JP2012148506A - 積層材 - Google Patents

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Takayuki Ito
隆行 伊藤
Takashi Aono
高志 青野
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Abstract

【課題】機械的積層構造によって表層塑性加工材の意匠面のカップ量を小さくしたこと。
【解決手段】木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工されて気乾比重を0.7以上とした表層塑性加工材SPWと、表層塑性加工材SPWの対向面の木目の長さ方向が互いに直交し、かつ、対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように積層接着され、単板Wの厚みを2mm〜5mmの範囲内として表層塑性加工材SPWの片面に接合された内層合板IPWと、木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工されて気乾比重を0.5以上とし、内層合板IPWがの表層塑性加工材SPW側の対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように接合した1枚以上からなる塑性加工芯材NCWを具備するものである。
【選択図】図5

Description

本発明は、表層部分に圧密成形した塑性加工木材を使用し、内層部分にロータリーレースで針葉樹の丸太を回転させながら外周から切削してなる単板を積層してなる合板を使用した積層材に関するものであり、特に、従来のラワン合板に代わってスギ材、ヒノキ材等の針葉樹の有効活用を図ることができ、例えば、床材、腰板、テーブルの天板等の各種用途に利用することができる積層材に関するものである。
従来、木材の樹種として、例えば、スギ材、ヒノキ材のように低密度で硬度が不足しているものにあっては、圧縮して高密度化すれば実用に耐え得る硬度となることが知られている。
ところが、木材の価格は一般に、元の木材の体積を基準として流通しており、木材の圧密加工にかかる種々の費用を加味して算出される価格は、圧縮して高密度化することで低下した木材の体積に見合うだけの付加価値が認められないことから余り高く設定できない。
このため、このように圧縮して高密度化された木材は、圧縮が施されていない基材(合板)との組み合わせによる積層構造として製品化されることが多かった。
ここで、スギ材等の針葉樹にあっては、そのままでは、低比重で強度や剛性に欠けることから、また、年輪に起因する密度ばらつきがあり部分によって含水率が異なる、年輪による旋回木理等に起因して変形しやすいことから、更には、スギ材等の丸太をロータリーレースで切削した場合に、裏割れが生じやすいことから、合板として用いるのが困難であった。このため、従来から、圧縮して高密度化された木材に組み合わされる木材としては、主に、節や年輪がなく狂い等の変形が少ないラワン合板が用いられてきた。
しかし、近年、ラワン材は乱伐採のため急激に減少しており、しかも、一度伐採してしまうと再生が困難であることから、その伐採が制限されている。このため、ラワン材以外の木質材料の使用が要望されている。
一方、我が国においては、適宜計画伐採や間伐等で比較的安定に入手し易い環境下にあり、再生産が容易にできるスギ材等の針葉樹の有効活用が求められている。その背景には、特に1940年代に盛んに植林されたスギ材等の針葉樹の成長が進んでその伐採時期になったが、国内林業の衰退、林業離れもあって、それら針葉樹が放置されている状態となっていることにもある。
ところで、ラワン材の上記現状に鑑み、ラワン合板を用いずに、植林木、造林木、早生樹等の低比重材を用いた積層材として、例えば、特許文献1が挙げられる。特許文献1においては、比重0.45以下の低比重板(合板)の上に、この比重0.45以下の低比重材が圧密化された比重0.5以上の圧密化板を積層し、更に、それらの上に、木質繊維板を積層することで、耐凹み性を向上させ、従来柔らか過ぎて床材用の基材として利用されなかった低比重材を用いることができ、木材の有効利用を図ることができるとしている。
ところが、特許文献1においては、比重0.45以下の低比重合板、比重0.5以上の圧密化板及び木質繊維板の3種類の異なった加工が施された木材を使用することになるから、それら互いの接合面で膨張率及び収縮率が大きく異なることになり、そのために周囲環境条件の変化によって大きな歪みや変形が生じて寸法形状安定性が大きく損なわれることが予測される。また、特許文献1によれば、圧密化板の上に木質繊維板を積層することで、耐凹み性を確保できるとしていても、3種類の加工木材を使用していることから、製造に手間がかかると共に、低コスト化が困難である。
なお、特許文献1においては、下層に所定の抗張力及び防湿性を有する裏打ち層を設けることによって、床材の有害なカップ量を小さくする技術が記載されている。かかる手段では周囲環境の乾燥による変化に対応できず、裏打ち層との接着面に大きなストレスがかかってクラックが生じやすくなる可能性がある。また、裏打ち層を設ける場合、一段とコストが高くなってしまう。
そこで、本出願人はかかる不具合を解決すべく、傷跡や凹みが付き難く、十分な強度や剛性を有し、また、製品化後に周囲環境条件が変化した場合における寸法形状変化を防止でき、更に、低コスト化及び製造の容易化が可能であり、スギ材、ヒノキ材等の針葉樹の有効活用を図ることができる積層材を特許文献2として提供した。
特許文献2の発明の積層材によれば、表層塑性加工材は、木材の木目の長さ方向に対して垂直方向の加熱圧縮により、厚み全体が圧縮され、塑性加工されてその気乾比重を0.7以上としたものであるから、表層塑性加工材における細胞壁を構成する成分の構造が密となって硬度や耐摩耗性等が著しく向上しており、傷跡や凹みが極めて付き難くなっている。そして、前記表層塑性加工材に接合される内層合板は、複数枚の非圧縮の針葉樹の単板が互いの木目の長さ方向が直交するように接着されて複数枚積層され、かつ、前記表層塑性加工材に接合される接合側単板以外の単板の厚みが2mm〜4mmの範囲内にあることから、比重が小さくて強度や剛性が小さいという針葉樹の単板の欠点が補完されて、荷重等の外力が加えられた場合でもクラックが生じることがなく十分な強度や剛性を有すると共に、周囲環境条件の変化によって各針葉樹の単板にそれを変形させようとする力(膨張収縮力)が生じても、各針葉樹の単板が相互に作用しあい打ち消し合うことでバランスがとれて、寸法形状変化が防止される。
更に、内層合板の寸法形状変化が防止されることで、内層合板の表層塑性加工材への影響も少なくて表層塑性加工材とのバランスもよく、特に、この内層合板は表層塑性加工材に両者の接合面において互いの木目の長さ方向が直交するように接合されていることから、内層合板と表層塑性加工材とが相互に作用し合って一段と良好なバランスとなり、積層材全体の寸法形状変化が防止される。加えて、このように表層塑性加工材及び内層合板の2種類の加工木材によって傷跡や凹みの付き難さ、更には、十分な強度及び剛性を確保し、寸法形状変化を防止しているため、低コスト化及び製造の容易化を図ることが可能となるものである。
このようにして、傷跡や凹みが付き難く、十分な強度や剛性を有し、また、製品化後に周囲環境条件が変化した場合における寸法形状変化を防止でき、更に、低コスト化及び製造の容易化が可能であり、スギ材、ヒノキ材等の針葉樹の有効活用を図ることができる積層材とするものである。
特開2008−025260号公報 特願2010−261997号
ところが、特許文献2においては、木目の長さ方向が互いに直交するように非圧縮の針葉樹を回転させながら表面側を切削してなる単板を複数枚積層接着した合板においては、カップ量(幅反り)が小さいものの、特に、表層塑性加工材の機械的特性が強靭になればなるほどカップ量が大きくなる傾向がある。このカップ量を小さくするには、内層合板の全体構造を改良する必要があった。
そこで、本発明は、かかる不具合を解決すべくなされたものであって、機械的積層構造によって表層塑性加工材の意匠面のカップ量を小さくした積層材の提供を課題とするものである。
請求項1の積層材は、板の木取りにより得た木材の繊維方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を2倍以上で、かつ、気乾比重を0.7以上とした表層塑性加工材の特定の一面を意匠面とし、その表層塑性加工材の接合する対向面の繊維方向が互いに直交するように非圧縮の針葉樹をロータリーレースで回転させながら周方向に切削してなる単板を少なくとも1枚以上積層接着し、かつ、前記単板の厚みを2mm〜5mmの範囲内として前記表層塑性加工材の片面に接合された内層合板を具備し、更に、板の木取りにより得た木材の繊維方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を1.5倍以上で、かつ、気乾比重を0.5以上とし、前記内層合板の反表層塑性加工材側の対向面の繊維方向が互いに直交するように接合した1枚以上からなる塑性加工芯材で形成したものである。
ここで、上記表層塑性加工材とは、板の木取りにより得た木材の繊維方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材を加熱状態で圧縮し、圧密加工により気乾比重を2倍以上としたもので、その上限は木材の樹種に応じた厚密加工の圧縮限界である。
また、上記内層合板とは、前記表層塑性加工材の接合する対向面の繊維方向が互いに直交するように非圧縮の針葉樹をロータリーレースで回転させながら周方向に切削し、厚みを2mm〜5mmの範囲内の単板を1枚以上積層接着したものであり、単板が1枚以上であればよく、奇数枚または偶数枚とすることができる。
そして、上記塑性加工芯材とは、板の木取りにより得た木材の繊維方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を1.5倍以上で、かつ、気乾比重を0.5以上とし、前記内層合板の反表層塑性加工材側の接合する対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように接合した1枚以上の奇数枚または偶数枚とするものである。特に、前記表層塑性加工材と前記塑性加工芯材は互いにカップ方向(反り方向)を異にして接合するのが望ましい。ここで、前記表層塑性加工材と前記塑性加工芯材は、圧密加工を行った材料であり、その特徴からカップ量が大きくなるので、年輪の中心よりも外側に位置する木表面側と年輪の中心側に位置する木裏面側とを対向させ、互いのカップ方向を異にし、互いのカップ量を打ち消すように相殺するものである。
即ち、表層塑性加工材の木表面側と塑性加工芯材の木裏面側を対向した配置にするか、逆に、表層塑性加工材の木裏面側と塑性加工芯材の木表面側を対向した配置にされる。また、木材の繊維方向は表層塑性加工材及び塑性加工芯材及び内層合板の各枚ごとに直交するように配設される。
なお、圧密加工により気乾比重を2倍以上で、かつ、気乾比重を0.7以上とは、圧密加工により気乾比重を2倍以上に大きくすることであり、圧密加工により気乾比重を0.7以上とすることを意味する。したがって、圧密加工により気乾比重を0.7以上にできないもの、気乾比重を0.7以上にならないものは含まれないことを意味する。
請求項2の積層材は、板の木取りにより得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を2倍以上で、かつ、気乾比重を0.7以上とした表層塑性加工材の特定の一面を意匠面とし、同様に、板の木取りにより得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を1.5倍以上で、かつ、気乾比重を0.5以上とし、前記表層塑性加工材の接合する対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように接合した1枚以上からなる塑性加工芯材と、前記塑性加工芯材の接合する対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように非圧縮の針葉樹をロータリーレースで回転させながら周方向に切削してなる単板が少なくとも1枚以上積層接着され、かつ、前記単板の厚みを2mm〜5mmの範囲内として前記塑性加工芯材の前記対向面に接合された内層合板とを具備するものである。
ここで、上記表層塑性加工材とは、板の木取りにより得た木材の繊維方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材を加熱状態で圧縮し、圧密加工され、圧密加工により気乾比重を2倍以上で、かつ、気乾比重を0.7以上としたものである。
また、上記塑性加工芯材とは、板の木取りにより得た木材の繊維方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を1.5倍以上で、かつ、気乾比重を0.5以上とし、前記表層塑性加工材側の接合する対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように接合した1枚以上の奇数枚または偶数枚とするものである。特に、前記表層塑性加工材と前記塑性加工芯材は互いにカップ方向を異にして接合するのが望ましい。
ここで、前記表層塑性加工材と前記塑性加工芯材は、圧密加工を行った材料であり、その特徴からカップ量が大きくなるので、年輪の中心よりも外側に位置する木表面側と年輪の中心側に位置する木裏面側とを対向させ、互いのカップ方向を異にし、互いのカップ量を打ち消すように相殺するのが望ましい。即ち、表層塑性加工材の木表面側と塑性加工芯材の木裏面側を対向した配置にするか、逆に、表層塑性加工材の木裏面側と塑性加工芯材の木表面側を対向した配置にされる。また、木材の繊維方向は表層塑性加工材及び塑性加工芯材及び内層合板の各枚ごとに直交するように配設される。
そして、上記内層合板とは、前記塑性加工芯材の対向面の繊維方向が互いに直交するように非圧縮の針葉樹を回転させながら切削してなる厚みを2mm〜5mmの範囲内の単板を1枚以上積層接着したものであり、単板が1枚以上であればよく、奇数枚または偶数枚とすることができる。
なお、通常、表層塑性加工材及び塑性加工芯材及び内層合板の全体の枚数が偶数枚で形成されるが、奇数枚であってもよい。また、木材の繊維方向は表層塑性加工材及び塑性加工芯材及び内層合板の各枚ごとに直交するように配設される。
請求項3の積層材は、板の木取りによって得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を2倍以上で、かつ、気乾比重を0.7以上とした表層塑性加工材の特定の一面を意匠面とし、同様に、板の木取りにより得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を1.5倍以上で、かつ、気乾比重を0.5以上とし、前記表層塑性加工材の接合する対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように接合した1枚以上からなる塑性加工芯材をその下に接合し、また、前記塑性加工芯材の接合する対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように非圧縮の針葉樹をロータリーレースで回転させながら切削してなる単板が少なくとも1枚以上積層接着され、かつ、前記単板の厚みを2mm〜5mmの範囲内とし、更にその下に他の塑性加工芯材(裏面側塑性加工芯材)を接合し、木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱圧縮され、圧密加工により気乾比重を1.5倍以上で、かつ、気乾比重を0.5以上、接合する対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように接合した1枚以上からなる他の塑性加工芯材(裏面側塑性加工芯材)を上記意匠面の裏面としたものである。
