JP2012140696A - 酸化亜鉛系透明導電膜形成材料、その製造方法、それを用いたターゲット、および酸化亜鉛系透明導電膜の形成方法 - Google Patents

酸化亜鉛系透明導電膜形成材料、その製造方法、それを用いたターゲット、および酸化亜鉛系透明導電膜の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】実用に耐えうる導電性を保ちながら、かつ耐候性を備え、パターニングの際に適当なエッチングレートを有する透明導電膜を成膜するためのターゲットに用いることができる酸化亜鉛系透明導電膜形成材料、その製造方法、それを用いたターゲット、および酸化亜鉛系透明導電膜の形成方法を提供する。
【解決手段】亜鉛とチタンとの合計に対するチタンの原子数比Ti/(Zn+Ti)が0.02を越え0.1以下であり、酸化亜鉛を主成分とし、ガリウムおよびアルミニウムのうち少なくとも一方の酸化物と、酸化チタンとを含み、ガリウムまたはアルミニウムの原子数の割合が全金属原子数に対して0.5%以上6%以下であり、かつ前記酸化チタンが、式TiO2-X(X=0.1〜1)で表される低原子価酸化チタンである酸化物混合体または酸化物焼結体からなることを特徴とする酸化亜鉛系透明導電膜形成材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、スパッタリング法、イオンプレーティング法、パルスレーザ堆積法(PLD法)またはエレクトロンビーム(EB)蒸着法により酸化亜鉛系透明導電膜を形成する際に用いられるターゲット等として有用な酸化物混合体または酸化物焼結体である酸化亜鉛系透明導電膜形成材料とその製造方法、およびそれを用いたターゲット、およびそのターゲットから製膜した透明導電性基板に関する。
透明導電膜は可視光透過性と電気伝導性を兼ね備えた膜であり、太陽電池や液晶表示素子、受光素子の電極など幅広い分野で利用されている。透明導電膜としては酸化インジウムに酸化錫を添加したスズドープ酸化インジウム(ITO)膜が、スパッタリング法、イオンプレーティング法、パルスレーザ堆積法(PLD法)またはエレクトロンビーム(EB)蒸着法、スプレー法といった成膜方法により製造され、また利用されているが、原料となるインジウムがレアメタルであり、資源量、価格等に問題があるため、その代替材料が求められている。
代替材料の候補として、酸化亜鉛系、酸化錫系、酸化チタン系、水酸化マグネシウム系などの導電膜が提案されている。その中でも酸化亜鉛系透明導電膜は、3価の元素である酸化アルミニウムもしくは酸化ガリウムを酸化亜鉛に添加したアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)膜、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)膜が提案されており、ITO膜と比較しても遜色のない導電性、透明性を有した膜が製造されている。
これら透明導電膜の成膜方法として、真空成膜法であるPLD法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などや、非真空系成膜方法であるスプレー法、ゾルゲル法などが提案されている。
酸化亜鉛系透明導電膜については、上述のように、透明性や導電性についてはITO膜と比肩しうる値が得られているが、湿度や温度に対する耐久性(耐候性)が劣ることや、また素子を製造する際のパターニング時に、エッチングレートが速すぎてパターニングが困難であるなどの問題がある。
このような環境、及び化学的な脆弱性といった性質は、異種の金属元素を添加することにより制御できることが知られており、特に単体として耐久性の非常に強い酸化チタン(TiO2)を酸化亜鉛中に添加することにより、酸化亜鉛系透明導電膜の耐久性が向上することが特許文献1に記載されている。また、特許文献1では、TiO2と酸化ガリウムをコドープすることが記載されている。
しかしながら特許文献1では、2価の元素である亜鉛元素の結晶中サイトに4価の元素であるTi元素が置換固溶していることから、電荷のバランスの崩れが大きく、結晶構造のひずみが大きいことや、またイオン性不純物散乱の要因となることから、十分な導電性を発現することが困難である。
特許第4295811号
本発明は前記問題点を解決したものであり、実用に耐えうる導電性を保ちながら、かつ耐候性を備え、パターニングの際に適当なエッチングレートを有する透明導電膜を成膜するためのターゲットに用いることができる酸化亜鉛系透明導電膜形成材料、その製造方法、それを用いたターゲット、および酸化亜鉛系透明導電膜の形成方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記問題を解決すべく種々検討した結果、酸化亜鉛を母体とし、そこに所定量の酸化アルミニウムもしくは酸化ガリウムと、さらにチタン元素の原子価が2価、3価などである低原子価酸化チタンとを添加した酸化亜鉛系透明導電膜形成材料を用いて製造された透明導電膜が温度や湿度に対して十分な耐候性をもち、さらに適度なエッチングレートを有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
(1)亜鉛とチタンとの合計に対するチタンの原子数比Ti/(Zn+Ti)が0.02を越え0.1以下であり、酸化亜鉛を主成分とし、ガリウムおよびアルミニウムのうち少なくとも一方の酸化物と、酸化チタンとを含み、ガリウムまたはアルミニウムの原子数の割合が全金属原子数に対して0.5%以上6%以下であり、かつ前記酸化チタンが、式TiO2-X(X=0.1〜1)で表される低原子価酸化チタンである酸化物混合体または酸化物焼結体からなることを特徴とする酸化亜鉛系透明導電膜形成材料。
(2)前記低原子価酸化チタンにおけるチタンの原子価は、2価または3価である、上記(1)に記載の酸化亜鉛系透明導電膜形成材料。
(3)前記酸化物焼結体の相対密度が93%以上である上記(1)または(2)に記載の酸化亜鉛系透明導電膜形成材料。
(4)スパッタリング法、イオンプレーティング法、パルスレーザ堆積法(PLD法)またはエレクトロンビーム(EB)蒸着法による成膜に用いられるターゲットであって、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の酸化亜鉛系透明導電膜形成材料を加工して得られることを特徴とするターゲット。
(5)上記(4)に記載のターゲットを用いて、スパッタリング法、イオンプレーティング法、パルスレーザ堆積法(PLD法)またはエレクトロンビーム(EB)蒸着法により酸化亜鉛系透明導電膜を形成することを特徴とする方法。
(6)透明基材上に、上記(5)に記載の透明導電膜の形成方法により形成された酸化亜鉛系透明導電膜を備えることを特徴とする透明導電性基板。
本発明の透明導電膜形成材料は、スパッタリング法、イオンプレーティング法、PLD法、EB蒸着法などによって透明導電膜を成膜するためのターゲットとして好適に用いることができ、得られた酸化亜鉛系透明導電膜は、酸化アルミニウムおよび/または酸化ガリウムと3価あるいは2価等の低原子価酸化チタン元素がドープされることで、パターニングの際に適当なエッチングレートを有する。
また、形成された酸化亜鉛系透明導電膜は、優れた導電性と化学的耐久性[耐熱性、耐湿性、耐薬品性(耐アルカリ性、耐酸性)など]とを備える。しかも、このようにして形成された透明導電膜は、希少金属であり毒性を有するインジウムを必要としないという利点も有するので、工業的に極めて有用である。
以下、本発明を更に詳細に説明するが、下記の記載は一実施様態であり、本発明の要旨を外れない限り、本発明は以下の記載により制限を受けるものではない。
(酸化物混合体、酸化物焼結体)
本発明の酸化亜鉛系透明導電膜形成材料は、酸化物混合体または酸化物焼結体であり、これらの酸化物混合体および酸化物焼結体は実質的に亜鉛と、チタンと、アルミニウムおよび/あるいはガリウムと、酸素とからなる。ここで、「実質的」とは、酸化物混合体を構成する全原子の99%以上が亜鉛と、チタンと、ガリウムおよび/またはアルミニウムと、酸素とからなることを意味する。
本発明における酸化物混合体、酸化物焼結体においては、亜鉛とチタンとの合計に対するチタンの原子数比Ti/(Zn+Ti)が0.02を越え0.1以下である。このTi/(Zn+Ti)の値が0.02以下であると、この酸化物混合体をターゲットとして形成された膜の耐薬品性など化学的耐久性が不充分となる。一方、Ti/(Zn+Ti)の値が0.1を超えると、酸化チタンが亜鉛サイトに十分置換固溶できなくなり、この酸化物混合体、酸化物焼結体をターゲットとして形成された膜の導電性や透明性が低下する。好ましくはTi/(Zn+Ti)=0.03〜0.09であり、より好ましくはTi/(Zn+Ti)=0.04〜0.08である。
また、ガリウムまたはアルミニウムの原子数の割合は、全金属原子数に対して0.5%以上6%以下である。ガリウムまたはアルミニウムの原子数の割合が0.5%未満であると、導電性の向上効果が不十分となる。一方、6%を超えると、ガリウムまたはアルミニウムが亜鉛サイトに置換固溶しきれなくなり、結晶粒界に析出し、導電性の低下、透過率の低下を招くこととなる。なお、AlとGaは、両方を用いても構わない。その場合、トータル量で前記した0.5%以上6%以下の条件を満たせばよい。
本発明における酸化物混合体は、酸化亜鉛粉末と、酸化チタン粉末と、酸化アルミニウム粉末および/または酸化ガリウム粉末とを混合しプレス成形したものである。本発明における酸化物焼結体は、得られた酸化物混合体を焼成したものである。
酸化チタン粉末としては、TiO2(IV)を含まない低原子価酸化チタンの粉末、特に酸化チタン(III)、酸化チタン(II)が好ましい。また、酸化チタンの結晶相とは、具体的には、Ti23(III)、TiO(II)とする。
低原子価酸化チタンとは、TiO(II)、Ti23(III)という整数の原子価を有するものばかりでなく、Ti35、Ti47、Ti611、Ti59、Ti815等も含む、式TiO2-X(X=0.1〜1)で表されるものである。この低原子価酸化チタンの構造は、X線回折装置(X−ray diffraction、 XRD)、X線光電子分光装置(X−ray Photoelectron Spectroscopy、 XPS)などの機器分析の結果によって確認することができる。
前記式TiO2-X(X=0.1〜1)で表される低原子価酸化チタンは、低原子価酸化チタンの混合物であってもよい。通常、酸化チタン(TiO2)を水素雰囲気等の不活性雰囲気または還元雰囲気にて、還元剤としてカーボン等を用いて、加熱することにより作製することができる。水素濃度、還元剤としてカーボン量、加熱温度を調製することにより、低原子価酸化チタンの混合物の割合を制御することができる。
前記酸化物混合体、酸化物焼結体は、錫、シリコン、ゲルマニウム、ジルコニウム、ハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素(以下、これらを「添加元素」と称することもある)をも含有することが好ましい。このような添加元素を含有することによって、形成される透明導電膜の比抵抗が低下し、導電性を向上させることができる。添加元素を含有する場合、その全含有量は、原子数比で、酸化物混合体を構成する全金属元素の総量に対して0.05%以下であることが好ましい。添加元素の含有量が前記範囲よりも多いと、酸化物混合体、酸化物焼結体をターゲットとして形成される膜の比抵抗が増大するおそれがある。
前記添加元素は、酸化物の形態で酸化物混合体、酸化物焼結体中に存在していてもよいし、酸化亜鉛相の亜鉛サイトに置換した(固溶した)形態で存在していてもよいし、前記酸化チタン相のチタンサイトに置換した(固溶した)形態で存在していてもよい。
なお、酸化亜鉛相とは、具体的には、ZnOのほか、これにチタン元素、ガリウム元素またはアルミニウム元素が固溶されたものや、酸素欠損が導入されているものや、亜鉛欠損により非化学量論組成となったものも含むものとする。なお、酸化亜鉛相は、通常、ウルツ鉱型構造をとる。
本発明における酸化物混合体、酸化物焼結体は、必須元素である亜鉛およびチタンや前記添加元素のほかに、例えば、インジウム、イリジウム、ルテニウム、レニウムなどの他の元素を、不純物として含有していてもよい。不純物として含有される元素の合計含有量は、原子比で、酸化物混合体を構成する全金属元素の総量に対して0.5%以下であることが好ましい。
本発明における、酸化物焼結体は、相対密度が93%以上、好ましくは95〜100%であるのがよい。ここで、相対密度とは、酸化物焼結体の密度を理論密度で除し、100を掛けたものと定義される。相対密度が93%未満であると、焼結体の特徴である、成膜速度が速いという特徴を損なわれるおそれがある。
(酸化物混合体の製造方法)
本発明に係る酸化物混合体は、低原子価酸化チタン粉と、酸化亜鉛粉もしくは水酸化亜鉛粉と、酸化アルミニウムおよび/または酸化ガリウムとの混合粉を成形することにより製造される。
前記原料粉末としては、低原子価酸化チタン粉と、酸化亜鉛粉もしくは水酸化亜鉛粉と、酸化アルミニウムおよび/または酸化ガリウムとの混合粉であればよい。
前記低原子価酸化チタン粉としては、Ti23、TiO等の低原子価酸化チタン粉末を用いることができ、特に、Ti23の粉末を用いるのが好ましい。
前記酸化亜鉛粉としては、通常、ウルツ鉱構造のZnO等の粉末が用いられ、さらにこのZnOを予め不活性雰囲気または還元雰囲気で焼成して酸素欠損を含有させたものを用いてもよい。前記水酸化亜鉛粉としては、アモルファスもしくは結晶構造のいずれであってもよい。
前記酸化アルミニウムは、Al23である。前記酸化ガリウムは、Ga23である。
各原料粉末の平均粒径は、それぞれ5μm以下であることが好ましい。
前記原料粉末として酸化チタン粉と、酸化亜鉛粉もしくは水酸化亜鉛粉と、酸化アルミニウムおよび/または酸化ガリウムとの混合粉を用いる場合、各粉の混合割合は、各々用いる化合物(粉)の種類に応じて、最終的に得られる酸化物混合体においてチタンの原子数の割合並びにガリウムおよび/またはアルミニウムの原子数の割合が上述した範囲となるように適宜設定すればよい。なお、各原料粉末は、それぞれ1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記原料粉末を成形する際の方法は、特に制限されるものではないが、例えば、原料粉末と水系溶媒とを混合し、得られたスラリーを充分に湿式混合により混合した後、固液分離・乾燥・造粒し、得られた造粒物を成形すればよい。
湿式混合は、例えば、硬質ZrO2ボール等を用いた湿式ボールミルや振動ミルにより行なえばよく、湿式ボールミルや振動ミルを用いた場合の混合時間は、12〜78時間程度が好ましい。なお、原料粉末をそのまま乾式混合してもよいが、湿式混合の方がより好ましい。固液分離・乾燥・造粒については、それぞれ公知の方法を採用すればよい。
得られた造粒物を成形する際には、例えば、造粒物を型枠に入れ、冷間プレスや冷間静水圧プレスなどの冷間成形機を用いて1ton/cm2以上の圧力をかけて成形することができる。このとき、ホットプレスなどを用いて熱間で成形を行うと、製造コストの面で不利となるとともに、大型成形体が得にくくなる。なお、成形体として造粒物を得る際には、乾燥後、公知の方法で造粒すればよいのであるが、その場合、原料粉末とともにバインダーも混合することが好ましい。
