JP2012155287A - 樹脂フィルム、偏光板保護フィルム、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セルロースアシレートと、シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーを該セルロースアシレートに対して1.5〜300質量%含有することを特徴とする樹脂フィルム。
【選択図】なし
Description
[1] セルロースアシレートと、シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーを該セルロースアシレートに対して1.5〜300質量%含有することを特徴とする樹脂フィルム。
[2] 前記シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーの重量平均分子量が1000〜100000であることを特徴とする[1]に記載の樹脂フィルム。
[3] 前記シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーが、1種または2種以上のシアノ基を含む繰り返し単位のみからなるポリマーまたはオリゴマーであることを特徴とする[1]または[2]に記載の樹脂フィルム。
[4] 前記シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーが、1種または2種以上のシアノ基を含む繰り返し単位と、シアノ基を含まない繰り返し単位とを含むポリマーまたはオリゴマーであることを特徴とする[1]または[2]に記載の樹脂フィルム。
[5] 前記シアノ基を含む繰り返し単位が、下記一般式(1)で表される構造のエチレン性不飽和モノマー由来の繰り返し単位を含むことを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載の樹脂フィルム。
[6] 前記シアノ基を含む繰り返し単位が、前記一般式(1)で表される構造のエチレン性不飽和モノマー由来の繰り返し単位であることを特徴とする[5]に記載の樹脂フィルム。
[7] 前記シアノ基を含む繰り返し単位が、1種のみであることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか一項に記載の樹脂フィルム。
[8] 前記セルロースアシレートの総アシル置換度が2.00〜2.95であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか一項に記載の樹脂フィルム。
[9] 光弾性係数の絶対値が10×10-12m2/Nであり、ヘイズが1%以下であり、25℃相対湿度80%における含水率が5%以下であることを特徴とする[1]〜[8]のいずれか一項に記載の樹脂フィルム。
[10] [1]〜[9]のいずれか一項に記載の樹脂フィルムを用いたことを特徴とする偏光板保護フィルム。
[11] 偏光子と、[10]に記載の偏光板保護フィルムを少なくとも1枚含むことを特徴とする偏光板。
[12] [10]に記載の偏光板保護フィルムまたは[11]に記載の偏光板を少なくとも1枚含むことを特徴とする液晶表示装置。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。また、本明細書中、「ポリマーまたはオリゴマー」とは、モノマーが多数重合した一般的な高分子化合物であるポリマーに加えて、モノマーが例えば数個重合した分子量1000程度の化合物であるオリゴマーも含まれることを意味する。
本発明の樹脂フィルムは、セルロースアシレートと、シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーを該セルロースアシレートに対して1.5〜300質量%含有することを特徴とする。
以下、本発明の樹脂フィルムについて、好ましい態様を説明する。
本発明の樹脂フィルムが含有する、シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーについて説明する。
ここで、本発明では前記シアノ基を含む繰り返し単位を有する前記ポリマーまたはオリゴマーはマット剤として用いられるような粒状の形状であっても、その他の形状、例えば粉末の形状であってもよい。前記シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーはその中でも、粉末の形状であることが好ましい。
また、前記シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーは通常の条件で重合または共重合した場合、形状は粉末となる。また、本発明では前記シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーの粒子サイズは、マット剤として用いられる場合と比べ、粉末であることが好ましく、そのような粒子サイズの調整は重合または共重合時に粉末にすることによって達成できる。
前記シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーは、分子内にシアノ基を部分構造として有するエチレン性不飽和モノマーを重合または共重合させて得ることができる。
前記シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーにおける、シアノ基を含む繰り返し単位について説明する。前記シアノ基を含む繰り返し単位は、分子内にシアノ基を部分構造として有するエチレン性不飽和モノマーを重合して得られる繰り返し単位であっても、分子内にシアノ基を部分構造として有していないエチレン性不飽和モノマーを重合して得られる繰り返し単位に置換基としてシアノ基を導入して得てもよい。その中でも、本発明では、前記シアノ基を含む繰り返し単位は、分子内にシアノ基を部分構造として有するエチレン性不飽和モノマーを重合して得られる繰り返し単位であることが好ましい。
まず、前記分子内にシアノ基を部分構造として有するエチレン性不飽和モノマーについて、詳しく説明する。
前記分子内にシアノ基を部分構造として有するエチレン性不飽和モノマーは、そのエチレン性不飽和構造について特に制限はない。エチレン性不飽和結合の具体例としては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、シアン化ビニル基、2−シアノアクリルオキシ基、1,2−エポキシ基、ビニルベンジル基、ビニルエーテル基などが挙げられるが、好ましくは、シアン化ビニル基である。また、前記分子内にシアノ基を部分構造として有するエチレン性不飽和モノマーは、分子内にシアノ基を1つ有していても、複数有していてもよい。また、シアノ基は、前記分子内にシアノ基を部分構造として有するエチレン性不飽和モノマーが重合体になったときに主鎖に直接連結している置換基であってもよく、連結基を介して主鎖に連結している置換基であってもよい。その中でも、前記分子内にシアノ基を部分構造として有するエチレン性不飽和モノマーは分子内にシアノ基を1つ有し、かつ、前記分子内にシアノ基を部分構造として有するエチレン性不飽和モノマーが重合体になったときに主鎖に直接連結している置換基であることが好ましい。いかなる理論に拘泥するものでもないが、前記分子内にシアノ基を部分構造として有するエチレン性不飽和モノマーは、重合体になったときにコンパクトで分極率の大きい側鎖を有すると、特に樹脂フィルムの光弾性係数を低減することができる。