ここで、上記表層塑性加工材とは、木材の繊維方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材を加熱状態で圧縮し、圧密加工により気乾比重を2倍以上で、かつ、気乾比重を0.7以上としたものである。
また、上記塑性加工芯材とは、共に板の木取りにより得た木材の繊維方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を1.5倍以上で、かつ、気乾比重を0.5以上とし、前記表層塑性加工材または前記内層合板と接合する対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように接合した1枚以上の奇数枚または偶数枚とするものである。特に、前記表層塑性加工材と少なくとも直接接合する塑性加工芯材は互いにカップ方向を異にするのが望ましい。即ち、表層塑性加工材の木表面側と塑性加工芯材の木裏面側を対向した配置にするか、逆に、表層塑性加工材の木裏面側と塑性加工芯材の木表面側を対向した配置にされる。ここで、前記表層塑性加工材と前記塑性加工芯材は、圧密加工を行った材料であり、その特徴からカップ量が大きくなるので、年輪の中心よりも外側に位置する木表面側と年輪の中心側に位置する木裏面側とを対向させると、互いのカップ方向を異にし、互いのカップ量を打ち消すように相殺可能となる。勿論、他の塑性加工芯材(裏面側塑性加工芯材)も、前記表層塑性加工材と直接接合する塑性加工芯材と互いにカップ方向を同一にするのが望ましい。
そして、上記内層合板とは、前記塑性加工芯材の接合する対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように非圧縮の針葉樹を回転させながら周方向に切削してなる単板が少なくとも1枚以上積層接着され、かつ、前記単板の厚みを2mm〜5mmの範囲内として前記塑性加工芯材の前記接合する対向面に接合されたものである。
なお、通常、表層塑性加工材及び塑性加工芯材及び内層合板の全体の枚数が偶数枚で形成されるが、奇数枚であってもよい。また、木材の繊維方向は表層塑性加工材及び塑性加工芯材及び内層合板の各枚ごとに直交するように配設される。
請求項4の積層材は、板の木取りにより得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を2倍以上で、かつ、気乾比重を0.7以上とした表層塑性加工材の特定の一面を意匠面側とし、前記塑性加工芯材の接合する対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように非圧縮の針葉樹をロータリーレースで回転させながら周方向に切削してなる単板が少なくとも1枚以上積層接着され、かつ、前記単板の厚みを2mm〜5mmの範囲内とた内側の内層合板をその下に接合し、板の木取りにより得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱圧縮され、圧密加工により気乾比重を1.5倍以上で、かつ、気乾比重を0.5以上とし、前記内層合板の接合する対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように接合した1枚以上からなる塑性加工芯材を重ね、更に、前記塑性加工芯材の接合する対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように非圧縮の針葉樹をロータリーレースで回転させながら切削してなる単板が少なくとも1枚以上積層接着され、かつ、前記単板の厚みを2mm〜5mmの範囲内として前記塑性加工芯材の接合する対向面に接合された外側の内層合板を重ねたものである。
ここで、上記表層塑性加工材とは、板の木取りにより得た木材の繊維方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材を加熱状態で圧縮し、圧密加工により気乾比重を2倍以上で、かつ、気乾比重を0.7以上としたものである。
また、上記内側の内層合板または上記外側の内層合板とは、前記塑性加工芯材の接合する対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように非圧縮の針葉樹をロータリーレースで回転させながら周方向に切削してなる単板が少なくとも1枚以上積層接着され、かつ、前記単板の厚みを2mm〜5mmの範囲内として前記表層塑性加工材の前記対向面に接合されたものである。
そして、上記塑性加工芯材とは、板の木取りにより得た木材の繊維方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を1.5倍以上で、かつ、気乾比重を0.5以上とし、内側内層合板側の接合する対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように接合した1枚以上の奇数枚または偶数枚とするものである。特に、前記表層塑性加工材と前記塑性加工芯材は互いにカップ方向を異にして接合するのが望ましい。即ち、表層塑性加工材の木表面側と隣接する塑性加工芯材の木裏面側を対向した配置にするか、逆に、表層塑性加工材の木裏面側と隣接する塑性加工芯材の木表面側を対向した配置にされる。ここで、前記表層塑性加工材と前記塑性加工芯材は、圧密加工を行った材料であり、その特徴からカップ量が大きくなるので、年輪の中心よりも外側に位置する木表面側と年輪の中心側に位置する木裏面側とを対向させ、互いのカップ方向を異にし、互いのカップ量を打ち消すように相殺するものである。
更に、内側の内層合板及び外側の内層合板とは、前記塑性加工芯材の接合する対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように非圧縮の針葉樹をロータリーレースで回転させながら切削してなる単板が少なくとも1枚以上積層接着され、かつ、前記単板の厚みを2mm〜5mmの範囲内として前記塑性加工芯材の両側の面に接合したものである。
なお、通常、表層塑性加工材及び塑性加工芯材及び内層合板の全体の枚数が偶数枚で形成されるが、奇数枚であってもよい。また、木材の繊維方向は表層塑性加工材及び塑性加工芯材及び内層合板の各枚ごとに直交するように配設される。
請求項5の積層材の前記表層塑性加工材と前記塑性加工芯材は、互いにカップ方向を異にするものである。
ここで、前記表層塑性加工材と前記塑性加工芯材は、圧密加工を行った材料であり、その特徴からカップ量が大きくなるので、年輪の中心よりも外側に位置する木表面側と年輪の中心側に位置する木裏面側とを対向させ、互いのカップ方向を異にし、互いのカップ量を打ち消すように相殺するものである。
なお、上記気乾比重とは、木材を大気中で乾燥した時の比重で、通常、含水率15%の時の比重で表すものであり、木材を乾燥させた時の重さと同じ体積の水の重さを比べた値である。数値が大きいほど重く、小さいほど軽いことを表す。例えば、自然物の国産或いは国内でよく使用される材木のスギは0.36、ヒノキは0.44、カラマツは0.50、ドドマツは0.44、キリは0.25、クリは0.60、ブナは0.65、ナラは0.58、カバは0.60、イタジイは0.61、カリン0.61、ファルカタは0.27、マラパパイヤは0.50、グメリナは0.45、ゴムは0.64、イエローポプラは0.45、イタリアポプラは0.35、アカシアマンギウムは0.63程度である。
また、上記表層塑性加工材において、本発明者らが実験研究を重ねた結果、スギ板の木取りにより得た木材を高圧縮して気乾比重を0.7以上(圧密加工により気乾比重を2倍以上)としたものでは、硬度が顕著に高くなって傷跡や凹みが極めて付き難くなり、集中荷重や衝撃荷重等を受けるために高い表面硬度や耐摩耗性等が要求される床材等としても耐用できることを見出し、この知見に基づいて設定されたものである。即ち、圧縮により、硬度や耐摩耗性等を増大させた特性領域であり、圧密加工された木材としての特性であることを示すものである。そして、特に、気乾比重を0.85以上にすると、硬度や耐摩耗性等の特性値のばらつきが少なくなって物理的安定性が増し、また、硬度もより顕著に高くなるため、気乾比重を0.85以上としたものがより好ましい。
なお、上記表層塑性加工材の気乾比重は、最終的には、樹種や、コストや、必要とされる硬度・耐摩耗性等を考慮して設定されるが、気乾比重を大きくするために圧縮率を余りに高くすると木材を構成する繊維が破壊されてクラックが生じ商品性が失われることになるから、高圧縮によりクラックが発生する直前に測定される気乾比重の値が最大値となる。因みに、本発明者らの実験研究によれば、スギ材やヒノキ材等の針葉樹を用いた場合には約1.2が上記気乾比重の上限であることが判明している。したがって、本発明における気乾比重の最大値は、樹種等によって決定される有限値である。また、上記気乾比重の数値は、厳格であることを要求するものではなくて概ねであり、当然、測定等により誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。
上記内層合板と、内側内層合板及び外側内層合板とは同じものであり、表層塑性加工材と塑性加工芯材と接着剤等の接合手段を介在して一体に接合されたものである。また、上記内層合板または内側内層合板及び外側内層合板は、非圧縮の針葉樹の単板が互いの木目の長さ方向が直交するように1枚以上積層接着され、かつ、前記表層塑性加工材に接合される単板の厚みを2mm〜5mmの範囲内とする構成をとることで、比重が小さくて強度や剛性が小さいというスギ材やヒノキ材等の針葉樹の単板の欠点を補完し、厚みが通常0.3mm〜2mmであるラワン単板を用いて同じ構成とした場合と同等以上の強度や剛性を確保すると共に、周囲環境条件が変化した場合における合板全体の寸法形状変化を防止し、更に、単板の木目の長さ方向が前記表層塑性加工木材の木目の長さ方向と直交するように前記表層塑性加工材の片面側に接合することで、周囲環境条件が変化した場合における積層材全体の寸法形状変化を防止したものである。因みに、上記2mm〜5mmの値は、当然、測定等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。
請求項1の発明の積層材によれば、意匠面となる表層塑性加工材を、板の木取りにより得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を2倍以上で、かつ、気乾比重を0.7以上とし、次に重ねる内層合板を前記表層塑性加工材の接合する対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように非圧縮の針葉樹を回転させながら切削してなる単板が少なくとも1枚以上積層接着され、かつ、前記単板の厚みを2mm〜5mmの範囲内として前記表層塑性加工材の片面に接合し、次いで、1枚以上からなる塑性加工芯材を、板の木取りにより得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を1.5倍以上で、かつ、気乾比重を0.5以上とし、前記内層合板の反表層塑性加工材側の接合する対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように接合したものである。
このように、表層塑性加工材は、木材の木目の長さ方向に対して垂直方向の加熱圧縮により、厚み全体が圧縮され、圧密加工により気乾比重を2倍以上で、かつ、気乾比重を0.7以上としたものであるから、表層塑性加工材における細胞壁を構成する成分の構造が密となって硬度や耐摩耗性等が著しく向上しており、意匠面に傷跡や凹みが極めて付き難くなっている。
また、表層塑性加工材に対向して塑性加工芯材が設けられており、例えば、表層塑性加工材の木表面側と隣接する塑性加工芯材の木裏面側を対向した配置にするか、逆に、表層塑性加工材の木裏面側と隣接する塑性加工芯材の木表面側を対向した配置にされているから、積層材の全枚数が奇数枚のときに両者は互いにカップ方向が相殺され、表層塑性加工材の意匠面にでてくるカップ量が小さくなり、床材に使用しても狂いが僅少である。また、偶数枚のときに両者は互いにカップ方向が生じ難い組み合わせてであり、表層塑性加工材の意匠面にでてくるカップ量が小さくなり、床材に使用しても狂いが僅少である。
そして、前記表層塑性加工材に接合される内層合板は、複数枚の非圧縮の針葉樹の単板が互いの木目の長さ方向が直交するように接着されて複数枚積層され、かつ、単板の厚みが2mm〜5mmの範囲内にあることから、比重が小さくて強度や剛性が小さいという針葉樹の単板の欠点が補完されて、荷重等の外力が加えられた場合でもクラックが生じることがなく十分な強度や剛性を有すると共に、周囲環境条件の変化によって各針葉樹の単板を変形させようとする力(膨張収縮力)が生じても、各針葉樹の単板が相互に作用しあって打ち消し合うことでバランスがとれ、寸法形状変化が防止される。また、内層合板の寸法形状変化が防止されることで、内層合板の表層塑性加工材への影響も少なくて表層塑性加工材とのバランスもよく、特に、この内層合板は表層塑性加工材に両者の接合面において互いの木目の長さ方向が直交するように接合されていることから、内層合板と表層塑性加工材とが相互に作用し合って一段と良好なバランスとなり、積層材全体の寸法形状変化が防止される。この要因は、発明者らの究明により、前記表層塑性加工材と塑性加工芯材に接合されている内層合板は、前記表層塑性加工材と塑性加工芯材によって内層合板の吸湿性を阻止するから、カップ量が少なくなることが確認された。
更に、このように表層塑性加工材及び内層合板及び塑性加工芯材の3種類の加工木材によって傷跡や凹みの付き難さ、十分な強度及び剛性を確保し、寸法形状変化を防止しているため、低コスト化及び製造の容易化を図ることが可能である。また、表層塑性加工材と塑性加工芯材との間に内層合板を配置したものであるから、所定の厚みの積層材が得られ、しかも、内層合板の厚みによって任意の弾性とすることができる。
特に、表層塑性加工材と塑性加工芯材が逆表面に形成され、木表面と木裏面とを対向させているから、互いのカップ量に対して補正を行う力に対して内層合板による緩衝が入るから、比較的吸湿性のない材料及びにカップ量の弱いものに対して好適である。
加えて、本発明の積層材を釘を使用してフローリング、腰板等として張り合わせるとき、表層塑性加工材を傷つけることなく張り合わせが可能であり、また、釘によって内層合板及び塑性加工芯材が止められ、しかも釘を打ち込む位置が柔らかいので正確に釘を打ち込める。
このようにして、傷跡や凹みが付き難く、十分な強度や剛性、弾性を有し、また、製品化後に周囲環境条件が変化した場合におけるカップ量を含む寸法形状変化を防止でき、更に、低コスト化及び製造の容易化が可能であり、スギ材、ヒノキ材等の針葉樹の有効活用を図ることができる積層材となる。
