品、自動車部品、エンジニアリングプラスチックなどの分野で用いられるポリアミドに対して高度な性能が要求されており、例えば、電気・電子部品では表面実装技術(SMT)の発展に伴ってリフローハンダ耐熱性などの高い耐熱性が求められるようになっている。また、エンジンルーム部品などの自動車部品においても、従来よりも一層耐熱性に優れるポリアミドが求められている。しかも、ポリアミドの用途の拡大とも相俟って、電気・電子部品および自動車部品のみならず、他の用途分野においても、物性および機能に一層優れるポリアミドが求められており、特に、高耐熱性と併せて、寸法安定性、機械的特性、耐薬品性などに優れるポリアミドの開発が求められている。
成形用材料、摺動用材料などに使用されるポリアミドとしては、ヘキサメチレンジアミン(6)とテレフタル酸(T)との共縮重合反応により合成される6Tナイロンが従来よく知られている。6Tナイロンは、耐熱性、機械的特性、耐薬品性、摺動性、ガスバリヤー性、及びガソリンバリア性などの樹脂特性のバランスに優れたポリアミドであるが、共重合されない6Tナイロンは融点が360℃を超えるため、ポリマーの重合や得られたポリマーの成形が困難であるという欠点を有する。そのため、6Tナイロンは、アジピン酸、イソフタル酸などのジカルボン酸成分、あるいはナイロン6などの脂肪族ポリアミドを30〜50モル%共重合することにより、実使用可能温度領域、すなわち280〜320℃程度にまで低融点化して用いられているのが現状である。このように多量の第3成分、場合により更に第4成分を共重合することは、確かにポリマーの低融点化には有効であるものの、一方では結晶性の低下、到達結晶化度の低下、耐熱性の低下、熱安定性の低下などを伴い、その結果、高温下での剛性、耐薬品性、寸法安定性、溶融安定性などの諸性能が低下するばかりでなく、成形サイクルの延長に伴う生産性の低下を招く場合もある。
例えば、特許文献1には、6Tナイロンに比較的多量の11ナイロン又は12ナイロンを共重合した二元共重合ポリアミドが開示されている。この共重合ポリアミドは、低吸水かつ機械的特性に優れるという利点を有するが、成形性や耐熱老化性、ガソリンバリア性に劣るという欠点を有する。
また、特許文献2には、1,9−ノナメチレンジアミン(9)とテレフタル酸(T)とを共縮重合することにより合成される9Tナイロンが開示されている。9Tナイロンは、低吸水性でかつ機械的特性に優れるという利点を有するが、成形性が著しく悪いという欠点を有する。
さらに、特許文献3には、ノナメチレンジアミンの一部に2−メチル−1,8−オクタンジアミン(M8)を用いて共重合した9T/M8Tナイロンが開示されている。9T/M8Tナイロンは、2−メチル−1,8−ペンタンジアミン(M8)とテレフタル酸(T)から得られる構成単位が導入されているので成形性を改善することはできるが、成形性とガソリンバリア性の両立を高度に満足することできない。
このように、従来公知の脂肪族ジアミンとテレフタル酸より得られるナイロンには、高融点、低吸水性を維持しながら、成形性、耐熱老化性、及びガソリンバリア性の三つの特性の全てを高度に満足するものはなかった。
特開平5−310925号公報 特開平07−228690号公報 特開平07−228689号公報
本発明は、かかる従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は、280℃以上の高融点、低吸水性に加え、成形性、耐熱老化性、及びガソリンバリア性の三つの特性の全てを高度に満足する新規なポリアミドを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために、メチレン鎖数が4〜12の脂肪族ジアミンとテレフタル酸との等量モル塩から得られる構成単位のナイロンに対して共重合する成分の種類及びその量について鋭意検討した結果、11ナイロンを特定の割合で共重合することによって、高融点、低吸水性に加え、成形性、耐熱老化性、及びガソリンバリア性の三つの特性の全てを高度に満足する新規な共重合ナイロンを提供できることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明によれば、(a)メチレン鎖数が4〜12の脂肪族ジアミンとテレフタル酸との等量モル塩から得られる構成単位50〜97モル%、及び(b)11−アミノウンデカン酸又はウンデカンラクタムから得られる構成単位50〜3モル%からなることを特徴とする共重合ポリアミドが提供される。
本発明の共重合ポリアミドの好ましい態様によれば、(a)成分の脂肪族ジアミンが、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン、1,11−ウンデカメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン及びこれらの混合物からなる群より選ばれ、共重合ポリアミドの融点(Tm)が280〜320℃であり、昇温結晶化温度(Tc1)が90〜140℃である。
本発明の共重合ポリアミドは、主成分の(a)成分より得られる構成単位に11ナイロンが特定の割合で共重合されているので、機械的特性、摺動性などの(a)成分で得られる特性を維持しつつ、280℃以上の高融点、低吸水性に加え、成形性、耐熱老化性、及びガソリンバリア性も高度に満足することができる。
