JP2012154103A - トンネル換気制御装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】トンネル内換気制御装置及び方法を提供する。
【解決手段】トンネル換気制御装置1は、交通量生成手段31、換気量算出手段32、余裕度算出手段33、制御量決定手段34を具備する。交通量生成手段31は、交通量感知器TCによってトンネルT1の交通量を示す交通量データを生成する。換気量算出手段32は、トンネル構造データと、交通量データとに基づいて、トンネルT1内で汚染物質の濃度が許容値を超えないために、トンネルT1を分割する複数の換気セクションS1〜S3に設置されている複数の換気機に必要な最低風量を算出する。余裕度算出手段33は、複数の換気機M1〜M5について、最低風量を実施するための換気能力の余裕度を算出する。制御量決定手段34は、余裕度の低い換気機について、余裕度の低い換気機の属する換気セクションから、余裕度の高い換気機の属する換気セクションに汚染物質が流出するように制御量を決定する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、トンネル内の換気を制御する装置及び方法に関する。
渋滞緩和又は利便性向上を目的として、高速道路又は一般道の車線拡張又は新規路線建設などの整備が行われている。都市部の高速道路においては、地下空間を有効に利用した地下長大トンネルの建設が進められている。
長大トンネルでは、自動車がトンネル内を走行する時間が長くなる。このため、長大トンネルでは、中又は小サイズのトンネルと比較して、汚染物質の発生量が多くなる傾向にある。特に、都市部の地下長大トンネルは重交通量となるため、トンネルの途中で汚染物質を換気し、トンネル内の安全性を確保する必要がある。そのため、数キロメートルごとに、換気所が設置される。しかしながら、それぞれの換気所において、換気機が適切に運転されていない場合には、各換気機によって排出される汚染物質の量に偏りが発生し、交通量が変動した場合に、汚染物質の量が汚染物質の換気処理能力を超え、トンネル内の安全性を確保することが困難になる可能性がある。
特許第3929734号公報
本発明の実施形態は、トンネル内の換気を制御する装置及び方法を提供することを目的とする。
第1の実施形態によれば、トンネル換気制御装置は、交通量生成手段、換気量算出手段、余裕度算出手段、制御量決定手段を具備する。交通量生成手段は、交通量感知器によって収集された値に基づいてトンネルの交通量を示す交通量データを生成する。換気量算出手段は、記憶装置に記憶されておりトンネルの構造特性を示すトンネル構造データと、交通量データとに基づいて、トンネル内で汚染物質の濃度が許容値を超えないために、トンネルを分割する複数の換気セクションに設置されている複数の換気機に必要な最低風量を算出する。余裕度算出手段は、複数の換気機について、最低風量を実施するための換気能力の余裕度を算出する。制御量決定手段は、余裕度の低い換気機について、余裕度の低い換気機の属する換気セクションから、余裕度の高い換気機の属する換気セクションに汚染物質が流出するように制御量を決定する。
第1の実施形態に係るトンネル換気制御装置の構成とトンネルとの関係の一例を示すブロック図。 従来のトンネル内での汚染物質の発生状態の一例を示す図。 第1の実施形態に係るトンネル換気制御装置の制御と従来の制御とによる汚染物質の濃度分布の比較の一例を示すグラフ。 第1の実施形態に係るトンネル換気制御装置に備えられている中央制御部の処理の一例を示すフローチャート。 第2の実施形態に係る制御例を示す図。 第3の実施形態に係る制御例を示す図。 第4の実施形態に係る制御例を示す図。 第5の実施形態に係る制御例を示す図。
以下、図面を参照しながら本発明の各実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、略または実質的に同一の機能および構成要素については、同一符号を付し、必要に応じて説明を行う。
(第1の実施形態)
本実施形態においては、換気を管理する単位である換気セクションごとの汚染物質の濃度分布に応じて各換気機の制量を決定し、複数の換気機を連携して制御するトンネル換気制御装置について説明する。
図1は、本実施形態に係るトンネル換気制御装置の構成とトンネルとの関係の一例を示すブロック図である。
