JP2012143228A - 油脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)遊離型トリテルペンアルコールを0.02〜1.8質量%、(B)脂肪酸エステル型トリテルペンアルコールを1.4質量%以下含有し、成分(A)と(B)の含有質量比[(A)/(B)]が1より大きい油脂組成物。
【選択図】なし
Description
しかし、保存状況によっては濁りが生じる場合があることが判明した。また、例えば、揚げ物に使用すると、揚げ種本来の風味が感じ難く、また、炒め物に使用すると、食感が悪く感じられる場合があった。そこで、本発明者らは斯かる問題についてさらに鋭意研究したところ、油脂組成物におけるトリテルペンアルコールの含有量を一定範囲にし、かつ遊離型トリテルペンアルコールの割合を脂肪酸エステル型よりも多くすれば、低温下でも透明性を保ち外観が良好で、揚げ種本来の良好な風味が感じられ、また、食感が改善して、加熱調理用油脂として良好な性能を有する油脂組成物が得られることを見出した。また、素材特有の生臭みを抑制できることを見出した。
トリテルペンアルコールは、米(米糠)、米油(米糠油)、又は米油以外のトリテルペンアルコールを含有する油脂、油脂加工品からの抽出、γ−オリザノールの加水分解等によって得ることができる。また、市販品を用いることもでき、市販品としては、例えば、オリザトリテルペノイド−P(オリザ油化(株))等が挙げられる。
脂肪酸エステル型トリテルペンアルコールとしては、さらに、シクロアルテノールのオレイン酸エステル、シクロアルテノールのリノール酸エステル、シクロアルテノールのα−リノレン酸エステル、シクロアルテノールのステアリン酸エステル、シクロアルテノールのパルミチン酸エステル、24−メチレンシクロアルタノールのオレイン酸エステル、24−メチレンシクロアルタノールのリノール酸エステル、24−メチレンシクロアルタノールのα−リノレン酸エステル、24−メチレンシクロアルタノールのパルミチン酸エステル及び24−メチレンシクロアルタノールのステアリン酸エステルから選ばれる1種又は2種以上であるのが好ましく、シクロアルテノールのリノール酸エステル、シクロアルテノールのα−リノレン酸エステル、24−メチレンシクロアルタノールのオレイン酸エステル、24−メチレンシクロアルタノールのリノール酸エステル、24−メチレンシクロアルタノールのα−リノレン酸エステル及び24−メチレンシクロアルタノールのパルミチン酸エステルから選ばれる1種又は2種以上であるのがさらに好ましい。
さらに、油脂組成物中の遊離型トリテルペンアルコールの含有量は、0.05〜1.6%、さらに0.15〜1.55%、さらに0.3〜1.5%、さらに、0.4〜1%、さらに0.5〜0.75%であるのが、苦味を低減する点、耐冷性の点から好ましい。
油脂組成物中のシクロアルテノールの含有量は、0.003〜1.8%、さらに0.004〜1.62%、さらに0.005〜1.44%、さらに0.0075〜1.4%、さらに0.01〜1.35%、さらに0.015〜0.9%、さらに0.03〜0.68%であるのが、同様の点から好ましい。
油脂組成物中の24−メチレンシクロアルタノールの含有量は、0.001〜1.53%、さらに0.002〜1.44%、さらに0.004〜1.35%であるのが、同様の点から好ましい。
さらに、脂肪酸エステル型トリテルペンアルコールは、油脂組成物中に0.01〜1.4%、さらに0.01〜0.5%、さらに0.05〜0.5%、さらに0.1〜0.5%、さらに0.2〜0.4%であるのが、風味を良好とする点、食感を改善する点、苦味の抑制の点、肉の生臭みの抑制の点、生理効果の点から好ましい。
油脂組成物中のシクロアルテノールの脂肪酸エステルの含有量は、0.0015〜1.4%、さらに0.002〜1.26%、さらに0.0025〜1.12%であるのが、同様の点から好ましい。
油脂組成物中の24−メチレンシクロアルタノールの脂肪酸エステルの含有量は、0.0005〜1.19%、さらに0.001〜1.12%、さらに0.002〜1.05%であるのが、同様の点から好ましい。
