以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、ここでは、本発明を、病院における放射線科部門で取り扱われる情報を統括的に管理するシステムである放射線情報システムに適用した場合の形態例について説明する。
まず、図1を参照して、本実施の形態に係る放射線情報システム(以下、「RIS」(Radiology Information System)という。)100の構成について説明する。
RIS100は、放射線科部門内における、診療予約、診断記録等の情報管理を行うためのシステムであり、病院情報システム(以下、「HIS」(Hospital Information System)という。)の一部を構成する。
RIS100は、複数台の撮影依頼端末装置(以下、「端末装置」という。)140、RISサーバ150、および病院内の放射線撮影室(あるいは手術室)の個々に設置された放射線画像撮影システム(以下、「撮影システム」という。)104を有しており、これらが有線や無線のLAN(Local Area Network)等から成る病院内ネットワーク102に各々接続されて構成されている。なお、RIS100は、同じ病院内に設けられたHISの一部を構成しており、病院内ネットワーク102には、HIS全体を管理するHISサーバ(図示省略。)も接続されている。
端末装置140は、医師や放射線技師が、診断情報や施設予約の入力、閲覧等を行うためのものであり、放射線画像の撮影依頼や撮影予約もこの端末装置140を介して行われる。各端末装置140は、表示装置を有するパーソナル・コンピュータを含んで構成され、RISサーバ150と病院内ネットワーク102を介して相互通信が可能とされている。
一方、RISサーバ150は、各端末装置140からの撮影依頼を受け付け、撮影システム104における放射線画像の撮影スケジュールを管理するものであり、データベース150Aを含んで構成されている。
データベース150Aは、患者(被検者)の属性情報(氏名、性別、生年月日、年齢、血液型、体重、患者ID(Identification)等)、病歴、受診歴、過去に撮影した放射線画像等の患者に関する情報、撮影システム104で用いられる、後述する電子カセッテ40の識別番号(ID情報)、型式、サイズ、感度、使用開始年月日、使用回数等の電子カセッテ40に関する情報、および電子カセッテ40を用いて放射線画像を撮影する環境、すなわち、電子カセッテ40を使用する環境(一例として、放射線撮影室や手術室等)を示す環境情報を含んで構成されている。
撮影システム104は、RISサーバ150からの指示に応じて医師や放射線技師の操作により放射線画像の撮影を行う。撮影システム104は、放射線源121(図2も参照。)から曝射条件に従った線量とされた放射線X(図6も参照。)を被検者に照射する放射線発生装置120と、被検者の撮影対象部位を透過した放射線Xを吸収して電荷を発生し、発生した電荷量に基づいて放射線画像を示す画像情報を生成する放射線検出器20(図6も参照。)を内蔵する電子カセッテ40と、電子カセッテ40に内蔵されているバッテリを充電するクレードル130と、電子カセッテ40および放射線発生装置120を制御するコンソール110と、を備えている。
コンソール110は、RISサーバ150からデータベース150Aに含まれる各種情報を取得して後述するHDD116(図8参照。)に記憶し、必要に応じて当該情報を用いて、電子カセッテ40および放射線発生装置120の制御を行う。
図2には、本実施の形態に係る撮影システム104の放射線撮影室180における各装置の配置状態の一例が示されている。
同図に示すように、放射線撮影室180には、立位での放射線撮影を行う際に用いられる立位台160と、臥位での放射線撮影を行う際に用いられる臥位台164とが設置されており、立位台160の前方空間は立位での放射線撮影を行う際の被検者の撮影位置170とされ、臥位台164の上方空間は臥位での放射線撮影を行う際の被検者の撮影位置172とされている。
立位台160には電子カセッテ40を保持する保持部162が設けられており、立位での放射線画像の撮影を行う際には、電子カセッテ40が保持部162に保持される。同様に、臥位台164には電子カセッテ40を保持する保持部166が設けられており、臥位での放射線画像の撮影を行う際には、電子カセッテ40が保持部166に保持される。
また、放射線撮影室180には、単一の放射線源121からの放射線によって立位での放射線撮影も臥位での放射線撮影も可能とするために、放射線源121を、水平な軸回り(図2の矢印a方向)に回動可能で、鉛直方向(図2の矢印b方向)に移動可能で、さらに水平方向(図2の矢印c方向)に移動可能に支持する支持移動機構124が設けられている。ここで、支持移動機構124は、放射線源121を水平な軸回りに回動させる駆動源と、放射線源121を鉛直方向に移動させる駆動源と、放射線源121を水平方向に移動させる駆動源を各々備えている(何れも図示省略。)。
一方、クレードル130には、電子カセッテ40を収納可能な収容部130Aが形成されている。
電子カセッテ40は、未使用時にはクレードル130の収容部130Aに収納された状態で内蔵されているバッテリに充電が行われ、放射線画像の撮影時には放射線技師等によってクレードル130から取り出され、撮影姿勢が立位であれば立位台160の保持部162に保持され、撮影姿勢が臥位であれば臥位台164の保持部166に保持される。
ここで、本実施の形態に係る撮影システム104では、放射線発生装置120とコンソール110との間、および電子カセッテ40とコンソール110との間で、無線通信によって各種情報の送受信を行う。
なお、電子カセッテ40は、立位台160の保持部162や臥位台164の保持部166で保持された状態のみで使用されるものではなく、その可搬性から、腕部,脚部等を撮影する際には、保持部に保持されていない状態で使用することもできる。
次に、本実施の形態に係る放射線検出器20の構成について説明する。図3は、本実施の形態に係る放射線検出器20の3画素部分の構成を概略的に示す断面模式図である。
同図に示すように、本実施の形態に係る放射線検出器20は、絶縁性の基板1上に、信号出力部14、センサ部13、およびシンチレータ8が順次積層しており、信号出力部14、センサ部13により画素が構成されている。画素は、基板1上に複数配列されており、各画素における信号出力部14とセンサ部13とが重なりを有するように構成されている。
シンチレータ8は、センサ部13上に透明絶縁膜7を介して形成されており、上方(基板1の反対側)または下方から入射してくる放射線を光に変換して発光する蛍光体を成膜したものである。このようなシンチレータ8を設けることで、被写体を透過した放射線を吸収して発光することになる。
シンチレータ8が発する光の波長域は、可視光域(波長360nm〜830nm)であることが好ましく、この放射線検出器20によってモノクロ撮像を可能とするためには、緑色の波長域を含んでいることがより好ましい。
シンチレータ8に用いる蛍光体としては、具体的には、放射線としてX線を用いて撮像する場合、ヨウ化セシウム(CsI)を含むものが好ましく、X線照射時の発光スペクトルが420nm〜700nmにあるCsI(Tl)(タリウムが添加されたヨウ化セシウム)を用いることが特に好ましい。なお、CsI(Tl)の可視光域における発光ピーク波長は565nmである。
センサ部13は、上部電極6、下部電極2、および当該上下の電極間に配置された光電変換膜4を有し、光電変換膜4は、シンチレータ8が発する光を吸収して電荷が発生する有機光電変換材料により構成されている。
上部電極6は、シンチレータ8により生じた光を光電変換膜4に入射させる必要があるため、少なくともシンチレータ8の発光波長に対して透明な導電性材料で構成することが好ましく、具体的には、可視光に対する透過率が高く、抵抗値が小さい透明導電性酸化物(TCO;TransparentConducting Oxide)を用いることが好ましい。なお、上部電極6としてAuなどの金属薄膜を用いることもできるが、透過率を90%以上得ようとすると抵抗値が増大し易いため、TCOの方が好ましい。例えば、ITO、IZO、AZO、FTO、SnO2、TiO2、ZnO2等を好ましく用いることができ、プロセス簡易性、低抵抗性、透明性の観点からはITOが最も好ましい。なお、上部電極6は、全画素で共通の一枚構成としてもよく、画素毎に分割してもよい。