以下、本発明の共重合ポリアミドについて詳述する。本発明の共重合ポリアミドは、主成分である(a)成分と11ナイロンに相当する(b)成分とを特定の割合で含有するものであり、(a)成分から得られる構成単位の欠点である成形性が改良されているのみならず、耐熱老化性及びガソリンバリア性も高度に満足するという特徴を有する。
(a)成分は、メチレン鎖数が4〜12の脂肪族ジアミンとテレフタル酸との等量モル塩から得られる構成単位のポリアミドであり、具体的には、下記式(I)で表されるものである。式中のnはメチレン鎖数を表し、4〜12の範囲である。
Figure 2012136643
(a)成分は、本発明の共重合ポリアミドの主成分であり、共重合ポリアミドに優れた耐熱性、機械的特性、耐薬品性、摺動性、ガスバリヤー性などを付与する役割を有する。共重合ポリアミド中の(a)成分の配合割合は、50〜97モル%であり、好ましくは65〜95モル%、さらに好ましくは70〜95モル%である。(a)成分の配合割合が上記下限未満の場合、結晶成分である(a)成分が共重合成分により結晶阻害を受け、成形性や高温特性の低下を招くおそれがあり、一方上記上限を超える場合、融点が高くなりすぎ、加工時に分解するおそれがあり、好ましくない。
(a)成分に用いる具体的な脂肪族ジアミンとしては、1,4−テトラメチレンジアミン、5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン、1,10−デカメチレンジアミン、1,11−ウンデカメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミンなどが挙げられるが、その中でも耐水性の面より1,9−ノナメチレンジアミン、1,11−ウンデカメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミンが好ましい。また、(a)成分に用いる脂肪族ジアミンとして、炭素数が4〜12個の分岐型ジアミンを一部に併用しても良い。具体的な分岐型ジアミンとしては、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノペンタン、2−エチル−1,4−ジアミノブタン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、2,4−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2−メチル−1,8−ジアミノオクタン、2,2,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサン、2,4,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサンが挙げられる。その中でも、直鎖型ジアミンと分岐型ジアミンの直鎖部分の炭素数の差が2〜4の範囲であるジアミンが好ましい。
(b)成分は、11−アミノウンデカン酸又はウンデカンラクタムを重縮合させることにより得られる11ナイロンに相当するものであり、具体的には、下記式(II)で表されるものである。
Figure 2012136643
(b)成分は、(a)成分の欠点を改良するためのものであり、共重合ポリアミドの融点及び昇温結晶化温度を低下させて成形性を向上させる役割、および吸水率を低減させて吸水時の物性変化や寸法変化によるトラブルを改善させる役割を有する。共重合ポリアミド中の(b)成分の配合割合は、50〜3モル%であり、好ましくは35〜5モル%、更に好ましくは30〜5モル%である。(b)成分の配合割合が上記下限未満の場合、共重合ポリアミドの融点が十分に低下せず、成形性が不足するおそれがあると共に、得られた樹脂の吸水率を低減させる効果が不十分であり、吸水時に特性が低下するなど物性の不安定さを招くおそれがある。上記上限を超える場合、共重合ポリアミドの融点が低下しすぎて結晶化速度が遅くなり、成形性が逆に悪くなるおそれがあると共に、(a)成分の量が少なくなり、機械的特性や摺動性が不足するおそれがあり、好ましくない。
本発明の共重合ポリアミドは、上記(a)成分及び(b)成分以外に、(c)上記(a)の構成単位以外のジアミンとジカルボン酸の等量モル塩から得られる構成単位、またはアミノカルボン酸もしくはラクタムから得られる構成単位を最大20モル%共重合しても良い。(c)成分は、(a)成分及び(b)成分の共重合ポリアミドによっては得られない他の特性を付与するものであり、具体的には以下のような共重合成分が挙げられる。アミン成分としては、1,2−エチレンジアミン、1,3−トリメチレンジアミン、1,13−トリデカメチレンジアミン、1,16−ヘキサデカメチレンジアミン、1,18−オクタデカメチレンジアミン、2,2,4(または2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジアミンのような脂肪族ジアミン、ピペラジン、シクロヘキサンジアミン、ビス(3−メチル−4−アミノヘキシル)メタン、ビス−(4,4’−アミノシクロヘキシル)メタン、イソホロンジアミンのような脂環式ジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミンなどの芳香族ジアミンおよびこれらの水添物等が挙げられる。