JP2012136992A - インジェクタ - Google Patents

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知克 山下
Isao Asada
勲 浅田
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Abstract

【課題】インジェクタ1において、噴射圧の高圧化進展に伴い顕在化すると考えられる事態(袋穴とサイド流路との接続によって生じる突起の耐圧性低下、およびノズルニードル7の外周に形成される摺動クリアランスの拡大)を回避する。
【解決手段】ノズルニードル7を摺動自在に支持する筒状部材37は、ノズルボディ8との間にノズル側環状高圧路40を形成し、ノズル側環状高圧路40は、本体3の傾斜高圧路47と連通する。また、筒状部材37は、袋ナット45のネジ締結による軸力によって本体3の軸方向先端に圧接してノズル側低圧路46を形成する。そして、ノズル側低圧路46には、摺動クリアランス39を通じてノズル側環状高圧路40から燃料が低圧化して流れ込む。以上により、噴射圧の高圧化進展に伴い顕在化すると考えられる事態を回避することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンに燃料を噴射供給するインジェクタに関する。
従来から、100MPaを超える超高圧の噴射圧により燃料を噴射供給するインジェクタ100は、図3に示すような構造を有することが公知である。
すなわち、インジェクタ100は、高圧の燃料を噴射する噴射ノズル101と、燃料供給源から高圧の燃料を受け入れて噴射ノズル101に導く本体102と、噴射ノズル101を開弁させる電磁アクチュエータ103とを備え、噴射ノズル101を本体102の軸方向先端に締結するとともに、電磁アクチュエータ103を本体102の軸方向後端に締結することで構成されている。
また、噴射ノズル101は、軸方向に移動して噴孔104を開閉するノズルニードル105と、ノズルニードル105を軸方向に摺動自在に支持して収容するノズルボディ106とを有し、ノズルニードル105は、ノズルボディ106に支持されるとともにスプリング107により閉弁方向に付勢され、ノズルボディ106との間に略円環筒状のノズル室108を形成する。
ノズル室108には高圧の燃料が流れる高圧流路109が接続しており、燃料供給源から本体102に受け入れられた高圧の燃料は、高圧流路109を通じてノズル室108に導かれる。これにより、ノズル室108は高圧流路109の一部をなし、ノズル室108の燃料圧はノズルニードル105に対し開弁方向に作用する。
また、本体102の軸方向後端にはノズルニードル105の軸方向移動を操作するための制御室110が設けられ、制御室110にも高圧流路109が接続しており高圧の燃料が導かれる。そして、制御室110の燃料圧はコマンドピストン111を介してノズルニードル105に対し閉弁方向に作用する。また、制御室110は、電磁アクチュエータ103により低圧流路112に対して開閉され、低圧流路112に対して開放されると燃料圧を下げ、低圧流路112に対して閉鎖されると燃料圧を上げる。
ここで、低圧流路112とは、高圧流路109の燃料圧よりも低圧の燃料が流れる燃料流路である。そして、低圧流路112には、ノズル室108の燃料がノズルボディ106とノズルニードル105との摺動クリアランスを通じてリークしたり、制御室110の燃料が本体ボディ113とコマンドピストン111との摺動クリアランスを通じてリークしたりすることで低圧化して流入する。
以上の構成により、電磁アクチュエータ103が動作すると、制御室110の燃料圧が低下してノズルニードル105に対し軸方向に作用する合力が開弁方向に大きくなるので、ノズルニードル105が開弁方向に移動して噴孔104とノズル室108との間が開放され、燃料の噴射が開始する。また、電磁アクチュエータ103が動作を停止すると、制御室110の燃料圧が上昇してノズルニードル105に対し軸方向に作用する合力が閉弁方向に大きくなるので、ノズルニードル105が閉弁方向に移動して噴孔104とノズル室108との間が閉鎖され、燃料の噴射が停止する。
