発明の詳細な説明
定義
「トランスフォーミング成長因子ベータ(TGF-β)スーパーファミリーのペプチド」は、本明細書で使用される場合、TGFβ、アクチビン、インヒビン、抗ミュラーホルモン(AMH)、ミュラー阻害物質(MIS)、骨形成タンパク質(BMP)、およびミオスタチンを含むがこれらに限定されない、多くの多機能サイトカインから構成される、多面的機能を有するポリペプチド因子のスーパーファミリーをいう。高度に類似のTGFβアイソフォーム、TGFβ1、TGFβ2、およびTGFβ3は、内皮起源からのものを含む、多くの細胞型の細胞増殖を強力に阻害する。しかし、大部分の間葉細胞は、TGFβによるそれらの増殖において刺激される。加えて、TGFβは、細胞外マトリックス合成およびインテグリン発現を強力に誘導し、ならびに免疫応答を調節する。骨原性タンパク質(OP)としてもまた知られるBMPは、骨および軟骨形成の強力なインデューサーであり、腹側中胚葉の誘導、神経組織の分化、および器官形成において重要な発生的役割を果たす。脳下垂体からの卵胞刺激ホルモン(FSH)分泌のアクチベーターとしてのそれらの初期の同定後に命名されたアクチビンはまた、赤血球生成を促進し、背側中胚葉誘導を媒介し、および神経細胞の生存に寄与することが知られている。TGFβスーパーファミリーに属するいくつかの成長因子は、胚パターン形成および組織恒常性において重要な役割を果たす。これらの不適切な機能は、線維症、関節リウマチ、および発癌のような病理学的な状況に関連付けられてきた。組織分化因子(TDF)という用語は、本明細書で使用される場合、TGFベータスーパーファミリーのポリペプチドのすべてのメンバーを含むがこれらに限定されない。TGFベータスーパーファミリーポリペプチドは、TGFベータスーパーファミリー受容体のアンタゴニストまたはアゴニストであり得る。
「トランスフォーミング成長因子ベータ(TGFベータ)スーパーファミリー受容体」は、本明細書で使用される場合、トランスフォーミング成長因子β(TGFβ)スーパーファミリーポリペプチドの多面的効果を媒介するポリペプチド受容体、ならびにその断片、類似体、および相同体をいう。このような受容体には、I型およびII型セリン/スレオニンキナーゼ受容体の別個の組み合わせが含まれてもよいがこれらに限定されない。組織分化因子受容体(TDF)という用語は、本明細書で使用される場合、TGFベータスーパーファミリーの受容体のすべてのメンバーを含むがこれらに限定されない。
「芳香族アミノ酸」とは、本明細書で使用される場合、共役電子系(芳香族基)を有する少なくとも1つの環を含む側鎖を有する疎水性アミノ酸をいう。この芳香族基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシル基、スルファニル基、ニトロ基およびアミノ基などの置換基でさらに置換されてもよい。遺伝的にコードされる芳香族アミノ酸の例には、フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファンが含まれる。一般的に遭遇する遺伝的にコードされない芳香族アミノ酸には、フェニルグリシン、2-ナフチルアラニン、ベータ-2-チエニルアラニン、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸、4-クロロフェニルアラニン、2-フルオロフェニルアラニン、3-フルオロフェニルアラニン、および4-フルオロフェニルアラニンが含まれる。
「脂肪族アミノ酸」とは、本明細書で使用される場合、飽和または不飽和の、直鎖、分枝鎖または環状炭化水素側鎖を有する非極性アミノ酸をいう。遺伝的にコードされる脂肪族アミノ酸の例には、アラニン、ロイシン、バリンおよびイソロイシンが含まれる。遺伝的にコードされない脂肪族アミノ酸の例にはノルロイシン(Nle)が含まれる。
「酸性アミノ酸」とは、本明細書で使用される場合、7未満の側鎖pK値を有する親水性アミノ酸をいう。酸性アミノ酸は、典型的には、水素イオンの喪失に起因して、生理学的pHで負に荷電した側鎖を有する。遺伝的にコードされる酸性アミノ酸の例には、アスパラギン酸(アスパルテート)およびグルタミン酸(グルタメート)が含まれる。
「塩基性アミノ酸」とは、本明細書で使用される場合、7より高い側鎖pK値を有する親水性アミノ酸をいう。塩基性アミノ酸は、典型的には、ヒドロニウムイオンとの結合に起因して生理学的pHで正に荷電した側鎖を有する。遺伝的にコードされる塩基性アミノ酸の例には、アルギニン、リジンおよびヒスチジンが含まれる。遺伝的にコードされない塩基性アミノ酸の例には、非環状アミノ酸オルニチン、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸およびホモアルギニンが含まれる。
「極性アミノ酸」とは、本明細書で使用される場合、生理学的pHで荷電されていない側鎖を有するが、2つの原子によって共通して共有される電子対が、1つの原子によってより密接に保持される結合を有する、親水性アミノ酸をいう。遺伝的にコードされる極性アミノ酸の例には、アスパラギンおよびグルタミンが含まれる。遺伝的にコードされない極性アミノ酸の例には、シトルリン、Nアセチルリジンおよびメチオニンスルホキシドが含まれる。
当業者によって認識されるように、上記の分類は絶対的ではなく、いくつかのアミノ酸は複数の特徴的な性質を示し、従って複数のカテゴリーに含めることができる。例えば、チロシンは、芳香族環と極性ヒドロキシル基の両方を有する。従って、チロシンは二重の特性を有し、芳香族と極性の両方のカテゴリーに含めることができる。
「ポリペプチド」は、本明細書で使用される場合、典型的には、1つのアミノ酸のカルボキシル基および別のアミノ酸のアミノ基を介して連結された2個以上のアミノ酸を含む天然のまたは合成のペプチドをいう。当業者によって認識されるように、上記の定義は絶対的なものではなく、ポリペプチドまたはペプチドは、1つまたは複数のアミド結合が他の結合、例えば、同配体のアミド結合によって置き換えることができる他の例を含むことができる。
「対象」とは、本明細書で使用される場合、好ましくは、ヒトなどの哺乳動物であるが、また、動物、例えば、飼育されている動物(例えば、イヌ、ネコなど)、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマなど)および実験用動物(例えば、ラット、マウス、モルモットなど)でもあり得る。
化合物の「有効量」とは、本明細書で使用される場合、所望の治療的および/または予防的効果を達成するのに十分な量、例えば、治療される疾患、例えば、上記に列挙されたTGFベータスーパーファミリーポリペプチドと関連する疾患と関連する徴候の予防またはその減少を生じる量である。対象に投与される化合物の量は、疾患の型および重篤度、ならびに個体の特性、例えば、一般的な健康、年齢、性別、体重および薬物に対する耐性などに依存する。これはまた、疾患の程度、重篤度および型にも依存する。当業者は、これらおよび他の要因に依存して適切な投薬量を決定することができる。典型的には、治療的または予防的な効果を達成するのに十分な本発明の化合物の有効量は、1日あたりキログラム体重あたり約0.000001mgから、1日あたりキログラム体重あたり約10,000mgまでの範囲である。好ましくは、投薬量の範囲は、1日あたりキログラム体重あたり約0.0001mgから、1日あたりキログラム体重あたり約100mgまでである。本発明の化合物はまた、互いに、または1つもしくは複数のさらなる治療化合物と組み合わせて投与することができる。
「単離された」または「精製された」ポリペプチドまたはその生物学的に活性な部分は、その組織分化因子関連ポリペプチドがそこに由来する細胞もしくは組織供給源からの細胞物質もしくは他の夾雑ポリペプチドを実質的に含まないか、または化学合成された場合には化学前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まない。
「細胞物質を実質的に含まない」とは、本明細書で使用される場合、ポリペプチドが、それがそこから単離されたかまたは組換えにより産生される細胞の細胞成分から分離されている、組織分化因子関連ポリペプチドの調製物を含む。1つの態様において、「細胞物質を実質的に含まない」という言葉は、約30%(乾燥重量による)未満の非組織分化因子関連ポリペプチド(本明細書では「夾雑ポリペプチド」とも呼ばれる)、より好ましくは、約20%未満の非組織分化因子関連ポリペプチド、なおより好ましくは、約10%未満の非組織分化因子関連ポリペプチド、および最も好ましくは、約5%未満の非組織分化因子関連ポリペプチドを有する組織分化因子関連ポリペプチドの調製物を含む。組織分化因子関連ポリペプチドまたはその生物学的に活性な部分が組換え産生される場合、これはまた、好ましくは、培地を実質的には含まず、すなわち、培地は、約20%未満、より好ましくは10%未満、および最も好ましくは約5%未満の量の組織分化因子関連ポリペプチド調製物を表す。
「化学前駆体または他の化学物質を実質的に含まない」という言葉は、本明細書で使用される場合、組織分化因子関連ポリペプチドが、化学前駆体またはポリペプチドの合成に関与する他の化学物質から分離されている、組織分化因子関連ポリペプチドの調製物を含む。1つの態様において、「化学前駆体または他の化学物質を実質的に含まない」という言葉は、約30%(乾燥重量による)未満の化学前駆体または非組織分化因子関連化学物質、より好ましくは、約20%未満の化学前駆体または非組織分化因子関連化学物質、なおより好ましくは、約10%未満の化学前駆体または非組織分化因子関連化学物質、および最も好ましくは、約5%未満の化学前駆体または非組織分化因子関連化学物質を有する組織分化因子関連ポリペプチドの調製物を含む。
「変種」という用語は、本明細書で使用される場合、本発明の化合物とは異なるが、その本質的な特性を保持している化合物をいう。この非限定的な例は、縮重変種として一般的に知られる、参照化合物に関して保存性置換を有するポリヌクレオチドまたはポリペプチド化合物である。変種の別の非限定的な例は、構造的に異なるが、本発明の化合物の同じ活性ドメインを保持している化合物である。変種には、N末端もしくはC末端の伸長、キャップを有するアミノ酸、反応性アミノ酸側鎖官能基の修飾、例えば、リジン残基からの分枝、ペグ化、および/またはポリペプチド化合物の短縮が含まれる。一般的に、変種は、全体的に密接に類似しており、および多くの領域において、本発明の化合物と同一である。従って、変種は、コード領域、非コード領域、またはその両方において変化を含んでもよい。
「類似体」という用語は、本明細書で使用される場合、本発明の化合物とは異なるがその本質的な特性を保持している組成物をいう。これの非限定的な例は、非天然アミノ酸、ペプチド模倣物、通常でないアミノ酸、アミド結合同配体を含む、ポリペプチドまたはペプチドまたはペプチド断片である。
「低分子」は、本明細書で使用される場合、約5kDa未満、およびより好ましくは約2kDa未満の分子量を有する組成物をいう。低分子は、例えば、核酸、ペプチド、ポリペプチド、糖ペプチド、ペプチド模倣体、炭水化物、脂質、リポ多糖類、これらの組み合わせ、または他の有機分子もしくは無機分子であり得る。
「虚血」または「虚血の発症」という用語は、本明細書で使用される場合、組織への血液または酸素の供給の欠損を生じる任意の状況を意味する。従って、中枢神経系の虚血の発症は、例えば、大脳、小脳または脳幹の部位であるがこれらに限定されない脳の任意の部位への血液または酸素の供給の不足または中断から生じる。これもまた中枢神経系の一部である脊髄は、血流の減少または酸素の欠乏から生じる虚血を同様に受けやすい。虚血の発症は、血栓または塞栓の場合において起こるのと同様に、血管の狭窄または閉塞によって引き起こされる可能性がある。または、虚血の発症は、上記に説明したように、心停止を含む、任意の型の損なわれた心機能から生じる可能性がある。この欠損が十分に重篤かつ長い場合には、これは、生理学的機能の破壊、引き続くニューロンの死、および患部の壊死(梗塞)をもたらし得る。損傷から生じる神経学的な異常の程度および型は、梗塞の位置およびサイズまたは虚血の病巣に依存する。虚血が脳卒中と関連する場合、これはその程度が全体的であるか、または局所的であるかのいずれかであり得る。虚血は、腎臓を含む他の組織または器官において発生し得る。血流の回復または再灌流は、組織損傷を引き起こすことが知られている一連の細胞応答をもたらす。
詳細な説明
TGFβポリペプチドスーパーファミリーは、I型受容体およびII型受容体と呼ばれる2つの異なる受容体(表1)との相互作用によってそれらの活性を媒介する。表1に要約したように、現在、知られている7つの異なるI型アクチビン様キナーゼ受容体(本明細書中以後、「ALK」)が存在する。
I型受容体およびII型受容体のリガンド結合は、下流のシグナルカスケードに必要であるI型受容体のリン酸化および活性化を生じる。I型受容体によって活性化されるSmadタンパク質は、核にシグナルを運び、および他のタンパク質と一緒に転写応答を指向する。アクチビンおよびTGFβについてのI型受容体は、II型受容体に結合されたリガンドのみを認識することができる。対照的に、II型受容体は、I型受容体とは独立してリガンドを結合することができるが、これらは、I型受容体なしではシグナル伝達することが不可能である。従って、シグナル伝達の特異性は、I型受容体およびII型受容体の組み合わせによって決定される(表2)。
ALK受容体のリガンド結合特異性は表2に要約される。この表は、ALK受容体へのリガンド結合を記載する、公開された文献の報告、特許、および特許出願を引用する。これらの引用は、前記の「参考文献一覧表」において詳述される。本願に現れるすべての参考文献の内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。
I型脊椎動物受容体は、キナーゼドメインにおけるそれらの配列相同性およびそれらのシグナル伝達活性に従って、2つの異なるグループに分けることができる。1つのグループは、5型アクチビン様受容体(本明細書以後、ALK-5)、ALK-4、およびALK-7を含む。他方のグループは、ALK-1、ALK-2、ALK-3、およびALK-6を含む。ALK受容体は、組織間で示差的に発現され、および胚発生の間に調節される(表3)。
ALK受容体の組織および細胞発現は表3に要約される。この表は、ALK受容体の発現を記載する、公開された文献の報告、特許、および特許出願を引用する。これらの引用は、前記の「参考文献一覧表」において詳述される。
I. 本発明の組成物
A. TDFRP化合物
本発明は、組織分化因子の機能的類似体である化合物、すなわち、例えば、TGFベータスーパーファミリー受容体アゴニストとして作用することによってTGFベータスーパーファミリータンパク質を機能的に模倣し、およびALK受容体を選択するように優先的に結合する化合物を提供する。本発明の化合物は、低分子、より詳細には、SEQ ID NO:1〜347として本明細書で同定される一般的構造を有するポリペプチド、すなわち、以下に詳述されるようなTDF関連ポリペプチド(本明細書以後「TDFRP」)を含む。1つの態様において、このTDFRP化合物は、別個の結合部位または特性に基づく他のALK受容体への結合親和性よりも、より大きな結合親和性で1つのALK受容体を結合する。この態様の1つの局面において、TDFRP化合物は、ALK-6受容体へのその結合親和性よりも大きな結合親和性で、ALK-3受容体を結合する。別の態様において、このTDFRP化合物は、示差的な親和性に基づく他のALK受容体への結合親和性よりも大きな結合親和性で、1つのALK受容体を結合する。このような化合物は、例えば、同じまたは別の組織中の望ましくない細胞応答を促進することなしに、1つの組織中で細胞の成長および分化を促進することが所望される対象への投与のために適切である。すなわち、TDFRP化合物の設計における特異性が大きいほど、これは、関連したTDFRと干渉しない(例えば、ALK-3受容体に対するその特異性であるが、ALK-6受容体に対してではない、またはその逆も同様)。これは、他の標的との望ましくない相互作用に起因する潜在的な副作用を最小化する。例えば、ALK-3受容体は腎臓組織においてより優勢であるのに対して、ALK-6受容体は骨組織においてより優勢であり;天然型BMP-7タンパク質はより高い親和性でALK-6に結合し、および腎臓病におけるBMP-7治療の潜在的な副作用は骨形成である。TDFRP化合物は、ALK-3に対する特異性の増加およびALK-6に対する親和性の低下のために選択および設計され(図1)、それによって、腎障害または心筋損傷のために治療される対象における所望されない骨形成を減少する。
本発明のTDFRP化合物は、腎細胞、間葉細胞、細胞外マトリックス合成、インテグリン発現、骨および軟骨形成、腹側中胚葉の誘導、神経組織の分化などの、対象における細胞および組織の成長または分化を促進するために、器官形成を促進するために、赤血球生成を促進するために、背側中胚葉および神経組織の成長を誘導するために、組織恒常性を促進するために、ならびに免疫応答を誘導するために適切である。対照的に、とりわけ、線維症、関節リウマチ、および発癌のような病理学的状態は、過度の組織分化因子様活性の結果であると考えられている。従って、TGFベータスーパーファミリー受容体の機能的アンタゴニストである化合物を提供することが、本発明のさらなる1つの目的である。TGFベータスーパーファミリー受容体の部分アンタゴニストおよび部分アゴニストである化合物を提供することもまた、本発明の1つの目的である。本発明の化合物は、急性と慢性の両方の腎臓病、ならびに脳卒中、心筋損傷および外傷性脳損傷を治療するために使用することができる。
BMPはまた、多くの細胞において、成長、分化、および細胞死(アポトーシス)の重要な制御因子としても認められている。
従って、TDFRP化合物は、種々の条件から生じる中枢神経系の損傷1つまたは複数の有害な結果を治療するために使用することができる。「脳卒中」という用語は、例えば、血栓、塞栓、および全身性低血圧と関連するがこれらに限定されない、突発性かつ劇的な神経学的欠損から生じる、中枢神経系の損傷を意味する。他の損傷は、高血圧、高血圧性脳血管疾患、動脈瘤の破裂、血管腫、血液疾患、心不全、心停止、心臓性ショック、腎不全、敗血性ショック、頭部外傷、脊髄外傷、発作、腫瘍からの出血、または血液の量もしくは圧力の他の損失によって引き起こされる可能性がある。これらの損傷は、生理学的機能の破壊、神経細胞の引き続く死、および患部領域の壊死(梗塞)をもたらす。
多数の疾患の実体が「損傷に対する応答」と呼ばれてきた病理プロセスを有する。損傷に対する応答は、アテローム性動脈硬化症の病理学的プロセスに関する彼の書物の中でRichard Rossによって記載されてきた。これは、多くの他の疾患プロセスに対しても適用されてもよく、疾患の一般的メカニズムとして見ることができる。組織が損傷するとき、細胞は、プログラムされた細胞死、すなわちアポトーシスとして説明される退行のプロセスを受ける。このプロセスは、多くの異なる型の組織において、多くの異なる型の損傷によって誘発可能である。特定の損傷のメカニズムは、1つの器官または1つの細胞型さえの特徴であり得るが、しかし、一旦アポトーシスのプロセスが開始すると、起こる細胞プロセスは、多くの異なる細胞型について同様であるように見える。このプロセスにおいて、細胞は、ケモカインまたはサイトカインと呼ばれる多くのシグナル伝達分子を産生する。これらの分子は、全般的な炎症性応答の一部である単球およびマクロファージを誘引する。このプロセスの一部として、他のシグナル伝達分子が産生されて細胞を線維芽細胞に形質転換し、瘢痕形成の一部であると一般的に見なされている線維性変化を開始する。しかし、これらの線維性変化は、継続した損傷によって延長することができ、機能不全の器官を生じる組織の継続した破壊に導くことができる。「損傷に対する応答」という用語の下にあるこれらのプロセスは、本明細書に記載してきたものよりもはるかにより複雑である。しかし、これらは、多数の組織に共通である。例えば、心筋梗塞を引き起こす損傷は、筋細胞の死滅、炎症、および再構築と呼ばれる線維性変化を導く。同じ事象は、多くの異なる損傷の型からの急性腎不全において起こる。シスプラチン(ある癌治療)によって生じる損傷は、尿細管細胞のアポトーシス、炎症、および腎臓の線維性瘢痕を生じる得る。この全く同じプロセスは、慢性腎不全または糖尿病性腎症において起こり得る。このプロセスの破壊は、細胞応答事象の鎖に沿って種々の時点で起こり得る。この鎖に沿った複数の時点において有益な効果を有し得る薬物はほとんど存在しないが、TGF/BMPスーパーファミリー系は、複数のレベルにおいて、このプロセスの中に介入するための機会を提供する。本特許において網羅されるTDFRP組成物は、複数の細胞型に対して、抗アポトーシス性、抗炎症性、および抗線維性効果を有することが示されてきた。これらのTDFRP剤は、複数の器官系において、複数の疾患の実体を治療するための潜在能力を有する。
TDFRP化合物は、癌を治療するために使用することができる。例えば、すべての未治療の前立腺癌は、アンドロゲンとして知られるテストステロンおよび他の男性ホルモンに対して感受性になり始める。初期の前立腺癌細胞転移を有する多くの患者はアンドロゲン欠乏治療を用いて治療され、その結果は、アンドロゲン応答性癌細胞の減少である。最初は、約70〜80%の患者がこの治療に対して応答するが、より後期の段階では、腫瘍はホルモン難治性(ホルモン非依存性)かつより攻撃的になり、乏しい予後に導く。
一連の証拠は、骨形態形成タンパク質(BMP)が、アンドロゲン感受性(LNCaP)およびアンドロゲン非感受性(PC-3、DU-145)ヒト前立腺癌細胞の増殖を阻害することを示唆してきた。本発明の化合物は、癌および増殖性疾患を治療するために使用することができる。
本発明のTDFRP化合物は、頭部への強打などの機械的な力によって引き起こされる、中枢神経系への外傷性損傷を治療するために有用であり得る。このような外傷性組織には、例えば、摩耗、切開、挫傷、穿刺、圧迫が含まれてもよいがこれらに限定されない。中枢神経系に対する外傷性損傷は、哺乳動物の頭部、頸部または脊柱の任意の部位またはその付属物との、外来性の物体の外傷性接触から生じることができる。他の型の外傷性損傷は、体液の不適切な蓄積(例えば、正常な脳脊髄液または硝子体液の産生の遮断もしくは機能不全、ターンオーバーもしくは量の調節、または硬膜下もしくは頭蓋内の血腫もしくは浮腫)による哺乳動物CNS組織の狭窄または圧迫から生じることができる。同様に、外傷性狭窄または圧迫は、転移性または原発性腫瘍などの異常な組織の塊の存在から生じることができる。
本発明はさらに、TGFベータスーパーファミリー受容体を選択するための機能的モジュレーターとして作用する、TDFRP化合物を同定、設計および産生する際に有用である構造に基づく方法に関する。
本発明のTDFRP化合物は、感染または他の損傷によって引き起こされる、組織に対する傷害を治療するために有用であり得る。このような組織の損傷には、例えば、細菌(例えば、内毒素媒介性)、真菌またはウイルスによる感染が含まれてもよいがこれらに限定されない。
これらのTDFRP化合物の変種、類似体、相同体、または断片、例えば、種相同体もまた、その縮重型と同様に、本発明に含まれる。本発明のTDFRP化合物は、N末端、例えば、SEQ ID NO:17、またはC末端、例えば、SEQ ID NO:18、またはN末端とC末端の両方、例えば、SEQ ID NO:19がキャップされていてもよい。本発明のTDFRP化合物は、ペグ化されてもよく、または修飾されてもよく、例えば、反応性側鎖、例えば、リジン残基を含む任意のアミノ酸残基で分枝してもよい。本発明のTDFRP化合物は、直鎖状もしくは環状であってもよく、またはさもなくば束縛されてもよい。TDFRPのテール配列は長さが異なってもよい。
1つの態様において、TDFRPは、SEQ ID NO:1に示される一般構造を有するポリペプチドである。
X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14X15X16X17X18X19X20(SEQ ID NO:1)において、X1〜X20は互いに独立して変化し、Xは任意の天然に存在するかまたは天然に存在しないアミノ酸であることができ、17個までのアミノ酸が存在しなくてもよい。この態様の1つの局面において、存在しないアミノ酸は、連続していてもよいし、または連続していなくてもよい。別の態様において、TDFRPは、SEQ ID NO:1に示される一般構造を有するポリペプチドであり、ここで、X1〜X20は互いに独立して変化し、Xは任意の天然に存在するアミノ酸または天然に存在しないアミノ酸であり得;およびこのポリペプチドは、少なくとも2つのCys残基を含み、17個までのアミノ酸が存在しなくてもよい。この態様の1つの局面において、存在しないアミノ酸は、連続していてもよいし、または連続していなくてもよい。
別の態様において、TDFRPは、SEQ ID NO:2に示される一般構造を有するポリペプチドである。
CX2X3X4X5X6X7X8X9X10CX12X13X14X15X16(SEQ ID NO:2)において、X2〜X10は、X12〜X16とともに互いに独立して変化し、X2はTyr、Ile、任意の芳香族アミノ酸、任意の脂肪族アミノ酸または任意の極性アミノ酸であり;X3はPhe、Val、任意の芳香族アミノ酸、または任意の脂肪族アミノ酸であり;X4はAspまたは任意の酸性アミノ酸であり;X5はAsp、Gluまたは任意の酸性アミノ酸であり;X6はSer、Asnまたは任意の極性アミノ酸であり;X7はSerまたは任意の極性アミノ酸であり;X8はAsn、Glnまたは任意の極性アミノ酸であり;X9はValまたは任意の脂肪族アミノ酸であり;X10はIle、Val、Leuまたは任意の脂肪族アミノ酸であり;X12はLysまたは任意の塩基性アミノ酸であり;X13はLysまたは任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyrまたは任意の極性アミノ酸であり;X15はArgまたは任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSerまたは任意の極性アミノ酸である。
例えば、SEQ ID NO:2の順列に基づくがこれに限定されない代表的なTDFRP配列は、SEQ ID NO:3〜254として本明細書で同定される、以下の表4〜9に記載される。
本発明の化合物は、低分子、より特定には、表4に要約される、SEQ ID NO:3〜38として本明細書で同定されるポリペプチドを含む。これらの化合物の変種、類似体、相同体、または断片、例えば、種相同体もまた、その縮重型と同様に、本発明に含まれる。
これらの化合物は、SEQ ID NO:3〜38として開示される配列中の任意のアミノ酸における一アミノ酸、二アミノ酸、三アミノ酸またはその他の複数アミノ酸の置換を含むことができる。置換は、天然のアミノ酸、天然でないアミノ酸、d-アミノ酸およびl-アミノ酸、ならびにこれらの任意の組み合わせを含むことができる。これらの化合物は、例えば、少なくとも約3アミノ酸長からのSEQ ID NO:3〜38の断片であり得る。
単一、二重、または三重のアミノ酸置換を有する、SEQ ID NO:38と同じ長さの代表的な化合物は、表5に要約される以下のアミノ酸配列を含むがこれらに限定されない。SEQ ID NO:1〜37は、徹底的には例証されてはいないが、記載されるように、同様に修飾することができる。
SEQ ID NO:38の代表的な断片(再度、例示目的のために選択される)は表6に要約される。明白に、表6に提供される配列断片は、11アミノ酸すべてを有する断片を含むが、より小さいかまたはより大きな断片、例えば、約3個またはそれ以上からのアミノ酸が、本発明の範囲に含まれる。
本発明の化合物はまた、低分子、より特定には、表7において部分的に同定されるペプチドを含む。これらの化合物の変種、類似体、相同体、または断片、例えば、種相同体もまた、その縮重型と同様に、本発明に含まれる。
本発明の化合物はまた、低分子、より特定には、表8において部分的に同定されるペプチドを含む。これらの化合物の変種、類似体、相同体、または断片、例えば、種相同体もまた、その縮重型と同様に、本発明に含まれる。
本発明の化合物はまた、低分子、より特定には、表9において部分的に同定されるペプチドを含む。これらの化合物の変種、類似体、相同体、または断片、例えば、種相同体もまた、その縮重型と同様に、本発明に含まれる。
1つの好ましい態様において、このペプチドは、アミノ酸CX2X3X4X5X6X7X8X9X10CX12X13X14X15X16(SEQ ID NO:255)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X4はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、または任意のベータ-カルボニルアミノ酸であり;X5はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、または任意のベータ-カルボニルアミノ酸であり;X6はSer、Thr、Cys、Met、His、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X7はSer、Thr、Cys、Met、His、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X12はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、His、Trp、または任意の芳香族アミノ酸であり;X15はArg、Lys、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3DDSX7X8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:256)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、Cys、Met、His、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、His、Trp、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3NDSX7X8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:257)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、Cys、Met、His、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、His、Trp、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3DNSX7X8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:258)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、Cys、Met、His、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、His、Trp、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3NNSX7X8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:259)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、Cys、Met、His、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、His、Trp、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3DDSX7X8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:260)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、Cys、Met、His、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3NDSX7X8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:261)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、Cys、Met、His、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3DNSX7X8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:262)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、Cys、Met、His、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3NNSX7X8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:263)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、Cys、Met、His、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3DDSSX8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:264)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、His、Trp、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3NDSSX8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:265)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、His、Trp、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3DNSSX8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:266)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、His、Trp、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3NNSSX8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:267)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、His、Trp、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3DDSSX8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:268)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3NDSSX8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:269)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3DNSSX8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:270)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3NNSSX8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:271)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3X4X5X6X7X8X9X10CX12X13X14X15X16(SEQ ID NO:272)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X4はAsp、Asn、または任意のベータ-カルボニルアミノ酸であり;X5はAsp、Asn、または任意のベータ-カルボニルアミノ酸であり;X6はSer、Thr、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X7はSer、Thr、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X12はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X15はArg、Lys、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3DDSX7X8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:273)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3NDSX7X8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:274)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3DNSX7X8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:275)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3NNSX7X8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:276)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3DDSX7X8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:277)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3NDSX7X8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:278)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3DNSX7X8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:279)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3NNSX7X8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:280)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3DDSSX8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:281)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3NDSSX8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:282)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3DNSSX8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:283)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3NNSSX8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:284)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3DDSSX8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:285)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3NDSSX8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:286)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3DNSSX8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:287)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3NNSSX8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:288)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3X4X5X6X7X8X9X10CX12X13X14X15X16(SEQ ID NO:289)のコア配列を含み、ここでX2はTyrまたはPheであり;X3はPheまたはTyrであり;X4はAspまたはAsnであり;X5はAspまたはAsnであり;X6はSerまたはThrであり;X7はSerまたはThrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X12はLysまたはArgであり;X13はLysまたはArgであり;X14はTyrまたはPheであり;X15はArgまたはLysであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3DDSX7X8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:290)のコア配列を含み、ここでX2はTyrまたはPheであり;X3はPheまたはTyrであり;X7はSerまたはThrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;X14はTyrまたはPheであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3NDSX7X8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:291)のコア配列を含み、ここでX2はTyrまたはPheであり;X3はPheまたはTyrであり;X7はSerまたはThrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;X14はTyrまたはPheであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3DNSX7X8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:292)のコア配列を含み、ここでX2はTyrまたはPheであり;X3はPheまたはTyrであり;X7はSerまたはThrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;X14はTyrまたはPheであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3NNSX7X8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:293)のコア配列を含み、ここでX2はTyrまたはPheであり;X3はPheまたはTyrであり;X7はSerまたはThrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;X14はTyrまたはPheであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3DDSX7X8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:294)のコア配列を含み、ここでX3はPheまたはTyrであり;X7はSerまたはThrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3NDSX7X8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:295)のコア配列を含み、ここでX3はPheまたはTyrであり;X7はSerまたはThrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3DNSX7X8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:296)のコア配列を含み、ここでX3はPheまたはTyrであり;X7はSerまたはThrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3NNSX7X8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:297)のコア配列を含み、ここでX3はPheまたはTyrであり;X7はSerまたはThrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3DDSSX8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:298)のコア配列を含み、ここでX2はTyrまたはPheであり;X3はPheまたはTyrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;X14はTyrまたはPheであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3NDSSX8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:299)のコア配列を含み、ここでX2はTyrまたはPheであり;X3はPheまたはTyrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;X14はTyrまたはPheであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3DNSSX8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:300)のコア配列を含み、ここでX2はTyrまたはPheであり;X3はPheまたはTyrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;X14はTyrまたはPheであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3NNSSX8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:301)のコア配列を含み、ここでX2はTyrまたはPheであり;X3はPheまたはTyrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;X14はTyrまたはPheであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3DDSSX8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:302)のコア配列を含み、ここでX3はPheまたはTyrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3NDSSX8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:303)のコア配列を含み、ここでX3はPheまたはTyrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3DNSSX8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:304)のコア配列を含み、ここでX3はPheまたはTyrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3NNSSX8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:305)のコア配列を含み、ここでX3はPheまたはTyrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
特に好ましいペプチドには以下が含まれるがこれらに限定されない。
これらの好ましいペプチドの配列は、パターンCYX3X4X5SSX8VLCKX13YRX16(SEQ ID NO:347)によって要約され、ここで、X3、X4、X5、X8、X13、およびX16は互いに独立して変化し、X3はTyrまたはPheであり;X4はAsp、Asn、またはGluであり;X5はAspまたはAsnであり;X8はSer、Asn、またはGlnであり;X13はLys、Arg、またはGlnであり;X16はSerまたは欠失であり;およびC末端は天然のヒドロキシル基(-OH)またはアミノ基(-NH2)のいずれかでキャップされている。
とりわけ好ましいものは、以下を含むがこれらに限定されない以下のラクタム環状ペプチドである。
(表10)
ここで、
は環状ラクタム構造
を表す。
これらの好ましいペプチドの配列は、パターンAsp-YX3X4X5SSX8VL-Dap-KX13YRX16(SEQ ID NO:365)によって要約され、ここで、X3、X4、X5、X8、X13、およびX16は互いに独立して変化し、X3はTyrまたはPheであり;X4はAsp、Asn、またはGluであり;X5はAspまたはAsnであり;X8はSer、Asn、またはGlnであり;X13はLys、Arg、またはGlnであり;X16はSerまたは欠失であり;およびC末端は天然のヒドロキシル基またはアミノ基のいずれかでキャップされている。
よりとりわけ好ましいものは、以下を含むがこれらに限定されない以下のラクタム環状ペプチドである。
(表11)
ここで、
は環状ラクタム構造
を表す。
これらの好ましいペプチドの配列は、パターンDap-YX3X4X5SSX8VL-Asp-KX13YRX16(SEQ ID NO:383)によって要約され、ここで、X3、X4、X5、X8、X13、およびX16は互いに独立して変化し、X3はTyrまたはPheであり;X4はAsp、Asn、またはGluであり;X5はAspまたはAsnであり;X8はSer、Asn、またはGlnであり;X13はLys、Arg、またはGlnであり;X16はSerまたは欠失であり;およびC末端は天然のヒドロキシル基またはアミノ基のいずれかでキャップされている。
複数ドメインTDFRP化合物
本発明は、組織分化因子の機能的類似体である化合物、すなわち、例えば、TGFベータスーパーファミリー受容体アゴニストとして作用することによってTGFベータスーパーファミリータンパク質を機能的に模倣する化合物を提供する。このような化合物は、例えば、腎細胞、幹細胞、間葉細胞、細胞外マトリックス合成、インテグリン発現、骨および軟骨形成、腹側中胚葉の誘導、神経組織の分化などの、対象または組織における細胞および組織の成長または分化を促進するために、器官形成を促進するために、赤血球生成を促進するために、背側中胚葉および神経組織の成長を誘導するために、組織恒常性を促進するために、ならびに免疫応答を誘導または調節するために、それが所望される場合に、対象または単離された組織への投与のために適切である。対照的に、とりわけ、線維症、関節リウマチ、および発癌のような病理学的状態は、過度の組織分化因子様活性の結果であると考えられている。従って、TGFベータスーパーファミリー受容体の機能的アンタゴニストである化合物を提供することが、本発明のさらなる1つの目的である。TGFベータスーパーファミリー受容体の部分アンタゴニストおよび部分アゴニストである化合物を提供することもまた、本発明の1つの目的である。本発明の化合物は、症状の中でも、急性と慢性の両方の腎臓病、ならびに脳卒中および外傷性脳損傷を治療するために使用することができる。
本発明はさらに、TGFベータスーパーファミリー受容体および/またはそれらのシグナル伝達経路の機能的モジュレーターとして作用する化合物を、同定、設計および製造する際に有用である構造に基づく方法に関する。
本発明の化合物は、以下に示す一般構造:
TDFRP1-リンカー-TDFRP2
を有する複数のTDF関連ポリペプチド(すなわち、複数ドメインTDF関連ポリペプチド化合物、本明細書中以後「TDFRP」)を含む。
第1のTDFRPドメイン(TDFRP1、すなわち、TDF関連ポリペプチド1)は、C末端、N末端、または官能基化可能な側鎖を有する任意の位置、例えば、リジンまたはアスパラギン酸を介して、リンカー分子に共有結合により連結されており、これは次には、第2のTDFRPドメイン(TDFRP2)のN末端に共有結合により連結されている。
TDRFPドメインは、低分子、より詳細には、本明細書で同定されるポリペプチド、すなわち、表4-11に要約されるTDF関連ポリペプチド(TDFRP)を含む化合物である。これらの化合物の変種、類似体、相同体、または断片、例えば、種相同体もまた、その縮重型と同様に、本発明に含まれる。
第1のドメインは、リンカーを通して第2のドメインに連結される。「リンカー」という用語は、本明細書で使用される場合、TDFRPの生物学的活性が保存されるように、単独でまたは組み合わせて、適切な間隔もしくは構造的な強固さ、または構造的な配向を、第1および第2のドメイン、例えば、TDFRP1およびTDFRP2に提供することが可能であるエレメントをいう。例えば、リンカーには、ジアミノアルカン、ジカルボン酸、アミノカルボン酸アルカン、アミノ酸配列、例えば、グリシンポリペプチド、ジスルフィド結合、ヘリックスもしくはシート様構造エレメントまたはアルキル鎖が含まれてもよいがこれらに限定されない。1つの局面において、リンカーは不活性ではなく、例えば、インビボまたはインビトロで化学的または酵素的に切断可能である。別の局面において、リンカーは不活性であり、すなわち、インビボまたはインビトロでは実質的に反応性でなく、例えば、化学的または酵素的に分解されない。連結基として働くことができる不活性基の例には以下が含まれる:脂肪族鎖、例えば、アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基(例えば、C1〜C20)、シクロアルキル環(例えば、C3〜C10)、アリール基(炭素環式アリール基、例えば、1-ナフチル、2-ナフチル、1-アントラシルおよび2-アントラシル、ならびにヘテロアリール基、例えば、N-イミダゾリル、2-イミダゾール、2-チエニル、3-チエニル、2-フラニル、3-フラニル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-ピリジル、4-ピリミジル、2-ピラニル、3-ピラニル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル、5-ピラゾリル、2-ピラジニル、2-チアゾール、4-チアゾール、5-チアゾール、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、2-ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、2-ベンゾフラニル、3-ベンゾフラニル、2-インドリル、3-インドリル、2-キノリニル、3-キノリニル、2-ベンゾチアゾール、2-ベンゾオキサゾール、2-ベンズイミダゾール、2-キノリニル、3-キノリニル、1-イソキノリニル、3-キノリニル、1-イソインドリル、および3-イソインドリル)、非芳香族複素環基(例えば、2-テトラヒドロフラニル、3-テトラヒドロフラニル、2-テトラヒドロチオフェニル、3-テトラヒドロチオフェニル、2-モルホリノ、3-モルホリノ、4-モルホリノ、2-チオモルホリノ、3-チオモルホリノ、4-チオモルホリノ、1-ピロリジニル、2-ピロリジニル、3-ピロリジニル、1-ピペラジニル、2-ピペラジニル、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-ピペリジニルおよび4-チアゾリジニル)ならびに1つ、2つ、または3つのメチレンが-O-、-S-、-NH-、-SO2-、-SO-または-SO2NH-で置換されている脂肪族基。
本発明の化合物は、低分子、より特定には、以下に詳述されるような、本明細書で同定される一般構造を有する、TDFRP化合物ドメインを含む。本明細書に開示されるTDFRP化合物ドメインは、任意の組み合わせまたは方向でTDFRP化合物中に存在してもよい。これらのTDFRP化合物ドメインの変種、類似体、相同体、または断片、例えば、種相同体もまた、その縮重型と同様に、本発明に含まれる。本発明のTDFRP化合物ドメインは、N末端もしくはC末端、またはN末端とC末端の両方でキャップされてもよい。本発明のTDFRP化合物は、ペグ化されてもよく、または修飾されてもよく、例えば、反応性側鎖、例えば、リジン残基、またはリンカー上の化学反応基を含む任意のアミノ酸残基で分枝してもよい。本発明のTDFRP化合物は、直鎖状であってもよく、または環状であってもよい。TDFRPまたはTDFRPドメインのテール配列は長さが変化してもよい。本発明の1つの局面において、本発明のTDFRP化合物はプロドラッグであり、すなわち、TDFRP化合物の生物学的活性は、生物学的系をインビボまたはインビトロ接触させる際に、変化され、例えば、増加される。
TDFRP化合物は、天然のアミノ酸、天然でないアミノ酸、d-アミノ酸およびl-アミノ酸、ならびにこれらの任意の組み合わせを含むことができる。特定の態様において、本発明の化合物は、遺伝的にコードされていない一般的に遭遇するアミノ酸を含むことができる。これらの遺伝的にコードされていないアミノ酸には以下が含まれるがこれらに限定されない:β-アラニン(β-Ala)および他のオメガアミノ酸、例えば、3-アミノプロピオン酸(Dap)、2,3-ジアミノプロピオン酸(Dpr)、4-アミノ酪酸など;α-アミノイソ酪酸(Aib);ε-アミノヘキサン酸(Aha);δ-アミノ吉草酸(Ava);N-メチルグリシンまたはサルコシン(MeGly);オルニチン(Orn);シトルリン(Cit);t-ブチルアラニン(t-BuA);t-ブチルグリシン(t-BuG);N-メチルイソロイシン(MeIle);フェニルグリシン(Phg);シクロヘキシルアラニン(Cha);ノルロイシン(Nle);2-ナフチルアラニン(2-Nal);4-クロロフェニルアラニン(Phe(4-Cl));2-フルオロフェニルアラニン(Phe(2-F));3-フルオロフェニルアラニン(Phe(3-F));4-フルオロフェニルアラニン(Phe(4-F));ペニシルアミン(Pen);1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸(Tic);β-2-チエニルアラニン(Thi);メチオニンスルホキシド(MSO);ホモアルギニン(hArg);N-アセチルリジン(AcLys);2,3-ジアミノ酪酸(Dab);2,3-ジアミノ酪酸(Dbu);p-アミノフェニルアラニン(Phe(pNH2));N-メチルバリン(MeVal);ホモシステイン(hCys)およびホモセリン(hSer)。この化合物の天然には存在しない変種は、変異誘発技術または直接合成によって製造されてもよい。
1つの態様において、TDFRP化合物ドメインは、SEQ ID NO:1に示される一般構造を有するポリペプチドである。
X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14X15X16X17X18X19X20(SEQ ID NO:1)において、X1〜X20は互いに独立して変化し、Xは任意の天然に存在するかまたは天然に存在しないアミノ酸であることができ、17個までのアミノ酸が存在しなくてもよい。この態様の1つの局面において、存在しないアミノ酸は、連続していてもよいし、または連続していなくてもよい。別の態様において、TDFRP化合物ドメインは、SEQ ID NO:1に示される一般構造を有するポリペプチドであり、ここで、X1〜X20は互いに独立して変化し、Xは任意の天然に存在するアミノ酸または天然に存在しないアミノ酸であり得;およびこのポリペプチドは、少なくとも2つのCys残基を含み、17個までのアミノ酸が存在しなくてもよい。この態様の1つの局面において、存在しないアミノ酸は、連続していてもよいし、または連続していなくてもよい。
別の態様において、TDFRP化合物ドメインは、SEQ ID NO:2に示される一般構造を有するポリペプチドである。
CX2X3X4X5X6X7X8X9X10CX12X13X14X15X16(SEQ ID NO:2)において、X2〜X10は、X12〜X16とともに互いに独立して変化し、X2はTyr、Ile、任意の芳香族アミノ酸、任意の脂肪族アミノ酸または任意の極性アミノ酸であり;X3はPhe、Val、任意の芳香族アミノ酸、または任意の脂肪族アミノ酸であり;X4はAspまたは任意の酸性アミノ酸であり;X5はAsp、Gluまたは任意の酸性アミノ酸であり;X6はSer、Asnまたは任意の極性アミノ酸であり;X7はSerまたは任意の極性アミノ酸であり;X8はAsn、Glnまたは任意の極性アミノ酸であり;X9はValまたは任意の脂肪族アミノ酸であり;X10はIle、Val、Leuまたは任意の脂肪族アミノ酸であり;X12はLysまたは任意の塩基性アミノ酸であり;X13はLysまたは任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyrまたは任意の極性アミノ酸であり;X15はArgまたは任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSerまたは任意の極性アミノ酸である。
本発明の化合物は、低分子、より特定には、表4-11に部分的に要約されるペプチドを含む。これらの化合物の変種、類似体、相同体、または断片、例えば、種相同体もまた、その縮重型と同様に、本発明に含まれる。
これらの化合物は、開示される配列中の任意のアミノ酸における一アミノ酸、二アミノ酸、三アミノ酸またはその他の複数アミノ酸の置換を含むことができる。置換は、天然のアミノ酸、天然でないアミノ酸、d-アミノ酸およびl-アミノ酸、ならびにこれらの任意の組み合わせを含むことができる。これらの化合物は、例えば、少なくとも約3アミノ酸長からの断片であり得る。さらなる代表的な化合物には、ECRDLGWQDQC(SEQ ID NO: 306)、ACFDDSSNVICKKYRS(SEQ ID NO: 307)、およびSRYKKCYFDDSSNVIC(SEQ ID NO: 308)が含まれる。
単一、二重、または三重のアミノ酸置換を有する、代表的なTDFRP化合物ドメインは、表5に要約される以下のアミノ酸配列を含むがこれらに限定されない。これらは、徹底的には例証されてはいないが、記載されるように、同様に修飾することができる。
代表的な断片は表6に要約される。明白に、表6に提供される配列断片は、11アミノ酸すべてを有する断片を含むが、より小さいかまたはより大きな断片、例えば、約3個またはそれ以上からのアミノ酸が、本発明の範囲に含まれる。