光電変換膜4は、有機光電変換材料を含み、シンチレータ8から発せられた光を吸収し、吸収した光に応じた電荷を発生する。このように有機光電変換材料を含む光電変換膜4であれば、可視域にシャープな吸収スペクトルを持ち、シンチレータ8による発光以外の電磁波が光電変換膜4に吸収されることがほとんどなく、X線等の放射線が光電変換膜4で吸収されることによって発生するノイズを効果的に抑制することができる。
光電変換膜4を構成する有機光電変換材料は、シンチレータ8で発光した光を最も効率よく吸収するために、その吸収ピーク波長が、シンチレータ8の発光ピーク波長と近いほど好ましい。有機光電変換材料の吸収ピーク波長とシンチレータ8の発光ピーク波長とが一致することが理想的であるが、双方の差が小さければシンチレータ8から発された光を十分に吸収することが可能である。具体的には、有機光電変換材料の吸収ピーク波長と、シンチレータ8の放射線に対する発光ピーク波長との差が、10nm以内であることが好ましく、5nm以内であることがより好ましい。
このような条件を満たすことが可能な有機光電変換材料としては、例えばキナクリドン系有機化合物およびフタロシアニン系有機化合物が挙げられる。例えばキナクリドンの可視域における吸収ピーク波長は560nmであるため、有機光電変換材料としてキナクリドンを用い、シンチレータ8の材料としてCsI(Tl)を用いれば、上記ピーク波長の差を5nm以内にすることが可能となり、光電変換膜4で発生する電荷量をほぼ最大にすることができる。
次に、本実施の形態に係る放射線検出器20に適用可能な光電変換膜4について具体的に説明する。
本実施の形態に係る放射線検出器20における電磁波吸収/光電変換部位は、1対の電極2,6と、当該電極2,6間に挟まれた有機光電変換膜4を含む有機層により構成することができる。この有機層は、より具体的には、電磁波を吸収する部位、光電変換部位、電子輸送部位、正孔輸送部位、電子ブロッキング部位、正孔ブロッキング部位、結晶化防止部位、電極、および層間接触改良部位等の積み重ね、もしくは混合により形成することができる。
上記有機層は、有機p型化合物または有機n型化合物を含有することが好ましい。
有機p型半導体(化合物)は、主に正孔輸送性有機化合物に代表されるドナー性有機半導体(化合物)であり、電子を供与しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物をいう。したがって、ドナー性有機化合物としては、電子供与性のある有機化合物であれば、いずれの有機化合物も使用可能である。
有機n型半導体(化合物)は、主に電子輸送性有機化合物に代表されるアクセプター性有機半導体(化合物)であり、電子を受容しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは、2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物をいう。したがって、アクセプター性有機化合物は、電子受容性のある有機化合物であれば、いずれの有機化合物も使用可能である。
この有機p型半導体および有機n型半導体として適用可能な材料、および光電変換膜4の構成については、特開2009−32854号公報において詳細に説明されているため、説明を省略する。なお、光電変換膜4は、さらにフラーレン若しくはカーボンナノチューブを含有させて形成してもよい。
光電変換膜4の厚みは、シンチレータ8からの光を吸収する点では膜厚は大きいほど好ましいが、ある程度以上厚くなると光電変換膜4の両端から印加されるバイアス電圧により光電変換膜4に発生する電界の強度が低下して電荷が収集できなくなるため、30nm以上300nm以下が好ましく、より好ましくは、50nm以上250nm以下、特に好ましくは80nm以上200nm以下である。
なお、図3に示す放射線検出器20では、光電変換膜4は、全画素で共通の一枚構成であるが、画素毎に分割してもよい。
下部電極2は、画素毎に分割された薄膜とする。下部電極2は、透明または不透明の導電性材料で構成することができ、アルミニウム、銀等を好適に用いることができる。
下部電極2の厚みは、例えば、30nm以上300nm以下とすることができる。
センサ部13では、上部電極6と下部電極2の間に所定のバイアス電圧を印加することで、光電変換膜4で発生した電荷(正孔、電子)のうちの一方を上部電極6に移動させ、他方を下部電極2に移動させることができる。本実施の形態の放射線検出器20では、上部電極6に配線が接続され、この配線を介してバイアス電圧が上部電極6に印加されるものとする。また、バイアス電圧は、光電変換膜4で発生した電子が上部電極6に移動し、正孔が下部電極2に移動するように極性が決められているものとするが、この極性は逆であってもよい。
各画素を構成するセンサ部13は、少なくとも下部電極2、光電変換膜4、および上部電極6を含んでいればよいが、暗電流の増加を抑制するため、電子ブロッキング膜3および正孔ブロッキング膜5の少なくともいずれかを設けることが好ましく、両方を設けることがより好ましい。
電子ブロッキング膜3は、下部電極2と光電変換膜4との間に設けることができ、下部電極2と上部電極6間にバイアス電圧を印加したときに、下部電極2から光電変換膜4に電子が注入されて暗電流が増加してしまうのを抑制することができる。
電子ブロッキング膜3には、電子供与性有機材料を用いることができる。
実際に電子ブロッキング膜3に用いる材料は、隣接する電極の材料および隣接する光電変換膜4の材料等に応じて選択すればよく、隣接する電極の材料の仕事関数(Wf)より1.3eV以上電子親和力(Ea)が大きく、かつ、隣接する光電変換膜4の材料のイオン化ポテンシャル(Ip)と同等のIpもしくはそれより小さいIpを持つものが好ましい。この電子供与性有機材料として適用可能な材料については、特開2009−32854号公報において詳細に説明されているため、説明を省略する。
電子ブロッキング膜3の厚みは、暗電流抑制効果を確実に発揮させるとともに、センサ部13の光電変換効率の低下を防ぐため、10nm以上200nm以下が好ましく、さらに好ましくは30nm以上150nm以下、特に好ましくは50nm以上100nm以下である。
正孔ブロッキング膜5は、光電変換膜4と上部電極6との間に設けることができ、下部電極2と上部電極6間にバイアス電圧を印加したときに、上部電極6から光電変換膜4に正孔が注入されて暗電流が増加してしまうのを抑制することができる。
正孔ブロッキング膜5には、電子受容性有機材料を用いることができる。
正孔ブロッキング膜5の厚みは、暗電流抑制効果を確実に発揮させるとともに、センサ部13の光電変換効率の低下を防ぐため、10nm以上200nm以下が好ましく、さらに好ましくは30nm以上150nm以下、特に好ましくは50nm以上100nm以下である。
実際に正孔ブロッキング膜5に用いる材料は、隣接する電極の材料および隣接する光電変換膜4の材料等に応じて選択すればよく、隣接する電極の材料の仕事関数(Wf)より1.3eV以上イオン化ポテンシャル(Ip)が大きく、かつ、隣接する光電変換膜4の材料の電子親和力(Ea)と同等のEaもしくはそれより大きいEaを持つものが好ましい。この電子受容性有機材料として適用可能な材料については、特開2009−32854号公報において詳細に説明されているため、説明を省略する。
なお、光電変換膜4で発生した電荷のうち、正孔が上部電極6に移動し、電子が下部電極2に移動するようにバイアス電圧を設定する場合には、電子ブロッキング膜3と正孔ブロッキング膜5の位置を逆にすればよい。また、電子ブロッキング膜3と正孔ブロッキング膜5は両方設けなくてもよく、いずれかを設けておけば、ある程度の暗電流抑制効果を 各画素の下部電極2下方の基板1の表面には信号出力部14が形成されている。図4には、信号出力部14の構成が概略的に示されている。
