JP2012140509A - 発泡成形体、熱伝導性成形体及びその製造方法、並びに熱伝導性シート積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】低分子シロキサンが発生せず、絶縁性に優れるだけでなく、柔軟性(凹凸追従性)にも優れ、適度に圧縮することにより優れた熱伝導性を発揮する発泡成形体を提供すること。
【解決手段】(a−1)熱可塑性樹脂を海相として、(a−2)ゴム成分を島層として含む海島構造を有する(A)ポリマー成分と、(B)熱伝導性フィラーと、を含有し、(B)熱伝導性フィラーの含有比が、(a−1)熱可塑性樹脂100体積部に対して、70〜1000体積部である発泡成形体。
【選択図】なし
【解決手段】(a−1)熱可塑性樹脂を海相として、(a−2)ゴム成分を島層として含む海島構造を有する(A)ポリマー成分と、(B)熱伝導性フィラーと、を含有し、(B)熱伝導性フィラーの含有比が、(a−1)熱可塑性樹脂100体積部に対して、70〜1000体積部である発泡成形体。
【選択図】なし
Description
本発明は、電気・電子機器の構成部材として好適な熱伝導性成形体及びその製造方法、熱伝導性シート積層体、並びに前記熱伝導性成形体を作製可能な発泡成形体に関する。
近年、自動車等の内装部品や外装部品、家電製品や情報機器等の振動及び騒音に対する緩衝材、ソフトな触感部品等として、発泡成形体が多くの製品分野において使用されている。このような発泡成形体を形成し得る原料として、成形し易く、かつ発泡も容易である熱可塑性エラストマー組成物が特に注目されている。このような熱可塑性エラストマー組成物として、動的架橋し得る熱可塑性エラストマー組成物を挙げることができ、この熱可塑性エラストマー組成物を用いて、発泡成形体が得られることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
各種電気・電子機器に組み込まれる放熱部材を構成するための材料(放熱材料)として、各種の高分子材料が知られている。関連する従来技術として、特定のオルガノポリシロキサンと、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、金属珪素粉末、金属、又は金属酸化物等の充填剤と、を含有する熱伝導性組成物(例えば、特許文献2及び3参照)や、熱可塑性シリコーン樹脂と、アルミニウム粉末と、酸化亜鉛粉末と、を含有する組成物(例えば、特許文献4参照)等のシリコーン系の熱伝導性組成物が開示されている。
また、特定のアクリル系共重合体樹脂エマルションと、難燃剤と、熱伝導フィラーと、を含有する組成物を成形してなる熱伝導性シート(例えば、特許文献5参照)や、特定の分子構造を有する(変性)SEBSと、酸化亜鉛と、難燃剤と、を含有する放熱材料を成形してなる放熱シート(例えば、特許文献6参照)等の熱伝導性(放熱性)を示す成形体が開示されている。
しかしながら、前記熱伝導性成形体に用いられる組成物には、オルガノポリシロキサン等が配合されることがあり、使用とともに低分子シロキサンが発生し、電子部品中で接点不良を引き起こすといった不都合が生ずるという問題があった。また、特許文献2〜6等で開示された組成物、及びそれらを用いて得られる熱伝導性成形体であっても、その熱伝導性については必ずしも十分であるとはいえない場合もあり、更なる改良を図る必要性がある。
なお、従来、熱伝導性の高い非発泡成形体を製造しようとする場合には、高分子材料に対して熱伝導性フィラー等の熱伝導性材料を多量に配合する必要があった。しかしながら、熱伝導性材料を多量に配合した高分子材料は、熱伝導率は高いものの、柔軟性が損なわれ、ヒートシンクや基板の凹凸等に追従し難いものであった。そのため、優れた熱伝導率を有しながらも基板界面との接触熱抵抗が大きく、本来の熱伝導性を十分に引き出せていないのが現状である。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、低分子シロキサンが発生せず、絶縁性に優れるだけでなく、柔軟性(凹凸追従性)にも優れ、適度に圧縮することにより優れた熱伝導性を発揮する発泡成形体を提供することにある。
また、本発明の課題とするところは、低分子シロキサンが発生せず、絶縁性に優れるだけでなく、柔軟性(凹凸追従性)及び熱伝導性にも優れた熱伝導性成形体及びその製造方法を提供することにある。
更に、本発明の課題とするところは、低分子シロキサンが発生せず、絶縁性に優れるだけでなく、柔軟性(凹凸追従性)及び熱伝導性にも優れた熱伝導性シート積層体を提供することにある。
本発明者らは前記課題を達成すべく鋭意検討した結果、特定の海島構造を有するポリマー成分と熱伝導性フィラーを含有する発泡成形体において、前記熱伝導性フィラーの含有割合を調整することによって、前記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す発泡成形体、熱伝導性成形体及びその製造方法、並びに熱伝導性シート積層体が提供される。
(a−1)熱可塑性樹脂を海相として、(a−2)ゴム成分を島層として含む海島構造を有する(A)ポリマー成分と、(B)熱伝導性フィラーと、を含有し、前記(B)熱伝導性フィラーの含有比が、前記(a−1)熱可塑性樹脂100体積部に対して、70〜1000体積部である発泡成形体。
本発明の発泡成形体を圧縮率5〜90%に圧縮して熱伝導性成形体を得る工程を有する熱伝導性成形体の製造方法。
本発明の熱伝導性成形体の製造方法により製造される熱伝導性成形体。
本発明の熱伝導性成形体からなるシートと、前記シートの一方の面上に配設された粘着層と、前記シートの他方の面上に配設された基材層と、を備えた熱伝導性シート積層体。
本発明の発泡成形体は、低分子シロキサンが発生せず、絶縁性に優れるだけでなく、柔軟性(凹凸追従性)にも優れ、適度に圧縮することにより優れた熱伝導性を発揮するという効果を奏するものである。
本発明の熱伝導性成形体の製造方法は、低分子シロキサンが発生せず、絶縁性に優れるだけでなく、柔軟性(凹凸追従性)及び熱伝導性にも優れた熱伝導性成形体を簡便に製造することができるという効果を奏するものである。
本発明の熱伝導性成形体は、低分子シロキサンが発生せず、絶縁性に優れるだけでなく、柔軟性(凹凸追従性)及び熱伝導性にも優れるという効果を奏するものである。
本発明の熱伝導性シート積層体は、低分子シロキサンが発生せず、絶縁性に優れるだけでなく、柔軟性(凹凸追従性)及び熱伝導性にも優れるという効果を奏するものである。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に含まれることが理解されるべきである。
I.発泡成形体:
本発明の発泡成形体は、(a−1)熱可塑性樹脂を海相として、(a−2)ゴム成分を島相として含む海島構造を有する(A)ポリマー成分と、(B)熱伝導性フィラーと、を含有するものである。また、(B)熱伝導性フィラーの含有比が、(a−1)熱可塑性樹脂100体積部に対して、70〜1000体積部であるものである。
本発明の発泡成形体は、(a−1)熱可塑性樹脂を海相として、(a−2)ゴム成分を島相として含む海島構造を有する(A)ポリマー成分と、(B)熱伝導性フィラーと、を含有するものである。また、(B)熱伝導性フィラーの含有比が、(a−1)熱可塑性樹脂100体積部に対して、70〜1000体積部であるものである。
1.熱可塑性エラストマー組成物:
本発明の発泡成形体は、(A)ポリマー成分と、(B)熱伝導性フィラーとを含む熱可塑性エラストマー組成物を発泡成形させることにより作製することができる。なお、熱可塑性エラストマー組成物には、(A)ポリマー成分、(B)熱伝導性フィラー以外にも、添加剤等を含んでいても良い。以下、熱可塑性エラストマー組成物の各構成成分について詳細に説明する。
本発明の発泡成形体は、(A)ポリマー成分と、(B)熱伝導性フィラーとを含む熱可塑性エラストマー組成物を発泡成形させることにより作製することができる。なお、熱可塑性エラストマー組成物には、(A)ポリマー成分、(B)熱伝導性フィラー以外にも、添加剤等を含んでいても良い。以下、熱可塑性エラストマー組成物の各構成成分について詳細に説明する。
(1)(A)ポリマー成分:
(A)ポリマー成分は、マトリックスとなる海相と、海相中に島状に分散した島相と、からなる海島構造を備える構成成分である。海相は、(a−1)熱可塑性樹脂からなる相である。また、島相は、(a−2)ゴム成分からなる相である。
(A)ポリマー成分は、マトリックスとなる海相と、海相中に島状に分散した島相と、からなる海島構造を備える構成成分である。海相は、(a−1)熱可塑性樹脂からなる相である。また、島相は、(a−2)ゴム成分からなる相である。
(i)(a−1)熱可塑性樹脂:
熱可塑性樹脂は、特性に影響を与える成分である。本発明の熱可塑性樹脂として用いられるものとして、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体等のオレフィン系熱可塑性樹脂;ポリスチレン、AS樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルブチラール、ポリメタクリル酸メチル、含ハロゲン炭化水素、主鎖が炭素と窒素からなるポリアミド、主鎖が酸素及び窒素を含むポリイミド、主鎖に酸素を含むポリエステル、主鎖に酸素を含むポリエーテル、主鎖に硫黄を含むポリチオエーテル、主鎖に酸素と硫黄を共に含むポリエーテル、シクロオレフィンポリマー(COP)等が挙げられる。この中でも、発泡成形体の原料である熱可塑性エラストマー組成物の流動性、並びに発泡成形体としての機械的強度及び耐熱性の観点からα−オレフィン系熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。
熱可塑性樹脂は、特性に影響を与える成分である。本発明の熱可塑性樹脂として用いられるものとして、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体等のオレフィン系熱可塑性樹脂;ポリスチレン、AS樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルブチラール、ポリメタクリル酸メチル、含ハロゲン炭化水素、主鎖が炭素と窒素からなるポリアミド、主鎖が酸素及び窒素を含むポリイミド、主鎖に酸素を含むポリエステル、主鎖に酸素を含むポリエーテル、主鎖に硫黄を含むポリチオエーテル、主鎖に酸素と硫黄を共に含むポリエーテル、シクロオレフィンポリマー(COP)等が挙げられる。この中でも、発泡成形体の原料である熱可塑性エラストマー組成物の流動性、並びに発泡成形体としての機械的強度及び耐熱性の観点からα−オレフィン系熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。
(a−1)熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。例えば、上述したα−オレフィン系熱可塑性樹脂は、α−オレフィンの単独重合体であっても、二種以上のα−オレフィンの共重合体であっても、α−オレフィンとα−オレフィン以外の単量体との共重合体であってもよい。また、二種以上のα−オレフィン系熱可塑性樹脂を併用してもよい。なお、熱可塑性樹脂が共重合体である場合、この共重合体はランダム共重合体とブロック共重合体のいずれであってもよい。
また、(a−1)熱可塑性樹脂は、結晶性の樹脂(以下、「結晶性樹脂」ともいう)であってもよく、非晶質の樹脂(以下、「非晶質樹脂」ともいう)であってもよい。結晶性樹脂であるか、非晶質樹脂であるかは、X線回折によって測定される熱可塑性樹脂の結晶化度で判別する。具体的には、X線回折によって測定される熱可塑性樹の結晶化度が50%以上であれば結晶性樹脂と判別し、50%未満であれば非晶質樹脂と判別する。また、結晶化度は、密度と密接に関係するものであるため、X線回折の代わりに密度で判別することもできる。なお、熱可塑性樹脂の結晶化度が50%以上の場合、密度は0.89g/cm3以上となる。
結晶性樹脂は、α−オレフィンに由来する構成単位を主成分とする樹脂であることが好ましい。このような結晶性樹脂を用いることで、発泡成形体の機械的強度が向上する。ここで、「α−オレフィンに由来する構成単位を主成分とする」とは、結晶性樹脂の全体を100質量%とした場合に、α−オレフィンに由来する構成単位を80質量%以上含有することをいい、90質量%以上含有することが好ましい。
