JP2012156093A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】切断時や電極群の巻回時の異物混入が防止でき、余剰の電解液量を少なくしても内部短絡の発生を防止して、安全性に優れた非水電解液二次電池を提供する。
【解決手段】正極板10の長尺方向の端部には正極活物質が未塗布の芯体露出部11a,11b,11c,11dが形成されており、この正極活物質の未塗布の芯体露出部11a,11b,11c,11d上に、正極板10の幅よりも大きな幅を有する絶縁テープ20が貼着されており、この絶縁テープ20の正極板10に接する面の全てに糊剤が塗布されているとともに、正極活物質が未塗布の芯体露出部11a,11b,11c,11dに隣接する正極活物質の塗布部12の一部にも貼着されており、かつ、絶縁テープ20の正極板10からはみ出した部分が、正極板10の幅方向の先端部を起点にして正極板10の裏面に向けて折り返されて貼着されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、金属箔からなる正極芯体に正極活物質が塗布された正極板と、金属箔からなる負極芯体に負極活物質が塗布された負極板とがセパレータを介して相対向するように巻回された渦巻状電極群を備えた非水電解液二次電池に関する。
近年、携帯用電子通信機器や各種の電気機器の電源として、小型軽量でかつ高容量な非水電解液二次電池が用いられるようになった。この種の非水電解液二次電池は、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な黒鉛を負極活物質として用い、リチウム遷移金属酸化物を正極活物質として用い、有機溶媒に溶質としてリチウム塩を溶解した非水電解液を用いて構成される電池である。この場合、正極芯体(通常はアルミニウム箔)に正極活物質を含有する正極合剤を塗布して正極板を作製するとともに、負極芯体(通常は銅箔)に負極活物質を含有する負極合剤を塗布して負極板を作製する。この後、これらの正極板と負極板をセパレータを介して相対向させた後、これらを渦巻状に巻回して渦巻状電極群とする。そして、この渦巻状電極群を非水電解液とともに外装缶内に収容して作製されている。
ところで、この種の非水電解液二次電池においては、正・負極板間に異物が混入して内部短絡が発生したり、あるいは正極板や負極板などに切断バリが生じていて、この切断バリ等によってセパレータが突き破られることにより、内部短絡が発生して、電池電圧が低下したり、あるいは電池が発熱するなどの不具合が生じることがある。これらの中でも、正極活物質の未塗布部(芯体露出部)と、負極板との間で生じる内部短絡においては、特に、電池の発熱が大きくなる傾向にある。このため、このような内部短絡が生じる恐れがある正極板上の部位には内部短絡防止用の絶縁テープを貼り付ける必要がある。
ここで、この種の正極板を作製する場合、正極芯体に正極活物質を塗布し、圧延した後、1セル当たりの極板幅に短冊状に切断して作製するのが一般的である。ところが、短冊状に切断する前に当該正極板の切断箇所に絶縁テープを貼り付けると、切断時に発生する正極活物質や正極芯体の切屑が絶縁テ一プのエッジ部に付着するという事態が生じることとなる。この結果、これらの切屑が電池内部に混入することとなって、内部短絡を引き起こす原因となる。
一方、正極板の切断後に絶縁テープを貼り付ける場合、絶縁テープの貼着装置の精度を考慮すると、絶縁テープのテープ幅は正極板の極板幅よりも大きくする必要がある。この場合、絶縁テープの全面に糊剤が塗布されていると、絶縁テープの糊剤の塗布面の一部が露出したままとなる。このため、電極群の巻取工程でローラー等の設備に貼り付いたり、不純物が付着してしまうなどの不具合の原因となる可能性がある。
そこで、これらの問題を解決するため、正・負極板の少なくとも一方に絶縁テープを配置し、絶縁テープのテープ幅を極板幅よりも広くし、かつ糊剤の塗布幅を極板幅より狭くすることが特許文献1(特開2000−285902号)にて提案されるようになった。
特開2000−285902号公報