TDFRPドメインはまた、低分子、より特定には、表7に要約されるペプチドを含む。これらの化合物の変種、類似体、相同体、または断片、例えば、種相同体もまた、その縮重型と同様に、本発明に含まれる。
TDFRPドメインはまた、低分子、より特定には、表8において部分的に同定されるペプチドを含む。これらの化合物の変種、類似体、相同体、または断片、例えば、種相同体もまた、その縮重型と同様に、本発明に含まれる。
本発明の化合物はまた、低分子、より特定には、表9において部分的に同定されるペプチドを含む。これらの化合物の変種、類似体、相同体、または断片、例えば、種相同体もまた、その縮重型と同様に、本発明に含まれる(表10-11)。
本発明によって提供される代表的なTDFRP化合物は表12に要約される。
1つの好ましい態様において、このペプチドは、アミノ酸CX2X3X4X5X6X7X8X9X10CX12X13X14X15X16(SEQ ID NO:255)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X4はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、または任意のベータ-カルボニルアミノ酸であり;X5はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、またはベータ-カルボニルアミノ酸であり;X6はSer、Thr、Cys、Met、His、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X7はSer、Thr、Cys、Met、His、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X12はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、His、Trp、または任意の芳香族アミノ酸であり;X15はArg、Lys、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3DDSX7X8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:256)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、Cys、Met、His、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、His、Trp、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3NDSX7X8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:257)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、Cys、Met、His、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、His、Trp、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3DNSX7X8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:258)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、Cys、Met、His、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、His、Trp、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3NNSX7X8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:259)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、Cys、Met、His、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、His、Trp、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3DDSX7X8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:260)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、Cys、Met、His、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3NDSX7X8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:261)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、Cys、Met、His、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3DNSX7X8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:262)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、Cys、Met、His、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3NNSX7X8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:263)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、Cys、Met、His、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3DDSSX8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:264)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、His、Trp、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3NDSSX8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:265)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、His、Trp、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3DNSSX8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:266)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、His、Trp、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3NNSSX8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:267)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、His、Trp、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3DDSSX8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:268)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3NDSSX8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:269)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3DNSSX8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:270)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
1つの好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3NNSSX8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:271)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、Met、Ser、任意の脂環式アミノ酸、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsp、Asn、Glu、Gln、Ser、Thr、Met、His、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Thr、Leu、Ala、Gly、Met、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、Val、Met、Ser、Phe、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、His、Trp、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asp、Asn、Glu、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3X4X5X6X7X8X9X10CX12X13X14X15X16(SEQ ID NO:272)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X4はAsp、Asn、または任意のベータ-カルボニルアミノ酸であり;X5はAsp、Asn、または任意のベータ-カルボニルアミノ酸であり;X6はSer、Thr、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X7はSer、Thr、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X12はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X15はArg、Lys、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3DDSX7X8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:273)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3NDSX7X8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:274)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3DNSX7X8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:275)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3NNSX7X8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:276)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3DDSX7X8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:277)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3NDSX7X8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:278)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3DNSX7X8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:279)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3NNSX7X8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:280)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X7はSer、Thr、または任意のベータ-ヘテロ原子アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3DDSSX8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:281)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3NDSSX8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:282)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3DNSSX8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:283)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3NNSSX8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:284)のコア配列を含み、ここで、X2はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;X14はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3DDSSX8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:285)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3NDSSX8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:286)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3DNSSX8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:287)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
より好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3NNSSX8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:288)のコア配列を含み、ここで、X3はTyr、Phe、または任意の芳香族アミノ酸であり;X8はAsn、Gln、Ser、Thr、または任意の極性アミノ酸であり;X9はVal、Ile、Leu、Ala、または任意の非極性アミノ酸であり;X10はIle、Leu、Ala、Gly、または任意の非極性アミノ酸であり;X13はLys、Arg、または任意の塩基性アミノ酸であり;およびX16はSer、Thr、Asn、Gln、任意の極性アミノ酸であるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3X4X5X6X7X8X9X10CX12X13X14X15X16(SEQ ID NO:289)のコア配列を含み、ここでX2はTyrまたはPheであり;X3はPheまたはTyrであり;X4はAspまたはAsnであり;X5はAspまたはAsnであり;X6はSerまたはThrであり;X7はSerまたはThrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X12はLysまたはArgであり;X13はLysまたはArgであり;X14はTyrまたはPheであり;X15はArgまたはLysであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3DDSX7X8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:290)のコア配列を含み、ここでX2はTyrまたはPheであり;X3はPheまたはTyrであり;X7はSerまたはThrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;X14はTyrまたはPheであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3NDSX7X8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:291)のコア配列を含み、ここでX2はTyrまたはPheであり;X3はPheまたはTyrであり;X7はSerまたはThrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;X14はTyrまたはPheであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3DNSX7X8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:292)のコア配列を含み、ここでX2はTyrまたはPheであり;X3はPheまたはTyrであり;X7はSerまたはThrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;X14はTyrまたはPheであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3NNSX7X8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:293)のコア配列を含み、ここでX2はTyrまたはPheであり;X3はPheまたはTyrであり;X7はSerまたはThrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;X14はTyrまたはPheであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3DDSX7X8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:294)のコア配列を含み、ここでX3はPheまたはTyrであり;X7はSerまたはThrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3NDSX7X8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:295)のコア配列を含み、ここでX3はPheまたはTyrであり;X7はSerまたはThrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3DNSX7X8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:296)のコア配列を含み、ここでX3はPheまたはTyrであり;X7はSerまたはThrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3NNSX7X8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:297)のコア配列を含み、ここでX3はPheまたはTyrであり;X7はSerまたはThrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3DDSSX8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:298)のコア配列を含み、ここでX2はTyrまたはPheであり;X3はPheまたはTyrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;X14はTyrまたはPheであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3NDSSX8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:299)のコア配列を含み、ここでX2はTyrまたはPheであり;X3はPheまたはTyrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;X14はTyrまたはPheであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3DNSSX8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:300)のコア配列を含み、ここでX2はTyrまたはPheであり;X3はPheまたはTyrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;X14はTyrまたはPheであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CX2X3NNSSX8X9X10CKX13X14RX16(SEQ ID NO:301)のコア配列を含み、ここでX2はTyrまたはPheであり;X3はPheまたはTyrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;X14はTyrまたはPheであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3DDSSX8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:302)のコア配列を含み、ここでX3はPheまたはTyrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3NDSSX8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:303)のコア配列を含み、ここでX3はPheまたはTyrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3DNSSX8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:304)のコア配列を含み、ここでX3はPheまたはTyrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
とりわけ好ましい態様において、これらのペプチドは、アミノ酸CYX3NNSSX8X9X10CKX13YRX16(SEQ ID NO:305)のコア配列を含み、ここでX3はPheまたはTyrであり;X8はAsn、Gln、SerまたはThrであり;X9はVal、Ile、Leu、またはAlaであり;X10はIle、Leu、Ala、またはGlyであり;X13はLysまたはArgであり;およびX16はSer、Thr、Asn、Glnであるか、または存在しない。
特に好ましいペプチドには以下が含まれるがこれらに限定されない。
特に好ましいペプチドには以下が含まれるがこれらに限定されない。
1つの態様において、TDFRP化合物は、SEQ ID NO:1〜347の類似体または相同体を含む。本発明の化合物は、SEQ ID NO:1〜347に対する相同性、例えば、好ましくは、50%またはそれ以上のアミノ酸同一性、より好ましくは、75%またはそれ以上のアミノ酸同一性、およびなおより好ましくは、90%またはそれ以上のアミノ酸同一性を有する化合物を含む。
配列同一性は、配列分析ソフトウェア(the Genetics Computer Group, University of Wisconsin Biotechnology Center, 1710 University Avenue, Madison, Wis. 53705の配列分析ソフトウェアパッケージ(Sequence Analysis Software Package))を使用し、その中のデフォルトパラメーターを用いて測定することができる。
参照配列に対して100%未満の同一性であるポリペプチド配列の場合において、同一でない位置は、好ましくは、参照配列についての保存性置換であるが、これは必ずしも必要なわけではない。保存性置換は、典型的には、以下の群の中での置換を含む:グリシンおよびアラニン;バリン、イソロイシン、およびロイシン;アスパラギン酸およびグルタミン酸;アスパラギンおよびグルタミン;セリンおよびスレオニン;リジンおよびアルギニン;ならびにフェニルアラニンおよびチロシン。従って、対応する親の配列を有するポリペプチドと、例えば、配列において、構造において、機能において、および抗原性の特徴または他の機能においてペプチドが相同のままであるような、変異した配列を有するペプチドが本発明に含まれる。例えば、このような変異は保存性アミノ酸の変化、例えば、広く類似する分子の特性のアミノ酸間の変化を含む変異であり得る。例えば、脂肪族群、アラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシン中での交換は保存性と見なすことができる。時折、これらの1つの代わりにグリシンへの置換もまた、保存性であると見なすことができる。他の保存性交換には、脂肪族基アスパラギン酸およびグルタミン酸の中の交換;アミド基アスパラギンおよびグルタミンの中での交換;ヒドロキシル基セリンおよびスレオニンの中での交換;芳香族基フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファンの中での交換;塩基性基リジン、アルギニンおよびヒスチジンの中での交換;ならびに硫黄含有基メチオニンおよびシステインの中での交換が含まれる。時折、メチオニンおよびロイシンの群の中での置換もまた、保存性であると見なすことができる。好ましい保存性置換の群は、アスパラギン酸-グルタミン酸;アスパラギン-グルタミン;バリン-ロイシン-イソロイシン;アラニン-バリン;フェニルアラニン-チロシン;およびリジン-アルギニンである。
本発明はまた、化合物がなお、適切なTDFアゴニストまたはアンタゴニストの特性を保持しながら、全体のアミノ酸配列が長くされるような挿入を含む、変化した配列を有する化合物を提供する。加えて、変化した配列は、化合物全体のアミノ酸配列を短縮する、ランダムなまたは設計された内部の欠失を含んでもよいが、しかし、この化合物は、そのTDF様機能特性をなお保持している。特定の態様において、配列番号:1〜347の中の1つまたは複数のアミノ酸残基は他のアミノ酸残基で置き換えられ、これらの残基は、それらが置き換えている残基に対して類似の物理的および/または化学的特性を有する。好ましくは、保存性アミノ酸置換は、以下でより徹底的に説明されるように、アミノ酸が、同じ指定されたクラス中に含まれる別のアミノ酸で置き換えられるものである。挿入、欠失、および置換は、それらが化合物の機能的特性を無効にしない場合に適切である。変化した化合物の機能性は、変化した化合物のTDF様特性を評価するために設計される以下に記載されるインビトロおよびインビボアッセイ法に従ってアッセイすることができる。
SEQ ID NO:1〜347のアミノ酸残基、SEQ ID NO:1〜347の類似体または相同体には、遺伝的にコードされるl-アミノ酸、天然に存在する遺伝的にコードされないl-アミノ酸、合成のd-アミノ酸、または上記のすべてのd-エナンチオマーが含まれる。
B. TDFRP核酸配列
本発明の化合物には、その縮重変種を含む、SEQ ID NO:1〜347をコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドが含まれる。従って、SEQ ID NO:1〜347をコードする任意の核酸配列と、低ストリンジェンシーでハイブリダイズすることが可能である核酸配列は、本発明の範囲内にあると見なされる。例えば、約20〜40塩基の核酸配列については、典型的なプレハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼーション、および洗浄のプロトコールは以下の通りである。(1)プレハイブリダイゼーション:変性標的DNAを含むニトロセルロースフィルターを、5×デンハルト(Denhardt)溶液、6×SSC(20×SSCは、10 N NaOHでpH. 7.0に調整した、800 ml H2O中の175 g NaCl、88.2 g クエン酸ナトリウムからなる)、0.1% SDS、および100μg/ml変性サケ精子DNA中で、55℃にて3〜4時間インキュベートする、(2)ハイブリダイゼーション:プレハイブリダイゼーション溶液プラスプローブ中で、42℃にて14〜48時間フィルターをインキュベートする、(3)洗浄:6×SSCおよび0.1% SDS中で室温にて3回の15分間の洗浄、続いて6×SSCおよび0.1% SDS中で55℃にて1〜1.5分間の最終洗浄。他の等価な手法、例えば、ホルムアミドなどの有機溶媒を使用する手法は当技術分野で周知である。標準的なストリンジェンシー条件は、標準的な分子生物学のクローニングテキストにおいて十分に特徴付けられている。例えば、Molecular Cloning A Laboratory Manual, 2nd Ed., ed., Sambrook, Fritsch, and Maniatis (Cold Spring Harbor Laboratory Press: 1989); DNA Cloning, Volumes IおよびII (D.N. Glovered., 1985); Oligonucleotide synthesis (MJ. Gait ed., 1984); Nucleic Acid Hybridization (B.D. HamesおよびS.J. Higgins eds, 1984)を参照されたい。
本発明は、本発明の対立遺伝子変種、すなわち、ポリヌクレオチドによってコードされるものに対して同一であるか、相同であるかまたは関連するポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドの天然に存在する代替型もまた包含する。または、天然に存在しない変種は、変異誘発技術によって、または当技術分野において周知である直接合成技術によって製造されてもよい。
C. TDFRP組換え発現ベクター
本発明の別の局面は、TDFRP化合物をコードする1つまたは複数の核酸配列を含むベクターを含む。本発明の1つまたは複数のポリペプチドの組換え発現のために、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列のすべてまたは一部を含む核酸は、当技術分野において周知であり、かつ以下で詳述されるような組換えDNA技術によって、適切なクローニングベクターまたは発現ベクター(すなわち、挿入されるポリペプチドコード配列の転写および翻訳に必要なエレメントを含むベクター)に挿入される。
一般的に、組換えDNA技術において有用である発現ベクターは、しばしばプラスミドの型である。本明細書において、「プラスミド」および「ベクター」は、交換可能に使用することができる。なぜなら、プラスミドは、最も一般的に使用される型のベクターであるからである。しかし、本発明は、等価な機能を果たすウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルスおよびアデノ関連ウイルス)のような、技術的にはプラスミドではないような他の型の発現ベクターを含むことが意図される。このようなウイルスベクターは、対象の感染およびその対象における化合物の発現を可能にする。
本発明の組換え発現ベクターは、宿主細胞中で核酸の発現のために適切である型である、TDF様特性を有する化合物をコードする核酸を含み、このことは、組換え発現ベクターが、発現される核酸配列に作動可能に連結されている、発現のために使用される宿主細胞に基づいて選択される1つまたは複数の調節配列を含むことを意味する。組換え発現ベクター中では、「作動可能に連結される」は、ヌクレオチド配列の発現を可能にする様式で(例えば、インビトロ転写/翻訳系中で、またはベクターが宿主細胞に導入される場合には宿主細胞中で)、関心対象のヌクレオチド配列が調節配列に連結されていることを意味することが意図される。
「調節配列」という用語は、プロモーター、エンハンサーおよび他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むことが意図される。このような調節配列は、例えば、Goeddel, GENE EXPRESSION TECHNOLOGY: METHODS IN ENZYMOLOGY 185, Academic Press, San Diego, Calif. (1990)において記載されている。調節配列には、多数の型の宿主細胞中でのヌクレオチド配列の構成的発現を指向するもの、および特定の宿主細胞中でのみヌクレオチド配列を指向するもの(例えば、組織特異的調節配列)が含まれる。発現ベクターの設計は、形質転換される宿主細胞の選択、所望されるポリペプチドの発現のレベルなどのような要因に依存し得ることが当業者によって認識される。本発明の発現ベクターは、それによって、本明細書に記載されるような核酸によってコードされる融合ポリペプチド(例えば、TDFRP化合物およびTDFRP由来融合ポリペプチドなど)を含む、ポリペプチドまたはペプチドを製造するために、宿主細胞に導入することができる。
D. TDFRP-発現宿主細胞
本発明の別の局面は、1つまたは複数のTDFRP化合物をコードする核酸を含むTDFRP発現宿主細胞に関する。本発明の組換え発現ベクターは、原核生物細胞または真核生物細胞中でのTDFRP化合物の発現のために設計することができる。例えば、TDFRP化合物は、大腸菌(Escherichia coli)などの細菌細胞、昆虫細胞(バキュロウイルス発現ベクターを使用する)、真菌細胞、例えば、酵母、酵母細胞または哺乳動物細胞中で発現させることができる。適切な宿主細胞は、Goeddel, GENE EXPRESSION TECHNOLOGY: METHODS IN ENZYMOLOGY 185, Academic Press, San Diego, CA. (1990)においてさらに議論されている。または、組換え発現ベクターは、例えば、T7プロモーター調節配列およびT7ポリメラーゼを使用して、インビトロで転写および翻訳させることができる。
原核生物細胞におけるポリペプチドの発現は、最も頻繁には、融合ポリペプチドまたは融合でないポリペプチドのいずれかの発現を指向する、構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターを含むベクターを用いて、大腸菌中で実行される。融合ベクターは、そこにコードされるポリペプチドに、通常は組換えポリペプチドのアミノ末端に多数のアミノ酸を加える。このような融合ベクターは、典型的には、3つの目的のために役立つ:(1)組換えポリペプチドの発現を増加させること;(ii)組換えポリペプチドの溶解性を増加させること;および(iii)親和精製におけるリガンドとして作用することによって、組換えポリペプチドの精製の際に補助を行うこと。しばしば、融合発現ベクターにおいて、タンパク質分解的切断部位は、融合ポリペプチドの精製に続く、融合部分からの組換えポリペプチドの分離を可能にするために、融合部分と組換えポリペプチドとの結合部に導入される。このような酵素、およびそれらの同族認識配列には、第Xa因子、トロンビンおよびエンテロキナーゼが含まれる。典型的な融合発現ベクターには、標的組換えポリペプチドに、それぞれ、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)、マルトースE結合ポリペプチド、またはポリペプチドAを融合させる、pGEX(Pharmacia Biotech Inc; Smith and Johnson, 1988. Gene 67: 31-40)、pMAL(New England Biolabs, Beverly, Mass.)および pRIT5(Pharmacia, Piscataway, N.J.)が含まれる。
適切な誘導性非融合大腸菌発現ベクターの例には、pTrc(Amrann et al., (1988) Gene 69:301-315)およびpET 11d (Studier et al., GENE EXPRESSION TECHNOLOGY: METHODS IN ENZYMOLOGY 185, Academic Press, San Diego, CA. (1990) 60-89)が含まれる。
大腸菌における組換えポリペプチド発現を最大化するための1つの戦略は、組換えポリペプチドをタンパク質分解的に切断する能力が損なわれている宿主細菌中でポリペプチドを発現させることである。例えば、Gottesman, GENE EXPRESSION TECHNOLOGY: METHODS IN ENZYMOLOGY 185, Academic Press, San Diego, Calif. (1990) 119-128を参照されたい。別の戦略は、各アミノ酸についての個々のコドンが、発現宿主、例えば、大腸菌中で優先的に使用されるものであるように、発現ベクターに挿入される核酸の核酸配列を変化させることである(例えば、Wada, et al., 1992. Nucl. Acids Res. 20: 2111-2118を参照されたい)。本発明の核酸配列のこのような変化は、標準的なDNA合成技術によって実行することができる。
別の態様において、TDFRP発現ベクターは酵母発現ベクターである。ビール酵母菌(Saccharomyces cerevisiae)における発現のためのベクターの例には、pYepSec1(Baldari, et al., 1987. EMBO J. 6: 229-234)、pMFa(Kurjan and Herskowitz, 1982. Cell 30: 933-943)、pJRY88(Schultz et al., 1987. Gene 54: 113-123)、pYES2(Invitrogen Corporation, San Diego, CA)、およびpicZ(Invitrogen Corp, San Diego, CA)が含まれる。または、TDFRPは、バキュロウイルス発現ベクターを使用して、昆虫細胞中で発現させることができる。培養昆虫細胞(例えば、SF9細胞)におけるポリペプチドの発現のために使用可能であるバキュロウイルスベクターには、pAcシリーズ(Smith, et al., 1983. MoI. Cell. Biol. 3: 2156-2165)およびpVLシリーズ(Lucklow and Summers, 1989. Virology 170: 31-39)が含まれる。
なお別の態様において、本発明の核酸は、哺乳動物発現ベクターを使用して、哺乳動物細胞中で発現される。哺乳動物発現ベクターの例には、pCDM8 (Seed, 1987. Nature 329: 840)およびpMT2PC (Kaufman, et al., 1987. EMBO J. 6: 187-195)が含まれる。哺乳動物細胞中で使用される場合、発現ベクターの制御機能は、しばしば、ウイルス調節エレメントによって提供される。例えば、一般に使用されるプロモーターは、ポリオーマ、アデノウイルス2、サイトメガロウイルス、およびシミアンウイルス40に由来する。原核生物細胞と真核生物細胞の両方のための他の適切な発現系については、例えば、Sambrook, et al., MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL. 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N. Y., 1989のChapters 16および17を参照されたい。
別の態様において、組換え哺乳動物発現ベクターは、特定の細胞型において優先的に核酸の発現を指向することが可能である(例えば、組織特異的調節エレメントが核酸を発現するために使用される)。組織特異的調節エレメントは当技術分野において公知である。適切な組織特異的プロモーターの非限定的な例には以下が含まれる:アルブミンプロモーター(肝臓特異的; Pinkert, et al., 1987. Genes Dev. 1: 268-277)、リンパ特異的プロモーター(Calame and Eaton, 1988. Adv. Immunol. 43: 235-275)、特にT細胞受容体のプロモーター(Winoto and Baltimore, 1989. EMBO J. 8: 729-733)および免疫グロブリン(Banerji, et al., 1983. Cell 33: 729-740; Queen and Baltimore, 1983. Cell 33: 741-748)、神経細胞特異的プロモーター(例えば、神経フィラメントプロモーター; Byrne and Ruddle, 1989. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 5473-5477)、膵臓特異的プロモーター(Edlund, et al., 1985. Science 230: 912-916)、および乳腺特異的プロモーター(例えば、乳清プロモーター;米国特許第4,873,316号および欧州出願公報第264,166号)。発生的に調節されるプロモーター、例えば、マウスhoxプロモーター(Kessel and Gruss, 1990. Science 249: 374-379)およびα-フェトタンパク質プロモーター(Campes and Tilghman, 1989. Genes Dev. 3: 537-546)にもまた遭遇する。
本発明はさらに、アンチセンス方向で発現ベクターにクローニングされた本発明のDNA分子を含む組換え発現ベクターを提供する。すなわち、DNA分子は、TDRFP mRNAに対してアンチセンスであるRNA分子の発現(DNA分子の転写による)を可能にする様式で、調節配列に作動可能に連結される。種々の細胞型中でアンチセンスRNA分子の連続的発現を指向する、アンチセンス方向でクローニングされた核酸に作動可能に連結される調節配列を選択することができ、例えば、アンチセンスRNAの構成的、組織特異的または細胞型特異的発現を指向する、ウイルスプロモーターおよび/もしくはエンハンサー、または調節配列を選択することができる。アンチセンス発現ベクターは、組換えプラスミド、ファージミドまたは弱毒化ウイルスの型であることができ、ここでは、アンチセンス核酸は、高度に効率的な調節領域の制御下で産生され、その活性は、ベクターが導入される細胞型によって決定することができる。アンチセンス遺伝子を使用する遺伝子発現の調節の議論については、例えば、Weintraub et al.,「Antisense RNA as a molecular tool for genetic analysis」概説-Trends in Genetics, Vol. 1(1) 1986を参照されたい。
本発明の別の局面は、本発明の組換え発現ベクターが導入されている宿主細胞に関する。「宿主細胞」および「組換え宿主細胞」という用語は、本明細書で交換可能に使用される。このような用語は、特定の対象細胞をいうのみならず、このような細胞の子孫または潜在的な子孫もまたいうことが理解される。特定の改変は、変異または環境的な影響のいずれかに起因して、後続の世代に存在する可能性があるので、このような子孫は、実際に、親の細胞と同一でなくてもよいが、しかし、本明細書で使用される用語の範囲内になお含まれる。
宿主細胞は、任意の原核生物細胞または真核生物細胞であり得る。例えば、TDFRPは、大腸菌などの細菌細胞、昆虫細胞、酵母または哺乳動物細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)またはCOS細胞など)において発現させることができる。他の適切な宿主細胞は、当業者に公知である。
ベクターDNAは、従来的な形質転換またはトランスフェクションの技術を介して原核生物細胞または真核生物細胞に導入させることができる。本明細書で使用される場合、「形質転換」および「トランスフェクション」という用語は、宿主細胞に外来性の核酸(例えば、DNA)を導入するための当技術分野で認識されている種々の技術をいうことが意図され、これには、リン酸カルシウムもしくは塩化カルシウム共沈殿、DEAE-デキストラン媒介トランスフェクション、リポフェクション、またはエレクトロポレーションが含まれる。宿主細胞を形質転換またはトランスフェクトするための適切な方法は、Sambrook, et al. (MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL. 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N. Y., 1989)および他の実験室マニュアルにおいて見い出すことができる。
哺乳動物細胞の安定なトランスフェクションのために、使用される発現ベクターおよびトランスフェクション技術に依存して、細胞の小さな画分のみが、それらのゲノムに外来性DNAを組み込む可能性があることが知られている。これらの組み込み体を同定および選択するために、選択マーカー(例えば、抗生物質に対する耐性)をコードする遺伝子が、一般的に、関心対象の遺伝子とともに宿主細胞に導入される。種々の選択マーカーには、G418、ハイグロマイシンおよびメトトレキセートなどの薬物に対する耐性を付与するものが含まれる。選択マーカーをコードする核酸は、TDFRPをコードするのと同じベクター上で宿主細胞に導入することができ、または別々のベクター上で導入することができる。導入された核酸で安定にトランスフェクトされた細胞は、薬物選択によって同定することができる(例えば、選択マーカー遺伝子を組み込んだ細胞は生存するのに対して、他の細胞は死滅する)。
培養中の原核生物または真核生物宿主細胞などの、本発明の化合物を含む宿主細胞は、組換えTDFRPを産生(すなわち、発現)するために使用することができる。1つの態様において、この方法は、TDFRPが産生されるように、適切な培地中で本発明の宿主細胞(TDFRPをコードする組換え発現ベクターがそこに導入されている)を培養する工程を含む。別の態様において、この方法は、培地または宿主細胞から、TDFRPを単離する工程をさらに含む。組換えポリペプチドの精製は当技術分野において周知であり、これには、イオン交換精製技術、または例えば、化合物に対する抗体を用いる親和精製技術が含まれる。本発明の化合物に対する抗体を作製する方法は以下で議論される。
E. TDFRP由来キメラおよび融合ポリペプチド
本発明はまた、TDFRP由来キメラまたは融合ポリペプチドである化合物を提供する。本明細書で使用される場合、TDFRP由来「キメラポリペプチド」または「融合ポリペプチド」は、TDFRPに対して実質的には相同ではないポリペプチド、例えば、TDFRPとは異なり、かつ同じかまたは異なる生物に由来する(すなわち、非TDFRP)ポリペプチドに対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドに作動可能に連結されたTDFRPを含む。TDFRP由来融合ポリペプチド中で、TDFRPは、TDFRPのすべてまたは一部に対応することができる。1つの態様において、TDFRP由来融合ポリペプチドは、TDFRPの少なくとも1つの生物学的に活性な部分、例えば、SEQ ID NO:1〜347の断片を含む。別の態様において、TDFRP由来融合ポリペプチドは、TDFRPの少なくとも2つの生物学的に活性な部分を含む。なお別の態様において、TDFRP由来融合ポリペプチドは、TDFRPポリペプチドの少なくとも3つの生物学的に活性な部分を含む。融合ポリペプチド中で、「作動可能に連結される」という用語は、TDFRPポリペプチドおよびTDFRPではないポリペプチドが互いにインフレームで融合されることを示すことが意図される。非TDFRPポリペプチドは、TDFRPのN末端またはC末端に融合させることができる。
1つの態様において、融合ポリペプチドは、TDFRP配列がGST(グルタチオンS-トランスフェラーゼ)配列のN末端またはC末端に融合されているGST-TDFRP融合ポリペプチドである。このような融合ポリペプチドは、親和性手段による組換えTDFRPの精製を容易にすることができる。
別の態様において、融合ポリペプチドは、そのN末端に異種シグナル配列を含むTDFRPポリペプチドである。特定の宿主細胞(例えば、哺乳動物宿主細胞)において、TDFRPの発現および/または分泌は、異種シグナル配列の使用を通して増加することができる。
なお別の態様において、融合ポリペプチドは、TDFRP配列が免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーから誘導される配列に融合されている、TDFRP免疫グロブリン融合ポリペプチドである。本発明のTDFRP免疫グロブリン融合ポリペプチドは、薬学的組成物に取り込まれ、および細胞の表面上のTDFとTDF受容体ポリペプチドとの間の相互作用を阻害するために対象に投与され、それによってインビボでTDF媒介性シグナル伝達を抑制する。TDFRP免疫グロブリン融合ポリペプチドは、例えば、化合物を、必須の抗原を有する特定の細胞または組織に標的化するために、TDFRPの生物学的利用能に影響を与えるように使用してもよい。TDF/TDF受容体相互作用の阻害は、増殖と分化の両方の障害の治療のために治療的に有用であることができ、ならびに細胞生存を調節する(例えば、促進または阻害する)。さらに、本発明のTDFRP免疫グロブリン融合ポリペプチドは、TDFRPリガンドを精製するために、対象における抗TDFRP抗体を産生するための免疫原として、およびTDFのTDFリガンドとの相互作用を阻害する分子を同定するためのスクリーニングアッセイ法において使用することができる。
F. TDFRP1-リンカー-TDFRP2
本発明の化合物は、以下に示す一般構造:を有する複数TDF関連ポリペプチド(すなわち、複数ドメインTDF関連ポリペプチド化合物、本明細書中以後「TDFRP」)を含む。
TDFRP1-リンカー-TDFRP2
第1のTDFRPドメイン(TDFRP1、すなわち、TDF関連ポリペプチド1)は、C末端、N末端、または官能基化可能な側鎖を有する任意の位置、例えば、リジンまたはアスパラギン酸を介して、リンカー分子に共有結合により連結されており、これは次には、第2のTDFRPドメイン(TDFRP2)のN末端に共有結合により連結されている。
TDRFPドメインは、低分子、より詳細には、本明細書で同定されるポリペプチド、すなわち、表4〜9に要約されるTDF関連ポリペプチド(TDFRP)を含む化合物である。これらの化合物の変種、類似体、相同体、または断片、例えば、種相同体もまた、その縮重型と同様に、本発明に含まれる。
第1のドメインは、リンカーを通して第2のドメインに連結される。「リンカー」という用語は、本明細書で使用される場合、TDFRPの生物学的活性が保存されるように、単独でまたは組み合わせて、適切な間隔もしくは構造的な強固さ、または構造的な配向を、第1および第2のドメイン、例えば、TDFRP1およびTDFRP2に提供することが可能であるエレメントをいう。例えば、リンカーには、ジアミノアルカン、ジカルボン酸、アミノカルボン酸アルカン、アミノ酸配列、例えば、グリシンポリペプチド、ジスルフィド結合、ヘリックスもしくはシート様構造エレメントまたはアルキル鎖が含まれてもよいがこれらに限定されない。1つの局面において、リンカーは不活性ではなく、例えば、インビボまたはインビトロで化学的または酵素的に切断可能である。別の局面において、リンカーは不活性であり、すなわち、インビボまたはインビトロでは実質的に反応性でなく、例えば、化学的または酵素的に分解されない。連結基として働くことができる不活性基の例には以下が含まれる:脂肪族鎖、例えば、アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基(例えば、C1〜C20)、シクロアルキル環(例えば、C3〜C10)、アリール基(炭素環式アリール基、例えば、1-ナフチル、2-ナフチル、1-アントラシルおよび2-アントラシル、ならびにヘテロアリール基、例えば、N-イミダゾリル、2-イミダゾール、2-チエニル、3-チエニル、2-フラニル、3-フラニル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-ピリジル、4-ピリミジル、2-ピラニル、3-ピラニル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル、5-ピラゾリル、2-ピラジニル、2-チアゾール、4-チアゾール、5-チアゾール、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、2-ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、2-ベンゾフラニル、3-ベンゾフラニル、2-インドリル、3-インドリル、2-キノリニル、3-キノリニル、2-ベンゾチアゾール、2-ベンゾオキサゾール、2-ベンズイミダゾール、2-キノリニル、3-キノリニル、1-イソキノリニル、3-キノリニル、1-イソインドリル、および3-イソインドリル)、非芳香族複素環基(例えば、2-テトラヒドロフラニル、3-テトラヒドロフラニル、2-テトラヒドロチオフェニル、3-テトラヒドロチオフェニル、2-モルホリノ、3-モルホリノ、4-モルホリノ、2-チオモルホリノ、3-チオモルホリノ、4-チオモルホリノ、1-ピロリジニル、2-ピロリジニル、3-ピロリジニル、1-ピペラジニル、2-ピペラジニル、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-ピペリジニルおよび4-チアゾリジニル)ならびに1つ、2つ、または3つのメチレンが-O-、-S-、-NH-、-SO2-、-SO-または-SO2NH-で置換されている脂肪族基。
本発明の化合物は、低分子、より特定には、以下に詳述されるような、本明細書で同定される一般構造を有する、TDFRP化合物ドメインを含む。本明細書に開示されるTDFRP化合物ドメインは、任意の組み合わせまたは方向でTDFRP化合物中に存在してもよい。これらのTDFRP化合物ドメインの変種、類似体、相同体、または断片、例えば、種相同体もまた、その縮重型と同様に、本発明に含まれる。本発明のTDFRP化合物ドメインは、N末端もしくはC末端、またはN末端とC末端の両方でキャップされてもよい。本発明のTDFRP化合物は、ペグ化されてもよく、または修飾されてもよく、例えば、反応性側鎖、例えば、リジン残基、またはリンカー上の化学反応基を含む任意のアミノ酸残基で分枝してもよい。本発明のTDFRP化合物は、直鎖状であってもよく、または環状であってもよい。TDFRPまたはTDFRPドメインのテール配列は長さが変化してもよい。本発明の1つの局面において、本発明のTDFRP化合物はプロドラッグであり、すなわち、TDFRP化合物の生物学的活性は、生物学的系をインビボまたはインビトロで接触させる際に、変化され、例えば、増加される。
TDFRP化合物は、天然のアミノ酸、天然でないアミノ酸、d-アミノ酸およびl-アミノ酸、ならびにこれらの任意の組み合わせを含むことができる。特定の態様において、本発明の化合物は、遺伝的にコードされていない一般的に遭遇するアミノ酸を含むことができる。これらの遺伝的にコードされていないアミノ酸には以下が含まれるがこれらに限定されない:β-アラニン(β-Ala)および他のオメガアミノ酸、例えば、3-アミノプロピオン酸(Dap)、2,3-ジアミノプロピオン酸(Dpr)、4-アミノ酪酸など;α-アミノイソ酪酸(Aib);ε-アミノヘキサン酸(Aha);δ-アミノ吉草酸(Ava);N-メチルグリシンまたはサルコシン(MeGly);オルニチン(Orn);シトルリン(Cit);t-ブチルアラニン(t-BuA);t-ブチルグリシン(t-BuG);N-メチルイソロイシン(MeIle);フェニルグリシン(Phg);シクロヘキシルアラニン(Cha);ノルロイシン(Nle);2-ナフチルアラニン(2-Nal);4-クロロフェニルアラニン(Phe(4-Cl));2-フルオロフェニルアラニン(Phe(2-F));3-フルオロフェニルアラニン(Phe(3-F));4-フルオロフェニルアラニン(Phe(4-F));ペニシルアミン(Pen);1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸(Tic);β-2-チエニルアラニン(Thi);メチオニンスルホキシド(MSO);ホモアルギニン(hArg);N-アセチルリジン(AcLys);2,3-ジアミノ酪酸(Dab);2,3-ジアミノ酪酸(Dbu);p-アミノフェニルアラニン(Phe(pNH2));N-メチルバリン(MeVal);ホモシステイン(hCys)およびホモセリン(hSer)。この化合物の天然には存在しない変種は、変異誘発技術または直接合成によって製造されてもよい。
II. TDRPの調製
A. TDFRP化合物のペプチド合成
1つの態様において、TDFRP化合物は、標準的なペプチド合成技術、例えば、固相または液相ペプチド合成を使用して化学的に合成することができる。すなわち、SEQ ID NO:1〜347として開示される化合物は、例えば、当技術分野において周知である組成物および方法を使用して、固相上または溶液中で化学合成される。例えば、Fields, G.B. (1997) Solid-Phase Peptide Synthesis. Academic Press, San Diegoを参照されたい。
一般的に、ペプチドは、記載される方法を使用して、C末端残基のαアミンを脱保護すること、およびペプチド結合を通して次の適切に保護されたアミノ酸をカップリングすることによって伸長する。この脱保護およびカップリングの手法を、所望の配列が得られるまで反復する。このカップリングは、段階的な様式で構成アミノ酸を用いて、または断片(2個〜数個のアミノ酸)の縮合、または両方のプロセスの組み合わせ、またはもともと、その開示が参照により本明細書に組み入れられる、Merrifield, J. Am. Chem. Soc., 85, 2149-2154 (1963)、によって記載された方法に従う固相合成によって実施することができる。
本発明の化合物はまた、自動ペプチド装置を使用して合成されてもよい。前記に加えてペプチド合成のための手法は、それらの開示が参照により本明細書に組み入れられる、Stewart and Young,「Solid Phase Peptide Synthesis", 2nd ed, Pierce Chemical Co., Rockford, 111. (1984); Gross, Meienhofer, Udenfriend, Eds.,「The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology, Vol. 1, 2, 3, 5, and 9, Academic Press, New York, (1980-1987); Chan and White,「Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis」, Oxford University Press, Oxford (2000); Bodanszky,「Peptide Chemistry: A Practical Textbook」, Springer- Verlag, New York (1988);およびBodanszky et al.「The Practice of Peptide Synthesis」 Springer-Verlag, New York (1984)に記載されている。
2つのアミノ酸誘導体、1つのアミノ酸と1つのペプチド、2つのペプチド断片の間のカップリング、またはペプチドの環化は、標準的なカップリング手法、例えば、アジド法、混合無水炭酸(イソブチルクロロホルメート)法、カルボジイミド法(ジシクロへキシルカルボジミド、ジイソプロピルカルボジイミド、または水溶性カルボジイミド)法、活性エステル(p-ニトロフェニルエステル、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)法、Woodward試薬K法、カルボニルイミダゾール法、BOP-Clのようなリン試薬法、または酸化-還元法を使用して実行することができる。これらの方法のいくつか(とりわけ、カルボジイミド)は、1-ヒドロキシベンゾトリアゾールの添加によって増強することができる。これらのカップリング反応は、液体(液相)または固相のいずれかで実施されてもよい。
構成アミノ酸の官能基は、望ましくない結合が形成されるのを回避するために、カップリング反応の間、保護されなければならない。使用することができる保護基は、それらの開示が参照により本明細書に組み入れられる、Greene,「Protective Groups in Organic Synthesis」 John Wiley & Sons, New York (1981) および「The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology, Vol. 3, Academic Press, New York (1981)に記載されている。
C末端残基のαカルボキシル基は、通常、切断されてカルボン酸を与えることが可能であるエステルによって保護される。これらの保護基は以下を含む:1)アルキルエステル、例えば、メチルおよびt-ブチル、2)アリールエステル、例えば、ベンジルおよび置換ベンジル、または3)穏やかな塩基処理または穏やかな還元手段、例えば、トリクロロエチルおよびフェナンシルエステルによって切断できるエステル。固相の場合において、C末端アミノ酸は、不溶性キャリア(通常ポリスチレン)に付着される。これらの不溶性キャリアは、カルボキシル基と反応して結合を形成する基を含み、この結合は、伸長条件に対しては安定であるが後で容易に切断される。これらの例は:オキシムレジン(DeGrado and Kaiser (1980) J. Org. Chem. 45, 1295-1300)、クロロまたはブロモメチルレジン、ヒドロキシメチルレジン、およびアミノメチルレジンである。これらのレジンの多くは市販されており、所望のC末端アミノ酸はすでに取り込まれている。
各アミノ酸のαアミノ基は保護されなければならない。当技術分野において公知である任意の保護基を使用することができる。これらの例は:1)アシル型、例えば、ホルミル、トリフルオロアセチル、フタリル、およびp-トルエンスルホニル;2)芳香族カルバメート型、例えば、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および置換ベンジルオキシカルボニル、1-(p-ビフェニル)-1-メチルエトキシカルボニル、および9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc);3)脂肪族カルバメート型、例えば、tert-ブトキシカルボニル(Boc)、エトキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニル、およびアリルオキシカルボニル;4)環状アルキルカルバメート型、例えば、シクロペンチルオキシカルボニルおよびアダマンチルオキシカルボニル;5)アルキル型、例えば、トリフェニルメチルおよびベンジル;6)トリアルキルシラン、例えば、トリメチルシラン;ならびに7)チオール含有型、例えば、フェニルチオカルボニルおよびジチアサクシノイルである。好ましいαアミノ保護基は、BocまたはFmocのいずれかである。ペプチド合成のために適切に保護された多くのアミノ酸誘導体が市販されている。