本実施形態において、トンネルT1の車両の進行方向は、入口から出口に向かう一方向であるとする。しかしながら、トンネルT1の車両の進行方向は、双方向であってもよい。トンネルT1は、分岐線L1又は合流線L2、送排気抗(図示せず)、複数の換気機(送風機、排風機、又は、集中排風機)M1〜M5、ジェットファンJ1〜J4を備える。トンネルT1は、複数の換気セクションS1〜S3に分割される。図1では、トンネルT1が、5つの換気機M1〜M5を備えており、3つの換気セクションS1〜S3に分割されており、4つのジェットファンJ1〜J4を備えている場合を例示しているが、換気機の数、換気セクションの数及び分割の状態、ジェットファンの数は自由に変更可能である。
換気機M1〜M5は、換気セクションS1〜S3のいずれかの領域に備えられる。例えば、それぞれの換気セクションS1〜S3に少なくとも一つの換気機が配置される。換気機M1〜M5は、トンネルT1内に空気を送るか、又は、トンネルT1内から空気を排出する。換気機M1〜M5は、トンネルT1内に空気を送る場合には、送風機として動作する。換気機M1〜M5は、トンネルT1内の空気を排気する場合には、排風機として動作する。
ジェットファンJ1〜J4は、トンネルT1内の風速を調整する。ジェットファンJ1〜J4は、換気セクションS1〜S3のうちのいずれかの領域に備えられる。
トンネル換気制御装置1は、例えば分岐線L1又は合流線L2を持つトンネル、横流換気の発生するトンネルなどのような複雑な構成のトンネルT1に対する換気制御を実現する。
トンネル換気制御装置1は、車両感知器(トラフィックカウンタ)TC、計測装置D1〜D9、換気制御部21〜23、中央制御部3、データベース4、ネットワーク5を具備する。
上記の図1において、換気セクションS1に、換気制御部21、車両感知器TC、換気機M1,M2、ジェットファンJ1、計測装置D1〜D3が設置される。換気機M1は排風機、換気機M2は送風機である。換気制御部21は、対応する換気セクションS1内の計測装置D1〜D3、換気機M1,M2、ジェットファンJ1と制御可能に接続されている。
換気セクションS2に、換気制御部22、換気機M3,M4、ジェットファンJ2、計測装置D4〜D6が設置される。換気機M3は排風機、換気機M4は送風機である。換気制御部22は、対応する換気セクションS2内の計測装置D4〜D6、換気機M3,M4、ジェットファンJ2と制御可能に接続されている。
換気セクションS3に、換気制御部23、換気機M5、ジェットファンJ3,J4、計測装置D7〜D9が設置される。換気機M5はトンネルT1の出口側で集中的に排気を行う集中排風機である。換気制御部23は、対応する換気セクションS3内の計測装置D7〜D9、換気機M5、ジェットファンJ3,J4と制御可能に接続されている。
換気制御部21〜23と中央制御部3とは、例えば、LAN(Local Aria Network)などのようなネットワーク3経由で通信可能に接続されている。
車両感知器TCは、トンネルT1内に進入する車両の台数をカウントする。例えば、車両感知器TCは、トンネルの入口側において、通過する車両の台数をカウントする。なお、他の車両感知器が、それぞれトンネルT1の分岐線L1及び合流線L2に設置され、これらの他の車両感知器によって車両の台数をカウントすることにより、トンネルT1内で車両数が変化する場合であっても、正確にトンネルT1の各換気セクションS1〜S3の車両数を計測することができる。
計測装置D1〜D9として、例えば、センサ、アクチュエータなどが用いられる。計測装置D1〜D9の種別としては、一酸化炭素濃度を計測するCO計、煤煙濃度を計測するVI計、風速と風向とを計測するAV計などがある。
換気制御部21〜23は、換気セクションS1〜S3ごとに設置される。換気制御部21〜23は、中央制御部3からネットワーク5経由で計測指令を受信し、計測指令に応じて同じ換気セクションに属する計測装置D1〜D9を制御し、計測装置D1〜D3によって計測された計測データ(測定値、機器識別情報などを含む)をネットワーク5経由で中央制御部3に送信する。
また、換気制御部21〜23は、中央制御部3からネットワーク5経由で制御指令を受信し、計測指令に応じて同じ換気セクションに属する換気機M1〜M5及びジェットファンJ1〜J4を制御する。