ところで、インジェクタ100の噴射ノズル101では、噴射圧の高圧化進展に伴い次のような事態が課題視されるようになっている。
すなわち、噴射ノズル101では、構成部品の点数をノズルニードル105およびノズルボディ106の2点に抑えるため、ノズルニードル105を軸方向後方部114においてノズルボディ106により直接的に摺動自在に支持するとともに、ノズルニードル105の軸方向先方部115によりノズルボディ106との間にノズル室108を形成している。
そして、本体102の高圧流路109からノズル室108に高圧の燃料の供給を可能にするため、ノズル室108の後方部116を袋状に設けて径方向に拡大するとともに、軸方向に対して傾斜する燃料流路117を直線的に設けて高圧流路109の一部とし、後方部116に接続させている(以下、後方部116を袋穴116と呼び、燃料流路117をサイド流路117と呼ぶ。)。
このため、袋穴116とサイド流路117との接続によって流路側に突出する突起118が生じており、突起118に応力集中が発生して耐圧性が低下する事態が想定され、このような事態は、噴射圧の高圧化進展とともに、より一層、課題視されるようになるものと考えられる。
また、ノズル室108の燃料は、軸方向後方部114とノズルボディ106との間に形成される摺動クリアランスを通って低圧流路112にリークするが、噴射圧が高圧化すると摺動クリアランスを通る燃料も高圧化するため、摺動クリアランスが押し広げられてしまう。この結果、ノズル室108から低圧流路112にリークする燃料が増加する事態が想定され、このような事態も、噴射圧の高圧化進展とともに、より一層、課題視されるようになるものと考えられる。
なお、特許文献1には、袋穴とサイド流路との接続によって生じる突起の頂角が鈍角になるように袋穴を設けて、突起に発生する応力集中を緩和する技術が開示されている。しかし、突起の頂角が鈍角になるように袋穴を設ける加工は、突起の頂角が鋭角になる場合に比べて煩雑であり、加工費が高くなってしまう。また、突起の頂角を鈍角にしても、応力集中を完全に回避することはできず、さらなる噴射圧の高圧化進展によって、再び、突起における応力集中が課題視されるようになるものと考えられる。
特開2006−194173号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、インジェクタの噴射ノズルにおいて、噴射圧の高圧化進展に伴い顕在化すると考えられる事態(袋穴とサイド流路との接続によって生じる突起の耐圧性低下、およびノズルニードルの外周に形成される摺動クリアランスの拡大)を回避することにある。
〔請求項1の手段〕
請求項1の手段によれば、インジェクタは、高圧の燃料を噴射する噴射ノズルと、燃料供給源から高圧の燃料を受け入れる本体とを備え、噴射ノズルを本体の軸方向先端側に締結することで構成され、本体は、高圧の燃料が流れる高圧流路の一部、および高圧流路の燃料圧よりも低圧の燃料が流れる低圧流路の一部を有し、本体の高圧流路は本体の軸方向先端に開口している。
また、噴射ノズルは、噴孔を有するノズルボディと、ノズルボディに収容され、軸方向に移動して噴孔を開閉するノズルニードルと、ノズルボディとは別体の筒状に設けられ、ノズルニードルを内周側で軸方向に摺動自在に支持してノズルニードルとの間に摺動クリアランスを形成する筒状部材とを有する。
また、ノズルボディは、略円筒状に設けられて軸方向後端に開口するとともに噴孔に通じるシリンダを有し、ノズルニードルおよび筒状部材は、シリンダに収容されてノズルボディとの間に環状の燃料流路を形成する。そして、噴射ノズルは、環状の燃料流路が本体の高圧流路と連通するように、ネジ締結に伴う軸力によって本体の軸方向先端側に締結され、環状の燃料流路は、本体の高圧流路と連通することで噴射ノズルの高圧流路の一部をなす。
さらに、筒状部材は、外周側に伸びる鍔部を有し、鍔部は、ネジ締結に伴う軸力により噴射ノズルと本体とによって軸方向に挟み込まれる。そして、本体の低圧流路には、摺動クリアランスを通じて噴射ノズルの高圧流路から燃料が低圧化して流れ込む。