また、前記シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーは、1種または2種以上のシアノ基を含む繰り返し単位のみからなるポリマーまたはオリゴマーであっても、1種または2種以上のシアノ基を含む繰り返し単位とシアノ基を含まない繰り返し単位とを含むポリマーまたはオリゴマーであってもよい。前記シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーは、1種または2種以上のシアノ基を含む繰り返し単位のみからなるポリマーまたはオリゴマーであることが、光弾性係数の低減の観点から好ましい。一方、前記シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーは、1種または2種以上のシアノ基を含む繰り返し単位とシアノ基を含まない繰り返し単位とを含むポリマーまたはオリゴマーであることが、セルロースアシレートとの相溶性確保の観点から好ましい。
R1は水素原子、メチル基、エチル基、塩素原子またはシアノ基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
R2は水素原子、メチル基またはシアノ基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
前記分子内にシアノ基を部分構造として有するエチレン性不飽和モノマーの中でも、メタクリロニトリルが特に好ましい。
なお、前記シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーにおける前記シアノ基を含む繰り返し単位が、前記一般式(1)で表される構造以外のその他の骨格を有するエチレン性不飽和モノマー由来の繰り返し単位を含む場合、該その他の骨格を有するエチレン性不飽和モノマーとしては後述する一般式(2)におけるR3やR4、後述する一般式(4)におけるR7、R8、及びR9がシアノ基を含む置換基であるエチレン性不飽和モノマーなどを用いることができる。
その中でも、前記シアノ基を含む繰り返し単位が、1種のみであることが好ましい。
また、後述するその他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合体ではない場合、前記シアノ基を部分構造として有するエチレン性不飽和モノマーを重合させたポリマーまたはオリゴマーは、前記分子内にシアノ基を部分構造として有するエチレン性不飽和モノマー1種のみの単独重合体であることが好ましい。
つぎに、前記シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーが含んでいてもよい、シアノ基を含まない繰り返し単位について説明する。前記シアノ基を含まない繰り返し単位は、前記分子内にシアノ基を部分構造として有さないその他のエチレン性不飽和モノマー(以下、その他のエチレン性不飽和モノマーとも言う)を重合して得られる繰り返し単位であることが好ましい。
前記分子内にシアノ基を部分構造として有するエチレン性不飽和モノマーとの共重合に用いられる、前記その他のエチレン性不飽和モノマーについて詳しく説明する。
前記その他のエチレン性不飽和モノマーとしてはアクリレートモノマーが好ましい。アクリレートモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル類、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、クロルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシベンジル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アセト酢酸エチルエメタクリレート等が挙げられる。又、特に好ましいものとしては、メチル(メタ)アクリレートモノマー、アセト酢酸エチルエメタクリレートを挙げることができる。
また、下記一般式(2)で表されるモノマーも前記その他のエチレン性不飽和モノマーとして好ましい。
また前記一般式(2)で表される部分構造を有するエチレン性不飽和モノマーとして特に好ましくはN−メタクリロイルモルホリンまたはN−アクリロイルモルホリンであり、より特に好ましくはN−アクリロイルモルホリンである。
また、下記一般式(3)で表されるモノマーも前記その他のエチレン性不飽和モノマーとして好ましい。
前記R5における脂肪族基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基などを挙げることができ、その中でも炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
前記R5における芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基を挙げることができ、その中でもフェニル基が好ましい。
前記における複素環基としては、ピリジル基、ピロリジル基、ピペリジル基、ピペラジル基、ピロリル基、モルホリノ基、チアモルホリノ基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピロリドニル基、ピペリドニル基を挙げることができ、その中でもモルホリノ基、ピリジル基が好ましい。
前記脂肪族基、芳香族基または複素環基が有していてもよい置換基としては、例えば、置換基としては、炭素原子数1〜6のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロペンチル、シクロヘキシル基)、炭素原子数2〜6のアルケニル基(例えばビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる。)、炭素原子数2〜6のアルキニル基(例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アミノ基(例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。)、アリールオキシ基(例えばフェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基)、アシル基(例えばアセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェニルオキシカルボニル基)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基。)