JP2012138635A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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政也 岡田
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Abstract

【課題】 チャネルの高い移動度を得ながら、かつ、縦方向耐圧およびゲート電極端における耐圧の両方の耐圧性能を確実に得ることができる、半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 n型ドリフト層および該n型ドリフト層上に位置するp型層を含むGaN系積層体に、開口部が設けられ、開口部を覆うように位置する、チャネルを含む再成長層と、再成長層に沿って該再成長層上に位置するゲート電極とを備え、開口部はn型ドリフト層に届いており、ゲート電極の端は、平面的に見てp型層から外れた部分がないように位置していることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、大電力のスイッチングに用いられる、耐圧性能に優れた、縦型半導体装置、およびその製造方法に関するものである。
大電流用のスイッチング素子には、高い逆方向耐圧と低いオン抵抗とが求められる。III族窒化物半導体を用いた電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)は、バンドギャップが大きいことから、高耐圧、高温動作、などの点で優れており、とくにGaN系半導体を用いた縦型トランジスタは、大電力の制御用トランジスタとして注目されている。たとえばGaN系半導体に開口部を設けて、その開口部の側面に二次元電子ガス(2DEG:2 Dimensional Electron Gas)のチャネルを含む再成長層を設けることで、移動度を高めオン抵抗を低くした縦型GaN系FETの提案がなされている(特許文献1)。
特開2006−286942号公報
上記の縦型FETによれば、チャネルの高い移動度を得ながら、npn構造であることから縦方向の耐圧性能をも確保することができる。しかし、ゲート電極端についても高い耐圧性能を確保することが必須である。
本発明は、チャネルの高い移動度を得ながら、かつ、縦方向耐圧およびゲート電極端における耐圧、の両方の耐圧性能を確実に得ることができる、半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の半導体装置は、n型ドリフト層および該n型ドリフト層上に位置するp型層を含むGaN系積層体、に形成されている。この半導体装置では、GaN系積層体には、開口部が設けられ、開口部を覆うように位置する、チャネルを含む再成長層と、再成長層に沿って該再成長層上に位置するゲート電極と、GaN系積層体上に位置して再成長層に接するソース電極と、そのソース電極との間にn型ドリフト層を挟むように位置するドレイン電極とを備える。再成長層は電子走行層および電子供給層を含んでおり、チャネルは、電子走行層の電子供給層との界面に形成される二次元電子ガスである。そして、開口部はn型ドリフト層に届いており、ゲート電極の端は、平面的に見てp型層から外れた部分がないように位置していることを特徴とする。
上記の構成によれば、ゲート電極全体でみれば、開口部の底面を構成するn型ドリフト層を覆っていて、平面的に見てp型層から外れた部分はある。しかし、ゲート電極の端については、平面的に見てp型層から外れた部分はない。ゲート電極の端では、表面準位や、再成長界面の不純物に起因する固定電荷もしくは界面準位などにより電界集中が生じやすくなっている。このためゲート電極の端は、非端部(内側の部分)に比べて耐圧性能が不安定となっている。この半導体装置では、ソース電極とドレイン電極との間に縦方向に電圧が印加されて電流が流れる。ゲート電極には制御信号電圧(0〜+10V)が印加されるため、ゲート電極とドレイン電極との間にも高電位差が生じる。そのため、ゲート電極端での耐圧性能の不安定性は、この半導体装置の耐圧性能を劣化させる。しかし、上記のように、ゲート電極は、n型ドリフト層上に位置するp型層上に終端する。このため、p型層はガードリング構造として作用して、ゲート電極の端に対して高耐圧性能を確保することができる。この結果、この半導体装置の耐圧性能は確保される。
上記のGaN系積層体は、GaNの所定結晶面上にエピタキシャル成長されたものであるが、その下地のGaNは、GaN基板でも、または支持基体上のGaN膜でもよい。さらに、GaN系積層体の成長時にGaN基板等の上に形成して、その後の工程で、GaN基板等の所定厚み部分を除いて、製品の状態では薄いGaN層下地のみが残っているものであってもよい。その薄い下地のGaN層は、導電性でも非導電性でもよく、ドレイン電極は、製造工程および製品の構造によるが、薄いGaN層の表面または裏面に設けることができる。
GaN基板または支持基体等が製品に残る場合、当該支持基体または基板は、導電性でも、非導電性でもよい。導電性の場合は、ドレイン電極は、その支持基体または基板の裏面(下)またはおもて面(上)に直接設けることができる。また、非導電性の場合は、非導電性基板の上であって、上記半導体層中の下層側に位置する導電層の上に、ドレイン電極を設けることができる。
上記のGaN系積層体は、p型層上に位置するn型表層を含み、開口部は上広であって、p型層およびn型表層を貫通しており、再成長層は、開口部に露出した、n型ドリフト層およびp型層/n型表層の端面を覆うように、n型表層の上にまで位置しており、ゲート電極は、n型表層上の再成長層にまで乗り上げており、ソース電極はn型表層上に位置している構成をとることができる。
