JP2012154178A - 燃料供給制御装置 - Google Patents

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祐介 高巣
Kenichi Kobashi
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Abstract

【課題】コモンレール内へのエア侵入を適切に抑制することができる燃料供給制御装置を提供する。
【解決手段】燃料供給制御装置50は、膨張行程および圧縮行程から成るプランジャ7aの往復運動に応じて容積が変化する加圧室7dを有する高圧ポンプ7と、燃料を加圧室7dへ吸入させる吸入通路8と、余剰燃料を排出させる排出通路9と、加圧室7dの燃料を供給部へ吐出させる吐出通路11と、吸入通路8と加圧室7dとの連通状態を制御する制御弁16と、吐出通路11を通じて吐出される燃料への気体混入を検知する検知手段と、を備える。検知手段が燃料への気体混入を検知した場合、プランジャ7aが1往復運動する間の膨張行程の期間に吸入通路8と加圧室7dとが非連通状態になるように制御弁16を閉弁させ、かつ、圧縮行程の期間に吸入通路8と加圧室7dとが連通状態になるように制御弁16を開弁させる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、燃料供給制御装置に関する。
従来、高圧ポンプを用いて燃料を蓄圧部(コモンレール)に搬送する燃料供給制御装置が知られている(例えば特許文献1参照)。このような高圧ポンプは、プランジャの昇降によって容積が変化する加圧室と、加圧室と連通しプランジャの昇降によっても容積が変化しない制御室と、加圧室と制御室との連通状態を切り替える弁体とを備えたものがある。また、このような高圧ポンプは、制御室と燃料タンクと連通した吸入通路と、加圧室とコモンレールとを連通した吐出通路と、制御室から燃料タンクに燃料を再び戻すための排出通路と、が設けられている。
これら高圧ポンプにおいて、加圧室内に空気(エア)を含んだ燃料が吸入されると、プランジャの昇降によってエアを含んだ燃料がコモンレール内へ圧送される。コモンレール内には燃料が高圧(例えば30〜200MPa)で貯留されているため、コモンレール内に圧送された燃料中のエアが圧縮されて高温になり、それによってコモンレール内の燃料が変質してしまう虞がある。
このような高圧ポンプを有する燃料供給制御装置における燃料へのエア混入に対する対応策が、特許文献2および3に開示されている。
特開2000−054926号公報 特開2004−144037号公報 特開2006−022677号公報
本発明は、このような燃料供給制御装置が有する課題をより適切に解決するものであり、コモンレール内へのエア侵入を適切に抑制することができる燃料供給制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の燃料供給制御装置は、膨張行程および圧縮行程から成るプランジャの往復運動に応じて容積が変化する加圧室を有する高圧ポンプと、燃料を前記加圧室へ吸入させる吸入通路と、前記加圧室へ吸入されなかった燃料を排出させる排出通路と、前記加圧室の燃料を供給部へ吐出させる吐出通路と、開閉することで前記吸入通路と前記加圧室との連通状態を制御する制御弁と、前記吐出通路を通じて吐出される燃料への気体混入を検知する検知手段と、を備え、前記検知手段が燃料への気体混入を検知した場合、前記プランジャが1往復運動する間の膨張行程の期間に前記吸入通路と前記加圧室とが非連通状態になるように前記制御弁を閉弁させ、かつ、圧縮行程の期間に前記吸入通路と前記加圧室とが連通状態になるように前記制御弁を開弁させることを特徴とする。
上記の構成により、燃料への気体混入を検知した場合、プランジャが1往復運動する間の膨張行程の期間に制御弁が閉弁状態に維持されるために、気体を含んだ燃料が加圧室に吸入されることを抑制することができる。また、プランジャの圧縮行程の期間に制御弁が開弁状態に維持されるために、加圧室内の気体を含んだ燃料を排出通路に排出することができる。よって、コモンレール内へのエア侵入を適切に抑制することができる。
