JP2012155383A - 交通指標算出装置、交通指標算出方法および交通指標算出プログラム - Google Patents

交通指標算出装置、交通指標算出方法および交通指標算出プログラム Download PDF

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Hiroshi Matsumoto
洋 松本
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Abstract

【課題】得られる車両情報が限られている場合でも、交差点に接続する道路の混雑度合いを示す交通の交通指標を精度よく算出する交通指標算出装置を提供する。
【解決手段】この交通指標算出装置は、車両を感知する車両感知器から感知器情報を受信する手段と、車両で計測された車両の位置データを含む車両情報を取得する手段と、その車両情報の交通指標を算出する上での有用度を判定する判定手段と、感知器情報、車両情報、および判定手段の判定結果に基づいて、交通指標を算出する手段を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、交通信号機の制御などに用いる、たとえば待ち行列台数のような交通指標を算出する交通指標算出装置、交通指標算出方法および交通指標算出プログラムに関する。
特許文献1は、プローブ車両の停止位置と信号灯色の切り替わる時刻情報を使って、交差点に流入する車両の停止位置を推定する交通流挙動推定システムを記載する。特許文献2は、プローブ情報と上流感知器の通過台数とを使って、到着プロファイル情報を作成して交通信号制御を行うシステムを記載する。
特開2008−102849号公報 特開2009−245294号公報
特許文献1および特許文献2のように、車両感知器からの情報に加えてプローブ情報(車両情報)を利用することで、推定や制御の精度を向上させることができる。もっとも、現状では、車両情報を送信可能な車載機の普及率が低いため、様々な地域や時間帯で十分な数の車両から車両情報を得るのは困難である。車両情報の得られる車両が少ない場合、対象の地域や時間帯における交通状況に対してその車両情報が合致していなければ、交通情報の推定等の精度は低い可能性が高い。しかし、限られた車両情報であっても、折角得られたその車両情報をうまく活用して、精度良く交通情報を推定したい、という要望があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、車両情報の得られる車両の数が限られている場合でも、交差点に接続する道路の混雑度合いを示す交通指標を適切に算出する交通指標算出装置、交通指標算出方法および交通指標算出プログラムを提供する。
本発明の提供する交通指標算出装置は、交差点に接続する道路の混雑の度合いを示す交通指標を算出する交通指標算出装置であって、車両を感知する車両感知器から感知器情報を受信する手段と、車両で計測された車両の位置データを含む車両情報を取得する手段と、その車両情報の交通指標を算出する上での有用度を判定する判定手段と、感知器情報、車両情報、および判定手段の判定結果に基づいて、交通指標を算出する手段とを備える。
この交通指標算出装置では、車両情報の交通指標を算出する上での有用度を判定し、感知器情報および車両情報に加えて、その判定結果に基づいて、交通指標を算出するため、車両情報の得られる車両の数が限られている場合でも、交通指標を適切に算出することができる。車両情報の得られる車両の数が少なくても、交通状況がその車両情報に適切に反映されていれば、その車両情報を用いることで交通指標の算出、ひいては信号制御等を適切に行うことができ、その車両情報は有用である。逆に、その車両情報が交通状況と合致していなければ、その車両情報を用いることで交通指標の算出や信号制御等の精度が悪化する可能性があり、その車両情報は有用とは言い難い。交通指標の算出に車両情報の有用度の判定結果を用いることで、車両情報の得られる車両の数が限られている場合でも、その車両情報を有効に活用することができる。
有用度は、有用であるか否かで表してもよい。有用度を判定する場合、有用度を表す数値のような符号を同定する必要はなく、その車両情報を交通指標の算出に用いるか否か、どのように用いるかを定めることができればよい。たとえば車両情報のデータが基準データ以上であるか未満であるかによって、当該車両情報を交通指標の算出に用いるか否かが決定できればよく、車両情報のデータが基準データ以上であれば、第1の符号を当該車両情報に割り当て、基準データ未満であれば第2の符号を割り当てるような必要はない。
この交通指標算出装置において、判定手段は、交差点の交通信号機の信号制御情報に基づいて、車両情報の有用度を判定することができる。車両情報が車両の停止位置および停止時刻のデータを含む場合、判定手段は、車両の停止位置および停止時刻に関する基準データを信号制御情報から作成し、その基準データと車両情報のデータとを比較することで、車両情報の有用度を判定することができる。その車両は交通指標を算出しようとする交差点の交通信号機の信号制御に応じて走行・停止するから、このように対象交差点の交通信号機の信号制御情報を用いれば、効果的に車両情報の有用度を判定することができる。
車両情報が、車両の停止位置のデータを含む場合、判定手段は、車両の停止位置に関して予め定められた基準データに基づいて、車両情報の有用度を判定するようにしてもよい。ある交差点における車両の停止位置は一定の範囲に収まることが多い場合、実際の停止位置のデータと基準データとを比較することで、簡単に車両情報の有用度を判定することができる。
判定手段は、感知器情報に基づいて、車両情報の有用度を判定することもできる。たとえば、判定手段は、車両の停止回数に関する基準データを感知器情報から求め、車両情報から得た車両の停止回数のデータと基準データとを比較することで、車両情報の有用度を判定する。感知器情報から得たデータと車両情報から得たデータとが大きく異なるような場合には、車両情報の有用度がないか低い可能性がある。感知器情報に基づいて車両情報の有用度を判定することでも、交通指標を適切に算出することが可能となる。