結晶性樹脂の、示差走査熱量測定法により測定される最大ピーク温度、即ち、融点(Tm)は、100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることが更に好ましい。結晶性樹脂のTmが100℃以上であることにより、発泡成形体として適度な耐熱性や強度を維持することができる。
結晶性樹脂の、温度230℃、荷重21.2Nにおけるメルトフローレート(MFR)は、0.1〜100g/10minであることが好ましく、0.5〜80g/10minであることが更に好ましい。結晶性樹脂のMFRが0.1g/10min以上であることにより、熱可塑性エラストマー組成物として適度な混練加工性、押出加工性等を維持することができる。一方、MFRが100g/10min以下であることにより、発泡成形体として適度な強度を維持することができる。
以上の点から、結晶性樹脂の好適例としては、エチレン単位の含有割合が20質量%以下であり、Tmが100℃以上であり、MFRが0.1〜100g/10minである、(1)ポリプロピレン、(2)プロピレンとエチレンの共重合体、又は(3)プロピレンとエチレンと1−ブテンの共重合体を挙げることができる。
非晶質樹脂は、前述の結晶性樹脂と同様、α−オレフィンに由来する構成単位を主成分とする樹脂であることが好ましい。このような非晶質樹脂を用いることで、得られる熱可塑性エラストマー組成物を加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーとともに射出融着する場合に、被着体との接着強度が向上するという利点がある。ここで、「α−オレフィンに由来する構成単位を主成分とする」とは、非晶質樹脂の全体を100質量%とした場合、α−オレフィンを50質量%以上含有することをいい、60質量%以上含有することが好ましい。
非晶質樹脂の具体例としては、アタクチックポリプロピレン、アタクチックポリ−1−ブテン等の単独重合体;プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体;1−ブテンと他のα−オレフィンとの共重合体等を挙げることができる。なお、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体は、プロピレンに由来する構成単位の含有割合が、共重合体の全体に対して50質量%以上であるものが好ましく、他のα−オレフィンが、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等であるものが好ましい。また、1−ブテンと他のα−オレフィンとの共重合体は、1−ブテンに由来する構成単位の含有割合が、共重合体の全体に対して50質量%以上であるものが好ましく、他のα−オレフィンが、例えば、エチレン、プロピレン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等であるものが好ましい。
非晶質樹脂の190℃における溶融粘度は、50000mPa・s以下であることが好ましく、1000〜40000mPa・sであることが更に好ましく、2000〜30000mPa・sであることが特に好ましい。溶融粘度が50000mPa・s以下であることにより、得られる熱可塑性エラストマー組成物の成形加工性を維持することができる。
(a−1)熱可塑性樹脂として、その歪み硬化度SHが0.1〜0.5である熱可塑性樹脂(以下、「樹脂(a’−1)」ともいう)を少なくとも1種用いることが好ましい。樹脂(a’−1)を用いることで、成形加工時の発泡性に優れた熱可塑性エラストマー組成物を得ることができる。なお、樹脂(a’−1)の歪み硬化度SHは、0.1〜0.5であり、0.15〜0.45であることが好ましく、0.2〜0.4であることが更に好ましい。歪み硬化度SHが0.1以上であることにより、熱可塑性樹脂の発泡性が良好となる。一方、歪み硬化度SHが0.5以下であることにより、熱可塑性樹脂の流動性が良好となる。なお、樹脂(a’−1)としては、その歪み硬化度SHが0.1〜0.5であるα−オレフィン系熱可塑性樹脂であることが更に好ましい。
(a−1)熱可塑性樹脂として樹脂(a’−1)を用いた場合、歪み硬化度SHが前記範囲外の熱可塑性樹脂を併用してもよい。歪み硬化度SHが前記範囲外の熱可塑性樹脂と(B)熱伝導性フィラーの相容性が高い場合には、熱可塑性エラストマー組成物の溶融延展性を高めることができるため好ましい。
樹脂(a’−1)の割合は、(a−1)熱可塑性樹脂100質量%に対して、好ましくは10〜95質量%であり、更に好ましくは40〜95質量%である。樹脂(a’−1)の割合を95質量%以下とすることにより、発泡成形体の柔軟性を良好に維持することができる。
樹脂(a’−1)としては、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体が好ましい。なお、二種以上の樹脂(a’−1)を併用することもできる。
(ii)(a−2)ゴム成分:
(a−2)ゴム成分は、発泡成形体の圧縮状態からの変形復元性に影響を与える成分である。即ち、本発明の発泡成形体は、(a−2)ゴム成分を含有することにより変形復元性が向上し、例えば、基板等の表面の凹凸の凹部に隙間無く侵入(凹凸に追従)することができる。そのため、基板表面と発泡成形体(熱伝導性成形体)の密着性が向上し、より効率的に放熱することができる。このような(a−2)ゴム成分としては、例えば、(油展)エチレン系共重合体及びその架橋物、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物、スチレン系熱可塑性エラストマー(組成物)等がある。これらの中でも、(油展)エチレン系共重合体、その架橋物が好ましい。なお、前記「(油展)エチレン系共重合体」とは、油展又は非油展のエチレン系共重合体のことを意味する。
(a−2)ゴム成分は、発泡成形体の圧縮状態からの変形復元性に影響を与える成分である。即ち、本発明の発泡成形体は、(a−2)ゴム成分を含有することにより変形復元性が向上し、例えば、基板等の表面の凹凸の凹部に隙間無く侵入(凹凸に追従)することができる。そのため、基板表面と発泡成形体(熱伝導性成形体)の密着性が向上し、より効率的に放熱することができる。このような(a−2)ゴム成分としては、例えば、(油展)エチレン系共重合体及びその架橋物、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物、スチレン系熱可塑性エラストマー(組成物)等がある。これらの中でも、(油展)エチレン系共重合体、その架橋物が好ましい。なお、前記「(油展)エチレン系共重合体」とは、油展又は非油展のエチレン系共重合体のことを意味する。
(エチレン系共重合体)
エチレン系共重合体の具体例としては、エチレン/α−オレフィン二元共重合体、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン三元共重合体等を挙げることができる。
エチレン系共重合体の具体例としては、エチレン/α−オレフィン二元共重合体、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン三元共重合体等を挙げることができる。
エチレン系共重合体に含まれるエチレンに由来する構造単位の割合は、好ましくは50〜80質量%であり、更に好ましくは54〜75質量%であり、特に好ましくは60〜70質量%である。エチレンに由来する構造単位の含有割合が前記範囲内であると、熱可塑性エラストマー組成物の機械的強度と柔軟性のバランスが向上するという利点がある。なお、50質量%以上であることにより、架橋剤として有機化酸化物を使用した場合であっても架橋効率の低下を抑制することができる。一方、80質量%以下であることにより、熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性の低下を抑制することができる。
α−オレフィンとしては、好ましくは炭素数3〜20のα−オレフィンであり、更に好ましくは炭素数3〜12のα−オレフィンであり、特に好ましくは炭素数3〜8のα−オレフィンである。α−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等を挙げることができる。これらの中でも、工業的な入手が容易であるという観点から、好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、更に好ましくはプロピレンである。なお、これらのα−オレフィンは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
非共役ポリエンの具体例としては、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン等の環状ポリエン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン等の炭素数が6〜15の内部不飽和結合を有する鎖状ポリエン;1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン等のα,ω−ジエンを挙げることができる。これらのなかでも、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエンが好ましく、5−エチリデン−2−ノルボルネンが更に好ましい。なお、これらの非共役ポリエンは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン三元共重合体に含まれる、非共役ポリエンに由来する構造単位の割合は、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン三元共重合体のヨウ素価が40以下となる割合であることが好ましく、30以下となる割合であることが更に好ましい。ヨウ素価は、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン三元共重合体に含まれる非共役ポリエンに由来する構造単位の割合の目安となる値である。ヨウ素価を40以下とすることにより、混練の際、ゲル化が起こり難く、押し出し等の成形工程でのブツの発生を抑制することができる。
エチレン系共重合体は、例えば、気相重合法、溶液重合法、又はスラリー重合法等により調製することができる。これらの重合方法は、バッチ式であっても連続式であってもよい。溶液重合法及びスラリー重合法においては、反応媒体として、不活性炭化水素を使用することができる。不活性炭化水素溶媒の具体例としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、n−ドデカン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等を挙げることができる。なお、これらの炭化水素溶媒は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
エチレン系共重合体を調製する際に用いられる重合触媒としては、例えば、V、Ti、Zr、及びHfからなる群より選択される一種以上の遷移金属の化合物と、有機金属化合物と、からなるオレフィン重合触媒等を挙げることができる。
オレフィン重合触媒の具体例としては、(1)メタロセン化合物と有機アルミニウム化合物、又は(2)メタロセン化合物と、メタロセン化合物と反応してイオン性錯体を形成するイオン性化合物とからなるメタロセン系触媒、又は(3)バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなるチーグラー・ナッタ系触媒等を挙げることができる。なお、エチレン系共重合体の調製の際に、分子量調整剤として水素ガスを用いることもできる。水素ガスの使用量は、触媒種、触媒量、重合温度、重合圧力等の重合条件、或いは重合スケール、撹拌状態、チャージ方法等の重合プロセスによっても異なる。水素ガスの使用量は、チーグラー・ナッタ系触媒を用いた溶液重合では、全単量体成分に対して0.01〜20ppmであることが好ましく、0.1〜10ppmであることが更に好ましい。
エチレン系共重合体は、下記(1)及び(2)の条件を満たすものであることが好ましい。下記(1)及び(2)の条件を満たすエチレン系共重合体は、熱可塑性エラストマー組成物の成形加工性や柔軟性を向上させるとともに、製品外観を向上させるために油展処理した油展エチレン系共重合体とした場合、変形回復性に乏しい分子鎖末端の個数が少なく、溶融粘度が高い超高分子量成分の含有割合が少ないという利点がある。