ところで、この種の非水電解液二次電池に電解液を注液すると、電解液の一定量までは全て、正・負極板やセパレータやその他の電池構成部材に浸透することとなる。ところが、一定の注液量を超えると、上述した各部材に浸透しきれなくなって、余剰液として外装缶(電池缶)内に存在することとなる。この電解液の余剰液は電池の充放電性能には寄与しない上に、余剰液が増えるほど余分なコストが発生するようになる。このようなことから、良好な電池性能を維持しながら適正な利益の確保のためには余剰液がゼロになるように電解液を注液するのが理想的であるということになる。
そこで、余剰となる電解液を削減することを目的として、上述した特許文献1に記載されているような、テープ幅が正極板の幅よりは広く、かつ糊剤の塗布幅が正極板の幅よりも狭くした絶縁テープを貼着した正極板を用いて電極群を作製した。そして、この電極群を外装缶に挿入するとともに電解液を注液して作製した非水電解液二次電池の保存試験を行った。その結果、余剰の電解液が一定量以上存在すれば問題ないが、それ以上減らすと保存試験中に自己放電が発生して電圧バラツキが生じるようになるという結果が得られた。このため、余剰の電解液は一定の液量までしか減らすことができないということが明らかになった。
ここで、余剰の電解液の一定量以上を減らすと、高温の温度環境での保存試験中に自己放電が発生する詳細なメカニズムは解折中であって、今のところ、不明である。しかしながら、余剰の電解液量が一定量になるように注液して作製した非水電解液二次電池を用いて、高温の温度環境で保存試験を行い、その後、当該非水電解液二次電池を解体して各部品を取り出して観察を行った。その結果、絶縁テ一プに塗布された糊剤の未塗布部のエッジと正極合剤層とが接する部位や、対向するセパレータの上や対向する負極板上に、正極活物質に含まれるコバルトやニッケルやマンガンなどの金属元素が析出していることが明らかになった。そして、余剰の電解液量を減らすにつれてこれら金属元素の析出量が増加していくことが明らかになり、これらの析出した金属により微小ショートが起こっていることが明らかになった。
そこで、本発明は上記問題点を解消するためになされたものであって、正極板の切断時や電極群の巻回時の異物混入が防止できるとともに、余剰の電解液量を少なくしても微小ショートの発生を防止し、安全性に優れた非水電解液二次電池を提供できるようにすることを目的とするものである。
本発明は、金属箔からなる正極芯体に正極活物質が塗布された正極板と、金属箔からなる負極芯体に負極活物質が塗布された負極板とがセパレータを介して相対向するように巻回された渦巻状電極群を備えた非水電解液二次電池であって、上記目的を達成するため、正極板の長尺方向の端部には正極活物質が未塗布の芯体露出部が形成されており、この正極活物質の未塗布の芯体露出部上に、当該正極板の幅よりも大きな幅を有する絶縁テープが貼着されており、この絶縁テープの正極板に接する面の全てに糊剤が塗布されているとともに、正極活物質が未塗布の芯体露出部に隣接する正極活物質の塗布部の一部にも貼着されており、かつ、当該絶縁テープの当該正極板からはみ出した部分が、正極板の幅方向の先端部を起点にして当該正極板の裏面に向けて折り返されて貼着されていることを特徴とする。
ここで、正極板よりも幅が広くかつ、正極板に接する面の全てに糊剤が塗布された絶縁テープを貼り付けるとともに、正極板からはみ出した絶縁テープが、正極板のエッジ部を起点にして裏面の正極側に折り返されて貼り付けられた正極板を用いることで、正極板の切断時や、電極群の巻き取り時に異物が混入するのを防止することが可能となるとともに、余剰の電解液をなくしても保存特性に優れた非水電解液二次電池を実現することが可能となる。この場合、実験を行ったところ、余剰の電解液量を0.0gまで減らしても保存後の電圧バラツキがほとんど発生しないという実験結果が得られ、非常に良好な保存特性を示していることが明らかになった。
この場合、正極板に塗布されている正極活物質として、LiMO2(ただし、MはCo、Ni、Mnから選択される少なくとも1種の元素である)で表されるリチウム遷移金属酸化物を用いるのが望ましい。
本発明においては、正極板の切断時や電極群の巻回時に異物が混入するのを防止できるようになるとともに、余剰の電解液を無くしても保存特性に優れた非水電解液二次電池を実現することが可能となる。