ポリアミドの酸成分としては、以下に示す多価カルボン酸、もしくは酸無水物を使用できる。多価カルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボンル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−スルホン酸ナトリウムイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,11−ウンデカン二酸、1,12−ドデカン二酸、1,14−テトラデカン二酸、1,18−オクタデカン二酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂肪族や脂環族ジカルボン酸等が挙げられる。また、ε−カプロラクタム、12−ラウリルラクタムなどのラクタムおよびこれらが開環した構造であるアミノカルボン酸などが挙げられる。
具体的な(c)成分としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリパラキシリレンアジパミド(ナイロンPXD6)、ポリテトラメチレンセバカミド(ナイロン410)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン106)、ポリデカメチレンセバカミド(ナイロン1010)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリデカメチレンドデカミド(ナイロン1012)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリビス(3−メチル−4−アミノヘキシル)メタンテレフタルアミド(ナイロンPACMT)、ポリビス(3−メチル−4−アミノヘキシル)メタンイソフタルアミド(ナイロンPACMI)、ポリビス(3−メチル−4−アミノヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−4−アミノヘキシル)メタンテトラデカミド(ナイロンPACM14)などが挙げられる。
前記構成単位の中でも、好ましい(c)成分の例としては、共重合ポリアミドに高結晶性を付与するためのポリヘキサメチレンアジパミドや、さらなる低吸水性を付与するためのポリデカメチレンドデカミド、ガソリンバリア性向上のためのポリメタキシレンアジパミドなどが挙げられる。共重合ポリアミド中の(c)成分の配合割合は、最大20モル%までであることが好ましく、さらに好ましくは10〜20モル%である。(c)成分の割合が上記下限未満の場合、(c)成分による効果が十分発揮されないおそれがあり、上記上限を超える場合、必須成分である(a)成分や(b)成分の量が少なくなり、本発明の共重合ポリアミドの本来意図される効果が十分発揮されないおそれがあり、好ましくない。
本発明の共重合ポリアミドは、共重合ポリアミドの融点(Tm)が280〜320℃であり、昇温結晶化温度(Tc1)が90〜140℃であることが好ましい。Tmが上記上限を超える場合、共重合ポリアミドを射出成形法などにより成形する際に必要となる加工温度が極めて高くなるため、加工時に分解し、目的の物性や外観が得られない場合がある。逆に、Tmが上記下限未満の場合、結晶化速度が遅くなり、成形が困難になる。また、Tc1が上記上限を超える場合、共重合ポリアミドを射出成形法などにより成形する際に必要とされる金型温度が高くなり成形が困難になるだけでなく、射出成形の短いサイクルの中では十分に結晶化が進まない場合があり、離型不足等の成形難を引き起こしたり、後の使用において、高温下で結晶化が進行し二次収縮による変形などが問題となる。逆に、Tc1が上記下限未満の場合、樹脂組成として必然的にガラス転移温度を低下させる必要が出てくる。Tc1は一般的にガラス転移温度以上の温度となるため、Tc1を90℃未満にする場合、ガラス転移温度としては低い値が求められるが、その場合、物性の大きな低下や、吸水後の物性が維持できないなどの問題が発生する。Tgを比較的高く保つ必要があることから、Tc1は少なくとも90℃以上にすることが必要である。
本発明の共重合ポリアミドでは、メチレン鎖数が4〜12の脂肪族ジアミンとテレフタル酸との等量モル塩から得られる構成単位のポリアミドに特定量の11ナイロン成分を共重合することにより、高融点や低吸水性といった特性だけでなく、成形性や耐熱老化性、ガソリンバリア性のバランスに優れた樹脂が得られる。電子部品の成形においては、280℃以上の高融点、低吸水性であることに加え、薄肉、ハイサイクルな成型が求められている。ヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンアジパミド共重合体(PA6T/66)においては、成形性は良好であるものの、吸水率が極めて高い。したがって、表面実装などで行われるリフローはんだ処理において、成型品にブリスターが発生するなど問題となっている。