中央制御部3は、各換気制御部21〜23を管理する。本実施形態において、中央制御部3は、各換気制御部21〜23からネットワーク5経由で計測データを受信する。中央制御部3は、計測データに基づいて、トンネルT1に備えられている換気機M1〜M5、ジェットファンJ1〜J4を連携させて制御するための制御量を決定する。中央制御部3は、決定された制御量と機器識別情報を含む制御指令を、ネットワーク5経由で換気制御部21〜23に送信する。
中央制御部3は、データベース4をアクセス可能であり、データベース4から各種データを読み出し、さらにデータベース4に各種のデータを記憶する。
中央制御部3は、交通量生成部31、換気量算出部32、余裕度算出部33、制御量決定部34を具備する。
交通量生成部31は、車両感知器TCによって計測された過去の交通量データと時間情報とを関連付けた交通量履歴データを、データベース4に記憶する。さらに、交通量生成部31は、データベース4に記憶されている交通量履歴データと、車両感知器TCによって計測された現時刻の交通量データとに基づいて、現時刻以降の交通量データを予測し、現時刻以降の交通量データをデータベース4に記憶する。
現時刻以降の交通量データは、例えば、過去から現時刻までの交通量データの変化状態をパターン化し、認識されたパターンにそって推定される。
また、現時刻以降の交通量データは、例えば、曜日、時間、季節などの条件に応じて、過去から現時点までの交通量データに基づいて決定される。
このように、交通量生成部31によって現時刻以降の交通量データが予測されることにより、先回りして換気制御を行うことができる。
換気量算出部32は、換気セクションS1〜S3の長さ、勾配などのようなトンネルT1の構造特性を示すトンネル構造データと現時刻以降の交通量データとに基づいて、分岐線L1、合流線L2、送排気坑、横流換気設備などを含む複雑な構造のトンネルT1に対する換気シミュレーションを行い、ある時刻に各換気セクションS1〜S3で発生する汚染物質の濃度を予測する。なお、トンネル構造データは、予めデータベース4に記憶されているとする。
さらに、換気量算出部32は、換気シミュレーション結果に基づいて、各換気セクションの汚染物質の濃度がトンネルT1内の環境基準を逸脱しない(汚染物質の濃度が許容値を越えない)ための各換気機M1〜M5の最低風量を算出する。
余裕度算出部33は、各換気機M1〜M5について、例えば、換気能力の最大値から環境基準を満たす最低風量を実施する換気能力値を引いた値を、換気能力の最大値で割って、余裕度を算出する。この例では、余裕度=((換気能力の最大値−環境基準を満たす最低風量を実施する換気能力値)/換気能力の最大値)、によって算出されるが、他の演算によって、各換気機M1〜M5の余裕度を求めてもよい。
制御量決定部34は、余裕度の低い換気機について、この余裕度の低い換気機の属する換気セクションから余裕度の高い換気機の属する換気セクションに汚染物質が流出するように、制御量を決定する。
また、制御量決定部34は、余裕度が高い換気機について、当該余裕度の高い換気機の属する換気セクションより進行方向側にある次の換気セクションに汚染物質が流出することを抑制する制御量を決定する。
これにより、トンネルT1に設置される各換気機M1〜M5の換気能力をバランスさせることができ、一部の換気機の消耗が進むことを防止できる。
なお、余裕度算出部33は、各換気セクションS1〜S3について、トンネルT1内の環境基準を逸脱しないための換気機M1〜M5の最低風量と現時刻の汚染物質の濃度とに基づいて、現時刻以降の汚染物質濃度の余裕度を求めるとしてもよい。この場合、制御量決定部34は、例えば、余裕度の高い換気セクションについて、汚染物質が次の換気セクションに流出することを抑制するように、余裕度の高い換気セクションに属する換気機の制御量を決定する。制御量決定部34は、例えば、余裕度の低い換気セクションについて、この優先度の低い換気セクションよりも余裕度の高い換気セクションに汚染物質が流出するように、換気機を制御する。
以下に、本実施形態に係るトンネル換気制御装置1の動作について説明する。
図2は、従来のトンネル内での汚染物質の発生状態の一例を示す図である。
従来の換気自動制御盤6及び換気制御部71,72による一般的な換気制御では、各換気セクションについて計測又は予測された計測値(例えば、一酸化炭素濃度、煤煙濃度、風量及び風向)に基づいて、各換気セクション内の換気機の制御量が決定される。