同図に示すように、本実施の形態に係る信号出力部14は、下部電極2に対応して、下部電極2に移動した電荷を蓄積するコンデンサ9と、コンデンサ9に蓄積された電荷を電気信号に変換して出力する電界効果型薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、単に薄膜トランジスタという場合がある。)10が形成されている。コンデンサ9および薄膜トランジスタ10の形成された領域は、平面視において下部電極2と重なる部分を有しており、このような構成とすることで、各画素における信号出力部14とセンサ部13とが厚さ方向で重なりを有することとなる。なお、放射線検出器20(画素)の平面積を最小にするために、コンデンサ9および薄膜トランジスタ10の形成された領域が下部電極2によって完全に覆われていることが望ましい。
コンデンサ9は、基板1と下部電極2との間に設けられた絶縁膜11を貫通して形成された導電性材料の配線を介して対応する下部電極2と電気的に接続されている。これにより、下部電極2で捕集された電荷をコンデンサ9に移動させることができる。
薄膜トランジスタ10は、ゲート電極15、ゲート絶縁膜16、および活性層(チャネル層)17が積層され、さらに、活性層17上にソース電極18とドレイン電極19が所定の間隔を開けて形成されている。
活性層17は、例えば、アモルファスシリコンや非晶質酸化物、有機半導体材料、カーボンナノチューブなどにより形成することができる。なお、活性層17を構成する材料は、これらに限定されるものではない。
活性層17を構成する非晶質酸化物としては、In、GaおよびZnのうちの少なくとも1つを含む酸化物(例えばIn−O系)が好ましく、In、GaおよびZnのうちの少なくとも2つを含む酸化物(例えばIn−Zn−O系、In−Ga−O系、Ga−Zn−O系)がより好ましく、In、GaおよびZnを含む酸化物が特に好ましい。In−Ga−Zn−O系非晶質酸化物としては、結晶状態における組成がInGaO3(ZnO)m(mは6未満の自然数)で表される非晶質酸化物が好ましく、特に、InGaZnO4がより好ましい。
活性層17を構成可能な有機半導体材料としては、フタロシアニン化合物や、ペンタセン、バナジルフタロシアニン等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。なお、フタロシアニン化合物の構成については、特開2009−212389号公報において詳細に説明されているため説明を省略する。
薄膜トランジスタ10の活性層17を非晶質酸化物や有機半導体材料、カーボンナノチューブで形成したものとすれば、X線等の放射線を吸収せず、あるいは吸収したとしても極めて微量に留まるため、信号出力部14におけるノイズの発生を効果的に抑制することができる。
また、活性層17をカーボンナノチューブで形成した場合、薄膜トランジスタ10のスイッチング速度を高速化することができ、また、可視光域での光の吸収度合の低い薄膜トランジスタ10を形成できる。なお、カーボンナノチューブで活性層17を形成する場合、活性層17に極微量の金属性不純物を混入するだけで、薄膜トランジスタ10の性能は著しく低下するため、遠心分離などにより極めて高純度のカーボンナノチューブを分離・抽出して形成する必要がある。
ここで、薄膜トランジスタ10の活性層17を構成する非晶質酸化物、有機半導体材料、カーボンナノチューブや、光電変換膜4を構成する有機光電変換材料は、いずれも低温での成膜が可能である。従って、基板1としては、半導体基板、石英基板、およびガラス基板等の耐熱性の高い基板に限定されず、プラスチック等の可撓性基板や、アラミド、バイオナノファイバを用いることもできる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の可撓性基板を用いることができる。このようなプラスチック製の可撓性基板を用いれば、軽量化を図ることもでき、例えば持ち運び等に有利となる。
また、基板1には、絶縁性を確保するための絶縁層、水分や酸素の透過を防止するためのガスバリア層、平坦性あるいは電極等との密着性を向上するためのアンダーコート層等を設けてもよい。
一方、アラミドは、200度以上の高温プロセスを適用できるために透明電極材料を高温硬化させて低抵抗化でき、また、ハンダのリフロー工程を含むドライバICの自動実装にも対応できる。また、アラミドは、ITO(Indium Tin Oxide)やガラス基板と熱膨張係数が近いため、製造後の反りが少なく、割れにくい。また、アラミドは、ガラス基板等と比べて薄く基板を形成できる。なお、超薄型ガラス基板とアラミドを積層して基板を形成してもよい。
また、バイオナノファイバは、バクテリア(酢酸菌、Acetobacter Xylinum)が産出するセルロースミクロフィブリル束(バクテリアセルロース)と透明樹脂との複合したものである。セルロースミクロフィブリル束は、幅50nmと可視光波長に対して1/10のサイズで、かつ高強度、高弾性、低熱膨張である。バクテリアセルロースにアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の透明樹脂を含浸・硬化させることで、繊維を60〜70%も含有しながら、波長500nmで約90%の光透過率を示すバイオナノファイバが得られる。バイオナノファイバは、シリコン結晶に匹敵する低い熱膨張係数(3〜7ppm)を有し、鋼鉄並の強度(460MPa)、高弾性(30GPa)で、かつフレキシブルであることから、ガラス基板等と比べて薄く基板1を形成できる。
本実施の形態では、基板1上に、信号出力部14、センサ部13、透明絶縁膜7を順に形成することによりTFT基板30を形成し、当該TFT基板30上に光吸収性の低い接着樹脂等を用いてシンチレータ8を貼り付けることにより放射線検出器20を形成している。
図5に示すように、TFT基板30には、上述したセンサ部13、コンデンサ9、および薄膜トランジスタ10を含んで構成される画素32が一定方向(図5の行方向)、および当該一定方向に対する交差方向(図5の列方向)に2次元状に複数設けられている。
また、放射線検出器20には、上記一定方向(行方向)に延設され、各薄膜トランジスタ10をオン・オフさせるための複数本のゲート配線34と、上記交差方向(列方向)に延設され、オン状態の薄膜トランジスタ10を介して電荷を読み出すための複数本のデータ配線36と、が設けられている。
放射線検出器20は、平板状で、かつ平面視において外縁に4辺を有する四辺形状、より具体的には、矩形状に形成されている。
ここで、本実施の形態に係る放射線検出器20では、画素32の一部が放射線の照射状態を検出するために用いられており、残りの画素32によって放射線画像の撮影を行う。なお、以下では、放射線の照射状態を検出するための画素32を放射線検出用画素32Aといい、残りの画素32を放射線画像取得用画素32Bという。
本実施の形態に係る放射線検出器20では、画素32における放射線検出用画素32Aを除いた放射線画像取得用画素32Bにより放射線画像の撮影を行うため、放射線検出用画素32Aの配置位置における放射線画像の画素情報を得ることができない。このため、本実施の形態では、放射線検出用画素32Aを分散するように配置し、放射線検出用画素32Aの配置位置における放射線画像の画素情報を、当該放射線検出用画素32Aの周囲に位置する放射線画像取得用画素32Bにより得られた画素情報を用いて補間することにより生成する。
本実施の形態に係る放射線検出器20には、図5に示すように、放射線検出用画素32Aにおけるコンデンサ9と薄膜トランジスタ10との接続部に接続され、当該コンデンサ9に蓄積された電荷を直接読み出すための直接読出配線38が上記一定方向(行方向)に延設されている。
なお、本実施の形態に係る放射線検出器20では、各放射線検出用画素32Aを一定方向の異なる画素列に配置しており、放射線検出用画素32Aが配置された一定方向の画素列にそれぞれ直接読出配線38を設けている。すなわち、直接読出配線38にはそれぞれ1つの放射線検出用画素32Aが接続されている。