一方、ポリノナメチレンテレフタルアミドにおいては、低吸水性であるが、Tc1が150℃以上となる場合があり、成型時の金型温度が150℃以上必要となるため、成型加工性に難がある。たとえ低温金型で成型できても使用時の結晶化進行による二次収縮が問題となる。上記のような背景より、280℃以上の高融点および低吸水性、易成形性を有する樹脂が求められており、本発明の共重合ポリアミドにおいては、6Tナイロンに特定量の11ナイロンを共重合することにより高融点、低吸水性であるだけでなく、Tc1が低く抑えられ、射出成形の加工性を大幅に改善できる。また、6Tナイロンの自動車部品への展開を考えた場合、成型加工性や低吸水性が求められるだけでなく、エンジンルーム内の温度に耐える耐熱老化性や、燃料の揮発を防ぐためにガソリンなどのバリア性が重要となる。これまで6Tナイロンに12ナイロンを共重合した例が報告されているが、12ナイロンは11ナイロンに比べアミド結合量が少なく、アミド結合間の水素結合がガス成分の遮蔽効果を付与することを考えるとガソリンバリア性に不利である。また、11ナイロンはジグザグ構造をとった際、12ナイロンより水素結合をとりやすい構造であり効率的に水素結合を形成しやすいのに対し、12ナイロンは水素結合がとり難く水素結合性は弱くなる。水素結合性向上は、ガラス転移温度の向上やガソリン成分の遮蔽効果を向上させるため、耐熱老化性およびガソリンバリア性の観点で好ましい。以上のことより、11ナイロン成分は12ナイロン成分より優れた共重合成分であり、優れた特性を有する樹脂であるにも関わらず、これまでは6Tナイロンに11ナイロンを共重合し、280℃以上の融点を有する具体的な共重合ポリアミドは報告されていない。
本発明の共重合ポリアミドを製造するに際に使用する触媒としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸もしくはその金属塩やアンモニウム塩、エステルが挙げられる。金属塩の金属種としては、具体的には、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、バナジウム、カルシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、錫、タングステン、ゲルマニウム、チタン、アンチモンなどが挙げられる。エステルとしては、エチルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、イソデシルエステル、オクタデシルエステル、デシルエステル、ステアリルエステル、フェニルエステルなどを添加することができる。また、溶融滞留安定性向上の観点から、水酸化ナトリウムを添加することが好ましい。
本発明の共重合ポリアミドの96%濃硫酸中20℃で測定した相対粘度(RV)は0.4〜4.0であり、好ましくは1.0〜3.5、より好ましくは1.5〜3.0である。ポリアミドの相対粘度を一定範囲とする方法としては、分子量を調整する手段が挙げられる。
本発明のポリアミドは、アミノ基量とカルボキシル基とのモル比を調整して重縮合する方法や末端封止剤を添加する方法によって、ポリアミドの末端基量および分子量を調整することができる。アミノ基量とカルボキシル基とのモル比を一定比率で重縮合する場合には、使用する全ジアミンと全ジカルボン酸のモル比をジアミン/ジカルボン酸=1.00/1.05から1.05/1.00の範囲に調整することが好ましい。
末端封止剤を添加する時期としては、原料仕込み時、重合開始時、または重合後期、重合終了時が挙げられる。末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基またはカルボキシル基との反応性を有する単官能性の化合物であれば特に制限はないが、モノカルボン酸またはモノアミン、無水フタル酸等の酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類などを使用することができる。末端封止剤としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソ酪酸等の脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等の脂肪族モノアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の脂環式モノアミン;アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族モノアミン等が挙げられる。中でも、ポリアミドの着色が無く、末端封鎖剤としての反応性が高いことからヘキサヒドロ無水フタル酸が最も好ましい。
本発明の共重合ポリアミドの酸価およびアミン価はともに、好ましくは0〜200eq/トン、より好ましくは0〜100eq/tonである。末端官能基が200eq/ton以上であると、溶融滞留時にゲル化や劣化が促進されるだけでなく、使用環境下においても、着色や加水分解等の問題を引き起こす。一方、ガラスファイバーやマレイン酸変性ポリオレフィンなどの反応性化合物をコンパウンドする際は、反応性および反応基に合わせ、酸価および/又はアミン価を5〜150eq/tonとすることが好ましく、さらに好ましくは100〜150eq/tonである。酸価および/又はアミン価を一定範囲にする方法は、モノカルボン酸などの粘度調整剤を配合する手段が挙げられる。