バインダーとして、例えば、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル等を用いることができる。
酸化物混合体の機械的強度を向上させるために、得られた成形体を加熱処理(以下、アニールということがある)してもよい。
成形体のアニールは、不活性雰囲気(窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等)、真空、還元雰囲気(二酸化炭素、水素、アンモニア等)、大気雰囲気および酸化雰囲気(大気よりも酸素濃度が高い雰囲気)のいずれかの雰囲気中、50℃以上600℃未満で行なう。
酸化亜鉛と低原子価酸化チタンは600℃未満であれば、焼結して複合酸化物が生成することはない。但し、酸化チタン(III)、酸化チタン(II)は酸素が存在する雰囲気中で、400℃以上に加熱すると酸化され、酸化チタン(IV)に変化してしまう。従って、酸素が存在しない不活性雰囲気または還元雰囲気であれば、600℃未満であれば、焼結せずに混合体として存在することができる。しかし、酸素が存在する雰囲気(大気雰囲気または酸化雰囲気)であれば、400℃以下である必要がある。
このようにアニールすることにより酸化物混合体の機械的強度を高くすることができる。混合体自体の強度が増すので、例えばターゲットとして過酷な条件(例えば高電力など)で成膜してもクラックを生じることがない。
いずれの雰囲気中でアニールする際も、アニール時間(すなわち、アニール温度での保持時間)は、1時間〜15時間とすることが好ましい。アニール時間が1時間未満であると、機械的強度の向上が十分ではない。
アニールを行なう際の方法は、特に制限されるものではなく、常圧アニール法、ホットプレス法、熱間等方圧加圧(HIP)法など公知の方法を採用することができる。
前記アニール処理を施す際の雰囲気としては、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素および水素からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる雰囲気が挙げられる。前記アニール処理の方法としては、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素、水素などの非酸化性ガスを導入しながら常圧で加熱する方法や、真空(好ましくは、2Pa以下)下で加熱する方法等により行うことができるが、製造コストの観点からは、前者の常圧で行う方法が有利である。
(酸化物焼結体の製造方法)
本発明に係る酸化物焼結体は、低原子価酸化チタン粉と、酸化亜鉛粉もしくは水酸化亜鉛粉と、酸化アルミニウムおよび/もしくは酸化ガリウムとの混合粉を成形した後、得られた成形体を焼結することにより製造される。
前記原料粉末としては、低原子価酸化チタン粉と、酸化亜鉛粉もしくは水酸化亜鉛粉と、酸化アルミニウムおよび/もしくは酸化ガリウムとの混合粉であればよい。
前記低原子価酸化チタン粉としては、Ti23、TiO等の低原子価酸化チタン粉末を用いることができ、特に、Ti23の粉末を用いるのが好ましい。Ti23の結晶構造は三方晶であり、これと混合する酸化亜鉛は六方晶のウルツ鉱であるため、結晶構造の対称性が一致し、固相焼結する際に置換固溶しやすいからである。
前記酸化亜鉛粉としては、通常、ウルツ鉱構造のZnO等の粉末が用いられ、さらにこのZnOを予め不活性雰囲気または還元雰囲気で焼成して酸素欠損を含有させたものを用いてもよい。
前記水酸化亜鉛粉としては、アモルファスもしくは結晶構造のいずれであってもよい。
前記酸化アルミニウムとしては、Al23である。前記酸化ガリウムとしては、Ga23である。
原料粉末として各々用いる化合物(粉)の平均粒径は、それぞれ5μm以下であることが好ましい。
前記原料粉末として低原子価酸化チタン粉と、酸化亜鉛粉もしくは水酸化亜鉛粉と、酸化アルミニウムおよび/または酸化ガリウムとの混合粉を用いる場合の各粉の混合割合は、各々用いる化合物(粉)の種類に応じて、最終的に得られる酸化物焼結体においてチタンの原子数の割合並びにガリウムおよび/またはアルミニウムの原子数の割合が上述した範囲となるように適宜設定すればよい。なお、各原料粉末は、それぞれ1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
その際、亜鉛はチタンに比べて蒸気圧が高く焼結した際に揮散しやすいことを考慮して、所望する酸化物焼結体の目的組成(ZnとTiとの原子数比)よりも、予め亜鉛の量が多くなるように混合割合を設定しておくことが好ましい。具体的には、亜鉛の揮散のしやすさは、焼結する際の雰囲気によって異なり、例えば、酸化亜鉛粉を用いた場合、大気雰囲気や酸化雰囲気では酸化亜鉛粉自体の揮散しか起こらないが、不活性雰囲気または還元雰囲気で焼結すると、酸化亜鉛が還元されて、酸化亜鉛よりもさらに揮散しやすい金属亜鉛となるので、亜鉛の消失量が増すことになるのである(ただし、後述のように、一旦焼結した後、不活性雰囲気または還元雰囲気中でアニール処理を施す場合には、アニール処理を施す時点で既に複合酸化物となっているので、亜鉛が揮散しにくい)。
従って、目的組成に対してどの程度亜鉛の量を増やしておくかについては、焼結の雰囲気などを考慮して設定すればよく、例えば、大気雰囲気や酸化雰囲気で焼結する場合には所望する原子数比となる量の1.0〜1.05倍程度、不活性雰囲気または還元雰囲気で焼結する場合には所望する原子数比となる量の1.1〜1.3倍程度とすればよい。なお、原料粉末として各々用いる化合物(粉)は、それぞれ1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記原料粉末を成形する際の方法は、特に制限されるものではないが、例えば、原料粉末と水系溶媒とを混合し、得られたスラリーを充分に湿式混合により混合した後、固液分離・乾燥・造粒し、得られた造粒物を成形すればよい。
湿式混合は、例えば、硬質ZrO2ボール等を用いた湿式ボールミルや振動ミルにより行なえばよく、湿式ボールミルや振動ミルを用いた場合の混合時間は、12〜78時間程度が好ましい。なお、原料粉末をそのまま乾式混合してもよいが、湿式混合の方がより好ましい。固液分離・乾燥・造粒については、それぞれ公知の方法を採用すればよい。得られた造粒物を成形する際には、例えば、造粒物を型枠に入れ、冷間プレスや冷間静水圧プレスなどの冷間成形機を用いて1ton/cm2以上の圧力をかけて成形することができる。このとき、ホットプレスなどを用いて熱間で成形を行うと、製造コストの面で不利となるとともに、大型焼結体が得にくくなる。なお、成形体として造粒物を得る際には、乾燥後、公知の方法で造粒すればよいのであるが、その場合、原料粉末とともにバインダーも混合することが好ましい。バインダーとして、例えば、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル等を用いることができる。
得られた成形体の焼結は、不活性雰囲気(窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等)、真空、還元雰囲気(二酸化炭素、水素、アンモニア等)、大気雰囲気および酸化雰囲気(大気よりも酸素濃度が高い雰囲気)のいずれかの雰囲気中、600〜1500℃で行なう。そして、大気雰囲気中あるいは酸化雰囲気中で焼結した場合には、その後さらに不活性雰囲気、真空中または還元雰囲気中でアニール処理を施すようにする。この酸化雰囲気中で焼結した後に施す不活性雰囲気または還元雰囲気中でのアニール処理は、酸化物焼結体に酸素欠損を生じさせ、比抵抗を低下させるために行なうものである。したがって、不活性雰囲気、真空中または還元雰囲気中で焼結した際にも、さらなる比抵抗の低下を所望する場合には、焼結後、前記アニール処理を施すのが好ましいことは言うまでもない。
いずれの雰囲気中で焼結する際も、焼結温度は、好ましくは1000〜1500℃、より好ましくは1000〜1300℃とするのがよい。焼結温度が1000℃未満であると、焼結が充分に進行しないので、ターゲット密度が低くなるおそれがあり、一方、1500℃を超えると、酸化亜鉛自体が分解して消失してしまうこととなる。なお、成形体を前記焼結温度まで昇温する際には、昇温速度を、1000℃までは5〜10℃/分とし、1000℃を超え1500℃までは1〜4℃/分とすることが、焼結密度を均一にするうえで好ましい。
いずれの雰囲気中で焼結する際も、焼結時間(すなわち、焼結温度での保持時間)は、3〜15時間とすることが好ましい。焼結時間が3時間未満であると、焼結密度が不充分となりやすく、得られる酸化物焼結体の強度が低下する傾向があり、一方、15時間を超えると、焼結体の結晶粒成長が著しくなるとともに、空孔の粗大化、ひいては最大空孔径の増大化を招く傾向があり、その結果、焼結密度が低下するおそれがある。
焼結を行なう際の方法は、特に制限されるものではなく、常圧焼結法、ホットプレス法、HIP法、放電プラズマ焼結法(SPS法)、ミリ波焼結法、マイクロ波焼結法など公知の方法を採用することができる。
前記アニール処理を施す際の不活性雰囲気または還元雰囲気としては、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素、真空および水素からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる雰囲気が挙げられる。
前記アニール処理の方法としては、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素、水素などの非酸化性ガスを導入しながら常圧で加熱する方法や、真空(好ましくは、2Pa以下)下で加熱する方法等により行うことができるが、製造コストの観点からは、前者の常圧で行う方法が有利である。
前記アニール処理を施すに際し、アニール温度(加熱温度)は、1000〜1400℃とするのが好ましく、より好ましくは1100〜1300℃とするのがよい。アニール時間(加熱時間)は、7〜15時間とするのが好ましく、より好ましくは8〜12時間とするのがよい。アニール温度が1000℃未満であると、アニール処理による酸素欠損の導入が不充分になるおそれがあり、一方、1400℃を超えると、亜鉛が揮散しやすくなり、得られる酸化物焼結体の組成(ZnとTiとの原子数比)が所望の比率と異なってしまうおそれがある。
(ターゲット)
本発明のターゲットは、スパッタリング法、イオンプレーティング法、PLD法またはEB蒸着法による成膜に用いられるターゲットである。なお、このような成膜の際に用いる固形材料のことを「タブレット」と称する場合もあるが、本発明においてはこれらを含め「ターゲット」と称することとする。
本発明のターゲットは、上述した本発明の酸化物混合体または酸化物焼結体(以下、これらを酸化物焼結体(混合体)ということがある)を加工してなる。加工方法は、特に制限されず、適宜公知の方法を採用すればよい。例えば、酸化物焼結体(混合体)に平面研削等を施した後、所定の寸法に切断してから、支持台に貼着することにより、本発明のターゲットを得ることができる。また、必要に応じて、複数枚の酸化物焼結体(混合体)を分割形状にならべて、大面積のターゲット(複合ターゲット)としてもよい。
本発明の酸化亜鉛系透明導電膜の形成方法は、スパッタリング法、イオンプレーティング法、PLD法またはEB蒸着法により成膜を行うものであるが、その際の具体的手法や条件などについては、上述したターゲットを用いること以外、特に制限はなく、公知のスパッタリング法、イオンプレーティング法、PLD法またはEB蒸着法の手法や条件を適宜採用すればよい。
本発明の酸化物焼結体(混合体)またはターゲットを用いて形成された透明導電膜は、優れた導電性と化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐薬品性(耐アルカリ性、耐酸性)など)とを兼ね備えたものであるので、例えば、液晶ディスプレイ・プラズマディスプレイ・無機EL(エレクトロルミネセンス)ディスプレイ・有機ELディスプレイ・電子ペーパーなどの透明電極、太陽電池の光電変換素子の窓電極、透明タッチパネル等の入力装置の電極、電磁シールドの電磁遮蔽膜等の用途に好適に用いられる。さらに、本発明の酸化物混合体またはターゲットを用いて形成された透明導電膜は、透明電波吸収体、紫外線吸収
体、さらには透明半導体デバイスとして、他の金属膜や金属酸化膜と組み合わせて活用することもできる。
本発明の酸化亜鉛系透明導電膜の膜厚は、用途に応じて適宜設定すればよく、特に制限されないが、好ましくは50〜600nm、より好ましくは100〜500nmである。50nm未満であると、充分な比抵抗が確保できないおそれがあり、一方、600nmを超えると膜に着色が生じてしまうおそれがある。
(透明導電性基板)
本発明の透明導電性基板は、透明基材上に、上述した酸化亜鉛系透明導電膜の形成方法により成膜された酸化亜鉛系透明導電膜を備えるものである。
前記透明基材は、スパッタリング法、イオンプレーティング法、PLD法またはEB蒸着法による成膜条件において形状を維持しうるものであれば、特に限定されない。例えば、各種ガラス等の無機材料、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、ポリイミドなどのプラスチック類)等の樹脂などで形成された板状物、シート状物、フィルム状物等を用いることができるが、特に、ガラス板、樹脂フィルム又は樹脂シートのいずれかであるのが好ましい。透明基材の可視光透過率は、通常、90%以上、好ましくは95%以上であるのがよい。
なお、前記透明基材として樹脂フィルムや樹脂シートを用いる場合、スパッタリング法、イオンプレーティング法、PLD法またはEB蒸着法による成膜で受けるダメージを分散均一化するために、工業的に行われているロールツーロールの成膜方法で、巻き出し速度と巻取り速度をコントロールしながら引張応力をかけた状態で成膜することが好ましい。さらに、あらかじめ樹脂フィルムまたは樹脂シートを加熱した状態で成膜してもよいし、成膜最中に樹脂フィルムまたは樹脂シートを冷却するようにしてもよい。また、スパッタリング法、イオンプレーティング法、PLD法またはEB蒸着法による成膜でダメージを受ける時間を短縮するため、樹脂フィルムまたは樹脂シートの搬送速度の高速化(例えば1.0m/分以上で)を図ることも効果的であり、この場合は、例えば成膜する樹脂フィルムまたは樹脂シートとターゲットとの距離が短くても成膜が可能となり、工業的プロセスとしては有利である。
前記透明基材には、必要に応じて、単層または多層からなる絶縁層、半導体層、ガスバリア層または保護層のいずれかが形成されていてもよい。絶縁層としては、酸化珪素膜や窒化酸化珪素膜などが挙げられる。半導体層としては、薄膜トランジスター(TFT)などが挙げられ、主にガラス基板に形成される。ガスバリア層としては、酸化珪素膜、窒化酸化珪素膜、アルミニウム酸マグネシウム膜などが挙げられ、水蒸気バリア膜などとして樹脂板もしくは樹脂フィルムに形成される。保護層は、基材の表面を傷や衝撃から守るためのものであり、Si系、Ti系、アクリル樹脂系など各種コーティング層が挙げられる。
本発明の酸化亜鉛系透明導電性基板の比抵抗は、通常2×10-3Ω・cm以下、好ましくは8×10-4Ω・cm以下である。また、その表面抵抗(シート抵抗)は、用途によって異なるが、通常5〜10000Ω/□、好ましくは10〜300Ω/□であるのが好ましい。なお、比抵抗および表面抵抗は、例えば実施例で後述する方法によって測定することができる。