判定手段は、車両情報における車両の位置データの精度を判定することで、車両情報の有用度を判定することもできる。車両で計測された車両位置の精度が低い場合がある。その場合、たとえば、車両情報から得た車両位置に基づいて車両を道路にマッピングした結果と、光ビーコン等の路側で得た車両位置に基づいて車両を道路にマッピングした結果とが相違するかもしれない。その相違の有無によって、車両情報における車両位置の精度を判定することができる。その判定結果を利用することで、適切な交通指標を算出し易くなる。
上述した複数の判定方法は、それぞれ単独で用いて車両情報の有用度を判定してもよいし、それらを組み合わせて判定してもよい。
交通指標算出装置において、判定手段が、感知器情報に対する車両情報の重みを演算して、その重みのデータを作成し、算出手段が、感知器情報から得たデータと車両情報から得たデータをその重みを荷重平均することで、感知器情報および車両情報から交通指標を算出することができる。しかしながら、判定手段の判定結果に基づいて、交通指標の算出に車両情報を用いるか否かを決定するようにしてもよい。
他の態様において、本発明は、上述の交通指標算出装置に対応する交通指標算出方法を提供する。この交通指標算出方法は、車両を感知する車両感知器から感知器情報を受信する手順と、車両で計測された車両の位置データを含む車両情報を取得する手順と、車両情報の交通指標を算出する上での有用度を演算部が判定する手順と、感知器情報、車両情報、および車両情報の有用度の判定結果に基づいて、交通指標を演算部が算出する手順とを備える。
他の態様において、本発明は、上述の交通指標算出方法の手順をコンピュータに実行させるための交通指標算出プログラムを提供する。
本発明によれば、以上のように、車両情報の得られる車両の数が限られている場合でも、交差点の交通指標を精度よく算出することができる。
本発明の前述やその他の目的、特徴および利点は、以下で添付図面を参照して説明する実施の形態でより明らかにする。図面において、同一の符号は異なる図面においても同一部分を示す。
本発明の実施の形態に係る交通信号制御システムの全体構成を示す図である。 交通信号制御システムの交差点周辺の構成例をより詳細に示す図である。 交通信号制御機の構成例を説明するための図である。 車載装置の構成例を説明するための図である。 中央装置の構成例を説明するための図である。 車両情報から得た車両の位置にもとづいて待ち行列台数を算出する方法を説明するための道路平面図である。 車両情報の評価方法の一例を説明するための図である。 交通量と停止回数の関係の一例を示す図である。 車両の停止回数に関する基準値の具体例を説明するための図表である。 車両情報を測位精度により評価する方法の一例を説明するための図である。 複数の車両の車両情報を比較することで車両情報の有用度を判定する例を説明するための図である。 車両情報に含まれる各種データのビット割り当て例を説明するための図表である。
図1は本発明の実施の形態に係る交通信号制御システムの全体構成を示す図である。この交通信号制御システム100は、交通信号機101と、交通信号機101の中央装置102と、車両103を感知する車両感知器104と、車両103に搭載された車載装置と無線通信する無線通信装置105とを備える。交通信号制御システム100は、車両感知器104や無線通信装置105から交通情報を収集し、交通信号機101を制御したり交通情報を提供したりすることができる。交通信号機101は、信号制御情報を設定することで制御される。信号制御情報は、典型的にはサイクル長、スプリット、およびオフセットである。
サイクル長は、信号現示が一巡するのに要する時間であり、スプリットは、一サイクル長に対する各現示が占める時間の割合である。ここで、現示とは、交差点において、ある一組の交通流に対して同時に割り当てられている通行権のことである。オフセットは、対象交差点と隣接交差点とのサイクル開始タイミングの時間差である相対オフセットや、対象交差点と基準交差点とのサイクル開始タイミングの時間差である絶対オフセットとして表現される。このような信号制御情報を設定するために、交通信号制御システム100は、MODERATO(Management by Origin-DEstination Adaptation for Traffic Optimization)制御や、プロファイル制御をすることができる。
MODERATO制御やプロファイル制御は、中央装置102が行うことができる。MODERATO制御では、中央装置102のネットワークに属する(管轄する)すべての交通信号機101がマクロ制御される。近飽和の交通状態に対応するために、負荷率という交通指標を用いて各交通信号機101に対する信号制御情報を決定する。近飽和状態では、だんだんと交通量が増えてきて、交通密度が高くなり、任意速度での走行や追越しが困難になる。各交差点について、現示ごとの各流入路の負荷率の最大値を求め、現示負荷率の比で正規化されたスプリットを配分する負荷率比配分方式が採用される。負荷率は、車両の流入流量Q(台/時)、待ち行列台数E(台/時)および飽和交通流率s(台/時)を用いて、ρ=(Q+k・E)/s (kは重み定数)で定義される。
プロファイル制御では、中央装置102のネットワークに属する一部の交通信号機101がミクロ制御され、その交通信号機101に対する青信号時間が微調整される。プロファイル制御では、交通状況の変化が予測され、対象交差点での信号待ちによる遅れ時間が最小となるように青信号の打ち切りタイミングが決定される。ある交差点における、停止線の到着プロファイルの情報と信号制御情報とに基づいてシミュレーション演算を行い、現時点から1サイクル以上未来までの待ち行列台数Eの変動状況を計算する。このような制御を行う中央装置102は、交通管制センター内や道路上に設置することができる。
本実施の形態において、本発明の交通指標算出装置は、交通信号制御システム100における中央装置102として利用される。MODERATO制御やプロファイル制御には、交差点の交通指標として待ち行列台数が用いられる。中央装置102は、車両感知器104から得た感知器情報、および無線通信装置105から得た車両103の車両情報(プローブデータ)の両方を用いて待ち行列台数を特定し、その待ち行列台数に基づいて、対象の交通信号機101を制御する。