特に、本発明の燃料供給制御装置は、通電時に前記制御弁を閉弁方向に移動させるソレノイドと、前記制御弁を開弁方向に付勢する付勢手段と、を備え、前記検知手段が燃料への気体混入を検知した場合、前記プランジャが1往復運動する間の膨張行程の期間に前記ソレノイドに通電することで前記制御弁を閉弁させ、かつ、圧縮行程の期間に前記ソレノイドに通電しないことで前記付勢手段の付勢力によって前記制御弁を開弁させる構成とすることができる。
上記の構成によって、コモンレール内へのエア侵入を簡便かつ適切に抑制することができる。
また、本発明の燃料供給制御装置は、前記吐出通路と連結し、前記吐出通路を通じて流入した燃料を蓄圧する蓄圧部を備え、前記検知手段が、前記蓄圧部における燃料圧力の予測値と実測値とに基づいて燃料への気体混入を検知する構成とすることができる。
上記の構成によって、燃料への気体混入を簡便かつ適切に検知することができる。そして、検知結果に基づいてコモンレール内へのエア侵入を適切に抑制することができる。
そして、本発明の燃料供給制御装置は、前記検知手段が、前記プランジャが1往復運動する間の圧縮行程の期間における前記制御弁の移動状態に基づいて燃料への気体混入を検知する構成とすることができる。
上記の構成によって、燃料への気体混入を簡便かつ適切に検知することができる。そして、検知結果に基づいてコモンレール内へのエア侵入を適切に抑制することができる。
本発明の燃料供給制御装置によれば、コモンレール内へのエア侵入を適切に抑制することができる。
燃料供給制御装置の一構成例を示した図である。 高圧ポンプの動作の説明図である。 高圧ポンプの動作の説明図である。 燃料にエアが混入していない場合における実施例の高圧ポンプの膨張行程と圧縮行程の説明図である。 燃料にエアが混入している場合における実施例の高圧ポンプの膨張行程と圧縮行程の説明図である。 燃料にエアが混入している場合における従来の高圧ポンプの膨張行程と圧縮行程の説明図である。 ECUの処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。図1は、内燃機関に使用される燃料供給制御装置50の一構成例を示した図である。内燃機関は4つの気筒を有しているがこれに限定されない。気筒毎に配置された四つの燃料噴射弁1が設けられている。燃料噴射弁1はそれぞれコモンレール2と接続しており、各燃料噴射弁1へ高圧の燃料が供給される。燃料タンク3内には低圧ポンプ4が配置されている。低圧ポンプ4は、図示しないバッテリ5により駆動される電気式ポンプである。フィルタ6は低圧ポンプ4の吸入燃料から異物を除去する。
なお、コモンレール2は、本発明の蓄圧部の一構成例である。
高圧ポンプ7は、コモンレール2内を、例えば、所定高燃料圧力へ昇圧する。高圧ポンプ7は、シリンダ内を昇降可能なプランジャ7aを有している。高圧ポンプ7は、プランジャ7aの昇降により容積が変化する加圧室7d、加圧室7dと連通しプランジャ7aの昇降によらずに容積が一定である制御室7gを有している。プランジャ7aの昇降動作は、内燃機関のクランクシャフトに連結されたカム7eと、プランジャ7aの下端部に連結されカム7eに従動して回転するローラ7fとによりもたらされる。即ち、カム7eが回転することにより、プランジャ7aが昇降し、これにより加圧室7dの容積が変更されて、高圧ポンプ7は膨張行程および圧縮行程(燃料の吸入行程および圧送行程)を繰り返す。
制御室7gは、吸入通路8によって低圧ポンプ4の吐出側と接続されている。また、制御室7gは、排出通路9によって燃料タンク3と接続されている。吸入通路8には、低圧ポンプ4の吐出燃料から異物を除去するためのフィルタ10が配置されている。そして、加圧室7dには、吐出通路11が接続されている。吐出通路11は、コモンレール2へ接続されている。
吐出通路11には、コモンレール2へ向かう燃料流れのみを許容するチェックバルブ12が配置されている。このチェックバルブ12は、所定の以上の圧力差により吐出通路11を開くものである。
接続通路14には、コモンレール2からの燃料流れのみを許容するリリーフバルブ15が配置されている。リリーフバルブ15は、コモンレール2内が所定高燃料圧力より高い所定圧力となる時に開くものであり、コモンレール2内の燃料圧力が異常に高くなることを防止している。