これによって、再成長層は、n型表層/p型層の端面、および底部のn型ドリフト層を覆うように配置される。このため、チャネルは開口部の壁面に沿って形成され、縦方向(厚み方向)に、n型ドリフト層を経由させて、高い移動度で、かつ低いオン抵抗で大電流を流すことができる。この構造は簡単であり、製造も容易である。単位面積当たりの電流は、GaN系積層体の面積当たりの開口部の周長、すなわち開口部の周長密度によって決まり、当該周長密度に比例して単位面積当たりの電流を大きく流すことができる。そしてゲート電極は、p型層上に終端するので、ゲート電極の端においても高い耐圧性能を得ることができる。
GaN系半導体層の範囲に形成された1つのチップであって、開口部が、複数、設けられ、開口部ごとに設けられたゲート電極は、1つのチップにおいて、1つのゲートパッド、または領域ごとに設けられた複数のゲートパッドのいずれか、に導電接続され、該1つまたは複数のゲートパッドを含めたゲート電極は、平面的に見てp型層から外れた位置に終端していない構成をとることができる。
これによって、チップ上で、ゲートパッドを含めたゲート電極は、どの部分の端もp型層上に終端している。この結果、チップにおいて、ゲート電極の端の耐圧性能の不安定性は解消され、高い耐圧性能を保持することができる。
なお、このチップでは、GaN系半導体層の範囲に形成されているので、p型層がない部分はn型ドリフト層に届いている開口部の底の部分に限られる。従って、上記のゲート電極は端を開口部上にクロスさせないように終端させればよい。換言すれば、上記ゲート電極が開口部の全域上を覆う(塞ぐ)ようにすればよい。ゲート電極は開口部の壁面上の再成長層内のチャネルを制御するので、開口部の壁面に重なることは必須である。ゲート電極が、開口部の壁面上に重なりながらその端を開口部の底部上にクロスさせないようにするには、ゲート電極が開口部上の全域を塞いで(覆って)しまう形態が、ゲート電極の端をp型層から外さないことを可能にする非常に簡単な構造といえる。
ゲート電極を覆うように層間絶縁膜が位置し、ソース電極は、該層間絶縁膜に設けたビアホールを通して該層間絶縁膜上の導電層に接続されている構成をとることができる。これによって、ソース電極の配線とゲート電極の配線とを干渉させずに立体交差させることができるので、これら配線のためのスペースを小さくできるので、開口部を密に配置して単位面積当たりの電流を大きくすることができる。また、配線を引き回すことがないので、ソース電極およびゲート電極における電気抵抗を低くすることができる。これによって、低いオン抵抗および高い移動度を得ることができる。
p型層とソース電極とが導電部によって接続されている構成をとることができる。これによってp型層の電位をソース電極の電位に設定することができ、ガードリングの効果をより向上させることができる。
開口部が、ハニカム状または畝状に位置するようにできる。これによって、単位面積当たりの開口部の周長を大きくすることができ、大電流を流すことが容易になる。
再成長層とゲート電極との間に、再成長層を被覆するように位置するキャップ層を備え、該キャップ層を、再成長層のチャネル層の最低エネルギーを上げるために、ピエゾ効果によって再成長層に電界を加える層、または、p型層、とすることができる。これによって、この半導体装置を、より一層確実にノーマリーオフにすることができる。大電流用のスイッチング素子として用いる場合、ノーマリーオフであることは重要である。
ゲート電圧のしきい値電圧は、ドレイン電流が半導体装置の大きさにより異なる下限電流値、ここでは例として4×10−8A以下、となる電圧として定義される。ノーマリーオフは、上記のしきい値電圧が正であるFETをさす。よりミクロ的には、ノーマリーオフは、ゲートにしきい値電圧を印加した状態においてチャネルの最低エネルギーがフェルミエネルギーよりも十分高くすることで実現する。
(C1)キャップ層をピエゾ効果発現層とする場合:
上記GaN系半導体の再成長層において、(電子走行層/電子供給層)は、たとえば(GaN層/AlGaN層)等で構成されるが、GaN/AlGaNヘテロ接合では、自発分極およびピエゾ分極によって内部電界が生じて、ヘテロ接合に高密度のシートキャリアが発生する。このため、このシートキャリアによる内部電界はチャネルの最低エネルギーを低下させる方向に向いており、ノーマリーオフを実現することが難しい。AlGaNの格子定数が、GaNの格子定数よりも大きい場合にこのような、ノーマリーオフを阻害する方向のピエゾ電界(内部電界)が発生する。すなわち上記のチャネルには電子供給層AlGaN/電子走行層GaNの組み合わせに特有のノーマリーオフ阻害要因が存在する。しかし、上記のキャップ層によって上記の内部電界を打ち消す向きのピエゾ電界を発生して、チャネルの最低エネルギーを上げることでシートキャリアを消滅させることができる。
上記のピエゾ効果は、再成長層の最上層AlGaNより小さい格子定数を持つ半導体層をエピタキシャル成長させて歪みが分布することで発現し、チャネルの最低エネルギーを上昇させる向きの電界を発生する。このような半導体層としては、InGaN、GaN、AlGaN、AlInGaNなどがある。上記の向きの電界が再成長層のチャネルに加えられることで、チャネルの最低エネルギーは上昇してフェルミエネルギーよりも十分に高くなり、ゲート電圧ゼロの状態で二次元電子ガス濃度は十分低くなり、ドレイン電流は上記の限界電流値未満となる。すなわちノーマリーオフを確実に実現することができる。
(C2)キャップ層をp型層で構成する場合:
キャップ層をp型層とすることでも、二次元電子ガスの最低エネルギーは上昇してフェルミエネルギーよりも十分高くなる。このようなキャップ層を形成するp型層は、再成長層にエピタキシャル成長してもよいし、エピタキシャル成長したものでなくてもよい。たとえばp型GaN系半導体などを用いることができる。また、p型層は半導体でなくてもよい。このp型層からなるキャップ層の挿入によって、ゲート電極の耐圧性能がより確実に向上することは言うまでもない。