図2は交通信号制御システムの交差点周辺の構成例をより詳細に示す図である。この例は交通量の多い主道路RM1,RM2と交通量の少ない従道路RS1,RS2とが合流した交差点周辺の例である。この交差点における交通信号機は、主道路RM1,RM2および従道路RS1,RS2のそれぞれに設置された信号灯器201と、これら信号灯器201と通信可能に接続された交通信号制御機202とを有する。交通信号制御機202は、中央装置102から信号制御指令を受信し、その信号制御指令から定めた信号制御情報に基づいて、各信号灯器201に、青・黄・赤および右折矢等の各信号灯の点灯・消灯および点滅を行わせる。
交通信号制御機202には、車両感知器104および無線通信装置105が通信可能に接続される。交通信号制御機202は、車両感知器104から感知器情報を受信する。車両感知器104は、交差点に流入する車両103を感知し、検出結果(感知器情報)を交通信号制御機202に送信する。車両感知器104は、道路上の車両103を感知することによって、車両の通過台数、時間占有率、平均通過速度などの交通情報を計測することができる。車両感知器104は、典型的には超音波式感知器である。しかしながら、ループコイル式感知器や遠赤外線式感知器など他の種類の感知器であってもよい。車両感知器104は、たとえば停止線から150m上流に設置される。車両感知器104は、停止線より上流側に複数設置することができる。一般的には、交通量計測用の感知器が停止線から150m上流に設置され、渋滞計測用の感知器が停止線から300m、500m、以降250m間隔で設置される。
また交通信号制御機202は、無線通信装置105を用いて、交差点を通過する車両103の車載装置203と通信する。複数の車両に共通する情報については無線通信装置105により同報通信を行う。無線通信装置105は、車載装置203から送信された車両情報を受信するとともに、渋滞情報などの交通情報や、死角の車両の存在などの安全情報、信号時間情報、地図情報、周辺の店舗の情報などを車載装置203に送信する。無線通信装置105には、UHF帯もしくはVHF帯などを利用した無線LANのような中域通信装置を利用することができる。しかしながら、これに代えて、光ビーコンや、電波ビーコン、RFIDまたはDSRC等の狭域通信機能を有する路上通信装置を利用してもよい。また、携帯電話、PHS,多重FM放送などの広域通信により交通情報を提供することもできる。双方向の広域通信では特に交差点付近に無線通信装置がなくとも、携帯電話網や固定網、インターネットなどを介して車両情報を取得することができる。
図3は交通信号制御機の構成例を説明するための図である。交通信号制御機202は、有線通信部301、記憶部302、灯器駆動部303、および演算部304を備える。演算部304には、一または複数のマイクロコンピュータを利用することができる。演算部304は、有線通信部301、記憶部302、灯器駆動部303、および無線通信装置105と内部バスや各種インターフェイスを介して接続され、これらに対して入出力を行うことで交通信号制御機202の機能を実現する。
有線通信部301は、本実施の形態において、中央装置102および車両感知器104と通信するために用いられる。中央装置102から信号制御指令および交通情報を受信し、車両感知器104から感知器情報を受信する。また、車両感知器104から受信した感知器情報、および無線通信装置105から受信した車両情報を中央装置102に送信する。
記憶部302には、ハードディスクや半導体メモリ等の各種記録媒体を利用することができる。記憶部302は、有線通信部301から受信した各種情報および無線通信装置105から受信した車両情報(車両の位置データおよび識別データを含む)などを記憶する。
灯器駆動部303は半導体リレーを有し、演算部304からの指令信号にしたがって、複数の信号灯器201の青色灯、黄色灯、赤色灯それぞれに対応して各色の信号灯に供給される交流電圧(AC100V)または直流電圧をそのリレーによってオン/オフする。
演算部304は、有線通信部301により受信された中央装置102からの信号制御指令に基づいて灯器駆動部303への指令信号を生成し、それによって適当なタイミングで各信号灯器の信号灯色を切り替えさせる。
なお、交通信号制御機が通信・記録する車両情報のような情報には、ハードウェア的にまたはソフトウェア的にプライバシー保護のためにセキュリティを施すようにしてもよい。
図4は車載装置の構成例を説明するための図である。車載装置203は、無線通信装置105と通信して交通信号制御機202との間で各種情報を授受するとともに、目的地へのナビゲーションをすることができる。車載装置203は、GPS処理部401、方位センサ402、車速取得部403、通信部404、記憶部405、操作部406、表示部407、音声出力部408、および演算部409を備える。
GPS処理部401は、GPS衛星からのGPS信号を受信し、GPS信号に含まれる時刻情報、GPS衛星の軌道、測位補正情報等に基づいて、車両の位置(緯度、経度および高度)を計測する。
方位センサ402には、光ファイバジャイロを用いることができる。方位センサ402は、車両の方位および角速度を計測する。車速取得部403は、車速センサが車輪の角速度を検出することにより計測した車両の速度データを取得する。
通信部404は、無線通信装置105による無線発信が行われない期間に、他の車両上の車載装置との通信、すなわち車車間通信を行うことができる。通信部404は、自車両の位置データおよび速度データを車両情報としてリアルタイムに(たとえば0.1から1.0秒周期で)発信する。この車両情報は、無線通信装置105によりモニタリングされる。また通信部404は、車両の走行によって無線通信装置105の通信領域で、その無線通信装置105から交通情報を受信することもできる。