次に、本実施の形態に係る電子カセッテ40の構成について説明する。図6には、本実施の形態に係る電子カセッテ40の構成を示す斜視図が示されている。
同図に示すように、本実施の形態に係る電子カセッテ40は、放射線を透過させる材料からなる筐体41を備えており、防水性、密閉性を有する構造とされている。電子カセッテ40は、手術室等で使用されるとき、血液やその他の雑菌が付着するおそれがある。そこで、電子カセッテ40を防水性、密閉性を有する構造として、必要に応じて殺菌洗浄することにより、1つの電子カセッテ40を繰り返し続けて使用することができる。
筐体41の内部には、種々の部品を収容する空間Aが形成されており、当該空間A内には、放射線Xが照射される筐体41の照射面側から、被写体を透過した放射線Xを検出する放射線検出器20、および放射線Xのバック散乱線を吸収する鉛板43が順に配設されている。
ここで、本実施の形態に係る電子カセッテ40では、筐体41の平板状の一方の面の放射線検出器20の配設位置に対応する領域が放射線を検出可能な四辺形状の検出領域41Aとされている。この筐体41の検出領域41Aを有する面が電子カセッテ40における天板41Bとされており、本実施の形態に係る電子カセッテ40では、放射線検出器20が、TFT基板30が天板41B側となるように配置され、当該天板41Bの筐体41における内側の面(天板41Bの放射線が入射される面の反対側の面)に貼り付けられている。
一方、図6に示すように、筐体41の内部の一端側には、放射線検出器20と重ならない位置(検出領域41Aの範囲外)に、後述するカセッテ制御部58や電源部70(共に図8参照。)を収容するケース42が配置されている。
筐体41は、電子カセッテ40全体の軽量化を図るために、例えば、カーボンファイバ(炭素繊維)、アルミニウム、マグネシウム、バイオナノファイバ(セルロースミクロフィブリル)、または複合材料等で構成されている。
複合材料としては、例えば、強化繊維樹脂を含む材料が用いられ、強化繊維樹脂には、カーボンやセルロース等が含まれる。具体的には、複合材料としては、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)や、発泡材をCFRPでサンドイッチした構造のもの、または発泡材の表面にCFRPをコーティングしたもの等が用いられる。なお、本実施の形態では、発泡材をCFRPでサンドイッチした構造のものが用いられている。これにより、筐体41をカーボン単体で構成した場合と比較して、筐体41の強度(剛性)を高めることができる。
一方、図7に示すように、筐体41の内部には、天板41Bと対向する背面部41Cの内面に支持体44が配置されており、支持体44および天板41Bの間に、放射線検出器20および鉛板43が放射線Xの照射方向にこの順で並んで配置されている。支持体44は、軽量化の観点、寸法偏差を吸収する観点から、例えば、発泡材で構成されており、鉛板43を支持する。
同図に示すように、天板41Bの内面には、放射線検出器20のTFT基板30を剥離可能に接着する接着部材80が設けられている。接着部材80としては、例えば、両面テープが用いられる。この場合、両面テープは、一方の接着面の接着力が他方の接着面の接着力よりも強くなるように形成されている。
具体的には、接着力の弱い面(弱接着面)は、180°ピール接着力で1.0N/cm以下に設定されている。そして、接着力の強い面(強接着面)が天板41Bに接し、弱接着面がTFT基板30に接する。これにより、ねじ等の固定部材等によって放射線検出器20を天板41Bに固定する場合と比べて電子カセッテ40の厚みを薄くすることができる。また、衝撃や荷重で天板41Bが変形しても、放射線検出器20は剛性の高い天板41Bの変形に追従するため、大きな曲率(緩やかな曲がり)しか発生せず、局所的な低曲率で放射線検出器20が破損する可能性が低くなる。さらに、放射線検出器20が天板41Bの剛性の向上に寄与する。
このように、本実施の形態に係る電子カセッテ40では、放射線検出器20を筐体41の天板41Bの内部に貼り付けているため、筐体41が、天板41B側と背面部41C側とで2つに分離可能とされており、放射線検出器20を天板41Bに貼り付けたり、放射線検出器20を天板41Bから剥離したりする際には、筐体41を天板41B側と背面部41C側とで2つに分離した状態とされる。
なお、本実施の形態では、放射線検出器20の天板41Bへの接着をクリーンルーム等で行わなくてもよい。なぜなら、放射線検出器20および天板41Bの間に放射線を吸収する金属片等の異物が混入した場合に、放射線検出器20を天板41Bから剥離して当該異物を除去できるからである。
次に、図8を参照して、本実施の形態に係る撮影システム104の電気系の要部構成について説明する。
同図に示すように、電子カセッテ40に内蔵された放射線検出器20は、隣り合う2辺の一辺側にゲート線ドライバ52が配置され、他辺側に第1信号処理部54が配置されている。TFT基板30の個々のゲート配線34はゲート線ドライバ52に接続され、TFT基板30の個々のデータ配線36は第1信号処理部54に接続されている。
また、筐体41の内部には、画像メモリ56と、カセッテ制御部58と、無線通信部60と、バイアス電源62と、を備えている。
放射線検出器20には、各画素32のセンサ部13にバイアス電圧を供給するためのバイアス配線64が設けられている。バイアス電源62はバイアス配線64に接続されており、各画素32のセンサ部13にはバイアス配線64を介して所定のバイアス電圧が印加される。
TFT基板30の各薄膜トランジスタ10は、ゲート線ドライバ52からゲート配線34を介して供給される信号により行単位で順にオンされ、オン状態とされた薄膜トランジスタ10によって読み出された電荷は、電気信号としてデータ配線36を伝送されて第1信号処理部54に入力される。これにより、電荷は行単位で順に読み出され、二次元状の放射線画像が取得可能となる。
図示は省略するが、第1信号処理部54は、個々のデータ配線36毎に、入力される電気信号を増幅すると共に保持するチャージアンプ、および相関二重サンプリング回路を備えており、個々のデータ配線36を伝送された電気信号はチャージアンプで増幅された後に相関二重サンプリング回路により相関二重サンプリングを施される。また、相関二重サンプリング回路の出力側にはマルチプレクサ、A/D(アナログ/デジタル)変換器が順に接続されており、個々の相関二重サンプリング回路で相関二重サンプリングされた電気信号はマルチプレクサに順に(シリアルに)入力され、A/D変換器によってデジタルの画像データへ変換される。
第1信号処理部54には画像メモリ56が接続されており、第1信号処理部54のA/D変換器から出力された画像データは画像メモリ56に順に記憶される。画像メモリ56は所定枚分の画像データを記憶可能な記憶容量を有しており、放射線画像の撮影が行われる毎に、撮影によって得られた画像データが画像メモリ56に順次記憶される。
画像メモリ56はカセッテ制御部58と接続されている。カセッテ制御部58はマイクロコンピュータを含んで構成され、CPU(中央処理装置)58A、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含むメモリ58B、フラッシュメモリ等からなる不揮発性の記憶部58Cを備えており、電子カセッテ40全体の動作を制御する。
さらに、カセッテ制御部58には無線通信部60が接続されており、無線通信部60にはアンテナ66が接続されている。無線通信部60は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a/b/g等に代表される無線LAN(Local Area Network)規格に対応し、アンテナ66を介して無線通信を行うものとされており、無線通信による外部機器との間での各種情報の伝送を制御する。アンテナ66は、図9に示すように、放射線検出器20の1つの側面側に設けられている。