本発明の共重合ポリアミドには、従来のポリアミド用の各種添加剤を使用することができる。添加剤としては、繊維状強化材、充填材、安定剤、衝撃改良材、難燃剤、離型剤、摺動性改良剤、着色剤、可塑剤、結晶核剤、本発明の共重合ポリアミドとは異なるポリアミド、ポリアミド以外の熱可塑性樹脂などが挙げられる。
繊維状強化材としては、ガラス繊維、カーボン繊維、金属ファイバー、セラミック繊維、有機繊維、ウィスカーなどが挙げられるが、その中でもガラス繊維が好ましい。これら繊維状強化材は、1種のみの単独使用だけではなく、数種を組み合わせて用いても良い。ここで用いられるガラス繊維としては、0.1mm〜100mmの長さを有するチョップドストランドまたは連続フィラメント繊維を使用することが可能である。ガラス繊維の断面形状としては、円形断面及び非円形断面のガラス繊維を用いることができる。ガラス繊維の断面形状としては、物性面より非円形断面のガラス繊維が好ましい。非円形断面のガラス繊維としては、繊維長の長さ方向に対して垂直な断面において略楕円形、略長円形、略繭形であるものをも含み、偏平度が1.5〜8であることが好ましい。ここで偏平度とは、ガラス繊維の長手方向に対して垂直な断面に外接する最小面積の長方形を想定し、この長方形の長辺の長さを長径とし、短辺の長さを短径としたときの、長径/短径の比である。ガラス繊維の太さは特に限定されるものではないが、短径が1〜20μm、長径2〜100μm程度である。また、ガラス繊維は繊維束となって、繊維長1〜20mm程度に切断されたチョップドストランド状ものが好ましく使用できる。繊維状強化材の添加量は、共重合ポリアミド100重量部に対して最大250重量部、好ましくは20〜150重量部である。
充填材(フィラー)としては、目的別には強化用フィラーや導電性フィラー、磁性フィラー、難燃フィラー、熱伝導フィラーなどが挙げられ、具体的にはガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスバルーン、シリカ、タルク、カオリン、ワラストナイト、マイカ、アルミナ、ハイドロタルサイト、モンモリロナイト、グラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレン、酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、赤燐、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。これら充填材は、1種のみの単独使用だけではなく、数種を組み合わせて用いても良い。充填材の添加量は、共重合ポリアミド100重量部に対して最大250重量部、好ましくは20〜150重量部である。また、繊維状強化材、充填材はポリアミド樹脂との親和性を向上させるため、カップリング剤処理したもの、またはカップリング剤と併用することが好ましく、カップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤のいずれを使用しても良いが、その中でも、特にアミノシランカップリング剤、エポキシシランカップリング剤が好ましい。
安定剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などの有機系酸化防止剤や熱安定剤、ヒンダードアミン系、ベンゾフェノン系、イミダゾール系等の光安定剤や紫外線吸収剤、金属不活性化剤、銅化合物などが挙げられる。銅化合物としては、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、塩化第二銅、臭化第二銅、ヨウ化第二銅、燐酸第二銅、ピロリン酸第二銅、硫化銅、硝酸銅、酢酸銅などの有機カルボン酸の銅塩などを用いることができる。さらに銅化合物以外の構成成分としては、ハロゲン化アルカリ金属化合物を含有することが好ましく、ハロゲン化アルカリ金属化合物としては、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウムなどが挙げられる。これら安定剤は、1種のみの単独使用だけではなく、数種を組み合わせて用いても良い。
また、本発明の共重合ポリアミドは、本発明の共重合ポリアミドとは異なる組成のポリアミドをポリマーブレンドしても良い。