請求項2の発明の積層材によれば、意匠面となる表層塑性加工材を、板の木取りにより得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を2倍以上で、かつ、気乾比重を0.7以上とし、次に重ねる1枚以上からなる塑性加工芯材を、木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を1.5倍以上で、かつ、気乾比重を0.5以上とし、前記表層塑性加工材の対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように接合し、そして、1枚以上積層接着されてなる内層合板を、前記塑性加工芯材の対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように非圧縮の針葉樹を回転させながら切削してなる単板の厚みを2mm〜5mmの範囲内として前記塑性加工芯材の前記対向面に接合したものである。
このように、表層塑性加工材は、木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力により、厚み全体が圧縮され、圧密加工により気乾比重を2倍以上で、かつ、気乾比重を0.7以上としたものであるから、表層塑性加工材における細胞壁を構成する成分の構造が密となって硬度や耐摩耗性等が著しく向上しており、傷跡や凹みが極めて付き難くなっている。
また、表層塑性加工材に対向して塑性加工芯材が設けられており、積層材の全枚数が奇数枚のときに両者は互いにカップ方向が相殺され、表層塑性加工材の意匠面にでてくるカップ量が小さくなり、床材に使用しても狂いが僅少である。また、偶数枚のときに両者は互いにカップ方向が生じ難い組み合わせであり、表層塑性加工材の意匠面にでてくるカップ量が小さくなり、床材に使用しても狂いが僅少である。特に、表層塑性加工材と塑性加工芯材を対向させて接着させているから、両者の歪力等は表層塑性加工材と塑性加工芯材との2種類の間でカップ量を少なくし、かつ、その塑性加工芯材側に内層合板を重ね合わせるものであるから、内層合板にストレスが入り難くなり、また、表層塑性加工材と塑性加工芯材とのカップ量の平衡をとり易くしている。
そして、前記塑性加工芯材に接合される内層合板は、複数枚の非圧縮の針葉樹の単板が互いの木目の長さ方向が直交するように接着されて複数枚積層され、かつ、単板の厚みが2mm〜5mmの範囲内にあることから、比重が小さくて強度や剛性が小さいという針葉樹の単板の欠点が補完されて、荷重等の外力が加えられた場合でもクラックが生じることがなく十分な強度や剛性を有すると共に、周囲環境条件の変化によって各針葉樹の単板にそれを変形させようとする力(膨張収縮力)が生じても、各針葉樹の単板が相互に作用しあって打ち消し合うことでバランスがとれ、寸法形状変化が防止される。また、内層合板の寸法形状変化が防止されることで、内層合板から表層塑性加工材への影響も少なくて表層塑性加工材とのバランスもよく、特に、この内層合板は表層塑性加工材に両者の接合面において互いの木目の長さ方向が直交するように接合されていることから、内層合板と表層塑性加工材とが相互に作用し合って一段と良好なバランスとなり、積層材全体の寸法形状変化が防止される。
更に、このように表層塑性加工材及び塑性加工芯材及び内層合板の3種類の加工木材によって傷跡や凹みの付き難さ、十分な強度及び剛性を確保し、寸法形状変化を防止しているため、低コスト化及び製造の容易化を図ることが可能である。また、表層塑性加工材と塑性加工芯材との間に内層合板を配置したものであるから、所定の厚みの積層材が得られ、しかも、内層合板の厚みによって任意の弾性とすることができる。
特に、表層塑性加工材と塑性加工芯材が直接表層塑性加工材の木表面側と隣接する塑性加工芯材の木裏面側、逆に、表層塑性加工材の木裏面側と隣接する塑性加工芯材の木表面側を対向して接合しているから、互いのカップ方向を直接相殺させて補正を行うものであり、その間に緩衝が介在していないから、比較的癖の強いものでも表層塑性加工材と塑性加工芯材の厚み等で調節するのに好適である。そして、内層合板が塑性加工芯材に接合されているから、塑性加工芯材側の機械的強度を中心に表層塑性加工材のカップ方向及びカップ量の修正を行うことができる。
更に、本発明の積層材は釘を使用してフローリング、腰板等として張り合わせるとき、表層塑性加工材を傷つけることなく張り合わせが可能である。
このようにして、傷跡や凹みが付き難く、十分な強度や剛性、弾性を有し、また、製品化後に周囲環境条件が変化した場合におけるカップ量を含む寸法形状変化を防止でき、更に、低コスト化及び製造の容易化が可能であり、スギ材、ヒノキ材等の針葉樹の有効活用を図ることができる積層材となる。
請求項3の発明の積層材によれば、意匠面となる表層塑性加工材を、板の木取りにより得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を2倍以上で、かつ、気乾比重を0.7以上とし、次に重ねる1枚以上からなる塑性加工芯材を木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を1.5倍以上で、かつ、気乾比重を0.5以上とし、前記表層塑性加工材の対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように接合し、次に、1枚以上積層接着された内層合板を、前記塑性加工芯材の対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように非圧縮の針葉樹を回転させながら切削してなる単板の厚みを2mm〜5mmの範囲内として前記塑性加工芯材の前記対向面に接合され、更に、1枚以上からなる裏面側塑性加工芯材を、木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱圧縮され、圧密加工により気乾比重を1.5倍以上で、かつ、気乾比重を0.5以上とし、前記内層合板の対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように接合したものである。
このように、表層塑性加工材は、木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力により、厚み全体が圧縮され、圧密加工により気乾比重を2倍以上で、かつ、気乾比重を0.7以上としたものであるから、表層塑性加工材における細胞壁を構成する成分の構造が密となって硬度や耐摩耗性等が著しく向上しており、傷跡や凹みが極めて付き難くなっている。
また、表層塑性加工材に対向して塑性加工芯材が設けられており、両者は互いにカップ方向が相殺される方向、即ち、表層塑性加工材の木表面側と隣接する塑性加工芯材の木裏面側を対向した配置、逆に、表層塑性加工材の木裏面側と隣接する塑性加工芯材の木表面側を対向した配置に重ねることによって、表層塑性加工材の意匠面にでてくるカップ量が小さくなり、床材に使用しても狂いが僅少である。特に、表層塑性加工材と塑性加工芯材を対向させて接着させているから、両者の歪力等は表層塑性加工材と塑性加工芯材との2種類の間で相殺され、かつ、その塑性加工芯材側に内層合板を重ね合わせるものであるから、内層合板にストレスが入り難い。即ち、積層材の全枚数が奇数枚のときに両者は互いにカップ方向が相殺され、表層塑性加工材の意匠面にでてくるカップ量が小さくなり、床材に使用しても狂いが僅少である。また、偶数枚のときに両者は互いにカップ方向が生じ難い組み合わせであり、表層塑性加工材の意匠面にでてくるカップ量が小さくなり、床材に使用しても狂いが僅少である。この要因は、発明者らの究明により、前記表層塑性加工材及び塑性加工芯材と塑性加工芯材(裏面側塑性加工芯材)に接合されている内層合板は、前記塑性加工芯材と塑性加工芯材(裏面側塑性加工芯材)によって内層合板の吸湿性を阻止するから、カップ量が少なくなることが確認された。
そして、前記塑性加工芯材に接合される内層合板は、複数枚の非圧縮の針葉樹の単板が互いの木目の長さ方向が直交するように接着されて複数枚積層され、かつ、単板の厚みが2mm〜5mmの範囲内にあることから、比重が小さくて強度や剛性が小さいという針葉樹の単板の欠点が補完されて、荷重等の外力が加えられた場合でもクラックが生じることがなく十分な強度や剛性を有すると共に、周囲環境条件の変化によって各針葉樹の単板にそれを変形させようとする力(膨張収縮力)が生じても、各針葉樹の単板が相互に作用しあって打ち消し合うことでバランスがとれ、寸法形状変化が防止される。また、内層合板の寸法形状変化が防止されることで、内層合板から表層塑性加工材への影響も少なくて表層塑性加工材とのバランスもよく、特に、この内層合板は表層塑性加工材に両者の接合面において互いの木目の長さ方向が直交するように接合されていることから、内層合板と表層塑性加工材とが相互に作用し合って一段と良好なバランスとなり、積層材全体の寸法形状変化が防止される。
更に、このように表層塑性加工材及び塑性加工芯材及び内層合板及び裏面側塑性加工芯材の4種類、基本的には、表層塑性加工材及び塑性加工芯材(裏面側塑性加工芯材)及び内層合板の3種類の加工木材によって傷跡や凹みの付き難さ、十分な強度及び剛性を確保し、寸法形状変化を防止しているため、低コスト化及び製造の容易化を図ることが可能である。また、表層塑性加工材及び塑性加工芯材と裏面側塑性加工芯材との間に内層合板を配置したものであるから、所定の厚みの積層材が得られ、しかも、内層合板の厚みによって任意の弾性とすることができる。
特に、表層塑性加工材と塑性加工芯材が直接、木表面と木裏面とを対向させて接合しているから、互いのカップ方向を直接相殺させて補正を行うものであり、緩衝が介在していないから、比較的癖の強いものでも表層塑性加工材と塑性加工芯材の厚み等で調節するのに好適である。また、表層塑性加工材に対して裏層塑性加工材が逆面に形成されているから、互いのカップ量に対して補正を行う力に緩衝が入るから、比較的小さいカップ量の調整もできる。即ち、積層材の全枚数が奇数枚のときに両者は互いにカップ方向が相殺され、表層塑性加工材の意匠面にでてくるカップ量が小さくなり、床材に使用しても狂いが僅少である。また、偶数枚のときに両者は互いにカップ方向が生じ難い組み合わせであり、表層塑性加工材の意匠面にでてくるカップ量が小さくなり、床材に使用しても狂いが僅少である。
加えて、本発明の積層材を釘を使用してフローリング、腰板等として張り合わせるとき、表層塑性加工材を傷つけることなく張り合わせが可能であり、また、釘によって止められる個所が柔らかいので正確に釘を打ち込める。また、釘の頭部と下地との間に適当な弾性を持たせることができる。しかも、釘止めは、他の塑性加工芯材、裏面側塑性加工芯材を貫通して行われるから安定した釘止めが可能となる。
このようにして、傷跡や凹みが付き難く、十分な強度や剛性、弾性を有し、また、製品化後に周囲環境条件が変化した場合におけるカップ量を含む寸法形状変化を防止でき、更に、低コスト化及び製造の容易化が可能であり、スギ材、ヒノキ材等の針葉樹の有効活用を図ることができる積層材となる。
請求項4の発明の積層材によれば、意匠面となる表層塑性加工材を、板の木取りにより得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を2倍以上で、かつ、気乾比重を0.7以上とし、次に重ねる1枚以上からなる前記表層塑性加工材の対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように非圧縮の針葉樹を回転させながら周方向に切削してなる単板を少なくとも1枚以上積層接着し、かつ、前記単板の厚みを2mm〜5mmの範囲内として前記表層塑性加工材の前記対向面に接合された内側の内層合板と、前記塑性加工芯材の対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように非圧縮の針葉樹を回転させながら切削してなる単板が少なくとも1枚以上積層接着され、かつ、前記単板の厚みを2mm〜5mmの範囲内として前記塑性加工芯材の前記対向面に接合された外側の内層合板で挟んだ1枚以上からなる塑性加工芯材は、木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱圧縮され、圧密加工により気乾比重を1.5倍以上で、かつ、気乾比重を0.5以上とし、前記内層合板の対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように接合して一体化したものである。
このように、表層塑性加工材は、木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力により、厚み全体が圧縮され、圧密加工により気乾比重を2倍以上で、かつ、気乾比重を0.7以上としたものであるから、表層塑性加工材における細胞壁を構成する成分の構造が密となって硬度や耐摩耗性等が著しく向上しており、傷跡や凹みが極めて付き難くなっている。
また、表層塑性加工材に対向して内側の内層合板を介して塑性加工芯材が設けられており、表層塑性加工材と塑性加工芯材とを互いにカップ量を少なくする方向、即ち、表層塑性加工材の木表面側と隣接する塑性加工芯材の木裏面側を対向した配置にするか、逆に、表層塑性加工材の木裏面側と隣接する塑性加工芯材の木表面側を対向した配置に重ねることによって、積層材の全枚数が奇数枚のときに両者は互いにカップ方向が相殺され、表層塑性加工材の意匠面にでてくるカップ量が小さくなり、床材に使用しても狂いが僅少である。また、偶数枚のときに両者は互いにカップ方向が生じ難い組み合わせであり、表層塑性加工材の意匠面にでてくるカップ量が小さくなり、床材に使用しても狂いが僅少である。この要因は、発明者らの究明により、前記表層塑性加工材と塑性加工芯材に接合されている内側の内層合板は、前記表層塑性加工材と塑性加工芯材によって内側の内層合板の吸湿性を阻止するから、カップ量が少なくなることが確認された。
特に、表層塑性加工材と塑性加工芯材を対向、その間に内側の内層合板が接合されているから、両者の歪力等は表層塑性加工材と1枚の塑性加工芯材との2種類の間で少なくし、かつ、その塑性加工芯材側に内側の内層合板を重ね合わせるものであるから、他の塑性加工芯材にストレスが入り難い。
なお、本発明では、塑性加工芯材が対になっており、一方の塑性加工芯材の木表面側と隣接する他方の塑性加工芯材の木裏面側を対向配置にするか、一方の塑性加工芯材の木裏面側と隣接する他方の塑性加工芯材の木表面側を対向した配置にすると、2枚の塑性加工芯材を芯としてカップ量を相殺させておけば、表層塑性加工材の意匠面にでてくるカップ量を小さくすることができる。したがって、一方の塑性加工芯材の木表面側と隣接する塑性加工芯材の木裏面側を対向した配置、他方の塑性加工芯材の木裏面側と隣接する塑性加工芯材の木表面側を対向した配置に拘束されるものではない。
そして、前記塑性加工芯材に接合される内側内層合板及び外側内層合板は、複数枚の非圧縮の針葉樹の単板が互いの木目の長さ方向が直交するように接着されて複数枚積層され、かつ、単板の厚みが2mm〜5mmの範囲内にあることから、比重が小さくて強度や剛性が小さいという針葉樹の単板の欠点が補完されて、荷重等の外力が加えられた場合でもクラックが生じることがなく十分な強度や剛性を有すると共に、周囲環境条件の変化によって各針葉樹の単板にそれを変形させようとする力(膨張収縮力)が生じても、各針葉樹の単板が相互に作用し、打ち消し合うことでバランスがとれて、寸法形状変化が防止される。また、内側内層合板及び外側内層合板の寸法形状変化が、その間の塑性加工芯材で防止されることで、表層塑性加工材への影響も少なくて表層塑性加工材と塑性加工芯材とのバランスもよく、特に、この内側内層合板及び外側内層合板は塑性加工芯材の両接合面において互いの木目の長さ方向が直交するように接合されていることから、内側内層合板及び外側内層合板と表層塑性加工材とが相互に作用し合って一段と良好なバランスとなり、積層材全体の寸法形状変化が防止される。