αアミノ保護基は、次のアミノ酸のカップリングの前に切断される。Boc基が使用される場合、選択する方法は、単独で、またはジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸、またはジオキサン中のHClである。次いで、得られるアンモニウム塩は、カップリングの前またはインサイチューのいずれかで、水性緩衝液のような塩基性溶液、またはジクロロメタンもしくはジメチルホルムアミド中の三級アミンを用いて中和する。Fmoc基が使用される場合、選択する試薬は、ジメチルホルムアミド中のピペリジンまたは置換ピペリジンであるが、任意の第2のアミンまたは塩基性水溶液を使用することができる。脱保護は、0℃から室温までの間の温度で実行する。
側鎖官能基を有する任意のアミノ酸が、上記に同定した基のいずれかを使用して、ペプチドの調製の間に脱保護されなければならない。当業者は、これらの側鎖官能基の適切な保護基の選択および使用が、ペプチド中のアミノ酸および他の保護基の存在に依存することを認識する。このような保護基の選択は、これがαアミノ基の脱保護およびカップリングの間に除去されなければならないという点で重要である。例えば、Bocが選択される場合、αアミン保護のために以下の保護基が受容可能である:アルギニンのためのp-トルエンスルホニル(トシル)部分およびニトロ;リジンのためのベンジルオキシカルボニル、置換ベンジルオキシカルボニル、またはトシル;グルタミン酸およびアルパラギン酸のためのベンジルまたはアルキルエステル、例えば、シクロペンチル;セリンおよびスレオニンのためのベンジルエーテル;チロシンのためのベンジルエーテル、置換ベンジルエーテル、または2-ブロモベンジルオキシカルボニル;システインのためのp-メチルベンジル、p-メトキシベンジル、アセトアミドメチル、ベンジル、またはt-ブチルスルホニル;ならびにトリプトファンのインドールは、保護されないままであるか、またはホルミル基で保護されるかのいずれかであり得る。Fmocが選択される場合、αアミン保護は、通常、tert-ブチルベースの保護基が受容可能である。例えば、Bocはリジンのため、tert-ブチルエーテルはセリン、スレオニン、およびスレオニンのため、ならびにtert-ブチルエステルがグルタミン酸およびアスパラギン酸のために使用することができる。
TDFRP化合物は、好ましくはFmoc(塩基不安定性保護基)またはBoc(酸不安定性アミノ保護基)のいずれのペプチド合成によって調製される。
一旦、ペプチドの伸長および環化が完了すると、すべての保護基が除去される。液相合成のためには、保護基は、保護基の選択によって指示されるすべての様式で除去する。これらの手法は当業者に周知である。固相合成が使用される場合、ペプチドは、環化プロセスに緩衝する可能性がある官能基から同時に保護基を除去することなく、レジンから除去されるべきである。従って、ペプチドが溶液中で環化されるならば、切断条件は、遊離のαカルボキシレートおよび遊離のαアミノ基が、同時に他の保護基を除去することなく生成されるように選択される必要がある。または、ペプチドは、ヒドラジン分解によってレジンから除去され、次いで、アジド法によってカップリングされてもよい。別の非常に便利な方法は、オキシムレジン上でのペプチドの合成、続いて、環状ペプチドを生成する、レジンからの分子内求核置換を含む(Osapay, Profit, and Taylor (1990) Tetrahedron Letters 43, 6121-6124)。オキシムレジンが使用される場合、Boc保護スキームが一般的に選択される。次いで、側鎖保護基を除去するための好ましい方法は、無水HF含有付加物、例えば、ジメチルスルフィド、アニソール、チオアニソール、またはp-クレゾールとの、0℃での処理を一般的に含む。ペプチドの切断はまた、他の酸試薬、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸/トリフルオロ酢酸混合物によってもまた達成することができる。
TDFRP化合物は、天然のアミノ酸、天然でないアミノ酸、d-アミノ酸およびl-アミノ酸、ならびにこれらの任意の組み合わせを含むことができる。特定の態様において、本発明の化合物は、遺伝的にコードされていない一般的に遭遇するアミノ酸を含むことができる。これらの遺伝的にコードされていないアミノ酸には以下が含まれるがこれらに限定されない:β-アラニン(β-Ala)および他のオメガアミノ酸、例えば、3-アミノプロピオン酸(Dap)、2,3-ジアミノプロピオン酸(Dpr)、4-アミノ酪酸など;α-アミノイソ酪酸(Aib);ε-アミノヘキサン酸(Aha);δ-アミノ吉草酸(Ava);N-メチルグリシンまたはサルコシン(MeGly);オルニチン(Orn);シトルリン(Cit);t-ブチルアラニン(t-BuA);t-ブチルグリシン(t-BuG);N-メチルイソロイシン(MeIle);フェニルグリシン(Phg);シクロヘキシルアラニン(Cha);ノルロイシン(Nle);2-ナフチルアラニン(2-Nal);4-クロロフェニルアラニン(Phe(4-Cl));2-フルオロフェニルアラニン(Phe(2-F));3-フルオロフェニルアラニン(Phe(3-F));4-フルオロフェニルアラニン(Phe(4-F));ペニシルアミン(Pen);1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸(Tic);β-2-チエニルアラニン(Thi);メチオニンスルホキシド(MSO);ホモアルギニン(hArg);N-アセチルリジン(AcLys);2,3-ジアミノ酪酸(Dab);2,3-ジアミノ酪酸(Dbu);p-アミノフェニルアラニン(Phe(pNH2));N-メチルバリン(MeVal);ホモシステイン(hCys)およびホモセリン(hSer)。TDFRP化合物の天然には存在しない変種は、変異誘発技術または直接合成によって製造されてもよい。
制約された、環状、または強固なTDFRP化合物は、TDFRP化合物の配列中の少なくとも2個の位置において、処理後にTDFRP化合物を制約、環化、または強固にするために架橋可能である化学官能基を提供して架橋を形成するアミノ酸または非天然アミノ酸類似体が挿入されるという条件で、合成的に調製されてもよい。架橋結合には、ジスルフィド、ラクトン、チオラクトン、アミド、N-置換アミド、尿素、カルバメート、カーボネート、ケタール、エーテル、チオエーテル、スルホキシド、スルホン、スルホンアミド、N-置換スルホンアミドが含まれるがこれらに限定されない。環化は、ターン誘導性アミノ酸が取り込まれるときに好ましい。TDFRP化合物を架橋可能である好ましいアミノ酸には以下が含まれるがこれらに限定されない:ジスルフィドを形成するためのシステイン(Cys)、ホモシステイン(hCys)、チオエーテルおよびチオラクトン;ラクトンまたはラクタムを形成するためのアスパラギン酸およびグルタミン酸、2-アミノアジピン酸、ならびに2-アミノピメリン酸;ラクトンおよびカルバメートを形成するためのセリン、スレオニン、および2-アミノ-4-ヒドロキシ酪酸;ラクタムおよび尿素を形成するためのオルニチン(Orn)、4,5-デヒドロ-オルニチン、シトルリン(Cit)、ホモアルギニン(hArg)、2,3-ジアミノプロピオン酸(Dap)、2,3-ジアミノ酪酸(Dab)、p-アミノフェニルアラニン(Phe(pNH2));ならびに遷移金属とキレートを形成しかつ架橋を形成するためのγ-カルボキシ-グルタミン酸(Gla)(Bachem)などのキレート剤。保護化されたガンマ-カルボキシルグルタミン酸は、Zee-Cheng and Olson (Biophys. Biochem. Res. Commun., 94:1128-1132 (1980))によって記載される合成を改変することによって調製されてもよい。
ペプチド配列がチオール官能基を有する側鎖を含む少なくとも2個のアミノ酸を含むTDFRP化合物は、酸化されて環状ジスルフィドを形成する可能性がある。酸化は溶液中で、またはTDFRP化合物がなお樹脂に結合されるときに実施することができる。酸化のための適切な条件には、TDFRP、DMSOの20%溶液、および水銀またはタリウム金属イオンの緩衝溶液の酸素化が含まれるがこれらに限定されない。ペプチド配列中にチオール官能基を有する側鎖を含む2個より多くのアミノ酸が取り込まれる場合、異なるチオール保護基が使用されてもよい(Hiskey, in The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology, Vol. 3, Gross and Meienhofer, eds., Academic Press: New York, pp. 137-167 (1981); Ponsanti et al., Tetrahedron, 46:8255-8266 (1990)を参照されたい)。チオールの第1の対は脱保護および酸化されてもよく、次いで、第2のセットが脱保護および酸化されてもよい。このやり方で、ジスルフィド架橋の規定されたセットが形成されてもよい。または、チオールの対およびキレートアミノ酸類似体の対が、架橋が異なる化学的性質であるように取り込まれてもよい。
ペプチド配列がヒドロキシル、チオール、アミン、スルホン酸、またはカルボン酸官能基を含む側鎖を有する少なくとも2個のアミノ酸を含むTDFRP化合物は、以下のような標準的なカップリング手法を使用して架橋されてもよい:アジド法、混合炭酸無水物(クロロギ酸イソブチル)法、カルボジイミド(ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、または水溶性カルボジイミド)法、活性エステル(p-ニトロフェニルエステル、N-ヒドロキシコハク酸イミドエステル)法、ウッドワード試薬K法、カルボニルジイミダゾール法、リン試薬、例えば、BOP-Cl、またはラクトン、チオラクトン、アミド、スルホンアミド、カルバメート、および尿素環状架橋を形成するための酸化-還元法。架橋反応に関与しないTDFRP配列中のアミノ酸の側鎖に存在する官能基は、標準的な保護基によって保護されてもよい。これらのカップリング反応は、液体中(液相)または固相のいずれかで実施されてもよい。
古典的でないアミノ酸は、特定の高次構造のモチーフを導入するためにTDFRP化合物に取り込まれてもよく、これは例えば以下であるがこれらに限定されない:1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボキシレート(Kazmierski et al., J. Am. Chem. Soc, 113:2275-2283 (1991));(2S,3S)-メチル-フェニルアラニン、(2S,3R)-メチル-フェニルアラニン、(2R,3S)-メチル-フェニルアラニンおよび(2R,3R)-メチル-フェニルアラニン(Kazmierski and Hruby, Tetrahedron Lett. (1991));2-アミノテトラヒドロナフタレン-2-カルボン酸(Landis, Ph.D. Thesis, University of Arizona (1989));ヒドロキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボキシレート(Miyake et al., J. Takeda Res. Labs, 43:53-76 (1989)); ベータ-カルボリン(DおよびL)(Kazmierski, Ph.D. Thesis, University of Arizona (1988)); HIC(ヒスチジンイソキノリンカルボン酸)(Zechel et al., Int. J. Pep. Protein Res., 43 (1991));および HIC(ヒスチジン環状尿素)。アミノ酸類似体およびペプチド模倣体は、特定の二次構造を誘導またはそれを好むようにペプチドに取り込まれてもよく、これには以下が含まれるがこれらに限定されない:LL-Acp-(LL-3-アミノ-2-プロペニドン-6-カルボン酸)、ベータ-ターン誘導性ジペプチド類似体(Kemp et al., J. Org. Chem. 50:5834-5838 (1985));ベータ-シート誘導性類似体(Kemp et al., Tetrahedron Lett. 29:5081-5082 (1988));ベータ-ターン誘導性類似体(Kemp et al., Tetrahedron Lett., 29:5057-5060 (1988));へリックス誘導性類似体(Kemp et al., Tetrahedron Lett., 29:4935-4938 (1988));γ-ターン誘導性類似体(Kemp et al., J. Org. Chem. 54:109:115 (1989));ならびに以下の文献によって提供される類似体: Nagai and Sato, Tetrahedron Lett., 26:647;14 650 (1985);DiMaio et al., J. Chem. Soc. Perkin Trans, p. 1687 (1989);またGly-Alaターン類似体(Kahn et al., Tetrahedron Lett., 30:2317 (1989));アミド結合イソエテレ(isoetere)(Jones et al., Tetrahedron Lett., 29:3853-3856 (1988))トレタゾール(Zabrocki et al., J. Am. Chem. Soc. 110:5875-5880 (1988));DTC (Samanen et al., Int. J. Protein Pep. Res., 35:501:509 (1990));ならびにOlson et al., J. Am. Chem. Sci., 112:323-333 (1990)およびGarvey et al., J. Org. Chem., 56:436 (1990)によって教示される類似体。ベータターンおよびベータバルジ、およびそれらを含むペプチドの高次構造的に制約される模倣体は、1995年8月8日に発行されたKahnに対する米国特許第5,440,013号において記載されている。
合成後、次いで、TDFRP化合物は、標準的なポリペプチド精製技術、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、親和クロマトグラフィー、例えば、C-18、C-8、およびC-4などのカラムを使用する逆相HPLC、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水性相互作用に基づくクロマトグラフィー、または他のポリペプチド精製法を使用する適切な精製スキームによって、化学前駆体または他の化学物質を実質的に含まなくすることができる。
本発明のTDFRP化合物は、N末端もしくはC末端、またはN末端とC末端の両方でキャップされてもよい。本発明のTDFRP化合物は、ペグ化されてもよく、または修飾されてもよく、例えば、反応性側鎖、例えば、リジン残基を含む任意のアミノ酸残基で分枝してもよい。
以下のTDFRP化合物は、例えば、非ペプチド結合および非天然アミノ酸を有する、天然のBMP-7活性断片の天然に存在しない修飾または類似体を表す。これらのTDFRP化合物は、本明細書に記載されるアッセイ法によって測定された場合に、天然型BMP-7活性断片と比較した場合に、類似の生物学的活性を有する。これらのTDFRP化合物は、記載される用量で、および投与方法を通して投与された場合に、記載される障害、特に、腎臓、結合組織、および心臓組織の再生によって治療可能なものを治療する際に有用である。
B. 組換えDNA技術を使用するTDFRP化合物の生成
別の態様において、TDFRP化合物は組換えDNA技術によって製造され、例えば、細菌、酵母、バキュロウイルスまたは真核生物細胞における化合物の過剰発現が、十分な量の化合物を産生する。材料の異種混合物、例えば、反応混合物または細胞溶解物または他の粗画分からの化合物の精製は、当技術分野において周知である方法、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、親和クロマトグラフィーまたは他のポリペプチド精製法によって達成される。これらは、SEQ ID NO:1〜347によって説明される化合物を、切断可能なまたはさもなくば不活性なエピトープまたは配列への融合物として発現することによって容易にすることができる。発現系の選択は、精製の方法と同様に、当業者には周知である。
本発明によって提供されるポリヌクレオチドは、分析、特徴付けまたは治療的使用のために組換え化合物を発現するために;対応する化合物が優先的に発現される(構成的に、あるいは組織の分化もしくは発生、または疾患状態の特定の段階においてのいずれかで)組織のためのマーカーとして使用することができる。
1つまたは複数の本発明の化合物の組換え発現のために、ペプチドをコードする核酸配列のすべてまたは一部を含む核酸が適切な発現ベクター(すなわち、挿入されるペプチドコード配列の転写および翻訳に必要なエレメントを含むベクター)に挿入されてもよい。ある態様において、調節エレメントは異種である(すなわち、天然型の遺伝子プロモーターではない)。または、必要な転写および翻訳のシグナルは、遺伝子および/またはそれらの隣接領域について天然型プロモーターによっても供給されてもよい。
種々の宿主-ベクター系が、ペプチドコード配列を発現するために使用されてもよい。これらには以下が含まれるがこれらに限定されない:(i)ワクシニアウイルス、アデノウイルスなどで感染される哺乳動物細胞系;(ii)バキュロウイルスなどで感染される昆虫細胞系;(iii)酵母ベクターを含む酵母または(iv)バクテリオファージDNA、プラスミドDNA、もしくはコスミドDNAで形質転換される細菌。使用される宿主-ベクター系に依存して、多数の適切な転写エレメントおよび翻訳エレメントのいずれか1つが使用されてもよい。
発現ベクター中のプロモーター/エンハンサー配列は、本発明において提供されるような、植物、動物、昆虫、または真菌の調節配列を使用してもよい。例えば、酵母および他の真菌からのプロモーター/エンハンサーエレメントを使用することができる(例えば、GAL4プロモーター、アルコールデヒドロゲナーゼプロモーター、ホスホログリセロールキナーゼプロモーター、アルカリホスファターゼプロモーター)。または、もしくは加えて、これらは、動物の転写制御領域、例えば、(i)膵臓細胞中で活性であるインスリン遺伝子制御領域(例えば、Hanahan, et al., 1985. Nature 315: 115-122を参照されたい);(ii)リンパ細胞中で活性である免疫グロブリン遺伝子制御領域(例えば、Grosschedl, et al., 1984. Cell 38: 647-658を参照されたい);(iii)肝臓中で活性であるアルブミン遺伝子制御領域(例えば、Pinckert, et al., 1987. Genes and Dev 1: 268-276を参照されたい;(iv)脳乏突起膠細胞中で活性であるミエリン塩基性ポリペプチド遺伝子制御領域(例えば、Readhead, et al., 1987. Cell 48: 703-712を参照されたい);および(v)視床下部中で活性である性腺刺激ホルモン放出ホルモン遺伝子制御領域(例えば、Mason, et al., 1986. Science 234: 1372-1378を参照されたい)などを含んでもよい。
発現ベクターまたはそれらの誘導体には、例えば、ヒトまたは動物のウイルス(例えば、ワクシニアウイルスまたはアデノウイルス);昆虫ウイルス(例えば、バキュロウイルス);酵母ベクター;バクテリオファージベクター(例えば、ラムダファージ);プラスミドベクターおよびコスミドベクターが含まれる。
関心対象の挿入された配列の発現を調節し、または所望される特定の様式で配列によってコードされる発現されたペプチドを修飾もしくはプロセスシングする宿主細胞株が選択されてもよい。加えて、特定のプロモーターからの発現は、選択された宿主細胞中での特定のインデューサーの存在下で増強されてもよい。従って、遺伝子操作された化合物の発現の制御を容易にする。さらに、異なる宿主細胞は、発現されたペプチドの翻訳的および翻訳後のプロセシングおよび修飾(例えば、グリコシル化、リン酸化など)について特徴的かつ特異的なメカニズムを保有する。従って、適切な細胞株または宿主系は、外来性ペプチドの所望の修飾およびプロセシングが達成されることを保証するように選択されてもよい。例えば、細菌系中でのペプチド発現は、グリコシル化されていないコアペプチドを産生するように使用することができるのに対して;哺乳動物細胞中での発現は、異種ペプチドの「天然型の」グリコシル化を保証する。
C. TDFRP由来のキメラまたは融合ポリペプチド化合物の調製
本発明のTDFRP由来のキメラまたは融合ポリペプチド化合物は、当技術分野で公知である標準的な組換えDNA技術によって産生することができる。例えば、異なるポリペプチド配列をコードするDNA断片は、従来的な技術に従って、例えば、ライゲーションのための平滑末端または突出末端、適切な末端を提供するための制限酵素消化、必要に応じた付着末端のフィルイン、望ましくない結合を回避するためのアルカリホスファターゼ処理、および酵素的ライゲーションを使用することによって、インフレームで互いにライゲーションされる。別の態様において、融合遺伝子は、自動DNA合成装置を含む、従来的な技術によって合成することができる。または、遺伝子断片のPCR増幅は、引き続いてアニールすることができる2つの連続的な遺伝子断片間の相補的な突出を生じるアンカープライマーを使用して実行することができ、およびキメラ遺伝子配列を生成するために再増幅することができる(例えば、Ausubel, et al. (編) CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY, John Wiley & Sons, 1992を参照されたい)。さらに、融合部分(例えば、GSTポリペプチド)をすでにコードしている多くの発現ベクターが市販されている。TDFRPコード核酸は、融合部分が、核酸配列をコードしているTDFRPにインフレームで連結されるように、このような発現ベクターにクローニングすることができる。
D. TDFRP化合物ライブラリーの調製
加えて、TDFRP化合物をコードする核酸配列の断片のライブラリーが、TDFRP化合物の変種のスクリーニングおよび引き続く選択のために、TDFRP断片の集団を生成するために使用することができる。1つの態様において、コード配列断片のライブラリーは以下の工程によって生成することができる:TDFRP化合物をコードする核酸配列の二本鎖PCR断片を、ニック形成が分子あたり約1回のみ発生するような条件下でヌクレアーゼで処理する工程、二本鎖DNAを変性させる工程、DNAを再生させて異なるニックを有する生成物からセンス/アンチセンス対を含み得る二本鎖DNAを形成する工程、S1ヌクレアーゼを用いる処理によって再形成した二重鎖から一本鎖部分を除去する工程、および得られる断片ライブラリーを発現ベクターにライゲーションする工程。この方法によって、N末端、C末端、および種々のサイズのTDFRP化合物の内部断片をコードする発現ライブラリーを誘導することができる。
点変異または短縮によって作製されるコンビナトリアルライブラリーの遺伝子産物をスクリーニングするため、および選択された特性を有する遺伝子産物のcDNAライブラリーをスクリーニングための種々の技術が当技術分野において公知である。このような技術は、TDFRP化合物のコンビナトリアル変異誘発によって生成されるDNAライブラリーの迅速スクリーニングのために適合可能である。大きな遺伝子ライブラリーをスクリーニングするためのハイスループット分析に対して感受性である最も広範に使用されている技術には、典型的には、複製可能な発現ベクターに遺伝子ライブラリーをクローニングする工程、得られるベクターのライブラリーで適切な細胞を形質転換すること、および所望の活性の検出が、その産物が検出された遺伝子をコードするベクターの単離を容易にする条件下で、コンビナトリアル遺伝子を発現する工程が含まれる。ライブラリー中の機能的変異の頻度を増大する新規な技術である繰り返しアンサンブル変異誘発(REM)は、TDFRP化合物変種を同定するためのスクリーニングアッセイ法と組み合わせて使用することができる。例えば、Arkin and Yourvan, 1992. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 7811-7815; Delgrave, et al., 1993. Polypeptide Engineering 6:327-331を参照されたい。
TDRFP化合物のライブラリーは、ファージディスプレイによって産生することができる。公知のファージディスプレイまたは他のヌクレオチド発現系が、多数のTDFRP候補構築物を同時に産生するために使用されてもよい。候補構築物のプールは、引き続いて、例えば、表面に固定化された受容体を含むクロマトグラフィーカラム、選択するためおよび高結合候補を濃縮するための塩勾配溶液、ならびに特定の単離された候補が鋳型スーパーファミリーメンバーの活性を作動させるか否かを決定するためのインビトロアッセイ法を使用して、結合特異性についてスクリーニングされてもよい。有用な構築物の同定に続いて、実験室使用のため、および最終的には治療的に有用な薬物を製造するために、商業的に有用な量の構築物を発現する細胞株の産生を行う。上記の組換えDNA方法によって一旦同定および特徴付けされると、好ましい一本鎖構築物が、標準的なペプチド合成方法によって産生される可能性があることもまた意図される。
または、合成DNA構築物のライブラリーは、例えば、あらかじめ選択した領域中のヌクレオチド組成が異なる合成ヌクレオチド配列のアセンブリーによって、同時に調製することができる。例えば、特定のTGFベータスーパーファミリーメンバーに基づく構築物の産生の間に、当業者は、このようなスーパーファミリーメンバーについての適切なフィンガーおよびヒール領域を選択してもよいことが意図される。一旦、適切なフィンガーおよびヒール領域が選択されると、次いで、当業者は、これらの領域をコードする合成DNAを産生してもよく、これは、次には、ポリペプチドリンカーをコードするリンカー配列によって接続されてもよい。例えば、適切な制限部位および反応条件の思慮深い選択によって、異なるリンカー配列をコードする複数のDNA分子が、フィンガーおよびヒール配列をコードするDNA分子を含むライゲーション反応に含まれる場合、当業者は、DNA構築物の各々がフィンガーおよびヒール領域をコードするが、異なるリンカー配列によって接続されるDNA構築物のライブラリーを産生してもよい。次いで、得られるDNAは、適切な発現媒体、すなわち、ファージディスプレイライブラリーの調製において有用であるプラスミドにライゲーションされ、宿主細胞にトランスフェクトされ、および合成DNAによってコードされるポリペプチドが発現され、候補化合物のプールを生成する。引き続いて、候補化合物のプールは、あらかじめ選択した受容体についての結合親和性および/または選択性を有するリード化合物を同定するためにスクリーニングすることができる。
スクリーニングは、表面に固定化された受容体を含むクロマトグラフィーカラムを通して、候補化合物を含む溶液を通過させることによって実行されてもよい。次いで、所望の結合特異性を有するリード化合物が、例えば、塩勾配および/または鋳型TGFベータスーパーファミリーメンバーの濃度勾配によって溶出される。続いて、リード化合物をコードするヌクレオチド配列が単離され、および特徴付けされてもよい。一旦、リード化合物の適切なヌクレオチド配列が同定されたら、続いて、従来的な組換えDNAまたはペプチド合成のいずれかの方法によって、特定の構築物が鋳型TGF-ベータスーパーファミリーメンバーの活性を模倣するか否かを試験するのに十分な量で、リード化合物が産生されてもよい(Amberg et al. (1993)「SurfZAP Vector: Linking Phenotype to Genotype for Phagemid Display Libraries」Strategies in Molecular Biology 6: 2-6.; Lowman et al. (1991)「Selecting High-Affinity Binding Proteins by Monovalent Phage Display」Biochemistry 30: 10832-10838; Marks et al. (1992)「Molecular Evolution of Proteins on Filamentous Phage」Journal of Biological Chemistry 267: 16007-16010; McCafferty et al. (1990)「Phage Antibodies: Filamentous Phage Displaying Antibody Variable Domains」Nature: 348: 552-554)。
しかし、複数の配列をコードするDNA構築物のライブラリーは、上記のもののような標準的な組換えDNA方法によって同時に産生されてもよいことが認識される。例えば、当業者は、カセット変異誘発またはオリゴヌクレオチド指向性変異誘発の使用によって、例えば、一連のDNA構築物を産生してもよく、これらの各々が、あらかじめ規定した位置の中で、例えば、リンカー配列をコードするDNAカセットの中で、異なるDNA配列を含む。続いて、得られるDNA構築物のライブラリーは、例えば、ファージディスプレイライブラリー中で発現されてもよく、および特定の受容体に結合する任意のタンパク質構築物が、例えば、表面に固定化された受容体を含むクロマトグラフィーカラムを使用する、親和精製によって単離されてもよい。一旦、あらかじめ選択した受容体を結合する分子が単離されたら、それらの結合およびアゴニスト特性は、本明細書に記載される結合アッセイ法および活性アッセイ法を使用して調節されてもよい。
組換えDNA方法が使用される場合、関心対象のポリペプチドとそれをコードする核酸との間の物理的接続を確立および維持することが必要である。本発明のこの局面の実施において有用である系には、例えば、関心対象のペプチドが、ファージコートタンパク質との融合物としてファージの表面上に固定化されている、ファージディスプレイ方法が含まれる。例えば、Scott et al. (1990) Science 249: 386-390; Parmely et al. (1988) Gene 73: 305-318; Devlin et al., (1990) Science 249: 404-406; McCafferty et al. (1990) Nature 348: 552-554; Marks et al. (1992) J. Biol. Chem. 267:16007-16010; Lowman et al. (1991) Biochem. 30:10832-10838; Wells et al. 前記; Amberg et al. in Strategies in Molecular Biology 6:2-4;および the Recombinant Phage Antibody System instruction manual from Pharmacia, P-L Biochemicalsを参照されたい。
手短に述べると、候補構築物をコードするDNAは、ファージ粒子の表面上で、典型的には、ファージマイナーコートタンパク質へのN末端融合物として発現される。典型的な実験において、合成遺伝子の小さな部分をコードするヌクレオチド、例えば、リンカー配列をコードするものが、その領域中でランダムなアミノ酸配列を有する構築物をコードする核酸配列のライブラリーを産生するために、ランダム化されてもよいことが意図される。一旦、選択された構築物をコードするDNA分子のライブラリーが産生されると、DNAは、マイナーコートタンパク質をコードする遺伝子に隣接する位置でファージゲノムにライゲーションされる。得られるDNAはパッケージングされ、宿主細胞中で増幅され、および発現されて、それらの細胞表面上に関心対象のタンパク質に融合されたマイナーコートタンパク質を有する組換えファージ粒子を産生する。所望の結合親和性および/または関心対象の受容体についての特異性を有する選択された構築物を発現する組換えファージ粒子は、続いて、数回のラウンドの親和性強化、それに続くファージ増殖によって単離される。これらのアプローチを使用することによって、特定の生物学的特性を有するポリペプチドを発現する単一のファージ粒子が、106〜108ファージ粒子よりも多くを含むファージライブラリーから、慣用的に単離されてもよい。
親和性強化は、例えば、組換えファージ粒子の表面上で発現される選択された構築物が受容体に結合することを可能にする条件下で、組換えファージ粒子を含む溶液を、表面に固定化された受容体を含むクロマトグラフィーカラムを通過させることによって実行されてもよい。次いで、このカラムは、残渣のおよび/または非特異的に結合したファージを除去するために洗浄され、高次構造的に活性な構築物を発現するファージは、特異的脱離、例えば、過剰の鋳型TGFベータスーパーファミリーメンバーの添加によって、または非特異的脱離によって、pH、極性減少剤もしくはカオトロピック塩を使用して溶出される。最高の結合粒子は、脱離誘導試薬の濃度勾配を使用して溶出されてもよく、ここで、最高の結合粒子は、試薬の最高濃度で溶出する。一旦溶出された最高の結合粒子は再増幅され、ならびに関心対象の形態子をコードする核酸が単離され、および配列決定される。一旦DNA配列が決定されると、従って、最高の結合の形態子の核酸配列が決定されたら、改良プロセスが、好ましい結合活性を有する形態子分子が産生されるまで、例えば、分子の別の部分の変異誘発によって反復されてもよい。続いて、得られる構築物は、今日までに同定された鋳型TGFベータスーパーファミリーメンバーの各々について開発されてきたインビボまたはインビトロアッセイ法を使用して、生物学的活性についてアッセイされてもよい。
有用な構築物の同定後に、構築物は、例えば、関心対象の構築物を発現する細胞株を産生することによって、または適切なアミノ酸配列を規定する合成ペプチドを産生することによって、商業的に有用な量で製造されてもよい。しかし、適切な細胞株を産生するため、および合成ペプチドを産生するための従来的な方法は、当技術分野において周知であり、かつ徹底的に文書に記載されており、およびそれゆえに本明細書では詳細には議論されない。
潜在的なTDFRP化合物配列の縮重セットが、個々のポリペプチドとして、またはその代わりとしては、TDFRP化合物配列のセットをそこに含むより大きな融合ポリペプチドのセットとして(例えば、ファージディスプレイ用)発現可能であるように、TDFRP変種化合物のライブラリーもまた、例えば、合成オリゴヌクレオチドの混合物を遺伝子配列に酵素的にライゲーションすることによって産生することができる。縮重オリゴヌクレオチド配列から潜在的なTDFRP変種化合物のライブラリーを産生するために使用することができる様々な方法が存在している。縮重遺伝子配列の化学合成は、自動DNA合成装置中で実施することができ、次いで、合成遺伝子が、適切な発現ベクターにライゲーションされる。遺伝子の縮重セットの使用は、1つの混合物中で、潜在的なTDFRP化合物配列の所望のセットをコードする配列のすべての供給を可能にする。縮重オリゴヌクレオチドを合成するための方法は当技術分野において周知である。例えば、Narang, 1983. Tetrahedron 39: 3; Itakura, et al., 1984. Annu. Rev. Biochem. 53: 323; Itakura, et al., 1984. Science 198: 1056; Ike, et al., 1983. Nucl. Acids Res. 11:477を参照されたい。
E. 抗TDFRP化合物抗体
本発明は、抗TDFRP化合物抗体を惹起するための免疫原としての使用のために適切であるポリペプチドおよびポリペプチド断片を含む化合物を提供する。この化合物は、二特異性抗体または他の多価抗体を含む、本発明のTDFRP化合物のいずれかに免疫特異的に結合する、全体の抗体および抗体断片、例えば、Fv、Fabまたは(Fab)2を惹起するために使用することができる。
単離されたTDFRPポリペプチド化合物、またはその一部もしくは断片は、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体調製のための標準的な技術を使用して、TDFRPまたはTDFポリペプチドに結合する抗体を生成するための免疫原として使用することができる。全長TFDポリペプチドを使用することができ、またはその代わりとしては、本発明は、免疫原として、TDFRP化合物またはTDFRP断片を含む化合物の使用を提供する。TDFRP化合物は、SEQ ID NO:1〜347に示されるアミノ酸配列の少なくとも4アミノ酸残基を含み、ペプチドに対して惹起された抗体がTDFポリペプチドまたはTDFRP化合物と特異的免疫複合体を形成するように、TDFRP化合物のエピトープを包含する。好ましくは、抗原性ペプチドは、少なくとも5個、8個、10個、15個、20個、または30個のアミノ酸残基を含む。用途に依存して、および当業者に周知である方法に従って、より長い抗原性ペプチドは、より短い抗原性ペプチドよりも時折好ましい。
本発明の特定の態様において、抗原性ペプチドによって包含される少なくとも1つのエピトープは、ポリペプチドの表面上に位置するTDFポリペプチドの領域である(例えば、親水性領域)。抗体産生を標的とするための手段として、例えば、フーリエ変換を伴うかまたは伴わないかのいずれかである、Kyte DoolittleまたはHopp Woodsの方法を含む、親水性および疎水性の領域を示すハイドロパシープロットを、当技術分野において周知の任意の方法によって生成することができる(例えば、Hopp and Woods, 1981. Proc. Nat. Acad. Sci. USA 78: 3824-3828; Kyte and Doolittle, 1982. J. MoI. Biol. 157: 105-142を参照されたい。各々は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる)。
本明細書に開示されるように、TDFRP化合物またはその誘導体は、これらのポリペプチド成分を免疫特異的に結合する抗体の生成における免疫原として使用することができる。特定の態様において、ヒトTDFRPポリペプチドに対する抗体が開示される。当技術分野において公知である種々の手順が、SEQ ID NO:1〜347またはその誘導体、断片、類似体もしくは相同体のTDFRP化合物配列に対するポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体の産生のために使用することができる。これらのポリペプチドのいくつかは以下で議論される。
ポリクローナル抗体の産生のために、種々の適切な宿主動物(例えば、ウサギ、ヤギ、マウスまたは他の哺乳動物)が、天然型ポリペプチド、またはその合成変種、または前述の誘導体を用いる注射によって免疫することができる。適切な免疫原性調製物は、例えば、組換えにより発現されたTDFRP化合物または化学合成されたTDFRP化合物を含むことができる。この調製物は、アジュバントをさらに含むことができる。免疫学的反応を増加させるために使用される種々のアジュバントには、フロイント(完全または不完全)、ミネラルゲル(例えば、水酸化アルミニウム)、界面活性物質(例えば、リゾレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、オイルエマルジョン、ジニトロフェノールなど)、ヒトアジュバント、例えば、カルメット-ゲラン杆菌(Bacille Calmette-Guerin)およびコリネバクテリウム パルヴム(Corynebacterium parvum)、または類似の免疫刺激化合物が含まれるがこれらに限定されない。所望される場合、TDFまたはTDFRP化合物に対して指向される抗体分子は対象から分離することができ(例えば、血液から)、IgG画分を得るために、例えば、ポリペプチドAクロマトグラフィーなどの周知の技術によってさらに精製することができる。
特定のTDFRP化合物、またはその誘導体、断片、類似体、もしくは相同体に対して指向されるモノクローナル抗体の調製のために、連続細胞株培養によって抗体分子の産生を提供する任意の技術を使用することができる。このような技術には以下が含まれるがこれらに限定されない:ハイブリドーマ技術(例えば、Kohler & Milstein, 1975. Nature 256: 495-497を参照されたい);トリオーマ技術;ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(例えば、Kozbor, et al., 1983. Immunol. Today 4: 72を参照されたい)およびヒトモノクローナル抗体を産生するためのEBVハイブリドーマ技術(例えば、Cole, et al., 1985. In: MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY, Alan R. Liss, Inc., pp. 77- 96を参照されたい)。ヒトモノクローナル抗体は、本発明の実施において使用することができ、およびヒトハイブリドーマを使用することによって(例えば、Cote, et al., 1983. Proc Natl Acad Sci USA 80: 2026-2030を参照されたい)、またはインビトロでエプスタインバーウイルスでヒトB細胞を形質転換することによって(例えば、Cole, et al., 1985. In: MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY, Alan R. Liss, Inc., pp. 77-96を参照されたい)、産生することができる。上記の引用の各々は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。合成デンドロマーツリーを、TDFRP化合物の免疫原性特性を増強するために、反応性アミノ酸側鎖、例えば、リジンに加えることができる。また、CPG-ジヌクレオチド技術を、TDFRP化合物の免疫原性特性を増強するために使用することができる。本発明に従って、技術は、TDFRP化合物に特異的な側鎖抗体の産生のために適合させることができる(例えば、米国特許第4,946,778号を参照されたい)。加えて、方法は、TDFRP化合物、例えば、そのポリペプチドまたは誘導体、断片、類似体、もしくは相同体についての所望の特異性を有するモノクローナルFab断片の迅速かつ有効な同定を可能にするために、Fab発現ライブラリー(例えば、Huse, et al., 1989. Science 246: 1275-1281を参照されたい)の構築のために適合させることができる。非ヒト抗体は、当技術分野において周知の技術によって、「ヒト化」することができる。例えば、米国特許第5,225,539号を参照されたい。TDFRP化合物に対するイディオタイプを含む抗体断片は、当技術分野において公知である技術によって産生することができ、これには以下が含まれるがこれらに限定されない(i)抗体分子のペプシン消化によって産生されるF(ab')2断片;(ii)F(ab')2断片のジスルフィド架橋を還元することによって生成されるFab断片;(iii)パパインおよび還元化合物を用いる抗体分子の処理によって生成されるFab断片;および(iv)Fv断片。
加えて、標準的な組換えDNA技術を使用して作製することができる、ヒト部分と非ヒト部分の両方を含む、キメラおよびヒト化モノクローナル抗体などの組換え抗TDFRP化合物抗体は、本発明の範囲内にある。このようなキメラおよびヒト化モノクローナル抗体は、例えば、国際出願番号PCT/US86/02269; 欧州特許出願第184,187号; 欧州特許出願第171,496号; 欧州特許出願第173,494号; PCT国際公報番号WO 86/01533; 米国特許第4,816,567号;米国特許5,225,539号; 欧州特許出願第125,023号; Better, et al., 1988. Science 240: 1041-1043; Liu, et al., 1987. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 3439-3443; Liu, et al., 1987. J. Immunol. 139: 3521- 3526; Sun, et al., 1987. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 214-218; Nishimura, et al., 1987. Cancer Res. 47: 999-1005; Wood, et al., 1985. Nature 314:446-449; Shaw, et al., 1988. J. Natl. Cancer Inst. 80: 1553-1559); Morrison (1985) Science 229:1202-1207; Oi, et al (1986) BioTechniques 4:214; Jones, et al., 1986. Nature 321: 552-525; Verhoeyan, et al., 1988. Science 239: 1534; およびBeidler, et al., 1988. J. Immunol. 141: 4053-4060において記載されるような方法を使用して、当技術分野において公知の組換えDNA技術によって産生することができる。上記の引用の各々は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。
1つの態様において、TDFRP化合物に対する所望の特異性を保有する抗体のスクリーニングのための方法には、酵素結合免疫吸着アッセイ法(ELISA)および他の当技術分野において公知である免疫学的に媒介される技術が含まれるがこれらに限定されない。特定の態様において、TDFRP化合物の特定のドメインに対して特異的である抗体の選択は、このようなドメインを保有するTDFRP化合物の断片に結合するハイブリドーマの生成によって容易にされる。従って、TDFRP化合物、またはその誘導体、断片、類似体、もしくは相同体中の所望のドメインに特異的である抗体もまた、本発明で提供される。
抗TDFRP化合物抗体は、TDFポリペプチドまたはTDFRP化合物の位置決めおよび/または定量に関連して、当技術分野において公知である方法において使用することができる(例えば、適切な生理学的試料中のTDFポリペプチドまたはTDFRP化合物のレベルを測定する際の使用のため、診断方法における使用のため、ポリペプチドを可視化する際の使用のためなど)。所定の態様において、TDFRP化合物のための抗体、または抗体由来の結合ドメインを含むその誘導体、断片、類似体もしくは相同体は、薬理学的に活性な化合物(本明細書以下では「治療剤」)として使用される。
抗TDFRP化合物抗体(例えば、モノクローナル抗体)は、親和クロマトグラフィーまたは免疫沈殿などの標準的な技術によって、TDFRP化合物またはTDFポリペプチドを単離するために使用することができる。抗TDFRP化合物抗体は、細胞からの天然のTDFポリペプチド、および宿主細胞中で発現された組換えにより産生されたTDFRP化合物の精製を容易にすることができる。さらに、抗TDFRP化合物抗体は、TDFポリペプチドまたはTDFRP化合物の発現の豊富さおよびパターンを評価するために、TDFポリペプチドまたはTDFRP化合物(例えば、細胞溶解物または細胞上清中)を検出するために使用することができる。抗TDFRP化合物抗体は、臨床試験手順の一部として、組織中のポリペプチドレベルを診断学的にモニターするため、例えば、所定の治療法の効力を、例えば、決定するために使用することができる。検出は、検出可能な物質に抗体をカップリングする(すなわち、物理的連結する)ことによって容易にすることができる。検出可能な物質の例には、種々の酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、生物発光物質、および放射活性物質が含まれる。適切な酵素の例には、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼが含まれ;適切な補欠分子族の例には、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンが含まれ;適切な蛍光物質の例には、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロライドまたはフィコエリトリンが含まれ;発光物質の例には、ルミノールが含まれ;生物発光物質の例には、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびエクオリンが含まれ;ならびに適切な放射活性物質の例には、32P、125I、131I、35S、33P、14C、13C、または3Hが含まれる。
III. TDFRP化合物の結合または生物学的活性の測定
A. TDFアゴニストおよびアンタゴニスト
TDFRP化合物は、TDFそれ自体と同様に、TDF受容体アゴニスト(すなわち、模倣体)またはTDF受容体アンタゴニストのいずれかとして機能することができる。TDFR(またはTDF)のアゴニストは、実質的に同じ、またはサブセットの天然に存在する型のTDFポリペプチドの生物学的活性を保持することができる。TDFRP化合物(またはTDF)のアンタゴニストは、TDF受容体ポリペプチドを含む細胞内シグナル伝達カスケードの下流または上流のメンバーに、例えば、競合的に結合することによって、TDFポリペプチドの天然に存在する型の活性の1つまたは複数を示すことができる。従って、特異的生物学的効果は、制限された機能の変種との処理によって誘発することができる。1つの態様において、天然に存在する型のポリペプチドの生物学的活性のサブセットを有する変種を用いる対象の治療は、天然に存在する型のTDFポリペプチドを用いる治療と比較して、対象における副作用がより少ない。例えば、ALK-3受容体は、腎組織においてより優勢であるのに対して、ALK-6受容体は骨組織においてより優勢であり;天然型BMP-7タンパク質はより高い親和性でALK-6に結合し、腎臓病におけるBMP-7治療の潜在的な副作用は骨形成である。他のALK受容体についてのTDFRP化合物の結合親和性と比較して、1つのALK受容体を優先的に結合するTDFRP化合物を提供し、それによって望ましくない細胞応答、例えば、非標的組織における細胞応答などであるがこれに限定されない副作用を減少することが、本発明の1つの目的である。好ましい態様において、TDFRP化合物は、ALK-3に対して増加した特異性、およびALK-6受容体に対して低下した親和性のために選択および設計され、それによって、腎障害のために治療される対象における望ましくない骨形成を減少する。別の態様において、TDFRP化合物は、所望の組織または細胞集団に化合物を標的化することによって、特異的ALK受容体を通して優先的にシグナル伝達してもよい。
従って、SEQ ID NO:1〜347として開示されるTDFRP化合物は、TDFポリペプチドまたはTDF受容体のアゴニストまたはアンタゴニストとして使用され、および例えば、細胞の細胞膜を横切って、例えば、TDFI型またはTDFII型受容体を発現するシグナル伝達を調節するために使用される。このような細胞におけるシグナル伝達の調節は、共レセプター(すなわち、DRAGON分子および関連するファミリーメンバー)を含む、1つまたは複数の細胞表面受容体との、SEQ ID NO:1〜347として開示される化合物の特異的結合相互作用の結果として起こるようである。I型およびII型受容体へのBMP結合は細胞内Smadを活性化し、これは、標的遺伝子発現を調節するために核に移行する。TDFRP化合物は、BMPシグナル伝達経路を機能的に活性化できる。受容体へのBMP結合に応答して、Smadはリン酸化され、細胞の核に移行する。BMPシグナル伝達のこの用量依存的な活性化は、抗ホスホ-Smad 1、-5、-8抗体を使用して検出され、BMPの機能的アゴニストを同定することができる。
特異的相互作用は、106M-1よりも大きな平衡解離定数でTDF受容体に化合物を結合することを意味する。細胞表面結合膜構造はまた、結合相互作用の特異性を増強する可能性がある。細胞外分子は、TDF受容体との化合物の相互作用の特異性および活性を調節する可能性がある。TDFアゴニスト(すなわち、模倣体)として、またはTDFRPアンタゴニストとしてのいずれかで機能するTDFRP化合物の変種は、TDFアゴニストまたはアンタゴニスト活性についてTDFRP化合物の変異体(例えば、短縮変異体)のライブラリーをスクリーニングすることによって同定することができる。
Smadのリン酸化
B. TDFRP結合の測定
1つの態様において、TDFRP結合アッセイ法とは、TDF受容体、その高分子リガンドおよびTDFRPが、TDF受容体とリガンドの間の結合のため、およびTDF受容体とそのリガンドとの間の結合の量を評価するために適切である条件下で混合される、競合アッセイ形式をいう。結合の量は、TDFRPの非存在下で結合する量、既知の阻害剤の存在下で結合する量、またはその両方であり得る適切な対照と比較される。結合の量は、任意の適切な方法によって評価することができる。結合アッセイ方法には、例えば、ELISA、放射性受容体結合アッセイ法、シンチレーション近接アッセイ法、細胞表面受容体結合アッセイ法、蛍光エネルギー移動アッセイ法、液体クロマトグラフィー、膜濾過アッセイ法などが含まれる。
本発明の実施において有用である典型的なリガンド/受容体結合アッセイ法において、あらかじめ選択した受容体についての既知の定量可能な親和性を有する精製したペプチド(例えば、Ten Dijke et al. (1994) Science 264:101-103を参照されたい、この開示は参照により本明細書に組み入れられる)は、検出可能な部分、例えば、放射性標識、色素形成性標識、または蛍光形成性標識で標識される。精製した受容体、受容体結合ドメイン断片、またはそれらの表面上で関心対象の受容体を発現する細胞のアリコートは、種々の濃度の未標識ペプチドの存在下で、標識したペプチドとインキュベートされる。ペプチドの相対的な親和性は、受容体との標識されたペプチドの結合を阻害する候補物(未標識ペプチド)の能力を定量することによって測定されてもよい。このアッセイ法を実施する際に、固定濃度の受容体およびペプチドが、未標識ペプチドの存在下および非存在下でインキュベートされる。感受性は、標識ペプチドを加える前に、TDFRP類似体と受容体をあらかじめインキュベートすることによって増加されてもよい。標識されたコンペティターが加えられた後で、十分な時間が適切なコンペティター結合を可能にし、次いで、遊離のおよび結合した標識ペプチドが互いから分離され、一方または他方が測定される。スクリーニング手順の実施において有用である標識には、放射活性標識(例えば、125I、131I、111Inまたは77Br)、色素形成性標識、分光学的標識(例えば、Molecular Probes, Inc., Eugene, Oreg.によるHaughland (1994)「Handbook of Fluorescent and Research Chemicals 第5版」に開示されるもの)、または化学発光基質もしくは蛍光発生基質と組み合わせて使用される、高いターンオーバー速度を有する結合体化酵素、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、もしくはベータ-ガラクトシダーゼが含まれる。最大結合シグナルは、天然型リガンドの存在下では測定されるシグナルであるが、しかしアッセイ混合物中に存在するTDFRPなしでは測定されないシグナルである。バックグラウンドシグナルは、天然型リガンドなしで測定される結合シグナルである。
本発明の実施において有用である典型的な化合物/受容体結合アッセイ法において、あらかじめ選択した受容体についての既知の定量可能な親和性を有する、精製した参照化合物は、検出可能な部分、例えば、放射性標識、色素形成標識、または蛍光形成標識で標識される(例えば、Ten Dijke et al. (1994) Science 264:101-103を参照されたい、この開示は参照により本明細書に組み入れられる)。精製した受容体、受容体結合ドメイン断片、またはそれらの表面上に関心対象の受容体を発現する細胞のアリコートは、種々の濃度の未標識化合物の存在下で、標識した化合物とインキュベートされる。
典型的には、ペプチドの相対的な結合親和性は、候補物(未標識ペプチド)が受容体との標識ペプチドの結合を阻害する能力を定量することによって測定されてもよい。このアッセイ法を実施する際に、固定濃度の受容体およびペプチドが、未標識ペプチドの存在下および非存在下でインキュベートされる。感受性は、標識ペプチドを加える前に、TDFRP化合物と受容体をあらかじめインキュベートすることによって増加されてもよい。標識されたコンペティターが加えられた後で、十分な時間が適切なコンペティター結合を可能にし、次いで、遊離のおよび結合した標識ペプチドが互いから分離され、一方または他方が測定される。スクリーニング手順の実施において有用である標識には、放射活性標識(例えば、125I、131I、51Cr、111Inまたは77Br)、色素形成性標識、分光学的標識(例えば、Molecular Probes, Inc., Eugene, Oreg.によるHaughland (1994)「Handbook of Fluorescent and Research Chemicals 第5版」に開示されるもの)、または化学発光基質もしくは蛍光発生基質と組み合わせて使用される、高いターンオーバー速度を有する結合体化酵素、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、もしくはベータ-ガラクトシダーゼが含まれる。
別の態様において、TDFRP結合アッセイ法とは、TDFRP結合リガンドとTDFRP化合物との間の結合のために適切である条件下で、TDFRP結合リガンドおよびTDFRP化合物を混合すること、ならびにTDFRP結合リガンドとTDFRP化合物との間の結合の程度を評価すること、例えば、解離定数を測定すること、およびScatchardまたは非線形回帰分析を通して平衡結合定数を導き出すことをいう。結合の量は、適切な対照、既知の阻害剤の存在下での結合の量、またはその両方と比較される。結合の量は、任意の適切な方法によって評価することができる。結合アッセイ方法には、例えば、ELISA、放射性受容体結合アッセイ法、シンチレーション近接アッセイ法、細胞表面受容体結合アッセイ法、蛍光エネルギー移動アッセイ法、液体クロマトグラフィー、膜濾過アッセイ法などが含まれる。
TDFRP結合リガンドに結合するTDFRPの直接的測定のための生物物理学的アッセイ法は、例えば、核磁気共鳴、蛍光、蛍光偏光、表面プラズモン共鳴(BIACOREチップ)などである。TDFRP結合リガンドには、TDF受容体、抗TDFRP抗体、脂質、低分子、および核酸、例えば、DNAおよびRNAが含まれるがこれらに限定されない。特異的結合は、当技術分野において公知である標準的なアッセイ法、例えば、放射性リガンド結合アッセイ法、ELISA、FRET、免疫沈殿、SPR、NMR(2D-NMR)、質量分析などによって決定される。TDFRP化合物、ならびに例えば、TDF受容体、抗TDFRP抗体、脂質、低分子、および核酸、例えば、DNAおよびRNAなどであるがこれらに限定されないTDFRP結合リガンドの共結晶もまた、分子的相互作用を決定する方法として本発明によって提供される。TDFRPリガンドとTDFRP化合物との間の結合のために適切である条件は、化合物およびそのリガンドに依存し、当業者によって容易に決定することができる。さらに、表2および3に要約される参考文献に開示される方法は、ALK受容体に結合するリガンドの測定のために有用である。これらの方法は、本発明のALK受容体選択性TDFRP化合物を同定する際に有用である。
C. TDFRP生物学的活性の測定
TDFポリペプチドまたはTDFRP化合物の生物学的活性、すなわち、アゴニストまたはアンタゴニスト特性は、TDFRP化合物、TDFポリペプチドまたはTDFシグナル伝達経路成分の生物学的活性を測定するために開発された従来的なインビボおよびインビトロアッセイ法を使用して特徴付けすることができる。
TGF-b/BMPスーパーファミリーメンバーは、損傷応答および再生に関与する多数の細胞活性と関連する。TDFRP化合物は、細胞、組織、または器官における損傷応答を予防、修復、または軽減可能な活性を媒介するために、BMPのアゴニストまたはTGF-b分子のアゴニストとして使用することができる。これらの効果の媒介に関与する鍵となる活性は、抗炎症性、抗アポトーシス性、および抗線維性特性である。炎症のためのいくつかのインビトロモデルは、十分に実証されてきた炎症のマーカーであるサイトカイン、ケモカイン、および細胞接着応答を評価するために使用することができる。腫瘍壊死因子-α(TNF-α)、シスプラチン、リポポリサッカリド(LPS)、または他の因子によって誘導される細胞損傷は、炎症誘発生分子(例えば、IL-1、IL-6、IL-8、NF-κB)および接着分子(例えば、細胞内接着分子-1またはICAM-1)の産生に導く。さらに、これらの因子は、免疫細胞が組織に浸潤することを引き起こして器官損傷を生じる、ケモカイン(IL-6、IL-8、単球、化学誘引タンパク質-1またはMCP-1およびRANTES)を誘導する。
アポトーシス、すなわちプログラムされた細胞死は、ストレス因子に応答してミトコンドリア経路を通して、またはTNF-αなどのリガンドの結合によって誘発される受容体媒介経路を通してのいずれかで開始される。複数の因子が複雑なアポトーシスプロセスに寄与し、これには、カスパーゼとして知られる酵素のクラスを活性化する浸潤好中球および他の炎症性細胞が含まれる。アポトーシスの他の有用なマーカーは、Baxおよびヒト血管抗凝固因子、アネキシンVであり、これは、アポトーシス細胞中の内側原形質膜から外側原形質膜まで移行するタンパク質に結合する。
典型的な実験において、TDFRP化合物の抗アポトーシス活性は、培養細胞(例えば、ヒト腎臓細胞(HK-2)および心臓の筋肉細胞または心筋細胞)中でのアポトーシスのインビトロモデルを使用して評価することができる。腎臓の近位尿細管細胞において、Baxのレベルの有意な増加が、シスプラチンまたは他の因子によって引き起こされる細胞損傷に応答して起こる。典型的な実験において、TDFRP化合物の抗アポトーシス特性は、TNF-αまたはシスプラチンによって誘導されたBax産生の阻害によって実証することができる。加えて、シスプラチン処理は、HK-2細胞中でのアネキシンVの発現を生じる。
心筋細胞はまれにしか成体心筋中で増殖せず、心筋細胞の喪失は心臓機能の永続的な喪失を導き得る。心筋細胞への損傷によって引き起こされる心筋のアポトーシスは、種々の心臓疾患における心筋機能障害の発症に寄与し、またはそれを悪化させる。化学療法剤であるドキソルビシンは心不全、機能している心筋細胞の数の減少、カスパーゼ3の活性化、およびアポトーシスを引き起こす。典型的な実験において、TDFRP化合物の抗アポトーシス活性は、ドキソルビシンによって誘導されたBaxおよびカスパーゼ-3発現、LPS、または虚血の阻害を示すことによって、ならびに心筋細胞の健康の高感度の指標であるリン酸化Aktのレベルの増加を示すことによって実証することができる。