カセッテ制御部58は、無線通信部60を介して、放射線画像の撮影に関する制御を行うコンソール110などの外部装置と無線通信が可能とされており、コンソール110等との間で各種情報の送受信が可能とされている。
また、第1の実施の形態に係る放射線検出器20は、画素32が2次元状に設けられた撮影領域31にほぼ一様に放射線検出用画素32Aが配置されている。
無線通信部60は、基地局などの通信相手との通信状態に応じてアンテナ66への出力信号のレベルを変えることによりアンテナ66から発生させる電波強度を変えることが可能とされており、基地局などの通信相手から受信される電波強度が低い場合、出力信号のレベルを高くして電波強度を高くすることにより通信の安定性を確保する制御を行っている。また、無線通信部60は、アンテナ66への出力信号のレベルに応じてアンテナ66で発生する電波強度に関する情報を定期的あるいは通信相手との通信状態が変化したタイミングでカセッテ制御部58に出力する。カセッテ制御部58は、無線通信部60より入力する電波強度に関する情報に基づいてアンテナ66で発生する電波強度を把握している。
また、電子カセッテ40には、TFT基板30を隔ててゲート線ドライバ52の反対側に第2信号処理部55が配置されており、TFT基板30の個々の直接読出配線38は第2信号処理部55に接続されている。
第2信号処理部55は、直接読出配線38毎に設けられた増幅器及びA/D変換器を備えており、カセッテ制御部58と接続されている。第2信号処理部55は、カセッテ制御部58からの制御により、所定の周期で各直接読出配線38のサンプリングを行って各直接読出配線38を伝送される電気信号をデジタルデータに変換し、変換したデジタルデータを順次、カセッテ制御部58へ出力する。
また、電子カセッテ40には電源部70が設けられており、上述した各種回路や各素子(ゲート線ドライバ52、第1信号処理部54、第2信号処理部55、画像メモリ56、無線通信部60、カセッテ制御部58として機能するマイクロコンピュータ等)は、電源部70から供給された電力によって作動する。電源部70は、電子カセッテ40の可搬性を損なわないように、バッテリ(充電可能な二次電池)を内蔵しており、充電されたバッテリから各種回路・素子へ電力を供給する。なお、図8では、電源部70と各種回路や各素子を接続する配線を省略している。
一方、コンソール110は、サーバ・コンピュータとして構成されており、操作メニューや撮影された放射線画像等を表示するディスプレイ111と、複数のキーを含んで構成され、各種の情報や操作指示が入力される操作パネル112と、を備えている。
また、本実施の形態に係るコンソール110は、装置全体の動作を司るCPU113と、制御プログラムを含む各種プログラム等が予め記憶されたROM114と、各種データを一時的に記憶するRAM115と、各種データを記憶して保持するHDD(ハードディスク・ドライブ)116と、ディスプレイ111への各種情報の表示を制御するディスプレイドライバ117と、操作パネル112に対する操作状態を検出する操作入力検出部118と、を備えている。また、コンソール110は、無線通信により、放射線発生装置120との間で後述する曝射条件等の各種情報の送受信を行うと共に、電子カセッテ40との間で画像データ等の各種情報の送受信を行う無線通信部119を備えている。
CPU113、ROM114、RAM115、HDD116、ディスプレイドライバ117、操作入力検出部118、および無線通信部119は、システムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU113は、ROM114、RAM115、HDD116へのアクセスを行うことができると共に、ディスプレイドライバ117を介したディスプレイ111への各種情報の表示の制御、および無線通信部119を介した放射線発生装置120および電子カセッテ40との各種情報の送受信の制御を各々行うことができる。また、CPU113は、操作入力検出部118を介して操作パネル112に対するユーザの操作状態を把握することができる。
一方、放射線発生装置120は、放射線源121と、コンソール110との間で曝射条件等の各種情報を送受信する無線通信部123と、受信した曝射条件に基づいて放射線源121を制御する線源制御部122と、を備えている。
線源制御部122もマイクロコンピュータを含んで構成されており、受信した曝射条件等を記憶する。このコンソール110から受信する曝射条件には管電圧、管電流等の情報が含まれている。線源制御部122は、受信した曝射条件に基づいて放射線源121から放射線Xを照射させる。
次に、本実施の形態に係る撮影システム104の作用を説明する。
撮影者は、放射線画像の撮影を行う場合、コンソール110に対して操作パネル112を介して撮影対象部位、撮影時の姿勢、電子カセッテ40を立位台160の保持部162や臥位台164の保持部166に保持させた状態での撮影か又は電子カセッテ40を保持部に保持させない状態での撮影かを示す保持状態情報などの撮影条件を入力し、さらに管電圧、管電流及び照射期間などの曝射条件を入力する。コンソール110は、撮影条件及び曝射条件が入力されると、入力された撮影条件及び曝射条件を無線通信部119を介して電子カセッテ40へ送信し、曝射条件を無線通信部119を介して放射線発生装置120へ送信する。
放射線発生装置120の線源制御部122は、コンソール110から曝射条件を受信すると、受信した曝射条件を記憶し、当該曝射条件での曝射準備を行う。
電子カセッテ40のカセッテ制御部58は、コンソール110から撮影条件及び曝射条件を受信すると、受信した撮影条件及び曝射条件を記憶部58Cに記憶する。
撮影者は、撮影時の姿勢が立位または臥位である場合に、対応する立位台160の保持部162または臥位台164の保持部166に電子カセッテ40を保持させると共に放射線源121を対応する位置に位置決めした後、被検者を所定の撮影位置に位置させる。これに対し、撮影者は、撮影対象部位が腕部、脚部等の電子カセッテ40を保持部に保持させない状態で放射線画像の撮影を行う場合に、当該撮影対象部位を撮影可能な状態に被検者、電子カセッテ40、および放射線源121を位置決めする。
そして、撮影者は、撮影準備完了すると、コンソール110の操作パネル112に対して撮影を指示する撮影指示操作を行う。
コンソール110では、操作パネル112に対して撮影指示操作が行われると、曝射開始を指示する指示情報を放射線発生装置120および電子カセッテ40へ無線通信部119を介して送信する。
これに応じて、放射線源121は、放射線発生装置120がコンソール110から受信した曝射条件に応じた管電圧および管電流で放射線Xを照射期間だけ射出する。放射線源121から射出された放射線Xは、被検者を透過した後に電子カセッテ40に到達する。これにより、放射線検出器20の各画素32には、電荷が発生する。
ところで、放射線検出器20は、X線が照射されていない状態であっても暗電流等によってセンサ部13に電荷が発生して各画素32のコンデンサ9に電荷が蓄積される。
そこで、本実施の形態に係る電子カセッテ40では、放射線検出器20の各画素32のコンデンサ9に蓄積された電荷を取り出して除去するリセット動作を繰り返し行っている。
本実施の形態に係る電子カセッテ40では、第2信号処理部55が放射線検出用画素32Aから各直接読出配線38に流れ出した電気信号のサンプリングを行ってデジタルデータに変換し、カセッテ制御部58が変換されたデジタルデータに基づいて放射線の照射の検知を行っており、放射線の照射を検知したタイミングでリセット動作を停止して放射線画像の撮影動作を開始する。すなわち、電子カセッテ40は、放射線の照射を検出して撮影動作を開始する。これにより、本実施の形態に係る撮影システム104では、コンソール110や放射線発生装置120と電子カセッテ40との間で放射線の照射開始に関する情報の送受信を行って放射線発生装置120からの放射線の照射動作と電子カセッテ40での撮像動作とを同期させることなく、放射線画像を撮影できる。