更に、このように表層塑性加工材及び内側内層合板及び塑性加工芯材及び外側内層合板の4種類の、基本的には、表層塑性加工材及び内側内層合板(外側内層合板)及び塑性加工芯材の4種類の加工木材によって傷跡や凹みの付き難さ、十分な強度及び剛性を確保し、寸法形状変化を防止しているため、低コスト化及び製造の容易化を図ることが可能である。また、表層塑性加工材と塑性加工芯材との間に内側内層合板を配置したものであるから、所定の厚みの積層材が得られ、しかも、内側内層合板及び外側内層合板の厚みによって任意の弾性とすることができる。
特に、表層塑性加工材と塑性加工芯材が間接的に接合しているから、互いのカップ量に対して緩衝するから間接的に補正を行うことになり、比較的癖の弱いもので、表層塑性加工材と塑性加工芯材の厚み、内側内層合板及び外側内層合板の厚み、材料等で調節するのに好適である。また、表層塑性加工材に対して裏層塑性加工材が逆面に形成されているから、互いのカップ量に対して補正を行う力に緩衝が入るから、比較的小さいカップ量の調整もできる。積層材の全枚数が奇数枚のときに両者は互いにカップ方向が相殺され、表層塑性加工材の意匠面にでてくるカップ量が小さくなり、床材に使用しても狂いが僅少である。また、偶数枚のときに両者は互いにカップ方向が生じ難い組み合わせであり、表層塑性加工材の意匠面にでてくるカップ量が小さくなり、床材に使用しても狂いが僅少である。
加えて、本発明の積層材を釘を使用してフローリング、腰板等として張り合わせるとき、表層塑性加工材を傷つけることなく張り合わせが可能であり、また、釘によって止められる個所が柔らかいので正確に釘を打ち込める。また、釘の頭部と下地との間に適当な弾性を持たせることができる。
このようにして、傷跡や凹みが付き難く、十分な強度や剛性、弾性を有し、また、製品化後に周囲環境条件が変化した場合におけるカップ量を含む寸法形状変化を防止でき、更に、低コスト化及び製造の容易化が可能であり、スギ材、ヒノキ材等の針葉樹の有効活用を図ることができる積層材となる。
請求項5の積層材の前記表層塑性加工材と前記塑性加工芯材は、互いに圧密加工を行った材料であり、カップ方向を異にするものであるから、請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の積層材の特徴に加えて、前記表層塑性加工材と前記塑性加工芯材が互いにカップ方向を異にするから、互いのカップ量が相殺でき前記表層塑性加工材の意匠面に乱れが使用じない。
図1は本発明の実施の形態1にかかる積層材を構成する表層塑性加工材及び塑性加工芯材、裏層塑性加工材を製造する塑性加工材製造装置の概略構成を示す断面図である。 図2は本発明の実施の形態1にかかる積層材の表層塑性加工材の製造工程を説明するための説明図で、(a)は原材料となる加工前木材の供給の説明図、(b)は加熱圧縮開始状態による説明図、(c)は密閉加熱圧縮開始状態による説明図、(d)は密閉加熱圧縮状態による蒸気圧制御処理の説明図、(e)は密閉冷却状態による説明図、(f)は圧密加工された木材(塑性加工材)の取り出しの説明図である。 図3は本発明の実施の形態1にかかる積層材の表層塑性加工材を形成するための原材料となる加工前木材の板目面、柾目面、木口面を示す部分斜視図である。 図4は本発明の実施の形態1にかかる積層材を構成する内層合板の単板の製造工程を示す説明図である。 図5は本発明の実施の形態1にかかる積層材を構成する内層合板の製造手順を説明するための説明図で、(a)は奇数枚の針葉樹の単板が積層される状態の説明図、(b)は針葉樹の単板が奇数枚積層された切削加工前の状態を示す説明図、(c)は切削加工されて針葉樹の単板が偶数枚積層された本実施の形態1にかかる内層合板を示す説明図である。 図6は本発明の実施の形態1にかかる積層材の展開構成図(a)及び接合構成を説明するための説明図(b)である。 図7は本発明の実施の形態2にかかる積層材の展開構成図(a)及び接合構成を説明するための説明図(b)である。 図8は本発明の実施の形態3にかかる積層材の展開構成図(a)及び接合構成を説明するための説明図(b)である。 図9は本発明の実施の形態4にかかる積層材の展開構成図(a)及び接合構成を説明するための説明図(b)である。 図10は本発明の実施の形態1乃至実施の形態4にかかる積層材の吸湿乾燥によるカップ量を示す特性図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、実施の形態において、同一の記号及び同一の符号は同一または相当する部分及び機能を意味し、各実施の形態相互の同一の記号及び同一の符号は、それら実施の形態1に共通する機能部分であるから、ここでは重複する詳細な説明を省略する。
[実施の形態1]
まず、本発明の実施の形態1の積層材について、図1乃至図10を参照して説明する。
最初に、本実施の形態にかかる積層材を構成する表層塑性加工材SPWを製造する手順について、まず、図1乃至図3を参照して説明する。
図1において、本実施の形態1の表層塑性加工材SPWを製造する塑性加工材製造装置1は、主として、上プレス盤10Aと下プレス盤10Bとの2分割された構造体によって内部空間ISを形成するプレス盤10と、下プレス盤10Bの周縁部10bに対向する上プレス盤10Aの周縁部10aに配設され、上プレス盤10Aの所定の上下動の範囲で内部空間ISを密閉状態とするシール部材11と、上プレス盤10Aの上面側から内部空間IS内に連通され、内部空間IS内に蒸気を供給するための配管口12aを有する配管12と、その上流側のバルブV4と、下プレス盤10Bの側面側から内部空間IS内に連通され、内部空間IS内から水蒸気を排出するための配管口13aを有する配管13と、配管13内の蒸気圧を検出する圧力計P2と、その下流側のバルブV5と、バルブV5に接続されたドレン配管14等から構成されている。
また、プレス盤10の上プレス盤10A及び下プレス盤10B内には、それらを高温の水蒸気を通すことによって所望の温度に昇温するための配管路15,16が形成されており、これら配管路15,16には蒸気供給側の配管ST1から分岐された配管ST2,ST3、蒸気排出側の配管ET1,ET2がそれぞれ接続されている。そして、蒸気供給側の配管ST1,ST2,ST3の途中にはバルブV1,V2,V3、配管ST1内の蒸気圧を検出する圧力計P1が配設されており、蒸気排出側の配管ET1,ET2は、バルブV6を介してドレン配管14に接続されている。
なお、配管ST1に水蒸気を供給するボイラ装置、また、プレス盤10の固定側の下プレス盤10Bに対して上プレス盤10Aを上昇/下降させ加圧するための油圧機構を含むプレス昇降装置は省略されている。
本実施の形態1では、プレス盤10の上プレス盤10A及び下プレス盤10Bで形成される内部空間IS内を加熱するためにバルブV4に接続された配管12を用いて高温の水蒸気を導入しているが、この他、高周波加熱、マイクロ波加熱等を用いることも可能である。特に、木材に対する高周波加熱は、マイクロ波による誘電過熱よりも、マイクロ波よりも若干周波数の低い高周波で、木材の中心から加熱する方法が好適である。
更に、プレス盤10には、上プレス盤10A及び下プレス盤10B内に形成された配管路15,16に水蒸気に換えて低温の冷却水を通すことによって所望の温度に冷却する冷却水供給側の配管ST11から分岐された配管ST12,ST13が、上記配管ST2,ST3にそれぞれ接続されている。また、冷却水供給側の配管ST11,ST12,ST13の途中にはバルブV11,V12,V13が配設されている。なお、配管ST11に冷却水を供給する冷却水供給装置は省略されている。
勿論、本発明を実施する場合には、プレス盤10にてプレス圧縮される面は、木目の長さ方向にある木口面以外であれば柾目面でもよく、板目面側をプレス圧縮するかまたは柾目面側をプレス圧縮するかの加熱圧縮の方向性は加工前木材NWの種類等が考慮され、加熱圧縮の際に木目の座屈変形が抑えられて目割れが発生し難い方向に選定される。
そして、このように構成される塑性加工材製造装置1によって加工前木材NWから表層塑性加工材SPWを製造するにあたり、まず、図2(a)に示すように、塑性加工材製造装置1におけるプレス盤10の固定側の下プレス盤10Bに対して上プレス盤10Aが上昇され、予め所定の条件に乾燥させた加工前木材NWが、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bで形成される内部空間IS内に載置される。
ここで、本実施の形態1においては、表層塑性加工材SPWの原材料となる加工前木材NWは、スギ材からなるものであり、前以って板の木取りにより得た所定の寸法(厚み・幅・長さ)に製材されたものである。図3に示すように、この加工前木材NWは、通常、木口面(2面)、板目面(木表及び木裏の2面)、柾目面(2面)を有しており、本実施の形態1においては、木目の長さ方向に対して垂直方向で年輪の内側の平面となる板目面の木裏側をプレス盤10の下プレス盤10Bに載置した。
なお、板の木取りにより得た木材には一般的にヤ二が存在し、特に針葉樹においてはその量が多いことから、気乾比重が0.7以上となるようにスギ材等を圧縮した場合、ヤ二が多く表出し、商品としての品質が損なわれたり、ヤ二除去に多大な手間がかかったりすることが懸念される。このため、表層塑性加工材SPWを形成するための加工前木材NWには、辺材(白太・白身)を用いるのが好適である。これにより、圧縮によるヤ二の表出量を抑制することができる。また、辺材は心材(赤身)に比べ明るい色彩であることから、辺材を用いることで、圧縮したときの濃色変化が心材を用いた場合よりも抑制され、良好な外観が保持される。しかし、本発明を実施する場合には、表層塑性加工材SPWに心材が存在していても構わない。
続いて、図2(b)に示すように、固定側の下プレス盤10B上に載置された加工前木材NWに対して上プレス盤10Aを所定圧力にて下降させて加工前木材NWの上面、即ち、本実施の形態1においては、木目の長さ方向に対して垂直方向で年輪の外側の平面となる板目面の木表側に当接させる。そして、上プレス盤10Aの配管路15及び下プレス盤10Bの配管路16に所定温度(例えば、110〜160〔℃〕)の水蒸気が通され、内部空間IS内が所定温度(例えば、110〜180〔℃〕)に保持される。
次に、固定側の下プレス盤10Bに対して上プレス盤10Aの圧縮圧力が所定圧力(例えば、2〜5〔MPa〕)に設定され、加工前木材NWが上プレス盤10A及び下プレス盤10Bにて所定時間(例えば、5〜40〔min:分〕)加熱圧縮される。なお、このときの圧縮圧力は、割れを防止するために、加工前木材NWの温度上昇、即ち、加工前木材NWの内部の温度の伝達状態に応じて徐々に大きくするのが望ましく、加熱圧縮の時間も伝達時間を考慮して設定するのが好ましい。
さらに、図2(c)に示すように、上プレス盤10Aの周縁部10aが下プレス盤10Bの周縁部10bに当接すると上プレス盤10Aの周縁部10aに配設されたシール部材11によって、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bにて形成される内部空間ISが密閉状態となる。そして、内部空間ISの密閉状態で上プレス盤10A及び下プレス盤10Bによる圧縮圧力が保持されたまま、所定温度(例えば、150〜210〔℃〕)まで上昇される。
なお、本実施の形態1において、プレス盤10の上プレス盤10A及び下プレス盤10Bによって形成される内部空間ISがシール部材11を介して密閉状態となったときにおける内部空間ISの上下方向の寸法間隔は、プレス盤10によって加工前木材NWが気乾比重0.7以上の表層塑性加工材SPWとなるときの厚み方向の仕上がり寸法に設定されている。このため、加工前木材NWの厚み全体の圧縮率、即ち、加工前木材NWの圧縮による板厚の変化は、上プレス盤10Aの周縁部10aが下プレス盤10Bの周縁部10bに当接することで決まることとなる。
そして、図2(c)に示す内部空間ISの密閉状態で、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bの圧縮圧力が維持され、かつ、内部空間ISが所定温度(例えば、150〜210〔℃〕)のまま、所定時間(例えば、30〜120〔min〕)保持され、この後の冷却圧縮を解除したときに、戻りのない表層塑性加工材SPWを形成するための加熱処理が行われる。このとき、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bで密閉状態とされている内部空間ISを介して、加工前木材NWの周囲面とその内部とでは高温高圧の蒸気圧が出入り自在となっている。
なお、このように、本実施の形態1においては、加工前木材NWの表裏面に上プレス盤10A及び下プレス盤10Bが面接触し、密閉状態の内部空間ISに保持されるため、加工前木材NWは、厚み全体が十分に加熱され、効率よく圧縮変形されることになる。
次に、図2(d)に示すように、内部空間ISの密閉状態で加熱圧縮処理が行われているときに、蒸気圧制御処理として圧力計P2で内部空間ISの蒸気圧が検出され、バルブV5が適宜、開閉される。これにより、配管口13a、配管13を通って内部空間ISからドレン配管14側に高温高圧の水蒸気が排出されることで、特に、加工前木材NWの外層部分の含水率に基づく余分な内部空間IS内の水分が除去され、内部空間IS内が所定の蒸気圧となるように調節される。また、必要に応じて、バルブV4に接続された配管12、配管口12a(図1)を介して内部空間ISに所定の蒸気圧を供給することができる。これらにより、木材の加熱圧縮処理の定着、所謂、木材の固定化がより促進されることとなる。
さらに、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bによる加熱圧縮から冷却圧縮へと移行する直前に、蒸気圧制御処理としてバルブV5が開状態とされることで配管口13a、配管13を通って内部空間ISからドレン配管14側に高温高圧の水蒸気が排出される。
続いて、図2(e)に示すように、上プレス盤10Aの配管路15及び下プレス盤10Bの配管路16に常温の冷却水が通されることによって、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bが常温前後まで冷却され、材料によって異なる所定時間(例えば、10〜120〔min〕)保持される。なお、このときの固定側の下プレス盤10Bに対する上プレス盤10Aの圧縮圧力は、加熱圧縮の際の圧力と同じ所定圧力(例えば、2〜5〔MPa〕)に保持されたまま、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bが冷却される。
そして、最後に、図2(f)に示すように、固定側の下プレス盤10Bに対して上プレス盤10Aを上昇させ、内部空間ISから仕上がり品である表層塑性加工材SPWが取出されることで一連の処理工程が終了する。
このようにして、木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、木材の厚みが加熱圧縮され、圧密加工されて気乾比重を0.7以上とした表層塑性加工材SPWが製造される。