本発明の正極板を模式的に示す平面図あり、図1(a)はその表面図であり、図1(b)は、図1(a)を幅方向に180°回転させた状態の裏面図であり、図1(c)は、図1(a)のA−A断面を示す断面図である。 正極板に貼着される実施例の絶縁テープを模式的に示す平面図あり、図2(a)はその表面図であり、図2(b)はその裏面図である。 正極板に貼着される比較例の絶縁テープを模式的に示す平面図あり、図3(a)はその表面図であり、図3(b)はその裏面図である。 図1に示す正極板に図2に示す実施例の絶縁テープが貼着された状態を模式的に示す平面図あり、図4(a)はその表面図であり、図4(b)は、図4(a)を幅方向に180°回転させた状態の裏面図であり、図4(c)は、図4(a)のA−A断面を示す断面図である。 図1に示す正極板に図3に示す比較例の絶縁テープが貼着された状態を模式的に示す平面図あり、図5(a)はその表面図であり、図5(b)は、図5(a)を幅方向に180°回転させた状態の裏面図であり、図5(c)は、図5(a)のA−A断面を示す断面図である。 本発明のように絶縁テープが貼着された正極板を用いた非水電解液二次電池を模式的に示す断面図である。
ついで、本発明の実施の形態を図1〜図6に基づいて説明するが、本発明はこの実施の形態に何ら限定されるものでなく、本発明の目的を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
1.正極板
まず、正極活物質としてのLiCo1/3Ni1/3Mn1/32と、導電剤としてのアセチレンブラックと、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンと、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)とを混合、混練して正極合剤スラリーを調製した。この正極合剤スラリーを厚みが15μmのアルミニウム製の正極芯体11の両面にドクターブレード法により塗布して、正極芯体11の両面に正極合剤層12を形成した。ついで、この正極合剤層12を乾燥させた後、所定の厚みになるまでローラプレス機により圧延し、その後、幅57mmの短冊状に切断し、端部に正極集電タブ13を溶接して正極板10を作製した。
この場合、図1(a)(b)に示すように、渦巻状電極群の巻内側になるとともに巻始め部となり、かつ正極集電タブ13が溶接される側で、正極芯体11の前端部からx(この場合はx=40mmとした)までは、正極合剤層12が存在しない第1芯体露出部(正極合剤スラリーの未塗布部分)11aが形成されるように正極合剤スラリーを塗布した。また、渦巻状電極群の巻外側になるとともに巻始め部となる側で正極芯体11の前端部からy(この場合はy=20mmとした)までは正極合剤層12が存在しない第2芯体露出部11bが形成されるように正極合剤スラリーを塗布した。
さらに、正極芯体11の後端部(渦巻状電極群の巻終わり部となる部分)からz(この場合はz=60mmとした)までは、正極合剤層12が存在しない第3芯体露出部11cおよび第4芯体露出部11dが形成されるように正極合剤スラリーを塗布した。これにより、正極芯体11の前端部からyまでは正極芯体11の両面に正極合剤層12が存在しない部位が形成され、そこから(x−y)までは正極芯体11の片面に正極合剤層12が存在しない部位が形成され、正極芯体11の後端部からzまでは正極芯体11の両面に正極合剤層12が存在しない部位が形成されることとなる。
2.絶縁テープ
ここで、ポリプロピレンからなる基材21、31に糊剤(粘着剤)としてのゴム系糊剤(この場合は、ブチルゴムを用いた)22、32が塗布されたテープを所定の大きさ(この例においては、幅が60mmで、長さが20mmとなるようにした)に切断して内部短絡防止用絶縁テープ20、30とした。この場合、図2(b)に示すように、基材21の全面にゴム系糊剤22を塗布したものを実施例の内部短絡防止用絶縁テープ20とした。一方、図3(b)に示すように、幅方向の両端部にゴム系糊剤32の未塗布部(この場合は、未塗布部の幅は両端部ともに7mmとした)を形成したものを比較例の内部短絡防止用絶縁テープ30とした。
3.絶縁テープが貼着された正極板
(1)実施例