GaN系積層体は、主面が{0001}面であるGaN系基板上に形成され、GaN系積層体の開口部に出る端面が、{1−10n}(nは任意の定数(0及び無限大を含む))面を含む構成とすることができる。ここで、定数nについてゼロ及び無限大を含むことを念押しに入れたが、すべての定数に対応する面を含む必要はない。すなわち、境界面は、m面{1−100}を主体に含み、複数の等価なm面だけを含んでもよいし、その他に所定の面を含んでもよいことを示すものである。所定の面としては、たとえばc面{0001}などであってもよい。
GaN等の{1−100}面は無極性面である。従って、たとえば、電子走行層としてGaN、電子供給層としてAlGaNを開口部の表面に再成長させる場合、{1−100}面上のAlGaN/GaNヘテロ界面にはピエゾ電荷等の分極電荷が生じない。よって、上記のキャップ層の作用に加えて、境界面の多くの領域を{1−100}面とすることで、半導体装置においてノーマリーオフを実現することが容易となる。ミクロ的に見て、開口部の側面は深さ方向に階段状に傾斜していて、その階段の表面に等価な複数のm面、または上記別の面が出ている。これにより、開口部の側面の角度を自由に設定することができる。つまり、開口部の深さを自由に設定することができる。
本発明の半導体装置の製造方法は、GaN系積層体を用いた半導体装置を製造する方法である。この製造方法は、n型ドリフト層と該n型ドリフト層上に位置するp型層を含むGaN系積層体を形成する工程と、GaN系半積層体に、エッチングによってn型ドリフト層に届く開口部を設ける工程と、GaN系積層体の開口部を覆うように、チャネルを含む再成長層を形成する工程と、再成長層上にゲート電極を形成する工程とを備え、ゲート電極の形成工程では、該ゲート電極の端が、平面的に見てp型層から外れた部分がないように形成することを特徴とする。この製造方法によって、高い耐圧性能、低いオン抵抗の大電流用の縦型FET(Field Effect Transistor)を、簡単な構造で製造することができる。
本発明によれば、チャネルの高い移動度および低いオン抵抗を得ながら、かつ、縦方向耐圧およびゲート電極端における耐圧の両方の耐圧性能を確実に得ることができる、半導体装置を得ることができる。
本発明の実施の形態1における縦型GaN系FETを示し、図3のI−I線に沿う断面図である。 開口部の底面および壁面を被覆するように形成された再成長層の部分の拡大図である。 図1の半導体装置が形成されているチップのコーナー部の平面図である。 ソース電極の配線系統を示す図である。 開口部の壁面を構成するn型GaN表層の端面における断面拡大図である。 図1の縦型GaN系FETの製造方法を示し、(a)はGaN基板にキャップ層までのエピタキシャル積層体を形成した状態、(b)は開口部を設けるためにレジストパターンを形成した状態、を示す図である。 (a)はエッチングによって開口部を設けた状態、(b)はレジストパターンを除去してさらに開口部をエッチングした状態、を示す図である。 (a)は開口部の表面に再成長層して、次いでソース電極を形成した後、ソース電極を被覆するレジストパターンを形成した状態、(b)は、ゲート電極を含むゲート構成体を形成した後、レジストパターンを除去した状態、を示す図である。 (a)は層間絶縁膜を堆積した状態、(b)はソース電極上の層間絶縁膜にビアホールをあけて、ソース電極に導電接続するソース導電層を形成した状態、を示す図である。 実施の形態1の変形例であり、本発明の実施例である、GaN系縦型FETを示す断面図である。 図10のGaN系縦型FETのチップのコーナー部における平面図である。 本発明の実施の形態2における縦型GaN系FETを示す断面図である。 本発明の実施の形態3における縦型GaN系FETを示す図である。 図13の縦型GaN系FETにおいてキャップ層によって自発分極が生じピエゾ電界が発生したときのエネルギーバンド図である。 本発明の実施の形態4における縦型GaN系FETを示し、(a)は平面図、(b)は(a)におけるXVB−XVB線に沿う断面図である。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるGaN系縦型FET10の断面図である。また、図2は開口部5の底面5bおよび壁面5hを被覆するように形成された再成長層27の部分の拡大図である。そして、図3は、この半導体装置が形成されているチップの平面図であり、図1の断面図が全体のなかでどの部分に位置するかを示している。
この縦型FET10は、GaN基板1(または導電性支持基体上にオーミック接触するGaN層を有する基板1)、GaN系積層体15、開口部5、再成長層27、再成長層27上のゲート電極11、ソース電極31およびドレイン電極39により構成されている。p型層6を含むGaN系積層体15は、図3にコーナー部のみを示すチップ10の全域にわたって形成されている。GaN系半導体層15の表層部に開口部5が形成されている。また、GaN系積層体15における開口部5の5h壁面に沿って、再成長層27が形成されている。ソース電極31は、n型GaN表層8上の所定の位置に形成されているか、または再成長層27に接する状態で形成されていてもよい。ゲート電極11は、開口部5の形状が引き継がれた凹部内に形成されている。
図1に示すGaN系積層体15は、GaN基板1とn型ドリフト層4との間にバッファ層が挿入されていないが、バッファ層を挿入してもよく、後で製造法を説明するときは、バッファ層を挿入した例について説明する。上述のように、GaN系積層体15は、GaNの所定結晶面上にエピタキシャル成長されたものであるが、その下地のGaNは、GaN基板でも、または支持基体上のGaN膜でもよい。さらに、GaN系積層体の成長時にGaN基板等の上に形成して、その後の工程で、GaN基板等の所定厚み部分を除いて、製品の状態では薄いGaN層下地のみが残っているものであってもよい。その薄い下地のGaN層は、導電性でも非導電性でもよく、ドレイン電極は、製造工程および製品の構造によるが、薄いGaN層の表面または裏面に設けることができる。