なお、本実施の形態1においては、蒸気圧を制御したのち、徐々に解圧して内部蒸気圧を開放し、また、冷却によって木材内の水蒸気圧を下げて定着させるので、冷却圧縮を解除したときに膨らみ変形やパンクと呼ばれる表面割れのない表層塑性加工材SPWを形成できる。即ち、本実施の形態1の表層塑性加工材SPWは、圧縮解除後に膨らみ変形や表面割れを生じることがなくて安定した品質が確保されている。本実施の形態1では、上プレス盤10A及び下プレス盤10Bを用いて圧縮し、定着して表層塑性加工材SPWを得ているが、本発明を実施する場合には、通常の電子レンジが使用するマイクロ波の周波数帯域よりも若干周波数の低い高周波で誘電加熱して加工前木材NWを加熱圧縮し、定着しても、表層塑性加工材SPWを得ることができる。
ここで、上述のようにして得られる本実施の形態1にかかる表層塑性加工材SPWの特性について、硬度、摩耗深さ及び曲げヤング係数の測定結果を参照して説明する。
硬度、摩耗深さ及び曲げヤング係数について測定を行った供試体は、スギ材を上述のよう圧密加工してその気乾比重を0.74(供試体1)、または、0.91(供試体2)としたものである。また、比較のために、圧密加工前の元のスギ材(供試体3)について、更には、圧密加工してもその気乾比重が0.7以下のもの(供試体4、供試体5)についても同様に測定を行った。それらの測定結果を表1の下段にまとめて示す。
Figure 2012148506

表1において、硬度H〔N/mm2〕は、JIS−Z―2101−1994に準じて評価した結果を示したものである。具体的には、木材の表面に直径10〔mm〕の鋼球を平均圧入速度0.5〔mm/min〕で圧入して、圧入深さが0.32〔mm〕になるときの荷重P〔N〕を測定し、下記の式(1)から算出したものである。
硬度H=P/10・・・(1)
また、摩耗深さD〔mm〕は、JIS−Z―2101−1994に準じて評価した結果を示したものである。具体的には、所謂、摩耗試験装置を用い、木材に加える荷重を約5.2〔N〕として回転速度が約60〔rpm〕となるように摩耗輪を500回転させたときの木材の重量m2〔g〕を測定し、試験前の木材の重量m1〔g〕と摩耗輪により摩耗を受ける部分の面積A〔mm2〕と密度ρ〔g/cm3〕とから下記の式(2)によって算出したものである。
摩耗深さD=(m1−m2)/A・ρ・・・(2)
更に、曲げヤング係数Eb〔N/mm2〕は、JIS−Z―2101に準じて評価した結果を示したものである。具体的には、2点荷重方式で、下記の式(3)によって測定計算したものである。
Eb=ΔP・L3/48・I・Δy・・・(3)
ここで、
Eb:曲げヤング係数〔N/mm2〕(kgf/cm2)、
ΔP:比例域における上限荷重と下限荷重との差〔N〕(kgf)、
Δy:ΔPに対応するスパン中央のたわみ(mm)、
I:断面2次モーメントI=bh3/12(mm4)、
L:スパン(mm)、
b:試験体の幅(mm)、
h:試験体の高さ(mm)
である。
表1に示されるように、圧密加工によってスギ材の気乾比重を0.7以上としたものでは、硬度〔N/mm2〕及び曲げヤング係数〔N/mm2〕の値が極めて顕著に大きくなっており、また、摩耗深さ〔mm〕においても、その値がとても小さくなっている。即ち、圧密加工によってスギ材の気乾比重を0.7以上にすることで、高い硬度、耐摩耗性及び剛性が得られ、傷跡や凹みが付き難くなることが分かり、表層塑性加工材SPWは意匠面側に使用するのが好適である。そして、通常、床材に利用されている広葉樹(ナラ等)からなる表層塑性加工材SPWの硬度が約15〔N/mm2〕、摩耗深さが約0.14〔mm〕であることから、スギ材の気乾比重が0.7以上となるように圧密加工された表層塑性加工材SPWは、集中荷重や衝撃荷重等を受けやすくて高い硬度及び耐摩耗性が要求される床材等の表層部分を構成するのにも十分な硬度及び耐摩耗性を有していることが分かる。
これより、圧密加工によってスギ材の気乾比重を0.7以上とした本実施の形態1にかかる表層塑性加工材SPWは、集中荷重や衝撃荷重を受けやすい床材等の表層部分を構成するものとして、意匠面としても傷跡や凹みが付き難いことが確認された。
因みに、本発明者らの実験研究により、木材を高圧縮してスギ材の気乾比重を0.8以上とすることで、製品化後の周囲環境条件の変化における含水率1%当たりの寸法変化率が増大しなくなり、更に、気乾比重を0.85以上としたものでは、特に硬度〔N/mm2〕が顕著に高くなり、また、硬度〔N/mm2〕及び摩耗深さ〔mm〕の値のばらつきが小さくなって物理的性質が安定し、品質にばらつきが少なくなることが確認されている。これは、気乾比重が0.85以上となるように圧密加工することで、早材部の殆どの細胞が圧縮変形されて細胞壁が重なり合い、早材部の(細胞内腔の)空隙が極めて少なくなって、厚み全体が略均一に圧縮されることになるためと推定される。このため、圧密加工によって気乾比重を0.85以上とすることで、周囲環境条件の変化による寸法変化率のばらつきも少なくなることから、寸法形状安定性を向上させることが可能となる。なお、木材を更に高圧縮して気乾比重を1.05以上にすると、硬度、耐摩耗性、耐衝撃性等が更に顕著に向上して傷跡や凹みが極めて付き難くなり、ハイヒール等の履物による集中衝撃荷重を多く受ける床材等にも十分耐用できるようになることが確認されている。
上記表1に示されるように、圧密加工によってスギ材の気乾比重を0.7以上としたものでは、硬度〔N/mm2〕及び曲げヤング係数〔N/mm2〕の値が極めて顕著に大きくなっており、また、摩耗深さ〔mm〕においても、その値がとても小さくなっている。しかし、塑性加工芯材NCWのように意匠面側に出ないで、カップ量を相殺したり、作業性を良くするには、圧密加工により気乾比重を2倍以上とするのが好適である。
塑性加工芯材NCWの製造は、基本的に表層塑性加工材SPWと同一であるので省略するが、一般に、圧密加工により気乾比重を1.5倍以上と低く設定することにより、ひび割れ等をなくし、加工性を良くし、必要な硬度及び剛性が得られる。
即ち、塑性加工芯材NCWについても、木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を1.5倍以上したものであり、表層塑性加工材SPWが圧密加工により気乾比重を2倍以上としたものであるのに対して、塑性加工芯材NCWは圧密加工されてスギ材の気乾比重を0.5以上としたものである。スギ材の気乾比重を0.5以上では適当な硬度10〔N/mm2〕が得られている。
本発明者らの実験研究により、塑性加工芯材NCWを高圧縮してスギ材の気乾比重を0.5以上とすることで、作業性を維持し、製品化後の周囲環境条件の変化における寸法変化率が増大しなくなるが、表層塑性加工材SPWのカップ量を塑性加工芯材NCWで相殺し、カップ量の変化をし難くするものであるから、製品化後の周囲環境条件の変化における寸法変化率を若干有するものとしている。当然、木材を高圧縮してスギ材の気乾比重を0.7以上としたものでも使用できないわけではない。
即ち、塑性加工芯材NCWは、木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、それを1枚以上、例えば、2枚以上の対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように接合したものとすることができる。圧密加工によって気乾比重を0.7以上とした表層塑性加工材SPWと、圧密加工されて気乾比重を0.5以上とした塑性加工芯材NCWとを重ね合わせてもよい。
特に、2枚以上からなる表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCWは、互いのカップ方向を逆にすることで相殺し、製品化後の周囲環境条件の変化における寸法変化率を少なくするものである。
このように、プレス盤10によって、板の木取りによって得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工によりスギ材、ヒノキ材の気乾比重を2倍以上とした表層塑性加工材SPW、同様に、板の木取りによって得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工によりスギ材、ヒノキ材の気乾比重を1.5倍以上とした塑性加工芯材NCWを得ている。
次に、本実施の形態1にかかる積層材を構成する内層合板IPWについて図4を用いて説明する。
内層合板IPWの製造は、ロータリーレースと呼ばれる原木丸太WDから刃物CTによって大根のかつら剥きと同様の周方向の剥きを行う装置を用いて、スギ材等の針葉樹の原木丸太WDの中心を軸芯として回転させ、その外周側に所定幅の刃物CTを当て、所謂、かつら剥き同様の薄板からなる連続単板UWDが作られる。即ち、原木丸太WDは大根のかつら剥きのように所定の厚みで連続した薄板となる。この連続単板UWDを所定の長さにカットし、乾燥させることで単板Wが作られる。
次に、所定の寸法に切断した単板Wに接着剤を塗布し、繊維方向を互い違い(90度の違い)に重ねてホットプレスし、単板Wの堆積物を作成する。この堆積物に熱と圧力を加えて、接着剤を完全に硬化させて内層合板IPWが製造される。
この際、非圧縮の針葉樹を回転させながら切削してなる単板Wは、少なくとも1枚以上、対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように積層接着され、単板Wの厚みを2mm〜5mmの範囲内として積層したものである。
本実施の形態では、内層合板IPWとし針葉樹の6枚の単板W(W1,W2,W3,W4,W5,W6)を接合したもの、針葉樹の2枚の単板W(W1,W2)と2枚の単板W(W3,W4)を2枚の塑性加工芯材NCWを挟んで接合したものの事例で説明するが、本発明を実施する場合には、単板Wの枚数、塑性加工芯材NCWの枚数は特定されるものではない。
また、内層合板IPWとしての厚みは、本実施の形態においては、表層塑性加工材SPWとの接合面、または塑性加工芯材NCWとの接合面において、針葉樹の単板Wの厚みの一方の面を平滑面として接合強度を増しているが、本発明を実施する場合には、接着材の種類及びその接着剤の層の厚みによって、全体の厚み及び接合強度が自在に設定できるので、本発明を実施する場合には、それに拘束されるものではない。
次に、本実施の形態1にかかる積層材を構成する内層合板IPWの製造手順について図5を参照して説明する。
まず、針葉樹であるスギ材からなる原木丸太WDがロータリーレースで切削されて厚みが平均で約2.57mmとなったスギ材からなる針葉樹の単板W(W1,W2,W3,W4,W5,W6)が6枚用意され、図5(a)及び図5(b)に示すように、互いの木目の長さ方向が直交するようにして積層接着される。このとき、本実施の形態1において、図5(b)に示すように、針葉樹の単板W(W1,W2,W3,W4,W5,W6)が6枚積層されたものの厚みは、全体で約15mmとなっている。
本実施の形態1では、針葉樹の単板W(W1,W2,W3,W4,W5,W6)が6枚からなるものであるが、本発明を実施する場合には2枚以上であればよい。表層塑性加工材SPW及び/または塑性加工芯材NCWの厚み、枚数によって、単板Wの枚数を決定することができる。
なお、本実施の形態1において、針葉樹の単板W同士は、接着剤を介在させて図示しないホットプレスによる圧締で一体に接合されたものである。具体的には、針葉樹の単板W間に接着剤を均一に塗布したものを図示しないプレス盤の圧縮空間内に載置した後、図示しないプレス盤の圧縮圧力で圧締することによって、針葉樹の単板W同士を一体に接合したものである。因みに、このときの所定の条件となる圧締圧力及び圧締時間等については、接着剤の種類や樹種や含水率等をパラメータとして圧力ができる限り均等にかかるように予め実験等によって最適値が設定されている。
ここで、針葉樹の単板W同士を一体に接着する接着剤としては、水性ビニールウレタン系接着剤(水性高分子イソシアネート系接着剤)、ウレタン樹脂等を使用することができるが、各針葉樹の単板W間においてその塗布量は200g/m2以上とするのが好ましい。これにより、接着剤が浸透し易く、更には、ロータリーレースの切削により裏割れが多いという針葉樹の単板Wの欠点が補完されて、針葉樹の単板W同士が強固に接着されることになる。即ち、十分な接着強度が得られることになる。このため、得られる内層合板IPWにおいて、安定した強度や剛性及び寸法形状安定性を確保できる。
なお、このとき、これら針葉樹の単板Wは、互いの木表面同士または木裏面同士が対向するように接着されるのが好ましい。互いの木表面同士または木裏面同士が対向するように接着されることによって、針葉樹の単板Wの木表面側と木裏面側とで細胞密度が異なることにより、年輪の中心よりも外側に位置する木表面側と年輪の中心側に位置する木裏面側とを対向させ、互いのカップ方向を異にすると、互いのカップ量を打ち消すように相殺する。表層塑性加工材SPWや、塑性加工芯材NCWと比較すると、特定方向の板巾の反りが相殺され、内層合板IPW全体としてよりバランスがとれたものとなる。このため、内層合板IPWの表層塑性加工材SPWへの影響が干渉させて表層塑性加工材SPWとの接合面にかかる負荷を少なくすることができ、表層塑性加工材SPWとのバランスをより良好なものとすることが可能となる。
また、互いの木表面側同士または木裏面側同士が対向するように接着されることによって、ロータリーレースの切削により発生した単板の裏割れ面同士が対向すると共に、裏割れが発生していない面同士が対向するため、接着面における平面性が良好なものとなり、安定した接合性を確保することが可能となる。
次に、図5(b)に示した針葉樹の単板W(W1,〜,W6)が6枚積層されたものにおいて、表層塑性加工材SPWに接合させる側が切削加工されて、詳しくは、針葉樹の単板W1及び単板W6の一部(約0.5mm)が切削加工されて、図5(c)に示すように、全体の厚みが約14mmで針葉樹の単板W(W1,〜,W6)が6枚積層接着された内層合板IPWとなる。このとき、この内層合板IPWにおいて、各針葉樹の単板W(W1,〜,W6)の厚みは、ロータリーレースで切削されたときの厚みのままで、平均約2.6mmとなっており、表層塑性加工材SPWに接合させる側の針葉樹の単板W1及び単板W6は、切削加工によってその厚みが各針葉樹の単板W(W1,〜,W6)の厚み約14mmとなっている。
このようにして、非圧縮の針葉樹の単板W(W1,〜,W6)が互いの木目の長さ方向が直交するように偶数枚または奇数枚積層接着され、かつ、表層塑性加工材SPWに接合させる接合側の単板W1または単板W6以外の針葉樹の単板W(W1,〜,W6)の厚みを2mm〜4mmの範囲内にすると共に、接合側の単板W1または単板W6は切削加工されてその厚みを針葉樹の単板W(W1,〜,W6)の厚みの1/4〜3/4の範囲内とした内層合板IPWが製造される。
なお、針葉樹の単板Wが2mm〜5mmとの値は、発明者等の実験研究によってロータリーレースを使用した場合の原木丸太WDの切削が可能であり、所定の機械的強度が得られる針葉樹の単板Wの厚みは、2mm〜5mmの範囲内であることが確認されたことから、これに基づいて設定したものである。
また、1/4〜3/4との値は、本発明者らの実験研究によって、単板W1または単板W6の厚みが、それ以外の針葉樹の単板W(W1,〜,W6)の厚みの1/4〜3/4の範囲内にあるときに、後述するように寸法形状変化が小さい積層材となることが確認されたことから、これに基づいて設定したものである。即ち、これらの値は、本発明者らの実験研究によって求めた値である。なお、単板W1または単板W6の厚みは、ロータリーレース等による原木丸太WDの切削の安定さからすれば、1/2〜3/4の範囲が好ましい。
