JP2012137438A - 放射線画像検出装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】放射線の照射によって蛍光を発するシンチレータ200と、シンチレータ200が発した蛍光を電気信号として検出する光検出器40と、を備え、シンチレータ200は、放射線の進行方向において光検出器40の後側に配置されるとともに、蛍光物質の結晶が柱状に成長してなる柱状結晶20Aの群で形成された柱状部20およびこの柱状部20の光検出器40側に設けられる第1非柱状部23を有する。
【選択図】図4
Description
センサ基板との密着性が悪ければ落下等の衝撃時にセンサ基板からシンチレータが分離し、分離した部分に直接衝撃が加わるとシンチレータが損傷するおそれがある。また、密着性が悪ければ、シンチレータとセンサ基板との熱膨張量の違いなどにより、センサ基板からシンチレータが剥離し易い。更に、センサ基板とシンチレータとの密着性にムラが生じると、検出画像の画質に影響する。
放射線の照射によって蛍光を発するシンチレータと、
前記シンチレータが発した蛍光を電気信号として検出する光検出器と、を備え、
前記シンチレータは、放射線の進行方向において前記光検出器の後側に配置されるとともに、蛍光物質の結晶が柱状に成長してなる柱状結晶の群で形成された柱状部及びこの柱状部の前記光検出器側に設けられる第1非柱状部を有する。
上述のシンチレータの製造方法であって、
支持体上に、気相堆積法により前記シンチレータを形成する際に、真空度、支持体温度、及び蒸着レートの少なくともいずれかの条件を変更することで、前記柱状部及び前記第1非柱状部を少なくとも含むシンチレータを形成するシンチレータ形成工程を含む。
なお、既に述べた構成と同様の構成については同一符号を付してその説明を省略し、既に述べた構成との差異についてのみ説明する。
図1は、間接変換方式のX線画像検出装置1の概略構成を模式的に示す側断面図である。X線画像検出装置1は、X線の照射によって発光するシンチレータ200を含むシンチレータパネル10と、シンチレータ200から発光した光を電気信号として検出する光検出器40とを備えている。
図2は、光検出器40の構成を模式的に示す側断面図である。図3は、センサ基板400の構成を模式的に示す平面図である。光検出器40は、半導体層が形成された平面視矩形状のセンサ基板400を有する。センサ基板400は、ガラス等の絶縁性基板401と、a−Siフォトダイオード等の光電変換素子41と、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)からなるスイッチング素子42とを含んで構成されている。
また、後述する例(図8及び図9)のように、センサ基板400上にシンチレータが蒸着形成されていてもよい。
〔3−1.全体構成〕
シンチレータパネル10は、図1に示すように、支持体(基板)101と、支持体101上に気相堆積法によって蒸着されたシンチレータ200と、シンチレータ200を被覆して支持体101上に封止するパリレン等の保護膜(防湿膜)30とを有する。気相堆積法によって形成されたパリレンの保護膜は、シンチレータ200との密着性が良く、その上柔軟性を有するので、支持体101のソリ等への追従性が良い。
支持体101としては、Al製の板に限らず、カーボン板、CFRP(carbon fiber reinforced plastic)、ガラス板、石英基板、サファイア基板などから適宜選ぶことができ、支持体表面にシンチレータ200を形成させうる限りにおいて特にこれらに限定されない。ただし、支持体101が光の反射部材を兼ねる場合には、Al等の軽金属を支持体の材料として用いるとよい。
柱状部20は、多数の柱状結晶20Aの集合体であり、図4に示した例では、各柱状結晶20Aは支持体101に対してほぼ垂直に起立する。本例の柱状結晶20Aは、先端側がすぼまった形状とされている。柱状結晶20Aの先端部は、研磨によって平坦化されていてもよい。光検出器40の1つの画素(光電変換素子41)に対して、複数の柱状結晶20Aの先端部が対向する。
(1)第1非柱状部の構成
第1非柱状部23は、図4に示すように、略球形あるいは不定形の非柱状結晶23Aを含んで構成されている。なお、第1非柱状部23は、アモルファス(非晶質)の部分を含むことがある。
また、第1非柱状部23の厚みは、柱状部20の先端部を確実に被覆可能な最小の厚みで足りる。すなわち、第1非柱状部23の厚みが小さいほど、高価な蛍光材料の使用量を節約でき、コストダウンできる。