ここで、γ−オリザノールは、米油、トウモロコシ油、その他の穀類の糠油中に存在する物質で、植物性ステロールのフェルラ酸(3−メトキシ−4−ヒドロキシ桂皮酸)エステルの総称である。ここで、植物性ステロールとしては、上記トリテルペンアルコールや、トリテルペンアルコール以外の植物性ステロール、例えば、α−シトステロール、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、α−シトスタノール、β−シトスタノール、スチグマスタノール、カンペスタノール、ブラシカステロール、フコステロール、イソフコステロール、スピナステロール、アベナステロール等が挙げられる。γ−オリザノールは、単一化合物として用いることもできるし、混合物として用いることもできる。
γ−オリザノールとしては、シクロアルテノ−ルフェルラ酸エステル、24−メチレンシクロアルタノールフェルラ酸エステル、シクロブラノールフェルラ酸エステル、シクロサドールフェルラ酸エステル、β−シトステロールフェルラ酸エステル、スチグマステロールフェルラ酸エステル及びカンペステロールフェルラ酸エステルから選ばれる1種又は2種以上を含有するものが好ましい。
本発明の油脂組成物は、モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、及びトリアシルグリセロールのいずれか1種以上を油脂として含むものであるが、油脂組成物中、ジアシルグリセロールの含有量は、9%以下が好ましく、さらに0.1〜7%、さらに0.2〜5%であるのが油脂の工業的生産性の点から好ましい。また、モノアシルグリセロールの含有量は風味を良好とする点から、3%以下が好ましく、さらに0〜2%が好ましい。トリアシルグリセロールの含有量は88〜100%が好ましく、さらに90〜99.5%、さらに92〜99%であるのが油脂の工業的生産性の点から好ましい。
<1>(A)遊離型トリテルペンアルコールを0.02〜1.8%、(B)脂肪酸エステル型トリテルペンアルコールを1.4%以下含有し、成分(A)と(B)の含有質量比[(A)/(B)]が1より大きい油脂組成物。
<2>(A)遊離型トリテルペンアルコールの含有量が、好ましくは0.05%以上、さらに好ましくは0.1%以上、さらに好ましくは0.15%以上、さらに好ましくは0.2%以上、さらに好ましくは0.3%以上、さらに好ましくは0.4%以上、さらに好ましくは0.5%以上である、前記<1>に記載の油脂組成物。
<3>(A)遊離型トリテルペンアルコールの含有量が、好ましくは1.6%以下、さらに好ましくは1.55%以下、さらに好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.75%以下である、前記<1>又は<2>に記載の油脂組成物。
<4>(A)遊離型トリテルペンアルコールの含有量が、好ましくは0.05〜1.6%、さらに好ましくは0.15〜1.55%、さらに好ましくは0.3〜1.5%、さらに好ましくは0.4〜1%、さらに好ましくは0.5〜0.75%である、前記<1>に記載の油脂組成物。
<5>(A)遊離型トリテルペンアルコールが、シクロアルテノール、24−メチレンシクロアルタノール、シクロブラノール、シクロアルタノール、シクロサドール、シクロラウデノール、ブチロスペリモール及びパルケオールから選ばれる1種又は2種以上であり、好ましくはシクロアルテノール、24−メチレンシクロアルタノール及びシクロブラノールから選ばれる1種又は2種以上であり、さらに好ましくはシクロアルテノール、24−メチレンシクロアルタノール又はこれらの組み合わせである、前記<1>〜<4>の1に記載の油脂組成物。
<6>(A)遊離型トリテルペンアルコール中のシクロアルテノールの含有量が、15〜100%、好ましくは20〜90%、さらに好ましくは25〜80%である、前記<5>に記載の油脂組成物。
<7>油脂組成物中のシクロアルテノールの含有量が、0.003〜1.8%、好ましくは0.004〜1.62%、さらに好ましくは0.005〜1.44%、さらに好ましくは0.0075〜1.4%、さらに好ましくは0.01〜1.35%、さらに好ましくは0.015〜0.9%、さらに好ましくは0.03〜0.68%である、前記<5>又は<6>に記載の油脂組成物。
<8>(A)遊離型トリテルペンアルコール中の24−メチレンシクロアルタノールの含有量が、5〜85%、好ましくは10〜80%、さらに好ましくは20〜75%である、前記<5>〜<7>の1に記載の油脂組成物。