これにより、従来のノズル室に相当する環状の燃料流路を後方部において袋穴としたり、ノズルボディにサイド流路を設けて袋穴に接続したりしなくても、環状の燃料流路と本体側の高圧流路との連通により、噴孔に通じる噴射ノズル側の燃料流路に高圧の燃料を供給することができる。このため、袋穴とサイド流路との接続によって生じる突起の耐圧性低下を考慮することなく、噴射圧を高圧化することができる。
また、摺動クリアランスは筒状部材の内周側でノズルニードルとの間に形成され、筒状部材の外周側には高圧の燃料が通る環状の燃料流路が形成される。このため、噴射圧の高圧化に伴い摺動クリアランスを通る燃料が高圧化しても、筒状部材には外周側からも高圧の燃料圧が作用するので、摺動クリアランスは拡大しなくなる。
以上により、噴射圧の高圧化進展に伴い顕在化すると考えられる事態(袋穴とサイド流路との接続によって生じる突起の耐圧性低下、およびノズルニードルの外周に形成される摺動クリアランスの拡大)を回避することができる。
また、筒状部材に鍔部を設け、ネジ締結に伴う軸力により鍔部を噴射ノズルと本体とによって軸方向に挟み込むことで、ネジ締結に伴う軸力を利用して筒状部材を本体に強固に圧接させることができる。このため、筒状部材と本体との間の液密性を高めることができる。すなわち、筒状部材と本体との当接部に磨耗が生じたり、異物の噛み込みが生じたりした場合、噴射圧が高いほど液密性が低下して筒状部材と本体との当接部から高圧の燃料がリークする虞が高まる。
そこで、ネジ締結に伴う軸力を利用して筒状部材を本体に強固に圧接させることで、筒状部材と本体との間の液密性を高めることができる。
〔請求項2の手段〕
請求項2の手段によれば、噴射ノズルと本体とのネジ締結には、後端に雌ネジが設けられるとともに先端に貫通穴が設けられた袋ナットを利用する。そして、噴射ノズルの先端を貫通穴から突出させるとともに、本体に設けられた雄ネジを雌ネジに螺合することで、ネジ締結に伴う軸力を発生させて鍔部を噴射ノズルと本体とによって軸方向に挟み込む。
この手段は、ネジ締結の一態様を例示するものである。
〔請求項3の手段〕
請求項3の手段によれば、本体の軸方向先端には、本体の一部として、ノズルニードルを内周側で軸方向に摺動自在に支持する筒状部が設けられ、筒状部はノズルニードルとの間に摺動クリアランスを形成する。また、ノズルボディは、略円筒状に設けられて軸方向後端に開口するとともに噴孔に通じるシリンダを有し、ノズルニードルおよび筒状部は、シリンダに収容されてノズルボディとの間に環状の燃料流路を形成する。
これにより、筒状部材を本体に一体化して筒状部とすることで、筒状部材と本体との当接構造を省くことができる。このため、筒状部材と本体との間の液密性を考慮することなく、噴射圧の高圧化進展に伴い顕在化すると考えられる事態(袋穴とサイド流路との接続によって生じる突起の耐圧性低下、およびノズルニードルの外周に形成される摺動クリアランスの拡大)を回避することができる。
(a)はインジェクタの全体構成図であり、(b)はインジェクタの要部構成図である(実施例1)。 インジェクタの要部構成図である(実施例2)。 (a)はインジェクタの全体構成図であり、(b)はインジェクタの要部構成図である(従来例)。
第1実施形態のインジェクタは、高圧の燃料を噴射する噴射ノズルと、燃料供給源から高圧の燃料を受け入れる本体とを備え、噴射ノズルを本体の軸方向先端側に締結することで構成され、本体は、高圧の燃料が流れる高圧流路の一部、および高圧流路の燃料圧よりも低圧の燃料が流れる低圧流路の一部を有し、本体の高圧流路は本体の軸方向先端に開口している。
また、噴射ノズルは、噴孔を有するノズルボディと、ノズルボディに収容され、軸方向に移動して噴孔を開閉するノズルニードルと、ノズルボディとは別体の筒状に設けられ、ノズルニードルを内周側で軸方向に摺動自在に支持してノズルニードルとの間に摺動クリアランスを形成する筒状部材とを有する。
また、ノズルボディは、略円筒状に設けられて軸方向後端に開口するとともに噴孔に通じるシリンダを有し、ノズルニードルおよび筒状部材は、シリンダに収容されてノズルボディとの間に環状の燃料流路を形成する。そして、噴射ノズルは、環状の燃料流路が本体の高圧流路と連通するように、ネジ締結に伴う軸力によって本体の軸方向先端側に締結され、環状の燃料流路は、本体の高圧流路と連通することで噴射ノズルの高圧流路の一部をなす。