本発明の共重合ポリアミドと異なる組成のポリアミドとしては、特に制限は無いが、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリパラキシリレンアジパミド(ナイロンPXD6)、ポリテトラメチレンセバカミド(ナイロン410)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン106)、ポリデカメチレンセバカミド(ナイロン1010)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリデカメチレンドデカミド(ナイロン1012)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリテトラメチレンテレフタルアミド(ナイロン4T)、ポリペンタメチレンテレフタルアミド(ナイロン5T)、ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド(ナイロンM−5T)、ポリヘキサメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド(ナイロン6T(H))、ポリ2−メチル−オクタメチレンテレフタルアミド、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン10T)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン11T)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン12T)、ポリビス(3−メチル−4−アミノヘキシル)メタンテレフタルアミド(ナイロンPACMT)ポリビス(3−メチル−4−アミノヘキシル)メタンイソフタルアミド(ナイロンPACMI)、ポリビス(3−メチル−4−アミノヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−4−アミノヘキシル)メタンテトラデカミド(ナイロンPACM14)、ポリアルキルエーテル共重合ポリアミドなどの単体、もしくはこれらの共重合ポリアミドを単独または二種以上を使用しても良い。これらの中でも、結晶速度を向上させるために、ナイロン66やナイロン6T66などをポリマーブレンドすることが好ましい。
本発明の共重合ポリアミドには、ポリアミド以外の熱可塑性樹脂を添加しても良い。ポリアミド以外のポリマーとしては、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、アラミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリサルホン(PSU)、ポリアリレート(PAR)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート(PC)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリメチルペンテン(TPX)、ポリスチレン(PS)、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)などが挙げられる。相溶性が悪い場合は、反応性化合物やブロックポリマー等の相溶化剤を添加するか、ポリアミド以外のポリマーを変性(特に酸変性が好ましい)することが重要である。これら熱可塑性樹脂は、溶融混練により、溶融状態でブレンドすることも可能であるが、熱可塑性樹脂を繊維状、粒子状にし、本発明の共重合ポリアミドに分散しても良い。
衝撃改良材としては、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、アクリル酸エステル共重合体等のビニルポリマー系樹脂、ポリブチレンテレフタレートまたはポリブチレンナフタレートをハードセグメントとし、ポリテトラメチレングリコールまたはポリカプロラクトンまたはポリカーボネートジオールをソフトセグメントとしたポリエステルブロック共重合体、ウレタンエラストマー、シリコンゴム、フッ素系ゴム、異なる2種のポリマーより構成されたコアシェル構造を有するポリマー粒子などが挙げられる。
本発明の共重合ポリアミドに対して、本発明におけるポリアミド樹脂以外の熱可塑性樹脂および耐衝撃改良材を添加する場合にはポリアミドと反応可能な反応性基が共重合されていることが好ましく、反応性基としては、ポリアミド樹脂の末端基であるアミノ基、カルボキシル基及び主鎖アミド基と反応しうる基などが挙げられる。具体的には、カルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基、オキサゾリン基、アミノ基、イソシアネート基等が例示されるが、それらの中でも酸無水物基が最も反応性に優れている。
難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤とアンチモンの組み合わせが良く、ハロゲン系難燃剤としては、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェノール型エポキシ系重合体、臭素化スチレン無水マレイン酸重合体、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂、デカブロモジフェニルエーテル、デカブロモビフェニル、臭素化ポリカーボネート、パークロロシクロペンタデカン及び臭素化架橋芳香族重合体等が好ましく、アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム等が好ましい。中でも、熱安定性の面よりジブロムポリスチレンと三酸化アンチモンとの組み合わせが好ましい。また、非ハロゲン系難燃剤としては、メラミンシアヌレート、赤リン、ホスフィン酸の金属塩、含窒素リン酸系の化合物が挙げられる。特に、フォスフィン酸金属塩と含窒素リン酸系化合物との組み合わせが好ましく、含窒素リン酸系化合物としては、メラミンまたは、メラム、メロンのようなメラミンの縮合物とポリリン酸の反応性生物またはそれらの混合物を含む。その際、金型等の金属腐食防止として、ハイドロタルサイト系化合物の添加が好ましい。