電磁ソレノイド16aは、詳しくは後述するが、高圧ポンプ7の制御弁16を駆動するアクチュエータである。電磁ソレノイド16aを励磁する励磁電流の供給及び停止によって電磁ソレノイド16aの状態(励磁・消磁)が制御される。電磁ソレノイド16aの制御は、ECU(Electronic Control Unit)20によって行なわれる。
ECU20は、燃料噴射弁1を介しての燃料噴射量制御、電磁ソレノイド16aを介しての高圧ポンプ7の制御弁16の制御、及び低圧ポンプ4の作動制御を担当する制御装置である。コモンレール2内の燃料圧力を検出するための圧力センサ21と、低圧ポンプ4を作動するためのバッテリ(図示しない)と、機関運転状態を検出するためのエアフロメータ、回転センサ、冷却水温センサ等の各センサ(いずれも図示しない)とが接続されている。ECU20は、図示しないROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、CPU(Central Processing Unit)等から構成されるコンピュータである。ROMには、後述する高圧ポンプ7の制御弁16を制御するためのプログラムが格納されている。
次に、本実施例の燃料供給制御装置50における高圧ポンプ7の動作について詳細に説明する。図2および3は、高圧ポンプ7の動作の説明図である。図2は、吸入通路8、加圧室7dおよび吐出通路11が連通した状態(連通状態)を示しており、図3は、吸入通路8と、加圧室7dおよび吐出通路11との連通が遮断された状態(非連通状態)を示している。
図2は、電磁ソレノイド16aが通電されていない状態を示している。制御弁16は、制御室7gと加圧室7dとを繋ぐ通路上に配置されている。制御弁16は、所定方向に延びた棒状の下端部に円形状の拡径部161が形成されている。拡径部161の外径は、制御室7gと加圧室7dとを繋ぐ通路の内径よりも大きい。この場合、拡径部161の形状は円形状に限られない。
制御弁16の上端部には付勢部材16bが配置されている。付勢部材16bは、制御弁16を下側方向、すなわち制御弁16の開弁方向に付勢している。付勢部材16bは、コイルスプリングである。また、制御弁16の上端部には鉄芯162が連結されている。電磁ソレノイド16aに通電されることにより、鉄芯162に磁力が作用して制御弁16が上側方向、すなわち制御弁16の閉弁方向に移動する。
なお、付勢部材16bは、本発明の付勢手段の一構成例である。
また、制御弁16の上端部にはストッパ163が設けられている。制御室7gを画定する内壁にストッパ163が当接することにより、制御弁16の最下降位置が規定されている。
図2に示すように、電磁ソレノイド16aが通電されていない状態では、制御弁16は付勢部材16bの付勢力によって開弁され、吸入通路8と加圧室7dとが連通状態になる。それによって吸入通路8および制御室7gを通じて加圧室7dへ燃料が流れる。
図3は、電磁ソレノイド16aが通電されている状態を示している。電磁ソレノイド16aに通電すると、磁気的吸引力により制御弁16が付勢部材16bの付勢力に抗して上昇する。制御弁16が上昇することにより拡径部161が制御室7gと加圧室7dとを繋ぐ通路を閉じる。これにより、制御室7gと加圧室7dとの連通状態は遮断される。すなわち、吸入通路8と加圧室7dとが非連通状態になる。この状態においては、加圧室7d内にある燃料は排出通路9に流れ得る。
図3に示すように、電磁ソレノイド16aが通電されている状態では、制御弁16は磁気的吸引力によって閉弁され、吸入通路8と加圧室7dとが非連通状態になる。それによって吸入通路8および制御室7gの燃料が加圧室7dに流入することが抑制される。
次に、燃料に気体(エア)が混入していない場合の高圧ポンプ7の膨張行程(吸入行程)と圧縮行程(圧送行程)について説明する。図4は、燃料にエアが混入していない場合における実施例の高圧ポンプ7の膨張行程と圧縮行程の説明図である。尚、図4(A)〜(E)は理解を容易にするために簡略化している。
ECU20は、コモンレール2に吐出される燃料へのエア混入を検知していない場合に、図4(A)〜(E)の高圧ポンプ制御(通常制御)を実行する。