さらに、筒状部材は、外周側に伸びる鍔部を有し、鍔部は、ネジ締結に伴う軸力により噴射ノズルと本体とによって軸方向に挟み込まれる。そして、本体の低圧流路には、摺動クリアランスを通じて噴射ノズルの高圧流路から燃料が低圧化して流れ込む。
また、噴射ノズルと本体とのネジ締結には、後端に雌ネジが設けられるとともに先端に貫通穴が設けられた袋ナットを利用する。そして、噴射ノズルの先端を貫通穴から突出させるとともに、本体に設けられた雄ネジを雌ネジに螺合することで、ネジ締結に伴う軸力を発生させて鍔部を噴射ノズルと本体とによって軸方向に挟み込む。
第2実施形態のインジェクタによれば、本体の軸方向先端には、本体の一部として、ノズルニードルを内周側で軸方向に摺動自在に支持する筒状部が設けられ、筒状部はノズルニードルとの間に摺動クリアランスを形成する。また、ノズルニードルおよび筒状部は、シリンダに収容されてノズルボディとの間に環状の燃料流路を形成する。
〔実施例1の構成〕
実施例1のインジェクタ1の構成を、図1を用いて説明する。
インジェクタ1は、100MPaを超える超高圧の噴射圧により燃料を噴射供給することができるものであり、例えば、ディーゼルエンジン(図示せず)の気筒内に燃料を直接的に噴射供給する。
インジェクタ1は、高圧の燃料を噴射する噴射ノズル2と、コモンレール等の燃料供給源から高圧の燃料を受け入れて噴射ノズル2に導く本体3と、噴射ノズル2を開弁させる電磁アクチュエータ4とを備え、噴射ノズル2を本体3の軸方向先端に締結するとともに、電磁アクチュエータ4を本体3の軸方向後端に締結することで構成されている。
噴射ノズル2は、軸方向に移動して噴孔6を開閉するノズルニードル7と、ノズルニードル7を軸方向に移動自在に収容するノズルボディ8とを有する。ここで、ノズルボディ8は、略円筒状に設けられて軸方向後端に開口するシリンダ9を有し、ノズルニードル7は、シム10を介してスプリング11により閉弁方向に付勢されるようにシリンダ9に収容され、ノズルボディ8との間に略円環筒状のノズル室12を形成する。
そして、ノズル室12には、本体3の高圧流路13から高圧の燃料が導かれている。これにより、ノズル室12は高圧流路13の一部をなし、ノズル室12の燃料圧はノズルニードル7に対し開弁方向に作用する。
ここで、高圧流路13とは、高圧の燃料が流れる燃料流路であり、燃料供給源から受け入れた高圧の燃料が各種のクリアランス等を通過することなく低圧化していない状態で流動する流路である。
また、シリンダ9の先端には、ノズルニードル7の先端に設けられたシート部15が離着するシート面16が設けられており、噴孔6はシート面16よりもさらに先端側でシリンダ9に開口している。このため、シート部15がシート面16に離着することで噴孔6とノズル室12との間が開閉され、噴孔6を通じての燃料噴射が開始したり停止したりする。
本体3は、ノズルニードル7の軸方向移動を操作するための制御室18を軸方向後端に形成し、制御室18の燃料圧をノズルニードル7に伝達するコマンドピストン19を有する。そして、制御室18の燃料圧は、コマンドピストン19を介してノズルニードル7に対し閉弁方向に作用する。また、本体ボディ20には、燃料供給源から受け入れた高圧の燃料を噴射ノズル2に導くように高圧流路13が設けられている。また、高圧流路13は、制御室18にも分岐して接続しており、制御室18には高圧の燃料が導かれる。
また、制御室18は、電磁アクチュエータ4の弁体22により、電磁アクチュエータ4に形成された低圧流路23に対して開閉されるように設けられている。
ここで、低圧流路23とは、高圧流路13の燃料圧よりも低圧の燃料が流れる燃料流路であり、高圧流路13を流動していた燃料が各種のクリアランス等を通過することにより低圧化した状態で流動する流路である。