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えばメトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば(フェニルオキシカルボニルアミノ基)、スルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基)、スルファモイル基(例えばスルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基)、カルバモイル基(例えばカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基)、スルホニル基(例えばメシル基、トシル基)、スルフィニル基(例えばメタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基)、ウレイド基(例えばウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基)、リン酸アミド基(例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミド)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(例えばイミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基)、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基)などを挙げることができる。これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。、その中でもメチル基、フルオロ基が好ましい。
前記一般式(3)におけるR5は、水素原子または脂肪族基であることが好ましく、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、水素原子またはメチル基であることが特に好ましく、メチル基であることがより特に好ましい。
前記Lは、2価の脂肪族基、2価の芳香族基、−C(=O)−、または−L1−L2−であることが好ましい(但し、L1およびL2の一方が、−C(=O)−、−O−、−N(R2)−またはそれらの組合せを表し、他方が2価の脂肪族基、2価の芳香族基、2価の複素環基を表す。前記2価の脂肪族基、2価の芳香族基および2価の複素環基は置換基を有していてもよい。R2は水素原子またはアルキル基を表す。)。ここで、前記−L1−L2−はL1が主鎖に連結する。
前記Lは−L1−L2−であることがより好ましい。
前記Lは、L1が−C(=O)−、−O−、−N(R2)−またはそれらの組合せであり、かつ、L2が2価の脂肪族基、2価の芳香族基、2価の複素環基であることが特に好ましい。
前記Lにおける2価の芳香族基としては、炭素数6〜12の芳香族基が好ましく、フェニレン基、ナフチレン基であることが好ましく、置換基を有していてもよいフェニレン基であることがより好ましく、無置換のフェニレン基であることが特に好ましい。
前記Lにおける2価の複素環基としては、ピリジレン基、ピロリジレン基、ピペリジレン基、ピペラジレン基、ピロリレン基、モルホリニレン基、チアモルホリレニン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、ピロリドニレン基、ピペリドニレン基を挙げることができ、その中でもモルホリニレン基が好ましい。
前記2価の脂肪族基、2価の芳香族基および2価の複素環基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン基を挙げることができ、その中でもアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
前記L2は2価の脂肪族基、2価の芳香族基、2価の複素環基であることが好ましく、炭素数1〜5の置換基を有していてもよいアルキレン基、フェニレン基、であることがより好ましく、炭素数1〜5の置換基を有していてもよいアルキレン基またはフェニレン基であることが特に好ましく、炭素数1〜5の置換基を有していてもよいアルキレン基であることがより特に好ましく、エチレン基であることがさらにより特に好ましい。
なお、前記L1およびL2における前記2価の脂肪族基、2価の芳香族基および2価の複素環基の好ましい範囲は、前記Lにおける前記2価の脂肪族基、2価の芳香族基および2価の複素環基の好ましい範囲と同じである。
より好ましくは、前記一般式(1)または(2)におけるR5が水素原子またはメチル基であり、LがL1−L2−である態様である。
特に好ましくは、R5が水素原子またはメチル基であり、L1が−C(=O)−O−であり、L2が炭素数1〜5の置換基を有していてもよいアルキレン基である態様である。
より特に好ましくは、R5が水素原子またはメチル基であり、L1が−C(=O)−O−であり、L2がエチレン基である態様である。すなわち、前記一般式(3)で表されるエチレン性不飽和モノマーがアセト酢酸エチルメタクリレートまたはアセト酢酸エチルアクリレートである態様がより好ましい。
さらに、前記一般式(3)におけるR5がメチル基である態様がさらにより特に好ましく、すなわち、前記一般式(1)で表されるエチレン性不飽和モノマーがアセト酢酸エチルメタクリレートであることがさらにより特に好ましい。
前記R6は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、水素原子またはメチル基であることがより好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
また、下記一般式(4)で表される部分構造を有するエチレン性不飽和モノマーも前記その他のエチレン性不飽和モノマーとして好ましい。
本発明においては、R7、R8、及びR9の何れか二つが互いに結合してそれらが結合している窒素原子、或いは窒素原子及び炭素原子と一緒になって、5〜7員の環状構造を形成することが好ましいが、その場合の環としては、環中に更に窒素原子、硫黄原子または酸素原子を有していても良く、飽和または不飽和の単環、多環または縮合環式のものが挙げられる。具体例としては、例えば、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピロール環、モルホリン環、チアモルホリン環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピロリドン環、ピペリドン等の複素環が挙げられ、これらの環は更に、前記R7、R8、及びR9で表される基が有しても良い置換基によってさらに置換されていてもよい。