<9>油脂組成物中の24−メチレンシクロアルタノールの含有量が、0.001〜1.53%、好ましくは0.002〜1.44%、さらに好ましくは0.004〜1.35%である、前記<5>〜<8>の1に記載の油脂組成物。
<11>(B)脂肪酸エステル型トリテルペンアルコールの含有量が、好ましくは0.01%以上、さらに好ましくは0.05%以上、さらに好ましくは0.1%以上、さらに好ましくは0.2%以上である、前記<1>〜<10>の1に記載の油脂組成物。
<12>(B)脂肪酸エステル型トリテルペンアルコールの含有量が、好ましくは0.01〜1.4%、さらに好ましくは0.01〜0.5%、さらに好ましくは0.05〜0.5%、さらに好ましくは0.1〜0.5%、さらに好ましくは0.2〜0.4%である、前記<1>〜<9>の1に記載の油脂組成物。
<13>(B)脂肪酸エステル型トリテルペンアルコールが、シクロアルテノールの脂肪酸エステル、24−メチレンシクロアルタノールの脂肪酸エステル、シクロブラノールの脂肪酸エステル、シクロアルタノールの脂肪酸エステル、シクロサドールの脂肪酸エステル、シクロラウデノールの脂肪酸エステル、ブチロスペリモールの脂肪酸エステル及びパルケオールの脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上であり、好ましくはシクロアルテノールの脂肪酸エステル、24−メチレンシクロアルタノールの脂肪酸エステル及びはシクロブラノールの脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上であり、さらに好ましくはシクロアルテノールの脂肪酸エステル、24−メチレンシクロアルタノールの脂肪酸エステル又はこれらの組み合わせである、前記<1>〜<12>の1に記載の油脂組成物。
<14>(B)脂肪酸エステル型トリテルペンアルコール中のシクロアルテノールの脂肪酸エステルの含有量が、15〜100%、好ましくは20〜90%、さらに好ましくは25〜80%である、前記<13>に記載の油脂組成物。
<15>油脂組成物中のシクロアルテノールの脂肪酸エステルの含有量が、0.0015〜1.4%、好ましくは0.002〜1.26%、さらに好ましくは0.0025〜1.12%である、前記<13>又は<14>に記載の油脂組成物。
<16>(B)脂肪酸エステル型トリテルペンアルコール中の24−メチレンシクロアルタノールの脂肪酸エステルの含有量が、5〜85%、好ましくは10〜80%、さらに好ましくは20〜75%である、前記<13>〜<15>の1に記載の油脂組成物。
<17>油脂組成物中の24−メチレンシクロアルタノールの脂肪酸エステルの含有量が、0.0005〜1.19%、好ましくは0.001〜1.12%、さらに好ましくは0.002〜1.05%である、前記<13>〜<16>の1に記載の油脂組成物。
<20>γ−オリザノールの含有量が、0〜0.5%、さら好ましくは0.0002〜0.15%、さらに好ましくは0.0002〜0.1%、さらに好ましくは0.001〜0.1%、さらに好ましくは0.001〜0.05%である、前記<1>〜<18>の1に記載の油脂組成物。
<22>トリアシルグリセロールの含有量が88〜100%、好ましくは90〜99.5%、さらに好ましくは92〜99%である、前記<1>〜<21>の1に記載の油脂組成物。
<23>油脂を構成する脂肪酸の60〜100%、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは75〜100%、さらに好ましくは80〜98%が不飽和脂肪酸である、前記<1>〜<22>の1に記載の油脂組成物。
<24>さらに抗酸化剤を、0.01〜2%、好ましくは0.01〜1%、さらに好ましくは0.01〜0.5%含有する、前記<1>〜<23>の1に記載の油脂組成物。
<25>抗酸化剤が、天然抗酸化剤、トコフェロール、アスコルビルパルミテート、アスコルビルステアレート、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールから選ばれる1種又は2種以上であり、好ましくは天然抗酸化剤、トコフェロール及びアスコルビルパルミテートから選ばれる1種又は2種以上であり、さらに好ましくはトコフェロールとアスコルビルパルミテートの併用である、前記<24>に記載の油脂組成物。