記憶部405には、ハードディスクや半導体メモリ等の各種記録媒体を利用することができる。記憶部405は、通信部404が受信した交通情報、および車載装置203自身が計測した車両情報のデータなどを記憶する。記憶部405には、車車間通信により得た周囲の車両の車両情報を蓄積してもよい。記憶された自身の車両情報のデータは、演算部409により通信部404に随時出力され、通信部404から送信される。光ビーコンのようにスポット通信する場合には、記憶部405に蓄積された自身の車両情報のデータをそのスポット通信領域で演算部409が読み出し、通信部404によりアップリンクする。記憶部405には、地図データベースも格納される。
この地図データベースにおける道路地図データは、交差点IDと交差点の位置とを対応付けた交差点データと、リンクID、そのリンクの始点・終点・補間点(道路が折れ曲がる地点に対応)それぞれの位置、そのリンクの始点に接続するリンクのリンクID、リンクの終点に接続するリンクのリンクID、およびリンクコストを含むリンクデータを有する。リンクコストは、たとえば、リンクとその終点に接続するリンクの組合せの数だけ用意されており、リンクの始点に進入してから当該リンクの終点を退出し、次に接続するリンクの始点に進入するまでに要する時間として定められる。すなわち、リンクコストには、リンクの始点から終点までを走行するのに要するコスト(時間)と、リンクの終点から次のリンクの始点までを走行するのに要するコスト(時間)、つまり、交差点を通過するのに要する時間が含まれる。
操作部406は、タッチパネルやボタンを有し、ドライバを含む車両の搭乗者が目的地の設定等を行えるようになっている。表示部407は、たとえば車両のダッシュボード部分に取付けられるモニタ装置であり、インターフェイス画面を表示する。音声出力部408は、演算部409が作成した音声データをスピーカから出力する。
演算部409には、一または複数のマイクロコンピュータを用いることができる。演算部409は、GPS処理部401、方位センサ402、車速取得部403、通信部404、記憶部405、操作部406、表示部407、音声出力部408とバスを介して接続され、各部に対して入出力を行うことで車載装置203の機能を実現する。
演算部409は、GPS処理部401が計測した車両の位置、方位センサ402が計測した車両の方位および角速度、車速取得部403が取得した車両の速度の各データ、記憶部405に記憶している道路地図データに基づいてマップマッチング処理を行い、道路地図データのリンク上における車両の位置を定める。演算部409は、操作部406により目的地の設定を受け付けた場合には、その車両位置に対して目的地への経路計算を行い、表示部707や音声出力部408を用いてその経路計算の結果を案内する。
図5は中央装置の構成例を説明するための図である。中央装置102には、一または複数のコンピュータを利用することができる。図5の例では一台のコンピュータを中央装置102として用いている。この中央装置102は、記憶部501、通信部502、表示部503、操作部504、および演算部505を備える。演算部505は、記憶部501、通信部502、表示部503、および操作部504とバスを介して接続されており、これら各部に対して入出力を行うことで中央装置102の機能を実現する。
記憶部501には、不揮発性のROMやフラッシュメモリ、揮発性のRAMなど各種半導体メモリ、ハードディスクなどのコンピュータ読み取り可能な媒体を使用することができる。記憶部501は、MODERATO制御やプロファイル制御を行う制御プログラムやその他のプログラムの実行ファイルや、この制御に用いる各種交通指標のデータなどを格納する。実行ファイルには、本発明の交通指標算出方法の各手順を記述した交通指標算出プログラムの実行ファイルまたはプログラムモジュールが含まれる。
演算部505が交通指標算出プログラムを実行することで、中央装置102に用いるコンピュータに交通指標算出方法の各手順を行わせることができる。これによって、中央装置102は本発明の交通指標算出装置として機能する。汎用コンピュータと交通指標算出プログラムを用いるのに代えて、または加えて、交通指標算出方法の手順または交通指標算出装置の機能の一部または全部を専用ハードウェアにより実現してもよい。
交通指標算出プログラムは、電気通信回線や、コンピュータ読み取り可能な媒体を用いて、記憶部501に導入することができる。たとえばCD、DVD、BD等の光学ディスク、フレキシブルディスクのような磁気ディスク、フラッシュメモリを有する取外し可能な半導体メモリデバイスをその導入に利用することができる。
通信部502は、渋滞情報等を含む交通情報や信号制御指令を所定時間ごとに各交通信号機に送信する。信号制御指令は、信号制御情報の演算周期(たとえば1.0〜2.5分)ごとに送信され、交通情報はたとえば5分ごとに送信される。
通信部502は、各交通信号機から、車載装置が搭載されている車両に関する情報である車両情報と、車両通過時に生じるパルス信号よりなる車両感知器104の感知器情報とをリアルタイムで受信している。車両情報は、少なくとも車両の位置データおよび識別データを含む。車両の速度データや車両の方向、運転中の車両の操作情報などをさらに含んでもよい。
通信部502は、中央装置102が本発明の交通指標算出装置として機能するとき、車両感知器104から感知器情報を受信する手段、および、車両で計測された車両の位置データを含む車両情報を取得する手段として動作する。ここで、「車両で計測された」は車両自体で計測された場合に限られるものではなく、車載装置や携帯電話等、車両内に設置または持ち込まれた装置で計測された場合を含む。
表示部503は、中央装置102が管理するエリアの道路地図と、この道路地図上のすべての交通信号機やその他の路上設備の位置を含む画面を表示し、オペレータに渋滞や事故等の状況を報知するのに用いられる。操作部504は、キーボードやマウス等の入力インターフェイスである。この操作部504によってオペレータは表示部503に対する表示切り替え操作等を行える。
演算部505は、中央装置102が本発明の交通指標算出装置として機能するとき、車両情報の交通情報を算出する上での有用度を判定する判定手段と、感知器情報、車両情報、およびその判定結果に基づいて、交通指標を算出する算出手段として動作する。ここでは、交通指標は、MODERATO制御やプロファイル制御に用いる待ち行列台数Eである。