この第1非柱状部23の厚みは薄いため、柱状結晶20Aで発光した光の第1非柱状部23における減衰及び散乱等は無視しうる。
第1非柱状部23の非柱状結晶23Aには、第2非柱状部25の結晶径として好適な範囲(後述)よりも広い範囲の径を採用しうる。略球形の非柱状結晶23Aの径が極めて小さく空隙率が0に近づくことは、柱状部20の先端部を第1非柱状部23が覆う意味で好ましい。また、非柱状結晶23Aが互いに結合し大径化して空隙率が0に近づくことも、同様の意味で好ましい。したがって、第2非柱状部23における結晶径は、あまりに大径でシンチレータ表面の平坦性が失われない限りにおいて、適宜な径に決められる。
第2非柱状部25は、図4に示すように、略球形あるいは不定形の非柱状結晶25Aを含んで構成されている。なお、第2非柱状部25は、アモルファス(非晶質)の部分を含むことがある。
また、第2非柱状部25の厚みは、支持体101との密着性と光の反射機能とが得られる最小の厚みで足りる。すなわち、第2非柱状部25の厚みが小さいほど、高価な蛍光材料の使用量を節約でき、コストダウンできる。
ここで、非柱状結晶25Aの径が小さい方が略球形の結晶形状が維持され易いので好ましいが、非柱状結晶25Aの径が小さすぎると空隙率が0に近づき、第2非柱状部25が光の反射層としての役目を有しなくなるので、非柱状結晶25Aの径は0.5μm以上であることが好ましい。また、径が大きすぎると、第2非柱状部25の平坦性及び表面積が低下し、支持体101との密着性が低下するとともに、結晶同士が結合して空隙率が低下し反射効果が減少するので、第2非柱状部25の結晶径は7.0μm以下であることが好ましい。
第2非柱状部25における略球状の結晶の割合が高いほど、重なり合う結晶間に空隙が維持され易いので、反射効果を確保し易い。結晶径が小さい方が結晶形状が略球形に維持され易いので好ましいが、径が0.5μm未満となるほど小さすぎるときには、空隙率が0に近づくので、反射効果を得るのが困難となる。
また、結晶径が大きすぎるときにも、略球状の結晶同士が結合して不定形となり、結晶間の空隙が減少するため反射効果も減少する。
すなわち、略球形の結晶形状を保持し、かつ反射特性を奏功可能な所定の空隙を維持する観点から、非柱状結晶25Aの径及び第2非柱状部25の空隙率がそれぞれ決められることが好ましい。なお、第2非柱状部25の空隙率を決める際には、第2非柱状部25の厚みも考慮して決めてよい。
第1非柱状部23の空隙率は上述の通り10%以下であり、第1非柱状部23の空隙率は、第2非柱状部25の空隙率よりも小さいことが好ましい。第2非柱状部25において支持体101に接する部分の空隙率は0あるいは略0であるが、第2非柱状部25の厚み全体の空隙率と、第1非柱状部23の空隙率とを比較すると、第1非柱状部23の空隙率の方が第2非柱状部25の空隙率よりも小さい。すなわち、センサ基板400側に設けられる第1非柱状部23は、光の減衰及び散乱等を防止する意味で薄い方が好ましく、薄くても柱状部20の先端部を覆ってシンチレータ200が平坦化されるように、その空隙率が小さい方が好ましい。また、柱状結晶20A間への保護膜30の材料流入を防止する意味でも、第1非柱状部23の空隙率は10%以下と、小さい方が好ましい。
柱状結晶20Aが所定の高さまで成長した後、真空度及び支持体温度を含む条件を再び変更することによって、柱状部20上に第1非柱状部23を形成する。
(式) 0.01≦(t2/t1)≦0.25
以下、柱状部20、及び第1、第2非柱状部23,25に関する主な作用効果を述べる。
柱状部20は第1、第2非柱状部23,25に比べ結晶性が良く、蛍光の発光効率が高い。また、その結晶形状が柱状であって、空隙を介して隣り合う柱状結晶20Aが支持体101の厚み方向に立設されているので、柱状結晶20Aは、光のガイドとなって柱の高さ方向に光を導光する。ここで、シンチレータ200の光学特性に寄与する第2非柱状部25及び柱状部20に関し、柱状部20がシンチレータ200においてX線の入射側でかつ光検出器40に近接する位置に配置されたことにより、センサ基板400を透過した直後の殆ど減衰していないX線が柱状部20に入射して光に変換され、その蛍光が光検出器40に迅速に入射するので、光検出器40への入射光量を大きくできる。すなわち、シンチレータ200の利用可能な発光量を大きくできる。このことと、柱状結晶20Aによる光ガイド効果によって画素間の光拡散が抑制されることから、検出画像を鮮鋭化できる。