例えば、制御室18の先端側は、本体ボディ20がコマンドピストン19の後端部を摺動自在に支持することで封鎖されており、制御室18の高圧の燃料は、本体ボディ20とコマンドピストン19との摺動クリアランス24を通じて低圧流路23にリークしている。なお、本体3に設けられる主な低圧流路23は、本体ボディ20の主要部たる本体主要部26とコマンドピストン19との間に形成される環状の本体側環状低圧路27、および、本体側環状低圧路27に平行するように本体主要部26を軸方向に貫通する本体側貫通低圧路28である。
そして、摺動クリアランス24を通じて、本体側環状低圧路27にリークした燃料は、本体主要部26の先端で流れの方向を反転させて本体側貫通低圧路28に流入する。そして、本体側貫通低圧路28の燃料は、電磁アクチュエータ4の低圧流路23に流入し、電磁アクチュエータ4の後端からインジェクタ1の外部に導かれて燃料タンクに戻る。
このため、制御室18が低圧流路23に対して開放されると制御室18の燃料圧が低下し、制御室18が低圧流路23に対して閉鎖されると制御室18の燃料圧が上昇する。
なお、高圧流路13から制御室18に向かう入側の流路にはオリフィス29が設けられ、制御室18から低圧流路23に向かう出側の流路にはオリフィス30が設けられており、オリフィス29、30は、弁体22の開閉動作により制御室18の燃料圧が確実に低下または上昇するように設けられている。
電磁アクチュエータ4は、ソレノイドコイル32への通電により磁気回路を形成するアーマチャ33およびステータ34を有し、アーマチャ33と一体化された摺動軸部の軸方向先端に弁体22を保持する。また、アーマチャ33は、スプリング35によりステータ34から離間する方向に付勢されている。
これにより、ソレノイドコイル32への通電が開始すると、アーマチャ33がステータ34の方に吸引されて移動するとともに弁体22が軸方向後方に移動し、制御室18が低圧流路23に対して開放される。また、ソレノイドコイル32への通電が停止すると、アーマチャ33がステータ34から離間する方向に移動するとともに弁体22が軸方向先方に移動し、制御室18が低圧流路23に対して閉鎖される。
以上の構成により、ソレノイドコイル32への通電開始により電磁アクチュエータ4が動作すると、制御室18の燃料圧が低下してノズルニードル7に対し軸方向に作用する合力が開弁方向に大きくなるので、ノズルニードル7が開弁方向に移動して噴孔6とノズル室12との間が開放され、燃料の噴射が開始する。
また、ソレノイドコイル32への通電停止により電磁アクチュエータ4が動作を停止すると、制御室18の燃料圧が上昇してノズルニードル7に対し軸方向に作用する合力が閉弁方向に大きくなるので、ノズルニードル7が閉弁方向に移動して噴孔6とノズル室12との間が閉鎖され、燃料の噴射が停止する。
〔実施例1の特徴〕
実施例1のインジェクタ1の特徴を、図1を用いて説明する。
まず、噴射ノズル2は、ノズルボディ8とは別体に設けられる筒状部材37を有する。
筒状部材37は、ノズルニードル7の後端部38を軸方向に摺動自在に支持してノズルニードル7との間に摺動クリアランス39を形成するものであり、ノズルニードル7とともにシリンダ9に収容されてノズルボディ8との間に環状の燃料流路40を形成する。
また、本体3の高圧流路13は、本体3の軸方向先端に開口しており、環状の燃料流路40は、本体3と噴射ノズル2との締結により、後記する鍔部高圧路41を介して本体3の高圧流路13と連通することで高圧流路13の一部をなす(以下、環状の燃料流路40を、ノズル側環状高圧路40と呼ぶ。)。そして、ノズル側環状高圧路40に、スプリング11が収容されている。
また、筒状部材37は、シム10とともにスプリング11を軸方向に支持するスプリング座として機能する先端部42、先端部42よりも小径の中間部42a、中間部42aの後端側で外周側に伸びる鍔部43を有する。
そして、先端部42および中間部42aがシリンダ9に収容されてノズル側環状高圧路40が形成されている。ここで、中間部42aは先端部42よりも外周径が小径に設けられているので、中間部42aとノズルボディ8との間に形成されるノズル側環状高圧路40は、先端部42とノズルボディ8との間に形成されるノズル側環状高圧路40よりも断面積が大きくなっている。