図6は車両情報から得た車両の位置にもとづいて待ち行列台数を算出する方法を説明するための道路平面図である。この図は、車載装置を搭載した車両601が信号待ちによって交差点の上流側で停止している状態を示す。車両601の車載装置から受信した車両情報に、信号待ちの場合の停止位置が含まれているとすると、中央装置102は、その車両情報に含まれる停止位置を用いて、そこから地図データベースにおける交差点Cのノードまでの距離L1を求めることができる。中央装置102は、その距離L1に対して、停止線からノードまでの距離L2(定数)を減じることによって待ち行列長Lを定め得る。その待ち行列長Lを所定の平均車頭間距離で割れば、待ち行列台数Eが得られる。複数の車両から車両情報がそれぞれ得られている場合、待ち行列長Lを定めるのに、最も上流側にある停止位置を用いることができる。
対象車両601が待ち行列の末尾に停止するとは限らないが、待ち行列長Lは待ち行列中に停止した車両の車両情報からも求めることができる。たとえば車両情報のみから得た待ち行列長Lを、次式(1)の通り、車両感知器からの感知器情報で補完する。
’=L+f(cnt) …(1)
ここでL’は感知器情報で補完した待ち行列長であり、cntは車両感知器の通過台数、f()は通過台数から長さを出力する関数である。この関数f()は、一般的にはm・cnt(mは平均車長)で表すことができる。関数f()は、車載装置を搭載した車両が通過してからの経過時間を変数として長さを出力する関数であってもよいし、交通量や占有率の関数であってもよい。これらは当該地点の統計情報から得ることができる。
中央装置の演算部は、車両情報から定めた待ち行列長L(またはL’)と車両感知器により計測した渋滞長Lとを荷重平均することで、待ち行列台数Eを算出することができる。具体的には次式(2)から求める。
E=((1−α)×L+α×L)/H …(2)
ここでHは平均車頭間距離であり、αは0以上1以下の重み係数である。
演算部は、車両情報の交通指標を算出する上での有用度にしたがって、この重みαを調整することで、車両情報の得られる車両の数が限られている場合でも、精度よく待ち行列台数を算出する。重みαの決定にあたって、演算部は、車両情報の有用性を幾つかの方法で評価することができる。
(車両情報の評価方法の第1例)
図7は車両情報の評価方法の第一例を説明するための図である。この第1例では、中央装置の演算部は、待ち行列台数を算出しようとする対象交差点の交通信号機の信号制御情報から得た信号切り替えタイミングに基づいて、車両情報の有用度を判定する。赤信号の開始時刻および法定速度等で定まる定数などを用いれば、車両感知器を通過してからの車両停止時刻または位置を推定することができる。車両情報から取得した停止位置およびその停止時刻が、その推定値から一定範囲内にあれば、待ち行列台数Eを算出する上で有用度が高いと考えることができる。
図7上図では、2台の車両の車両情報からそれぞれ得た2つの走行軌跡701および702、さらには停止波703を示している。車両の停止位置は、赤信号が開始してから時間とともに交差点上流側に延びていき、交通流率に応じた伝搬速度を持っている。これを停止波と呼んでいる。走行軌跡701は、その停止波703と走行軌跡701が交わったとき、すなわち停止波703から想定される、停止線からの待ち行列の最後尾に、車両が加わったときに車両が停止したことを表している。このような車両情報は信用性があり有用度が高い。一方、走行軌跡702は、停止波703から想定される待ち行列の最後尾よりかなり上流で車両が停止したことを示している。このような車両情報は有用度が低い。このため、これら2つの走行軌跡701および702が得られた場合、中央装置の演算部は、走行軌跡702を用いるよりも、走行軌跡701の示す停止位置を用いて待ち行列長を演算する。
本実施の形態において、図7下図のように、中央装置の演算部は、車両情報をその有用度によって段階的に、ここでは3つのレベルL1、L2、およびL3に分類し、その分類に応じて車両情報に対する処理をする。車両情報の有用度は、説明上、レベルL1が最も低く、レベルL3が最も高く、レベルL2がその中間とする。車両情報がレベルL2およびL3に属さない場合、その車両情報はレベルL1に属する。図上の破線はレベルL1に対応する領域が各象限に跨ることを示しているが、レベルL1がその破線内であることを示すものではない。各象限のうちレベルL2およびL3の領域外がレベルL1に対応する。有用度は、有用であるか否かの2段階か、有用でないを含む4段階以上のレベルで表してもよい。
中央装置の演算部は、赤信号の開始時刻、青信号の開始時刻(赤信号の終了時刻)、交通流率などを用いて、停止位置および停止時刻に対する分類の基準値を算出する。中央装置の演算部は、通信部により受信した対象交差点の信号制御情報のデータを記憶部から読み出し、そのデータから赤信号の開始時刻を特定する。
演算部が算出する基準値は、任意の地点、ここでは車両感知器の位置lおよびその位置を通過した時刻tから定めることができる。演算部は、そのために、通信部により受信した車両情報のデータを記憶部から読み出し、車両の位置および時刻を取得する。さらに演算部は、赤信号開始時刻から定めた停止波703や青信号の開始時刻などから、車両感知器を通過した時刻tへの加算値u、u、u、およびuを算出する。これによって、停止時刻に対する基準値t+u、t+u、t+u、t+uを求める。演算部は、また、停止線から車両感知器までの距離lへの加算値m、m、m、およびmを算出する。これによって、停止位置に対する基準値l+m、l+m、l+m、l+mを求める。時刻tへの加算値u、u、u、およびu、ならびに距離lへの加算値m、m、m、およびmは、信号タイミングによって異なるセットを用いてもよい。さらに基準値は交通量にあわせて決定することもできる。
停止位置および停止時刻に対する基準値を算出すると、中央装置の演算部は、それら基準値を用いて車両情報を分類する。演算部は、車両情報の示す停止時刻および停止位置と基準値との関係から、その車両情報の有用度を判定し、その有用度にしたがって、車両情報を用いるか否か、または車両情報に対する重みαを決定する。