そして、表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCWは、年輪の中心よりも外側に位置する木表面側と年輪の中心側に位置する木裏面側とを対向させ、互いのカップ方向を異にし、互いのカップ量を打ち消すように相殺できる。即ち、内層合板IPWの全枚数が奇数枚のときに表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCWの両者は互いにカップ方向が同じ位置にあるから、表層塑性加工材SPWの木表面側と隣接する塑性加工芯材NCWの木裏面側を対向した配置にするか、逆に、表層塑性加工材SPWの木裏面側と隣接する塑性加工芯材NCWの木表面側を対向した配置にされると相殺され、表層塑性加工材の意匠面にでてくるカップ量が小さくなり、床材に使用しても狂いが僅少である。また、内層合板IPWの全枚数が偶数枚のときに両者は互いにカップ方向が生じ難い組み合わせであり、表層塑性加工材SPWの意匠面にでてくるカップ量が小さくなり、床材に使用しても狂いが僅少である。
このようにして得られた本実施の形態1にかかる内層合板IPWは、上述の如く、全体の厚みが15mm程度であり、比重が小さくて強度や剛性が小さいという針葉樹の単板の欠点が補完されて、十分な強度や剛性を有していた。即ち、荷重等を受ける床材等の内層部分を構成するものとしても耐用できる程度に十分な強度や剛性を有していた。
因みに、本実施の形態1にかかる内層合板IPWの構成とすることで、厚みが通常0.3mm〜2mmであるラワン単板を用いて同じ構成とした場合と強度や剛性が同等以上となることが本発明者らの実験研究によって確認されている。なお、従来、ラワン合板を床材の内層部分に使用する場合、合板全体の厚みは約12mm程度であった。
続いて、上述のようにして製造された表層塑性加工材SPW及び内層合板IPW及び塑性加工芯材NCWを用いて構成される本実施の形態1にかかる積層材LW1について、図6を参照して説明する。
本実施の形態1の積層材LW1は、図6(a)及び図6(b)に示すように、圧密加工されてスギ材の気乾比重を0.7以上とした表層塑性加工材SPWの片面側に、接着剤を介して針葉樹の単板W1が木目の長さ方向が、互いに直交するように接合して形成した内層合板IPWを単板W1の切削加工された面側の木目の長さ方向が表層塑性加工材SPWの木目の長さ方向と直交するようにして接合し、また、単板W6の切削加工された面側の木目の長さ方向が塑性加工芯材NCWの木目の長さ方向と直交するようにして接合したものである。
ここで、表層塑性加工材SPWと内層合板IPW、内層合板IPWと塑性加工芯材NCWとの間に介在させて両者を一体に接合する接着剤としては、上記と同様、例えば、水性ビニールウレタン系接着剤(水性高分子イソシアネート系接着剤)、ウレタン樹脂等を使用することができるが、表層塑性加工材SPWと内層合板IPWと、内層合板IPWと塑性加工芯材NCWとの間においてもその塗布量は200g/m2以上とするのが好ましい。これにより、接着剤が浸透し易いという針葉樹の単板W1または単板W6の欠点が補完されて、表層塑性加工材SPWと内層合板IPW、内層合板IPWと塑性加工芯材NCWとが強固に接着されることになる。即ち、十分な接着強度が得られることになる。このため、得られる積層材LW1において安定した強度や剛性及び寸法形状安定性を確保できる。
勿論、本発明を実施する場合には、木材相互間を機械的に結合する手段や、接続手段によって表層塑性加工材SPWと内層合板IPWと、内層合板IPWと塑性加工芯材NCWとを接合することも可能であるが、接着剤使用の場合、接着剤の塗布という簡単な作業で両者を接合できるという利点がある。
なお、本実施の形態1において、表層塑性加工材SPW及び内層合板IPW、内層合板IPWと及び塑性加工芯材NCWも、接着剤を介在させ図示しないホットプレスによる圧締で一体に接合されたものである。具体的には、本実施の形態1の積層材LW1は、表層塑性加工材SPWと内層合板IPW、内層合板IPWと塑性加工芯材NCWとの間に接着剤を均一に塗布したものを図示しないプレス盤の圧縮空間内に載置したのち、図示しないプレス盤の圧縮圧力で圧締することによって、表層塑性加工材SPWと内層合板IPW、内層合板IPWと塑性加工芯材NCWとを一体に接合したものとすることができる。そして、このときの所定の条件となる圧締圧力及び圧締時間等についても、接着剤の種類や樹種や含水率等をパラメータとして圧力ができる限り均等にかかるように予め実験等によって最適値が設定されている。
本実施の形態1の積層材LW1は、板の木取りによって得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工によりスギ材、ヒノキ材の気乾比重を2倍以上とした表層塑性加工材SPWと、表層塑性加工材SPWの対向面の木目の長さ方向が互いに直交し、かつ、非圧縮の針葉樹を回転させながら切削してなる単板Wが少なくとも1枚以上で、対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように積層接着され、単板Wの厚みを2mm〜5mmの範囲内として表層塑性加工材SPWの片面に接合された内層合板IPWと、板の木取りによって得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工によりスギ材、ヒノキ材の気乾比重を1.5倍以上とし、内層合板IPWの表層塑性加工材SPW側の対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように接合した1枚以上からなる塑性加工芯材NCWとを具備するものである。
したがって、本実施の形態1の積層材LW1は、表層に硬度・耐摩耗性・剛性に優れた表層塑性加工材SPWが形成され、十分な強度や剛性を有する内層合板IPWを下部層としてその間に接着剤を介在させ、更に、裏面側に硬度・耐摩耗性・剛性に優れた塑性加工芯材NCWが形成され、十分な強度や剛性を有する内層合板IPWに接着剤を介在させて一体に接合された3層構造としたものであるから、表層塑性加工材SPW側を製品表面に用いることで、表面となる表層塑性加工材SPWによって傷跡や凹みが付き難くなっている。また、表層塑性加工材SPWのみならず内層合板IPWにおいても塑性加工芯材NCWが作用し、十分な強度及び剛性を有している。このため、履物による集中荷重や衝撃荷重を受ける床材、デッキ材、腰板材、屋内家具材、表面塗装して使用する住宅用外装材、学童机、テーブルの天板、扉等の広範な用途に耐用可能であり、傷跡や凹みが付き難いために意匠面も長時間良好に維持される。
このとき、表層塑性加工材SPWは表層が、硬度・耐摩耗性・剛性に優れた意匠面となる。また、内層合板IPWは、木材本来の特性によって集中荷重や衝撃荷重を受ける床材、デッキ材、腰板材等の弾性材として機能する。また、塑性加工芯材NCWは圧密加工されて気乾比重を0.5以上とするもので、内層合板IPWと表層塑性加工材SPW側の互いの対向面を木目の長さ方向が互いに直交するように接合し、かつ、表層塑性加工材SPWの木表面側または木裏面側に対向して塑性加工芯材NCWの木裏面側または木表面側を対向させる。このように、積層材LW1の全枚数が奇数枚のときに表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCWは互いにカップ方向の位置が表層塑性加工材SPWの木表面側と隣接する塑性加工芯材NCWの木裏面側を対向した配置にするか、逆に、表層塑性加工材SPWの木裏面側と隣接する塑性加工芯材NCWの木表面側を対向した配置にされると相殺され、表層塑性加工材SPWの意匠面にでてくるカップ量が小さくなり、床材に使用しても狂いが僅少である。また、偶数枚のときに表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCWの両者は互いにカップ方向が生じ難い組み合わせであり、表層塑性加工材SPWの意匠面にでてくるカップ量が小さくなり、床材に使用しても狂いが僅少である。
特に、表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCWとのカップ方向は、木表面側と木裏面側によって決定されるから、それを対向させることによってカップ量を相殺できる。図6の実施の形態1では、表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCWのカップ方向を互いに逆とすると、表層塑性加工材SPWよりも塑性加工芯材NCWの厚みが薄いだけ表層塑性加工材SPWのカップ量に引っ張られることになる。しかし、単板W(W1,〜,W6)からなる内層合板IPWは、非圧縮の針葉樹を回転させながら切削してなる単板Wからなるが、表層塑性加工材SPWの片面に接合された内層合板IPWの作用で、表層塑性加工材SPWの単体のカップ量よりもそのカップ量が小さくなる。また、塑性加工芯材NCW側からみても、床材等に使用したときには、外部の影響を受けやすく、その影響を塑性加工芯材NCW側から内層合板IPW側に伝えられるが、表層塑性加工材SPWに伝わる影響力が小さくなる。したがって、表層塑性加工材SPWは1mm〜7mmでそれよりも塑性加工芯材NCWの厚みが1/2〜2/3と薄いのが一般的である。しかし、表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCWとの厚みを同じにすることもできる。
また、表層塑性加工材SPWの下に内層合板IPWを接合しており、本実施の形態の積層材を釘で止める場合、内層合板IPWから釘を打ち込み、塑性加工芯材NCWと共に釘で止めればよいから。釘が入りやすく、入った釘が塑性加工芯材NCWを通過する際に、塑性加工芯材NCWのスギ材、ヒノキ材の気乾比重が0.5以上と低くく、かつ、内層合板IPWと接合しているので、ひび割れや裂けることがなく、目的の下地に釘止めすることができる。
特に、本発明者らの実験研究により、床材等のような集中荷重や衝撃荷重等を受けるために高い表面硬度が要求されるものであっても、表層塑性加工材SPWのスギ材、ヒノキ材の気乾比重を0.7以上とすることで硬度等が顕著に増加するため、表層塑性加工材SPWのスギ材、ヒノキ材の気乾比重が0.7の場合にあっては、約3mm〜約5mm程度の厚みがあれば表面硬度が要求される厚みとして十分対応でき、スギ材等の針葉樹の場合、気乾比重1.2が上限値であるとしても、約1mm程度の厚みで十分であることが確認されている。即ち、気乾比重が0.7以上である本実施の形態1にかかる表層塑性加工材SPWは、約1mm〜約5mm程度の厚みがあれば、高い表面硬度が要求される床材等に確実に耐用でき、床材等に使用しても傷跡や凹みが付き難いことが確認されている。
更に、本実施の形態1のように、針葉樹の単板が6枚積層されたものにおいて、内層合板IPWの全体の厚みを15mm以上とすることで、集中荷重や衝撃荷重等を受けるために高い強度や剛性が必要とされる床材等に耐用できる程度の十分な強度や剛性を確保できることが確認されている。
勿論、本発明を実施する場合には、針葉樹の単板の枚数は6枚に限定されるものではなく、学童机やダイニングテーブルの天板等に用いる場合のように比較的大きい厚みが必要とされることもあるから、必要とされる強度や剛性、使用に供する用途等を考慮して設定される。
そして、このような表層塑性加工材SPW及び内層合板IPW、塑性加工芯材NCWの3種類の加工木材によって傷跡や凹みの付き難さ、更には、十分な強度及び剛性を確保しているため、本実施の形態1の積層材LW1によれば低コスト化及び製造の容易化が可能である。
なお、非圧縮の内層合板IPWは表層塑性加工材SPWよりも柔らかく、上述の如く、表層塑性加工材SPWのスギ材、ヒノキ材の気乾比重を0.7以上とすることで硬度等が顕著に増加するために表層塑性加工材SPWの厚みを薄くできることから、内層合板IPWによる木材本来の緩衝機能を引き出すことが可能であり、内層合板IPWによる木材本来の防音効果や断熱効果をも期待できる。
また、非圧縮の内層合板IPWは塑性加工芯材NCWよりも柔らかく、上述の如く、塑性加工芯材NCWの気乾比重を0.5以上とすることで硬度等が増加するために塑性加工芯材NCWの厚みを薄くできることから、内層合板IPWによる木材本来の緩衝機能を引き出すことが可能であり、内層合板IPWによる木材本来の防音効果や断熱効果をも期待できる。加えて、表層塑性加工材SPWのカップ量を塑性加工芯材NCWで相殺することができる。
[実施の形態2]
ここで、周囲環境条件が変化した場合における本実施の形態2にかかる積層材LW2について、図7を参照して説明する。
本実施の形態2の積層材LW2は、図7(a)及び図7(b)に示すように、圧密加工されて気乾比重を0.7以上とした表層塑性加工材SPWの片面側に、木目の長さ方向を表層塑性加工材SPWの木目の長さ方向と直交するようにして塑性加工芯材NCWを接着剤で接合したものである。
塑性加工芯材NCWの反対側の面には、単板W1の切削加工された面側の木目の長さ方向が塑性加工芯材NCWの木目の長さ方向と直交するようにして接合した6枚の単板W(W1,〜,W6)からなる内層合板IPWが接合されている。
ここで、表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCWとの間に介在させて両者を一体に接合する接着剤としては、実施の形態1と同様の接着剤を使用することができるが、表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCWとの間においてもその塗布量は200g/m2以上とするのが好ましい。これにより、接着剤が浸透し易いという針葉樹の欠点が補完されて、表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCWと内層合板IPWが強固に接着されることになる。即ち、十分な接着強度が得られることになる。このため、得られる積層材LW2において安定した強度や剛性及び寸法形状安定性を確保できる。また、接着剤使用の場合、接着剤の塗布という簡単な作業で両者を接合できる。
本実施の形態2の積層材LW2は、スギ材、ヒノキ材の木取りによって得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を2倍以上、即ち、圧密加工された気乾比重を0.7以上とした表層塑性加工材SPWと、板の木取りによって得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を1.5倍以上、即ち、圧密加工された気乾比重を0.5以上とし、表層塑性加工材SPWの対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように接合した1枚以上からなる塑性加工芯材NCWと、塑性加工芯材NCWの対向面の木目の長さ方向が互いに直交し、かつ、非圧縮の針葉樹を回転させながら切削してなる単板が少なくとも1枚以上で、対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように積層接着され、前記単板の厚みを2mm〜5mmの範囲内として表層塑性加工材SPWの片面に接合された内層合板IPWとを具備している。