また、シンチレータ200が平坦化されることで、保護膜30を介してシンチレータ200をセンサ基板400に密着できる。センサ基板400との密着性にムラが生じると検出画像にムラが表れ易いが、そのようなことがなく、検出画像の画質を均一化できる。
また、センサ基板400との密着性確保により、熱膨張量の違いによってシンチレータ200がセンサ基板400から剥離することを防止できる。
以上から、センサ基板400とシンチレータ200との密着性を確保する上で、第1非柱状部23はX線画像検出装置1において必須の構成である。一方、支持体101側に設けられる第2非柱状部25は、シンチレータ200に反射特性を持たせる上で、あれば好ましい構成である。第2非柱状部25を有していない構成については後述する(図7)。
また、X線画像検出装置1は、医療用のX線撮影装置のほか、例えば、工業用のX線撮影装置として非破壊検査に用いたり、或いは、電磁波以外の粒子線(α線、β線、γ線)の検出装置として用いたりすることができ、その応用範囲は広い。
なお、以上説明した例では、シンチレータ200は第2の非柱状部25(図4)を備えていたが、この第2非柱状部25は、図7のように設けられていなくてもよい。図7に示すシンチレータ210は、柱状部20と、第1非柱状部23とを有する。このような構成では、主として柱状部20で発光した光は、Al製等の反射部材として構成された支持体101によってセンサ基板400に向けて反射される。
ここで、第1非柱状部23は、センサ基板400上に蒸着の初期において形成された領域であり、第1非柱状部23においてセンサ基板400の最表層に接する部分の空隙率は0あるいは略0である。このため、第1非柱状部23の基端部はセンサ基板400との接触面全体においてセンサ基板400に密着する。
〔6−1.有機光電変換(OPC;Organic photoelectric conversion)材料〕
上述した光電変換素子41(図2)に、例えば特開2009−32854号公報に記載されたOPC(有機光電変換)材料を用いることができる。このOPC材料により形成された膜(以下、OPC膜という)を光電変換素子41の光導電層410として使用できる。OPC膜は、有機光電変換材料を含み、蛍光体層から発せられた光を吸収し、吸収した光に応じた電荷を発生する。このように有機光電変換材料を含むOPC膜であれば、可視域にシャープな吸収スペクトルを持ち、蛍光体層による発光以外の電磁波がOPC膜に吸収されることがほとんどなく、X線等の放射線がOPC膜で吸収されることによって発生するノイズを効果的に抑制することができる。
上述したOPC膜に関するその他の構成は、例えば、特開2009−32854号公報の記載が参考となる。
上述したTFTスイッチング素子42には、無機材料が使われることが多いが、例えば特開2009−212389号公報に記載されたように、有機材料を使用することができる。有機TFTはいかなるタイプの構造でもよいが、最も好ましいのは電界効果型トランジスタ(FET)構造である。このFET構造は、最下層に基板を配置し、その上面の一部にゲート電極を設け、更に該電極を覆い、かつ電極以外の部分で基板と接するように絶縁体層を設けている。更に絶縁体層の上面に半導体活性層を設け、その上面の一部にソース電極とドレイン電極とを隔離して配置している。なお、この構成はトップコンタクト型素子と呼ばれるが、ソース電極とドレイン電極とが半導体活性層の下部にあるボトムコンタクト型素子も好ましく用いることができる。また、キャリアが有機半導体膜の膜厚方向に流れる縦型トランジスタ構造であってもよい。
半導体活性層は、p型有機半導体材料を用いてなる。このp型有機半導体材料は実質的に無色透明である。有機半導体薄膜の膜厚は、例えば触針式膜厚計により測定できる。膜厚の異なる薄膜を複数作製して吸収スペクトルを測定し、検量線から膜厚30nmあたりの最大吸光度に換算してもよい。
以下に、有機薄膜トランジスタにおける半導体活性層以外の素子構成材料について説明する。これらの各材料は、いずれも可視光又は赤外光の透過率が60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましい。
上述した有機TFTに関するその他の構成は、例えば、特開2009−212389号公報の記載が参考となる。
上述したTFTスイッチング素子42には、例えば特開2010−186860号公報に記載された非晶質酸化物を使用することができる。ここで、特開2010−186860号に記載された電界効果型トランジスタが有する非晶質酸化物含有の活性層について示す。この活性層は、電子又はホールの移動する電界効果型トランジスタのチャネル層として機能する。