鍔部43は、円板状に外周側に伸びており、本体ボディ20の先端部分をなす本体先端部44とノズルボディ8とにより軸方向に挟み込まれている。
ここで、噴射ノズル2と本体3とは袋ナット45を利用したネジ締結により締結されている。すなわち、袋ナット45は、後端に雌ネジ45aが設けられるとともに先端に貫通穴45bが設けられており、噴射ノズル2と本体3とは、噴射ノズル2の先端を貫通穴45bから突出させるとともに、本体3に設けられた雄ネジを雌ネジ45aに螺合することで締結されている。このため、鍔部43は、袋ナット45を利用したネジ締結に伴う軸力により、ノズルボディ8と本体先端部44とによって軸方向に強力に挟み込まれている。
なお、鍔部43には、本体3の高圧流路13とノズル側環状高圧路40との連通を確保するため、軸方向に貫通する鍔部高圧路41が軸方向と平行に設けられている。
また、筒状部材37の内周側に形成される空間は、本体3と噴射ノズル2との締結により、本体3の低圧流路23と連通することで低圧流路23の一部をなす(以下、筒状部材37の内周側の低圧流路23をノズル側低圧路46と呼ぶ)。
そして、ノズル側低圧路46には、筒状部材37とノズルニードル7との摺動クリアランス39を通じてノズル側環状高圧路40から燃料が低圧化して流れ込んでいる。
また、ノズル側低圧路46では、コマンドピストン19の先端がノズルニードル7の後端部38に当接しており、この当接によって、制御室18の燃料圧による付勢力が、ノズルニードル7に伝達されている。
また、本体ボディ20は、本体主要部26と本体先端部44とに分けて設けられ、本体先端部44では、高圧流路13が軸方向先方に向かって内周側に傾斜して貫通するように設けられている(以下、本体先端部44の高圧流路13を傾斜高圧路47と呼ぶ。)。そして、傾斜高圧路47は、鍔部高圧路41を介してノズル側環状高圧路40に連通している。
また、本体先端部44では、低圧流路23が中央部を軸方向に貫通するように設けられている(以下、本体先端部44の中央部で軸方向に設けられた低圧流路23を先端中央低圧路47aと呼ぶ。)。そして、本体3と噴射ノズル2との締結により先端中央低圧路47aとノズル側低圧路46とが連通することで、ノズル側低圧路46は低圧流路23の一部をなす。
また、本体先端部44は、コマンドピストン19の先端部を先端中央低圧路47aに受け入れて摺動自在に支持するように設けられており、コマンドピストン19は、自身の先端部と後端部とにおいて摺動自在に支持されている。そして、コマンドピストン19の先端部では、主に先端中央低圧路47aにおける燃料の通過を確保してノズル側低圧路46と本体側貫通低圧路28との間で燃料を自在に流動させるため、外周面が面取りされて軸方向に平行な平坦面48が設けられている。なお、コマンドピストン19の先端は、先端中央低圧路47aから先端側に突出してノズル側低圧路46に入り込み、ノズルニードル7の後端部38に当接している。
このため、摺動クリアランス39を介してリークした燃料は、ノズル側低圧路46を通過した後、先端中央低圧路47aを通って本体側貫通低圧路28に流入する。
なお、本体先端部44の軸方向後端には、本体側環状低圧路27と本体側貫通低圧路28との連通を可能とするために窪み49が設けられており、窪み49も低圧流路23をなす。また、先端中央低圧路47aは窪み49に開口しており、先端中央低圧路47aに流入した燃料は窪み49を通って本体側貫通低圧路28に流入する。
さらに、シリンダ9は、軸方向の中央部および先端部が後端部よりも縮径するように設けられており、ノズルニードル7は、縮径したシリンダ9の中央部においてノズルボディ8により摺動自在に支持されている。また、ノズルニードル7は、ノズルボディ8に摺接する自身の中央部51よりも先端側の先端部52によりノズル室12を形成する。そして、中央部51では、ノズル側環状高圧路40とノズル室12との連通を確保するため、外周面が面取りされて軸方向に平行な平坦面53が設けられている。
〔実施例1の効果〕