本発明において、分子内に前記一般式(1)で表される部分構造を有するエチレン性不飽和モノマーは分子内にエチレン性不飽和結合を有するが、前記R7、R8、及びR9で表される基の少なくとも一つがエチレン性不飽和結合を有する基としてアルケニル基を表すか、或いは前記R7、R8、及びR9で表される基の少なくとも一つが部分構造としてエチレン性不飽和結合を有することを意味する。エチレン性不飽和結合の具体例としては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、1,2−エポキシ基、ビニルベンジル基、ビニルエーテル基などが挙げられるが、好ましくは、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基である。
前記分子内にシアノ基を部分構造として有するエチレン性不飽和モノマーと前記その他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合比率については特に制限はない。前記共重合比(モル比)は前記分子内にシアノ基を部分構造として有するエチレン性不飽和モノマー/前記その他のエチレン性不飽和モノマー=5/95〜100/0であることが好ましく、50/50〜100/0であることがより好ましく、100/0であること(すなわち前記分子内にシアノ基を部分構造として有するエチレン性不飽和モノマーの単独重合体であること)が、本発明のフィルムの光弾性率および含水率を低減させる観点から好ましい。
前記シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーの重量平均分子量は1000〜100000であることが好ましい。さらに好ましくは1000〜50000であり、最も好ましくは、1000〜10000である。
前記シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーの前記セルロースアシレートに対する含有率は1.5〜300質量%である。さらに好ましくは5質量〜200質量%であり、特に好ましくは10〜150質量%であり、より特に好ましくは20〜150質量%であり、さらにより特に好ましくは50〜150質量%である。特に、前記セルロースアシレートに対する含有率が300質量%以下であることが、フィルムの取り扱いやすさの観点から好ましい。
次に前記セルロースアシレートについて詳しく説明する。
前記セルロースアシレートフィルムに用いられるセルロースアシレートの原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えば、丸澤、宇田著、「プラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂」日刊工業新聞社(1970年発行)や発明協会公開技報公技番号2001−1745号(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができる。
前記セルロースアシレートフィルム中には、前記シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマー以外の添加剤として、重縮合ポリマー、レターデーション調整剤(レターデーション発現剤およびレターデーション低減剤);フタル酸エステル、リン酸エステルなどの可塑剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;マット剤などの添加剤を加えることもできる。
前記セルロースアシレートフィルムは、重縮合ポリマーを含むことが、ヘイズ低減の観点から好ましい。
以下、本発明に用いられる重縮合ポリマーである高分子量添加剤について、その具体例を挙げながら詳細に説明するが、重縮合ポリマーである高分子量添加剤がこれらのものに限定されるわけでないことは言うまでもない。
また、前記重縮合ポリマーは、非リン酸エステル系のエステル系化合物であることが好ましい。但し、前記「非リン酸エステル系のエステル系化合物」は、リン酸エステルを含まず、エステル系である、化合物を意味する。
本発明では、前記ポリエステル添加剤の両末端がカルボン酸やOH基とならないように、モノアルコール残基やモノカルボン酸残基で保護することが好ましい。
この場合、モノアルコールとしては炭素数1〜30の置換、無置換のモノアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、イソペンタノール、ヘキサノール、イソヘキサノール、シクロヘキシルアルコール、オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ノニルアルコール、イソノニルアルコール、tert−ノニルアルコール、デカノール、ドデカノール、ドデカヘキサノール、ドデカオクタノール、アリルアルコール、オレイルアルコールなどの脂肪族アルコール、ベンジルアルコール、3−フェニルプロパノールなどの置換アルコールなどが挙げられる。
炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,8−ナフタレンジカルボン酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸等がある。これらの中でも好ましい芳香族ジカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、である。
本発明ではレターデーション低減剤として、リン酸系であるエステル系の化合物や、セルロースアシレートフィルムの添加剤として公知の非リン酸エステル系の化合物以外の化合物を広く採用することができる。
該公報一般式(1)の化合物は、スルホニルクロリド誘導体とアミン誘導体との縮合反応により得ることができる。
上記添加量を30質量%以下とすることにより、セルロース系樹脂との相溶性を向上させることができ、白化を抑制させることができる。2種類以上のレターデーション低減剤を用いる場合、その合計量が、上記範囲内であることが好ましい。
前記セルロースアシレートフィルムは、レターデーション値を発現するために、前記低置換度層に少なくとも1種のレターデーション発現剤を含有することが好ましい。前記レターデーション発現剤としては、特に制限はないが、棒状または円盤状化合物からなるものや、前記非リン酸エステル系の化合物のうちレターデーション発現性を示す化合物を挙げることができる。上記棒状または円盤状化合物としては、少なくとも二つの芳香族環を有する化合物をレターデーション発現剤として好ましく用いることができる。
棒状化合物からなるレターデーション発現剤の添加量は、セルロースアシレートを含むポリマー成分100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがさらに好ましい。前記レターデーション発現剤中に含まれる円盤状化合物が、前記セルロースアシレート100質量部に対して3質量部未満であることが好ましく、2質量部未満であることがより好ましく、1質量部未満であることが特に好ましい。