まず、上述のようにして作製された正極板10(図1参照)と、実施例の内部短絡防止用絶縁テープ20を用意した。この後、図4に示すように、巻内側に形成された第1芯体露出部11aと、これに隣接する正極合剤層12に跨るように内部短絡防止用絶縁テープ20を配置し、貼着するとともに、この正極板10の上下端部より延出した部分を巻外側に折り曲げて、延出した部分を巻外側に貼着して第1絶縁テープ部20aを形成した。ついで、巻外側に形成された第2芯体露出部11bと、これに隣接する正極合剤層12に跨り、かつ第1絶縁テープ部20aに接するように内部短絡防止用絶縁テープ20を配置し、貼着するとともに、この正極板10の上下端部より延出した部分を巻内側に折り曲げて、延出した部分を巻内側に貼着して第2絶縁テープ部20bを形成した。
さらに、巻内側に形成された第3芯体露出部11cと、これに隣接する正極合剤層12に跨るように内部短絡防止用絶縁テープ20を配置し、貼着するとともに、この正極板10の上下端部より延出した部分を巻外側に折り曲げて、延出した部分を巻外側に貼着して第3絶縁テープ部20cを形成した。ついで、巻外側に形成された第4芯体露出部11dと、これに隣接する正極合剤層12に跨り、かつ第3絶縁テープ部20cに重なるように内部短絡防止用絶縁テープ20を配置し、貼着するとともに、この正極板10の上下端部より延出した部分を巻内側に折り曲げて、延出した部分を巻内側に貼着して第4絶縁テープ部20dを形成した。このようにして絶縁テープが貼着された正極板を実施例の正極板aとした。
(2)比較例
一方、上述のようにして作製された正極板10(図1参照)と、比較例の内部短絡防止用絶縁テープ30を用意した。この後、図5に示すように、巻内側に形成された第1芯体露出部11aと、これに隣接する正極合剤層12に跨るように内部短絡防止用絶縁テープ30を配置し、貼着貼着して第1絶縁テープ部30aを形成した。ついで、巻外側に形成された第2芯体露出部11bと、これに隣接する正極合剤層12に跨り、かつ第1絶縁テープ部30aに接するように内部短絡防止用絶縁テープ30を配置し、貼着して第2絶縁テープ部30bを形成した。この場合、第1絶縁テープ部30aおよび第2絶縁テープ部30bにおいて、ゴム系糊剤32の未塗布部は正極板10の表面より遊離した状態にあるとともに、正極板10の上下端部より延出した部分も正極板10から遊離した状態にある。
さらに、巻内側に形成された第3芯体露出部11cと、これに隣接する正極合剤層12に跨るように内部短絡防止用絶縁テープ30を配置し、貼着して第3絶縁テープ部30cを形成した。ついで、巻外側に形成された第4芯体露出部11dと、これに隣接する正極合剤層12に跨り、かつ第3絶縁テープ部30cに重なるように内部短絡防止用絶縁テープ30を配置し、貼着して第4絶縁テープ部30dを形成した。この場合、第3絶縁テープ部30cおよび第4絶縁テープ部30dにおいても、ゴム系糊剤32の未塗布部は正極板10の表面より遊離した状態にあるとともに、正極板10の上下端部より延出した部分も正極板10から遊離した状態にある。このようにして絶縁テープが貼着された正極板を比較例の正極板xとした。
4.負極板
一方、負極活物質としての天然黒鉛と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)と、結着剤してのスチレン−ブタジエンゴム(SBR)とを混合、混練して負極合剤スラリーを調製した。得られた負極合剤スラリーを厚みが8μmの銅製の負極芯体41の両面にドクターブレード法により塗布して負極合剤層42を形成した。ついで、この負極合剤層42を乾燥させた後、所定の厚みになるまでローラプレス機により圧延し、その後、短冊状に切断し、端部に負極集電タブ43を溶接して負極板40を作製した。
5.非水電解液二次電池
ついで、上述のようにして作製した正極板10(a,x)と負極板40との間に、ポリエチレン製微多孔膜からなるセパレータ(幅が60.3mmで、厚みが20μmのもの)45(図6参照)を挟み込んで、渦巻状に巻回して渦巻状電極群を作製した。この場合、負極板40が渦巻状電極群の最外周に配置されるように積層して巻回した。ついで、電極群の上下にそれぞれ絶縁板53、54を配置した後、この電極群を外装缶50の開口部より挿入した。ついで、電極群の負極板40より延出する負極集電タブ43を外装缶50の内底部に抵抗溶接した。ついで、外装缶50の上部に溝入れ加工を施して環状溝51を形成した。