ところで、電子カセッテ40は、アンテナ66から照射される電波の影響により、放射線検出用画素32Aから各直接読出配線38に流れ出し、第2信号処理部55により検出される電気信号にノイズが発生する。このノイズは、電波強度が強いほど大きなものが発生しやすい。また、一般的にアンテナ66からの距離に応じて、電波強度は変わり、アンテナ66からの距離が離れるに従い電波強度は下がる。また、このノイズは、ランダムノイズであるため、平均化することにより、ノイズが低減される。
そこで、第1の実施の形態では、図9に示すように、放射線検出器20の画素32が2次元状に設けられた撮影領域31をアンテナ66で発生する電波強度が高いほどアンテナに近い領域33Aを大きくするものとして撮影領域31をアンテナに近い領域33Aと離れた領域33Bを特定する領域特定制御を行う。
図10には、無線通信部60より電波強度に関する情報が入力された際に、カセッテ制御部58のCPU58Aにより実行される領域特定制御理プログラムの処理の流れを示すフローチャートが示されている。なお、当該プログラムはメモリ58B(ROM)の所定の領域に予め記憶されている。
ここで、本実施の形態では、電波強度毎に、領域33A及び領域33Bとする範囲を定めた領域情報を予め記憶部58Cに記憶している。
この領域情報には、電波強度が高いほど領域33Aを大きくなるように電波強度毎に領域33Aと領域33Bが定められている。
ステップS10では、記憶部58Cに記憶された領域情報に基づいて無線通信部60より入力された電波強度に対応する領域33A及び領域33Bを特定する。
カセッテ制御部58は、特定された領域33Aについては2以上の放射線検出用画素32Aの検出結果を平均化して放射線の検出を行い、領域33Bについては各放射線検出用画素32Aの検出結果に基づいて放射線の検出を行う。
これにより、アンテナ66で発生する電波強度が強い場合は、図11に示すように領域33Aが大きく、領域33Bが小さくなり、アンテナ66で発生する電波強度が弱い場合は、図9に示すように領域33Aが小さく、領域33Bが大きく変更される。
カセッテ制御部58は、アンテナ66に近い領域33Aについては2以上の放射線検出用画素32Aの検出結果を平均化して放射線の検出を行う。
このように、2以上の放射線検出用画素32Aの検出結果を平均化することにより、ノイズの影響を抑えて放射線の照射開始の精度よく検出できる。
また、本実施の形態に係る電子カセッテ40は、図7に示すように、放射線検出器20がTFT基板30側から放射線Xが照射されるように内蔵されている。
ここで、放射線検出器20は、図12に示すように、シンチレータ8が形成された側から放射線が照射されて、当該放射線の入射面の裏面側に設けられたTFT基板30により放射線画像を読み取る、いわゆる裏面読取方式とされた場合、シンチレータ8の同図上面側(TFT基板30の反対側)でより強く発光し、TFT基板30側から放射線が照射されて、当該放射線の入射面の表面側に設けられたTFT基板30により放射線画像を読み取る、いわゆる表面読取方式とされた場合、TFT基板30を透過した放射線がシンチレータ8に入射してシンチレータ8のTFT基板30側がより強く発光する。TFT基板30に設けられた各センサ部13には、シンチレータ8で発生した光により電荷が発生する。このため、放射線検出器20は、表面読取方式とされた場合の方が裏面読取方式とされた場合よりもTFT基板30に対するシンチレータ8の発光位置が近いため、撮影によって得られる放射線画像の分解能が高い。
また、放射線検出器20は、光電変換膜4を有機光電変換材料により構成しており、光電変換膜4で放射線がほとんど吸収されない。このため、本実施の形態に係る放射線検出器20は、表面読取方式により放射線がTFT基板30を透過する場合でも光電変換膜4による放射線の吸収量が少ないため、放射線に対する感度の低下を抑えることができる。表面読取方式では、放射線がTFT基板30を透過してシンチレータ8に到達するが、このように、TFT基板30の光電変換膜4を有機光電変換材料により構成した場合、光電変換膜4での放射線の吸収が殆どなく放射線の減衰を少なく抑えることができるため、表面読取方式に適している。
また、薄膜トランジスタ10の活性層17を構成する非晶質酸化物や光電変換膜4を構成する有機光電変換材料は、いずれも低温での成膜が可能である。このため、基板1を放射線の吸収が少ないプラスチック樹脂、アラミド、バイオナノファイバで形成することができる。このように形成された基板1は放射線の吸収量が少ないため、表面読取方式により放射線がTFT基板30を透過する場合でも、放射線に対する感度の低下を抑えることができる。
また、本実施の形態によれば、図7に示すように、放射線検出器20をTFT基板30が天板41B側となるように筐体41内の天板41Bに貼り付けているが、基板1を剛性の高いプラスチック樹脂、アラミド、バイオナノファイバで形成した場合、放射線検出器20自体の剛性が高いため、筐体41の天板41Bを薄く形成することができる。また、基板1を剛性の高いプラスチック樹脂やアラミド、バイオナノファイバで形成した場合、放射線検出器20自体が可撓性を有するため、検出領域41Aに衝撃が加わった場合でも放射線検出器20が破損しづらい。
以上詳細に説明したように、本実施の形態では、放射線を検出する複数の放射線検出用画素32Aを撮影領域31に略均一に配置し、通信強度が強いほどアンテナ66に近い領域を大きくするものとして撮影領域31をアンテナ6からの離間度合いに応じて複数の領域33に分け、アンテナに近い領域31Aと離れた領域31Bとで検出アルゴリズムを変えて検出部の検出結果に基づき放射線の照射の検知を行うことにより、アンテナ66から照射される電波の影響によるノイズの影響を抑えて放射線の照射を精度よく検知できる。
また、本実施の形態では、放射線検出器20に放射線検出部として放射線検出用画素32Aを形成することにより、放射線検出器20とは別に放射線を検出する手段を設ける必要がないため、製造コストを低減することができる。
また、本実施の形態では、複数の放射線検出用画素32Aから蓄積された電荷を読み出すための直接読出配線38を備えているので、放射線画像の撮影動作とは無関係に放射線の照射状態を検出することができる結果、より高速に放射線画像の撮影を行うことができる。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態に係るRIS100、撮影システム104の構成は、上記第1の実施の形態(図1〜図4、図6〜図8参照)と同一であるので、ここでの説明は省略する。
図13には、第2の実施の形態に係る放射線検出器20の構成を示す平面図が示されている。
本実施の形態に係る放射線検出器20は、直接読出配線38が設けられておらず、画素32が全て放射線画像取得用画素とされている。
図14には、本実施の形態に係る電子カセッテ40の内部構成が示されている。
電子カセッテ40は、筐体41の内部に、後述する放射線検出部200及び放射線検出器20が積層されて構成された撮影部21が配設されている。
放射線検出部200は、放射線検出器20のTFT基板30側の面に貼り付けられている。
本実施の形態に係る電子カセッテ40は、放射線検出部200により放射線の照射の検出を行い、放射線の照射が検出された場合に放射線検出器20により放射線画像の撮影を行うものとされている。
図15には、本実施形態に係る放射線検出器20及び放射線検出部200の構成を模式的に示した断面図が示されている。
放射線検出部200は、放射線に対して透過性を有する樹脂性の支持基板202上に、後述する配線210(図16)がパターニングされた配線層204及び絶縁層206が形成されており、その上に、複数のセンサ部208が形成され、当該センサ部208上に、GOS等からなるシンチレータ210が形成されている。センサ部208は、上部電極208A、下部電極208B、及び該上下の電極間に配置された光電変換膜208Cを有している。光電変換膜208Cには、シンチレータ210によって変換された光が入射されることにより電荷を発生する。このセンサ部208は、光電変換膜208Cとしてアモルファスシリコンを用いたPIN型、MIS型フォトダイオードよりも、上述の有機光電変換材料が含有された光電変換膜が好ましい。これは、PIN型フォトダイオードやMIS型フォトダイオードを用いた場合と比較して、製造コストの削減や、フレキシブル化への対応の点で有機光電変換材料が含有された光電変換膜を用いたほうが有利だからである。この放射線検出部200のセンサ部208は、放射線検出器20の各画素32に設けられたセンサ部13ほど細かく形成する必要はなく、センサ部13よりも大きく、放射線検出器20の数十から数百画素のサイズで形成すればよい。