図4(A)は、初期状態(圧縮状態)を示している。カム7eが回転すると、図4(B)に示すように、プランジャ7aは下降し始め加圧室7dの容積が拡大する(膨張行程)。なお、この状態では電磁ソレノイド16aは無通電状態(制御弁16が開弁状態)である。このため、図2に示した状態でプランジャ7aが下降することにより、吸入通路8、制御室7gを介して燃料が加圧室7dに吸入される。このように、プランジャ7aが下降している間に吸入行程が行なわれる。
更にカム7eが回転すると、図4(C)に示すようにプランジャ7aが最も下側の位置(下死点)まで下降する(膨張状態)。更にカム7eが回転すると、図4(D)に示すようにプランジャ7aが上昇し始め、加圧室7dの容積が縮小し始める(圧縮行程)。そして、ECU20により電磁ソレノイド16aが通電される。これにより、制御弁16が閉弁状態となり、制御室7gと加圧室7dとが非連通状態となる(図2の状態から図3の状態に移行する)。そのため、プランジャ7aの上昇に伴って加圧室7d内の燃料が加圧されてゆく。
更にカム7eが回転すると、図4(E)に示すように更にプランジャ7aが上昇する。尚、この状態では電磁ソレノイド16aは通電状態(制御弁16が閉弁状態)である。これにより、加圧室7d内の燃料の圧力は、プランジャ7aの上昇に伴って増大し、チェックバルブ12を開いて燃料が吐出通路11側に流れる。このようにプランジャ7aが上昇している間に圧送行程が行なわれる。
以上のように、プランジャ7aが下降している吸入行程中においては、図2に示したように、制御弁16は、吸入通路8と加圧室7dとを連通状態に維持する。具体的には、付勢部材16bの付勢力と、制御室7g内にある制御弁16の上端部分にかかる燃料の圧力とにより、制御弁16は、最下端の位置(開弁位置)に維持される。これにより、吸入行程中において制御弁16が上昇して拡径部161が制御室7gと加圧室7dとを繋ぐ通路を閉じることが防止される。
また、プランジャ7aが上昇している圧送行程中においては、図3に示したように、制御弁16は、吸入通路8と加圧室7dとを非連通状態に維持する。具体的には、電磁ソレノイド16aの磁気的吸引力と、加圧室7d内にある制御弁16の下端部分にかかる燃料の圧力とにより、制御弁16は、最上端の位置(閉弁位置)に維持される。これにより、圧送行程中において制御弁16が下降して拡径部161が制御室7gと加圧室7dとを繋ぐ通路を開くことが防止される。
つづいて、燃料にエアが混入している場合の高圧ポンプ7の膨張行程(吸入行程)と圧縮行程(圧送行程)について説明する。図5は、燃料にエアが混入している場合における実施例の高圧ポンプ7の膨張行程と圧縮行程との説明図である。
ECU20は、コモンレール2に吐出される燃料へのエア混入を検知した場合に、図5(A)〜(E)の高圧ポンプ制御(エア混入燃料の排出制御)を実行する。まず、コモンレール2に吐出される燃料へのエア混入を検知する手法について説明する。
ECU20は、コモンレール2における燃料圧力の予測値と圧力センサ21の検出結果とに基づいて燃料へのエア混入を検知する。具体的には、ECU20は、高圧ポンプ7の制御弁16の開弁時間からコモンレール2への燃料圧送量を予測し、予測結果に基づいてコモンレール2内の燃料圧力を予測する。この場合、例えば、制御弁16の開弁時間とコモンレール2内の燃料圧力との相関マップを予め台上試験等にて作成することにより、コモンレール2内の燃料圧力を容易に予測することができる。
ECU20は、コモンレール2における燃料圧力の予測値と、圧力センサ21が検出するコモンレール2内の燃料圧力の実測値とを比較する。コモンレール2内の燃料にエアが混入している場合、燃料圧力の実測値は予測値よりも低くなる。そのため、ECU20は、燃料圧力の予測値と実測値との差分が判定値より大きいか否かを判断することで、コモンレール2内の燃料にエアが混入しているか否かを検知することができる。この場合、コモンレール2内の燃料にエアが混入していることは、コモンレール2に吐出される燃料にエアが混入していることと同意である。ここで、判定値とは、コモンレール2内の燃料にエアが混入していると判断できる所定の値であって、予め台上試験等によって求めることができる。燃料圧力の予測値と実測値との差分が判定値以下の場合、ECU20は、コモンレール2に吐出される燃料へエアが混入していない(エア噛み無し)と判断する。一方、燃料圧力の予測値と実測値との差分が判定値より大きい場合、ECU20は、コモンレール2に吐出される燃料へエアが混入している(エア噛み有り)と判断する。