しかしながら、一方通行のトンネルT2においては、車両の通行によって発生する交通換気力によってトンネルT2の入口から出口に向けて、風が吹く。そのため、トンネルT2内を走行する車両から発生した汚染物質は、トンネル出口方向に流れる傾向にある。換気量不足によって各換気機で処理されなかった汚染物質がトンネルT2内に、存在すると、トンネルT2の最深部の換気機によって排気されるべき汚染物質の量が多くなる。この場合、トンネルT2の奥に設置されている換気機ほど運転負荷が高くなり、トンネルT2に設置されている換気機の運転負荷に偏りが発生する。さらに交通量が増加すると、トンネルT2の最深部において換気すべき換気量が換気機の排気能力の最大値を超え、環境基準値を超える可能性がある。
図3は、本実施形態に係るトンネル換気制御装置1の制御と従来の制御とによる汚染物質の濃度分布の比較の一例を示すグラフである。
本実施形態に係るトンネル換気制御装置1は、トンネルT3を進路方向において複数の換気セクションSA〜SGに分割し、各換気セクションSA〜SG単位で決定される換気機の制御量に基づいて、トンネルT3全体の汚染物質濃度が安定するように、各換気機の制御量を決定する。
例えば、換気量算出部32は、ある時刻にトンネルT3内で発生する汚染物質の量を、交通量データ、及び各換気セクションSA〜SGの長さ及び勾配を含むトンネル構造データに基づいて求める。そして、換気量算出部32は、一酸化炭素濃度及び煤煙濃度がトンネルT3内の環境基準を満たす各換気機の最低風量を求める。
余裕度算出部33は、各換気セクションSA〜SGについて、環境基準を満たす換気機の最低風量と現時刻の汚染物質濃度とに基づいて換気機の換気能力(例えば換気機の性能スペック、マシンパワー、実施風量など)の余裕度を判断する。
制御量決定部34は、余裕度の高い換気セクションについて、汚染物質が次の換気セクションに流出することを抑制するように換気機及びジェットファンの風量を制御する。制御量決定部34は、余裕度の低い換気セクションについて、この余裕度の低い換気セクションから余裕度の高い換気セクションに汚染物質が流出するように換気機及びジェットファンを制御する。
さらに、制御量決定部34は、トンネルT3周辺の環境保全のため、トンネルT3内の汚染物質濃度に加えて、トンネルT3の出口から流出する汚染物質の濃度についても許容範囲に入るように、トンネルT3内に設置される複数の換気機及びジェットファンの制御量を決定する。
なお、現時刻以降の汚染物質濃度が環境基準値に対して余裕がある換気セクションについては、換気機の換気能力についても余裕がある可能性が高い。したがって、換気機の換気能力の余裕度に代えて、環境基準値に対する現時刻以降の汚染物質濃度の余裕度に基づいて、換気機及びジェットファンの風量を制御するとしてもよい。
このように、トンネル換気制御装置1は、各換気機の換気能力の余裕度又はトンネルT3内の各換気セクションSA〜SGの汚染物質濃度をバランスさせる。
図4は、本実施形態に係るトンネル換気制御装置1に備えられている中央制御部3の処理の一例を示すフローチャートである。
ステップST1において、中央制御部3の交通量生成部31は、データベース4からトンネル構造データを読み出す。
ステップST2において、交通量生成部31は、車両感知器TCの計測データとデータベース4に記憶されている交通量履歴データとに基づいて、現時刻以降の交通量データを生成する。
ステップST3において、換気量算出部32は、トンネル構造データと現時刻以降の交通量データとに基づいて、トンネルT1内の各換気セクションS1〜S3の汚染物質濃度を算出する。
ステップST4において、換気量算出部32は、トンネルT1内の環境基準を逸脱しないように、各換気セクションS1〜S3の汚染物質の濃度を許容範囲内とするために必要な各換気機M1〜M5の最低風量を算出する。例えば、汚染物質の濃度を許容範囲に収めるために必要な換気機M1〜M5の最低風量は、ある換気機から次の換気機までの間で、汚染物質の濃度値がしきい値を超えないように決定される。
ステップST5において、余裕度算出部33は、データベース4に記憶されている各換気機M1〜M5の性能データに基づいて、各換気セクションS1〜S3に設置されている各換気機M1〜M5の換気能力の余裕度を算出する。例えば、余裕度算出部33は、換気機M1〜M5について、換気機M1〜M5によって実施可能な最高風量から、汚染物質の濃度を許容範囲に収めるために必要な換気機M1〜M5の最低風量を引いた値を、換気機M1〜M5によって実施可能な最高風量で割って、余裕度を算出する。