離型剤としては、長鎖脂肪酸またはそのエステルや金属塩、アマイド系化合物、ポリエチレンワックス、シリコン、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。長鎖脂肪酸としては、特に炭素数12以上が好ましく、例えばステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸などが挙げられ、部分的もしくは全カルボン酸が、モノグリコールやポリグリコールによりエステル化されていてもよく、または金属塩を形成していても良い。アマイド系化合物としては、エチレンビステレフタルアミド、メチレンビスステアリルアミドなどが挙げられる。これら離型剤は、単独であるいは混合物として用いても良い。
摺動性改良材としては、高分子量ポリエチレン、酸変性高分子量ポリエチレン、フッ素樹脂粉末、二硫化モリブデン、シリコン樹脂、シリコンオイル、亜鉛、グラファイト、鉱物油等が挙げられる。摺動性改良材は樹脂の特性を損なわない範囲で添加することができる。
本発明の共重合ポリアミドは、従来公知の方法で製造することができるが、例えば、(a)成分の原料モノマーであるメチレン鎖数が4〜12の脂肪族ジアミン、テレフタル酸、及び(b)成分の原料モノマーである11−アミノウンデカン酸又はウンデカンラクタム、並びに必要により(c)前記(a)の構成単位以外のジアミンとジカルボン酸の等量モル塩から得られる構成単位、もしくは前記(b)の構成単位以外のアミノカルボン酸もしくはラクタムを共縮合反応させることによって容易に合成することができる。共縮重合反応の順序は特に限定されず、全ての原料モノマーを一度に反応させてもよいし、一部の原料モノマーを先に反応させ、続いて残りの原料モノマーを反応させてもよい。また、重合方法は特に限定されないが、原料仕込からポリマー作製までを連続的な工程で進めても良いし、一度オリゴマーを作製した後、別工程で押出し機などにより重合を進める、もしくはオリゴマーを固相重合により高分子量化するなどの方法を用いても良い。原料モノマーの仕込み比率を調整することにより、合成される共重合ポリアミド中の各構成単位の割合を制御することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例に記載された測定値は、以下の方法によって測定したものである。
(1)相対粘度
ポリアミド樹脂0.25gを96%硫酸25mlに溶解し、オストワルド粘度計を用いて20℃で測定した。
(2)末端アミノ基量
ポリアミド樹脂0.2gをm−クレゾール20mlに溶解させ、0.1mol/l塩酸エタノール溶液で滴定した。指示薬はクレゾールレッドを用いた。樹脂1ton中の当量(eq/ton)として表した。
(3)融点(Tm)及び昇温結晶化温度(Tc1)
105℃で15時間減圧乾燥したポリアミドをアルミニウム製パン(TA Instruments社製、品番900793.901)に10mg計量し、アルミニウム製蓋(TA Instruments社製、品番900794.901)で密封状態にして、測定試料を調製した後、示差走査熱量計DSCQ100(TA INSTRUMENTS製)を用いて室温から20℃/分で昇温し、350℃で3分間保持した後に測定試料パンを取出し、液体窒素に漬け込み、急冷させた。その後、液体窒素からサンプルを取出し、室温で30分間放置した後、再び、示差走査熱量計DSCQ100(TA INSTRUMENTS製)を用いて室温から20℃/分で昇温し、350℃で3分間保持した。その際に、昇温時の結晶化の発熱のピーク温度を昇温結晶化温度(Tc1)とし、融解による吸熱のピーク温度を融点(Tm)とした。
(4)成形性
東芝機械製射出成形機EC−100を用い、シリンダー温度は、樹脂の融点+20℃に設定した。金型は縦100mm、横100mm、厚み1mmの平板作成用金型を使用した。金型温度は140℃に設定し、射出速度50mm/sec、保圧30MPa、射出時間10秒、冷却時間10秒で成型を行い、成形性の良悪は以下のような基準で評価を行った。
○:顕著な樹脂の分解が見られず、かつ問題なく成型品が得られる。
×:成形時に分解による発泡が伴うか、もしくは、離型性が不十分であり成型品が金型に貼り付いたり、変形する。
(5)耐熱老化性
耐熱老化性試験用には、ポリアミド100部に対し、臭化第二銅0.02部、ヨウ化カリウム0.15部をコンパウンドしたものを用い、射出成形機にてISOに基づくダンベル状テストピースを作製した。成型品は160℃ギアオーブン中で1000時間の熱老化試験を実施し、引張試験はISO527に準じて行った。耐熱老化性の良悪は以下のような基準で評価を行った。
○:160℃1000時間後の、引張強度もしくは引張降伏強度の保持率が95%以上
×:160℃1000時間後の、引張強度もしくは引張降伏強度の保持率が95%未満
(6)ガソリンバリア性