図16には、電子カセッテ40の電気系の要部構成を示すブロック図が示されている。なお、上記第1の実施形態(図8)と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
放射線検出部200は、上述したように、センサ部208が多数個配置されている。また、放射線検出部200には、各センサ部208とそれぞれ個別に接続された複数の配線210が設けられており、各配線210は第2信号処理部55に接続されている。
放射線検出部200には、センサ部208が2次元状に設けられた領域220にほぼ一様にセンサ部208が配置されている。
第2信号処理部55は、各配線210毎に設けられた増幅器及びA/D変換器を備えており、カセッテ制御部58と接続されている。第2信号処理部55は、カセッテ制御部58からの制御により、所定の周期で各直接読出配線38のサンプリングを行って各直接読出配線38を伝送される電気信号をデジタルデータに変換し、変換したデジタルデータを順次、カセッテ制御部58へ出力する。
このように、センサ部208により放射線の照射の検出を行うものとした場合においても、アンテナ66から照射される電波の影響により、センサ部208から各配線210に流れ出し、第2信号処理部55により検出される電気信号にノイズが発生する。
そこで、第2の実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に、放射線検出部200のセンサ部208が2次元状に設けられた領域220をアンテナ66からの離隔度合に応じて2つの領域221(221A,221B)に分け、アンテナ66で発生する電波強度が高いほどアンテナに近い領域221Aを大きくするものとして領域220をアンテナに近い領域221Aと離れた領域221Bを特定する領域特定制御を行う。
これにより、アンテナ66で発生する電波強度が強い場合は、図17に示すように領域221Aが大きく、領域221Bが小さくなり、アンテナ66で発生する電波強度が弱い場合は、図18に示すように領域221Aが小さく、領域221Bが大きく変更される。
カセッテ制御部58は、アンテナ66に近い領域221Aについては2以上のセンサ部208の検出結果を平均化して放射線の検出を行う。
このように、2以上のセンサ部208の検出結果を平均化することにより、ノイズの影響を抑えて放射線の照射開始の精度よく検出できる。
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態に係るRIS100、撮影システム104の構成は、上記第1の実施の形態(図1〜図8参照)と同一であるので、ここでの説明は省略する。
図19には、第3の実施の形態に係る電子カセッテ40の電気系の要部構成が示されている。なお、上記第1及び第2の実施形態(図8、図16)と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態では、放射線検出器20をそれぞれ複数の領域230に区分して各領域230毎に、それぞれの領域230内の各画素32のセンサ部13にバイアス電圧を供給するためのバイアス配線64をそれぞれ設けており、また、各領域230の各画素32のセンサ部13にバイアス配線64を介して所定のバイアス電圧を供給するバイアス電源62を個別に備えている。
ここで、センサ部13は、バイアス配線64を介して上部電極6と下部電極2の間にバイアス電圧が印加されるが、放射線が照射されることによりバイアス配線64を流れる電流量が変化する。
そこで、本実施の形態に係る電子カセッテ40では、バイアス配線64毎に、それぞれバイアス配線64を流れる電流量を検出する電流検出部72(72A〜72D)を設けている。
各電流検出部72は、電流量を精度良く検出するため電流量の変化を増幅するアンプなどの増幅回路を内蔵しており、バイアス配線64を流れる電流量を検出してカセッテ制御部58へ出力する。カセッテ制御部58は各電流検出部72により検出される電流量の変化に基づいて放射線の照射開始の検出を行う。
このため、本実施の形態に係る放射線検出器20には、上記第2の実施の形態と同様に、直接読出配線38が設けられておらず、画素32が全て放射線画像取得用画素とされており、電子カセッテ40には、第2信号処理部55が設けられていない。
ところで、各電流検出部72に内蔵されたアンプなどの増幅回路には、アンテナ66から照射される電波の影響により、ノイズが発生する。このノイズは、電波強度が強いほど大きなものが発生しやすい。
そこで、第3の実施の形態では、カセッテ制御部58が、アンテナ66で発生する電波強度に応じて各電流検出部72の検出結果に対する処理を変えており、アンテナ66で発生する電波強度が弱い場合は、各電流検出部72の検出結果からそれぞれ放射線の検出を行い、電波強度が強くなるに従い、アンテナ66に近い順に複数の電流検出部72の検出結果を平均化して放射線の検出を行うものとする。
例えば、本実施の形態では、電流検出部72A、72Bに放射線の照射の検知精度に影響が出る所定レベルのノイズが発生する電波強度を第1閾値、電流検出部72C、72Dに上記所定レベルのノイズが発生する電波強度を第2閾値とし、電波強度が第1閾値未満の場合は、各電流検出部72の検出結果からそれぞれ放射線の検出を行い、電波強度が第1閾値以上、第2閾値未満の場合は、電流検出部72A、72Bについての検出結果を平均化して放射線の検出を行い、電波強度が第2閾値以上の場合は、電流検出部72A、72Bと電流検出部72C、72Dについての検出結果をそれぞれ平均化して放射線の検出を行う。
このように、アンテナ66に近い領域230については2以上の電流検出部72の検出結果を平均化することにより、ノイズの影響を抑えて放射線の照射開始の精度よく検出できる。
以上、本発明を第1〜第3の実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記各実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記各実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記の実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明を抽出できる。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
また、上記第1の実施の形態では、一例として図20(A)に示すように、放射線検出用画素32Aとして放射線画像取得用画素32Bの一部を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、一例として図20(B)に示すように、放射線検出用画素32Aを、放射線画像取得用画素32Bの間隙に設ける形態としてもよい。この場合、放射線検出用画素32Aが設けられた位置に対応する放射線画像取得用画素32Bの面積が小さくなるため、当該画素の感度は低減するものの、当該画素も放射線画像の検出用として用いることができるため、放射線画像の品質を向上させることができる。
また、上記第1〜第2の実施の形態では、アンテナ66を1つ設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アンテナ66を複数設け、各アンテナ66からの通信強度に応じて各領域を区分してもよい。