<27>加熱調理用油脂としての前記<26>に記載の使用。
<28>揚げ物、炒め物又は焼き物の調理用油脂としての前記<26>に記載の使用。
<30>脂肪酸エステル型トリテルペンアルコールが、シクロアルテノールの脂肪酸エステル、24−メチレンシクロアルタノールの脂肪酸エステル、シクロブラノールの脂肪酸エステル、シクロアルタノールの脂肪酸エステル、シクロサドールの脂肪酸エステル、シクロラウデノールの脂肪酸エステル、ブチロスペリモールの脂肪酸エステル及びパルケオールの脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上であり、好ましくはシクロアルテノールの脂肪酸エステル、24−メチレンシクロアルタノールの脂肪酸エステル及びシクロブラノールの脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上であり、さらに好ましくはシクロアルテノールの脂肪酸エステル、24−メチレンシクロアルタノールの脂肪酸エステル又はこれらの組み合わせである、前記<29>に記載の使用。
<31>脂肪酸エステル型トリテルペンアルコール中のシクロアルテノールの脂肪酸エステルの含有量が、15〜100%、好ましくは20〜90%、さらに好ましくは25〜80%である、前記<29>又は<30>に記載の使用。
(i)油脂のグリセリド組成
ガラス製サンプル瓶に、油脂サンプル約10mgとトリメチルシリル化剤(「シリル化剤TH」、関東化学製)0.5mLを加え、密栓し、70℃で15分間加熱した。これに水1.0mLとヘキサン1.5mLを加え、振とうした。静置後、上層をガスクロマトグラフィー(GLC)に供して分析した。
<GLC分析条件>
カラム:DB−1ht 10.0m×0.25mm×0.10μm (Agilent)
インジェクター:340℃、スプリット比50:1
ディテクター:350℃(FID)
キャリアガス:ヘリウム、1mL/分
オーブン温度:80℃→(10℃/分)→340℃ (20分間保持)
日本油化学会編「基準油脂分析試験法」中の「脂肪酸メチルエステルの調製法(2.4.1.−1996)」に従って脂肪酸メチルエステルを調製し、得られたサンプルを、American Oil Chemists. Society Official Method Ce 1f−96(GLC法)により測定した。
<GLC分析条件>
カラム:CP−SIL88 100m×0.25mm×0.2μm (VARIAN)
インジェクター:250℃、スプリット比200:1
ディテクター:250℃(FID)
キャリアガス:ヘリウム、1mL/分
オーブン温度:174℃(50分保持)→(5℃/分)→220℃ (25分間保持)
三角フラスコに、油脂サンプル約5gと2N水酸化カリウム/エタノール溶液約20mLを加え、80℃で60分間加熱した。室温まで放冷した後、内部標準(コレステロール)と水15mLとヘキサン10mLを加え、振とうした。静置後、上層を分取し、濃縮した。濃縮物にトリメチルシリル化剤(「シリル化剤TH」、関東化学製)0.5mLを加え、密栓し、70℃で30分間加熱した。これに水1.0mLとヘキサン1.5mLを加え、振とうした。静置後、上層をガスクロマトグラフィー(GLC)に供して分析し、総トリテルペンアルコール量(質量%)を測定した。
<GLC分析条件>
カラム:DB−1ht 10.0m×0.25mm×0.10μm (Agilent)
インジェクター:340℃、スプリット比80:1
ディテクター:350℃(FID)
キャリアガス:ヘリウム、1mL/分
オーブン温度:200℃→(10℃/分)→340℃ (10分間保持)
油脂サンプル約500mgをヘキサン約5mLに溶解し、SPEカートリッジ(Sep−Pak Silica、5g、GLサイエンス社)にチャージした。ヘキサン/エーテル(体積比95/5)約40mLで洗浄した後、エタノール/エーテル/ヘキサン(体積比50/25/25)約40mLで溶出し、エタノール/エーテル/ヘキサン溶出画分を分取した。得られた画分から溶媒を留去し、PTLC(Si60、20×20×0.1cm、Merck社)にチャージした。ヘキサン/エーテル/酢酸(体積比90/10/2)、クロロホルム/エーテル(体積比95/5)で順に展開した後、遊離型トリテルペンアルコール部分を分取した。分取した遊離型トリテルペンアルコール画分とトリメチルシリル化剤(「シリル化剤TH」、関東化学製)0.5mLを加え、密栓し、70℃で30分間加熱した。これに水1.0mLとヘキサン1.5mLを加え、振とうした。静置後、上層をガスクロマトグラフィー(GLC)に供して分析し、遊離型トリテルペンアルコール量(質量%)を測定した。GLC分析条件は、(iii)と同じものを用いた。