典型的な実験において、TDFRP化合物の抗線維性特性は、インビトロアッセイおよびインビボアッセイを使用して実証することができる。例えば、マウス腎臓尿細管上皮細胞培養中でTGF-βによって誘導される尿細管線維症の逆転は、細胞の形態、E-カドヘリン(上皮細胞マーカー)およびFSP-1(線維芽細胞特異的タンパク質マーカー)の免疫染色の評価を使用して実証することができる。加えて、細胞外マトリックス物質の沈着が、腎臓などの器官中での線維症の発症の間に起こる。組織病理学的分析に基づいて、TDFRP化合物は、腎損傷の4種類のインビボ動物モデル(ラットシスプラチン損傷モデル、片側尿管閉塞モデル(UUO)、腎毒性血清腎炎モデル(NTN)、および糖尿病性腎症のストレプトゾトシンモデル(STZ))において線維症を減少することができる。
慢性腎損傷(CKIまたは慢性腎不全)は、腎臓が老廃物を排出し、尿を濃縮し、および電解質を保存する能力の段階的かつ不可逆的な損失であり、通常は末期腎疾患(ESRD)に進行する。腎損傷の2つの最も一般的な原因は、糖尿病および高血圧である。糖尿病性腎症は、タンパク尿、糸球体濾過速度の障害(「GFR」)、および心臓血管疾患のリスクの増加によって特徴付けられる臨床的症候群である。典型的な実験において、TDFRP化合物は、物理的閉塞損傷モデルである片側尿管閉塞(UUO);免疫腎症損傷モデルである腎毒性血清腎炎(NTN);および糖尿病の代謝モデルであるストレプトゾトシンで誘導される糖尿病性腎症(STZ)を含むCKIの3つの異なる動物モデルを使用して、腎疾患の進行を遅延し、腎線維症を修復し、および腎構造を回復することを示すことができる。これらのモデルの各々が、異なるメカニズムを通して腎損傷を誘導するが、これらは、結果的に器官損傷および機能不全となる下流の細胞活性を共有する。
慢性UUOは、尿管の物理的閉塞によって引き起こされる腎損傷の十分に受け入れられている間質性線維症モデルである。閉塞後、腎臓中で免疫細胞および細胞外マトリックス物質の蓄積が存在し、これは、TDFRP化合物の投与を使用する典型的な実験によって軽減することができる炎症、間質性線維症、および尿細管萎縮を導く。
典型的な実験において、TDFRP化合物は、NTN慢性腎損傷モデルにおいて腎毒性血清(「NTS」)によって誘導される腎損傷を制限することができる。多くの型の糸球体腎炎は元来は免疫学的であり、NTNモデルは、抗体によって誘導される糸球体疾患の例を表す。典型的な実験において、TDFRP化合物は、免疫媒介性腎疾患モデルにおいて腎尿細管萎縮、マトリックス沈着/線維症、および糸球体硬化症の量を減少することができる。
STZ誘導性1型糖尿病は、糖尿病性腎症のために広く使用されている実験モデルである。ivでSTZを与えられたマウスは、6ヶ月の期間内に、膵臓のβ細部の進行性の喪失を発症し、結果的に、糖尿病および腎損傷となる。典型的な実験において、TDFRP化合物は、線維症を軽減し、タンパク尿を減少し、およびSTZ損傷から腎臓を保護することができる。
心筋損傷(MI)は、心臓の筋肉に補給を行う主要な動脈の1つにおける血流の減少または閉塞が、酸素および栄養が心臓の筋肉に到達することを妨害するときに生じる。このプロセスの第1の相は虚血状態であり、ここでは、血流の減少が、酸素の供給を、心臓の筋肉によって必要とされる要求量よりも下に制限する。心筋細胞は、血液によって運ばれる酸素および栄養に関して飢餓状態である。この状況は、細胞が不可逆的に損傷され死滅する前に、非常に短い時間の間、持続可能であるのみである。これらの細胞の死滅は梗塞に寄与し、損傷した細胞は、炎症性反応を誘発する化学物質を放出する。
心筋虚血(MI)は、アポトーシス、炎症、および線維症を導く。心筋梗塞の直後に投与されたTPAは損傷を制限するが(血管を再開することによって)、しかしアポトーシス、炎症、および線維症の細胞プロセスに対しては効果を有しない。心臓組織は腎臓組織と同じBMP-7受容体を発現し、内因性保護メカニズムとして実証された役割を有するBMP-7、およびTDFRP化合物が、心筋虚血のモデルを含む典型的な実験において梗塞を減少することを示唆する。
典型的な実験において、TDFRP化合物は、培養心筋細胞において抗炎症性活性および抗アポトーシス活性を実証するために使用することができる。典型的な動物モデル研究において、TDFRP化合物は、MIのラットモデルにおいて、梗塞のサイズを減少し、冠状動脈内皮機能を維持し、および血管内皮への好中球の接着を阻害する(再灌流損傷の減少)ために使用することができる。MIラットモデル(LAD閉塞モデルと呼ばれる)は、虚血を作製するために左前下行動脈の一時的な結紮を含む。結紮の取り外しに際して、心臓への血流は、再灌流損傷を開始し、これは、色素を用いてその領域を灌流すること、および梗塞の程度を評価することによってモニターすることができる。典型的なLAD実験において、TDFRP化合物は、心臓の心室の結紮によって誘導される虚血の前後で投与することができる。効力は、形態学によって、および再灌流後の心室の梗塞領域と非梗塞領域の間のCK-MBレベルを評価することによって決定することができる。
ALK-3、ALK-6、およびBMPR-2についての放射性リガンド受容体結合アッセイ
アッセイは、それぞれの受容体(ALK-3、ALK-6、またはBMPR-2、または他のBMP受容体もしくは補助受容体)への結合について、125I-標識TDF-1(BMP-7またはOP-1または他のBMP)と候補TDFRP化合物または未標識TDF-1の間の競合に基づく。手短に述べると、この手法は、96ウェルRemovawellプレート上での受容体の固定化、PBS中3% BSAを用いてのウェルのブロッキング、および引き続くウェルの洗浄を含む。次いで、結合緩衝液中で調製する増加濃度の未標識TDF-1またはTDFRP化合物または対照(未標識TDF-1)を加える。1時間室温でプレートをインキュベートし、次いで、固定量の125I-標識TDF-1(250,000〜350,000 cpm)をウェルに加え、低温(4℃)で20時間さらにインキュベートする。ウェルの内容物を吸引し、洗浄緩衝液でウェルを4回洗浄し、および自動ガンマカウンターで受容体結合125I-標識TDF-1を計数する。
この手法を使用して、選択ALK受容体へのTDFRP化合物の結合を評価する。従って、選択ALK受容体を優先的に結合するTDFRP化合物を同定することができる。例えば、ALK-3受容体に優先的に結合するTDFRP化合物は、他のALK受容体、例えば、ALK-6への結合と比較する(図1、15)。
ラット骨肉腫(ROS)細胞に基づくアルカリホスファターゼアッセイ
I型およびII型受容体とのBMP相互作用は、ROS細胞中で、骨芽細胞活性のマーカーであるアルカリホスファターゼ活性を誘導することができる。Maliakal, J.C., Asahina, I, Hauschka, P.V., and Sampath, T.K. (1994) Growth factors 11, 227-234に記載されるようなアッセイ手法を使用して、TDFRP化合物の生物学的活性を決定した。典型的な実験において、ラット骨肉腫(17/2.8)細胞は96ウェルプレート(3.0×104細胞/ウェル)にプレートし、5〜6% CO2インキュベーター中で37℃にて一晩インキュベートした。翌日、健康かつコンフルエントな細胞を、1% FBSを含む培地中で調製した、増加濃度の、正の対照として働くBMP-7標準(1〜10,000 ng/ml)またはTDFRP化合物(0.02〜200μM)で処理し、5〜6% CO2インキュベーター中で37℃にて2日間インキュベートした。細胞内容物のアルカリホスファターゼ活性は、Reddi and Huggins(Reddi, A.H., and Huggins, C.B (1972) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 69, 1601-1605)の方法によって決定する。酵素の見積もりは96ウェルプレートで実施する。培養培地の除去後、細胞をあらかじめ温めたPBS(150μl)で洗浄し、あらかじめ温めた100μlの1% Triton X-100の中で37℃にて30分間インキュベートする。プレートは最高速度で10分間遠心分離し、回収した試料(15μl)は、基質として0.05 M グリシン-NaOH緩衝液、pH 9.3中の90μl p-ニトロフェニルリン酸(Sigma)を加えること、および37℃で20分間インキュベートによって酵素活性についてアッセイする。反応は、75μlの0.2 N NaOH/ウェルを加えることによって停止し、405/490 nmにおける吸収は、Dynatech MR 700プレートリーダーで測定する。結果は、BMP-7標準と比較した相対活性として表現する。TDFRP化合物(SEQ ID NO:15-21、23-33、41-43、45、65、130、208-219、221)はROS細胞アッセイにおいてアルカリホスファターゼ活性を誘導しなかった。
骨誘導のための皮下移植物アッセイ
BMP-7は、Sampath, T.K., Maliakal, J.C., Hauschka, P.V. et al. (1992) J. Bio. Chem. 267, 20352-20362に記載された手法によって皮下に移植されたときに、ラットにおける骨形成を誘導する。このアッセイは、TDFRP化合物の骨誘導能力を評価するために使用する。25 mgの鉱質除去骨マトリックスは、0.15% TFAを混合した150μlの50%アセトニトリル中のBMP-7に加え(濃度系列)、次いで、骨誘導活性のための正の対照として凍結乾燥する。鉱質除去骨マトリックス単独は、陰性対照として使用する。TDFRP化合物は、カルボジイミド反応を使用して、アルギン酸ハイドロゲルに共有結合的にカップリングする。10mgのアルギン酸カップリング化合物を、各ラットの筋肉に移植する。移植物は、評価のために14日目に取り出す。移植物はBouin溶液中で固定し、JB4プラスチック培地中に包埋し、1μm切片に切断し、および組織学的試験のためにトルイジンブルーによって染色する。選択TDFRP化合物はこのアッセイにおいて骨誘導活性を示さない。
ヒト腎臓-2(HK-2)細胞培養ならびにサイトカインおよび接着分子産生の測定
常在性の近位尿細管上皮細胞(PTEC)は、インターロイキン-1(IL-1)および腫瘍壊死因子α(TNF-α)などの炎症メディエーターの産生を介して炎症プロセスにおいて活動的な役割を果たすことが関係付けられている。これらのサイトカインを用いるインビトロでのPTECの刺激は、インターロイキン-6(IL-6)、インターロイキン-8(IL-8)、MCP-1、およびRANTESを含むサイトカインおよびケモカイン産生、ならびにICAM-1などの接着分子の増加を生じることが示されており、これらは、炎症性細胞の間質性浸潤を介して炎症性プロセスにさらに寄与し、最終的には尿細管損傷を誘導する。
いくつかの抗炎症性因子が、これらがPTECによるサイトカイン、ケモカイン、およびICAM-1産生を抑制するために有効であるか否かを評価するためにPTEC系において試験されてきた。成体においては、BMP-7およびその受容体の発現は、オートクラインまたはパラクリンシグナル伝達を通して、尿細管細胞の分化した表現型を維持するための原因である。主要なヒトPTECにおいて、BMP-7は、炎症誘発性遺伝子、インターロイキン-6(IL-6)およびインターロイキン-1β(IL-1β)、インターロイキン-8、MCP-1、およびICAM-1のmRNAのTNF-αで刺激される増加を減少することができる。
TNF-αおよびシスプラチン(抗新生物剤)によるPTECの損傷は、DNA損傷、ミトコンドリアの機能不全、BAX阻害、およびカスパーゼ活性化によって示されるようなアポトーシスの誘導を生じる。BMP-7は、これらの細胞においてTNF-αおよびシスプラチン誘導性のアポトーシスを阻害することによって、PTEC/腎機能を保護する。不死化PTEC誘導性HK-2(ヒト腎臓-2)細胞(ATCC番号CRL-2190)は、以前に記載されたように(Ryan et al. (1994) Kidney International 45:48-57)、上皮増殖因子(EGF:5 ng/mL)およびウシ下垂体抽出物(40μg/mL)を補充した無血清ケラチノサイト培地(GIBCO番号17005-042)中で48時間増殖させた。細胞は、ウェルあたり3×105細胞の密度で24ウェルプレートに移した。24時間後、細胞は、TNF-α(5 ng/mL)を含む新鮮な培地とともに20時間インキュベートした。対照は培地単独を受けた。次いで、細胞は、新鮮な培養培地で2回洗浄し、培養培地単独で(培地対照、およびTNF対照ウェル)または3つの異なる濃度(40、200、または1000 ng/mL)のTDF-1または3つの異なる濃度(4、20、または100μM)のTDFRP化合物とともに、さらに60時間インキュベートした。インキュベーションの間、細胞は、5%CO2湿性大気中で37℃に維持した。インキュベーションの最後に、培地を取り出し、アッセイするまで凍結して保存した。培養上清中のIL-6、IL-8、およびsICAM-1の濃度は、特異的ELISAによって測定した(図14)。
IL-6のELISA
捕捉抗体は、キャリアタンパク質を含まないPBS、pH 7.4中で実用濃度まで希釈する。61μLのストック抗体(360μg/mL)を10.939 mLのPBSに加え、穏やかにボルテックスする。96ウェルマイクロプレート(Immulon 4 HBX)を、ウェルあたり100μLの希釈捕捉抗体でコートする。プレートをシールし、低温(4℃)で一晩インキュベートする(PBS:8.1 mM Na2HPO4、1.5 mM KH2PO4、137 mM NaCl、2.7 mM KCl、pH 7.4、0.2μm濾過)。ウェルを空にし、各回ウェルあたり340μLの洗浄緩衝液を使用して3回洗浄する(洗浄緩衝液:0.05% Tween-20を含むPBS、pH 7.4)。
ブロッキング緩衝液は、0.35グラムのBSAおよび1.75グラムのスクロースを35 mLのPBS、pH 7.4に加えることによって調製し(プレートあたり35 mL)、穏やかに混合する。300μLのブロッキング緩衝液を各ウェルに加え、室温で最低1時間インキュベートする。ウェルを空にし、各回ウェルあたり340μLの洗浄緩衝液を使用して3回洗浄する。
8点の標準曲線を、試薬希釈液中の2倍段階希釈を使用して準備する。組換えIL-6、70 ng/mLを試薬希釈液中で2400 ng/mLの初期濃度まで希釈し、次いで、さらに試薬希釈液を使用して、実用範囲、1200、600、300、150、75、37.5、18.75、および9.375 ng/mLまで希釈する(試薬希釈液は、40 mLのPBS、pH 7.4中の0.4グラムのBSAを用いて調製し、穏やかにボルテックスする)。24μLの各試料(HK-2細胞培養から)を376μLの試薬希釈液で希釈する。100μLの標準または試料を各ウェルに加え、シールし、および低温(4℃)で一晩インキュベートする。各回ウェルあたり340μLの洗浄緩衝液を使用して、ウェルを3回洗浄する。61μLのストック検出抗体(0.1〜10μg/mL)を試薬希釈液中に10.939 mLまで加え、ボルテックスする。検出抗体の実用希釈の100μLを各ウェルに加える。プレートをシールし、室温で2時間インキュベートする。各回ウェルあたり340μLの洗浄緩衝液を使用して、ウェルを3回洗浄する。プレートあたりストレプトアビジン-HRP、11mLを試薬希釈液中で調製する。55μLのストック溶液(# 890803、R&D Systems)を10.945 mLの試薬希釈液に加え、穏やかにボルテックスする。100μLのストレプトアビジン-HRPの実用希釈を各ウェルに加える。プレートをシールし、室温で20分間インキュベートする。各回ウェルあたり340μLの洗浄緩衝液を使用して、ウェルを3回洗浄する。5.5 mLの着色試薬A(H2O2)を、5.5 mLの着色試薬B(テトラメチルベンジジン)(#DY999、R&D Systems)と混合する。100μLの基質溶液を各ウェルに加える。プレートを覆い、室温で20分間インキュベートする。50μLの停止溶液(2N H2SO4)を各ウェルに加える。各ウェルの光学密度を、450 nmに設定したマイクロプレートリーダー(Dynex Revelation 4.22)および550 nmにおける波長補正を使用して即座に決定する。
IL-8のELISA
IL-8 ELISAのためのプロトコールは、上記のIL-6法と同様であるが以下の改変を伴う:スクロースはブロッキング緩衝液中に含まれない、200μL試料を使用する、および実用範囲は4000 pg/mLから、下は31.25 pg/mLまでである。
ICAM-1のELISA
捕捉抗体は、キャリアタンパク質を含まないPBS、pH 7.4中で実用濃度まで希釈する。61μLのストック抗体(720μg/mL)を10.939 mLのPBSに加え、穏やかにボルテックスする。96ウェルマイクロプレート(Immulon 4 HBX)を、ウェルあたり100μLの希釈捕捉抗体でコートする。プレートをシールし、低温(4℃)で一晩インキュベートする(PBS:8.1 mM Na2HPO4、1.5 mM KH2PO4、137 mM NaCl、2.7 mM KCl、pH 7.4、0.2μm濾過)。各回ウェルあたり340μLの洗浄緩衝液を使用して、ウェルを3回洗浄する(洗浄緩衝液:0.05% Tween-20を含むPBS、pH 7.4)。ブロッキング緩衝液(プレートあたり35 mL)は、0.35グラムのBSAおよび1.75グラムのスクロースを35 mLのPBS、pH 7.4に加えることによって調製する。300μLのブロッキング緩衝液を各ウェルに加え、室温で最低1時間インキュベートする。各回ウェルあたり340μLの洗浄緩衝液を使用して、ウェルを3回洗浄する。8点の標準曲線を、試薬希釈液中の2倍段階希釈を使用して準備する。組換えsICAM-1、55 ng/mLをストック標準として使用して、試薬希釈液中で2000 ng/mLの初期濃度まで希釈し、そして試薬希釈液を使用して、実用範囲、1000、500、250、150、125、62.5、31.25、15.625、および7.813 ng/mLまで希釈する。160μLの各試料培地(HK-2細胞培養から)を240μLの試薬希釈液で希釈する。各ウェルあたり100μLの標準または試料を加え、プレートをシールし、および低温(4℃)で一晩インキュベートする。各回ウェルあたり340μLの洗浄緩衝液を使用して、ウェルを3回洗浄する。61μLのストック検出抗体(18μg/mL)を試薬希釈液中に10.939 mLまで加え、穏やかにボルテックスする。検出抗体の実用希釈の100μLを各ウェルに加える。プレートをシールし、室温で2時間インキュベートする。各回ウェルあたり340μLの洗浄緩衝液を使用して、ウェルを3回洗浄する。55μLのストック溶液ストレプトアビジン-HRP(# 890803、R&D Systems)を10.945 mLの試薬希釈液に加え、穏やかにボルテックスする。100μLのストレプトアビジン-HRPの実用希釈を各ウェルに加える。プレートをシールし、室温で20分間インキュベートする。各回ウェルあたり340μLの洗浄緩衝液を使用して、ウェルを3回洗浄する。5.5 mLの着色試薬A基質(H2O2)を、5.5 mLの着色試薬B(テトラメチルベンジジン)(#DY999、R&D Systems)と混合する。100μLの基質溶液を各ウェルに加える。プレートを覆い、室温で20分間インキュベートする。50μLの停止溶液(2N H2SO4)を各ウェルに加える。各ウェルの光学密度を、450 nmに設定したマイクロプレートリーダー(Dynex Revelation 4.22)および550 nmにおける波長補正を使用して即座に決定する。
アネキシンV免疫染色を使用するアポトーシス検出
アポトーシスおよび細胞生存度は、シスプラチン処理後のHK-2細胞のアネキシンV-FITCおよびヨウ化プロピジウム染色を使用して定量する。不死化PTEC由来HK-2細胞(ATCC番号CRL-2190)は、EGFおよびBPEを補充した無血清ケラチノサイト培地(GIBCO番号17005-042)中で48時間培養する(Ryan et al. 1994 Kidney Int 45:48-57)。培地を吸引し、細胞をPBSで洗浄し、および暗所にて室温で15分間、10μlの培地結合剤および1.25μlのFITC結合体化アネキシンVとともにインキュベートする。ヨウ化プロポジウム(10μl)を加え、試料は即座に分析する。アネキシンV-FITCおよびヨウ化プロポジウムシグナルの定量は、蛍光顕微鏡(Axiovert 135; Carl Zeiss)によって実施する。位相差画像は透過光を使用して観察する。アポトーシス細胞は細胞質染色を示し、生きている細胞は染色されないままである(図17)。
BaxのELISA
捕捉抗体は、キャリアタンパク質を含まないPBS、pH 7.4中で実用濃度まで希釈する(360μg/mlのストックに200μlのPBSを加える)。61.2μLのストック抗体(360μg/mL)を10.939 mLのPBSに加え、穏やかにボルテックスする。96ウェルマイクロプレート(Immulon 4 HBX)を、ウェルあたり100μLの希釈捕捉抗体でコートする。プレートをシールし、低温(4℃)で一晩インキュベートする(PBS:8.1 mM Na2HPO4、1.5 mM KH2PO4、137 mM NaCl、2.7 mM KCl、pH 7.4、0.2μM濾過)。各回ウェルあたり300μLの洗浄緩衝液を使用して、ウェルを3回洗浄する(洗浄緩衝液:0.05% Tween-20を含むPBS、pH 7.4)。ブロッキング緩衝液(PBS、pH 7.2〜7.4中1% BSA、5% スクロース)は、0.35グラムのBSAおよび1.75グラムのスクロースを35 mLのPBS、pH 7.4に加えることによって調製し、混合する。300μLのブロッキング緩衝液を各ウェルに加え、室温で2時間インキュベートする。各回ウェルあたり300μLの洗浄緩衝液を使用して、ウェルを3回洗浄する。8点の標準曲線を、希釈液(PBS pH 7.2-7.4中の1mM EDTA、0.005% Tween20、0.5% TritonX-100)中の2倍段階希釈を使用して生成する。組換えBax(270ng/mL)を希釈液中で20 ng/mLの初期濃度まで希釈し、そして希釈液を使用して、10、5、2.5、1.25、0.625、0.3125、および0.1562ng/mLの実用範囲まで希釈する。ウェルあたり100μLの標準または試料を加え、シールし、および4℃で一晩インキュベートする。各回ウェルあたり300μLの洗浄緩衝液を使用して、ウェルを3回洗浄する。検出抗体の実用希釈の100μL(プレートあたり11 mL)を各ウェルに加え、シールし、および室温で2時間インキュベートする。各回ウェルあたり300μLの洗浄緩衝液を使用して、ウェルを3回洗浄する。55μLのストック溶液ストレプトアビジン-HRP(# 890803、R&D Systems)を10.945 mLの希釈液に加え、穏やかにボルテックスする。100μLのストレプトアビジン-HRPの実用希釈を各ウェルに加え、シールし、および室温で20分間インキュベートする。各回ウェルあたり300μLの洗浄緩衝液を使用して、ウェルを3回洗浄する。新鮮な基質溶液(プレートあたり11 mL)を調製する。5.5 mLの着色試薬A基質(H2O2)を、5.5 mLの着色試薬B(テトラメチルベンジジン)(#DY999、R&D Systems)と混合する。100μLの基質溶液を各ウェルに加え、覆い、および室温で20分間インキュベートする。50μLの停止溶液(2N H2SO4)を各ウェルに加える。各ウェルの光学密度を、450 nmに設定したマイクロプレートリーダーおよび544 nmにおける波長補正を使用して即座に決定する(図14)。
心筋細胞培養およびサイトカイン、アポトーシス活性の決定
初代新生仔ラット心筋細胞(Cell Applications)は10%増殖補充物(Cell Applications)を有する心筋細胞培養培地中で、24時間、37℃、5% CO2で培養する。細胞は12時間、増殖補充物飢餓状態にし、続いて、ドキソルビシン(333nM)またはリポポリサッカリド(LPS)(100ng/ml)のいずれかを用いて、それぞれ24時間または12時間の処理を行う。対照は培地単独を受け取る。細胞は、4つの異なる濃度(4、20、100、500μM)の培養培地単独またはBMP-7(143nM)またはTDFRP化合物とともに、24〜60時間インキュベートする。細胞は、5% CO2湿性大気中で、37℃にて維持する。インキュベーションの最後に、馴化培地を除去し、セリン473のAktリン酸化またはカスパーゼ3酵素活性を、製造業者のプロトコール(それぞれ、Cell Signaling TechnologyまたはCalbiochem)に従ってアッセイする。培養上清中のラットIL-6の濃度を、上記のように特異的ELISAによって測定する(図16)。
Akt S473リン酸化を検出するためのプロトコール
TDFRP化合物の抗アポトーシス活性は、ドキソルビシンを用いる処理後の心筋細胞の生存のマーカーとしてAktのリン酸化の増加を使用してアッセイする。初代新生仔ラット心筋細胞(Cell Applications)は10%増殖補充物(Cell Applications)を有する培地中で、24時間、37℃、5% CO2で培養する。細胞は12時間、増殖補充物飢餓状態にし、続いて、ドキソルビシン(333nM)を用いて24時間の処理を行う。対照は培地単独を受け取る。細胞は、4つの異なる濃度(4、20、100、500μM)の培養培地単独、BMP-7(143nM)またはTDFRP化合物とともに60時間インキュベートし、セリン473(Cell Signaling Technology)におけるAktリン酸化を検出する。細胞溶解物はMilli-Q水で1:10希釈した製造業者の溶解緩衝液(10×)中で調製し、PMSFを1mMの最終濃度で加える。12ウェルプレートのウェルあたり、200μlの氷冷溶解緩衝液を使用する。細胞は4℃で10分間インキュベートし、細胞溶解物は、ウェルから上清を取り出すこと、および4℃における10,000rpm、10分間の遠心分離による清澄化によって得る。各希釈の100μlをマイクロウェルストリップ(Cell Signaling Technology)に加え、シールし、および4℃で一晩インキュベートする。ウェルは、300μlの1×洗浄緩衝液で4回洗浄する。ウェルあたり100μl検出抗体を加え、37℃で1時間インキュベートする。ウェルあたり100μl HRP-結合二次抗体を加え、37℃で30分間インキュベートする。ウェルあたり100μl TMB基質を加え、暗所で室温にて30分間インキュベートする。反応を停止し、吸収はマイクロプレートリーダーを用いて450nMで読み取る(図14)。
カスパーゼ-3活性を検出するためのプロトコール
TDFRP化合物の抗アポトーシス活性は、心筋細胞のドキソルビシンまたはLPS処理によって誘導されるカスパーゼ-3活性をダウンレギュレートする能力を試験することによって決定する。カスパーゼ-3活性はアポトーシスマーカーとして働く。細胞溶解物は製造業者の溶解緩衝液中で調製する。12ウェルプレートのウェルあたり、200μlの氷冷溶解緩衝液を使用する。細胞は4℃で10分間インキュベートし、溶解物は、ウェルから上清を取り出すこと、および4℃における10,000rpm、10分間の遠心分離によって得る。50μlのアッセイ緩衝液(Calbiochem)を各ウェルに加え、40μlの溶解物を加え、混合する。ウェルあたり10μlのカスパーゼ-3基質を加え、吸収をマイクロタイタープレートリーダーで405nMで読み取る(図14)。
Smadリン酸化
Smadのリン酸化および核移行は、I型およびII型受容体の活性化、引き続く細胞内Smad標的へのシグナル伝達後に起こる。HK-2、血管内皮、ヒト前立腺、または他の細胞におけるTDFRP化合物によるR-Smadのリン酸化および核移行は、免疫蛍光顕微鏡法によって、H Aoki, M Fujii, T Imamura, K Yagi, K Takehara, M Kato and K Miyazono. J. of Cell Sci. 114, 1483-1489, 2001)の手法に従って抗ホスホSmad1/5抗体を使用して、およびウェスタンブロット分析によってアッセイする(図2、3、18、2X)。
例えば、HK-2ヒト近位尿細管細胞は、37℃で1時間10分間、培養培地単独の中でインキュベートし、またはTDFRPもしくは対照化合物に曝露する。BMP-7は、このアッセイにおいて正の対照として働く。各ウェルは1 mLのあらかじめ温めた培地中ですすぐ。ウェルあたり1 mLの冷アセトン/メタノール混液(1:1)を加え、室温で2分間インキュベートして細胞を固定する。ウェルは1 mLの冷PBSで洗浄し、1mLブロッキング緩衝液(PBS中3% BSA、1% ヤギ血清)で7分間ブロックする。ウェルを、細胞をかき乱すことなく吸引し、500μL/ウェルの一次抗体を、PBS中3% BSA(ヤギ血清なし)中の0.056μg/mL濃度で加える(抗ホスホ-Smad1)。細胞を4℃で一晩インキュベートする。FITC標識二次抗体を、PBS中の1.5%ヤギ血清中で1:10希釈し、500μL/ウェルの二次抗体を加え、暗所にて40分間、室温にてインキュベートする。各回1 mLのPBSを用いてウェルを2回洗浄し、細胞は蛍光顕微鏡を用いて観察する。
例えば、培養培地中のLNCaP(前立腺癌細胞)またはEC(血管内皮細胞)におけるSmadリン酸化のウェスタンブロッティング分析による検出は、種々の濃度のTDFRPまたは対照化合物への曝露後に試験することができる。BMP-7は、正の対照として働く。細胞は、1 mM PMSF、1mM オルトバナジウム酸ナトリウム、および10μg/mL プロテイナーゼ阻害剤カクテルを含むRIPA溶解緩衝液(50 mM Tris-HCl、pH 8.0, 150 mM NaCl、1% NP-40、0.5% デオキシコール酸ナトリウム、0.1% SDS)中で溶解させる。溶解物は氷上で15分間インキュベートし、遠心分離し、および清澄なチューブに上清を移す。SDS-PAGEによる分析のために50〜100μgを使用する。分離したタンパク質はPVDFメンブレン上に電気的に転写する。ブロットは、PBS中で調製した3%脱脂粉乳中で、定常的にゆっくりと攪拌しながら室温にて1時間インキュベートすることによってブロックする。ブロットは、PBS-ミルク中で調製した1〜2μg/mLの一次抗体(ウサギ抗ホスホ-Smad 1)とともに、攪拌しながら4℃で一晩インキュベートし、PBSで2回洗浄し、および二次抗体(抗ウサギHRP結合体化IgG、1:3000希釈)とともに、攪拌しながら室温で2時間インキュベートする。PBS-0.05% Tween 20中での5分間の洗浄およびすすぎ後、Smadリン酸化は、製造業者の指示に従うHRP反応を介して検出する(図2、3、18、2X)。
腫瘍抑制を評価するためのインビトロアッセイ
前立腺癌は、男性において最も一般的な癌の1つである。いくつかの一連の証拠は、骨形態形成タンパク質(BMP)がアンドロゲン感受性(LNCaP)およびアンドロゲン非感受性(PC-3、DU-145)ヒト前立腺癌細胞の増殖を阻害することを示唆してきた。さらに、BMPシグナルが、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(CDKI)p21(CIPl/WAFl)をアップレギュレートすること、およびCdk2の活性を減少することによって、ヒト前立腺腫瘍細胞の成長および増殖を阻害し、Rbタンパク質の低リン酸化に導くことが示されてきた。TDFRP化合物は、化合物の成長阻害活性を評価するために、インビトロ前立腺癌および膀胱癌バイオアッセイにおいてスクリーニングされてきた(図3)。3H-チミジン取り込みは、ヒトの前立腺癌および膀胱癌の細胞株における細胞増殖活性のためのマーカーとして使用される。シスプラチンは、3H-チミジン取り込みを阻害し、このことは、ヒトの前立腺癌と膀胱癌の両方の細胞におけるシスプラチンの腫瘍増殖抑制活性を示す。TDFRP化合物を、用量依存性様式で受容体調節性のSmad 1/5リン酸化を誘導する能力について、これらの癌細胞においてアッセイする(図)。
損傷を受けた骨組織、肝臓組織、腎臓組織、または神経組織、セメント質および/もしくは歯周靭帯を含む歯周組織、胃腸および腎臓組織、ならびに免疫細胞媒介性損傷組織を修復または再生させるための適用において、化合物または類似体、例えば、TDFRP化合物の効力を試験するための特異的インビボアッセイ法は、公的に使用可能な文書において開示されており、これには例えば、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる、EP 0575,555; WO93/04692; WO93/05751; WO/06399; WO94/03200; WO94/06449;およびWO94/06420、ならびに表2および表3において要約される参考文献が含まれる。
TDFおよびTDFRP化合物についてのインビボ機能的アッセイ
急性腎損傷のラットシスプラチンモデル
ラットシスプラチンモデルは広範に研究されており、ヒト急性腎損傷のための関連モデルと見なされている。シスプラチン処理動物からの腎臓は、細胞増殖の証拠をほとんど示さない。対照的に、シスプラチン処理の腎毒性効果から防御されているか、またはそこから回復可能である動物は、抗増殖性細胞核抗原またはPCNA抗体によって検出されるような増殖を示す。このモデルは、炎症性サイトカイン媒介性損傷から腎臓を保護可能である因子、ならびに器官損傷を修復する際の因子を同定するためのメカニズムを提供する。マクロファージは、シスプラチンで処理された動物の腎臓に浸潤し、腎症のこの初期のマーカーは、抗CD-68抗体を使用して検出することができる。腎臓におけるマクロファージの数を減少し、シスプラチン処理と関連する炎症性細胞媒介損傷を予防する因子は、免疫組織学的分析を使用して検出することができる。平滑筋細胞(SMC)中でα-アクチンの発現の増加を示す因子で処理した腎切片は、SMCの完全性(inintegrity)を保護すること、および腎臓に対する傷害性の損傷を軽減することを示す。
雄性Sprague-Dawleyラット(〜250 gm)は、急性腎不全を誘導するために、時間0で5 mg/kgシスプラチン(水中1 mg/ml)でip注射する。このモデルにおいて、臨床的徴候(血清クレアチニンの上昇)は4〜5日でピークとなる。試験化合物および対照物質は、0.5 mlスローボーラス注射として尾静脈を介してiv投与した。陰性対照物質は媒体(PBS pH 7.2+5%マンニトール)であったのに対して、正の対照治療は、組換えヒト成熟BMP-7(BMP-7またはTDF-1)であった。評価項目は血清オルニチンおよびBUNレベルおよび組織学である。
慢性腎損傷の片側尿管閉塞モデル
片側尿管閉塞モデル(UUO)は、ヒト閉塞性腎症を模倣するモデルであり、これは、間質性線維症の誘導性慢性モデルを表す。UUOは一方の尿管の結紮によって誘導され、反対の片側腎が対照として働くためにそのままにする。この手法の結果として、マウスは、高血圧、タンパク尿、脂質調節不全を伴うことなく、および疾患状態の一因となる糸球体損傷をほとんど伴わずに、腎尿細管間質性炎症、尿細管間質性線維症、および尿細管萎縮を発症する(Ito et al (2004) J Urol. Feb; 171(2 Pt 1): 926-30.; Bhangdia et al. (2003) J Urol. Nov; 170(5): 2057-62.; Rawashdeh et al. (2003) Invest Radiol. 2003 Mar; 38(3): 153-8.; Hruska et al (2000) Am J Physiol Renal Physiol. 2000 Jul; 79(1): F130-43.)。さらに、腎線維症は、TGF-βの発現の増加および腎機能の進行の喪失とともに、上皮細胞および線維芽細胞の筋線維芽細胞(myofibroerblasts)への変化と関連する。
慢性腎損傷の腎毒性血清(Serm)腎炎(NTN)モデル
腎線維症は、間質性線維症、尿細管萎縮、および糸球体硬化症を含む。マウス腎毒性血清腎炎(NTN)腎線維症モデルは、ヒト慢性腎損傷を模倣する。NTNマウスは、腎毒性血清(NTS)の注射後に糸球体腎炎を発症し、これは、尿細管間質性疾患、最終的には、6週間後に腎線維症に進行する(Lloyd, et al. (1997) J. Exp. Med. 185, 1371-1380.; Zeisberg et al. (2003) Nat. Med. 9, 964-968.を参照されたい)。
IV. TDFRPトランスジェニック動物
さらに別の態様において、トランスジェニック動物、例えば、TDFRP化合物をコードする核酸を有する対象が提供される。本発明の宿主細胞はまた、非ヒトトランスジェニック動物を産生するために使用することができる。例えば、1つの態様において、本発明の宿主細胞は、TDFRPポリペプチドコード配列が導入された受精卵母細胞または胚性幹細胞である。次いで、このような宿主細胞は、外因性TDFRP配列がそれらのゲノムに導入された非ヒトトランスジェニック動物、または内因性TDFRP配列が変化された相同組換え動物を作製するために使用することができる。このような動物は、TDFRPポリペプチドの機能および/または活性を研究するために、ならびにTDFRPポリペプチド活性のモジュレーターを同定および/または評価するために有用である。
本発明のトランスジェニック動物は、受精卵母細胞の雄性前核にTDFRPをコードする核酸を導入すること(例えば、マイクロインジェクション、レトロウイルス感染によって)、および偽妊娠雌性里親動物中で卵母細胞を成長させることによって、作製することができる。TDFRP cDNA配列は、導入遺伝子として非ヒト動物のゲノムに導入することができる。イントロン配列およびポリアデニル化シグナルもまた、導入遺伝子の発現の効率を増加させるために、導入遺伝子に含めることができる。組織特異的調節配列は、特定の細胞にTDFRPポリペプチドの発現を方向付けるために、TDFRP導入遺伝子に作動可能に連結することができる。胚操作およびマイクロインジェクションを介するトランスジェニック動物、特に、マウスなどの動物を生成するための方法は、例えば、米国特許第4,736,866号;同4,870,009号;および同4,873,191号; ならびにHogan, 1986. In: MANIPULATING THE MOUSE EMBRYO, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N. Y.に記載されている。同様の方法は、他のトランスジェニック動物の産生のために使用される。トランスジェニック創始動物は、そのゲノム中のTDFRP導入遺伝子の存在、および/またはその動物中の組織もしくは細胞中のTDFRP mRNAの発現に基づいて同定することができる。次いで、トランスジェニック創始動物は、導入遺伝子を有するさらなる動物を繁殖させるために使用することができる。さらに、TDFRPポリペプチドをコードする導入遺伝子を有するトランスジェニック動物は、他の導入遺伝子を有する他のトランスジェニック動物までさらに繁殖させることができる。
相同組換えベクター中で、TDFRP遺伝子は、その5'および3'末端でさらなる核酸に隣接され、ベクターによって運ばれる外因性TDFRP遺伝子と、胚性幹細胞中の内因性遺伝子との間で相同組換えが起こることを可能にしている。さらなる隣接する核酸は、内因性遺伝子との首尾よい相同組換えのために十分な長さである。典型的には、数キロベースの隣接DNA(5'末端と3'末端の両方)がベクターに含まれる。相同組換えベクターの説明については、例えば、Thomas, et al., 1987. Cell 51 : 503を参照されたい。次いで、このベクターは、胚性幹細胞に導入され(例えば、エレクトロポレーションによって)、導入されたTDFRP遺伝子が内因性遺伝子と相同組換えされた細胞が選択される。例えば、Li, et al., 1992. Cell 69: 915を参照されたい。
次いで、選択された細胞は、動物(例えば、マウス)の胚盤胞に注入されて、凝集キメラを形成する。例えば、Bradley, 1987. In: TERATOCARCINOMAS AND EMBRYONIC STEM CELLS: A PRACTICAL APPROACH, Robertson, ed. IRL, Oxford, pp. 113-152を参照されたい。次いで、キメラ胚は、適切な偽妊娠雌性里親動物に移植し、および胚を出産に至らせることができる。それらの生殖細胞に相同組み替えされたDNAを有する子孫は、動物のすべての細胞が、導入遺伝子の生殖細胞伝達によって、相同組換えされたDNAを含む動物を繁殖させるために使用することができる。相同組換えベクターおよび相同組換え動物を構築するための方法は、Bradley, 1991. Curr. Opin. Biotechnol. 2: 823-829; PCT国際公報Nos.: WO 90/11354; WO 91/01140; WO 92/0968;および WO 93/04169においてさらに記載されている。
別の態様において、TRFRP導入遺伝子の発現の調節を可能にする選択された系を含むトランスジェニック非ヒト動物を産生することができる。このような系の1つの例は、バクテリオファージP1のcre/loxPリコンビナーゼ系である。cre/loxPリコンビナーゼ系の説明については、例えば、Lakso, et al., 1992. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 6232-6236を参照されたい。リコンビナーゼ系の別の例は、ビール酵母菌(Saccharomyces cerevisiae)のFLPリコンビナーゼ系である。O'Gorman, et al., 1991. Science 251:1351-4255を参照されたい。cre/loxPリコンビナーゼ系が導入遺伝子の発現を調節するために使用される場合、Creリコンビナーゼと選択されたポリペプチドの両方をコードする導入遺伝子を含む動物が必要とされる。このような動物は、例えば、一方が選択されたポリペプチドをコードする導入遺伝子を含み、他方がリコンビナーゼをコードする導入遺伝子を含む2匹のトランスジェニック動物を交配させることによる、「二重」トランスジェニック動物の構築を通して提供することができる。
本明細書に記載される非ヒトトランスジェニック動物のクローンはまた、Wilmut, et al., 1997. Nature 385: 810-813において記載される方法に従って産生することができる。手短に述べると、トランスジェニック動物からの細胞(例えば、体細胞)が単離され、ならびに成長周期から出て、およびG0期に入るように誘導することができる。次いで、静止細胞は、例えば、電気パルスの使用を通して静止細胞がそこから単離されるのと同じ種の動物からの除核卵母細胞に融合させることができる。次いで、再構築された卵母細胞は、それが桑実胚または胚盤葉に発達するように培養され、次いで、偽妊娠雌性里親動物に移される。この雌性里親動物の生まれた子孫は、細胞(例えば、体細胞)がそこから単離される動物のクローンである。
V. 薬学的組成物
本発明のTDFRPコード核酸分子、TDFRP化合物、および抗TDFRP化合物抗体(本明細書では「活性化合物」とも呼ばれる)、ならびにその誘導体、断片、類似体および相同体は、投与のために適切な薬学的組成物に組み込むことができる。このような組成物は、典型的には、薬学的に許容される担体を伴って、または伴わずに、核酸分子、ポリペプチド、または抗体を含む。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」は、薬学的投与と適合可能である、任意のおよびすべての溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌性および抗真菌性化合物、等張性および吸収遅延性化合物などを含むことが意図される。適切な担体は、当技術分野における標準的な参考書であるRemington's Pharmaceutical Sciencesの最新版に記載されており、これは参照により本明細書に組み入れられる。このような担体または希釈剤の好ましい例には、水、生理食塩水、リンガー液、デキストロース溶液、および5%ヒト血清アルブミンが含まれるがこれらに限定されない。リポソームおよび固定油などの非水性賦形剤もまた使用されてもよい。薬学的に活性な物質のためのこのような媒体および化合物の使用は、当技術分野において周知である。任意の従来的な媒体または化合物が活性化合物と適合可能ではない場合を除いて、組成物中でのその使用が意図される。補助的な活性化合物もまた、組成物に取り込むことができる。
本発明の薬学的組成物は、その意図される投与の経路と適合可能であるように製剤化される。投与の経路には、非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入)、経皮(すなわち、局所的)、経粘膜、および直腸の投与が含まれる。非経口、皮内、または皮下での適用のために使用される溶液または懸濁液は以下の成分を含むことができる:滅菌希釈液、例えば、注射用の水、生理食塩水溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒;抗菌化合物、例えば、ベンジルアルコールまたはメチルパラベン;抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウム;キレート化合物、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA);緩衝剤、例えば、酢酸、クエン酸、またはリン酸、および等張性の調節のための化合物、例えば、塩化ナトリウムまたはデキストロース。pHは、酸または塩基、例えば、塩酸または水酸化ナトリウムを用いて調整することができる。非経口調製物は、アンプル、使い捨てシリンジまたはガラスもしくはプラスチック製の複数用量バイアル中に封入することができる。
注射可能な使用のために適切な薬学的組成物には、滅菌注射可能溶液または分散液の即席調製のための滅菌水溶液(水溶性である場合)または分散液および滅菌粉末が含まれる。静脈内投与のために、適切な担体には、静菌水、Cremophor EL(商標)(BASF, Parsippany, N.J.)またはリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)が含まれる。すべての場合において、組成物は、滅菌でなくてはならず、および容易な注射能力が存在する程度まで流動性であるべきである。これは、製造および貯蔵の条件下で安定でなくてはならず、および細菌および真菌などの微生物の作用が夾雑することに対して保存されなくてはならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、およびこれらの適切な混合物を含む、溶媒または分散媒体であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散の場合においては必要とされる特定のサイズの維持によって、および界面活性剤の使用によって維持することができる。微生物の作用の防御は、種々の抗菌性化合物および抗真菌性化合物、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって達成することができる。多くの場合において、等張性化合物、例えば、糖、マンニトールなどの多価アルコール、塩化ナトリウムを組成物中に含むことが好ましい。注射可能組成物の吸収の延長は、吸収を遅延させる化合物、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを組成物中に含めることによってもたらすことができる。
無菌注射可能溶液は、上記に列挙された成分の1つまたは組み合わせとともに、適切な溶媒中に必要とされる量で活性化合物(例えば、TDFRP化合物または抗TDFRP化合物抗体)を取り込むこと、続いて濾過滅菌によって調製することができる。一般的に、分散液は、基本分散媒体および上記に列挙されるものからの必要とされる他の成分を含む無菌賦形剤に有効成分を取り込むことによって調製される。滅菌注射溶液の調製のための滅菌粉末の場合において、調製の方法は、以前に濾過滅菌したその溶液から、活性成分および任意の付加的な所望の成分の粉末を産生する、真空乾燥および凍結乾燥である。
経口組成物は、一般的に、不活性希釈剤または可食性担体を含む。これらは、ゼラチンカプセル中に封入することができ、または錠剤に圧縮することができる。経口治療的投与の目的のために、活性化合物は、添加剤とともに組み込むことができ、錠剤、トローチ、またはカプセルの形態で使用することができる。経口組成物はまた、マウスウォッシュとしての使用のために液体担体を使用して調製することができ、ここで、液体担体中の化合物は、経口的に適用され、および口内をすすぎ(swished)および喀痰しまたは飲み込む。薬学的に適合可能な結合化合物、および/またはアジュバント物質は、組成物の一部として含めることができる。錠剤、丸薬、カプセル、トローチなどは、以下の成分、または類似の性質の化合物のいずれかを含むことができる:結合剤、例えば、微結晶セルロース、トラガカントガムもしくはゼラチン;添加剤、例えば、デンプンもしくはラクトース、崩壊化合物、例えば、アルギン酸、Primogel、もしくはコーンスターチ;滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムもしくはSterotes;流動促進剤、例えば、コロイド状二酸化ケイ素;甘味料化合物、例えば、スクロースもしくはサッカリン;または香料化合物、例えば、ペパーミント、サリチル酸メチル、またはオレンジ香料。
吸入による投与のために、本発明の化合物は、適切な噴霧剤、例えば、二酸化炭素などのガス、または噴霧器を備える、加圧容器または分注器からのエアロゾルスプレーの形態で送達される。
全身性投与はまた、経粘膜手段または経皮手段によってであり得る。経粘膜投与または経皮投与のために、浸透させるために障壁に対して適切な浸透剤が製剤中で使用される。このような浸透剤は、当技術分野において一般的に公知であり、および例えば、経粘膜投与のためには、界面活性剤、胆汁塩、およびフシジン酸誘導体を含む。経粘膜投与は、鼻スプレーまたは坐剤の使用を通して達成することができる。経皮投与のためには、活性化合物は、当技術分野において一般的に公知である、外用薬(ointment)、軟膏(salve)、ゲル、またはクリームに製剤化される。
これらの化合物はまた、直腸送達のための坐剤(例えば、ココアバターおよび他のグリセリドなどの従来的な坐剤基剤を用いる)または貯留浣腸剤の形態である薬学的組成物として調製することができる。これらの化合物は、エクスビボ外植片または移植片の移植前処置または治療における使用のために調製することができる。
1つの態様において、活性化合物は、移植片およびマイクロカプセル化送達系を含む制御放出製剤などの、化合物を身体からの迅速な除去から保護する担体を用いて調製される。生物分解性の、生体適合性ポリマー、例えば、エチレンビニルアセテート、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸を使用することができる。このような製剤の調製のための方法は、当業者には明らかである。これらの材料はまた、Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals, Inc.から商業的に入手することができる。リポソーム懸濁物(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体で感染された細胞に標的化されるリポソームを含む)もまた、薬学的に許容される担体として使用することができる。これらは、例えば、米国特許第4,522,811号に記載されるような、当業者に公知である方法に従って調製することができる。
投与の容易さおよび投薬の均一性のために剤形単位で経口または非経口組成物を製剤化することがとりわけ有利である。剤形単位とは、本明細書で使用される場合、治療される対象のための単位投薬量として適応させた物理的に個別の単位をいい、各単位が、必要とされる薬学的担体と関連する所望の治療的効果を生じるために計算される活性化合物の所定の量を含む。本発明の剤形単位についての仕様は、活性化合物の独特の特性および達成される特定の治療的効果、ならびにこのような活性化合物を個体の治療のために調合することの当技術分野における制限によって決定付けられ、かつこれらに直接的に依存する。
本発明の核酸分子は、ベクターに挿入し、遺伝子治療ベクターとして使用することができる。遺伝子治療ベクターは、例えば、静脈内注射、局所投与によって(例えば、米国特許第5,328,470号を参照されたい)、または定位注射によって(例えば、Chen, et al., 1994. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 3054-3057を参照されたい)対象に送達することができる。遺伝子治療ベクターの薬学的調製物は、許容される希釈剤中に遺伝子治療ベクターを含むことができ、または遺伝子送達媒体が包埋されている徐放性マトリックスを含むことができる。または、完全な遺伝子送達ベクター、例えば、レトロウイルスベクターが組換え細胞から無傷で産生することができる場合、薬学的調製物は、遺伝子送達系を産生する1つまたは複数の細胞を含むことができる。この薬学的組成物は、投与のための説明書と一緒に、容器、包み、または分配器中に含めることができる。
VI. スクリーニング方法および検出方法
本発明の化合物は、TDFRP化合物を発現するために(例えば、遺伝子治療適用における宿主細胞中の組換え発現ベクターを介して)、TDFRP mRNA(例えば、生物学的試料中)またはTDFRP遺伝子の遺伝子の遺伝的損傷を検出するために、および以下にさらに記載されるようなTDFRP化合物活性を調節するために使用することができる。加えて、TDFRPポリペプチドは、TDFポリペプチドまたはTDFRP化合物の活性または発現を調節する薬物または化合物をスクリーニングするために、ならびに不十分であるかもしくは過度のTDFポリペプチドの産生、またはTDF野生型ポリペプチドと比較して、減少したかもしくは異常な活性を有するTDFポリペプチド型の産生によって特徴付けられる障害を治療するために使用することができる。加えて、本発明の抗TDFRP化合物は、TDFまたはTDFRP化合物を検出および単離するために、ならびにそれらの活性を調節するために使用することができる。従って、本発明は、本明細書に記載されるスクリーニングアッセイ法によって同定される新規な化合物、および前記に記載されるような治療のためのその使用をさらに含む。
VII. スクリーニングアッセイ法
本発明は、モジュレーター、すなわち、候補化合物もしくは試験化合物、あるいはTDFRP化合物もしくはTDFポリペプチドに結合するか、または例えば、TDFRP化合物もしくはTDFポリペプチドの発現もしくは活性(本明細書では「スクリーニングアッセイ法」ともいう)に対して刺激的効果もしくは阻害効果を有する化合物(例えば、ペプチド、ペプチド模倣体、低分子または他の薬物)を同定するための方法を提供する。本発明はまた、本明細書に記載されるスクリーニングアッセイ法において同定される化合物を含む。
1つの態様において、本発明は、TDFRP化合物またはTDFポリペプチド、またはその生物学的に活性な部分に結合するか、またはその活性を調節する、候補化合物または試験化合物をスクリーニングするためのアッセイ法を含む。本発明の化合物は、当技術分野において公知である、コンビナトリアルライブラリー法における多数のアプローチのいずれかを使用して入手することができ、これらのアプローチには以下が含まれる:生物学的ライブラリー;空間的にアドレス指定可能な並行固相または液相ライブラリー;逆重畳積分を必要とする合成ライブラリー法;「1ビーズ1化合物」ライブラリー法;および親和クロマトグラフィー選択を使用する合成ライブラリー法。生物学的ライブラリーアプローチはペプチドライブラリーに限定されているが、他の4つのアプローチは、ペプチド、非ペプチド性オリゴマーまたは低分子化合物のライブラリーに適用可能である。例えば、Lam, 1997. Anticancer Drug Design 12: 145を参照されたい。
化学的および/または生物学的な混合物のライブラリー、例えば、真菌、細菌、または藻類の抽出物は当技術分野において公知であり、記載されているアッセイ法ならびに当業者に公知であるアッセイ法のいずれかを用いてスクリーニングすることができる。分子ライブラリーの合成のための方法の例は、科学文献中、例えば、DeWitt, et al., 1993. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 90: 6909; Erb, et al., 1994. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 91: 11422; Zuckermann, et al., 1994. J. Med. Chem. 37: 2678; Cho, et al., 1993. Science 261: 1303; Carrell et al., 1994. Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 33: 2059; Carell, et al., 1994. Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 33: 2061;およびGallop, et al., 1994. J. Med. Chem. 37: 1233において見い出すことができる。
化合物のライブラリーは、溶液中(例えば、Houghten, 1992. Biotechniques 13: 412-421)、またはビーズ上(Lam, 1991. Nature 354: 82-84)、チップ上(Fodor, 1993. Nature 364: 555-556)、細菌(Ladner, 米国特許第5,223,409号)、胞子(Ladner, 米国特許第5,233,409号)、プラスミド(Cull, et al., 1992. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 1865-1869)またはファージ上(Scott and Smith, 1990. Science 249: 386-390; Devlin, 1990. Science 249: 404-406; Cwirla, et al., 1990. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 87: 6378-6382; Felici, 1991. J. MoI. Biol. 222: 301-310; Ladner, 米国特許第5,233,409号)で提示することができる。
化合物がTDFRPポリペプチドの活性を調節する能力を決定することは、例えば、TDFRP化合物がTDFRP化合物標的分子に結合し、またはそれと相互作用する能力を決定することによって達成することができる。標的分子は、TDFRP化合物が結合するか、またはそれと相互作用する分子であり、例えば、TDFRPと相互作用するポリペプチドを発現する細胞の表面上の分子、第2の細胞の表面上の分子、細胞外環境中の分子、細胞膜の内部表面と結合した分子または細胞質分子である。TDFRP化合物標的分子は、非TDFRP化合物分子またはTDFRPポリペプチドまたは本発明のポリペプチドであり得る。1つの態様において、TDFRP化合物標的分子は、細胞膜を通して、および細胞に細胞外シグナル(例えば、膜結合TDF受容体分子への化合物の結合によって生成されるシグナル)の伝達を容易にするシグナル伝達経路の成分である。標的は、例えば、TDF受容体ポリペプチドとの下流のシグナル伝達分子の結合を容易にする触媒活性またはポリペプチドを有する、第2の細胞内ポリペプチドであり得る。本発明の化合物は、記載されるアッセイ法によって測定される、このような相互作用および得られる生物学的応答を作動するかまたはそれに拮抗するかのいずれかである。
TDFRP化合物がTDFRP化合物標的分子に結合するか、またはそれと相互作用する能力を決定することは、直接的結合を決定するための上記の方法の1つによって達成することができる。1つの態様において、TDFRP化合物がTDFRP化合物標的分子に結合するか、またはそれと相互作用する能力を決定することは、標的分子の活性を決定することによって達成することができる。例えば、標的分子の活性は、標的の細胞第2メッセンジャー(すなわち、細胞内Ca2+、ジアシルグリセロール、IP3など)の誘導を検出すること、標的および適切な基質の触媒/酵素活性を検出すること、レポーター遺伝子(検出可能なマーカー、例えば、ルシフェラーゼをコードする核酸に作動可能に連結されたTDFRP応答性調節エレメントを含む)の誘導を検出すること、または細胞応答、例えば、細胞生存、細胞分化、もしくは細胞増殖を検出することによって決定することができる。
なお別の態様において、本発明のアッセイ法は、TDFRP化合物またはその生物学的に活性な部分を試験化合物と接触させる工程、および試験化合物がTDFRP化合物またはその生物学的に活性な部分に結合する能力を決定する工程を含む、無細胞アッセイ法である。TDFRP化合物への試験化合物の結合は、上記のように、直接的または間接的のいずれかで決定することができる。1つのこのような態様において、アッセイ法は、TDFRPを結合する既知の化合物と、TDFRP化合物またはその生物学的に活性な部分を接触させてアッセイ混合物を形成する工程、このアッセイ混合物を試験化合物と接触させる工程、および試験化合物がTDFRP化合物と相互作用する能力を決定する工程を含み、ここで、この試験化合物がTDFRP化合物と相互作用する能力を決定する工程は、既知の化合物と比較した場合に、試験化合物が、TDFRPまたはその生物学的に活性な部分に優先的に結合する能力を決定することを含む。
さらに別の態様において、アッセイ法は、TDFRP化合物またはその生物学的に活性な部分を試験化合物と接触させる工程、および試験化合物が、TDFRP化合物またはその生物学的に活性な部分の活性を調節する(例えば、刺激するかまたは阻害する)能力を決定する工程を含む無細胞アッセイ法である。試験化合物がTDFRPの活性を調節する能力を決定する工程は、例えば、TDFRP化合物が、直接的結合を決定するための上記の方法の1つによってTDFRP化合物標的分子に結合する能力を決定することによって達成することができる。代替の態様において、試験化合物がTDFRPの活性を調節する能力を決定する工程は、TDFRP化合物が、TDFRP化合物標的分子をさらに調節する能力を決定することによって達成することができる。例えば、適切な基質に対する標的分子の触媒/酵素活性は、前記に記載されるように決定することができる。
なお別の態様において、無細胞アッセイ法は、TDFRPを結合する既知の化合物と、TDFRP化合物またはその生物学的に活性な部分を接触させてアッセイ混合物を形成する工程、このアッセイ混合物を試験化合物と接触させる工程、および試験化合物がTDFRP化合物と相互作用する能力を決定する工程を含み、ここで、この試験化合物がTDFRP化合物と相互作用する能力を決定する工程は、TDFRP化合物が、TDFRP化合物標的分子に優先的に結合するか、またはその活性を調節する能力を決定することを含む。