実施例1のインジェクタ1によれば、噴射ノズル2は、ノズルニードル7を軸方向に摺動自在に支持してノズルニードル7との間に摺動クリアランス39を形成する筒状部材37を有する。また、ノズルニードル7および筒状部材37は、シリンダ9に収容されてノズルボディ8との間にノズル側環状高圧路40を形成し、ノズル側環状高圧路40は、鍔部高圧路41を介して本体3の傾斜高圧路47と連通する。さらに、ノズル側低圧路46には、摺動クリアランス39を通じてノズル側環状高圧路40から燃料が低圧化して流れ込む。
これにより、噴射ノズル2において高圧流路13を設けるために、袋穴を形成したり、ノズルボディ8にサイド流路を設けて袋穴に接続したりしなくても、鍔部高圧路41を介するノズル側環状高圧路40と傾斜高圧路47との連通により、噴射ノズル2内に高圧の燃料を供給することができる。このため、袋穴とサイド流路との接続によって生じる突起の耐圧性低下を考慮することなく、噴射圧を高圧化することができる。
また、噴射圧の高圧化に伴い摺動クリアランス39を通る燃料が高圧化しても、筒状部材37には外周側から高圧の燃料圧が作用するので、摺動クリアランス39は拡大しなくなる。
以上により、噴射圧の高圧化進展に伴い顕在化すると考えられる事態(袋穴とサイド流路との接続によって生じる突起の耐圧性低下、およびノズルニードル7の外周に形成される摺動クリアランスの拡大)を回避することができる。
また、筒状部材37には鍔部43が設けられ、鍔部43は、袋ナット45を利用したネジ締結に伴う軸力によりノズルボディ8と本体先端部44とによって軸方向に挟み込まれている。
これにより、ネジ締結に伴う軸力を利用して筒状部材37を本体先端部44に強固に圧接させることができる。このため、筒状部材37と本体先端部44との間の液密性を高めることができる。
すなわち、筒状部材37と本体先端部44との当接部に磨耗が生じたり、異物の噛み込みが生じたりした場合、噴射圧が高いほど液密性が低下して筒状部材37と本体先端部44との当接部から高圧の燃料がリークする虞が高まる。
そこで、袋ナット45を用いたネジ締結に伴う軸力を利用して筒状部材37を本体先端部44に強固に圧接させることで、筒状部材37と本体先端部44との間の液密性を高めることができる。
〔実施例2〕
実施例2のインジェクタ1によれば、図2に示すように、本体先端部44には、本体3の一部として、ノズルニードル7の後端部38を内周側で軸方向に摺動自在に支持する筒状部37aが設けられ、筒状部37aは後端部38との間に摺動クリアランス39を形成する。そして、ノズルニードル7および筒状部37aは、シリンダ9に収容されてノズルボディ8との間にノズル側環状高圧路40を形成する。
なお、筒状部37aは、スプリング11のスプリング座として機能する先端部42、先端部42よりも小径の中間部42aを有する。そして、先端部42および中間部42aがシリンダ9に収容されてノズル側環状高圧路40が形成されている。ここで、中間部42aは先端部42よりも外周径が小径に設けられているので、中間部42aとノズルボディ8との間に形成されるノズル側環状高圧路40は、先端部42とノズルボディ8との間に形成されるノズル側環状高圧路40よりも断面積が大きくなっている。
また、筒状部37aの内周側に形成される空間がノズル側低圧路46となっている。
これにより、実施例1の筒状部材37を本体先端部44に一体化して筒状部37aとすることで、実施例1において存在した筒状部材37と本体先端部44との当接構造を省くことができる。このため、筒状部材37と本体先端部44との間の液密性を考慮することなく、噴射圧の高圧化進展に伴い顕在化すると考えられる事態(袋穴とサイド流路との接続によって生じる突起の耐圧性低下、およびノズルニードル7の外周に形成される摺動クリアランスの拡大)を回避することができる。
〔変形例〕
インジェクタ1の態様は、実施例1、2に限定されず種々の変形例を考えることができる。例えば、実施例1、2のインジェクタ1によれば、噴射ノズル2は、袋ナット45により本体3にネジ締結されていたが、ノズルボディ8に筒状のナット部を延設してナット部の内周に雌ネジを設け、袋ナット45を利用することなく、噴射ノズル2と本体3とを、直接、ネジ締結してもよい。
1 インジェクタ
2 噴射ノズル
3 本体
6 噴孔