円盤状化合物はRthレターデーション発現性において棒状化合物よりも優れているため、特に大きなRthレターデーションを必要とする場合には好ましく使用される。2種類以上のレターデーション発現剤を併用してもよい。
レターデーション発現剤は、250〜400nmの波長領域に最大吸収を有することが好ましく、可視領域に実質的に吸収を有していないことが好ましい。
本発明に用いられる可塑剤としては、セルロースアシレートの可塑剤として知られる多くの化合物も有用に使用することができる。可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用いられる。DEPおよびDPPが特に好ましい。
本発明においてはセルロースアシレート溶液に公知の酸化防止剤、例えば、2、6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4、4'−チオビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1、1'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2、2'−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2、5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのフェノール系あるいはヒドロキノン系酸化防止剤を添加することができる。さらに、トリス(4−メトキシ−3、5−ジフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2、4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2、6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリストールジホスファイト、ビス(2、4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどのリン系酸化防止剤をすることが好ましい。酸化防止剤の添加量は、セルロース系樹脂100質量部に対して、0.05〜5.0質量部を添加することが好ましい。
本発明においてはセルロースアシレート溶液に、偏光板または液晶等の劣化防止の観点から、紫外線吸収剤を加えてもよい。紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。本発明に好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えばヒンダードフェノール系化合物、ヒドロキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。ヒンダードフェノール系化合物の例としては、2、6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N、N'−ヘキサメチレンビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1、3、5−トリメチル−2、4、6−トリス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイトなどが挙げられる。ベンゾトリアゾール系化合物の例としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2、2−メチレンビス(4−(1、1、3、3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、(2、4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3、5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1、3、5−トリアジン、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N、N'−ヘキサメチレンビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1、3、5−トリメチル−2、4、6−トリス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2(2'−ヒドロキシ−3'、5'−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、(2(2'−ヒドロキシ−3'、5'−ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2、6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕などが挙げられる。これらの紫外線防止剤の添加量は、光学フィルム全体中に質量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜1000ppmがさらに好ましい。
前記セルロースアシレートフィルムは、フィルムすべり性、および安定製造の観点からマット剤を加えてもよい。前記マット剤は、無機化合物のマット剤であっても、有機化合物のマット剤であってもよい。
前記無機化合物のマット剤の好ましい具体例としては、ケイ素を含む無機化合物(例えば、二酸化ケイ素、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムなど)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化ジルコニウム、酸化ストロングチウム、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化スズ・アンチモン、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン及びリン酸カルシウム等が好ましく、更に好ましくはケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであるが、セルロースアシレートフィルムの濁度を低減できるので、二酸化ケイ素が特に好ましく用いられる。前記二酸化ケイ素の微粒子としては、例えば、アエロジルR972、R974、R812、200、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)等の商品名を有する市販品が使用できる。前記酸化ジルコニウムの微粒子としては、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)等の商品名で市販されているものが使用できる。