本発明の上記のアッセイ方法の複数の態様において、ポリペプチドの一方または両方の複合体化されていない型からの複合体化された型の分離を容易にするために、ならびにアッセイ法の自動化に適合させるために、TDFRP化合物またはその標的分子のいずれかを固定化することが所望され得る。候補化合物の存在下または非存在下における、TDFRP化合物への試験化合物の結合、または標的分子とのTDFRP化合物の相互作用は、反応物を含むために適切な任意の容器中で達成することができる。このような容器の例には、マイクロタイタープレート、試験管、および微量遠心管が含まれる。1つの態様において、一方または両方のポリペプチドがマトリックスに結合されることを可能にするドメインを付加する融合ポリペプチドを提供することができる。例えば、GST-TDFRP融合ポリペプチドまたはGST-標的融合ポリペプチドは、グルタチオンセファロースビーズ(Sigma Chemical, St. Louis, Mo.)またはグルタチオン誘導体化マイクロタイタープレート上に吸着させることができ、次いでこれらは、試験化合物、または試験化合物および非吸着標的ポリペプチドもしくはTDFRP化合物のいずれかと合わせられ、この混合物は、複合体形成に誘導する条件下で(例えば、塩およびpHについて、生理学的条件で)インキュベートされる。インキュベーション後、ビーズまたはマイクロタイタープレートは、任意の未結合成分、ビーズの場合には固定化されたマトリックスを除去するために洗浄され、複合体が、例えば、前記に記載されるように、直接的または間接的のいずれかで決定される。または、複合体は、マトリックスから解離することができ、TDFRP化合物の結合または活性のレベルが、標準的な技術を使用して決定される。
マトリックス上にポリペプチドを固定化するための他の技術もまた、本発明のスクリーニングアッセイ法において使用することができる。例えば、TDFRP化合物またはその標的分子は、ビオチンおよびストレプトアビジンの結合体化を利用して固定化することができる。ビオチン化されたTDFRP化合物または標的分子は、当技術分野において周知である技術(例えば、ビオチン化キット、Pierce Chemicals, Rockford, III)を使用して、ビオチン-NHS(N-ヒドロキシ-スクシンイミド)から調製することができ、およびストレプトアビジンコートした96ウェルプレート(Pierce Chemical)のウェル中で固定化することができる。または、TDFRP化合物または標的分子を反応性であるが、TDFRP化合物のその標的分子への結合に干渉しない抗体が、プレートのウェルに誘導体化することができ、および未結合標的またはTDFRP化合物が、抗体結合体化によってウェルにトラップされる。GST固定化複合体について上記のものに加えて、このような複合体を検出するための方法には、TDFRP化合物と反応性である抗体を使用する複合体の免疫検出、ならびにTDFRP化合物または標的分子と関連する酵素活性を検出することに依存する酵素結合アッセイ法が含まれる。
別の態様において、TDFRP化合物発現のモジュレーターは、細胞が候補化合物と接触され、細胞におけるTDFRP mRNAおよびポリペプチドの発現が決定される方法において同定される。候補化合物の存在下でのTDFRP mRNAまたはポリペプチドの発現のレベルは、候補化合物の非存在下でのTDFRP mRNAまたはポリペプチドの発現のレベルと比較される。次いで、候補化合物は、この比較に基づいて、TDFRP mRNAまたはポリペプチドの発現のモジュレーターとして同定することができる。例えば、TDFRP mRNAまたはポリペプチドの発現が、候補化合物の非存在下でよりも候補化合物の存在下でより大きい(すなわち、統計学的により大きい)場合、候補化合物が、TDFRP mRNAまたはポリペプチド発現の刺激因子として同定される。または、TDFRP mRNAまたはポリペプチドの発現が、候補化合物の非存在下でよりも候補化合物の存在下でより少ない(統計学的に有意に少ない)場合、候補化合物が、TDFRP mRNAまたはポリペプチド発現の阻害剤として同定される。細胞中でのTDFRP mRNAまたはポリペプチドの発現のレベルは、TDFRP mRNAまたはポリペプチドを検出するための本明細書に記載される方法によって決定することができる。
本発明のなお別の局面において、TDFRP化合物は、TDFRP(「TDFERP結合分子」または「TDFRP-bp」)に結合するかまたはこれと相互作用し、およびTDFRP活性を調節する他の分子、例えば、ポリペプチドを同定するために、ツーハイブリッドアッセイ法またはスリーハイブリッドアッセイ法における「餌ポリペプチド」として使用することができる(例えば、米国特許第5,283,317号; Zervos, et al., 1993. Cell 72: 223-232; Madura, et al., 1993. J. Biol. Chem. 268: 12046-12054; Bartel, et al., 1993. Biotechniques 14: 920-924; Iwabuchi, et al., 1993. Oncogene 8: 1693-1696;およびBrent WO 94/10300を参照されたい)。このようなTDFRP結合分子はまた、例えば、TDF経路の上流または下流のエレメントとして、TDFRP化合物によるシグナルの伝播に関与するようである。
ツーハイブリッド系は、分離可能なDNA結合ドメインおよび活性化ドメインからなる、大部分の転写因子のモジュラー性質に基づく。手短に述べると、アッセイ法は、2つの異なるDNA構築物を使用する。1つの構築物において、TDFRP化合物をコードする遺伝子が、既知の転写因子(例えば、GAL-4)のDNA結合ドメインをコードする遺伝子に融合されている。他方の構築物において、未同定のポリペプチド(「餌0」または「試料」)をコードするDNA配列のライブラリー由来のDNA配列は、既知の転写因子の活性化ドメインをコードする遺伝子に融合されている。「おとり」および「餌」ポリペプチドはインビボで相互作用することが可能であり、TDFRP依存性複合体を形成し、転写因子のDNA結合ドメインおよび活性化ドメインは密接な近接に至らせる。この近接は、転写因子に応答性である転写制御部位に作動可能に連結されているレポーター遺伝子(例えば、LacZ)の転写を可能にする。レポーター遺伝子の発現を検出することができ、機能的な転写因子を含む細胞のコロニーを単離し、およびTDFRP化合物と相互作用するポリペプチドをコードするクローニングされた遺伝子を得るために使用することができる。
なお別の態様において、TDFRP化合物原子配位に関連する構造的情報を含む系は、生物物理学的技術、例えば、x線回折によって得ることができる。TDFRP化合物とある化合物との間の結合は、x線回折によって評価され、TDFRP化合物複合体、例えば、標的ポリペプチド/薬物複合体のx線結晶構造を決定することができる。または、ある化合物がTDFRP化合物と結合する後で観察されたケミカルシフトの変化を分析するために、NMRが使用されてもよい。このようなアプローチは、TDFRP化合物とのそれらの結合相互作用に基づいて化合物をスクリーニングするために使用されてもよい。
本発明はさらに、前述のスクリーニングアッセイ法によって同定されるTDFRP化合物、および本明細書に記載されるような治療のためのその使用に関する。
VIII. 検出アッセイ法
A. TDFRP発現の検出
生物学的試料中のTDFRP化合物の存在または非存在を検出するための例示的な方法は、試験対象からの生物学的試料を入手する工程、およびTDFRP化合物の存在が生物学的試料中で検出されるように、ある化合物、またはTDFRP化合物またはTDFRP化合物をコードする核酸(例えば、mRNA、ゲノムDNA)を検出することが可能である化合物と、生物学的試料を接触させる工程を含む。TDFRP mRNAまたはゲノムDNAを検出するための化合物は、TDFRP mRNAまたはゲノムDNAにハイブリダイズすることが可能である標識された核酸プローブである。この核酸プローブは、例えば、全長TDFRP核酸またはその部分、例えば、少なくとも5個、15個、30個、50個、100個、250個または500個のヌクレオチドの長さのオリゴヌクレオチドであることができ、およびストリンジェントな条件下でTDFRP mRNAまたはゲノムDNAに特異的にハイブリダイズするために十分であり得る。本発明の診断アッセイ法における使用のための他の適切なプローブは本明細書に記載される。
TDFRP化合物を検出するための化合物の例は、TDFRP化合物に結合することが可能である、SEQ ID NO:1〜347に対して惹起された抗体、好ましくは、検出可能な標識を有する抗体である。抗体は、ポリクローナル、またはより好ましくはモノクローナルであり得る。無傷の抗体またはその断片(例えば、FabまたはF(ab')2)を使用することができる。プローブまたは抗体に関する、「標識された」という用語は、プローブまたは抗体に対して検出可能な物質をカップリングすること(すなわち、物理的連結)によるプローブまたは抗体の直接的標識、ならびに直接的に標識される別の化合物をの反応性によるプローブまたは抗体の間接的な標識を包含することが意図される。間接的標識の例には、蛍光標識した二次抗体を使用する一次抗体の検出、および経口標識されたストレプトアビジンで検出することが可能であるような、ビオチンを有するDNAプローブの末端標識が含まれる。「生物学的試料」という用語は、対象から単離された組織、細胞および生物学的液体、ならびに対象中に存在する組織、細胞、および液体を含むことが意図される。すなわち、本発明の検出方法は、インビボと同様に、インビトロで生物学的試料中で、TDFRP mRNA、ポリペプチド、またはゲノムDNAを検出するために使用することができる。例えば、TDFRP mRNAの検出のためのインビトロ技術には、RT-PCR、ノーザンハイブリダイゼーションおよびインサイチューハイブリダイゼーションが含まれる。TDFRP化合物の検出のためのインビトロ技術には、酵素結合免疫吸着アッセイ法(ELISA)、ウェスタンブロット、免疫沈殿、および免疫蛍光が含まれる。TDFRPゲノムDNAの検出のためのインビボ技術には、サザンハイブリダイゼーションが含まれる。さらに、TDFRP化合物の検出のためのインビボ技術には、標識された抗TDFRP抗体を対象に導入する工程が含まれる。例えば、抗体は、対象における存在および位置が標準的な画像化技術によって検出することができる。1つの態様において、生物学的試料は、試験対象からのポリペプチド分子を含む。または、生物学的試料は、試験対象からのmRNA分子または試験対象からのゲノムDNA分子を含むことができる。好ましい生物学的試料は、従来的な手段によって対象から単離された末梢血白血球試料である。
別の態様において、本発明の方法は、対照対象から対照生物学的試料を入手する工程、TDFRP化合物、mRNAまたはゲノムDNAの存在が生物学的試料中で検出されように、ある化合物またはTDFRP化合物、mRNA、もしくはゲノムDNAを検出することが可能である化合物と対照試料を接触させる工程、および試験試料中のTDFRP化合物、mRNA、またはゲノムDNAの存在と、対照試料中のTDFRP化合物、mRNA、またはゲノムDNAの存在を比較する工程をさらに含む。
本発明はまた、生物学的試料におけるTDFRP化合物の存在を検出するためのキットを包含する。例えば、このキットには以下を含めることができる:標識された化合物または生物学的試料中のTDFRP化合物またはmRNAを検出することが可能な化合物;試料中のTDFRP化合物の量を検出するための手段;および試料中のTDFRP化合物の量を標準と比較するための手段。この化合物または化合物は、適切な容器中にパッケージすることができる。このキットにはさらに、TDFRP化合物または核酸を検出するためのキットを使用するための説明書を含めることができる。
B. 予測医学
本発明はまた、診断アッセイ法、予後アッセイ法、薬理ゲノミクス、および臨床試験のモニタリングが対象を予防的に治療するための予後(予測)目的のために使用される、予測医学の分野に関する。従って、本発明の1つの局面は、生物学的試料(例えば、血液、血清、細胞、組織)背景において、TDFRP化合物標的分子発現ならびにTDFRP化合物標的分子活性を決定し、それによって、個体が疾患もしくは障害に苦しんでいるか、または障害を発症するリスクがあるか、異常なTDFRP化合物標的分子の発現もしくは活性を関連するかを決定するための診断アッセイ法に関する。
本発明はまた、個体が、TDFRP化合物標的分子の発現または活性と関連する障害を発症するリスクがあるか否かを決定するための予後(または予測)アッセイ法を提供する。このようなアッセイ法は、予後的または予測的な目的のために使用することができ、それによって、TDFRP化合物標的ポリペプチドによって特徴付けられるか、またはそれと関連する障害の発症の前に、個体を予防的に治療する。さらに、本発明の方法はまた、本発明のTDFRP化合物がその多型体についてTDFRP化合物標的分子に対してより高い親和性を有する場合において(または逆もまた同様)、TDFRP化合物標的分子または標的ポリペプチドの多型体を個体が発現するか否かを評価するために使用することができる。
対象の特定の組織中(または血液中)の特定のポリペプチドのレベルは、対象に投与される場合の毒性、効力、クリアランスの速度、または所定の薬物の代謝の速度の指標である可能性がある。本明細書に開示される方法はまた、これらの薬物に対するこのような対象の応答を予測する際に補助するために、対象におけるこのようなポリペプチドのレベルを決定するために使用してもよい。本発明の別の局面は、個体におけるTDFRP化合物活性を決定し、それによって、その個体についての適切な治療用および予防用化合物を選択するための方法(本明細書では「薬理ゲノミクス」と呼ぶ)を提供する。薬理ゲノミクスは、個体の遺伝子型に基づいて、個体の治療的または予防的処置のための化合物(例えば、薬物)の選択を可能にする(例えば、個体の遺伝子型が試験され、個体が特定の化合物に応答する能力を決定する)。
C. 予後アッセイ法
TDFRP化合物標的分子、例えば、TDF受容体へのTDFRP化合物の結合は、TDFRP化合物標的分子の発現または活性(これらは上記に記載されている)と関連する障害を有するか、またはそれを発症するリスクがある対象を同定するために使用することができる。または、予後アッセイ法は、疾患または障害を有するか、またはそれを発症するリスクがある対象を同定するために使用することができる。従って、本発明は、試験試料が対象から得られ、TDFRP化合物の結合または活性が検出される、異常なTDFRP化合物標的の発現または活性と関連した疾患または障害を同定するための方法を提供し、ここで、TDFRP化合物の結合または活性の変化の存在が、異常なTDFRP化合物標的の発現または活性と関連した疾患または障害を有するか、またはそれを発症するリスクがある対象を診断する。本明細書で使用される場合、「試験試料」とは、関心対象の対象から得られた生物学的試料をいう。例えば、試験試料は、生物学的液体(例えば、血清)、細胞試料、または組織であり得る。
さらに、本明細書に記載される予後アッセイ法は、異常なTDFRP化合物標的の発現または活性と関連する、TDF関連の疾患または障害を治療するために、化合物(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、ペプチド模倣体、ポリペプチド、ペプチド、核酸、低分子、または他の薬物候補)を対象に投与することができるか否かを決定するために使用することができる。例えば、このような方法は、TDF関連障害のための化合物を用いて、対象を有効に治療できるか否かを決定するために使用することができる。従って、本発明は、試験試料が得られ、およびTDFRP化合物標的がTDFRP化合物を使用して検出される、異常なTDFRP化合物標的発現または活性と関連する障害のための化合物を用いて有効に治療することができるか否かを決定するための方法を提供する(例えば、ここで、TDFRP化合物標的分子の存在が、異常なTDFRP化合物標的分子の発現または活性と関連する障害を治療するために化合物を投与することができる対象についての診断である)。
対象から得られた血液または組織試料中のTDFRP化合物標的分子のレベルが決定され、血液試料または疾患を有しない個体から得られたのと同じ組織型からの試料中で見い出されるレベルと比較される。健常な対象から得られた試料と比較して、TDF関連疾患を有することが疑われている対象から得られた試料中でTDFRP化合物標的分子が豊富すぎること(または十分に豊富でないこと)は、試験された対象におけるTDF関連疾患の指標である。さらなる試験が、陽性診断を構成するために必要とされる場合がある。
本明細書では「予後ポリペプチド」と呼ばれる特定のTDFRP化合物標的分子の過剰発現(または十分でない発現)の程度が、疾患を有する対象が特定の型の治療または処置に対して応答する可能性があるか否かの指標となることが知られている、多数の疾患が存在している。従って、試料中のTDFRP化合物標的分子を検出する方法は、例えば、対象が治療または処置に対して応答する可能性を評価するための、予後診断の方法として使用することができる。対象からの適切な試料または血液試料における関連する予後ポリペプチドのレベルが決定され、適切な対照、例えば、同じ疾患を有するが、治療に対して好ましく応答した対象におけるレベルと比較される。対照と比較して、試料中で予後ポリペプチドが過剰発現される(または十分に発現されない)程度は、対象が処置または治療に対して好ましく応答しない可能性の予測となる可能性がある。対照と比較して過剰発現(または十分でない発現)がより大きいと、対象が治療に対して応答する可能性がより少ない。本明細書では「予測ポリペプチド」と呼ばれる特定の標的ポリペプチドの過剰発現(または十分でない発現)の程度が、対象が疾患を発症するか否かの指標となることが知られている多数の疾患が存在している。
従って、試料中のTDFRP化合物標的分子を検出する方法は、対象が疾患を発症するか否かを予測するための方法として使用することができる。疾患を発症するリスクがある対象からの適切な試料または血液試料における関連する予測ポリペプチドのレベルが決定され、適切な対照、例えば、疾患を発症するリスクがない対象と比較される。対照と比較して、試料中で予測ポリペプチドが過剰発現される(または十分に発現されない)程度は、対象が疾患を発症する可能性の予測となる可能性がある。対照と比較して過剰発現(または十分でない発現)がより大きいと、対象が疾患を発症する可能性がより大きい。
例えば、本明細書に記載される方法は、例えば、TDFRP化合物標的分子を含む疾患または病気の徴候または家族歴を示す患者を診断するための臨床的設定において首尾よく使用することができる、少なくとも1つのプローブ試薬、例えば、本明細書に記載されるTDFRP化合物を含む、再パッケージされた診断キットを使用することによって実行することができる。さらに、TDFRP化合物標的分子が発現される任意の細胞型または組織は、本明細書に記載される予後アッセイ法において使用することができる。
IX. 治療の方法
本発明は、異常なTDFポリペプチドまたはTDFRP化合物標的分子の発現または活性と関連する障害のリスクがあるか、またはそれと関連する疾患を有する対象を治療する予防的方法と治療的方法の両方を提供する。TDFおよびTDFRP化合物標的分子、例えば、TDF受容体は、細胞分化において役割を果たす。細胞分化は、組織形態形成の中心的な特徴である。組織形態形成は、成体の組織修復および再生のメカニズムに関与するプロセスである。成体組織における形態形成の程度は異なる組織間で変化し、とりわけ、所定の組織中の細胞のターンオーバーの程度に関連する。
骨形成タンパク質は、トランスフォーミング成長因子ベータスーパーファミリーのメンバーである。Ozkaynak et al. (EMBO J. 9: 2085-2093, 1990)は、彼らが「骨原性タンパク質-1(Osteogenic protein-1)」(OP-1;別名BMP-7)と名付けた新規なウシ骨原性タンパク質相同体を精製した。この著者らは、後にBMP-7と名付けられたOP-1のヒトゲノムクローンおよびcDNAクローンをクローニングするためにペプチド配列を使用した。BMP-7 cDNAは、分泌シグナル配列を含む、431アミノ酸ポリペプチドであると予測された。本明細書に記載されるTDFRP化合物は、例えば、BMP-7(OP-1)および関連するペプチドであるがこれらに限定されない、骨形成タンパク質の生物学的に活性な領域の構造的模倣体である。生物学的に活性な領域は、例えば、BMP-7のフィンガー1およびフィンガー2領域を含む。Groppe et al. (Nature 420: 636-642, 2002)は、BMP-7に結合したアンタゴニストNoggin (602991)の結晶構造を報告した。
TDFRP化合物は、BMPポリペプチドを用いる治療に対して感受性である疾患および障害を治療するために有用である。表2および表3に要約される参考文献、ならびに以下の参考文献(それらの全体が本明細書に組み入れられる)は、種々の疾患状態の予防および治療におけるTDFポリペプチド、例えば、BMP-7または誘導体の効力を決定するためのインビトロおよびインビボアッセイ法を記載している。これらのアッセイ法は、本明細書に開示されるTDFRP化合物の生物学的活性を決定するために適切である。このようなものとして、本発明のTDFRP化合物は、疾患を有するかまたは損傷を有する組織および器官を修復および再生する能力を変化させる、例えば、阻害または加速するため、ならびにTDF関連障害を治療するために有用である。TDFRPに基づくヒトおよび獣医学的な治療のために特に有用な領域には、再建外科、例えば、腎臓病、脳損傷、脳卒中、アテローム性動脈硬化症、関節炎、気腫、骨粗鬆症、心筋症、肝硬変、変性神経疾患、炎症性疾患、および癌を含む組織変性疾患の治療が含まれ、ならびに、組織、器官および肢の保護および/または再生においてである。本発明のTDFRP化合物はまた、筋肉組織、骨組織、皮膚組織、上皮組織、心臓組織、神経組織、内分泌腺組織、血管組織、軟骨組織、歯周組織、肝臓組織、網膜組織、および結合組織、または機能的TDRFP化合物標的分子が発現される任意の組織の成長および分化を促進または阻害するために使用することができる。従って、異常なTDFポリペプチドまたはTDFRP化合物標的分子の発現と関連する疾患には、ウイルス感染、癌、治癒、神経変性障害、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、免疫障害、および骨障害が含まれる。例えば、TDFRPに基づく治療組成物は、骨折などの骨欠損の再生的治癒を誘導するため、ならびに疾患を有する組織、例えば、骨減少症の骨組織において健常な代謝的特性を保存または回復するために有用である。
Marker et al. (Genomics 28: 576-580, 1995)は、ホールト-オーラム症候群(142900)変異によって破壊される種々の解剖学的部位におけるBMP-7転写物の分布を研究した。彼らは、心臓、近位および遠位前肢、鎖骨、および肩甲骨を含む、ホールト-オーラム患者において変化しているすべての構造、ならびに他の影響を受けていない組織においてBMP-7発現を見い出した。
Solursh et al. (Biochem. Biophys. Res. Commun. 218: 438-443, 1996)は、原始線条段階から初期の肢芽段階を含む、3日間の間ラット胚の組織学的切片を用いるハイブリダイゼーションによって、発生的および一過性のOP-1発現を試験した。OP-1発現はE11.5日で眼胞の神経上皮において検出され、およびこれは推定の神経網膜および発生している水晶体板に限定されていた。E12.5からE13.5まで、彼らは、神経網膜、レンズ、水晶体、および発生している角膜において発現を見い出した。
YouとKruse (Invest. Ophthal. Vis. Sci. 43: 72-81, 2002)は、TGFβファミリーメンバーであるアクチビンAおよびBMP-7によって誘導される角膜筋線維芽細胞の分化およびシグナル伝達を研究した。彼らは、アクチビンAがSMAD2のリン酸化を誘導すること、BMP-7がSMAD1を誘導すること、これらの両方がフォルスタチンによって阻害されることを見い出した。TGFβタンパク質は、角膜においては異なる機能を有する。
TDFRP化合物は、冠動脈硬化症の予防および治療において使用することができる(図19-20)。BMPの誘導ならびに引き続く血管平滑筋細胞増殖および/または血管骨形成の誘導は、冠動脈硬化症を有する患者においてスタチンがプラーク安定性をそれによって増加させるメカニズムに寄与することができる(Emmanuele et al., Biochem Biophys Res Commun. 2003 Feb 28;302(l):67- 72)。さらに、Davies et al.,(J Am Soc Nephrol. 2003 Jun; 14(6): 1559-67)による研究は、慢性腎不全における病態生理学的因子としてBMP-7欠損と一致し、血液石灰化の潜在的な治療としてのその効力を実証する。
TDFRP化合物は、癌、例えば、乳癌および前立腺癌を治療するために使用することができる(図3)。Schwalbe et al., (Int J Oncol. 2003 Jul;23(1):89-95)は、免疫組織化学によって、正常乳房組織および乳房の170個の侵襲性腺管癌からの腫瘍組織試料を分析した。BMP-7発現は、正常乳房組織においては、終末小体で観察されたが、乳管においては観察されなかった。BMP-7タンパク質は、170個の腫瘍試料すべてで検出された。BMP-7の発現は、エストロゲン受容体レベル(p</=0.01)およびプロゲステロン受容体レベル(p</=0.01)と高度に相関した。これらは、乳癌の予後診断および治療のための重要なマーカーである。さらに、Masuda et al.,(Prostate. 2003 Mar l;54(4):268-74)は、骨転移性前立腺癌において骨形成タンパク質-7の発現の増加を実証した。
TDFRP化合物は、腎臓の機能障害、疾患および損傷、例えば、尿管閉塞、急性および慢性腎不全、腎線維症、および糖尿病性腎症を治療するために使用することができる。(Klar, S., J. Nephrol. 2003 Mar-Apr; 16(2): 179-85)は、BMP-7処理が、処理が損傷の時点で開始された場合に、尿管閉塞(UUO)のラットモデルにおいて腎損傷を有意に減少することを実証した。引き続く研究は、BMP-7処理がまた、腎線維症が開始した後で投与された場合に、腎線維症を減弱することを示唆した。この処理プロトコールはまた、賦形剤処理群において測定されたレベルから、腎機能を有意に増加させることが見い出された。BMP-7はまた、ストレプトゾトシンの単回用量によってラットにおいて誘導された糖尿病性腎症を部分的に逆転した。これは、糸球体濾過速度(GFR)を回復し、タンパク質の排出を減少し、および組織学を正常に向かって回復した。TDFRPは、腎臓病、例えば、慢性腎不全の予防または治療において使用することができる(図4〜12)。Klahr et al., (Kidney Int Suppl. 2002 May;(80):23-6)による研究は、尿管閉塞および糖尿病性腎症を有する動物において、BMP-7の投与が、腎臓の機能および構造を維持および回復することを示す。
TDFRP化合物は、糖尿病性腎症の予防または治療において使用することができる(図8)。Wang et al., (Kidney Int. 2003 Jun;63(6):2037-49)は、BMP-7が、糖尿病誘導性腎肥大を部分的に逆転し、GFR、尿アルブミン排出、および正常に向けた糸球体組織学を回復することを示した。BMP-7発現の回復は、首尾よい修復反応および病気に運命付けられた損傷応答の逆転と関連した。
TDFRP化合物は、腎線維症の予防および治療において使用することができる(図7)。組換えヒト骨形成タンパク質(BMP)-7の外因性投与は、最近、実験的な腎臓病を有する齧歯類における腎糸球体および間質性線維症を改善することが示された(Wang and Hirschberg, Am J Physiol Renal Physiol. 2003 May;284(5):F1006-13)。
アルポート症候群はIV型コラーゲン遺伝子における変異から生じる遺伝障害である。その欠損は、腎糸球体および内耳の基底膜において病理学的な変化を生じる。腎臓において、進行性の糸球体腎炎は、結果的に尿細管間質性線維症および死に至る。遺伝子ノックアウトマウスモデルを使用して、一方はトランスフォーミング増殖因子(TGF)-β1によって媒介され、他方はインテグリンα1β1によって媒介される2つの異なる経路が、異なるやり方でアルポート糸球体病原性に影響を与えることが示されてきた。TGF-β1(マウスとヒトの両方)、エンタクチン、フィブロネクチン、ならびにコラーゲンα1(IV)鎖およびα2(IV)鎖をコードするmRNAは、アルポート腎疾患の進行の関数として、全体の腎臓において有意に誘導される。これらの特定のmRNAの誘導は、進行した疾患を有する動物の糸球体の有足細胞において観察される。IV型コラーゲン、ラミニン-1、およびフィブロネクチンは、10週目で尿細管間質で上昇するが、6週目では上昇しないことが示されており、このことは、ノーザンブロット上での特定のmRNAの発現の上昇が、尿細管間質性線維症と関連する事象を反映することを示唆する。従って、疾患を有する腎臓の有足細胞中のTGF-β1および細胞外マトリックス成分をコードするmRNAの同時発生的な蓄積は、アルポート腎疾患の進行における鍵となる事象を反映している可能性がある。重要なことに、TGF-β1は、アルポート症候群と関連する糸球体および尿細管間質性の両方の損傷において決定的な役割を有するようである。最近、BMP-7は、アルポート腎疾患の進行においてTGF-βによって引き起こされる腎病理を逆転することに関連付けられてきた。BMP-7は、種々の腎損傷によって刺激を受ける尿細管上皮細胞の脱分化、間葉形質転換、およびアポトーシスを阻害する。また、BMP-7は、糸球体の完全性を保存し、損傷によって媒介される糸球体間質マトリックスの蓄積を阻害する。BMP-7は、慢性腎疾患のための強力な新規な治療剤であり得、腎疾患それ自体を治療することのみならず、アルポート症候群の最も重要な合併症のいくつかも直接的に阻害することの新規な特質を有する。
TDFRP化合物は、組織修復を容易にするために使用することができる。Grande et al., (J Bone Joint Surg Am. 2003;85-A Suppl 2:111-6)は、BMP-7またはShh遺伝子のいずれかの付加が、修復組織の質を有意に増強し、より滑らかな表面およびより硝子状外観の軟骨を生じることを実証した。しかし、Shh遺伝子を受けた群とBMP-7遺伝子を受けた群の間で、軟骨期の持続の注目すべき違いが存在し、後者の群における軟骨下区画が、はるかに速く骨で再構築されるように見えた。
TDFRP化合物は、例えば、生物活性分子の直接的キャッピングに影響を与えること、または修復性の象牙質および歯冠歯髄または歯根歯髄の鉱化作用の形成を誘導することによって、口腔の疾患の予防または治療において使用することができる(Goldberg et al., Am J Dent. 2003 Feb;16(l):66-76)。さらに、TDFRPは、歯周病の予防および治療において使用することができる。Ad-BMP-7遺伝子送達によって治療される骨病変は、迅速な軟骨形成(chrondrogenesis)を実証し、引き続く骨形成、セメント質形成および歯周部骨損傷の予測可能な矯正を伴った。これらの結果は、BMPのエクスビボ遺伝子移入を使用する歯周組織操作の成功の証拠を実証し、歯周欠損を修復するための新たなアプローチを提供する(Jin et al., J Periodontol. 2003 Feb;74(2):202-13)。TDFRP化合物は、外傷性脳損傷、例えば、脳卒中の予防または治療において使用することができる。例えば、Cairns and Finkelstein, Phys Med Rehabil Clin N Am. 2003 Feb;14(l Suppl):S135-42)を参照されたい。虚血後のBMP-7の静脈内投与は、脳卒中ラットにおける運動機能を改善し(Chang et al., Stroke. 2003 Feb;34(2):558-64)、TDFRP化合物は、再潅流傷害に対して保護するか、またはこれを修復する可能性がある。さらに、Chang et al.(Neuropharmacology 2002 Sep;43(3):418-26)は、形態形成タンパク質が、脳卒中ラットにおける胎仔腎臓組織移植誘導性神経保護に関与することが実証された。細胞ベースの軟骨修復後のリハビリテーションは延長することができ、TDFRP化合物を用いて対象を治療することによる患者の生産性および生活の質の低下をもたらす。BMP-7を発現する遺伝的に改変された軟骨細胞の移植は、実験的な軟骨欠損において硝子質用修復組織の出現を加速し、かつこれは、重要な軟骨の恒常性であり得る(Hidaka et al. J Orthop Res. 2003 Jul;21(4):573-83)。滑膜は、可動関節の非関節性表面を裏打ちする薄い組織である。滑膜組織は、A型細胞、マクロファージ系統細胞およびB型細胞を含む種々の型の細胞を含み、これらは特殊化した滑膜線維芽細胞である。滑膜組織が、マトリックス変性酵素および炎症誘発性サイトカインを産生することによって、関節炎性の関節障害の病因に主として関与することは、今日では広く認識されている。蓄積した証拠は、TGFベータスーパーファミリーメンバーが、骨および軟骨の発生において本質的な役割を果たすことを示唆する。Wozneyおよび共同研究者(Wozney, J.M. (1989) Prog. Growth factor Res. 1:267-280)は、骨形成タンパク質(BMP)が初期の軟骨形成を誘導することを報告した。最近、BMP作用を媒介するALK3シグナル伝達が、滑膜線維芽細胞の軟骨形成性分化を誘導するために、軟骨形成において刺激性と調節性の両方の役割を有することが示された(Seto et al (2004) J.Clin. Invest. 113:718-726)。それゆえに、BMPについてのI型受容体であるALK3に結合するスレイソス(Thrasos)化合物が、これらが滑膜由来の間葉幹細胞中での余分のマトリックス沈着をもたらす軟骨形成性分化を誘導するか否かを試験するために分析される。試験されたSEQ ID NO:16、33、45、217および221の中で、化合物SEQ ID NO:221および16が、細胞外マトリックスの沈着を有意に増加した。TDFRP化合物は、骨関節炎適用、軟骨修復、防御、および/または恒常性において関連性を有する可能性がある、軟骨形成エキスビボおよび細胞培養アッセイ法において試験されてきた(図13)。
TDFRP化合物は、骨組織操作において使用することができる。Lu et al., (Biochem Biophys Res Commun. 2003 Jun 13;305(4):882-90は、筋肉由来細胞による骨芽細胞表現型の発現を誘導する際のBMP-ポリマーマトリックスの効力を示し、骨組織操作のための新たなパラダイムを提示する。TDFRP化合物は、骨移植において使用されてもよい(Rees and Haddad, Hosp Med. 2003 Apr;64(4):205-9)。TDFRPはまた、骨治癒を促進するために使用することもできる。Maniscalco et al., (Acta Biomed Ateneo Parmense. 2002;73(l-2):27-33)は、単一の外側固定器による骨接合と関連してBMP-7を使用する、新鮮な脛骨の閉じた骨折におけるこのBMP-7タンパク質の治療的な潜在能力を確証する。さらに、TDFRP化合物は、骨組織の再生、例えば、臀部の再建外科において使用することができる。Cook et al., (J Arthroplasty. 2001 Dec;16(8 Suppl l):88-94)は、前臨床モデルにおける分割された癌性骨および皮質支柱同種移植片と組み合わせたBMP-7の使用が、移植片の生物学的活性を劇的に改善し、より大きくかつより初期の新規な骨形成および移植片の取り込みを生じることを実証した。臀部再構築手順におけるBMP-7の臨床的使用はまた、同種移植片骨単独と比較して、より困難な生物学的環境におけるより大きくかつより初期の新規な骨形成を生じる。
TDFRP化合物は、骨格欠損、例えば、外傷および発生異常ならびに除去的癌手術から生じる後天的および先天的な骨格欠損を治療するために使用することができる。Rutherford et al., (Drug News Perspect. 2003 Jan-Feb;16(l):5-10)は、これらの制限に取り組む、局在化された骨格再生のための骨形成タンパク質7エクスビボ遺伝子治療における最近の進歩を議論している。
TDFRP化合物は、造血の障害の予防または治療において使用することができる。Detmer and Walker (Cytokine. 2002 Jan 7;17(l):36-42)による研究は、サイトカインの補完物の個々のBMP型部分が造血前駆細胞の発生を調節することを示し、および特に、限定的な、ならびに胚性赤血球生成の制御におけるBMP-4についての役割を指摘する。TDFRP化合物は、種々の細胞集団(例えば、HK-2細胞株、真菌細胞、腎臓組織)におけるサイトカイン産生を調節し、腎損傷を修復し、ならびに/または造血前駆細胞および成長因子の調節および産生に影響を与える可能性がある損傷から腎臓を保護することが実証された(図14)。
TDFRP化合物は、生殖機能障害、例えば、不妊症の治療において使用することができる。Zhao et al.,(Dev Biol. 2001 Dec 1 ;240(l):212-22)は、BMP-7における変異が、精子形成および副睾丸におけるBMP-8a変異体の表現型を悪化させることを実証した。これらは、BMP-8aと同様に、BMP-7が精子形成と副睾丸の両方の機能の維持において役割を果たすことを示し、かつさらに、BMP-8およびBMP-7が、これらの2つの系における同じかまたは類似の受容体を通してシグナル伝達することを示唆する。
X. 疾患および障害
増加した(疾患または障害に罹患していない対象と比較して)レベルまたは生物学的活性のTDFポリペプチドまたはTDFRP化合物標的分子によって特徴付けられる疾患および障害は、治療的または予防的な様式で投与することができる、活性に拮抗する(すなわち、活性を減少または阻害する)TDFRPベースの治療化合物を用いて治療することができる。使用することができる治療化合物には以下が含まれるがこれらに限定されない:(i)前述のTDFRP化合物、またはその類似体、誘導体、断片、もしくは相同体;(ii)前述のペプチドに対する抗TDFRP化合物抗体;(iii)TDFRP化合物をコードする核酸;(iv)アンチセンス核酸、および相同組換えによってTDFRP化合物の内因性機能を「ノックアウト」するために使用される「機能障害性の」(すなわち、TDFRP化合物に対するコード配列のコード配列中の非相同挿入に起因する)核酸の投与(例えば、Capecchi, 1989. Science 244: 1288-1292を参照されたい);あるいは(v)前述の化合物とその結合パートナーの間の相互作用を変化させるモジュレーター(すなわち、阻害剤、アゴニストおよびアンタゴニスト、本発明の付加的なペプチド模倣体または本発明のペプチドに特異的な抗体を含む)。
減少した(疾患または障害に罹患していない対象と比較して)レベルまたは生物学的活性のTDFまたはTDFRP化合物標的分子によって特徴付けられる疾患および障害は、TDF活性を増加させる(すなわち、それに対するアゴニストである)TDFRPベースの治療化合物を用いて治療することができる。活性をアップレギュレートする治療剤は、治療的または予防的な様式で投与することができる。使用することができる治療化合物には、TDFRP化合物、またはその類似体、誘導体、断片、もしくは相同体;あるいは生物学的利用能を増加するアゴニストが含まれるがこれらに限定されない。
レベルの増加または減少は、TDF誘導性ペプチドおよび/またはRNAを定量することによって、患者の組織試料を入手すること(例えば、生検組織から)ならびにRNAもしくはペプチドのレベル、発現されたペプチド(または前述のペプチドのmRNA)の構造および/または活性について、インビトロで試料をアッセイすることによって、容易に検出することができる。当技術分野において周知である方法には、イムノアッセイ法(例えば、ウェスタンブロット分析、免疫沈殿、その後のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ポリアクリルアミドゲル電気泳動、免疫細胞化学など)および/またはmRNAの発現を検出するためのハイブリダイゼーションアッセイ法(例えば、ノーザンアッセイ法、ドットブロット、インサイチューハイブリダイゼーションなど)が含まれるがこれらに限定されない。
A. 予防的方法
1つの局面において、本発明は、TDFRP化合物、あるいはTDFポリペプチドもしくはTDFRP化合物標的分子発現、または少なくとも1つのTDFポリペプチドもしくはTDFRP化合物標的分子活性を調節するTDFRP化合物模倣体を対象に投与することによって、異常なTDFポリペプチドまたはTDFRP化合物標的分子の発現または活性と関連する疾患または障害を、対象において予防するための方法を提供する。
異常なTDFポリペプチドまたはTDFRP化合物標的分子の発現または活性によって引き起こされるか、またはその原因となる疾患のリスクがある対象は、例えば、任意のまたは組み合わせた本明細書に記載されるような診断アッセイ法または予後アッセイ法によって同定することができる。予防用化合物の投与は、疾患または障害が予防されるか、または代替的には、その進行が遅延されるように、異常性に特徴的な徴候の出現の前に行うことができる。異常性の型に依存して、例えば、TDFアゴニストまたはTDFアンタゴニスト化合物として作用する、TDFRP化合物、TDFRP化合物模倣体、または抗TDFRP化合物抗体は、対象を治療するために使用することができる。適切な化合物は、本明細書に記載されるスクリーニングアッセイ法に基づいて決定することができる。
B. 治療的方法
本発明の別の局面は、治療目的のためにTDFポリペプチドまたはTDFRP化合物を調節する方法を含む。本発明の調節方法は、TDFポリペプチドの活性または細胞と関連するTDFRP化合物標的分子活性の1つまたは複数を調節する、本発明の化合物を細胞と接触させる工程を含む。TDFポリペプチドまたはTDFRP化合物標的分子活性を調節する化合物は本明細書に記載され、例えば、核酸もしくはポリペプチド、TDFRP化合物の天然に存在する同族リガンド、TDFRP化合物、抗TDFRP化合物抗体、TDFRP化合物模倣体、または低分子である。1つの態様において、この化合物は、1つまたは複数のTDFポリペプチドまたはTDFRP化合物標的分子活性を刺激する。このような刺激化合物の例には、細胞に導入された、TDFRP化合物およびTDFRP化合物をコードする核酸分子が含まれる。別の態様において、この化合物は、1つまたは複数のTDFポリペプチドまたはTDFRP化合物標的分子活性を阻害し、例えば、抗TDFRP化合物抗体である。これらの調節方法は、インビトロで(例えば、細胞を化合物とともに培養することによって)またはその代わりとして、インビボで(例えば、対象に化合物を投与することによって)実行することができる。このようなものとして、本発明は、TDFポリペプチドまたはTDFRP化合物標的分子またはそれらをコードする核酸分子の異常な発現または活性によって特徴付けられる、TDF関連疾患または障害に苦しむ個体を治療する方法を提供する。1つの態様において、この方法は、TDFポリペプチドまたはTDFRP化合物標的分子の発現または活性を調節する(例えば、アップレギュレートするかまたはダウンレギュレートする)化合物(例えば、本明細書に記載されるスクリーニングアッセイ法によって同定される化合物)または化合物の組み合わせを投与する工程を含む。別の態様において、この方法は、減少したか、または異常なTDFポリペプチドまたはTDFRP化合物標的分子の発現または活性を補償する治療として、TDFRP化合物またはTDFRPをコードする核酸分子を投与する工程を含む。
TDFポリペプチドまたはTDFRP化合物標的分子活性の刺激は、TDFポリペプチドもしくはTDFRP化合物標的分子が異常にダウンレギュレートされ、および/または増加したTDF活性が有益な効果を有する可能性がある状況において所望される。このような状況の1つの例は、対象が異常な細胞の増殖および/または分化によって特徴付けられる疾患(例えば、線維症)を有する場合である。
C. TDFRPベースの治療剤の生物学的効果の決定
本発明の種々の態様において、適切なインビトロまたはインビボアッセイ法が、特異的TDFRPベースの治療剤の効果、およびその投与が対象における罹患した組織の治療のために示されるか否かを決定するために実行される。
種々の特定の態様において、インビトロアッセイ法は、患者の障害に関与する代表的な細胞の型を用いて実行し、所定のTDFRPベースの治療剤がその細胞型に対して所望の効果を発揮するか否かを決定することができる。治療における使用のための化合物は、ヒト対象における試験の前に、ラット、マウス、ニワトリ、ウシ、サル、ウサギなどを含むがこれらに限定されない適切な動物モデルにおいて試験することができる。同様に、インビボ試験のために、当技術分野において公知である任意の動物モデル系を、ヒト対象への投与の前に使用することができる。
D. 本発明の化合物の予防的および治療的使用
本発明のTDFRP化合物は、以下を含むがこれらに限定されない、対象における種々の障害に関係する潜在的な予防的および治療的適用において有用である:骨細胞の発生、分化、および活性化を含むもの;赤血球および血小板のような血液循環中の細胞の疾患または病理;種々の免疫学的障害および/または病理;自己免疫疾患および炎症性疾患;心臓血管疾患;代謝性疾患;生殖器疾患、腎臓病、糖尿病、脳外傷、癌の増殖および転移;ウイルス感染、癌治療、歯周病;組織再生;急性リンパ芽球性白血病;神経膠腫;神経疾患;神経変性障害;アルツハイマー病;パーキンソン障害;ならびに造血障害。例えば、下記、治療の方法を参照されたい。
1つの例として、TDFRP化合物をコードするcDNAは、遺伝子治療において有用であることができ、TDFRP化合物は、その必要がある対象に投与される場合に有用であり得る。非限定的な例として、本発明の組成物は、上述の障害に罹患している患者の治療のための効力を有する。
TDFRP化合物をコードする新規な核酸と、TDFRP化合物、またはその断片の両方もまた、診断的適用において有用であり得る。さらなる用途は、抗菌分子としてである(すなわち、あるペプチドは抗菌特性を有することが見い出されている)。これらの物質は、TGFベータスーパーファミリーポリペプチドが対象において過剰発現されるか、または十分に発現されない場合の治療的または診断的方法における使用のための、本発明の新規な物質に免疫特異的に結合する抗体の生成においてさらに有用である。
以下の実施例は、本発明の特定の態様の非限定的な例証であることが意図される。引用されるすべての参考文献は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。
実施例1 構造に基づく合理的薬物設計および化合物合成のための系および方法
上記のTDFRP化合物は、例えばBMP-7(OP-1)およびBMP-2であるがこれらに限定されない骨形成タンパク質の構造的模倣体、より特定には、これらのタンパク質の生物学的に活性な領域の構造的模倣体(例えば、フィンガー1、フィンガー2など)である。結晶化条件、得られる結晶構造を入手および解釈するための方法、ならびに構造モデルに基づくこれらのタンパク質の生物学的に活性な領域について議論の説明については、各々が参照により組み入れられる、Griffith et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 1996 Jan 23;93(2):878-83およびScheufler et al., J MoI Biol. 1999 Mar 19;287(l):103-15を参照されたい。
本TDFRP化合物は、部分的には、x線結晶学および核磁気共鳴などの構造モデルに基づいて設計および改良した。以下の参考文献(すべてそれらの全体が本明細書に組み入れられる)は、本明細書に開示されるTDFRP化合物の結晶化、調製および構造分析のための適切なモデルである。結晶ポリペプチドを使用する、構造に基づく薬物設計の方法は、両方ともUppenbergに対する米国特許第6,329,184号および同第6,403,330号に少なくとも記載されている。タンパク質結晶成長を改善するためのx線トポグラフィーおよび回折測定を使用するための方法は、Arnowitz, et al.に対する米国特許第6,468,346号において記載されている。Bragg反射を自動的に選択するための方法および装置、および結晶学的配向を自動的に決定するための系は、Yokoyama, et al.に対する米国特許第6,198,796号によって記載されている。構造決定のために13C、15N、および2Hを用いるNMRのためのタンパク質の調製および標識のための方法は、Anderson, et al.に対する米国特許第6,376,253号において記載されている。大きなまたは複雑なタンパク質のNMRスペクトル分析は、Wand, et al.に対する米国特許第6,198,281号に記載されている。標的生体分子へのリガンドを設計するための核磁気共鳴の使用は、Fesik, et al.に対する米国特許第5,989,827号に記載されている。
TDFRP化合物を同定するため、およびそれらの引き続く洗練のための別の有用な方法は、参照により本明細書に組み入れられる、それぞれ、米国および欧州特許出願US20040039543およびWO0237313に記載されている、構造分散分析(Structure Variance Analysis(商標))と呼ばれる統計学的方法である。手短に述べると、相同配列が、特異的生化学活性に関連する実験データに基づいて、活性または不活性として分類される。この情報は、配列位置の関数として種々の物理化学的特性の活性との正または負の相関を発生するように使用する。新規な配列が合成され、アッセイされ、および結果がトレーニングセットに加えられるにつれて、理想的な化合物のますます強固なモデルが発生する。このモデルは、活性である可能性が増加している活性化合物設計を予測するために使用される。この方法は、活性化合物を産生するために必要とされる実験の量を大きく減少し、本明細書に含まれる現在のTDFRP化合物を設計するために部分的に使用されてきた。
核磁気共鳴を用いる骨形成タンパク質模倣体の合理的薬物設計のプロセスは以下の工程を含む:二次元15N/1H NMR相関スペクトル分析を使用して標的分子(例えばTDF受容体)に対する潜在的なリガンドである候補TDFRP化合物を同定する工程;b)標的分子に候補TDFRP化合物を結合させることによって2成分複合体を形成する工程、c)2成分複合体の三次元構造、および従って、標的分子上の候補TDFRP化合物の空間的な配向を決定する工程。x線結晶学を用いる骨形成タンパク質模倣体の合理的薬物設計のプロセスは類似の様式で達成されるが、しかし、構造的なデータは、標的分子に対する潜在的なリガンドである候補TDFRP化合物の結晶(または複合体の共結晶)を形成すること、およびx線照射後の原子反射のデータセットを入手することによって初めて得られる。これらの技術は、本明細書に提供される教示の観点から当業者には公知である。
実施例1:H-Cys-Tyr-Tyr-Asp-Asn-Ser-Ser-Ser-Val-Leu-Cys-Lys-Arg-Tyr-Arg-Ser-OH(SEQ ID NO :333)の調製
表題のペプチドは、Fmoc/tBuアミノ酸を試薬として使用し、以下の保護:Asp、Tyr、およびSer上のtBu;AsnおよびCys上のTrt;Lys上のBoc;ならびにArg上のPbfを用いる、Fmoc-Ser(tBu)上の固相ペプチド合成によって調製した。樹脂の開始量は6gであり、0.55 mmol/g(33 mmol)の置換容量であった。Fmoc-ペプチジル樹脂は、20%ピリジンを使用して2回脱保護した。樹脂上でのFmocアミノ酸カップリングは、DICおよびHOBtカップリング法を使用して実施した。すべてのカップリングは、1〜2時間以内に完了した。アミノ酸は、以下の順番で連続的にカップリングした:Ser、Arg、Tyr、Arg、Lys、Cys、Leu、Val、Ser、Ser、Ser、Asn、Asp、Tyr、Tyr、およびCys。すべてのアミノ酸のアセンブリー後、ペプチジル樹脂は真空下で一晩乾燥させた。樹脂の重量増加は114.2gと決定し、99%のカップリング効力を示す。次いで、ペプチジル樹脂は、TFA/1,2-エタンジオール(EDT)/H2O/TIS(90% / 5% / 4% / 1%、10 ml/g)の溶液を使用して3時間切断した。TFAのエバポレーション後、ペプチドは冷ジイソプロピルエーテル中で沈殿させ、69gの粗物質を与え、
これを、アセトニトリル/水中の0.1% TFAで溶出する100オングストローム-10ミクロン-C18を充填した調製用カラム上でHPLCにより精製した。
実施例2:表8に列挙されるペプチドは、所望のペプチド配列を得るために適切な保護化Fmoc/tBuアミノ酸を使用したこと以外は、実施例1に記載された実験条件を使用することによって調製した。アリル(ally)保護基は、環状ラクタムまたは環状カルバメートを形成するために利用可能なDapおよびAspを保護するために使用した。
実施例3:
の調製
ジイソプロピルエーテル中の沈殿後に得られた実施例1からの粗ペプチドは、3 mg/mlの濃度で水に溶解した。pHは、0.1M 炭酸アンモニウム溶液を加えることによって7〜8の間に調整し、酸化は、一晩処理して粗ジスルフィドペプチドを生じることを可能にし、これは、30分間で15〜25%の勾配を用いるアセトニトリル/水中の0.1% TFAを使用して、100オングストローム-10ミクロン-C18を充填したカラム上で調製用HPLCにより精製した。
実施例4:
の調製
以下のペプチド
は、実施例2に記載されるように樹脂上で調製され、ここで、配列中の最後のAspの側鎖官能基およびDapはアリル(ally)保護基で保護される。すべてのアミノ酸がアセンブルした後、アリル保護基は、3等量のテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)の存在下で、アルゴン雰囲気下で16時間、CHCl
3/酢酸/N-メチルモルフィン 95/5/2.5 v/v/v中に樹脂を旋回させることによって除去する。樹脂は、ジクロロメタン(DCM)、N-メチルモルホリン(NMP)、NMP中の0.5%のN,N-ジイソプロピルエチルアミン、およびNMP中の0.02M ジエチルチオカルバミン酸ナトリウム塩、次いでPd触媒を除去するためのDCMを用いて広範に洗浄した。DapおよびAspの非保護側鎖間の閉環は、NMP中の9等量のN,N-ジイソプロピルエチルアミンの存在下で、3等量のベンゾトリアゾール-1イルオキシ-トリス-(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン酸/N-ヒドロキシベンゾトリアゾールを用いて樹脂上で、16時間の間で達成した。ペプチドは、TFA/水/EDT 90/8/2 v/v/vを用いて、室温で3時間、樹脂から切断し、冷ジイソプロピルエーテルを用いて沈殿させた。沈殿をデカントし、ジエチルエーテルで洗浄し、および凍結乾燥した。粗凍結乾燥ペプチドは、Sephadex LH 20上のサイズ排除クロマトグラフィーによって脱塩し、C
18を充填したカラム上での調製用HPLCによって精製して、所望の環状ラクタムを得た。
一旦、TDFRP化合物(またはその改良)の三次元構造が決定されると、その治療的潜在能力は、GRAM、DOCK、またはAUTODOCKなどのドッキングプログラムを使用するコンピュータモデリングの使用を通して試験することができる。TDFRP化合物およびその結合複合体の三次元構造を解析する際に補助するために使用することができるコンピュータプログラムには、QUANTA、CHARMM、INSIGHT、SYBYL、MACROMODE、およびICM、MOLMOL、RASMOL、およびGRASP(Kraulis, J. Appl. Crystallogr. 24:946-950 (1991))が含まれる。これらのプログラムおよびその上にその他のプログラムのすべてではないにしても大部分が、インターネットを通してWorld Wide Webから入手することができる。TDFRP化合物の合理的設計は、修飾TDFRP化合物の形状および化学構造が、いかに良好にTDFRP化合物とそのリガンドの間の相互作用を補完するか、またはそれに干渉するかを解明するために、TDFRP化合物への潜在的な薬剤のコンピュータフィッティングを含むことができる。コンピュータプログラムはまた、例えば、TDFR結合部位への潜在的な治療用TDFRP化合物の誘引、反発、および立体障害を見積もるために使用することができる。一般的に、フィットがより強固であるほど(例えば、立体障害がより低いほど、および/または誘引力がより大きいほど)、潜在的な治療用TDFRP化合物がより強力である。なぜなら、これらの特性は、より強固な結合の制約と一致するからである。さらに、TDFRP化合物における設計における特異性がより高いほど、これが関連するTDFRに干渉しない可能性がより高い(例えば、その特異性はALK3受容体に対しであるが、ALK6受容体に対してではなく、その逆もまた同様である)。これは、他の標的との望ましくない相互作用に起因する潜在的な副作用を最小化する。例えば、ALK3受容体は腎臓組織においてより優勢であるのに対して、ALK6受容体は骨組織においてより優勢であり;天然型BMP-7タンパク質はより高い親和性でALK6に結合し、および腎臓病におけるBMP-7治療の潜在的な副作用は骨形成である。TDFRP化合物は、ALK3受容体に対する特異性の増加およびALK6受容体に対する親和性の低下のために選択および設計することができ、それによって、腎障害ために治療される対象における所望されない骨形成を減少する。
最初に、潜在的な治療用TDFRP化合物は、例えば、組換えバクテリオファージによって(Scott and Smith, Science, 249:386-390 (1990);Cwirla et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 87:6378-6382 (1990); Devlin et al., Science, 249:404-406 (1990))、または化学ライブラリーによって産生されるランダムペプチドライブラリーをスクリーニングすることによって得ることができる。次いで、この様式で選択された候補治療用TDFRP化合物は、見込みのある1つまたは複数の潜在的治療用TDFRP化合物が同定されるまで、コンピュータモデリングプログラムによって体系的に改変される。このような分析は、HIVプロテアーゼ阻害剤の開発において有効であることが示されてきた(Lam et al., Science 263:380-384 (1994);Wlodawer et al., Ann. Rev. Biochem. 62:543-585 (1993); Appelt, Perspectives in Drug Discovery and Design 1:23-48 (1993); Erickson, Perspectives in Drug Discovery and Design 1:109-128 (1993))。TDF-1の類似体を分類および産生するためのコンピュータに基づく方法は、KeckへのPCT公報WO/02/37313において見い出すことができ、本明細書に記載されるTDFRP化合物の選択に直接的に関連する。
このようなコンピュータモデリングは、どれか1つが有用な薬物に導く可能性があるもののいずれかを作製することができる、無数の本質的にランダムな化学修飾とは反対に、有限の数の合理的化学修飾の選択を可能にする。各化学修飾は、さらなる化学工程を必要とし、これは、有限の数の化合物の合成のために妥当でありながら、もしすべての可能な修飾が合成される必要があるならば、急速に圧倒されるようになる。従って、本明細書に開示される三次元構造分析およびコンピュータモデリングの使用を通して、多数のこれらの候補TDFRP化合物が迅速にスクリーニングすることができ、いくつかの可能性のある候補治療用TDFRP化合物が、数えられない数のTDFRP化合物の骨の折れる合成なしで決定することができる。
次いで、候補治療用TDFRP化合物は、TDFRPまたはそのリガンドに結合するその能力について、任意の標準的な結合アッセイ法(ハイスループット結合アッセイ法に含む)において試験することができる。または、潜在的な薬物は、TDFRPの生物学的活性を調節するその能力(阻害するかまたは刺激するかのいずれかの能力)について試験することができる。適切な潜在的な薬物が同定される場合、第2の構造的な分析が、リガンドと候補治療用TDFRP化合物との間に形成される結合複合体上で任意に実行することができる。本明細書に記載されるスクリーニングアッセイ法のすべてについて、候補TDFRP治療化合物の構造に対するさらなる改良が一般的に必要であり、特定の薬物スクリーニングアッセイ法によって提供される任意のおよび/またはすべての工程の連続的反復によって作製することができ、これには、例えば、x線結晶学またはNMRによるさらなる構造分析が含まれる。
実施例5 生物学的活性のためのインビトロアッセイ法
A. ALK-3、ALK-6およびBMPR-2についての放射性リガンド受容体アッセイ法
一般的プロトコール
これらのアッセイ法は、125I-標識TDF-I(BMP-7またはOP-1)および候補TDFRP化合物の間の競合、またはそれぞれの受容体(ALK-3、ALK-6またはBMPR-2)への結合のために未標識TDF-1に基づく。手短に述べると、この手順は、96ウェルRemovawellプレート上での受容体の固定化、PBS中3% BSAを用いるウェルのブロッキング、および引き続くウェルの洗浄を含む。次いで、結合緩衝液中で調製した増加濃度の未標識TDF-1もしくTDFRP化合物または対照(未標識TDF-1)を加える。プレートを室温で1時間インキュベートし、次いで固定量の125I-標識TDF-1(250,000〜350,000 cpm)をウェルに加え、さらに20時間、低温(4℃)でインキュベートする。ウェルの内容物を吸引し、ウェルを洗浄緩衝液で4回洗浄し、および自動γカウンター中で受容体結合125I-標識TDF-1を計数する。
この手順を使用して、ALK受容体を選択するためのTDFRP化合物の結合を評価する。従って、ALK受容体を選択するために優先的に結合するTDFRP化合物を同定することができる。例えば、ALK-3受容体に優先的に結合するTDFRP化合物は、他のALK受容体、例えば、ALK-6に対する結合と比較される(図1、15)。
B. ラット骨肉腫(ROS)細胞ベースのアルカリホスファターゼアッセイ法