7 ノズルニードル
8 ノズルボディ
9 シリンダ
13 高圧流路
23 低圧流路
37 筒状部材
37a 筒状部
39 摺動クリアランス
40 ノズル側環状高圧路(環状の燃料流路、噴射ノズルの高圧流路)
43 鍔部
45 袋ナット
45a 雌ネジ
45b 貫通穴
47 傾斜高圧路(本体の高圧流路)
47a 先端中央低圧路(本体の低圧流路)

Claims (3)

  1. 高圧の燃料を噴射する噴射ノズルと、燃料供給源から高圧の燃料を受け入れる本体とを備え、前記噴射ノズルを前記本体の軸方向先端側に締結することで構成されるインジェクタにおいて、
    前記本体は、高圧の燃料が流れる高圧流路の一部、および高圧流路の燃料圧よりも低圧の燃料が流れる低圧流路の一部を有し、前記本体の高圧流路は前記本体の軸方向先端に開口しており、
    前記噴射ノズルは、
    噴孔を有するノズルボディと、
    このノズルボディに収容され、軸方向に移動して前記噴孔を開閉するノズルニードルと、
    前記ノズルボディとは別体の筒状に設けられ、前記ノズルニードルを内周側で軸方向に摺動自在に支持して前記ノズルニードルとの間に摺動クリアランスを形成する筒状部材とを有し、
    前記ノズルボディは、略円筒状に設けられて軸方向後端に開口するとともに前記噴孔に通じるシリンダを有し、
    前記ノズルニードルおよび前記筒状部材は、前記シリンダに収容されて前記ノズルボディとの間に環状の燃料流路を形成し、
    前記噴射ノズルは、前記環状の燃料流路が前記本体の高圧流路と連通するように、ネジ締結に伴う軸力によって前記本体の軸方向先端側に締結され、前記環状の燃料流路は、前記本体の高圧流路と連通することで前記噴射ノズルの高圧流路の一部をなし、
    前記筒状部材は、外周側に伸びる鍔部を有し、この鍔部は、前記ネジ締結に伴う軸力により前記噴射ノズルと前記本体とによって軸方向に挟み込まれ、
    前記本体の低圧流路には、前記摺動クリアランスを通じて前記噴射ノズルの高圧流路から燃料が低圧化して流れ込むことを特徴とするインジェクタ。
  2. 請求項1に記載のインジェクタにおいて、
    前記噴射ノズルと前記本体とのネジ締結には、後端に雌ネジが設けられるとともに先端に貫通穴が設けられた袋ナットを利用し、
    前記噴射ノズルの先端を前記貫通穴から突出させるとともに、前記本体に設けられた雄ネジを前記雌ネジに螺合することで、前記ネジ締結に伴う軸力を発生させて前記鍔部を前記噴射ノズルと前記本体とによって軸方向に挟み込むことを特徴とするインジェクタ。
  3. 高圧の燃料を噴射する噴射ノズルと、燃料供給源から高圧の燃料を受け入れる本体とを備え、前記噴射ノズルを前記本体の軸方向先端側に締結することで構成されるインジェクタにおいて、
    前記本体は、高圧の燃料が流れる高圧流路の一部、および高圧流路の燃料圧よりも低圧の燃料が流れる低圧流路の一部を有し、前記本体の高圧流路は前記本体の軸方向先端に開口しており、
    前記噴射ノズルは、噴孔を有するノズルボディと、このノズルボディに収容され、軸方向に移動して前記噴孔を開閉するノズルニードルとを有し、
    前記本体の軸方向先端には、前記本体の一部として、前記ノズルニードルを内周側で軸方向に摺動自在に支持する筒状部が設けられ、この筒状部は前記ノズルニードルとの間に摺動クリアランスを形成し、
    前記ノズルボディは、略円筒状に設けられて軸方向後端に開口するとともに前記噴孔に通じるシリンダを有し、
    前記ノズルニードルおよび前記筒状部は、前記シリンダに収容されて前記ノズルボディとの間に環状の燃料流路を形成し、
    前記噴射ノズルは、前記環状の燃料流路が前記本体の高圧流路と連通するように前記本体の軸方向先端側に締結され、前記環状の燃料流路は、前記本体の高圧流路と連通することで前記噴射ノズルの高圧流路の一部をなし、
    前記本体の低圧流路には、前記摺動クリアランスを通じて前記噴射ノズルの高圧流路から燃料が低圧化して流れ込むことを特徴とするインジェクタ。
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