上記各実施の形態では、アンテナ66に近い領域では複数の放射線検出用画素32Aやセンサ部208の検出結果を合算し、平均化した結果に基づき、放射線の検知を行う場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、アンテナ66に近い領域では、ローパスフィルタ(LPF)などの周波数フィルタリングを行ったり、放射線検出用画素32Aやセンサ部208の検出結果を放射線照射検知用のしきい値と比較し、放射線照射検知用のしきい値以上となったことにより放射線の照射開始を検出するものとした場合、アンテナ66に近い領域33A、221Aとアンテナ66から離れた領域33B、221Bとで放射線照射検知用のしきい値を変えるものとしてもよい。
また、アンテナには、例えば、アレイアンテナなど放射される電波に指向性を有するものがある。このため、アンテナが一つの場合でも、アンテナの種類(指向性アンテナか全方向アンテナ)により放射パターンが異なる。また、アンテナ近傍に金属体があると放射パターンが変わる。放射パターンによってはアンテナから遠くても影響を受けやすい場合やアンテナから近くても影響を受けにくいというのが生じる。
このため、放射線検出用画素32A、電流検出部72などの放射線を検出する検出部とアンテナ66との距離や、各アンテナ66から放射される電波の強度分布など、アンテナ66から放射される電波により各検出部のノイズの発生に影響を与えるアンテナ66と放射線を検出する検出部との電気的な結合具合を予めを測定しておき、結合具合に応じて検出部の配置を定めてもよい。
また、電子カセッテ40は、立位台160の保持部162や臥位台164の保持部166に保持させた状態で放射線画像の撮影が行われる場合がある。立位台160や臥位台164などの撮影台は金属体であることがあり、アンテナ66から放射される電波の放射パターンが変わる場合がある。そこで、撮影台に保持させた状態の撮影や、撮影台に保持されていないフリーの状態の撮影など各撮影手技での電波の強度分布をシュミレーションや測定することにより求めて当該電波の強度分布に応じた放射線照射検知用のしきい値や平均化する放射線検出用画素32Aの個数、周波数フィルタリングの有無、周波数フィルタリングする範囲などを記憶しておき、撮影の際の撮影手技に応じて放射線照射検知用のしきい値や平均化する放射線検出用画素32Aの個数を変えたり、周波数フィルタリングの有無、周波数フィルタリングする範囲を変えるなど放射線の照射検出の検出アルゴリズムを動的に変えてもよい。放射線照射検知用のしきい値や平均化する放射線検出用画素32Aの個数、周波数フィルタリングの有無、周波数フィルタリングする範囲は、撮影領域31、領域220毎に定めてもよい。電子カセッテ40が撮影台に保持されたことの検出は、撮影者が電子カセッテ40を撮影台に保持させた状態で撮影を行う旨の指定操作をコンソール110に対して行い、コンソール110が電子カセッテ40に通知することにより行ってもよく、また、電子カセッテ40に撮影台に保持されたことの検出するセンサを設け、当該センサの検出結果に基づいて行ってもよい。
図21〜23には、矩形状の放射線検出器20の隣り合う2辺にそれぞれアンテナ66(66A、66B)を配置し、それぞれのアンテナ66の使用、不使用を個別に切り替えて無線通信を可能とし場合において、アンテナ66Aのみで通信を行う場合(図21)と、アンテナ66Bのみで通信を行う場合(図22)と、アンテナ66A、66Bで通信を行う場合(図23)の領域33Aと領域33Bの一例が示されている。
このように、複数アンテナ66を有する場合、撮影台に保持させたり、あるいは撮影台に保持されていないフリーの状態の撮影でも被検者に隠れることにより全ての複数アンテナ66が通信に使用されず、図21、22に示すように、一部のアンテナ66のみを使用して通信を行う場合がある。また、複数アンテナ66のそれぞれで電波強度が異なる可能性がある。この場合、各アンテナ66の電波強度をモニターすることにより、それぞれのアンテナ66の強度分布から全体として強度分布を算出し、電波強度の強い領域と弱い領域で検出アルゴリズムを動的に変えてもよい。また、電波強度をモニターせずに、使用されるアンテナ66に応じて検出アルゴリズムを記憶しておき、使用するアンテナ66によって検出アルゴリズムを動的に変えてもよい。
また、上記第1及び第2の実施の形態では、アンテナ66からの離隔度合に応じて2つの領域に分けたが、撮影領域31、領域220は3以上の領域に分け、アンテナ66に近い領域ほど多くの放射線画像取得用画素32Bやセンサ部208の検出結果を平均化するようにしてもよい。
図24には、矩形状の放射線検出器20の隣り合う2辺にそれぞれアンテナ66(66A、66B)を配置した場合において、アンテナ66A、66Bからの電波強度に応じて撮影領域31を3つの領域33(33A、33B、33C)に分けた場合が示されている。
また、上記第1及び第2の実施の形態では、2以上の放射線検出用画素32Aやセンサ部208のデジタルデータを平均化して放射線の検出を行う場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、アンテナ66に近い領域33Aについては放射線照射検知用のしきい値も合算した放射線検出用画素32Aの画素数倍して、合算された電気信号のデジタルデータと比較するものとしてもよい。また、アンプゲインを領域別に変えてもよい。また、検出結果の時系列データに対して、フィルタリング(LPFなどの高周波数カットフィルタ)などをアンテナ66に近い領域の判定用データに適用してもよい。
また、上記各実施の形態では、錯綜を回避するために、放射線検出用画素32Aに蓄積された電荷を放電することに関しては特に言及しなかったが、放射線の照射開始を検出したタイミングで、放射線検出用画素32Aによって蓄積された電荷を放電させた後に放射線の照射終了を検出する形態としてもよい。これにより、放射線の照射終了を検出する際の上記放射線量の飽和を防止することができる。
また、上記各実施の形態では、センサ部13が、シンチレータ8で発生した光を受光することにより電荷が発生する有機光電変換材料を含んで構成されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、センサ部13として有機光電変換材料を含まずに構成されたものを適用する形態としてもよい。
また、上記第2の実施の形態では、放射線検出部200は、各センサ部208がシンチレータ210の光を検出するものとした場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、放射線検出部200は、シンチレータ210を形成せずに、シンチレータ8からの光を検出するものとしてもよい。また、放射線検出部200は、放射線検出部200のシンチレータ8側に配置してもよい。
また、上記各実施の形態では、放射線検出器20を間接変換方式のものとした場合について説明したが、放射線検出器20を直接変換方式のものとしてもよい。
また、上記各実施の形態では、電子カセッテ40の筐体41の内部にカセッテ制御部58や電源部70を収容するケース42と放射線検出器20とを重ならないように配置した場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、放射線検出器20とカセッテ制御部58や電源部70を重なるように配置してもよい。
また、上記各実施の形態では、電子カセッテ40とコンソール110との間、放射線発生装置120とコンソール110との間で、無線にて通信を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これらの少なくとも一方を有線にて通信を行う形態としてもよい。
また、上記各実施の形態では、放射線としてX線を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、γ線等の他の放射線を適用する形態としてもよい。
その他、上記各実施の形態で説明したRIS100の構成、放射線撮影室の構成、電子カセッテ40の構成、撮影システム104の構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したり、接続状態等を変更したりすることができることは言うまでもない。