ステップST6において、制御量決定部34は、例えば所定のしきい値に基づいて、各換気機M1〜M5の余裕度の高低を判断する。
余裕度の高い換気機については、ステップST7aにおいて、制御量決定部34は、余裕度の高い換気機の属する換気セクションから次の換気セクションへ汚染物質が流出することを抑制するように、余裕度の高い換気機の制御量を決定する。例えば、制御量決定部34は、余裕度の高い換気機の属する換気セクションと次の換気セクションとにおいて汚染物質の濃度が許容範囲内となり(汚染物質の汚染濃度が次の換気機の位置までに上限を超えず)、余裕度の高い換気機の属する換気セクションから次の換気セクションに汚染物質が流入しないように、排気機の制御量を決定する。
余裕度の低い換気機については、ステップS7bにおいて、制御量決定部34は、次の換気セクションにおける余裕度に応じて、余裕度の低い排気機の制御量を決定する。例えば、制御量決定部34は、余裕度の低い換気機の属する換気セクションと次の換気セクションとにおいて汚染物質の濃度が許容範囲内となるように(汚染物質の汚染濃度が次の換気機の位置までに上限を超えないように)、余裕度の低い換気機の制御量を決定する。
ステップST8において、中央制御部3は、処理を終了するか否か判断し、処理継続の場合には、この処理はステップST2に戻る。
以上説明した本実施形態においては、各換気セクションS1〜S3の汚染物質の濃度が許容範囲内となるように、かつ、各換気機M1〜M5の換気能力の余裕度が均一化するように、各換気機M1〜M5の制御量を決定することができる。すなわち、本実施形態においては、各換気セクションS1〜S3間で換気機M1〜M5の制御を連携させ、各換気機M1〜M5の間の換気能力に余力を持たせながら、トンネルT1内の汚染物質の濃度が偏ることを防止することができる。例えば、トンネルT1の奥側に配置されている換気機が消耗することを防止することができる。
本実施形態においては、交通量が変動した場合であっても、汚染物質の量が、トンネル換気制御装置1の換気処理能力を超えることを防止することができ、トンネルT1内の安全性を確保することができる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、上記第1の実施形態の変形例について説明する。
図5は、本実施形態に係る制御例を示す図である。
本実施形態において、制御量決定部34は、各換気セクションS1〜S3の所要換気量、各換気機M1〜M5によって実施される風量、各換気機M1〜M5の消費電力、各換気機M1〜M5の時定数(又は定常状態となるまでの時間)、トンネルT1の濃度分布特性、換気セクションS1〜S3の長さなどの各種データに基づいて、各換気セクションS1〜S3の換気特性(例えば、換気能力)を評価し、各換気セクションS1〜S3の換気処理の優先順位を決定する。
例えば、換気セクションの長さに対して排気機によって実施される最大風量が小さい換気セクションは、汚染物質の濃度が上昇しやすい。したがって、換気セクションの単位長に対する排気機の換気能力(換気セクションに属する換気機の換気能力/換気セクションの長さ)が低い場合、この換気セクションの優先順位は高く設定される。
そして、制御量決定部34は、優先順位の高い換気セクションについて、排気機の風量を高く設定するとともに、この優先順位の高い換気セクションよりもトンネル入口側であり優先順位の低い換気セクションから流れ込む汚染物質量を少なくするために、トンネル内風速を低くするように、トンネル入口側の換気セクションに属するジェットファンの風量と方向を調整する。より具体的には、制御量決定部34は、優先順位の高い換気セクションに設置されている換気機によって排気される量を多くし、トンネル入口側の換気セクションのジェットファンによる風向きをトンネル入口方向とする。
なお、トンネル出口、分岐線、合流線のいずれかを含む換気セクションについては、このトンネル出口、分岐、合流に基づいて発生する圧力変動を考慮して、優先順位が決定される。
本実施形態においては、各換気セクションの換気特性に応じて、それぞれの換気セクションに流れ込む汚染物質の量が調整され、各換気セクションの換気特性に適応した制御処理が実行される。