油脂サンプル約100mgを酢酸エチルに溶解して10mLとし、HPLC法により分析した。
<HPLC分析条件>
カラム:Inertsil ODS−3 4.6mm×250mm、5μm(GLサイエンス)
カラム温度:40℃
流速:1.2mL/分
検出:UV325nm
溶離液:アセトニトリル/ブタノール/酢酸(体積比82/3/2)
総トリテルペンアルコール量から、遊離型トリテルペンアルコール量と遊離型に換算したγ―オリザノール量を減算し、遊離型に換算した脂肪酸エステル型トリテルペンアルコール量を算出した。遊離型から脂肪酸エステル型へ換算を行い、脂肪酸エステル型トリテルペンアルコール量(質量%)とした。なお、遊離型から脂肪酸エステル型への換算を行う場合には、結合脂肪酸をオレイン酸と仮定して計算した。
(iv)遊離型トリテルペンアルコールと同様にして油脂サンプルから4−デスメチルステロール部分を分取し、ガスクロマトグラフィー(GLC)に供して分析した。
〔油脂組成物の調製〕
遊離型トリテルペンアルコールは、市販のトリテルペンアルコール製剤(オリザ油化「オリザトリテルペノイドP」、トリテルペンアルコール59%)を用いた。本品の成分組成は、カンペステロール21%、β−シトステロール15%、スチグマステロール3%、シクロアルテノール22%、24−メチレンシクロアルタノール37%である。
脂肪酸エステル型トリテルペンアルコールは、市販のトリテルペンアルコール脂肪酸エステル(築野食品工業「ライステロールエステル」、トリテルペンアルコールエステル31%)を精製して用いた。本品の成分組成は、シクロアルテノールエステル12%、24−メチレンシクロアルタノールエステル12%、シクロブラノールエステル7%、カンペステロールエステル14%、β−シトステロールエステル15%、スチグマステロールエステル4%である。
植物性ステロール(4−デスメチルステロール)は、市販の植物性ステロール製剤(タマ生化学工業(株)「フィトステロールS」、フィトステロール97%)を用いた。本品の成分組成は、ブラシカステロール5%、カンペステロール25%、スチグマステロール21%、β−シトステロール46%である。
なお、菜種白絞油のグリセリド組成及び脂肪酸組成は、表1に示すとおりであった。また、菜種白絞油中の遊離型及び脂肪酸エステル型トリテルペンアルコール含量及びγ−オリザノール含量は0%であった。
前記の各油脂組成物を用いて、下記の方法により、天ぷら調理を行った。
油量:600g(中華鍋)
油温:180℃、ガスコンロ(中火)加熱
揚げ種:エビ(ブラックタイガー)8尾
レンコン(スライス)8枚
カボチャ(スライス)8枚
ピーマン(1個を1/2切)8個
ししとう(丸ごと)8個
大葉(丸ごと)8枚
なす(1個を1/2切)8個
衣:小麦粉100g
卵50g
水150g
5℃で1日保存した際の外観をパネル9名が下記の評価基準で評価し、その平均値を耐冷性の評点とした。結果を表2及び3に示す。
(耐冷性)
5:非常に良好
4:良好
3:概ね良好だが、わずかに霞がかっている
2:やや劣り、若干霞がかっている
1:劣り、白濁している
フライ調理品の風味をパネル9名が下記の評価基準で評価し、その平均値をその天ぷらの評点とした。なお、苦味については、ピーマン、ししとうの調理品を評価した。結果を表2及び3に示す。
(苦味)
5:苦味がない
4:苦味がかなり減少
3:苦味が減少
2:苦味がわずかに減少
1:苦味がある
(全体の風味)
5:揚げ種の風味が感じられる
4:揚げ種の風味がかなり感じられる
3:揚げ種の風味がやや感じられる
2:揚げ種の風味があまり感じられない
1:揚げ種の風味が感じられない
これに対し、トリテルペンアルコールのうち遊離型を多く含む油脂は、耐冷性に劣り(比較例3、7)、特に脂肪酸エステル型も多くなると低温保存時に白濁が生じた(比較例9−11)。