ガソリンバリア性の評価には、カップ法による燃料透過性試験を実施した。カップには、イソオクタン/トルエン/エタノールが45/45/10vol%より構成される燃料を4.6g添加した。燃料透過率測定には、本発明のポリアミドをヒートプレスにて100μm厚みのフィルムに作製したものを用いた。得られたフィルムは、先ほどの燃料を添加したカップ上に燃料に接しないように設置した(気相法)。フィルムからの透過以外からは、燃料が揮発しないように気密性を維持した。測定は、透過面積1.133×10−3、試験温度60℃、試験時間240時間を行い、測定前後の重量変化量を測定した。また、試料の吸放水特性を考慮するためのブランク実験を行い、補正して燃料透過量を算出した。ガソリンバリア性の良悪は、以下のような基準で評価を行った。
○:重量減少量が100mg未満
×:重量減少量が100mg以上
(7)飽和吸水率
飽和吸水率の評価には、上記縦100mm、横100mm、厚み1mmの平板を作製し、これを80℃熱水中に浸漬させ、以下の式より求めた。
飽和吸水率(%)={(飽和吸水時の重量−乾燥時の重量)/乾燥時の重量}×100
<実施例1>
1,4−テトラメチレンジアミン4.99kg、テレフタル酸9.40kg、11−アミノウンデカン酸11.40kg、末端調整剤として酢酸40gおよびイオン交換水17.0kgを50リットルのオートクレーブに仕込み、常圧から0.05MPaまでNで加圧し、放圧させ、常圧に戻した。この操作を3回行い、N置換を行った後、攪拌下135℃、0.3MPaにて均一溶解させた。その後、溶解液を送液ポンプにより、連続的に供給し、加熱配管で240℃まで昇温させ、1時間、熱を加えた。その後、加圧反応缶に反応混合物を供給し、290℃に加熱し、缶内圧を3MPaで維持するように、水の一部を留出させ、低次縮合物を得た。その後、水分を含んだこの低次縮合物を、溶液状態を維持したまま直接二軸押出し機(スクリュー径37mm、L/D=60、バレル温度(℃)350/350/325/325/325/325/325/325/325/320、リアベント、第8ゾーンは真空ベント、回転数100rpm、オリゴマー供給量8kg/hr、排気はNパージ)に供給し、溶融下で重縮合を進め、共重合ポリアミドを得た。原料モノマーの仕込み比率及び得られた共重合ポリアミドの特性を表1に示す。
<実施例2〜8、比較例1〜5>
表1に記載したモル%の比率で、炭素数が3〜12の脂肪族ジアミン、テレフタル酸、11−アミノウンデカン酸またはアジピン酸、触媒、末端調整剤として酢酸及びイオン交換水を50リットルのオートクレーブに仕込み、実施例1と同様にして重縮合を進め、共重合ポリアミドを得た。得られた共重合ポリアミドの特性を表1に示す。
Figure 2012136643
表1から明らかなように、実施例1〜8の共重合ポリアミドは、成形性、耐熱老化性、及びガソリンバリア性の三つの特性の全てを高度に満足している。なかでも、吸水率と成形性のバランスを考慮すると実施例3〜5が最も好ましいと言える。一方、11ナイロンを共重合していない比較例1〜3の共重合ポリアミドは、重合できない(比較例1)か、または重合できても成形性が悪く(比較例2及び3)、66ナイロンを共重合成分としている比較例4は耐熱老化性及びガソリンバリヤ性に劣る。また、メチレン鎖数が3の脂肪族ジアミンを用いた比較例5も成形性を満足するものでなかった。
本発明の共重合ポリアミドは、主成分のメチレン鎖数が4〜12の脂肪族ジアミンとテレフタル酸との等量モル塩から得られる構成単位に11ナイロンが特定の割合で共重合されているので、280℃以上の高融点、機械的特性、摺動性などの特性を活かしつつ、低吸水性、成形性、耐熱老化性、及びガソリンバリア性も高度に満足することができる。従って、本発明の共重合ポリアミドは、自動車や電子部品用の成形材料や摺動用材料として好適に使用することができる。

Claims (3)

  1. (a)メチレン鎖数が4〜12の脂肪族ジアミンとテレフタル酸との等量モル塩から得られる構成単位50〜97モル%、及び(b)11−アミノウンデカン酸又はウンデカンラクタムから得られる構成単位50〜3モル%からなることを特徴とする共重合ポリアミド。
  2. (a)成分の脂肪族ジアミンが、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン、1,11−ウンデカメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン、及びこれらの混合物からなる群より選ばれることを特徴とする請求項1に記載の共重合ポリアミド。
  3. 共重合ポリアミドの融点(Tm)が280〜320℃であり、昇温結晶化温度(Tc1)が90〜140℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の共重合ポリアミド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20240072864A (ko) * 2022-11-17 2024-05-24 주식회사 우성케미칼 헤드램프용 저흡습 복합소재 조성물

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