I型およびII型受容体とのBMPの相互作用は、ROS細胞中で、骨芽細胞活性についてのマーカーであるアルカリホスファターゼ活性を誘導することができる。より初期に記載されたアッセイ手順(Maliakal, J.C., Asahina, I, Hauschka, P.V., and Sampath, T.K. (1994) Growth factors 11, 227-234)は、TDFRP化合物の生物学的活性を決定するために使用した。典型的な実験において、ラット骨肉腫(17/2.8)細胞は96ウェルプレートにプレートされ(3.0×104細胞/ウェル)、5〜6% CO2インキュベーター中で37℃にて一晩インキュベートする。翌日、健常かつコンフルエント細胞を、陽性対照として働く増加濃度のBMP-7標準(1〜10,000 ng/ml)、または1% FBSを含む培地中で調製したTDFRP化合物(0.02〜200μM)で処理し、5〜6% CO2インキュベーター中で37℃にて2日間インキュベートする。細胞内容物のアルカリホスファターゼ活性を、ReddiおよびHuggins (Reddi, A.H., and Huggins, C.B (1972) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 69, 1601-1605)の方法によって決定する。酵素の見積もりを96ウェルプレート中で実行する。培地の除去後、細胞を、あらかじめ温めたPBS(150μl)で洗浄し、100μlのあらかじめ温めた1% Triton X-100中で37℃にて30分間インキュベートした。プレートを10分間最高回転速度で遠心分離し、回収した試料(15μl)を、0.05 M グリシン-NaOH緩衝液、pH 9.3中の、基質としてのp-ニトロフェニルリン酸(Sigma)を加えること、および37℃で20分間インキュベートすることによって、酵素活性についてアッセイする。反応を、75μlの0.2 N NaOH/ウェルを加えることによって停止し、405/490 nmにおける吸光度を、Dynatech MR 700プレートリーダー上で測定する。結果を、BMP-7標準と比較した相対活性として表現する。TDFRP化合物(SEQ ID 番号15〜21、23〜33、41〜43、45、65、130、208〜219、221)は、ROS細胞アッセイ法において、アルカリホスファターゼ活性を誘導しなかった。
C. 骨誘導のための皮下移植アッセイ法
BMP-7は、(Sampath, T.K., Maliakal, J.C, Hauschka, P.V. et al. (1992) J. Bio. Chem. 267, 20352-20362)に記載される手順によって皮下移植された場合に、ラットにおいて骨形成を誘導する。このアッセイ法は、TDFRP化合物の骨誘導能力を評価するために使用する。25 mgの鉱質除去した骨マトリックスを150μlの50%アセトニトリル、0.15% TFA中でBMP-7(一連の濃度)に加え、混合し、次いで骨誘導活性についての陽性対照として凍結乾燥する。鉱質除去した骨マトリックス単独を、陰性対照として使用する。TDFRP化合物を、カルボジイミド反応を使用して、アルギン酸ハイドロゲルに共有結合によりカップリングする。10mgのアルギン酸カップリング化合物を、各ラットの筋肉に移植する。移植物を、評価のために14日目に取り出す。移植物を、Bouin溶液中で固定し、JB4プラスチック媒質に包埋し、1μm切片に切断し、および組織学的試験のためにトルイジンブルーによって染色する。選択したTDFRP化合物は、このアッセイ法においては骨誘導性活性を示さない。
D. HK-2細胞培養ならびにサイトカインおよび接着分子の産生の決定
不死化PTEC-由来HK-2(ヒト腎臓(Human Kidney)-2)細胞(ATCC番号CRL-2190)を、以前に記載されたように(Ryan et al (1994) Kidney International 45:48- 57)、上皮成長因子(EGF: 5 ng/mL)およびウシ下垂体抽出物(40μg/mL)を補充した無血清ケラチノサイト培地(GIBCO番号17005-042)中で48時間増殖させた。細胞を、ウェルあたり3×105細胞の密度で、24ウェルプレートに移した。24時間後、細胞を、TNF-α(5 ng/mL)を含む新鮮な培地とともに、20時間インキュベートした。対照は培地単独を受けた。次いで、細胞を、新鮮な培地で2回洗浄し、さらに、3つの異なる濃度(40 ng/mL、200 ng/mL、もしくは1000 ng/mL)の培地単独(培地対照、およびTNF対照ウェル)もしくはTDF-1とともに、または、3つの異なる濃度(4μM、20μM、もしくは100μM)のTDFRP化合物とともに、60時間インキュベートした。インキュベーションの間、細胞は、5% CO2湿度大気中で37℃にて保った。インキュベーションの最後に、培地を除去し、アッセイするまで凍結して保存した。培養上清中のIL-6、IL-8およびsICAM-1の濃度は、特異的ELISAによって測定した(図14)。
E. IL-6についてのELISA
捕捉抗体は、キャリアタンパク質なしで、PBS、pH 7.4中で作用濃度まで希釈する。61μlのストック抗体(360μg/mL)を、10.939 mLのPBSに加え、穏やかにボルテックスする。96ウェルマイクロプレート(Immulon 4 HBX)を、ウェルあたり100μLの希釈捕捉抗体でコーティングする。プレートをシールし、一晩低温(4℃)でインキュベートする(PBS: 8.1 mM Na2HPO4、1.5 mM KH2PO4、137 mM NaCl、2.7 mM KCl、pH 7.4、0.2 μm濾過)。ウェルを空にし、3回洗浄し、3回の洗浄それぞれにはウェルあたり340μlの洗浄緩衝液を用いる(洗浄緩衝液:0.05% Tween-20を含むPBS、pH 7.4)。
ブロッキング緩衝液は、0.35グラムのBSAおよび1.75グラムのスクロースを35 mLのPBS、pH 7.4に加えること、および穏やかに混合することによって調製する(プレートあたり35 mL)。300μlのブロッキング緩衝液を各ウェルに加え、最大で1時間、室温でインキュベートする。ウェルを空にし、3回洗浄し、3回それぞれはウェルあたり340μlの洗浄緩衝液を用いる。
8点の標準曲線を、試薬希釈液の2倍の段階希釈を使用して準備する。組換えIL-6、70 ng/mLを、試薬希釈液中2400 ng/mLの初期濃度まで希釈し、次いで、試薬希釈液を使用して、実施範囲、1200 ng/mL、600 ng/mL、300 ng/mL、150 ng/mL、75 ng/mL、37.5 ng/mL、18.75 ng/mLおよび9.375 ng/mLまでさらに希釈する(試薬希釈液は40 mLのPBS、pH 7.4中の0.4グラムのBSAを用いて調製し、穏やかにボルテックスする)。24μlの各試料(HK-2細胞培養から)を376μLの試薬希釈液を用いて希釈する。100μLの標準または試料をウェルあたりに加え、シールし、および低温(4℃)で一晩インキュベートする。ウェルを、3回洗浄し、3回それぞれはウェルあたり340μlの洗浄緩衝液を用いる。61μLのストック検出抗体(0.1〜10μg/mL)を試薬希釈液中に10.939 mLまで加え、かつボルテックスする。検出抗体の100μLの作用希釈を各ウェルに加える。プレートをシールし、室温で2時間インキュベートする。ウェルを、3回洗浄し、3回それぞれはウェルあたり340μlの洗浄緩衝液を用いる。ストレプトアビジン-HRP、プレートあたり11mLを試薬希釈液中で調製する。55μLのストック溶液(# 890803、R&D Systems)を10.945 mLの試薬希釈液に加え、穏やかにボルテックスする。100μLの作用希釈のストレプトアビジン-HRPを各ウェルに加える。プレートをシールし、20分間室温でインキュベートする。ウェルを、3回洗浄し、3回それぞれはウェルあたり340μlの洗浄緩衝液を用いる。5.5mLの発色試薬A(H2O2)を5.5mLの発色試薬B(テトラメチルベンジジン)(#DY999、R&D Systems)と混合する。100μLの基質溶液を各ウェルに加える。プレートを覆い、室温で20分間インキュベートする。50μLの停止溶液(2 N H2SO4)を各ウェルに加える。各ウェルの光学密度を、450nmに設定され、波長補正が550nmにおいてであるマイクロプレートリーダー(Dynex Revelation 4.22)を使用して直に決定する。
F. IL-8についてのELISA
IL-8 ELISAのためのプロトコールは、以下の改変を伴って、上記のIL-6の方法と同様である。スクロースはブロッキング緩衝液に含まれておらず、200μL試料を使用し、および実施範囲は4000 pg/mLから下方に31.25 pg/mLまでである。
G. ICAM-1についてのELISA
捕捉抗体は、キャリアタンパク質なしで、PBS、pH 7.4中で作用濃度まで希釈する。61μlのストック抗体(720μg/mL)を、10.939 mLのPBSに加え、穏やかにボルテックスする。96ウェルマイクロプレート(Immulon 4 HBX)を、ウェルあたり100μLの希釈捕捉抗体でコーティングする。プレートをシールし、一晩低温(4℃)でインキュベートする(PBS: 8.1 mM Na2HPO4、1.5 mM KH2PO4、137 mM NaCl、2.7 mM KCl、pH 7.4、0.2 μm濾過)。ウェルを、3回洗浄し、3回それぞれはウェルあたり340μlの洗浄緩衝液を用いる(洗浄緩衝液:0.05% Tween-20を含むPBS、pH 7.4)。ブロッキング緩衝液(プレートあたり35 mL)は、0.35グラムのBSAおよび1.75グラムのスクロースを35 mLのPBS、pH 7.4に加えることによって調製する。300μlのブロッキング緩衝液を各ウェルに加え、最大で1時間、室温でインキュベートする。ウェルを、3回洗浄し、3回それぞれはウェルあたり340μlの洗浄緩衝液を用いる。8点の標準曲線を、試薬希釈液の2倍の段階希釈を使用して準備する。組換えsICAM-1、55 ng/mLを、試薬希釈液中2000 ng/mLの初期濃度まで希釈し、次いで、試薬希釈液を使用して、実施範囲:1000 ng/mL、500 ng/mL、250 ng/mL、125 ng/mL、62.5 ng/mL、31.25 ng/mL、15.625 ng/mLおよび7.813 ng/mLまで希釈する。160μlの各試料を240μLの試薬希釈液を用いて希釈する(HK-2細胞培養から)。100μLの標準または試料をウェルあたりに加え、プレートをシールし、および低温(4℃)で一晩インキュベートする。ウェルを、3回洗浄し、3回それぞれはウェルあたり340μlの洗浄緩衝液を用いる。61μLのストック検出抗体(18μg/mL)を試薬希釈液中に10.939 mLまで加え、穏やかにボルテックスする。検出抗体の100μLの作用希釈を各ウェルに加える。プレートをシールし、室温で2時間インキュベートする。ウェルを、3回洗浄し、3回それぞれはウェルあたり340μlの洗浄緩衝液を用いる。55μLのストック溶液ストレプトアビジン-HRP(# 890803、R&D Systems)を10.945 mLの試薬希釈液に加え、穏やかにボルテックスする。100μLの作用希釈のストレプトアビジン-HRPを各ウェルに加える。プレートをシールし、20分間室温でインキュベートする。ウェルを、3回洗浄し、3回それぞれはウェルあたり340μlの洗浄緩衝液を用いる。5.5mLの発色試薬A(H2O2)を5.5mLの発色試薬B(テトラメチルベンジジン)(#DY999、R&D Systems)と混合する。100μLの基質溶液を各ウェルに加える。プレートを覆い、室温で20分間インキュベートする。50μLの停止溶液(2 N H2SO4)を各ウェルに加える。各ウェルの光学密度を、450nmに設定され、波長補正が550nmにおいてであるマイクロプレートリーダー(Dynex Revelation 4.22)を使用して直に決定する。
H. アネキシンV免疫染色を使用するアポトーシス検出
アポトーシスおよび細胞生存度を、シスプラチン処理後のHK-2細胞のアネキシンV-FITCおよびヨウ化プロピジウム染色を使用して定量する。不死化PTEC-由来HK-2細胞(ATCC番号CRL-2190)は、EGFおよびBPEを補充した無血清ケラチノサイト培地(GIBCO 番号17005-042)中で48時間培養する(Ryan et al. 1994 Kidney Int 45:48-57)。培地を吸引し、PBSで洗浄し、かつ10μlの培地結合剤および1.25μlのFITC結合体化アネキシンVとともに、暗所で室温にて15分間インキュベートする。ヨウ化プロピジウム(10μl)を加え、試料を直ちに分析する。アネキシンV-FITCおよびヨウ化プロピジウムのシグナルの定量は、蛍光顕微鏡法によって実行する(Axiovert 135; Carl Zeiss)。位相差画像を透過光を使用して観察する。アポトーシス細胞は細胞質染色を示し、生存細胞は染色されないままである(図17)。
I. BaxについてのELISA
捕捉抗体は、キャリアタンパク質なしで、PBS、pH 7.4中で作用濃度まで希釈する(200μlのPBSを360μg/mlのストックに加える)。61.2μlのストック抗体(360μg/mL)を、10.939 mLのPBSに加え、穏やかにボルテックスする。96ウェルマイクロプレート(Immulon 4 HBX)を、ウェルあたり100μLの希釈捕捉抗体でコーティングする。プレートをシールし、一晩低温(4℃)でインキュベートする(PBS: 8.1 mM Na2HPO4、1.5 mM KH2PO4、137 mM NaCl、2.7 mM KCl、pH 7.4、0.2 μm濾過)。ウェルを、3回洗浄し、3回それぞれはウェルあたり300μLの洗浄緩衝液を用いる(洗浄緩衝液:0.05% Tween-20を含むPBS、pH 7.4)。ブロッキング緩衝液(PBS pH 7.2〜7.4中、1% BSA、5% スクロース)は、0.35グラムのBSAおよび1.75グラムのスクロースを35 mLのPBS、pH 7.4に加え、かつ混合する。300μLのブロッキング緩衝液を各ウェルに加え、2時間、室温でインキュベートする。ウェルを、3回洗浄し、3回それぞれはウェルあたり300μlの洗浄緩衝液を用いる。8点の標準曲線を、試薬希釈液(PBS pH 7.2〜7.4中、1mM EDTA、0.005% Tween20、0.5% TritonX-100)中の2倍の段階希釈を使用して生成する。組換えBax(270ng/mL)を、希釈液中20 ng/mLの初期濃度まで希釈し、および希釈液を使用して、実施範囲:10ng/mL、5ng/mL、2.5ng/mL、1.25ng/mL、0.625ng/mL、0.3125ng/mL、および0.1562ng/mLまで希釈する。100μLの標準または試料をウェルあたりに加え、シールし、および4℃で一晩インキュベートする。ウェルを、3回洗浄し、3回それぞれはウェルあたり300μLの洗浄緩衝液を用いる。検出抗体の100μLの作用希釈(プレートあたり11 mL)を各ウェルに加え、シールし、室温で2時間インキュベートする。ウェルを、3回洗浄し、3回それぞれはウェルあたり300μLの洗浄緩衝液を用いる。55μLのストック溶液ストレプトアビジン-HRP(# 890803、R&D Systems)を10.945 mLの希釈液に加え、穏やかにボルテックスする。100μLの作用希釈のストレプトアビジン-HRPを各ウェルに加え、シールし、および20分間室温でインキュベートする。ウェルを、3回洗浄し、3回それぞれはウェルあたり300μLの洗浄緩衝液を用いる。新鮮な基質溶液(プレートあたり11 mL)を調製する。5.5mLの発色試薬A(H2O2)を5.5mLの発色試薬B(テトラメチルベンジジン)(#DY999、R&D Systems)と混合する。100μLの基質溶液を各ウェルに加え、覆い、および室温で20分間インキュベートする。50μLの停止溶液(2 N H2SO4)を各ウェルに加える。各ウェルの光学密度を、450nmに設定され、波長補正が544nmにおいてであるマイクロプレートリーダーを使用して直に決定する(図14)。
I. 心筋細胞細胞培養ならびにサイトカイン、アポトーシス活性の決定
初代新生仔ラット心筋細胞(Cell Applications)を、10%成長補充物(Cell Applications)を有する心筋細胞培養用培地中で、37℃、5% CO2にて24時間培養する。細胞は、成長補充物に対して12時間飢餓状態にし、続いて、ドキソルビシン(333nM)またはリポポリサッカリド(LPS)(100ng/ml)のいずれかを用いて、それぞれ24時間または12時間処理を行う。対照は培地単独を受ける。細胞は、培地単独またはBMP-7(143nM)または4つの異なる濃度(4μM、20μM、100μM、50OμM)のTDFRP化合物とともに、24〜60時間インキュベートする。細胞は、5% CO2湿度大気中、37℃に維持する。インキュベーションの最後に、馴化培地を除去し、セリン473におけるAktリン酸化またはカスパーゼ3酵素活性を、製造業者(それぞれ、Cell Signaling TechnologyまたはCalbiochem)の説明書に従ってアッセイする。培養上清中のラットIL-6の濃度は、上記のように、特異的ELISAによって測定する(図16)。
J. Akt S473リン酸化を検出するためのプロトコール
TDFRP化合物の抗アポトーシス活性は、ドキソルビシンを用いる処理後に、心筋細胞細胞生存のマーカーとして、Aktのリン酸化の増加を使用してアッセイする。初代新生仔ラット心筋細胞(Cell Applications)を、10%成長補充物(Cell Applications)を有する心筋細胞培養用培地中で、37℃、5% CO2にて24時間培養する。細胞は、成長補充物に対して12時間飢餓状態にし、続いて、ドキソルビシン(333nM)を用いる24時間の処理を行う。対照は培地単独を受ける。細胞は、培地単独またはBMP-7(143nM)または4つの異なる濃度(4μM、20μM、100μM、50OμM)のTDFRP化合物とともに、60時間インキュベートして、セリン473におけるAktリン酸化を検出する(Cell Signaling Technology)。細胞溶解物は、Milli-Q水中で1:10希釈された製造業者の溶解緩衝液(10×)中で調製し、PMSFは1mMの最終濃度まで加える。200μlの氷冷溶解緩衝液を、12ウェルプレートのウェルあたりに使用する。細胞を4℃で10分間インキュベートし、細胞溶解物を、ウェルから上清を取り出すこと、および10,000rpm、10分間、4℃での遠心分離によって清澄化することによって得る。各希釈の100μlをマイクロウェルストリップ(Cell Signaling Technology)に加え、シールし、および4℃で一晩インキュベートする。ウェルを、1×洗浄緩衝液300μlで4回洗浄する。ウェルあたり100μl検出抗体を加え、37℃で1時間インキュベートする。100μl HRP結合二次抗体をウェルあたりに加え、37℃で30分間インキュベートする。100μl TMB基質をウェルあたりに加え、暗所にて室温で30分間インキュベートする。反応を停止し、吸光度を、マイクロプレートリーダーを用いて450nMで読み取る(図16)。
K. カスパーゼ-3活性を検出するためのプロトコール
TDFRP化合物の抗アポトーシス活性は、心筋細胞のドキソルビシンまたはLPS処理によって誘導されるカスパーゼ-3活性をダウンレギュレートする能力を試験することによって決定される。カスパーゼ-3活性はアポトーシスマーカーとして役立つ。細胞溶解物は、製造業者の溶解緩衝液中で調製する。200μl氷冷溶解緩衝液を12ウェルプレートのウェルあたりに使用する。細胞を4℃で10分間インキュベートし、溶解物を、ウェルから上清を取り出すこと、および10,000rpm、10分間、4℃で遠心分離にすることによって得る。50μlのアッセイ緩衝液(Calbiochem)を各ウェルに加え、40μlの溶解物を加え、かつ混合する。10μlのカスパーゼ-3基質をウェルあたりに加え、吸光度を、マイクロプレートリーダーを用いて405nMで読み取る(図16)。
L. Smadリン酸化
Smadのリン酸化および核移行は、I型およびII型受容体の活性化、ならびに引き続く細胞内Smad標的へのシグナル伝達の後で起こる。TDFRP化合物による、HK-2細胞中でのR-Smadのリン酸化および核移行は、H Aoki, M Fujii, T Imamura, K Yagi, K Takehara, M Kato and K Miyazono. J. of Cell Sci. 114, 1483-1489, 2001)の手順に従う抗ホスホSmad 1/5抗体を使用する免疫蛍光顕微鏡法、および様々な種の細胞におけるウェスタンブロット分析によってアッセイする(図2、3、18、27)。
HK2、ヒト近位尿細管細胞は、培地単独中でインキュベートされるか、または37℃で1時間10分、TDFRPもしくは対照化合物に曝露される。BMP-7は、このアッセイ法において陽性対照をして役立つ。各ウェルを1mLのあらかじめ温めた培地ですすぐ。ウェルあたり1mLの冷アセトン/メタノール混合物(1:1)を加え、細胞を固定するために室温で2分間インキュベートする。ウェルを1mLの冷PBSで洗浄し、1mLブロッキング緩衝液(PBS中の3% BSA、1%ヤギ血清)で7分間ブロッキングした。細胞を乱すことなくウェルを吸引し、500μL/ウェル一次抗体を、PBS(ヤギ血清なし)中3% BSA中の0.056μg/mL濃度で加える(抗ホスホSmad1)。細胞を4℃で一晩インキュベートする。FITC標識二次抗体をPBS中の1.5%ヤギ抗体中で1:10希釈し、500μL/ウェル二次抗体を加え、暗所にて室温で40分間インキュベートする。ウェルを、2回洗浄し、2回それぞれ1mLのPBSを用い、蛍光顕微鏡で観察する(図18)。
ウェスタン分析によるSmadリン酸化の検出のために、培地中のLNCaP(前立腺癌細胞)またはEC(血管内皮細胞)を、様々な濃度のTDFRPまたは対照化合物に曝露する。BMP-7は陽性対照として役立つ。細胞を、1 mM PMSF、1mM オルトバナジウム酸ナトリウム、および10μg/mLプロテアーゼインヒビターカクテルを含むRIPA溶解緩衝液(50 mM Tris-HCl、pH 8.0、150 mM NaCl、1% NP-40、0.5% デオキシコール酸ナトリウム。0.1% SDS)中で溶解する。溶解物を氷上で15分間インキュベートし、遠心分離し、および上清を清澄なチューブに移す。50〜100μgをSDS-PAGEによる分析のために使用する。分離したタンパク質をPVDFメンブレンに電気により転写する。ブロットを、PBS中で調製した3%ノンファットドライミルク中で、絶え間なくゆっくりと攪拌しながら1時間インキュベートすることによってブロッキングする。ブロットを、PBS-ミルク中で調製した1〜2μg/mLの一次抗体(ウサギ抗ホスホSmad1)とともに、攪拌しながら4℃で一晩インキュベートし、PBSで2回洗浄し、および二次抗体(抗ウサギHRP結合体化IgG、1:3000希釈)とともに、攪拌しながら室温で2時間インキュベートする。PBS-0.05% Tween 20中での5分間の洗浄およびすすぎ後、Smadリン酸化を、製造業者の説明書に従ってHRP反応を介して検出する(図3、27)。
M. 腫瘍抑制を評価するためのインビトロアッセイ法
前立腺癌は、男性において最も一般的な癌の1つである。いくつかの一連の証拠が、骨形成タンパク質(BMP)がアンドロゲン感受性(LNCaP)およびアンドロゲン非感受性(PC-3、DU-145)ヒト前立腺癌細胞を阻害することを示唆してきた。さらに、BMPシグナルが、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(CDKI)p21(CIPl/WAFl)をアップレギュレートすること、およびCdk2の活性を減少することによって、ヒト前立腺腫瘍細胞の成長および増殖を阻害し、Rbタンパク質の低リン酸化に導くことが示されてきた。TDFRP化合物は、化合物の成長阻害活性を評価するために、インビトロ前立腺癌および膀胱癌バイオアッセイ法においてスクリーニングされてきた(図3、28)。3H-チミジン取り込みは、ヒトの前立腺癌および膀胱癌の細胞株における細胞増殖活性のためのマーカーとして使用される。シスプラチンは、3H-チミジン取り込みを阻害し、このことは、ヒトの前立腺癌と膀胱癌の両方の細胞における腫瘍増殖抑制活性を示す。TDFRP化合物を、用量依存性様式で受容体調節性のSmad 1/5リン酸化を誘導する能力について、これらの癌細胞においてアッセイする(図3、27、28)。
実施例6 TDFRP化合物の生物学的活性を測定するためのインビボアッセイ法
I. 虚血後の心筋損傷の治療におけるTDFRP化合物(SEQ ID NO:45)の効力のインビボ研究
心筋虚血の効果を改善することにおけるTDFRP化合物(SEQ ID NO:45)の効力を、冠動脈の結紮後のラットにおいて研究した。初期の体重(>300g、手術前)によって2つの大きな群に分類した24時間未操作のラットを評価した。14匹のラットは1週目に手術を受け、12匹のラットは2週目に手術を受け、かつラットは3つの処理群に分けた:群1、PBS;群2、陽性対照TDF-1;群3、試験品目TDFRP(SEQ ID NO:45)(表13を参照されたい)。
(表13)THR 04-02:各処理群についての動物の標的番号
手術の3日前に、血清試料を各ラット(あらかじめ出血)の尾静脈から収集した。手術の日に、各ラットに、手術の2時間前、化合物を静脈内投与した。手術を、0.5% イソフルラン(isofluorane)麻酔薬を用いて、挿管および通気後に連続的に実行した。リードII ECGを手術全体を通してモニターした。開胸術を実行し、スネア技術を使用して主左冠動脈を20分間閉塞させた(図19)。動脈の閉塞の成功を、結紮の最初の5分間以内のリードII ECGにおけるST上昇によって、および結紮の10分後の頻繁な心室性不整脈によって確認した。スネアを放出して血流を回復させた。もともとの縫合ループを7日目の再閉塞のためにその場所に放置した。再灌流の開始後、胸腔を2層の縫合を用いて閉じた。ラットを人工呼吸器から引き離し、完全に意識が戻りかつ動くまで観察する。抗生物質(QD)および鎮痛剤(Q8D)を供給した。さらなる血清試料を、閉塞の6時間後、24時間後、72時間後および120時間後に収集した。さらなる化合物、陽性対照または賦形剤処理を、閉塞の24時間後、72時間後および120時間後に、尾静脈において静脈内注射によって送達した。
7日目に、各ラットを麻酔し(ケタミン:キシリン(xyline))、胸腔を再び開き、末梢血試料(1ml)を腹部静脈から引き出した。全体の病理(すなわち、炎症)を記録し、4点の炎症スケール:0=炎症なし、1=わずか、2=中程度、3=重篤、および4=完全な心外膜炎で等級付けする。次いで、左冠動脈を既存の縫い目を使用して再閉塞し、生理食塩水中のEvansブルー色素(20mg/ml; 0.5ml/ラット)の濃縮溶液を心尖に注射して、非虚血性心臓組織を青色に染色した。次いで、心臓を、右心室への塩化カリウムの飽和溶液の注射によって停止させた。次いで、心臓を切除し、セロファンでくるみ、-20℃で1.5時間保存した。冷やした心臓を10個の横断面薄片(2mm/薄片)に切断し、各切片を番号付けし、塩化トリフェニルテトラゾリウム(PBS中1% TTC)で別々に37℃、10分間インキュベートし、その後4%ホルムアルデヒド中で固定を行った。引き続いて、各薄片を写真撮影した。各薄片について、「リスク領域(AR)」および「壊死によって占められる領域(AN)」を形態計測によって測定した。AN対ARの比率は、閉塞から生じる損傷の程度の尺度である(図20)。
67%の動物(16/24)が冠動脈の結紮で生き残り、手術の7日後に剖検を受けた。各閉塞を、手術の間、および最終的には剖検のある7日目にEvansブルー注射後に、ECG分析によって確認した。1匹以外のすべてのラットが剖検の際にEvansブルーによって閉塞の成功を実証した(15/16)。全体で、6匹のPBS処理した、4匹のBMP-1処理した、および6匹のTDFRP化合物(SEQ ID NO:45)処理した動物を剖検において評価した。梗塞の領域をすべての心臓試料において同定し、形態計測を大部分の薄片上で実行した。全体の病理および形態計測において処理に関係する差異を観察した。PBSで処理した対照は、いずれかの試験化合物を用いて処理したラットにおける軽微な心外膜炎と比較して、剖検におけるより重篤な心外膜炎を示した。10mg/kgの化合物で処理した動物は、PBS処理した動物と比較してAN/AR比率の84%の減少を示したのに対し、160μg/kg rhmBMP-7(陽性対照)で処理した動物は、PBS処理した動物と比較してAN/AR比率の7%のみの減少を有した。さらに、化合物で処理した動物は、PBS処理した動物と比較して炎症スコアの78%の減少を示した(図20)。
II. 脳卒中のインビボモデル
A. 重篤な低酸素性虚血
重篤な低酸素性虚血性損傷に起因する細胞損傷に対するTDFRP化合物の効果は、Hughesおよび共同研究者の方法(Hughes et al., Methods of providing neuroprotection and/or neurorestoration via the neural activin type IIB receptor, 米国特許出願第10/177,735号, 2003年6月5日出願)によって測定する。片側性の低酸素性虚血性脳損傷は、以前に記載されたように(Sirimanne E. S., Guan J., Williams C. E., and Gluckman P. D. (1994). J. Neurosci. Meth., 55:7-14; Vannucci, R. C. (1993) APMIS 101, 89-95; Levine (1960) Am. J. Path. 36, 1-17)、修正版の「Levine」ラット調製物21日齢Wistarラットにおいて誘導される。手短に述べると、40〜49g体重の両方の性別のラットを麻酔し、2% ハロタン/酸素混合物上で維持する。10mmの切開を頚部の正中線に沿って作製し、右総頚動脈を露出し、これを4-0絹製外科用糸を使用して二重に結紮する。安定な温熱中間環境(34℃、85+-5%湿度)に維持された保育器中での1時間の回復時間後、続いて、ラットを、34℃、60分間および80%湿度で、窒素中8%酸素の厳しい吸入低酸素状態に曝露する。次いでこれらを保育器から取り出し、22℃の室温および55=5%の相対湿度に保持し、食餌および水を自由に与える。2つの対照を使用する:結紮または低酸素のいずれも受けなかった対照ラット;および麻酔および切開(しかし結紮はなし)および低酸素を受けた「偽」結紮ラットである。TDFRP化合物の投与ならびに組織学的分析および行動試験による虚血誘導性脳損傷の測定は以下のように実行する。
B. 中大脳動脈(MCA)閉塞虚血モデル
中大脳動脈(MCA)閉塞モデルは、病巣の虚血事象または脳卒中の十分に受容されているモデルである(Gotti, et al., (1990) Brain Res. 522: 290-307)。病巣の虚血は、MCAを通しての血流を妨害することによって産生され、この動脈によって供給される脳の部位の梗塞を生じる。MCAモデルは、TDFRPまたはBMPなどの薬物が、中枢神経系組織が脳卒中に起因して損傷したかまたは失われたヒトにおける機能の回復を変化させる能力および効力の合理的な予測となる。例えば、MCAモデルは、MCAの領域内の組織によって天然に寄与される、運動協調性、知覚、発話、または任意の他の中枢神経系の機能する薬物の効力を合理的に予測すると見なされる。
Changおよび共同研究者(Chang et al., Stroke. 2003 Feb;34(2):558-64)は、中大脳動脈閉塞(MCAO)の前に与えられた骨形成タンパク質-7(BMP-7)が脳における虚血性損傷を減少することを以前に報告した。最近の研究は、BMPの受容体が脳虚血後にアップレギュレートされることを示した。このアップレギュレーションは、虚血性脳における内因性の神経修復を容易にする可能性がある。
低酸素性虚血性損傷に起因する細胞損傷に対するTDFRP化合物の効果は、Weaverおよび共同研究者(Weaver, et al., (1997) Proc Natl Acad Sci U S A. 1997 Sep 16;94(19):10450-4)、Changおよび共同研究者(Chang et al., Stroke. 2003 Feb;34(2):558-64)、または米国特許第6,407,060号、2002年6月18日発行の方法によって測定される。例えば、MCA閉塞は、記載されるように(Oliff et al., (1995) Brain Res. 699, 329-331)、雄性Wistarラット(290〜320 g、Charles River Breeding Laboratory)においてハロタン麻酔薬下で実行する。手短に述べると、ステロイドまたは賦形剤の投与のための長期的内部存在カテーテルを左頚静脈に配置する。両方の総頚動脈(CCA)を単離し、ゆるい絹結紮を各動脈の周りに配置する。左MCAを露出し、同側CCAの永久的な結紮後、MCAを、その起点から嗅索まで凝血させる。対側CCAを2時間の期間、閉塞する。
または、成体Sprague-Dawleyラットを抱水クロラールで麻酔する。中大脳動脈を、右内頚動脈を通して挿入された細糸によって一過性に閉塞する。この細糸は、再灌流を可能にするために60分間の虚血後に取り出す。
なおさらに、250〜300グラム体重の雄性Sprague-Dawleyラット(Charles River)を、70% NO2/30% O2中の2% ハロタンで麻酔する。尾動脈に、血液中の気体および血中グルコースをモニターするためにカニューレを挿入する。直腸プローブを使用して体温をモニターし、加熱パッドを用いて37+-0.5℃で維持する。近位中大脳動脈(MCA)を、Tamura, et al. (1981, J. Cereb. Blood Flow Metab. 1 : 53-60)の方法の改変を使用して永続的に閉塞する。手短に述べると、近位MCAは、頬骨弓を除去すること、または顔面神経を処理することなく、経頭蓋的に露出させる。次いで、動脈は、両極性微小凝集沈殿装置を使用して、嗅索に対してすぐ近位から下大脳静脈まで、電気により凝固させ、次いで、横切開する(Bederson, et al., (1986) Stroke 17: 472-476)。ラットを、これらが意識を回復するまで観察し、次いで、これらの家であるケージに戻す。抗生物質であるセファゾリンナトリウム(40 mg/kg、i.p.)を、感染を予防するために、脳卒中手術の前日および手術の直後にすべての動物に投与する。脳卒中手術の間、引き続いてTDF、例えば、BMP-7、TDFRP、または賦形剤処理を受けた動物間で、血中のガスまたはグルコースのレベルの変化は存在しない。
TDFRP化合物の投与ならびに組織学的分析および行動の試験による虚血誘導性脳損傷の測定は、以下に記載されるように実行する。
C. 予防的および治療的処置
虚血媒介性組織損傷に対するTDFRP化合物の効果は、対側CCAの閉塞の0〜60分間前(予防的)、または後(治療的)に、単独でまたはTDFと組み合わせたTDFRPの投与によって評価される。例えば、ラットに、静脈内負荷用量0.000001〜10,000mg/kg TDFRP化合物またはTDF、続いて、屠殺されるまで1時間あたり0.000001〜10,000mg/kgのTDRFまたはTDFの静脈内注入を投与する。対照ラットは、賦形剤(0.1Mリン酸緩衝液、pH 7.4/5% DMSO/10%シクロデキストリン)で処理する。または、動物は、単回用量(0.000001〜10,0000mg/kg)の静脈内TDF、例えば、BMP-7、TDFRP化合物および/または賦形剤を、虚血処理の0〜24時間前(予防的)または後(治療的)に受ける。
なおさらに、処理群の動物は、0.1〜100μg/注射の用量で、TDF、例えば、BMP-7、および/またはTDFRP化合物を嚢内に受ける。対照動物は、TDFRP化合物を欠くが、他のすべての成分を等価な最終濃度で有する賦形剤溶液を受ける。嚢内注射は、脳卒中の開始の24時間に行い、その後30日間まで反復してもよい。
嚢内注射を投与するために、動物は、70% NO2/30% O2中のハロタンで麻酔し、定位フレーム中に配置する。TDFRP化合物もしくはTDF含有溶液または賦形剤のみの溶液の嚢内注射のための手順は同一である。無菌的技術を使用して、TDFRP化合物または等価量の賦形剤またはTDF含有溶液を、26ゲージ針を取り付けたHamiltonシリンジを使用して、大槽への皮内注射(〜10μl/注射)によって導入する(Yamada, et al., (1991) J. Cereb. Blood Flow Metab. 11: 472-478)。各注射の前に、〜1〜2μlの脳脊髄液(CSF)がHamiltonシリンジを通して引き戻され、くも膜下腔における針の配置を確認する。この技術を使用して、1% Evansブルー色素は、注射の1時間以内に基底槽を通して、および大脳皮質を超えて自由に拡散する。
D. 行動試験
行動/機能試験に必要である取り扱いに対して動物を慣れさせるために、手術の前の3日間の間、毎日10分間、動物を取り扱う。手術後、動物を個々のケージ内に収容する。4種の標準的な機能/行動試験を、梗塞後の感覚運動および反射機能を評価するために使用する。これらの試験は、Bederson, et al., (1986) Stroke 17: 472-476; DeRyck, et al., (1992) Brain Res. 573: 44-60; Markgraf, et al., (1992) Brain Res. 575: 238-246; およびAlexis, et al., (1995) Stroke 26: 2338-2346を含む文献中に十分に説明されている。
i. 前肢配置試験
手短に述べると、前肢配置試験は3つの部分試験から構成される。別々の点数が各前肢から得られる。テーブル上への肢の正常な配置を「0」と点数付けし、遅れた配置(<2秒)が「1」と点数付けされ、および配置がないかまたは非常に遅れた配置(>2秒)を「2」と点数付けする。別々の点数は、動物がテーブルに対して前方に移動する場合に最初に得られ、次に再度、動物がテーブルに対して横向きに移動する場合に得られる(肢あたりの最大点数=4;各場合において、より高い数値はより大きな欠損を示す)。触覚配置部分試験のために、動物は、卓上を見ることができないか、またはそのひげで卓上と接触できないように保持される。背側前肢は、動物が最初に前方に移動し、次いでテーブルに対して側方に移動する場合に、卓上に軽く接触する。配置を毎回上記のように点数付けする(肢あたりの最大点数=4)。固有感覚性配置部分試験のために、動物は前方のみに移動し、より大きな圧力が背側前肢い適用され;配置は上記のように点数付けされる(肢あたりの最大点数=2)。これらの部分点数を、肢あたりの全体の前肢配置点数を得るために加算する(範囲=010)。ある動物においては、ひげ配置部分試験を行い、ここでは、卓上によるひげ刺激に応答して前肢を配置する動物の能力を試験した(肢あたりの最大点数=2)。次いで、部分点数を、肢あたりの全体の前肢配置点数を得るために加算する(範囲=0〜10、ひげ部分試験を用いて0〜12)。TDFRP化合物を受けていない偽操作動物において観察される部分試験点数に向かい、かつTDFRP化合物を受けていない対照虚血動物において観察される部分試験点数から離れている、TDFRP化合物で処理した動物における1つまたは複数の部分試験における点数の標準化は、TDFRPが、予防的または治療的な効果を有することを示す。
ii. 後肢配置試験
後肢配置試験は、前肢配置試験と同じ様式で実施するが、後肢の触覚および固有感覚性部分試験のみを含む(それぞれ最大点数4および2;全体の点数範囲=0〜6)。TDFRP化合物を受けていない偽操作動物において観察される部分試験点数に向かい、かつTDFRP化合物を受けていない対照虚血動物の点数から離れている、TDFRP化合物で処理した動物における後肢配置試験点数の標準化は、TDFRPが、予防的または治療的な効果を有することを示す。
iii. 改変平均台試験
改変平均台試験は、動物が狭い平均台(30×1.3cm)の上で60秒間バランスをとる場合の前庭運動反射機能を試験する。動物が平均台上でバランスを取る能力を以下のように点数付けする。1-動物は平均台の上端で四肢すべてを用いてバランスを取る。2-動物は平均台の側面に肢を置くか、または平均台上で揺れ動いている。3-1本または2本の肢が滑り落ちる。4-3本の肢が平均台から滑り落ちる。5-動物は肢でバランスを取ろうと試みるが落下する。6-動物は平均台にもたれかかり、次いで落下する。7-動物はバランスを取る試みなしで平均台から落下する。動物は3つの訓練試験を手術前に受けた:これらのうちの最後の点数を、ベースラインスコアとして取る。TDFRP化合物を受けていない偽操作動物において観察される部分試験点数に向かい、かつTDFRP化合物を受けていない対照虚血動物において観察される点数から離れている、TDFRP化合物で処理した動物における改変平均台試験点数の標準化は、TDFRPが、予防的または治療的な効果を有することを示す。
iiii. 姿勢反射試験
姿勢反射試験は、反射と感覚運動の両方の機能を測定する。動物を、床の上にぶら下がった尾によって最初に保持する。両方の前肢を用いて対称的に床に達する動物を「0」と点数付けする。次いで、異常な姿勢(肢の屈曲、身体の回転)を示す動物を、プラスチックで裏打ちされた紙のシート上に配置する。穏やかな横方向の圧力を用いる側方向の移動に対して抵抗することが可能である動物を「1」と点数付けするのに対して、このような移動に対して抵抗することができない動物を「2」と点数付けする。すべての機能的/行動試験を、脳卒中手術の直前、次いで、脳卒中の1日目から1日おきに施す。各セッションにおいて、動物を、試験が始まる前30分間、試験室に適合させる。TDFRP化合物を受けていない偽操作動物において観察される点数に向かい、かつTDFRP化合物を受けていない対照虚血動物において観察される点数から離れている、TDFRP化合物で処理した動物における姿勢反射試験の点数の標準化は、TDFRPが、予防的または治療的な効果を有することを示す。
E. 組織学的分析
i. 脳組織のヘマトキシリンおよびエオシン染色
MCA閉塞後30日またはそれ以上まで、動物をペントバルビタールで深く麻酔し、ヘパリン化生理食塩水、続いて10%緩衝化ホルマリンで経噴門的に灌流する。脳を取り出し、3つの断片に切断し、ならびに脱水およびパラフィン中に包埋する前に10%緩衝化ホルマリン中で保存する。冠状切片(5μm)を滑りミクロトーム上で切断し、ガラススライド上にマウントし、ならびにヘマトキシリンおよびエオシンで染色する。7個の薄片の各々上の脳梗塞の領域(ブレグマと比較して+4.7、+2.7、+0.7、-1.3、-3.3、-5.3、および-7.3)を、コンピュータ接続画像処理システム(Rioquant, R&M Biometnix, Inc., Nashville, Teen.)を使用して決定する。薄片あたりの全体の梗塞領域を、プロセシングの間の脳の収縮を補正するために、[無傷の対側半球の領域]-[無傷の同側半球の領域]として間接的方法によって決定する(Swanson, et al., (1990) J. Cereb. Blood Flow Metab. 10: 290-293)。次いで、梗塞体積を、無傷の対側半球体積のパーセンテージとして表現する。皮質および線条体における梗塞の体積もまた、これらの方法を使用して別々に決定する。分析は、観察者が処理群に対して目隠し状態で実行する。TDFRP化合物の存在下での梗塞体積の減少は、TDFRP化合物が予防的または治療的効果を有することを示す。
ii. 脳の2,3,5-テトラゾリウムクロライド染色
ラットを、外科的処置の30日後またはそれ以上までで、過量のペントバルビタールで安楽死させる。脳を2mm冠状切片に薄切りにし、当技術分野において周知の方法によって、2,3,5-トリフェニルテトラゾリウムクロライドで染色する。皮質および皮質下の梗塞体積を、梗塞の面積の積分および画像分析システム(NIH IMAGE)を使用する薄片間の距離によって計算する。分析を、観察者が処理群に対して目隠し状態で実行する。TDFRP化合物の存在下での梗塞体積の減少は、TDFRP化合物が予防的または治療的効果を有することを示す。
実施例7 ラット頸動脈新生内膜形成に対するTDFRPの効果のインビボ測定
TDFRP化合物、TDFRP化合物をコードするポリヌクレオチド、またはウイルス、例えば、TDFRP化合物をコードする構築物(例えば、ベクター)を含むアデノウイルスであるがこれに限定されないウイルスは、血管バルーン損傷のラットモデルにおけるそれらの効果について試験される。例えば、体重450〜600gの成体Sprague-Dawley雄性ラットを、ケタミン(150 mg/kg体重)およびキシラジン(15 mg/kg体重)の腹腔内注射を用いて麻酔する。頚部切開後、2F Fogartyバルーンカテーテル(Baxter, Irvine, CA)を、左総頚動脈に、動脈切開を介して挿入する。適切かつ再現可能な損傷を保証するために、バルーンカテーテルを、較正した膨張デバイスを用いて、5分間、2 ATMまで膨張させる。バルーンを、前後に3回通過させ、取り外す。プラスチックカテーテル(27ゲージ1/2)を、外部頸動脈切開を通して導入し、左総頚動脈に、適切な賦形剤単独またはTDFRP化合物(0.000001 mgタンパク質/kg体重〜100,000 mgタンパク質/kg体重)を含む賦形剤の導入前にPBSを流す。または、TDFRP化合物をコードするポリヌクレオチドを含む賦形剤(0.000001 mgポリヌクレオチド/kg体重〜100,000 mgポリヌクレオチド/kg体重)、またはTDFRPをコードする適切なポリヌクレオチド構築物を含むウイルスキャリア、例えば、アデノウイルス(1 pfu/ml〜1×1014 pfu/ml)が投与される。
例えば、組換えアデノウイルスストックは、融解の2時間以内に使用する。50マイクロリットルの1 pfu/ml〜1×1014 pfu/mlアデノウイルスベクター(AdLacZまたはAd-TDFRP)またはDMEMは、プラスチックカテーテルを通して、損傷し単離した総頚動脈切片に滴下する。15分後、アデノウイルスまたはDMEMを吸引する。近位外部頚動脈を結紮し、総頚動脈および内部頚動脈を通る血流を再確立する。バルーン損傷の2週間後、対側対照動脈(これは、損傷もアデノウイルス処理も受けていない)、およびアデノウイルス処理を有しない(DMEM)またはアデノウイルス処理を有する(Ad-LacZまたはAd-TDFRP)バルーン損傷動脈を収集し、4%パラホルムアルデヒド中に、4℃で48時間固定し、パラフィンブロックに包埋し、切片化し(5gm)、ならびにヘマトキシリンおよびエオシンを用いて、またはVon Giesen法によってのいずれかで染色し、内部および外部の弾性板を明らかにする。画像を獲得し、ならびに新生内膜および中膜の横断面の面積について、NIH画像プログラムを使用して分析し、面積の比率を計算する。
賦形剤単独を受けている血管形成術処理血管において観察される新生内膜対中膜比率と比較した、TDFRPを受けている血管形成術処理血管において観察される新生内膜対中膜比率の減少は、TDFRPが抗再狭窄効果を有することを示す。同様に、賦形剤単独を受けている血管形成術処理血管において観察される新生内膜対中膜比率と比較した、TDFRPをコードするポリヌクレオチドを受けている血管形成術処理血管における新生内膜対中膜比率の減少は、TDFRPをコードするポリヌクレオチドが抗再狭窄効果を有することを示す。さらに、TDFRPをコードしていないポリヌクレオチド構築物を含むウイルスキャリアを受けている血管形成術処理血管において観察される新生内膜対中膜比率と比較した、TDFRPをコードするポリヌクレオチド構築物を含むウイルスキャリアを受けている血管形成術処理血管において観察される新生内膜対中膜比率の減少は、TDFRPが抗再狭窄効果を有することを示す。Student t-検定は、処理群の間で観察された新生内膜対中膜比率の差異を評価するために使用する。「P」値は0.05以下であり、有意であると見なされる。
ブタ動脈損傷モデル
アデノウイルス媒介遺伝子移入を、家畜Hampshire pigs (15 kg)の腸骨動脈中で、TDFRP化合物をコードするポリヌクレオチド配列を含むアデノウイルス(Ad-TDFRP)、またはレポーター遺伝子(Ad-LacZ)を用いて実施する。ケタミン(20 mg/kg体重)およびキシラジン(2 mg/kg)を用いる鎮静後、ブタに挿管し、およびイソフルラン/NOで麻酔する。無菌外科技術の下で、#3 フレンチバルーンカテーテルを、内部腸骨動脈を通して腸骨動脈に挿入し、5分間、2 atmに膨張させる。動脈切片を、5 mL生理食塩水ですすぐ。組換えアデノウイルスストックを融解の2時間以内に使用する。1mlの1010pfu/mlアデノウイルスベクター(Ad-LacZ or Ad-TDFRP)またはDMEMは、損傷した単離した腸骨動脈切片に、プラスチックカテーテルを通して滴下する。30分後、アデノウイルスまたはDMEMを吸引する。アデノウイルス処理後、カテーテルを取り外し、動脈の流れを回復させる。動物を、アデノウイルス処理の3週間後に屠殺し、腸骨動脈の血管形成術切片を、陰性の正常な対照切片として使用したより遠位の切片とともに収集する。
収集した血管組織を、4%パラホルムアルデヒド中で、4℃で48時間固定し、パラフィンブロックに包埋し、切片化し(5μm)、ならびにヘマトキシリンおよびエオシンを用いて、またはVon Giesen法によってのいずれかで染色し、内部および外部の弾性板を明らかにする。画像を獲得し、ならびに新生内膜および中膜の横断面の面積について、NIH画像プログラムを使用して分析し、面積の比率を計算する。Student t-検定は、処理群の間で観察された内膜対中膜比率の差異を評価するために使用する。「P」値は0.05以下であり、有意であると見なされる。
実施例8 ウサギアテローム性動脈硬化症に対するTDFRP化合物の効果のインビボ測定
TDFRP化合物、TDFRP化合物をコードするポリヌクレオチド、またはTDFRP化合物をコードする構築物(例えば、ベクター)を含む、例えば、アデノウイルスであるがこれに限定されないウイルスを、Simariおよび共同研究者(Simari et al., Clin. Invest., 98: 225-35 (1996)によって記載されるようなアテローム性動脈硬化症のウサギモデルにおけるそれらの効果について試験する。手短に述べると、NZWウサギを、ケタミン(35 mg/kg i.m.)およびキシラジン(5 mg/kg i.m.)で鎮静し、および挿管する。麻酔をイソフルランを用いて維持する。手術前に、血液化学および血清コレステロールおよびトリグリセリドレベルを測定する(Roche Biomedical Laboratories, Nutley, NJ)。右大腿動脈の外科的露出および動脈切開を実施し、3-French Fogartyバルーンカテーテル(Baxter Healthcare Corp., Mundelein, IL)を総腸骨動脈に通す。バルーンを、右腸骨動脈中で膨張させ、3回引き出す。右大腿動脈を遠位で結紮し、切開を閉じる。手術後、ウサギに、これらが屠殺されるまで、0.5%コレステロールおよび2.3%ピーナッツオイルからなる高脂肪食餌を与える。すべての動物は、週に3回、アスピリン、10 mg/kgを受ける。2匹のウサギは、剥皮損傷およびコレステロール供給の3週間後に屠殺し、アテローム性動脈硬化症病変の程度を決定するために腸骨動脈を分析する。
最初の血管損傷の3週間後、血管形成術用バルーン損傷を、右腸骨動脈中で実施する。血清コレステロールおよびトリグリセリドレベルを測定する。正中腹部切開を行い、末梢大動脈および総腸骨動脈を単離する。腸骨動脈の側枝を単離し、結紮する。2〜2.75-mmバルーン血管形成術用カテーテル(SciMed, BSC, Maple Grove, MN)を、末梢大動脈切開を介して、右腸骨動脈に進行させる。血管形成術用バルーンを、6大気圧まで、1分間膨張させ、かつしぼませる。バルーン膨張およびしぼみを2回反復する。
試験薬剤を用いる血管の処理は、損傷の部位に対してすぐ近位である位置にバルーンカテーテルを引き出すことによって実施する。動脈切片を、一時的な結紮を用いて単離し、5mlのリン酸緩衝化生理食塩水ですすぎ、その後、適切な賦形剤単独、TDFRP化合物(0.000001 mgタンパク質/kg体重〜100,000mgタンパク質/kg体重)を含む賦形剤、またはTDFRPをコードするポリヌクレオチド(0.000001 mg ポリヌクレオチド/kg体重〜100,000 mgポリヌクレオチド/kg体重)を含む賦形剤の導入を行う。または、TDFRP化合物をコードする適切なポリヌクレオチドベクター(1 pfu/ml〜1×1014pfu/ml)を含むウイルスキャリア、例えば、アデノウイルスが投与される。例えば、組換えアデノウイルスストックは、融解の2時間以内に使用する。50マイクロリットルの1 pfu/ml〜1×1014 pfu/mlアデノウイルスベクター(AdLacZまたはAd-TDFRP)またはDMEMは、プラスチックカテーテルを通して、損傷し単離した総頚動脈切片に滴下する。15分後、アデノウイルスまたはDMEMを吸引する。近位外部頚動脈を結紮し、総頚動脈および内部頚動脈を通る血流を再確立する。
処理の3週間後、対側対照動脈(これは、損傷もアデノウイルス処理も受けていない)、および処理を有しない(対照)または試験処理(すなわち、TDFRP化合物、試験化合物をコードするポリヌクレオチドまたはTDFRP化合物をコードするベクターを有するウイルス)を収集し、4%パラホルムアルデヒド中に、4℃で48時間固定し、パラフィンブロックに包埋し、切片化し(5μm)、ならびにヘマトキシリンおよびエオシンを用いて、またはVon Giesen法によってのいずれかで染色し、内部および外部の弾性板を明らかにする。画像を獲得し、ならびに新生内膜および中膜の横断面の面積について、NIH画像プログラムを使用して分析し、面積の比率を計算する。
賦形剤単独を受けている血管形成術処理血管において観察される新生内膜対中膜比率と比較した、TDFRPを受けている血管形成術処理血管における新生内膜対中膜比率の減少は、TDFRP化合物が抗再狭窄効果を有することを示す。同様に、賦形剤単独を受けている血管形成術処理血管において観察される新生内膜対中膜比率と比較した、TDFRP化合物をコードするポリヌクレオチドを受けている血管形成術処理血管における新生内膜対中膜比率の減少は、TDFRP化合物が抗再狭窄効果を有することを示す。さらに、TDFRP化合物をコードしていないポリヌクレオチド構築物を含むウイルスキャリア、または媒介単独を受けている血管形成術処理血管において観察される新生内膜対中膜比率と比較した、TDFRP化合物をコードするポリヌクレオチド構築物を含むウイルスキャリアを受けている血管形成術処理血管において観察される新生内膜対中膜比率の減少は、TDFRP化合物が抗再狭窄効果を有することを示す。Student t-検定は、処理群の間で観察された新生内膜対中膜比率の差異を評価するために使用する。「P」値は0.05以下であり、有意であると見なされる。
実施例9 ウサギアテローム性動脈硬化症に対する、ステントによって送達されるTDFRP化合物の効果のインビボ測定
TDFRP化合物、TDFRP化合物をコードするポリヌクレオチド、またはTDFRP化合物をコードする構築物を含む、例えば、アデノウイルスであるがこれに限定されないウイルスを、血管バルーン損傷のウサギモデルにおいてステントによって送達されるそれらの能力について試験する。(Rogers et al., Circulation 91:2995-3001 (1995))。
鋼鉄の網のケージに個々に収容し、ウサギ用の固形飼料および水を自由に与えた3〜4 kg体重のNew Zealand Whiteウサギ(Millbrook Farm Breeding Labs)を、35 mg/kg IMケタミン(Aveco Co)および4 mg/kg IV Nembutalナトリウム(Abbott Laboratories)で麻酔する。各大腿動脈を露出しかつ結紮し、腹大動脈に逆行する動脈切開を介して通し、かつ膨張させて3回引き出した3Fバルーン塞栓摘除カテーテル(Baxter Healthcare Corp, Edwards Division)によって、腸骨動脈内皮を除去する。7 mmの長さのステンレス鋼のステントを、3-mm血管形成術用バルーン上で同軸上にマウントし、各腸骨動脈に動脈切開を介して逆行して通し、2〜10-atm圧力での10秒間の膨張で拡張する。4個のステントを、25% (w/v)プルロニックF-127ゲル溶液(BASF Wyandotte Co., Wyandotte, MI, USA)の3μm厚コーティングでコーティングし、別の4個のステントを、その中に溶解したTDFRP化合物(0.000001 mgタンパク質/ml〜100,000 mgタンパク質/kg体重)を含む賦形剤を有する同じゲル溶液でコーティングし、および別の4個のステントを、賦形剤単独を有する同じゲル溶液でコーティングする。または、4個のステントを、25% (w/v)プルロニックF-127ゲル溶液(BASF Wyandotte Co., Wyandotte, MI, USA)の3μm厚コーティングでコーティングし、および別の4個のステントを、その中に溶解したTDFRP化合物をコードするポリヌクレオチド(0.000001 mg ポリヌクレオチド/ml〜10O,OOO mg ポリヌクレオチド/ml)を含む賦形剤を有する同じゲル溶液でコーティングし、および別の4個のステントを、賦形剤を有する同じゲル溶液でコーティングする。または、4個のステントを、25% (w/v)プルロニックF-127ゲル溶液(BASF Wyandotte Co., Wyandotte, MI, USA)の3μm厚コーティングでコーティングし、および別の4個のステントを、TDFRPをコードする適切なポリヌクレオチド構築物(1 pfu/ml〜1×1014 pfu/ml)を含むウイルスキャリア、例えば、アデノウイルスを含む賦形剤を有する同じゲル溶液でコーティングする。ステント配置なしでバルーン引き出し損傷のみに供される4つの腸骨動脈もまた、組織学的分析のために収集および処理される。
ウサギに、実験期間の間、1日あたり5 mg/kgのおよその用量を達成するように、手術の1日前に飲料水中0.07 mg/mLのアスピリン(Sigma Chemical Co)を与え、およびウサギは、手術の時点で静脈内に標準的な抗凝血剤であるヘパリン(100 U/kg, Elkin-Sinn Inc)の単回ボーラスを受けた。バルーン損傷の2週間後、腸骨動脈を収集する。静脈内Nembutalナトリウムを用いる深い麻酔下で、下大静脈放血、続いて乳酸リンゲル液を用いて左心室穿刺法を介して両方の灌流を行う。両方の腸骨動脈を切除し、4℃で48時間、4%パラホルムアルデヒド中で固定し、パラフィンブロック中に包埋し、切片化し(5 gm)、ならびにヘマトキシリンおよびエオシンを用いて、またはVon Giesen法によってのいずれかで染色し、内部および外部の弾性板を明らかにする。画像を獲得し、ならびに新生内膜および中膜の横断面の面積について、NIH画像プログラムを使用して分析し、面積の比率を計算する。
ステントおよび賦形剤単独を有するゲルまたはステント単独を受けている血管形成術処理血管において観察される新生内膜対中膜比率と比較して、TDFRP化合物を含むゲルでコーティングされたステントを受けている血管形成術処理血管における新生内膜対中膜比率の減少は、TDFRP化合物が、抗再狭窄効果を有することを示す。同様に、ステントおよび賦形剤単独を有するゲル、またはステントおよびゲル単独、またはステント単独を受けている血管形成術処理血管において観察される新生内膜対中膜比率と比較して、TDFRPをコードするポリヌクレオチドを含むゲルでコーティングされたステントを受けている血管形成術処理血管における新生内膜対中膜比率の減少は、TDFRP化合物をコードするポリヌクレオチドが、抗再狭窄効果を有することを示す。さらに、ウイルスキャリア単独と混合したゲルでコーティングしたステントを受けている血管形成術処理血管において観察される新生内膜対中膜比率と比較して、TDFRP化合物をコードするポリヌクレオチド構築物を含むウイルスキャリアを混合したゲルでコーティングされたステントを受けている血管形成術処理血管において観察される新生内膜対中膜比率の減少は、TDFRP化合物をコードするポリヌクレオチドを含むウイルスキャリアが、抗再狭窄効果を有することを示す。Student t-検定は、処理群の間で観察された新生内膜対中膜比率の差異を評価するために使用する。「P」値は0.05以下であり、有意であると見なされる。
III. 腎臓の損傷または疾患のインビボモデル
ラットモデルにおける全長BMP-7の生物学的活性についてのインビボアッセイ法は、参照により本明細書に組み入れられる、Borovecki et al., The Role of Bone Morphogenetic Proteins in Kidney Development and Repair, pp 263-288 in Bone Morphogenetic Proteins, Sampath, K. ed., (Birkhauser Verlag, Basel Switzerland (2002))において記載されている。ラットに全身的に投与されるBMP-7は、残りの腎臓における最終段階の腎不全の進行を停止する(5/6腎摘出)。そこに引用される第2のアッセイ法は、片側尿管閉塞(UUO)を有するラットに全身的に投与された場合の、BMP-7による短期間の予防を開示する。以下に記載されるように、齧歯類モデルは、本発明のTDFRP化合物によって予防的または治療的に処置可能である腎臓病の哺乳動物モデルを提供する(図4〜12、21〜23)。
実施例10 ラットにおける化学療法化合物シスプラチンの腎毒性効果を改善するTDFRP化合物(SEQ ID NO:45)の効力に対するインビボ研究
概観
TDFRP化合物(SEQ ID NO:45)を、この化合物がシスプラチンの腎毒性効果を予防的および治療的に改善することが可能である用量範囲および程度を確立するために、雄性Sprague-Dawleyラット(250 gm〜300 gm)において試験した。シスプラチン投薬レベルは、ヒトにおいて使用される化学療法レベル、40μg/kg bwであった。終末点は、血清中クレアチンのレベルおよび腎臓組織学であった。使用した陽性対照は、組換えヒトBMP-7(BMP-7)の成熟型の250μg/kg bwであった。
TDFRP(SEQ ID NO:45)のストック溶液(70mg/ml)を、20mM 酢酸(pH 4.2)中にそれを溶解することによって作製した。このストック溶液を、14mg/ml(28mg/kg用量)、1.4mg/ml(2.8mg/kg用量)および0.14mg/ml(0.28mg/kg用量)の化合物濃度まで、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS、pH 7.2)プラス5% マンニトール中でさらに希釈した。
シスプラチンを、腹腔内注射(40μg/kg bw)を介して時間0で投与した。化合物、BMP-7陽性対照および賦形剤陰性対照の治療用量の投与は、5つの時点:シスプラチンの投与の2時間前、次いでシスプラチン投与の24時間後、48時間後、72時間後および96時間後に、尾静脈を通して、スローボーラス静脈内注射によってであった。血液試料を、0時間、24時間、48時間、72時間および96時間の時点で尾静脈を通して収集した。7日目に、試料を屠殺の際の放血によって収集した。血清を血液試料から調製し、クレアチン濃度について分析した。血流に放出され、腎臓を通して除去される筋肉活動の副産物であるクレアチンの血清濃度は、腎機能が重篤に損なわれる場合に上昇する傾向がある腎機能のマーカーである(図21)。
7日目の屠殺の際に、腎臓を収集し、ホルマリン中に固定し、およびパラフィン中に包埋する。次いで、これらを矢状に切片化し、H&E色素で染色した。腎切片はまた、増殖している細胞核の抗原(PCNA)(細胞再生の部位を同定するため)、マクロファージ、ICAM-1、および平滑筋に対する抗体で染色した。注射部位およびその周辺の組織もまた、屠殺の際に収集した(図22、25、26)。