本実施形態では、分岐線L1、合流線L2、横流換気などが存在する複雑なトンネルT1に対する換気制御が可能である。
(第3の実施形態)
本実施形態では、上記第1及び第2の実施形態の変形例について説明する。
図6は、本実施形態に係る制御例を示す図である。
いずれかの換気機が故障又はメンテナンスによって停止すると、この停止した換気機の属する換気セクションの換気能力は低下する。
制御量決定部34は、換気機の停止時に、換気能力の低下した換気セクションよりもトンネル出口側の換気セクションに設置されているジェットファンの運転台数又は運転量を増やし、風量(風速)を上げる。さらに、制御量決定部34は、トンネル出口側の換気セクションに設置されている換気機の排気量を増加させる。
さらに、制御量決定部34は、換気能力の低下した換気セクションからトンネル出口側の換気セクションに流出する汚染物質の量を増やす。例えば、制御量決定部34は、換気機能の低下した換気セクションにおいて、ジェットファンを、車両の進行方向の風を発生させるように運転させる。
さらに、制御量決定部34は、換気能力の低下した換気セクションのトンネル入口側の換気セクションから、換気能力の低下した換気セクションへ流れ込む汚染物質の量を減らすために、トンネル入口側の換気セクションにおける汚染物質濃度を減少させる制御を行う。例えば、制御量決定部34は、トンネル入口側の換気セクションにおいて、ジェットファンを、車両の進行方向と逆方向の風を発生させるように運転させる。また、制御量決定部34は、トンネル入口側の換気セクションにおいて、換気機による排気量を増加させる。
本実施形態においては、換気能力の低下した換気セクションにおいて汚染物質の濃度が許容範囲を超えないように、トンネルT1内の換気機M1〜M5及びジェットファンJ1〜J4を制御することができ、汚染物質が安全基準値を超えることを抑制することができる。
(第4の実施形態)
本実施形態では、上記第1から第3の実施形態の変形例について説明する。
図7は、本実施形態に係る制御例を示す図である。
データベース4は、交通リスク特性データ8、換気機特性データ9を記憶する。
交通リスク特性データ8は、交通リスク(例えば事故、渋滞など)が発生する可能性の高い状態(例えば交通密度、速度、車間距離、車両の加速度、交通量変動など)のデータを含む。本実施形態においては、交通リスクの一例として、事故の場合を説明する。
換気機性能データ9は、各換気機M1〜M5、ジェットファンJ1〜J4の時定数などのような各種性能データを含む。
本実施形態において、交通量生成部31は、現時刻以降のトンネルの交通密度、速度、車間距離、車両の加速度、交通量変動のうちの少なくとも一つを含む現時刻以降の交通特性データを生成する。交通密度、速度、車間距離、車両の加速度、交通量変動は、例えば、トンネルT1の手前の交通量、トンネルT1の入口の交通量、トンネルT1の手前の位置とトンネルT1の入口との間の距離などに基づいて算出される。
交通量生成部31は、算出された現時刻以降の交通特性データと交通リスク特性データ8に基づいて、現時点でトンネルT1において交通リスクの発生する可能性が高いか否か判断する。
制御量決定部34は、交通量生成部34によって交通リスクの発生する可能性が高いと判断された場合に、データベース4の換気機性能データ9に基づいて、事故発生時に設定されている制御処理に迅速に移行可能なように、各換気機M1〜M5及びジェットファンJ1〜J4の時定数に応じて各換気機の運転モード(風量及び風向)を切り替える準備処理を実行する。例えば、制御量決定部34は、事故発生時に備えて、各換気機M1〜M5及びジェットファンJ1〜J4をスタンバイ状態とする。
上述した本実施形態では、トンネルT1の手前の交通量と入口の交通量とに基づいて交通特性データが生成される。そして、交通特性データと、交通リスク特性データ8とに基づいて、交通リスクの発生する可能性が高いか否かが判断される。
例えば、渋滞が発生する前には、交通密度の疎密が発生する傾向があり、この交通密度の疎密の周期、速度によっては交通リスクが発生する可能性が高くなる。交通リスクが発生すると、車両火災が発生する場合があり、避難者を保護するために、換気機M1〜M5及びジェットファンJ1〜J4の風量(風速)を制御して、トンネルT1内における煙の流れを遮断(煙の拡散を防止)する必要がある。