(1):デカリン溶媒中135℃で測定した極限粘度[η]が4.0〜9.0dl/gである。
(2):重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)の値が4以下である。
(1):デカリン溶媒中135℃で測定した極限粘度[η]が4.0〜9.0dl/gである。
(2):重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)の値が4以下である。
デカリン溶媒中135℃で測定したエチレン系共重合体の極限粘度[η]は、好ましくは4.0〜9.0dl/gであり、より好ましくは4.0〜8.5dl/gであり、更に好ましくは4.5〜8.5dl/gであり、特に好ましくは5.0〜8.0dl/gである。極限粘度[η]が4.0dl/g以上であることにより、エチレン系共重合体のゴム弾性を良好に維持することができる。一方、9.0dl/g以下であることにより、エチレン系共重合体の粘度の上昇を抑制し、工業的生産性を良好に維持することができる。なお、極限粘度[η]は、例えばウベローデ型粘度計を用いて測定することができる。
エチレン系共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)の値は、好ましくは2.0〜4以下であり、より好ましくは2.0〜3.8である。「Mw/Mn」の値が4以下であることにより、ゴム弾性、軟化剤保持性、及び成形加工性を良好に維持することができる。なお、「重量平均分子量(Mw)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定されるポリスチレン換算の値である。
エチレン系共重合体のGPCのクロマトグラムにおける、ポリスチレンに換算した分子量10万以下の領域の面積割合(低分子量成分の面積割合)は、全分子量領域の面積中、好ましくは3面積%以下であり、特に好ましくは2.5面積%以下である。前記面積割合が3面積%以下であることにより、熱可塑性エラストマー組成物のゴム弾性、及び軟化剤保持性を良好に維持することができる。
(油展エチレン系共重合体)
エチレン系共重合体は、そのまま用いても良いが、鉱物油系軟化剤を配合して油展エチレン系共重合体として用いることが好ましい。油展エチレン系共重合体は、変形回復性に乏しい分子鎖末端の個数が少ない場合、熱可塑性エラストマー組成物のゴム弾性が向上する。また、溶融粘度が高い超高分子量成分の含有割合が少ない場合、その他の成分(例えば、(a−1)熱可塑性樹脂)との分散性が良好となり、熱可塑性エラストマー組成物の機械的強度が向上する。更に、低分子量成分の含有割合が少ない場合、鉱物油系軟化剤の保持性が良好であり、多量の鉱物油系軟化剤を配合することができ、熱可塑性エラストマー組成物の成形加工性が向上する。
エチレン系共重合体は、そのまま用いても良いが、鉱物油系軟化剤を配合して油展エチレン系共重合体として用いることが好ましい。油展エチレン系共重合体は、変形回復性に乏しい分子鎖末端の個数が少ない場合、熱可塑性エラストマー組成物のゴム弾性が向上する。また、溶融粘度が高い超高分子量成分の含有割合が少ない場合、その他の成分(例えば、(a−1)熱可塑性樹脂)との分散性が良好となり、熱可塑性エラストマー組成物の機械的強度が向上する。更に、低分子量成分の含有割合が少ない場合、鉱物油系軟化剤の保持性が良好であり、多量の鉱物油系軟化剤を配合することができ、熱可塑性エラストマー組成物の成形加工性が向上する。
鉱物油系軟化剤の具体例としては、アロマティック系、ナフテン系、及びパラフィン系の鉱物油系軟化剤等を挙げることができる。これらのなかでも、エチレン−α−オレフィン系熱可塑性エラストマーとの相容性が高く、耐候性にも優れたパラフィン系又はナフテン系の鉱物油系軟化剤が好ましい。
鉱物油系軟化剤の配合量は、エチレン系共重合体100質量部に対して、好ましくは50〜150質量部であり、更に好ましくは80〜140質量部であり、特に好ましくは90〜130質量部である。鉱物油系軟化剤の配合量を50質量部以上とすることにより、熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性や成形加工性を良好に維持することができる。一方、150質量部以下とすることにより、熱可塑性エラストマー組成物にべた付きが発生し難く、工業的生産性を良好に維持することができる。
(オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物)
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物としては、エチレン系共重合体とα−オレフィン樹脂とを動的に熱処理したものが挙げられる。具体例としては、以下、商品名で「EXCELINKシリーズ」(JSR社製)、「サーモランシリーズ」(三菱化学社製)、「ミラストマーシリーズ」(三井化学社製)、「オレフレックスシリーズ」(リケンテクノス社製)、「Santopreneシリーズ」(エクソンモービルケミカル社製)、「SARLINKシリーズ」(DSM社製)等を挙げることができる。
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物としては、エチレン系共重合体とα−オレフィン樹脂とを動的に熱処理したものが挙げられる。具体例としては、以下、商品名で「EXCELINKシリーズ」(JSR社製)、「サーモランシリーズ」(三菱化学社製)、「ミラストマーシリーズ」(三井化学社製)、「オレフレックスシリーズ」(リケンテクノス社製)、「Santopreneシリーズ」(エクソンモービルケミカル社製)、「SARLINKシリーズ」(DSM社製)等を挙げることができる。
(スチレン系熱可塑性エラストマー)
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、少なくとも1つのスチレンブロックと、少なくとも一つの共役ジエンを主成分とする共役ジエンブロックからなるスチレン系ブロック共重合体や、前記スチレン系ブロック共重合体の水素添加物が挙げられる。具体例としては、以下、商品名で、「DYNARONシリーズ」(JSR社製)、「SEPTONシリーズ」、「SEPTON−Vシリーズ」(以上、クラレ社製)、「KRATON Gシリーズ」(クレイトンポリマー社製)等を挙げることができる。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、少なくとも1つのスチレンブロックと、少なくとも一つの共役ジエンを主成分とする共役ジエンブロックからなるスチレン系ブロック共重合体や、前記スチレン系ブロック共重合体の水素添加物が挙げられる。具体例としては、以下、商品名で、「DYNARONシリーズ」(JSR社製)、「SEPTONシリーズ」、「SEPTON−Vシリーズ」(以上、クラレ社製)、「KRATON Gシリーズ」(クレイトンポリマー社製)等を挙げることができる。
(スチレン系熱可塑性エラストマー組成物)
スチレン系熱可塑性エラストマー組成物としては、前記スチレン系ブロック共重合体の水素添加物とα―オレフィン樹脂とを動的に熱処理したものが挙げられる。具体例としては、以下、商品名で、「ラバロンシリーズ」(三菱化学社製)、「アクティマーシリーズ」、「レオストマーシリーズ」(以上、リケンテクノス社製)、「エラストマーARシリーズ」(アロン化成社製)等を挙げることができる。
スチレン系熱可塑性エラストマー組成物としては、前記スチレン系ブロック共重合体の水素添加物とα―オレフィン樹脂とを動的に熱処理したものが挙げられる。具体例としては、以下、商品名で、「ラバロンシリーズ」(三菱化学社製)、「アクティマーシリーズ」、「レオストマーシリーズ」(以上、リケンテクノス社製)、「エラストマーARシリーズ」(アロン化成社製)等を挙げることができる。
(a−2)ゴム成分の含有割合は、(A)ポリマー成分100質量%に対して、好ましくは25〜95質量%であり、より好ましくは35〜90質量%であり、更に好ましくは40〜90質量%である。(a−2)ゴム成分の割合が前記の範囲内であると、発泡成形体のゴム弾性(変形復元性)と流動性のバランスが良好となる。(a−2)ゴム成分の割合を25質量%以上とすることにより、熱可塑性エラストマー組成物の流動性を良好に維持することができる。一方、(a−2)ゴム成分の割合を95質量%以下とすることにより、熱可塑性エラストマー組成物のゴム弾性(変形復元性)の低下を抑制することができる。
((A)ポリマー成分の調製方法)
(A)ポリマー成分は、(a−2)ゴム成分が予め動的に熱処理されている場合、(a−1)熱可塑性樹脂と、(a−2)ゴム成分と、を含む重合体組成物を溶融混合するだけで調製することができる。一方、(a−2)ゴム成分が(油展)エチレン系共重合体等の予め動的に熱処理されていない場合、(a−1)熱可塑性樹脂と、(油展)エチレン系共重合体等と、を含む重合体組成物を必要に応じて動的に熱処理することで調製することができる。
(A)ポリマー成分は、(a−2)ゴム成分が予め動的に熱処理されている場合、(a−1)熱可塑性樹脂と、(a−2)ゴム成分と、を含む重合体組成物を溶融混合するだけで調製することができる。一方、(a−2)ゴム成分が(油展)エチレン系共重合体等の予め動的に熱処理されていない場合、(a−1)熱可塑性樹脂と、(油展)エチレン系共重合体等と、を含む重合体組成物を必要に応じて動的に熱処理することで調製することができる。
「動的に熱処理する」とは、架橋剤の存在下で、重合体組成物等を溶融、混練、及び分散させるとともに、(油展)エチレン系共重合体等の架橋反応を行うことを意味する。このように動的に熱処理することによって、部分的又は全体的に架橋された(a−2)ゴム成分を含む多数の島相が、(a−1)熱可塑性樹脂を含む海相中に浮かぶ(分散した)、いわゆる「海島構造」を有する(A)ポリマー成分を調製することができる。
動的に熱処理する際の温度は、好ましくは150〜250℃である。この温度範囲内で動的に熱処理すると、(a−1)熱可塑性樹脂の溶融と、架橋反応とのバランスが良好となる傾向にある。動的な熱処理に要する時間は、好ましくは20秒間〜320分間であり、更に好ましくは30秒間〜25分間である。また、負荷する剪断力は、ずり速度で、好ましくは10〜20000/秒であり、更に好ましくは100〜10000/秒である。
「動的に熱処理」するために用いる装置としては、例えば、加圧式ニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダー等のバッチ式の混練機;一軸押出機、二軸押出機、連続式ニーダー、フィーダールーダー等の連続式の混練機;これらの機器を組み合わせた装置を挙げることができる。
(鉱物油系軟化剤)
(A)ポリマー成分に、成形加工性や柔軟性を付与するとともに、製品外観を向上させる目的で、鉱物油系軟化剤を配合してもよい。鉱物油系軟化剤としては、上述の鉱物油系軟化剤と同様のものを用いることができる。なかでも、エチレン系共重合体との相容性が高く、耐候性に優れたパラフィン系又はナフテン系のものが好ましい。
(A)ポリマー成分に、成形加工性や柔軟性を付与するとともに、製品外観を向上させる目的で、鉱物油系軟化剤を配合してもよい。鉱物油系軟化剤としては、上述の鉱物油系軟化剤と同様のものを用いることができる。なかでも、エチレン系共重合体との相容性が高く、耐候性に優れたパラフィン系又はナフテン系のものが好ましい。
鉱物油系軟化剤の配合量(但し、(a−2)ゴム成分として油展エチレン系共重合体を用いた場合、油展に使用した鉱物油系軟化剤も合算する)は、(A)ポリマー成分の合計量100質量部に対して、50〜150質量部であることが好ましく、80〜140質量部であることが更に好ましく、90〜130質量部であることが特に好ましい。配合量を150質量部以下とすることにより、鉱物油系軟化剤のブリードアウトを抑制し、製品の外観の劣化を抑制することができる。
(架橋剤)
架橋剤は、EPMやEPDM等のエチレン系共重合体の架橋に通常使用されるものである限り特に制限はない。架橋剤の具体例としては、硫黄、硫黄化合物、有機過酸化物、フェノール樹脂系架橋剤、キノイド系架橋剤、アクリル酸金属塩系架橋剤、ビスマレイミド系架橋剤等を挙げることができる。