前記有機化合物のマット剤の好ましい具体例としては、例えば、シリコーン樹脂、弗素樹脂及びアクリル樹脂等のポリマーが好ましく、中でも、シリコーン樹脂が好ましく用いられる。シリコーン樹脂の中でも、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、トスパール105、トスパール108、トスパール120、トスパール145、トスパール3120及びトスパール240(以上東芝シリコーン(株)製)等の商品名を有する市販品が使用できる。
(フィルムの層構造)
前記セルロースアシレートフィルムは、単層であっても、2層以上の積層体であってもよい。
前記セルロースアシレートフィルムが2層以上の積層体である場合は、2層構造または3層構造であることがより好ましく、3層構造であることが好ましい。3層構造の場合は、本発明のフィルムが溶液製膜で製造する際に前記金属支持体と接する層(以下、支持体面や、スキンB層とも言う)と、前記金属支持体とは逆側の空気界面の層(以下、空気面や、スキンA層とも言う)と、その間に挟まれた1層のコア層(以下、基層とも言う)を有することが好ましい。すなわち、本発明のフィルムはスキンB層/コア層/スキンA層の3層構造であることが好ましい。
なお、前記スキンA層とスキンB層を総称して、スキン層(または表層)とも言う。
本発明の樹脂フィルムの光弾性係数の絶対値は10×10-12m2/N以下が好ましい。好ましくは7×10-12m2/N以下であり、さらに好ましくは5×10-12m2/N以下である。樹脂フィルムの光弾性係数を小さくすることにより、該樹脂フィルムを偏光板保護フィルムとして液晶表示装置に組み込んだ際に、高温高湿下におけるムラ発生を抑制できる。
光弾性係数は、フィルム3.5cm×12cmに切り出し、該フィルムの長辺方向に対して引っ張り応力をかけ、その際の波長632.8nmにおけるレターデーションの変化量を応力の変化量で除することにより算出することができる。
樹脂フィルムの含水率は一定温湿度における平衡含水率を測定することにより評価することができる。平衡含水率は前記温湿度に24時間放置した後に、平衡に達した試料の水分量をカールフィッシャー法で測定し、水分量(g)を試料重量(g)で除して算出したものである。
本発明の樹脂フィルムの25℃相対湿度80%における含水率は5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下がさらに好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。フィルムの含水率を小さくすることにより、樹脂フィルムを偏光板保護フィルムとして液晶表示装置に組み込んだ際に、高温高湿下における液晶表示装置の表示ムラを発生しにくくすることができる。
前記セルロースアシレートフィルムは、ヘイズが1%以下であることが好ましく、0.7%以下であることがより好ましく、0.5%以下であることが特に好ましい。ヘイズを1%以下とすることにより、フィルムの透明性がより高くなり、光学フィルムとしてより用いやすくなるという利点がある。
前記セルロースアシレートフィルムは前記低置換度層の平均膜厚が30〜100μmであることが好ましく、30〜80μmであることがより好ましく、30〜70μmであることがさらに好ましい。30μm以上とすることにより、ウェブ状のフィルムを作製する際のハンドリング性が向上し好ましい。また、70μm以下とすることにより、湿度変化に対応しやすく、光学特性を維持しやすい。
また、前記セルロースアシレートフィルムが3層以上の積層構造を有する場合、前記コア層の膜厚は30〜70μmであることが好ましく、30〜60μmであることがより好ましい。本発明のフィルムが3層以上の積層構造を有する場合、フィルム両面の表層(スキンA層およびスキンB層)の膜厚がともに0.5〜20μmであることがより好ましく、0.5〜10μmであることが特に好ましく、0.5〜3μmであることがより特に好ましい。
前記セルロースアシレートフィルムは、フィルム幅が700〜3000mmであることが好ましく、1000〜2800mmであることがより好ましく、1300〜2500mmであることが特に好ましい。
以下、本発明に用いられるセルロースアシレートフィルムの製造方法について詳細に説明する。
溶液の流延方法としては、調製されたドープを加圧ダイから金属支持体上に均一に押し出す方法、一旦金属支持体上に流延されたドープをブレードで膜厚を調節するドクターブレードによる方法、逆回転するロールで調節するリバースロールコーターによる方法等があるが、加圧ダイによる方法が好ましい。加圧ダイにはコートハンガータイプやTダイタイプ等があるが、いずれも好ましく用いることができる。またここで挙げた方法以外にも、従来知られているセルローストリアセテート溶液を流延製膜する種々の方法で実施することができ、用いる溶媒の沸点等の違いを考慮して各条件を設定することにより、それぞれの公報に記載の内容と同様の効果が得られる。
前記セルロースアシレートフィルムの形成においては共流延法、逐次流延法、塗布法などの積層流延法を用いることが好ましく、特に同時共流延法を用いることが、安定製造および生産コスト低減の観点から特に好ましい。
共流延法および逐次流延法により製造する場合には、先ず、各層用のセルロースアセテート溶液(ドープ)を調製する。共流延法(重層同時流延)は、流延用支持体(バンドまたはドラム)の上に、各層(3層あるいはそれ以上でも良い)各々の流延用ドープを別のスリットなどから同時に押出す流延用ギーサからドープを押出して、各層同時に流延し、適当な時期に支持体から剥ぎ取って、乾燥しフィルムを成形する流延法である。図2に、共流延ギーサ3を用い、流延用支持体4の上に表層用ドープ1とコア層用ドープ2を3層同時に押出して流延する状態を断面図で示した。
また、前記金属支持体の材質については特に制限はないが、SUS製(例えば、SUS 316)であることがより好ましい。
前記セルロースアシレートフィルムの製造方法は、前記ドープ膜を前記金属支持体から剥ぎ取る工程を含むことが好ましい。前記セルロースアシレートフィルムの製造方法における剥離の方法については特に制限はなく、公知の方法を用いた場合に剥離性を改善することができる。
前記セルロースアシレートフィルムの製造方法では、製膜された延伸する工程を含むことが好ましい。前記セルロースアシレートフィルムの延伸方向はフィルム搬送方向と搬送方向に直交する方向(横方向)のいずれでも好ましいが、フィルム搬送方向に直交する方向(横方向)であることが、後に続く該フィルムを用いた偏光板加工プロセスの観点から特に好ましい。
前記セルロースアシレートフィルムの製造方法では、前記セルロースアシレートフィルムを乾燥する工程と、乾燥後の本発明の樹脂フィルムをTg−10℃以上の温度で延伸する工程とを含むことが、レターデーション発現性の観点から好ましい。
また、本発明は、本発明の偏光板保護フィルムを少なくとも一枚用いることを特徴とする偏光板にも関する。