活性層に用いられる非晶質酸化物半導体としては、好ましくはIn、Sn、Zn、又はCdよりなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む非晶質酸化物であり、より好ましくは、In、Sn、Znよりなる群より選ばれる少なくとも1種を含む非晶質酸化物、更に好ましくは、In、Znよりなる群より選ばれる少なくとも1種を含む非晶質酸化物である。
上述した非晶質酸化物に関するその他の構成は、例えば、特開2010−186860号公報の記載が参考となる。
フレキシブルでかつ低熱膨張、高強度といった、既存のガラスやプラスチックでは得られない特性を有するアラミド、バイオナノファイバー等を放射線画像検出装置に用いることも考えられる。
(1)アラミド
上述したセンサ基板の絶縁性基板401や、支持体101や、制御モジュール50の回路基板などとして、フレキシブル材料であるアラミドによって形成されたフィルム(あるいはシート、基板)を使用することができる。アラミド材料は、ガラス転移温度315℃という高い耐熱性、ヤング率が10GPaという高い剛性、熱膨張率が−3〜5ppm/℃という高い寸法安定性を有する。このため、アラミド製のフィルムを用いると、一般的な樹脂フィルムを用いる場合と比べて、半導体層や蛍光体層の高品質の成膜が容易に行える。また、アラミド材料の高耐熱性により、透明電極材料を高温硬化させて低抵抗化できる。更に、ハンダのリフロー工程を含むICの自動実装にも対応できる。また更に、ITO(indium tin oxide)やガス・バリア膜、ガラス基板と熱膨張係数が近いために、製造後の反りが少ない。そして,割れにくい。ここで、ハロゲンを含まないハロゲンフリー(JPCA−ES01−2003の規定に適合)なアラミド材料を用いることが環境負荷低減の点で好ましい。
アラミドフィルムは、ガラス基板やPET基板と積層されてもよいし、デバイスの筐体に貼り付けられてもよい。
光の波長に対して十分に小さなコンポーネントは光散乱を生じないことから、ナノファイバーによって補強されたフレキシブルなプラスチック材料などを上述したセンサ基板の絶縁性基板401や、支持体101や、制御モジュール50の回路基板などに好適に使用することができる。ナノファイバーの中でも、バクテリア(酢酸菌、Acetobacter Xylinum)が産出するセルロースミクロフィブリル束が幅50nmと、可視光波長に対して約1/10のサイズでかつ、高強度、高弾性、低熱膨である特徴を有するバクテリアセルロースと透明樹脂との複合材料(バイオナノファイバーということがある)を好適に使用できる。
上述したバイオナノファイバーに関する構成は、例えば、特開2008−34556号公報の記載が参考となる。
次に、X線画像検出装置1を効率的に製造しうる放射線画像検出装置の製造方法について説明する。なお、以下では、図1〜図6の例のようにシンチレータパネル10が支持体101を備え、シンチレータパネル10とセンサ基板400とが貼り合わせられる構成のX線画像検出装置1の製造方法について説明する。
気相堆積法の概要としては、真空度0.01〜10Paの環境下、CsI:Tlを抵抗加熱式のるつぼに通電するなどの手段で加熱して気化させ、支持体101の温度を室温(20℃)〜300℃としてCsI:Tlを支持体上に堆積させる。
気相堆積法により支持体101上にCsI:Tlの結晶相を形成する際、当初は不定形或いは略球形の直径の比較的小さな結晶の集合体が形成される。気相堆積法の実施に際しては、真空度、支持体温度、及び蒸着レート(蒸着セル温度)の少なくともいずれかの条件を変更することで、第2非柱状部25の形成後に連続して柱状結晶20Aを成長させることができる(シンチレータ形成工程)。
即ち、所定の厚みt2となるように第2非柱状部25を形成した後、真空度を上げる、支持体温度を高くする、蒸着レートを下げる等の手段のうち少なくともいずれかを行うことで、効率よく均一な柱状結晶20Aを成長させることができる。そして、真空度を下げる、支持体温度を低くする、蒸着レートを上げる等の少なくともいずれかを行うことにより、第1非柱状部23を成長させる。なお、Tlの賦活量を第1非柱状部23、第2非柱状部25、及び柱状部20のそれぞれで変えてもよい。