中央装置の演算部は、たとえば停止時刻tおよび停止位置lが、t+u<t<t+u、l+m<l<l+mを満たす場合、すなわち説明上のレベルL3に車両情報が属すると有用度を判定した場合、その車両情報を待ち行列台数の算出に用いる。さらに、待ち行列台数の算出の際には、重みαを用いる。説明上のレベルL2に車両情報が属すると有用度を判定した場合、演算部は、その車両情報を待ち行列台数の算出に用いる。さらに、待ち行列台数の算出の際には、重みα(<α)を用いる。重みαおよびαは予め記憶部に格納し、演算部が随時読み出せばよい。
説明上のレベルL1に車両情報が属すると有用度を判定した場合、演算部は、その車両情報を待ち行列台数の算出に用いない。車両情報の得られた車両が一台である場合、重みαを0にするのと変わらない。車両情報の得られた車両が複数台である場合、レベルL1に属する車両情報は待ち行列台数の算出に用いられず、残りの車両情報が待ち行列台数の算出に用いられる。たとえば残りの車両情報のうち、最も停止位置が上流にある車両情報(およびその重み)が待ち行列台数の算出に用いられる。このようにして中央装置の演算部は、重みを調整し、感知器情報および車両情報から待ち行列台数を算出し、その待ち行列台数を用いてMODERATO制御やプロファイル制御を行うことができる。
この第1例では停止波703を使って基準値を求めたが、発進波704を用いてもよい。待ち行列は青信号が開始してからその待ち行列の先頭から徐々に解消する。その伝播速度を表す発進波704との整合性から車両情報の有用度を判定してもよい。なお、停止波703と発進波704との交点に対する停止線からの位置は待ち行列長を表す。複数の車両から車両情報が得られている場合には、各車両の車両情報から停止波伝播速度を求めることで、待ち行列長を定めることも可能である。
(車両情報の評価方法の第2例)
第1例では、赤信号開始からの想定範囲(位置・時刻)内で車両が停止したことを車両情報が表すかどうかで当該車両情報の有用度を演算部が判定した。しかしながら、ある交差点の特定の時間帯、あるいは交通量における渋滞長は統計的に定め得る。このため、統計的に想定した渋滞長の範囲内に車両情報の停止位置が属するか否かによって、簡易的に当該車両情報の有用度を中央装置の演算部が判定することができる。
第2例では、中央装置の記憶部に、停止位置に対する時間帯、あるいは交通量ごとの下流側基準値および上流側基準値が予め格納される。中央装置の演算部は、その基準データとともに、通信部により取得した車両情報のデータを記憶部から読み出す。演算部は、車両情報の示す停止位置が、下流側基準値と上流側基準値との間にあるか否かによりその車両情報の有用度を判定する。下流側基準値と上流側基準値との間にある場合、その車両情報を待ち行列台数の算出に用いる。その算出で用いる重みαは予め記憶部に格納し、演算部が読み出せばよい。
車両情報の示す停止位置が、下流側基準値と上流側基準値との間にない場合、中央装置の演算部は、その車両情報を待ち行列台数の算出に用いない。車両情報の得られた車両が一台である場合、演算部が、重みαを0に設定してもよい。車両情報の得られた車両が複数台ある場合、停止位置が下流側基準値と上流側基準値にある車両情報が、待ち行列台数の算出に用いられる。このように第2例では、信号制御情報を用いずに簡易的に車両情報の有用度を演算部が判定することができる。
(車両情報の評価方法の第3例)
交通状況が渋滞でないのに、車両情報の停止回数が多い場合、その車両情報の有用度はないか低いと評価することができる。交通状況の判定は、車両感知器からの感知器情報によって行われる。その判定は、交通量、あるいは時間占有率ですることができる。
図8は交通量と停止回数の関係の一例を示す図である。この例では、交通量(または時間占有率)がある程度大きくなると、停止回数が加速度的に増大している。任意のサイクル長における、このような停止回数と交通量との関係をあらかじめ統計的に得ておけば、交通量に応じて妥当な平均停止回数の値を得ることができる。すなわち、交通量に対して停止回数の上限を推定することができるので、その上限に対して停止回数が異常に多い場合は、その有用性が低いと判定することができる。
中央装置の記憶部には、このように交通量(あるいは時間占有率)との関係で定めた停止回数の基準値をたとえばテーブルや関数として予め格納することができる。中央装置の演算部は、通信部により受信した感知器情報のデータを読み出し、そのデータの示す交通量を用いて停止回数の基準値を記憶部のテーブルや関数から抽出する。演算部は、車両情報の示す停止回数が基準値を超えているか否かによりその車両情報の有用度を判定する。車両情報の示す停止回数が基準値を超えているとき、その車両情報を待ち行列台数の算出に用いない。車両情報の示す停止回数が基準値以下のとき、その車両情報を待ち行列台数の算出に用いる。
図9は車両の停止回数に関する基準値の具体例を説明するための図表である。この例において、車両の停止回数に関する基準値は、交通量q、飽和交通流率s、当該現示の青時間Tを用いて定められる。q/s・Tが0.95より小さいとき、停止回数の基準値は「0」に、q/s・Tが0.95以上で1.05より小さいとき、停止回数の基準値は「1」にそれぞれすることができる。さらにq/s・Tが1.05以上で1.3より小さいとき、停止回数の基準値は「2」に、q/s・Tが1.3以上で1.4より小さいとき、停止回数の基準値は「3」にそれぞれすることができる。基準値は、q/s・Tが1.4以上のときも、同様にq/s・Tに応じて定めることができる。q/s・Tによる場合わけの仕方(q/s・Tによる区分の数、各区分の範囲)や停止回数の基準値の設定は一例であり、対象地点や時間帯によって通常異なる。また交通量の代わりに、時間占有率を用いて同様に基準値を定めることもできる。
(車両情報の評価方法の第4例)