その後、電極群の正極板10より延出する正極集電タブ13を封口体60の蓋体62の底部に溶接した。ついで、外装缶50の開口部に非水電解液(エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)とジメチルカーボネート(DMC)を容積比で25:5:70となるように混合した溶媒に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1.2mol/Lだけ溶解した溶液)を注液した。この後、外装缶50の開口部に絶縁ガスケット65を介して封口体60を載置し、外装缶50の開口部の上端部52を封口体60側にカシメて液密に封口することにより、直径が18mmで、高さが65mmで、設計容量が2250mAhとなる非水電解液二次電池A、Xをそれぞれ作製した。
なお、封口体60は正極端子となる正極キャップ61と、外装缶50の開口部を封止する蓋体62とを備えている。そして、これらの正極キャップ61と蓋体62からなる封口体60内に、電池内部のガス圧が上昇して所定の設定圧力(例えば14MPa)に達すると変形する導電性弾性変形板63と、温度が上昇すると抵抗値が増大するPTC(Positive Temperature Coefficient)素子(図示せず)が配設されている。これにより、電池内に過電流が流れて異常な発熱現象を生じると、PTC素子は抵抗値が増大して過電流を減少させる。そして、電池内部のガス圧が上昇して所定の設定圧力(例えば14MPa)以上になると導電性弾性変形板63は変形して、導電性弾性変形板63と蓋体62との接触が遮断され、過電流あるいは短絡電流が遮断されるようになる。
ここで、実施例の正極板aを用いて作製された非水電解液二次電池を電池Aとし、比較例の正極板xを用いて作製された非水電解液二次電池を電池Xとした。そして、電池Aにおいて、非水電解液の注液量が6.4g(余剰液量は1.4gとなる)のものを電池A1とした。同様に、注液量が6.2g(余剰液量は1.2gとなる)のものを電池A2とし、注液量が5.9g(余剰液量は0.9gとなる)のものを電池A3とし、注液量が5.6g(余剰液量は0.6gとなる)のものを電池A4とし、注液量が5.0g(余剰液量は0.0gとなる)のものを電池A5とした。一方、電池Xにおいて、非水電解液の注液量が6.4g(余剰液量は1.4gとなる)のものを電池X1とした。同様に、注液量が6.2g(余剰液量は1.2gとなる)のものを電池X2とし、注液量が5.9g(余剰液量は0.9gとなる)のものを電池X3とし、注液量が5.6g(余剰液量は0.6gとなる)のものを電池X4とし、注液量が5.0g(余剰液量は0.0gとなる)のものを電池X5とした。
6.60℃保存試験
上述のようにして作製した各電池A1〜A5およびX1〜X5をそれぞれ100個ずつ用いて、下記のようにして60℃での保存試験を行った。この場合、作製後の各100個ずつの電池A1〜A5およびX1〜X5を0.7Itの電流で電池電圧が4.20Vになるまで定電流充電を行い、その後、4.20Vの定電圧で充電電流が1/50Itになるまで充電して満充電状態とした。
ついで、このようにして満充電状態とした各100個ずつの電池A1〜A5およびX1〜X5を60℃の温度環境の恒温槽内に20日間保存した後、25℃になるまで冷却した。その後、各100個ずつの電池A1〜A5およびX1〜X5の電池電圧を測定した。そして、各電池A1〜A5およびX1〜X5において、保存後に測定した電池電圧の内、最も高かった電圧(最大電圧)と最も低かった電圧(最小電圧)との差を電圧バラツキとして求めると、下記の表1に示すような結果となった。
Figure 2012156093
上記表1の結果から明らかなように、電池X1〜X5の場合、非水電解液の余剰液量が0.9g以上である電池X1〜X3においては、良好な保存特性を示すが、非水電解液の余剰液量が0.6g以下である電池X4、X5においては、保存後の電圧バラツキが非常に大きく、保存特性が劣っていることが分かる。一方、電池A1〜A5の場合、非水電解液の余剰液量を0.0gまで減らしても保存後の電圧バラツキはほとんど発生せず、非常に良好な保存特性を示していることが分かる。
ここで、電圧バラツキが非常に大きいのは自己放電が発生していたと考えられるので、これらの電池X4、X5において、電圧バラツキが非常に大きい電池を解体したところ、絶縁テ一プ30の糊剤32の未塗布部のエッジ部と正極合剤層12とが接する部位や、対向するセパレータ45の上や対向する負極板40上に、正極活物質に含まれるコバルトやニッケルやマンガンなどの金属元素が析出していることが確認できた。そして、液量を減らすにつれてこれら金属元素の析出量が増加していくことが確認されるとともに、これら金属析出部にて微小ショートが起こっていることが確認された。