本発明の酸化亜鉛系透明導電性基板の透過率は、可視光領域で、通常85%以上、好ましくは90%以上である。また、その全光線透過率は、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上であり、そのヘイズ値は、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下であるのがよい。なお、透過率は、例えば実施例で後述する方法によって測定することができる。
本発明の透明導電性基板における酸化亜鉛系透明導電膜の膜厚は、50〜600nmであることが好ましい。この膜厚の範囲では、用途によって異なるが、可撓性が保たれた連続的な膜を得る事ができる。さらに、本発明の透明導電膜の膜厚は用途に応じて100〜500nmとすることが望ましい。
本発明の透明導電性基板には、必要に応じて、最外層として、保護膜、反射防止膜、フィルター等の役割や、液晶の視野角の調整、曇り止め等の機能を発揮する任意の樹脂または無機化合物の層を、1層または2層以上積層することができる。
本発明の透明導電性基板は、上述したように、良好な透明性を有し、かつ、上述したように優れた導電性と化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐薬品性(耐アルカリ性、耐酸性)など)を兼ね備えたものである。そのため、例えば、液晶ディスプレイ・プラズマディスプレイ・無機EL(エレクトロルミネセンス)ディスプレイ・有機ELディスプレイ・電子ペーパーなどの透明電極、太陽電池の光電変換素子の窓電極、透明タッチパネル等の入力装置の電極、電磁シールドの電磁遮蔽膜、透明電波吸収体、紫外線吸収体、さらには透明半導体デバイスとして他の金属膜/金属酸化膜と組み合わせて活用することができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例により限定されるものではない。
なお、得られた透明導電性基板の評価は以下の方法で行なった。
<比抵抗>
比抵抗は、抵抗率計(三菱化学(株)製「LORESTA−GP、MCP−T610」)を用いて、四端子四探針法により測定した。詳しくは、サンプルに4本の針状の電極を直線上に置き、外側の二探針間に一定の電流を流し、内側の二探針間に一定電流を流し、内側の二探針間に生じる電位差を測定し、抵抗を求めた。
<表面抵抗>
表面抵抗(Ω/□)は、比抵抗(Ω・cm)を膜厚(cm)で除することにより算出した。
<透過率>
透過率は、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光(株)製「V−670」)を用いて測定した。
<耐湿性>
透明導電性基板を、温度60℃、相対湿度90%の雰囲気中に1000時間保持する耐湿試験に付した後、表面抵抗を測定した。耐湿試験後の表面抵抗が、耐湿試験前の表面抵抗の2倍以下であると、耐湿性に優れると言える。
<耐熱性>
透明導電性基板を、温度200℃の大気中に5時間保持する耐熱試験に付した後、表面抵抗を測定した。耐熱試験後の表面抵抗が、耐熱試験前の表面抵抗の1.5倍以下であると、耐熱性に優れると言える。
<耐アルカリ性>
透明導電性基板を、3%のNaOH水溶液(40℃)中に10分間浸漬し、浸漬前後の基板上の膜質の変化の有無を目視にて確認した。
<耐酸性>
透明導電性基板を、3%のHCl水溶液(40℃)中に10分間浸漬し、浸漬前後の基板上の膜質の変化の有無を目視にて確認した。
[実施例1]
酸化亜鉛(ZnO、キシダ化学(株)製)、酸化ガリウム(Ga23、住友化学(株)製)、および酸化チタン(Ti23、(株)高純度化学研究所製)を、亜鉛元素とガリウム元素とチタン元素の元素数比が93.0:2.0:5.0となるように秤量し、ポリプロピレン製の容器に入れ、更に2mmφジルコニア製ボールと混合溶媒としてエタノールを入れた。これをボールミルにより混合し、混合粉末を得た。
混合操作後、ボールとエタノールを除去して得られた混合粉末を金型に入れ、40MPaの圧力で加圧し、円盤型の成形体を得た。これを電気炉に入れ、Ar雰囲気で1300℃で加熱処理を行い、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を焼結体のサイズから算出したところ95.3%であった。なお、相対密度は、下記の式から求めている。得られた焼結体に研削、表面研磨を施し、50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。
相対密度=100×[(焼結体の密度)/(理論密度)]
但し、理論密度=(酸化亜鉛の単体密度×混合重量比+酸化ガリウムの単体密度×混合重量比+酸化チタンの単体密度×混合重量比)
得られた焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用い、スパッタリングにより成膜を行った。スパッタ条件は以下のとおりであり、厚さ約500nmの薄膜を得た。
ターゲット寸法 :50.8mmφ 3mm厚
スパッタリング装置 :キャノンアネルバ製 「E-200S」
スパッタ方式 :DCマグネトロンスパッタリング
到達真空度 :2.0×10-4Pa
Ar圧力 :0.5Pa
基板温度 :250℃
スパッタ電力 :30W
使用基板 :ソーダライムガラス(50.8mm×50.8mm×0.5mm)
得られた薄膜を2倍希釈した塩酸に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製「Thermo−6500」)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
また、この透明導電膜について、X線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)を用い薄膜測定用のアタッチメントを使用したX線回折を行うとともに、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いて亜鉛へのチタンのドープ状態を調べ、さらに電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べたところ、C軸配向したウルツ鉱型の単相であり、チタンが亜鉛に置換固溶していることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学(株)製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製「Alpha−Step IQ」を用いて測定し、抵抗率を算出したところ、4.7×10-4Ωcmであった。表面抵抗は9.4Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜2700nm)で平均60%であった。なお、成膜前の石英ガラス基板の可視領域(380nm〜780nm)における透過率は平均94%であり、赤外領域(780nm〜2700nm)における透過率は平均94%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐湿性に優れることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐熱性に優れることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬前後で膜質に変化はなく耐アルカリ性に優れていることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、浸漬後、膜厚が薄くなっており溶解していたが、浸漬前後で膜質に変化はなく耐酸性に優れていることがわかった。
以上のことから、得られた透明導電性基板上の膜は、透明かつ低抵抗であるとともに、化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐アルカリ性、耐酸性)をも兼ね備えた透明導電膜であることが明らかである。また、耐アルカリ性、耐酸性に優れていることから、パターニングの際には適当なエッチングレートを有することが推測される。
[実施例2]
酸化亜鉛(ZnO、キシダ化学(株)製)、酸化ガリウム(Ga23、住友化学(株)製)、および酸化チタン(Ti23、(株)高純度化学研究所製)を、亜鉛元素とガリウム元素とチタン元素の元素数比が94.0:2.0:4.0となるように秤量し、ポリプロピレン製の容器に入れ、更に2mmφジルコニア製ボールと混合溶媒としてエタノールを入れた。これをボールミルにより混合し、混合粉末を得た。
混合操作後、ボールとエタノールを除去して得られた混合粉末を金型に入れ、40MPaの圧力で加圧し、円盤型の成形体を得た。これを電気炉に入れ、大気雰囲気中300℃で加熱処理を行い、酸化物混合体を得た。
得られた酸化物混合体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用い、スパッタリングにより成膜を行った。スパッタ条件は以下のとおりであり、厚さ約500nmの薄膜を得た。
ターゲット寸法 :50.8mmφ 3mm厚
スパッタリング装置 :キャノンアネルバ製 「E-200S」
スパッタ方式 :DCマグネトロンスパッタリング
到達真空度 :2.0×10-4Pa
Ar圧力 :0.5Pa
基板温度 :250℃
スパッタ電力 :30W
使用基板 :ソーダライムガラス(50.8mm×50.8mm×0.5mm)
得られた薄膜を2倍希釈した塩酸に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製「Thermo−6500」)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
また、この透明導電膜について、X線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)を用い薄膜測定用のアタッチメントを使用したX線回折を行うとともに、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いて亜鉛へのチタンのドープ状態を調べ、さらに電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べたところ、C軸配向したウルツ鉱型の単相であり、チタンが亜鉛に置換固溶していることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学(株)製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製「Alpha−Step IQ」を用いて測定し、抵抗率を算出したところ、4.6×10-4Ω・cmであった。表面抵抗は9.2Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜2700nm)で平均57%であった。なお、成膜前の石英ガラス基板の可視領域(380nm〜780nm)における透過率は平均94%であり、赤外領域(780nm〜2700nm)における透過率は平均94%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐湿性に優れることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐熱性に優れることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬前後で膜質に変化はなく耐アルカリ性に優れていることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、浸漬後、膜厚が薄くなっており溶解していたが、浸漬前後で膜質に変化はなく耐酸性に優れていることがわかった。
以上のことから、得られた透明導電性基板上の膜は、透明かつ低抵抗であるとともに、化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐アルカリ性、耐酸性)をも兼ね備えた透明導電膜であることが明らかである。また、耐アルカリ性、耐酸性に優れていることから、パターニングの際には適当なエッチングレートを有することが推測される。
(比較例1)
平均粒径が1μmの酸化亜鉛粉末97.7重量部と、平均粒径が0.2μmの酸化アルミニウム粉末2.3重量部とを、ポリエチレン製ポットに入れ、乾式ボールミルを用いて72時間混合し、原料粉末の混合物を得た。得られた混合物を金型に入れ、成形圧300kg/cm2の圧力でプレスを行い、成形体を得た。この成形体に3ton/cm2の圧力でCIPによる緻密化処理を施した後、以下の条件で焼結して、アルミニウムドープ酸化亜鉛の焼結体を得た。
焼結温度 :1500℃
昇温速度 :50℃/時間
保持時間 :5時間
焼結雰囲気:大気中
得られた焼結体は、X線回折で分析したところ、ZnOとZnAl24との2相の混合組織であった。
次に、得られた焼結体を4インチφ、6mm厚の形状に加工し、インジウム半田を用いて無酸素銅製バッキングプレートにボンディングすることにより、ターゲットを作製した。そして、このターゲットを用いて、以下の条件でスパッタリング法による成膜を行い、透明基材(石英ガラス基板)上に膜厚500nmの透明導電膜を形成し、透明導電性基板を得た。形成した膜中のAl含有量は2.3重量%であった。
スパッタリング装置:キャノンアネルバ製 「E−200S」
スパッタ方式:DCマグネトロンスパッタリング
磁界強度:1000Gauss(ターゲット直上、水平成分)
基板温度:250℃
到達真空度:5×10-5Pa
スパッタリングガス:Ar
スパッタリングガス圧:0.5Pa
DCパワー:300W
得られた透明導電性基板上の透明導電膜の比抵抗は4.2×10-4Ω・cmであり、表面抵抗は8.4Ω/□であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜2700nm)で平均50%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の2.1倍であり、耐湿性に劣ることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の2.0倍であり、耐熱性に劣ることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬後には膜は完全に溶解し、消失していた。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、膜は完全に溶解し、消失していた。
以上のことから、得られた透明導電性基板上の膜は、透明かつ低抵抗ではあるが、化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐アルカリ性、耐酸性)には劣る透明導電膜であることが明らかである。
[実施例3]
酸化亜鉛(ZnO、キシダ化学(株)製)、酸化ガリウム(Ga23、住友化学(株)製)、および酸化チタン(Ti23、(株)高純度化学研究所製)を、亜鉛元素とガリウム元素とチタン元素の元素数比が96.5:0.5:3.0となるように秤量し、ポリプロピレン製の容器に入れ、更に2mmφジルコニア製ボールと混合溶媒としてエタノールを入れた。これをボールミルにより混合し、混合粉末を得た。