最高の用量の化合物は、シスプラチン投与後に血清クレアチンが上昇するレベルを減少する際に陽性対照よりもより効力があり(図21)、それによって、この化合物がシスプラチン投与に続いて腎機能を保存する際に陽性対照よりもより効力があることを示した。2.8mg/kg bw用量レベルにおいてでさえ、この化合物は、腎臓皮質のシスプラチン誘導性炎症のレベルを有意に減少し(図22、23、25)、およびICAM-1放出(図25)、マクロファージ浸潤、平滑筋の喪失の量を減少し、および細胞再生の程度を増加した(図22、23、25、26)。
ペプチド製剤
313.0 mgのSEQ ID NO:45を4.5 mlの20 mM 酢酸(pH 4.2)に溶解した。17.86 ml PBS (pH 7.2)+5% マンニトールを加えた(総量=22.36 ml; 14 mg/ml SEQ ID # 45、または7 mg/0.5 ml、最高用量、28 mg/kg)。この20 mlを、「28 mg/kg」治療群における40用量のために使用した。残りの2.36 mlを21.24 mlのPBSに加えた(総量=23.600 ml)。21 mlを「2.8 mg/kg」治療群における40用量のために使用した。この2.6 mlを23.4 ml PBSに加えた(総量=26.00 ml)。これを「0.14 mg/kg」アームにおける50用量のために使用した。
シスプラチン用量
シスプラチンを、40μg/kgの用量で使用した (全体で10μg/ラット(*44ラット=0.44mg)のために0.25 kg/ラット=0.5 ml PBS (pH 7.2)中10μg/ラット)。このストック溶液は、40μg/kg (0.25 kg/ラット/0.5 ml/ラット=20μg/ml)であった。
BMP-7用量
8匹のラットを、5用量のBMP-7(0.25 kg/ラット*250μg/kg=3.13 mg)で評価した。
実施例11 腎線維形成のインビボモデル(片側尿管結紮)
腎線維形成に起因する細胞損傷に対するTDFRP化合物の効果を、Hruskaおよび共同研究者の方法(Hruska et al., (2000) Am. J. Physiol.Renal Physiol. 279 F130-F143)によって測定する。手短に述べると、Sprague-Dawleyラット(250 g)は、偽手術(操作するが、結紮しない尿管)または片側尿管結紮(UUO)のいずれかを受ける(図4)。5mm離れた2つの結紮を、尿管の周辺に配置されたポリエチレンチュービングの切片の上の尿管の上部3分の2に配置する。尿管閉塞を、骨盤および近位尿管の拡張、ならびに遠位の尿管の崩壊の観察によって確認する。尿管を閉塞するために結ばれた縫合糸を、5日目にチュービングに沿って除去し、閉塞を開放する。放出の時点で得られた尿培養を、細菌について評価する。以下の群を10日目に研究する:偽手術動物;5日目の尿管閉塞の開放を有する動物;および10日間の片側尿管閉塞を持続した動物。偽手術ラットおよび5日間の期間の片側尿管閉塞を有するラットは、10日目にイヌリンおよびp-アミノ馬尿酸(PAH)クリアランスによって研究する。これらのラットは、片側尿管閉塞前10分間、以下のうちの1つを受ける:TDFRP化合物およびTDF、例えば、BMP-7が単独でまたは組み合わせて投与される(0.000001〜10,000 mg/kg、3日毎まで);飲料水中のエナラプリル(〜25 mg/kg体重/摂取日);または賦形剤。同じ実験プロトコールが、10日間の期間の片側尿管閉塞を有するラットにおいて使用される。
TDFRP化合物およびTDFの効果を、プラセボ(賦形剤処理)と、および片側尿管閉塞(UUO)から生じる線維形成を改善することが知られている陽性対照(エナラプリル処理)(Ishidoya et al., (1996) Kidney Int., 49: 1110-1119)に対して比較する。エナラプリル用量は、片側尿管閉塞から生じる線維形成を改善する際に有効であることが以前に実証されている(Ishidoya et al., (1996) Kidney Int., 49: 1110-1119, Kaneto et al., (1994) Kidney Int., 45: 1637-1647)。これは高用量であり、全身性レニン-アンギオテンシン系の調節に必要とされるよりもはるかに多い。研究は目隠し様式で実行する。処理溶液は、研究の一部ではなく、および書簡を与えられた研究者によって作製する。本研究を実施する研究者は、クリアランス研究および組織病理学的等級付けが完了する後まで、種々の処理の内容に気付いていない。組織病理学スライドは、これもまた、処理群に対して目隠し状態である個人によって等級付けされる。
腎機能の評価
腎機能は、以前に報告されたように、イヌリンクリアランスによって、およびPAHクリアランスによって腎臓血流(RBF)を評価することによって、および個々の腎臓の糸球体濾過速度(GFR)を測定することによって決定する(Miller et al., (1994) Am. J. Physiol. Renal Fluid Electrolyte Physiol., 266: F129-F134; Miller et al., (1994) Kidney Int., 46: 201-207)。ラットを腹腔内Nembutalで麻酔し、カテーテルを大腿動脈および大腿静脈、ならびに両方の尿管に配置する。動物をPlexiglas制止装置中で目覚めさせ、クリアランス研究を目覚めた動物で実行する。TDFRP化合物で処理されていないUUO動物において観察されるGFRおよびRBFと比較して、TDFRP化合物で処理されたUUO動物における対照レベルに向かう、GFRおよびRBFの標準化は、TDFRP化合物が、腎線維形成に対して予防的または治療的な効果を有することを示す。
クリアランス研究の完了後に、動物を安楽死させ(メトキシフルラン麻酔)、腎臓を、氷冷Hanks'バランス塩溶液(HBSS)で徹底的に灌流し、血液由来細胞を除去する。腎臓を迅速に取り出し、冷ガラスプレート上で薄片化する。組織学的研究のために、HBSS灌流した腎臓の2mm冠状切片を、Histochoice (Amresco, Solon, OH)または緩衝化ホルマリン中に浸漬する。腎切片をパラフィン中に包埋し、5μm切片を顕微鏡で分析する(図5、6、7)。
腎線維症もまた、間質性コラーゲン沈着を決定することおよび間質の体積を測定すること、IV型コラーゲンについて免疫染色すること、-平滑筋アクチン(-SMA)について免疫染色すること、ならびに細胞アポトーシスと同様に、単球/マクロファージ浸潤を定量すること、すなわち、以前に報告されたような(Ishidoya et al., (1996) Kidney Int., 49: 1110-1119; Kaneto et al., (1994) Kidney Int., 45: 1637-1647; Modi et al., (1990) Kidney Int., 38: 843-850)、デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ媒介性dUTPニック末端標識(TUNEL)アッセイ法によって評価する(図5-7)。
いくつかの腎臓病は、腎臓における組織学的変化、例えば、尿細管間質性領域の拡大に導く。尿細管間質性領域の線維症の組織学的等級付けは、腎機能の喪失に密接に相関する。腎尿細管間質の攪乱および線維症の最終的な発症に寄与する間質エレメントには、筋線維芽細胞、浸潤単球、および細胞外マトリックスタンパク質の過剰産生が含まれる。
尿管閉塞は、腎臓皮質の間質体積の進行的な増加によって特徴付けられる。結紮の開放後においてでさえ、プロ線維化力がなお優勢であり、その結果、間質体積が、偽手術動物の腎臓中で見い出される7〜8%から、閉塞-開放腎臓において見い出される17〜20%まで増大する。閉塞が開放されない場合、間質体積は、10日間の連続的な閉塞によって約50%まで増加することができる(Hruska et al., (2000) Am. J. Physiol., 280: F130-3; Ishidoya et al., (1996) Kidney Int., 49: 1110-1119)。
正常なまたは偽手術動物の腎臓、およびUUOを有するラットの対側腎臓において、コラーゲンIVは、尿細管を取り囲む基底膜、毛細血管、およびメサンギウム基質において見い出される。尿管閉塞と関連する線維症の設定において、コラーゲンIVは、基底膜中のその存在に加えて、間質マトリックスタンパク質になる(Hruska et al., (2000) Am. J. Physiol., 280: F130-3; Ishidoya et al., (1996) Kidney Int., 49: 1110-1119, Morrissey et al., (1998) Semin. Nephrol., 18: 603-11)。コラーゲンIVマトリックス点数は、間質性線維症を定量する別の手段である(Hruska et al., (2000) Am. J. Physiol., 280: F130-315, Morrissey et al., (1998) Semin. Nephrol., 18: 603-11)。
腎臓病の進行の間にアポトーシスを通しての尿細管上皮細胞の不変の損失が存在し(Truong et al., (1998) Semin. Nephrol., 18: 641-51; Savill et al., (1994) J. Am. Soc. Nephrol. 5: 12-21)、尿細管の萎縮を生じる。この損失は、時間内のその点においてアポトーシスを受ける細胞の数として、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ媒介性dUTPニック-末端標識(TUNEL)アッセイ法による時間の間隔で測定される(Ishidoya et al., (1996) Kidney Int., 49: 1110-1119)。尿細管の萎縮がそれによって決定され得る別の手段は、尿細管の直径を測定することにより、これは、腎生検が得られる時点までのすべてのアポトーシス性細胞損失の指標である(図5-7)。
TDFRP化合物で処理されていないUUO動物において観察されるレベルと比較して、TDFRP化合物で処理されたUUO動物における、上皮細胞アポトーシス、間質性コラーゲン沈着、間質体積、IV型コラーゲン、-平滑筋アクチン(-SMA)、および/または単球/マクロファージ浸潤の減少は、TDFRP化合物が、腎線維形成に対して予防的または治療的な効果を有することを示す(図5-7)。
実施例12 急性腎不全のインビボモデル
急性腎不全に起因する組織損傷に対するTDFRP化合物の効果は、Vukicevicおよび共同研究者(Vukicevic et al., JCI 102(1):202)の両側性クランプ法によって測定する。手短に述べると、200〜250 gのWistar雄性ラット(Pliva Breeding Laboratory, Zagreb, Croatia)を、手術前に12時間絶食させる。ケタミン(20 mg/kg)麻酔薬の腹腔内投与後、両方の腎動脈を背側で60分間、毛細血管瘤クランプ(Roboz)を用いて閉塞させる。20 mM酢酸ナトリウム緩衝液(500μl)を含む、賦形剤緩衝液、TDFRP化合物および/またはTDF、例えば、BMP-7を、尾静脈を介して投与する。すべての動物に、手術の間の任意の体液の損失を補償するために、1〜3mlのあらかじめ温めた(37℃)生理食塩水(0.9% NaCl)の腹腔内投与に供する。実験を目隠し状態で行い、ラットを30分から18日の範囲の異なる時間間隔で屠殺する。血液試料(0.5 ml)を眼窩神経叢から、再灌流後、例えば、0時間、24時間、48時間、および72時間で、ある場合においては、例えば、30分;2時間、8時間、および96時間;および18日で入手する。GFR測定のために、尿を、以前に記載されたように(Vukicevic et al., (1989) Bone Miner., 6: 125-139)、24時間、代謝ケージ上で収集する。血清および尿クレアチンを、Jaffe法(Whelton et al., (1994) In Clinical Chemistry. C.A. Burtis and E.R. Ashwood, Eds. W.B. Saunders, Philadelphia, PA. Pp. 1513-1575)によって測定する。BUNは、グルタメートデヒドロゲナーゼ紫外手法、モリブデン酸法によるリン、およびo-クレゾールフタレイン法によるカルシウムによって測定する。血清電解質を、間接的電位差測定によって測定する。予防用モードのためには、BMP-7および/またはTDFRP化合物(0.000001-10,000 mg/kg)を手術の10分前に、次いでその後72時間まで与え、治療用モードのためには、最初にBMP-7および/またはTDFRP化合物(0.000001〜10,0000 mg/kg)注射を、1〜16時間のいずれかで与え、次いで再灌流後、24時間間隔で96時間まで与える。
TDFRP化合物で処理されていない損傷を有する動物において観察されるGFR、BUN、血清クレアチン、および血液クレアチンのレベルと比較して、TDFRP化合物で処理された損傷を有する動物における対照レベルに向かう、GFR、BUN、血清クレアチン、およびまたは血液クレアチンの標準化は、TDFRP化合物が、腎線維形成に対して予防的または治療的な効果を有することを示す。
実施例13 糖尿病性腎症のインビボモデル(ストレプトゾトシン(Streptozoticin))
糖尿病性腎症に起因する細胞損傷に対するTDFRP化合物の効果は、Wangおよび共同研究者の方法(Wang et al., (2003) 63(6): 2037)によって測定される(図8A)。糖尿病を、ストレプトゾトシンの単回用量によって200gラットにおいて誘導する。16時間後、糸球体肥大およびタンパク尿を確立し、かつ、TDFRP化合物および/もしくはTDF、例えば、BMP-7を(0.000001〜10,0000 mg/kg静脈内、好ましくは1〜10000マイクログラム/kg、およびより好ましくは約10〜1000マイクログラム/kg; 毎日投与まで)、エナラプリル(20 mg/kg)、または賦形剤を用いる治療を開始し、32週目まで継続する。腎臓重量、糸球体濾過速度(GFR)、尿アルブミン排出、血圧、病理、およびBMP-7発現を、Wangおよび共同研究者(Wang et al., (2002) J. Am. Soc. Nephrol., 13: 45A)によって記載されるように、および上記に詳述されるように測定する。TDFRP化合物の非存在下と比較した、TDFRP化合物の存在下でのタンパク尿、糸球体面積および間質体積の減少の標準化は、TDFRP化合物が、予防的または治療的な効果を有することを示す(図8)。
上皮から間葉への移行(EMT)を誘導したTGFベータ1のアンタゴニスト、例えば、BMP-7および本発明に記載されるTDFRP化合物は、TGFベータ1誘導性慢性腎線維症の進行を改善することができる。加えて、TDFRP化合物は、BMP-7とは異なり、疾患の病因を逆転させるさらなる能力を示す。EMTは胚発生に必要であるが、しかしこれはまた、例えば、肝臓、肺、および腎臓における腫瘍の進行および器官の線維症(コラーゲン、エラスチン、テナシン、および他のマトリックス分子の沈着)などの病理学的状態に関与する。EGFおよびTGFベータ1などの化合物は、腎尿細管上皮細胞、および乳管上皮細胞中でEMTを誘導し、数ある変化の中でも、E-カドヘリン発現の喪失または減少、閉鎖帯(ZO-1)タンパク質発現の阻害、密着結合の喪失、および上皮細胞形態の喪失を産生することが実証されている。100 ng/mlの組換えヒトBMP-7との48時間のインキュベーションは、TGFベータ1誘導性EMTを逆転し、E-カドヘリンおよびZO-1発現の回復、密着結合の形成ならびに上皮細胞形態の再確立を生じる。同様の効果は、同様の投薬量のTDFRP化合物(SEQ ID NO:45)、すなわち、0.1〜100ミリグラム/kgのTDFRP化合物を用いて見られる(図X)。理論に制限されることはないが、ALK受容体への結合は、上皮細胞においてBMP-7とTDFRPの両方の作用を伝達する、Smadタンパク質、特にSmad1、Smad5およびSmad8によって媒介される細胞内シグナル伝達経路に導くと考えられる。リガンド非依存性系として腎遠位尿細管上皮細胞(NP1)を使用するインビトロ実験は、これらの結論を支持する。ALK5、Smad3(TGFベータ1およびSmad依存性シグナル伝達経路を模倣するため)またはALK3およびSmad5(BMP-7およびSmad依存性シグナル伝達経路を模倣するため)を発現する構成的に活性なcDNA構築物を発現するようにトランスフェトされた細胞は、上記の結論を確証する(例えば、Zeisberg et al., Nature Medicine, 9; 7 pp 964-968, (2003))。
実施例14 慢性腎不全のインビボモデル
腎毒性血清腎炎(NTN)は進行性腎損傷のモデルである。腎毒性血清(NTS)の注射を与えられたマウスは糸球体腎炎を発症し、EMTに関連する尿細管間質性疾患、および最終的には、約6週間の期間にわたり腎線維症をもたらす。研究者らは、NTNの1週間後から開始する、約300マイクログラム/kgの組換えヒトBMP-7は、慢性腎不全までの進行を予防するために十分であり、ならびにこれが尿細管萎縮および間質性線維症の蓄積を妨げることを報告している。3週目から6週目まで、および4週目から6週目までの治療の開始は、腎臓の病理をほぼ完全に逆転し、血清クレアチンレベルおよび血液尿素窒素レベルによって測定されるような腎機能の顕著な改善を示す。これらの研究において、BMP-7は、以前に損傷を受けた尿細管におけるE-カドヘリンタンパク質の発現を回復することが可能であった。未処理腎臓において、TGFベータ1シグナル伝達を示すリン酸化されたSmad2およびSmad3は、減弱したE-カドヘリン発現を有する尿細管の核中で観察された。上記の概説としては、Zeisberg et al., Nature Medicine, 9; 7 pp 964-968, (2003)およびKalluri et al., J. Clin Investigation 112:1776-1784 (2003)を参照されたい。腎線維症を逆転させる際のBMP-7に対する同様の結果は、5ミリグラム/kg/24時間の用量で与えられたTDFRP化合物(SEQ ID NO:45)を用いて観察される(図9-12)。
実施例15 腎臓壊死および心筋症の阻害または修復
免疫系、器官および組織に対して全身性の毒性効果、例えば、他の化学療法薬物と同様にシスプラチンおよびその類似体用いて見られる腎毒性、ならびに特定の抗生物質を用いて見られる心毒性を引き起こすことが知られている、多数の治療化合物が周知である。本発明のTDFRP化合物は、上記のように投与される場合に、予防剤および治療剤として作用することができる。例えば、本明細書に開示される代表的なTDFRP化合物(SEQ ID NO:45)は、I型BMP受容体(ALK3)に優先的に結合し(図1、15)、腎近位尿細管上で示差的に発現する。炎症性因子、例えば、TNFαへの腎細胞の曝露は、近位尿細管細胞中で、IL-6の増加の検出によって測定可能である炎症性応答を引き起こす。TDFRP化合物(SEQ ID NO:45)の投与は、この炎症性応答を軽減することができる(図14)。同様に、TDFRP(SEQ ID NO:45)の投与は、部分的に、組織特異的再生経路の誘導を促進することによって、シスプラチン曝露の腎毒性効果を減少または軽減することができる(図14、21-26)。
同様の心臓保護効果が、TDFRP(SEQ ID NO:45)を用いて見られる。この化合物は、心筋梗塞後の心筋症(心筋性虚血および再灌流傷害)に向かう炎症性および細胞毒性効果を改善する能力を実証する(図16、19-20)。
G. TDFRP化合物の薬学的製剤
TDFRP化合物を、上記のような患者への投与のための薬学的製剤として調製する。一般的に、TDFRP化合物は、ペプチドおよびペプチド模倣体を含む低分子であり、薬学分野において公知であるように、任意のペプチドベースの薬学的製剤に調製することができる。しかし、これらの化合物は、組織成長および分化の強力なインデューサーであり、このようなものとして、TDFRP化合物を、徐放性または制御放出製剤、例えば、制御放出ミクロスフェアに取り込むことが所望される。例示的なミクロスフェアには、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,458,387号に記載されるProMaxx(登録商標)ミクロスフェア(Epic Therapeutics)が含まれる。
TDFRPミクロスフェアは、一般的に、均一なサイズおよび形状を有し、製造条件に依存して、約0.5ミクロン〜約20ミクロンのサイズの範囲である。ミクロスフェアの特性は、調製の間に、水溶性ポリマー濃度、反応温度、pH、タンパク質濃度、架橋剤、および/またはTDFRPが架橋剤に曝露される時間の長さ、および/またはエネルギー源を操作することによって変化させてもよい。ミクロスフェアは、TDFRP化合物を、水溶性ポリマーまたは水溶性ポリマーの混合物、例えば、直鎖状または分枝状ポリマーとともに、TDFRP化合物の等電点の近くのpHで、混合または溶解することによって調製する。TDFRP化合物およびポリマー混合物は、ミクロスフェアを安定化するのに十分な条件下で、架橋剤および/またはエネルギー源、例えば、熱に曝露する。次いで、ミクロスフェアは、濾過または遠心分離などの分離方法によって、取り込まれていない試薬から分離する。一般的に、TDFRP化合物は、各ミクロスフェアの最終重量の少なくとも40%重量、かつ100%重量未満である。好ましくは、ミクロスフェア中のポリマー濃度は、0%重量より多く、30%重量以下である。各ミクロスフェアの外表面は、水および溶解したTDFRP化合物に対して浸透性であり、水溶液がミクロスフェアに入ることを許容するのみならず、溶解したTDFRP化合物およびポリマーがミクロスフェアから出ることもまた許容する。ミクロスフェアは、体液または生理学的に許容される緩衝液などの適切な水性媒体中に、延長された時間の間、生理学的条件下に置かれた場合にミクロスフェアの内部からTDFRP化合物およびポリマーを放出するように作製することができ、それによって、TDFRP化合物の持続放出を提供する。加えて、ミクロスフェアは、初期の破裂または急速な放出を伴わずにTDFRP化合物を放出するように作製することができ、それによって、より大量の局在化されたTDFRP化合物に伴って見られる望ましくない効果を最小化する。持続放出は、延長された時間の期間にわたるTDFRP化合物の放出として、本明細書で定義される。TDFRP化合物がミクロスフェアから放出されることを継続する時間の長さは、放出されるTDFRP化合物の特徴およびミクロスフェアを形成するために使用されるパラメーターに依存するが、すべての場合において、TDFRP化合物の水系での自由拡散の長さよりも長い。
ミクロスフェアの形成
ミクロスフェアは、水性混合物中で、TDFRP化合物を水溶性ポリマーまたはポリマーの混合物を混合して、ミクロスフェアを形成すること、および任意に、その後にミクロスフェアを安定化するのに十分な条件下で、架橋剤および/またはエネルギー源、好ましくは熱とミクロスフェアを接触させることによって製造する。溶液は、好ましくは水性溶液である。TDFRP化合物の水からの取り出し、またはその脱水を引き起こすために、溶液中のTDFRP化合物をポリマーに加えるか、またはポリマー溶液を溶液中のTDFRP化合物に加えることのいずれかである。このプロセスはまた体積排除とも呼ばれる。TDFRP化合物-ポリマー溶液のpHは、TDFRP化合物とのポリマーの混合の前、その後またはその間のいずれかで、TDFRP化合物の等電点(pI)の近くのpHに、好ましくは、TDFRP化合物のpIの3〜4のpH単位以内に、最も好ましくは、TDFRP化合物のpIの1.5〜2のpH単位以内に調整する。
pHの調整は、当業者に周知である方法に従って、溶液もしくは固体型の酸、塩基を、または緩衝液もしくは他のpH調整溶液もしくは塩を、TDFRP化合物、ポリマー溶液、またはTDFRP化合物およびポリマーに加えることによって行ってもよい。好ましくは、ポリマーは、TDFRP化合物のpIの近くのpHを有する緩衝液中に溶解し、次いで、pH調整したポリマー溶液を、水溶液に溶解されたTDFRP化合物に加える。最終溶液のpHはTDFRP化合物のpIの近くのままであるべきである。
次いで、TDFRP化合物およびポリマー溶液は、ミクロスフェアを安定化するために所定の時間の長さ、単独で、または超音波処理、ボルテックス、混合もしくは攪拌と組み合わせて、架橋剤および/またはエネルギー源、例えば、熱、放射線、または電離に曝露される。次いで、得られるミクロスフェアを、当業者に周知である物理的分離方法によって、溶液中に存在する任意の取り込まれていない成分から分離し、次いで、洗浄してもよい。
インキュベーション時間の長さは、ポリマーおよびTDFRP化合物のそれぞれの濃度、ならびにエネルギー源のエネルギーのレベルに依存する。ミクロスフェア安定化は、エネルギー源への曝露の際に、すぐに起こり始めることができる。好ましくは、TDFRP化合物およびポリマー混合物は、約5分間と24時間の間で室温よりも高い温度で加熱する。最も好ましくは、ポリマーおよびTDFRP化合物は、約37℃と70℃の間の温度で、30分間、攪拌または振動によって混合する。TDFRP化合物を含むミクロスフェアを調製する際に、タンパク質安定剤、例えば、グリセロール、脂肪酸、糖、例えば、スクロース、イオン、例えば、亜鉛、塩化ナトリウム、または当業者に公知の任意の他のタンパク質安定剤が、タンパク質変性を最小化するために、ミクロスフェア形成の間に、ポリマーの添加の前に加えられてもよい。
ミクロスフェアのコーティング
ミクロスフェアを構成するTDFRP化合物とは別個の分子は、ミクロスフェアを「コーティング」または「装飾する」ために、当業者に公知の方法によってミクロスフェアの外表面に結合されてもよい。ミクロスフェアの外表面に分子を結合させる能力は、ミクロスフェア中の高濃度のTDFRP化合物に起因する。これらの分子は、標的化を容易にするため、受容体媒介を増強するため、および飲食作用または破壊からの回避を提供するためなどの目的のために、例えば、抗体のFc断片の部分を使用して(米国特許第6,485,726号および同第6,538,124号を参照されたい)結合する。例えば、リン脂質などの生体分子は、エンドソームによる飲食作用を妨げるためにミクロスフェアの表面に結合してもよく;受容体、抗体またはホルモンは、身体の所望の器官、組織または細胞にミクロスフェアを標的化することを促進または容易にするために、表面に結合されてもよく;およびグルカンなどのポリサッカリドは、マクロファージによる取り込みを増強または回避するために、ミクロスフェアの外表面に結合されてもよい。
加えて、1つまたは複数の切断可能な分子が、ミクロスフェアの外表面に、またはその中に結合されてもよい。この切断可能な分子は、ミクロスフェアが、適切な生物学的条件下で所定の部位に最初に標的化され、次いで、生物学的条件の変化、例えば、pHの変化への曝露の際に、分子が切断されて、標的部位からのミクロスフェアの放出を引き起こすように設計される。このやり方において、ミクロスフェアの表面に結合した分子の存在に起因して、ミクロスフェアは、細胞に結合されるか、または細胞によって取り込まれる。分子が切断される場合、ミクロスフェアは、所望の位置、例えば、細胞質または細胞の核の中に残っており、ミクロスフェアがそれから構成されるTDFRP化合物を自由に放出する。このことは、薬物送達のために特に有用であり、ここで、ミクロスフェアは、治療を必要とする特定の部位に標的化される薬物を含み、この薬物は、その部位においてゆっくりと放出することができる。切断の好ましい部位はジエステル結合である。
ミクロスフェアはまた、1つまたは複数の安定化物質でコーティングされてもよく、これは、溶解することなくミクロスフェアが胃または腸を通過することを可能にすることによる、非経口投与または経口送達を用いる長期的な貯蔵性投与のために特に有用であり得る。例えば、経口送達のために意図されるミクロスフェアは、ムチンなどの物質、すなわち、腸、顎下腺、および他の粘液腺細胞の杯細胞によって産生されるムコ多糖を含む分泌をコーティングすることを用いて安定化されてもよい。
加えて、粒子は、脂肪酸または脂質などの化合物で非共有結合によりコーティングすることができる。このコーティングは、溶解したコーティング物質中での浸漬、当業者に周知である物質または他の方法を用いてミクロスフェアを噴霧することによってミクロスフェアに適用されてもよい。
一般的に、本発明のミクロスフェアは、適切な条件下で、好ましくは、特定のまたは好ましい比率(wt/wt)以内のタンパク質対水溶性ポリマー(例えば、約1タンパク質:1ポリマー〜約1タンパク質:1000ポリマー)で、水溶性ポリマーがタンパク質から水を除去する(「脱水する」)ことを可能にする条件下で、少なくとも1つの水溶性ポリマーとともにタンパク質を混合することによって形成される。ミクロスフェア形成反応におけるタンパク質対水溶性ポリマーの好ましい比率は、約1タンパク質:5ポリマー〜約1タンパク質:30ポリマーの範囲内である。上記に記述されるように、本発明の「水溶性ポリマー」とは、好ましくは、高分子(例えば、タンパク質または他の分子)と相互作用して体積の排除を引き起こすことが可能であるポリマーまたはポリマーの混合物をいう。従って、好ましいプロセスは、油または有機溶媒が含まれていない完全な水系を使用することを含む。適切な水溶性ポリマーには、可溶性の直鎖状または分枝状ポリマー、好ましくは、高分子量を有するものが含まれる。ポリマーは、高度に水溶性、適度に水溶性、またはわずかに水溶性であり得る(2%重量/体積より高い水溶性)。好ましい水溶性ポリマーは、水溶性であるか、または水混和性溶媒中で溶解性である。水溶性ポリマーは、水混和性溶媒中で最初に溶解され、次いで水性溶媒とポリマー溶液を合わせることによって溶解されてもよい。特に好ましい態様において、水溶性ポリマーは、炭水化物に基づくポリマーである。
好ましいポリマーは、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、デキストラン、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー、ポリビニルアルコール、デンプン、ヘタスターチ、またはこれらの混合物であり、これらの特徴は以下でより詳細に説明される。ポリマーまたはポリマー混合物は、米国特許第5,525,519号、またはPCT特許公報No. US93-00073 (国際公報No. WO 93/14110)に示される方法に従って調製されてもよく、ここで、ポリマーは、ポリマーの分子量に依存して、約1〜50g/100mlの間の濃度で、水または水溶液、例えば、緩衝液中に溶解される。ポリマー溶液中の好ましい全体のポリマー濃度は、重量/体積パーセントとして表現して、10%から80%の間である。ポリマー溶液中の各ポリマーの好ましい濃度は、5%から50%の間である。上記に議論したように、ポリマー溶液のpHは、ポリマーの添加が高分子溶液のpH調整を、好ましくは、pIの1pH単位内で引き起こすように、高分子と合わせる前に調製されてもよい。pHは、所定のpHを有する緩衝液中でポリマーを調製することによるポリマー溶液の調製の間に調整されてもよい。または、pHは、酸または塩基を用いて、ポリマー溶液の調製後に調整されてもよい。ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマーはまた、ポロキサマーとしても知られており、BASF(Parsippany, N.J.)によって販売され、コポリマー中に異なる相対的パーセンテージのポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンを有する様々な型で使用可能である。PVPは、約10,000から700,000までの範囲の平均分子量、および化学式(C6H9NO)[n]を有する、イオン発生性でない親水性ポリマーである。PVPはまた、ポリ[1-(2-オキソ-1-ピロリジニル)エチレン]、Povidone、Polyvidone、RP 143、Kollidon、Peregal ST、Periston、Plasdone、Plasmosan、Protagent、Subtosan、およびVinisilとしても知られている。PVPは、非毒性で、高度に吸湿性であり、および水または有機溶媒中に容易に溶解する。ポリエチレングリコール(PEG)は、ポリ(オキシエチレン)グリコールとしてもまた知られ、一般的化学式HO(CH2CH2O)[n]Hを有する、エチレンオキサイドと水の縮合ポリマーである。デキストランは、スクロース基質上で増殖する細菌によって産生されるポリサッカリドに適用される用語である。ロイコノストック メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)およびラクトバクテリア デキストラニカム(Lactobacteria dextranicum)のような細菌によって産生される天然型デキストランは、通常、高い分子量を有する。デキストランは日常的に使用可能であり、ヒトにおいては血漿増量剤として注射可能な形態で使用される。ポリビニルアルコール(PVA)は、酢酸基のヒドロキシル基への置き換えによってポリビニルアセテートから調製されるポリマーであり、化学式(CH2 CHOH)[n]を有する。大部分のポリビニルアルコールは水に溶解性である。PEG、デキストラン、PVAおよびPVPは、Sigma Chemical Company (St. Louis, Mo.)のような化学品の供給業者から市販されている。最も好ましくは、ポリマーは、10,000から360,000の間、最も好ましくは40,000の分子量を有するPVP、および200から35,000の間の分子量を有するPEGの水溶液を含むポリマー混合物である。40,000の分子量を有するPVP、および3500の分子量を有するPEGが好ましい。好ましくは、PVPは酢酸緩衝液中に溶解され、PEGはPVP水溶液に加えられる。各ポリマーの濃度は、好ましくは、各ポリマーの分子量に依存して、1〜40g/100mlの間である。等しい濃度のPVPおよびPEGは、一般的に、ミクロスフェアの形成のために最も好ましいポリマー混合物を提供する。代替の好ましいポリマーは、約3000〜500,000ダルトンまでの分子量を有するデキストランである。高分子に加えられるポリマーの体積は、高分子のサイズ、量、および濃度に依存して変化する。好ましくは、5〜50%の全体のポリマー濃度の2倍体積のポリマー混合物が、高分子を含む1体積の溶液に加えられる。ポリマーは、高分子との反応の間に液相中に存在する。特定の態様において、および、特に、複合体化剤をさらに含まないミクロスフェアの態様において、水溶性ポリマーは、PEG、PVP、デキストラン、ノニルフェノール-エトキシレート、および/またはポリビニルアルコールではない。本発明の別の局面に従って、複合体化剤をさらに含むミクロスフェアが提供される。複合体化剤とは、ミクロスフェアからの治療剤を負荷し、保持しおよび/またはさもなくばその放出を遅延することを容易にすることが可能である分子をいう。これらは、薬学分野において周知である。
ミクロスフェアは、単独で、または薬学的組成物の一部としての他の薬物治療剤と組み合わせて投与されてもよい。このような薬学的組成物には、当技術分野において公知である任意の標準的な生理学的および/または薬学的に許容されるキャリア、例えば、TDFRP化合物とともに投与されるシスプラチンと組み合わせたミクロスフェアが含まれてもよい。これらの組成物は滅菌されるべきであり、患者への投与のために適切な重量または体積の単位で、治療有効量のミクロスフェアを含むべきである。「薬学的に許容されるキャリア」は、本明細書で使用される場合、ヒトまたは他の動物への投与のために適切である、1つまたは複数の適合性の固体もしくは液体の充填剤、希釈剤またはカプセル化物質を意味する。「キャリア」という用語は、活性成分が適用を容易にするためにそれと合わせられる、天然または合成の有機または無機成分を意味する。薬学的組成物の成分はまた、所望の薬学的効力を実質的に損なう相互作用が存在しないような様式で、本発明の分子と、および互いに混合することができる。薬学的に許容されるとは、さらに、細胞、細胞培養、組織、または生物のような生物学的系と適合性である非毒性を意味する。キャリアの特性は投与の経路に依存する。生理学的にかつ薬学的に許容されるキャリアには、当技術分野において周知である、希釈剤、充填剤、塩、緩衝剤、安定剤、乾燥剤、膨張剤、噴霧剤、酸性化剤、被覆剤、溶解剤、および当技術分野で周知の他の物質が含まれる。経口、皮下、静脈内、筋肉内などの投与のために適切であるキャリア製剤は、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pa.において見い出すことができる。
種々の投与の経路が使用可能である。選択される特定の様式は、当然、選択されるTDFRP化合物、治療される状態の重篤度、および治療的効力に必要とされる投薬量に依存する。本発明の方法は、一般的に言えば、医学的に許容される投与の任意の様式を使用して実施されてもよく、これは、臨床的に受け入れることができない有害な効果を引き起こすことなく、有効レベルの活性化合物を産生する任意の様式を意味する。このような投与の様式には、経口、直腸、局所的、皮内(interdermal)、または非経口経路が含まれる。「非経口」という用語は、皮下、静脈内、筋肉内、または注入を含む。経口投与は、患者ならびに投薬スケジュールに対する便宜のため、予防的治療のために好ましい。ミクロスフェアは、TDFRP化合物が患者に送達され、および時間をかけてミクロスフェアからゆっくりと放出されることが所望される場合に、治療または予防のために有用である。TDFRP化合物が粒子に形成されることができない場合、これは、アルブミンなどのキャリアに複合体化され、キャリア-薬学的化合物複合体が、ミクロスフェアに形成される。ミクロスフェアは、身体を通してTDFRP化合物の遅延放出を提供することができるか、またはミクロスフェアは、標的組織に特異的な親和性分子を含み、TDFRP化合物の標的化された制御された放出のために患者に注射されることができるかのいずれかである。
実施例16 デバイスのためのコーティングとしてのTDFRP化合物の使用
本発明のTDFRP化合物は、例えば、炎症、アポトーシス、細胞接着、および特に、アテローム性動脈硬化症、および血管形成術後の血管再狭窄の予防的または治療的処置において有用である。TDFRP化合物は、例えば、血管形成術後の血管再狭窄を予防または治療するために、医療用デバイス、例えば、ステントまたはカテーテルと組み合わせて使用することができる。平滑筋細胞の増殖および移動は、新生内膜形成に導く血管形成術後の血管再狭窄(Segev A, et al., Cardiovasc Res; 53(1):232-41 (2002))を含む、循環器疾患の病態生理学における鍵となる役割を果たすとして認められてきた(Martinez-Gonzalez J et al., Circ Res.; 92(l):96-103 (2003))。
本発明はまた、一般的に管状構造(これは、例えば、とげ形状を含む)を含み、その表面がTDFRP化合物、TDFRP化合物をコードするポリヌクレオチドまたは上記のTDFRP化合物をコードする構築物を有するウイルスでコートされている、ステントおよびカテーテルを提供する。ステントは、通路の閉鎖または再閉鎖を妨げるために、疾患プロセス(例えば、腫瘍による内部成長)によって狭窄され、不規則な輪郭を示し、障壁となり、または閉塞された身体の通路(例えば、胆管)または身体の通路の一部に挿入されてもよい、通常は円筒形形状の足場材料である。ステントは、それが挿入される身体の通路の壁を物理的に開いた状態に保持することによって作用する。
1つの局面において、本発明は、対象に移植された場合に、その対象における障害を予防または治療する、コーティングされた移植可能な医療用デバイスを提供する。移植可能な医療用デバイスへのコーティングは、SEQ ID NO:1〜347からなる群より選択されるアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:1〜347をコードするポリヌクレオチド、およびその変種、類似体、相同体、もしくは断片を含むことができる。移植可能な医療用デバイスとは、ステントのような対象の身体内に含まれるデバイス、またはトロカール(trochar)、カテーテル、またはポートのような、対象の身体に部分的に含まれるものをいい、および移植可能な医療用デバイスはこれらを含む。
別の局面において、本発明は、移植可能な医療用デバイスを入手する工程、およびこの医療用デバイスをコーティングする工程によって、対象への移植のために適切なデバイスを作製する方法を提供する。移植可能デバイス上のコーティングは、SEQ ID NO:1〜347からなる群より選択されるアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:1〜347をコードするポリヌクレオチド、およびその変種、類似体、相同体、もしくは断片を含むことができる。
別の局面において、本発明は、対象における障害を予防または治療するためのデバイスを使用する方法を提供する。この方法は、障害を有する対象を同定する工程、次いで、SEQ ID NO:1〜347からなる群より選択されるアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:1〜347をコードするポリヌクレオチド、およびその変種、類似体、相同体、もしくは断片から構成されるコーティングをさらに有する移植可能な医療用デバイスを入手する工程;ならびに対象にこのデバイスを移植する工程を含む。1つの態様において、このデバイスは、心臓血管系の障害を有する対象に移植される。
市販のポリ(エチレンオキサイド)[PEO]およびポリ(アクリル酸)[PAA]ゲル-コートバルーン血管形成術用カテーテルは、局所的薬物送達系として使用することができる(Gehrke et al., in Intelligent Materials & Novel Concepts for Controlled Release Technologies, S. Dinh and J. DeNuzzio, Eds., ACS Symposium Series, Washington, D.C., 728, 43-53 (1999))。TDFRP化合物、TDFRP化合物をコードするポリヌクレオチド、またはTDFRP化合物をコードするベクターを有するウイルスのPEO-ゲルコーティングへの負荷は、負荷溶液への可溶性デキストランの添加を用いてほぼ2倍にすることができる。ゲルコーティングからの溶質、例えば、TDFRP化合物またはTDFRP化合物をコードするポリヌクレオチドを有するウイルスの放出は、拡散に制限されるが、抵抗性は、境界層ならびにゲルに起因する可能性がある。
種々のステントおよびカテーテルが、本発明の状況内で使用されてもよく、これらは例えば、食道ステント、血管ステント、胆管ステント、膵臓ステント、尿管および尿道ステント、涙管ステント、Eustachiana管ステント、ファローピウス管ステント、および気管/気管支ステント、血管カテーテル、および尿道カテーテルである。
ステントおよびカテーテルは、商業的な供給源から容易に入手してもよく、または周知の技術に従って構築してもよい。TDFRP化合物、TDFRP化合物をコードするポリヌクレオチド、またはTDFRP化合物をコードするベクターを有するウイルスでコーティングすることに従うステントの代表的な例には、以下において記載されるものが含まれる:「Hydrogel Adhesive」という表題の米国特許第4,768,523号、「Expandable Intraluminal Graft, and Method and Apparatus for Implanting and Expandable Intraluminal Graft」という表題の米国特許第4,776,337号;「Endovascular Stent and Delivery System」という表題の米国特許第5,041,126号;「Indwelling Stent and Method of Use」という表題の米国特許第5,052,998号、「Self-Expanding Prosthesis Having Stable Axial Length」という表題の米国特許第5,064,435号;「Water-insoluble Polysaccharide Hydrogel Foam for Medical Applications」という表題の米国特許第5,089,606号;「Nitinol Stent for Hollow Body Conduits」という表題の米国特許第5,147,370号;「Indwelling Stent」という表題の米国特許第5,176,626号;「Biodegradable polymeric Endoluminal Sealing Process」という表題の米国特許第5,213,580号、「Stent and therapeutic delivery system」という表題の米国特許第5,685,847号、「Intraluminal stent and graft」という表題の米国特許第5,683,448号、「Variable length uretheral stent」という表題の米国特許第5,681,274号、「Intraluminal stent」という表題の米国特許第5,665,115号、「Stent with optimal strength and radiopacity characteristics」という表題の米国特許第6,699,278号、「Flexible stent」という表題の米国特許第8 6,679,911号、「Intravascular stent device」という表題の米国特許第9 6,673,106号。
ステントおよびカテーテルは、例えば、以下を含む様々な様式で、TDFRP化合物、またはTDFRP化合物をコードするポリヌクレオチド、またはTDFRP化合物をコードするベクターを含むウイルスでコーティングされてもよい:(a)TDFRP化合物、またはTDFRP化合物をコードするポリヌクレオチド、またはTDFRP化合物をコードするベクターを含むウイルスをデバイスに直接的に固着することによる(例えば、ステントにポリマー/薬物フィルムをスプレーすること、またはステントをポリマー/薬物溶液に浸漬することによる)、(b)次にはTDFRP化合物、またはTDFRP化合物をコードするポリヌクレオチド、またはTDFRP化合物をコードするベクターを含むウイルスを吸収する、ハイドロゲルなどの物質でデバイスをコーティングすることによる、(c)TDFRP化合物、またはTDFRP化合物をコードするポリヌクレオチド、またはTDFRP化合物をコードするベクターを含むウイルスをコーティングした糸(または糸に形成されたポリマーそれ自体)をデバイス構造に織り交ぜることによる、(d)TDFRP化合物、またはTDFRP化合物をコードするポリヌクレオチド、またはTDFRP化合物をコードするベクターを含むウイルスから構成されるか、またはこれらでコーティングされたスリーブまたはメッシュにデバイスを挿入することによる、あるいは(e)TDFRP化合物を用いてデバイスそれ自体を構築すること。本発明の好ましい態様に含まれるのは、TDFRP化合物、またはTDFRP化合物をコードするポリヌクレオチド、またはTDFRP化合物をコードするベクターを含むウイルスが、保存の間および挿入の時点でデバイスに強固に付着するべきであることである。TDFRP化合物、またはTDFRP化合物をコードするポリヌクレオチド、またはTDFRP化合物をコードするベクターを含むウイルスはまた、好ましくは、保存の間、挿入の前、または身体内部での拡張後に体温まで温められた場合に、分解するべきではない。加えて、これは、好ましくは、デバイスの外観を変化させないままで、均一な分布のTDFRP化合物、またはTDFRP化合物をコードするポリヌクレオチド、またはTDFRP化合物をコードするベクターを含むウイルスを伴って、滑らかにかつ均等に、デバイスをコーティングするべきである。本発明の好ましい態様に含まれるのは、TDFRP化合物、またはTDFRP化合物をコードするポリヌクレオチド、またはTDFRP化合物をコードするベクターを含むウイルスの放出が、均一で、予測可能であり、かつ一旦デバイスが展開されると、デバイスを取り囲む組織に延長され得ることである。血管ステントおよびカテーテルについては、上記の特性に加えて、TDFRP化合物、またはTDFRP化合物をコードするポリヌクレオチド、またはTDFRP化合物をコードするベクターを含むウイルスは、ステントもしくはカテーテルを血栓形成性(血液凝固を引き起こす)にするべきではなく、または血流の顕著な乱流(コーティングされなかった場合にステントそれ自体が引き起こすことが予測されるものよりも大きい)を引き起こすべきでない。
パッチもまた、TDFRP化合物、またはTDFRP化合物をコードするポリヌクレオチドを含む材料から、ウイルスキャリアを伴うかまたは伴わずに調製されてもよい。例えば、Gelfoamまたはポリビニルアルコール(PVA)、または他の適切な物質であるがこれらに限定されない、例えば、パッチ材料が使用されてもよい。このようなパッチは、細胞に接触された場合に、TDFRP化合物、またはTDFRP化合物をコードするポリヌクレオチドを送達するために、予防的または治療的に使用されてもよい。
実施例17 TDFRPコーティングされたデバイスの調製
以下の実験の中で使用される試薬および装置には、(様々な製造業者:例えば、Cordis and Boston Scientificから商業的に得られる医療グレードステント)および保持装置、キャップ(プラスチック挿入型)を備えた20mlガラスシンチレーションバイアル、TLCアトマイザー、窒素ガスタンク、ガラス試験管(1mlまたはそれ以上の様々なサイズ)、ガラスビーカー(様々なサイズ)、パスツールピペット、ピンセット、ポリカプロラクトン(「PCL」--分子量10,000〜20,000; Polysciences)、TDFRP化合物またはTDFRP化合物をコードするポリヌクレオチドまたはこのようなTDFRP構築物を含む、例えば、アデノウイルスであるがこれに限定されないウイルスによる感染、エチレンビニルアセテート(「EVA」--洗浄済み--以前を参照されたい)、ポリ(DL)乳酸(「PLA」--分子量15,000〜25,000; Polysciences)、ジクロロメタン(「DCM」-HPLCグレード、Fisher Scientific)が含まれる。これらの手法は、多くの異なる型のステントおよびカテーテルのようなデバイスの表面をコーティングするために使用することができることが理解される。
A. スプレーステントの手法
以下は、約3cmの長さの3mm圧着直径の交互配置された金属ワイヤステントを使用する方法を説明する。より大きな直径のステントについては、より大きな体積のポリマー/薬物溶液を使用する。手短に述べると、十分な量のポリマーを、20mlのガラスシンチレーションバイアルに直接的に秤量し、2% w/v溶液を達成するのに十分なDCMを添加する。次いで、バイアルにキャップをし、ポリマーを溶解するために手動で混合する。次いで、ステントを、垂直方向で組み立てて、ステントを、後方に曲がったスタンドにナイロンで結ぶ。このステントを、平面方向のスプレーを可能にするために。適切な支持体(例えば、ひっくり返した2000mlガラスビーカー)上で、ドラフトの床の上6〜12インチで保持装置に配置する。自動ピペットを使用して。適切な体積(最小5ml)の2%ポリマー溶液を、別々の20mlガラスシンチレーションバイアルに移す。次いで、適切な量のTDFRP化合物、またはTDFRP化合物をコードするポリヌクレオチド、またはTDFRP化合物をコードするベクターを含む、例えば、アデノウイルスであるがこれに限定されないウイルスキャリアを溶液に加え、手動の振盪によって溶解する。スプレーのための準備のために、バイアルキャップを取り外し、TLC噴霧器のバレル(のみ)をポリマー溶液に浸漬する。噴霧器のリザーバーは、この手順においては使用される必要はない。20mlガラスバイアルがリザーバーとして働く。窒素タンクは、噴霧器のガス注入口に接続される。圧力は、噴霧およびスプレーが開始するまで増加する。圧力は記録され、この圧力はこの手順を通して使用される。ステントは、スプレー間で15秒の乾燥時間を伴って、5秒間の振動を使用してスプレーする。5回のスプレー後、ステントを90°回転させ、再度スプレーする。この手順を、ステントのすべての側がスプレーされるまで反復する。乾燥時間の間、ガス線に指を押しつけて、スプレーの消耗を回避する。スプレーを、適切な量のポリマーがステント上に沈着するまで継続する。この量は、インビボでの特異的ステント適用に基づいてもよい。この量を決定するために、スプレーが完了し、ステントが乾燥した後で、ステントを秤量する。ステントのもともとの量は、最終的な重量から減算し、およびこれが、ステントに適用されたポリマーの量(およびTDFRP)を生じる。このコーティングされたステントは、典型的には、使用するまで、密封した容器中で保存する。
B. 浸漬したステントのための手順
以下は、約3cmの長さの3mm圧着直径の交互配置された金属ワイヤステントを使用する方法を説明する。より大きな直径のステントについては、より大きな体積のポリマー/薬物溶液を、より大きなサイズの試験管中で使用する。
2グラムのEVAを、20mlのガラスシンチレーションバイアル中で秤量し、20mlのDCMを加える。このバイアルにキャップをし、2時間放置して溶解させる(バイアルは、溶解プロセスを補助するために頻繁に振盪する)。既知量のTDFRP化合物、またはTDFRP化合物をコードするポリヌクレオチドを、1mlガラスチューブおよびポリマー溶液の0.5mlのポリマー溶液に配置する。ガラスパスツールピペットを使用して、TDFRP化合物、TDFRP化合物をコードするポリヌクレオチド、またはTDFRP化合物をコードするベクターを含む、例えば、アデノウイルスであるがこれに限定されないウイルスキャリアを、ポリマー溶液を穏やかにくみ出すことによって懸濁/溶解する。一旦物質が適切に混合または溶解されると、試験管は、水平位置の近くで保持される(粘性のポリマー溶液は流出しない)。ステントは、一対のピンセットを使用して、底まであらゆる方向で管に挿入される、すべてのポリマー含有溶液を、水平軸の下に試験管の口を傾けることによって、ほぼ試験管の口まで流すことを可能にする。ステントは、管中でゆっくりと回転させ、次いで、注意深く取り出す(約30秒間)。コーティングされたステントを、垂直位置で乾燥させる。コーティングしたステントは、典型的には、使用するまで密封した容器中で保存する。
実施例18 骨形成タンパク質および他のシグナル伝達経路のメディエーターと同時投与されたTDFRP化合物
TDFRP化合物は、ALK受容体の機能的アゴニストおよびアンタゴニストであり、これらの受容体を通して伝播される生物学的活性を媒介する。同様の生物学的活性は、骨形成タンパク質、特にBMP-7(OP-1)を用いて見られ、本願を通して議論される。本明細書に記載される、BMPファミリーおよびTDFRP化合物に共通のこれらの生物学的活性は、一般的に、組織分化様効果、成長因子様効果、系統の方向付け、および組織更新および修復として記載され得る。
TDFRP化合物と同時投与されるBMPシグナル伝達分子は、Smadリン酸化によって検出されるような相乗効果的または増強された下流のシグナル伝達を示す。Smadリン酸化は、様々な濃度のTDFRPまたは対照化合物に曝露した培養培地中のLNCaP(前立腺癌細胞)またはEC(血管内皮細胞)中でのウェスタン分析によって評価した。BMP-7は正の対照として働く。細胞は、1 mM PMSF、1mM オルトバナジウム酸ナトリウム、および10μg/mL プロテイナーゼ阻害剤カクテルを含むRIPA溶解緩衝液(50 mM Tris-HCl、pH 8.0, 150 mM NaCl、1% NP-40、0.5% デオキシコール酸ナトリウム、0.1% SDS)中で溶解させる。溶解物は氷上で15分間インキュベートし、遠心分離し、および清澄なチューブに上清を移す。SDS-PAGEによる分析のために50〜100μgを使用する。分離したタンパク質はPVDFメンブレン上に電気的に転写する。ブロットは、PBS中で調製した3%脱脂粉乳中で、定常的にゆっくりと攪拌しながら室温にて1時間インキュベートすることによってブロックする。ブロットは、PBS-ミルク中で調製した1〜2μg/mLの一次抗体(ウサギ抗ホスホ-Smad 1)とともに、攪拌しながら4℃で一晩インキュベートし、PBSで2回洗浄し、および二次抗体(抗ウサギHRP結合体化IgG、1:3000希釈)とともに、攪拌しながら室温で2時間インキュベートする。PBS-0.05% Tween 20中での5分間の洗浄およびすすぎ後、Smadリン酸化は、製造業者の指示に従うHRP反応を介して検出する(図3、27)。
Smadリン酸化は、LNCaP細胞中で、BMP-6またはTDFRP化合物(SEQ ID NO:45)のいずれかによって誘導される(図27)。Smadリン酸化の量は、BMP-6およびTDFRP化合物(SEQ ID NO:45)がLNCaP細胞中で同時投与されるときに増強される(図27)。
いくつかの一連の証拠は、骨形態形成タンパク質(BMP)がアンドロゲン感受性(LNCaP)およびアンドロゲン非感受性(PC-3、DU-145)ヒト前立腺癌細胞の増殖を阻害することを示唆してきた。BMPシグナルは、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(CDKI)p21(CIPl/WAFl)をアップレギュレートすること、およびCdk2の活性を減少することによって、ヒト前立腺腫瘍細胞の成長および増殖を阻害し、Rbタンパク質の低リン酸化に導く。TDFRP化合物は、化合物の成長阻害活性を評価するために、インビトロ前立腺癌および膀胱癌バイオアッセイにおいてスクリーニングされてきた(図3、28)。TDFRP化合物を、用量依存性様式で受容体調節性のSmad 1/5リン酸化を誘導する能力について、これらの癌細胞においてアッセイする(図3、27)。
これらの生物学的効果は、他の伝達経路のメディエーターとともに観察されるものと類似している。例えば、ヘッジホッグシグナル伝達分子ファミリーのメンバーは、無脊椎動物および脊椎動物の発生の間の、多くの重要な短期的および長期的パターン化プロセスを媒介する。ハエにおいて、単一のヘッジホッグ遺伝子が、体節および成虫原基のパターン化を調節する。1つのみのヘッジホッグ遺伝子がショウジョウバエ(Drosophila)および他の無脊椎動物において見い出されているのに対して、複数のヘッジホッグ遺伝子が脊椎動物には存在し、ここではヘッジホッグ遺伝子ファミリーは、例えば、左-右の対称性、CNS、体節および肢における極性、器官形成、軟骨形成および精子形成の制御に関与する。同様に、いくつかのヘッジホッグ相同体は、種々の脊椎動物種から単離されてきた。
脊椎動物のヘッジホッグ遺伝子のファミリーには、少なくとも4つのメンバー、例えば、単一のヘッジホッグ遺伝子のパラログを含まれる。例示的なヘッジホッグ遺伝子およびタンパク質は、PCT公報WO 95/18856およびWO 96/17924に記載されている。本明細書ではデザートヘッジホッグ(Desert Hedgehog)(Dhh)、ソニックヘッジホッグ(Sonic Hedgehog)(Shh)およびインディアンヘッジホッグ(Indian Hedgehog)(Ihh)と呼ばれる、これらのメンバーのうちの3つは、魚類、鳥類、および哺乳動物を含むすべての脊椎動物に存在している。本明細書ではチギー-ウィンクルヘッジホッグ(tiggie-winkle Hedgehog)(Thh)と呼ばれる第4のメンバーは、魚類に特異的であるようである。デザートヘッジホッグは、マウス胚発生と成体齧歯類およびヒトの両方において、主として精巣において発現され;インディアンヘッジホッグは胚形成の間の骨形成および成体における骨形成に関与し;ならびにソニックヘッジホッグは、主として、形態形成および神経誘導の活性に関与する。脊椎動物器官の発生および維持におけるヘッジホッグポリペプチドの決定的な誘導性の役割が与えられると、ヘッジホッグ相互作用または調節タンパク質の同定が、臨床と研究の両方の状況において、最高に大きな意義を有する。
脊椎動物において、いくつかのヘッジホッグタンパク質が過去数年間でクローニングされている。これらの遺伝子のうちで、Shhは、最も実験的な注意を引いている。なぜなら、これは、隣接する組織にパターン形成するシグナルの供給源である、異なる組織化中心において発現されるからである。最近の証拠は、Shhがこれらの相互作用に関与することを示す。
Shhの発現は、推定の正中中胚葉、マウス(Chang et al. (1994) 前記; Echelard, Y. et al. (1993) Cell 75:1417-1430)、ラット(Roelink, H. et al. (1994) Cell 76:761-775)、およびニワトリ(Riddle, R. D. et al. (1993) Cell 75:1401-1416)における結節、ならびにゼブラフィッシュにおける盾板(Ekker et al. (1995) 前記; Krauss, S. et al.(1993) Cell 75:1431-1444)における、原腸形成の発生の直後に開始する。ニワトリ胚において、結節におけるShh発現パターンは左-右対称性を発生し、これは、心臓の左-右位置の原因であるようである(Levin, M. et al. (1995) Cell 82:803-814)。CNSにおいて、脊索および底板からのShhは、腹部細胞の運命を誘導するようである。異所的に発現される場合、Shhは、マウス(Echelard et al. (1993) 前記; Goodrich, L. V. et al. (1996) Genes Dev. 10:301-312)、アフリカツメガエル(Xenopus)(Roelink, H. et al. (1994) 前記; Ruiz Altaba, A. et al. (1995) MoI. Cell. Neurosci. 6:106-121)、およびゼブラフィッシュ(Ekker et al. (1995) 前記; Krauss et al. (1993) 前記; Hammerschmidt, M., et al. (1996) Genes Dev. 10:647-658)における中脳および後脳の大きな領域の腹方化に導く。脊髄レベルにおける中間体神経外胚葉の移植物中で、Shhタンパク質は、明確な濃度閾値を有する底板および運動ニューロン発生を誘導し、ここで、底板は高濃度であり、運動ニューロンはより低い濃度である(Roelink et al. (1995) 前記; Mart et al. (1995) 前記; Tanabe, Y. et al. (1995) Curr. Biol. 5:651-658)。さらに、抗体ブロッキングは、脊索によって産生されるShhが、運動ニューロンの運命の脊索媒介性誘導に必要であることを示唆する(Mart' et al. (1995) 前記)。従って、Shh-産生正中細胞の表面上での高濃度のShhは、インビトロで観察される底板の接触誘導性誘導(Placzek, M. et al. (1993) Development 117:205-218)、およびインビボでの脊索のすぐ上の底板の正中配置の原因となるようである。脊索および底板から放出されたより低い濃度のShhは、おそらく、インビトロで接触非依存性であることが示されたプロセスにおいて、より遠位の腹側外側の領域における運動ニューロンを誘導する(Yamada, T. et al. (1993) Cell 73:673-686)。中脳および前脳レベルで取られた移植片において、Shhはまた、適切な腹側外側ニューロン細胞型、それぞれ、ドーパミン作動性(Heynes, M. et al. (1995) Neuron 15:35-44; Wang, M. Z. et al. (1995) Nature Med. 1:1184-1188)およびコリン作動性(Ericson, J. et al. (1995) Cell 81:747-756)前駆体を誘導し、このことは、ShhがCNSの全体の長さにわたって、腹側の明細の一般的なインデューサーであることを示す。正中からのShhもまた、脊椎動物胚の沿軸領域、体幹における体節(Fan et al. (1995) 前記)および頭部間充組織の吻側の体節(Hammerschmidt et al. (1996) 前記)をパターン形成する。ニワトリおよびマウスの沿軸中胚葉外植片において、Shhは、真皮性筋節マーカーPax3を代償にして、Pax1およびTwistのような硬節特異的マーカーの発現を促進する。さらに、フィルター障壁実験は、Shhが硬節の誘導を、二次シグナル伝達メカニズムの活性化によるよりはむしろ、直接的に媒介することを示唆する(Fan, C.-M. and Tessier-Lavigne, M. (1994) Cell 79, 1175-1186)。Shhはまた、筋板遺伝子発現を誘導するが(Hammerschmidt et al. (1996) 前記; Johnson, R. L. et al. (1994) Cell 79:1165-1173; Munsterberg, A. E. et al. (1995) Genes Dev. 9:2911-2922; Weinberg, E. S. et al. (1996) Development 122:271-280)、最近の実験は、WNTファミリーのメンバー、ショウジョウバエの脊椎動物相同体、Winglessが協調して必要とされることを示す(Munsterberg et al. (1995) 前記)。不可解なことに、ニワトリにおける筋板誘導は、硬節性マーカーの誘導よりも高いShh濃度を必要とするが(Munsterberg et al. (1995) 前記)、硬節は、脊索にはるかにより近接して配置される体節細胞から生じる。同様の結果はゼブラフィッシュにおいても得られた。ここでは、高濃度のヘッジホッグが筋板を誘導し、硬節マーカー遺伝子発現を抑制する(Hammerschmidt et al. (1996) 前記)。しかし、羊膜動物とは対照的に、これらの観察は、魚類の胚の構築と一致する。なぜなら、ここでは、筋板が優勢であり、より軸性の体節の成分であるからである。従って、Shhシグナル伝達の調節および新規なシグナル伝達因子の獲得は、脊椎動物進化の間に体節構造を改変した可能性がある。