ここで述べた例では、第1、第2非柱状部23,25及び柱状部20のいずれの材料にもCsI:Tlを用いたが、発光効率が高く、光ガイド機能を有してシンチレータ200全体の発光効率への寄与度が大きい柱状部20のみをCsI:Tlによって形成することも考えられる。この場合にも、発光スペクトル及び湿度による経時劣化に関して上述したCsI:Tl使用の利点を十分に享受できる。
このシンチレータパネル10を光検出器40と貼り合わせることにより、X線画像検出装置1を得ることができる。上述したセンサ基板400との密着性向上により、貼り合わせが容易である。シンチレータパネル10と光検出器40との貼り合わせ方法には特に制限はなく、両者が光学的に結合されればよい。両者を貼り合わせる方法としては、両者を対向させて直接密着させる方法と、何らかの接着層や平坦化層を介して密着させる方法のいずれをとってもよい。
平坦化層を形成する樹脂としては、ポリイミドやパリレン等を使用することができ、製膜性が良好なポリイミドが好ましい。
接着層を形成する接着剤としてはシンチレータ200から発生するシンチレーション光に対して光学的に透明なものが好ましく、例えば、熱可塑性樹脂、UV硬化接着剤、加熱硬化型接着剤、室温硬化型接着剤、両面接着シート、などが挙げられるが、画像の鮮鋭度を低下させないという観点からは、光検出器40の画素サイズに対して十分に薄い接着層を形成しうるという点で、低粘度エポキシ樹脂製の接着剤を用いることが好ましい。
また、樹脂層の厚みは、感度、画像の観点からは50μm以下であることが好ましく、5μm〜30μmの範囲であることがより好ましい。
以下、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら具体例に制限されるものではない。
[製作例1]
1.シンチレータの成膜
支持体として、液晶用の無アルカリガラス基板(0.7mm厚)を準備した。
まず、支持体に対して、CsI結晶層との密着性向上を目的としてArプラズマで表面処理した。その後、表面処理した支持体をシンチレータ成膜用の真空チャンバーにセットした。真空チャンバーは原料のCsI、TlIをそれぞれ独立に加熱するための複数のるつぼを備えている。チャンバーを排気した後、Arを一定量流入することで装置真空度を0.75Paに設定した。原料るつぼを加熱して原料の融液状態が安定した時点で、支持体を真空装置の装置機構により同心円状に回転させ、シャッターを開き、第2非柱状部の蒸着を開始した。
2−1.第2非柱状部の厚み(t2)及び柱状部の厚み(t1)の測定
シンチレータの任意の一部を割断し、柱状結晶の側面からSEM(走査型電子顕微鏡)で観察することで膜厚を測定した。膜厚の値は切り出した部分から無作為に10カ所を選択して測定した値の平均値を用いた。なお、CsIは非導電性のため、Auを約200ÅスパッタしてからSEM観察を行った。
シンチレータの一部を支持体若しくは後述する製作例13においては、光検出基板から剥離し、柱状結晶の膜厚方向に対して垂直な面からSEM(走査型電子顕微鏡)で観察することで柱径(柱状結晶の断面径)を測定した。1回の撮影でシンチレータを表面から見た時に柱状結晶が100本から200本観察できる倍率(約2000倍程度)で観察し、1撮影に含まれる結晶全てに対し、柱状結晶の柱径の最大値を測定して平均した。
製作例1〜11について、図4のB−B断面に相当する位置における第2非柱状部の空隙率を測定し、表1に示した。第2非柱状部の空隙率は、第2非柱状部の支持体への蒸着面積、第2非柱状部の厚み、CsI密度、及び実際に測定したシンチレータの重量に基づいて算出した。
光検出器を準備し、表面にスピンコーターで、溶媒で希釈した低粘度エポキシ樹脂接着剤(ハンツマン社製アラルダイト2020)を溶媒揮発後の厚さが15μmとなるように塗布して接着層を形成した。光検出器に形成された接着層と得られたシンチレータの柱状部側を対向させたのち、加熱することで光検出器とシンチレータとを接着層を介して貼り合わせた。
その後、光検出器の端子部にTFT駆動用の回路基板と、電荷読み取り用の集積回路ICを異方性導電膜により貼り付け、駆動制御とAD変換を行うための回路基板に接続して製作例1のX線画像検出装置を作製した。
放射線が光検出器側から入射するように配置し、放射線画像の読み取りは、X線画像検出装置とケーブルで接続した走査用のPCを制御することにより実施した。
4−1.感度
放射線としてX線を使用した。X線照射時に光検出器を電気回路で駆動させ、シンチレーション光によりフォトダイオードで発生した光電変換による電荷を読み出し、チャージアンプで増幅した後にAD変換することで発生電荷量を計算した。