GaN基板または支持基体等が製品に残る場合、当該支持基体または基板は、導電性でも、非導電性でもよい。導電性の場合は、ドレイン電極は、その支持基体または基板の裏面(下)またはおもて面(上)に直接設けることができる。また、非導電性の場合は、非導電性基板の上であって、上記半導体層中の下層側に位置する導電層の上に、ドレイン電極39を設けることができる。図1に示すGaN基板1は、上述のようなGaNを含む広範囲の種類の基板の意味に解することとする。
この縦型FET10では、電子は、ソース電極31から再成長層27中のGaN電子走行層22を通り、n型GaNドリフト層4、GaN基板1を通ってドレイン電極39へと、縦方向(厚み方向)に流れる(図2参照)。縦方向(厚み方向)に電流を流すので、大電流を低いオン抵抗で流せる特徴を有する。
GaN系半導体層15は、GaN基板1上に、下から順に、(n型GaNドリフト層4/p型GaNバリア層6/n型GaN表層8)の積層構造を持つ。p型GaNバリア層6は、本実施の形態では開口部5ごとに、その開口部5を囲むように配置された導電部6sによってソース電極31に導電接続されている。開口部5は、上記の説明から分かるように、上記p型層を構成するp型GaNバリア層6の一部を除去して形成されている。また、開口部5は、底面5bがn型GaNドリフト層4に到達するが、貫通はしないように形成されている。p型GaNバリア層6を開口部5の回りに配置することによって、バックゲート効果によりピンチオフ特性を改善することができる。p型GaNバリア層6に代えてp型AlGaN層を用いれば、バンドギャップをさらに大きくすることができ、縦型FET10のピンチオフ特性を改善することができる。
上記のp型層を構成するp型バリア層6は、GaN層でもAlGaN層でも、バックゲート効果によって、ノーマリーオフの実現に寄与する。また、このあと詳細に説明するように、ゲート電極11等のゲート構成体を、上記p型バリア層6上に終端させることで、ゲート電極11等の耐圧性能の不安定化を解消することができる。
<本実施の形態の特徴>
本実施の形態では次の点に特徴がある。すなわち、ゲート配線12、ゲートパッド13およびゲート電極11、からなるゲート構成体が、平面的に見てp型層6の上に終端している。言い換えれば、上記ゲート構成体の端は、どの端の部分も、p型層6から外れた領域に位置することはない。これによって、ゲート電極端の耐圧性能を向上させて、チャネルの高い移動度を得ながら、かつ、縦方向耐圧を含めたチップ10全体の耐圧性能を確実に確保することができる。さらに、p型GaNバリア層6は、開口部5ごとに、その開口部5を囲むように配置された導電部6sによってソース電極31に導電接続されている。このソース接地されたp型GaNバリア層6は、ガードリング効果をより安定して発揮することができ、ゲート電極端の耐圧性能をより安定化することができる。
本実施の形態では、具体的には、半導体装置10は、次の構造を持つことで、ゲート構成体が、平面的に見てp型層6の上に終端するようにできる。
(K1)p型層6をチップ全体にわたって配置する。GaN系積層体15はウエハ全体に形成され、個片化されて1チップにされるので、p型層6をチップ全体に配置することは自ずとなされる。
(K2)ゲート電極11,ゲート配線12,ゲートパッド13が、平面的に見て、開口部5、または何らかのp型層6の削除部分(そのような部分があるとして)と、不完全に重ならないようにする。不完全に重ならないとは、平面的に見て、開口部5等と交差する場合は、開口部5を余すところなく完全に覆う、ことを意味する。
開口部5以外に何らかのp型層6の削除部分がない場合、この(K2)は、ゲート電極11が、すべての開口部5の周縁のn型表層8上の再成長層27にまで乗り上げることで、確実に実現される。すなわちゲート電極11の内側部(非端部)が、すべての開口部5を完全に覆う(塞ぐ)ことで、ゲート電極11の端11e、ゲート配線12の端、およびゲートパッド13の端は、どれも、p型層6の領域から外れた部分に位置することはなくなる。
しかし、開口部5以外にもp型層6がない部分があれば、その部分にゲート構成体が交差する構造は避けるか、または、交差する構造の場合は、ゲート構成体の非端部で完全に覆う必要がある。
図3に示すように、開口部5およびゲート電極11を六角形とし、ゲート配線12を避けながら、その周囲をほぼソース電極31で覆って、細密充填(ハニカム構造)とすることにより単位面積当たりのゲート電極周囲長を長く取れる、すなわちオン抵抗を下げることができる。電流は、ソース電極31→再成長層27→n型ドリフト層4→ドレイン電極39、の経路で流れる。ソース電極31およびその配線と、ゲート電極11、ゲート配線12およびゲートパッド13から構成されるゲート構成体とが、相互に干渉しないために、ソース配線は、層間絶縁膜32上に設けられる(図4参照)。図4に示すように、層間絶縁膜32にはビアホール32hが設けられ、プラグ導電部を含むソース電極31は、層間絶縁膜32上のソース導電層33と導電接続される。このような構造によって、ソース電極31を含むソース構成体は、大電力用の素子に好適な、低い電気抵抗および高い移動度、を持つことができる。
<開口部5の壁面5w>
次に、開口部5の壁面5wを構成するn型GaN表層8の端面における断面拡大図を図5に示す。図5に示すように、開口部5の壁面5wは、複数のほぼ基板面に垂直な面Sと、各面Sの間を補完するように形成された傾斜した面Sとが、開口部5の壁面5wの傾斜方向(傾斜角度θ)に混在して形成されている。
縦型FET10では、主面が{0001}面であるGaN基板1の場合、六方晶のGaN層、およびAlGaN層を{0001}面(以下、C面とする)を成長面として、エピタキシャル成長させている。したがって、n型GaN表層8における垂直な面S1は、{1−100}面(以下、m面とする)となる。m面は、C面とは異なり無極性面である。このため、m面を成長面として、GaN電子走行層22、AlGaN電子供給層26を再成長させることによって、ピエゾ電荷等の分極電荷がAlGaN26/GaN22のヘテロ界面に生じない。このためチャネルの最低エネルギーを低下させる向きの電界は生じない。よって、縦型FET10においては、ノーマリーオフの実現に貢献する。