図10は車両情報の評価方法の第4例を説明するための図である。この例は、一台の車両1001から得た車両情報の示す走行軌跡を表す。車両1001の絵柄それぞれが、時刻T1,T2およびT3における車両1001の位置を示す。車両1001は、車両情報に含まれる測位データに基づいて、時刻T1およびT3において道路(リンク)1002にマッピングされ、時刻T2において道路1003にマッピングされている。車両1001は、時刻T1からT2の間に道路1002から道路1003に移動し、時刻T2からT3の間に道路1003から道路1002に戻っていることになる。しかしながら、車両1001の走行している交差点C1の上流で道路1002と1003は接続されていない。実際には時刻T2において車両1001が道路1002を走行していても、車両での測位精度が高くないために、当該道路1002と近接する異なる道路1003にマッピングされる可能性がある。このように実際と異なるリンクにマッピングされる場合、その車両情報の有用度はないか低いと評価できる。実際と異なるリンクにマッピングされるかどうかは、路側で光ビーコン等により走行軌跡を得ることで判定することができる。すなわち、第4例では、中央装置の演算部が、異なるリンクに車両がマッピングされるかどうかでその車両情報の有用度を判定し、異なるリンクに車両がマッピングされる場合、その車両の位置を示す車両情報を待ち行列台数の算出に用いないか、重みαの値を低く設定する。
さらに車両情報に、DOPなど測位に関する誤差情報がある場合、それを参照して有用度の判定を行ってもよい。また進行方向に関して、車両情報の示す速度と車両位置間隔とが一致しない場合、たとえば、車両情報の示す速度が一定であるが、進行方向の位置が一定間隔でない場合、車両情報が有用でないと判定することができる。
(車両情報の評価方法のその他の例)
中央装置の演算部が車両情報の有用度を判定する場合に、その車両情報の鮮度(取得時刻からの経過時間)を用いることもできる。中広域通信の場合、通常、ほぼリアルタイムに車両の位置情報を収集することができる。すなわち、車両が停止してから数秒以内に車両情報を取得することができる。しかしながら、狭域通信などでは、車両が停止してから車両が取得できるまでの時間が長くなる場合があり、この場合、その車両情報の有用度はないか低くなる可能性がある。演算部は、車両情報の鮮度によっても車両情報の有用度を判定することができる。さらに、上述の各種の評価方法を二つ以上組み合わせることで車両情報の有用度を判定してもよい。さらに交差点の流出部(対象交差点の下流)で先詰まりが生じている場合、それによって車両情報の有用度がないか低いと判定してもよい。
図11は複数の車両の車両情報を比較することで車両情報の有用度を判定する例を説明するための図である。図11において、横軸は時刻を表し、縦軸は停止位置を示す。車両情報は、その車両情報が示す停止位置と発進時刻(蓄積のときは停止線通過時刻)とによって、点1101、1102のようにプロットされる。この例では、5台の車両の車両情報がプロットされている。たとえば車両情報の得られる車両の数が一時的に多くなったときには、このような複数の車両の車両情報を比較することで車両情報の有用度を判定することもできる。中央装置の演算部は、得られた各車両の車両情報から近似直線を求め、車両情報に対応する点と近似直線との距離を比較することで、その車両情報の有用度を判定することができる。
図11の例では、2本の近似直線1103および1104を用いて、各点1101および1102に対応する車両情報の有用度を判定する。この判定を行う場合、対象車両情報を表す点以外の点に対する近似直線を求めるとともに、対象車両情報を表す点を含む全ての点に対する近似直線を求めることができる。たとえば対象車両情報を表す点1102以外の点1101に対する近似直線1103を求めるとともに、全ての点1101および1102に対する近似直線1104を求める。近似直線1104との距離のばらつきよりも近似直線1103との距離のばらつきが小さければ、点1102で表される対象車両情報の有用度は低いと判定し、逆であれば高いとする。この例では、点1102で表される対象車両情報の有用度は低いと判定される。同様の手順を各車両の車両情報に行うことで、複数の車両の車両情報を用いてそのうちの一部の車両に対する車両情報の有用度を判定することができる。
上述の実施の形態では、車両感知器により計測された渋滞長と車両情報から定めた停止位置(待ち行列長)とを荷重平均することで待ち行列台数を演算部が算出した。しかしながら、たとえば、車両感知器により計測した渋滞長と車両情報から定めた待ち行列長との大きい方の値を用いて待ち行列台数を求めるようにしてもよい。さらに、その場合に上述の評価方法によって車両情報の有用度がないか低いと判定された場合には、車両情報による待ち行列長の値をたとえば0に設定するようにしてもよい。
上述の実施の形態では、複数台の車両から車両情報が得られた場合に、代表的な一台の車両の車両情報を抽出して用いたが、これに限られるものではない。そのうちの一部または全ての車両の車両情報を用いるようにしてもよい。たとえば対象となる全ての車両の車両情報から算出した待ち行列長Lp1、Lp2、…それぞれに対して重みβ、β、…を設定し、車両感知器により計測した渋滞長Lと荷重平均することで待ち行列台数を求めるようにしてもよい。さらに停止波を複数の車両の車両情報から推定することで、ある車両の車両情報の有用度を判定するようにしてもよい。
図12は車両情報に含まれる各種データのビット割り当て例を説明するための図表である。たとえば光ビーコンのように、車両情報を蓄積し、スポット通信領域で一括して車載装置から送信する場合、この例のようなデータ構成を有する車両情報を用いることができる。この例においては、車両におけるイベントの種別として、単独停止、方向変動、一定距離走行・方向変動、およびアップリンクが用意されている。このイベント種別によって、車載装置から送信するデータを選別することができる。単独停止の場合、停止時間のデータが、方向変動の場合、絶対方位のデータが、一定距離走行・方向変動の場合、前イベントからの走行距離が、アップリンクの場合、無効値がそれぞれ記録される。単独停止の場合の停止時間は8ビットで表され、その先頭ビットの値で秒と分の場合を区別し、残りの7ビットで時間を表すようになっている。このため、1秒を最小単位として、16進数で0x01(1秒)から0xff(127分)までの時間を割り当てることができる。また方向変動の場合の絶対方位が、北を「1」とし、時計回りに16単位として割り当てられている。一定距離走行や方向変動の場合、前回イベントからの距離に8ビットが割り当てられており、1ビットが5m単位になっている。この場合、16進数で0x01(5m)から0xff(1275m)までの走行距離を割り当てることができる。たとえばこれら各イベントの内容(停止時間、絶対変位、走行距離)を用いることで、蓄積型の車両情報についても同様に有用度を判定することもできる。図12には記載していないが、交差点を通過するまでの停止回数やブレーキによる加減速の状態、ウィンカーなどの車両操作を示す情報を一情報項目として記録しておき、それを車両情報の有用度の判定に利用することもできる。