架橋剤は、EPMやEPDM等のエチレン系共重合体の架橋に通常使用されるものである限り特に制限はない。架橋剤の具体例としては、硫黄、硫黄化合物、有機過酸化物、フェノール樹脂系架橋剤、キノイド系架橋剤、アクリル酸金属塩系架橋剤、ビスマレイミド系架橋剤等を挙げることができる。
架橋剤の配合量は、(A)ポリマー成分の合計量100質量部に対して、好ましくは0.02〜20質量部であり、更に好ましくは0.1〜12質量部であり、特に好ましくは0.4〜3質量部である。0.02質量部以上であることにより、十分に架橋反応させることができ、ゴム弾性の低下を抑制することができる。一方、20質量部以下であることにより、流動性の低下を抑制することができる。
なお、架橋剤として有機過酸化物を使用する場合、適当な架橋助剤を存在させると、架橋反応が均一、かつ、穏やかに行われ、特に均一な架橋を形成することができるため好ましい。架橋助剤の配合量は、(A)ポリマー成分の合計量100質量部に対して、好ましくは3質量部以下であり、更に好ましくは0.2〜2質量部である。架橋助剤の配合量がこの範囲内であると、(A)ポリマー成分の相構造(海島構造)の均一性が向上するとともに、成形加工性が維持されるという利点がある。架橋助剤の配合量を3質量部以下とすることにより、架橋助剤が未反応の単量体として熱可塑性エラストマー組成物中に残存することを抑制し、熱可塑性エラストマー組成物を成形加工する際の熱履歴によって熱可塑性エラストマー組成物が物性の変化を起こすことを抑制することができる。
また、架橋剤としてフェノール樹脂系架橋剤又はキノイド系架橋剤を使用する場合は、単独で使用してもよいが、架橋速度を調節するために架橋促進剤と併用してもよい。
(その他の成分)
(A)ポリマー成分には、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、ブロッキング防止剤、シール性改良剤、結晶核剤、難燃化剤、防菌剤、防かび剤、粘着性付与剤、軟化剤、可塑剤、着色剤、充填剤等の添加剤を適宜配合してもよい。なお、これらの添加剤は、(A)ポリマー成分を架橋剤の存在下で動的に熱処理した後(即ち、(A)ポリマー成分とした後)に添加してもよい。
(A)ポリマー成分には、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、ブロッキング防止剤、シール性改良剤、結晶核剤、難燃化剤、防菌剤、防かび剤、粘着性付与剤、軟化剤、可塑剤、着色剤、充填剤等の添加剤を適宜配合してもよい。なお、これらの添加剤は、(A)ポリマー成分を架橋剤の存在下で動的に熱処理した後(即ち、(A)ポリマー成分とした後)に添加してもよい。
(2)(B)熱伝導性フィラー:
(B)熱伝導性フィラーは、その絶縁性及び熱伝導性が重要である。絶縁性のない(電気伝導性を有する)フィラーは、電気絶縁性が要求される分野では使用することができない。(B)熱伝導性フィラーの熱伝導率は、3W/(m・K)以上であることが好ましく、10W/(m・K)以上であることが更に好ましく、20W/(m・K)以上であることが特に好ましい。(B)熱伝導性フィラーの熱伝導率が3W/(m・K)以上であることにより、熱可塑性エラストマー組成物の熱伝導率を効率的に向上させることができる。
(B)熱伝導性フィラーは、その絶縁性及び熱伝導性が重要である。絶縁性のない(電気伝導性を有する)フィラーは、電気絶縁性が要求される分野では使用することができない。(B)熱伝導性フィラーの熱伝導率は、3W/(m・K)以上であることが好ましく、10W/(m・K)以上であることが更に好ましく、20W/(m・K)以上であることが特に好ましい。(B)熱伝導性フィラーの熱伝導率が3W/(m・K)以上であることにより、熱可塑性エラストマー組成物の熱伝導率を効率的に向上させることができる。
(B)熱伝導性フィラーの具体例としては、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物;窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物;石英、結晶性シリカ等のシリカ粉末を挙げることができる。これらの中でも、熱伝導性を向上させるという観点から、金属酸化物、金属水酸化物、窒化物、及びシリカ粉末からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、窒化ホウ素及びアルミナの少なくとも一方であることが更に好ましい。これらの(B)熱伝導性フィラーは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。なお、マトリックスとなる(A)ポリマー成分との濡れ性を改良する等の目的から、表面処理されている(B)熱伝導性フィラーを用いることも好ましい。
(B)熱伝導性フィラーの形状は特に限定されない。(B)熱伝導性フィラーの形状の具体例としては、球状、針状、繊維状、鱗片状、樹枝状、平板状、不定形状等を挙げることができる。また、(B)熱伝導性フィラーは、中空状のものであっても良い。本発明の発泡成形体においては、形成された気泡(発泡セル)の周縁に(B)熱伝導性フィラーが配向し、熱伝導パス形成が促進される。その為、配向方向の熱伝導パス形成促進の観点から、(B)熱伝導性フィラーは、アスペクト比が1より大きい繊維状、燐片状、平板状のものが好ましい。
(B)熱伝導性フィラーの数平均粒子径は、0.1〜100μmであることが好ましく、0.5〜50μmであることが更に好ましく、1〜20μmであることが特に好ましい。(B)熱伝導性フィラーの数平均粒子径が0.1μm以上であることにより、熱可塑性エラストマー組成物の粘度の増大を抑制し、流動性を良好に維持することができる。一方、数平均粒子径が100μm以下であることにより、熱可塑性エラストマー組成物の流動性が良好であるだけでなく、発泡性の低下も抑制することができる。
(B)熱伝導性フィラーの含有量は、(a−1)熱可塑性樹脂100体積部に対して70〜1000体積部であり、好ましくは80〜800体積部であり、更に好ましくは100〜600体積部である。(B)熱伝導性フィラーの含有量が70体積部以上であることにより、発泡成形体の熱伝導性を良好に維持することができる。一方、1000体積部以下であることにより、熱可塑性エラストマー組成物の流動性を良好に維持することができる。
尚、「(B)熱伝導性フィラーの体積」としては、(B)熱伝導性フィラーの配合重量を真比重で除することによって求めた値を用いる。また、フィラーの真比重が不明である場合は、成形体の断面写真の画像解析により算出することができる。具体的には、画像解析ソフト(商品名「Image−Pro Plus」、日本ローバー社製)を用いて得られる、断面における(a−1)熱可塑性樹脂とフィラーの面積比を体積比((a−1)熱可塑性樹脂100体積部に対する体積部)と見なして算出することができる。なお、成形体の断面写真は、後述の海島構造の評価方法で説明する透過型電子顕微鏡観察等から得ることができる。
(B)熱伝導性フィラーが中空である場合における「(B)熱伝導性フィラーの体積」とは、(B)熱伝導性フィラーが中実(密実)であると仮定したときの体積を意味する。なお、(B)熱伝導性フィラーは、(A)ポリマー成分の少なくとも海相に存在することが好ましい。(B)熱伝導性フィラーが、少なくとも海相に存在することにより、(B)熱伝導性フィラーが発泡成形体中で広範に分布し、発泡成形体(熱伝導性成形体)の熱伝導性を向上させることができる。また、(B)熱伝導性フィラーが海相に存在すると、熱可塑性エラストマー組成物を発泡させた際に、(B)熱伝導性フィラーが発泡セルの周縁に配向した状態で偏在し易くなり、発泡成形体の熱伝導性を更に向上させることができる。
2.製造方法:
本発明の発泡成形体は、(A)ポリマー成分と(B)熱伝導性フィラーと、を含む熱可塑性エラストマー組成物を発泡成形させることで製造することができる。本発明の発泡成形体は、形成された泡(発泡セル)の周縁に(B)熱伝導性フィラーが偏在するため、圧縮することで熱伝導パスが形成され、熱伝導性が向上する。即ち、本発明の発泡成形体を適度に圧縮した圧縮体(熱伝導性成形体)は、発泡前の状態のもの(熱可塑性エラストマー組成物)や、非圧縮状態のもの(発泡成形体)に比して、熱伝導性が向上することとなる。このため、(B)熱伝導性フィラーの配合量が少なくても、十分に高い熱伝導性を有する熱伝導性成形体を製造することができる。また、本発明の発泡成形体は柔軟であるため、ヒートシンクや基板等の凹凸に追従、密着し、基板界面との接触熱抵抗を低減して、熱伝導性を向上させることができる。
本発明の発泡成形体は、(A)ポリマー成分と(B)熱伝導性フィラーと、を含む熱可塑性エラストマー組成物を発泡成形させることで製造することができる。本発明の発泡成形体は、形成された泡(発泡セル)の周縁に(B)熱伝導性フィラーが偏在するため、圧縮することで熱伝導パスが形成され、熱伝導性が向上する。即ち、本発明の発泡成形体を適度に圧縮した圧縮体(熱伝導性成形体)は、発泡前の状態のもの(熱可塑性エラストマー組成物)や、非圧縮状態のもの(発泡成形体)に比して、熱伝導性が向上することとなる。このため、(B)熱伝導性フィラーの配合量が少なくても、十分に高い熱伝導性を有する熱伝導性成形体を製造することができる。また、本発明の発泡成形体は柔軟であるため、ヒートシンクや基板等の凹凸に追従、密着し、基板界面との接触熱抵抗を低減して、熱伝導性を向上させることができる。
(1)熱可塑性エラストマー組成物:
熱可塑性エラストマー組成物は、(A)ポリマー成分と(B)熱伝導性フィラーと、を含むものであり、発泡成形させることにより発泡成形体を製造することができるものである。
熱可塑性エラストマー組成物は、(A)ポリマー成分と(B)熱伝導性フィラーと、を含むものであり、発泡成形させることにより発泡成形体を製造することができるものである。
熱可塑性エラストマー組成物のメルトフローレート(MFR)は、230℃、98N荷重の条件下において、好ましくは0.1〜100g/10minであり、更に好ましくは0.5〜80g/10minであり、特に好ましくは1〜60g/10minである。MFRが100g/10min以下であることにより、発泡成形体を製造する際、発泡倍率が高く、独立した気泡を形成し、また、形成される気泡の形状を均一なものとすることができる。一方、MFRが0.1g/10min以上であることにより、発泡成形体の加工性等を良好に維持することができる。
熱可塑性エラストマー組成物の熱伝導率は、0.5〜100W/(m・K)であることが好ましく、0.7〜100W/(m・K)であることが更に好ましく、1.0〜100W/(m・K)であることが特に好ましい。熱伝導率が0.5W/(m・K)以上であることにより、発泡成形体の熱伝導性を良好に維持することができる。
熱可塑性エラストマー組成物の体積固有抵抗値は、十分な絶縁性を保持するために、1012Ω・cm以上であることが好ましく、1014Ω・cm以上であることが更に好ましい。
熱可塑性エラストマー組成物の歪み硬化度SHは、0.1〜0.5であることが好ましく、0.15〜0.45であることが更に好ましく、0.2〜0.4であることが特に好ましい。歪み硬化度SHが0.1以上であることにより、発泡性を良好に維持することができる。一方、0.5以下であることにより、成形加工性を良好に維持することができる。
熱可塑性エラストマー組成物の溶融延展性は、10〜200m/minであることが好ましく、10〜150m/minであることが更に好ましく、11〜100m/minであることが特に好ましい。溶融延展性が10m/min以上であることにより、発泡成形において発泡セルが破れることを抑制することができる。一方、溶融延展性が200m/min以下であることにより、発泡成形において発泡セルが収縮することを抑制することができる。
(2)発泡方法:
発泡成形体の製造方法は、熱可塑性エラストマー組成物を発泡成形させればよい。発泡方法としては、例えば、熱可塑性エラストマー組成物を、損失正接tanδピーク温度Tp(℃)の1.15倍以上の温度(℃)に調温して気体又は超臨界流体を含浸又は混合し、損失正接tanδピーク温度Tp(℃)の1.00〜1.10倍の温度(℃)に調温した後、損失正接tanδピーク温度Tp(℃)の1.00〜1.10倍の温度(℃)で減圧した状態で、熱可塑性エラストマー組成物を気体又は超臨界流体を使用して発泡させることで行うことができる。