図5における開口部28の側面の傾斜角θが90度に近いほど、側面における面S1の占める割合が高くなる。よって、縦型FET10においてノーマリーオフを実現するためには、傾斜角θが90度に近い方が好ましく、たとえば60度以上とするのがよい。
<p型バリア層6>
p型層を構成するp型GaNバリア層6は、上記のように、ゲート電極11等のゲート構成体の端における耐圧性能の不安定化を防止することができる。このゲート電極11の耐圧性能は、ソース電極31と導電接続されることで、より一層、安定性を向上させることができる。さらに、p型バリア層6は、バックゲート効果によって、しきい値電圧を正方向にシフトすることができ、ノーマリーオフの実現に貢献することができる。p型GaNバリア層6における開口部28の側面についても、図5に示すように、n型GaN表層8と同様であり、m面が生じ、無極性面を含むものとなる。
<再成長層27>
再成長層27は、GaN電子走行層22と電子供給層26との間に何も含まなくてもよいが、両者の間にAlN中間層を配置してもよい。ここで、GaN電子走行層22には、不純物が添加されていない。一方、AlGaN電子供給層26には、不純物が添加されている。また、AlGaN電子供給層26は、GaN電子走行層22より大きいバンドギャップを有している。これにより、GaN電子走行層22のAlGaN電子供給層26との界面に2次元電子ガスが形成されることで、よりオン抵抗を低減することができる。AlN中間層を設ける場合、AlN中間層は、GaN電子走行層22とAlGaN電子供給層26の間の界面での電子の散乱を抑制する。これにより、再成長層27における電子の移動度を向上させることができる。ひいては、縦型FET10のオン抵抗を低減することができる。
電子走行層22および電子供給層26は、GaN系半導体として、電子供給層26のバンドギャップエネルギーが電子走行層22のそれより大きいという条件付きで、例えばGaN、AlN若しくはInNのうち少なくとも一つからなる結晶または混晶を用いるようにしてもよい。これにより、高移動度を確保できる。特に、GaN電子走行層22にGaNまたはInGaNを用い、電子供給層26にAlGaNを用いることで、高移動度を確保することが可能となる。
<製造方法>
次に、本実施の形態における半導体装置10の製造方法を説明する。まず、図6(a)に示すように、上記の意味のGaN基板1の上に、バッファ層2/n型GaNドリフト層4/p型GaNバリア層6/n型GaN表層8、のGaN系積層体15をエピタキシャル成長する。これらの層の形成は、例えば、MOCVD(有機金属化学気相成長)法を用いる。またはMOCVD法でなくMBE(分子線エピタキシャル)法を用いてもよい。これにより結晶性の良いGaN系半導体層を形成できる。また、各層の膜厚、キャリア濃度、Al混晶比は、次のとおりである。
バッファ層2:厚み0.5μm、キャリア濃度1.0×1017cm-3
n型GaNドリフト層4:厚み5.0μm、キャリア濃度5.0×1015cm−3
p型GaNバリア層6:厚み0.5μm、キャリア濃度7.0×1017cm−3
n型GaN表層8:厚み0.3μm、キャリア濃度2.0×1018cm−3
次に、図6(b)に示すように、n型GaN表層8上に、通常の露光技術を用いて、所定領域にレジストマスクパターンM1を形成する。ここで形成するレジストマスクパターンM1は、平面形状が六角形、断面形状が台形(メサ型)である。
その後、図7(a)に示すように、誘導結合プラズマ(Inductivity Coupled Plasma)を用いて生成した高密度プラズマを用いたRIE(Reactive Ion
Etching:反応性イオンエッチング)により、n型GaN表層8、p型GaNバリア層6、およびn型GaNドリフト層4の一部をエッチングし、開口部5を形成する。これにより、n型GaN表層8、p型GaNバリア層6、およびn型GaNドリフト層4の端面は、開口部5に露出して開口部の壁面5wを構成する。この時点で、開口部5の側面には、深さ数nm(1nm〜20nm程度)にわたって、エッチングダメージが発生している。なお、開口部5の壁面5wは、基板表面に対し約10°〜90°の傾斜面となっている。この傾斜面の基板表面に対する角度は、RIE法で用いる塩素ガスのガス圧および他のガスとの流量比により制御可能である。RIEが終了すると、有機洗浄を行い、アッシング等により、レジストマスクM1を除去する。
続いて、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液をエッチング液として、開口部境界面の異方性ウエットエッチングを行う(80℃、数分〜数時間)。異方性ウエットエッチングによって、高密度プラズマを用いたRIEによって開口部境界面に生じたエッチングダメージを除去する。同時に、n型GaN表層8、p型GaNバリア層6の端面の一部にそれぞれのm面を露出させる。
エッチングダメージの深さは、RIEの処理条件によって異なる。また、開口部5の壁面5wに対するm面の割合は製造する縦型FET10の仕様によって異なる。したがって、これらの条件を考慮して、異方性エッチングは、エッチングダメージを除去でき、かつ、所定の特定が得られるようなエッチングの条件で行えばよい。なお、異方性ウエットエッチングを行うためのエッチング液は、TMAH水溶液に限られない。エッチング液として、基板の材質に応じて適切なものを用いればよい。
図7(b)の状態での平面図は、図3の状態から、再成長層27およびゲート電極11を除いたものに、概略、類似したものとなる。開口部5は、平面形状が六角形となる。開口部5の壁面5wは、n型GaN表層8およびp型GaNバリア層6の端面により構成される。また、開口部5の底面5bは、n型GaNドリフト層4によって構成される。