本発明の偏光板は、偏光子と、該偏光子の片面に本発明のフィルムを有することが好ましい。本発明の光学補償フィルムと同様、本発明の偏光板の態様は、液晶表示装置にそのまま組み込むことが可能な大きさに切断されたフィルム片の態様の偏光板のみならず、連続生産により、長尺状に作製され、ロール状に巻き上げられた態様(例えば、ロール長2500m以上や3900m以上の態様)の偏光板も含まれる。大画面液晶表示装置用とするためには、上記した通り、偏光板の幅は1470mm以上とすることが好ましい。
本発明の偏光板の具体的な構成については、特に制限はなく公知の構成を採用できるが、例えば、特開2008−262161号公報の図6に記載の構成を採用することができる。
本発明は、本発明の偏光板保護フィルムまたは本発明の偏光板を有する液晶表示装置にも関する。
本発明の液晶表示装置は液晶セルと該液晶セルの両側に配置された一対の偏光板を有する液晶表示装置であって、前記偏光板の少なくとも一方が本発明の偏光板であることを特徴とするIPS、OCBまたはVAモードの液晶表示装置であることが好ましい。
本発明の液晶表示装置の具体的な構成としては特に制限はなく公知の構成を採用できる。また、特開2008−262161号公報の図2に記載の構成も好ましく採用することができる。
(1)セルロースアシレートフィルムの製膜
<セルロースアシレートの調製>
アセチル置換度2.87のセルロースアシレートを調製した。これは、触媒として硫酸(セルロース100質量部に対し7.8質量部)を添加し、アシル置換基の原料となるカルボン酸を添加し40℃でアシル化反応を行った。またアシル化後に40℃で熟成を行った。さらにこのセルロースアシレートの低分子量成分をアセトンで洗浄し除去した。
(セルロースアシレート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液1を調製した。
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セルロースアシレート溶液1の組成
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アセチル置換度2.87、重合度370のセルロースアセテート
100.0質量部
トリフェニルフォスフェート 8.0質量部
フェニルビフェニルフォスフェート 4.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 353.9質量部
メタノール(第2溶媒) 89.6質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 4.5質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液2を調製した。
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マット剤溶液2の組成
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平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、
日本アエロジル(株)製) 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 69.3質量部
メタノール(第2溶媒) 17.5質量部
n−ブタノール(第3溶媒)
前記セルロースアシレート溶液1 0.9質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、紫外線吸収剤溶液3を調製した。
紫外線吸収剤溶液3の組成
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下記紫外線吸収剤C 20.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 61.0質量部
メタノール(第2溶媒) 15.4質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 0.8質量部
前記セルロースアシレート溶液1 12.8質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
<基層用ドープ101の調製>
(セルロースアシレート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、基層用ドープを調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアシレート溶液2の組成
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アセチル置換度2.87、重合度370のセルロースアセテート
100.0質量部
エチレン性不飽和モノマーAの単独重合体 43.0質量部
前記紫外線吸収剤C 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 297.7質量部
メタノール(第2溶媒) 75.4質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 3.8質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ドラム流延装置を用い、前記調製したドープ(基層用ドープ)と、その両側に表層用ドープとを3層同時にステンレス製の流延支持体(支持体温度−9℃)に流延口から均一に流延した。各層のドープ中の残留溶媒量が略70質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をピンテンターで固定し、残留溶媒量が3〜5質量%の状態で、横方向に1.28倍延伸しつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、実施例101のセルロースアシレートフィルムを得た。得られたセルロースアシレートフィルムの厚みは60μm、幅は1480mmであった。
〔実施例102〜112および比較例201〜207の偏光板保護フィルムの作製〕
実施例101においてエチレン性不飽和重合体の種類および添加量を表1に記載したとおりに変更した以外は同様にして、実施例102〜112および比較例201〜207の偏光板保護フィルムを製造した。
(光弾性係数の測定)
フィルムを3.5cm×12cmに切り出し、荷重無し、250g、500g、1000g、1500gのそれぞれの荷重におけるReをエリプソメーター(M150、日本分光(株))で測定し、応力に対するRe変化の直線の傾きから算出することにより光弾性係数を測定した。
25℃相対湿度80%の環境下24時間調湿後、平沼産業(株)社製AQ−2000カールフィッシャー水分測定装置で平衡含水率を測定した。
フィルム試料40mm×80mmを、25℃相対湿度60%の環境下で、ヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)で、JIS K−6714に従って測定した。