発泡成形体の製造方法は、熱可塑性エラストマー組成物を発泡成形させればよい。発泡方法としては、例えば、熱可塑性エラストマー組成物を、損失正接tanδピーク温度Tp(℃)の1.15倍以上の温度(℃)に調温して気体又は超臨界流体を含浸又は混合し、損失正接tanδピーク温度Tp(℃)の1.00〜1.10倍の温度(℃)に調温した後、損失正接tanδピーク温度Tp(℃)の1.00〜1.10倍の温度(℃)で減圧した状態で、熱可塑性エラストマー組成物を気体又は超臨界流体を使用して発泡させることで行うことができる。
具体的には、先ず、熱可塑性エラストマー組成物を、その損失正接tanδピーク温度Tp(℃)の1.15倍以上の温度、好ましくはTp(℃)の1.18倍以上の温度、更に好ましくはTp(℃)の1.20〜1.30倍の温度に調温する。次に、溶融状態の熱可塑性エラストマー組成物に、気体又は超臨界流体を含浸又は混合させることで発泡性原料を得る。熱可塑性エラストマー組成物を前記の温度範囲となるように調温することにより、含浸又は混合させる気体又は超臨界流体が均一に分散し易くなるために好ましい。
超臨界流体としては、二酸化炭素や窒素を超臨界状態としたものを使用することが好ましい。例えば、二酸化炭素であれば、温度31℃以上、圧力7.3MPa以上とすることにより、超臨界状態とすることができる。二酸化炭素は、比較的低い温度、圧力で超臨界状態となり、また、溶融状態の熱可塑性エラストマー組成物中への含浸速度が速く、更に、高濃度での混入が可能なために、発泡成形に適しており、微細な気泡を得ることができる。気体としては、二酸化炭素、窒素、空気等を使用することが好ましい。
次に、発泡性原料を、原料として用いた熱可塑性エラストマー組成物の損失正接tanδピーク温度Tp(℃)の1.10倍以下の温度、好ましくはTp(℃)の1.00〜1.09倍の温度、更に好ましくはTp(℃)の1.02〜1.08倍の温度に調温する。発泡性原料を前記の温度範囲となるように調温することにより、発泡倍率を高くすることができる。また、独立した気泡を形成させ、形成される気泡の形状を均一にすることができる。
調温後の発泡性原料を、通常、Tp(℃)の1.10倍以下の温度、好ましくはTp(℃)の1.00〜1.09倍の温度、更に好ましくはTp(℃)の1.02〜1.08倍の温度で減圧し、発泡性原料を発泡成形させれば発泡成形体を製造することができる。発泡させる方法は特に限定されず、バッチ法と連続法のいずれの方法であってもよい。具体的には、押出成形、射出成形、プレス成形等の成形方法によって発泡成形させることができる。
押出成形機を用いて発泡体を製造する場合を更に具体的に説明する。先ず、熱可塑性エラストマー組成物を押出機に投入し溶融させる。次いで、気体又は超臨界流体を含浸又は混合させ溶融高圧状態の発泡性原料を得る。気体又は超臨界流体を含浸又は混合させた溶融高圧状態の発泡性原料を、押出機の出口に向かって大気圧まで圧力を低下させ、圧力低下途中で発泡成形させた後、押出機の出口から出てきた溶融状態の発泡体を冷却固化させることにより発泡体を製造することができる。
気体又は超臨界流体を、溶融状態の熱可塑性エラストマー組成物に注入して均一に混合すると、見掛け粘度が低下するために、流動性が向上する。また、気体や超臨界流体を用いて熱可塑性エラストマー組成物を発泡成形させると、発泡倍率を高くすることができる。更に、発泡成形体の発泡セルの数平均セル径をコントロールし易い。また、発泡成形体のクッション感のコントロールもし易い。更に、気体又は超臨界流体を使用すると、発泡成形体の発泡セルの数平均セル径を小さくすることが可能であるとともに、発泡セルのセル径を均一にすることができる。
なお、通常の気体を用いた場合には、超臨界流体を用いた場合に比べて、発泡倍率を上げることが困難である。但し、通常の気体を用いると、安価な設備により発泡成形体を製造することが可能である。
3.物性:
本発明の発泡成形体の発泡セルの数平均セル径は、10〜200μmであることが好ましく、更に好ましくは15〜180μmであり、特に好ましくは20〜180μmである。また、数平均セル径の変動係数(Cv)は、0.1〜1.0であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜0.9であり、特に好ましくは0.1〜0.8である。発泡セルの数平均セル径と、数平均セル径の変動係数(Cv)とを上述した範囲とすることにより、発泡セルのセル径にバラツキが少なくなり、発泡成形体の全体における(B)熱伝導性フィラーの分布状態をほぼ均一にすることができる。発泡成形体の全体における(B)熱伝導性フィラーの分布状態をほぼ均一にすることにより、本発明の発泡成形体、及びこれを圧縮して得られるシート状の熱伝導性成形体は、いずれも熱伝導性の面内均一性が極めて高いものとなる。発泡セルの数平均セル径は、発泡による効果、即ち、柔軟性等を確実に示すという観点から、10μm以上であることが好ましい。また、10μm以上とすることで、発泡成形体の発泡倍率を良好に維持することができる。一方、発泡セルの数平均セル径が200μm以下であることにより、発泡セルのセル径のバラツキが少なくなり、発泡成形体及び熱伝導性成形体の熱伝導性の面内均一性が向上する。また、200μm以下とすることで、圧縮永久歪みの増大を抑制することもできる。
本発明の発泡成形体の発泡セルの数平均セル径は、10〜200μmであることが好ましく、更に好ましくは15〜180μmであり、特に好ましくは20〜180μmである。また、数平均セル径の変動係数(Cv)は、0.1〜1.0であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜0.9であり、特に好ましくは0.1〜0.8である。発泡セルの数平均セル径と、数平均セル径の変動係数(Cv)とを上述した範囲とすることにより、発泡セルのセル径にバラツキが少なくなり、発泡成形体の全体における(B)熱伝導性フィラーの分布状態をほぼ均一にすることができる。発泡成形体の全体における(B)熱伝導性フィラーの分布状態をほぼ均一にすることにより、本発明の発泡成形体、及びこれを圧縮して得られるシート状の熱伝導性成形体は、いずれも熱伝導性の面内均一性が極めて高いものとなる。発泡セルの数平均セル径は、発泡による効果、即ち、柔軟性等を確実に示すという観点から、10μm以上であることが好ましい。また、10μm以上とすることで、発泡成形体の発泡倍率を良好に維持することができる。一方、発泡セルの数平均セル径が200μm以下であることにより、発泡セルのセル径のバラツキが少なくなり、発泡成形体及び熱伝導性成形体の熱伝導性の面内均一性が向上する。また、200μm以下とすることで、圧縮永久歪みの増大を抑制することもできる。
本発明の発泡成形体は、熱可塑性エラストマー組成物を発泡成形させる際の発泡倍率が3〜30倍であることが好ましく、4〜25倍であることが更に好ましく、5〜20倍であることが特に好ましい。前記の範囲の発泡倍率で発泡成形させると、柔軟性(凹凸追従性)、及び表面外観に優れる発泡成形体を製造することができる。
本発明の発泡成形体は、後述するように、圧縮されることにより熱伝導性が向上するものである。本発明の発泡成形体は圧縮後の熱伝導率が、0.5〜100W/(m・K)であることが好ましく、0.7〜100W/(m・K)であることが更に好ましく、1.0〜100W/(m・K)であることが特に好ましい。圧縮後の熱伝導率が0.5W/(m・K)以上であることは、発泡成形体の熱伝導性を維持するという観点から好ましい。
また、本発明の発泡成形体は、下記条件を満たすものであることが好ましい。
条件:[発泡成形体の圧縮率60%に圧縮した場合の熱伝導率(W/(m・K))]/[発泡成形体の熱伝導率(W/(m・K))]≧2
条件:[発泡成形体の圧縮率60%に圧縮した場合の熱伝導率(W/(m・K))]/[発泡成形体の熱伝導率(W/(m・K))]≧2
なお、前記の[発泡成形体の圧縮率60%に圧縮した場合の熱伝導率(W/(m・K))]/[発泡成形体の熱伝導率(W/(m・K))]の値は、2〜20であることが更に好ましい。
本発明の発泡成形体は、硬度(デュロE)が、70未満であることが好ましく、50未満であることが更に好ましく、30未満であることが特に好ましい。即ち、柔軟性に優れることが好ましい。なお、ここで、硬度(デュロE)は、JIS K6253に準拠して測定される値である。
本発明の発泡成形体は、体積固有抵抗が、1012Ω・cm以上であることが好ましく、1014Ω・cm以上であることが更に好ましい。即ち、絶縁性に優れることが好ましい。
II.熱伝導性成形体及びその製造方法:
本発明の熱伝導性成形体の製造方法は、「I.発泡成形体」に記載の発泡成形体を、圧縮率5〜90%、好ましくは圧縮率10〜80%、更に好ましくは圧縮率15〜70%に圧縮して熱伝導性成形体を得る工程を有する方法である。また、本発明の熱伝導性成形体は、本発明の熱伝導性成形体の製造方法によって製造されるものである。なお、圧縮率が5%以上であることにより、熱伝導性成形体中の(B)熱伝導性フィラー同士の接触を増加させ、十分な熱伝導性を維持することができる。一方、圧縮率が90%以下であることにより、熱伝導性成形体中の気泡(発泡セル)が潰れてしまうことを抑制し、熱伝導性成形体の柔軟性(凹凸追従性)を良好に維持することができる。
本発明の熱伝導性成形体の製造方法は、「I.発泡成形体」に記載の発泡成形体を、圧縮率5〜90%、好ましくは圧縮率10〜80%、更に好ましくは圧縮率15〜70%に圧縮して熱伝導性成形体を得る工程を有する方法である。また、本発明の熱伝導性成形体は、本発明の熱伝導性成形体の製造方法によって製造されるものである。なお、圧縮率が5%以上であることにより、熱伝導性成形体中の(B)熱伝導性フィラー同士の接触を増加させ、十分な熱伝導性を維持することができる。一方、圧縮率が90%以下であることにより、熱伝導性成形体中の気泡(発泡セル)が潰れてしまうことを抑制し、熱伝導性成形体の柔軟性(凹凸追従性)を良好に維持することができる。
非圧縮(圧縮前)状態の発泡成形体は、その発泡セルの周縁に(B)熱伝導性フィラーが配向した状態で偏在している。発泡セルの周縁に(B)熱伝導性フィラーが配向した状態で偏在する発泡成形体を所定の圧縮率に圧縮して得られる本発明の熱伝導性成形体は、圧縮されることによって(B)熱伝導性フィラー同士が接することとなり、熱伝導パスが形成される。従って、本発明の熱伝導性成形体は、発泡前の状態のもの(熱可塑性エラストマー組成物)や、非圧縮状態のもの(発泡成形体)に比して熱伝導性が向上している。
本発明の熱伝導性成形体(圧縮された発泡成形体)の熱伝導率は、0.5〜100W/(m・K)であることが好ましく、0.7〜100W/(m・K)であることが更に好ましく、1.0〜100W/(m・K)であることが特に好ましい。
本発明の熱伝導性成形体は、(B)熱伝導性フィラーが接することで形成された熱伝導パスを有するものである。このため、本発明の熱伝導性成形体は、その優れた形状追従性、及び熱伝導性(放熱性)等を生かし、複雑な凹凸形状を有する半導体デバイス等の電気・電子機器を構成する構成部材として好適に用いることができる。
熱伝導性成形体を形成する際に、発泡成形体(発泡シート)を圧縮する方法としては、発泡成形体が溶融せず、発泡セルが消失しない方法である限り特に制限はないが、例えば、ロールプレス、加圧プレス等の圧縮方法を挙げることができる。また、熱伝導性成形体が組み込まれた基板等のモジュールを作製する場合には、その作製工程において、発泡成形体を圧縮させた状態で組み込むことにより、作製することができる。
III.熱伝導性シート積層体:
本発明の熱伝導性シート積層体は、「II.熱伝導性成形体及びその製造方法」に記載の熱伝導性成形体からなるシートと、シートの一方の面上に配設された粘着層と、シートの他方の面上に配設された基材層と、を備えたものである。このため、本発明の熱伝導性シート積層体は、柔軟性(凹凸追従性)に優れ、かつ、熱伝導性に優れたものである。
本発明の熱伝導性シート積層体は、「II.熱伝導性成形体及びその製造方法」に記載の熱伝導性成形体からなるシートと、シートの一方の面上に配設された粘着層と、シートの他方の面上に配設された基材層と、を備えたものである。このため、本発明の熱伝導性シート積層体は、柔軟性(凹凸追従性)に優れ、かつ、熱伝導性に優れたものである。
熱伝導性シート積層体を構成するシートは、熱可塑性エラストマー組成物を発泡成形させた発泡成形体を圧縮した熱伝導性成形体からなるものである。このため、このシートを備えた本発明の熱伝導性シート積層体は、優れた熱伝導性を示すものである。具体的には、本発明の熱伝導性シート積層体の、発泡成形体を圧縮率60%に圧縮した熱伝導性成形体を用いた場合の熱伝導率は、0.5〜100W/(m・K)であることが好ましく、0.7〜100W/(m・K)であることが更に好ましく、1.0〜100W/(m・K)であることが特に好ましい。