次に、再成長層27を構成する、GaN電子走行層22およびAlGaN電子供給層26を、開口部28の側面に沿って形成する(図8参照)。GaN電子走行層22とAlGaN電子供給層26との間にAlN中間層を挿入してもよい。再成長層27の成長では、まず、MOCVDを用いて、不純物を添加しないGaN電子走行層22を形成する。MOCVDにおける成長温度は、1020℃とする。AlN中間層を挿入する場合は、その後、成長温度を1080℃として、AlN中間層およびAlGaN電子供給層26を形成する。これによって開口部28の表面に沿って電子走行層22、AlN中間層、電子供給層26からなる再成長層27を形成する。なお、一例を挙げると、形成するGaN電子走行層22、AlN中間層、およびAlGaN電子供給層26の厚さは、それぞれ 100nm、1nm、24nmであり、AlGaN電子供給層26のAl組成比は、25%である。
再成長は、開口部5の壁面5wでの成長速度の低下を避けるため、GaN系半導体層15の成長温度より低い温度で、かつ高いV/III比で形成することが好ましい。さらに、電子走行層22の形成から中間層および電子供給層26を形成するために成長温度を昇温する際、結晶表面へのダメージを低減するため短時間で昇温することが好ましい。例えば、20分以下の時間で昇温することが好ましい。なお、MOCVD法でなくMBE法を用いてもよい。
その後、開口部28の形成法と同様にレジストを用いて導電部6sのパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとしてドライエッチングによりp型GaN層6内に届く孔を設ける。そして、このレジストパターンを除去したのち、新たにレジストパターンを形成し蒸着法により電極金属を成膜し、リフトオフ法により導電部6sを形成する(図8(a)参照)。その後、p型GaN層とオーミック接触をえるために合金化アニールを行う。導電部6sは、平面的にはソース電極にならって、ゲート配線12の部分を除いて略環状六角形に沿っている。
次いで、ソース電極31を形成する。ソース電極31の形成にあたっては、まず、通常の露光技術を用い、導電部6sのトップ面を含むソース電極31の位置に開口部を有するレジストマスクパターンを形成する。次に、導電部6sおよび再成長層27の面上にTi/Al膜のソース電極31を形成する(図8(b)参照)。その後、窒素雰囲気中において800℃の温度で30秒の熱処理を行う。この熱処理は、省略して、後述のドレイン電極形成工程における熱処理によって代用しても構わない。この熱処理により、Ti/Al膜とn型GaN表層8との界面に合金層を形成する。この結果、オーミックコンタクト抵抗が0.4Ωmm程度の良好なオーミックコンタクトを有するソース電極31を形成することができる。ソース電極31としては、Ti/Al以外にも再成長層27とオーミックコンタクトする金属であればよい。また、ソース電極SとしてTi/Alを蒸着する前に、塩素系ガスを用いたRIE法によるエッチングで、AlGaN電子供給層26およびAlN中間層を除去することが好ましい。この場合、中間層による電子のバリアがなく、オーミックコンタクトにおける抵抗を0.2Ωmmに低減することができる。
ドレイン電極39の形成にあたっては、まず、ウエハ表面をフォトレジストで保護する。GaN基板1の裏面に蒸着法を用い、Ti/Al膜を形成する。ウエハ表面のフォトレジストを、酸素アッシングにより除去する。850℃の温度で30秒間熱処理し、GaN層を有する基板1とドレイン電極39の金属が合金を形成し、GaN基板1とドレイン電極39がオーミックコンタクトするようにする(図8(b)参照)。
ゲート電極11の形成にあたっては、まず、通常の露光技術を用い、所定の開口部を有するフォトレジストを形成する。次に、蒸着法およびリフトオフ法を用い、開口部5に形成した再成長層27に沿ってNi/Au膜を形成する(図8(b)参照)。図3に示したゲート配線12およびゲートパッド13も、このとき同時に形成するのがよい。なお、ゲート電極11としては、Ni/Au膜以外にも例えばPt/Au、Pd/AuおよびMo/Au等のGaN系半導体とショットキ接合を形成する金属であってもよい。また、ゲート電極11を形成する前に、例えばシリコン膜の絶縁膜(図示せず)をCVD法やスパッタ法を用いて、開口部5内の再成長層27に沿って10nm形成するようにしてもよい。これにより、MIS−HFET構造を有する縦型FETとすることもできる。絶縁膜としては、酸化シリコン膜以外にも、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜を使用してもよい。
その後、図9(a)に示すように、ゲート電極11と層を変えて、ソース電極31に配線するために、層間絶縁膜32を堆積する。次いで、ソース電極31上の層間絶縁膜32にビアホール32hをあけ、そのビアホール32hを充填しながら、層間絶縁膜32上にソース導電層33を形成する。
以上により図1に示す縦型FET10が完成する。
なお、ドレイン電極39をGaN基板1の裏面に形成しているが、n型GaNドリフト層4においてソース電極31と相対する面にドレイン電極39を形成するようにしてもよい。例えば、n型GaNドリフト層4とGaN基板1との間にn型のGaNコンタクト層を設け、表面側からコンタクト層に接続されるドレイン電極を形成することもできる。
(実施の形態1の変形例)
図10は、実施の形態1の変形例であり、本発明の実施例である、GaN系縦型FET10を示す断面図である。ソース配線等は省略されている。また、図11は、そのチップのコーナー部における平面図である。図10は、図11のX−X線に沿う断面図である。この変形例の半導体装置10の特徴は、チップの外周に位置する開口部5のさらに外側にソース電極11を配置する。図1および図3に示す実施の形態1の半導体装置10では、チップの外周に位置する開口部5の外側に、ソース電極31がない。図1の右端の開口部5の右にはソース電極は配置されていない。このため、この部分に対応するチャネルには電流が流れないか、他の部分のソース電極から流れ込む低密度の電流しか流れない。しかし、本変形例では、外周に位置する開口部5の外側に、チャネルに近接してソース電極31が設けられるので、チップの周縁部も電流を流すことができる。この結果、小型の装置としながら、低いオン抵抗で大電流を流すことができる。