混合操作後、ボールとエタノールを除去して得られた混合粉末を金型に入れ、40MPaの圧力で加圧し、円盤型の成形体を得た。これを電気炉に入れ、Ar雰囲気中、1300℃で加熱処理を行い、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を焼結体のサイズから算出したところ96.8%であった。なお、相対密度は、実施例1と同様にして求めている。得られた焼結体に研削、表面研磨を施し、50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。
得られた焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用い、スパッタリングにより成膜を行った。スパッタ条件は以下のとおりであり、厚さ約500nmの薄膜を得た。
ターゲット寸法 :50.8mmφ 3mm厚
スパッタリング装置 :キャノンアネルバ製 「E-200S」
スパッタ方式 :DCマグネトロンスパッタリング
到達真空度 :2.0×10-4Pa
Ar圧力 :0.5Pa
基板温度 :250℃
スパッタ電力 :30W
使用基板 :ソーダライムガラス(50.8mm×50.8mm×0.5mm)
得られた薄膜を2倍希釈した塩酸に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製「Thermo−6500」)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
また、この透明導電膜について、X線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)を用い薄膜測定用のアタッチメントを使用したX線回折を行うとともに、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いて亜鉛へのチタンのドープ状態を調べ、さらに電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べたところ、C軸配向したウルツ鉱型の単相であり、チタンが亜鉛に置換固溶していることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学(株)製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製「Alpha−Step IQ」を用いて測定し、抵抗率を算出したところ、4.1×10-4Ω・cmであった。表面抵抗は8.2Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜2700nm)で平均59%であった。なお、成膜前の石英ガラス基板の可視領域(380nm〜780nm)における透過率は平均94%であり、赤外領域(780nm〜2700nm)における透過率は平均94%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐湿性に優れることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐熱性に優れることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬前後で膜質に変化はなく耐アルカリ性に優れていることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、浸漬後、膜厚が薄くなっており溶解していたが、浸漬前後で膜質に変化はなく耐酸性に優れていることがわかった。
以上のことから、得られた透明導電性基板上の膜は、透明かつ低抵抗であるとともに、化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐アルカリ性、耐酸性)をも兼ね備えた透明導電膜であることが明らかである。また、耐アルカリ性、耐酸性に優れていることから、パターニングの際には適当なエッチングレートを有することが推測される。
[実施例4]
酸化亜鉛(ZnO、キシダ化学(株)製)、酸化ガリウム(Ga23、住友化学(株)製)、および酸化チタン(Ti23、(株)高純度化学研究所製)を、亜鉛元素とガリウム元素とチタン元素の元素数比が94.5:0.5:5.0となるように秤量し、ポリプロピレン製の容器に入れ、更に2mmφジルコニア製ボールと混合溶媒としてエタノールを入れた。これをボールミルにより混合し、混合粉末を得た。
混合操作後、ボールとエタノールを除去して得られた混合粉末を金型に入れ、40MPaの圧力で加圧し、円盤型の成形体を得た。これを電気炉に入れ、Ar雰囲気で1300℃で加熱処理を行い、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を焼結体のサイズから算出したところ94.6%であった。なお、相対密度は、実施例1と同様にして求めている。得られた焼結体に研削、表面研磨を施し、50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。
得られた焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用い、スパッタリングにより成膜を行った。スパッタ条件は以下のとおりであり、厚さ約500nmの薄膜を得た。
ターゲット寸法 :50.8mmφ 3mm厚
スパッタリング装置 :キャノンアネルバ製 「E-200S」
スパッタ方式 :DCマグネトロンスパッタリング
到達真空度 :2.0×10-4Pa
Ar圧力 :0.5Pa
基板温度 :250℃
スパッタ電力 :30W
使用基板 :ソーダライムガラス(50.8mm×50.8mm×0.5mm)
得られた薄膜を2倍希釈した塩酸に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製「Thermo−6500」)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
また、この透明導電膜について、X線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)を用い薄膜測定用のアタッチメントを使用したX線回折を行うとともに、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いて亜鉛へのチタンのドープ状態を調べ、さらに電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べたところ、C軸配向したウルツ鉱型の単相であり、チタンが亜鉛に置換固溶していることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学(株)製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製「Alpha−Step IQ」を用いて測定し、抵抗率を算出したところ、4.6×10-4Ω・cmであった。表面抵抗は9.2Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜2700nm)で平均59%であった。なお、成膜前の石英ガラス基板の可視領域(380nm〜780nm)における透過率は平均94%であり、赤外領域(780nm〜2700nm)における透過率は平均94%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐湿性に優れることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐熱性に優れることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬前後で膜質に変化はなく耐アルカリ性に優れていることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、浸漬後、膜厚が薄くなっており溶解していたが、浸漬前後で膜質に変化はなく耐酸性に優れていることがわかった。
以上のことから、得られた透明導電性基板上の膜は、透明かつ低抵抗であるとともに、化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐アルカリ性、耐酸性)をも兼ね備えた透明導電膜であることが明らかである。また、耐アルカリ性、耐酸性に優れていることから、パターニングの際には適当なエッチングレートを有することが推測される。
[実施例5]
酸化亜鉛(ZnO、キシダ化学(株)製)、酸化ガリウム(Ga23、住友化学(株)製)、および酸化チタン(Ti23、(株)高純度化学研究所製)を、亜鉛元素とガリウム元素とチタン元素の元素数比が92.5:0.5:7.0となるように秤量し、ポリプロピレン製の容器に入れ、更に2mmφジルコニア製ボールと混合溶媒としてエタノールを入れた。これをボールミルにより混合し、混合粉末を得た。
混合操作後、ボールとエタノールを除去して得られた混合粉末を金型に入れ、40MPaの圧力で加圧し、円盤型の成形体を得た。これを電気炉に入れ、Ar雰囲気で1300℃で加熱処理を行い、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を焼結体のサイズから算出したところ93.9%であった。なお、相対密度は、実施例1と同様にして求めている。得られた焼結体に研削、表面研磨を施し、50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。
得られた焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用い、スパッタリングにより成膜を行った。スパッタ条件は以下のとおりであり、厚さ約500nmの薄膜を得た。
ターゲット寸法 :50.8mmφ 3mm厚
スパッタリング装置 :キャノンアネルバ製 「E-200S」
スパッタ方式 :DCマグネトロンスパッタリング
到達真空度 :2.0×10-4Pa
Ar圧力 :0.5Pa
基板温度 :250℃
スパッタ電力 :30W
使用基板 :ソーダライムガラス(50.8mm×50.8mm×0.5mm)
得られた薄膜を2倍希釈した塩酸に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製「Thermo−6500」)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
また、この透明導電膜について、X線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)を用い薄膜測定用のアタッチメントを使用したX線回折を行うとともに、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いて亜鉛へのチタンのドープ状態を調べ、さらに電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べたところ、C軸配向したウルツ鉱型の単相であり、チタンが亜鉛に置換固溶していることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学(株)製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製「Alpha−Step IQ」を用いて測定し、抵抗率を算出したところ、5.5×10-4Ω・cmであった。表面抵抗は11.0Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜2700nm)で平均59%であった。なお、成膜前の石英ガラス基板の可視領域(380nm〜780nm)における透過率は平均94%であり、赤外領域(780nm〜2700nm)における透過率は平均94%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐湿性に優れることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐熱性に優れることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬前後で膜質に変化はなく耐アルカリ性に優れていることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、浸漬後、膜厚が薄くなっており溶解していたが、浸漬前後で膜質に変化はなく耐酸性に優れていることがわかった。
以上のことから、得られた透明導電性基板上の膜は、透明かつ低抵抗であるとともに、化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐アルカリ性、耐酸性)をも兼ね備えた透明導電膜であることが明らかである。また、耐アルカリ性、耐酸性に優れていることから、パターニングの際には適当なエッチングレートを有することが推測される。
[実施例6]
酸化亜鉛(ZnO、キシダ化学(株)製)、酸化ガリウム(Ga23、住友化学(株)製)、および酸化チタン(TiO(II)、(株)高純度化学研究所製)を、亜鉛元素とガリウム元素とチタン元素の元素数比が96.5:0.5:3.0となるように秤量し、ポリプロピレン製の容器に入れ、更に2mmφジルコニア製ボールと混合溶媒としてエタノールを入れた。これをボールミルにより混合し、混合粉末を得た。
混合操作後、ボールとエタノールを除去して得られた混合粉末を金型に入れ、40MPaの圧力で加圧し、円盤型の成形体を得た。これを電気炉に入れ、Ar雰囲気で1300℃で加熱処理を行い、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を焼結体のサイズから算出したところ96.7%であった。なお、相対密度は、実施例1と同様にして求めている。得られた焼結体に研削、表面研磨を施し、50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。
得られた焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用い、スパッタリングにより成膜を行った。スパッタ条件は以下のとおりであり、厚さ約500nmの薄膜を得た。
ターゲット寸法 :50.8mmφ 3mm厚
スパッタリング装置 :キャノンアネルバ製 「E-200S」
スパッタ方式 :DCマグネトロンスパッタリング
到達真空度 :2.0×10-4Pa
Ar圧力 :0.5Pa
基板温度 :250℃
スパッタ電力 :30W
使用基板 :ソーダライムガラス(50.8mm×50.8mm×0.5mm)
得られた薄膜を2倍希釈した塩酸に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製「Thermo−6500」)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