粘着層は、例えば、一般的な粘着剤組成物をシートの一方の面上に塗布等することによって配設することができる。また、基材層を構成する材料としては、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等を挙げることができる。
熱伝導性成形体からなるシートの厚みは、特に限定されないが、通常、0.05〜5mm、好ましくは0.1〜3mm程度である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)各種物性値の測定方法及び諸特性の評価方法:
[極限粘度[η](dl/g)]:
ウベローデ型粘度計を使用し、エチレン系共重合体のデカリン溶媒中135℃における極限粘度[η]を測定した。
[極限粘度[η](dl/g)]:
ウベローデ型粘度計を使用し、エチレン系共重合体のデカリン溶媒中135℃における極限粘度[η]を測定した。
[Mw/Mn]:
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(商品名「PL−GPC220」、ポリマーラボラトリー社製)を使用し、エチレン系共重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を測定した。測定したMwとMnの値から、Mw/Mnを算出した。なお、カラムにはポリマーラボラトリー社製の商品名「MIXED−B」を使用した。また、移動相にはオルトジクロロベンゼンを使用し、検知器には示差屈折計を使用した。なお、測定温度は135℃、試料濃度は0.1質量%とした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(商品名「PL−GPC220」、ポリマーラボラトリー社製)を使用し、エチレン系共重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を測定した。測定したMwとMnの値から、Mw/Mnを算出した。なお、カラムにはポリマーラボラトリー社製の商品名「MIXED−B」を使用した。また、移動相にはオルトジクロロベンゼンを使用し、検知器には示差屈折計を使用した。なお、測定温度は135℃、試料濃度は0.1質量%とした。
[低分子量成分の面積割合(面積%)]:
前記「Mw/Mn」に記載したゲルパーミエーションクロマトグラフィーと同様の条件で測定して得られたクロマトグラムから、全分子量領域中の分子量10万以下の領域の面積割合を算出した。
前記「Mw/Mn」に記載したゲルパーミエーションクロマトグラフィーと同様の条件で測定して得られたクロマトグラムから、全分子量領域中の分子量10万以下の領域の面積割合を算出した。
[流動性(MFR)(g/10min)]:
JIS K7210に準拠し、温度:230℃、荷重:98Nの条件下、MFR(メルトフローレート)を測定した。測定されたMFRの値を流動性の評価値とした。MFRの値が大きいほど流動性に優れると評価することができる。
JIS K7210に準拠し、温度:230℃、荷重:98Nの条件下、MFR(メルトフローレート)を測定した。測定されたMFRの値を流動性の評価値とした。MFRの値が大きいほど流動性に優れると評価することができる。
[熱伝導率(W/(m・K))]:
熱拡散率・熱伝導率測定装置(商品名「アイフェイズ・モバイル1u」、株式会社アイフェイズ社製)を使用して、ISO22007−3に準拠した条件で、熱可塑性エラストマー組成物の熱伝導率を測定して、熱伝導性を評価した。また、発泡成形体(発泡シート)については、非圧縮状態の発泡シートの熱伝導率X(表中「非圧縮(X)(W/(m・K))」と示す)、及び60%圧縮状態の発泡シート(熱伝導性成形体)の熱伝導率Y(表中「60%圧縮(Y)(W/(m・K))」と示す)を測定した。また、「Y/X」の計算で求められる熱伝導率の変化倍率(Y/X)(表中「変化倍率(Y/X)」と示す)を算出した。
熱拡散率・熱伝導率測定装置(商品名「アイフェイズ・モバイル1u」、株式会社アイフェイズ社製)を使用して、ISO22007−3に準拠した条件で、熱可塑性エラストマー組成物の熱伝導率を測定して、熱伝導性を評価した。また、発泡成形体(発泡シート)については、非圧縮状態の発泡シートの熱伝導率X(表中「非圧縮(X)(W/(m・K))」と示す)、及び60%圧縮状態の発泡シート(熱伝導性成形体)の熱伝導率Y(表中「60%圧縮(Y)(W/(m・K))」と示す)を測定した。また、「Y/X」の計算で求められる熱伝導率の変化倍率(Y/X)(表中「変化倍率(Y/X)」と示す)を算出した。
[tanδピーク温度Tp(℃)]:
熱可塑性エラストマー組成物を210℃で熱プレスして得られた1mm厚のシートから、ダンベルカッターで打ち抜くことにより、5mm×70mmの試験片を得た。得られた試験片を、固体粘弾性測定装置(商品名「RSA−II」、ティー・エー・インスツルメント社製)を用いて、3点曲げモード、周波数1Hzの条件で室温から200℃までの損失正接tanδを測定した。測定した損失正接tanδを温度に対してプロットして得られた曲線のピーク温度を「Tp(℃)」とした。なお、ピークが複数観測される場合には、その高さが一番高いピークの温度を「Tp(℃)」とした。
熱可塑性エラストマー組成物を210℃で熱プレスして得られた1mm厚のシートから、ダンベルカッターで打ち抜くことにより、5mm×70mmの試験片を得た。得られた試験片を、固体粘弾性測定装置(商品名「RSA−II」、ティー・エー・インスツルメント社製)を用いて、3点曲げモード、周波数1Hzの条件で室温から200℃までの損失正接tanδを測定した。測定した損失正接tanδを温度に対してプロットして得られた曲線のピーク温度を「Tp(℃)」とした。なお、ピークが複数観測される場合には、その高さが一番高いピークの温度を「Tp(℃)」とした。
[歪み硬化度SH]:
熱可塑性エラストマー組成物を210℃で熱プレスして得られた1mm厚のシートから、ダンベルカッターで打ち抜くことにより、10mm×18mmの試験片を得た。得られた試験片を、粘弾性測定装置(商品名「ARES−RDA」、ティー・エー・インスツルメント社製)と伸張粘度測定治具(商品名「ARES−EVF」、ティー・エー・インスツルメント社製)を用いて、下記の条件で伸張粘度[η]を測定した。
測定温度:tanδピーク温度Tp×1.05(℃)
歪み速度:0.1s−1及び1s−1
熱可塑性エラストマー組成物を210℃で熱プレスして得られた1mm厚のシートから、ダンベルカッターで打ち抜くことにより、10mm×18mmの試験片を得た。得られた試験片を、粘弾性測定装置(商品名「ARES−RDA」、ティー・エー・インスツルメント社製)と伸張粘度測定治具(商品名「ARES−EVF」、ティー・エー・インスツルメント社製)を用いて、下記の条件で伸張粘度[η]を測定した。
測定温度:tanδピーク温度Tp×1.05(℃)
歪み速度:0.1s−1及び1s−1
このとき、「日本レオロジー学会誌、13巻、93−100頁(1985)」の記載内容に従い、伸張粘度[η]及びHencky歪み[ε]から、歪み硬化度SHを以下の式で算出した。なお、歪み硬化度SHの値が大きいほど歪み硬化性に優れていると評価することができる。
[溶融延展性(m/min)]:
溶融延展性測定装置(商品名「メルトテンションテスターII型」、東洋精機製作所社製)を使用して、熱可塑性エラストマー組成物の溶融物を吹出口(オリフィス)からひも状(ストランド状)に引き取った。この際、引取速度を0.1m/minから60m/minへと増加させ、ストランド(ひも)が切断されたときの引取速度(m/min)を測定した。なお、引取速度の値が大きいほど溶融延展性が優れていると評価することができる。
測定温度:tanδピーク温度Tp(℃)×1.05
吹出口(オリフィス)径:直径2mmφ
押出速度:10.0mm/min
溶融延展性測定装置(商品名「メルトテンションテスターII型」、東洋精機製作所社製)を使用して、熱可塑性エラストマー組成物の溶融物を吹出口(オリフィス)からひも状(ストランド状)に引き取った。この際、引取速度を0.1m/minから60m/minへと増加させ、ストランド(ひも)が切断されたときの引取速度(m/min)を測定した。なお、引取速度の値が大きいほど溶融延展性が優れていると評価することができる。
測定温度:tanδピーク温度Tp(℃)×1.05
吹出口(オリフィス)径:直径2mmφ
押出速度:10.0mm/min
[体積固有抵抗値(Ω・cm)]:
体積固有抵抗測定装置(商品名「PRγ」、コムベックス社製)を使用して、印加電圧100Vの条件で体積固有抵抗値を測定した。
体積固有抵抗測定装置(商品名「PRγ」、コムベックス社製)を使用して、印加電圧100Vの条件で体積固有抵抗値を測定した。
[シロキサン発生]:
ヘッドスペースガスクロマトグラフィー(ヘッドスペース部:商品名「JTD−505II」、日本分析工業社製、ガスクロ部:商品名「HP6890」、アジレント・テクノロジー社製、質量分析部:商品名「JMS−Q1000GC K9」、日本電子社製)を使用し、揮発性成分を評価した。低分子シロキサンは重合度20以下の環状シロキサンで−(CH3)2SiO−の単位をDとして通常Dnと示される。揮発性成分に含まれるDn体の濃度からシロキサン発生について評価した。Dn体の濃度(ppm)が0.1未満の場合を「可」、0.1以上の場合を「不可」と評価した。
ヘッドスペースガスクロマトグラフィー(ヘッドスペース部:商品名「JTD−505II」、日本分析工業社製、ガスクロ部:商品名「HP6890」、アジレント・テクノロジー社製、質量分析部:商品名「JMS−Q1000GC K9」、日本電子社製)を使用し、揮発性成分を評価した。低分子シロキサンは重合度20以下の環状シロキサンで−(CH3)2SiO−の単位をDとして通常Dnと示される。揮発性成分に含まれるDn体の濃度からシロキサン発生について評価した。Dn体の濃度(ppm)が0.1未満の場合を「可」、0.1以上の場合を「不可」と評価した。
[海島構造]:
シート状に成形した熱可塑性エラストマー組成物を使用し、凍結ミクロトーム法を用いて厚み方向の薄膜片を作製した。作製した薄膜片をRuO4により染色した後、透過型電子顕微鏡により倍率2000倍の写真を撮影した。RuO4による染色では、暗部が油展エチレン系共重合体、明部が熱可塑性樹脂となるため、海相/島相の明暗の差により、海島構造の構成成分を判定した。このとき、以下の基準に従って海島構造を評価した。
可:熱可塑性樹脂からなる海相、及びこの海相中に分散された油展エチレン系共重合体からなる島相を備えた海島構造が観察される。
不可:油展エチレン系共重合体からなる海相、及びこの海相中に分散された熱可塑性樹脂からなる島相を備えた海島構造が観察される。
−:海島構造を観察できない。
シート状に成形した熱可塑性エラストマー組成物を使用し、凍結ミクロトーム法を用いて厚み方向の薄膜片を作製した。作製した薄膜片をRuO4により染色した後、透過型電子顕微鏡により倍率2000倍の写真を撮影した。RuO4による染色では、暗部が油展エチレン系共重合体、明部が熱可塑性樹脂となるため、海相/島相の明暗の差により、海島構造の構成成分を判定した。このとき、以下の基準に従って海島構造を評価した。
可:熱可塑性樹脂からなる海相、及びこの海相中に分散された油展エチレン系共重合体からなる島相を備えた海島構造が観察される。
不可:油展エチレン系共重合体からなる海相、及びこの海相中に分散された熱可塑性樹脂からなる島相を備えた海島構造が観察される。
−:海島構造を観察できない。
[(B)熱伝導性フィラーが海相に存在]:
上記海島構造の評価方法において撮影した透過型電子顕微鏡写真を用いて、海相に(B)熱伝導性フィラーが存在するか否かを確認した。(B)熱伝導性フィラーが(A)ポリマー成分の海相に存在する場合を「可」、(B)熱伝導性フィラーが(A)ポリマー成分に存在しない場合を「不可」と評価した。なお、表中、「(B)熱伝導性フィラーが海相に存在」と示した。
上記海島構造の評価方法において撮影した透過型電子顕微鏡写真を用いて、海相に(B)熱伝導性フィラーが存在するか否かを確認した。(B)熱伝導性フィラーが(A)ポリマー成分の海相に存在する場合を「可」、(B)熱伝導性フィラーが(A)ポリマー成分に存在しない場合を「不可」と評価した。なお、表中、「(B)熱伝導性フィラーが海相に存在」と示した。