X線非照射時の読み取り電荷(検出系のノイズ)量を事前に測定し、X線照射時の発生電荷量から差し引いた値を感度とした。なお、結果は後述する製作例12における感度を100とした時の相対値で示す。製作例1の感度は120であった。
IEC規格に準拠し、W(タングステン)製のMTFエッジを撮影して得られたエッジ像を演算することでMTF曲線を得た。結果は2cycle/mmの値で比較し、製作例12の値を100とした時の相対値で示す。製作例1のMTFは100であった。
前記感度及びMTFの評価結果の積を指標として放射線画像検出装置の性能を判断した。感度とMTFの積は120以上であると画像を官能評価した際に性能の違いがはっきりと認識され好ましい。製作例1の総合評価は120であり、後述する製作例12に対し、感度、画像の鮮鋭度に優れることがわかる。
支持体として、製作例1で用いたガラス基板に変えて、ウェットエッチングにより表面に5μmピッチで高さ5μm程度の凹凸を設けたガラス基板を用いた。
シンチレータの形成において、非柱状結晶部分の蒸着は行わずに、支持体上に直接柱状結晶層の蒸着を実施した以外は製作例1と同様にして製作例12の放射線画像検出装置を作製した。製作例1と同様にして評価し、製作例12の結果を100として相対評価をおこなう。
製作例1において、非柱状結晶部分の膜厚を、真空度が0.75Pa時の蒸着時間を変更することで表1に記載のように調整した他は製作例1と同様にして、製作例2〜製作例6の放射線画像検出装置を作製し、同様に評価した。結果を下記表1に示す。
製作例1において、非柱状結晶部分の製膜に際して、真空度を表1に示すものに変えて、非柱状部25における結晶径を表1に記載のように調製した他は製作例1と同様にして、製作例2〜製作例6の放射線画像検出装置を作製し、同様に評価した。結果を下記表1
に示す。
支持体として、製作例3で用いたガラス基板に変えて、光検出器表面に直接シンチレータを、製作例3と同様の条件にて製膜して形成した。本態様では、光検出器の近傍に第2非柱状部がまず形成され、その後、柱状部が形成されることになり、熱硬化性の接着剤による貼り合わせは実施していない。この処理以外は、製作例3と同様に行った。
他方、光検出器側近傍に第2非柱状部を有する製作例13では、第2非柱状部における散乱及び発光効率の低下に起因して、十分な感度が得られないことがわかる。
以上、説明したように、本明細書には、
放射線の照射によって蛍光を発するシンチレータと、
前記シンチレータが発した蛍光を電気信号として検出する光検出器と、を備え、
前記シンチレータは、放射線の進行方向において前記光検出器の後側に配置されるとともに、蛍光物質の結晶が柱状に成長してなる柱状結晶の群で形成された柱状部及びこの柱状部の前記光検出器側に設けられる第1非柱状部を有する、放射線画像検出装置が開示されている。
前記第1非柱状部の空隙率は、10%以下であることが好ましい。
前記第1非柱状部の厚みは、3μm以上、50μm以下であることが好ましい。
前記シンチレータは、前記柱状部の前記第1非柱状部側とは反対側に設けられる第2非柱状部を有することが好ましい。
前記第1非柱状部の空隙率は、前記第2非柱状部の空隙率よりも小さいことが好ましい。
前記第1非柱状部の厚みは、前記第2非柱状部の厚みよりも小さいことが好ましい。
前記光検出器は、光電変換素子を含むセンサ基板を有し、
前記センサ基板には、前記シンチレータの前記第1非柱状部側の部分が貼り合わせられることが好ましい。
前記柱状部における結晶成長方向先端部の少なくとも前記柱状結晶間に前記第1非柱状部が設けられて前記シンチレータが平坦化されることが好ましい。
前記光検出器は、光電変換素子が形成されたセンサ基板を有し、
前記シンチレータは、気相堆積法により前記センサ基板に蒸着されることが好ましい。
前記第1非柱状部は、前記センサ基板上に、蒸着の初期において形成された領域であり、この第1非柱状部の空隙率は、0あるいは略0であることが好ましい。
前記シンチレータは、保護膜によって被覆されることが好ましい。
前記保護膜は、パリレンであることが好ましい。
前記保護膜は、気相堆積法により蒸着されることが好ましい。
前記シンチレータにおいて少なくとも前記柱状部は、Csl及びTlを含んで形成されることが好ましい。
可搬なカセッテとされることが好ましい。
上述の放射線画像検出装置の製造方法であって、