上述した実施の形態では、本発明の交通指標算出装置を交通信号制御システムにおける中央装置として利用したが、これに限られるものではない。交通信号制御機やその他の装置に本発明の交通指標算出装置を利用するようにしてもよい。さらに交通指標算出装置はハードウェア的に複数の装置により構成されてもよい。たとえば交通信号制御機が有用度の判定を行って、その判定結果を中央装置に送信し、受信した有用度に基づいて中央装置が交通指標を算出するようにしてもよい。さらに交通信号制御に交通指標を用いる場合だけでなく、車両の運転等のために交通指標を算出する場合にも本発明は利用することができる。算出する交通指標は待ち行列台数が代表例である。しかしながら、交差点に接続する道路の混雑の度合いを表す待ち行列長や負荷率、停止回数、旅行時間、遅れ時間、CO排出量など、その他の交通指標を算出する場合にも本発明は利用することができる。
上述した実施の形態は本発明の技術的範囲を制限するものではなく、本発明の範囲内で種々の変形や応用が可能である。
本発明の交通指標算出装置、交通指標算出方法、交通指標算出プログラムは、得られる車両情報が限られている場合でも、交差点の交通指標を精度よく算出することができ、交通信号制御や交通情報の提供など各種用途に利用することができる。
100 交通信号制御システム 101 交通信号機 102 中央装置
103 車両 104 車両感知器 105 無線通信装置
201 信号灯器 202 交通信号制御機 203 車載装置
301 有線通信部 302 交通信号制御機の記憶部 303 灯器駆動部
304 交通信号制御機の演算部
401 GPS処理部 402 方位センサ 403 車速取得部
404 車載装置の通信部 405 車載装置の記憶部
406 車載装置の操作部
407 車載装置の表示部 408 音声出力部 409 車載装置の演算部
501 中央装置の記憶部 502 中央装置の通信部
503 中央装置の表示部 504 中央装置の操作部
505 中央装置の演算部
601 車両
701、702 車両の走行軌跡 703 停止波 704 発進波
1001 車両 1002、1003 道路
RM1、RM2、RS1、RS2 道路

Claims (11)

  1. 交差点に接続する道路の混雑の度合いを示す交通指標を算出する交通指標算出装置であって、
    車両を感知する車両感知器から感知器情報を受信する手段と、
    車両で計測された車両の位置データを含む車両情報を取得する手段と、
    前記車両情報の前記交通指標を算出する上での有用度を判定する判定手段と、
    前記感知器情報、前記車両情報、および前記判定手段の判定結果に基づいて、前記交通指標を算出する算出手段と
    を備える交通指標算出装置。
  2. 前記判定手段は、前記交差点の交通信号機の信号制御情報に基づいて、前記車両情報の有用度を判定する請求項1記載の交通指標算出装置。
  3. 前記車両情報は、車両の停止位置および停止時刻のデータを含み、
    前記判定手段は、車両の停止位置および停止時刻に関する基準データを前記信号制御情報から作成し、前記基準データと前記車両情報のデータとを比較することで、前記車両情報の有用度を判定する請求項2記載の交通指標算出装置。
  4. 前記車両情報は、車両の停止位置のデータを含み、
    前記判定手段は、車両の停止位置に関して予め定められた基準データに基づいて、前記車両情報の有用度を判定する請求項1〜3のいずれか1項に記載の交通指標算出装置。
  5. 前記判定手段は、前記感知器情報に基づいて、前記車両情報の有用度を判定する請求項1〜4のいずれか1項に記載の交通指標算出装置。
  6. 前記判定手段は、車両の停止回数に関する基準データを前記感知器情報から求め、前記車両情報から得た車両の停止回数のデータと前記基準データとを比較することで、前記車両情報の有用度を判定する請求項5記載の交通指標算出装置。
  7. 前記判定手段は、前記車両情報における車両の位置データの精度を判定することで、前記車両情報の有用度を判定する請求項1〜6のいずれか1項に記載の交通指標算出装置。
  8. 前記判定手段は、さらに、前記感知器情報に対する前記車両情報の重みを演算して、その重みのデータを作成し、
    前記算出手段は、前記感知器情報から得たデータと前記車両情報から得たデータを前記重みで荷重平均することで、前記交通指標を算出する請求項1に記載の交通指標算出装置。
  9. 前記交通指標は、待ち行列長または待ち行列台数である請求項1〜8のいずれか1項に記載の交通指標算出装置。
  10. 交差点に接続する道路の混雑の度合いを示す交通指標を算出する交通指標算出方法であって、
    車両を感知する車両感知器から感知器情報を受信する手順と、
    車両で計測された車両の位置データを含む車両情報を取得する手順と、
    前記車両情報の前記交通指標を算出する上での有用度を演算部が判定する手順と、
    前記感知器情報、前記車両情報、および前記車両情報の有用度の判定結果に基づいて、前記交通指標を演算部が算出する手順と
    を備える交通指標算出方法。
  11. 請求項10に記載の手順をコンピュータに実行させるための交通指標算出プログラム。
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