表層に硬度・耐摩耗性・剛性に優れた表層塑性加工材SPWが形成され、また、裏面側に硬度・耐摩耗性・剛性に優れた塑性加工芯材NCWが形成され、十分な強度や剛性を有する内層合板IPWを下部層としてその間に接着剤を介在させ、十分な強度や剛性を有する内層合板IPWに接着剤を介在させて一体に接合された3層構造としたものであるから、表層塑性加工材SPW側を製品表面に用いることで、表面となる表層塑性加工材SPWによって傷跡や凹みが付き難くなっている。また、表層塑性加工材SPWのみならず塑性加工芯材NCWが作用し、十分な強度及び剛性を有している。このため、履物による集中荷重や衝撃荷重を受ける床材、デッキ材、腰板材、屋内家具材、表面塗装して使用する住宅用外装材、学童机、テーブルの天板、扉等の広範な用途に耐用可能であり、傷跡や凹みが付き難いために意匠面も長時間良好に維持される。
このとき、表層塑性加工材SPWは表層が、硬度・耐摩耗性・剛性に優れた意匠面となる。また、塑性加工芯材NCWは圧密加工により気乾比重を1.5倍以上とするもので、内層合板IPWと表層塑性加工材SPW側の互いの対向面を木目の長さ方向が互いに直交するように接合し、かつ、表層塑性加工材SPWの木表面側または木裏面側に対向して塑性加工芯材NCWの木裏面側または木表面側を対向させる。積層材LW2の全枚数が奇数枚のときに表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCWは互いにカップ方向が相殺され、表層塑性加工材SPWの意匠面にでてくるカップ量が小さくなり、床材に使用しても狂いが僅少である。また、偶数枚のときに表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCWは互いにカップ方向が生じ難い組み合わせてであり、表層塑性加工材の意匠面にでてくるカップ量が小さくなり、床材に使用しても狂いが僅少である。
そして、内層合板IPWは、木材本来の特性によって集中荷重や衝撃荷重を受ける床材、デッキ材、腰板材等の弾性材として機能する。このように、表層塑性加工材SPWの木表面側に塑性加工芯材NCWの木裏面側または木表面側表層塑性加工材SPWの木裏面側に塑性加工芯材NCWの木表面側を対向させることによりカップ方向を互いに逆とし、そのカップ量を相殺することができる。
特に、表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCWとのカップ方向は、木表面側と木裏面側によって決定されるから、それを対向させることによってカップ量を相殺できる。図6の実施の形態2では、表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCWのカップ方向を互いに逆とすると、表層塑性加工材SPWよりも塑性加工芯材NCWの厚みが薄いだけ表層塑性加工材SPWのカップ量に引っ張られることになる。しかし、単板W(W1,〜,W6)からなる内層合板IPWは、表層塑性加工材SPWの単体のカップ量よりもそのカップ量が小さくなる。また、塑性加工芯材NCW側からみても、床材等に使用したときには、外部の影響を受けやすく、その影響を塑性加工芯材NCW側から内層合板IPW側に伝えられて弾性力が強くなるが、表層塑性加工材SPWに伝わる歪量の影響力が小さくなる。
また、表層塑性加工材SPWのと塑性加工芯材NCWの下に内層合板IPWを接合しており、本実施の形態の積層材を釘で止める場合、内層合板IPWから釘を打ち込み、止めればよいから。釘が入りやすく、内層合板IPWを貫通するので、ひび割れや裂けることがなく、目的の下地に釘止めすることができる。
また、塑性加工芯材NCWから釘を打ち込んだとしても、内層合板IPWで接合されているから、内層合板IPWを貫通するので、ひび割れや裂けることがなく、目的の下地に釘止めすることができる。
そして、このような表層塑性加工材SPW及び塑性加工芯材NCW、内層合板IPWの3種類の加工木材によって傷跡や凹みの付き難さ、更には、十分な強度及び剛性を確保しているから、本実施の形態2の積層材LW2によれば低コスト化及び製造の容易化が可能である。なお、非圧縮の内層合板IPWは表層塑性加工材SPWよりも柔らかく、しかも、圧密加工により塑性加工芯材NCWの気乾比重を1.5倍以上とすることで硬度等が増加し、塑性加工芯材NCWの厚みも薄くでき、内層合板IPWによる木材本来の緩衝機能を引き出すことが可能となり、内層合板IPWによる木材本来の防音効果や断熱効果をも期待できる。
また、非圧縮の内層合板IPWは塑性加工芯材NCWよりも柔らかく、上述の如く、圧密加工により塑性加工芯材NCWの気乾比重を1.5倍以上とすることで硬度等が増加するために塑性加工芯材NCWの厚みを薄くできることから、内層合板IPWによる木材本来の緩衝機能を引き出すことが可能であり、内層合板IPWによる木材本来の防音効果や断熱効果をも期待できる。加えて、表層塑性加工材SPWのカップ量を塑性加工芯材NCWで相殺することができる。
[実施の形態3]
本実施の形態3にかかる積層材LW3について、図8を参照して説明する。
本実施の形態3の積層材LW3は、図8(a)及び図8(b)に示すように、圧密加工されて気乾比重を0.7以上とした表層塑性加工材SPWの片面側に、木目の長さ方向を表層塑性加工材SPWの木目の長さ方向と直交するようにして塑性加工芯材NCW1を接着剤で接合したものである。塑性加工芯材NCW1の反対側の面には、単板W1の切削加工された面側の木目の長さ方向が塑性加工芯材NCW1の木目の長さ方向と直交するようにして接合した6枚の単板W(W1,〜,W6)からなる内層合板IPW、内層合板IPWの単板W6側には、塑性加工芯材NCW2が接合されている。
ここで、表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCW1との間に介在させて両者を一体に接合する接着剤としては、実施の形態1と同様の接着剤を使用することができるが、表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCW1と、内層合板IPWと塑性加工芯材NCW2との間においてもその塗布量は200g/m2以上とするのが好ましい。これにより、接着剤が浸透し易いという内層合板IPWの欠点が補完されて、表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCW1と、内層合板IPWと塑性加工芯材NCW2とが強固に接着されることになる。即ち、十分な接着強度が得られることにり、得られた積層材LW3において安定した強度や剛性及び寸法形状安定性を確保できる。
なお、表層塑性加工材SPW及び塑性加工芯材NCW1及び内層合板IPW及び裏面側塑性加工芯材としての塑性加工芯材NCW2は、接着剤を介在させ図示しないホットプレスによる圧締で一体に接合されたものである。
このように、本実施の形態3の積層材LW3は、板の木取りによって得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工されてスギ材、ヒノキ材の気乾比重を0.7以上、即ち、圧密加工により気乾比重を2倍以上とした表層塑性加工材SPWと、板の木取りによって得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工されてスギ材、ヒノキ材の気乾比重を0.5以上、即ち、圧密加工により気乾比重を1.5倍以上とし、表層塑性加工材SPWの対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように接合した1枚以上からなる塑性加工芯材NCW1と、表層塑性加工材SPWの対向面の木目の長さ方向が互いに直交し、かつ、非圧縮の針葉樹を回転させながら切削してなる単板が少なくとも1枚以上で、対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように積層接着され、前記単板の厚みを2mm〜5mmの範囲内として塑性加工芯材NCW1の片面に接合された内層合板IPWと、板の木取りによって得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱圧縮され、圧密加工により気乾比重を1.5倍以上とし、内層合板IPWの対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように接合した1枚以上からなる他の塑性加工芯材(裏面側塑性加工芯材)NCW2とを具備するものである。
本実施の形態3の積層材LW3は、表層に硬度・耐摩耗性・剛性に優れた表層塑性加工材SPWが形成され、また、裏面側に硬度・耐摩耗性・剛性に優れた塑性加工芯材NCW1が形成され、十分な強度や剛性を有する内層合板IPWを下部層としてその間に接着剤を介在させ、十分な強度や剛性を有する内層合板IPWに接着剤を介在させ、更に、内層合板IPWには塑性加工芯材(裏面側塑性加工芯材)NCW2とを一体に接合された4層構造としたものであるから、表層塑性加工材SPW側を製品表面に用いることで、表面となる表層塑性加工材SPWによって傷跡や凹みが付き難くなっている。また、表層塑性加工材SPWのみならず塑性加工芯材NCW1が作用し、十分な強度及び剛性を有している。このため、履物による集中荷重や衝撃荷重を受ける床材、デッキ材、腰板材、屋内家具材、表面塗装して使用する住宅用外装材、学童机、テーブルの天板、扉等の広範な用途に耐用可能であり、傷跡や凹みが付き難いために意匠面も長時間良好に維持される。
このとき、表層塑性加工材SPWは表層が、硬度・耐摩耗性・剛性に優れた意匠面となる。また、塑性加工芯材NCW1は圧密加工されて気乾比重を0.5以上とするもので、内層合板IPWと表層塑性加工材SPW側の互いの対向面を木目の長さ方向が互いに直交するように接合し、かつ、表層塑性加工材SPWの木表面側または木裏面側に対向して塑性加工芯材NCW1の木裏面側または木表面側を対向させる。そして、内層合板IPWは、木材本来の特性によって集中荷重や衝撃荷重を受ける床材、デッキ材、腰板材等の弾性材として機能する。このように、表層塑性加工材SPWの木表面側に塑性加工芯材NCW1の木裏面側または木表面側表層塑性加工材SPWの木裏面側に塑性加工芯材NCW1の木表面側を対向させることによりカップ方向を互いに逆とし、そのカップ量を相殺することができる。
特に、表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCW1とのカップ方向は、木表面側と木裏面側によって決定されるから、それを対向させることによってカップ量を相殺できる。図8の実施の形態3では、表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCW1のカップ方向を互いに逆とすると、表層塑性加工材SPWよりも塑性加工芯材NCW1の厚みが薄いだけ表層塑性加工材SPWのカップ量に引っ張られることになる。しかし、単板W(W1,〜,W6)からなる内層合板IPWは、表層塑性加工材SPWの単体のカップ量よりもそのカップ量が小さくなる。また、塑性加工芯材NCW側からみても、床材等に使用したときには、外部の影響を受けやすく、その影響を塑性加工芯材NCW側から内層合板IPW側に伝えられ、弾性力が強くなるが、表層塑性加工材SPWに伝わる歪量の影響力が小さくなる。
また、表層塑性加工材SPWのと塑性加工芯材NCWの1下の内層合板IPWに塑性加工芯材NCW2を接合しており、本実施の形態の積層材を釘で止める場合、内層合板IPWから釘を打ち込み、塑性加工芯材NCW2に止めればよいから。釘が入りやすく、安定した固着状態が維持されるから、内層合板IPWを貫通するので、ひび割れや裂けることがなく、目的の下地に釘止めすることができる。
また、塑性加工芯材NCW1から釘を打ち込んだとしても、内層合板IPWで接合されているから、内層合板IPWを貫通するので、塑性加工芯材NCW2ひび割れや裂けることがなく、目的の下地に釘止めすることができる。
そして、このような表層塑性加工材SPW及び塑性加工芯材NCW1によって傷跡や凹みの付き難さ、更には、十分な強度及び剛性を確保しているから、本実施の形態3の積層材LW3によれば低コスト化及び製造の容易化が可能である。なお、非圧縮の内層合板IPWは表層塑性加工材SPWよりも柔らかく、しかも、圧密加工により塑性加工芯材NCW1及び塑性加工芯材NCW2の気乾比重を1.5倍以上とすることで硬度等が増加するために塑性加工芯材NCW1及び塑性加工芯材NCW2の厚みも薄くでき、内層合板IPWによる木材本来の緩衝機能を引き出すことが可能であり、内層合板IPWによる木材本来の防音効果や断熱効果をも期待できる。
また、非圧縮の内層合板IPWは塑性加工芯材NCW1及び塑性加工芯材NCW2よりも柔らかく、上述の如く、圧密加工により塑性加工芯材NCW1及び塑性加工芯材NCW2の気乾比重を1.5倍以上とすることで硬度等が増加するために塑性加工芯材NCW1及び塑性加工芯材NCW2の厚みを薄くできることから、内層合板IPWによる木材本来の緩衝機能を引き出すことが可能であり、内層合板IPWによる木材本来の防音効果や断熱効果をも期待できる。加えて、表層塑性加工材SPWのカップ量を塑性加工芯材NCW1で相殺することができる。詳しくは、塑性加工芯材NCW2も若干作用するから、正確には、表層塑性加工材SPWのカップ量を塑性加工芯材NCW1及び塑性加工芯材NCW2で相殺することができる。
[実施の形態4]
本実施の形態4にかかる積層材LW4について、図9を参照して説明する。
本実施の形態4の積層材LW4は、図9(a)及び図9(b)に示すように、圧密加工により気乾比重を2倍以上とした表層塑性加工材SPWの片面側に、木目の長さ方向を表層塑性加工材SPWの木目の長さ方向と直交するように2枚の単板W(W1,W2)からなり、互いの木目の長さ方向を逆とした内側の内層合板IPW1を接合する。そして、2枚の単板W(W1,W2)からなる内層合板IPW1には、2枚の互いの木目長方向を及び木表面側と木裏面側とを互いに逆とした塑性加工芯材NCW1及び塑性加工芯材NCW2を接合し、更に、塑性加工芯材NCW2の下側の木目の長さ方向と直交するように2枚の単板W(W3,W4)からなる外側の内層合板(裏面側塑性加工芯材)IPW2で構成されている。
ここで、表層塑性加工材SPWと内側の内層合板IPW1と外側の内層合板IPW2との間で2枚の塑性加工芯材NCW1及び塑性加工芯材NCW2を介在させて両者を一体に接合する接着剤としては、内層合板IPWと同様の接着剤を使用することができる。これにより、十分な接着強度が得られることになる。このため、得られる積層材LW4において安定した強度や剛性及び寸法形状安定性を確保できる。
このように、本実施の形態4の積層材LW4は、板の木取りによって得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を2倍以上とした表層塑性加工材SPWと、表層塑性加工材SPWの対向面の木目の長さ方向が互いに直交し、かつ、非圧縮の針葉樹を回転させながら切削してなる単板が少なくとも1枚以上で、対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように積層接着され、前記単板の厚みを2mm〜5mmの範囲内として表層塑性加工材SPW1の片面に接合された内側の内層合板IPW1と、板の木取りによって得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を1.5倍以上とし、前記内側の内層合板IPW1の対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように接合した1枚以上からなる塑性加工芯材NCW1及び塑性加工芯材NCW2と、塑性加工芯材NCW2の対向面の木目の長さ方向が互いに直交し、かつ、非圧縮の針葉樹を回転させながら切削してなる単板が少なくとも1枚以上で、対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように積層接着され、前記単板の厚みを2mm〜5mmの範囲内として塑性加工芯材NCW2の片面に接合された外側の内層合板IPW2とを具備するものである。