本実施形態においては、交通リスクの発生する可能性が高くなった場合に、予めトンネルT1内における煙の流れを抑制するように風量が調整される。これにより、実際に交通リスクが発生した場合に、事故発生時に実行すべき制御処理を迅速に実行することができる。
(第5の実施形態)
本実施形態では、上記第1から第4の実施形態の変形例について説明する。
図8は、本実施形態に係る制御例を示す図である。
本実施形態において、中央制御部3は、上記の交通量生成部31、換気量算出部32、余裕度算出部33、制御量決定部34に加えて、補正部35を具備する。
データベース4は、実績データ10を記憶する。実績データ10は、例えば、各換気機M1〜M5及びジェットファンJ1〜J4に対する過去の制御量、当該制御量に対応する各換気機M1〜M5及びジェットファンJ1〜J4の過去の実効換気風量、過去の制御環境条件(過去の交通量、気象条件、時間帯)、過去の各換気機M1〜M5及びジェットファンJ1〜J4の制御量又は制御量の変化量と過去の汚染物質の濃度分布、の関係を示すデータを含む。
補正部35は、実績データ10を生成し、データベース4に記憶する。
さらに、補正部35は、データベース4に記憶されている実績データ10と、現時刻以降の交通量、気象条件、時間帯などの制御環境条件と、現時刻以降のトンネルT1内の汚染物質濃度分布とに基づいて、制御量決定部34によって決定された制御量を補正する。
本実施形態では、補正された制御量が、中央制御部3から各換気制御部21〜23に送信される。
例えば、トンネルT1内で発生した汚染物質が過不足なく換気されるように、換気風量の制御が実行された場合であっても、換気機M1〜M5及びジェットファンJ1〜J4の時定数などが原因で換気処理の遅れなどが発生し、目標とする汚染物質の濃度が得られない場合がある。しかしながら、この換気処理の遅れは、交通量変動、換気機M1〜M5及びジェットファンJ1〜J4の制御量の変化幅によって異なるため、目標とする汚染物質の濃度を達成するために、換気機M1〜M5及びジェットファンJ1〜J4の制御量をどの程度修正すべきかを管制員が判断することは困難である。
これに対して、本実施形態においては、各換気機M1〜M5及びジェットファンJ1〜J4に対する過去の制御量、当該制御量に対応する各換気機M1〜M5及びジェットファンJ1〜J4の過去の実効換気風量、過去の制御環境条件、過去の各換気機M1〜M5及びジェットファンJ1〜J4の制御量又は制御量の変化量と過去の汚染物質の濃度分布などが、実績データとして記憶される。
そして、本実施形態においては、実績データ10と、現時刻の交通量、制御環境条件、トンネルT1の汚染物質の濃度分布とに基づいて、各換気機M1〜M5及びジェットファンJ1〜J4に対して提供される制御量が補正される。
したがって、本実施形態では、実際の換気機M1〜M5及びジェットファンJ1〜J4による換気処理の精度を向上させることができる。
なお、上記各実施形態において、中央制御部3はコンピュータであり、交通量生成部31、換気量算出部32、余裕度算出部33、制御量決定部34、補正部35は、コンピュータのプロセッサが記録媒体に記録されているプログラムを実行することによって実現されるとしてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…トンネル換気制御装置、21〜23,71,72…換気制御部、3…中央制御部、31…交通量生成部、32…換気量算出部、33…余裕度算出部、34…制御量決定部、35…補正部、4…データベース、5…ネットワーク、6…換気自動制御盤、8…交通リスク特性データ、9…換気機性能データ、10…実績データ、TC…車両感知器、D1〜D9…計測装置、M1〜M5…換気機、J1〜J4…ジェットファン、S1〜S3,SA〜SG…換気セクション、T1〜T3…トンネル。

Claims (7)

  1. 交通量感知器によって収集された値に基づいてトンネルの交通量を示す交通量データを生成する交通量生成手段と、
    記憶装置に記憶されており前記トンネルの構造特性を示すトンネル構造データと、前記交通量データとに基づいて、前記トンネル内で汚染物質の濃度が許容値を超えないために、前記トンネルを分割する複数の換気セクションに設置されている複数の換気機に必要な最低風量を算出する換気量算出手段と、
    前記複数の換気機について、前記最低風量を実施するための換気能力の余裕度を算出する余裕度算出手段と、