また、この透明導電膜について、X線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)を用い薄膜測定用のアタッチメントを使用したX線回折を行うとともに、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いて亜鉛へのチタンのドープ状態を調べ、さらに電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べたところ、C軸配向したウルツ鉱型の単相であり、チタンが亜鉛に置換固溶していることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学(株)製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製「Alpha−Step IQ」を用いて測定し、抵抗率を算出したところ、3.9×10-4Ω・cmであった。表面抵抗は7.8Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜2700nm)で平均59%であった。なお、成膜前の石英ガラス基板の可視領域(380nm〜780nm)における透過率は平均94%であり、赤外領域(780nm〜2700nm)における透過率は平均94%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐湿性に優れることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐熱性に優れることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬前後で膜質に変化はなく耐アルカリ性に優れていることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、浸漬後、膜厚が薄くなっており溶解していたが、浸漬前後で膜質に変化はなく耐酸性に優れていることがわかった。
以上のことから、得られた透明導電性基板上の膜は、透明かつ低抵抗であるとともに、化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐アルカリ性、耐酸性)をも兼ね備えた透明導電膜であることが明らかである。また、耐アルカリ性、耐酸性に優れていることから、パターニングの際には適当なエッチングレートを有することが推測される。
[実施例7]
酸化亜鉛(ZnO、キシダ化学(株)製)、酸化ガリウム(Ga23、住友化学(株)製)、および酸化チタン(TiO(II)、(株)高純度化学研究所製)を、亜鉛元素とガリウム元素とチタン元素の元素数比が94.5:0.5:5.0となるように秤量し、ポリプロピレン製の容器に入れ、更に2mmφジルコニア製ボールと混合溶媒としてエタノールを入れた。これをボールミルにより混合し、混合粉末を得た。
混合操作後、ボールとエタノールを除去して得られた混合粉末を金型に入れ、40MPaの圧力で加圧し、円盤型の成形体を得た。これを電気炉に入れ、Ar雰囲気で1300℃で加熱処理を行い、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を焼結体のサイズから算出したところ94.5%であった。なお、相対密度は、実施例1と同様にして求めている。得られた焼結体に研削、表面研磨を施し、50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。
得られた焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用い、スパッタリングにより成膜を行った。スパッタ条件は以下のとおりであり、厚さ約500nmの薄膜を得た。
ターゲット寸法 :50.8mmφ 3mm厚
スパッタリング装置 :キャノンアネルバ製 「E-200S」
スパッタ方式 :DCマグネトロンスパッタリング
到達真空度 :2.0×10-4Pa
Ar圧力 :0.5Pa
基板温度 :250℃
スパッタ電力 :30W
使用基板 :ソーダライムガラス(50.8mm×50.8mm×0.5mm)
得られた薄膜を2倍希釈した塩酸に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製「Thermo−6500」)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
また、この透明導電膜について、X線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)を用い薄膜測定用のアタッチメントを使用したX線回折を行うとともに、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いて亜鉛へのチタンのドープ状態を調べ、さらに電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べたところ、C軸配向したウルツ鉱型の単相であり、チタンが亜鉛に置換固溶していることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学(株)製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製「Alpha−Step IQ」を用いて測定し、抵抗率を算出したところ、4.4×10-4Ω・cmであった。表面抵抗は8.8Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜2700nm)で平均59%であった。なお、成膜前の石英ガラス基板の可視領域(380nm〜780nm)における透過率は平均94%であり、赤外領域(780nm〜2700nm)における透過率は平均94%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐湿性に優れることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐熱性に優れることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬前後で膜質に変化はなく耐アルカリ性に優れていることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、浸漬後、膜厚が薄くなっており溶解していたが、浸漬前後で膜質に変化はなく耐酸性に優れていることがわかった。
以上のことから、得られた透明導電性基板上の膜は、透明かつ低抵抗であるとともに、化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐アルカリ性、耐酸性)をも兼ね備えた透明導電膜であることが明らかである。また、耐アルカリ性、耐酸性に優れていることから、パターニングの際には適当なエッチングレートを有することが推測される。
[実施例8]
酸化亜鉛(ZnO、キシダ化学(株)製)、酸化ガリウム(Ga23、住友化学(株)製)、および酸化チタン(TiO(II)、(株)高純度化学研究所製)を、亜鉛元素とガリウム元素とチタン元素の元素数比が92.5:0.5:7.0となるように秤量し、ポリプロピレン製の容器に入れ、更に2mmφジルコニア製ボールと混合溶媒としてエタノールを入れた。これをボールミルにより混合し、混合粉末を得た。
混合操作後、ボールとエタノールを除去して得られた混合粉末を金型に入れ、40MPaの圧力で加圧し、円盤型の成形体を得た。これを電気炉に入れ、Ar雰囲気で1300℃で加熱処理を行い、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を焼結体のサイズから算出したところ94.0%であった。なお、相対密度は、実施例1と同様にして求めている。得られた焼結体に研削、表面研磨を施し、50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。
得られた焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用い、スパッタリングにより成膜を行った。スパッタ条件は以下のとおりであり、厚さ約500nmの薄膜を得た。
ターゲット寸法 :50.8mmφ 3mm厚
スパッタリング装置 :キャノンアネルバ製 「E-200S」
スパッタ方式 :DCマグネトロンスパッタリング
到達真空度 :2.0×10-4Pa
Ar圧力 :0.5Pa
基板温度 :250℃
スパッタ電力 :30W
使用基板 :ソーダライムガラス(50.8mm×50.8mm×0.5mm)
得られた薄膜を2倍希釈した塩酸に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製「Thermo−6500」)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
また、この透明導電膜について、X線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)を用い薄膜測定用のアタッチメントを使用したX線回折を行うとともに、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いて亜鉛へのチタンのドープ状態を調べ、さらに電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べたところ、C軸配向したウルツ鉱型の単相であり、チタンが亜鉛に置換固溶していることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学(株)製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製「Alpha−Step IQ」を用いて測定し、抵抗率を算出したところ、5.3×10-4Ω・cmであった。表面抵抗は10.6Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜2700nm)で平均59%であった。なお、成膜前の石英ガラス基板の可視領域(380nm〜780nm)における透過率は平均94%であり、赤外領域(780nm〜2700nm)における透過率は平均94%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐湿性に優れることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の1.1倍であり、耐熱性に優れることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬前後で膜質に変化はなく耐アルカリ性に優れていることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、浸漬後、膜厚が薄くなっており溶解していたが、浸漬前後で膜質に変化はなく耐酸性に優れていることがわかった。
以上のことから、得られた透明導電性基板上の膜は、透明かつ低抵抗であるとともに、化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐アルカリ性、耐酸性)をも兼ね備えた透明導電膜であることが明らかである。また、耐アルカリ性、耐酸性に優れていることから、パターニングの際には適当なエッチングレートを有することが推測される。
[実施例9]
酸化亜鉛(ZnO、キシダ化学(株)製)、酸化ガリウム(Ga23、住友化学(株)製)、および酸化チタン(TiO(II)、(株)高純度化学研究所製)を、亜鉛元素とガリウム元素とチタン元素の元素数比が96.5:0.5:3.0となるように秤量し、原料粉末の混合物を得た。混合操作後、ボールとエタノールを除去して得られた混合粉末を黒鉛からなる金型(ダイス)に入れ、黒鉛からなるパンチにて40MPaの圧力で真空加圧し、1000℃、4時間、加熱処理を行い円盤型の焼結体を得た。(ホットプレス焼結)
この焼結体の相対密度を焼結体のサイズから算出したところ96.3%であった。なお、相対密度は、実施例1と同様にして求めている。得られた焼結体に研削、表面研磨を施し、50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。
得られた焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用い、スパッタリングにより成膜を行った。スパッタ条件は以下のとおりであり、厚さ約500nmの薄膜を得た。
ターゲット寸法 :50.8mmφ 3mm厚
スパッタリング装置 :キャノンアネルバ製 「E-200S」
スパッタ方式 :DCマグネトロンスパッタリング
到達真空度 :2.0×10-4Pa
Ar圧力 :0.5Pa
基板温度 :250℃
スパッタ電力 :30W
使用基板 :ソーダライムガラス(50.8mm×50.8mm×0.5mm)
得られた薄膜を2倍希釈した塩酸に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製「Thermo−6500」)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
また、この透明導電膜について、X線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)を用い薄膜測定用のアタッチメントを使用したX線回折を行うとともに、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いて亜鉛へのチタンのドープ状態を調べ、さらに電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べたところ、C軸配向したウルツ鉱型の単相であり、チタンが亜鉛に置換固溶していることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学(株)製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製「Alpha−Step IQ」を用いて測定し、抵抗率を算出したところ、3.9×10-4Ω・cmであった。表面抵抗は7.8Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜2700nm)で平均59%であった。なお、成膜前の石英ガラス基板の可視領域(380nm〜780nm)における透過率は平均94%であり、赤外領域(780nm〜2700nm)における透過率は平均94%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐湿性に優れることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐熱性に優れることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬前後で膜質に変化はなく耐アルカリ性に優れていることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、浸漬後、膜厚が薄くなっており溶解していたが、浸漬前後で膜質に変化はなく耐酸性に優れていることがわかった。
以上のことから、得られた透明導電性基板上の膜は、透明かつ低抵抗であるとともに、化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐アルカリ性、耐酸性)をも兼ね備えた透明導電膜であることが明らかである。また、耐アルカリ性、耐酸性に優れていることから、パターニングの際には適当なエッチングレートを有することが推測される。
[実施例10]