本実施の形態4の積層材LW4は、表層に硬度・耐摩耗性・剛性に優れた表層塑性加工材SPWが形成され、その裏面側に十分な強度や剛性を有する内側の内層合板IPW1を、また、内層合板IPW1の他方には硬度・耐摩耗性・剛性に優れた塑性加工芯材NCW1及び塑性加工芯材NCW2が接合され、更に、十分な強度や剛性を有する内層合板IPW2を下部層としてその間に接着剤を介在させ、一体に接合された4層構造としたものである。表層塑性加工材SPW側を製品表面に用いることで、表面となる表層塑性加工材SPWによって傷跡や凹みが付き難くなっている。また、表層塑性加工材SPWのみならず塑性加工芯材NCW1及び塑性加工芯材NCW2が作用し、十分な強度及び剛性を有している。
このとき、表層塑性加工材SPWは表層が、硬度・耐摩耗性・剛性に優れた意匠面となる。また、塑性加工芯材NCW1及び塑性加工芯材NCW2は圧密加工により気乾比重を1.5倍以上とするもので、表層塑性加工材SPWと内層合板IPW2との互いの対向面を木目の長さ方向が互いに直交するように接合し、かつ、表層塑性加工材SPWの木表面側または木裏面側に対向して塑性加工芯材NCW1及び塑性加工芯材NCW2の木裏面側または木表面側を対向させる。そして、内層合板IPW1及び内層合板IPW2は、表層塑性加工材SPWの木表面側に塑性加工芯材NCW1の木裏面側または表層塑性加工材SPWの木裏面側に塑性加工芯材NCW2の木表面側を対向させることによりカップ方向を互いに逆とし、そのカップ量を相殺することができる。
特に、表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCW2(塑性加工芯材NCW1)とのカップ方向は、木表面側と木裏面側によって決定されるから、それを対向させることによってカップ量を相殺できる。図9の実施の形態4では、表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCW1のカップ方向を互いに逆とすると、表層塑性加工材SPWよりも塑性加工芯材NCW1の厚みが薄いだけ表層塑性加工材SPWのカップ量に引っ張られることになる。しかし、単板W(W1,W2)からなる内層合板IPW1は、表層塑性加工材SPWの単体のカップ量よりもそのカップ量が小さくなる。また、塑性加工芯材NCW1側からみても、床材等に使用したときには、外部の影響を受けやすく、その影響を塑性加工芯材NCW2側から塑性加工芯材NCW2を拘束し、内層合板IPW2側に伝えられ、弾性力が強くなり、表層塑性加工材SPWに伝わる歪量の影響力が小さくなる。
また、本実施の形態の積層材を釘で止める場合、表層塑性加工材SPWの下の内層合板IPW1から塑性加工芯材NCW1、塑性加工芯材NCW2を接合しており、内層合板IPW1から釘を打ち込み、塑性加工芯材NCW1に釘頭部を止めればよいから。釘が入りやすく、安定した固着状態が維持でき、また、内層合板IPW2を貫通するので、ひび割れや裂けることがなく、目的の下地に釘止めすることができる。
また、塑性加工芯材NCW2側から釘を打ち込んだとしても、内層合板IPW1で接合されているから、内層合板IPW1を貫通するので、塑性加工芯材NCW1にひび割れや裂けが生ずることなく、目的の下地に釘止めすることができる。
そして、このような表層塑性加工材SPWによって傷跡や凹みの付き難さ、更には、十分な強度及び剛性を確保しているから、本実施の形態4の積層材LW4によれば低コスト化及び製造の容易化が可能である。なお、非圧縮の内層合板IPW2は表層塑性加工材SPWよりも柔らかく、しかも、圧密加工により塑性加工芯材NCW1及び塑性加工芯材NCW2の気乾比重を1.5倍以上とすることで硬度等が増加するために塑性加工芯材NCW1及び塑性加工芯材NCW2の厚みも薄くでき、内側の内層合板IPW1及び外側の内装合板IPW2による木材本来の緩衝機能を引き出すことが可能となり、内層合板IPW1及び内層合板IPW2による木材本来の防音効果や断熱効果をも期待できる。
また、非圧縮の内層合板IPW1及び内層合板IPW2は、塑性加工芯材NCW1及び塑性加工芯材NCW2よりも柔らかく、上述の如く、圧密加工により塑性加工芯材NCW1及び塑性加工芯材NCW2の気乾比重を1.5倍以上とすることで硬度等が増加するために塑性加工芯材NCW1及び塑性加工芯材NCW2の厚みを薄くできることから、内層合板IPW1及び内層合板IPW2による木材本来の緩衝機能を引き出すことが可能であり、外部から入る音に対する内装合板IPW1及び内層合板IPW2による木材本来の防音効果や断熱効果をも期待できる。加えて、表層塑性加工材SPWのカップ量を塑性加工芯材NCW1または塑性加工芯材NCW2で相殺することができる。
[試験結果]
試験結果を図10に示す。積層材LW1乃至積層材LW4からなる製品と内層合板IPW、内層合板IPW1及び内層合板IPW2とを比較する。
まず、全体のサイズが、厚み(T)18m×幅(W)105mm×長さ(L)600mmの積層材LW1乃至積層材LW4を用いた。厚みを約3mmとしたスギ材からなる表層塑性加工材SPWは、圧密加工によりその気乾比重を約0.7としている。また、塑性加工芯材NCW、塑性加工芯材NCW1または塑性加工芯材NCW2は、厚みを約2mmとしたスギ材からなり、圧密加工によりその気乾比重を約0.5としている。内層合板IPWを約15mm、内層合板IPW1及び内層合板IPW2を各約5mmとした。
まず、最初に被試験体を60℃の環境下で24時間乾燥させ、その後、温度20℃、湿度80%の環境下で72時間吸湿させた。
図10(a)に示すように、スギ材を使用した実施の形態2の内層合板IPWのカップ反りが最大で、他は殆どカップ反りが無視できる程度であった。
しかし、図10(b)に示すように、内層合板IPW、内層合板IPW1及び内層合板IPW2に貼った圧密材の表層塑性加工材SPWの影響が大きく、カップ反りが発生することが確認される。ここで、実施の形態2に対応するものは、比較的カップ量が大きくなっている。即ち、実施の形態1の積層材LW1では、表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCWで内層合板IPWを挟持しているから、発明者らの究明により、表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCWで内層合板IPWによって内層合板IPWの吸湿性を阻止し、その結果、表層塑性加工材SPWと及び塑性加工芯材NCWのカップ量が少なくなることが確認された。
したがって、実施の形態1は表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCWで内層合板IPWを挟持しているから、また、実施の形態3は塑性加工芯材NCW1と塑性加工芯材NCW2で内層合板IPWを挟持しているから、実施の形態4は表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCW1で内層合板IPW1を挟持しているから、何れも、内層合板IPWまたは内層合板IPW1の吸湿性を阻止し、結果、表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCW、塑性加工芯材NCW1と塑性加工芯材NCW2、表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCW1に湿気を誘導しなくなるから、実施の形態1の積層材LW1、実施の形態3の積層材LW3、実施の形態4の積層材LW4のカップ量が、実施の形態2の積層材LW2よりも少なくなることが確認された。
勿論、実施の形態1で表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCWのカップ量が相殺され、また、実施の形態2で表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCWで、実施の形態3で塑性加工芯材NCW1と塑性加工芯材NCW2で、実施の形態4は表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCW1で、何れも、カップ量が相殺されるから、カップ量が抑えられていることも確認できる。
上記各実施の形態では、内層合板IPW、内層合板IPW1を6枚または2枚の事例、即ち、偶数枚の事例で説明したが、実施の形態1で表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCW、また、実施の形態3で塑性加工芯材NCW1と塑性加工芯材NCW2、実施の形態4で表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCW1で挟み込む、内層合板IPWまたは内層合板IPW1は、奇数枚とすると、実施の形態1の表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCW、また、実施の形態3の塑性加工芯材NCW1と塑性加工芯材NCW2、実施の形態4の表層塑性加工材SPWと塑性加工芯材NCW1が同一繊維方向となり、カップ方向が真逆の関係に配置することができる。
発明者等の実験によると、内層合板IPW、内層合板IPW1を偶数枚にしても、奇数枚にしても略同一の試験結果を得ることができた。
NW 加工前木材
WD 原木丸太
SPW 表層塑性加工材
NCW,NCW1,NCW2 塑性加工芯材
W,W1,〜,W6 単板
IPW, IPW1,IPW2 内層合板
LW1,LW2,LW3,LW4 積層材

Claims (5)

  1. 板の木取りによって得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を2倍以上で、かつ、気乾比重を0.7以上とした表層塑性加工材と、
    前記表層塑性加工材の対向面の木目の長さ方向が互いに直交し、かつ、非圧縮の針葉樹を回転させながら切削してなる単板が少なくとも1枚以上で、対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように積層接着され、前記単板の厚みを2mm〜5mmの範囲内として前記表層塑性加工材の片面に接合された内層合板と、
    板の木取りによって得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を1.5倍以上で、かつ、気乾比重を0.5以上とし、前記内層合板の反表層塑性加工材側の対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように接合した1枚以上からなる塑性加工芯材と
    を具備することを特徴とする積層材。
  2. 板の木取りによって得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を2倍以上で、かつ、気乾比重を0.7以上とした表層塑性加工材と、
    板の木取りによって得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を1.5倍以上で、かつ、気乾比重を0.5以上とし、前記表層塑性加工材の対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように接合した1枚以上からなる塑性加工芯材と、
    前記塑性加工芯材の対向面の木目の長さ方向が互いに直交し、かつ、非圧縮の針葉樹を回転させながら切削してなる単板が少なくとも1枚以上で、対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように積層接着され、前記単板の厚みを2mm〜5mmの範囲内として前記塑性加工芯材の片面に接合された内層合板と
    を具備することを特徴とする積層材。
  3. 板の木取りによって得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を2倍以上で、かつ、気乾比重を0.7以上とした表層塑性加工材と、
    板の木取りによって得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を1.5倍以上で、かつ、気乾比重を0.5以上とし、前記表層塑性加工材の対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように接合した1枚以上からなる塑性加工芯材と、
    前記塑性加工芯材の対向面の木目の長さ方向が互いに直交し、かつ、非圧縮の針葉樹を回転させながら切削してなる単板が少なくとも1枚以上で、対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように積層接着され、前記単板の厚みを2mm〜5mmの範囲内として前記塑性加工芯材の片面に接合された内層合板と、
    板の木取りによって得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱圧縮され、圧密加工により気乾比重を1.5倍以上で、かつ、気乾比重を0.5以上とし、前記内層合板の対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように接合した1枚以上からなる他の塑性加工芯材と
    を具備することを特徴とする積層材。
  4. 板の木取りによって得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を2倍以上で、かつ、気乾比重を0.7以上とした表層塑性加工材と、
    前記表層塑性加工芯材の対向面の木目の長さ方向が互いに直交し、かつ、非圧縮の針葉樹を回転させながら切削してなる単板が少なくとも1枚以上で、対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように積層接着され、前記単板の厚みを2mm〜5mmの範囲内として前記表層塑性加工材の片面に接合された内側の内層合板と、
    板の木取りによって得た木材の木目の長さ方向に対して垂直方向に加えた外力によって、前記木材の厚みが加熱状態で圧縮され、圧密加工により気乾比重を1.5倍以上で、かつ、気乾比重を0.5以上とし、前記内側内層合板の対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように接合した1枚以上からなる塑性加工芯材と、
    前記塑性加工芯材の対向面の木目の長さ方向が互いに直交し、かつ、非圧縮の針葉樹を回転させながら切削してなる単板が少なくとも1枚以上で、対向面の木目の長さ方向が互いに直交するように積層接着され、前記単板の厚みを2mm〜5mmの範囲内として前記表層塑性加工材の片面に接合された外側の内層合板と
    を具備することを特徴とする積層材。
  5. 前記表層塑性加工材と前記塑性加工芯材は、互いにカップ方向を異にすることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の積層材。
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