これらのことから、正極板よりも幅が広く、かつ、正極板に貼着される面の全てに糊剤が塗布された絶縁テープを貼着するとともに、正極板からはみ出した絶縁テープが、正極板のエッジ部を起点にして裏面の正極側に折り返されて貼着された正極板を用いることで、正極板を短冊状に切断する時に生じるバリによる内部短絡や、電極群の巻回時の異物混入による内部短絡の発生を防ぐことが可能になるとともに、余剰の電解液を無くしても保存特性に優れた非水電解液二次電池を実現することが可能となる。
なお、上述した実施の形態においては、内部短絡防止用の絶縁テープの基材として、ポリプロピレンを用いる例について説明したが、ポリプロピレンに代えてポリエチレン、軟質ビニル、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、フッ素樹脂などを内部短絡防止用の絶縁テープの基材として用い、上述したブチルゴムからなるゴム系糊剤に代えてアクリル系あるいはシリコーン系などの糊剤を用いるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態においては、正極活物質としてLiCo1/3Ni1/3Mn1/32と表されるリチウム遷移金属酸化物を用いる例について説明したが、LiCo1/3Ni1/3Mn1/32と表されるものに限らず、LiMO2(ただし、MはCo、Ni、Mnから選択される少なくとも1種の元素)で表されるリチウム遷移金属酸化物を用いてもよい。
また、上述した実施の形態においては、負極活物質として天然黒鉛を用いる例について説明したが、天然黒鉛以外に、リチウムイオンを吸蔵・放出し得るカーボン系材料、例えば、カーボンブラック、コークス、ガラス状炭素、炭素繊維、またはこれらの焼成体、人造黒鉛、非晶質酸化物等の公知のものを用いてもよい。
さらに、上述した実施の形態においては、セパレータとしてポリエチレン製の微多孔膜を用いた例について説明したが、セパレータとしては、ポリプロピレン製の微多孔膜など、ポリオレフィン系の微多孔膜も使用できる。さらに、ポリオレフィン系の繊維を使用した不織布セパレータも使用できる。
a,x…内部短絡防止用の絶縁テープが貼着された正極板、10…正極板、11…正極芯体、11a,11b,11c,11d…芯体露出部、12…正極合剤層、13…正極集電タブ、20…内部短絡防止用の実施例の絶縁テープ、21…基材、22…糊剤、30…内部短絡防止用の比較例の絶縁テープ、31…基材、32…糊剤、40…負極板、41…負極芯体、42…負極合剤層、43…負極集電タブ、45…セパレータ、50…外装缶、60…封口体、61…正極端子、62…封口蓋

Claims (2)

  1. 金属箔からなる正極芯体に正極活物質が塗布された正極板と、金属箔からなる負極芯体に負極活物質が塗布された負極板とがセパレータを介して相対向するように巻回された渦巻状電極群を備えた非水電解液二次電池であって、
    前記正極板の長尺方向の端部には正極活物質が未塗布の芯体露出部が形成されており、
    前記正極活物質の未塗布の芯体露出部上に、当該正極板の幅よりも大きな幅を有する絶縁テープが貼着されており、
    前記絶縁テープの前記正極板に接する面の全てに糊剤が塗布されているとともに、前記正極活物質が未塗布の芯体露出部に隣接する正極活物質の塗布部の一部にも貼着されており、
    かつ、当該絶縁テープの当該正極板からはみ出した部分が、前記正極板の幅方向の先端部を起点にして当該正極板の裏面に向けて折り返されて貼着されていることを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 前記正極板に塗布されている正極活物質として、LiMO2(ただし、MはCo、Ni、Mnから選択される少なくとも1種である)で表されるリチウム遷移金属酸化物を備えていることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液二次電池。
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