支持体上に、気相堆積法により前記シンチレータを形成する際に、真空度、支持体温度、及び蒸着レートの少なくともいずれかの条件を変更することで、前記柱状部及び前記第1非柱状部を少なくとも含むシンチレータを形成するシンチレータ形成工程を含む、放射線画像検出装置の製造方法が開示されている。
10 シンチレータパネル
101 支持体
200 シンチレータ
20 柱状部
20A 柱状結晶
23 第1非柱状部
23A 非柱状結晶
25 第2非柱状部
25A 非柱状結晶
30 保護膜
40 光検出器
400 センサ基板
50 制御モジュール
Claims (16)
- 放射線の照射によって蛍光を発するシンチレータと、
前記シンチレータが発した蛍光を電気信号として検出する光検出器と、を備え、
前記シンチレータは、放射線の進行方向において前記光検出器の後側に配置されるとともに、蛍光物質の結晶が柱状に成長してなる柱状結晶の群で形成された柱状部及びこの柱状部の前記光検出器側に設けられる第1非柱状部を有する、放射線画像検出装置。 - 請求項1に記載の放射線画像検出装置であって、
前記第1非柱状部の空隙率は、10%以下である、放射線画像検出装置。 - 請求項1又は2に記載の放射線画像検出装置であって、
前記第1非柱状部の厚みは、3μm以上、50μm以下である、放射線画像検出装置。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置であって、
前記シンチレータは、前記柱状部の前記第1非柱状部側とは反対側に設けられる第2非柱状部を有する、放射線画像検出装置。 - 請求項4に記載の放射線画像検出装置であって、
前記第1非柱状部の空隙率は、前記第2非柱状部の空隙率よりも小さい、放射線画像検出装置。 - 請求項4又は5に記載の放射線画像検出装置であって、
前記第1非柱状部の厚みは、前記第2非柱状部の厚みよりも小さい、放射線画像検出装置。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置であって、
前記光検出器は、光電変換素子を含むセンサ基板を有し、
前記センサ基板には、前記シンチレータの前記第1非柱状部側の部分が貼り合わせられる、放射線画像検出装置。 - 請求項7に記載の放射線画像検出装置であって、
前記柱状部における結晶成長方向先端部の少なくとも前記柱状結晶間に前記第1非柱状部が設けられて前記シンチレータが平坦化される、放射線画像検出装置。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置であって、
前記光検出器は、光電変換素子が形成されたセンサ基板を有し、
前記シンチレータは、気相堆積法により前記センサ基板に蒸着される、放射線画像検出装置。 - 請求項9に記載の放射線画像検出装置であって、
前記第1非柱状部は、前記センサ基板上に、蒸着の初期において形成された領域であり、この第1非柱状部の空隙率は、0あるいは略0である、放射線画像検出装置。 - 請求項1から10のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置であって、
前記シンチレータは、保護膜によって被覆される、放射線画像検出装置。 - 請求項11に記載の放射線画像検出装置であって、
前記保護膜は、パリレンである、放射線画像検出装置。 - 請求項11又は12に記載の放射線画像検出装置であって、
前記保護膜は、気相堆積法により蒸着される、放射線画像検出装置。 - 請求項1から13のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置であって、
前記シンチレータにおいて少なくとも前記柱状部は、Csl及びTlを含んで形成される、放射線画像検出装置。 - 請求項1から14のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置であって、
可搬なカセッテとされる、放射線画像検出装置。 - 請求項1から15のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置の製造方法であって、
支持体上に、気相堆積法により前記シンチレータを形成する際に、真空度、支持体温度、及び蒸着レートの少なくともいずれかの条件を変更することで、前記柱状部及び前記第1非柱状部を少なくとも含むシンチレータを形成するシンチレータ形成工程を含む、放射線画像検出装置の製造方法。
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