酸化亜鉛(ZnO、キシダ化学(株)製)、酸化ガリウム(Ga23、住友化学(株)製)、および酸化チタン(TiO(II)、(株)高純度化学研究所製)を、亜鉛元素とガリウム元素とチタン元素の元素数比が94.5:0.5:5.0となるように秤量し、原料粉末の混合物を得た。混合操作後、ボールとエタノールを除去して得られた混合粉末を黒鉛からなる金型(ダイス)に入れ、黒鉛からなるパンチにて40MPaの圧力で真空加圧し、1000℃、4時間、加熱処理を行い円盤型の焼結体を得た。(ホットプレス焼結)
この焼結体の相対密度を焼結体のサイズから算出したところ95.6%であった。なお、相対密度は、実施例1と同様にして求めている。得られた焼結体に研削、表面研磨を施し、50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。
得られた焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用い、スパッタリングにより成膜を行った。スパッタ条件は以下のとおりであり、厚さ約500nmの薄膜を得た。
ターゲット寸法 :50.8mmφ 3mm厚
スパッタリング装置 :キャノンアネルバ製 「E-200S」
スパッタ方式 :DCマグネトロンスパッタリング
到達真空度 :2.0×10-4Pa
Ar圧力 :0.5Pa
基板温度 :250℃
スパッタ電力 :30W
使用基板 :ソーダライムガラス(50.8mm×50.8mm×0.5mm)
得られた薄膜を2倍希釈した塩酸に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製「Thermo−6500」)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
また、この透明導電膜について、X線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)を用い薄膜測定用のアタッチメントを使用したX線回折を行うとともに、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いて亜鉛へのチタンのドープ状態を調べ、さらに電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べたところ、C軸配向したウルツ鉱型の単相であり、チタンが亜鉛に置換固溶していることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学(株)製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製「Alpha−Step IQ」を用いて測定し、抵抗率を算出したところ、4.4×10-4Ω・cmであった。表面抵抗は8.8Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜2700nm)で平均59%であった。なお、成膜前の石英ガラス基板の可視領域(380nm〜780nm)における透過率は平均94%であり、赤外領域(780nm〜2700nm)における透過率は平均94%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐湿性に優れることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐熱性に優れることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬前後で膜質に変化はなく耐アルカリ性に優れていることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、浸漬後、膜厚が薄くなっており溶解していたが、浸漬前後で膜質に変化はなく耐酸性に優れていることがわかった。
以上のことから、得られた透明導電性基板上の膜は、透明かつ低抵抗であるとともに、化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐アルカリ性、耐酸性)をも兼ね備えた透明導電膜であることが明らかである。また、耐アルカリ性、耐酸性に優れていることから、パターニングの際には適当なエッチングレートを有することが推測される。
[実施例11]
酸化亜鉛(ZnO、キシダ化学(株)製)、酸化アルミニウム(Al23、住友化学(株)製)、および酸化チタン(Ti23、(株)高純度化学研究所製)を、亜鉛元素とアルミニウム元素とチタン元素の元素数比が96.5:0.5:3.0となるように秤量し、ポリプロピレン製の容器に入れ、更に2mmφジルコニア製ボールと混合溶媒としてエタノールを入れた。これをボールミルにより混合し、混合粉末を得た。
混合操作後、ボールとエタノールを除去して得られた混合粉末を金型に入れ、40MPaの圧力で加圧し、円盤型の成形体を得た。これを電気炉に入れ、Ar雰囲気で1300℃で加熱処理を行い、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を焼結体のサイズから算出したところ96.9%であった。なお、相対密度は、下記の式から求めている。得られた焼結体に研削、表面研磨を施し、50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。
相対密度=100×[(焼結体の密度)/(理論密度)]
但し、理論密度=(酸化亜鉛の単体密度×混合重量比+酸化アルミニウムの単体密度×混合重量比+酸化チタンの単体密度×混合重量比)
得られた焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用い、スパッタリングにより成膜を行った。スパッタ条件は以下のとおりであり、厚さ約500nmの薄膜を得た。
ターゲット寸法 :50.8mmφ 3mm厚
スパッタリング装置 :キャノンアネルバ製 「E-200S」
スパッタ方式 :DCマグネトロンスパッタリング
到達真空度 :2.0×10-4Pa
Ar圧力 :0.5Pa
基板温度 :250℃
スパッタ電力 :30W
使用基板 :ソーダライムガラス(50.8mm×50.8mm×0.5mm)
得られた薄膜を2倍希釈した塩酸に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製「Thermo−6500」)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
また、この透明導電膜について、X線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)を用い薄膜測定用のアタッチメントを使用したX線回折を行うとともに、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いて亜鉛へのチタンのドープ状態を調べ、さらに電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べたところ、C軸配向したウルツ鉱型の単相であり、チタンが亜鉛に置換固溶していることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学(株)製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製「Alpha−Step IQ」を用いて測定し、抵抗率を算出したところ、4.1×10-4Ω・cmであった。表面抵抗は8.2Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜2700nm)で平均59%であった。なお、成膜前の石英ガラス基板の可視領域(380nm〜780nm)における透過率は平均94%であり、赤外領域(780nm〜2700nm)における透過率は平均94%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐湿性に優れることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐熱性に優れることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬前後で膜質に変化はなく耐アルカリ性に優れていることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、浸漬後、膜厚が薄くなっており溶解していたが、浸漬前後で膜質に変化はなく耐酸性に優れていることがわかった。
以上のことから、得られた透明導電性基板上の膜は、透明かつ低抵抗であるとともに、化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐アルカリ性、耐酸性)をも兼ね備えた透明導電膜であることが明らかである。また、耐アルカリ性、耐酸性に優れていることから、パターニングの際には適当なエッチングレートを有することが推測される。
[実施例12]
酸化亜鉛(ZnO、キシダ化学(株)製)、酸化アルミニウム(Al23、住友化学(株)製)、および酸化チタン(Ti23、(株)高純度化学研究所製)を、亜鉛元素とアルミニウム元素とチタン元素の元素数比が94.5:0.5:5.0となるように秤量し、ポリプロピレン製の容器に入れ、更に2mmφジルコニア製ボールと混合溶媒としてエタノールを入れた。これをボールミルにより混合し、混合粉末を得た。
混合操作後、ボールとエタノールを除去して得られた混合粉末を金型に入れ、40MPaの圧力で加圧し、円盤型の成形体を得た。これを電気炉に入れ、Ar雰囲気で1300℃で加熱処理を行い、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を焼結体のサイズから算出したところ94.8%であった。なお、相対密度は、実施例11と同様にして求めている。得られた焼結体に研削、表面研磨を施し、50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。
得られた焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用い、スパッタリングにより成膜を行った。スパッタ条件は以下のとおりであり、厚さ約500nmの薄膜を得た。
ターゲット寸法 :50.8mmφ 3mm厚
スパッタリング装置 :キャノンアネルバ製 「E-200S」
スパッタ方式 :DCマグネトロンスパッタリング
到達真空度 :2.0×10-4Pa
Ar圧力 :0.5Pa
基板温度 :250℃
スパッタ電力 :30W
使用基板 :ソーダライムガラス(50.8mm×50.8mm×0.5mm)
得られた薄膜を2倍希釈した塩酸に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製「Thermo−6500」)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
また、この透明導電膜について、X線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)を用い薄膜測定用のアタッチメントを使用したX線回折を行うとともに、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いて亜鉛へのチタンのドープ状態を調べ、さらに電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べたところ、C軸配向したウルツ鉱型の単相であり、チタンが亜鉛に置換固溶していることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学(株)製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製「Alpha−Step IQ」を用いて測定し、抵抗率を算出したところ、4.6×10-4Ω・cmであった。表面抵抗は9.2Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜2700nm)で平均59%であった。なお、成膜前の石英ガラス基板の可視領域(380nm〜780nm)における透過率は平均94%であり、赤外領域(780nm〜2700nm)における透過率は平均94%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐湿性に優れることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐熱性に優れることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬前後で膜質に変化はなく耐アルカリ性に優れていることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、浸漬後、膜厚が薄くなっており溶解していたが、浸漬前後で膜質に変化はなく耐酸性に優れていることがわかった。
以上のことから、得られた透明導電性基板上の膜は、透明かつ低抵抗であるとともに、化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐アルカリ性、耐酸性)をも兼ね備えた透明導電膜であることが明らかである。また、耐アルカリ性、耐酸性に優れていることから、パターニングの際には適当なエッチングレートを有することが推測される。
[実施例13]
酸化亜鉛(ZnO、キシダ化学(株)製)、酸化アルミニウム(Al23、住友化学(株)製)、および酸化チタン(Ti23、(株)高純度化学研究所製)を、亜鉛元素とアルミニウム元素とチタン元素の元素数比が92.5:0.5:7.0となるように秤量し、ポリプロピレン製の容器に入れ、更に2mmφジルコニア製ボールと混合溶媒としてエタノールを入れた。これをボールミルにより混合し、混合粉末を得た。
混合操作後、ボールとエタノールを除去して得られた混合粉末を金型に入れ、40MPaの圧力で加圧し、円盤型の成形体を得た。これを電気炉に入れ、Ar雰囲気で1300℃で加熱処理を行い、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を焼結体のサイズから算出したところ94.2%であった。なお、相対密度は、実施例11と同様にして求めている。得られた焼結体に研削、表面研磨を施し、50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。
得られた焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用い、スパッタリングにより成膜を行った。スパッタ条件は以下のとおりであり、厚さ約500nmの薄膜を得た。
ターゲット寸法 :50.8mmφ 3mm厚
スパッタリング装置 :キャノンアネルバ製 「E-200S」
スパッタ方式 :DCマグネトロンスパッタリング
到達真空度 :2.0×10-4Pa
Ar圧力 :0.5Pa
基板温度 :250℃
スパッタ電力 :30W
使用基板 :ソーダライムガラス(50.8mm×50.8mm×0.5mm)
得られた薄膜を2倍希釈した塩酸に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製「Thermo−6500」)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