なお、以下の手法によっても燃料への気体混入を検知することができる。ECU20は、プランジャ7aが上昇している圧縮行程(圧送行程)の期間における制御弁16の移動状態に基づいて燃料への気体混入を検知する。具体的には、ECU20は、電磁ソレノイド16aに制御弁16が閉弁しない程度の微弱な電流を流しておき、プランジャ7aが上昇する圧縮行程(圧送行程)の期間における磁界変化を検出する。
加圧室7d内の燃料にエアが混入している場合、プランジャ7aの上昇に伴う加圧室7d内の燃料圧力の上昇値は低くなる。そのため、加圧室7d内にある制御弁16の下端部分にかかる燃料の圧力よりも付勢部材16bの付勢力が上回り、制御弁16は開弁方向へ移動する(自開する)。その制御弁16の移動時に磁界変化が生じることから、ECU20は、磁界変化を検出することで加圧室7d内の燃料にエアが混入しているか否かを検知することができる。この場合、加圧室7d内の燃料にエアが混入していることは、コモンレール2に吐出される燃料にエアが混入していることと同意である。
次に、ECU20は、上記の検知手法によって燃料への気体混入を検知した場合、以下のエア混入燃料の排出制御を実行する(図5参照)。
図5(A)は、初期状態(圧縮状態)を示している。カム7eが回転すると、図5(B)に示すように、プランジャ7aは下降し始め加圧室7dの容積が拡大する(膨張行程)。そして、ECU20により電磁ソレノイド16aが通電される。これにより、制御弁16が閉弁状態になり、制御室7gと加圧室7dとが非連通状態となる(図2の状態から図3の状態に移行する)。そのため、プランジャ7aが下降してもエアを含んだ燃料が加圧室7d内に吸入されない。
更にカム7eが回転すると、図5(C)に示すようにプランジャ7aが最も下側の位置(下死点)まで下降する(膨張状態)。ここで、ECU20により電磁ソレノイド16aへの通電を停止する(無通電状態にする)。すると、加圧室7d内にある制御弁16の下端部分にかかる燃料の圧力よりも付勢部材16bの付勢力が上回り、制御弁16は開弁方向へ移動する(自開する)。これにより、図3の状態から図2の状態に移行し、制御室7gと加圧室7dとが連通状態となる。
更にカム7eが回転すると、図5(D)に示すようにプランジャ7aが上昇し始め、加圧室7dの容積が縮小し始める(圧縮行程)。なお、この状態では電磁ソレノイド16aは無通電状態(制御弁16が開弁状態)である。プランジャ7aの上昇に伴って加圧室7d内の燃料圧力も上昇するが、加圧室7d内の燃料はエアを含んでいるために燃料圧力の上昇値は小さい。そのため、圧縮行程においても制御弁16が開弁状態(制御室7gと加圧室7dとが連通状態)で維持されつつ、チェックバルブ12が閉弁状態で維持される。そして、プランジャ7aの上昇に伴って加圧室7d内のエアを含んだ燃料が制御室7gを通じて排出通路9に排出されてゆく。
更にカム7eが回転すると、図5(E)に示すようにプランジャ7aが最も上側の位置(上死点)まで上昇する(圧縮状態)。このように、プランジャ7aが1往復運動する間にエアを含んだ燃料を排出通路9に排出することができる(図5(F)参照)。ECU20は、図5(A)〜(E)の制御の後の1サイクルに、燃料へのエア混入がない場合の通常制御(すなわち、図4(A)〜(E)の制御)を実行する。そして、通常制御の間に燃料へのエア混入を検知した場合、再び図5(A)〜(E)の制御を繰り返す。