また、菜種白絞油(比較例1)や遊離型の含量が少ない油脂(比較例2)を使用した揚げ物は、揚げ種の苦味がそのまま残り、4−デスメチルステロールを含む油脂(比較例12)においても揚げ種の苦味がそのまま残った。また、脂肪酸エステル型が多くなると、揚げ種の風味をマスキングしてしまい、揚げ種本来の良好な風味を感じ難くなった(比較例8−11)。また、遊離型に対する脂肪酸エステル型の比率が大きくなると、苦味の抑制が低減され、揚げ種本来の良好な風味を感じ難くなった(比較例4−6、8、9)。
上記で調製した油脂のうち表4に記載した油脂を用い、下記方法にてチャーハンを作製した。
鉄製フライパン(直径24cm)に油脂組成物9gを入れ、中火で加熱し、長葱(10g)、卵(40g)を炒めた後、冷えたご飯(300g)を炒め、塩(1g)、醤油(2.5mL)で味付けした。得られたチャーハンの風味(長葱の苦味)、米粒の食感をパネル9名が下記の評価基準で評価し、その平均値をそのチャーハンの評点とした。結果を表4に示す。
(苦味)
5:苦味がない
4:苦味がかなり減少
3:苦味が減少
2:苦味がわずかに減少
1:苦味がある
(米粒の食感)
5:パラパラとほぐれ、美味しい
4:わずかにかたまりを生じる
3:ややかたまりが生じる
2:かたまりが生じ、ややベタベタする
1:かたまりが生じ、ベタベタする
これに対し、遊離型に比べ脂肪酸エステル型を多く含む油脂(比較例13)においては、米粒が粘ついた。
上記で調製した油脂のうち表4に記載した油脂を用い、下記方法にてヒレカツ調理を行った。
油量:600g(中華鍋)
油温:180℃、ガスコンロ(中火)加熱
揚げ種:豚ヒレ(4枚×3回)
下準備:塩コショウで味付け後、卵、小麦粉、パン粉をまぶした
フライ調理品の風味をパネル9名が下記の評価基準で評価し、その平均値をその天ぷらの評点とした。結果を表5に示す
(肉の生臭み)
5:生臭みがない
4:生臭みがかなり減少
3:生臭みが減少
2:生臭みがわずかに減少
1:生臭みがある
(全体の風味)
5:揚げ種の風味が感じられる
4:揚げ種の風味がかなり感じられる
3:揚げ種の風味がやや感じられる
2:揚げ種の風味があまり感じられない
1:揚げ種の風味が感じられない
また、菜種白絞油(比較例14)を使用した揚げ物は、揚げ種の生臭みがそのまま残った。また、脂肪酸エステル型が多くなると、揚げ種本来の風味を感じ難くなった(比較例15−16)。
Claims (11)
- (A)遊離型トリテルペンアルコールを0.02〜1.8質量%、(B)脂肪酸エステル型トリテルペンアルコールを1.4質量%以下含有し、成分(A)と(B)の含有質量比[(A)/(B)]が1より大きい油脂組成物。
- (A)遊離型トリテルペンアルコールを0.05〜1.6質量%含有する請求項1に記載の油脂組成物。
- (A)遊離型トリテルペンアルコールを0.15〜1.55質量%含有する請求項1に記載の油脂組成物。
- (A)遊離型トリテルペンアルコールを0.3〜1.5質量%、(B)脂肪酸エステル型トリテルペンアルコールを0.01〜0.5質量%含有し、成分(A)と(B)の含有質量比[(A)/(B)]が1.2〜20である油脂組成物。
- (A)遊離型トリテルペンアルコールが、シクロアルテノール、24−メチレンシクロアルタノール及びシクロブラノールから選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜4のいずれか1項記載の油脂組成物。
- 遊離型トリテルペンアルコール中のシクロアルテノールの含有量が15〜100質量%である請求項5に記載の油脂組成物。
- シクロアルテノールの含有量が0.003〜1.8質量%である請求項5又は6記載の油脂組成物。
- 24−メチレンシクロアルタノールの含有量が0.001〜1.53質量%である請求項5〜7のいずれか1項記載の油脂組成物。
- トリアシルグリセロールの含有量が88〜100質量%である請求項1〜8のいずれか1項記載の油脂組成物。
- γ−オリザノールの含有量が0.7質量%以下である請求項1〜9のいずれか1項記載の油脂組成物。
- 食用油脂組成物である請求項1〜10のいずれか1項記載の油脂組成物。
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