また、この透明導電膜について、X線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)を用い薄膜測定用のアタッチメントを使用したX線回折を行うとともに、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いて亜鉛へのチタンのドープ状態を調べ、さらに電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べたところ、C軸配向したウルツ鉱型の単相であり、チタンが亜鉛に置換固溶していることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学(株)製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製「Alpha−Step IQ」を用いて測定し、抵抗率を算出したところ、5.5×10-4Ω・cmであった。表面抵抗は11.0Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜2700nm)で平均59%であった。なお、成膜前の石英ガラス基板の可視領域(380nm〜780nm)における透過率は平均94%であり、赤外領域(780nm〜2700nm)における透過率は平均94%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐湿性に優れることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐熱性に優れることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬前後で膜質に変化はなく耐アルカリ性に優れていることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、浸漬後、膜厚が薄くなっており溶解していたが、浸漬前後で膜質に変化はなく耐酸性に優れていることがわかった。
以上のことから、得られた透明導電性基板上の膜は、透明かつ低抵抗であるとともに、化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐アルカリ性、耐酸性)をも兼ね備えた透明導電膜であることが明らかである。また、耐アルカリ性、耐酸性に優れていることから、パターニングの際には適当なエッチングレートを有することが推測される。
[実施例14]
酸化亜鉛(ZnO、キシダ化学(株)製)、酸化アルミニウム(Al23、住友化学(株)製)、および酸化チタン(TiO(II)、(株)高純度化学研究所製)を、亜鉛元素とアルミニウム元素とチタン元素の元素数比が96.5:0.5:3.0となるように秤量し、ポリプロピレン製の容器に入れ、更に2mmφジルコニア製ボールと混合溶媒としてエタノールを入れた。これをボールミルにより混合し、混合粉末を得た。
混合操作後、ボールとエタノールを除去して得られた混合粉末を金型に入れ、40MPaの圧力で加圧し、円盤型の成形体を得た。これを電気炉に入れ、Ar雰囲気で1300℃で加熱処理を行い、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を焼結体のサイズから算出したところ96.8%であった。なお、相対密度は、実施例11と同様にして求めている。得られた焼結体に研削、表面研磨を施し、50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。
得られた焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用い、スパッタリングにより成膜を行った。スパッタ条件は以下のとおりであり、厚さ約500nmの薄膜を得た。
ターゲット寸法 :50.8mmφ 3mm厚
スパッタリング装置 :キャノンアネルバ製 「E-200S」
スパッタ方式 :DCマグネトロンスパッタリング
到達真空度 :2.0×10-4Pa
Ar圧力 :0.5Pa
基板温度 :250℃
スパッタ電力 :30W
使用基板 :ソーダライムガラス(50.8mm×50.8mm×0.5mm)
得られた薄膜を2倍希釈した塩酸に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製「Thermo−6500」)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
また、この透明導電膜について、X線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)を用い薄膜測定用のアタッチメントを使用したX線回折を行うとともに、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いて亜鉛へのチタンのドープ状態を調べ、さらに電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べたところ、C軸配向したウルツ鉱型の単相であり、チタンが亜鉛に置換固溶していることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学(株)製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製「Alpha−Step IQ」を用いて測定し、抵抗率を算出したところ、3.9×10-4Ω・cmであった。表面抵抗は7.8Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜2700nm)で平均59%であった。なお、成膜前の石英ガラス基板の可視領域(380nm〜780nm)における透過率は平均94%であり、赤外領域(780nm〜2700nm)における透過率は平均94%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐湿性に優れることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐熱性に優れることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬前後で膜質に変化はなく耐アルカリ性に優れていることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、浸漬後、膜厚が薄くなっており溶解していたが、浸漬前後で膜質に変化はなく耐酸性に優れていることがわかった。
以上のことから、得られた透明導電性基板上の膜は、透明かつ低抵抗であるとともに、化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐アルカリ性、耐酸性)をも兼ね備えた透明導電膜であることが明らかである。また、耐アルカリ性、耐酸性に優れていることから、パターニングの際には適当なエッチングレートを有することが推測される。
[実施例15]
酸化亜鉛(ZnO、キシダ化学(株)製)、酸化アルミニウム(Al23、住友化学(株)製)、および酸化チタン(TiO(II)、(株)高純度化学研究所製)を、亜鉛元素とアルミニウム元素とチタン元素の元素数比が94.5:0.5:5.0となるように秤量し、ポリプロピレン製の容器に入れ、更に2mmφジルコニア製ボールと混合溶媒としてエタノールを入れた。これをボールミルにより混合し、混合粉末を得た。
混合操作後、ボールとエタノールを除去して得られた混合粉末を金型に入れ、40MPaの圧力で加圧し、円盤型の成形体を得た。これを電気炉に入れ、Ar雰囲気で1300℃で加熱処理を行い、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を焼結体のサイズから算出したところ94.7%であった。なお、相対密度は、実施例11と同様にして求めている。得られた焼結体に研削、表面研磨を施し、50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。
得られた焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用い、スパッタリングにより成膜を行った。スパッタ条件は以下のとおりであり、厚さ約500nmの薄膜を得た。
ターゲット寸法 :50.8mmφ 3mm厚
スパッタリング装置 :キャノンアネルバ製 「E-200S」
スパッタ方式 :DCマグネトロンスパッタリング
到達真空度 :2.0×10-4Pa
Ar圧力 :0.5Pa
基板温度 :250℃
スパッタ電力 :30W
使用基板 :ソーダライムガラス(50.8mm×50.8mm×0.5mm)
得られた薄膜を2倍希釈した塩酸に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製「Thermo−6500」)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
また、この透明導電膜について、X線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)を用い薄膜測定用のアタッチメントを使用したX線回折を行うとともに、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いて亜鉛へのチタンのドープ状態を調べ、さらに電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べたところ、C軸配向したウルツ鉱型の単相であり、チタンが亜鉛に置換固溶していることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学(株)製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製「Alpha−Step IQ」を用いて測定し、抵抗率を算出したところ、4.4×10-4Ω・cmであった。表面抵抗は8.8Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜2700nm)で平均59%であった。なお、成膜前の石英ガラス基板の可視領域(380nm〜780nm)における透過率は平均94%であり、赤外領域(780nm〜2700nm)における透過率は平均94%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐湿性に優れることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐熱性に優れることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬前後で膜質に変化はなく耐アルカリ性に優れていることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、浸漬後、膜厚が薄くなっており溶解していたが、浸漬前後で膜質に変化はなく耐酸性に優れていることがわかった。
以上のことから、得られた透明導電性基板上の膜は、透明かつ低抵抗であるとともに、化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐アルカリ性、耐酸性)をも兼ね備えた透明導電膜であることが明らかである。また、耐アルカリ性、耐酸性に優れていることから、パターニングの際には適当なエッチングレートを有することが推測される。
[実施例16]
酸化亜鉛(ZnO、キシダ化学(株)製)、酸化アルミニウム(Al23、住友化学(株)製)、および酸化チタン(TiO(II)、(株)高純度化学研究所製)を、亜鉛元素とアルミニウム元素とチタン元素の元素数比が92.5:0.5:7.0となるように秤量し、ポリプロピレン製の容器に入れ、更に2mmφジルコニア製ボールと混合溶媒としてエタノールを入れた。これをボールミルにより混合し、混合粉末を得た。
混合操作後、ボールとエタノールを除去して得られた混合粉末を金型に入れ、40MPaの圧力で加圧し、円盤型の成形体を得た。これを電気炉に入れ、Ar雰囲気で1300℃で加熱処理を行い、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を焼結体のサイズから算出したところ94.2%であった。なお、相対密度は、実施例11と同様にして求めている。得られた焼結体に研削、表面研磨を施し、50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。
得られた焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用い、スパッタリングにより成膜を行った。スパッタ条件は以下のとおりであり、厚さ約500nmの薄膜を得た。
ターゲット寸法 :50.8mmφ 3mm厚
スパッタリング装置 :キャノンアネルバ製 「E-200S」
スパッタ方式 :DCマグネトロンスパッタリング
到達真空度 :2.0×10-4Pa
Ar圧力 :0.5Pa
基板温度 :250℃
スパッタ電力 :30W
使用基板 :ソーダライムガラス(50.8mm×50.8mm×0.5mm)
得られた薄膜を2倍希釈した塩酸に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製「Thermo−6500」)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
また、この透明導電膜について、X線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)を用い薄膜測定用のアタッチメントを使用したX線回折を行うとともに、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いて亜鉛へのチタンのドープ状態を調べ、さらに電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べたところ、C軸配向したウルツ鉱型の単相であり、チタンが亜鉛に置換固溶していることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学(株)製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製「Alpha−Step IQ」を用いて測定し、抵抗率を算出したところ、5.5×10-4Ω・cmであった。表面抵抗は11.0Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜2700nm)で平均59%であった。なお、成膜前の石英ガラス基板の可視領域(380nm〜780nm)における透過率は平均94%であり、赤外領域(780nm〜2700nm)における透過率は平均94%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐湿性に優れることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の1.1倍であり、耐熱性に優れることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬前後で膜質に変化はなく耐アルカリ性に優れていることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、浸漬後、膜厚が薄くなっており溶解していたが、浸漬前後で膜質に変化はなく耐酸性に優れていることがわかった。