脊椎動物肢芽において、後部間葉細胞のサブセット、「分極活性のゾーン」(ZPA)は、前後指同一性を調節する(Honig, L. S. (1981) Nature 291 :72-73において概説されている)。Shhの異所性発現またはShhペプチド中に浸漬したビーズの適用は、前ZPA移植片の効果を模倣し、指の鏡像的複製を生じる(Chang et al. (1994) 前記; Lopez-Martinez et al. (1995) 前記; Riddle et al. (1993) 前記)。従って、指の同一性は、Shh濃度に主として依存するようであるが、他のシグナルが、APパターン形成に必要とされるようである実質的な距離(100〜150マイクロメートル)を超えてこの情報をリレーすることができる可能性がある。ショウジョウバエ成虫原基におけるHHおよびDPPの相互作用と類似して、脊椎動物肢芽中のShhは、dpp相同体であるBmp2の発現を活性化する(Francis, P. H. et al. (1994) Development 120:209-218)。しかし、ショウジョウバエにおけるDPPとは異なり、BMP2は、ニワトリ肢芽における異所性適用の差異のShhの極性効果を模倣することに失敗する(Francis et al. (1994) 前記)。前後のパターン形成に加えて、Shhはまた、後部外胚葉性頂堤における線維芽細胞成長因子FGF4の合成を誘導することによって、近位遠位の肢の成長の調節に関与するようである(Laufer, E. et al. (1994) Cell 79:993-1003; Niswander, L. et al. (1994) Nature 371:609-612)。
ヘッジホッグタンパク質とBMPとの間の密接な関連は、多くの、しかしおそらくすべてではない脊椎動物ヘッジホッグ発現の部位において保存されてきた可能性がある。例えば、ニワトリ後腸において、Shhは、別の脊椎動物dpp相同体であるBmp4の発現を誘導することが示されてきた(Roberts, D. J. et al. (1995) Development 121:3163-3174)。さらに、ShhおよびBMP2、4、または6は、胃の上皮および間葉細胞、泌尿生殖器系、肺、歯芽、ならびに毛包におけるそれらの発現において、著しい相関を示す(Bitgood, M. J. and McMahon, A. P. (1995) Dev. Biol. 172:126-138)。
最近の証拠は、インディアンヘッジホッグ(Ihh)が、軟骨形成性発生の調節において決定的な役割を果たすことを示唆する。他の2つのマウスヘッジホッグ遺伝子のうちの1つであるIhhは、腸および発生している軟骨においてBMP発現細胞に隣接して発現される(Bitgood and McMahon (1995) 前記)。軟骨形成の間に、軟骨細胞は、増殖している状態から、中間体、前肥大性状態を経由して、分化した肥大性軟骨細胞まで進行する。Ihhは、前肥大性軟骨細胞において発現され、軟骨細胞分化の遮断に導くシグナル伝達カスケードを開始する。その直接的な標的は、Ihh発現ドメインの周辺の軟骨膜であり、これは、ヘッジホッグシグナルの保存性の転写標的である、GliおよびPatched(Ptc)の発現によって応答する。最も可能性が高いのは、これが、関節周囲の軟骨膜中での副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)の合成を生じる二次シグナルに導くことである。PTHrPそれ自体が、前肥大性軟骨細胞にシグナル伝達を戻し、それらのさらなる分化を妨害する。同時に、PTHrPはIhhの発現を抑制し、それによって、軟骨細胞分化の速度を調節する負のフィードバックループを形成する。
本明細書に記載されるTDFRP化合物は、BMPおよびヘッジホッグ経路の他のメディエーターとともに、対象への投与のために適切である。これには、例えば、単一の薬学的製剤の一部として、BMPおよびヘッジホッグメディエーターとの、TDFRPの同時投与が含まれる。同時投与はまた、別々の薬学的製剤中で、TDFRP化合物およびヘッジホッグメディエーターおよび/またはBMPを提供することを含む。同時投与は、TDFRP化合物、ヘッジホッグメディエーターおよび/またはBMPを、同時にまたは断続的に、例えば、1日あたり複数用量、1日あたり1用量、1日おきに1用量、毎週または毎月の投与で提供することを含む。
実施例19 TDFRP化合物およびp38 MAPKシグナル伝達経路
Smadタンパク質は、BMP結合セリン/スレオニン受容体キナーゼの基質およびメディエーターである。固有のセリン/スレオニンキナーゼ活性でのBMPのリガンド誘導性活性化は、受容体で調節されるSmad(R-Smad)Smad1、Smad3およびSmad8のリン酸化を誘発する。BMP受容体の多機能性および状況依存性は、シグナル統合因子としてのSmadの機能に反映される。特定のSmadは、特定の型の癌において高頻度で体細胞変異する。R-Smadの示差的リン酸化は、MAPKシグナル伝達によって影響される可能性がある。MAPKコンセンサス部位は、BMPの作用をリレーする、Smad 1、Smad 53およびSmad 8を含むすべてのSmadにおいて見い出される。さらに、受容体チロシンキナーゼの関与が、それらの保存性Mad Homology 1(MH1)ドメインとMH2ドメインの間のリンカー領域において、R-Smad上のMAPKコンセンサス部位のリン酸化をもたらすことが示された(Massague J (2003) Genes & Dev. 17, 2993-2997)。細胞レベルにおいて、リンカー変異は、細胞接触、アクチン細胞骨格、および各ベータカテニン蓄積に影響を与え、これらは、膜におけるSmad 1の保持と相関する。また、SmadおよびMAPK経路は、BMP経路において協働作用的に作用し、肢発生を制御する(Zuzarte-Luis et al. (2004) Dev Biol. 272, 39-52)。最近、BMP-7は、用量依存的な活性勾配において、Smadおよびp38 MAPK経路を通して作用し、腎臓発生の間の細胞増殖の速度、管成長、および分岐を制御することが示さてきた(Hu et al. (2004) J Biol Chem. 279, 12051-12059)。従って、p38 MAPK経路は、低用量のBMP-7に対する応答を制御して、細胞分化および分岐の増加をもたらすようであるのに対して、Smadは、より高い用量のBMP-7に対する応答を制御して、細胞増殖および分岐を抑制する。別の研究において、BMP活性化SmadおよびATF2(p38 MAPKについての下流の標的)は、ベータ-ミオシン重鎖遺伝子発現および心筋細胞分化を制御するために協調的に作用することが示されてきた(Monzen et al. (2001) J Cell Biol. 153, 687-698)。TDFRP化合物は、Smadとp38 MAPKの両方のシグナル伝達経路を活性化する可能性がある。
治療剤の表示
ヘッジホッグ経路メディエーターおよび/またはBMPのいずれかまたは両方を伴う、TDFRP化合物の治療的または予防的投与は、多数の細胞障害を治療するために適切である。本発明における使用のために適切なヘッジホッグタンパク質には、Shh、IhhまたはDhhが含まれ、および本発明における使用のために適切なヘッジホッグメディエーターには、Shh、IhhまたはDhhの発現をアップレギュレートまたはダウンレギュレートする化合物が含まれる。TDFRP化合物との同時投与のために適切なBMPには、BMP-1、BMP-2、BMP-3、BMP-4、BMP-5、BMP-6 (Vgr-1)、BMP-7(OP-1)、BMP-8、BMP-9、BMP-10、BMP-11、BMP-12、BMP-13、BMP-14、BMP-15、およびBMP-16が含まれ、さらに、任意の二量体タンパク質、例えば、ホモ二量体、ヘテロ二量体、またはその組み合わせが含まれ、これらは、単独であるか、またはBMP、例えば、ヘッジホッグタンパク質、TDFRPもしくはそれをコードするDNA、およびそれらの任意の組み合わせの上流もしくは下流の効果を誘導することが可能である他の分子と組み合わせる。これらのヘッジホッグ、BMPおよびTDFRP化合物は、本明細書以下では、集合的に「化合物」と呼ばれ、種々の組み合わせでヘッジホッグ、BMPおよびTDFRP化合物を含む製剤は、本明細書および引用される参考文献に記載される投薬量を使用する以下の表示のために適切である。
「ヘッジホッグシグナル伝達経路」、「ヘッジホッグ経路」および「ヘッジホッグシグナルトランスダクション経路」は、すべて、ヘッジホッグ、スムーゼンド(smoothened)ptc、およびgliによって正常に媒介される事象の連鎖をいい、とりわけ、ヘッジホッグ活性に典型的である、遺伝子発現の変化および他の表現型の変化を生じる。下流成分を活性化することは、ヘッジホッグタンパク質の非存在においてさえ、ヘッジホッグ経路を活性化することができる。例えば、スムーゼンドの過剰発現は、ヘッジホッグの非存在下において経路を活性化する。gliおよびptc遺伝子発現は、活性なヘッジホッグシグナル伝達経路の指標である。「ヘッジホッグアンタゴニスト」という用語は、例えば、標的遺伝子の転写を抑制するために、パッチの生体活性を強化または再利用する薬剤をいう。好ましいヘッジホッグアンタゴニストは、ptcの機能の喪失および/またはスムーゼンド機能の獲得を克服するために使用することができ、後者はまた、スムーゼンドアンタゴニストと呼ばれる。他の好ましいヘッジホッグアンタゴニストは、不適切なヘッジホッグシグナル伝達の増加を克服するために使用することができ、このシグナル伝達の増加は、ヘッジホッグシグナル伝達経路の成分(例えば、ptc、gli1、gli3、スムーゼンドなど)中の変異/損傷における結果であるか否かに関わらず、またはこのシグナル伝達の増加は、ヘッジホッグシグナル伝達経路の成分(例えば、ヘッジホッグシグナル伝達経路の成分に関する野生型細胞)中の変異/損傷を含まない細胞背景において起こるか否かに関わらない。「ヘッジホッグアンタゴニスト」という用語は、本明細書で使用される場合、ヘッジホッグタンパク質の正常な機能を直接的に阻害することによって作用する可能性があるが任意の因子をいうのみならず、ヘッジホッグシグナル伝達経路を阻害し、従って、ptcの機能を再利用する任意の因子もまたいう。ヘッジホッグアンタゴニストは、低分子、抗体(二重抗体(diabody)、単鎖抗体、モノクローナル抗体、IgG、IgM、IgA、IgD、IgE、または少なくとも1対の可変領域を含む抗体断片を含むがこれらに限定されない)、アンチセンス核酸、PNAもしくはリボザイム、RNAi構築物、またはヘッジホッグシグナル伝達を破壊もしくは阻害することができる変異型ヘッジホッグタンパク質であってもよい。本願の1つの局面は、例えば、TDFRPを伴うか、またはいかなるTDFRPも伴わないヘッジホッグメディエーターまたはBMPの投与の非存在と比較して、例えば、組織を、インビトロまたはインビボで、ヘッジホッグメディエーターまたはBMPと、TDFRP化合物と、肺組織における細胞の増殖の速度を変化させる(促進または阻害する)ために有効量で、異所性に接触させることによって、肺組織またはその細胞の成長状態を調節するための方法に関する。対象の方法は、例えば、肺組織の上皮細胞および/または間葉細胞の成長状態を調節するために使用することができ、例えば、疾患状態の予防のため、または存在している疾患状態もしくは肺組織に対する他の損傷の治療における治療法の一部として有用であり得る。ヘッジホッグ様ポリペプチドおよびそれに関連する製剤および使用による、肺組織の調節のさらなる議論については、Pepicelli, et al.に対する米国特許出願第20040171546号を参照されたい。
ヘッジホッグ様ポリペプチドおよびそれに関連する製剤および使用による、脂肪細胞の調節の議論については、Zehentner, et al.に対する米国特許出願第20040171533号を参照されたい。
TGFベータファミリーの成長因子、特に、骨形成タンパク質(BMP)-2/4相同体デカペンタプレジック(decapentaplegic)(dpp)は、生殖系列幹細胞を維持するため、およびそれらの分裂を促進するために特に必要である。dppの過剰発現は、生殖系列幹細胞の分化を妨げる。dppまたはその受容体サキソフォン(saxophone)は、幹細胞の喪失を加速させ、幹細胞の分裂を遅らせる。dppシグナル伝達は、生殖系列幹細胞によって直接的に受容され、従って、dppシグナル伝達は、生殖系列幹細胞増殖を制御する地位を規定することを補助する。Spradling, et al.に対する米国特許出願第20040157324号は、TGFベータファミリーの成長因子のメンバー(BMP)を使用する生殖系列幹細胞の維持および増殖のための方法を議論している。ヘッジホッグ様ポリペプチドおよびそれに関連する製剤および使用による、幹細胞の分化に関する議論については、Andrews, et al.に対する米国特許出願第20040171153号を参照されたい。
本発明は、ヘッジホッグ、パッチド(ptc)、gliおよび/またはスムーゼンドによって調節されるシグナル伝達経路が、少なくとも部分的に、ヘッジホッグアンタゴニストによって阻害され得るという発見に関する。いかなる理論によっても束縛されることを望まないが、低分子アンタゴニストの場合においては、受容体の調節は、これらの因子が作用するメカニズムであってもよい。例えば、これらの因子がパッチドの機能を喪失した(ptclof)細胞の増殖を阻害する能力は、このような分子がヘッジホッグ、パッチド、またはスムーゼンドと相互作用する能力、またはこれらのタンパク質がヘッジホッグ、ptc、および/もしくはスムーゼンド媒介性のシグナル伝達経路を活性化する能力に少なくとも干渉する能力に起因する可能性がある。それゆえに、ヘッジホッグ、ptc、またはスムーゼンドシグナル伝達活性の局面に干渉するこれらの低分子が、さもなくば発生することから、組織分化における細胞の役割を変化させることが可能であることが特に意図される。当業者は、本発明における使用のためのアンタゴニストが、ヘッジホッグシグナル伝達経路における任意の点において、ヘッジホッグシグナル伝達に拮抗することができることを容易に認識する。すなわち、例示的なアンタゴニストは、ヘッジホッグに結合し、かつこれに拮抗することによって、例えば、ヘッジホッグ抗体を使用して、ヘッジホッグシグナル伝達を減少することができる。同様に、例示的なアンタゴニストは、ヘッジホッグとヘッジホッグ受容体パッチドとの間の相互作用に干渉することができる。加えて、当業者は、例示的なアンタゴニストが、細胞内で作用することによって、例えば、ヘッジホッグシグナル伝達経路の細胞内成分に作用する低分子アンタゴニストを使用して、ヘッジホッグシグナル伝達に干渉することができることを認識する。本発明のヘッジホッグアンタゴニストは、野生型細胞において、またはヘッジホッグシグナル伝達経路の成分において変異を含む細胞においてヘッジホッグシグナル伝達に拮抗するために使用できることが意図される。従って、本発明の方法は、ヘッジホッグ機能の増大の表現型を有する広い範囲の細胞、組織および器官の修復および/または機能的な性能の調節において、ならびに野生型ヘッジホッグ活性を有する組織において、ヘッジホッグシグナル伝達のptc阻害を作動させる低分子の使用を含む。例えば、対象の方法は、神経組織の調節、骨および軟骨の形成および修復、精子形成の調節、平滑筋の調節、肺、肝臓および原腸から生じる他の組織の調節、造血機能の調節、皮膚および毛髪の成長の調節などからの範囲である、治療剤および化粧品の適用を有する。さらに、対象の方法は、培養中で(インビトロ)、または全体の動物における細胞上で(インビボ)提供される細胞に対して実行することができる。例えば、PCT公報WO 95/18856およびWO 96/17924(これらの明細書は参照により本明細書に明確に組み入れられる)を参照されたい。別の局面において、本発明は、例えば、本明細書に記載され、増殖またはヘッジホッグ機能の増大の他の生物学的結果をインビボで阻害するのに十分な量で製剤化された、活性成分としてヘッジホッグアンタゴニストまたはptcアゴニストを含む薬学的調製物を提供する。ヘッジホッグアンタゴニストを使用する対象の処理は、ヒトと動物の両方の対象のために有効であり得る。本発明が適用可能である動物対象は、ペットまたは商業的な目的のために飼育された、家庭内の動物と家畜の両方に適用可能に拡張される。例は、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、およびヤギである。
本発明の別の局面は、細胞の分化の状態、生存、および/または増殖を調節する方法に関する。
例えば、対象の方法は、血管形成を阻害するために使用することができることが意図される。ヘッジホッグは、血管形成を刺激することが知られている。ヘッジホッグタンパク質で満たされ、マウスに挿入されたMatrigelプラグは実質的な新血管形成を証明するのに対して、ヘッジホッグを有しないMatrigelプラグは、比較的少ない新血管形成を示す。加えて、ヘッジホッグタンパク質は、血管平滑筋細胞の増殖をインビボで刺激する。ヘッジホッグタンパク質はまた、線維芽細胞に、VEGF、bFGF、Ang-1およびAng-2などの血管形成成長因子の発現を増加させる。最後に、ヘッジホッグタンパク質は、虚血性損傷からの回復を刺激し、および側副血管の形成を刺激する。
ヘッジホッグが血管形成を促進するならば、ヘッジホッグアンタゴニストは、特に、ヘッジホッグシグナル伝達のある程度のレベルが血管形成に必要である状況において、血管形成アンタゴニストとして作用することが期待される。
血管形成は、多くの障害の基礎である。永続的な、調節されない血管形成は、一連の疾患状態、腫瘍転移および内皮細胞による異常な増殖において起こる。血管形成プロセスの結果として作製される血管系は、これらの状態において見られる病理学的な損傷を支持する。調節されない血管形成に起因して作り出される多様な病理学的状態は、血管形成依存性疾患、または血管形成関連疾患として一緒に分類されてきた。血管形成プロセスの制御において指向される治療は、これらの疾患の廃棄または軽減に導くことができる。
血管形成によって引き起こされ、それに支持されるか、またはそれと関連する疾患には以下が含まれる:眼の新生血管疾患、加齢性黄斑変性症、糖尿病性網膜症、未熟児の網膜症、角膜(comeal)移植拒絶、血管新生緑内障、水晶体後線維増殖症、流行性角結膜炎、ビタミンA欠損、コンタクトレンズ疲労(contact lens overwear)、アトピー性角膜炎、上方輪部結膜炎、翼状片乾燥角膜炎、シェーグレン病、しゅさ性ざ瘡、フリクテン症(phylectenulosis)、梅毒、ミコバクテリア感染、脂質変性、化学薬品火傷(chemical bums)、細菌性潰瘍、真菌性潰瘍、単純ヘルペスウイルス感染、ヘルペス ゾスター(Herpes zoster)感染、原生動物感染、カポジ肉腫、モーレン潰瘍、テリエン(Terrien)辺縁性変性、辺縁性角質溶解、関節リウマチ、全身性狼瘡、多発性動脈炎、外傷、ウェーゲナー(Wegeners)サルコイドーシス、強膜炎、スティーブンスジョンソン(Steven's Johnson)病、類天疱瘡(periphigoid)放射状角膜切開、角膜移植拒絶、関節リウマチ、変形性関節症慢性炎症(例えば、潰瘍性大腸炎またはクローン病)、血管腫、オスラー-ウェーバー-レンズ(Osler-Weber-Rendu)病、および遺伝性出血性毛細管拡張症。
加えて、血管形成は、癌において決定的な役割を果たす。腫瘍は、栄養素を供給するおよび細胞の廃棄物を除去するための血液供給なしでは拡大することはできない。血管形成が重要である腫瘍には、固形腫瘍、例えば、横紋筋肉腫、網膜芽細胞腫、ユーイング腫瘍、神経芽細胞腫、トラコーマおよび化膿性肉芽腫が含まれる。血管形成因子は、いくつかの固形腫瘍と関連することが見い出されている。血管形成の妨害は、これらの腫瘍の増殖および腫瘍の存在に起因する動物に対して生じる損傷を停止することができる。血管形成はまた、白血病のような血液由来の腫瘍と関連し、白血球の制限されない増殖が起こる、任意の種々の急性または慢性の新生物疾患は、通常、貧血、血液凝固、ならびにリンパ節、肝臓、および脾臓の拡大が付随する。血管形成は、白血病様の腫瘍を生じる骨髄における異常において役割を果たすと考えられている。
腫瘍の増殖に加えて、血管形成は、転移において重要である。最初に、血管形成は、癌性細胞が血流に入り、身体を通して循環することを可能にする、腫瘍の脈管化において重要である。腫瘍細胞が最初の部位を離れ、2番目の転移部位に落ち着いた後で、血管形成は、新規な腫瘍が増殖しかつ拡大することができる前に起こらなければならない。それゆえに、血管形成の妨害は、腫瘍の転移の予防に導くことができ、およびおそらく、最初の部位における新生物増殖を含む。
本発明は、呼吸困難症候群または不適切な肺表面張力から生じる他の障害の治療および/または予防のために有用であることが予測される。呼吸窮迫症候群は、特に未熟児の乳児の間で優勢である。肺界面活性物質は、胎児の生涯の最後の6週間まで、通常は非常に低い割合で合成される。通常の妊娠の期間の6週間より多く前に誕生したヒトの乳児は、不適切な量の肺界面活性物質および不適切な速度の界面活性物質合成を伴って生まれる高いリスクがある。界面活性物質欠損は、最大呼吸活動に関わらず肺が拡張する能力を減少することのために、肺胞の進行性の崩壊(無気肺)を生じる。結果として、不適切な量の酸素が乳児の血液に達する。RDSは、典型的には、界面活性物質生合成の失敗の結果として、成人においても同様に起こる可能性がある。
未熟児乳児の肺組織は、ヘッジホッグシグナル伝達経路の高い活性を示す。ヘッジホッグアンタゴニストを使用するこの経路の阻害は、層板体の形成を増加させ、および界面活性物質生合成に関与する遺伝子の発現を増加させる。層板体は、界面活性物質生合成と関連する細胞下構造である。これらの理由により、ヘッジホッグアンタゴニストを用いる未熟児幼児の治療は、界面活性物質生合成を刺激し、およびRDSを軽減するはずである。成人のRDSがヘッジホッグ経路活性化と関連する場合において、ヘッジホッグアンタゴニストを用いる治療はまた、有効であるはずである。
好ましい態様において、gli転写レベルが測定され、疾患を有するかまたは障害を有する組織は、異常に高いgliレベルがヘッジホッグアンタゴニストを用いて治療されることを示す。未成熟肺組織、肺癌(例えば、腺癌、気管支-肺胞腺癌、小細胞癌腫)、乳癌(例えば、下管癌腫、下小葉癌腫、管状癌腫)、前立腺癌(例えば、腺癌)、および良性前立腺過形成のすべてが、特定の場合において強力に上昇したgli-1発現レベルを示す。従って、gli-1発現レベルは、これらの組織のどれがヘッジホッグアンタゴニストで治療されるべきかを決定するための強力な診断用デバイスである。加えて、尿路上皮細胞の癌(例えば、膀胱癌、他の尿路上皮癌)もまた、特定の場合において上昇したgli-1レベルを有するという実質的に相関する証拠が存在する。例えば、染色体9q22上のヘテロ接合性の喪失は、膀胱癌において共通していることが知られている。ptc-1遺伝子はこの位置に局在しており、ptc-1の機能の喪失は、おそらく、多くの他の癌の型と同様に、過剰増殖の部分的な原因である。従って、このような癌もまた、高いgli発現を示し、ヘッジホッグアンタゴニストと用いる治療に対して特に感受性である。
例えば、本発明の方法は、ヘッジホッグシグナル伝達のレベルを減少させることが望ましい細胞培養技術に対して適用可能である。インビトロ神経培養系は、神経成長因子(NGF)、毛様体栄養性因子(CNTF)、および脳由来神経栄養性因子(BDNF)のような神経栄養性因子の同定と同様に、神経発生の研究のための基礎的かつ必須のツールであることが判明してきた。本発明の方法の1つの用途は、神経幹細胞の培養において、例えば、新規な神経細胞およびグリアの生成のためのこのような培養物の使用においてであってもよい。対象の方法のこのような態様において、培養細胞は、培養中の神経幹細胞の増殖の速度を変化させるため、および/または分化の速度を変化させるため、または特定の最終的に分化した神経細胞の培養の完全性を維持するために、本発明のヘッジホッグアンタゴニストと接触させることができる。例示的な態様において、対象の方法は、例えば、感覚ニューロン、またはその代わりとして運動ニューロンを培養するために使用することができる。このような神経細胞培養は、便利なアッセイ系ならびに治療的処置のための移植可能な細胞の供給源として使用することができる。
本発明において有用な幹細胞は一般的に公知である。例えば、いくつかの神経堤細胞が同定されており、これらのいくつかは多能性であり、方向付けられた神経堤細胞を表すようであり、これらの他のものは、1つのみの細胞の型、例えば、感覚ニューロンを生成することができ、および方向付けられた前駆細胞を表すようである。このような幹細胞を培養するために本発明の方法において使用されるヘッジホッグアンタゴニストの役割は、方向付けられていない前駆細胞の分化を調節すること、または最終的に分化した神経細胞になることに向かう方向付けられた前駆細胞の分化的運命のさらなる制限を調節することであり得る。例えば、本発明の方法は、神経堤細胞の、グリア細胞、シュワン細胞、クロム親和細胞、コリン作用性交感神経または副交感神経ニューロン、ならびにペプチド作用性およびセロトニン作用性のニューロンの分化をインビトロで調節するために使用することができる。ヘッジホッグアンタゴニストは単独で使用することができ、または神経前駆細胞の特定の分化的運命をより特定に増強するように作用する他の神経栄養因子と組み合わせて使用することができる。
対象のヘッジホッグアンタゴニストの存在下で培養される細胞の移植に加えて、本発明のなおさらなる局面は、中枢神経系と末梢神経系の両方において、ニューロンおよび他の神経細胞の成長状態を調節するためのヘッジホッグアンタゴニストの治療的適用に関する。この理解に照らして、本発明は、以下から導き出される神経学的状態の治療プロトコール(その重篤度の予防および/または減少)への対象の方法の適用を意図する:(i)感染性/炎症性および腫瘍誘導性の損傷と一緒に、外傷性損傷、化学的損傷、血管損傷および欠損(例えば、脳卒中から生じる虚血)を含む、神経系への急性、亜急性、または慢性の損傷;(ii)アルツハイマー病を含む、神経系の老化;(iii)パーキンソン病、ハンティングトン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症など、ならびに脊髄小脳変性症を含む、神経系の慢性神経変性疾患;ならびに(iv)多発性硬化症を含む、神経系のまたは神経系に影響を与える慢性免疫学的疾患。
必要に応じて、対象の方法はまた、中枢神経および末梢神経の損傷の修復のために神経補てつを生成する際に使用することができる。特に、破壊された、または重篤な軸索が、人工器官デバイスの使用によって挿管される場合、ヘッジホッグアンタゴニストは、樹状突起の成長および再生の速度を調節するために、補てつデバイスに負荷することができる。例示的な神経ガイドチャンネルは、米国特許5,092,871号および米国特許4,955,892号に記載されている。
別の態様において、対象の方法は、中枢神経系において生じ得る、新生物または過形成の形質転換の治療において使用することができる。例えば、ヘッジホッグアンタゴニストは、このような形質転換細胞を有糸分裂後またはアポトーシス性のいずれかになるようにするために使用してもよい。本発明の方法は、それゆえに、例えば、悪性神経膠腫、髄膜腫、髄芽腫、神経外胚葉性腫瘍、および上衣細胞腫のための治療の一部として使用されてもよい。
好ましい態様において、対象の方法は、悪性髄芽腫および他の原発性CNS悪性神経外胚葉性腫瘍のための治療法の一部として使用することができる。
他の態様において、対象の方法は、上衣細胞腫の治療プログラムの一部として使用される。上衣細胞腫は、子供における小児の脳腫瘍のうちの約10%に達する。全体として、これらは、脳室の上衣裏層から生じ、ならびに顕微鏡的には、ロゼット、管、および血管周囲性ロゼットを形成する腫瘍である。この疾患を有するこれほど多くの子供が誕生するので、これらはしばしば複数モードの治療を必要とする。
1つの態様において、本発明は、ptc、ヘッジホッグ、およびスムーゼンドが、原腸に由来する消化管、肝臓、肺、および他の器官の形成の原因である幹細胞の発生を制御することに明確に関与するという発見を利用する。Shhは、腸形態形成に決定的である、内胚葉から中胚葉までの誘導性シグナルとして働く。それゆえに、例えば、本発明の方法のヘッジホッグアンタゴニストは、正常な肝臓の複数の代謝機能を有し得る人工肝臓の発生および維持を調節するために使用することができる。例示的な態様において、対象の方法は、消化管幹細胞の増殖および分化を調節するため、細胞外マトリックスを集合させるために使用することができるか、または生体適合性ポリマー中にカプセル化することができる肝細胞培養を形成するため、移植可能と体外の両方の人工肝臓を形成するために使用することができる。
胚性腸からの膵臓および小腸の生成は、腸の内胚葉細胞と中胚葉細胞の間の細胞間シグナル伝達に依存する。特に、平滑筋への腸中胚葉の分化は、隣接する内胚葉細胞からのシグナルに依存することが示唆されている。本発明の状況において、それゆえに、対象のヘッジホッグアンタゴニストが、インビトロとインビボの両方で膵臓組織の増殖および/または分化を制御または調節するために使用できることが意図される。
別の態様において、ヘッジホッグアンタゴニストは、間葉幹細胞および中胚葉組織に由来する幹細胞を含む、非内胚葉幹細胞からの内胚葉組織を生成するために使用される。幹細胞がそこから単離され得る例示的な中胚葉組織には、骨格筋、心筋、腎臓、骨、軟骨、および脂肪が含まれる。
本発明の阻害剤がそれに対して治療的な恩典を提供してもよい、広範な種々の病理学的な細胞の増殖および分化の条件が存在し、一般的な戦略は、例えば、異常なインスリン発現の修正、または分化の調節である。しかし、より一般的には、本発明は、対象の阻害剤を細胞を接触させることによって、分化状態を誘導および/もしくは維持し、生存を増強し、ならびに/または膵臓細胞の増殖に影響を与える方法に関する。例えば、本発明によって、膵臓組織の秩序だった空間的配置の形成におけるptc、ヘッジホッグ、およびスムーゼンドの明白な関与に照らして、対象の方法は、インビトロとインビボの両方で、このような組織を生成および/または維持するための技術の一部として使用できることが意図される。例えば、ヘッジホッグの機能の調節は、β細胞、ならびに非膵臓組織については、例えば、消化管、脾臓、肺、泌尿生殖器(例えば、膀胱)、および原腸に由来する他の器官の生成ならびに維持を含む、細胞培養と治療方法の両方において使用することができる。
例示的な態様において、本発明の方法は、膵臓組織に効果を与える過形成性および新生物性の障害、特に、膵臓細胞の異常な増殖によって特徴付けられるものの治療において使用することができる。例えば、膵臓癌は、膵臓細胞の異常な増殖によって特徴付けられ、これは、膵臓のインスリン分泌能力の変化を生じ得る。例えば、特定の膵臓過形成、例えば、膵臓癌腫は、ベータ細胞の機能不全または島細胞重量の減少に起因する低インスリン血症を生じることができる。
多くの他の腫瘍が、これらの腫瘍におけるヘッジホッグ経路の関与、または発生の間のこれらの組織におけるヘッジホッグもしくはその受容体の発現の検出などの証拠に基づいて、対象の化合物を用いる治療によって影響されてもよい。このような腫瘍には以下が含まれるが、いかなる手段によってもこれらに限定されない:Gorlin症候群に関連する腫瘍(例えば、髄芽腫、髄膜腫など)、ptcノックアウトマウスにおいて証明された腫瘍(例えば、血管腫、横紋筋肉腫など)、gli-1増幅から生じる腫瘍(例えば、グリア芽腫、肉腫など)、pct相同体TRC8と関連する腫瘍(例えば、腎癌、甲状腺癌など)、Ext-1関連腫瘍(例えば、骨肉腫など)、Shh誘導性腫瘍(例えば、肺癌、軟骨肉腫など)および他の腫瘍(例えば、乳癌、泌尿生殖器(例えば、腎臓、膀胱、尿管、前立腺など)の癌)、副腎癌、胃腸(例えば、胃、腸など)の癌など。
対象の方法によって治療されてもよい例示的な癌の型には以下が含まれるがこれらに限定されない:前立腺癌、膀胱癌、肺癌(小細胞癌または非小細胞癌のいずれかを含む)、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、乳癌、子宮頚部癌、子宮内膜もしくは他の子宮癌、卵巣癌、精巣癌、陰茎の癌、膣の癌、尿道の癌、胆嚢癌、食道癌、または膵臓癌。対象の方法によって治療されてもよいさらなる例示的な癌の型には以下が含まれるがこれらに限定されない:骨格筋または平滑筋の癌、胃癌、小腸の癌、唾液腺の癌、肛門癌、直腸癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、下垂体癌、および鼻咽腔癌。本発明のヘッジホッグアンタゴニストを用いて治療することができるさらなる例示的な癌の型には、ヘッジホッグ発現細胞を含む癌が含まれる。本発明のヘッジホッグアンタゴニストを用いて治療することができるなおさらなる例示的な癌の型には、gli発現細胞を含む癌が含まれる。1つの態様において、この癌は、パッチド-1における変異によっては特徴付けされない。
例えば、本発明の方法は、結合組織に軟骨機能を回復させるための治療法の一部として使用することができる。このような方法は、例えば、関節炎を生じるような変性性摩耗の結果である軟骨組織における欠損または損傷の修復、ならびに破壊された半月板組織の置き換え、半月板切除術、靱帯損傷による関節のタキサション(Taxation)、悪性の関節(malignment of joints)、骨折、または遺伝病によるような、組織に対する外傷によって引き起こされる可能性がある他の機械的な乱れにおいて有用であり得る。本発明の修復方法はまた、軟骨マトリックスを再構築するため、例えば、形成外科または再建外科において、ならびに歯根膜手術のために有用である。本発明の方法はまた、以前の修復手法を改善すること、例えば、半月板、靱帯、または軟骨の外科的修復後に適用されてもよい。さらに、これは、外傷後十分に早く適用される場合に、変性疾患の発症または悪化を妨げてもよい。本発明の1つの態様において、対象の方法は、組織に埋め込まれた軟骨細胞の分化および/または増殖の速度を管理することによって、結合組織における軟骨修復応答を調節するために、治療有効量のヘッジホッグアンタゴニスト、特にインディアンヘッジホッグシグナル伝達について選択的なアンタゴニストで、罹患した結合組織を治療する工程を含む。関節軟骨、関節間軟骨(半月板)、肋骨軟骨(真の肋骨と胸骨を接続する)、靱帯、および腱のような結合組織は、対象の方法を使用する再構築治療および/または再生治療における処置に受け入れ可能である。本明細書で使用される場合、再生治療は、組織の障害が明白に現れる点まで進行した変性状態の治療、ならびに変性がもっと初期の段階にあるかまたは切迫している組織の予防的処置を含む。
1つの例示的な態様において、対象の方法は、二関節接合部、例えば、膝、足首、肘、腰、手首、指もしくは足指のいずれかの指関節、または側頭下顎骨接合部の軟骨の処置における治療的介入の一部として使用してもよい。この治療は、半月板の接合部、関節軟骨の接合部、または両方に指向することができる。さらに例証するために、対象の方法は、膝の変性障害を治療するために使用することができ、例えば、これは、外傷性損傷(例えば、スポーツ性損傷もしくは過度の摩耗)または変形性関節症の結果であり得る。対象のアンタゴニストは、例えば、関節鏡検査用の針を用いて、接合部への注射として投与されてもよい。ある例において、注射される薬剤は、治療される組織との薬剤のより長くかつ規則的な接触を可能にするために、ハイドロゲルまたは本明細書に記載される他の徐放性賦形剤の型であり得る。
類似の様式で、対象の方法は、補てつ軟骨デバイスの生成とそれらの移植の両方を増強することに適用できる。治療の改善の必要性は、コラーゲン-グリコアミノグリカン鋳型(Stone et al. (1990) Clin Orthop Relat Red 252:129)、単離された軟骨細胞(Grande et al. (1989) J Orthop Res 7:208;およびTakigawa et al. (1987) Bone Miner 2:449)ならびに天然または合成のポリマーに結合された軟骨細胞(Walitani et al. (1989) J Bone Jt Surg 71B:74; Vacanti et al. (1991) Plast Reconstr Surg 88:753; von Schroeder et al. (1991) J Biomed Mater Res 25:329; Freed et al. (1993) J Biomed Mater Res 27:11; およびVacanti et al.の米国特許第5,041,138号)に基づく新規な軟骨を作製することを目的とする研究に動機付けてきた。例えば、軟骨細胞は、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、アガロースゲル、またはポリマーバックボーンの無害なモノマーへの加水分解の関数として経時的に分解する他のポリマーから形成される、生物分解可能な、生体適合性の高度に多孔性の足場の上での培養中で増殖させることができる。マトリックスは、移植が起こるまで、細胞に十分な栄養素およびガス交換が可能であるように設計される。細胞は、移植される細胞のために十分な細胞体積および密度が発達するまで、インビトロで培養することができる。マトリックスの1つの利点は、これらが個々の基材上で所望の形状に成型し、または型にはめることができることであり、その結果、最終生成物は、患者自身の耳もしくは鼻(例として)に密接に類似し、または接合部におけるように、移植の時点で操作を可能にする柔軟なマトリックスが使用することができる。
「創傷の治癒を促進する」方法は、治療の非存在における類似の創傷治癒よりも、治療の結果としてより迅速に創傷治癒を生じる。「創傷治癒の促進」はまた、この方法が、とりわけ、ケラチノサイトの増殖および/もしくは成長を調節すること、または創傷が、より少ない瘢痕、より少ない創傷の収縮、より少ないコラーゲン沈着、およびより多い表面積を伴って治癒することを意味し得る。特定の例において、「創傷治癒の促進」はまた、本発明の方法とともに使用される場合に、創傷治癒の特定の方法が成功率(例えば、皮膚移植の獲得比率)を改善したことを意味し得る。
再建手術技術における顕著な進歩にも関わらず、瘢痕は、正常な機能および治癒した皮膚の外見を回復する重要な障害であり得る。このことは、手または顔のケロイドまたは肥厚性瘢痕などの病理学的瘢痕が、機能的な能力障害または物理的な変形を引き起こす場合に、特に真実である。最も深刻な状況においては、このような瘢痕は、心理社会的苦難および経済的窮乏を招く可能性がある。創傷修復は、恒常性、炎症、増殖、および再造形の段階を含む。増殖段階は、線維芽細胞および内皮細胞および上皮細胞の増殖を含む。対象の方法の使用を通して、創傷中のまたは創傷に対して近位である上皮細胞の増殖の速度は、創傷の閉鎖を加速するため、および/または瘢痕組織の形成を最小化するために制御することができる。
本発明の治療はまた、例えば、放射線および/または化学療法から生じる口腔または口腔傍の潰瘍を治療するための治療法の一部として有効であり得る。このような潰瘍は、一般的には、化学療法または放射線治療後数日以内に発生する。これらの潰瘍は、繊細な灰色の壊死性膜によって覆われ、かつ炎症性組織によって取り囲まれる、小さな、痛みのある不規則な形状の損傷として、通常開始する。多くの例において、治療の欠如は、炎症に基づいて、損傷の周辺を取り囲む組織の増殖を生じる。例えば、潰瘍と境界を接する上皮は、通常、増殖活性を示し、表面上皮の連続性の欠如を生じる。本発明に従って、ヘッジホッグアンタゴニストの適用を含むこのような潰瘍の治療は、罹患した上皮の異常な増殖および分化を減少することができ、引き続く炎症性事象の重篤度を減少することを補助する。
対象の方法および組成物はまた、皮膚科学的疾患から生じる創傷、例えば、乾癬のような自己免疫障害から生じる損傷を治療するために使用することができる。アトピー性皮膚炎とは、花粉、食物、鱗屑、昆虫毒、および植物毒素のようなアレルゲンによって引き起こされる免疫応答と関連するアレルギーから生じる皮膚外傷をいう。
本発明のなお別の態様は、発毛を制御するための対象の方法の使用に関する。毛は、基本的に、頑丈なかつ不溶性のタンパク質であるケラチンから構成される。その主要な強度は、そのシステインのジスルフィド結合にある。各個々の毛は円筒形シャフトおよび毛根を含み、皮膚の中のフラスコ上の陥没である毛包に含まれる。毛包の底部は乳頭と呼ばれる指状の突出を含み、これは、そこから毛が成長し、およびそこを通って血液が細胞に栄養を供給する結合組織からなる。シャフトは、皮膚表面から外側に伸びる部分であるのに対して、根は、毛の埋まった部分として説明されてきた。根の基部は、乳頭の上にある毛球に伸びる。これらは、毛包中で細胞が増殖するにつれて、繊維の形態で突き出る。毛「成長」とは、細胞が分裂することによる、毛繊維の形成および延長をいう。
さらに、ヘッジホッグアンタゴニストは、しばしば、上皮細胞に対して、細胞傷害性ではなく細胞増殖抑制性であるので、このような因子は、効力のために細胞周期のS相への進行を必要とする細胞傷害性因子から、例えば、放射活性誘導性の死滅から、毛包細胞を保護するために使用することができる。対象の方法による治療は、毛包細胞が静止状態になることを引き起こすことによって、例えば、細胞をS期に入ることから阻害することによって保護を提供し、それによって、有糸分裂の破局またはプログラムされた細胞死を受けることから毛包細胞を保護する。例えば、ヘッジホッグアンタゴニストは、通常、毛の損失を生じる、化学療法または放射線治療を受けている患者のために使用することができる。このような治療の間の細胞周期の進行を阻害することによって、対象の治療は、さもなくば細胞死プログラムの活性化から生じるかもしれない細胞死から、毛包細胞を保護することができる。治療が完了した後、本発明の方法はまた、毛包細胞増殖の阻害の同時の開放とともに除去することができる。
例えば、本発明の薬学的調製物は、角化症のような過形成上皮疾患の治療のため、ならびに、例えば扁平上皮癌のような、種々の皮膚癌について高い増殖速度によって特徴付けられるものなどの新生物上皮状態の治療のために意図される。対象の方法はまた、皮膚に罹患した自己免疫疾患、特に、例えば、乾癬またはアトピー性皮膚炎によって引き起こされるような、病的な増殖および/または表皮の角質化を含む皮膚科学的疾患の治療において使用することができる。
乾癬、扁平上皮癌、角化棘細胞腫および光線性角化症のような多くの一般的な皮膚の疾患は、局在化した異常な増殖および成長によって特徴付けられる。例えば、皮膚上でのうろこ状の、赤い、隆起したプラークによって特徴付けられる乾癬において、ケラチノサイトは、正常よりもはるかにより急速に増殖し、およびより不完全に分化することが知られている。
1つの態様において、本発明の調製物は、それらの障害が炎症性または非炎症性のいずれかの成分によって特徴付けられてもよい、異常な皮膚細胞の増殖を引き起こす角質化に結び付けられる皮膚科学的な病気の治療のために適切である。例示として、例えば、静止状態または分化を促進するヘッジホッグアンタゴニストの治療的調製物は、皮膚、粘膜、または爪である種々の形態の乾癬を治療するために使用することができる。本明細書に記載されるような乾癬は、典型的には、「再生」経路に沿った顕著な増殖の活性化および分化を示す、上皮性ケラチノサイトによって特徴付けられる。対象の方法の抗増殖性の態様を用いる治療は、病理学的な上皮活性化を逆転するために使用することができ、および疾患の持続性の寛解のための基礎を提供することができる。
座瘡は、対象の方法によって治療されてもよい、さらに別の皮膚科学的な病気である。尋常性座瘡は、例えば、十代の若者および若年成人において最も一般的に起こる多因子疾患であり、顔面および上幹における炎症性および非炎症性の病変の出現によって特徴付けられる。尋常性座瘡を生じる基本的な欠損は、活性化過剰の皮脂腺の管の過剰な角質化である。過剰な角質化は、皮膚および毛包の微生物の正常な移動性を妨げ、およびそうすることにおいて、プロピノバウテリウム アクネス(Propinobacterium acnes)およびスタフィロコッカス エピデニディス(Staphylococcus epidennidis)および酵母ピトロスポラム オバール(Pitrosporum ovale)によるリパーゼの放出を刺激する。抗増殖性ヘッジホッグアンタゴニストを用いる治療、特に局所用調製物は、病変形成に導く、管の遷移的特徴、例えば、過剰な角質化を予防するために有用であり得る。対象の治療は、例えば、抗生物質、レチノイド、および抗アンドロゲンをさらに含んでもよい。
なお別の態様において、対象の方法は、ヒトの癌、例えば、皮膚のような上皮組織の腫瘍の治療において使用することができる。例えば、ヘッジホッグアンタゴニストは、ヒトの癌腫、腺癌、肉腫などのための治療の一部として、対象の方法において使用されることができる。対象の方法によって治療されてもよい癌の例示的な型には以下が含まれるがこれらに限定されない:前立腺癌、膀胱癌、肺癌(小細胞癌または非小細胞癌のいずれかを含む)、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、乳癌、子宮頚部癌、子宮内膜もしくは他の子宮癌、卵巣癌、精巣癌、陰茎の癌、膣の癌、尿道の癌、胆嚢癌、食道癌、または膵臓癌。対象の方法によって治療されてもよいさらなる例示的な癌の型には以下が含まれるがこれらに限定されない:骨格筋または平滑筋の癌、胃癌、小腸の癌、唾液腺の癌、肛門癌、直腸癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、下垂体癌、および鼻咽腔癌。本発明のヘッジホッグアンタゴニストを用いて治療することができるさらなる例示的な癌の型には、ヘッジホッグ発現細胞を含む癌が含まれる。本発明のヘッジホッグアンタゴニストを用いて治療することができるなおさらなる例示的な癌の型には、gli発現細胞を含む癌が含まれる。1つの態様において、この癌は、パッチド-1における変異によっては特徴付けされない。
別の局面において、本発明は、ヘッジホッグアンタゴニストを含む薬学的調製物を提供する。対象の方法における使用のためのヘッジホッグアンタゴニストは、生物学的に許容される媒体、例えば、水、緩衝化生理食塩水、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体プロピレングリコールなど)またはその適切な混合物を伴う投与のために首尾よく製剤化されてもよい。選択した媒体中の活性成分の最適濃度は、医科学者に周知である手法に従って経験的に決定することができる。本明細書で使用される場合、「生物学的に許容される媒体」とは、薬学的調製物の投与の所望の経路のために適切であり得る、任意またはすべての溶媒、分散媒体などを含む。薬学的に活性な物質のためのこのような媒体の使用は、当技術分野において公知である。ヘッジホッグアンタゴニストの活性と適合可能でない任意の従来的な媒体または薬剤を例外とする範囲で、本発明の薬学的調製物におけるその使用が意図される。適切な賦形剤および他のタンパク質を含むそれらの製剤は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences (Remington's Pharmaceutical Sciences. Mack Publishing Company, Easton, Pa., USA 1985)の本に記載されている。これらの賦形剤は注射可能な「貯蔵製剤」を含む。本発明の薬学的製剤はまた、獣医学的組成物、例えば、家畜または家庭用動物、例えば、イヌの治療のための、例えば、獣医学的使用のために適切であるヘッジホッグアンタゴニストの薬学的調製物を含む。導入の方法はまた、再充填可能なまたは生物分解可能なデバイスによって提供されてもよい。種々の遅延放出ポリマーデバイスが、タンパク質性生物薬を含む薬物の制御送達のために、近年において開発され、かつインビボで試験されてきた。生物分解可能なポリマーと分解されないポリマーの両方を含む、種々の生体適合性ポリマー(ハイドロゲルを含む)が、特定の標的部位におけるヘッジホッグアンタゴニストの持続放出のための移植物を形成するために使用することができる。本発明の調製物は、経口的、非経口的、局所的、または直腸的に与えられてもよい。これらは、当然、各々の投与経路のために適切な型によって与えられる。例えば、これらは、錠剤またはカプセル型、注射により、吸入、眼ローション、外用薬、坐剤、制御放出パッチなど、注射による投与、注入または吸入;ローションまたは外用薬により局所的に;および坐剤により局所的に投与される。経口投与および局所的投与が好ましい。「非経口投与」および「非経口的に投与される」という語句は、本明細書で使用される場合、腸内および局所的な投与以外の、通常は注射による投与の様式を意味し、これは非限定的に以下を含む:静脈内、筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内および胸骨内の注射および注入。「全身投与」「全身に投与される」という語句は、本明細書で使用される場合、中枢神経系に直接的に以外の、化合物、薬物または他の物質の投与を意味し、その結果、これは患者の系に入り、従って、代謝および他の同様のプロセス、例えば、皮下投与に供される。
これらのヘッジホッグ、BMPおよびTDFRP化合物(集合的に「化合物」と呼ばれる)は、経口的、鼻に、例えば、スプレーによって、直腸的に、膣内に、非経口的に、槽内に(intracistemally)、ならびに口腔内および舌下を含む局所的に、例えば、粉末、外用薬、またはドロップによって、任意の適切な投与の経路によって、治療のためにヒトまたは他の動物に投与されてもよい。選択された投与の経路に関わらず、適切な水和型および/または本発明の薬学的組成物において使用されてもよい本発明の化合物は、以下に記載されるように、または当業者に公知である他の従来的な方法によって薬学的に許容される剤形に製剤化される。本発明の薬学的組成物中の活性成分の実際の投薬レベルは、患者に対して毒性であることなしで、特定の患者、組成物、および投与の様式について所望の治療応答を達成するために有効である活性成分の量を得るために、変化させてもよい。選択される投薬レベルは、使用される本発明の特定の化合物、またはそのエステル、塩、もしくはアミドの活性、投与の経路、投与の時間、使用される特定の化合物の排出の速度、治療の期間、他の薬物、使用される特定のヘッジホッグアンタゴニストと組み合わせて使用される化合物および/または物質、治療される患者の年齢、性別、状態、一般的健康状態および以前の病歴、ならびに医学分野で周知である同様の要因を含む、種々の要因に依存する。当技術分野において通常の技能を有する医師または獣医は、必要とされる薬学的組成物の有効量を容易に決定および処方することができる。例えば、医師または獣医は、所望の治療効果を達成するために必要とされるものよりも低いレベルで、薬学的組成物中に使用される本発明の化合物の用量を開始し、所望の効果が達成されるまで、投薬量を徐々に増加させることができる。一般的に、本発明の化合物の適切な1日用量は、治療効果を生じるために有効な最低の用量である化合物の量である。このような有効用量は、一般的に、上記の要因に依存する。一般的に、患者のための本発明の化合物の静脈内、脳室内、および皮下用量は、1日あたり体重キログラムあたり約0.0001〜約100mgの範囲である。所望される場合、活性化合物の有効な1日用量は、その日を通して適切な間隔で、任意に、剤形単位で、分けて投与される2回、3回、4回、5回、6回またはそれ以上の副用量として、投与されてもよい。「治療」という用語は、予防、治療および治癒もまた含むことが意図される。この治療を受ける患者は必要がある任意の動物であり、これには霊長類、特にヒト、ならびに他の対象、例えば、ウマ、ウシ、ブタおよびヒツジ;ならびに家禽およびペットが一般的に含まれる。本発明の化合物は、それ自体として、または薬学的に許容され、および/もしくは滅菌されたキャリアとの混合物中で投与することができ、ならびにまた、ペニシリン、セファロスポリン、アミノグリコシドおよび糖ペプチドのような他の抗微生物剤とともに投与することもできる。従って、組み合わせ治療は、第1の投与された化合物の治療効果が完全に消失しない場合に次の化合物を投与する方法での、活性化合物の逐次的、同時的、および別々の投与を含む。
実施例20 関節リウマチおよび変形性関節症の治療
変形性関節症は変性関節疾患であり、これは、ヒトにおける軸性と末梢可動関節の両方に共通して影響を与える。本明細書に開示されるTDFRP化合物は、変形性関節症の予防および治療において有用である、好ましいTDFRP化合物に(SEQ ID NO:16、33、45、217、221)(図13)が含まれる。
関節は、2つの骨の交差点である。骨の末端は軟骨で覆われている。軟骨もまた、関節に適用される力を吸収するための緩衝装置として働く。滑液は軟骨に栄養を運び、これが乾燥しかつもろくなることを妨げ、および関節が滑らかに働くことができるように、その表面が潤滑状態に維持する。関節包と呼ばれる構造は、関節内に滑液を維持する。関節包は関節を閉じ、これを保護する。変形性関節症は、関節中の軟骨の劣化であり、痛みおよびうずきを生じる。これは炎症をほとんど生じずに、痛みおよびうずきは関節中の軟骨の劣化によって起こる。変形性関節症は、最も一般的な型の関節炎であり、関節の非炎症性の劣化から生じる。これは、通常の老化のプロセスに伴って起こる。別の原因は、関節への損傷など外傷である。距骨を骨折している患者は、後に足首で変形性関節症を発症する可能性がより高い。酷使もまた、軟骨が分解することを引き起こし得る。
変形性関節症は治療することが難しい。現在のところ、本明細書に記載される治療の蓄えは存在せず、治療は、痛みを軽減すること、および関節が変形することを防ぐことに焦点をおいている。非ステロイド性抗炎症薬物(NSAID)が痛みを軽減するために使用される。米国特許第4,997,850号および米国特許第4,944,949号によって示されるように、多くのこのような非ステロイド性抗炎症薬物が知られており、変形性関節症の徴候を減少する際に頻繁に有効である。これらの対策が成功しない場合、医師は、膨潤を減少するためにステロイド注射を処方するかもしれない。米国特許第5,727,335号に記載されるような物理的治療、矯正用靴挿入物および特注の適合する補強材もまた、推奨されるかもしれない。患者が強直母趾、大きな踵(第一趾)が痛みを伴って堅くまたは強固になる状態を発症すると、足専門医は、柔軟性がない足底を有する、大きなより強固な靴を推奨する。これは、踵の移動を制限し、特に歩行の際の重量負荷を減少し、踵の関節の表面が互いに対して痛みを伴って擦れ合うことを防ぐ。深刻な場合において、関節の置き換えが必要である可能性がある。これは、腰および膝において特に真実である。下腿における関節はより小さく、より複雑で、かつ置き換えることが難しい。関節が極度に痛みがある場合には、置き換えることができず、これは融合される可能性がある。この手法は、痛みを止めるが、関節機能の永続的な喪失を生じ、歩行および屈曲を困難にする。治療有効量のミリストレイン酸セチルを投与する工程を含む変形性関節症の治療のための方法は、米国特許第5,569,676号から公知である。
関節リウマチ(RA)は、関節の膨潤、変形、および最終的には、破壊によって特徴付けられる一般的な自己免疫疾患であり、深刻な身体障害が頂点に達する。De Graaf et al., in The Epidemiolog of Chronic Rheumatism, Dellgren and Ball, eds. (Blackwell, Oxford, 1963), pp. 446-56; Meenam et al., Arthritis Rheum., 24:544-50 (1981); Gabriel et al., J. Rheumatol, 26:1269-74 (1999); James, Clin Exp. Rheumatol, 17:392-93 (1999)。RAは進行性の状態であり、十分に認識されている徴候には以下が含まれる:軸骨格の間隔をあけながらの対称的な末梢関節の膨潤および滑膜炎;リウマチ因子(RF)自己抗体の存在;血清および滑液中での高濃度のインターロイキン-6(IL-6)、インターロイキン-1ベータ(IL-1ベータ)、および顆粒球/マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF);低濃度のインターロイキン-ra(IL-ra);ならびに妊娠誘導性の疾患の寛解、その後の分娩後発赤、すなわち、RAを有する女性は一般的に妊娠中は寛解を経験し、この疾患は再発し、さらにより重篤になる可能性もあり、出産後には新たな発症またはより加速した経過を示す。Turgen, in Immunology and Serology in Laboratory Medicine. 2nd edition, Shanahan ed. (Mosby Year Book, St. Louis, 1996), pp. 387-98; Hirano et al., Eur. J. Immunol, 18:1797-1801 (1988); Wilder et al., Ann. N. Y. Acad. Sci., 876:14-31 (1999); Iijima et al., J. Rheumatol, 26:755-56 (1999); Ostensen, Ann. N.Y Acad. Sci., 876:13143 (1999)を参照されたい。RAを理解し、診断し、および治療することに向けられた医学的研究において、この疾患のいくつかの動物モデルが記載されているが、ヒトの疾患のすべての特徴を密接に模倣する自然発生的な動物モデルは発見されていない(例えば、Hang et al., 1982. J. Exp. Med., 155:1690-1701;およびKouskoff et al., 1996. Cell, 87:811-822を参照されたい)。Kouskoff et al.は、T細胞受容体(TCR)トランスジェニックマウス系統をNOD系統と交配させることによって生じた攻撃的な関節炎を示すRAマウスモデルを報告している。このRAマウスモデルは、KRN導入遺伝子の存在に厳格に依存し、ヒトRA(hRA)からそれを区別するいくつかの固有の徴候学的なRAの特徴によって特徴付けられるが、しかし以下を含む:100%の浸透率、初期の(すなわち、25〜35日)疾患の発症、末梢指骨間関節の攻撃、脊椎の炎症、Tリンパ球を超えた大過剰の骨髄性細胞および滑膜中の形質細胞、リウマチ因子(RF)自己抗体の全体的な非存在、ならびに内部器官上でのIgG沈着物のコーティング。これらの特徴は、ヒトにおいて典型的に見い出されるRAよりも、より攻撃的なRAを生じる。ヒトHAは、中年女性における優勢な疾患の発現、DIP関節の末梢の疾患回避、リウマチ因子自己抗体、類似の末梢および関節のサイトカインの混乱などを有する。NOD/TCRマウスにおける関節炎様疾患の発症のメカニズムは、ヒトにおけるRA発現のそれとは劇的に異なり、hRAのためのモデルとしてのこのRAマウスの有用性は限定されている。現在、驚くべきことに、糖尿病の研究において一般的に使用されるマウスの特定の品種、すなわち、非肥満性糖尿病または「NOD」マウスが、hRAのそれと比較可能である雌における発生率の増加を伴う不完全な浸透率、hRAのそれと比較可能である寿命の中でより後期の疾患の悪化を伴う発症(5〜8ヶ月)または妊娠による発症、hRAのそれと比較可能である脊椎の炎症の非存在、ならびにhRAのそれと比較可能である組織学的および血清学的プロフィールを含む、hRAの徴候学に密接に一致する身体の徴候学を示す子孫を生じるために使用できることが発見された。関節リウマチのためのマウスモデルは、米国特許出願第20040031066号に記載されている。
関節リウマチまたは変形性関節症を治療するために、患者、好ましくはヒト対象は上記のようなTDFRP化合物を与えられる。関節における結合組織の完全性を決定するためのアッセイ法は当技術分野において周知であり、医師は、議論される投薬計画に応答する関節組織の能力の変化について患者をモニターする。関節の変性の進行の停止、または関節組織の量および完全性の増加が、治療効果が得られることを示す。2番目の考慮は、痛みの減少および関節の柔軟性の増加を含む。
参考文献一覧表
以下に列挙した各々の参考文献および本開示を通して示される参考文献は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。
等価物
本発明の特定の態様の前述した詳細な説明から、独特な生物活性ペプチドが説明されたことが明らかであるはずである。特定の態様が本明細書で詳細に開示されたが、これは例示のみの目的のために例として行ったものであって、前述の添付の特許請求の範囲に関して制限することを意図するものではない。特に、種々の置換、変更、および改変が、特許請求の範囲によって規定されるような本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明に対してなされ得ることが本発明者によって意図される。