比較例として従来の高圧ポンプを示す。図6は、燃料にエアが混入している場合における従来の高圧ポンプの膨張行程と圧縮行程の説明図である。従来の高圧ポンプ制御では、プランジャが1往復運動する間の膨張行程の期間に制御弁を開弁し(図6(A)〜(B)参照)、圧縮行程の期間に制御弁を閉弁する(図6(B)〜(C)参照)。プランジャの上死点近傍で電磁ソレノイドへの通電を停止する(無通電状態)と、付勢部材の付勢力が加圧室内の燃料圧力を上回るために制御弁が開弁(自開)する(図6(D)参照)。そして、加圧室内から吸入通路に排出されたエア混入燃料が、次サイクルの膨張行程で再び加圧室内に吸入されてしまう(図6(E)参照)ため、コモンレール内へのエア侵入を適切に抑制することが困難である。
一方、本実施例の燃料供給制御装置50は、ECU20が燃料へのエア混入を検知した場合に、プランジャ7aが1往復運動する間の膨張行程の期間に電磁ソレノイド16aを通電状態にし、かつ、圧縮行程の期間に電磁ソレノイド16aを無通電状態にする。すなわち、プランジャ7aが1往復運動する間の膨張行程の期間に制御弁16を閉弁させ、かつ、圧縮行程の期間に制御弁を開弁させる。この制御を実行することで、プランジャ7aの下降時(吸入行程)にエアを含んだ燃料が加圧室7d内に吸入されることを抑制することができる。また、プランジャ7aの上昇時(圧送行程)に加圧室7d内のエアを含んだ燃料を排出通路9に排出することができる。よって、コモンレール内へのエア侵入を適切に抑制することができる。
なお、ECU20および圧力センサ21は、本発明の検知手段の一構成例である。
つづいて、ECU20の制御の流れに沿って、燃料供給制御装置50の動作を説明する。図7は、ECU20の処理の一例を示すフローチャートである。
ECU20の制御は、イグニッションスイッチがONされて内燃機関が始動されると開始し、内燃機関の運転中に以下の制御の処理を繰り返す。また、ECU20は、その制御の処理中、圧力センサ21の検出結果を常に受信しつつ、制御弁16の開弁時間を常に計測する。
まず、ECU20はステップS1で、燃料にエアが混入していない場合における通常制御(すなわち、図4(A)〜(E)の高圧ポンプ制御)にてプランジャ7aを1往復運動させる。ECU20は、ステップS1の処理を終えると、次のステップS2へ進む。
ステップS2で、ECU20は、ステップS1で実行された高圧ポンプ制御の間に、コモンレール2に吐出される燃料にエアが混入しているか否かを検知する。ここで、燃料へのエア混入の検知手法については前述したために、その詳細な説明は省略する。燃料へのエア混入が検知されない、すなわちエア噛み無しの場合(ステップS2/NO)、ECU20は、エア混入燃料の排出制御を実行する必要がないと判断し、制御の処理を終了する。燃料へのエア混入が検知された、すなわちエア噛み有りの場合(ステップS2/YES)は、ECU20は、エア混入燃料の排出制御を実行する必要があると判断し、次のステップS3へ進む。
ステップS3で、ECU20は、プランジャ7aが1往復運動する間の膨張行程(吸入行程)の期間に電磁ソレノイド16aを通電状態にし、制御弁16を磁気的吸引力によって閉弁させる。すなわち、吸入通路8と加圧室7dとを非連通状態に維持し、プランジャ7aの下降によってエアを含んだ燃料が加圧室7d内に流入することを抑制する(図5(A)〜(C)参照)。ECU20は、ステップS3の処理を終えると、次のステップS4へ進む。
ステップS4で、ECU20は、プランジャ7aが1往復運動する間の圧縮行程(圧送行程)の期間に電磁ソレノイド16aを無通電状態にし、制御弁16を付勢部材16bの付勢力によって開弁させる。すなわち、加圧室7dと排出通路9とを連通状態に維持し、プランジャ7aの上昇に伴って加圧室7d内のエアを含んだ燃料を排出通路9に排出させる(図5(C)〜(E)参照)。ECU20は、ステップS4の処理を終えると、ステップS1に戻り、燃料へのエア混入が検知されなくなるまで上記の制御を繰り返す。
この制御を実行することで、プランジャ7aの下降時(吸入行程)にエアを含んだ燃料が加圧室7d内に吸入されることを抑制することができる。また、プランジャ7aの上昇時(圧送行程)に加圧室7d内のエアを含んだ燃料を排出通路9に排出することができる。よって、コモンレール内へのエア侵入を適切に抑制することができる。