[発泡性(発泡倍率)]:
JIS K7112に準拠して熱可塑性エラストマー組成物(発泡前)及び発泡成形体(発泡後)の比重を測定し、以下の式を用いて発泡倍率を算出した。なお、発泡倍率の値が大きいほど、発泡性に優れていると評価することができる。発泡倍率が3倍以上である場合を「可」と評価し、3倍未満である場合を「不可」と評価した。
「発泡倍率」=[発泡前(熱可塑性エラストマー組成物)の比重]/[発泡後(発泡成形体)の比重]
JIS K7112に準拠して熱可塑性エラストマー組成物(発泡前)及び発泡成形体(発泡後)の比重を測定し、以下の式を用いて発泡倍率を算出した。なお、発泡倍率の値が大きいほど、発泡性に優れていると評価することができる。発泡倍率が3倍以上である場合を「可」と評価し、3倍未満である場合を「不可」と評価した。
「発泡倍率」=[発泡前(熱可塑性エラストマー組成物)の比重]/[発泡後(発泡成形体)の比重]
[発泡セル:数平均セル径(μm)・変動係数(Cv)]:
発泡成形体(発泡シート)を液体窒素で凍結し、剃刀で切断したときの切断面を拡大鏡(商品名「VHX−200」、キーエンス社製)を用いて、倍率200倍の切断面写真を撮影した。画像解析ソフト(商品名「ImagePro−Plus6.2」、日本ローパー社製)を用いて、切断面写真における発泡セルの数平均セル径(μm)を測定するとともに、数平均セル径の変動係数Cvを算出した。数平均セル径が10〜200μmである場合を「可」と評価し、10μm未満又は200μm超の場合を「不可」と評価した。また。変動係数(Cv)が0.1〜1.0の場合を「可」と評価し、1.0超の場合を「不可」と評価した。
発泡成形体(発泡シート)を液体窒素で凍結し、剃刀で切断したときの切断面を拡大鏡(商品名「VHX−200」、キーエンス社製)を用いて、倍率200倍の切断面写真を撮影した。画像解析ソフト(商品名「ImagePro−Plus6.2」、日本ローパー社製)を用いて、切断面写真における発泡セルの数平均セル径(μm)を測定するとともに、数平均セル径の変動係数Cvを算出した。数平均セル径が10〜200μmである場合を「可」と評価し、10μm未満又は200μm超の場合を「不可」と評価した。また。変動係数(Cv)が0.1〜1.0の場合を「可」と評価し、1.0超の場合を「不可」と評価した。
[硬度(デュロE)]:
JIS K6253に準拠して発泡成形体(発泡シート)の硬度(デュロE)を測定した。硬度が70未満の場合を「可」と評価し、70以上である場合を「不可」とした。
JIS K6253に準拠して発泡成形体(発泡シート)の硬度(デュロE)を測定した。硬度が70未満の場合を「可」と評価し、70以上である場合を「不可」とした。
(2)(a−2)ゴム成分の合成:
(合成例1)
窒素置換した内容積10リットルのステンレス鋼製のオートクレーブの下部の供給口から、ヘキサンを65L/hの速度で連続的に供給するとともに、エチレン、プロピレン、及び5−エチリデン−2−ノルボルネンを、それぞれ0.80Nm3/h、2.0L/h、及び0.11L/hの速度で連続的に供給した。同時に、エチルアルミニウムセスキクロライドと三塩化バナジウムを、それぞれ13.585g/h、及び0.384g/hの速度で連続的に供給するとともに、水素を0.4NL/hの速度で連続的に供給し、温度:22℃、圧力:1MPaの条件下で共重合反応を行ってエチレン系共重合体を得た。得られたエチレン系共重合体の極限粘度[η]は6.7dl/g、Mw/Mnの値は2.4、及び低分子量成分の面積割合は0.5面積%であった。また、エチレン系共重合体に含まれるエチレン単位、プロピレン単位、及び5−エチリデン−2−ノルボルネン単位のそれぞれの割合は、全構造単位100質量%中、67.0質量%、26.5質量%、及び6.5質量%であった。
(合成例1)
窒素置換した内容積10リットルのステンレス鋼製のオートクレーブの下部の供給口から、ヘキサンを65L/hの速度で連続的に供給するとともに、エチレン、プロピレン、及び5−エチリデン−2−ノルボルネンを、それぞれ0.80Nm3/h、2.0L/h、及び0.11L/hの速度で連続的に供給した。同時に、エチルアルミニウムセスキクロライドと三塩化バナジウムを、それぞれ13.585g/h、及び0.384g/hの速度で連続的に供給するとともに、水素を0.4NL/hの速度で連続的に供給し、温度:22℃、圧力:1MPaの条件下で共重合反応を行ってエチレン系共重合体を得た。得られたエチレン系共重合体の極限粘度[η]は6.7dl/g、Mw/Mnの値は2.4、及び低分子量成分の面積割合は0.5面積%であった。また、エチレン系共重合体に含まれるエチレン単位、プロピレン単位、及び5−エチリデン−2−ノルボルネン単位のそれぞれの割合は、全構造単位100質量%中、67.0質量%、26.5質量%、及び6.5質量%であった。
得られたエチレン系共重合体100質量部に対して、油展のための鉱物油系軟化剤(商品名「ダイアナプロセスPW90」、出光興産社製)120質量部を添加し、撹拌した後、スチームストリッピングを行って油展エチレン系共重合体を得た。得られた油展エチレン系共重合体をゴム成分(a−2−1)とした。
(合成例2)
水素を0.5NL/hの速度で連続的に供給したこと以外は、合成例1と同様にして油展エチレン系共重合体を得た。得られた油展エチレン系共重合体をゴム成分(a−2−2)とした。
水素を0.5NL/hの速度で連続的に供給したこと以外は、合成例1と同様にして油展エチレン系共重合体を得た。得られた油展エチレン系共重合体をゴム成分(a−2−2)とした。
(合成例3)
触媒であるエチルアルミニウムセスキクロライドと三塩化バナジウムとを、それぞれ14.75g/h、0.461g/hの速度で連続的に供給したこと、及び重合温度を23℃に保持して共重合したこと以外は、合成例1と同様にして油展エチレン系共重合体を得た。得られた油展エチレン系共重合体をゴム成分(a−2−3)とした。
触媒であるエチルアルミニウムセスキクロライドと三塩化バナジウムとを、それぞれ14.75g/h、0.461g/hの速度で連続的に供給したこと、及び重合温度を23℃に保持して共重合したこと以外は、合成例1と同様にして油展エチレン系共重合体を得た。得られた油展エチレン系共重合体をゴム成分(a−2−3)とした。
(3)使用した各種成分:
<(a−1)熱可塑性樹脂>
(a−1−1):プロピレン/エチレンランダム共重合体(結晶性樹脂)(商品名「プライムポリプロB241」、プライムポリマー社製、密度:0.91g/cm3、MFR(温度:230℃、荷重:21.2N):0.5g/10min、Tm:143℃、80℃における溶出量:15%)
(a−1−2):プロピレン/エチレン/1−ブテン非晶質共重合体(非晶質樹脂)(商品名「Vestoplast828」、エボニックデグサ社製、190℃における溶融粘度:25000mPa・s)
(a’−1−3):プロピレン/エチレン共重合体(歪み硬化度SHが0.1〜0.5である熱可塑性樹脂(α−オレフィン系熱可塑性樹脂))(商品名「NEWSTREN SH9000」、日本ポリプロ社製、MFR(230℃、21N):0.5g/10min、歪み硬化度SH=0.3)
(a−1−4):プロピレン/エチレン共重合体(商品名「プライムポリプロ E233−GV」、プライムポリマー社製、MFR(230℃、21N):1.5g/10min、歪み硬化度SH=0.05)
<(a−1)熱可塑性樹脂>
(a−1−1):プロピレン/エチレンランダム共重合体(結晶性樹脂)(商品名「プライムポリプロB241」、プライムポリマー社製、密度:0.91g/cm3、MFR(温度:230℃、荷重:21.2N):0.5g/10min、Tm:143℃、80℃における溶出量:15%)
(a−1−2):プロピレン/エチレン/1−ブテン非晶質共重合体(非晶質樹脂)(商品名「Vestoplast828」、エボニックデグサ社製、190℃における溶融粘度:25000mPa・s)
(a’−1−3):プロピレン/エチレン共重合体(歪み硬化度SHが0.1〜0.5である熱可塑性樹脂(α−オレフィン系熱可塑性樹脂))(商品名「NEWSTREN SH9000」、日本ポリプロ社製、MFR(230℃、21N):0.5g/10min、歪み硬化度SH=0.3)
(a−1−4):プロピレン/エチレン共重合体(商品名「プライムポリプロ E233−GV」、プライムポリマー社製、MFR(230℃、21N):1.5g/10min、歪み硬化度SH=0.05)
<(a−2)ゴム成分>
(a−2−1):合成例1で得られた油展エチレン系共重合体
(a−2−2):合成例2で得られた油展エチレン系共重合体
(a−2−3):合成例3で得られた油展エチレン系共重合体
(a−2−4):オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(動的に熱処理されたゴム成分)(商品名「Santoprene101−73」(密度d=0.97)、エクソンモービルケミカル社製)
(a−2−5):スチレン系熱可塑性エラストマー組成物(動的に熱処理されたゴム成分)(商品名「ラバロンSJ5400」(密度d=1.10)、三菱化学社製)
(a−2−1):合成例1で得られた油展エチレン系共重合体
(a−2−2):合成例2で得られた油展エチレン系共重合体
(a−2−3):合成例3で得られた油展エチレン系共重合体
(a−2−4):オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(動的に熱処理されたゴム成分)(商品名「Santoprene101−73」(密度d=0.97)、エクソンモービルケミカル社製)
(a−2−5):スチレン系熱可塑性エラストマー組成物(動的に熱処理されたゴム成分)(商品名「ラバロンSJ5400」(密度d=1.10)、三菱化学社製)
<鉱物油系軟化剤>
商品名「ダイアナプロセスオイルPW90」、出光興産社製
商品名「ダイアナプロセスオイルPW90」、出光興産社製
<架橋剤>
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(商品名「パーヘキサ25B−40」、日本油脂社製)
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(商品名「パーヘキサ25B−40」、日本油脂社製)
<架橋助剤>
ジビニルベンゼン(商品名「ジビニルベンゼン(81%)」、新日鐵化学社製)
ジビニルベンゼン(商品名「ジビニルベンゼン(81%)」、新日鐵化学社製)
<老化防止剤>
ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(商品名「イルガノックス1010」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(商品名「イルガノックス1010」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
<(B)熱伝導性フィラー>
(B−1):窒化ホウ素(数平均粒子径:18μm、燐片状、熱伝導率60W/(m・K)
(B−2):窒化ホウ素(数平均粒子径:1.3μm、平板状、熱伝導率60W/(m・K)
(B−3):アルミナ(数平均粒子径:10μm、球状、熱伝導率30W/(m・K)
(B−1):窒化ホウ素(数平均粒子径:18μm、燐片状、熱伝導率60W/(m・K)
(B−2):窒化ホウ素(数平均粒子径:1.3μm、平板状、熱伝導率60W/(m・K)
(B−3):アルミナ(数平均粒子径:10μm、球状、熱伝導率30W/(m・K)
<発泡核剤>
炭酸カルシウム(商品名「WS−K」、竹原化学工業社製)
炭酸カルシウム(商品名「WS−K」、竹原化学工業社製)
<発泡剤>
アゾジカルボンアミド(商品名「ビニホールAC#3」、永和化成工業社製)
アゾジカルボンアミド(商品名「ビニホールAC#3」、永和化成工業社製)
(4)熱可塑性エラストマー組成物の製造:
(参考例1)
熱可塑性樹脂(a−1−1)2.5部、熱可塑性樹脂(a−1−2)2.5部、油展エチレン系共重合体(a−2−1)45部、及び老化防止剤0.05部を、150℃に加熱した加圧ニーダー(モリヤマ社製)に投入し、各成分が均一に分散するまで40rpmで15分間混練して溶融状態の組成物を得た。得られた溶融状態の組成物を、フィーダールーダー(モリヤマ社製)を使用してペレット化した後、得られたペレット50.05部に対して架橋剤0.8部、及び架橋助剤0.6部を添加し、ヘンシェルミキサーを使用して30秒間混合した。次いで、重量式フィーダーを使用して二軸押出機(同方向非噛み合い型スクリュー、L/D=38.5、池貝社製、品名「PCM−45」)に40kg/hの吐出速度で供給し、200℃、スクリュー回転数300rpm、滞留時間2分で動的熱処理を施しながら押し出して、熱処理ペレットを得た。