(実施の形態2)
図12は、本発明の実施の形態2における半導体装置10を示す図である。本実施の形態の半導体装置の特徴は、ソース電極31とp型層6とが、チップ周縁部の1箇所の導電部6sで導電接続されている点にある。実施の形態1の半導体装置では、各開口部5の周りに、ソース電極31にならって、ほぼ環状六角形の導電部6sが設けられている。しかし、本実施の形態では、1チップ10において、ソース電極31のどこか1箇所の導電部6sでソース電極31とp型層6とを導電接続する。たとえば1箇所の導電部6sをチップの周縁部に設けることで、簡単なp型層6のソース接地構造を得ることができ、簡単な製造工程によって、製造することができる。このような簡単な構造によっても、p型層6を、ソース電極31と同電位にすることで、ゲート電極11の端11eにおける耐圧性能をより高度に安定化することができる。
(実施の形態3)
図13は、本発明の実施の形態3における半導体装置を示す図である。本実施の形態では、再成長層27とゲート電極11との間に、キャップ層28を配置した点に特徴を有する。キャップ層28には、再成長層27のなかのAlGaN電子供給層26より格子定数の小さいi−GaN層を用いる。このキャップ層28は、AlGaN層26上にエピタキシャル成長し、かつAlGaN層26の格子定数より小さい格子定数をもつ層であれば、i−GaN層に限定されず、InGaN層、格子定数の小さいAlGaN層、AlInGaN層などを用いることができる。さらに電界が発生すればAlGaN26上にエピタキシャル成長しないものであってもよい。
図14は、キャップ層28がi−GaN層の場合を示すが、上記の格子定数の相違によって自発分極が生じピエゾ電界が発生する。このキャップ層28のピエゾ電界は、図14に示すように上述のAlGaN電子供給層26に発生する電界とは逆向きの電界である。この結果、チャネルの最低エネルギー、すなわち電子走行層22の導電帯Ecの最低エネルギーはフェルミエネルギーEfよりΔΨsだけ高くなる。このため、再成長層27における、GaN電子走行層22のAlGaN電子供給層26との界面に形成されるチャネルである二次元電子ガスの電子濃度2DEG濃度nを、たとえば1×1010/cm未満にすることができる。
なお、キャップ層28は、i−GaN等を用いた場合、AlGaN電子供給層26にエピタキシャル成長するので、キャップ層28も再成長層27に含めることもできるが、原理的にはエピタキシャル成長しなくても、逆向きの電界を発生すればよいので、再成長層27とは別の層として扱う。
キャップ層28は、上記のように、ピエゾ電界発生層で形成することができるが、p型キャップ層で形成することもできる。
キャップ層28を含まない従来のノーマリーオンのFETの場合、しきい値電圧Vthはゼロ未満である。すなわちゲート電圧ゼロの状態で、チャネルの最低エネルギー、すなわち電子走行層22の導電帯Ecの最低エネルギーはフェルミエネルギーEfより低く、チャネルに自然に電子が流れ込むので、2DEG濃度nは1×1010cm−2を超える。この結果、ドレイン電流Iは上述の微弱な電流限界値Ithを大きく超えていた。すなわちゲート電圧ゼロの状態で、FETはオン状態にあった。FETをオフ状態にするためには、ゲート電圧をマイナス電位にする必要があった。とくにノーマリーオンのFETでは、しきい値電圧はマイナスである。ゲート電圧をしきい値電圧(マイナス電位)にすることで、チャネルの最低エネルギーがフェルミエネルギーEよりΔΨだけ高くなり、2DEG濃度nが1×1010cm−2未満となる。本実施の形態では、逆向き電界を発生するキャップ層28によってチャネルにおける最低エネルギーとフェルミエネルギーEfとの差異を所低レベル以上とし、2DEG濃度を減少させることで、ノーマリーオフを推進する。
(実施の形態4)
図15(a)は、本発明の実施の形態4における半導体装置の平面図であり、図15(b)は、図15(a)におけるXV−XV線に沿う断面図である。本実施の形態では、ソース電極31とゲート電極11とが、櫛歯状に、相互に入り組んでいる。開口部5は畝状に凹んでおり、開口部5の底面5bにn型ドリフト層6が露出している。再成長層27は、畝状の開口部の底面5bおよび壁面5wを覆ってn型表層8の上まで延びてソース電極31に接触している。ゲート電極11は、再成長層27に沿ってその再成長層27を被覆してn型表層8の上まで乗り上げている。ゲート電極11の端11eは、図15(b)に示すように、平面的に見てp型層6の上に位置している。また、p型層6を含むGaN系積層体15は、上記の意味のGaN基板1にわたってGaN基板1の端面に端が露出するように形成されている。このため、ゲートパッド13の端も、p型層6上に位置している。また、導電部6sはソース電極31の幅中央付近に位置し、ソース電極31の延在方向に沿うように延在して、そのソース電極31とp型層6とを導電接続している。ソース電極31は、その厚み方向部分が、ゲート電極11の厚み方向部分に間隔をあけて対面するように、できるだけ長くなるように該ゲート電極11に沿っている。図15(b)には図示していないが、ソース電極31は、図4に示すように、層間絶縁膜32上のソース導電層33から電流を供給される。