以上のように、本実施例の燃料供給制御装置は、膨張行程および圧縮行程から成るプランジャの往復運動に応じて容積が変化する加圧室を有する高圧ポンプと、燃料を加圧室へ吸入させる吸入通路と、加圧室へ吸入されなかった燃料を排出させる排出通路と、加圧室の燃料をコモンレールへ吐出させる吐出通路と、開閉することで吸入通路と加圧室との連通状態を制御する制御弁と、コモンレールへ吐出される燃料への気体混入を検知する検知手段と、を備え、検知手段が燃料への気体混入を検知した場合、プランジャが1往復運動する間の膨張行程の期間に吸入通路と加圧室とが非連通状態になるように制御弁を閉弁させ、かつ、圧縮行程の期間に吸入通路と加圧室とが連通状態になるように制御弁を開弁させる。これによって、コモンレール内へのエア侵入を適切に抑制することができる。
また、本実施例の燃料供給制御装置は、通電時に制御弁を閉弁方向に移動させる電磁ソレノイドと、制御弁を開弁方向に付勢する付勢部材と、を備え、検知手段が燃料への気体混入を検知した場合、プランジャが1往復運動する間の膨張行程の期間に電磁ソレノイドに通電することで制御弁を閉弁させ、かつ、圧縮行程の期間に電磁ソレノイドに通電しないことで付勢部材の付勢力によって制御弁を開弁させる。これによって、コモンレール内へのエア侵入を簡便かつ適切に抑制することができる。
そして、本実施例の燃料供給制御装置は、コモンレールにおける燃料圧力の予測値と実測値とに基づいて燃料への気体混入を検知することができる。更に、本実施例の燃料供給制御装置は、プランジャが往復運動する間の圧縮行程の期間における制御弁の移動状態に基づいて燃料への気体混入を検知することができる。これによって、燃料への気体混入を簡便かつ適切に検知することができる。そして、検知結果に基づいてコモンレール内へのエア侵入を適切に抑制することができる。
上記実施例は本発明を実施するための一例にすぎない。よって本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
2 コモンレール(蓄圧部)
3 燃料タンク
7 高圧ポンプ
7a プランジャ
7d 加圧室
7e カム
7g 制御室
8 吸入通路
9 排出通路
11 吐出通路
12 チェックバルブ
16 制御弁
16a 電磁ソレノイド
16b 付勢部材(付勢手段)
20 ECU(検知手段)
21 圧力センサ(検知手段)

Claims (4)

  1. 膨張行程および圧縮行程から成るプランジャの往復運動に応じて容積が変化する加圧室を有する高圧ポンプと、
    燃料を前記加圧室へ吸入させる吸入通路と、
    前記加圧室へ吸入されなかった燃料を排出させる排出通路と、
    前記加圧室の燃料を供給部へ吐出させる吐出通路と、
    開閉することで前記吸入通路と前記加圧室との連通状態を制御する制御弁と、
    前記吐出通路を通じて吐出される燃料への気体混入を検知する検知手段と、を備え、
    前記検知手段が燃料への気体混入を検知した場合、前記プランジャが1往復運動する間の膨張行程の期間に前記吸入通路と前記加圧室とが非連通状態になるように前記制御弁を閉弁させ、かつ、圧縮行程の期間に前記吸入通路と前記加圧室とが連通状態になるように前記制御弁を開弁させることを特徴とする燃料供給制御装置。
  2. 通電時に前記制御弁を閉弁方向に移動させるソレノイドと、
    前記制御弁を開弁方向に付勢する付勢手段と、を備え、
    前記検知手段が燃料への気体混入を検知した場合、前記プランジャが1往復運動する間の膨張行程の期間に前記ソレノイドに通電することで前記制御弁を閉弁させ、かつ、圧縮行程の期間に前記ソレノイドに通電しないことで前記付勢手段の付勢力によって前記制御弁を開弁させることを特徴とする請求項1記載の燃料供給制御装置。
  3. 前記吐出通路と連結し、前記吐出通路を通じて流入した燃料を蓄圧する蓄圧部を備え、
    前記検知手段は、前記蓄圧部における燃料圧力の予測値と実測値とに基づいて燃料への気体混入を検知することを特徴とする請求項1または2記載の燃料供給制御装置。
  4. 前記検知手段は、前記プランジャが1往復運動する間の圧縮行程の期間における前記制御弁の移動状態に基づいて燃料への気体混入を検知することを特徴とする請求項1または2記載の燃料供給制御装置。

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