(参考例1)
熱可塑性樹脂(a−1−1)2.5部、熱可塑性樹脂(a−1−2)2.5部、油展エチレン系共重合体(a−2−1)45部、及び老化防止剤0.05部を、150℃に加熱した加圧ニーダー(モリヤマ社製)に投入し、各成分が均一に分散するまで40rpmで15分間混練して溶融状態の組成物を得た。得られた溶融状態の組成物を、フィーダールーダー(モリヤマ社製)を使用してペレット化した後、得られたペレット50.05部に対して架橋剤0.8部、及び架橋助剤0.6部を添加し、ヘンシェルミキサーを使用して30秒間混合した。次いで、重量式フィーダーを使用して二軸押出機(同方向非噛み合い型スクリュー、L/D=38.5、池貝社製、品名「PCM−45」)に40kg/hの吐出速度で供給し、200℃、スクリュー回転数300rpm、滞留時間2分で動的熱処理を施しながら押し出して、熱処理ペレットを得た。
得られた熱処理ペレット51.45部、熱伝導性フィラー(B−1)174部、熱可塑性樹脂(a’−1−3)50部、及び発泡核剤1部を混合した後、180℃に加熱した加圧ニーダー(モリヤマ社製)に投入し、各成分が均一に分散するまで40rpmで10分間混練して溶融状態の組成物を得た。得られた溶融状態の組成物を、フィーダールーダー(モリヤマ社製)を使用してペレット化して、ペレット状の熱可塑性エラストマー組成物(1)を得た。なお、(a−1)熱可塑性樹脂100体積部に対する(B)熱伝導性フィラーの含有比は、124体積部であった。この含有比は、ペレット状の熱可塑性エラストマー組成物の断面写真の画像解析により算出した。具体的には、画像解析ソフト(商品名「Image−Pro Plus」、日本ローバー社製)を用いて得られる、断面における(a−1)熱可塑性樹脂(熱可塑性樹脂(a−1−1)及び熱可塑性樹脂(a−1−2))と、(B)熱伝導性フィラー(熱伝導性フィラー(B−1))との面積比を体積比((a−1)熱可塑性樹脂100体積部に対する体積部)と見なして算出した。
得られた熱可塑性エラストマー組成物(1)の流動性(MFR)は11g/10min、熱伝導率は0.80W/(m・K)、tanδピーク温度Tpは168℃、歪み硬化度SHは0.20であり、溶融延展性は11m/minであり、体積固有抵抗値は1014Ω・cm超(表中「>1014」と示す)であり、シロキサン発生の評価は「可」であり、海島構造の評価は「可」であり、(B)熱伝導性フィラーが海相に存在した(表中「可」と示す)。
(参考例2〜16、比較参考例1〜3)
表2又は表3に示す配合処方としたこと以外は、上述の参考例1と同様にして、ペレット状の熱可塑性エラストマー組成物(2)〜(16)を得た。得られた熱可塑性エラストマー組成物(2)〜(16)の物性評価の結果を表2又は表3に示す。なお、比較参考例2では、所定量(2000質量部)の熱伝導性フィラーを添加、混合して熱可塑性エラストマー組成物を得ることができなかった。比較参考例2では、熱可塑性樹脂の量が少なすぎる為、所定量の熱伝導性フィラーを添加することができず、熱可塑性エラストマー組成物を得ることができなかった。
表2又は表3に示す配合処方としたこと以外は、上述の参考例1と同様にして、ペレット状の熱可塑性エラストマー組成物(2)〜(16)を得た。得られた熱可塑性エラストマー組成物(2)〜(16)の物性評価の結果を表2又は表3に示す。なお、比較参考例2では、所定量(2000質量部)の熱伝導性フィラーを添加、混合して熱可塑性エラストマー組成物を得ることができなかった。比較参考例2では、熱可塑性樹脂の量が少なすぎる為、所定量の熱伝導性フィラーを添加することができず、熱可塑性エラストマー組成物を得ることができなかった。
(比較参考例4)
熱可塑性エラストマー組成物の代わりに、市販のPDMS系熱伝導性材料(商品名「BFG80」、電気化学工業社製)を用いた。このPDMS系熱伝導性材料の熱伝導率、体積固有抵抗値、シロキサン発生、及び海島構造の評価を行った。評価結果を表3に示す。
熱可塑性エラストマー組成物の代わりに、市販のPDMS系熱伝導性材料(商品名「BFG80」、電気化学工業社製)を用いた。このPDMS系熱伝導性材料の熱伝導率、体積固有抵抗値、シロキサン発生、及び海島構造の評価を行った。評価結果を表3に示す。
(5)発泡成形体(発泡シート)の製造:
(実施例1)
参考例1で得た熱可塑性エラストマー組成物(1)を単軸押出機に投入し、202℃で超臨界二酸化炭素を注入及び混合した。その後、単軸押出機の先端方向へ進むに従って温度が低下するとともに、ダイ出口の温度が176℃となるように温度設定し、押出成形することによりシート状の発泡成形体(発泡シート、厚み:1.0mm)を得た。得られた発泡シートの発泡倍率は6倍、非圧縮時(発泡シート)の熱伝導率は0.1W/(m・K)、60%圧縮時(熱伝導性成形体)の熱伝導率は1.4W/(m・K)、熱伝導率の変化倍率(Y/X)は12倍、硬度(デュロE)は28、体積固有抵抗値は1014Ω・cm超(表中、「>1014」と示す)であった。
(実施例1)
参考例1で得た熱可塑性エラストマー組成物(1)を単軸押出機に投入し、202℃で超臨界二酸化炭素を注入及び混合した。その後、単軸押出機の先端方向へ進むに従って温度が低下するとともに、ダイ出口の温度が176℃となるように温度設定し、押出成形することによりシート状の発泡成形体(発泡シート、厚み:1.0mm)を得た。得られた発泡シートの発泡倍率は6倍、非圧縮時(発泡シート)の熱伝導率は0.1W/(m・K)、60%圧縮時(熱伝導性成形体)の熱伝導率は1.4W/(m・K)、熱伝導率の変化倍率(Y/X)は12倍、硬度(デュロE)は28、体積固有抵抗値は1014Ω・cm超(表中、「>1014」と示す)であった。
(実施例2〜13及び15、比較例1〜3)
表4又は表5に示す種類の熱可塑性エラストマー組成物を用いるとともに、ダイ出口の温度を表4又は表5に示す温度となるように設定して押出成形したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、シート状の発泡成形体(発泡シート、厚み:1.0mm)を得た。得られた発泡成形体の各種評価の結果を表4又は表5に示す。
表4又は表5に示す種類の熱可塑性エラストマー組成物を用いるとともに、ダイ出口の温度を表4又は表5に示す温度となるように設定して押出成形したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、シート状の発泡成形体(発泡シート、厚み:1.0mm)を得た。得られた発泡成形体の各種評価の結果を表4又は表5に示す。
(比較例4)
熱可塑性エラストマー組成物(12)213.1部、架橋剤0.8部、架橋助剤0.6部、発泡剤1.0部、発泡核剤2.0部を150℃に加熱した加圧ニーダー(モリヤマ社製)に投入し、各成分が均一に分散するまで40rpmで5分間混練して溶融状態の組成物を得た。得られた溶融状態の組成物を160℃に予熱したプレス機を用いて、120mm×120mm×0.5mmのシート状に成形した。このシート状成形品を190℃ギヤーオーブン中で40分加熱して静的架橋と同時に発泡を行い、厚み1.0mmの架橋発泡体シートを得た。得られた架橋発泡シートの各種評価結果を表5に示す。
熱可塑性エラストマー組成物(12)213.1部、架橋剤0.8部、架橋助剤0.6部、発泡剤1.0部、発泡核剤2.0部を150℃に加熱した加圧ニーダー(モリヤマ社製)に投入し、各成分が均一に分散するまで40rpmで5分間混練して溶融状態の組成物を得た。得られた溶融状態の組成物を160℃に予熱したプレス機を用いて、120mm×120mm×0.5mmのシート状に成形した。このシート状成形品を190℃ギヤーオーブン中で40分加熱して静的架橋と同時に発泡を行い、厚み1.0mmの架橋発泡体シートを得た。得られた架橋発泡シートの各種評価結果を表5に示す。
(実施例14及び16)
熱可塑性エラストマー組成物(14)を単軸押出機に投入し、200℃で溶融混練した。その後、単軸押出機の先端方向へ進むに従って温度が低下するとともに、ダイ出口の温度が176℃となるように温度設定し、押出成形することによりシート状の発泡成形体(発泡シート、厚み:1.0mm)を得た(実施例14)。実施例16は、熱可塑性エラストマー(16)を用いたこと以外は、前記の実施例14と同様にして発泡成形体を得た。
熱可塑性エラストマー組成物(14)を単軸押出機に投入し、200℃で溶融混練した。その後、単軸押出機の先端方向へ進むに従って温度が低下するとともに、ダイ出口の温度が176℃となるように温度設定し、押出成形することによりシート状の発泡成形体(発泡シート、厚み:1.0mm)を得た(実施例14)。実施例16は、熱可塑性エラストマー(16)を用いたこと以外は、前記の実施例14と同様にして発泡成形体を得た。
(比較例5)
比較参考例4と同じPDMS系熱伝導性材料(商品名「BFG80」、電気化学工業社製)について、熱伝導率(非圧縮)、硬度(デュロE)、及び体積固有抵抗値の評価を行った。評価結果を表5に示す。
比較参考例4と同じPDMS系熱伝導性材料(商品名「BFG80」、電気化学工業社製)について、熱伝導率(非圧縮)、硬度(デュロE)、及び体積固有抵抗値の評価を行った。評価結果を表5に示す。
(評価)
表4及び表5に示すように参考例1〜11及び14〜16で得た熱可塑性エラストマー組成物(1)〜(11)及び(14)〜(16)は、シロキサンの発生が極めて少ないものであった。また、このような熱可塑性エラストマー組成物(1)〜(11)及び(14)〜(16)を用いれば、熱伝導率の変化倍率が高く、少量の熱伝導性フィラーの添加量で優れた熱伝導性を示し、発泡性、及び柔軟性に優れた発泡成形体(発泡シート)を製造可能であることが明らかである。
表4及び表5に示すように参考例1〜11及び14〜16で得た熱可塑性エラストマー組成物(1)〜(11)及び(14)〜(16)は、シロキサンの発生が極めて少ないものであった。また、このような熱可塑性エラストマー組成物(1)〜(11)及び(14)〜(16)を用いれば、熱伝導率の変化倍率が高く、少量の熱伝導性フィラーの添加量で優れた熱伝導性を示し、発泡性、及び柔軟性に優れた発泡成形体(発泡シート)を製造可能であることが明らかである。
本発明の発泡成形体及び熱伝導性成形体は、例えば、電気・電子機器等を構成するための部材として好適である。
Claims (9)
- (a−1)熱可塑性樹脂を海相として、(a−2)ゴム成分を島層として含む海島構造を有する(A)ポリマー成分と、
(B)熱伝導性フィラーと、を含有し、
前記(B)熱伝導性フィラーの含有比が、前記(a−1)熱可塑性樹脂100体積部に対して、70〜1000体積部である発泡成形体。 - 前記(B)熱伝導性フィラーが、少なくとも前記海相に存在する請求項1に記載の発泡成形体。
- 前記(a−1)熱可塑性樹脂が、α−オレフィン系熱可塑性樹脂である請求項1又は2に記載の発泡成形体。
- 前記(B)熱伝導性フィラーの熱伝導率が、3W/(m・K)以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の発泡成形体。
- 前記(B)熱伝導性フィラーが、金属酸化物、金属水酸化物、窒化物、及びシリカ粉末からなる群より選択される少なくとも一種である請求項1〜4のいずれか一項に記載の発泡成形体。
- 前記発泡成形体に形成される発泡セルの数平均セル径が10〜200μmであり、前記数平均セル径の変動係数(Cv)が0.1〜1.0である請求項1〜5のいずれか一項に記載の発泡成形体。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の発泡成形体を圧縮率5〜90%に圧縮して熱伝導性成形体を得る工程を有する熱伝導性成形体の製造方法。
- 請求項7に記載の熱伝導性成形体の製造方法により製造される熱伝導性成形体。
- 請求項8に記載の熱伝導性成形体からなるシートと、
前記シートの一方の面上に配設された粘着層と、
前記シートの他方の面上に配設された基材層と、を備えた熱伝導性シート積層体。
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