比較例202および203は特開2009−126899号公報に例示されているモノマーを単独で用いた態様であり、比較例207は特開2009−126899号公報の実施例で用いられているモノマー2種の共重合体を用いた態様であるが、いずれも本発明のフィルムよりも上記性能に劣るものであった。
また、比較例204は特開2008−26881号公報に記載されているようにマット剤として通常添加する添加量の範囲でポリアクリロニトリル(エチレン性不飽和モノマー(101)を単独重合したポリマー)を用いた態様であるが、前記分子内にシアノ基を部分構造として有するエチレン性不飽和モノマーを用いた重合体をセルロースアシレートに対して1.5質量%以上添加した本発明のフィルムは、上記重合体の添加量が1.5質量%未満である比較例204のフィルムよりも顕著に上記性能が改善されていることがわかった。
一方、比較例205は前記分子内にシアノ基を部分構造として有するエチレン性不飽和モノマーを用いた重合体をセルロースアシレートに対して300質量%を超えて添加した態様であり、流延支持体からフィルムとして剥ぎ取ることができなかった。
比較例206はWO2008/126700号公報に記載されているエチレン性不飽和モノマー(104)を単独重合体として用いた態様であるが、本発明のフィルムよりも上記性能に劣るものであった。
〔偏光板保護フィルムの鹸化処理〕
作製した実施例101の偏光板保護フィルムを、2.3mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で3分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、実施例101の偏光板保護フィルムについて表面の鹸化処理を行った。
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光子を作製した。
鹸化処理した実施例101の偏光板保護フィルムを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の片側に貼り付けた。市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)に同様の鹸化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、作成した実施例101の偏光板保護フィルムを貼り付けてある側とは反対側の偏光子の面に鹸化処理後のセルローストリアセテートフィルムを貼り付けた。
この際、偏光子の透過軸と作成した実施例101の偏光板保護フィルムの遅相軸とは直交するように配置した。また、偏光子の透過軸と市販のセルローストリアセテートフィルムの遅相軸についても、直交するように配置した。
このようにして実施例101の偏光板を作製した。
実施例102〜112の偏光板保護フィルムおよび比較例201〜207の偏光板保護フィルムについても、それぞれ実施例101と同様にして鹸化処理と偏光板の作製を行い、各実施例および比較例の偏光板を作製した。
〔液晶表示装置の作製〕
市販の液晶テレビ(SONY(株)のブラビアJ5000)の視認者側の偏光板をはがし、実施例103の偏光板保護フィルムを用いた本発明の偏光板を、実施例103の偏光板保護フィルムが液晶セル側となるように、粘着剤を介して貼り付けた。視認者側の偏光板の透過軸が上下方向に配置とした。また、比較例201〜207の偏光板保護フィルムを用いた偏光板を用いた以外は同様にして、比較例の液晶表示装置を作製した。このようにして作製した液晶表示装置を60℃相対湿度90%の環境下に24時間放置した後に表示ムラを確認したところ、本発明の液晶表示装置は、各比較例の偏光板保護フィルムを使用した液晶表示装置に対して、ムラが生じない、もしくはムラの発生面積が小さく好ましかった。
2 コア層用ドープ
3 共流延ギーサ
4 流延用支持体
11 偏光子
12 偏光子
13 液晶セル
14 偏光板保護フィルム
15 各実施例および比較例のセルロースアシレートフィルム
Claims (12)
- セルロースアシレートと、
シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーを該セルロースアシレートに対して1.5〜300質量%含有することを特徴とする樹脂フィルム。 - 前記シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーの重量平均分子量が1000〜100000であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂フィルム。
- 前記シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーが、1種または2種以上のシアノ基を含む繰り返し単位のみからなるポリマーまたはオリゴマーであることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂フィルム。
- 前記シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーが、1種または2種以上のシアノ基を含む繰り返し単位と、シアノ基を含まない繰り返し単位とを含むポリマーまたはオリゴマーであることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂フィルム。
- 前記シアノ基を含む繰り返し単位が、前記一般式(1)で表される構造のエチレン性不飽和モノマー由来の繰り返し単位であることを特徴とする請求項5に記載の樹脂フィルム。
- 前記シアノ基を含む繰り返し単位が、1種のみであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂フィルム。
- 前記セルロースアシレートの総アシル置換度が2.00〜2.95であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂フィルム。
- 光弾性係数の絶対値が10×10-12m2/Nであり、ヘイズが1%以下であり、25℃相対湿度80%における含水率が5%以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂フィルム。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の樹脂フィルムを用いたことを特徴とする偏光板保護フィルム。
- 偏光子と、請求項10に記載の偏光板保護フィルムを少なくとも1枚含むことを特徴とする偏光板。
- 請求項10に記載の偏光板保護フィルムまたは請求項11に記載の偏光板を少なくとも1枚含むことを特徴とする液晶表示装置。
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