上記の構成では、畝状の開口部5を設けて、該開口部5を覆うようにゲート電極11を櫛歯状に延在させ、そのゲート電極11の櫛歯の間に、櫛歯状または短冊状の、ソース電極31は配置する。畝状の開口部5の幅および畝ピッチの大きさは、任意にとることができる。畝状の開口部5の幅および畝ピッチを小さくすることで、チップの単位面積当たりのチャネル長さ、または開口部5の周長は、大きくできる。この結果、ハニカム構造をとることが難しい場合など、上記の畝状の開口部5を採ることで、大電流用チップの小型化を推進することができる。そして、上記のように、ゲート電極11、ゲートパッド13などからなるゲート構成体を、ゲート接地されたp型層6上に終端させることで、ゲート構成体の耐圧性能を安定化することができる。
(その他の実施の形態)
実施の形態1〜4では、p型層とソース電極とが導電接続され、同電位とされてゲート電極端における耐圧性能の安定度を向上させたより好ましい例を示した。しかし、本発明のその他の実施の形態において、p型層がソース電極と導電接続されていない例があってもよい。
上記開示された本発明の実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明によれば、開口部側面にチャネルを含む再成長層を設け、ゲート電極をチャネル上に配置して、そのゲート電極をp型バリア層上に終端させることでゲート電極の耐圧性能を高めることができる。この結果、高い耐圧性能を得ながら、ノーマリーオフで、低いオン抵抗の大電流用の半導体装置を得ることができる。
1 GaN基板、2 バッファ層、4 n型GaNドリフト層、5 開口部、5b 開口部の底面、5w 開口部の壁面、6 p型GaNバリア層、6s 導電部、8 n型GaN表層、10 縦型GaNFET、11 ゲート電極、11e ゲート電極の端、12 ゲート配線、13 ゲートパッド、15 GaN系半導体層、22 GaN電子走行層、26 AlGaN電子供給層、27 再成長層、28 キャップ層(ピエゾ電界発生層、p型層)、31 ソース電極、32 層間絶縁膜、32h 層間絶縁膜のビアホール、33 ソース導電層、39 ドレイン電極、M1 レジストパターン。

Claims (9)

  1. n型ドリフト層および該n型ドリフト層上に位置するp型層を含むGaN系積層体、に形成された半導体装置であって、
    前記GaN系積層体には、開口部が設けられ、
    前記開口部を覆うように位置する、チャネルを含む再成長層と、
    前記再成長層に沿って該再成長層上に位置するゲート電極と、
    前記GaN系積層体上に位置して、前記再成長層に接する、ソース電極と、
    前記ソース電極と、前記n型ドリフト層を挟むように位置する、ドレイン電極とを備え、
    前記再成長層は電子走行層および電子供給層を含み、前記チャネルが前記電子走行層の前記電子供給層との界面に形成される二次元電子ガスであり、
    前記開口部は前記n型ドリフト層に届いており、
    前記ゲート電極の端は、平面的に見て前記p型層から外れた部分がないように位置していることを特徴とする、半導体装置。
  2. 前記GaN系積層体は、前記p型層上に位置するn型表層を含み、前記開口部は上広であって、前記p型層および前記n型表層を貫通しており、前記再成長層は、前記開口部に露出した、前記n型ドリフト層および前記p型層/n型表層の端面を覆うように、前記n型表層の上にまで位置しており、前記ゲート電極は、前記n型表層上の再成長層にまで乗り上げており、前記ソース電極は前記n型表層上に位置していることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記GaN系半導体層の範囲に形成された1つのチップであって、前記開口部が、複数、設けられ、前記開口部ごとに設けられたゲート電極は、前記1つのチップにおいて、1つのゲートパッド、または領域ごとに設けられた複数のゲートパッドのいずれか、に導電接続され、該1つまたは複数のゲートパッドを含めた前記ゲート電極は、平面的に見て前記p型層から外れた位置に終端していないことを特徴とする、請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記ゲート電極を覆うように層間絶縁膜が位置し、前記ソース電極は、該層間絶縁膜に設けたビアホールを通して該層間絶縁膜上の導電層に接続されていることを特徴とする、請求項3に記載の半導体装置。
  5. 前記p型層と前記ソース電極とが導電部によって接続されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
  6. 前記開口部が、ハニカム状または畝状に位置することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置。
  7. 前記再成長層と前記ゲート電極との間に、前記再成長層を被覆するように位置するキャップ層を備え、該キャップ層は、前記再成長層のチャネル層の最低エネルギーを上げるために、ピエゾ効果によって前記再成長層に電界を加える層、または、p型層、であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置。
  8. 前記GaN系積層体は、主面が{ 0 0 0 1}面であるGaN系基板上に形成され、前記GaN系積層体の前記開口部に出る端面が、{ 1-1 0 n}(nは任意の定数(0及び無限大を含む))面を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体装置。
  9. GaN系積層体を用いた半導体装置の製造方法であって、
    n型ドリフト層と該n型ドリフト層上に位置するp型層を含むGaN系積層体を形成する工程と、
    前記GaN系半積層体に、エッチングによって前記n型ドリフト層に届く開口部を設ける工程と、
    前記GaN系積層体の前記開口部を覆うように、チャネルを含む再成長層を形成する工程と、
    前記再成長層上にゲート電極を形成する工程とを備え、
    前記ゲート電極の形成工程では、該ゲート電極の端が、平面的に見て前記p型層から外れた部分がないように形成することを特徴とする、半導体装置の製造方法。
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