以上のことから、得られた透明導電性基板上の膜は、透明かつ低抵抗であるとともに、化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐アルカリ性、耐酸性)をも兼ね備えた透明導電膜であることが明らかである。また、耐アルカリ性、耐酸性に優れていることから、パターニングの際には適当なエッチングレートを有することが推測される。
[実施例17]
酸化亜鉛(ZnO、キシダ化学(株)製)、酸化アルミニウム(Al23、住友化学(株)製)、および酸化チタン(TiO(II)、(株)高純度化学研究所製)を、亜鉛元素とアルミニウム元素とチタン元素の元素数比が96.5:0.5:3.0となるように秤量し、原料粉末の混合物を得た。混合操作後、ボールとエタノールを除去して得られた混合粉末を黒鉛からなる金型(ダイス)に入れ、黒鉛からなるパンチにて40MPaの圧力で真空加圧し、1000℃、4時間、加熱処理を行い円盤型の焼結体を得た。(ホットプレス焼結)
この焼結体の相対密度を焼結体のサイズから算出したところ96.6%であった。なお、相対密度は、実施例11と同様にして求めている。得られた焼結体に研削、表面研磨を施し、50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。
得られた焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用い、スパッタリングにより成膜を行った。スパッタ条件は以下のとおりであり、厚さ約500nmの薄膜を得た。
ターゲット寸法 :50.8mmφ 3mm厚
スパッタリング装置 :キャノンアネルバ製 「E-200S」
スパッタ方式 :DCマグネトロンスパッタリング
到達真空度 :2.0×10-4Pa
Ar圧力 :0.5Pa
基板温度 :250℃
スパッタ電力 :30W
使用基板 :ソーダライムガラス(50.8mm×50.8mm×0.5mm)
得られた薄膜を2倍希釈した塩酸に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製「Thermo−6500」)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
また、この透明導電膜について、X線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)を用い薄膜測定用のアタッチメントを使用したX線回折を行うとともに、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いて亜鉛へのチタンのドープ状態を調べ、さらに電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べたところ、C軸配向したウルツ鉱型の単相であり、チタンが亜鉛に置換固溶していることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学(株)製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製「Alpha−Step IQ」を用いて測定し、抵抗率を算出したところ、3.9×10-4Ω・cmであった。表面抵抗は7.8Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜2700nm)で平均59%であった。なお、成膜前の石英ガラス基板の可視領域(380nm〜780nm)における透過率は平均94%であり、赤外領域(780nm〜2700nm)における透過率は平均94%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐湿性に優れることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐熱性に優れることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬前後で膜質に変化はなく耐アルカリ性に優れていることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、浸漬後、膜厚が薄くなっており溶解していたが、浸漬前後で膜質に変化はなく耐酸性に優れていることがわかった。
以上のことから、得られた透明導電性基板上の膜は、透明かつ低抵抗であるとともに、化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐アルカリ性、耐酸性)をも兼ね備えた透明導電膜であることが明らかである。また、耐アルカリ性、耐酸性に優れていることから、パターニングの際には適当なエッチングレートを有することが推測される。
[実施例18]
酸化亜鉛(ZnO、キシダ化学(株)製)、酸化アルミニウム(Al23、住友化学(株)製)、および酸化チタン(TiO(II)、(株)高純度化学研究所製)を、亜鉛元素とアルミニウム元素とチタン元素の元素数比が94.5:0.5:5.0となるように秤量し、原料粉末の混合物を得た。混合操作後、ボールとエタノールを除去して得られた混合粉末を黒鉛からなる金型(ダイス)に入れ、黒鉛からなるパンチにて40MPaの圧力で真空加圧し、1000℃、4時間、加熱処理を行い円盤型の焼結体を得た。(ホットプレス焼結)
この焼結体の相対密度を焼結体のサイズから算出したところ95.8%であった。なお、相対密度は、実施例11と同様にして求めている。得られた焼結体に研削、表面研磨を施し、50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。
得られた焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用い、スパッタリングにより成膜を行った。スパッタ条件は以下のとおりであり、厚さ約500nmの薄膜を得た。
ターゲット寸法 :50.8mmφ 3mm厚
スパッタリング装置 :キャノンアネルバ製 「E-200S」
スパッタ方式 :DCマグネトロンスパッタリング
到達真空度 :2.0×10-4Pa
Ar圧力 :0.5Pa
基板温度 :250℃
スパッタ電力 :30W
使用基板 :ソーダライムガラス(50.8mm×50.8mm×0.5mm)
得られた薄膜を2倍希釈した塩酸に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製「Thermo−6500」)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
また、この透明導電膜について、X線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)を用い薄膜測定用のアタッチメントを使用したX線回折を行うとともに、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いて亜鉛へのチタンのドープ状態を調べ、さらに電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べたところ、C軸配向したウルツ鉱型の単相であり、チタンが亜鉛に置換固溶していることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学(株)製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製「Alpha−Step IQ」を用いて測定し、抵抗率を算出したところ、4.4×10-4Ω・cmであった。表面抵抗は8.8Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜2700nm)で平均59%であった。なお、成膜前の石英ガラス基板の可視領域(380nm〜780nm)における透過率は平均94%であり、赤外領域(780nm〜2700nm)における透過率は平均94%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐湿性に優れることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐熱性に優れることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬前後で膜質に変化はなく耐アルカリ性に優れていることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、浸漬後、膜厚が薄くなっており溶解していたが、浸漬前後で膜質に変化はなく耐酸性に優れていることがわかった。
以上のことから、得られた透明導電性基板上の膜は、透明かつ低抵抗であるとともに、化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐アルカリ性、耐酸性)をも兼ね備えた透明導電膜であることが明らかである。また、耐アルカリ性、耐酸性に優れていることから、パターニングの際には適当なエッチングレートを有することが推測される。
[比較例2]
酸化亜鉛(ZnO、キシダ化学(株)製)、酸化アルミニウム(Al23、住友化学(株)製)、および酸化チタン(TiO(II)、(株)高純度化学研究所製)を、亜鉛元素とアルミニウム元素とチタン元素の元素数比が90.0:7.0:3.0となるように秤量し、ポリプロピレン製の容器に入れ、更に2mmφジルコニア製ボールと混合溶媒としてエタノールを入れた。これをボールミルにより混合し、混合粉末を得た。
混合操作後、ボールとエタノールを除去して得られた混合粉末を金型に入れ、40MPaの圧力で加圧し、円盤型の成形体を得た。これを電気炉に入れ、Ar雰囲気で1300℃で加熱処理を行い、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を焼結体のサイズから算出したところ93.0%であった。なお、相対密度は、実施例11と同様にして求めている。得られた焼結体に研削、表面研磨を施し、50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。
得られた焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用い、スパッタリングにより成膜を行った。スパッタ条件は以下のとおりであり、厚さ約500nmの薄膜を得た。
ターゲット寸法 :50.8mmφ 3mm厚
スパッタリング装置 :キャノンアネルバ製 「E-200S」
スパッタ方式 :DCマグネトロンスパッタリング
到達真空度 :2.0×10-4Pa
Ar圧力 :0.5Pa
基板温度 :250℃
スパッタ電力 :30W
使用基板 :ソーダライムガラス(50.8mm×50.8mm×0.5mm)
得られた薄膜を2倍希釈した塩酸に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製「Thermo−6500」)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
また、この透明導電膜について、X線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)を用い薄膜測定用のアタッチメントを使用したX線回折を行うとともに、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いて亜鉛へのチタンのドープ状態を調べ、さらに電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べたところ、C軸配向したウルツ鉱型の単相であり、チタンが亜鉛に置換固溶していることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学(株)製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製「Alpha−Step IQ」を用いて測定し、抵抗率を算出したところ、8.2×10-3Ω・cmであった。表面抵抗は164Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜2700nm)で平均50%であった。なお、成膜前の石英ガラス基板の可視領域(380nm〜780nm)における透過率は平均94%であり、赤外領域(780nm〜2700nm)における透過率は平均94%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の1.3倍であり、耐湿性に優れることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の1.3倍であり、耐熱性に優れることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬前後で膜質に変化はなく耐アルカリ性に優れていることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、浸漬後、膜厚が薄くなっており溶解していたが、浸漬前後で膜質に変化はなく耐酸性に優れていることがわかった。
以上のことから、得られた透明導電性基板上の膜は、化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐アルカリ性、耐酸性)と耐アルカリ性、耐酸性に優れていることも兼ね備えた透明導電膜であるが、近赤外透過性が低く、高抵抗である。

Claims (6)

  1. 亜鉛とチタンとの合計に対するチタンの原子数比Ti/(Zn+Ti)が0.02を越え0.1以下であり、酸化亜鉛を主成分とし、ガリウムおよびアルミニウムのうち少なくとも一方の酸化物と、酸化チタンとを含み、ガリウムまたはアルミニウムの原子数の割合が全金属原子数に対して0.5%以上6%以下であり、かつ前記酸化チタンが、式TiO2-X(X=0.1〜1)で表される低原子価酸化チタンである酸化物混合体または酸化物焼結体からなることを特徴とする酸化亜鉛系透明導電膜形成材料。
  2. 前記低原子価酸化チタンにおけるチタンの原子価は、2価または3価である、請求項1に記載の酸化亜鉛系透明導電膜形成材料。
  3. 前記酸化物焼結体の相対密度が93%以上である、請求項1または2に記載の酸化亜鉛系透明導電膜形成材料。
  4. スパッタリング法、イオンプレーティング法、パルスレーザ堆積法(PLD法)またはエレクトロンビーム(EB)蒸着法による成膜に用いられるターゲットであって、請求項1〜3のいずれかに記載の酸化亜鉛系透明導電膜形成材料を加工して得られることを特徴とするターゲット。
  5. 請求項4に記載のターゲットを用いて、スパッタリング法、イオンプレーティング法、パルスレーザ堆積法(PLD法)またはエレクトロンビーム(EB)蒸着法により酸化亜鉛系透明導電膜を形成することを特徴とする方法。
  6. 透明基材上に、請求項5に記載の透明導電膜の形成方法により形成された酸化亜鉛系透明導電膜を備えることを特徴とする透明導電性基板。
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JP2011222687A (ja) * 2010-04-08 2011-11-04 Tosoh Corp 太陽電池
WO2017122618A1 (ja) * 2016-01-15 2017-07-20 住友化学株式会社 非晶質複合金属酸化物の製造方法

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