    余裕度の低い換気機について、前記余裕度の低い換気機の属する換気セクションから、余裕度の高い換気機の属する換気セクションに汚染物質が流出するように制御量を決定する制御量決定手段と
    を具備するトンネル換気制御装置。
  2. 請求項1記載のトンネル換気制御装置において、
    前記トンネルにおける車両の進行方向は一方向であり、
    前記制御量決定手段は、余裕度の高い換気機について、当該余裕度の高い換気機の属する換気セクションより前記進行方向側にある次の換気セクションに汚染物質が流出することを抑制する制御量を決定する
    ことを特徴とするトンネル換気制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載のトンネル換気制御装置において、
    前記制御量決定手段は、
    前記各換気セクションの所要換気量、前記各換気機によって実施される風量、前記各換気機の消費電力、前記各換気機の時定数、前記トンネルの濃度分布特性、前記各換気セクションの長さ、のうちの少なくとも一つに基づいて、前記複数の換気セクションに対する排気処理の優先順位を決定し、
    優先順位の高い換気セクションに属する換気機の風量を高くする制御量を決定し、
    優先順位の低い換気セクションから前記優先順位の高い換気セクションに汚染物質が流れ込むことを抑制するように、前記トンネルのジェットファンの制御量を決定する
    ことを特徴とするトンネル換気制御装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のトンネル換気制御装置において、
    前記制御量決定手段は、
    前記複数の換気機のいずれかが停止した場合に、停止した換気機の属する換気セクションから他の換気セクションに汚染物質が流れるように、かつ、前記他の換気セクションから前記停止した換気機の属する換気セクションに汚染物質が流れることを抑制するように、前記トンネルのジェットファンの制御量を決定する
    ことを特徴とするトンネル換気制御装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のトンネル換気制御装置において、
    前記記憶装置は、交通リスクが発生する可能性の高い状態を示す交通リスク特性データをさらに具備し、
    前記交通量生成手段は、前記交通量データと前記交通リスク特性データとに基づいて、前記トンネルにおいて交通リスクの発生する可能性が高いか否か判断し、
    前記制御量決定手段は、前記交通量生成手段によって交通リスクの発生する可能性が高いと判断された場合に、事故発生時の制御への切り替え準備処理を実行する
    ことを特徴とするトンネル換気制御装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のトンネル換気制御装置において、
    前記記憶装置は、前記制御量決定手段によって決定された前記複数の換気機の過去の制御量と、当該制御量に対応する換気機の過去の実効換気風量と、過去の制御環境条件とを関係付けた実績データをさらに記憶し、
    現在の制御環境条件と前記実績データとに基づいて、前記制御量決定手段によって決定された制御量を補正する補正手段を
    さらに具備することを特徴とするトンネル換気制御装置。
  7. 制御装置が、交通量感知器によって収集された値に基づいてトンネルの交通量を示す交通量データを生成すること、
    前記制御装置が、記憶装置に記憶されており前記トンネルの構造特性を示すトンネル構造データと、前記交通量データとに基づいて、前記トンネル内で汚染物質の濃度が許容値を超えないために、前記トンネルを分割する複数の換気セクションに設置されている複数の換気機に必要な最低風量を算出すること、
    前記制御装置が、前記複数の換気機について、前記最低風量を実施するための換気能力の余裕度を算出すること、
    前記制御装置が、余裕度の低い換気機について、前記余裕度の低い換気機の属する換気セクションから、余裕度の高い換気機の属する換気セクションに汚染物質が流出するように制御量を決定すること
    を具備するトンネル換気制御方法。
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